<処理システムの一例の概要>
図1は処理システム1の構成の一例を示す図である。図1に示されるように、処理システム1は、ネットワーク2に接続された複数の電子機器10及びサーバ装置50を備える。複数の電子機器10及びサーバ装置50は、ネットワーク2を通じて互いに通信することが可能である。
ネットワーク2には、無線ネットワーク及び有線ネットワークの少なくとも一方が含まれる。本例では、ネットワーク2には、例えば、基地局等を含む、携帯電話システムのネットワーク、無線LAN(Local Area Network)及びインターネット等が含まれる。
各電子機器10は、それ自身に関する情報をサーバ装置50に送信することが可能である。以後、電子機器10に関する情報を「機器情報」と呼ぶことがある。また、電子機器10の動作を説明する場合に、「自装置」と言えば、その電子機器10自身のことを意味し、「自装置ユーザ」と言えば、その電子機器10のユーザを意味する。また、電子機器10の動作を説明する場合に、その電子機器10が通信する相手装置となる電子機器10を「相手機器10」と呼ぶことがある。また、相手機器10のユーザを「相手ユーザ」と呼ぶことがある。
ネットワーク2に接続される複数の電子機器10には、例えば、スマートフォン等の携帯電話機、タブレット端末、パーソナルコンピュータ及びウェアラブル機器などが含まれる。複数の電子機器10に含まれるウェアラブル機器は、リストバンド型あるいは腕時計型などの腕に装着するタイプであってもよいし、ヘッドバンド型あるいはメガネ型などの頭に装着するタイプであってもよいし、服型などの体に装着するタイプであってもよい。腕時計型のウェアラブル機器は、スマートウォッチと呼ばれることがある。
サーバ装置50は、一種のコンピュータ装置である。サーバ装置50は、各電子機器10から送信される機器情報を記憶することが可能である。サーバ装置50は、電子機器10からの要求に応じて、当該電子機器10に対して、他の電子機器10の機器情報を送信することが可能である。電子機器10は、サーバ装置50から他の電子機器10の機器情報を受け取り、受け取った機器情報に基づいた処理を行うことが可能である。
以下に処理システム1の詳細について説明する。以下では、主に電子機器10が携帯電話機である場合を例に挙げて、処理システム1について説明する。
<電子機器の構成例>
<電子機器の外観の一例>
図2及び3は、携帯電話機である電子機器10の外観の一例を示す斜視図及び背面図である。図2及び3に示されるように、電子機器10は、平面視で略長方形の板状の機器ケース11を備えている。機器ケース11は電子機器10の外装を構成している。
機器ケース11の前面11aには、文字、記号及び図形等の各種情報が表示される表示面12が位置している。表示面12の背面側には後述するタッチパネル130が位置している。これにより、ユーザは、電子機器10の前面の表示面12を指等で操作することによって、電子機器10に対して各種情報を入力することができる。なお、ユーザは、指以外の操作子、例えば、スタイラスペンなどのタッチパネル用ペンで表示面12を操作することによっても、電子機器10に対して各種情報を入力することができる。
機器ケース11の前面11aの上端部にはレシーバ穴13が位置している。前面11aの下端部にはスピーカ穴14が位置している。機器ケース11の下側の側面11cにはマイク穴15が位置している。
機器ケース11の前面11aの上端部からは、後述する第1カメラ180が有するレンズ181が視認可能となっている。図3に示されるように、機器ケース11の背面11bの上端部からは、後述する第2カメラ190が有するレンズ191が視認可能となっている。
電子機器10は、複数の操作ボタン21から成る操作ボタン群210(後述の図4参照)を備えている。複数の操作ボタン21のそれぞれはハードウェアボタンである。具体的には、複数の操作ボタン21のそれぞれは押しボタンである。なお、操作ボタン群210に含まれる少なくとも一つの操作ボタン21は、表示面12に表示されるソフトウェアボタンであってもよい。
操作ボタン群210には、機器ケース11の前面11aの下端部に位置する操作ボタン21a,21b,21cが含まれる。操作ボタン群210には、電源ボタン及びボリュームボタンが含まれてもよい。
操作ボタン21aは、例えばバックボタンである。バックボタンは、表示面12の表示を一つ前の表示に切り替えるための操作ボタンである。ユーザが操作ボタン21aを操作することよって、表示面12の表示が一つ前の表示に切り替わる。操作ボタン21bは、例えばホームボタンである。ホームボタンは、表示面12にホーム画面を表示させるための操作ボタンである。ユーザが操作ボタン21bを操作することよって、表示面12にホーム画面が表示される。操作ボタン21cは、例えば履歴ボタンである。履歴ボタンは、電子機器10で実行されたアプリケーションの履歴を表示面12に表示させるための操作ボタンである。ユーザが操作ボタン21cを操作することよって、表示面12には、電子機器10で実行されたアプリケーションの履歴が表示される。
<電子機器の電気的構成の一例>
図4は、図2及び3に示される電子機器10の電気的構成の一例を示すブロック図である。図4に示されるように、電子機器10は、例えば、制御部100、無線通信部110、表示部120、タッチパネル130、操作ボタン群210、位置取得部140及びリアルタイムクロック220を備える。さらに電子機器10は、レシーバ150、スピーカ160、マイク170、第1カメラ180、第2カメラ190、センサ装置200、振動部230及び電池240を備える。電子機器10が備えるこれらの構成要素は、機器ケース11内に収められている。
制御部100は、電子機器10の他の構成要素を制御することによって、電子機器10の動作を統括的に管理することが可能である。制御部100は制御装置あるいは制御回路とも言える。制御部100は、以下にさらに詳細に述べられるように、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含む。
種々の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)として、または複数の通信可能に接続された集積回路(IC)及び/またはディスクリート回路(discrete circuits)として実行されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、種々の既知の技術に従って実行されることが可能である。
1つの実施形態において、プロセッサは、例えば、関連するメモリに記憶された指示を実行することによって1以上のデータ計算手続又は処理を実行するように構成された1以上の回路又はユニットを含む。他の実施形態において、プロセッサは、1以上のデータ計算手続き又は処理を実行するように構成されたファームウェア(例えば、ディスクリートロジックコンポーネント)であってもよい。
種々の実施形態によれば、プロセッサは、1以上のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号処理装置、プログラマブルロジックデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらのデバイス若しくは構成の任意の組み合わせ、または他の既知のデバイス及び構成の組み合わせを含み、以下に説明される機能を実行してもよい。
本例では、制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、DSP(Digital Signal Processor)102及び記憶部103を備える。記憶部103は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などの、CPU101及びDSP102が読み取り可能な非一時的な記録媒体を含む。記憶部103が有するROMは、例えば、不揮発性メモリであるフラッシュROM(フラッシュメモリ)である。記憶部103には、電子機器10を制御するための複数の制御プログラム103a等が記憶されている。制御部100の各種機能は、CPU101及びDSP102が記憶部103内の各種制御プログラム103aを実行することによって実現される。
記憶部103内の複数の制御プログラム103aには、様々なアプリケーション(つまり、アプリケーションプログラム)が含まれている。記憶部103には、例えば、電話アプリケーション、ブラウザ、スケジュール管理アプリケーション、カメラアプリケーション、静止画表示アプリケーション、動画再生アプリケーション、音楽再生アプリケーション及びメッセージ通信アプリケーション等が記憶されている。
電話アプリケーションは、電子機器10が、無線通信部110、レシーバ150及びマイク170等を利用して電話通信を行うためのアプリケーションである。電話アプリケーションは、ユーザが電子機器10を利用して、他の電子機器10のユーザと通話を行うためのアプリケーションであると言える。電話通信には、従来型の電話回線を利用した通信形態と、IP(Internet Protocol)電話通信と呼ばれる、インターネットを利用した通信形態とが含まれる。従来型の電話回線を利用した通信を行うための電話アプリケーションを「従来型電話アプリケーション」と呼ぶことがある。また、IP電話通信を行うための電話プリケーションを「IP電話アプリケーション」と呼ぶことがある。
記憶部103には、複数種類の電話アプリケーションが記憶されてもよい。記憶部103内の複数種類の電話アプリケーションには、少なくとも1種類の従来型電話アプリケーションが含まれてもよいし、少なくとも1種類のIP電話アプリケーションが含まれてもよい。
ブラウザは、電子機器10がウェブサイトを表示するためのアプリケーションである。スケジュール管理アプリケーションは、電子機器10にスケジュール情報を登録するためのアプリケーションである。カメラプリケーションは、電子機器10が第1カメラ180及び第2カメラ190を利用して被写体を撮影するためのアプリケーションである。静止画表示アプリケーションは、電子機器10が記憶部103内の静止画を表示するためのアプリケーションである。動画再生アプリケーションは、電子機器10が記憶部103内の動画を再生して表示するためのアプリケーションである。音楽再生アプリケーションは、電子機器10が記憶部103内の音楽を再生して出力するためのアプリケーションである。
