JP7073662B2 - 画像形成装置およびジャム処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置およびジャム処理方法に関する。
従来から、トナーを用いて用紙に画像を形成する画像形成装置が知られている。かかる画像形成装置では、用紙の表裏を反転させて両面に画像を形成できるようにするため、用紙の搬送方向の前後をスイッチバック反転(すなわち逆行)させて用紙の表裏を反転させる搬送経路を構成する反転搬送路を備えるものがある(例えば特許文献1参照)。
従来の画像形成装置では、給紙トレイユニットに収納可能な大きさの用紙については、反転搬送路を通してスイッチバック反転させることができる。
特開2006-124100号公報
近年、給紙トレイユニットに収納可能な大きさを超える長尺紙と呼ばれる枚葉紙についても、両面に画像を形成できるようにする需要が高まっている。他方、長尺紙の両面印刷を実現するためには、反転搬送路の経路長を従来よりも長くすることが必要になる。そして、反転搬送路の経路長を従来よりも長くする場合、定型紙等と比較して発生し易くなるジャムへの対策が重要な課題となる。すなわち、長尺紙がジャムすると、通常よりも長い用紙を機械スペース内でジャム処理するには作業空間が狭い場合があり、この場合、ジャムした長尺紙の除去等の作業をしやすくするための空間を確保する必要がある。
両面印刷時に用紙がジャムした場合のジャム処理を容易にするための構成として、例えば、上記の反転搬送路や搬送ローラーなどの両面印刷用の部材を一つのユニットとして構成し、かかるユニットを装置本体に対して出し入れできるように構成したものがある。このユニットは、例えば自動両面反転搬送ユニット(ADU:Auto Duplex Unit)と呼ばれる。
しかしながら、このようなADUを備えた構成であっても、ADU内で発生したジャムの位置や用紙サイズ等によっては、ADUを装置から引き出した際のジャム処理すなわちジャムした用紙を除去する作業が行いにくい場合がある。典型例として、ADU内で長尺紙のジャムが発生した場合、より多くの搬送ローラーに挟まれた状態で搬送停止されるため、かかる長尺紙を除去する作業が煩雑になりやすい問題がある。
本発明の目的は、ジャム発生時における用紙除去の作業性を向上させることが可能な画像形成装置およびジャム処理方法を提供することである。
本発明に係る画像形成装置は、
用紙に画像を形成する画像形成部を含む装置本体と、
前記装置本体から引き出し可能に前記装置本体に収容され、収容時に前記画像形成部に連なり、前記用紙の搬送方向に沿って第1搬送ローラーおよび第2搬送ローラーが設けられている、用紙搬送路と、
前記用紙を前記用紙搬送路に通すように前記用紙の搬送を制御する搬送制御部と、を備え、
前記用紙搬送路は、
前記第1および第2搬送ローラーにより搬送されている前記用紙のジャムを処理する場合、前記用紙搬送路と共に引き出される前記第1搬送ローラーおよび前記第2搬送ローラーの少なくとも一方を、引き出し中に回転させることによって、前記用紙にたるみを形成するように構成され、
前記用紙の搬送方向をスイッチバックポイントで逆行させることにより当該用紙の表裏を反転させて前記画像形成部の上流側に搬送する両面搬送路であり、前記装置本体から引き出されると、前記用紙に形成されたたるみを外方に露呈する開口を形成するように構成された一対の用紙ガイドを備え、当該一対の用紙ガイドのうち、内側の前記用紙ガイドは装置本体に出し入れできるユニットに配置され、外側の前記用紙ガイドの一部が装置本体に固定されている
また、本発明に係る画像形成装置は、
用紙に画像を形成する画像形成部を含む装置本体と、
前記装置本体から引き出し可能に前記装置本体に収容され、収容時に前記画像形成部に連なり、前記用紙の搬送方向に沿って第1搬送ローラーおよび第2搬送ローラーが設けられている、用紙搬送路と、
前記用紙を前記用紙搬送路に通すように前記用紙の搬送を制御する搬送制御部と、を備え、
前記用紙が前記第1および第2搬送ローラーにより搬送されている際に発生したジャムにより搬送停止される場合、前記第1搬送ローラーおよび前記第2搬送ローラーの少なくとも一方の回転によって前記用紙にたるみを形成する画像形成装置であって、
前記用紙搬送路は、前記用紙の搬送方向をスイッチバックポイントで逆行させることにより当該用紙の表裏を反転させて前記画像形成部の上流側に搬送する両面搬送路であり、前記装置本体から引き出されると、前記用紙に形成されたたるみを外方に露呈する開口を形成するように構成された一対の用紙ガイドを備え、
前記一対の用紙ガイドのうち、内側の前記用紙ガイドは装置本体に出し入れできるユニットに配置され、外側の前記用紙ガイドの一部が装置本体に固定されている。
また、本発明に係る画像形成装置は、
用紙に画像を形成する画像形成部を含む装置本体と、
前記装置本体から引き出し可能に前記装置本体に収容され、収容時に前記画像形成部に連なり、前記用紙の搬送方向に沿って第1搬送ローラーおよび第2搬送ローラーが設けられた用紙搬送路と、
前記用紙を前記用紙搬送路に通すように前記用紙の搬送を制御する搬送制御部と、
前記第1搬送ローラーと前記第2搬送ローラーとの間に、前記用紙をガイドする第1用紙ガイドと第2用紙ガイドとを有する一対の用紙ガイドと、を備え、
前記一対の用紙ガイドのうち、上側の前記第1用紙ガイドは前記装置本体に出し入れできる前記用紙搬送路に配置され、下側の前記第2用紙ガイドの一部は前記装置本体に固定されており、
前記用紙搬送路は、発生したジャムにより前記第1搬送ローラーと前記第2搬送ローラーとで挟持された状態の前記用紙とともに前記装置本体から引き出された場合、前記用紙のたるみが露呈するように、前記一部に相当する部分に開口が形成される。
本発明に係るジャム処理方法は、
用紙に画像を形成する画像形成部を含む装置本体と、前記装置本体から引き出し可能に前記装置本体に収容され、収容時に前記画像形成部に連なり、前記用紙を搬送する第1搬送ローラーおよび第2搬送ローラーが設けられた用紙搬送路と、を備え
前記用紙搬送路は、前記用紙の搬送方向をスイッチバックポイントで逆行させることにより当該用紙の表裏を反転させて前記画像形成部の上流側に搬送する両面搬送路であり、前記装置本体から引き出されると、外方に露呈する開口を形成するように構成された一対の用紙ガイドを備え、当該一対の用紙ガイドのうち、内側の前記用紙ガイドは装置本体に出し入れできるユニットに配置され、外側の前記用紙ガイドの一部が装置本体に固定されている、画像形成装置におけるジャム処理方法であって、
