JP7076044B2 - バルーンカテーテル - Google Patents

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Description

本発明は、バルーンカテーテルに関する。
血管系、リンパ腺系、胆道系、尿路系、気道系、消化器官系、分泌腺及び生殖器官といった、生体管腔内に挿入して使用されるカテーテルが知られている。例えば、特許文献1~4には、カテーテルの一種として、流体の供給によって拡張し、流体の排出によって収縮するバルーンを備えるバルーンカテーテルが開示されている。このようなバルーンカテーテルは、例えば、収縮状態のバルーンを狭窄部までデリバリした後、狭窄部の位置でバルーンを拡張状態とすることで、狭窄部を内側から押し広げる(以降「狭窄部の拡張」とも呼ぶ)ために使用される。このため、バルーンカテーテルにおいては、狭窄部の通過性向上のため収縮状態において細径であることと、狭窄部に対する位置決めのため生体管腔内における視認性(造影性)が高いことが求められる。なお、このような要求は、血管内の狭窄部の拡張のため使用されるバルーンカテーテルにおいて特に顕著である。
特開2012-24329号公報 特開2002-204832号公報 特許第5960910号公報 特表2015-509440号公報
特許文献1~4に記載のバルーンカテーテルは、バルーンの内側において、放射線不透過性材料で形成された造影マーカーを備えている。しかし、特許文献1~4に記載のバルーンカテーテルにおいて、造影マーカーによる視認性を向上させようとすれば、造影マーカーを厚くせざるを得ないためバルーンの細径化を図ることができず、バルーンを細径化しようとすれば、造影マーカーを薄くせざるを得ないため造影マーカーによる視認性を向上できないという課題があった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、バルーンカテーテルにおいて、収縮状態のバルーンの細径化と、バルーン位置の視認性(造影性)の向上とを可能とする技術の提供を目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、バルーンカテーテルが提供される。このバルーンカテーテルは、第1中空シャフトと、前記第1中空シャフトの内側に配置され、先端部が前記第1中空シャフトの先端部から突出した第2中空シャフトと、拡縮可能なバルーンであって、基端部が前記第1中空シャフトの先端部に接合され、先端部が前記第2中空シャフトの先端部に接合されたバルーンと、前記バルーンの内側に設けられたチャンバと、を備え、前記チャンバは、前記第2中空シャフトの外表面に固定された固定部と、前記固定部に接続され、前記第2中空シャフトの外表面から離間した離間部であって、内側において前記第2中空シャフトの外表面との間に空間を規定する離間部と、を有し、前記離間部の少なくとも一部分には、前記空間と前記バルーンの内側とを連通する開口が形成されている。
バルーンを拡張させるための流体としては、放射線不透過性を有する造影剤を含む液体が使用されることが一般的である。この構成によれば、バルーンの内側に設けられたチャンバは、チャンバの内側において第2中空シャフトの外表面との間に空間を規定する離間部を有し、離間部の少なくとも一部分には、チャンバの内側空間とバルーンの内側とを連通する開口が形成されている。このため、バルーンの拡張時には、流体(造影剤)がバルーンの内側を満たすと共に、離間部の開口からチャンバの内側空間へと流れ込む。バルーンの収縮時には、流体がバルーンの内側から排出されるが、流体の一部は、依然としてチャンバの内側空間に残存する。このため、本構成によれば、チャンバの内側空間に残存した流体(造影剤)によって、バルーンの位置の視認性(造影性)の向上を図ることができる。また、本構成によれば、チャンバを薄肉化できるため、収縮状態のバルーンの細径化を図ることができる。
(2)上記形態のバルーンカテーテルにおいて、前記固定部は、前記チャンバの先端部に設けられた第1固定部と基端部に設けられた第2固定部とから成り、前記離間部は、前記第1固定部と前記第2固定部の間に設けられていてもよい。
この構成によれば、固定部は、チャンバの先端部に設けられた第1固定部と基端部に設けられた第2固定部とから成り、離間部は、第1固定部と第2固定部の間に設けられている。このため、チャンバの内側空間へと流れ込んだ流体(造影剤)を、チャンバの内側空間から抜け出にくくすることができる。また、先端部と基端部の2か所によって、チャンバを第2中空シャフトに強固に固定できる。
(3)上記形態のバルーンカテーテルにおいて、前記固定部は、前記チャンバの基端部に設けられ、前記離間部は、前記チャンバの先端側に設けられていてもよい。
この構成によれば、固定部はチャンバの基端部に設けられ、離間部はチャンバの先端側に設けられているため、チャンバの先端部(離間部の先端部)を、そのままチャンバの内側空間とバルーンの内側とを連通する開口とすることができる。このため、チャンバに開口を形成する加工を施す必要がなく、チャンバを容易に形成できる。また、開口を大径化することができるため、チャンバの内側空間へと流体(造影剤)を流れ込みやすくできる。さらに、開口がチャンバの先端部に位置するため、チャンバの内側空間へと流れ込んだ流体を、チャンバの内側空間から抜け出にくくすることができる。
(4)上記形態のバルーンカテーテルにおいて、前記チャンバは、前記第2中空シャフトの周方向の全体に亘って設けられていてもよい。
この構成によれば、チャンバは、第2中空シャフトの周方向の全体に亘って設けられているため、チャンバの内側空間に多くの流体(造影剤)を留まらせることができ、バルーンの位置の視認性(造影性)をより向上できる。
(5)上記形態のバルーンカテーテルにおいて、前記チャンバは、前記第2中空シャフトの周方向において、前記固定部と、前記離間部とが交互に設けられていてもよい。
この構成によれば、第2中空シャフトの周方向において、固定部と、離間部とが交互に設けられているため、チャンバの内側空間へと流れ込んだ流体(造影剤)を、チャンバの内側空間からより一層抜け出にくくすることができる。また、周方向に離間部と交互に設けられた固定部によって、チャンバを第2中空シャフトに強固に固定できる。
