JP7084301B2 - 低伝導率洗浄緩衝液を用いたアフィニティークロマトグラフィー精製方法 - Google Patents

低伝導率洗浄緩衝液を用いたアフィニティークロマトグラフィー精製方法 Download PDF

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Description

本発明は、概して、ポリペプチド精製の分野に関する。本発明は、特に、抗体の精製において使用されるマルチカラム精製プロセスの改良に関する。
発明の背景
タンパク質、とりわけ免疫グロブリンは、現代の医学的ポートフォリオ(medical portfolio)において重要な役割を果たしている。ヒトに適用するには、治療用タンパク質がいずれも明確な基準を満たす必要がある。ヒトにとっての生物製剤の安全性を保証するには、とりわけ、生産プロセス中に蓄積する副産物を除去する必要がある。規制上の仕様を満たすには、製造プロセス後に、1つまたは複数の精製段階を行う必要がある。なかんずく、純度、スループット、および収率は、適当な精製プロセスを決定する際に重要な役割を果たす。
タンパク質の精製には、例えばアフィニティークロマトグラフィー(例えばプロテインAまたはプロテインGアフィニティークロマトグラフィー、単鎖Fvリガンドアフィニティークロマトグラフィー)、イオン交換クロマトグラフィー(例えばカチオン交換(スルホプロピル樹脂またはカルボキシメチル樹脂)、アニオン交換(アミノエチル樹脂)およびミックスモードイオン交換)、チオフィリック吸着(例えばベータ-メルカプトエタノールリガンドおよび他のSHリガンドによるもの)、疎水性相互作用または芳香族吸着クロマトグラフィー(例えばフェニル-セファロース、アザ-アレノフィリック樹脂、またはm-アミノフェニルボロン酸によるもの)、金属キレートアフィニティークロマトグラフィー(例えばNi(II)-アフィニティー材料およびCu(II)-アフィニティー材料によるもの)、サイズ排除クロマトグラフィー、ならびに電気泳動法(ゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動など)など、さまざまな方法が確立され、広範に使用されている。
組換え生産された免疫グロブリンの精製には、多くの場合、異なるカラムクロマトグラフィー段階の組合せが使用される。精製中に、宿主細胞タンパク質および宿主細胞DNAならびにエンドトキシンおよびウイルスなどの非免疫グロブリン夾雑物を枯渇させる。それゆえに、一般的には、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーのようなアフィニティークロマトグラフィー段階の後に、1つまたは複数の追加の分離段階が行われる。一般に、アフィニティークロマトグラフィー法の洗浄段階では、高伝導率緩衝液が使用されると記載されている。例えば高い塩濃度などに起因して、あるクロマトグラフィー/分離段階から別のクロマトグラフィー/分離段階への移行に際して、さらなるプロセス段階が必要になる場合がある。あるクロマトグラフィー段階からの溶出液における高い伝導率値は、後続のクロマトグラフィー段階に対して好ましくない効果を有しうる。
US 6,127,526(特許文献1)には、プロテインAクロマトグラフィーによってタンパク質を精製するための方法であって、(a)シリカまたはガラスを含む固相上に固定されたプロテインAにタンパク質を吸着させる段階、(b)固相を疎水性電解質溶媒で洗浄することによって、固相に結合した夾雑物を除去する段階、および(c)固相からタンパク質を回収する段階を含む方法が記載されている。
WO2011/038894(特許文献2)では、プロテインAクロマトグラフィー材料からの免疫グロブリンの回収に先立つ特別な洗浄段階によって宿主細胞タンパク質およびDNAを顕著に枯渇させるプロテインAクロマトグラフィー法が報告されている。
WO2013/177118(特許文献3)では、試料マトリックスから抗体を単離および精製するための組成物および方法が報告されている。
WO2013/033517(特許文献4)では、関心対象のポリペプチド(抗体など)をウイルスから分離するための方法が報告されている。
EP2583973(特許文献5)には、少なくとも1つのクロマトグラフィープロセスにおいて使用される緩衝溶液(平衡化緩衝液、洗浄緩衝液、および溶出緩衝液)中に、アミノ酸、またはそのジペプチド、オリゴペプチド、もしくはポリアミノ酸が含まれる、1つまたは複数のクロマトグラフィープロセスを含み、それによって、不純物(例えばポリマーまたは宿主細胞タンパク質)が極めて微量な高純度タンパク質を精製する、タンパク質の精製方法が報告されている。
EP1561756(特許文献6)では、タンパク質の精製方法が報告されている。
ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを使った二重特異性抗体と二重特異性抗体生産副産物との分離が、WO2015/024896(特許文献7)に報告されている。
Ritzenら(J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci, 2007, Vol. 856, p.343-347)(非特許文献1)は、アルギニンを使った、モノクローナル抗体調製物におけるエンドトキシンの低減を報告している。
US 6,127,526 WO2011/038894 WO2013/177118 WO2013/033517 EP2583973 EP1561756 WO2015/024896
Ritzenら(J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci, 2007, Vol. 856, p.343-347)
本明細書では、アフィニティークロマトグラフィー段階とそれに続く1つまたは複数の追加の分離段階とによって二重特異性抗体を精製することによる、二重特異性抗体の生産方法を報告する。
より具体的に述べると、クロマトグラフィー材料からの抗体の回収に先立つアフィニティークロマトグラフィーの洗浄段階において低伝導率水溶液を使用する本発明の方法により、溶出液を次のカラム/クロマトグラフィー材料に負荷する前のさらなるプロセス段階の必要を取り除くことで抗体の精製プロセスを改良することができ、かつ/または特定宿主細胞タンパク質の含有量を低減させうることが見いだされた。例えば、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー溶出液の希釈または濾過のようなプロセス段階を省略することができる。
本明細書において報告する一局面は、第1抗原に特異的に結合する第1抗原結合部位と第2抗原に特異的に結合する第2抗原結合部位とを含む二重特異性抗体を生産するための方法であって、
(a)該二重特異性抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地から該二重特異性抗体を回収する段階、
(c)該二重特異性抗体をアフィニティークロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(e)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(f)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を生産する、
前記方法である。
本明細書において報告する一局面は、第1抗原に特異的に結合する第1抗原結合部位と第2抗原に特異的に結合する第2抗原結合部位とを含む二重特異性抗体を試料から精製するための方法であって、
(a)該二重特異性抗体を含む試料を用意する段階、
(b)該二重特異性抗体を含む試料をアフィニティークロマトグラフィー材料に適用する段階、
(c)アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(d)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(e)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を精製する、
前記方法である。
すべての局面の一態様において、アフィニティークロマトグラフィー段階後のさらなるクロマトグラフィー段階は、イオン交換クロマトグラフィー段階またはマルチモードイオン交換クロマトグラフィー段階である。
すべての局面の一態様において、アフィニティークロマトグラフィーは、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーまたはプロテインGアフィニティークロマトグラフィーまたは単鎖Fvリガンドアフィニティークロマトグラフィーである。すべての局面の好ましい一態様において、アフィニティークロマトグラフィーはプロテインAアフィニティークロマトグラフィーである。
すべての局面の一態様において、低伝導率水溶液は約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する。
すべての局面の一態様において、低伝導率水溶液は約0.1mM~約8mMのトリスを含む。
すべての局面の一態様において、低伝導率水溶液は約0.05mM~約2mMのリン酸カリウムを含む。
すべての局面の一態様において、低伝導率水溶液は約7以上のpHを有する。
すべての局面の一態様において、本方法は、アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前または後に、アフィニティークロマトグラフィー材料を高伝導率水溶液および/または中伝導率水溶液で洗浄する段階を、さらに含む。
一態様において、高伝導率水溶液は約20mS/cm以上の伝導率値を有する。一態様において、中伝導率水溶液は約0.5mS/cm超から20mS/cm未満までの伝導率値を有する。
すべての局面の一態様において、高伝導率水溶液または中伝導率水溶液はヒスチジンを含む。
すべての局面の一態様において、二重特異性抗体は、
(a)第1抗原に特異的に結合する第1完全長抗体の重鎖および軽鎖と、
(b)定常ドメインCLとCH1とが互いに置き換えられている、第2抗原に特異的に結合する第2完全長抗体の修飾重鎖および修飾軽鎖と
を含む二重特異性抗体である。
すべての局面の一態様において、第1抗原はヒトVEGFであり、かつ第2抗原はヒトANG-2である。
すべての局面の一態様において、第1抗原はヒトANG-2であり、かつ第2抗原はヒトVEGFである。
すべての局面の一態様において、第1抗原はがん胎児性抗原(CEA)であり、かつ第2抗原はCD3である。
すべての局面の一態様において、第1抗原はCD3であり、かつ第2抗原はがん胎児性抗原(CEA)である。
すべての局面の好ましい一態様において、第1抗原結合部位は、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:1を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:2を含み、第2抗原結合部位は、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:3を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:4を含む。
[本発明1001]
第1抗原に特異的に結合する第1抗原結合部位と第2抗原に特異的に結合する第2抗原結合部位とを含む二重特異性抗体を生産するための方法であって、
