JP7075141B2 - スーパー二相ステンレス鋼用tig溶接フラックス - Google Patents

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Description

本発明は、フラックスに関し、特に、スーパー二相ステンレス鋼をTIG溶接するためのフラックスに係るものである。
二相ステンレス鋼(duplex stainless steel)は、鉄-クロム-ニッケル系ステンレス鋼に属し、その顕微鏡組織は、フェライト(ferrite)及びオーステナイト(austenite)からなる二相構造であり、どちらかの含有量が、少なくとも30%超えである。
二相ステンレス鋼は、二相構造を有しているため、フェライトとオーステナイトとの両方の利点を兼ね備えている。
フェライト系ステンレス鋼に比べ、二相ステンレス鋼は、優れた破壊靱性、粒界腐食耐性及び溶接性を有するだけでなく、熱膨張率が低く、熱伝導率が高いというフェライトステンレス鋼の特徴も保持している。
オーステナイト系ステンレス鋼に比べ、二相ステンレス鋼の降伏強度は、オーステナイト鋼の二倍であり、塩素イオン応力腐食割れに対する耐性は、SUS304オーステナイト鋼より顕著に高く、孔食耐性及び隙間腐食耐性は、SUS304オーステナイト鋼に相当する。
スーパー二相ステンレス鋼を代表する鋼種は、SAF2507/UNS S32750である。
スーパー二相ステンレス鋼は、低炭素でモリブデン及び窒素を多く含まれていることが特徴であるため、標準の二相ステンレス鋼(代表する鋼種は、SAF2205/UNS S32205)に比べ、優れた孔食耐性及び隙間腐食耐性を有している。
スーパー二相ステンレス鋼は、腐食耐性の高さ、機械的強度の良さ、製造加工の容易さなどの優れた性能を一身に集めた特殊な鋼材なので、熱交換器、石油科学用圧力タンク、オイル・ガス輸送パイプや海水淡水化装置などに広く応用されている。
スーパー二相ステンレス鋼の溶接品質は、溶接ビード及び熱影響部におけるフェライト/オーステナイトの含有量割合に左右される。
しかしながら、溶接熱サイクルの急冷却により、スーパー二相ステンレス鋼の溶接ビード及び熱影響部においてフェライト単相化が起こりやすい。
これは、スーパー二相ステンレス鋼の溶接の最大の難関である。
簡潔に言うと、スーパー二相ステンレス鋼の溶接後、溶接ビード及び熱影響部にフェライト構造が多く含まれることになるので、溶接ビード及び熱影響部の腐食耐性を低減させてしまう。
以上からわかるように、スーパー二相ステンレス鋼を溶接する際に、溶接ビード及び熱影響部におけるフェライト/オーステナイトの含有量を厳格に制御すべきである(フェライトの含有量百分率が、50%より低いこと、又は、オーステナイトの含有量百分率が、50%より高いことである)。
特許文献1には、25~35重量%の二酸化ケイ素、20~25重量%の酸化クロム(III)、10~20重量%の三酸化モリブデン、10~15重量%の酸化ニッケル、5~10重量%の酸化鉄、5~10重量%の四酸化三コバルト、5~10重量%の二酸化マンガン及び3~5重量%の酸化銅を含むTIG溶接フラックスが開示されている。
上記従来のTIG溶接フラックスを、標準の二相ステンレス鋼(例えばSAF2205/UNS S32205)のTIG溶接に使用すると、溶接ビードのアスペクト比及び腐食耐性を向上させることができるが、スーパー二相ステンレス鋼(例えば、SAF2507/UNS S32750)のTIG溶接に使用すると、そのアスペクト比及び腐食耐性の両方を同時に向上させることができず、また、アークブローの発生を避けられない。
以上に鑑みて、スーパー二相ステンレス鋼のワークのTIG溶接に使用できるスーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックスを提供する必要がある。
台湾公告第I633059号
上記の問題を解決するために、本発明は、スーパー二相ステンレス鋼のワークのTIG溶接に適したスーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックスを提供することを目的とする。
本発明における部分或いは部品において、使用された「一」或いは「一個」等の助数詞は、都合のために使用し、本発明の特許請求の範囲について通常の意義を与えるもので、本発明において、一個または少なくとも一個として解釈すべきであり、且つ、明確に別の意味を指していないかぎり、一つである意味は、複数の場合も含まれている。