(6)上記形態のバルーンカテーテルにおいて、前記離間部には、内表面に凹部が形成されていてもよい。
この構成によれば、離間部には、内表面に凹部が形成されているため、チャンバの内側空間へと流れ込んだ流体(造影剤)を、凹部において捕捉することができる。この結果、チャンバの内側空間へと流れ込んだ流体を、チャンバの内側空間からより一層抜け出にくくすることができる。
(7)上記形態のバルーンカテーテルにおいて、前記離間部には、複数の前記開口が形成されていてもよい。
この構成によれば、離間部には、複数の開口が形成されているため、チャンバの内側空間へと流体(造影剤)を流れ込みやすくできる。
(8)上記形態のバルーンカテーテルにおいて、前記チャンバは、前記第2中空シャフトの外表面に、略矩形形状または略円形形状の横断面を有する素線を螺旋状に巻回して形成されていてもよい。
この構成によれば、チャンバは、第2中空シャフトの外表面に、略矩形形状または略円形形状の横断面を有する素線を螺旋状に巻回して形成されているため、チャンバを容易に形成できる。
(9)上記形態のバルーンカテーテルにおいて、前記チャンバは、放射線不透過性材料で形成されていてもよい。
この構成によれば、チャンバは、放射線不透過性材料で形成されている。このため、バルーンの拡張前においても、バルーンの位置の視認性(造影性)を確保することができる。また、バルーンの拡張及び収縮後においては、放射線不透過性材料で形成されたチャンバと、チャンバの内側空間に残存した流体(造影剤)によって、バルーンの位置の視認性をさらに向上できる。
(10)本発明の一形態によれば、バルーンカテーテルが提供される。このバルーンカテーテルであって、拡縮可能なバルーンと、前記バルーンの内側に設けられたチャンバと、を備え、前記チャンバの内側には、前記バルーンの拡張及び収縮後において、前記バルーンの拡張に用いられた流体が残存する。
この構成によれば、チャンバの内側には、バルーンの拡張及び収縮後において、バルーンの拡張に用いられた流体が残存する。このため、チャンバの内側に残存した流体(造影剤)によって、バルーンの位置の視認性(造影性)の向上を図ることができると共に、チャンバを薄肉化できるため、収縮状態のバルーンの細径化を図ることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、バルーンカテーテル、バルーンカテーテルの製造方法などの形態で実現することができる。
第1実施形態のバルーンカテーテルの断面構成を例示した説明図である。 チャンバの構成を例示した説明図である。 図1のB1-B1線における断面構成を例示した説明図である。 図1のB2-B2線における断面構成を例示した説明図である。 拡張状態のバルーンカテーテルの断面構成を例示した説明図である。 バルーンの拡張及び収縮後におけるチャンバの構成を例示した説明図である。 第2実施形態のチャンバの構成を例示した説明図である。 第3実施形態のチャンバの構成を例示した説明図である。 第4実施形態のチャンバの構成を例示した説明図である。 第5実施形態のチャンバの構成を例示した説明図である。 第6実施形態のチャンバの構成を例示した説明図である。 第7実施形態のチャンバの構成を例示した説明図である。 第8実施形態のチャンバの構成を例示した説明図である。 第9実施形態のチャンバの構成を例示した説明図である。 第10実施形態のバルーンカテーテルの断面構成を例示した説明図である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態のバルーンカテーテル1の断面構成を例示した説明図である。バルーンカテーテル1は、血管内に挿入して使用されるカテーテルであって、流体の供給/排出によって拡張/収縮するバルーンを備えるバルーンカテーテルである。なお、バルーンカテーテル1は、血管系のほか、リンパ腺系、胆道系、尿路系、気道系、消化器官系、分泌腺及び生殖器官といった、生体管腔内に挿入して使用されるバルーンカテーテルとして構成されてもよい。バルーンカテーテル1は、バルーン10と、チャンバ20と、第1中空シャフト30と、第2中空シャフト40と、コアワイヤ50と、コネクタ60と、先端チップ70と、を備えている。図1では、バルーン10が収縮(縮径)した状態を表す。
図1では、バルーンカテーテル1の中心を通る軸を軸線O(一点鎖線)で表す。以降、バルーンカテーテル1の中心を通る軸と、バルーンカテーテル1の各部材の中心を通る軸とは、軸線Oに一致するものとして説明するが、これらはそれぞれ相違していてもよい。また、図1には、相互に直交するXYZ軸が図示されている。X軸はバルーンカテーテル1の軸線方向(バルーンカテーテル1の挿入方向)に対応し、Y軸はバルーンカテーテル1の高さ方向に対応し、Z軸はバルーンカテーテル1の幅方向に対応する。図1の左側(-X軸方向)をバルーンカテーテル1及び各構成部材の「先端側」と呼び、図1の右側(+X軸方向)をバルーンカテーテル1及び各構成部材の「基端側」と呼ぶ。また、バルーンカテーテル1及び各構成部材について、先端側に位置する端部を「先端」と呼び、先端及びその近傍を「先端部」と呼ぶ。また、基端側に位置する端部を「基端」と呼び、基端及びその近傍を「基端部」と呼ぶ。先端側は、生体内部へ挿入される「遠位側」に相当し、基端側は、医師等の術者により操作される「近位側」に相当する。これらの点は、図1以降においても共通する。
バルーン10は、径方向(YZ軸方向)に拡縮可能であり、かつ、先端側と基端側の両端部が開放したチューブ状の部材である。バルーン10は、内部(内側)に流体を供給することによって、図5に示すように面外変形して径方向の外側へ拡張(拡径)する。また、バルーン10は、内部の流体を排出することによって、図1に示すように面内変形して径方向の内側へ収縮(縮径)する。このように、バルーン10は、流体の供給/排出によって、自在に拡張/収縮することができる。バルーン10の拡張圧、外径及び長さは任意に決定できる。