(a)該二重特異性抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地から該二重特異性抗体を回収する段階、
(c)該二重特異性抗体をアフィニティークロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)アフィニティークロマトグラフィー材料を、約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(e)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(f)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を生産する、
前記方法。
[本発明1002]
第1抗原に特異的に結合する第1抗原結合部位と第2抗原に特異的に結合する第2抗原結合部位とを含む二重特異性抗体を試料から精製するための方法であって、
(a)該二重特異性抗体を含む試料を用意する段階、
(b)該二重特異性抗体を含む試料をアフィニティークロマトグラフィー材料に適用する段階、
(c)アフィニティークロマトグラフィー材料を、約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(d)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(e)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を精製する、
前記方法。
[本発明1003]
アフィニティークロマトグラフィー段階後のさらなるクロマトグラフィー段階がイオン交換クロマトグラフィー段階またはマルチモードイオン交換クロマトグラフィー段階である、本発明1001~1002のいずれかの方法。
[本発明1004]
アフィニティークロマトグラフィーがプロテインAアフィニティークロマトグラフィーまたはプロテインGアフィニティークロマトグラフィーまたは単鎖Fvリガンドアフィニティークロマトグラフィーである、本発明1001~1003のいずれかの方法。
[本発明1005]
アフィニティークロマトグラフィーがプロテインAアフィニティークロマトグラフィーである、本発明1001~1004のいずれかの方法。
[本発明1006]
前記低伝導率水溶液が約0.1mM~約8mMのトリスを含む、本発明1001~1005のいずれかの方法。
[本発明1007]
前記低伝導率水溶液が約0.05mM~約2mMのリン酸カリウムを含む、本発明1001~1005のいずれかの方法。
[本発明1008]
前記低伝導率水溶液が約7以上のpHを有する、本発明1001~1007のいずれかの方法。
[本発明1009]
アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前または後に、高伝導率水溶液および/または中伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄する段階をさらに含む、本発明1001~1008のいずれかの方法。
[本発明1010]
高伝導率水溶液が約20mS/cm以上の伝導率値を有する、本発明1009の方法。
[本発明1011]
中伝導率水溶液が0.5mS/cm超から20mS/cm未満までの伝導率値を有する、本発明1009の方法。
[本発明1012]
高伝導率水溶液または中伝導率水溶液がヒスチジンを含む、本発明1009~1011のいずれかの方法。
[本発明1013]
前記二重特異性抗体が、
(a)第1抗原に特異的に結合する第1完全長抗体の重鎖および軽鎖と、
(b)定常ドメインCLとCH1とが互いに置き換えられている、第2抗原に特異的に結合する第2完全長抗体の修飾重鎖および修飾軽鎖と
を含む二重特異性抗体である、本発明1001~1012のいずれかの方法。
[本発明1014]
第1抗原がヒトVEGFであり、かつ第2抗原がヒトANG-2であるか、第1抗原がヒトANG-2であり、かつ第2抗原がヒトVEGFである、本発明1001~1013のいずれかの方法。
[本発明1015]
第1抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:1を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:2を含み、第2抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:3を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:4を含む、本発明1001~1014のいずれかの方法。
発明の詳細な説明
一般に、アフィニティークロマトグラフィー法の洗浄段階では、高伝導率緩衝液が使用されると記載されている。例えば高い塩濃度などに起因して、あるクロマトグラフィー/分離段階から別のクロマトグラフィー/分離段階への移行に際して、さらなるプロセス段階が必要になる場合がある。あるクロマトグラフィー段階からの溶出液における高い伝導率値は、後続のクロマトグラフィー段階に対して好ましくない効果を有しうる。
本明細書では、低伝導率水溶液によるアフィニティークロマトグラフィー材料の洗浄を含むアフィニティークロマトグラフィー法と、それに続く追加の分離段階とを用いる、改良された精製プロセスを報告する。
本明細書において報告する一局面は、第1抗原に特異的に結合する第1抗原結合部位と第2抗原に特異的に結合する第2抗原結合部位とを含む二重特異性抗体を生産するための方法であって、
(a)該二重特異性抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地から該二重特異性抗体を回収する段階、
(c)該二重特異性抗体(を含む溶液)をアフィニティークロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)該二重特異性抗体のうちの少なくとも90%がアフィニティークロマトグラフィー材料に結合している状態を保ちつつ、アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(e)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(f)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を生産する、
前記方法である。
本明細書において報告する一局面は、第1抗原に特異的に結合する第1抗原結合部位と第2抗原に特異的に結合する第2抗原結合部位とを含む二重特異性抗体を試料から精製するための方法であって、
(a)該二重特異性抗体を含む(緩衝水性)試料を用意する段階、
(b)該二重特異性抗体を含む試料をアフィニティークロマトグラフィー材料に適用する段階、
(c)該二重特異性抗体のうちの少なくとも90%がアフィニティークロマトグラフィー材料に結合している状態を保ちつつ、アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(d)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(e)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を精製する、
前記方法である。
本明細書において報告する一局面は、第1抗原に特異的に結合する第1抗原結合部位と第2抗原に特異的に結合する第2抗原結合部位とを含む二重特異性抗体を生産するための方法であって、
(a)該二重特異性抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地から該二重特異性抗体を回収する段階、
(c)該二重特異性抗体(を含む溶液)をアフィニティークロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)該二重特異性抗体のうちの少なくとも90%がアフィニティークロマトグラフィー材料に結合している状態を保ちつつ、アフィニティークロマトグラフィー材料を、約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(e)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(f)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を生産する、
前記方法である。
本明細書において報告する一局面は、第1抗原に特異的に結合する第1抗原結合部位と第2抗原に特異的に結合する第2抗原結合部位とを含む二重特異性抗体を試料から精製するための方法であって、
(a)該二重特異性抗体を含む(緩衝水性)試料を用意する段階、
(b)該二重特異性抗体を含む試料をアフィニティークロマトグラフィー材料に適用する段階、
(c)該二重特異性抗体のうちの少なくとも90%がアフィニティークロマトグラフィー材料に結合している状態を保ちつつ、アフィニティークロマトグラフィー材料を、約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(d)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(e)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を精製する、
前記方法である。
すべての局面の一態様において、アフィニティークロマトグラフィー段階後のさらなるクロマトグラフィー段階は、イオン交換クロマトグラフィー段階またはマルチモードイオン交換クロマトグラフィー段階である。すべての局面の好ましい一態様において、アフィニティークロマトグラフィー段階後のさらなるクロマトグラフィー段階は、マルチモードアニオン交換クロマトグラフィー段階である。すべての局面の一態様において、アフィニティークロマトグラフィー段階後のさらなるクロマトグラフィー段階は、マルチモードカチオン交換クロマトグラフィー段階である。すべての局面の一態様において、アフィニティークロマトグラフィー段階後のさらなるクロマトグラフィー段階は、CaptoAdhere ImpRes材料(高流量アガロースのマトリックス、リガンドとしてのマルチモード強アニオン交換体、36~44μmの平均粒径および0.08~0.11mmol Cl-/mL媒体のイオン容量を有する、マルチモードアニオン交換クロマトグラフィー媒体)を含む群から選択されるマルチモードアニオン交換クロマトグラフィー材料である。
一般に、あるカラム材料から別のカラム材料への移行に際して、ある特定の追加のプロセス段階、例えばpH調節、緩衝液交換、希釈、ダイアフィルトレーションまたは伝導率調節を行う必要がある。例えばプロテインAクロマトグラフィー溶出液を、次に続くイオン交換クロマトグラフィー材料/樹脂に適用する場合がそうである。この場合、クロマトグラフィー樹脂の適正な機能を必要とするのであれば、負荷物の伝導率値は、ある特定の低いレベルを上回ることができない。例えばある特定の不純物の除去が負の影響を受けうる。先行するアフィニティークロマトグラフィー段階において低伝導率水溶液洗浄段階を使用すれば、次のカラム/クロマトグラフィー材料に溶出液を負荷する前のさらなるプロセス段階を不要にできることが見いだされた。この洗浄段階は、アフィニティークロマトグラフィー(例えばプロテインA)溶出液における最終伝導率に著しい影響を有しうる。
Figure 0007084301000001
