JP7084301B2 - 低伝導率洗浄緩衝液を用いたアフィニティークロマトグラフィー精製方法 - Google Patents
低伝導率洗浄緩衝液を用いたアフィニティークロマトグラフィー精製方法 Download PDFInfo
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Description
タンパク質、とりわけ免疫グロブリンは、現代の医学的ポートフォリオ(medical portfolio)において重要な役割を果たしている。ヒトに適用するには、治療用タンパク質がいずれも明確な基準を満たす必要がある。ヒトにとっての生物製剤の安全性を保証するには、とりわけ、生産プロセス中に蓄積する副産物を除去する必要がある。規制上の仕様を満たすには、製造プロセス後に、1つまたは複数の精製段階を行う必要がある。なかんずく、純度、スループット、および収率は、適当な精製プロセスを決定する際に重要な役割を果たす。
(a)該二重特異性抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地から該二重特異性抗体を回収する段階、
(c)該二重特異性抗体をアフィニティークロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(e)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(f)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を生産する、
前記方法である。
(a)該二重特異性抗体を含む試料を用意する段階、
(b)該二重特異性抗体を含む試料をアフィニティークロマトグラフィー材料に適用する段階、
(c)アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(d)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(e)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を精製する、
前記方法である。
(a)第1抗原に特異的に結合する第1完全長抗体の重鎖および軽鎖と、
(b)定常ドメインCLとCH1とが互いに置き換えられている、第2抗原に特異的に結合する第2完全長抗体の修飾重鎖および修飾軽鎖と
を含む二重特異性抗体である。
[本発明1001]
第1抗原に特異的に結合する第1抗原結合部位と第2抗原に特異的に結合する第2抗原結合部位とを含む二重特異性抗体を生産するための方法であって、
(a)該二重特異性抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地から該二重特異性抗体を回収する段階、
(c)該二重特異性抗体をアフィニティークロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)アフィニティークロマトグラフィー材料を、約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(e)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(f)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を生産する、
前記方法。
[本発明1002]
第1抗原に特異的に結合する第1抗原結合部位と第2抗原に特異的に結合する第2抗原結合部位とを含む二重特異性抗体を試料から精製するための方法であって、
(a)該二重特異性抗体を含む試料を用意する段階、
(b)該二重特異性抗体を含む試料をアフィニティークロマトグラフィー材料に適用する段階、
(c)アフィニティークロマトグラフィー材料を、約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(d)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(e)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を精製する、
前記方法。
[本発明1003]
アフィニティークロマトグラフィー段階後のさらなるクロマトグラフィー段階がイオン交換クロマトグラフィー段階またはマルチモードイオン交換クロマトグラフィー段階である、本発明1001~1002のいずれかの方法。
[本発明1004]
アフィニティークロマトグラフィーがプロテインAアフィニティークロマトグラフィーまたはプロテインGアフィニティークロマトグラフィーまたは単鎖Fvリガンドアフィニティークロマトグラフィーである、本発明1001~1003のいずれかの方法。
[本発明1005]
アフィニティークロマトグラフィーがプロテインAアフィニティークロマトグラフィーである、本発明1001~1004のいずれかの方法。
[本発明1006]
前記低伝導率水溶液が約0.1mM~約8mMのトリスを含む、本発明1001~1005のいずれかの方法。
[本発明1007]
前記低伝導率水溶液が約0.05mM~約2mMのリン酸カリウムを含む、本発明1001~1005のいずれかの方法。
[本発明1008]
前記低伝導率水溶液が約7以上のpHを有する、本発明1001~1007のいずれかの方法。
[本発明1009]
アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前または後に、高伝導率水溶液および/または中伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄する段階をさらに含む、本発明1001~1008のいずれかの方法。
[本発明1010]
高伝導率水溶液が約20mS/cm以上の伝導率値を有する、本発明1009の方法。
[本発明1011]
中伝導率水溶液が0.5mS/cm超から20mS/cm未満までの伝導率値を有する、本発明1009の方法。
[本発明1012]
高伝導率水溶液または中伝導率水溶液がヒスチジンを含む、本発明1009~1011のいずれかの方法。
[本発明1013]
前記二重特異性抗体が、
(a)第1抗原に特異的に結合する第1完全長抗体の重鎖および軽鎖と、
(b)定常ドメインCLとCH1とが互いに置き換えられている、第2抗原に特異的に結合する第2完全長抗体の修飾重鎖および修飾軽鎖と
を含む二重特異性抗体である、本発明1001~1012のいずれかの方法。
[本発明1014]
第1抗原がヒトVEGFであり、かつ第2抗原がヒトANG-2であるか、第1抗原がヒトANG-2であり、かつ第2抗原がヒトVEGFである、本発明1001~1013のいずれかの方法。
[本発明1015]
