JP7073253B2 - アフィニティークロマトグラフィーにおける宿主細胞タンパク質の低減方法 - Google Patents

アフィニティークロマトグラフィーにおける宿主細胞タンパク質の低減方法 Download PDF

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Description

本発明は、概して、ポリペプチド精製の分野に関する。本発明は、特に、抗体を含有する溶液におけるホスホリパーゼB様2(PLBL2)またはクラスタリンのような宿主細胞タンパク質の低減に関する。
発明の背景
タンパク質、とりわけ免疫グロブリンは、現代の医学的ポートフォリオ(medical portfolio)において重要な役割を果たしている。ヒトに適用するには、治療用タンパク質がいずれも明確な基準を満たす必要がある。ヒトにとっての生物製剤の安全性を保証するには、とりわけ、生産プロセス中に蓄積する副産物を除去する必要がある。規制上の仕様を満たすには、製造プロセス後に、1つまたは複数の精製段階を行う必要がある。なかんずく、純度、スループット、および収率は、適当な精製プロセスを決定する際に重要な役割を果たす。
タンパク質の精製には、例えばアフィニティークロマトグラフィー(例えばプロテインAまたはプロテインGアフィニティークロマトグラフィー、単鎖Fvリガンドアフィニティークロマトグラフィー)、イオン交換クロマトグラフィー(例えばカチオン交換(スルホプロピル樹脂またはカルボキシメチル樹脂)、アニオン交換(アミノエチル樹脂)およびミックスモードイオン交換)、チオフィリック吸着(例えばベータ-メルカプトエタノールリガンドおよび他のSHリガンドによるもの)、疎水性相互作用または芳香族吸着クロマトグラフィー(例えばフェニル-セファロース、アザ-アレノフィリック樹脂、またはm-アミノフェニルボロン酸によるもの)、金属キレートアフィニティークロマトグラフィー(例えばNi(II)-アフィニティー材料およびCu(II)-アフィニティー材料によるもの)、サイズ排除クロマトグラフィー、ならびに電気泳動法(ゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動など)など、さまざまな方法が確立され、広範に使用されている。
組換え生産された免疫グロブリンの精製には、多くの場合、異なるカラムクロマトグラフィー段階の組合せが使用される。精製中に、宿主細胞タンパク質および宿主細胞DNAならびにエンドトキシンおよびウイルスなどの非免疫グロブリン夾雑物を枯渇させる。それゆえに、一般的には、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーのようなアフィニティークロマトグラフィー段階の後に、1つまたは複数の追加の分離段階が行われる。一般に、アフィニティークロマトグラフィー法の洗浄段階では、高伝導率緩衝液が使用されると記載されている。
US 6,127,526(特許文献1)には、プロテインAクロマトグラフィーによってタンパク質を精製するための方法であって、(a)シリカまたはガラスを含む固相上に固定されたプロテインAにタンパク質を吸着させる段階、(b)固相を疎水性電解質溶媒で洗浄することによって、固相に結合した夾雑物を除去する段階、および(c)固相からタンパク質を回収する段階を含む方法が記載されている。
WO2011/038894(特許文献2)では、プロテインAクロマトグラフィー材料からの免疫グロブリンの回収に先立つ特別な洗浄段階によって宿主細胞タンパク質およびDNAを顕著に枯渇させるプロテインAクロマトグラフィー法が報告されている。
WO2013/177118(特許文献3)では、試料マトリックスから抗体を単離および精製するための組成物および方法が報告されている。
WO2013/033517(特許文献4)では、関心対象のポリペプチド(抗体など)をウイルスから分離するための方法が報告されている。
EP2583973(特許文献5)には、少なくとも1つのクロマトグラフィープロセスにおいて使用される緩衝溶液(平衡化緩衝液、洗浄緩衝液、および溶出緩衝液)中に、アミノ酸、またはそのジペプチド、オリゴペプチド、もしくはポリアミノ酸が含まれる、1つまたは複数のクロマトグラフィープロセスを含み、それによって、不純物(例えばポリマーまたは宿主細胞タンパク質)が極めて微量な高純度タンパク質を精製する、タンパク質の精製方法が報告されている。
WO2015/038888(特許文献6)では、精製された組換えポリペプチドを含む、方法および組成物が報告されている。
US 6,127,526 WO2011/038894 WO2013/177118 WO2013/033517 EP2583973 WO2015/038888
本明細書では、アフィニティークロマトグラフィー段階によって抗体を精製することによる、特定のCHO宿主細胞タンパク質の含有量が低減している抗体の生産方法を報告する。
より具体的に述べると、クロマトグラフィー材料からの抗体の回収に先立つアフィニティークロマトグラフィーの洗浄段階においてヒスチジンを含む水溶液を使用する本発明の方法によって、抗体を含む溶液中の宿主細胞タンパク質の含有量を低減できることがわかった。とりわけ、ホスホリパーゼ類(特にホスホリパーゼB様2(PLBL2))の含有量を低減することができる。
本明細書において報告する一局面は、ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を精製するために使用されるプロテインAクロマトグラフィーの洗浄段階における、(特定の)宿主細胞タンパク質の含有量を低減するための、ヒスチジンを含む水溶液の使用である。
本明細書において報告する一局面は、
(a)ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地からヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を回収する段階、
(c)ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体をプロテインAクロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)ヒスチジンを含む水溶液でプロテインAクロマトグラフィー材料を洗浄する段階、
(e)プロテインAクロマトグラフィー材料からヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を回収する段階
を含み、
それによってヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を生産する、
ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を生産するための方法である。
本明細書において報告する一局面は、
(a)ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を含む試料を用意する段階、
(b)ヒスチジンを含む水溶液でプロテインAクロマトグラフィー材料を洗浄することを含むプロテインAクロマトグラフィー法/段階によって、ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を精製する段階、
を含む、試料からヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を精製するための方法である。
すべての局面の一態様において、前記水溶液は約50mM~約400mMのヒスチジンを含む。すべての局面の一態様において、前記水溶液は約200mMのヒスチジンを含む。
すべての局面の一態様において、前記水溶液はヒスチジンおよびトリス(Tris)を含む。すべての局面の一態様において、前記水溶液は50mM~約400mMのヒスチジンおよび約800mM~約1200mMのトリスを含む。すべての局面の一態様において、前記水溶液は約200mMのヒスチジンおよび約1000mMのトリスを含む。
すべての局面の一態様において、前記プロテインAクロマトグラフィーは低伝導率水溶液による洗浄段階をさらに含む。この低伝導率水溶液はヒスチジンを含まない。
すべての局面の一態様において、前記低伝導率水溶液は約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する。
すべての局面の一態様において、前記(特定の)宿主細胞タンパク質はホスホリパーゼB様2(PLBL2)またはクラスタリンである。
すべての局面の一態様において、前記低伝導率水溶液は約0.1~約8mMのトリスを含む。すべての局面の一態様において、前記低伝導率水溶液は約0.05~約2mMのリン酸カリウムを含む。
すべての局面の一態様において、前記低伝導率水溶液は約7以上のpHを有する。
すべての局面の一態様において、前記ヒトIgG4アイソタイプ抗体は、P-セレクチンに対する抗体、または第IXa因子および第X因子に対する抗体である。すべての局面の一態様において、前記ヒトIgG1アイソタイプ抗体は、アミロイドベータに対する抗体、またはHer2に対する抗体、またはAng2およびVEGF-Aに対する抗体、またはがん胎児性抗原(CEA)およびCD3に対する抗体である。
[本発明1001]
ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を精製するために使用されるプロテインAクロマトグラフィーの洗浄段階における、宿主細胞タンパク質の含有量を低減するための、ヒスチジンおよびトリスを含む約6.5以上のpHを有する水溶液の使用。
[本発明1002]
前記水溶液が約10mM~約1000mMのヒスチジンを含む、本発明1001の使用。
[本発明1003]
前記水溶液が約200mMのヒスチジンを含む、本発明1001~1002のいずれかの使用。
[本発明1004]
前記水溶液が約100mM~約1500mMのトリスを含む、本発明1001~1003のいずれかの使用。
[本発明1005]
前記水溶液が約200mMのヒスチジンおよび約1000mMのトリスを含む、本発明1001~1004のいずれかの使用。
[本発明1006]
宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼB様2(PLBL2)またはクラスタリンである、本発明1001~1005のいずれかの使用。
[本発明1007]
プロテインAクロマトグラフィーが、低伝導率水溶液による洗浄段階をさらに含む、本発明1001~1006のいずれかの使用。
[本発明1008]
低伝導率水溶液が約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する、本発明1007の使用。
[本発明1009]
低伝導率水溶液が約0.1~約8mMのトリスを含む、本発明1007~1008のいずれかの使用。
[本発明1010]
低伝導率水溶液が約0.05~約2mMのリン酸カリウムを含む、本発明1007の使用。
[本発明1011]
低伝導率水溶液が約7以上のpHを有する、本発明1007~1010のいずれかの使用。
[本発明1012]
ヒトIgG4アイソタイプ抗体が、P-セレクチンに対する抗体、または第IXa因子および第X因子に対する抗体である、本発明1001~1011のいずれかの使用。
[本発明1013]
ヒトIgG1アイソタイプ抗体が、アミロイドベータに対する抗体、またはHer2に対する抗体、またはAng2およびVEGF-Aに対する抗体、またはがん胎児性抗原(CEA)およびCD3に対する抗体である、本発明1001~1011のいずれかの使用。
[本発明1014]
(a)ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地からヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を回収する段階、
(c)ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体をプロテインAクロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)ヒスチジンおよびトリスを含む約6.5以上のpHを有する水溶液でプロテインAクロマトグラフィー材料を洗浄する段階、