前記第1および第2搬送ローラーにより搬送されている前記用紙のジャムを処理する場合、前記用紙搬送路が引き出されると、前記用紙搬送路と共に引き出される前記第1搬送ローラーおよび前記第2搬送ローラーの少なくとも一方を、引き出し中に回転させることによって、前記用紙にたるみを形成し、前記一対の用紙ガイドに前記開口を形成し、前記用紙に形成されるたるみを前記開口から外方に露呈する。
また、本発明に係るジャム処理方法は、
用紙に画像を形成する画像形成部を含む装置本体と、前記装置本体から引き出し可能に前記装置本体に収容され、収容時に前記画像形成部に連なり、前記用紙を搬送する第1搬送ローラーおよび第2搬送ローラーが設けられた用紙搬送路と、を備え、
前記用紙搬送路は、前記用紙の搬送方向をスイッチバックポイントで逆行させることにより当該用紙の表裏を反転させて前記画像形成部の上流側に搬送する両面搬送路であり、前記装置本体から引き出されると、外方に露呈する開口を形成するように構成された一対の用紙ガイドを備え、当該一対の用紙ガイドのうち、内側の前記用紙ガイドは装置本体に出し入れできるユニットに配置され、外側の前記用紙ガイドの一部が装置本体に固定されている、画像形成装置におけるジャム処理方法であって、
前記用紙が前記第1および第2搬送ローラーにより搬送されている際に発生したジャムにより搬送停止される場合、前記第1搬送ローラーおよび前記第2搬送ローラーの少なくとも一方の回転によって前記用紙にたるみを形成し、前記用紙搬送路が引き出されると、前記一対の用紙ガイドに前記開口を形成し、前記用紙に形成されるたるみを前記開口から外方に露呈する。
本発明によれば、ジャム発生時における用紙除去の作業性を向上させることができる。
本実施の形態における画像形成装置の一例を示す構成図である。 図1の画像形成装置における制御系の主要部を示す図である。 図1の画像形成装置におけるADU等を抽出して示す図であり、ADU内で用紙のジャムが発生した場合を例示する図である。 本実施の形態においてジャムした用紙にたるみを形成する処理を説明する図である。 本実施の形態におけるたるみ形成処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明を適用した画像形成装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態における画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。図2は、本実施の形態における画像形成装置1の制御系の主要部を示す。また、図3は、画像形成装置1における両面印刷用の搬送経路を抽出して示す。
本実施の形態の画像形成装置1は、長尺紙LSまたは用紙S(非長尺紙)を記録媒体として使用し、これら長尺紙LSまたは用紙S上に画像を形成する装置である。
本実施の形態において、長尺紙LSは、一般に良く用いられるA4サイズ、A3サイズ等の用紙よりも搬送方向の長さが長い枚葉紙であり、機内の給紙トレイユニット51a~51cに収容できない長さを有する。かかる長尺紙LSのサイズすなわち搬送方向の長さ等の寸法は、画像形成装置1のメモリ等に定義データとして格納されている。以下、単に「用紙」という場合、長尺紙LSおよび用紙Sの両方が含まれ得る。
画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に一次転写し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、用紙に二次転写することにより、トナー像を形成する。
また、画像形成装置1には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
図2に示すように、画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60および制御部100等を備える。
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103等を備える。CPU101は、ROM102から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM103に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロックの動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
制御部100は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部100は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて用紙にトナー像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11および原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることができる。
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿またはコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21および操作部22として機能する。表示部21は、制御部100から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部100に出力する。
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定またはユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部100の制御下で、記憶部72内の階調補正データ(階調補正テーブルLUT)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42等を備える。