第1抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:1を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:2を含み、第2抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:3を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:4を含む、本発明1001~1014のいずれかの方法。
一般に、アフィニティークロマトグラフィー法の洗浄段階では、高伝導率緩衝液が使用されると記載されている。例えば高い塩濃度などに起因して、あるクロマトグラフィー/分離段階から別のクロマトグラフィー/分離段階への移行に際して、さらなるプロセス段階が必要になる場合がある。あるクロマトグラフィー段階からの溶出液における高い伝導率値は、後続のクロマトグラフィー段階に対して好ましくない効果を有しうる。
(a)該二重特異性抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地から該二重特異性抗体を回収する段階、
(c)該二重特異性抗体(を含む溶液)をアフィニティークロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)該二重特異性抗体のうちの少なくとも90%がアフィニティークロマトグラフィー材料に結合している状態を保ちつつ、アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(e)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(f)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を生産する、
前記方法である。
(a)該二重特異性抗体を含む(緩衝水性)試料を用意する段階、
(b)該二重特異性抗体を含む試料をアフィニティークロマトグラフィー材料に適用する段階、
(c)該二重特異性抗体のうちの少なくとも90%がアフィニティークロマトグラフィー材料に結合している状態を保ちつつ、アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(d)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(e)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を精製する、
前記方法である。
(a)該二重特異性抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地から該二重特異性抗体を回収する段階、
(c)該二重特異性抗体(を含む溶液)をアフィニティークロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)該二重特異性抗体のうちの少なくとも90%がアフィニティークロマトグラフィー材料に結合している状態を保ちつつ、アフィニティークロマトグラフィー材料を、約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(e)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(f)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を生産する、
前記方法である。
(a)該二重特異性抗体を含む(緩衝水性)試料を用意する段階、
(b)該二重特異性抗体を含む試料をアフィニティークロマトグラフィー材料に適用する段階、
(c)該二重特異性抗体のうちの少なくとも90%がアフィニティークロマトグラフィー材料に結合している状態を保ちつつ、アフィニティークロマトグラフィー材料を、約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(d)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(e)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を精製する、
前記方法である。
(a)該二重特異性抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地から該二重特異性抗体を回収する段階、
(c)該二重特異性抗体をプロテインAアフィニティークロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)プロテインAアフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(e)該二重特異性抗体をプロテインAアフィニティークロマトグラフィー材料から回収する段階、
(f)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を生産し、
ここで、アフィニティークロマトグラフィー段階後のさらなるクロマトグラフィー段階はマルチモードアニオン交換クロマトグラフィー段階であり、低伝導率水溶液は水であり、該第1抗原結合部位は、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:1を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:2を含み、該第2抗原結合部位は、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:3を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:4を含む、
前記方法である。
(a)該二重特異性抗体を含む試料を用意する段階、
(b)該二重特異性抗体を含む試料をプロテインAアフィニティークロマトグラフィー材料に適用する段階、
(c)プロテインAアフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(d)該二重特異性抗体をプロテインAアフィニティークロマトグラフィー材料から回収する段階、
(e)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を精製し、
ここで、アフィニティークロマトグラフィー段階後のさらなるクロマトグラフィー段階はマルチモードアニオン交換クロマトグラフィー段階であり、低伝導率水溶液は水であり、該第1抗原結合部位は、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:1を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:2を含み、該第2抗原結合部位は、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:3を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:4を含む、