(e)プロテインAクロマトグラフィー材料からヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を回収する段階
を含み、
それによってヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を生産する、
ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を生産するための方法。
[本発明1015]
前記水溶液が約200mMのヒスチジンを含む、本発明1014の方法。
[本発明1016]
前記水溶液が約200mMのヒスチジンおよび約1Mのトリスを含む、本発明1014~1015のいずれかの方法。
[本発明1017]
プロテインAクロマトグラフィーが、約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する低伝導率水溶液による洗浄段階をさらに含む、本発明1014~1016のいずれかの方法。
[本発明1018]
宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼB様2(PLBL2)またはクラスタリンである、本発明1014~1017のいずれかの方法。
発明の詳細な説明
本明細書では、ヒスチジンを含む水溶液によるアフィニティークロマトグラフィー材料の洗浄を含む、改良されたアフィニティークロマトグラフィー法および使用を報告する。
アフィニティークロマトグラフィー段階、例えばプロテインAクロマトグラフィー段階において、ヒスチジンを含む水溶液による洗浄段階を使用すると、この洗浄段階によって宿主細胞タンパク質を低減できることがわかった。前記アフィニティークロマトグラフィー段階は、抗体の精製または生産方法において使用される。ヒスチジンを含む水溶液による洗浄段階は、ホスホリパーゼB様2(PLBL2)の含有量を低減するのに、特に有効である。この効果は、低伝導率水溶液による洗浄段階をさらに使用すれば、補強することができる。
本明細書において報告する一局面は、ヒトIgGアイソタイプ抗体を精製するために使用されるアフィニティークロマトグラフィーの洗浄段階における、(特定の)宿主細胞タンパク質の含有量を低減するための、ヒスチジンを含む水溶液の使用である。
本明細書において報告する一局面は、ヒトIgGアイソタイプ抗体を精製するために使用されるアフィニティークロマトグラフィーの洗浄段階における、(特定の)宿主細胞タンパク質の含有量を低減するための、ヒスチジンおよびトリスを含む約6.5以上のpHを有する水溶液の使用である。
本明細書において報告する一局面は、
(a)ヒトIgGアイソタイプ抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地からヒトIgGアイソタイプ抗体を回収する段階、
(c)ヒトIgGアイソタイプ抗体をプロテインAクロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)ヒスチジンおよびトリスを含む約6.5以上のpHを有する水溶液でプロテインAクロマトグラフィー材料を洗浄する段階、
(e)プロテインAクロマトグラフィー材料からヒトIgGアイソタイプ抗体を回収する段階
を含み、
それによってヒトIgGアイソタイプ抗体を生産する、
ヒトIgGアイソタイプ抗体を生産するための方法である。
本明細書において報告する一局面は、
(a)ヒトIgGアイソタイプ抗体を含む試料を用意する段階、
(b)ヒスチジンおよびトリスを含む約6.5以上のpHを有する水溶液でプロテインAクロマトグラフィー材料を洗浄することを含む、プロテインAクロマトグラフィー法/段階によって、ヒトIgGアイソタイプ抗体を精製する段階
を含む、試料からヒトIgGアイソタイプ抗体を精製するための方法である。
本明細書において報告する一局面は、
(a)ヒトIgGアイソタイプ抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地からヒトIgGアイソタイプ抗体を回収する段階、
(c)ヒトIgGアイソタイプ抗体(を含む溶液)をアフィニティークロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)二重特異性抗体のうちの少なくとも90%がアフィニティークロマトグラフィー材料に結合している状態を保ちつつ、ヒスチジンを含む水溶液で該アフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄する段階、
(e)アフィニティークロマトグラフィー材料からヒトIgGアイソタイプ抗体を回収する段階
を含み、
それによってヒトIgGアイソタイプ抗体を生産する、
ヒトIgGアイソタイプ抗体を生産するための方法である。
本明細書において報告する一局面は、
(a)ヒトIgGアイソタイプ抗体を含む(緩衝水性)試料を用意する段階、
(b)二重特異性抗体のうちの少なくとも90%がアフィニティークロマトグラフィー材料に結合している状態を保ちつつ、ヒスチジンを含む水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄することを含む、アフィニティークロマトグラフィー法/段階によって、ヒトIgGアイソタイプ抗体を精製する段階
を含む、試料からヒトIgGアイソタイプ抗体を精製するための方法である。
本明細書において報告する一局面は、
(a)ヒトIgGアイソタイプ抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地からヒトIgGアイソタイプ抗体を回収する段階、
(c)ヒトIgGアイソタイプ抗体(を含む溶液)をアフィニティークロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)二重特異性抗体のうちの少なくとも90%がアフィニティークロマトグラフィー材料に結合している状態を保ちつつ、ヒスチジンおよびトリスを含む約6.5以上のpHを有する水溶液で該アフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄する段階、
(e)アフィニティークロマトグラフィー材料からヒトIgGアイソタイプ抗体を回収する段階
を含み、
それによってヒトIgGアイソタイプ抗体を生産する、
ヒトIgGアイソタイプ抗体を生産するための方法である。
本明細書において報告する一局面は、
(a)ヒトIgGアイソタイプ抗体を含む(緩衝水性)試料を用意する段階、
(b)二重特異性抗体のうちの少なくとも90%がアフィニティークロマトグラフィー材料に結合している状態を保ちつつ、ヒスチジンおよびトリスを含む約6.5以上のpHを有する水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄することを含む、アフィニティークロマトグラフィー法/段階によって、ヒトIgGアイソタイプ抗体を精製する段階
を含む、試料からヒトIgGアイソタイプ抗体を精製するための方法である。
一態様において、アフィニティークロマトグラフィーはヒトIgGアイソタイプ抗体を精製するために使用される。好ましい一態様において、アフィニティークロマトグラフィーは、ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を精製するために使用される。
本明細書において報告する一局面は、ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を精製するために使用されるプロテインAクロマトグラフィーの洗浄段階における、(特定の)宿主細胞タンパク質の含有量を低減するための、ヒスチジンを含む水溶液の使用である。
本明細書において報告する一局面は、
(a)ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地からヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を回収する段階、
(c)ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体をプロテインAクロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)二重特異性抗体のうちの少なくとも90%がアフィニティークロマトグラフィー材料に結合している状態を保ちつつ、ヒスチジンを含む水溶液でプロテインAクロマトグラフィー材料を洗浄する段階、
(e)プロテインAクロマトグラフィー材料からヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を回収する段階
を含み、
それによってヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を生産する、
ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を生産するための方法である。
本明細書において報告する一局面は、
(a)ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を含む(緩衝水性)試料を用意する段階、
(b)二重特異性抗体のうちの少なくとも90%がアフィニティークロマトグラフィー材料に結合している状態を保ちつつ、ヒスチジンを含む水溶液でプロテインAクロマトグラフィー材料を洗浄することを含む、プロテインAクロマトグラフィー法/段階によって、ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を精製する段階
を含む、試料からヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を精製するための方法である。
クロマトグラフィー材料からの免疫グロブリンの回収に先立つアフィニティークロマトグラフィーの洗浄段階において、ヒスチジンを含む水溶液を使用すれば、宿主細胞タンパク質の含有量を低減できることがわかった。すべての局面の一態様において、前記水溶液は約10mM~約1000mMのヒスチジンを含む。すべての局面の一態様において、前記水溶液は約50mM~約400mMのヒスチジンを含む。すべての局面の一態様において、前記水溶液は約100mM~約300mMのヒスチジンを含む。すべての局面の一態様において、前記水溶液は約200mMのヒスチジンを含む。
すべての局面の一態様において、前記水溶液はさらにトリスを含む。すべての局面の一態様において、前記水溶液はさらに、約100mM~約1500mMのトリスを含む。すべての局面の一態様において、前記水溶液はさらに、約500mM~約1300mMのトリスを含む。すべての局面の一態様において、前記水溶液はさらに、約800mM~約1200mMのトリスを含む。
すべての局面の一態様において、前記水溶液はヒスチジンおよびトリスを含む。すべての局面の一態様において、前記水溶液は10mM~約1000mMのヒスチジンおよび約100mM~約1500mMのトリスを含む。すべての局面の一態様において、前記水溶液は50mM~約400mMのヒスチジンおよび約800mM~約1200mMのトリスを含む。すべての局面の一態様において、前記水溶液は約200mMのヒスチジンおよび約1000mMのトリスを含む。
洗浄段階に使用される水溶液の伝導率が低ければ、すなわち低伝導率水溶液を洗浄に使用すれば、宿主細胞タンパク質の含有量をさらに低減できることがわかった。すべての局面の好ましい一態様において、低伝導率水溶液は約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する。一態様において、低伝導率水溶液は約0.03μS/cm~約0.5mS/cmの伝導率値を有する。一態様において、低伝導率水溶液は約0.05μS/cm~約0.35mS/cmの伝導率値を有する。すべての局面の一態様において、低伝導率水溶液は高精製/脱イオン水である。脱イオン水は、いくつかの応用については、洗浄段階において使用するのに適さない。いくつかの態様において、低伝導率水溶液は脱イオン水ではない。