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示す。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、およびドラムクリーニング装置415等を備える。
感光体ドラム413は、例えばアルミニウム製の導電性円筒体(アルミ素管)の周面に、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を順次積層した負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)である。電荷発生層は、電荷発生材料(例えばフタロシアニン顔料)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト)に分散させた有機半導体からなり、露光装置411による露光により一対の正電荷と負電荷を発生する。電荷輸送層は、正孔輸送性材料(電子供与性含窒素化合物)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト樹脂)に分散させたものからなり、電荷発生層で発生した正電荷を電荷輸送層の表面まで輸送する。
制御部100は、感光体ドラム413を回転させる駆動モーター(図示略)に供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム413を一定の周速度(線速度)で回転させる。
帯電装置414は、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。感光体ドラム413の電荷発生層で正電荷が発生し、電荷輸送層の表面まで輸送されることにより、感光体ドラム413の表面電荷(負電荷)が中和される。感光体ドラム413の表面には、周囲との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。
現像装置412は、例えば二成分現像方式の現像装置であり、感光体ドラム413の表面に各色成分のトナーを付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に摺接されるクリーニング部材としてのドラムクリーニングブレード(以下、単にクリーニングブレードと称する)416等を有する。ドラムクリーニング装置415は、一次転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーをクリーニングブレード416によって除去する。
中間転写ユニット42は、像担持体としての中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424、及びベルトクリーニング装置426等を備える。
中間転写ベルト421は、無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも1つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。例えば、K成分用の一次転写ローラー422よりもベルト走行方向下流側に配置されるローラー423Aが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、一次転写部におけるベルトの走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラー423Aが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。
二次転写ローラー424は、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置されるバックアップローラー423Bに対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421から用紙Sへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側(一次転写ローラー422と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
その後、用紙が二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が用紙に二次転写される。具体的には、二次転写ローラー424に二次転写バイアスを印加し、用紙の裏面側(二次転写ローラー424と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は用紙に静電的に転写される。トナー像が転写された用紙は定着部60に向けて搬送される。
ベルトクリーニング装置426は、中間転写ベルト421の表面に摺接するベルトクリーニングブレード等を有し、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。なお、二次転写ローラー424に代えて、二次転写ローラーを含む複数の支持ローラーに、二次転写ベルトがループ状に張架された構成(いわゆるベルト式の二次転写ユニット)を採用してもよい。
定着部60は、用紙の定着面(トナー像が形成されている面)側に配置される定着面側部材を有する上側定着部60A、用紙の裏面(定着面の反対の面)側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部60B、及び加熱源60C等を備える。定着面側部材に裏面側支持部材が圧接されることにより、用紙を狭持して搬送する定着ニップが形成される。
定着部60は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた用紙を定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙にトナー像を定着させる。定着部60は、定着器F内にユニットとして配置される。また、定着器Fには、エアを吹き付けることにより、定着面側部材から用紙Sを分離させるエア分離ユニット(図示略)が配置されている。