前記方法である。
(a)該二重特異性抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地から該二重特異性抗体を回収する段階、
(c)該二重特異性抗体をアフィニティークロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)アフィニティークロマトグラフィー材料を、約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(e)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(f)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を生産する、
前記方法である。
(a)該二重特異性抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地から該二重特異性抗体を回収する段階、
(c)該二重特異性抗体をアフィニティークロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)アフィニティークロマトグラフィー材料を、約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(e)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(f)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を生産する、
前記方法である。
1.第1抗原に特異的に結合する第1抗原結合部位と第2抗原に特異的に結合する第2抗原結合部位とを含む二重特異性抗体を生産するための方法であって、
(a)該二重特異性抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地から該二重特異性抗体を回収する段階、
(c)該二重特異性抗体をアフィニティークロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(e)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(f)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を生産する、
前記方法。
2.アフィニティークロマトグラフィー段階後のさらなるクロマトグラフィー段階がイオン交換クロマトグラフィー段階またはマルチモードイオン交換クロマトグラフィー段階である、態様1に記載の方法。
3.アフィニティークロマトグラフィー段階後のさらなるクロマトグラフィー段階がマルチモードアニオン交換クロマトグラフィー段階である、態様1~2のいずれか一態様の方法。
4.マルチモードアニオン交換クロマトグラフィー材料が、CaptoAdhere ImpRes材料(高流量アガロースのマトリックス、リガンドとしてのマルチモード強アニオン交換体、36~44μmの平均粒径および0.08~0.11mmol Cl-/mL媒体のイオン容量を有する、マルチモードアニオン交換クロマトグラフィー媒体)を含む群から選択される、態様1~3のいずれか一態様の方法。
5.低伝導率水溶液が約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する、態様1~4のいずれか一態様の方法。
6.低伝導率水溶液が約0.03μS/cm~約0.5mS/cmの伝導率値を有する、態様1~5のいずれか一態様の方法。
7.低伝導率水溶液が約0.05μS/cm~約0.35mS/cmの伝導率値を有する、態様1~6のいずれか一態様の方法。
8.低伝導率水溶液が高精製/脱イオン水である、態様1~5のいずれか一態様の方法。
9.アフィニティークロマトグラフィーが、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー、またはプロテインGアフィニティークロマトグラフィー、または単鎖Fvリガンド(KappaSelect)アフィニティークロマトグラフィーである、態様1~8のいずれか一態様の方法。
10.アフィニティークロマトグラフィーがプロテインAアフィニティークロマトグラフィーである、態様1~9のいずれか一態様の方法。
11.プロテインAアフィニティークロマトグラフィーが、MabSelectSureアフィニティークロマトグラフィー、ProSep vAアフィニティークロマトグラフィー、Mab Capture Aアフィニティークロマトグラフィー、ProSep Ultra Plusアフィニティークロマトグラフィーを含む群から選択される、態様1~10のいずれか一態様の方法。
12.(特定の)宿主細胞タンパク質の含有量が低減される、態様1~11のいずれか一態様の方法。
13.(特定の)宿主細胞タンパク質がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)宿主細胞タンパク質である、態様1~12のいずれか一態様の方法。
14.(特定の)宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼである、態様1~13のいずれか一態様の方法。
15.(特定の)宿主細胞タンパク質が、ホスホリパーゼA、ホスホリパーゼB、ホスホリパーゼC、またはホスホリパーゼDである、態様1~14のいずれか一態様の方法。
16.(特定の)宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼB様2(PLBL2)である、態様1~15のいずれか一態様の方法。
17.(特定の)宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼB様2(PLBL2)またはクラスタリンである、態様1~16のいずれか一態様の方法。
18.低伝導率水溶液がトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)を含有する、態様1~17のいずれか一態様の方法。
19.低伝導率水溶液が約0.1mM~約10mMのトリスを含む、態様1~18のいずれか一態様の方法。
20.低伝導率水溶液が約0.1mM~約8mMのトリスを含む、態様1~19のいずれか一態様の方法。
21.低伝導率水溶液が約0.5mM~約6.5mMのトリスを含む、態様1~20のいずれか一態様の方法。
22.低伝導率水溶液が約2mMのトリスを含む、態様1~21のいずれか一態様の方法。