本発明によるスーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックスは、20~30重量%の二酸化ケイ素、20~25重量%の二酸化チタン、15~20重量%の二酸化バナジウム、10~15重量%の三酸化モリブデン、10~15重量%の二ホウ化ジルコニウム、5~10重量%の窒化アルミニウム、5~10重量%の炭酸マンガン、及び、5~10重量%の炭酸ニッケルを含むことを特徴とする。
これにより、前記スーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックスを用いて、スーパー二相ステンレス鋼のワークのTIG溶接を行うと、特定の組成割合を有する二酸化ケイ素、二酸化チタン、二酸化バナジウム、三酸化モリブデン、二ホウ化ジルコニウム、窒化アルミニウム、炭酸マンガン、及び、炭酸ニッケルによって、スーパー二相ステンレス鋼のワークの間に形成される溶接ビードは、優れたアスペクト比及び腐食耐性を有し、かつ、TIG溶接の過程にアークブローが発生しないという効果を有している。
また、窒化アルミニウムの含有量が5~9%であり、炭酸マンガンの含有量が5~7%であり、及び、炭酸ニッケルの含有量が5~7%であっても良い。
これにより、スーパー二相ステンレス鋼のワークの間に形成される溶接ビードは、優れたアスペクト比及び腐食耐性を有し、かつ、TIG溶接の過程にアークブローが発生しないという効果を有している。
また、窒化アルミニウムの含有量が9%であり、炭酸マンガンの含有量が5%であり、及び炭酸ニッケルの含有量が5%であっても良い。
これにより、スーパー二相ステンレス鋼のワークの間に形成される溶接ビードは、優れたアスペクト比及び腐食耐性を有し、かつ、TIG溶接の過程にアークブローが発生しないという効果を有している。
また、窒化アルミニウムの含有量が5%であり、炭酸マンガンの含有量が6%であり、及び炭酸ニッケルの含有量が5%であっても良い。
これにより、スーパー二相ステンレス鋼のワークの間に形成される溶接ビードは、優れたアスペクト比及び腐食耐性を有し、かつ、TIG溶接の過程にアークブローが発生しないという効果を有している。
また、窒化アルミニウムの含有量が5%であり、炭酸マンガンの含有量が5%であり、及び、炭酸ニッケルの含有量が5%であっても良い。
これにより、スーパー二相ステンレス鋼のワークの間に形成される溶接ビードは、優れたアスペクト比及び腐食耐性を有し、かつ、TIG溶接の過程にアークブローが発生しないという効果を有している。
また、窒化アルミニウムの含有量が9%であり、炭酸マンガンの含有量が5%であり、及び、炭酸ニッケルの含有量が6%であっても良い。
これにより、スーパー二相ステンレス鋼のワークの間に形成される溶接ビードは、優れたアスペクト比及び腐食耐性を有し、かつ、TIG溶接の過程にアークブローが発生しないという効果を有している。
また、窒化アルミニウムの含有量が6%であり、炭酸マンガンの含有量が6%であり、及び、炭酸ニッケルの含有量が5%であっても良い。
これにより、スーパー二相ステンレス鋼のワークの間に形成される溶接ビードは、優れたアスペクト比及び腐食耐性を有し、かつ、TIG溶接の過程にアークブローが発生しないという効果を有している。
さらに揮発性溶媒を含んでも良い。
これにより、二酸化ケイ素、二酸化チタン、二酸化バナジウム、三酸化モリブデン、二ホウ化ジルコニウム、窒化アルミニウム、炭酸マンガン及び炭酸ニッケルの粉末を揮発性溶媒に分散させてスラリー状にすることができるので、スーパー二相ステンレス鋼のワークの間に塗布するのに役立つ。
また、前記揮発性溶媒がメタノール、アセトン又はイソプロパノールを含んでも良い。
これにより、スラリー状のスーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックスをスーパー二相ステンレス鋼のワークの間に塗布した後、速やかに揮発するので、溶接までの待ち時間を短縮させることができる。
また、前記スーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックスの粉末の粒径が、50~90μmであっても良い。