バルーン10は、軸線O方向(X軸方向)において、バルーンカテーテル1の先端側に配置されている。バルーン10の基端部は、第1中空シャフト30の先端部に接合されている。バルーン10の先端部は、第2中空シャフト40の先端部に配置された先端チップ70に接合されている。なお、バルーン10の先端部は、先端チップ70を介してではなく、第2中空シャフト40に直接接合されていてもよい。接合は任意の方法で実現でき、例えば、エポキシ系接着剤などの接着剤による接合を採用できる。
バルーン10は、内圧の変化に伴って拡張、収縮可能であり、かつ、血管内部の損傷を抑制可能な柔軟性と、病変部内で拡張可能な硬さとを備える材料により形成されている。例えば、バルーン10は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体などのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ塩化ビニル、エチレンー酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレンー酢酸ビニル共重合体、ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂、ポリアミドエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム等により形成できる。
図2は、チャンバ20の構成を例示した説明図である。図2では、図1の破線枠で囲んだ領域A部分の拡大図を表す。図3は、図1のB1-B1線における断面構成を例示した説明図である。チャンバ20は、バルーン10の内側において軸線O方向に延びる第2中空シャフト40の外表面に配置されている。すなわち、チャンバ20は、バルーン10の内側に設けられている。図2に示すように、チャンバ20は、第1固定部21と、第2固定部22と、離間部23とを備えている。
第1固定部21は、チャンバ20の先端部に設けられている。第2固定部22は、チャンバ20の基端部に設けられている。第1固定部21と、第2固定部22とは、それぞれ、第2中空シャフト40の外表面に固定されている。固定は任意の方法で実現でき、例えば、エポキシ系接着剤などの接着剤による接合や、銀ロウ、金ロウ、亜鉛、Sn-Ag合金、Au-Sn合金等の金属はんだによる接合を採用できる。なお、第1固定部21及び第2固定部22は「固定部」に相当する。
離間部23は、軸線O方向において、第1固定部21と第2固定部22の間に設けられている。離間部23の先端部は、第1固定部21に接続されている。離間部23の基端部は、第2固定部22に接続されている。離間部23は、第2中空シャフト40の外表面からYZ軸方向に離間している。このような離間部23は、離間部23の内側において、第2中空シャフト40の外表面との間に空間(以降「内側空間20S」とも呼ぶ)を規定している。離間部23には、開口OPが形成されている。開口OPは、チャンバ20の内側空間20Sと、バルーン10の内側とを連通する貫通孔である。なお、開口OPの形状、軸線O方向における長さ、周方向における長さについては、それぞれ任意に決定できる。
チャンバ20は、第2中空シャフト40の周方向の全体にわたって設けられている。すなわち、第1固定部21及び第2固定部22は、第2中空シャフト40の外表面の全周に固定されている。また、離間部23は、開口OPが設けられている部分を除いて、第2中空シャフト40の外表面の全周を覆うように配置されている(図3)。チャンバ20は、放射線不透過材料である金、白金、タングステン、またはこれらの元素を含む合金により形成されている。
第1中空シャフト30は、軸線Oに沿って延びる長尺状の部材である。第1中空シャフト30は、先端部と基端部にそれぞれ開口が形成され、内側に両開口を連通する内腔(流体ルーメン30L)が形成された中空の略円筒形状である。第1中空シャフト30には、円筒の内外を連通する開口36が形成されている。開口36は、カテーテル1の内部に対してガイドワイヤを出し入れするポートとして機能する。第1中空シャフト30の外径及び長さ、開口36の位置、大きさ、及び形状等は任意に決定できる。開口36は省略してもよい。
第1中空シャフト30の先端部の外表面には、バルーン10の基端部が、流体ルーメン30Lとバルーン10の内側空間とを連通した状態で接合されている。第1中空シャフト30の基端部の外表面には、コネクタ60が、流体ルーメン30Lと内腔60Lとを連通した状態で接合されている。接合は任意の方法で実現でき、例えば、エポキシ系接着剤などの接着剤による接合や、銀ロウ、金ロウ、亜鉛、Sn-Ag合金、Au-Sn合金等の金属はんだによる接合を採用できる。
図4は、図1のB2-B2線における断面構成を例示した説明図である。第2中空シャフト40は、軸線Oに沿って延びる長尺状の部材である。第2中空シャフト40は、先端部と基端部にそれぞれ開口が形成され、内側に両開口を連通する内腔(ガイドワイヤルーメン40L)が形成された中空の略円筒形状である。第2中空シャフト40は、第1中空シャフト30よりも細径であり、先端側の一部分が第1中空シャフト30の先端部から突出し、基端側の一部分が第1中空シャフト30の内腔に挿入された状態で配置されている。
第2中空シャフト40の先端部には、先端チップ70の基端部が、ガイドワイヤルーメン40Lと内腔70Lとを連通させた状態で接合されている。第2中空シャフト40の基端部には、第1中空シャフト30の内側面が、ガイドワイヤルーメン40Lと開口36とを連通させた状態で接合されている。接合は任意の方法で実現でき、例えば、エポキシ系接着剤などの接着剤による接合や、銀ロウ、金ロウ、亜鉛、Sn-Ag合金、Au-Sn合金等の金属はんだによる接合を採用できる。
コアワイヤ50は、バルーンカテーテル1のうち、第2中空シャフト40が設けられている領域よりも基端側における形状を維持するために設けられた中実の長尺状部材である。コアワイヤ50は、先端部が第1中空シャフト30の開口36よりも先端側に位置し、基端部が第1中空シャフト30の基端部に位置するように配置されている。コアワイヤ50の先端部は、先端接合部51によって第1中空シャフト30の内表面に接合されている。コアワイヤ50の基端部は、基端接合部52によって第1中空シャフト30の内表面に接合されている。