メッセージ通信アプリケーションは、電子機器10が無線通信部110等を利用してメッセージ通信を行うためのアプリケーションである。メッセージ通信には、送信側から送信されたメッセージがサーバ装置に一旦保存され、受信側がサーバ装置からメッセージを読み出すような通信形態が含まれる。この通信形態は「電子メール通信」と呼ばれることがある。またメッセージ通信には、電子メール通信とは異なり、受信側が、送信側から送信されたメッセージをサーバ装置から読み出すことなくすぐに受信することができるような通信形態も含まれる。この通信形態は、「インスタントメッセージ通信」と呼ばれることがある。以後、電子メール通信を実現するためのメッセージ通信アプリケーションを「電子メールアプリケーション」と呼ぶことがある。また、インスタントメッセージ通信を実現するためのメッセージ通信アプリケーションを「IMアプリケーション」と呼ぶことがある。IMアプリケーションは「インスタントメッセンジャー」と呼ばれることがある。
記憶部103には、複数種類のメッセージ通信アプリケーションが記憶されてもよい。記憶部103内の複数種類のメッセージ通信アプリケーションには、少なくとも1種類の電子メールアプリケーションが含まれてもよいし、少なくとも1種類のIMアプリケーションが含まれてもよい。
記憶部103内の少なくとも一つのアプリケーションは、記憶部103内にあらかじめ記憶されているものであってよい。また、記憶部103内の少なくとも一つのアプリケーションは、電子機器10が他の装置からダウンロードして記憶部103内に記憶したものであってよい。以後、アプリケーションを単に「アプリ」と呼ぶことがある。
なお、制御部100の構成は上記の例には限られない。制御部100は、例えば、複数のCPU101を備えてもよい。また制御部100は、DSP102を備えなくてもよいし、複数のDSP102を備えてもよい。また、制御部100の全ての機能あるいは制御部100の一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。また記憶部103は、ROM及びRAM以外の、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体を備えていてもよい。記憶部103は、例えば、小型のハードディスクドライブ及びSSD(Solid State Drive)などを備えていてもよい。
無線通信部110は、アンテナ111を有している。無線通信部110は、アンテナ111を用いて、例えば複数種類の無線通信方式で無線通信することが可能である。無線通信部110の無線通信は、制御部100によって制御される。無線通信部110は、無線通信回路とも言える。
無線通信部110は、ネットワーク2に含まれる携帯電話システムの基地局と無線通信することが可能である。無線通信部110は、当該基地局を通じて、別の携帯電話機及びウェブサーバ等と通信することが可能である。
また、無線通信部110は、ネットワーク2に含まれるWiFi等の無線LANを用いて無線通信を行うことが可能である。また無線通信部110は、ネットワーク2を介さずに直接他の装置と近距離無線通信を行うことが可能である。例えば、無線通信部110は、Bluetooth(登録商標)に準拠して無線通信することが可能である。無線通信部110は、ZigBee(登録商標)及びNFC(Near Field Communication)の少なくとも一方に準拠して無線通信することが可能であってもよい。
無線通信部110は、アンテナ111で受信した信号に対して増幅処理等の各種処理を行い、処理後の受信信号を制御部100に出力する。制御部100は、入力される受信信号に対して各種処理を行って、当該受信信号に含まれる情報を取得する。また、制御部100は、情報を含む送信信号を無線通信部110に出力する。無線通信部110は、入力される送信信号に対して増幅処理等の各種処理を行って、処理後の送信信号をアンテナ111から無線送信する。制御部100は、後述するように、無線通信部110に、電子機器10の機器情報をサーバ装置50へ送信させる。
表示部120は、電子機器10の前面に位置する表示面12と、表示パネル121とを備えている。表示部120は、表示面12に各種情報を表示することが可能である。表示パネル121は、例えば、液晶表示パネルあるいは有機ELパネルである。表示パネル121は、制御部100によって制御されることによって、文字、記号、図形などの各種情報を表示することが可能である。表示パネル121は、機器ケース11内において、表示面12と対向している。表示パネル121に表示される情報は表示面12に表示される。表示部120は、表示を行うことによって、ユーザに対して通知を行う通知部であると言える。
タッチパネル130は、表示面12に対する指等の操作子による操作を検出することが可能である。タッチパネル130は、例えば、投影型静電容量方式のタッチパネルである。タッチパネル130は、例えば、表示面12の裏側に位置する。ユーザが指等の操作子によって表示面12に対して操作を行ったとき、その操作に応じた電気信号をタッチパネル130は制御部100に入力することが可能である。制御部100は、タッチパネル130からの電気信号(出力信号)に基づいて、表示面12に対して行われた操作の内容を特定することが可能である。そして制御部100は、特定した操作内容に応じた処理を行うことが可能である。
操作ボタン群210の各操作ボタン21は、ユーザによって操作されると、操作されたことを示す操作信号を制御部100に出力することが可能である。これにより、制御部100は、各操作ボタン21について、当該操作ボタン21が操作されたか否かを判断することができる。操作信号が入力された制御部100が他の構成要素を制御することによって、電子機器10では、操作された操作ボタン21に割り当てられている機能が実行される。
位置取得部140は、電子機器10の位置を示す位置情報を取得することが可能である。位置取得部140は、例えば、測位衛星が送信する衛星信号を受信し、受信した衛星信号に基づいて、電子機器10の位置情報を取得することが可能である。位置取得部140が取得する位置情報には、例えば、電子機器10の位置を示す緯度経度が含まれる。位置取得部140は位置取得回路であると言える。
位置取得部140は、例えばGPS受信機であって、GPS(Global Positioning System)の測位衛星からの無線信号を受信することが可能である。位置取得部140は、受信した無線信号に基づいて電子機器10の現在位置を例えば緯度経度で算出し、算出した緯度経度を含む位置情報を制御部100に出力する。電子機器10の位置情報は、当該電子機器10を持つユーザの位置情報であるともいえる。
なお位置取得部140は、GPS以外のGNSS(Global Navigation Satellite System)の測位衛星からの信号に基づいて電子機器10の位置情報を求めてもよい。例えば、位置取得部140は、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、IRNSS(Indian Regional Navigational Satellite System)、COMPASS、Galileoあるいは準天頂衛星システム(QZSS:Quasi-Zenith Satellites System)の測位衛星からの信号に基づいて電子機器10の位置情報を求めてもよい。
なお電子機器10は、位置取得部140を備えなくてもよい。この場合、電子機器10は、それとは別体の位置取得部140と無線あるいは有線で接続されてよい。
マイク170は、電子機器10の外部から入力される音を電気的な音信号に変換して制御部100に出力することが可能である。電子機器10の外部からの音は、マイク穴15から電子機器10の内部に取り込まれてマイク170に入力される。
スピーカ160は、例えばダイナミックスピーカである。スピーカ160は、制御部100からの電気的な音信号を音に変換して出力することが可能である。スピーカ160から出力される音は、スピーカ穴14から外部に出力される。ユーザは、スピーカ穴14から出力される音を、電子機器10から離れた場所でも聞こえることが可能である。スピーカ160は、音を出力することによって、ユーザに対して通知を行う通知部であると言える。
レシーバ150は受話音を出力することが可能である。レシーバ150は例えばダイナミックスピーカである。レシーバ150は、制御部100からの電気的な音信号を音に変換して出力することが可能である。レシーバ150から出力される音はレシーバ穴13から外部に出力される。レシーバ穴13から出力される音の音量は、スピーカ穴14から出力される音の音量よりも小さくなっている。ユーザは、レシーバ穴13から出力される音を、当該レシーバ穴13に耳を近づけることによって聞くことができる。レシーバ150は、音を出力することによって、ユーザに対して通知を行う通知部であると言える。なお、レシーバ150の代わりに、機器ケース11の前面部分を振動させる、圧電振動素子等の振動素子を設けてもよい。この場合には、音は、当該前面部分の振動によりユーザに伝達される。
第1カメラ180は、レンズ181及びイメージセンサなどを備えている。第2カメラ190は、レンズ191及びイメージセンサなどを備えている。第1カメラ180及び第2カメラ190のそれぞれは、制御部100による制御に基づいて被写体を撮影し、撮影した被写体を示す静止画あるいは動画を生成して制御部100に出力することが可能である。
第1カメラ180のレンズ181は、機器ケース11の前面11aから視認可能となっている。したがって、第1カメラ180は、電子機器10の前面側(表示面12側)に存在する被写体を撮影することが可能である。第1カメラ180はインカメラと呼ばれる。一方で、第2カメラ190のレンズ191は、機器ケース11の背面11bから視認可能となっている。したがって、第2カメラ190は、電子機器10の背面側に存在する被写体を撮影することが可能である。第2カメラ190はアウトカメラと呼ばれる。