プロテインAアフィニティークロマトグラフィーは本明細書において報告する目的に使用できることがわかった。すべての局面の好ましい一態様において、アフィニティークロマトグラフィーはプロテインAアフィニティークロマトグラフィーである。一態様において、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーは、MabSelectSureアフィニティークロマトグラフィー、ProSep vAアフィニティークロマトグラフィー、Mab Capture Aアフィニティークロマトグラフィー、ProSep Ultra Plusアフィニティークロマトグラフィーを含む群から選択される。一態様において、アフィニティークロマトグラフィーはプロテインGアフィニティークロマトグラフィーである。一態様において、アフィニティークロマトグラフィーは、組換えタンパク質をリガンドとして使用するアフィニティークロマトグラフィー、つまり組換えタンパク質リガンドアフィニティークロマトグラフィーである。一態様において、アフィニティークロマトグラフィーは、単鎖Fvをリガンドとして使用するアフィニティークロマトグラフィー、つまり単鎖Fvリガンドアフィニティークロマトグラフィーである。一態様において、アフィニティークロマトグラフィーは、クロマトグラフィーマトリックスにカップリングされた変異型プロテインA、またはクロマトグラフィーマトリックスにカップリングされたプロテインAのフラグメントを含む。
(特定の)宿主細胞タンパク質の含有量を低減できることがわかった。とりわけホスホリパーゼB様2(PLBL2)の含有量を低減できることがわかった。一態様において、(特定の)宿主細胞タンパク質はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)宿主細胞タンパク質である。すべての局面の好ましい一態様において、(特定の)宿主細胞タンパク質はホスホリパーゼB様2(PLBL2)またはクラスタリンである。一態様において、(特定の)宿主細胞タンパク質はホスホリパーゼB様2(PLBL2)である。
低伝導率水溶液は少量のトリスまたはリン酸カリウムを含みうることがわかった。一態様において、低伝導率水溶液はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)を含有する。一態様において、低伝導率水溶液は約0.1mM~約10mMのトリスを含む。一態様において、低伝導率水溶液は約0.5mM~約6.5mMのトリスを含む。一態様において、低伝導率水溶液は約2mMのトリスを含む。一態様において、低伝導率水溶液はリン酸カリウムを含有する。一態様において、低伝導率水溶液は約0.05mM~約5mMのリン酸カリウムを含む。一態様において、低伝導率水溶液は約0.05mM~約2mMのリン酸カリウムを含む。一態様において、低伝導率水溶液は約0.5mMのリン酸カリウムを含む。
宿主細胞タンパク質の含有量を低減する効果は、低伝導率水溶液が、ある特定のpHを有する場合に顕著であることがわかった。一態様において、低伝導率水溶液は約7以上のpHを有する。一態様において、低伝導率水溶液は約7.5以上のpHを有する。一態様において、低伝導率水溶液は約7~約9.5のpHを有する。一態様において、低伝導率水溶液は約7.5~約8.5のpHを有する。一態様において、低伝導率水溶液は約8のpHを有する。一態様において、低伝導率水溶液は約9のpHを有する。
宿主細胞タンパク質の含有量を低減する効果は、低伝導率水溶液のpHが約8.5以上であり、低伝導率水溶液が約1.2mS/cm以下の伝導率値を有する場合にも、達成されうることがわかった。一態様において、低伝導率水溶液は約8.5以上のpHを有し、低伝導率水溶液は約1.2mS/cm以下の伝導率値を有する。
一態様において、低伝導率水溶液はpH7からpH8.5未満までのpH範囲にあっては約0.5mS/cm以下の伝導率値を有し、8.5以上のpH値では約1.2mS/cm以下の伝導率値を有する。
本明細書において報告する使用および方法により、PLBL2のような宿主細胞タンパク質の含有量を、アフィニティークロマトグラフィー段階のような精製段階前のPLBL2の負荷量と比較して、ある特定のレベルまで低減できることがわかった。一態様において、PLBL2の含有量は少なくとも20分の1に低減される。一態様において、PLBL2の含有量は少なくとも40分の1に低減される。一態様において、PLBL2の含有量は少なくとも50分の1に低減される。一態様において、PLBL2の含有量は少なくとも90分の1に低減される。一態様において、PLBL2の含有量は少なくとも100分の1に低減される。一態様において、PLBL2の含有量は少なくとも50%低減される。一態様において、PLBL2の含有量は少なくとも66%低減される。一態様において、PLBL2の含有量は少なくとも80%低減される。一態様において、PLBL2の含有量は少なくとも90%低減される。一態様において、PLBL2の含有量は少なくとも95%低減される。いくつかの態様において、PLBL2の含有量は抗体1mgあたり10ng未満に低減される。いくつかの態様において、PLBL2の含有量は抗体1mgあたり5ng未満に低減される。いくつかの態様において、PLBL2の含有量は抗体1mgあたり2ng未満に低減される。
本明細書において報告する方法および使用は、1つまたは複数のさらなるクロマトグラフィー段階を含みうる。一態様では、少なくとも1つの追加のクロマトグラフィー法/段階が行われる。一態様では、追加のイオン交換クロマトグラフィー法/段階が行われる。一態様では、追加のアニオン交換クロマトグラフィー法/段階が行われる。一態様では、追加のアニオン交換クロマトグラフィー法/段階および追加のカチオン交換クロマトグラフィー法/段階が行われる。
疎水性相互作用クロマトグラフィー段階の使用は省略されうることがわかった。一態様において、本使用または本方法は疎水性相互作用クロマトグラフィー法/段階を伴わない。
「抗P-セレクチン抗体」および「P-セレクチンに結合する抗体」または「P-セレクチンに対する抗体」という用語は、抗体がP-セレクチンのターゲティングにおいて診断作用物質および/または治療作用物質として役立つように、十分なアフィニティーでP-セレクチンに結合する能力を有する抗体を指す。一態様において、無関係な非P-セレクチンタンパク質に対する抗P-セレクチン抗体の結合の程度は、例えばELISAまたは表面プラズモン共鳴による測定で、P-セレクチンに対するその抗体の結合の約10%未満である。ある特定の態様において、抗P-セレクチン抗体は、異なる種からのP-セレクチン間で保存されているP-セレクチンのエピトープに結合する。上記は「第IXa因子および第X因子に対する抗体」または「IL-13に対する抗体」または「アミロイドベータに対する抗体」などの用語にも当てはまる。
本明細書において報告する方法において使用される特異的抗体は、WO 2005/100402またはSEQ ID NO:07~12に記載のP-セレクチンに対する抗体(抗P-セレクチン抗体;インクラクマブ; IgG4アイソタイプ)、WO 2012/067176に記載の第IXa因子および第X因子に対する二重特異性抗体(抗FIXa/X抗体; IgG4アイソタイプ)、WO 1992/022653に記載のHer2に対する抗体(抗Her2抗体;トラスツズマブ; IgG1アイソタイプ)、WO 2011/117329またはSEQ ID NO:01~04に記載のアンジオポエチン2(Ang2)および血管内皮成長因子A(VEGF-A)に対する二重特異性抗体(抗Ang2/VEGF-A抗体;バヌシズマブ(vanucizumab); IgG1アイソタイプ)、WO 2003/070760またはSEQ ID NO:05~06に記載のアミロイドベータに対する抗体(抗アミロイドベータ抗体; ガンテネルマブ; IgG1アイソタイプ)である。VEGFまたはVEGF-Aという用語は、本明細書において使用する場合、相互に交換可能である。
本明細書において使用する場合、「結合する」または「特異的に結合する」という用語は、インビトロアッセイにおける、好ましくは表面プラズモン共鳴アッセイ(SPR、BIAcore、GE-Healthcare、スウェーデン・ウプサラ)における、抗原のエピトープへの抗体の結合を指す。結合のアフィニティーは、用語ka(抗体/抗原複合体の抗体の会合に関する速度定数)、kd(解離定数)、およびKD(kd/ka)によって定義される。結合するまたは特異的に結合するとは、10-7mol/L以下の結合アフィニティー(KD)を意味する。
「抗体」という用語は、本明細書では、最も広い意味で使用され、さまざまな抗体構造、例えば限定するわけではないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、および抗体フラグメントを、それらが所望の抗原結合活性を呈する限り、包含する。
「抗体フラグメント」とは、インタクト抗体のうち、インタクト抗体が結合する抗原に結合する部分を含む、インタクト抗体以外の分子を指す。抗体フラグメントの例には、Fv、Fab、Fab'、Fab'-SH、F(ab')2;ダイアボディ;線状抗体(linear antibody);単鎖抗体分子(例えばscFv);および抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体などがあるが、それらに限定されるわけではない。Fabフラグメントは(完全長/完全)抗体のパパイン消化によって得られる抗体フラグメントである。
「二重特異性抗体」は、2つの異なる抗原結合特異性を有する抗体である。本明細書において使用する「二重特異性」抗体という用語は、少なくとも2つの結合部位を有し、そのそれぞれが異なるエピトープに結合する抗体を表す。
「キメラ」抗体という用語は、重鎖および/または軽鎖の一部分が特定の供給源または種に由来すると共に、重鎖および/または軽鎖の残りの部分が異なる供給源または種に由来する抗体を指す。
抗体の「クラス」は、その重鎖が保持する定常ドメインまたは定常領域のタイプを指す。抗体には5つの主要クラス、すなわちIgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMがあり、それらのうちのいくつかは、さらにサブクラス(アイソタイプ)、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2に分割されうる。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γ、およびμと呼ばれる。
「ヒトIgGアイソタイプ抗体」という用語は、ヒト野生型IgGアイソタイプに由来する定常領域を含む抗体を表す。すなわちこれは、例えば突然変異、例えばP329G突然変異(ナンバリングはKabatに従う)を持つ、ヒトIgGアイソタイプ由来の定常領域を含みうる。
「ヒトIgG4アイソタイプ抗体」という用語は、ヒト野生型IgG4アイソタイプに由来する定常領域を含む抗体を表す。すなわちこれは、例えば突然変異、例えばP329G突然変異および/またはS228P、L235E突然変異(ナンバリングはKabatに従う)を持つ、ヒトIgG4アイソタイプ由来の定常領域を含みうる。
「Fc領域」という用語は、本明細書では、定常領域の少なくとも一部分を含有する免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。この用語はネイティブ配列Fc領域および変異体Fc領域を包含する。一態様において、ヒトIgG重鎖Fc領域は、重鎖のCys226またはPro230から、カルボキシル末端までに及ぶ。ただし、Fc領域のC末端リジン(Lys447)またはC末端グリシル-リジンジペプチド(Gly446Lys447)は、存在しても存在しなくてもよい。別段の指定がある場合を除き、Fc領域または定常領域中のアミノ酸残基のナンバリングは、Kabat, E.A. et al, Sequences of Proteins of Immunological Interest,第5版,米国国立衛生研究所公衆衛生局,メリーランド州ベセスダ(1991)、NIH Publication 91-3242に記載の、EUインデックスとも呼ばれるEUナンバリングシステムに従う。