先端接合部51及び基端接合部52は、エポキシ系接着剤などの接着剤や、銀ロウ、金ロウ、亜鉛、Sn-Ag合金、Au-Sn合金等の金属はんだにより形成できる。コアワイヤ50の横断面形状、外径及び長さは任意に決定できる。また、コアワイヤ50は、軸線O方向の全体に亘って第1中空シャフト30に接合されていてもよく、3か所以上の接合部によって第1中空シャフト30に接合されていてもよい。
コネクタ60は、バルーンカテーテル1の基端部1pに配置されて、術者によって把持される部材である。コネクタ60は、先端部と基端部にそれぞれ開口が形成され、内側に両開口を連通する内腔60Lが形成された中空状である。コネクタ60は、術者がカテーテル1を把持する際に使用する2枚の羽根部材61を有している。羽根部材61は任意の形状とすることができる。羽根部材61は省略してもよい。
先端チップ70は、バルーンカテーテル1の先端部1dに配置されて、他の部材よりも先行して血管内を進行する部材である。先端チップ70は、先端部と基端部にそれぞれ開口が形成され、内側に両開口を連通する内腔70Lが形成された中空状である。先端チップ70の外側形状は、バルーンカテーテル1の生体管腔内での進行をスムーズにするために、基端側から先端側にかけて縮径している。先端チップ70の外径及び長さは任意に決定できる。
第1中空シャフト30及び第2中空シャフト40は、抗血栓性、可撓性、生体適合性を有することが好ましく、樹脂材料や金属材料で形成できる。樹脂材料としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂等を採用できる。金属材料としては、例えば、SUS304等のステンレス鋼、ニッケルチタン合金、コバルトクロム合金等を採用できる。このほか、放射線不透過材料である金、白金、タングステン、またはこれらの元素を含む合金を採用すれば、X線透視下での視認性を向上させることができ、好ましい。コアワイヤ50は、例えば、SUS304等のステンレス鋼、ニッケルチタン合金、コバルトクロム合金、タングステン合金等の金属材料により形成できる。コネクタ60は、例えば、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエーテルサルフォン等の樹脂材料で形成できる。先端チップ70は、柔軟性を有することが好ましく、例えば、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー等の樹脂材料により形成できる。
図5は、拡張状態のバルーンカテーテル1の断面構成を例示した説明図である。上述した構成を有するバルーンカテーテル1において、第1中空シャフト30の内腔は、バルーン10を拡張させるための流体CAを流通させるための流体ルーメン30Lとして機能する。また、第2中空シャフト40の内腔は、先端チップ70の先端に設けられた開口から、第1中空シャフト30の側面に設けられた開口36へと、ガイドワイヤを挿通させるためのガイドワイヤルーメン40Lとして機能する。バルーン10を拡張させる際、術者は、コネクタ60の基端部から流体CAを供給する。流体CAは、第1中空シャフト30の流体ルーメン30Lを通過して、バルーン10の内側空間に蓄積されることにより、バルーン10を拡張させる(図5)。バルーン10を収縮させる際、術者は、コネクタ60の基端部から流体CAを排出する。これにより、バルーン10の内側空間に蓄積された流体CAが排出され、バルーン10を収縮させる(図1)。なお、バルーン10を拡張させるための流体CAとしては、放射線不透過性を有する造影剤を含む液体が使用される。
図6は、バルーン10の拡張及び収縮後におけるチャンバ20の構成を例示した説明図である。上述の通り、バルーン10の内側に設けられたチャンバ20は、チャンバ20の内側において第2中空シャフト40の外表面との間に空間(内側空間20S)を規定する離間部23を有し、離間部23の少なくとも一部分には、チャンバ20の内側空間20Sとバルーン10の内側とを連通する開口OPが形成されている。このため、バルーン10の拡張時には、流体CA(造影剤)がバルーン10の内側を満たすと共に、離間部23の開口OPからチャンバ20の内側空間20Sへと流れ込む(図5)。その後、バルーン10の収縮時には、流体CAがバルーン10の内側から排出されるが、流体CAの一部は、依然としてチャンバ20の内側空間20Sに残存する(図6)。このため、第1実施形態のバルーンカテーテル1によれば、チャンバ20の内側空間20Sに残存した流体CA(造影剤)によって、バルーン10の位置の視認性(造影性)の向上を図ることができる。また、第1実施形態のバルーンカテーテル1によれば、チャンバ20を薄肉化できるため、収縮状態のバルーン10の細径化を図ることができる。
また、第1実施形態のバルーンカテーテル1によれば、固定部は、チャンバ20の先端部に設けられた第1固定部21と、チャンバ20の基端部に設けられた第2固定部22とから成り、離間部23は、第1固定部21と第2固定部22の間に設けられている。このため、図6に示すように、チャンバ20の内側空間20Sへと流れ込んだ流体CA(造影剤)を、チャンバ20の内側空間20Sから抜け出にくくすることができる。また、先端部と基端部の2か所によって、チャンバ20を第2中空シャフト40に強固に固定できる。
さらに、第1実施形態のバルーンカテーテル1によれば、チャンバ20は、第2中空シャフト40の周方向の全体に亘って設けられている。このため、図6に示すように、チャンバ20の内側空間20Sに多くの流体CA(造影剤)を留まらせることができ、バルーン10の位置の視認性(造影性)をより向上できる。
さらに、第1実施形態のバルーンカテーテル1によれば、チャンバ20は、放射線不透過性材料で形成されている。このため、バルーン10の拡張前においても、バルーン10の位置の視認性(造影性)を確保することができる。また、バルーン10の拡張及び収縮後においては、放射線不透過性材料で形成されたチャンバ20と、チャンバ20の内側空間20Sに残存した流体CA(造影剤)によって、バルーン10の位置の視認性をさらに向上できる。