23.低伝導率水溶液がリン酸カリウムを含有する、態様1~17のいずれか一態様の方法。
24.低伝導率水溶液が約0.2mM~約5mMのリン酸カリウムを含む、態様1~17のいずれか一態様の方法。
25.低伝導率水溶液が約0.05mM~約2mMのリン酸カリウムを含む、態様1~17のいずれか一態様の方法。
26.低伝導率水溶液が約0.5mMのリン酸カリウムを含む、態様1~17のいずれか一態様の方法。
27.低伝導率水溶液が約7以上のpHを有する、態様1~26のいずれか一態様の方法。
28.低伝導率水溶液が約7.5以上のpHを有する、態様1~27のいずれか一態様の方法。
29.低伝導率水溶液が約7~約9.5のpHを有する、態様1~26のいずれか一態様の方法。
30.低伝導率水溶液が約7.5~約8.5のpHを有する、態様1~27のいずれか一態様の方法。
31.低伝導率水溶液が約8のpHを有する、態様1~27のいずれか一態様の方法。
32.アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前または後に、高伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄する段階をさらに含む、態様1~31のいずれか一態様の方法。
33.アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前に、高伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄する段階をさらに含む、態様1~32のいずれか一態様の方法。
34.アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前または後に、高伝導率水溶液および/または中伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄する段階をさらに含む、態様1~33のいずれか一態様の方法。
35.アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前に、高伝導率水溶液および/または中伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄する段階をさらに含む、態様1~34のいずれか一態様の方法。
36.高伝導率水溶液が約20mS/cm以上の伝導率値を有する、態様32~35のいずれか一態様の方法。
37.高伝導率水溶液が約20mS/cm~約100mS/cmの伝導率値を有する、態様32~36のいずれか一態様の方法。
38.中伝導率水溶液が0.5mS/cm超から20mS/cm未満までの伝導率値を有する、態様32~37のいずれか一態様の方法。
39.高伝導率水溶液または中伝導率水溶液がアミノ酸を含む、態様32~38のいずれか一態様の方法。
40.高伝導率水溶液または中伝導率水溶液がヒスチジンを含む、態様32~39のいずれか一態様の方法。
41.高伝導率水溶液または中伝導率水溶液がヒスチジンおよびトリスを含む、態様32~40のいずれか一態様の方法。
42.疎水性相互作用クロマトグラフィー法/段階を伴わない、態様1~41のいずれか一態様の方法。
43.前記二重特異性抗体が、
(a)第1抗原に特異的に結合する第1完全長抗体の重鎖および軽鎖と、
(b)定常ドメインCLとCH1とが互いに置き換えられている、第2抗原に特異的に結合する第2完全長抗体の修飾重鎖および修飾軽鎖と
を含む二重特異性抗体である、態様1~42のいずれか一態様の方法。
44.前記二重特異性抗体が、第IXa因子および第X因子に対する二重特異性抗体、またはHER3およびEGFRに対する二重特異性抗体、またはAng2およびVEGFに対する二重特異性抗体である、態様1~43のいずれか一態様の方法。
45.第1抗原がヒトVEGFであり、かつ第2抗原がヒトANG-2であるか、第1抗原がヒトANG-2であり、かつ第2抗原がヒトVEGFである、態様1~44のいずれか一態様の方法。
46.第1抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:1を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:2を含み、第2抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:3を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:4を含む、態様44~45のいずれか一態様の方法。
47.第1抗原に特異的に結合する第1抗原結合部位と第2抗原に特異的に結合する第2抗原結合部位とを含む二重特異性抗体を試料から精製するための方法であって、
(a)該二重特異性抗体を含む試料を用意する段階、
(b)該二重特異性抗体を含む試料をアフィニティークロマトグラフィー材料に適用する段階、
(c)アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(d)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(e)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を精製する、
前記方法。
48.アフィニティークロマトグラフィー段階後のさらなるクロマトグラフィー段階が、イオン交換クロマトグラフィー段階またはマルチモードイオン交換クロマトグラフィー段階である、態様47の方法。
49.アフィニティークロマトグラフィー段階後のさらなるクロマトグラフィー段階がマルチモードアニオン交換クロマトグラフィー段階である、態様47~48のいずれか一態様の方法。
50.マルチモードアニオン交換クロマトグラフィー材料が、CaptoAdhere ImpRes材料(高流量アガロースのマトリックス、リガンドとしてのマルチモード強アニオン交換体、36~44μmの平均粒径および0.08~0.11mmol Cl-/mL媒体のイオン容量を有する、マルチモードアニオン交換クロマトグラフィー媒体)を含む群から選択される、態様49の方法。
51.低伝導率水溶液が約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する、態様47~50のいずれか一態様の方法。
52.低伝導率水溶液が約0.03μS/cm~約0.5mS/cmの伝導率値を有する、態様47~51のいずれか一態様の方法。
53.低伝導率水溶液が約0.05μS/cm~約0.35mS/cmの伝導率値を有する、態様47~52のいずれか一態様の方法。
54.低伝導率水溶液が高精製/脱イオン水である、態様47~51のいずれか一態様の方法。