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52および搬送経路部53等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a~51cには、坪量(剛度)やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類ごとに収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53a等の複数の搬送ローラー、用紙の両面に画像形成するための両面搬送経路等を有する。
給紙トレイユニット51a~51cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。このとき、レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部により、給紙された用紙Sの傾きが補正されるとともに搬送タイミングが調整される。そして、画像形成部40において、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。画像形成された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
次に、搬送経路部53について詳述する。
搬送経路部53は、用紙が片面に画像を形成される際に搬送される経路であって、画像形成部40で画像が形成される用紙が搬送される主搬送路530を備える。主搬送路530は、レジストローラー対53aと画像形成部40の二次転写ニップと定着部60とを経由して用紙を搬送する経路である。また、搬送経路部53は、用紙の表裏を反転させる反転搬送路533を備える。
搬送経路部53は、外部給紙口2aから給紙された長尺紙LS等の用紙を主搬送路530に搬送する外部給紙搬送路531と、給紙トレイユニット51a~51cから給紙された用紙Sを主搬送路530に搬送する給紙搬送路532を備える。
主搬送路530は、装置本体2の内部で給紙トレイユニット51a~51cの上方に設けられ、装置本体2の一方の側部から他方の側部へ延在する。主搬送路530は、一方の端部が外部給紙搬送路531及び給紙搬送路532と繋がる。また、主搬送路530は、他方の端部が、装置本体2の他方の側部に設けられた排出部52の排出口と繋がる。
外部給紙搬送路531は、一方の端部が外部給紙口2aと繋がり、他方の端部が主搬送路530と繋がる。給紙搬送路532は、装置本体2内の一方の側部の近傍に設けられ、給紙トレイユニット51a~51cから主搬送路530へ上下(略垂直)方向に延在する。給紙搬送路532は、装置本体2の一方の側部に設けられた開閉扉(図示略)が開かれることで、給紙搬送路532の経路の一部が外方に露出され、ジャム処理等が可能になる。給紙搬送路532は、上方の端部が主搬送路530と繋がり、下方の端部が給紙トレイユニット51a~51cと繋がる。
反転搬送路533は、装置本体2の内部で給紙トレイユニット51a~51cと主搬送路530の間に設けられ、装置本体2の他方の側部から一方の側部へ延在する。反転搬送路533は、主搬送路530を搬送される用紙の搬送方向において、定着部60より下流側で主搬送路530から下方へ分岐する第1の還流搬送路533aと、画像形成部40の二次転写ニップより上流側で主搬送路530と合流する第2の還流搬送路533bを備える。
反転搬送路533は、一方の端部が第1の還流搬送路533a及び第2の還流搬送路533bと繋がる。ここで、第1の還流搬送路533a及び第2の還流搬送路533bと繋がる反転搬送路533の一方の端部は、両面印刷時において用紙の進行方向(搬送方向)の正逆が切り替わるスイッチバックポイントSBPとなる。以下、反転搬送路533において、第1の還流搬送路533aから用紙が搬送される矢印aで示す搬送方向を正方向と称し、第2の還流搬送路533bへ用紙が搬送される矢印bで示す搬送方向を逆方向と称する。
また、反転搬送路533は、スイッチバックポイントSBPに対して、正方向の搬送方向における下流側に、スイッチバックローラーとしての搬送ローラー53bを備える。搬送ローラー53bは、図示しないモーターの駆動力が伝達され、正方向と逆方向の双方に用紙を搬送する。
さらに、反転搬送路533の正方向の搬送方向における搬送ローラー53bの下流側は、上方に折り返すように湾曲する湾曲搬送路533cを有している。湾曲搬送路533cは、主搬送路530に合流され反転搬送路533と主搬送路530とを繋ぐ(バイパスする)両面経路である。
湾曲搬送路533cは、用紙(主として長尺紙LS)を両面印刷するために使用される両面経路であり、正方向に搬送される用紙の搬送方向におけるレジストローラー53aの上流側で主搬送路530と合流する。本例では、湾曲搬送路533cは、主搬送路530と第2の還流搬送路533bとの合流箇所より上流側で合流する。また、湾曲搬送路533cは、用紙が主搬送路530の図中左方向に搬送される向きで主搬送路530と合流する。
湾曲搬送路533cには、主として長尺紙LSを搬送するための搬送ローラー53cが設けられている。搬送ローラー53cは、搬送ローラー53bとは別個の駆動源(モーター)により駆動されるものであり、長尺紙LSの両面印刷を行う場合に搬送ローラー53bの搬送力を補う役割を担う。このように、搬送ローラー53cの駆動源を搬送ローラー53bの駆動源とは別に設けることにより、長尺紙LSの先端が搬送ローラー53cに突入した後の搬送ローラー53b用の駆動源(モーター)の負荷を軽減することができる。
このように、本実施の形態では、スイッチバックされる前の搬送方向における搬送経路の下流側を装置本体2内に折り返すように設けることで、画像形成装置1(装置本体2等)の大型化を防止しながら、反転搬送路533の経路長を従来よりも長くすることができる。また、反転搬送路533の湾曲搬送路533cを主搬送路530における画像形成部40の上流側に繋げる構成とすることで、搬送方向のサイズがより長い長尺紙LSを両面印刷できるようになる。
図1中に点線で示すように、定着部60、主搬送路530の大部分、反転搬送路533、およびこれら搬送路に配置されたローラー等は、自動両面反転搬送ユニット(Auto Duplex Unit:ADU)の構成部分として、装置本体2に対して手前側に引き出し可能となっている。
一例では、装置奥側に板状のフレーム(図示略)が設けられ、かかるフレームに上記の構成部品が取り付けられる。そして、例えばジャム処理時にADUの操作レバー(図示略)を引き出すことで、上記のフレームと構成部品が引き出される。