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態のチャンバ20aの構成を例示した説明図である。第2実施形態のバルーンカテーテル1aは、チャンバ20に代えてチャンバ20aを備える。チャンバ20aは、チャンバ20aの基端部に設けられた第2固定部22と、チャンバ20aの先端側に設けられた離間部23aと、を備えている。換言すれば、チャンバ20aは、第1実施形態で説明した第1固定部21を備えていない。
第2固定部22と離間部23aとは、共に、第2中空シャフト40の周方向の全体にわたって設けられている。離間部23aの先端部は、第2中空シャフト40の外表面との間に、開口OPを形成している。すなわち、開口OPは、チャンバ20aの先端側に形成されている。ここで、離間部23aの先端部における、第2中空シャフト40の外表面とチャンバ20aの内表面との間の長さをL1とする。また、離間部23aの軸線O方向の略中央部における、第2中空シャフト40の外表面とチャンバ20aの内表面との間の長さをL2とする。このとき、第2実施形態の例では、長さL1とL2とは略同一である。すなわち、離間部23aの外径は、軸線O方向の略中央部から先端部に向かって略一定である。
このように、チャンバ20aの構成は種々の変更が可能であり、単一の固定部(第2固定部22)によって、第2中空シャフト40に固定されていてもよい。図示の例では、単一の固定部として、チャンバ20aの基端部に設けられた固定部(第2固定部22)を例示したが、単一の固定部としてチャンバ20aの先端部に設けられた固定部(第1固定部21)を採用してもよい。この場合、チャンバ20aの基端側に開口OPが形成される。このような第2実施形態によっても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
さらに、第2実施形態のバルーンカテーテル1aによれば、第2固定部22(固定部)はチャンバ20aの基端部に設けられ、離間部23aはチャンバ20aの先端側に設けられている。このため、チャンバ20aの先端部(離間部23aの先端部)を、そのままチャンバ20aの内側空間20Sとバルーン10の内側とを連通する開口OPとすることができる。このため、チャンバ20aに開口OPを形成する加工を施す必要がなく、チャンバ20aを容易に形成できる。また、開口OPを大径化することができるため、チャンバ20aの内側空間20Sへと流体CA(造影剤)を流れ込みやすくできる。さらに、開口OPがチャンバ20aの先端部に位置するため、チャンバ20aの内側空間20Sへと流れ込んだ流体CAを、チャンバ20aの内側空間20Sから抜け出にくくすることができる。
<第3実施形態>
図8は、第3実施形態のチャンバ20bの構成を例示した説明図である。第3実施形態のバルーンカテーテル1bは、第2実施形態で説明したチャンバ20aに代えて、チャンバ20bを備える。チャンバ20bは、第2実施形態で説明した離間部23aに代えて、離間部23bを備える。離間部23bの先端部は、第2中空シャフト40の外表面との間に、開口OPを形成している。ここで、離間部23bの先端部における、第2中空シャフト40の外表面とチャンバ20bの内表面との間の長さをL1とする。離間部23bの軸線O方向の略中央部における、第2中空シャフト40の外表面とチャンバ20bの内表面との間の長さをL2とする。このとき、第3実施形態の例では、長さL1は、長さL2よりも小さい。すなわち、離間部23bの外径は、軸線O方向の略中央部から先端部に向かって縮径している。
このように、離間部23bの形状は種々の変更が可能である。例えば、図8に示すように、軸線O方向の略中央部から先端部に向かって縮径した離間部23bを採用してもよく、軸線O方向の略中央部から先端部に向かって拡径した離間部23bを採用してもよい。このような第3実施形態によっても、上述した第1実施形態、及び第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第4実施形態>
図9は、第4実施形態のチャンバ20cの構成を例示した説明図である。第4実施形態のバルーンカテーテル1cは、チャンバ20に代えてチャンバ20cを備える。チャンバ20cは、離間部23に代えて離間部23cを備えている。離間部23cには、軸線O方向に離間して配置された3つの開口OPが形成されている。
このように、離間部23cに形成される開口OPの個数や配置は任意に変更することができる。例えば、図9に示すように、離間部23cには、3つの開口OPが形成されてもよく、2つ、4つ以上等、任意の個数の開口OPが形成され得る。また、チャンバ20cを多孔質体により形成することで、離間部23cに無数の開口OPが形成される構成を採用してもよい。さらに、各開口OPは、軸線O方向に離間して配置されていてもよく、チャンバ20cの周方向に離間して配置されていてもよく、2つ以上の開口OPが連結して配置されていてもよい。このような第4実施形態によっても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、第4実施形態のバルーンカテーテル1cによれば、離間部23cには、複数の開口OPが形成されているため、チャンバ20cの内側空間20Sへと流体CA(造影剤)を流れ込みやすくできる。
<第5実施形態>
図10は、第5実施形態のチャンバ20dの構成を例示した説明図である。第5実施形態のバルーンカテーテル1dは、チャンバ20に代えてチャンバ20dを備える。チャンバ20dは、第1固定部21に代えて第1固定部21dを備え、離間部23に代えて離間部23dを備えている。離間部23dは、基端側の一部分23d2においては、第1実施形態の離間部23と同様の形状を有している。