これにより、スーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックスの粉末は、優れた均一性を有する均一な混合物を形成し、スーパー二相ステンレス鋼の表面に均一に塗布されることができる。
かつ、TIG溶接の際に完全に溶融できるので、溶接ビードの深さを深くするという効果を有している。
また、粉末の粒径が90μmより大きいスーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックスを用いてTIG溶接を行う場合、残渣が発生しやすく、粉末の粒径が50μmより小さいスーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックスを用いてTIG溶接を行う場合、大量なスーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックスを使用する必要があるので、コストの無駄になってしまう。
従って、粉末の粒径が50~90μmであるスーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックスは、残渣の発生を防ぐだけでなく、コストを低減させることができる。
以上により、前記スーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックスを用いて、スーパー二相ステンレス鋼のワークのTIG溶接を行うと、特定の組成割合を有する二酸化ケイ素、二酸化チタン、二酸化バナジウム、三酸化モリブデン、二ホウ化ジルコニウム、窒化アルミニウム、炭酸マンガン、及び、炭酸ニッケルによって、スーパー二相ステンレス鋼のワークの間に形成される溶接ビードは、アスペクト比が少なくとも0.8以上であり、スーパー二相ステンレス鋼のワークの間にある熱影響部が縮まされ、さらに、熱変形及び残留応力が発生するリスクが低減される。
また、溶接ビードにおけるオーステナイトの含有量百分率が、フェライトの含有量百分率より高いので、優れた腐食耐性を有し、かつ、TIG溶接の過程にアークブローが発生しないという効果を有している。
A08組のTIG溶接フラックスを用いてTIG溶接を行った後に、形成したB08組の溶接物における溶接ビードの断面形態を示す図。 A12組のTIG溶接フラックスを用いてTIG溶接を行った後に、形成したB12組の溶接物における溶接ビードの断面形態を示す図。 A17組のTIG溶接フラックスを用いてTIG溶接を行った後に、形成したB17組の溶接物における溶接ビードの断面形態を示す図。
本発明の実施例について、以下、図面を参照して説明する。
本発明のスーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックスにかかる実施例において、スーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックスは、20~30重量%の二酸化ケイ素、20~25重量%の二酸化チタン、15~20重量%の二酸化バナジウム、10~15重量%の三酸化モリブデン、10~15重量%の二ホウ化ジルコニウム、5~10重量%の窒化アルミニウム、5~10重量%の炭酸マンガン、及び、5~10重量%の炭酸ニッケルを含むことができる。
他の具体的な実施例において、窒化アルミニウムの含有量が9%であり、炭酸マンガンの含有量が5%であり、及び、炭酸ニッケルの含有量が5%である。
さらに他の実施例において、窒化アルミニウムの含有量が5%であり、炭酸マンガンの含有量が6%であり、及び、炭酸ニッケルの含有量が5%である。
さらに他の実施例において、窒化アルミニウムの含有量が5%であり、炭酸マンガンの含有量が5%であり、及び、炭酸ニッケルの含有量が5%である。
さらに他の実施例において、窒化アルミニウムの含有量が9%であり、炭酸マンガンの含有量が5%であり、及び、炭酸ニッケルの含有量が6%である。
さらに他の実施例において、窒化アルミニウムの含有量が6%であり、炭酸マンガンの含有量が6%であり、及び、炭酸ニッケルの含有量が5%である。
さらに他の実施例において、窒化アルミニウムの含有量が5%であり、炭酸マンガンの含有量が10%であり、及び、炭酸ニッケルの含有量が5%である。