センサ装置200は、少なくとも一つのセンサを備える。本例では、センサ装置200は、例えば、加速度センサ、気圧センサ、地磁気センサ及びジャイロセンサを備える。加速度センサは、例えば、電子機器10の加速度を検出することが可能な3軸加速度センサである。加速度センサは、電子機器10に設定されたx軸方向、y軸方向及びz軸方向の加速度を検出することができる。x軸方向、y軸方向及びz軸方向は、例えば、電子機器10の長手方向、短手方向及び厚み方向にそれぞれ設定される。気圧センサは、電子機器10の周囲の気圧を検出することが可能である。地磁気センサは、例えば、電子機器10の周囲の磁場(磁界とも呼ばれる)を検出することが可能な3軸地磁気センサである。地磁気センサは、電子機器10に設定されたx軸方向、y軸方向及びz軸方向の磁場を検出することが可能である。ジャイロセンサは、例えば、電子機器10の角速度を検出することが可能な3軸ジャイロセンサである。ジャイロセンサは、電子機器10に設定されたx軸、y軸及びz軸のそれぞれの軸周りの角速度を検出することが可能である。
なおセンサ装置200は、加速度センサ、気圧センサ、地磁気センサ及びジャイロセンサの少なくとも一つのセンサを備えなくてもよい。この場合、電子機器10は、それとは別体の当該少なくとも一つのセンサと、無線あるいは有線で接続されてよい。また、センサ装置200は、加速度センサ、気圧センサ、地磁気センサ及びジャイロセンサ以外のセンサを備えてもよい。例えば、センサ装置200は、近接センサ、照度センサ及び温度センサの少なくとも一つを備えてもよい。また、電子機器10は、それとは別体の、加速度センサ、気圧センサ、地磁気センサ及びジャイロセンサ以外のセンサと、無線あるいは有線で接続されてもよい。
リアルタイムクロック220は、現在時刻を計測して制御部100に通知する。振動部230は、電子機器10を振動させることができる。具体的には、振動部230は、制御部100による制御によって、機器ケース11を振動させることが可能である。振動部230は、機器ケース11を振動させることによって、電子機器10を持つユーザに対して通知を行うことが可能である。振動部230は例えば偏心モータを備えている。振動部230は、機器ケース11を振動させることによってユーザに通知を行う通知部であると言える。
電池240は例えば充電式の電池である。電池240から出力される電源は、電子機器10が備える制御部100及び無線通信部110などの各種構成に対して供給される。
<サーバ装置の構成例>
図5はサーバ装置50の構成の一例を示す図である。図5に示されるように、サーバ装置50は、例えば、制御部51と、ネットワーク2に接続される通信部54と、表示部55とを備える。
表示部55は、例えば、液晶表示パネルあるいは有機ELパネルである。表示部55は、制御部51によって制御されることによって、文字、記号、図形などの各種情報を表示することが可能である。
制御部51は、サーバ装置50の他の構成要素を制御することによって、サーバ装置50の動作を統括的に管理することが可能である。制御部51は制御装置あるいは制御回路であるとも言える。制御部51は、以下にさらに詳細に述べられるように、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含む。電子機器10の制御部100が備えるプロセッサについての上記の説明は、制御部51が備えるプロセッサについても言える。
本例では、制御部51は、CPU52及び記憶部53を備える。記憶部53は、ROM及びRAMなどの、CPU52が読み取り可能な非一時的な記録媒体を含む。記憶部53が有するROMは、例えば、不揮発性メモリであるフラッシュROMである。記憶部53には、サーバ装置50を制御するための複数の制御プログラム53aが記憶されている。また記憶部53には、電子機器10が送信する機器情報300が記憶される。記憶部103内では、電子機器10ごとに機器情報300が管理されている。制御部51の各種機能は、CPU52が記憶部53内の各種制御プログラム53aを実行することによって実現される。
通信部54は、有線あるいは無線でネットワーク2に接続されている。通信部54は、ネットワーク2を通じて、当該ネットワーク2に接続された、電子機器10等の装置と通信することが可能である。通信部54は、ネットワーク2から受け取った情報を制御部51に入力することが可能である。また通信部54は、制御部51から受け取った情報をネットワーク2に出力することが可能である。
サーバ装置50の構成は図5の例には限られない。例えば、制御部51は、複数のCPU52を備えてもよい。また制御部51は、少なくとも一つのDSPを備えてもよい。また、制御部51の全ての機能あるいは制御部51の一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。
また記憶部53は、ROM及びRAM以外の、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体を備えてもよい。記憶部53は、例えば、小型のハードディスクドライブ及びSSDなどを備えてもよい。記憶部53内の少なくとも一つの制御プログラム53aは、記憶部53内にあらかじめ記憶されているものであってよい。また、記憶部53内の少なくとも一つの制御プログラム53aは、サーバ装置50が他の装置からダウンロードして記憶部53内に記憶したものであってよい。
サーバ装置50は、制御部51、通信部54及び表示部55以外の構成を備えてもよい。サーバ装置50は、例えば、タッチパネル等の、ユーザがサーバ装置50に情報を入力するための入力装置を備えてもよい。
<電子機器の表示例>
図6は電子機器10の表示例を示す図である。図6には、ホーム画面400の一例が模式的に示されている。図6に示されるように、表示面12に表示されるホーム画面400には、記憶部103内のアプリケーションに対応し、対応するアプリケーションの実行を電子機器10に指示するためのアイコン401が示される。
図6の例では、ホーム画面400には、ブラウザに対応するアイコン401aと、音楽再生アプリケーションに対応するアイコン401bと、カメラアプリケーションに対応するアイコン401cと、電子メールアプリケーションに対応するアイコン401dとが含まれる。またホーム画面400には、従来型電話アプリケーションに対応するアイコン401eと、IP電話アプリケーションに対応するアイコン401fとが含まれる。またホーム画面400には、例えば異なる会社から提供される2種類のIMアプリケーションにそれぞれ対応する2つのアイコン401g及び401hが含まれる。
ユーザは、ホーム画面400に含まれるアイコン401に対して所定の操作(例えばタップ操作)を行うことによって、当該アイコン401を選択することができる。制御部100は、選択されたアイコン401に対応するアプリケーションを記憶部103から読み出して実行する。つまり、制御部100は、タッチパネル130がアイコン401に対する所定の操作を検出すると、当該アイコン401に対応するアプリケーションを記憶部103から読み出して実行する。これにより、ユーザは、アイコン401を操作することによって当該アイコン401を選択し、選択したアイコン401に対応するアプリケーションを電子機器10に実行させることができる。例えば、ユーザが、電子メールアプリケーションに対応するアイコン401dをタップ操作すると、電子機器10では電子メールアプリケーションが実行される。またユーザが、従来型電話アプリケーションに対応するアイコン401eをタップ操作すると、電子機器10では従来型電話アプリケーションが実行される。
ホーム画面400だけではなく、表示面12に表示される各画面には、電子機器10の状態を通知する通知領域450が含まれる。通知領域450は、ステータスバーとも呼ばれる。図6に示されるように、通知領域450には、例えば、無線通信部110の通信状態を示すアイコン451と、電池240についての電池残量を示すアイコン452と、リアルタイムクロック220で取得される現在時刻を示すアイコン453とが含まれる。
また、電子機器10において特定のイベントが発生すると、通知領域450には、発生したイベントに関する情報が示される。当該情報には、例えば、新しいメッセージの受信を通知するアイコン及び不在着信を通知するアイコンなどが含まれる。
以後、電子機器10の表示例を説明する場合に、通知領域450が特に関係しない場合には、通知領域450の図示を省略する。
<電子機器の動作例について>
<電子機器の着信通知の一例>
電子機器10は、相手機器10からの電話通信の発信を着信すると、自装置ユーザに対して電話通信の着信通知を行う。また、電子機器10は、相手機器10がメッセージ通信で送信するメッセージを受信(言い換えれば、着信)すると、自装置ユーザに対してメッセージ通信の着信通知を行う。以後、電話通信の着信通知を「電話着信通知」と呼び、メッセージ通信の着信通知を「メッセージ着信通知」と呼ぶことがある。また、電話通信の着信を「電話着信」と呼ぶことがある。
電子機器10は、例えば、表示部120、スピーカ160及び振動部230を用いて、電話着信通知とメッセージ着信通知を行うことが可能である。例えば、電話通信の着信中(以後、「電話着信中」と呼ぶことがある)に、制御部100が、電話着信を通知する着信通知画面を表示部120に表示させることによって、電子機器10は電話着信通知を自装置ユーザに行うことができる。この電話着信通知を「表示による電話着信通知」と呼ぶことがある。着信通知画面は、電話着信を通知する着信通知情報であるとも言える。また、電話着信中に、制御部100が、電話通信の着信音をスピーカ160に出力させることによって、電子機器10は電話着信通知を自装置ユーザに行うことができる。この電話着信通知を「音による電話着信通知」と呼ぶことがある。そして、電話着信中に、制御部100が、振動部230に機器ケース11を振動させることによって、電子機器10は電話着信通知を自装置ユーザに行うことができる。この電話着信通知を「振動による電話着信通知」と呼ぶことがある。