「フレームワーク」または「FR」は、超可変領域(HVR)残基以外の可変ドメイン残基を指す。可変ドメインのFRは、一般に、4つのFRドメイン、すなわちFR1、FR2、FR3、およびFR4からなる。したがって、HVR配列とFR配列は一般にVH(またはVL)中に次の順序で現れる: FR1-H1(L1)-FR2-H2(L2)-FR3-H3(L3)-FR4。
「宿主細胞」、「宿主細胞株」、および「宿主細胞培養」という用語は、相互可換的に使用され、外因性核酸が導入された細胞を指し、そのような細胞の子孫もこの用語には含まれる。宿主細胞には「形質転換体」および「形質転換細胞」が含まれ、これには、初代形質転換細胞と、継代数を問わずそこから派生した子孫とが包含される。子孫は、核酸の内容が親細胞と完全には同一でなく、突然変異を含有してもよい。元の形質転換細胞においてスクリーニングまたは選択されたものと同じ機能または生物学的活性を有する突然変異型子孫は、ここに包含される。「細胞」という用語は核酸の発現に使用される細胞を包含する。一態様において、宿主細胞はCHO細胞(例えばCHO K1、CHO DG44)、またはBHK細胞、またはNS0細胞、またはSP2/0細胞、またはHEK293細胞、またはHEK293EBNA細胞、またはPER.C6(登録商標)細胞、またはCOS細胞である。別の一態様において、細胞はCHO細胞、またはBHK細胞、またはPER.C6(登録商標)細胞である。本明細書において使用する場合、「細胞」という表現は、対象細胞およびその子孫を包含する。
「洗浄する」という用語は、非特異的結合ポリペプチドおよび非ポリペプチド化合物をクロマトグラフィー材料から除去するために、とりわけ宿主細胞タンパク質および宿主細胞DNAを除去するために、アフィニティークロマトグラフィー材料に溶液を適用することを表す。「洗浄する」という用語は、結合している材料のアフィニティークロマトグラフィー材料からの溶出を包含しない。
タンパク質の回収および精製には、例えば微生物タンパク質によるアフィニティークロマトグラフィー(例えばプロテインAまたはプロテインGアフィニティークロマトグラフィー)、組換えタンパク質をリガンドとする(例えば単鎖Fvをリガンドとする、例えばKappa select)アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー(例えばカチオン交換(カルボキシメチル樹脂)、アニオン交換(アミノエチル樹脂)およびミックスモード交換)、チオフィリック吸着(例えばベータ-メルカプトエタノールリガンドおよび他のSHリガンドによるもの)、疎水性相互作用または芳香族吸着クロマトグラフィー(例えばフェニル-セファロース、アザ-アレノフィリック樹脂、またはm-アミノフェニルボロン酸によるもの)、金属キレートアフィニティークロマトグラフィー(例えばNi(II)-アフィニティー材料およびCu(II)-アフィニティー材料によるもの)、サイズ排除クロマトグラフィー、ならびに電気泳動法(ゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動など)など、さまざまな方法が確立されており、広範に使用されている。これらの方法は、本明細書において報告するように、さまざまな態様において、独立して組み合わせることができる。
「プロテインA」という用語は、自然源から得られる、または合成的に生産される、プロテインAポリペプチドを表す。
「プロテインAクロマトグラフィー材料」という用語は、プロテインAが共有結合されている不活性な固相を表す。
一態様において、プロテインAクロマトグラフィー材料は、MabSelectSure、ProSep vA、Mab Capture A、ProSep Ultra Plus、Mab Select、Mab Select Xtra、Poros A、またはProSep Aから選択される。
「高伝導率水溶液」という用語は、高い伝導率値を持つ水溶液を表す。伝導率値は約20mS/cm以上でありうる。
「中伝導率水溶液」という用語は、中間の伝導率値を持つ水溶液を表す。伝導率値は0.5mS/cm超から20mS/cm未満でありうる。
「低伝導率水溶液」という用語は、低い伝導率値を持つ水溶液を表す。伝導率値は約0.5mS/cm以下でありうる。pHが約8.5以上である場合、伝導率値は約1.2mS/cm以下でありうる。
本発明の具体的態様
1.アフィニティークロマトグラフィーの洗浄段階における、(特定の)宿主細胞タンパク質の含有量を低減するための、ヒスチジンを含む水溶液の使用。
2.アフィニティークロマトグラフィーがヒトIgGアイソタイプ抗体を精製するために使用される、態様1の使用。
3.アフィニティークロマトグラフィーがヒトIgG4アイソタイプ抗体またはヒトIgG1アイソタイプ抗体を精製するために使用される、態様1~2のいずれか一態様の使用。
4.前記水溶液が約10mM~約1000mMのヒスチジンを含む、態様1~3のいずれか一態様の使用。
5.前記水溶液が約50mM~約400mMのヒスチジンを含む、態様1~4のいずれか一態様の使用。
6.前記水溶液が約100mM~約300mMのヒスチジンを含む、態様1~5のいずれか一態様の使用。
7.前記水溶液が約200mMのヒスチジンを含む、態様1~6のいずれか一態様の使用。
8.前記水溶液が約100mM~約1500mMのトリスをさらに含む、態様1~7のいずれか一態様の使用。
9.前記水溶液が約500mM~約1300mMのトリスをさらに含む、態様1~8のいずれか一態様の使用。
10.前記水溶液が約800mM~約1200mMのトリスをさらに含む、態様1~9のいずれか一態様の使用。
11.前記水溶液がヒスチジンおよびトリスを含む、態様1~10のいずれか一態様の使用。
12.前記水溶液が約50mM~約400mMのヒスチジンおよび約800mM~約1200mMのトリスを含む、態様1~11のいずれか一態様の使用。
13.前記水溶液が約200mMのヒスチジンおよび約1000mMのトリスを含む、態様1~12のいずれか一態様の使用。
14.前記水溶液がヒスチジンおよび/またはトリスを含み、かつ約6.5以上のpHを有する、態様1~13のいずれか一態様の使用。
15.前記水溶液がヒスチジンおよび/またはトリスを含み、かつ約6.5~9.0のpHを有する、態様1~14のいずれか一態様の使用。
16.前記水溶液がヒスチジンおよび/またはトリスを含み、かつ約6.8~7.5のpHを有する、態様1~15のいずれか一態様の使用。
17.前記水溶液がヒスチジンおよび/またはトリスを含み、かつ約7のpHを有する、態様1~16のいずれか一態様の使用。
18.アフィニティークロマトグラフィーが低伝導率水溶液による洗浄段階をさらに含む、態様1~17のいずれか一態様の使用。
19.低伝導率水溶液が約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する、態様18の使用。
20.低伝導率水溶液が約0.03μS/cm~約0.5mS/cmの伝導率値を有する、態様18~19のいずれか一態様の使用。
21.低伝導率水溶液が約0.05μS/cm~約0.35mS/cmの伝導率値を有する、態様18~20のいずれか一態様の使用。
22.低伝導率水溶液が脱イオン水である、態様18~21のいずれか一態様の使用。
23.アフィニティークロマトグラフィーが、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー、またはプロテインGアフィニティークロマトグラフィー、または単鎖Fvリガンド(KappaSelect)アフィニティークロマトグラフィーである、態様1~22のいずれか一態様の使用。
24.アフィニティークロマトグラフィーがプロテインAアフィニティークロマトグラフィーである、態様1~23のいずれか一態様の使用。
25.プロテインAアフィニティークロマトグラフィーが、MabSelectSureアフィニティークロマトグラフィー、ProSep vAアフィニティークロマトグラフィー、Mab Capture Aアフィニティークロマトグラフィー、ProSep Ultra Plusアフィニティークロマトグラフィーを含む群から選択される、態様1~24のいずれか一態様の使用。
26.(特定の)宿主細胞タンパク質がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)宿主細胞タンパク質である、態様1~25のいずれか一態様の使用。
27.(特定の)宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼである、態様1~26のいずれか一態様の使用。
28.(特定の)宿主細胞タンパク質が、ホスホリパーゼA、ホスホリパーゼB、ホスホリパーゼC、またはホスホリパーゼDである、態様1~27のいずれか一態様の使用。
29.(特定の)宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼB様2(PLBL2)である、態様1~28のいずれか一態様の使用。
30.(特定の)宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼB様2(PLBL2)またはクラスタリンである、態様1~28のいずれか一態様の使用。
31.低伝導率水溶液がトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)を含有する、態様18~22のいずれか一態様の使用。
32.低伝導率水溶液が約0.1mM~約10mMのトリスを含む、態様18~22のいずれか一態様の使用。
33.低伝導率水溶液が約0.1mM~約8mMのトリスを含む、態様18~22のいずれか一態様の使用。
34.低伝導率水溶液が約0.5mM~約6.5mMのトリスを含む、態様18~22のいずれか一態様の使用。
35.低伝導率水溶液が約2mMのトリスを含む、態様18~22のいずれか一態様の使用。
36.低伝導率水溶液がリン酸カリウムを含有する、態様18~22のいずれか一態様の使用。
37.低伝導率水溶液が約0.05mM~約5mMのリン酸カリウムを含む、態様18~22のいずれか一態様の使用。
38.低伝導率水溶液が約0.05mM~約2mMのリン酸カリウムを含む、態様18~22のいずれか一態様の使用。
39.低伝導率水溶液が約0.5mMのリン酸カリウムを含む、態様18~22のいずれか一態様の使用。
40.低伝導率水溶液が約7以上のpHを有する、態様18~22のいずれか一態様の使用。
41.低伝導率水溶液が約7.5以上のpHを有する、態様18~22のいずれか一態様の使用。
42.低伝導率水溶液が約7~約9.5のpHを有する、態様18~222のいずれか一態様の使用。
43.低伝導率水溶液が約7.5~約8.5のpHを有する、態様18~22のいずれか一態様の使用。
44.低伝導率水溶液が約8のpHを有する、態様18~22のいずれか一態様の使用。
45.少なくとも1つの追加のクロマトグラフィー法/段階が行われる、態様1~44のいずれか一態様の使用。
46.追加のイオン交換クロマトグラフィー法/段階が行われる、態様1~45のいずれか一態様の使用。
47.追加のアニオン交換クロマトグラフィー法/段階が行われる、態様1~46のいずれか一態様の使用。
48.追加のカチオン交換クロマトグラフィー法/段階が行われる、態様1~47のいずれか一態様の使用。
49.追加のアニオン交換クロマトグラフィー法/段階および追加のカチオン交換クロマトグラフィー法/段階が行われる、態様1~48のいずれか一態様の使用。
50.疎水性相互作用クロマトグラフィー法/段階を伴わない、態様1~49のいずれか一態様の使用。
51.ヒトIgG4アイソタイプ抗体が、P-セレクチンに対する抗体、または第IXa因子および第X因子に対する抗体である、態様1~50のいずれか一態様の使用。
52.ヒトIgG1アイソタイプ抗体が、アミロイドベータに対する抗体、またはHer2に対する抗体、またはAng2およびVEGF-Aに対する抗体、またはがん胎児性抗原(CEA)およびCD3に対する抗体である、態様1~52のいずれか一態様の使用。
53.(a)ヒトIgGアイソタイプ抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地からヒトIgGアイソタイプ抗体を回収する段階、