55.アフィニティークロマトグラフィーが、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー、またはプロテインGアフィニティークロマトグラフィー、または単鎖Fvリガンド(KappaSelect)アフィニティークロマトグラフィーである、態様47~54のいずれか一態様の方法。
56.アフィニティークロマトグラフィーがプロテインAアフィニティークロマトグラフィーである、態様47~55のいずれか一態様の方法。
57.プロテインAアフィニティークロマトグラフィーが、MabSelectSureアフィニティークロマトグラフィー、ProSep vAアフィニティークロマトグラフィー、Mab Capture Aアフィニティークロマトグラフィー、ProSep Ultra Plusアフィニティークロマトグラフィーを含む群から選択される、態様47~56のいずれか一態様の方法。
58.(特定の)宿主細胞タンパク質の含有量が低減される、態様47~57のいずれか一態様の方法。
59.(特定の)宿主細胞タンパク質がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)宿主細胞タンパク質である、態様47~58のいずれか一態様の方法。
60.(特定の)宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼである、態様47~59のいずれか一態様の方法。
61.(特定の)宿主細胞タンパク質が、ホスホリパーゼA、ホスホリパーゼB、ホスホリパーゼC、またはホスホリパーゼDである、態様47~60のいずれか一態様の方法。
62.(特定の)宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼB様2(PLBL2)である、態様47~61のいずれか一態様の方法。
63.(特定の)宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼB様2(PLBL2)またはクラスタリンである、態様47~62のいずれか一態様の方法。
64.低伝導率水溶液がトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)を含有する、態様47~63のいずれか一態様の方法。
65.低伝導率水溶液が約0.1mM~約10mMのトリスを含む、態様47~64のいずれか一態様の方法。
66.低伝導率水溶液が約0.1mM~約8mMのトリスを含む、態様47~65のいずれか一態様の方法。
67.低伝導率水溶液が約0.5mM~約6.5mMのトリスを含む、態様47~66のいずれか一態様の方法。
68.低伝導率水溶液が約2mMのトリスを含む、態様47~67のいずれか一態様の方法。
69.低伝導率水溶液がリン酸カリウムを含有する、態様47~68のいずれか一態様の方法。
70.低伝導率水溶液が約0.2mM~約5mMのリン酸カリウムを含む、態様47~69のいずれか一態様の方法。
71.低伝導率水溶液が約0.05mM~約2mMのリン酸カリウムを含む、態様47~69のいずれか一態様の方法。
72.低伝導率水溶液が約0.5mMのリン酸カリウムを含む、態様47~71のいずれか一態様の方法。
73.低伝導率水溶液が約7以上のpHを有する、態様47~72のいずれか一態様の方法。
74.低伝導率水溶液が約7.5以上のpHを有する、態様47~73のいずれか一態様の方法。
75.低伝導率水溶液が約7~約9.5のpHを有する、態様47~73のいずれか一態様の方法。
76.低伝導率水溶液が約7.5~約8.5のpHを有する、態様47~74のいずれか一態様の方法。
77.低伝導率水溶液が約8のpHを有する、態様47~54のいずれか一態様の方法。
78.アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前または後に、高伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄する段階をさらに含む、態様47~77のいずれか一態様の方法。
79.アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前に、高伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄する段階をさらに含む、態様47~77のいずれか一態様の方法。
80.アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前または後に、高伝導率水溶液および/または中伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄する段階をさらに含む、態様47~77のいずれか一態様の方法。
81.アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前に、高伝導率水溶液および/または中伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄する段階をさらに含む、態様47~77のいずれか一態様の方法。
82.高伝導率水溶液が約20mS/cm以上の伝導率値を有する、態様78~81のいずれか一態様の方法。
83.高伝導率水溶液が約20mS/cm~約100mS/cmの伝導率値を有する、態様78~82のいずれか一態様の方法。
84.中伝導率水溶液が0.5mS/cm超から20mS/cm未満までの伝導率値を有する、態様78~83のいずれか一態様の方法。
85.高伝導率水溶液または中伝導率水溶液がアミノ酸を含む、態様78~84のいずれか一態様の方法。
86.高伝導率水溶液または中伝導率水溶液がヒスチジンを含む、態様78~85のいずれか一態様の方法。
87.高伝導率水溶液または中伝導率水溶液がヒスチジンおよびトリスを含む、態様78~86のいずれか一態様の方法。
88.疎水性相互作用クロマトグラフィー法/段階を伴わない、態様47~87のいずれか一態様の方法。
89.前記二重特異性抗体が、
(a)第1抗原に特異的に結合する第1完全長抗体の重鎖および軽鎖と、
(b)定常ドメインCLとCH1とが互いに置き換えられている、第2抗原に特異的に結合する第2完全長抗体の修飾重鎖および修飾軽鎖と
を含む二重特異性抗体である、態様47~88のいずれか一態様の方法。
90.前記二重特異性抗体が、第IXa因子および第X因子に対する二重特異性抗体、またはHER3およびEGFRに対する二重特異性抗体、またはAng2およびVEGFに対する二重特異性抗体である、態様47~89のいずれか一態様の方法。
91.第1抗原がヒトVEGFであり、かつ第2抗原がヒトANG-2であるか、第1抗原がヒトANG-2であり、かつ第2抗原がヒトVEGFである、態様47~54のいずれか一態様の方法。