同様に、電子機器10でのメッセージの受信に応じて、制御部100が、表示部120に、メッセージの受信を通知する情報を例えば通知領域450に表示させることによって、電子機器10はメッセージ着信通知を自装置ユーザに行うことができる。このメッセージ着信通知を「表示によるメッセージ着信通知」と呼ぶことがある。また、電子機器10でのメッセージの受信に応じて、制御部100が、メッセージ通信の着信音をスピーカ160に出力させることによって、電子機器10はメッセージ着信通知を自装置ユーザに行うことができる。このメッセージ着信通知を「音によるメッセージ着信通知」と呼ぶことがある。そして、電子機器10でのメッセージの受信に応じて、制御部100が、振動部230に機器ケース11を振動させることによって、電子機器10はメッセージ着信通知を自装置ユーザに行うことができる。このメッセージ着信通知を「振動によるメッセージ着信通知」と呼ぶことがある。
ユーザは、例えば表示面12を操作することによって、着信通知に関する設定を電子機器10に対して行うことができる。例えば、ユーザは、電話着信通知に関して、音による電話着信通知を実行するか否かと、振動による電話着信通知を実行するか否かを電子機器10に対して設定することができる。またユーザは、メッセージ着信通知に関して、音によるメッセージ着信通知を実行するか否かと、振動によるメッセージ着信通知を実行するか否かを電子機器10に対して設定することができる。電子機器10は、基本的には、自装置での着信通知に関する設定に応じて着信通知を行う。ただし、後述するように、電子機器10の着信通知が、他の電子機器10によって制御されることがある。
<機器情報の送信について>
本例では、電子機器10の制御部100は、自装置の機器情報を生成し、生成した機器情報を、無線通信部110にサーバ装置50へ送信させることが可能である。機器情報には、電子機器10に対する設定を示す設定情報が含まれてもよい。機器情報には、電子機器10に対して登録された登録情報が含まれてもよい。機器情報には、電子機器10の状態を示す機器状態情報が含まれてもよい。機器情報の具体例については後で詳細に説明する。
電子機器10では、例えば、制御部100は、一定時間ごとに、無線通信部110に、最新の機器情報をサーバ装置50へ送信させる。また制御部100は、機器情報に含まれる情報に変更が生じるたびに、無線通信部110に、機器情報をサーバ装置50へ送信させてもよい。また制御部100は、サーバ装置50から機器情報の送信要求があるたびに、無線通信部110に、最新の機器情報をサーバ装置50へ送信させてもよい。電子機器10は、自装置の識別情報とともに、自装置の機器情報を送信する。識別情報としては、例えば、電子機器10に割り当てられた電話番号が採用されてもよい。
サーバ装置50では、通信部54が、電子機器10の機器情報及び識別情報を取得すると、制御部51は、取得された機器情報及び識別情報を互いに対応付けて記憶部53に記憶する。このとき、記憶部53内に、受信された識別情報に対応する古い機器情報が記憶されている場合には、制御部51は、古い機器情報の代わり受信された機器情報を記憶部53に記憶する。これにより、記憶部53内には、各電子機器10についての最新の機器情報が記憶される。
<電話アプリケーション起動後の電子機器の動作例>
本例では、電子機器10は、電話アプリケーションの起動後、相手機器10との電話通信についての自装置ユーザからの発信指示に応じて、相手機器10の機器情報に基づく処理を行うことが可能である。ユーザは、このような電子機器10を利用することができることから、電子機器10の利便性が向上する。
図7は、電話アプリケーション起動後の電子機器10の動作の一例を示すフローチャートである。電子機器10の制御部100は、上述のアイコン401eあるいはアイコン401fに対するタップ操作をタッチパネル130が検出すると、タップ操作されたアイコン401に対応する電話アプリケーションを記憶部103内から読み出して実行する。これにより、電話アプリケーションが起動する。
電話アプリケーションの起動後、ステップs1において、制御部100は、タッチパネル130からの出力信号に基づいて、相手機器10との電話通信についての自装置ユーザからの発信指示が自装置に入力されたことを特定すると、ステップs2を実行する。
以後、単に「発信指示」と言えば、電話通信についての発信指示を意味する。また、相手機器10との電話通信についての発信指示が電子機器10に入力された場合のその相手機器1を「対象相手機器10」と呼ぶことがある。また、対象相手機器10のユーザを「対象相手ユーザ」と呼ぶことがある。また、発信指示が入力された電子機器10を「発信指示受付機器10」あるいは「指示受付機器10」と呼ぶことがある。
図8は、電話アプリケーションの実行中の表示例を示す図である。図8には、従来型電話アプリケーションの実行中の表示例が示されている。図8には、電話通信の相手機器10に割り当てられた電話番号を入力するための入力画面500の一例が示されている。入力画面500は、ダイヤルパッドあるいはキーパッドと呼ばれることがある。
図8に示されるように、入力画面500には、番号等の記号を入力するための12個の入力ボタン501が含まれる。各入力ボタン501には記号が割り当てられている。入力ボタン501に対して例えばタップ操作が行われると、タップ操作が行われた入力ボタン501に割り当てられた記号が電子機器10に入力される。ユーザは、複数の入力ボタン501を操作することによって、電子機器10に対して、相手機器10の電話番号を入力することができる。
また入力画面500には、発信指示を電子機器10に入力するための発信指示ボタン502が含まれる。発信指示ボタン502に対して例えばタップ操作が行われると、電子機器10に対して発信指示が入力される。ユーザは、電子機器10に対して相手機器10の電話番号を入力した後、発信指示ボタン502を操作することによって、電子機器10に対して、相手機器10との電話通信の発信指示を入力することができる。
ユーザが発信指示を電子機器10に入力する方法は上記の例に限られない。ユーザは、例えば、記憶部103内の電話帳を利用して発信指示を電子機器10に入力することができる。この場合、例えば、ユーザは、表示面12に対して所定の操作を行って、電子機器10に、記憶部103内の電話帳に含まれる相手機器10の電話番号を表示面12に表示させる。そして、ユーザは、表示面12に表示される相手機器10の電話番号に対して例えばタップ操作を行うことによって、相手機器10との電話通信の発信指示を電子機器10に入力することができる。また、ユーザは、表示面12に表示される着信履歴あるいは発信履歴を利用して、発信指示を電子機器10に入力してもよい。また、ユーザは、マイク170に所定の音声を入力することによって、発信指示を電子機器10に入力してもよい。
なお上記の例では、電子機器10が、相手機器10と電話通信を行う場合に用いる相手機器10の識別情報として、電話番号が使用されているが、IP電話アプリケーションにおいては、電話番号以外の識別情報が使用されることがある。
ステップs2においては、制御部100は、対象相手機器10の機器情報をサーバ装置50に要求するための第1要求信号を生成する。この第1要求信号には、対象相手機器10の識別情報が含まれている。そして、制御部100は、無線通信部110に第1要求信号をサーバ装置50へ送信させる。
第1要求信号を受信したサーバ装置50では、制御部51が、第1要求信号に含まれる識別情報に対応する機器情報を記憶部53から読み出す。そして、サーバ装置50は、読み出した機器情報を、発信指示受付機器10へ送信する。これにより、発信指示受付機器10は、対象相手機器10の機器情報を取得することができる。
ステップs2の後、ステップs3において、無線通信部110がサーバ装置50から対象相手機器10の機器情報を取得すると、ステップs4において、制御部100は、取得された機器情報に基づく処理を実行する。
本例では、指示受付機器10の制御部100は、発信指示に応じて電話通信の発信を無条件に行うのではなく、対象相手機器10に応じた処理を行う。ステップs4では、対象相手機器10の機器情報に基づいて、指示受付機器10が実行する処理が決定されて、決定された処理が実行される。
なお制御部100は、取得した機器情報を、記憶部103内の電話帳に登録してもよい。この場合、制御部100は、相手機器10の機器情報を、電話帳において、相手機器10の電話番号に対応付けて登録してもよい。これにより、電子機器10が電話帳を表示することによって、ユーザは、機器情報を確認することができる。
また上記の例では、電子機器10は、発信指示をトリガとして、第1要求信号をサーバ装置50に送信しているが、他の条件をトリガとして、第1要求信号をサーバ装置50に送信してもよい。例えば、電子機器10は、一定時間ごとに、第1要求信号をサーバ装置50に送信してもよい。この場合、図9に示されるように、ステップs2,s3が不要となり、ステップs4では、電子機器10が直近に取得した機器情報に基づく処理が実行される。
また、電子機器10は、サーバ装置50を介さずに、発信指示に係る相手機器10から機器情報を取得してもよい。この場合、例えば、制御部100は、ステップs2において、無線通信部110に、対象相手機器10に機器情報を要求するための第2要求信号を対象相手機器10へ送信させる。電子機器10では、無線通信部110が第2要求信号を受信すると、制御部100は、無線通信部110に、自装置の機器情報を相手機器10へ送信させる。ステップs3において、無線通信部110が対象相手機器10の機器情報を取得すると、ステップs4において、制御部100は、取得された機器情報に基づく処理を実行する。
また、電子機器10は、発信指示とは別の条件をトリガとして、第2要求信号を相手機器10へ送信してもよい。例えば、電子機器10は、一定時間ごとに、第2要求信号を相手機器10へ送信してもよい。この場合、上述の図9に示されるように、ステップs2,s3が不要となり、ステップs4では、電子機器10が直近に取得した機器情報に基づく処理が実行される。