本発明のスーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックスを用いて、スーパー二相ステンレス鋼のワークのTIG溶接を行うと、特定の組成割合を有する二酸化ケイ素、二酸化チタン、二酸化バナジウム、三酸化モリブデン、二ホウ化ジルコニウム、窒化アルミニウム、炭酸マンガン及び炭酸ニッケルにより、スーパー二相ステンレス鋼のワークの間に形成される溶接ビードは、アスペクト比が少なくとも0.8以上であり、スーパー二相ステンレス鋼のワークの間にある熱影響部(heat-affected zone,HAZ)が縮まされ、熱変形及び残留応力が発生するリスクが低減される。
また、溶接ビードにおけるオーステナイトの含有量百分率が、フェライトの含有量百分率より高いので、優れた腐食耐性を有し、かつ、TIG溶接の過程にアークブローが発生しない。
実施例において、本発明のスーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックスは、揮発性溶媒を含んでも良い。
さらに、実施例において、揮発性溶媒は、メタノール、アセトン又はイソプロパノールを含むが、これらに限定されない。
実施例において、本発明のスーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックスの粉末の粒径は、50~90μmである。
実施例において、本発明のスーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックスが応用されるスーパー二相ステンレス鋼は、UNS S32750及びUNS S32760を含むが、これらに限定されない。
本発明のスーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックスは、特定の組成割合を有する二酸化ケイ素、二酸化チタン、二酸化バナジウム、三酸化モリブデン、二ホウ化ジルコニウム、窒化アルミニウム、炭酸マンガン、及び、炭酸ニッケルという技術的手段により、溶接ビードのアスペクト比及び腐食耐性の両方を向上させることができ、かつ、アークブローが発生しないことを証明するために、以下の試験を行った。
試験(A)
下記表1に示された組成割合により、二酸化ケイ素、二酸化チタン、二酸化バナジウム、三酸化モリブデン、二ホウ化ジルコニウム、窒化アルミニウム、炭酸マンガン、及び、炭酸ニッケルの粉末を混合した後、揮発性溶媒としてアセトンを用いてスラリー状にし、A01~A15組のTIG溶接フラックスを作製した。
表1、A01~A15組のTIG溶接フラックスの組成割合
Figure 0007075141000001
下記表2に示された組成割合により、二酸化ケイ素、酸化クロム(III)、三酸化モリブデン、酸化ニッケル、酸化鉄、四酸化三コバルト、二酸化マンガン、及び、酸化銅の粉末を混合した後、揮発性溶媒としてアセトンを用いてスラリー状にし、A16組のTIG溶接フラックスを作製した。
表2、A16組である従来のTIG溶接フラックスの組成割合
Figure 0007075141000002
試験(B)
粒度が#400である炭化ケイ素紙やすりを用いて、厚さが6mmであるUNS S32750スーパー二相ステンレス鋼のワーク表面にある汚れを除去した後、アセトンでスーパー二相ステンレス鋼のワークを拭いた。
そして、毛ブラシでスラリー状のA01~A15組のTIG溶接フラックスをスーパー二相ステンレス鋼のワーク表面に塗布し、アセトンが完全に揮発してからTIG溶接を行い、B01~B16組の溶接物(表3に示す)を得た。
また、B17組は、TIG溶接フラックスを一切塗布しないという条件でTIG溶接が行われたスーパー二相ステンレス鋼のワークからなる溶接物である。
表3、B01~B17組の溶接物を形成するために用いられたTIG溶接フラックス
Figure 0007075141000003
TIG溶接を行うときに、アークブローが発生したか否かを記録した。
かつ、TIG溶接を行った後に、B01~B17組における溶接ビードの断面のサンプルを取り、各溶接ビードの深さと幅を記録し、各溶接ビードのアスペクト比を計算した(アークブローが発生したB11、B13~B16組については、溶接ビードの深さと幅を記録しなかった)。
また、各溶接物の溶接ビードにおけるフェライトの含有量百分率を計測することで、各溶接物の溶接ビードにおけるフェライトの含有量百分率及びオーステナイトの含有量百分率を計算した。
結果を表4に示す。
表4、各組の溶接ビードのアスペクト比及びその顕微鏡組織含有量百分率
Figure 0007075141000004