洗浄段階に使用される水溶液の伝導率が低ければ、すなわち低伝導率水溶液を洗浄に使用すれば、宿主細胞タンパク質の含有量を低減できることがわかった。すべての局面の好ましい一態様において、低伝導率水溶液は約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する。一態様において、低伝導率水溶液は約0.03μS/cm~約0.5mS/cmの伝導率値を有する。一態様において、低伝導率水溶液は約0.05μS/cm~約0.35mS/cmの伝導率値を有する。一態様において、低伝導率水溶液は高精製/脱イオン水である。
プロテインAアフィニティークロマトグラフィーは本明細書において報告する目的に使用できることがわかった。すべての局面の好ましい一態様において、アフィニティークロマトグラフィーはプロテインAアフィニティークロマトグラフィーである。一態様において、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーは、MabSelectSureアフィニティークロマトグラフィー、ProSep vAアフィニティークロマトグラフィー、Mab Capture Aアフィニティークロマトグラフィー、ProSep Ultra Plusアフィニティークロマトグラフィーを含む群から選択される。一態様において、アフィニティークロマトグラフィーはプロテインGアフィニティークロマトグラフィーである。一態様において、アフィニティークロマトグラフィーは、組換えタンパク質をリガンドとして使用するアフィニティークロマトグラフィー、つまり組換えタンパク質リガンドアフィニティークロマトグラフィーである。一態様において、アフィニティークロマトグラフィーは、単鎖Fvをリガンドとして使用するアフィニティークロマトグラフィー、つまり単鎖Fvリガンドアフィニティークロマトグラフィーである。一態様において、アフィニティークロマトグラフィーは、クロマトグラフィーマトリックスにカップリングされた変異型プロテインA、またはクロマトグラフィーマトリックスにカップリングされたプロテインAのフラグメントを含む。
(特定の)宿主細胞タンパク質の含有量を低減できることがわかった。とりわけホスホリパーゼB様2(PLBL2)の含有量を低減できることがわかった。一態様において、(特定の)宿主細胞タンパク質はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)宿主細胞タンパク質である。すべての局面の好ましい一態様において、(特定の)宿主細胞タンパク質はホスホリパーゼB様2(PLBL2)またはクラスタリンである。一態様において、(特定の)宿主細胞タンパク質はホスホリパーゼB様2(PLBL2)である。
低伝導率水溶液は少量のトリスまたはリン酸カリウムを含みうることがわかった。一態様において、低伝導率水溶液はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)を含有する。一態様において、低伝導率水溶液は約0.1mM~約10mMのトリスを含む。一態様において、低伝導率水溶液は約0.5mM~約6.5mMのトリスを含む。一態様において、低伝導率水溶液は約2mMのトリスを含む。一態様において、低伝導率水溶液はリン酸カリウムを含有する。一態様において、低伝導率水溶液は約0.05mM~約5mMのリン酸カリウムを含む。一態様において、低伝導率水溶液は約0.05mM~約2mMのリン酸カリウムを含む。一態様において、低伝導率水溶液は約0.5mMのリン酸カリウムを含む。
宿主細胞タンパク質の含有量を低減する効果は、低伝導率水溶液が、ある決まったpHを有する場合に顕著であることがわかった。一態様において、低伝導率水溶液は約7以上のpHを有する。一態様において、低伝導率水溶液は約7.5以上のpHを有する。一態様において、低伝導率水溶液は約7.5~約8.5のpHを有する。一態様において、低伝導率水溶液は約8のpHを有する。
本明細書において報告する方法では、PLBL2のような宿主細胞タンパク質の含有量を、アフィニティークロマトグラフィー段階のような精製段階前のPLBL2の負荷量と比較して、ある特定のレベルまで低減できることがわかった。一態様において、PLBL2の含有量は少なくとも20分の1に低減される。一態様において、PLBL2の含有量は少なくとも40分の1に低減される。一態様において、PLBL2の含有量は少なくとも50分の1に低減される。一態様において、PLBL2の含有量は少なくとも90分の1に低減される。一態様において、PLBL2の含有量は少なくとも100分の1に低減される。一態様において、PLBL2の含有量は少なくとも50%低減される。一態様において、PLBL2の含有量は少なくとも66%低減される。一態様において、PLBL2の含有量は少なくとも80%低減される。一態様において、PLBL2の含有量は少なくとも90%低減される。一態様において、PLBL2の含有量は少なくとも95%低減される。いくつかの態様において、PLBL2の含有量は抗体1mgあたり10ng未満に低減される。いくつかの態様において、PLBL2の含有量は抗体1mgあたり5ng未満に低減される。いくつかの態様において、PLBL2の含有量は抗体1mgあたり2ng未満に低減される。
本明細書において報告する方法では、中および/または高伝導率水溶液によるさらなる洗浄段階を使用することができる。一態様において、低伝導率水溶液洗浄段階は、高伝導率水溶液洗浄段階の後または前に行われる。一態様において、高伝導率水溶液は約20mS/cm以上の伝導率値を有する。一態様において、高伝導率水溶液は約20mS/cm~約100mS/cmの伝導率値を有する。一態様では、低伝導率水溶液洗浄段階と高伝導率水溶液洗浄段階との間に、中伝導率水溶液による中間洗浄段階が行われる。一態様において、中伝導率水溶液は0.5mS/cm超から20mS/cm未満までの伝導率値を有する。
高伝導率水溶液または中伝導率水溶液がさらにアミノ酸を含むと、宿主細胞タンパク質低減効果が改良されうることが見いだされた。一態様において、高伝導率水溶液または中伝導率水溶液はアミノ酸を含む。一態様において、高伝導率水溶液または中伝導率水溶液はヒスチジンを含む。一態様において、高伝導率水溶液または中伝導率水溶液はヒスチジンおよびトリスを含む。
疎水性相互作用クロマトグラフィー段階の使用は省略してもよいことがわかった。一態様において、前記使用または前記方法は、疎水性相互作用クロマトグラフィー法/段階を伴わない。
本明細書において報告する一局面は、第1抗原に特異的に結合する第1抗原結合部位と第2抗原に特異的に結合する第2抗原結合部位とを含む二重特異性抗体を生産するための方法であって、
(a)該二重特異性抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地から該二重特異性抗体を回収する段階、
(c)該二重特異性抗体をプロテインAアフィニティークロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)プロテインAアフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(e)該二重特異性抗体をプロテインAアフィニティークロマトグラフィー材料から回収する段階、
(f)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を生産し、
ここで、アフィニティークロマトグラフィー段階後のさらなるクロマトグラフィー段階はマルチモードアニオン交換クロマトグラフィー段階であり、低伝導率水溶液は水であり、該第1抗原結合部位は、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:1を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:2を含み、該第2抗原結合部位は、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:3を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:4を含む、
前記方法である。
本明細書において報告する一局面は、第1抗原に特異的に結合する第1抗原結合部位と第2抗原に特異的に結合する第2抗原結合部位とを含む二重特異性抗体を試料から精製するための方法であって、
(a)該二重特異性抗体を含む試料を用意する段階、
(b)該二重特異性抗体を含む試料をプロテインAアフィニティークロマトグラフィー材料に適用する段階、
(c)プロテインAアフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(d)該二重特異性抗体をプロテインAアフィニティークロマトグラフィー材料から回収する段階、
(e)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を精製し、
ここで、アフィニティークロマトグラフィー段階後のさらなるクロマトグラフィー段階はマルチモードアニオン交換クロマトグラフィー段階であり、低伝導率水溶液は水であり、該第1抗原結合部位は、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:1を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:2を含み、該第2抗原結合部位は、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:3を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:4を含む、
前記方法である。
本明細書において報告する一局面は、第1抗原に特異的に結合する第1抗原結合部位と第2抗原に特異的に結合する第2抗原結合部位とを含む二重特異性抗体を生産するための方法であって、
(a)該二重特異性抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地から該二重特異性抗体を回収する段階、
(c)該二重特異性抗体をアフィニティークロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)アフィニティークロマトグラフィー材料を、約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(e)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(f)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を生産する、
前記方法である。
本明細書において報告する一局面は、第1抗原に特異的に結合する第1抗原結合部位と第2抗原に特異的に結合する第2抗原結合部位とを含む二重特異性抗体を精製するための方法であって、
(a)該二重特異性抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地から該二重特異性抗体を回収する段階、
(c)該二重特異性抗体をアフィニティークロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)アフィニティークロマトグラフィー材料を、約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(e)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(f)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を生産する、