(c)ヒトIgGアイソタイプ抗体をアフィニティークロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)ヒスチジンを含む水溶液で該アフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄する段階、
(e)アフィニティークロマトグラフィー材料からヒトIgGアイソタイプ抗体を回収する段階
を含み、
それによってヒトIgGアイソタイプ抗体を生産する、
ヒトIgGアイソタイプ抗体を生産するための方法。
54.ヒトIgGアイソタイプ抗体がヒトIgG4アイソタイプ抗体またはヒトIgG1アイソタイプ抗体である、態様53の方法。
55.前記水溶液が約10mM~約1000mMのヒスチジンを含む、態様53~54のいずれか一態様の方法。
56.前記水溶液が約50mM~約400mMのヒスチジンを含む、態様53~55のいずれか一態様の方法。
57.前記水溶液が約100mM~約300mMのヒスチジンを含む、態様53~56のいずれか一態様の方法。
58.前記水溶液が約200mMのヒスチジンを含む、態様53~57のいずれか一態様の方法。
59.前記水溶液が約100mM~約1500mMのトリスをさらに含む、態様53~58のいずれか一態様の方法。
60.前記水溶液が約500mM~約1300mMのトリスをさらに含む、態様53~59のいずれか一態様の方法。
61.前記水溶液が約800mM~約1200mMのトリスをさらに含む、態様53~60のいずれか一態様の方法。
62.前記水溶液がヒスチジンおよびトリスを含む、態様53~61のいずれか一態様の方法。
63.前記水溶液が約50mM~約400mMのヒスチジンおよび約800mM~約1200mMのトリスを含む、態様53~62のいずれか一態様の方法。
64.前記水溶液が約200mMのヒスチジンおよび約1000mMのトリスを含む、態様53~63のいずれか一態様の方法。
65.前記水溶液がヒスチジンおよび/またはトリスを含み、約6.5以上のpHを有する、態様53~64のいずれか一態様の方法。
66.前記水溶液がヒスチジンおよび/またはトリスを含み、約6.5~9.0のpHを有する、態様53~65のいずれか一態様の方法。
67.前記水溶液がヒスチジンおよび/またはトリスを含み、約6.8~7.5のpHを有する、態様53~66のいずれか一態様の方法。
68.前記水溶液がヒスチジンおよび/またはトリスを含み、約7のpHを有する、態様53~67のいずれか一態様の方法。
69.アフィニティークロマトグラフィーが低伝導率水溶液による洗浄段階をさらに含む、態様53~68のいずれか一態様の方法。
70.低伝導率水溶液が約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する、態様69記載の方法。
71.低伝導率水溶液が約0.03μS/cm~約0.5mS/cmの伝導率値を有する、態様69~70のいずれか一態様の方法。
72.低伝導率水溶液が約0.05μS/cm~約0.35mS/cmの伝導率値を有する、態様69~71のいずれか一態様の方法。
73.低伝導率水溶液が脱イオン水である、態様69~72のいずれか一態様の方法。
74.アフィニティークロマトグラフィーが、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー、またはプロテインGアフィニティークロマトグラフィー、または単鎖Fvリガンド(KappaSelect)アフィニティークロマトグラフィーである、態様53~73のいずれか一態様の方法。
75.アフィニティークロマトグラフィーがプロテインAアフィニティークロマトグラフィーである、態様53~74のいずれか一態様の方法。
76.プロテインAアフィニティークロマトグラフィーが、MabSelectSureアフィニティークロマトグラフィー、ProSep vAアフィニティークロマトグラフィー、Mab Capture Aアフィニティークロマトグラフィー、ProSep Ultra Plusアフィニティークロマトグラフィーを含む群から選択される、態様53~75のいずれか一態様の方法。
77.(特定の)宿主細胞タンパク質がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)宿主細胞タンパク質である、態様53~76のいずれか一態様の方法。
78.(特定の)宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼである、態様53~77のいずれか一態様の方法。
79.(特定の)宿主細胞タンパク質が、ホスホリパーゼA、ホスホリパーゼB、ホスホリパーゼC、またはホスホリパーゼDである、態様53~78のいずれか一態様の方法。
80.(特定の)宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼB様2(PLBL2)である、態様53~79のいずれか一態様の方法。
81.(特定の)宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼB様2(PLBL2)またはクラスタリンである、態様53~80のいずれか一態様の方法。
82.低伝導率水溶液がトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)を含有する、態様69~73のいずれか一態様の方法。
83.低伝導率水溶液が約0.1mM~約10mMのトリスを含む、態様69~73のいずれか一態様の方法。
84.低伝導率水溶液が約0.1mM~約8mMのトリスを含む、態様69~73のいずれか一態様の方法。
85.低伝導率水溶液が約0.5mM~約6.5mMのトリスを含む、態様69~73のいずれか一態様の方法。
86.低伝導率水溶液が約2mMのトリスを含む、態様69~73のいずれか一態様の方法。
87.低伝導率水溶液がリン酸カリウムを含有する、態様69~73のいずれか一態様の方法。
88.低伝導率水溶液が約0.05mM~約5mMのリン酸カリウムを含む、態様69~73のいずれか一態様の方法。
89.低伝導率水溶液が約0.05mM~約2mMのリン酸カリウムを含む、態様69~73のいずれか一態様の方法。
90.低伝導率水溶液が約0.5mMのリン酸カリウムを含む、態様69~73のいずれか一態様の方法。
91.低伝導率水溶液が約7以上のpHを有する、態様69~73のいずれか一態様の方法。
92.低伝導率水溶液が約7.5以上のpHを有する、態様69~73のいずれか一態様の方法。
93.低伝導率水溶液が約7~約9.5のpHを有する、態様69~73のいずれか一態様の方法。
94.低伝導率水溶液が約7.5~約8.5のpHを有する、態様69~73のいずれか一態様の方法。
95.低伝導率水溶液が約8のpHを有する、態様69~73のいずれか一態様の方法。
96.少なくとも1つの追加のクロマトグラフィー法/段階が行われる、態様53~95のいずれか一態様の方法。
97.追加のイオン交換クロマトグラフィー法/段階が行われる、態様53~96のいずれか一態様の方法。
98.追加のアニオン交換クロマトグラフィー法/段階が行われる、態様53~97のいずれか一態様の方法。
99.追加のカチオン交換クロマトグラフィー法/段階が行われる、態様53~98のいずれか一態様の方法。
100.追加のアニオン交換クロマトグラフィー法/段階および追加のカチオン交換クロマトグラフィー法/段階が行われる、態様53~99のいずれか一態様の方法。
101.疎水性相互作用クロマトグラフィー法/段階を伴わない、態様53~100のいずれか一態様の方法。
102.ヒトIgG4アイソタイプ抗体が、P-セレクチンに対する抗体、または第IXa因子および第X因子に対する抗体である、態様53~101のいずれか一態様の方法。
103.ヒトIgG1アイソタイプ抗体が、アミロイドベータに対する抗体、またはHer2に対する抗体、またはAng2およびVEGF-Aに対する抗体、またはがん胎児性抗原(CEA)およびCD3に対する抗体である、態様53~102のいずれか一態様の方法。
104.(a)ヒトIgGアイソタイプ抗体を含む試料を用意する段階、
(b)ヒスチジンを含む水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄することを含むアフィニティークロマトグラフィー法/段階によって、ヒトIgGアイソタイプ抗体を精製する段階
を含む、試料からヒトIgGアイソタイプ抗体を精製するための方法。
105.ヒトIgGアイソタイプ抗体がヒトIgG4アイソタイプ抗体またはヒトIgG1アイソタイプ抗体である、態様104記載の方法。
106.前記水溶液が約10mM~約1000mMのヒスチジンを含む、態様104~105のいずれか一態様の方法。
107.前記水溶液が約50mM~約400mMのヒスチジンを含む、態様104~106のいずれか一態様の方法。
108.前記水溶液が約100mM~約300mMのヒスチジンを含む、態様104~107のいずれか一態様の方法。
109.前記水溶液が約200mMのヒスチジンを含む、態様104~108のいずれか一態様の方法。
110.前記水溶液が約100mM~約1500mMのトリスをさらに含む、態様104~109のいずれか一態様の方法。
111.前記水溶液が約500mM~約1300mMのトリスをさらに含む、態様104~110のいずれか一態様の方法。
112.前記水溶液が約800mM~約1200mMのトリスをさらに含む、態様104~111のいずれか一態様の方法。
113.前記水溶液がヒスチジンおよびトリスを含む、態様104~112のいずれか一態様の方法。
114.前記水溶液が約50mM~約400mMのヒスチジンおよび約800mM~約1200mMのトリスを含む、態様104~113のいずれか一態様の方法。
115.前記水溶液が約200mMのヒスチジンおよび約1000mMのトリスを含む、態様104~114のいずれか一態様の方法。
116.前記水溶液がヒスチジンおよび/またはトリスを含み、約6.5以上のpHを有する、態様104~115のいずれか一態様の方法。
117.前記水溶液がヒスチジンおよび/またはトリスを含み、約6.5~9.0のpHを有する、態様104~116のいずれか一態様の方法。
118.前記水溶液がヒスチジンおよび/またはトリスを含み、約6.8~7.5のpHを有する、態様104~117のいずれか一態様の方法。
119.前記水溶液がヒスチジンおよび/またはトリスを含み、約7のpHを有する、態様104~118のいずれか一態様の方法。
120.アフィニティークロマトグラフィーが低伝導率水溶液による洗浄段階をさらに含む、態様104~119のいずれか一態様の方法。
121.低伝導率水溶液が約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する、態様120記載の方法。
122.低伝導率水溶液が約0.03μS/cm~約0.5mS/cmの伝導率値を有する、態様120~121のいずれか一態様の方法。
123.低伝導率水溶液が約0.05μS/cm~約0.35mS/cmの伝導率値を有する、態様120~122のいずれか一態様の方法。
124.低伝導率水溶液が脱イオン水である、態様120~123のいずれか一態様の方法。
125.アフィニティークロマトグラフィーが、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー、またはプロテインGアフィニティークロマトグラフィー、または単鎖Fvリガンド(KappaSelect)アフィニティークロマトグラフィーである、態様104~124のいずれか一態様の方法。
126.アフィニティークロマトグラフィーがプロテインAアフィニティークロマトグラフィーである、態様104~125のいずれか一態様の方法。
127.プロテインAアフィニティークロマトグラフィーが、MabSelectSureアフィニティークロマトグラフィー、ProSep vAアフィニティークロマトグラフィー、Mab Capture Aアフィニティークロマトグラフィー、ProSep Ultra Plusアフィニティークロマトグラフィーを含む群から選択される、態様104~126のいずれか一態様の方法。
128.(特定の)宿主細胞タンパク質がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)宿主細胞タンパク質である、態様104~127のいずれか一態様の方法。