92.第1抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:1を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:2を含み、第2抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:3を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:4を含む、態様90~91のいずれか一態様の方法。
SEQ ID NO:01 <VEGF>の可変重鎖ドメインVH
SEQ ID NO:02 <VEGF>の可変軽鎖ドメインVL
SEQ ID NO:03 <ANG-2>の可変重鎖ドメインVH
SEQ ID NO:04 <ANG-2>の可変軽鎖ドメインVL
材料および方法
抗体
WO 2012/067176に記載の第IXa因子および第X因子に対する二重特異性抗体(抗FIXa/X抗体; IgG4アイソタイプ)、WO 2011/117329またはSEQ ID NO:01~04に記載のAng2およびVEGF-Aに対する二重特異性抗体(抗Ang2/VEGF-A抗体;バヌシズマブ; IgG1アイソタイプ)、またはHer3およびEGFRに対する二重特異性抗体(抗Her3/EGFR抗体; IgG1アイソタイプ)を使って、本発明を例示する。
(a)CHO HCPアッセイ
プロセス試料中の残存CHO HCP含有量は、cobas e 411イムノアッセイアナライザー(Roche Diagnostics)で、電気化学発光イムノアッセイ(ECLIA)によって測定される。
プロセス試料中の残存チャイニーズハムスター卵巣(CHO)ホスホリパーゼB様2タンパク質(PLBL2)含有量は、cobas e 411 イムノアッセイアナライザー(Roche Diagnostics)で、電気化学発光イムノアッセイ(ECLIA)によって測定される。
プロセス試料中の残存クラスタリン含有量は、Merck Milliporeから市販されるアッセイ(GyroMark HT Kit GYRCLU-37K)によって測定される。この市販のアッセイは製造者の説明に従って使用した。
(1)Bioaffy 1000nL CDのストレプトアビジン被覆アフィニティーカラムへのラットクラスタリンビオチン化捕捉抗体の結合、
(2)抗クラスタリン抗体への、試料からのラットクラスタリン分子の捕捉、
(3)捕捉された分子への第2の色素標識抗クラスタリン検出抗体の結合、
(4)Gyrolab Evaluatorを使ったラットクラスタリンの定量
に基づく、サンドイッチELISAである。
プロテインAクロマトグラフィーにおける二重特異性抗Ang2/VEGF-A抗体(IgG1アイソタイプ)の精製
抗体:抗Ang2/VEGF-A抗体
一般クロマトグラフィー条件
カラム樹脂:プロテインA材料「Mab Select SuRe」(GE-Healthcare)直径1cm、高さ: 20.1cm、CV: 15.79ml
装置: Akta Avant 150
流速:すべての段階において300cm/時
段階1: 平衡化:
段階2: 抗体含有溶液のローディング
段階3: 洗浄I
段階4: 洗浄II
段階5: 洗浄III
段階6: 洗浄IV(追加の洗浄)
段階7: 溶出
樹脂: TSK 3000(Tosoh)
カラム: 300×7.8mm
流速: 0.5ml/分
緩衝液: 250mMの塩化カリウムを含有する200mMのリン酸カリウム、pH7.0に調節
波長: 280nm
OD:
比係数: 1.54
波長: 280nm マイナス 320nm
(a)対照(平衡化緩衝液のみによる洗浄)
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階5: 洗浄III: ---
段階6: 洗浄IV: ---
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: 2mMトリス、pH8.0
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 700mMトリス、pH7.2
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: ---
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 200mM His/1000mMトリス、pH7.0
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: 2mMトリス、pH8.0
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
プロテインAクロマトグラフィーにおける二重特異性抗FIXa/X抗体(IgG4アイソタイプ)の精製
抗FIXa/X抗体の精製を2つの異なるクロマトグラフィー設定で試験した。
一般条件は実施例2に記載した条件に従った。
抗体:抗FIXa/X
抗FIXa/X抗体を含有する溶液中で測定されたPLBL2の初期負荷量: 557ng PLBL2/mg抗体。抗FIXa/Xを含有する溶液中で測定されたCHOPの初期負荷量: 387377ng CHOP/mg抗体。
(a)高伝導率洗浄(トリス緩衝液によるもののみ)
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 700mMトリス、pH7.2
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: ---
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 200mM His/1000mMトリス、pH7.0
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: 2mMトリス、pH8.0
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
一般クロマトグラフィー条件
カラム樹脂: プロテインA材料「Mab Select SuRe」(GE-Healthcare)直径1cm、高さ: 20.1cm、CV: 15.79ml
装置: Akta Avant 150
流速:すべての段階において300cm/時
段階1: 平衡化:
段階2: 抗体含有溶液のローディング
段階3: 洗浄I
段階4: 洗浄II
段階5: 洗浄III(追加の洗浄)
段階6: 溶出
(a)高伝導率洗浄(NaSO4緩衝液によるもののみ)
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 450mM NaSO4、20mM NaAc、pH4.8
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: ---
段階6: 溶出: 35mM酢酸、pH4.0