一方、離間部23dは、先端側の一部分23d1においては、略矩形形状の横断面を有する素線を、第2中空シャフト40の外表面に螺旋状に巻回することにより形成されている。図10において破線で示すように、素線は、基端側から先端側にむかって離間部23dの外径が徐々に縮径するように巻回されており、チャンバ20dの先端部において、第2中空シャフト40の外表面に固定されて、第1固定部21dを形成している。図10に示す離間部23dでは、隣り合う素線同士の隙間が、開口OPを形成している。すなわち、開口OPは、第2中空シャフト40の外側において、螺旋状に延びている。なお、素線は、1本の素線から形成される単線であってもよく、複数本の素線を撚り合せた撚線であってもよい。
このように、チャンバ20dの構成は種々の変更が可能であり、第2中空シャフト40に対して素線を巻回することによって形成されてもよい。図示の例では、離間部23dの先端側の一部分23d1と、第1固定部21dとを素線により形成したが、離間部23dの基端側の一部分23d2や、第2固定部22についても同様に、素線により形成されてもよい。素線の横断面形状や線径、単線/撚線、素線の巻回ピッチ等は任意に決定することができる。このような第5実施形態によっても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、第5実施形態のバルーンカテーテル1dによれば、チャンバ20dは、第2中空シャフト40の外表面に、略矩形形状の横断面を有する素線を螺旋状に巻回して形成されているため、チャンバ20dを容易に形成できる。
<第6実施形態>
図11は、第6実施形態のチャンバ20eの構成を例示した説明図である。第6実施形態のバルーンカテーテル1eは、第2実施形態で説明したチャンバ20aに代えて、チャンバ20eを備える。チャンバ20eは、第2実施形態で説明した離間部23aに代えて、離間部23eを備える。離間部23eは、内表面に3つの凹部23Nが形成されている。各凹部23Nは、それぞれ、離間部23eの周方向に延びる溝形状である。本実施形態では、内側空間20S(すなわち、離間部23eの内側とガイドワイヤルーメン40Lの外表面との間の空間)には、凹部23Nの内部も含まれる。
このように、離間部23eの形状は種々の変更が可能である。例えば、図11に示すように、離間部23eの内表面に凹部23Nを形成してもよい。凹部23Nは、1つでもよく、複数でもよい。また、凹部23Nの形状、大きさ、及び配置は任意に決定できる。例えば、凹部23Nは、溝形状でなく円形形状としてもよく、十字状としてもよい。また、凹部23Nは、離間部23eの内表面に加えて、第1固定部21(図2)や、第2固定部22の内表面に形成されていてもよい。このような第6実施形態によっても、上述した第1実施形態、及び第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
さらに、第6実施形態のバルーンカテーテル1eによれば、チャンバ20eの離間部23eには、内表面に凹部23Nが形成されているため、チャンバ20eの内側空間20Sへと流れ込んだ流体CA(造影剤)を、凹部23Nにおいて捕捉することができる。この結果、チャンバ20eの内側空間20Sへと流れ込んだ流体CAを、チャンバ20eの内側空間20Sからより一層抜け出にくくすることができる。
<第7実施形態>
図12は、第7実施形態のチャンバ20fの構成を例示した説明図である。図7の下段には、上段C1-C1線における断面図と、上段C2-C2線における断面図とをそれぞれ表す。第7実施形態のバルーンカテーテル1fは、第2実施形態で説明したチャンバ20aに代えて、チャンバ20fを備える。チャンバ20fは、第2実施形態で説明した離間部23aに代えて離間部23fを備えると共に、さらに第3固定部24を備える。
チャンバ20fでは、C1-C1断面に示すように、第2中空シャフト40の周方向において、離間部23fと、第3固定部24とが交互に設けられている。具体的には、第2中空シャフト40の周方向に離間して4つの離間部23fが設けられ、各離間部23fを架橋するようにして4つの第3固定部24が設けられている。各離間部23fは、それぞれ、第2中空シャフト40の外表面との間に内側空間20Sを形成している。また、各第3固定部24は、それぞれ、第2中空シャフト40の外表面に固定されている。第2中空シャフト40の周方向における離間部23fの長さと、第3固定部24の長さと、は任意に決定することができる。なお、第3固定部24は「固定部」に相当する。
このように、チャンバ20fの構成は種々の変更が可能であり、一の離間部23fと、他の離間部23fとの間に別途の固定部(第3固定部24)が設けられていてもよい。図示のように、複数の離間部23fと複数の第3固定部24を設ける場合、離間部23fと第3固定部24とが交互に設けられていてもよい。離間部23fと第3固定部24との個数は任意に決定することができる。このような第7実施形態によっても、上述した第1実施形態、及び第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
さらに、第7実施形態のバルーンカテーテル1fによれば、第2中空シャフト40の周方向において、第3固定部24(固定部)と、離間部23fとが交互に設けられているため、チャンバ20fの内側空間20Sへと流れ込んだ流体CA(造影剤)を、チャンバ20fの内側空間20Sからより一層抜け出にくくすることができる。また、周方向に離間部23fと交互に設けられた第3固定部24によって、チャンバ20fを第2中空シャフト40に強固に固定できる。
<第8実施形態>
図13は、第8実施形態のチャンバ20gの構成を例示した説明図である。図8の下段には、上段D1-D1線における断面図と、上段D2-D2線における断面図とをそれぞれ表す。第8実施形態のバルーンカテーテル1gは、第7実施形態で説明したチャンバ20fに代えて、チャンバ20gを備える。チャンバ20gは、第1実施形態で説明した第2固定部22に代えて第2固定部22gを備え、第7実施形態で説明した離間部23fに代えて離間部23gを備え、第7実施形態で説明した第3固定部24に代えて第3固定部24gを備える。