また、電子機器10は、他の電子機器10からの要求に応じて機器情報を送信するのではなく、自ら機器情報を他の電子機器10に送信してもよい。例えば、電子機器10は、一定時間ごとに、自装置の機器情報を他の電子機器10に送信してもよい。この場合、図9のように、ステップs2,s3が不要となり、ステップs4において、電子機器10は、相手機器10から直近に取得した機器情報に基づく処理を行う。
なお、電子機器10がサーバ装置50あるいは他の電子機器から機器情報を取得する場合には、5G(第5世代移動通信システム)に準拠した無線通信方式のように、通信速度が大きく、かつレイテンシが小さい無線通信方式が使用されてもよい。例えば、上述のステップs2及びs3では、5Gに準拠した無線通信方式が使用されてもよい。
以下に、ステップs4についての様々な具体例について説明する。
<第1の例>
図10は本例に係るステップs4を示すフローチャートである。図10には、対象相手機器10がマナーモードに設定されていることを示すマナーモード設定情報が機器情報に含まれている場合のステップs4が示されている。マナーモード設定情報は、電子機器10の設定情報の一種である。
マナーモードとは、電話通信及びメッセージ通信の着信音が電子機器10から出力されないモードである。つまり、マナーモードは、音による電話着信通知及び音によるメッセージ着信通知が実行されないモードである。マナーモードは、サイレントモードと呼ばれることがある。ユーザは、例えば表示面12に対して所定操作を行うことによって、電子機器10をマナーモードに設定することができる。なお、電子機器10がマナーモードに設定されている場合、振動による電話着信通知及び振動によるメッセージ着信通知は、実行されてもよいし、実行されなくてもよい。
図10に示されるように、指示受付機器10の制御部100は、ステップs11において、対象相手機器10の機器情報に含まれるマナーモード設定情報に基づいて、対象相手機器10がマナーモードに設定されていることを特定する。
次にステップs12において、制御部100は、対象相手機器10がマナーモードに設定されていることを、自装置が備える通知部に通知させる。この通知部としては、例えば、表示部120を利用することができる。ステップs12において、制御部100は、対象相手機器10がマナーモードに設定されていることを通知する通知情報510を表示部120に表示させる。図11は、通知情報510の表示例を示す図である。
制御部100は、通知情報510を表示部120に所定時間表示させた後、ステップs13において、ステップs1の発信指示に応じた電話通信の替わりに、メッセージ通信の実行を決定する。そして、ステップs14において、制御部100は、記憶部103内のメッセージ通信アプリケーションを実行する。このとき、制御部100は、電子メールアプリケーションを実行してもよいし、IMアプリケーションを実行してもよい。
次にステップs15において、タッチパネル130は、表示面12に対する、メッセージの送信先を選択する送信先選択操作、メッセージの入力操作、及びメッセージの送信指示操作(言い換えればメッセージの発信指示操作)を検出する。指示受付機器10のユーザは、メッセージの送信先として対象相手機器10を選択する。ステップs15の後、ステップs16において、制御部100は、選択された相手機器10、つまり対象相手機器10にメッセージを送信する。
発信指示受付機器10からメッセージを受信した対象相手機器10では、メッセージ通信アプリケーションが起動し、制御部100が、受信されたメッセージを表示部120に表示させる。これにより、対象相手ユーザは、指示受付機器10からのメッセージを確認することができる。
なお制御部100は、ステップs14において、メッセージ通信アプリケーションを実行したとき、メッセージの送信先が、自動的に、対象相手機器10となるようにしてもよい。これにより、ステップs15において、ユーザは、表示面12に対する送信先選択操作が不要となる。
また、ステップs12において、対象相手機器10がマナーモードに設定されていることを自装置ユーザに通知する通知部は、表示部120以外であってもよい。例えば、通知部は、レシーバ150、スピーカ160あるいは振動部230であってもよい。この場合、レシーバ150あるいはスピーカ160は、対象相手機器10がマナーモードに設定されていることを意味する音声を出力する。また、振動部230は、特定の振動パターンで機器ケース11を振動させることによって、対象相手機器10がマナーモードに設定されていることを自装置ユーザに通知する。また、複数の通知部が、対象相手機器10がマナーモードに設定されていることを自装置ユーザに通知してもよい。例えば、表示部120、スピーカ160及び振動部230が、対象相手機器10がマナーモードに設定されていることを自装置ユーザに通知してもよい。
なお以下では、ステップs4で使用される通知部として、表示部120を例に挙げて説明するが、特に説明しなくても、上記の通り、通知部として、表示部120、レシーバ150、スピーカ160及び振動部230の少なくとも一つが使用されてもよい。
またステップs12は実行されなくてもよい。つまり、通知部は、対象相手機器10がマナーモードに設定されていることを自装置ユーザに通知しなくてもよい。
以上のように、本例では、相手機器10との電話通信についての発信指示を受け付けた電子機器10は、相手機器10の機器情報に基づいて、相手機器10がマナーモードに設定されていることを特定する場合、電話通信の実行の替わりにメッセージ通信の実行を決定する。マナーモードに設定されている対象相手機器10のユーザは、指示受付機器10の電話通信の着信に気付かない可能性がある。その結果、指示受付機器10のユーザは、対象相手機器10のユーザに対して情報を伝達できない可能性がある。本例のように、対象相手機器10がマナーモードに設定されている場合に、指示受付機器10が、電話通信の替わりにメッセージ通信を行うことを決定することによって、対象相手機器10のユーザは、指示受付機器10からのメッセージを確認することができる。よって、指示受付機器10のユーザは、対象相手機器10のユーザに対して情報を伝達することができる可能性が向上する。その結果、電子機器10の利便性が向上する。
また、表示部120等の通知部が、対象相手機器10がマナーモードに設定されていることを自装置ユーザに通知することによって、電子機器10の利便性が向上する。
図12は、マナーモード設定情報が機器情報に含まれている場合のステップs4の他の例を示すフローチャートである。図12に示されるように、上述のステップs11が実行されると、ステップs22において、制御部100は、電話通信の実行及びメッセージ通信の実行のどちらか一方を自装置ユーザが選択することを通知部に通知させる。ステップs22において、制御部100は、例えば、自装置ユーザが、電話通信の実行とメッセージ通信の実行のどちらか一方を選択するための選択画面550を表示部120に表示させる。
図13は選択画面550の一例を示す図である。図13に示されるように、選択画面550には、例えば、上述の通知情報510と、指示情報551と、選択ボタン552,553とが含まれる。指示情報551は、電話通信の実行とメッセージ通信の実行のどちらか一方を選択することを指示する情報である。選択ボタン552は、ユーザが電話通信の実行を選択した場合に操作するボタンである。選択ボタン553は、ユーザがメッセージ通信の実行を選択した場合に操作するボタンである。ユーザは、選択ボタン552を例えばタップ操作することによって、電話通信の実行を選択したことを電子機器10に通知することができる。またユーザは、選択ボタン553を例えばタップ操作することによって、メッセージ通信の実行を選択したことを電子機器10に通知することができる。なお、選択画面550には、通知情報510が示されなくてもよい。
ステップs22において選択画面550が表示された後、ステップs23において、制御部100は、タッチパネル130での検出結果に基づいて、自装置ユーザが電話通信の実行を選択したか、メッセージ通信の実行を選択したかを判断する。制御部100は、タッチパネル130が、選択ボタン552に対する操作を検出したとき、自装置ユーザが電話通信の実行を選択したと判断する。一方で、制御部100は、タッチパネル130が、選択ボタン553に対する操作を検出したとき、自装置ユーザがメッセージ通信の実行を選択したと判断する。
ステップs23において、電話通信の実行が選択されたと判断されると、ステップs24において、指示受付機器10は、対象相手機器10に対して電話通信の発信を行う。対象相手機器10が、指示受付機器10からの電話通信の発信に対して応答すると、指示受付機器10と対象相手機器10との間で電話通信が行われる。電話通信中の指示受付機器10では、マイク170に入力される音声が無線通信部110から対象相手機器10に送信される。電話通信中の対象相手機器10では、無線通信部110が受信する音声がレシーバ150あるいはスピーカ160から出力される。また、電話通信中の対象相手機器10では、マイク170に入力される音声が無線通信部110から指示受付機器10に送信される。電話通信中の指示受付機器10では、無線通信部110が受信する音声がレシーバ150あるいはスピーカ160から出力される。
一方で、ステップs23において、メッセージ通信の実行が選択されたと判断されると、指示受付機器10は上述のステップs14~16を実行してメッセージを送信する。
なお、ステップs22において、レシーバ150、スピーカ160あるいは振動部230が、自装置ユーザに対して、電話通信の実行及びメッセージ通信の実行のどちらか一方を選択することを通知する場合には、自装置ユーザは、表示面12に対して所定の操作を行うことによって、電話通信の実行とメッセージ通信の実行のどちらか一方を選択する。あるいは、自装置ユーザは、マイク170に所定の音声を入力することによって、電話通信の実行とメッセージ通信の実行のどちらか一方を選択してもよい。