129.(特定の)宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼである、態様104~128のいずれか一態様の方法。
130.(特定の)宿主細胞タンパク質が、ホスホリパーゼA、ホスホリパーゼB、ホスホリパーゼC、またはホスホリパーゼDである、態様104~129のいずれか一態様の方法。
131.(特定の)宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼB様2(PLBL2)である、態様104~130のいずれか一態様の方法。
132.(特定の)宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼB様2(PLBL2)またはクラスタリンである、態様104~131のいずれか一態様の方法。
133.低伝導率水溶液がトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)を含有する、態様120~132のいずれか一態様の方法。
134.低伝導率水溶液が約0.1mM~約10mMのトリスを含む、態様120~133のいずれか一態様の方法。
135.低伝導率水溶液が約0.1mM~約8mMのトリスを含む、態様120~134のいずれか一態様の方法。
136.低伝導率水溶液が約0.5mM~約6.5mMのトリスを含む、態様120~135のいずれか一態様の方法。
137.低伝導率水溶液が約2mMのトリスを含む、態様120~136のいずれか一態様の方法。
138.低伝導率水溶液がリン酸カリウムを含有する、態様120~137のいずれか一態様の方法。
139.低伝導率水溶液が約0.05mM~約5mMのリン酸カリウムを含む、態様120~138のいずれか一態様の方法。
140.低伝導率水溶液が約0.05mM~約2mMのリン酸カリウムを含む、態様120~139のいずれか一態様の方法。
141.低伝導率水溶液が約0.5mMのリン酸カリウムを含む、態様120~140のいずれか一態様の方法。
142.低伝導率水溶液が約7以上のpHを有する、態様120~141のいずれか一態様の方法。
143.低伝導率水溶液が約7.5以上のpHを有する、態様120~142のいずれか一態様の方法。
144.低伝導率水溶液が約7~約9.5のpHを有する、態様120~143のいずれか一態様の方法。
145.低伝導率水溶液が約7.5~約8.5のpHを有する、態様120~144のいずれか一態様の方法。
146.低伝導率水溶液が約8のpHを有する、態様120~145のいずれか一態様の方法。
147.少なくとも1つの追加のクロマトグラフィー法/段階が行われる、態様104~146のいずれか一態様の方法。
148.追加のイオン交換クロマトグラフィー法/段階が行われる、態様104~147のいずれか一態様の方法。
149.追加のアニオン交換クロマトグラフィー法/段階が行われる、態様104~148のいずれか一態様の使用。
150.追加のカチオン交換クロマトグラフィー法/段階が行われる、態様104~149のいずれか一態様の方法。
151.追加のアニオン交換クロマトグラフィー法/段階および追加のカチオン交換クロマトグラフィー法/段階が行われる、態様104~150のいずれか一態様の方法。
152.疎水性相互作用クロマトグラフィー法/段階を伴わない、態様104~151のいずれか一態様の方法。
153.ヒトIgG4アイソタイプ抗体が、P-セレクチンに対する抗体、または第IXa因子および第X因子に対する抗体である、態様104~152のいずれか一態様の方法。
154.ヒトIgG1アイソタイプ抗体が、アミロイドベータに対する抗体、またはHer2に対する抗体、またはAng2およびVEGF-Aに対する抗体、またはがん胎児性抗原(CEA)およびCD3に対する抗体である、態様104~153のいずれか一態様の方法。
155.ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を精製するために使用されるプロテインAクロマトグラフィーの洗浄段階における、宿主細胞タンパク質の含有量を低減するための、ヒスチジンおよびトリスを含む水溶液の使用であって、該水溶液が約6.5以上のpHを有し、該水溶液が約10mM~約1000mMのヒスチジンおよび約100mM~約1500mMのトリスを含み、プロテインAクロマトグラフィーが約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する低伝導率水溶液による洗浄段階をさらに含む、前記使用。
156.(a)ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地からヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を回収する段階、
(c)ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体をプロテインAクロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)ヒスチジンおよびトリスを含む約6.5以上のpHを有する水溶液でプロテインAクロマトグラフィー材料を洗浄する段階であって、該水溶液が約10mM~約1000mMのヒスチジンおよび約100mM~約1500mMのトリスを含み、プロテインAクロマトグラフィーが約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する低伝導率水溶液による洗浄段階をさらに含む、前記段階、
(e)プロテインAクロマトグラフィー材料からヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を回収する段階
を含み、
それによってヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を生産する、
ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を生産するための方法。
本発明の理解を助けるために以下の実施例および配列を掲載するが、本発明の真の範囲は本願特許請求の範囲に記載される。記載の手順には本発明の要旨から逸脱することなく変更を加えることができると理解される。
配列表の説明
SEQ ID NO:01 <VEGF>の可変重鎖ドメインVH
SEQ ID NO:02 <VEGF>の可変軽鎖ドメインVL
SEQ ID NO:03 <ANG-2>の可変重鎖ドメインVH
SEQ ID NO:04 <ANG-2>の可変軽鎖ドメインVL
SEQ ID NO:05 抗アミロイドベータ抗体(IgG1アイソタイプ)の可変重鎖ドメインVH
SEQ ID NO:06 抗アミロイドベータ抗体(IgG1アイソタイプ)の可変軽鎖ドメインVL
SEQ ID NO:07 抗P-セレクチン抗体の可変重鎖ドメインVH1
SEQ ID NO:08 抗P-セレクチン抗体の可変重鎖ドメインVH2
SEQ ID NO:09 抗P-セレクチン抗体の可変重鎖ドメインVH3
SEQ ID NO:10 抗P-セレクチン抗体の可変軽鎖ドメインVL1
SEQ ID NO:11 抗P-セレクチン抗体の可変軽鎖ドメインVL2
SEQ ID NO:12 抗P-セレクチン抗体の可変軽鎖ドメインVL3
実施例1
材料および方法
抗体
WO 2005/100402またはSEQ ID NO:07~12に記載のP-セレクチンに対する抗体(抗P-セレクチン抗体;インクラクマブ; IgG4アイソタイプ)、WO 2012/067176に記載の第IXa因子および第X因子に対する二重特異性抗体(抗FIXa/X抗体; IgG4アイソタイプ)、WO 1992/022653に記載のHer2に対する抗体(抗Her2抗体;トラスツズマブ; IgG1アイソタイプ)、WO 2011/117329またはSEQ ID NO:01~04に記載のAng2およびVEGF-Aに対する二重特異性抗体(抗Ang2/VEGF-A抗体;バヌシズマブ; IgG1アイソタイプ)、WO 2003/070760またはSEQ ID NO:05~06に記載のアミロイドベータに対する抗体(抗アミロイドベータ抗体;ガンテネルマブ; IgG1アイソタイプ)を使って、本発明を例示する。
総宿主細胞タンパク質(HCP)、ホスホリパーゼB様2タンパク質(PLBL2)およびクラスタリンの検出方法
(a)CHO HCPアッセイ
プロセス試料中の残存CHO HCP含有量は、cobas e 411イムノアッセイアナライザー(Roche Diagnostics)で、電気化学発光イムノアッセイ(ECLIA)によって測定される。
このアッセイは、ヒツジからのポリクローナル抗CHO HCP抗体を使ったサンドイッチ原理に基づく。
第1インキュベーション:15μLの試料(ニートおよび/または希釈物)からのチャイニーズハムスター卵巣宿主細胞タンパク質(CHO HCP)とビオチンコンジュゲートポリクローナルCHO HCP特異的抗体とがサンドイッチ複合体を形成し、これが、ビオチンとストレプトアビジンとの相互作用によってストレプトアビジン被覆微粒子に結合した状態になる。
第2インキュベーション:ルテニウム錯体(トリス(2,2'-ビピリジル)ルテニウム(II)錯体)で標識されたポリクローナルCHO HCP特異的抗体の添加後に、微粒子上に三元複合体が形成される。
反応混合物を測定セル中に吸引する。このセルでは、微粒子が電極の表面に磁気的に捕捉される。次に、結合していない物質が洗浄段階において除去される。次に、電極への電圧の適用により化学発光の放射が誘発され、それを光電子倍増管によって測定する。
最後に、試験試料中のCHO HCPの濃度が、濃度公知のCHO HCP標準曲線から算出される。
(b)CHO PLBL2アッセイ
プロセス試料中の残存チャイニーズハムスター卵巣(CHO)ホスホリパーゼB様2タンパク質(PLBL2)含有量は、cobas e 411 イムノアッセイアナライザー(Roche Diagnostics)で、電気化学発光イムノアッセイ(ECLIA)によって測定される。
このアッセイは、マウスからのモノクローナル抗CHO PLBL2抗体を使ったサンドイッチ原理に基づく。
第1インキュベーション段階では、30μLの試料(ニートおよび/または希釈物)からのCHO PLBL2、ビオチン標識モノクローナルCHO PLBL2特異的抗体、およびルテニウム錯体(トリス(2,2'-ビピリジル)ルテニウム(II)錯体)で標識されたモノクローナルCHO PLBL2特異的抗体が、サンドイッチ複合体を形成する。
第2段階では、ストレプトアビジン被覆微粒子の添加後に、ビオチンとストレプトアビジンの相互作用により、三元複合体が固相に結合した状態になる。
反応混合物を測定セル中に吸引する。このセルでは、微粒子が電極の表面に磁気的に捕捉される。次に、結合していない物質が洗浄段階において除去される。次に、電極への電圧の適用により化学発光が誘発され、それを光電子倍増管によって測定する。
最後に、試験試料中のCHO PLBL2が濃度公知のCHO PLBL2標準曲線から算出される。
(c)クラスタリンアッセイ
プロセス試料中の残存クラスタリン含有量は、市販のアッセイによって測定される。この市販のアッセイは製造者の説明に従って使用した。
簡単に述べると、このアッセイは、逐次、
(1)Bioaffy 1000nL CDのストレプトアビジン被覆アフィニティーカラムへのラットクラスタリンビオチン化捕捉抗体の結合、
(2)抗クラスタリン抗体への、試料からのラットクラスタリン分子の捕捉、
(3)捕捉された分子への第2の色素標識抗クラスタリン検出抗体の結合、
(4)Gyrolab Evaluatorを使ったラットクラスタリンの定量
に基づく、サンドイッチELISAである。
実施例2
プロテインAクロマトグラフィーにおける抗P-セレクチン抗体(IgG4アイソタイプ)の精製
抗体:抗P-セレクチン

一般クロマトグラフィー条件
カラム樹脂:プロテインA材料「Mab Select SuRe」(GE-Healthcare)直径1cm、高さ: 20.1cm、CV: 15.79ml
装置: Akta Avant 150
流速:すべての段階において300cm/時