図13下段のD1-D1断面、及び、D2-D2断面に示すように、本実施形態のチャンバ20gは、第2中空シャフト40の周方向の一部分に設けられている。具体的には、D2-D2断面に示すように、第2固定部22gは、第2中空シャフト40の周方向の一部分を覆って配置され、第2中空シャフト40の外表面に固定されている。また、D1-D1断面に示すように、一対の第3固定部24gが、1つの離間部23gの両端に形成されており、第2中空シャフト40の外表面に固定されている。離間部23gの内側と、第2中空シャフト40の外表面との間には、1つの内側空間20Sが形成されている。
このように、チャンバ20gの構成は種々の変更が可能であり、図13に示すように、第2中空シャフト40の周方向の一部分に設けられていてもよい。チャンバ20gが形成される周方向の範囲は任意に決定することができる。このような第8実施形態によっても、上述した第1実施形態、第2実施形態、及び第7実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、第8実施形態のバルーンカテーテル1gでは、周方向の一部分にのみチャンバ20gを備えるため、より一層バルーン10を細径化できる。
<第9実施形態>
図14は、第9実施形態のチャンバ20hの構成を例示した説明図である。第9実施形態のバルーンカテーテル1hは、チャンバ20に代えてチャンバ20hを備える。図示のように、チャンバ20hは、略円形形状の横断面を有する素線を、第2中空シャフト40の外表面に螺旋状に巻回することにより形成されている。図14において破線で示すように、素線は、先端部では第2中空シャフト40の外表面に接触し、略中央部分では第2中空シャフト40の外表面から離間し、基端部では第2中空シャフト40の外表面に接触している。先端部と基端部との接触部分において、素線と、第2中空シャフト40の外表面とは接合され固定されている。なお、素線は、1本の素線から形成される単線であってもよく、複数本の素線を撚り合せた撚線であってもよい。
このような構成では、先端部において第2中空シャフト40に固定されている素線が第1固定部21hに相当し、基端部において第2中空シャフト40に固定されている素線が第2固定部22hに相当する。また、略中央部分において第2中空シャフト40から離間している素線が離間部23hに相当する。さらに、離間部23hのうち、隣り合う素線同士の隙間が、開口OPを形成している。すなわち、開口OPは、第2中空シャフト40の外側において、螺旋状に延びている。
このように、チャンバ20hの構成は種々の変更が可能であり、第2中空シャフト40に対して素線を巻回することによって形成されてもよい。素線の横断面形状や線径、単線/撚線、素線の巻回ピッチ等は任意に決定することができる。例えば、図示の例では、離間部23hの全体において素線を疎巻きにすることで開口OPを形成しているが、離間部23hは、素線を疎巻きにすることで開口OPが形成された部分と、素線を密巻きにすることで開口OPが形成されていない部分と、が混在してもよい。このような第9実施形態によっても、上述した第1実施形態、第5実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第10実施形態>
図15は、第10実施形態のバルーンカテーテル1iの断面構成を例示した説明図である。第10実施形態のバルーンカテーテル1iは、コアワイヤ50に代えてインナーシャフト50iを備えることにより、第1実施形態とは異なるルーメンを用いて、流体の供給/排出を可能とする。
インナーシャフト50iは、軸線Oに沿って延びる長尺状の部材である。インナーシャフト50iは、先端部と基端部にそれぞれ開口が形成され、内側に両開口を連通する内腔(流体ルーメン50L)が形成された中空の略円筒形状である。インナーシャフト50iは、第1中空シャフト30や第2中空シャフト40よりも細径であり、先端側の一部分が第1中空シャフト30の先端から突出し、基端側の一部分がコネクタ60の基端から突出した状態で配置されている。インナーシャフト50iの先端部は、封止部55によって第1中空シャフト30の内表面及び第2中空シャフト40の外表面に接合されている。
インナーシャフト50iは、第1実施形態で説明した第1中空シャフト30と同様の材料により形成できる。封止部55は、第1実施形態で説明した先端接合部51と同様の材料により形成できる。
第10実施形態のバルーンカテーテル1iでは、第1中空シャフト30の内腔(図5)に代えて、インナーシャフト50iの内腔が、バルーン10を拡張させるための流体を流通させる流体ルーメン50Lとして機能する。バルーン10を拡張させる際、術者は、インナーシャフト50iの基端部から、流体を供給する。流体は、インナーシャフト50iの流体ルーメン50Lを通過して、バルーン10の内側空間に蓄積されることにより、バルーン10を拡張させる。このとき、バルーン10の内側空間は、封止部55によって封止されている。このため、供給された流体は、バルーン10の内側空間と流体ルーメン50Lにのみ蓄積される。
このように、バルーンカテーテル1iの構成は種々の変更が可能であり、流体ルーメンを構成する他のシャフト(インナーシャフト50i)を設けてもよい。なお、インナーシャフト50iへと流体を供給するためのポートを、コネクタ60にさらに設けてもよい。このような第10実施形態によっても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、第10実施形態のバルーンカテーテル1iによれば、バルーンカテーテル1の形状維持のためのコアワイヤ50(図1)を省略することができる。また、第1中空シャフト30の内部空間全体が流体ルーメンとなる第1実施形態(図1)と比較して、流体の使用量を削減できる。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
[変形例1]
上記第1~10実施形態では、バルーンカテーテル1,1a~1iの構成の一例を示した。しかし、バルーンカテーテル1の構成は種々の変更が可能である。例えば、第1中空シャフト30にガイドワイヤを出し入れするポート(開口36)を備える、いわゆるラピッドエクスチェンジ型のカテーテルを例示した。しかし、バルーンカテーテル1は、ポート(開口36)を備えない、いわゆるオーバーザワイヤ型のカテーテルとして構成してもよい。例えば、バルーンカテーテル1が備える各部材は、内周面と外周面のうち少なくとも一方において、抗血栓性、生体適合性、潤滑性、耐摩耗性摺動性を向上させるためのコーティングが施されてもよい。