このように、図12の例では、電子機器10のユーザは、電話通信の相手機器10がマナーモードに設定されている場合、当該電子機器10に対して発信指示を入力した後に、当該電子機器10が電話通信を行うか、メッセージ通信を行うかを選択することができる。よって、電子機器10の利便性が向上する。
<第2の例>
図14は本例に係るステップs4を示すフローチャートである。図14には、対象相手機器10に設定されているアラーム時刻が機器情報に含まれている場合のステップs4が示されている。ユーザは、例えば、表示面12に対して所定の操作を行うことによって、電子機器10にアラーム時刻を設定することができる。アラーム時刻が設定された電子機器10では、制御部100は、現在時刻がアラーム時刻に一致すると、例えば、スピーカ160から音を出力してユーザに通知する。アラーム時刻は、電子機器10の設定情報の一種である。
図14に示されるように、ステップs31において、制御部100は、対象相手機器10の機器情報から、対象相手機器10に設定されたアラーム時刻を取得すると、ステップs32を実行する。ステップs32において、制御部100は、現在時刻が、取得したアラーム時刻に基づく所定の条件を満たすか否かを判定する。具体的には、制御部100は、取得したアラーム時刻よりも所定時間前から当該アラーム時刻までの対象期間に現在時刻が含まれるか否かを判定する。所定時間としては、例えば数時間が設定される。例えば、アラーム時刻が午前7時であり、所定時間が2時間であるすると、制御部100は、午前5時から午前7時までの対象期間に現在時刻が含まれるか否かを判定する。
ステップs32においてNOと判定されると、ステップs33において、制御部100は電話通信の実行を決定する。そして、ステップs34において、指示受付機器10は、対象相手機器10に対する電話通信の発信を行う。
一方で、ステップs32においてYESと判定されると、ステップs35を実行する。ステップs35において、制御部100は、取得したアラーム時刻に基づく通知を通知部に実行させる。ステップs35において、制御部100は、例えば、アラーム時刻に基づく対象相手ユーザあるいは対象相手機器10に関する相手情報560を表示部120に表示させる。
図15.16は相手情報560の表示例を示す図である。図15に示される相手情報560は、対象相手ユーザに関する情報である。図16に示される相手情報560は、対象相手機器10に関する情報である。図15の例では、制御部100は、現在時刻がアラーム時刻前であるため、例えば、対象相手ユーザが睡眠中であると判断する。そして、制御部100は、対象相手ユーザが睡眠中であることを示す情報を相手情報560として表示部120に表示させる。図16の例では、制御部100は、取得したアラーム時刻、つまり対象相手機器10に設定されているアラーム時刻と現在時刻との関係を示す情報を相手情報560として表示部120に表示させる。
ステップs35において、制御部100が、相手情報560を表示部120に一定時間表示させると、上述のステップs13~s16が実行されて、指示受付機器10からメッセージが送信される。なお、ステップs35は実行されなくてもよい。
このように、本例では、制御部100は、対象相手機器10の機器情報に基づいて、対象相手機器10に設定されているアラーム時刻よりも所定時間前から当該アラーム時刻までの対象期間に現在時刻が含まれることを特定する場合、電話通信の実行の替わりにメッセージ通信の実行を決定する。したがって、対象相手機器10が、アラーム時刻までの対象期間において、電話通信の着信通知を対象相手ユーザに行う可能性を低減することができる。アラーム時刻が、例えば、対象相手ユーザの起床予定時刻である場合には、睡眠中の対象相手ユーザは、対象相手機器10から、電話通信の着信通知を受ける可能性を低減することができる。その結果、睡眠中の対象相手ユーザは、対象相手機器10からの電話通信の着信通知によって起こされる可能性を低減することができる。また、指示受付機器10は、現在時刻が、アラーム時刻までの対象期間に含まれる場合には、メッセージ通信の実行を決定することから、指示受付機器10のユーザは、対象相手機器10のユーザに対して情報を伝えることができる。よって、電子機器10の利便性が向上する。
また、指示受付機器10の通知部が、アラーム時刻に基づく通知を行うことによって、電子機器10の利便性が向上する。
図17は、アラーム時刻が機器情報に含まれている場合のステップs4の他の例を示すフローチャートである。図17に示されるように、指示受付機器10は、上述のステップs31及びs32実行する。ステップs32においてNOと判定されると、指示受付機器10は上述のステップs33及びs34を実行する。一方で、ステップs32においてYESと判定されると、制御部100はステップs36を実行する。
ステップs36では、制御部100は、電話通信の実行及びメッセージ通信の実行のどちらか一方を自装置ユーザが選択することを通知部に通知させる。ステップs36において、制御部100は、例えば、自装置ユーザが、電話通信の実行とメッセージ通信の実行のどちらか一方を選択するための選択画面570を表示部120に表示させる。
図18は選択画面570の一例を示す図である。図18に示されるように、選択画面570には、例えば、上述の相手情報560、指示情報551及び選択ボタン552,553が含まれる。なお、選択画面570には、通知情報560が示されなくてもよい。
ステップs36において選択画面570が表示された後、上述のステップs23が実行されて、自装置ユーザが電話通信の実行を選択したか、メッセージ通信の実行を選択したかが判断される。ステップs23において、電話通信の実行が選択されたと判断されると、上述のステップs24が実行されて、電話通信の発信が行われる。一方で、ステップs23において、メッセージ通信の実行が選択されたと判断されると、指示受付機器10は上述のステップs14~s16を実行してメッセージを送信する。
このように、図17の例では、電子機器10のユーザは、相手機器10に設定されたアラーム時刻までの対象期間に現在時刻が含まれる場合、当該電子機器10に対して発信指示を入力した後に、当該電子機器10が電話通信を行うか、メッセージ通信を行うかを選択することができる。よって、電子機器10の利便性が向上する。
なお図14及び図17の例では、ステップs16において、制御部100は、メッセージとともに、音によるメッセージ着信通知を対象相手機器10が実行しないことを命令する制御信号を無線通信部110に送信させてもよい。メッセージ及び制御信号を受け取った対象相手機器10では、制御部100は、対象相手機器10が、音によるメッセージ着信通知を実行するように設定されているのか、実行しないように設定されているのかにかかわらず、音によるメッセージ着信通知を実行しないように対象相手機器10を制御する。
また、図14,17の例では、ステップs16において、制御部100は、メッセージとともに、音によるメッセージ着信通知と振動によるメッセージ着信通知の両方を対象相手機器10が実行しないことを命令する制御信号を無線通信部110に送信させてもよい。メッセージ及び制御信号を受け取った対象相手機器10では、制御部100は、対象相手機器10が、着信通知に関する設定の内容にかかわらず、音によるメッセージ着信通知と振動によるメッセージ着信通知の両方を実行しないように対象相手機器10を制御する。
これ以降に説明する各例においてステップs16が実行される場合、特に断らない限り、制御部100は、ステップs16において、メッセージとともに、音によるメッセージ着信通知を対象相手機器10が実行しないことを命令する制御信号を無線通信部110に送信させてもよい。また、制御部100は、ステップs16において、メッセージとともに、音によるメッセージ着信通知と振動によるメッセージ着信通知の両方を対象相手機器10が実行しないことを命令する制御信号を無線通信部110に送信させてもよい。
このように、制御部100が、アラーム時刻までの対象期間に現在時刻が含まれる場合、音によるメッセージ着信通知を実行しないように対象相手機器10を制御することによって、対象相手ユーザが、アラーム時刻までの対象期間において、メッセージ着信音が対象相手機器10から通知される可能性を低減することができる。アラーム時刻が、例えば対象相手ユーザの起床予定時刻である場合には、睡眠中の対象相手ユーザが、メッセージ着信音を煩わしく感じる可能性を低減することができる。よって、電子機器10の利便性がさらに向上する。また、制御部100が、アラーム時刻までの対象期間に現在時刻が含まれる場合、振動によるメッセージ着信通知も実行しないように対象相手機器10を制御することによって、対象相手ユーザが、アラーム時刻までの対象期間において、メッセージ着信音及び振動が対象相手機器10から通知される可能性を低減することができる。よって、電子機器10の利便性がさらに向上する。
<第3の例>
図19は本例に係るステップs4を示すフローチャートである。図19には、対象相手機器10に登録されているスケジュール情報が機器情報に含まれている場合のステップs4が示されている。スケジュール情報は、電子機器10の登録情報の一種である。
ユーザは、電子機器10がスケジュール管理アプリケーションを実行している場合、例えば、表示面12を操作して、スケジュール情報を電子機器10に登録することができる。
図20は、ある日付のスケジュール情報600の一例を示す図である。図20に示されるように、スケジュール情報600には、日付601と、その日付601での個々の予定を示す予定情報602とが含まれている。予定情報602は予定ごとに存在する。予定情報602には、その予定についての期間603、件名604及び詳細内容605が含まれる。図20の例では、スケジュール情報600には、ユーザの4つの予定をそれぞれ示す4つの予定情報602a~602dが含まれている。なお、スケジュール情報600は図20の例には限られない。
図19に示されるように、ステップs41において、制御部100は、対象相手機器10の機器情報から、今日のスケジュール情報600を取得する。次にステップs42において、制御部100は、取得した今日のスケジュール情報600に基づいて、対象相手機器10での電話着信通知を制御するか否かを決定する。