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 450mM NaSO4、20mM NaAc、pH4.8
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 1mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 450mM NaSO4、20mM NaAc、pH4.8
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 2mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 35mM酢酸、pH4.0
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 450mM NaSO4、20mM NaAc、pH4.8
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 4mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 450mM NaSO4、20mM NaAc、pH4.8
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 6mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 450mM NaSO4、20mM NaAc、pH4.8
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 4mMトリス、pH7.8
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 450mM NaSO4、20mM NaAc、pH4.8
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 4mMトリス、pH8.2
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 200mM His/1000mMトリス、pH7.0
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 2mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 35mM酢酸、pH4.0
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 200mM His/850mMトリス、pH7.0
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 2mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 200mM His/700mMトリス、pH7.0
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 2mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 200mM His/550mMトリス、pH7.0
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 2mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
一般手順/条件:
モック細胞培養液
無血清培地中で培養した非トランスフェクトCHO-DP12細胞を使って、ヌル収穫細胞培養液(null harvested cell culture fluid)を生産した。発酵は代表的な細胞培養プロセスを使って2Lスケールで行った。14日間の発酵の最後に、遠心分離および滅菌濾過によって細胞培養液を収穫した。次に、この収穫細胞培養液(HCCF)を実験まで-70℃で保存した。
C末端ヘキサヒスチジンタグを持つ組換えCHO PLBL2を35Lスケールの一過性トランスフェクションで発現させ、収穫細胞培養液から既述のとおり精製した(Vanderlaan et al, 2015)。次に、精製PLBL2をPBS溶液中に製剤化し、実験まで-70℃で保存した。
組換えヒト化抗体(Her3およびEGFRに対する二重特異性抗体(抗Her3/EGFR抗体; IgG1アイソタイプ))をCHO細胞中で発現させ、PLBL2濃度が20ng/mg未満であることを保証するために、カラムクロマトグラフィーを使って精製した。各研究の開始に先立ち、PD-10脱塩カラム(GE Healthcare)を使って各抗体をPBSに緩衝液交換した。
充填床カラムクロマトグラフィーの場合、抗体間でプロテインA負荷物中の宿主細胞タンパク質の集団および存在量を標準化するために、精製抗体をPBSで同じ濃度に希釈し、非生産細胞株からのHCCFにスパイクすることで、5g/Lの最終抗体価を得た。抗体の非存在下でのプロテインA樹脂への非特異的宿主細胞タンパク質結合を評価するために、精製抗体の代わりにPBSを加えた対照も調製した。
充填床カラムクロマトグラフィー実験はすべて、内径0.66cm×床高20cmのMabSelect SuRe(GE Healthcare)プロテインA樹脂カラムを使って行った。精製ごとに、カラムをまず、25mMトリス、25mM NaCl、pH7.7(平衡化緩衝液)で3カラム体積(CV)にわたって平衡化した。次に、プロテインA負荷物を、30g抗体/L樹脂の目標負荷密度まで適用した後、カラムを、3CVの平衡化緩衝液、3CVの異なるタイプの洗浄緩衝液、そして再び3CVの平衡化緩衝液で洗浄した。次に、0.1M酢酸、pH2.8を使って、低いpHで抗体を溶出させ、溶出液プールの収集を、溶出ピークの開始時に0.5ODから開始し、2.8CV後にプーリングを終了した。PBSスパイクヌルHCCFを使った対照実験の場合は、溶出相の開始後1CVから開始して3.8CVまで、2.8CVのモック溶出液プールを得た。次に、各実験の最後に、それぞれのプロテインA溶出液を、1.5Mトリス塩基を使ってpH5.0までタイトレートした。次に、カラムを0.1M水酸化ナトリウム溶液で浄化した。流量が15CV/時であった負荷相、第1平衡化洗浄相、および溶出相を除くすべての相において、体積流量は20CV/時であった。
実施例4の一般手順を使った抗Her3/EGFR抗体(IgG1アイソタイプ)の精製のための具体的洗浄緩衝液条件:
(a)脱イオン水
高純度脱イオン水による追加の洗浄を伴うプロテインAクロマトグラフィーにおける二重特異性抗Ang2/VEGF-A抗体の精製