また、本実施の形態では、反転搬送路533を構成する上下一対の用紙ガイド部材の内、下側(外側)の用紙ガイドの一部の部材534(以下、本体側下ガイド534という。)は、装置本体2側に固定されている。このようにガイド部材の一部を装置本体2側に固定する(残す)構造とすることで、両面印刷時に反転搬送路533でジャムが発生した場合にADUを引き出すことにより、当該ジャムした用紙が、ADUの下側の開口部分(すなわち本体側下ガイド534のない領域)から視認できる。
かくして、画像形成装置1では、スイッチバック動作の前後で長尺紙LSを湾曲搬送路533cに通すことにより、搬送方向のサイズがより長い長尺紙LSの両面印刷を行うことができる。また、本実施の形態によれば、両面搬送の経路が略環状になっていることから、両面印刷ジョブ実行中の用紙(長尺紙LS)のジャム発生時に、当該長尺紙LSが内側のガイド部材に巻き付くように保持される。したがって、本実施の形態によれば、ジャム発生時におけるADU引き出しの際に、当該ジャムした用紙の破損が発生しにくいメリットがある。
次に、湾曲搬送路533cを用いて長尺紙LSの両面印刷を行う場合を説明する。以下は、反転搬送路533での正方向への搬送において、湾曲搬送路533cを通って主搬送路530まで搬送される長さを有する長尺紙LSを搬送する場合の例である。
長尺紙LSは、装置本体2の外部給紙口2aから外部給紙搬送路531を経由して、主搬送路530を正方向(図1の左方向)に搬送される。この後、長尺紙LSは、画像形成部40および定着部60を通過することにより、上側の第1面にトナー像が転写および定着され、主搬送路530から第1の還流搬送路533aを経由して反転搬送路533に搬送される。長尺紙LSは、反転搬送路533を矢印aで示す正方向に搬送されると、搬送方向の先端が湾曲搬送路533cに入るように、制御部100によって搬送ローラー53bが駆動制御される。この後、長尺紙LSの先端は、湾曲搬送路533cを形成する用紙ガイドに接触し、かかる用紙ガイドの湾曲形状に沿って移動(上昇)し、搬送ローラー53cに突入する。
制御部100は、長尺紙LSの先端が搬送ローラー53cに突入する際に搬送ローラー53cの回転を開始するように駆動源に駆動信号を出力し、搬送ローラー53bおよび53cの両方によって長尺紙LSを正方向に搬送する。ここで、制御部100は、搬送ローラー53bおよび搬送ローラー53cの周速度が同一になるように各々の駆動源に駆動信号を出力する。この後、長尺紙LSは、搬送ローラー53bおよび53cの両方で搬送されながら、湾曲搬送路533cを通って主搬送路530に入る。
制御部100は、長尺紙LSの搬送方向の後端がスイッチバックポイントSBPを通過すると、搬送ローラー53cを長尺紙LSから離間(退避)させるとともに、搬送ローラー53bの回転方向を切り替えて搬送方向を反転させるスイッチバックの動作を実行する。
かかる搬送制御により、長尺紙LSは、進行方向が反転して逆方向に搬送され、搬送方向の後端は主搬送路530を逆方向(図1における右方向)に移動し、搬送方向の先端は、反転搬送路533から第2の還流搬送路533bを経由して主搬送路530に搬送される。
この後、長尺紙LSは、第2の還流搬送路533bを経て、画像形成面である第1面が下側を向いて主搬送路530に搬送され、上側を向いた第2面にトナー像が転写および定着される。両面にトナー画像が形成された長尺紙LSは、主搬送路530から排紙部52に排紙されるように、制御部100によって搬送制御される。
ところで、上述のような構成の画像形成装置1では、ADU内で発生したジャムの位置や用紙サイズ等によっては、ADUを装置から引き出した後の処理、すなわちジャムした用紙を除去する作業が行いにくい場合がある。特に、図3に示すように、長尺紙LSのジャムがADU内で発生した場合、より多くの搬送ローラーに挟まれた状態で搬送停止されるため、かかる長尺紙を除去する作業が煩雑になりやすい問題がある。
ここで、図3は、画像形成装置1において長尺紙LSの両面印刷ジョブの実行中にジャムが発生した場合を例示する。図3に示す例は、一面目の印刷を終えた長尺紙LSのスイッチバック動作時に、当該長尺紙LSの搬送方向の先端(図3中の左側の端部)がスイッチバックポイントSBPの分岐路や図示しないゲート等に引っかかってジャムが発生した場合である。
この場合、該長尺紙LSの端部が所定時間以内に第2の還流搬送路533b内に突入されないことから、制御部100は、第2の還流搬送路533b内の用紙センサー等の出力を監視することにより、該長尺紙LSにジャムが発生したことを検知できる。かくして、制御部100は、ジャム発生を検知すると、かかる印刷ジョブを停止(即断)するとともに、ジャムが発生した旨の警告を行うように表示部21を制御する。
ここで、作業者は、ADUを装置本体2から引き出した後、ジャムとなった長尺紙LSの例えば幅方向の両端を掴み、ADUの外方(この例では下方)に引っ張ってADUから除去する必要がある。他方、上述のような湾曲形状を有する両面搬送路において、長尺紙LSは、内側(上側)の用紙ガイドに貼り付いた状態となっているため、長尺紙LSを掴む等の作業が行いにくい等のデメリットがある。
より具体的には、上述のように、反転搬送路533における直線的な搬送経路を構成する一対の用紙ガイドのうち、外側(下または底側)の用紙ガイドの一部(本体側下ガイド534)は、装置本体側に固定されている。このため、ADUを引き出すと、本体側下ガイド534の領域に相当する開口部分から、当該長尺紙LSの一部(下面)が視認できる状態となる。他方、この例では、両面搬送の経路が略環状になっており、当該長尺紙LSは、内側のガイド部材に巻き付く、言い換えると上側に貼り付いているため、かかる用紙を下側に引き出す作業が行い難い問題がある。
加えて、作業者は、ジャムした用紙(長尺紙LS)を出来るだけ破損させないようにADUから除去する必要がある。すなわち、かかる除去作業において用紙のちぎれ等が発生すると、該用紙の破片や粉等がADU内に残った場合に、後の印刷画像の劣化や装置の故障等の原因となる虞がある。
