JP2002120088A - 深溶け込みアーク溶接用フラックス及びこれを用いた溶接方法 - Google Patents

深溶け込みアーク溶接用フラックス及びこれを用いた溶接方法

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JP2002120088A
JP2002120088A JP2000317384A JP2000317384A JP2002120088A JP 2002120088 A JP2002120088 A JP 2002120088A JP 2000317384 A JP2000317384 A JP 2000317384A JP 2000317384 A JP2000317384 A JP 2000317384A JP 2002120088 A JP2002120088 A JP 2002120088A
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welded
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Takao Ikeda
孝夫 池田
Kazuki Matsubayashi
万騎 松林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有害物質である六価クロムを発生することな
く良好な深溶け込みアーク溶接を行うことができる溶接
方法を提供する。 【解決手段】 金属酸化物であるTiO2 及びSiO2
の混合粉末を溶剤に溶かしてブラシ等で被溶接部材であ
るステンレス鋼1の表面に塗布し、これが乾燥した後、
所定の溶接作業をするようにした。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は深溶け込みアーク溶
接用フラックス及びこれを用いた溶接方法に関し、特に
ティグ溶接及びマグ溶接等のアーク溶接において、通常
の2〜3倍の深溶け込みを実現するフラックス状溶接促
進剤として、またこれを用いた深溶け込みアーク溶接方
法として有用なものである。 【0002】 【従来の技術】ティグ溶接及びマグ溶接等のアーク溶接
の際の深溶け込みアーク溶接用フラックスとして金属酸
化物混合フラックスが知られている。すなわち、金属酸
化物混合フラックスを有機溶媒に溶いて鋼表面に塗布し
た後、アーク溶接を行うことにより、例えば6mmのス
テンレス鋼を1パスで裏面まで溶かす、いわゆる深溶け
込みアーク溶接が行われている。 【0003】かかる深溶け込みアーク溶接における金属
酸化物混合フラックスとしては、Cr2 3 、Ti
2 、SiO2 を成分とするものが知られている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上述の如き従来技術に
係る金属酸化物フラックスはCr2 3 を含むため、溶
接ヒューム中に含まれる六価クロムによる人体への影響
が懸念される。このため、当該深溶け込みアーク溶接用
フラックスを用いたアーク溶接に際しては局所換気フィ
ルタの設置、防塵マスクの使用等、使用環境及び溶接作
業に特別の配慮を払う必要があった。ちなみに、溶接ヒ
ューム中の六価クロム成分量の測定値としては、0.0
03〜0.008mg/m3 程度の値が報告されてい
る。 【0005】上述の如き金属酸化物フラックスにCr2
3 を含まなければ、毒性を有する六価クロムの発生を
心配する必要はなく、Cr2 3 を含まない金属酸化物
フラックスで、これを含む金属酸化物フラックスと同様
の深溶け込みアーク溶接を実現できればより好ましい作
業環境となることは論をまたない。 【0006】本発明は、上記従来技術に鑑み、Cr2
3 を含むことなく、良好な深溶け込みアーク溶接の実現
に資することができる深溶け込みアーク溶接用フラック
ス及びこれを用いた溶接方法を提供することを目的とす
る。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の構成は、次の点を特徴とする。 【0008】1) TiO2 及びSiO2 の混合物であ
ること。 【0009】2) 上記1)に記載する深溶け込みアー
ク溶接用フラックスにおいて、TiO2 とSiO2 との
混合比を1:1としたこと。 【0010】3) 鋼を被溶接材とし、上記1)又は
2)に記載する深溶け込みアーク溶接用フラックスを溶
媒に溶いてブラシ等で上記被溶接部材の表面に塗布し、
その後アーク溶接を行うようにしたこと。 【0011】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づき詳細に説明する。 【0012】本実施の形態に係る深溶け込みアーク溶接
用フラックスは、炭素鋼、低合金鋼、ステンレス鋼及び
耐熱鋼等の鉄系材料である被溶接部材よりも高融点の金
属酸化物であるTiO2 及びSiO2 の混合物とした。
そして、このときのTiO2とSiO2 との混合比は
1:1とした。TiO2 及びSiO2 は、それぞれ単独
でも深溶け込み効果があるが、深溶け込み特性はTiO
2 の方が勝り、塗布性はSiO2 の方が勝る。そこで、
かかる両者の特徴を考慮して混合比を1:1とした。か
かるフラックスを溶かすための溶剤としてはMEK(メ
チルエチルケトン)を用いた。 【0013】上記深溶け込みアーク溶接用フラックスを
用いた溶接は次のようにして行う。溶接開先は、図1に
示すI開先、図2に示すU開先とする。なお、両図中、
1は被溶接部材である厚さ6mmのステンレス鋼、2は