前記方法である。
本明細書において使用する「方法」という用語は、(直)後のさらなるクロマトグラフィー段階前の伝導率調節段階を不要にするための、それぞれの方法段階の使用も包含する。とりわけ、伝導率調節が不要になるのは、ウイルス不活化段階後およびその(直)後に行われるイオン交換クロマトグラフィー段階の前である。
本明細書において報告する一局面は、アフィニティークロマトグラフィー材料から二重特異性抗体を回収する段階後およびさらなるクロマトグラフィー段階を行う段階前の伝導率調節段階を不要にするための、本明細書において報告する方法の段階の使用である。
「抗Ang2/VEGF抗体」および「Ang2およびVEGFに結合する二重特異性抗体」または「Ang2およびVEGFに対する二重特異性抗体」という用語は、抗体がAng2およびVEGFのターゲティングにおいて診断作用物質および/または治療作用物質として役立つように、十分なアフィニティーでAng2およびVEGFに結合する能力を有する抗体を指す。一態様において、無関係な非Ang2タンパク質または無関係な非VEGFタンパク質に対する抗Ang2/VEGF抗体の結合の程度は、例えばELISAまたは表面プラズモン共鳴による測定で、Ang2およびVEGFに対するその抗体の結合の約10%未満である。ある特定の態様において、抗Ang2/VEGF抗体は、異なる種からのAng2間またはVEGF間で保存されているAng2のエピトープおよびVEGFのエピトープに結合する。上記は「第IXa因子および第X因子に対する二重特異性抗体」または「Her3およびEGFRに対する二重特異性抗体」などの用語にも当てはまる。
本明細書において報告する方法において使用される特異的抗体は、WO 2012/067176に記載の第IXa因子および第X因子に対する二重特異性抗体(抗FIXa/X抗体; IgG4アイソタイプ)、WO 2011/117329またはSEQ ID NO:01~04に記載のアンジオポエチン2(Ang2)および血管内皮成長因子A(VEGF-A)に対する二重特異性抗体(抗Ang2/VEGF-A抗体;バヌシズマブ(vanucizumab); IgG1アイソタイプ)、またはHer3およびEGFRに対する二重特異性抗体(抗Her3/EGFR抗体; IgG1アイソタイプ)である。VEGFまたはVEGF-Aという用語は、本明細書において使用する場合、相互に交換可能である。
本明細書において使用する場合、「結合する」または「特異的に結合する」という用語は、インビトロアッセイにおける、好ましくは表面プラズモン共鳴アッセイ(SPR、BIAcore、GE-Healthcare、スウェーデン・ウプサラ)における、抗原のエピトープへの抗体の結合を指す。結合のアフィニティーは、用語ka(抗体/抗原複合体の抗体の会合に関する速度定数)、kd(解離定数)、およびKD(kd/ka)によって定義される。結合するまたは特異的に結合するとは、10-7mol/L以下の結合アフィニティー(KD)を意味する。
「抗体」という用語は、本明細書では、最も広い意味で使用され、さまざまな抗体構造、例えば限定するわけではないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、および抗体フラグメントを、それらが所望の抗原結合活性を呈する限り、包含する。
「抗体フラグメント」とは、インタクト抗体のうち、インタクト抗体が結合する抗原に結合する部分を含む、インタクト抗体以外の分子を指す。抗体フラグメントの例には、Fv、Fab、Fab'、Fab'-SH、F(ab')2;ダイアボディ;線状抗体(linear antibody);単鎖抗体分子(例えばscFv);および抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体などがあるが、それらに限定されるわけではない。Fabフラグメントは(完全長/完全)抗体のパパイン消化によって得られる抗体フラグメントである。
「二重特異性抗体」は、2つの異なる抗原結合特異性を有する抗体である。本明細書において使用する「二重特異性」抗体という用語は、少なくとも2つの結合部位を有し、そのそれぞれが異なるエピトープに結合する抗体を表す。
「キメラ」抗体という用語は、重鎖および/または軽鎖の一部分が特定の供給源または種に由来すると共に、重鎖および/または軽鎖の残りの部分が異なる供給源または種に由来する抗体を指す。
抗体の「クラス」は、その重鎖が保持する定常ドメインまたは定常領域のタイプを指す。抗体には5つの主要クラス、すなわちIgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMがあり、それらのうちのいくつかは、さらにサブクラス(アイソタイプ)、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2に分割されうる。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γ、およびμと呼ばれる。
「Fc領域」という用語は、本明細書では、定常領域の少なくとも一部分を含有する免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。この用語はネイティブ配列Fc領域および変異体Fc領域を包含する。一態様において、ヒトIgG重鎖Fc領域は、重鎖のCys226またはPro230から、カルボキシル末端までに及ぶ。ただし、Fc領域のC末端リジン(Lys447)またはC末端グリシル-リジンジペプチド(Gly446Lys447)は、存在しても存在しなくてもよい。別段の指定がある場合を除き、Fc領域または定常領域中のアミノ酸残基のナンバリングは、Kabat, E.A. et al, Sequences of Proteins of Immunological Interest,第5版,米国国立衛生研究所公衆衛生局,メリーランド州ベセスダ(1991)、NIH Publication 91-3242に記載の、EUインデックスとも呼ばれるEUナンバリングシステムに従う。
「フレームワーク」または「FR」は、超可変領域(HVR)残基以外の可変ドメイン残基を指す。可変ドメインのFRは、一般に、4つのFRドメイン、すなわちFR1、FR2、FR3、およびFR4からなる。したがって、HVR配列とFR配列は一般にVH(またはVL)中に次の順序で現れる: FR1-H1(L1)-FR2-H2(L2)-FR3-H3(L3)-FR4。
「宿主細胞」、「宿主細胞株」、および「宿主細胞培養」という用語は、相互可換的に使用され、外因性核酸が導入された細胞を指し、そのような細胞の子孫もこの用語には含まれる。宿主細胞には「形質転換体」および「形質転換細胞」が含まれ、これには、初代形質転換細胞と、継代数を問わずそこから派生した子孫とが包含される。子孫は、核酸の内容が親細胞と完全には同一でなく、突然変異を含有してもよい。元の形質転換細胞においてスクリーニングまたは選択されたものと同じ機能または生物学的活性を有する突然変異型子孫は、ここに包含される。「細胞」という用語は核酸の発現に使用される細胞を包含する。一態様において、宿主細胞はCHO細胞(例えばCHO K1、CHO DG44)、またはBHK細胞、またはNS0細胞、またはSP2/0細胞、またはHEK293細胞、またはHEK293EBNA細胞、またはPER.C6(登録商標)細胞、またはCOS細胞である。別の一態様において、細胞はCHO細胞、またはBHK細胞、またはPER.C6(登録商標)細胞である。本明細書において使用する場合、「細胞」という表現は、対象細胞およびその子孫を包含する。
「洗浄する」という用語は、非特異的結合ポリペプチドおよび非ポリペプチド化合物をクロマトグラフィー材料から除去するために、とりわけ宿主細胞タンパク質および宿主細胞DNAを除去するために、アフィニティークロマトグラフィー材料に溶液を適用することを表す。「洗浄する」という用語は、結合している材料のアフィニティークロマトグラフィー材料からの溶出を包含しない。
タンパク質の回収および精製には、例えば微生物タンパク質によるアフィニティークロマトグラフィー(例えばプロテインAまたはプロテインGアフィニティークロマトグラフィー)、組換えタンパク質をリガンドとする(例えば単鎖Fvをリガンドとする、例えばKappa select)アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー(例えばカチオン交換(カルボキシメチル樹脂)、アニオン交換(アミノエチル樹脂)およびミックスモード交換)、チオフィリック吸着(例えばベータ-メルカプトエタノールリガンドおよび他のSHリガンドによるもの)、疎水性相互作用または芳香族吸着クロマトグラフィー(例えばフェニル-セファロース、アザ-アレノフィリック樹脂、またはm-アミノフェニルボロン酸によるもの)、金属キレートアフィニティークロマトグラフィー(例えばNi(II)-アフィニティー材料およびCu(II)-アフィニティー材料によるもの)、サイズ排除クロマトグラフィー、ならびに電気泳動法(ゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動など)など、さまざまな方法が確立されており、広範に使用されている。これらの方法は、本明細書において報告するように、さまざまな態様において、独立して組み合わせることができる。
「プロテインA」という用語は、自然源から得られる、または合成的に生産される、プロテインAポリペプチドを表す。
「プロテインAクロマトグラフィー材料」という用語は、プロテインAが共有結合されている不活性な固相を表す。
一態様において、プロテインAクロマトグラフィー材料は、MabSelectSure、ProSep vA、Mab Capture A、ProSep Ultra Plus、Mab Select、Mab Select Xtra、Poros A、またはProSep Aから選択される。
「高伝導率水溶液」という用語は、高い伝導率値を持つ水溶液を表す。伝導率値は約20mS/cm以上でありうる。
「中伝導率水溶液」という用語は、中間の伝導率値を持つ水溶液を表す。伝導率値は0.5mS/cm超から20mS/cm未満でありうる。
「低伝導率水溶液」という用語は、低い伝導率値を持つ水溶液を表す。伝導率値は約0.5mS/cm以下でありうる。pHが約8.5以上である場合、伝導率値は約1.2mS/cm以下でありうる。
本発明の具体的態様
1.第1抗原に特異的に結合する第1抗原結合部位と第2抗原に特異的に結合する第2抗原結合部位とを含む二重特異性抗体を生産するための方法であって、
(a)該二重特異性抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
(b)該細胞または培養培地から該二重特異性抗体を回収する段階、
(c)該二重特異性抗体をアフィニティークロマトグラフィー材料と接触させる段階、
(d)アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(e)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(f)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を生産する、
前記方法。
2.アフィニティークロマトグラフィー段階後のさらなるクロマトグラフィー段階がイオン交換クロマトグラフィー段階またはマルチモードイオン交換クロマトグラフィー段階である、態様1に記載の方法。