図3の例では、長尺紙LSは、湾曲搬送路533cにより湾曲させられた状態にあり、また、搬送ローラー53bおよび搬送ローラー53cのみならず、主搬送路530中の複数の搬送ローラー(レジストローラー対53aなど)に挟まれた状態にある。このため、かかる長尺紙LSを破損させないようにADUから除去するためには、所定方向、例えば、図3中の矢印で示す右下方向に引き出すように作業する必要があり、かかる作業者の作業労力が大きくなり得る。
そこで、本実施の形態の画像形成装置1では、ADUを引き出した後の用紙除去の作業性の向上を図るべく、用紙のジャムにより印刷ジョブおよび用紙搬送が停止される場合、ジャムが発生した用紙にたるみを形成する構成とした。より具体的には、本実施の形態では、ジャムが発生した用紙を搬送している2つの搬送ローラー(第1および第2搬送ローラー)の少なくとも一方を回転させる(駆動するまたは自転させる)ことにより、当該2つの搬送ローラー間における用紙の部位にたるみを形成する。
以下、図4を参照して、用紙のたるみ形成について、より具体的に説明する。本実施の形態において、制御部100は、長尺紙LSが反転搬送路533における搬送ローラー53bおよび搬送ローラー53c(の両方)により搬送されているときに当該長尺紙LSのジャムが発生した場合、搬送ローラー53bおよび搬送ローラー53c間の用紙部位にたるみを形成する処理を行う。
具体的には、制御部100は、搬送ローラー53bおよび搬送ローラー53cの内、ジャムが発生していない側の搬送ローラーを駆動して、長尺用紙LSにたるみを形成させる。これら搬送ローラー53bまたは53cを駆動するタイミングは、一例では、当該ジャム発生時の印刷ジョブ停止の際とする。代替的または追加的に、搬送ローラー53bまたは53cを駆動するタイミングは、ADUが引き出された後としてもよい。
図3および図4に示す例では、搬送ローラー53b側でジャムが発生していることから、搬送ローラー53bを駆動すると、かかる搬送ローラー53bの駆動源に生じる負荷が大きくなる虞がある。したがって、このような場合、制御部100は、搬送ローラー53bを駆動せず、搬送ローラー53cを駆動して長尺紙LSにたるみを形成させる。このとき、当該長尺紙LSが挟持されている他の搬送ローラー(搬送ローラー53b以外)を、搬送ローラー53cと同方向に駆動してもよい。
このようなたるみ形成の処理を行うことにより、図4に示すように、装置本体2からADUを引き出した状態において、ジャムが発生した用紙(長尺紙LS)の一部が上述した開口部分を通じてADUの外側(下方側)に露呈することから、かかる用紙を除去する作業者の労力が軽減される。
なお、上述の制御例において、搬送ローラー53c側でジャムが発生している場合、制御部100は、搬送ローラー53bを駆動して長尺紙LSにたるみを形成させるようにすることで、上述と同様の効果が得られる。
次に、本実施の形態における用紙のたるみ形成のための他の構成例について説明する。
たるみ形成のための他の例として、制御部100は、ジャムが発生した場合、搬送方向における下流側の搬送ローラーを停止させるタイミングを、上流側の搬送ローラーを停止させるタイミングよりも早くする。より具体的には、図3に示す例では、長尺紙LSが図中の左側に進行しているときにジャムが発生したことから、搬送ローラー53b(スイッチバックローラー)が搬送方向の下流側(用紙先端側)であり、搬送ローラー53cは上流側(用紙後端側)になる。
この場合、制御部100は、ジャム検知信号を受信して印刷ジョブを中止する際に、下流側である搬送ローラー53bを停止させた後に、搬送ローラー53cさらにはその上流側の搬送ローラーを停止させるように、各搬送ローラーの駆動源に制御信号を出力する。このようにして、搬送ローラー53bおよび搬送ローラー53cの停止の時期を異ならせることによって、用紙にたるみを形成することができる。
一般に、ジャムは、用紙の搬送方向における上流側すなわち用紙の後端側よりも、下流側すなわち用紙先端側の部位で発生しやすい。したがって、制御部100は、上記のような制御を行うことにより、用紙のたるみを簡易かつ迅速に形成することができる。
この場合も、上述と同様に、長尺紙LSにおける搬送ローラー53bおよび53c間の部位にたるみが形成される。また、ADUが引き出された際に、図4に示すように、当該用紙の一部が用紙ガイド(本体側下ガイド534)の無い開口領域から外部に露呈するように下方にたるむことから、当該用紙の除去作業が容易になる。
たるみ形成のための他の例として、ジャム処理時にADUが装置本体2から引き出される際、制御部100による駆動制御を行うことなしに、搬送ローラー53bまたは53cを一定量回転させて、搬送ローラー53bおよび53c間の用紙部位にたるみを形成する機構を設ける。かかる機構により、ADUが装置本体2から引き出される量に応じた回転量で搬送ローラー53bまたは53cが自転し、上述したようなたるみが用紙に形成される。
このような構成例として、ADUの移動(位置変化)を搬送ローラー53bまたは53cの回転に変換する機構を代替的または追加的に設ける。より具体的には、装置本体側に固定して設けられたラックおよび該ラックに噛み合うADU側のギア(各々図示略)により、ADUが引き出される際の位置変化をギアの回転に変換し、該ギアの回転を搬送ローラー53bおよび(または)搬送ローラー53cに伝達する機構を設ける。加えて、搬送停止の際またはADUが引き出される際に、搬送ローラー53bおよび53cを駆動するモーター等の駆動が外れる機構を設けておくとよい。
他にも、例えば、ジャム停止時における搬送ローラー53bおよび53cのイナーシャ(慣性力)を利用して、搬送ローラー53bおよび53c間の用紙部位にたるみを形成するようにしてもよい。具体的には、ジャム停止時の搬送ローラー53bおよび53cの駆動停止(即断)時において、両ローラー(53bおよび53c)回転停止までの時間ないし搬送距離に差を設けることにより、搬送ローラー53bおよび53c間の長尺紙LSの部位にたるみを形成する。
以下、図5に示すジャム処理時のフローチャートを参照して、長尺紙LSのジャムが発生した場合に制御部100により実行される処理の一例を説明する。なお、図5に示すフローチャートは、上述した各種のたるみ形成方法の内、2つの搬送ローラー53bおよび53cのいずれかを駆動制御してたるみを形成する構成例を前提とする。