図1~図3は、それぞれB08、B12、B17組の溶接物における溶接ビードの断面形態を示し、B08組の溶接物のみ溶接ビードが完全に浸透していることがわかった。
さらに、表3及び図1~図3に示されるように、B12、B17組の溶接物の溶接ビードに比べ、B01~B10組の溶接物の溶接ビードは、深さが深く、かつ、幅が狭く、アスペクト比が少なくとも0.80以上であり、0.97に達することもあるので、より狭い熱影響部を形成でき、熱変形及び残留応力が発生するリスクが低減される。
また、表3に示されるように、B11~B17組の溶接物の溶接ビードに比べ、B01~B10組の溶接物の溶接ビードにおけるフェライトの含有量が低く、かつ、いずれも、50%より低い。
即ち、各溶接ビードにおけるオーステナイトの含有量百分率が、フェライトの含有量百分率より高く、各溶接ビードが優れた腐食耐性を有することが示された。
さらに、A01~A10組のTIG溶接フラックスを用いてTIG溶接を行う際に、アークブローが発生しなかった。
以上により、本発明のスーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックスを用いて、スーパー二相ステンレス鋼のワークのTIG溶接を行うと、20~30重量%の二酸化ケイ素、20~25重量%の二酸化チタン、15~20重量%の二酸化バナジウム、10~15重量%の三酸化モリブデン、10~15重量%の二ホウ化ジルコニウム、5~10重量%の窒化アルミニウム、5~10重量%の炭酸マンガン、及び、5~10重量%の炭酸ニッケルが含まれるという組成割合によって、スーパー二相ステンレス鋼のワークの間に形成される溶接ビードは、アスペクト比が少なくとも0.8以上であり、スーパー二相ステンレス鋼のワークの間にある熱影響部が縮まされ、さらに、熱変形及び残留応力が発生するリスクが、低減される。
また、溶接ビードにおけるオーステナイトの含有量百分率が、フェライトの含有量百分率より高いので、優れた腐食耐性を有し、かつ、TIG溶接の過程にアークブローが発生しないという効果を有している。
本発明は、その精神と必須の特徴事項から逸脱することなく他のやり方で実施することができる。
従って、本明細書に記載した実施形態は、例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものではない。

Claims (6)

  1. 20~30重量%の二酸化ケイ素、20~25重量%の二酸化チタン、15~20重量%の二酸化バナジウム、10~15重量%の三酸化モリブデン、10~15重量%の二ホウ化ジルコニウム、5~10重量%の窒化アルミニウム、5~10重量%の炭酸マンガン、及び、5~10重量%の炭酸ニッケルを含むことを特徴とするスーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックス。
  2. 窒化アルミニウムの含有量が、5~9重量%であり、炭酸マンガンの含有量が、5~7重量%であり、及び、炭酸ニッケルの含有量が5~7重量%であることを特徴とする請求項1に記載のスーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックス。
  3. 窒化アルミニウムの含有量が、5重量%であり、炭酸マンガンの含有量が、5重量%であり、及び、炭酸ニッケルの含有量が、5重量%であることを特徴とする請求項1に記載のスーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックス。
  4. さらに、揮発性溶媒を含むことを特徴とする請求項1に記載のスーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックス。
  5. 前記揮発性溶媒が、メタノール、アセトン、又は、イソプロパノールを含むことを特徴とする請求項4に記載のスーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックス。
  6. 前記スーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックスの粉末の粒径が、50~90μmであることを特徴とする請求項1に記載のスーパー二相ステンレス鋼用TIG溶接フラックス。

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