3.アフィニティークロマトグラフィー段階後のさらなるクロマトグラフィー段階がマルチモードアニオン交換クロマトグラフィー段階である、態様1~2のいずれか一態様の方法。
4.マルチモードアニオン交換クロマトグラフィー材料が、CaptoAdhere ImpRes材料(高流量アガロースのマトリックス、リガンドとしてのマルチモード強アニオン交換体、36~44μmの平均粒径および0.08~0.11mmol Cl-/mL媒体のイオン容量を有する、マルチモードアニオン交換クロマトグラフィー媒体)を含む群から選択される、態様1~3のいずれか一態様の方法。
5.低伝導率水溶液が約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する、態様1~4のいずれか一態様の方法。
6.低伝導率水溶液が約0.03μS/cm~約0.5mS/cmの伝導率値を有する、態様1~5のいずれか一態様の方法。
7.低伝導率水溶液が約0.05μS/cm~約0.35mS/cmの伝導率値を有する、態様1~6のいずれか一態様の方法。
8.低伝導率水溶液が高精製/脱イオン水である、態様1~5のいずれか一態様の方法。
9.アフィニティークロマトグラフィーが、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー、またはプロテインGアフィニティークロマトグラフィー、または単鎖Fvリガンド(KappaSelect)アフィニティークロマトグラフィーである、態様1~8のいずれか一態様の方法。
10.アフィニティークロマトグラフィーがプロテインAアフィニティークロマトグラフィーである、態様1~9のいずれか一態様の方法。
11.プロテインAアフィニティークロマトグラフィーが、MabSelectSureアフィニティークロマトグラフィー、ProSep vAアフィニティークロマトグラフィー、Mab Capture Aアフィニティークロマトグラフィー、ProSep Ultra Plusアフィニティークロマトグラフィーを含む群から選択される、態様1~10のいずれか一態様の方法。
12.(特定の)宿主細胞タンパク質の含有量が低減される、態様1~11のいずれか一態様の方法。
13.(特定の)宿主細胞タンパク質がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)宿主細胞タンパク質である、態様1~12のいずれか一態様の方法。
14.(特定の)宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼである、態様1~13のいずれか一態様の方法。
15.(特定の)宿主細胞タンパク質が、ホスホリパーゼA、ホスホリパーゼB、ホスホリパーゼC、またはホスホリパーゼDである、態様1~14のいずれか一態様の方法。
16.(特定の)宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼB様2(PLBL2)である、態様1~15のいずれか一態様の方法。
17.(特定の)宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼB様2(PLBL2)またはクラスタリンである、態様1~16のいずれか一態様の方法。
18.低伝導率水溶液がトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)を含有する、態様1~17のいずれか一態様の方法。
19.低伝導率水溶液が約0.1mM~約10mMのトリスを含む、態様1~18のいずれか一態様の方法。
20.低伝導率水溶液が約0.1mM~約8mMのトリスを含む、態様1~19のいずれか一態様の方法。
21.低伝導率水溶液が約0.5mM~約6.5mMのトリスを含む、態様1~20のいずれか一態様の方法。
22.低伝導率水溶液が約2mMのトリスを含む、態様1~21のいずれか一態様の方法。
23.低伝導率水溶液がリン酸カリウムを含有する、態様1~17のいずれか一態様の方法。
24.低伝導率水溶液が約0.2mM~約5mMのリン酸カリウムを含む、態様1~17のいずれか一態様の方法。
25.低伝導率水溶液が約0.05mM~約2mMのリン酸カリウムを含む、態様1~17のいずれか一態様の方法。
26.低伝導率水溶液が約0.5mMのリン酸カリウムを含む、態様1~17のいずれか一態様の方法。
27.低伝導率水溶液が約7以上のpHを有する、態様1~26のいずれか一態様の方法。
28.低伝導率水溶液が約7.5以上のpHを有する、態様1~27のいずれか一態様の方法。
29.低伝導率水溶液が約7~約9.5のpHを有する、態様1~26のいずれか一態様の方法。
30.低伝導率水溶液が約7.5~約8.5のpHを有する、態様1~27のいずれか一態様の方法。
31.低伝導率水溶液が約8のpHを有する、態様1~27のいずれか一態様の方法。
32.アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前または後に、高伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄する段階をさらに含む、態様1~31のいずれか一態様の方法。
33.アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前に、高伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄する段階をさらに含む、態様1~32のいずれか一態様の方法。
34.アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前または後に、高伝導率水溶液および/または中伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄する段階をさらに含む、態様1~33のいずれか一態様の方法。
35.アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前に、高伝導率水溶液および/または中伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄する段階をさらに含む、態様1~34のいずれか一態様の方法。
36.高伝導率水溶液が約20mS/cm以上の伝導率値を有する、態様32~35のいずれか一態様の方法。
37.高伝導率水溶液が約20mS/cm~約100mS/cmの伝導率値を有する、態様32~36のいずれか一態様の方法。
38.中伝導率水溶液が0.5mS/cm超から20mS/cm未満までの伝導率値を有する、態様32~37のいずれか一態様の方法。
39.高伝導率水溶液または中伝導率水溶液がアミノ酸を含む、態様32~38のいずれか一態様の方法。
40.高伝導率水溶液または中伝導率水溶液がヒスチジンを含む、態様32~39のいずれか一態様の方法。
41.高伝導率水溶液または中伝導率水溶液がヒスチジンおよびトリスを含む、態様32~40のいずれか一態様の方法。
42.疎水性相互作用クロマトグラフィー法/段階を伴わない、態様1~41のいずれか一態様の方法。
43.前記二重特異性抗体が、
(a)第1抗原に特異的に結合する第1完全長抗体の重鎖および軽鎖と、
(b)定常ドメインCLとCH1とが互いに置き換えられている、第2抗原に特異的に結合する第2完全長抗体の修飾重鎖および修飾軽鎖と
を含む二重特異性抗体である、態様1~42のいずれか一態様の方法。
44.前記二重特異性抗体が、第IXa因子および第X因子に対する二重特異性抗体、またはHER3およびEGFRに対する二重特異性抗体、またはAng2およびVEGFに対する二重特異性抗体である、態様1~43のいずれか一態様の方法。
45.第1抗原がヒトVEGFであり、かつ第2抗原がヒトANG-2であるか、第1抗原がヒトANG-2であり、かつ第2抗原がヒトVEGFである、態様1~44のいずれか一態様の方法。
46.第1抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:1を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:2を含み、第2抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:3を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:4を含む、態様44~45のいずれか一態様の方法。
47.第1抗原に特異的に結合する第1抗原結合部位と第2抗原に特異的に結合する第2抗原結合部位とを含む二重特異性抗体を試料から精製するための方法であって、
(a)該二重特異性抗体を含む試料を用意する段階、
(b)該二重特異性抗体を含む試料をアフィニティークロマトグラフィー材料に適用する段階、
(c)アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階、
(d)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
(e)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
を含み、
それによって該二重特異性抗体を精製する、
前記方法。
48.アフィニティークロマトグラフィー段階後のさらなるクロマトグラフィー段階が、イオン交換クロマトグラフィー段階またはマルチモードイオン交換クロマトグラフィー段階である、態様47の方法。
49.アフィニティークロマトグラフィー段階後のさらなるクロマトグラフィー段階がマルチモードアニオン交換クロマトグラフィー段階である、態様47~48のいずれか一態様の方法。
50.マルチモードアニオン交換クロマトグラフィー材料が、CaptoAdhere ImpRes材料(高流量アガロースのマトリックス、リガンドとしてのマルチモード強アニオン交換体、36~44μmの平均粒径および0.08~0.11mmol Cl-/mL媒体のイオン容量を有する、マルチモードアニオン交換クロマトグラフィー媒体)を含む群から選択される、態様49の方法。
51.低伝導率水溶液が約0.5mS/cm以下の伝導率値を有する、態様47~50のいずれか一態様の方法。
52.低伝導率水溶液が約0.03μS/cm~約0.5mS/cmの伝導率値を有する、態様47~51のいずれか一態様の方法。
53.低伝導率水溶液が約0.05μS/cm~約0.35mS/cmの伝導率値を有する、態様47~52のいずれか一態様の方法。
54.低伝導率水溶液が高精製/脱イオン水である、態様47~51のいずれか一態様の方法。
55.アフィニティークロマトグラフィーが、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー、またはプロテインGアフィニティークロマトグラフィー、または単鎖Fvリガンド(KappaSelect)アフィニティークロマトグラフィーである、態様47~54のいずれか一態様の方法。
56.アフィニティークロマトグラフィーがプロテインAアフィニティークロマトグラフィーである、態様47~55のいずれか一態様の方法。
57.プロテインAアフィニティークロマトグラフィーが、MabSelectSureアフィニティークロマトグラフィー、ProSep vAアフィニティークロマトグラフィー、Mab Capture Aアフィニティークロマトグラフィー、ProSep Ultra Plusアフィニティークロマトグラフィーを含む群から選択される、態様47~56のいずれか一態様の方法。