制御部100は、ジャム検知信号を入力した後のステップS110において、当該印刷ジョブを停止(即断)するように、動作中の各部(画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60など)を制御する。
続くステップS120において、制御部100は、ジャムとなった用紙の位置情報を取得する。ここで、用紙の位置情報として、ジャムにより停止している用紙の現在位置を示す情報が含まれる。この例では、用紙(長尺紙LS)の現在位置を示す情報として、該長尺紙LSの端部(搬送方向の先端および後端)位置を示す情報が含まれる。かかる位置情報は、装置内における不図示の位置センサーから取得する、あるいは用紙の搬送タイミングから算出する等の公知の手法により取得できる。
また、長尺紙LSの現在位置を示す情報として、当用紙のジャムした位置、すなわち当該用紙が詰まっている搬送路上の位置を示す情報(以下、ジャム位置情報という)が含まれる。かかるジャム位置情報は、公知の手法で取得でき、例えば、用紙搬送用の種々の駆動源(搬送ローラーを駆動するモーター、用紙の搬送経路を切り替えるためのソレノイド、など)の内、トルク値や電流値などが急上昇したものからジャム位置を特定することができる。
このとき、制御部100は、ジャムが発生した旨の警告画面を表示部21に表示する。また、制御部100は、上述したジャム位置情報に基づくジャム発生場所を警告画面中に表示するとともに、用紙(長尺紙LS)を除去するために作業者が行うべき手順等を表示部21に表示する。
続くステップS130において、制御部100は、ジャムとなった用紙が、隣り合う2つの搬送ローラーAおよび搬送ローラーBの間にあるか否かを判定する。この例では、制御部100は、ジャムとなった長尺紙LSが、搬送ローラー53bおよび53cの各ニップにあるか否かを判定する。
ここで、制御部100は、ジャムとなった長尺紙LSが搬送ローラー53bおよび53cの両方のニップにないと判定した場合(ステップS130、NO)、ジャムした用紙の除去作業が容易であるとみなして、たるみ形成の処理(ステップS140)を行わずに処理を終了する。
他方、制御部100は、ジャムとなった長尺紙LSが搬送ローラー53bおよび53cの各ニップにある(すなわち2つの搬送ローラー53bおよび53cに挟持されている)と判定した場合(ステップS130、Yes)、ステップS140に移行する。
ステップS140において、制御部100は、当該長尺紙LSにたるみを形成する処理を行う。この例では、制御部100は、ADUが装置本体2から引き出されるまで待機し、ADUが装置本体2から引き出されると、搬送ローラー53cを回転駆動して、当該長尺紙LSにたるみを形成する処理を行う(図4参照)。
かかる処理により、ADUの上述した開口部分から長尺紙LSが外部(下方)に露出するようにたるみ、作業者による当該長尺紙LSの引き出し作業がより容易になる。なお、当該たるみ形成時における搬送ローラー53cの回転量(すなわち用紙のたるみ量)は、図示しない設定画面等を通じて予めユーザーが任意に調整できるようにしてもよい。
この後、制御部100は、ADUが閉められた(装置本体2に戻された)ことを検知した場合、ADU内の各用紙センサーの出力に基づいてADU内に用紙が残っているか否かを判定する。そして、制御部100は、ADU内に用紙が残っていないと判定した場合、一連の処理を終了する。
以上のように、本実施の形態によれば、両面印刷動作中の長尺紙LS(用紙)のジャム発生時において、ADUを装置本体2から引き出した際に、当該ジャムした用紙の一部がADUの外方(下側)に露呈されることにより、当該用紙除去の作業性を向上させることができる。
上述した実施の形態では、2つの搬送ローラー53bおよび53cの間の上下一対の用紙ガイドのうち、下側の用紙ガイドの一部(本体側下ガイド534)が装置本体2側に固定されている構造を例示した(図1等参照)。他の例として、かかる下側の用紙ガイドの一部は、ADUの一部(すなわち装置本体2から出し入れ可能)とし、図中の左側の端部がヒンジで結合された構造としてもよい。このような構造とした場合、ADUを引き出した際に下側の用紙ガイドの一部(右側部分)が下方に移動し、ジャムが発生した長尺紙LSのたるみ部分を下方に露呈させ、上述と同様に、図4の矢印方向に引っ張る作業を容易に行うことができる。
上記実施の形態および変形例は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1 画像形成装置
2 装置本体
2a 外部給紙口
10 画像読取部
20 操作表示部
30 画像処理部
40 画像形成部
50 用紙搬送部
51 給紙部
51a~51c 給紙トレイユニット
52 排紙部
53 搬送経路部
53a レジストローラー対
53b 搬送ローラー(第1または第2搬送ローラー)
53c 搬送ローラー(第2または第1搬送ローラー)
530 主搬送路
531 外部給紙搬送路
532 給紙搬送路
533 反転搬送路
533a 第1の還流搬送路
533b 第2の還流搬送路
533c 湾曲搬送路
534 本体側下ガイド(用紙ガイドの一部)
60 定着部
100 制御部(搬送制御部)
ADU 自動両面反転搬送ユニット
SBP スイッチバックポイント
LS 長尺紙

Claims (10)

  1. 用紙に画像を形成する画像形成部を含む装置本体と、
    前記装置本体から引き出し可能に前記装置本体に収容され、収容時に前記画像形成部に連なり、前記用紙の搬送方向に沿って第1搬送ローラーおよび第2搬送ローラーが設けられている、用紙搬送路と、
    前記用紙を前記用紙搬送路に通すように前記用紙の搬送を制御する搬送制御部と、を備え、
    前記用紙搬送路は、
    前記第1および第2搬送ローラーにより搬送されている前記用紙のジャムを処理する場合、前記用紙搬送路と共に引き出される前記第1搬送ローラーおよび前記第2搬送ローラーの少なくとも一方を、引き出し中に回転させることによって、前記用紙にたるみを形成するように構成され
    前記用紙の搬送方向をスイッチバックポイントで逆行させることにより当該用紙の表裏を反転させて前記画像形成部の上流側に搬送する両面搬送路であり、前記装置本体から引き出されると、前記用紙に形成されるたるみを外方に露呈する開口を形成するように構成された一対の用紙ガイドを備え、当該一対の用紙ガイドのうち、内側の前記用紙ガイドは装置本体に出し入れできるユニットに配置され、外側の前記用紙ガイドの一部が装置本体に固定されている、