例えば、複数の中空シャフトを組み合わせることで、第1中空シャフト30や、第2中空シャフト40を構成してもよい。例えば、一の中空シャフトと他の中空シャフトの繋ぎ目をずらすことによって開口36を形成してもよく、一の中空シャフトと他の中空シャフトの径を変えることによって開口36を形成してもよい。例えば、先端チップ70は省略してもよい。例えば、第2中空シャフト40の先端部における材料や形状を変えることによって、第2中空シャフト40の先端部を柔軟とし、先端チップ70として機能させてもよい。
例えば、バルーンカテーテル1は、上述しない他の構成を備えていてもよい。他の構成として、例えば、第1中空シャフト30の先端部に設けられた放射線不透過性のマーカー部、バルーン10の先端側または基端側に設けられた第2バルーン、医療デバイス用の別途のルーメンを形成するための第2インナーシャフト等が例示できる。
[変形例2]
上記第1~10実施形態では、チャンバ20,20a~20hの構成の一例を説明した。しかし、チャンバ20の構成は種々の変更が可能である。例えば、チャンバ20は、放射線不透過性材料により形成されていなくてもよい。例えば、軸線O方向において、複数のチャンバ20が設けられていてもよい。例えば、第2中空シャフト40の周方向において、複数のチャンバ20が設けられていてもよい。例えば、軸線O方向において、離間部23と、固定部とが交互に設けられていてもよい。
[変形例3]
第1~10実施形態のバルーンカテーテル1,1a~1iの構成、及び上記変形例1~3のバルーンカテーテル1,1a~1iの構成は、適宜組み合わせてもよい。例えば、第10実施形態のバルーンカテーテル1i(図15)において、第2~第9実施形態で説明したチャンバ20a~20hを採用してもよい。また、第1実施形態のチャンバ20(図2)において、第6実施形態で説明した凹部を設けてもよく、第7実施形態で説明した第3固定部24を設けてもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
1,1a~1i…バルーンカテーテル
10…バルーン
20,20a~20h…チャンバ
21,21d,h…第1固定部
22,22g,h…第2固定部
23,23a~23h…離間部
24,24g…第3固定部
30…第1中空シャフト
36…開口
40…第2中空シャフト
50…コアワイヤ
50i…インナーシャフト
51…先端接合部
52…基端接合部
55…封止部
56…開口
60…コネクタ
61…羽根部材
70…先端チップ

Claims (10)

  1. バルーンカテーテルであって、
    第1中空シャフトと、
    前記第1中空シャフトの内側に配置され、先端部が前記第1中空シャフトの先端部から突出した第2中空シャフトと、
    拡縮可能なバルーンであって、基端部が前記第1中空シャフトの先端部に接合され、先端部が前記第2中空シャフトの先端部に接合されたバルーンと、
    前記バルーンの内側に設けられたチャンバと、
    を備え、
    前記チャンバは、
    前記第2中空シャフトの外表面に固定された固定部と、
    前記固定部に接続され、前記第2中空シャフトの外表面から離間した離間部であって、内側において前記第2中空シャフトの外表面との間に空間を規定する離間部と、を有し、
    前記離間部の少なくとも一部分には、前記空間と前記バルーンの内側とを連通する開口が形成されている、バルーンカテーテル。
  2. 請求項1に記載のバルーンカテーテルであって、
    前記固定部は、前記チャンバの先端部に設けられた第1固定部と基端部に設けられた第2固定部とから成り、
    前記離間部は、前記第1固定部と前記第2固定部の間に設けられている、バルーンカテーテル。
  3. 請求項1に記載のバルーンカテーテルであって、
    前記固定部は、前記チャンバの基端部に設けられ、
    前記離間部は、前記チャンバの先端側に設けられている、バルーンカテーテル。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のバルーンカテーテルであって、
    前記チャンバは、前記第2中空シャフトの周方向の全体に亘って設けられている、バルーンカテーテル。
  5. 請求項4に記載のバルーンカテーテルであって、
    前記チャンバは、前記第2中空シャフトの周方向において、前記固定部と、前記離間部とが交互に設けられている、バルーンカテーテル。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のバルーンカテーテルであって、
    前記離間部には、内表面に凹部が形成されている、バルーンカテーテル。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のバルーンカテーテルであって、
    前記離間部には、複数の前記開口が形成されている、バルーンカテーテル。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のバルーンカテーテルであって、
    前記チャンバは、前記第2中空シャフトの外表面に、略矩形形状または略円形形状の横断面を有する素線を螺旋状に巻回して形成されている、バルーンカテーテル。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のバルーンカテーテルであって、
    前記チャンバは、放射線不透過性材料で形成されている、バルーンカテーテル。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のバルーンカテーテルであって、
    前記チャンバの内側には、前記バルーンの拡張及び収縮後において、前記バルーンの拡張に用いられた流体が残存する、バルーンカテーテル。
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