プロテインAアフィニティーカラムの平衡化(段階1)後、そのカラムに、抗P-セレクチン抗体を含有する溶液を適用した。抗P-セレクチン抗体を含有する溶液中で測定されたPLBL2の初期負荷量: 335ng PLBL2/mg抗体。抗P-セレクチン抗体を含有する溶液中で測定されたクラスタリンの初期負荷量: 2874.8ngクラスタリン/mg抗体。抗P-セレクチン抗体を含有する溶液中で測定されたCHOPの初期負荷量: 100971ng CHOP/mg抗体。
クロマトグラフィー段階は、以下の一般スキームに従って行った。
段階1: 平衡化:
段階2: 抗体含有溶液のローディング
段階3: 洗浄I
段階4: 洗浄II
段階5: 洗浄III
段階6: 洗浄IV(追加の洗浄)
段階7: 溶出
プロテインAアフィニティーカラムからの溶出後に、タンパク質をサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)および分光光度(OD)分析によって測定した。
SEC:
樹脂: TSK 3000(Tosoh)
カラム: 300×7.8mm
流速: 0.5ml/分
緩衝液: 250mMの塩化カリウムを含有する200mMのリン酸カリウム、pH7.0に調節
波長: 280nm
OD:
比係数: 1.54
波長: 280nm マイナス 320nm
プロテインAクロマトグラフィー(抗P-セレクチン抗体)用の具体的緩衝液条件
(a)対照(平衡化緩衝液のみによる洗浄)
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階5: 洗浄III: ---
段階6: 洗浄IV: ---
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(b)低伝導率洗浄(トリス緩衝液によるもののみ)
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: 2mMトリス、pH8.0
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(c)低伝導率洗浄(リン酸カリウム(KP)によるもののみ)
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: 0.5mMリン酸カリウム、pH8.0
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(d)高伝導率洗浄(トリス緩衝液によるもののみ)
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 700mMトリス、pH7.2
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: ---
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(e)低伝導率洗浄(トリス緩衝液によるもののみ; pH6.0)
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: 2mMトリス、pH6.0
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(f)高伝導率洗浄(ヒスチジン(His)/トリス緩衝液によるもののみ)
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 200mM His/1000mMトリス、pH7.0
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: ---
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(g)低伝導率トリス+高伝導率ヒスチジン(His)/トリス
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 200mM His/1000mMトリス、pH7.0
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: 2mMトリス、pH8.0
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(h)低伝導率リン酸カリウム(KP)+高伝導率ヒスチジン(His)/トリス
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 200mM His/1000mMトリス、pH7.0
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: 0.5mMリン酸カリウム、pH8.0
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(i)低伝導率トリス+高伝導率トリス
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 700mMトリス、pH7.2
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: 2mMトリス、pH8.0
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(j)低伝導率トリス; pH6.0+高伝導率トリス
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 700mMトリス、pH7.2
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: 2mMトリス、pH6.0
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
結果:
Figure 0007073253000001
実施例3
プロテインAクロマトグラフィーにおける抗アミロイドベータ抗体(IgG1アイソタイプ)の精製
一般条件は実施例2に記載した条件に従った。
抗体:抗アミロイドベータ。
抗アミロイドベータ抗体を含有する溶液中で測定されたPLBL2の初期負荷量: 2019.7ng PLBL2/mg抗体。抗アミロイドベータ抗体を含有する溶液中で測定されたCHOPの初期負荷量: 578908ng CHOP/mg抗体。
プロテインAクロマトグラフィー用の具体的緩衝液条件
(a)対照(平衡化緩衝液のみによる洗浄)
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階5: 洗浄III: ---
段階6: 洗浄IV: ---
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(b)低伝導率洗浄(トリス緩衝液によるもののみ)
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: 2mMトリス、pH8.0
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(c)高伝導率洗浄(トリス緩衝液によるもののみ)
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 700mMトリス、pH7.2
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: ---
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(d)低伝導率トリス+高伝導率ヒスチジン(His)/トリス
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 200mM His/1000mMトリス、pH7.0
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: 2mMトリス、pH8.0
段階7: 溶出 50mM酢酸、pH4.0
Figure 0007073253000002
実施例4
プロテインAクロマトグラフィーにおける抗Her2抗体(IgG1アイソタイプ)の精製
一般条件は実施例2に記載した条件に従った。
抗体:抗Her2
抗Her2抗体を含有する溶液中で測定されたPLBL2の初期負荷量: 1662.5ng PLBL2/mg抗体。抗Her2抗体を含有する溶液中で測定されたCHOPの初期負荷量: 727070ng CHOP/mg抗体。
プロテインAクロマトグラフィー用の具体的緩衝液条件
(a)対照(平衡化緩衝液のみによる洗浄)
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階5: 洗浄III: ---
段階6: 洗浄IV: ---
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(b)低伝導率洗浄(トリス緩衝液によるもののみ)
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: 2mMトリス、pH8.0
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(c)高伝導率洗浄(トリス緩衝液によるもののみ)
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 700mMトリス、pH7.2
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: ---
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(d)低伝導率トリス+高伝導率ヒスチジン(His)/トリス
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 200mM His/1000mMトリス、pH7.0
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: 2mMトリス、pH8.0
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
Figure 0007073253000003
実施例5
プロテインAクロマトグラフィーにおける二重特異性抗Ang2/VEGF-A抗体(IgG1アイソタイプ)の精製
一般条件は実施例2に記載した条件に従った。
抗体:抗Ang2/VEGF-A
二重特異性抗Ang2/VEGF-A抗体を含有する溶液中で測定されたPLBL2の初期負荷量: 919.7ng PLBL2/mg抗体。抗Ang2/VEGF-Aを含有する溶液中で測定されたCHOPの初期負荷量: 682304ng CHOP/mg抗体。
プロテインAクロマトグラフィー用の具体的緩衝液条件
(a)対照(平衡化緩衝液のみによる洗浄)
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階5: 洗浄III: ---
段階6: 洗浄IV: ---
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(b)低伝導率洗浄(トリス緩衝液によるもののみ)
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: 2mMトリス、pH8.0
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(c)高伝導率洗浄(トリス緩衝液によるもののみ)
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 700mMトリス、pH7.2
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: ---
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(d)低伝導率トリス+高伝導率ヒスチジン(His)/トリス
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 200mM His/1000mMトリス、pH7.0
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: 2mMトリス、pH8.0