    画像形成装置。
  2. 用紙に画像を形成する画像形成部を含む装置本体と、
    前記装置本体から引き出し可能に前記装置本体に収容され、収容時に前記画像形成部に連なり、前記用紙の搬送方向に沿って第1搬送ローラーおよび第2搬送ローラーが設けられている、用紙搬送路と、
    前記用紙を前記用紙搬送路に通すように前記用紙の搬送を制御する搬送制御部と、を備え、
    前記用紙が前記第1および第2搬送ローラーにより搬送されている際に発生したジャムにより搬送停止される場合、前記第1搬送ローラーおよび前記第2搬送ローラーの少なくとも一方の回転によって前記用紙にたるみを形成する画像形成装置であって、
    前記用紙搬送路は、前記用紙の搬送方向をスイッチバックポイントで逆行させることにより当該用紙の表裏を反転させて前記画像形成部の上流側に搬送する両面搬送路であり、前記装置本体から引き出されると、前記用紙に形成されたたるみを外方に露呈する開口を形成するように構成された一対の用紙ガイドを備え、
    前記一対の用紙ガイドのうち、内側の前記用紙ガイドは装置本体に出し入れできるユニットに配置され、外側の前記用紙ガイドの一部が装置本体に固定されている、
    画像形成装置。
  3. 用紙に画像を形成する画像形成部を含む装置本体と、
    前記装置本体から引き出し可能に前記装置本体に収容され、収容時に前記画像形成部に連なり、前記用紙の搬送方向に沿って第1搬送ローラーおよび第2搬送ローラーが設けられた用紙搬送路と、
    前記用紙を前記用紙搬送路に通すように前記用紙の搬送を制御する搬送制御部と、
    前記第1搬送ローラーと前記第2搬送ローラーとの間に、前記用紙をガイドする第1用紙ガイドと第2用紙ガイドとを有する一対の用紙ガイドと、を備え、
    前記一対の用紙ガイドのうち、上側の前記第1用紙ガイドは前記装置本体に出し入れできる前記用紙搬送路に配置され、下側の前記第2用紙ガイドの一部は前記装置本体に固定されており、
    前記用紙搬送路は、発生したジャムにより前記第1搬送ローラーと前記第2搬送ローラーとで挟持された状態の前記用紙とともに前記装置本体から引き出された場合、前記用紙のたるみが露呈するように、前記一部に相当する部分に開口が形成される、
    画像形成装置。
  4. 前記搬送制御部は、前記第1搬送ローラーおよび前記第2搬送ローラーの停止の時期を異ならせることによって、前記用紙にたるみを形成する、
    請求項2または3に記載の画像形成装置。
  5. 前記搬送制御部は、前記第1および第2搬送ローラーのうち前記用紙が搬送されている方向における下流側にある搬送ローラーを、他の搬送ローラーよりも早期に停止させる、
    請求項に記載の画像形成装置。
  6. 前記搬送制御部は、前記用紙搬送路が前記装置本体から引き出された場合、前記開口から前記用紙のたるみ部分が外方に露出するように、前記第1搬送ローラーおよび前記第2搬送ローラーの少なくとも一方の回転を制御する、
    請求項からのいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 搬送停止される場合において、前記第1搬送ローラーおよび前記第2搬送ローラーの慣性力による回転停止までの搬送距離に差を設けることにより、前記用紙にたるみを形成する、
    請求項1からのいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記用紙は長尺紙である、
    請求項1からのいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 用紙に画像を形成する画像形成部を含む装置本体と、前記装置本体から引き出し可能に前記装置本体に収容され、収容時に前記画像形成部に連なり、前記用紙を搬送する第1搬送ローラーおよび第2搬送ローラーが設けられた用紙搬送路と、を備え
    前記用紙搬送路は、前記用紙の搬送方向をスイッチバックポイントで逆行させることにより当該用紙の表裏を反転させて前記画像形成部の上流側に搬送する両面搬送路であり、前記装置本体から引き出されると、外方に露呈する開口を形成するように構成された一対の用紙ガイドを備え、当該一対の用紙ガイドのうち、内側の前記用紙ガイドは装置本体に出し入れできるユニットに配置され、外側の前記用紙ガイドの一部が装置本体に固定されている、画像形成装置におけるジャム処理方法であって、
    前記第1および第2搬送ローラーにより搬送されている前記用紙のジャムを処理する場合、前記用紙搬送路が引き出されると、前記用紙搬送路と共に引き出される前記第1搬送ローラーおよび前記第2搬送ローラーの少なくとも一方を、引き出し中に回転させることによって、前記用紙にたるみを形成し、前記一対の用紙ガイドに前記開口を形成し、前記用紙に形成されるたるみを前記開口から外方に露呈する、
    ジャム処理方法。
  10. 用紙に画像を形成する画像形成部を含む装置本体と、前記装置本体から引き出し可能に前記装置本体に収容され、収容時に前記画像形成部に連なり、前記用紙を搬送する第1搬送ローラーおよび第2搬送ローラーが設けられた用紙搬送路と、を備え、
    前記用紙搬送路は、前記用紙の搬送方向をスイッチバックポイントで逆行させることにより当該用紙の表裏を反転させて前記画像形成部の上流側に搬送する両面搬送路であり、前記装置本体から引き出されると、外方に露呈する開口を形成するように構成された一対の用紙ガイドを備え、当該一対の用紙ガイドのうち、内側の前記用紙ガイドは装置本体に出し入れできるユニットに配置され、外側の前記用紙ガイドの一部が装置本体に固定されている、画像形成装置におけるジャム処理方法であって、
    前記用紙が前記第1および第2搬送ローラーにより搬送されている際に発生したジャムにより搬送停止される場合、前記第1搬送ローラーおよび前記第2搬送ローラーの少なくとも一方の回転によって前記用紙にたるみを形成し、前記用紙搬送路が引き出されると、前記一対の用紙ガイドに前記開口を形成し、前記用紙に形成されるたるみを前記開口から外方に露呈する、
    ジャム処理方法。
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