58.(特定の)宿主細胞タンパク質の含有量が低減される、態様47~57のいずれか一態様の方法。
59.(特定の)宿主細胞タンパク質がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)宿主細胞タンパク質である、態様47~58のいずれか一態様の方法。
60.(特定の)宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼである、態様47~59のいずれか一態様の方法。
61.(特定の)宿主細胞タンパク質が、ホスホリパーゼA、ホスホリパーゼB、ホスホリパーゼC、またはホスホリパーゼDである、態様47~60のいずれか一態様の方法。
62.(特定の)宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼB様2(PLBL2)である、態様47~61のいずれか一態様の方法。
63.(特定の)宿主細胞タンパク質がホスホリパーゼB様2(PLBL2)またはクラスタリンである、態様47~62のいずれか一態様の方法。
64.低伝導率水溶液がトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)を含有する、態様47~63のいずれか一態様の方法。
65.低伝導率水溶液が約0.1mM~約10mMのトリスを含む、態様47~64のいずれか一態様の方法。
66.低伝導率水溶液が約0.1mM~約8mMのトリスを含む、態様47~65のいずれか一態様の方法。
67.低伝導率水溶液が約0.5mM~約6.5mMのトリスを含む、態様47~66のいずれか一態様の方法。
68.低伝導率水溶液が約2mMのトリスを含む、態様47~67のいずれか一態様の方法。
69.低伝導率水溶液がリン酸カリウムを含有する、態様47~68のいずれか一態様の方法。
70.低伝導率水溶液が約0.2mM~約5mMのリン酸カリウムを含む、態様47~69のいずれか一態様の方法。
71.低伝導率水溶液が約0.05mM~約2mMのリン酸カリウムを含む、態様47~69のいずれか一態様の方法。
72.低伝導率水溶液が約0.5mMのリン酸カリウムを含む、態様47~71のいずれか一態様の方法。
73.低伝導率水溶液が約7以上のpHを有する、態様47~72のいずれか一態様の方法。
74.低伝導率水溶液が約7.5以上のpHを有する、態様47~73のいずれか一態様の方法。
75.低伝導率水溶液が約7~約9.5のpHを有する、態様47~73のいずれか一態様の方法。
76.低伝導率水溶液が約7.5~約8.5のpHを有する、態様47~74のいずれか一態様の方法。
77.低伝導率水溶液が約8のpHを有する、態様47~54のいずれか一態様の方法。
78.アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前または後に、高伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄する段階をさらに含む、態様47~77のいずれか一態様の方法。
79.アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前に、高伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄する段階をさらに含む、態様47~77のいずれか一態様の方法。
80.アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前または後に、高伝導率水溶液および/または中伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄する段階をさらに含む、態様47~77のいずれか一態様の方法。
81.アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前に、高伝導率水溶液および/または中伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄する段階をさらに含む、態様47~77のいずれか一態様の方法。
82.高伝導率水溶液が約20mS/cm以上の伝導率値を有する、態様78~81のいずれか一態様の方法。
83.高伝導率水溶液が約20mS/cm~約100mS/cmの伝導率値を有する、態様78~82のいずれか一態様の方法。
84.中伝導率水溶液が0.5mS/cm超から20mS/cm未満までの伝導率値を有する、態様78~83のいずれか一態様の方法。
85.高伝導率水溶液または中伝導率水溶液がアミノ酸を含む、態様78~84のいずれか一態様の方法。
86.高伝導率水溶液または中伝導率水溶液がヒスチジンを含む、態様78~85のいずれか一態様の方法。
87.高伝導率水溶液または中伝導率水溶液がヒスチジンおよびトリスを含む、態様78~86のいずれか一態様の方法。
88.疎水性相互作用クロマトグラフィー法/段階を伴わない、態様47~87のいずれか一態様の方法。
89.前記二重特異性抗体が、
(a)第1抗原に特異的に結合する第1完全長抗体の重鎖および軽鎖と、
(b)定常ドメインCLとCH1とが互いに置き換えられている、第2抗原に特異的に結合する第2完全長抗体の修飾重鎖および修飾軽鎖と
を含む二重特異性抗体である、態様47~88のいずれか一態様の方法。
90.前記二重特異性抗体が、第IXa因子および第X因子に対する二重特異性抗体、またはHER3およびEGFRに対する二重特異性抗体、またはAng2およびVEGFに対する二重特異性抗体である、態様47~89のいずれか一態様の方法。
91.第1抗原がヒトVEGFであり、かつ第2抗原がヒトANG-2であるか、第1抗原がヒトANG-2であり、かつ第2抗原がヒトVEGFである、態様47~54のいずれか一態様の方法。
92.第1抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:1を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:2を含み、第2抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:3を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:4を含む、態様90~91のいずれか一態様の方法。
本発明の理解を助けるために以下の実施例および配列を掲載するが、本発明の真の範囲は本願特許請求の範囲に記載される。記載の手順には本発明の要旨から逸脱することなく変更を加えることができると理解される。
配列表の説明
SEQ ID NO:01 <VEGF>の可変重鎖ドメインVH
SEQ ID NO:02 <VEGF>の可変軽鎖ドメインVL
SEQ ID NO:03 <ANG-2>の可変重鎖ドメインVH
SEQ ID NO:04 <ANG-2>の可変軽鎖ドメインVL
実施例1
材料および方法
抗体
WO 2012/067176に記載の第IXa因子および第X因子に対する二重特異性抗体(抗FIXa/X抗体; IgG4アイソタイプ)、WO 2011/117329またはSEQ ID NO:01~04に記載のAng2およびVEGF-Aに対する二重特異性抗体(抗Ang2/VEGF-A抗体;バヌシズマブ; IgG1アイソタイプ)、またはHer3およびEGFRに対する二重特異性抗体(抗Her3/EGFR抗体; IgG1アイソタイプ)を使って、本発明を例示する。
総宿主細胞タンパク質(HCP)、ホスホリパーゼB様2タンパク質(PLBL2)およびクラスタリンの検出方法
(a)CHO HCPアッセイ
プロセス試料中の残存CHO HCP含有量は、cobas e 411イムノアッセイアナライザー(Roche Diagnostics)で、電気化学発光イムノアッセイ(ECLIA)によって測定される。
このアッセイは、ヒツジからのポリクローナル抗CHO HCP抗体を使ったサンドイッチ原理に基づく。
第1インキュベーション:15μLの試料(ニートおよび/または希釈物)からのチャイニーズハムスター卵巣宿主細胞タンパク質(CHO HCP)とビオチンコンジュゲートポリクローナルCHO HCP特異的抗体とがサンドイッチ複合体を形成し、これが、ビオチンとストレプトアビジンとの相互作用によってストレプトアビジン被覆微粒子に結合した状態になる。
第2インキュベーション:ルテニウム錯体(トリス(2,2'-ビピリジル)ルテニウム(II)錯体)で標識されたポリクローナルCHO HCP特異的抗体の添加後に、微粒子上に三元複合体が形成される。
反応混合物を測定セル中に吸引する。このセルでは、微粒子が電極の表面に磁気的に捕捉される。次に、結合していない物質が洗浄段階において除去される。次に、電極への電圧の適用により化学発光の放射が誘発され、それを光電子倍増管によって測定する。
最後に、試験試料中のCHO HCPの濃度が、濃度公知のCHO HCP標準曲線から算出される。
(b)CHO PLBL2アッセイ
プロセス試料中の残存チャイニーズハムスター卵巣(CHO)ホスホリパーゼB様2タンパク質(PLBL2)含有量は、cobas e 411 イムノアッセイアナライザー(Roche Diagnostics)で、電気化学発光イムノアッセイ(ECLIA)によって測定される。
このアッセイは、マウスからのモノクローナル抗CHO PLBL2抗体を使ったサンドイッチ原理に基づく。
第1インキュベーション段階では、30μLの試料(ニートおよび/または希釈物)からのCHO PLBL2、ビオチン標識モノクローナルCHO PLBL2特異的抗体、およびルテニウム錯体(トリス(2,2'-ビピリジル)ルテニウム(II)錯体)で標識されたモノクローナルCHO PLBL2特異的抗体が、サンドイッチ複合体を形成する。
第2段階では、ストレプトアビジン被覆微粒子の添加後に、ビオチンとストレプトアビジンの相互作用により、三元複合体が固相に結合した状態になる。
反応混合物を測定セル中に吸引する。このセルでは、微粒子が電極の表面に磁気的に捕捉される。次に、結合していない物質が洗浄段階において除去される。次に、電極への電圧の適用により化学発光が誘発され、それを光電子倍増管によって測定する。
最後に、試験試料中のCHO PLBL2が濃度公知のCHO PLBL2標準曲線から算出される。
(c)クラスタリンアッセイ
プロセス試料中の残存クラスタリン含有量は、Merck Milliporeから市販されるアッセイ(GyroMark HT Kit GYRCLU-37K)によって測定される。この市販のアッセイは製造者の説明に従って使用した。
簡単に述べると、このアッセイは、逐次、
(1)Bioaffy 1000nL CDのストレプトアビジン被覆アフィニティーカラムへのラットクラスタリンビオチン化捕捉抗体の結合、
(2)抗クラスタリン抗体への、試料からのラットクラスタリン分子の捕捉、
(3)捕捉された分子への第2の色素標識抗クラスタリン検出抗体の結合、
(4)Gyrolab Evaluatorを使ったラットクラスタリンの定量
に基づく、サンドイッチELISAである。
実施例2
プロテインAクロマトグラフィーにおける二重特異性抗Ang2/VEGF-A抗体(IgG1アイソタイプ)の精製
抗体:抗Ang2/VEGF-A抗体

一般クロマトグラフィー条件
カラム樹脂:プロテインA材料「Mab Select SuRe」(GE-Healthcare)直径1cm、高さ: 20.1cm、CV: 15.79ml
装置: Akta Avant 150
流速:すべての段階において300cm/時