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
Figure 0007073253000004
実施例6
プロテインAクロマトグラフィーにおける二重特異性抗FIXa/X抗体(IgG4アイソタイプ)の精製
抗FIXa/X抗体の精製を2つの異なるクロマトグラフィー設定で試験した。
設定1
一般条件は実施例2に記載した条件に従った。
抗体:抗FIXa/X
抗FIXa/X抗体を含有する溶液中で測定されたPLBL2の初期負荷量: 557ng PLBL2/mg抗体。抗FIXa/Xを含有する溶液中で測定されたCHOPの初期負荷量: 387377ng CHOP/mg抗体。
プロテインAクロマトグラフィー用の具体的緩衝液条件
(a)高伝導率洗浄(トリス緩衝液によるもののみ)
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 700mMトリス、pH7.2
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: ---
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(b)低伝導率トリス+高伝導率ヒスチジン(His)/トリス
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 200mM His/1000mMトリス、pH7.0
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: 2mMトリス、pH8.0
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
Figure 0007073253000005
設定2
一般クロマトグラフィー条件
カラム樹脂: プロテインA材料「Mab Select SuRe」(GE-Healthcare)直径1cm、高さ: 20.1cm、CV: 15.79ml
装置: Akta Avant 150
流速:すべての段階において300cm/時
プロテインAアフィニティーカラムの平衡化(段階1)後、そのカラムに、抗FIXa/X抗体を含有する溶液を適用した。
抗FIXa/X抗体を含有する溶液中で測定されたPLBL2の初期負荷量: 557ng PLBL2/mg抗体。
クロマトグラフィー段階は、以下の一般スキームに従って行った。
段階1: 平衡化:
段階2: 抗体含有溶液のローディング
段階3: 洗浄I
段階4: 洗浄II
段階5: 洗浄III(追加の洗浄)
段階6: 溶出
プロテインAクロマトグラフィー用の具体的緩衝液条件
(a)高伝導率洗浄(NaSO4緩衝液によるもののみ)
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 450mM NaSO4、20mM NaAc、pH4.8
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: ---
段階6: 溶出: 35mM酢酸、pH4.0
(b)低伝導率洗浄(トリス1mM)+高伝導率洗浄(NaSO4によるもの)
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 450mM NaSO4、20mM NaAc、pH4.8
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 1mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(c)低伝導率洗浄(トリス2mM)+高伝導率洗浄(NaSO4によるもの)
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 450mM NaSO4、20mM NaAc、pH4.8
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 2mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 35mM酢酸、pH4.0
(d)低伝導率洗浄(トリス4mM)+高伝導率洗浄(NaSO4によるもの)
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 450mM NaSO4、20mM NaAc、pH4.8
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 4mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(e)低伝導率洗浄(トリス6mM)+高伝導率洗浄(NaSO4によるもの)
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 450mM NaSO4、20mM NaAc、pH4.8
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 6mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(f)低伝導率洗浄(トリス4mM、pH7.8)+高伝導率洗浄(NaSO4によるもの)
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 450mM NaSO4、20mM NaAc、pH4.8
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 4mMトリス、pH7.8
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(g)低伝導率洗浄(トリス4mM、pH8.2)+高伝導率洗浄(NaSO4によるもの)
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 450mM NaSO4、20mM NaAc、pH4.8
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 4mMトリス、pH8.2
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(h)低伝導率洗浄(トリス2mM)+高伝導率洗浄(ヒスチジン(His)/トリス1Mによるもの)
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 200mM His/1000mMトリス、pH7.0
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 2mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 35mM酢酸、pH4.0
(i)低伝導率洗浄(トリス2mM)+高伝導率洗浄(ヒスチジン(His)/トリス0.85M)
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 200mM His/850mMトリス、pH7.0
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 2mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(j)低伝導率洗浄(トリス2mM)+高伝導率洗浄(ヒスチジン(His)/トリス0.7M)
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 200mM His/700mMトリス、pH7.0
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 2mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(k)低伝導率洗浄(トリス2mM)+高伝導率洗浄(ヒスチジン(His)/トリス0.55M)
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 200mM His/550mMトリス、pH7.0
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 2mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
Figure 0007073253000006

Claims (15)

  1. ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を精製するために使用されるプロテインAクロマトグラフィーの洗浄段階における、宿主細胞タンパク質の含有量を低減するための、100mM~300mMのヒスチジンおよび800mM~1200mMのトリスを含む6.5以上のpHを有する水溶液の使用。
  2. 前記水溶液が200mMのヒスチジンを含む、請求項1記載の使用。
  3. 前記水溶液が200mMのヒスチジンおよび1000mMのトリスを含む、請求項1~2のいずれか一項記載の使用。
  4. 宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼB様2(PLBL2)またはクラスタリンである、請求項1~3のいずれか一項記載の使用。
  5. プロテインAクロマトグラフィーが、低伝導率水溶液による洗浄段階をさらに含み、該低伝導率水溶液が0.5mS/cm以下の伝導率値を有する、請求項1~4のいずれか一項記載の使用。
  6. 低伝導率水溶液が0.1~8mMのトリスを含む、請求項5記載の使用。
  7. 低伝導率水溶液が0.05~2mMのリン酸カリウムを含む、請求項5記載の使用。
  8. 低伝導率水溶液が7以上のpHを有する、請求項57のいずれか一項記載の使用。
  9. ヒトIgG4アイソタイプ抗体が、P-セレクチンに対する抗体、または第IXa因子および第X因子に対する抗体である、請求項1~8のいずれか一項記載の使用。
  10. ヒトIgG1アイソタイプ抗体が、アミロイドベータに対する抗体、またはHer2に対する抗体、またはAng2およびVEGF-Aに対する抗体、またはがん胎児性抗原(CEA)およびCD3に対する抗体である、請求項1~9のいずれか一項記載の使用。
  11. (a)ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
    (b)該細胞または培養培地からヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を回収する段階、
    (c)ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体をプロテインAクロマトグラフィー材料と接触させる段階、
    (d)100mM~300mMのヒスチジンおよび800mM~1200mMのトリスを含む6.5以上のpHを有する水溶液でプロテインAクロマトグラフィー材料を洗浄する段階、
    (e)プロテインAクロマトグラフィー材料からヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を回収する段階
    を含み、
    それによってヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を生産する、
    ヒトIgG4またはIgG1アイソタイプ抗体を生産するための方法。
  12. 前記水溶液が200mMのヒスチジンを含む、請求項11記載の方法。
  13. 前記水溶液が200mMのヒスチジンおよび1Mのトリスを含む、請求項1112のいずれか一項記載の方法。
  14. プロテインAクロマトグラフィーが、0.5mS/cm以下の伝導率値を有する低伝導率水溶液による洗浄段階をさらに含む、請求項1113のいずれか一項記載の方法。
  15. 前記細胞のタンパク質の含有量が低減される、請求項1114のいずれか一項記載の方法であって、該タンパク質がホスホリパーゼB様2(P5BL2)またはクラスタリンである、方法。
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