ステップs42において、制御部100は、対象相手機器10での電話着信通知を制御することを決定すると、ステップs43において、取得したスケジュール情報600に基づいて、対象相手ユーザの現在の予定を通知部に通知させる。ステップs43において、制御部100は、例えば表示部120に、対象相手ユーザの現在の予定を通知する通知情報580を表示させる。通知情報580の表示例については後述する。
制御部100は、通知情報580を表示部120に一定時間表示させると、ステップs44において、対象相手機器10での電話着信通知の制御を行うための制御信号を生成する。そして、指示受付機器10は、対象相手機器10に対して、電話通信の発信を行うとともに、生成した制御信号を送信する。
指示受付機器10からの電話通信の発信を着信した対象相手機器10では、制御部100は、対象相手機器10での電話着信通知に関する設定の内容にかかわらず、指示受付機器10から受け取った制御信号に応じた電話着信通知を行う。
一方で、ステップs42において、対象相手機器10での電話着信通知を制御しないことが決定されると、ステップs45において、指示受付機器10は、対象相手機器10に対して電話通信の発信を行う。このとき、ステップs44で送信される制御信号は対象相手機器10に送信されない。ステップs45での発信を着信した対象相手機器10は、対象相手機器10での電話着信通知に関する設定に従った電話着信通知を行う。なお、ステップs43は実行されなくてもよい。
ステップs42では、例えば、制御部100は、対象相手機器10が音による電話着信通知を現在実行してもよいか否かを、現在時刻とスケジュール情報600に基づいて判定する。制御部100は、今日のスケジュール情報600から、現在時刻が含まれる期間603を含む予定情報602を取得する。つまり、制御部100は、スケジュール情報600から、対象相手ユーザの現在の予定を示す予定情報602を取得する。そして、制御部100は、取得した予定情報602に基づいて、対象相手機器10が音による電話着信通知を現在実行してもよいか否かを判定する。制御部100は、対象相手機器10が音による電話着信通知を現在実行してもよいと判定した場合には、対象相手機器10での電話着信通知の制御を行わないことを決定する。一方で、制御部100は、対象相手機器10が音による電話着信通知を現在行わない方がよいと判定した場合、対象相手機器10での電話着信通知の制御を行うことを決定する。
例えば、今日のスケジュール情報600が図20に示されるスケジュール情報600である場合を考える。現在時刻が例えば午前9時半である場合、ステップs42において、制御部100は、スケジュール情報600から予定情報602aを取得する。そして、制御部100は、予定情報602aに含まれる件名604及び詳細内容605から、対象相手ユーザが現在会議を行っていると判断する。制御部100は、対象相手ユーザが現在会議を行っていると判断すると、対象相手機器10が音による電話着信通知を現在実行しない方がよいと判定する。そして、制御部100は、対象相手機器10での電話着信通知の制御を行うことを決定する。
また、現在時刻が例えば午後4時である場合、ステップs42において、制御部100は、スケジュール情報600から予定情報602cを取得する。そして、制御部100は、予定情報602cに含まれる件名604及び詳細内容605から、対象相手ユーザが現在商談中であると判断する。制御部100は、対象相手ユーザが現在商談中であると判断すると、対象相手機器10が音による電話着信通知を現在実行しない方がよいと判定する。そして、制御部100は、対象相手機器10での電話着信通知の制御を行うことを決定する。
一方で、現在時刻が例えば午後8時である場合、ステップs42において、制御部100は、スケジュール情報600から予定情報602dを取得する。そして、制御部100は、予定情報602dに含まれる件名604及び詳細内容605から、対象相手ユーザが現在送別会中であると判断する。制御部100は、対象相手ユーザが現在送別会中であると判断すると、対象相手機器10が音による電話着信通知を現在実行してもよいと判定する。そして、制御部100は、対象相手機器10での電話着信通知の制御を行わないことを決定する。
ステップs42において、制御部100は、対象相手機器10での電話着信通知の制御を行うことを決定すると、ステップs43を実行する。そして、ステップs44において、制御部100は、例えば、音による電話着信通知を実行しないことを命令する制御信号を生成する。ステップs44において、指示受付機器10は、対象相手機器10に対して、電話通信の発信を行うとともに、生成した制御信号を送信する。
指示受付機器10からの電話通信の発信を着信した対象相手機器10では、制御部100は、対象相手機器10が、音による電話着信通知を実行するように設定されているのか、実行しないように設定されているのかにかかわらず、対象相手機器10が受信した制御信号に応じて、音による電話着信通知を実行しないように対象相手機器10を制御する。
ステップs43においては、制御部100は、例えば、ステップs42においてスケジュール情報600から取得された予定情報602、つまり、対象相手ユーザの現在の予定を示す予定情報602に基づいて、表示部120に通知情報580を表示させる。図21は通知情報580の表示例を示す図である。図21の例では、図20に示される予定情報602cに基づいて、対象相手ユーザの現在予定を通知する通知情報580が表示されている。
なお、対象相手機器10が、音による電話着信通知を実行しない方がよい場合には、振動による電話着信通知も実行しない方がよいこともある。ステップs44では、指示受付機器10は、音による電話着信通知と振動による電話着信通知の両方を実行しないことを命令する制御信号を対象相手機器10に送信してもよい。この場合には、対象相手機器10は、電話着信通知に関する設定の内容にかかわらず、電話着信中に、音による電話着信通知と振動による電話着信通知とを行わない。
また、制御部100は、スケジュール情報600から、現在時刻が含まれる期間603を含む予定情報602を取得できない場合には、言い換えれば、対象相手ユーザの現在の予定を示す予定情報602を取得できない場合には、対象相手機器10での電話着信通知の制御を行うことを決定してもよいし、対象相手機器10での電話着信通知の制御を行わないことを決定してもよい。
このように、制御部100は、対象相手機器10に登録されているスケジュール情報に基づいて、対象相手機器10での電話着信通知を制御することから、対象相手機器10は、対象相手ユーザの状況に応じた電話着信通知を行うことができる。よって、電子機器10の利便性が向上する。
また、指示受付機器10の通知部が、対象相手ユーザの現在の予定を自装置ユーザに通知することによって、電子機器10の利便性が向上する。
なおユーザが、電子機器10に対して、他の電子機器10に対するスケジュール情報の公開可能範囲を設定できるようにしてもよい。そして、指示受付機器10は、対象相手機器10に設定された公開可能範囲に応じて、対象相手ユーザの現在の予定を通知部に通知させてもよい。
例えば、公開可能範囲を示す公開レベルが“0”のとき、スケジュール情報600のうち件名604だけが公開可能であるとする。また公開レベルが“1”のとき、スケジュール情報600のうち件名604及び詳細内容605が公開可能であるとする。ユーザは、例えば表示面12を操作することによって、公開レベルを電子機器10に対して設定することができる。そして、電子機器10は、設定された公開レベルの値を含む機器情報を、サーバ装置50あるいは相手機器10に送信する。公開レベルの値は、電子機器10の設定情報の一種である。
指示受付機器10の制御部100は、ステップs41において、対象相手機器10の機器情報から、今日のスケジュール情報600と、公開レベルの値とを取得する。そして、制御部100は、ステップs42においてYESと判定されると、ステップs43において、取得した公開レベルの値に応じて、対象相手ユーザの現在の予定を通知部に通知させる。つまり、制御部100は、対象相手機器10の機器情報から特定した、スケジュール情報600の公開可能範囲に応じて、対象相手ユーザの現在の予定を通知部に通知させる。例えば、公開レベルの値が“1”のとき、制御部100は、現在の予定を示す予定情報602に含まれる件名604及び詳細内容605に基づいて、対象相手ユーザの現在の予定を通知部に通知させる。例えば、上述の図20に示される予定情報602cに基づいて、対象相手ユーザの現在の予定を通知部に通知させる場合を考える。公開レベルの値が“1”のとき、上述の図21に示されるように、予定情報602cに含まれる件名604及び詳細内容605に基づいた通知情報580が表示される。一方で、公開レベルの値が“0”のとき、制御部100は、現在の予定を示す予定情報602のうち、件名604だけに基づいて、対象相手ユーザの現在の予定を通知部に通知させる。例えば、上述の図20に示される予定情報602aに基づいて、対象相手ユーザの現在の予定を通知部に通知させる場合を考える。公開レベルの値が“0”のとき、図22に示されるように、予定情報602aに含まれる件名604に基づいた通知情報580が表示される。
このように、指示受付機器10の通知部が、スケジュール情報の公開可能範囲に応じて、対象相手ユーザの現在の予定を自装置ユーザに通知することによって、スケジュール情報のうち、公開が望まれない情報が指示受付機器10から公開される可能性を低減することができる。よって、電子機器10の利便性が向上する。
なお、指示受付機器10は、対象相手機器10から取得するスケジュール情報等の情報の公開可能範囲が設定されていてもよい。例えば、指示受付機器10は、対象相手機器10からスケジュール情報の取得した後に、取得したスケジュール情報に基づいて、予め設定された公開可能範囲に応じた通知情報580を表示部120に表示させてよい。また、指示受付機器10は、対象相手機器10自身が公開可能範囲に応じて制限したスケジュール情報を、対象相手機器10から取得してもよい。