プロテインAアフィニティーカラムの平衡化(段階1)後、そのカラムに、抗Ang2/VEGF-A抗体を含有する溶液を適用した。抗Ang2/VEGF-A抗体を含有する溶液中で測定されたPLBL2の初期負荷量: 919.7ng PLBL2/mg抗体。抗Ang2/VEGF-A抗体を含有する溶液中で測定されたCHOPの初期負荷量: 682304ng CHOP/mg抗体。
クロマトグラフィー段階は、以下の一般スキームに従って行った。
段階1: 平衡化:
段階2: 抗体含有溶液のローディング
段階3: 洗浄I
段階4: 洗浄II
段階5: 洗浄III
段階6: 洗浄IV(追加の洗浄)
段階7: 溶出
プロテインAアフィニティーカラムからの溶出後に、タンパク質をサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)および分光光度(OD)分析によって測定した。
SEC:
樹脂: TSK 3000(Tosoh)
カラム: 300×7.8mm
流速: 0.5ml/分
緩衝液: 250mMの塩化カリウムを含有する200mMのリン酸カリウム、pH7.0に調節
波長: 280nm
OD:
比係数: 1.54
波長: 280nm マイナス 320nm
プロテインAクロマトグラフィー用の具体的緩衝液条件
(a)対照(平衡化緩衝液のみによる洗浄)
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階5: 洗浄III: ---
段階6: 洗浄IV: ---
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(b)低伝導率洗浄(トリス緩衝液によるもののみ)
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: 2mMトリス、pH8.0
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(c)高伝導率洗浄(トリス緩衝液によるもののみ)
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 700mMトリス、pH7.2
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: ---
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(d)低伝導率トリス+高伝導率ヒスチジン(His)/トリス
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 200mM His/1000mMトリス、pH7.0
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: 2mMトリス、pH8.0
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
Figure 0007084301000002
実施例3
プロテインAクロマトグラフィーにおける二重特異性抗FIXa/X抗体(IgG4アイソタイプ)の精製
抗FIXa/X抗体の精製を2つの異なるクロマトグラフィー設定で試験した。
設定1
一般条件は実施例2に記載した条件に従った。
抗体:抗FIXa/X
抗FIXa/X抗体を含有する溶液中で測定されたPLBL2の初期負荷量: 557ng PLBL2/mg抗体。抗FIXa/Xを含有する溶液中で測定されたCHOPの初期負荷量: 387377ng CHOP/mg抗体。
プロテインAクロマトグラフィー用の具体的緩衝液条件
(a)高伝導率洗浄(トリス緩衝液によるもののみ)
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 700mMトリス、pH7.2
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: ---
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(b)低伝導率トリス+高伝導率ヒスチジン(His)/トリス
段階1: 平衡化: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階4: 洗浄II: 200mM His/1000mMトリス、pH7.0
段階5: 洗浄III: 25mMトリス、25mM NaCl、pH7.0
段階6: 洗浄IV: 2mMトリス、pH8.0
段階7: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
Figure 0007084301000003
設定2
一般クロマトグラフィー条件
カラム樹脂: プロテインA材料「Mab Select SuRe」(GE-Healthcare)直径1cm、高さ: 20.1cm、CV: 15.79ml
装置: Akta Avant 150
流速:すべての段階において300cm/時
プロテインAアフィニティーカラムの平衡化(段階1)後、そのカラムに、抗FIXa/X抗体を含有する溶液を適用した。
抗FIXa/X抗体を含有する溶液中で測定されたPLBL2の初期負荷量: 557ng PLBL2/mg抗体。抗FIXa/Xを含有する溶液中で測定されたCHOPの初期負荷量: 387377ng CHOP/mg抗体。
クロマトグラフィー段階は、以下の一般スキームに従って行った。
段階1: 平衡化:
段階2: 抗体含有溶液のローディング
段階3: 洗浄I
段階4: 洗浄II
段階5: 洗浄III(追加の洗浄)
段階6: 溶出
プロテインAクロマトグラフィー用の具体的緩衝液条件
(a)高伝導率洗浄(NaSO4緩衝液によるもののみ)
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 450mM NaSO4、20mM NaAc、pH4.8
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: ---
段階6: 溶出: 35mM酢酸、pH4.0
(b)低伝導率洗浄(トリス1mM)+高伝導率洗浄(NaSO4によるもの)
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 450mM NaSO4、20mM NaAc、pH4.8
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 1mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(c)低伝導率洗浄(トリス2mM)+高伝導率洗浄(NaSO4によるもの)
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 450mM NaSO4、20mM NaAc、pH4.8
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 2mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 35mM酢酸、pH4.0
(d)低伝導率洗浄(トリス4mM)+高伝導率洗浄(NaSO4によるもの)
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 450mM NaSO4、20mM NaAc、pH4.8
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 4mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(e)低伝導率洗浄(トリス6mM)+高伝導率洗浄(NaSO4によるもの)
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 450mM NaSO4、20mM NaAc、pH4.8
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 6mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(f)低伝導率洗浄(トリス4mM、pH7.8)+高伝導率洗浄(NaSO4によるもの)
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 450mM NaSO4、20mM NaAc、pH4.8
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 4mMトリス、pH7.8
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(g)低伝導率洗浄(トリス4mM、pH8.2)+高伝導率洗浄(NaSO4によるもの)
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 450mM NaSO4、20mM NaAc、pH4.8
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 4mMトリス、pH8.2
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(h)低伝導率洗浄(トリス2mM)+高伝導率洗浄(ヒスチジン(His)/トリス1Mによるもの)
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 200mM His/1000mMトリス、pH7.0
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 2mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 35mM酢酸、pH4.0
(i)低伝導率洗浄(トリス2mM)+高伝導率洗浄(ヒスチジン(His)/トリス0.85M)
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 200mM His/850mMトリス、pH7.0
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 2mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(j)低伝導率洗浄(トリス2mM)+高伝導率洗浄(ヒスチジン(His)/トリス0.7M)
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 200mM His/700mMトリス、pH7.0
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 2mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
(k)低伝導率洗浄(トリス2mM)+高伝導率洗浄(ヒスチジン(His)/トリス0.55M)
段階1: 平衡化: 20mM NaPO4、pH7.5
段階2: ローディング
段階3: 洗浄I: 200mM His/550mMトリス、pH7.0
段階4: 洗浄II: 20mM NaPO4、pH7.5
段階5: 洗浄III: 2mMトリス、pH8.0
段階6: 溶出: 50mM酢酸、pH4.0
Figure 0007084301000004
実施例4
一般手順/条件:
モック細胞培養液
無血清培地中で培養した非トランスフェクトCHO-DP12細胞を使って、ヌル収穫細胞培養液(null harvested cell culture fluid)を生産した。発酵は代表的な細胞培養プロセスを使って2Lスケールで行った。14日間の発酵の最後に、遠心分離および滅菌濾過によって細胞培養液を収穫した。次に、この収穫細胞培養液(HCCF)を実験まで-70℃で保存した。