I開先、3は深溶け込みアーク溶接用フラックス、4は
U開先、4aはI形部、4bはU形部、5は厚さ10m
mのステンレス鋼である。 【0014】被溶接部材であるステンレス鋼1、5の表
面に、上述の如く溶剤に溶かしたフラックスを、ブラシ
一回塗りで、塗布厚さ数百μm程度となるように塗布し
た。溶接は、塗布したフラックスを乾燥させた後、下向
き姿勢で行った。このときの溶接はティグ溶接で、その
溶接条件は図3の図表に示す通りとした。 【0015】上述の如き溶接の結果、図1に示すステン
レス鋼1の場合、1パスにて裏側まで深溶け込み溶接が
可能であった。このときの溶接部の形状を図4に示す。
同図中、6は溶接金属である。また、図2に示すステン
レス鋼5の場合、1パスでルート部の溶接が可能であ
り、且つ3層3パスの溶接が可能となった。このときの
溶接部の形状を図5に示す。同図中、7aは一層目の溶
接金属、7bは二層目の溶接金属、7cは三層目の溶接
金属である。 【0016】上記溶接作業において発生する溶接ヒュー
ムは、ろ過捕集法によって捕集し、吸光光度法によって
分析した。この結果、溶接ヒューム中に含まれる六価ク
ロム成分(無水クロム酸CrO3 として定量)は、図6
に示すような結果となった。すなわち、従来方法が0.
003〜0.008mg/m3 であるのに対し、0.0
01以下となった。 【0017】以上の結果より、TiO2 及びSiO2
混合比1:1で混合した深溶け込みアーク溶接用フラッ
クスを使用することにより、従来技術の場合と同様の溶
け込みを確保しつつ、有害成分である六価クロムの発生
を除去し得ることが分かる。 【0018】また、図6に示すように、被溶接部材を板
厚10mmの炭素鋼板8として、上述の深溶け込みアー
ク溶接用フラックス3を塗布して図7に示す溶接条件で
マグ溶接を行った。この結果、1パスにて従来の2倍程
度の深溶け込み溶接が可能であることが確認された。こ
のときの溶接部の形状を図8に示す。同図中、9は溶接
金属である。 【0019】以上の結果より、TiO2 及びSiO2
混合比1:1で混合した深溶け込みアーク溶接用フラッ
クスを使用することにより、この場合には、従来技術の
2倍の溶け込みを確保しつつ、有害成分である六価クロ
ムの発生を除去し得ることが分かる。 【0020】 【発明の効果】以上実施の形態とともに具体的に説明し
た通り、〔請求項1〕に記載する発明は、TiO2 及び
SiO2 の混合物であるので、有害物質である六価クロ
ムを発生することなく、深溶け込み溶接に資するフラッ
クスを提供し得る。 【0021】〔請求項2〕に記載する発明は、〔請求項
1〕に記載する深溶け込みアーク溶接用フラックスにお
いて、TiO2 とSiO2 との混合比を1:1としたの
で、〔請求項1〕に記載する発明と同様の効果を奏する
ばかりでなく、深溶け込み特性に優れるTiO2 による
良好な深溶け込み特性と、塗布性に優れるSiO2 によ
る良好な塗布性を同時に得ることができ、最も合理的な
溶接作業を実現するフラックスを提供し得る。 【0022】〔請求項3〕に記載する発明は、鋼を被溶
接材とし、〔請求項1〕又は〔請求項2〕に記載する深
溶け込みアーク溶接用フラックスを溶媒に溶いてブラシ
等で上記被溶接部材の表面に塗布し、その後アーク溶接
を行うようにしたので、溶接作業に伴い発生する溶接ヒ
ューム中の有害物質である六価クロムを発生することな
く、深溶け込み溶接を行うことができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1の実施の形態に係る溶接方法によ
り溶接する被溶接部材(I開先)を概念的に示す説明図
である。 【図2】本発明の第1の実施の形態に係る溶接方法によ
り溶接する被溶接部材(U開先)を概念的に示す説明図
である。 【図3】本発明の第1の実施の形態に係る溶接方法にお
ける溶接条件を示す図表である。 【図4】図1に対応する溶接部の形状を概念的に示す説
明図である。 【図5】図2に対応する溶接部の形状を概念的に示す説
明図である。 【図6】本発明の第2の実施の形態に係る溶接方法によ
り溶接する被溶接部材を概念的に示す説明図である。 【図7】本発明の第2の実施の形態に係る溶接方法にお
ける溶接条件を示す図表である。 【図8】図6に対応する溶接部の形状を概念的に示す説
明図である。 【符号の説明】 1 ステンレス鋼 2 I開先 3 深溶け込みアーク溶接用フラックス 4 U開先 5 ステンレス鋼 6 溶接金属 7a、7b、7c 溶接金属 8 炭素鋼 9 溶接金属

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 TiO2 及びSiO2 の混合物であるこ
    とを特徴とする深溶け込みアーク溶接用フラックス。 【請求項2】 〔請求項1〕に記載する深溶け込みアー
    ク溶接用フラックスにおいて、 TiO2 とSiO2 との混合比を1:1としたことを特
    徴とする深溶け込みアーク溶接用フラックス。 【請求項3】 鋼を被溶接材とし、〔請求項1〕又は
    〔請求項2〕に記載する深溶け込みアーク溶接用フラッ
    クスを溶媒に溶いてブラシ等で上記被溶接部材の表面に
    塗布し、その後アーク溶接を行うようにしたことを特徴
    とする溶接方法。
JP2000317384A 2000-10-18 2000-10-18 深溶け込みアーク溶接用フラックス及びこれを用いた溶接方法 Withdrawn JP2002120088A (ja)

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