CHO発現培養からの収穫細胞培養液(HCCF)を、MabSelect SuReアフィニティークロマトグラフィーにより、結合-溶出モード(bind-elute mode)で処理した。カラムにHCCFを38gmAb/l樹脂の最大負荷密度まで負荷した後、カラムを25mMトリス、25mM NaCl、pH7.2で5カラム体積にわたって洗浄した。次に、5カラム体積にわたって0.7Mトリス/HCl、pH7.2による追加の洗浄を行った。3つ目の洗浄段階は、5カラム体積にわたり、高精製水を使って行った。カラムに結合した抗体を、50mM酢酸、pH3.4を使って溶出させた。溶出プールは、OD280に基づいて500mAUから250mAU(光路長1cm)まで、最大3カラム体積にわたって収集した。
高純度脱イオン水による追加の洗浄なしのプロテインAクロマトグラフィーにおける二重特異性抗Ang2/VEGF-A抗体の精製(比較例)
CHO発現培養からの収穫細胞培養液(HCCF)を、MabSelect SuReアフィニティークロマトグラフィーにより、結合-溶出モードで処理した。カラムにHCCFを38gmAb/l樹脂の最大負荷密度まで負荷した後、カラムを25mMトリス、25mM NaCl、pH7.2で5カラム体積にわたって洗浄した。次に、5カラム体積にわたって0.7Mトリス/HCl、pH7.2による追加の洗浄を行った。3つ目の洗浄段階は、再び25mMトリス、25mM NaCl、pH7.2を使って行った。カラムに結合した抗体を、50mM酢酸、pH3.4を使って溶出させた。溶出プールは、OD280に基づいて500mAUから250mAU(光路長1cm)まで、最大3カラム体積にわたって収集した。
Claims (13)
- 第1抗原に特異的に結合する第1抗原結合部位と第2抗原に特異的に結合する第2抗原結合部位とを含む二重特異性抗体を生産するための方法であって、
(a)該二重特異性抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地から該二重特異性抗体を回収する段階、
(c)該二重特異性抗体をアフィニティークロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)アフィニティークロマトグラフィー材料を、0.03μS/cm~0.5mS/cmの伝導率値を有する低伝導率水溶液で洗浄する段階、および、アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前または後に、0.5mS/cm超から20mS/cm未満までの伝導率値を有する中伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料をさらに洗浄する段階、
(e)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(f)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を生産する、
前記方法。 - 第1抗原に特異的に結合する第1抗原結合部位と第2抗原に特異的に結合する第2抗原結合部位とを含む二重特異性抗体を試料から精製するための方法であって、
(a)該二重特異性抗体を含む試料を用意する段階、
(b)該二重特異性抗体を含む試料をアフィニティークロマトグラフィー材料に適用する段階、
(c)アフィニティークロマトグラフィー材料を、0.03μS/cm~0.5mS/cmの伝導率値を有する低伝導率水溶液で洗浄する段階、および、アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前または後に、0.5mS/cm超から20mS/cm未満までの伝導率値を有する中伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料をさらに洗浄する段階、
(d)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(e)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を精製する、
前記方法。 - アフィニティークロマトグラフィー段階後のさらなるクロマトグラフィー段階がイオン交換クロマトグラフィー段階またはマルチモードイオン交換クロマトグラフィー段階である、請求項1~2のいずれか一項記載の方法。
- アフィニティークロマトグラフィーがプロテインAアフィニティークロマトグラフィーまたはプロテインGアフィニティークロマトグラフィーまたは単鎖Fvリガンドアフィニティークロマトグラフィーである、請求項1~3のいずれか一項記載の方法。
- アフィニティークロマトグラフィーがプロテインAアフィニティークロマトグラフィーである、請求項1~4のいずれか一項記載の方法。
- 前記低伝導率水溶液が0.1mM~8mMのトリスを含む、請求項1~5のいずれか一項記載の方法。
- 前記低伝導率水溶液が0.05mM~2mMのリン酸カリウムを含む、請求項1~5のいずれか一項記載の方法。
- 前記低伝導率水溶液が7以上のpHを有する、請求項1~7のいずれか一項記載の方法。
- アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前または後に、高伝導率水溶液および中伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄する段階をさらに含み、該高伝導率水溶液が20mS/cm以上の伝導率値を有し、かつ、該中伝導率水溶液が0.5mS/cm超から20mS/cm未満までの伝導率値を有する、請求項1~8のいずれか一項記載の方法。
- 高伝導率水溶液または中伝導率水溶液がヒスチジンを含む、請求項9記載の方法。
- 前記二重特異性抗体が、
(a)第1抗原に特異的に結合する第1完全長抗体の重鎖および軽鎖と、
(b)定常ドメインCLとCH1とが互いに置き換えられている、第2抗原に特異的に結合する第2完全長抗体の重鎖および軽鎖と
を含む二重特異性抗体である、請求項1~10のいずれか一項記載の方法。 - 第1抗原がヒトVEGFであり、かつ第2抗原がヒトANG-2であるか、第1抗原がヒトANG-2であり、かつ第2抗原がヒトVEGFである、請求項1~11のいずれか一項記載の方法。
- 第1抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:1を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:2を含み、第2抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:3を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:4を含む、請求項1~12のいずれか一項記載の方法。
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