精製PLBL2
C末端ヘキサヒスチジンタグを持つ組換えCHO PLBL2を35Lスケールの一過性トランスフェクションで発現させ、収穫細胞培養液から既述のとおり精製した(Vanderlaan et al, 2015)。次に、精製PLBL2をPBS溶液中に製剤化し、実験まで-70℃で保存した。
精製抗体
組換えヒト化抗体(Her3およびEGFRに対する二重特異性抗体(抗Her3/EGFR抗体; IgG1アイソタイプ))をCHO細胞中で発現させ、PLBL2濃度が20ng/mg未満であることを保証するために、カラムクロマトグラフィーを使って精製した。各研究の開始に先立ち、PD-10脱塩カラム(GE Healthcare)を使って各抗体をPBSに緩衝液交換した。
プロテインAクロマトグラフィーのための負荷材料の調製
充填床カラムクロマトグラフィーの場合、抗体間でプロテインA負荷物中の宿主細胞タンパク質の集団および存在量を標準化するために、精製抗体をPBSで同じ濃度に希釈し、非生産細胞株からのHCCFにスパイクすることで、5g/Lの最終抗体価を得た。抗体の非存在下でのプロテインA樹脂への非特異的宿主細胞タンパク質結合を評価するために、精製抗体の代わりにPBSを加えた対照も調製した。
各ハイスループットプロテインAバッチ精製実験の場合は、負荷物を96ウェルプレート中で調製した。各ウェルにおいて精製抗体を異なる比のPLBL2およびPBSと混合することで、目標相対PLBL2濃度:0~20,000ng/mgおよび5g/Lの抗体価を得た。
充填床カラムクロマトグラフィー
充填床カラムクロマトグラフィー実験はすべて、内径0.66cm×床高20cmのMabSelect SuRe(GE Healthcare)プロテインA樹脂カラムを使って行った。精製ごとに、カラムをまず、25mMトリス、25mM NaCl、pH7.7(平衡化緩衝液)で3カラム体積(CV)にわたって平衡化した。次に、プロテインA負荷物を、30g抗体/L樹脂の目標負荷密度まで適用した後、カラムを、3CVの平衡化緩衝液、3CVの異なるタイプの洗浄緩衝液、そして再び3CVの平衡化緩衝液で洗浄した。次に、0.1M酢酸、pH2.8を使って、低いpHで抗体を溶出させ、溶出液プールの収集を、溶出ピークの開始時に0.5ODから開始し、2.8CV後にプーリングを終了した。PBSスパイクヌルHCCFを使った対照実験の場合は、溶出相の開始後1CVから開始して3.8CVまで、2.8CVのモック溶出液プールを得た。次に、各実験の最後に、それぞれのプロテインA溶出液を、1.5Mトリス塩基を使ってpH5.0までタイトレートした。次に、カラムを0.1M水酸化ナトリウム溶液で浄化した。流量が15CV/時であった負荷相、第1平衡化洗浄相、および溶出相を除くすべての相において、体積流量は20CV/時であった。
(A)プロテインAクロマトグラフィーにおける抗Her3/EGFR抗体(IgG1アイソタイプ)の精製
実施例4の一般手順を使った抗Her3/EGFR抗体(IgG1アイソタイプ)の精製のための具体的洗浄緩衝液条件:
(a)脱イオン水
Figure 0007084301000005
実施例5
高純度脱イオン水による追加の洗浄を伴うプロテインAクロマトグラフィーにおける二重特異性抗Ang2/VEGF-A抗体の精製
CHO発現培養からの収穫細胞培養液(HCCF)を、MabSelect SuReアフィニティークロマトグラフィーにより、結合-溶出モード(bind-elute mode)で処理した。カラムにHCCFを38gmAb/l樹脂の最大負荷密度まで負荷した後、カラムを25mMトリス、25mM NaCl、pH7.2で5カラム体積にわたって洗浄した。次に、5カラム体積にわたって0.7Mトリス/HCl、pH7.2による追加の洗浄を行った。3つ目の洗浄段階は、5カラム体積にわたり、高精製水を使って行った。カラムに結合した抗体を、50mM酢酸、pH3.4を使って溶出させた。溶出プールは、OD280に基づいて500mAUから250mAU(光路長1cm)まで、最大3カラム体積にわたって収集した。
アフィニティー溶出プールを酢酸でpH3.5に調節し、30分保持した。次に、プールを1.5Mトリス塩基でpH5.0にコンディショニングし、深層濾過によって浄化した。1.5Mトリス塩基を使って深層濾過プールをpH7.0にコンディショニングした。コンディショニングされたプールの伝導率値は6mS/cm未満であると測定された。次のクロマトグラフィーカラム、すなわちCaptoAdhere ImpResに材料を負荷する前に、水による希釈段階は必要ない。
結果:
Figure 0007084301000006
実施例6
高純度脱イオン水による追加の洗浄なしのプロテインAクロマトグラフィーにおける二重特異性抗Ang2/VEGF-A抗体の精製(比較例)
CHO発現培養からの収穫細胞培養液(HCCF)を、MabSelect SuReアフィニティークロマトグラフィーにより、結合-溶出モードで処理した。カラムにHCCFを38gmAb/l樹脂の最大負荷密度まで負荷した後、カラムを25mMトリス、25mM NaCl、pH7.2で5カラム体積にわたって洗浄した。次に、5カラム体積にわたって0.7Mトリス/HCl、pH7.2による追加の洗浄を行った。3つ目の洗浄段階は、再び25mMトリス、25mM NaCl、pH7.2を使って行った。カラムに結合した抗体を、50mM酢酸、pH3.4を使って溶出させた。溶出プールは、OD280に基づいて500mAUから250mAU(光路長1cm)まで、最大3カラム体積にわたって収集した。
アフィニティー溶出プールを酢酸でpH3.5に調節し、30分保持した。次に、プールを1.5Mトリス塩基でpH5.0にコンディショニングし、深層濾過によって浄化した。1.5Mトリス塩基を使って深層濾過プールをpH7.0にコンディショニングした。コンディショニングされたプールの伝導率値は6mS/cmであると測定された。次のクロマトグラフィーカラム、すなわちCaptoAdhere ImpResに材料を負荷する前に、水による追加の希釈段階が必要である。
結果:
Figure 0007084301000007

Claims (13)

  1. 第1抗原に特異的に結合する第1抗原結合部位と第2抗原に特異的に結合する第2抗原結合部位とを含む二重特異性抗体を生産するための方法であって、
    (a)該二重特異性抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する段階、
    (b)該細胞または培養培地から該二重特異性抗体を回収する段階、
    (c)該二重特異性抗体をアフィニティークロマトグラフィー材料と接触させる段階、
    (d)アフィニティークロマトグラフィー材料を、0.03μS/cm~0.5mS/cmの伝導率値を有する低伝導率水溶液で洗浄する段階、および、アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前または後に、0.5mS/cm超から20mS/cm未満までの伝導率値を有する中伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料をさらに洗浄する段階、
    (e)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
    (f)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
    を含み、
    それによって該二重特異性抗体を生産する、
    前記方法。
  2. 第1抗原に特異的に結合する第1抗原結合部位と第2抗原に特異的に結合する第2抗原結合部位とを含む二重特異性抗体を試料から精製するための方法であって、
    (a)該二重特異性抗体を含む試料を用意する段階、
    (b)該二重特異性抗体を含む試料をアフィニティークロマトグラフィー材料に適用する段階、
    (c)アフィニティークロマトグラフィー材料を、0.03μS/cm~0.5mS/cmの伝導率値を有する低伝導率水溶液で洗浄する段階、および、アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前または後に、0.5mS/cm超から20mS/cm未満までの伝導率値を有する中伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料をさらに洗浄する段階、
    (d)アフィニティークロマトグラフィー材料から該二重特異性抗体を回収する段階、
    (e)さらなるクロマトグラフィー段階を行う段階
    を含み、
    それによって該二重特異性抗体を精製する、
    前記方法。
  3. アフィニティークロマトグラフィー段階後のさらなるクロマトグラフィー段階がイオン交換クロマトグラフィー段階またはマルチモードイオン交換クロマトグラフィー段階である、請求項1~2のいずれか一項記載の方法。
  4. アフィニティークロマトグラフィーがプロテインAアフィニティークロマトグラフィーまたはプロテインGアフィニティークロマトグラフィーまたは単鎖Fvリガンドアフィニティークロマトグラフィーである、請求項1~3のいずれか一項記載の方法。
  5. アフィニティークロマトグラフィーがプロテインAアフィニティークロマトグラフィーである、請求項1~4のいずれか一項記載の方法。
  6. 前記低伝導率水溶液が0.1mM~8mMのトリスを含む、請求項1~5のいずれか一項記載の方法。
  7. 前記低伝導率水溶液が0.05mM~2mMのリン酸カリウムを含む、請求項1~5のいずれか一項記載の方法。
  8. 前記低伝導率水溶液が7以上のpHを有する、請求項1~7のいずれか一項記載の方法。
  9. アフィニティークロマトグラフィー材料を低伝導率水溶液で洗浄する段階の前または後に、高伝導率水溶液および中伝導率水溶液でアフィニティークロマトグラフィー材料を洗浄する段階をさらに含み、該高伝導率水溶液が20mS/cm以上の伝導率値を有し、かつ、該中伝導率水溶液が0.5mS/cm超から20mS/cm未満までの伝導率値を有する、請求項1~8のいずれか一項記載の方法
  10. 高伝導率水溶液または中伝導率水溶液がヒスチジンを含む、請求項9記載の方法。
  11. 前記二重特異性抗体が、
    (a)第1抗原に特異的に結合する第1完全長抗体の重鎖および軽鎖と、
    (b)定常ドメインCLとCH1とが互いに置き換えられている、第2抗原に特異的に結合する第2完全長抗体の鎖および鎖と
    を含む二重特異性抗体である、請求項1~10のいずれか一項記載の方法。
  12. 第1抗原がヒトVEGFであり、かつ第2抗原がヒトANG-2であるか、第1抗原がヒトANG-2であり、かつ第2抗原がヒトVEGFである、請求項1~11のいずれか一項記載の方法。
  13. 第1抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:1を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:2を含み、第2抗原結合部位が、重鎖可変ドメイン(VH)としてSEQ ID NO:3を含み、かつ軽鎖可変ドメイン(VL)としてSEQ ID NO:4を含む、請求項1~12のいずれか一項記載の方法。
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