図23は対象相手機器10に登録されているスケジュール情報が機器情報に含まれている場合のステップs4の他の例を示すフローチャートである。図23に示されるように、上述のステップs41が実行されると、ステップs52において、制御部100は、取得したスケジュール情報600に基づいて、電話通信とメッセージ通信のどちらを行うかを決定する。
ステップs52では、制御部100は、電話通信の実行が適切であるか否かを、スケジュール情報600と現在時刻とに基づいて判定する。制御部100は、今日のスケジュール情報600から、現在時刻が含まれる期間603を含む予定情報602を取得する。つまり、制御部100は、スケジュール情報600から、現在の予定を示す予定情報602を取得する。そして、制御部100は、取得した予定情報602と現在時刻とに基づいて、電話通信の実行が適切であるか否かを判定する。制御部100は、電話通信の実行が適切であると判定した場合には、電話通信の実行を決定する。一方で、制御部100は、電話通信の実行が適切でないと判定した場合には、メッセージ通信の実行を決定する。
例えば、今日のスケジュール情報600が図20に示されるスケジュール情報600である場合を考える。現在時刻が例えば午前10時半である場合、ステップs52において、制御部100は、スケジュール情報600から予定情報602aを取得する。そして、制御部100は、予定情報602aに含まれる件名604及び詳細内容605から、対象相手ユーザが現在会議を行っていると判断する。制御部100は、対象相手ユーザが現在会議を行っていると判断すると、電話通信の実行が適切でないと判定する。そして、制御部100は、メッセージ通信の実行を決定する。
一方で、現在時刻が例えば午後8時半である場合、ステップs42において、制御部100は、スケジュール情報600から予定情報602dを取得する。そして、制御部100は、予定情報602dに含まれる件名604及び詳細内容605から、対象相手ユーザが現在送別会中であると判断する。制御部100は、対象相手ユーザが現在送別会中であると判断すると、電話通信の実行が適切であると判定する。そして制御部100は、電話通信の実行を決定する。
ステップs52において、電話通信の実行が決定されると、ステップs53において、指示受付機器10は、対象相手機器10に対して電話通信の発信を行う。一方で、ステップs52において、メッセージ通信の実行が決定されると、上述のステップs43が実行されて、対象相手ユーザの現在の予定が通知部から通知される。その後、上述のステップs14~s16が実行されて、対象相手機器10にメッセージが送信される。
このように、図23の例では、制御部100は、対象相手機器10に登録されているスケジュール情報600に基づいて、電話通信及びメッセージ通信のどちらを行うかを決定することから、指示受付機器10は、対象相手ユーザの状況に応じた通信を行うことができる。よって、電子機器10の利便性が向上する。
図24は、対象相手機器10に登録されているスケジュール情報が機器情報に含まれている場合のステップs4の他の例を示すフローチャートである。図24に示されるように、上述のステップs41が実行された後、ステップs62において、制御部100は、上述のステップs52と同様にして、電話通信の実行が適切であるか否かを、取得したスケジュール情報と現在時刻とに基づいて判定する。
ステップs62においてYESと判定されると、ステップs63において、指示受付機器10は、対象相手機器10に対して電話通信の発信を行う。一方で、ステップs62においてNOと判定されると、制御部100はステップs64を実行する。
ステップs64において、制御部100は、電話通信の実行及びメッセージ通信の実行のどちらか一方を自装置ユーザが選択することを通知部に通知させる。ステップs64において、制御部100は、例えば、自装置ユーザが、電話通信の実行とメッセージ通信の実行のどちらか一方を選択するための選択画面590を表示部120に表示させる。
図25は選択画面590の一例を示す図である。図25に示されるように、選択画面590には、例えば、上述の通知情報580、指示情報551及び選択ボタン552,553が含まれる。選択画面590には、通知情報580が示されなくてもよい。
なお制御部100は、対象相手機器10の機器情報から公開レベルの値を取得できる場合には、スケジュール情報600の公開可能範囲に応じて、対象相手ユーザの現在の予定を示す通知情報580を選択画面590に示してもよい。公開レベルの値が“0”であって、現在の予定を示す予定情報602が図20に示される予定情報602cである場合、例えば、図25に示されるような通知情報580が選択画面590に示される。
ステップs64において選択画面590が表示された後、上述のステップs23が実行される。ステップs23において、電話通信の実行が選択されたと判断されると、上述のステップs24が実行されて、電話通信の発信が行われる。一方で、ステップs23において、メッセージ通信の実行が選択されたと判断されると、指示受付機器10は上述のステップs14~s16を実行してメッセージを送信する。
このように、図24の例では、指示受付機器10が、スケジュール情報に基づいて電話通信の実行が適切でないと判定した場合、指示受付機器10のユーザは、指示受付機器10が電話通信を行うか、メッセージ通信を行うかを選択することができる。よって、電子機器10の利便性が向上する。
<第4の例>
図26は本例に係るステップs4を示すフローチャートである。図26には、対象相手機器10の電池240についての電池残量を示す電池残量情報が機器情報に含まれている場合のステップs4が示されている。電池残量情報は、電子機器10の機器状態情報の一種である。図26に示されるように、ステップs71において、制御部100は、対象相手機器10の機器情報から電池残量情報を取得すると、ステップs72を実行する。
ステップs72において、制御部100は、取得した電池残量情報に基づいて、電話通信とメッセージ通信のどちらを行うかを決定する。制御部100は、電池残量情報が示す電池残量がしきい値以下のとき、メッセージ通信の実行を決定する。一方で、制御部100は、電池残量情報が示す電池残量がしきい値よりも大きいとき、電話通信の実行を決定する。なお、制御部100は電池残量がしきい値未満のとき、メッセージ通信の実行を決定し、電池残量がしきい値以上のとき、電話通信の実行を決定してもよい。また、電池残量情報は、対象相手機器10の電池240についての電池残量の程度を示す符号を含んでよい。この符号は、例えば、文字、数字及び記号の少なくとも一つにより構成されてよい。例えば、対象相手機器10は、指示受付機器10に電池残量情報を送信する場合、自装置の電池残量がしきい値よりも大きいと判断すると、「残量多い」ことを示す符号を含む電池残量情報を指示受付機器10に送信する。対象相手機器10は、指示受付機器10に電池残量情報を送信する場合、自装置の電池残量がしきい値よりも小さいと判断すると、「残量少ない」ことを示す符号を含む電池残量情報を指示受付機器10に送信する。制御部100は、「残量少ない」ことを示す符号を含む電池残量情報を対象相手機器10から取得すると、メッセージ通信の実行を決定してよい。制御部100は、「残量多い」ことを示す符号を含む電池残量情報を対象相手機器10から取得すると、電話通信の実行を決定してよい。
ステップs72において、電話通信の実行が決定されると、ステップs73において、指示受付機器10は、対象相手機器10に対して電話通信の発信を行う。一方で、ステップs72において、メッセージ通信の実行が決定されると、ステップs74が実行される。
ステップs74では、制御部100は、電池残量が少ないことを通知部に通知させる。ステップs74において、制御部100は、例えば表示部120に、電池残量が少ないことを通知する通知情報595を表示させる。図27は通知情報595の表示例を示す図である。
通知情報595が表示部120で一定時間表示されると、ステップs14~ステップs16が実行されて、指示受付機器10からメッセージが送信される。なお、ステップs74は実行されなくてもよい。
このように、本例では、制御部100は、対象相手機器10の電池残量情報に基づいて、電話通信及びメッセージ通信のどちらを行うかを決定する。したがって、指示受付機器10は、対象相手機器10の電池残量に応じた通信を行うことができる。その結果、指示受付機器10は、対象相手機器10の電池残量が少ない場合に、対象相手機器10とメッセージ通信を行うことができる。対象相手機器10の電池残量が少ない場合に、指示受付機器10が対象相手機器10との電話通信を開始すると、当該電話通信が途切れてしまい、指示受付機器10のユーザは対象相手ユーザに対して適切に情報を伝達できない可能性がある。対象相手機器10の電池残量が少ない場合に、指示受付機器10がメッセージ通信を行うことによって、指示受付機器10のユーザが、指示受付機器10を利用して対象相手ユーザに対して適切に情報を伝達できる可能性を向上することができる。よって、電子機器10の利便性が向上する。
図28は、対象相手機器10の電池残量情報が機器情報に含まれている場合のステップs4の他の例を示すフローチャートである。図29に示されるように、上述のステップs71が実行されると、ステップs82において、制御部100は、取得した電池残量情報に基づいて、対象相手機器10の電池残量が少ないか否かを判定する。制御部100は、電池残量情報が示す電池残量がしきい値以下のとき、電池残量が少ないと判定する。一方で、制御部100は、電池残量情報が示す電池残量がしきい値よりも大きいとき、電池残量は少なくはないと判定する。なお、制御部100は、電池残量がしきい値未満のとき、電池残量は少ないと判定し、電池残量がしきい値以上のとき、電池残量は少なくはないと判定してもよい。
ステップs82においてNOと判定されると、ステップs83において、指示受付機器10は、対象相手機器10に対して電話通信の発信を行う。一方で、ステップs82においてYESと判定されると、ステップs84が実行される。
ステップs84において、制御部100は、電話通信の実行及びメッセージ通信の実行のどちらか一方を自装置ユーザが選択することを通知部に通知させる。ステップs84において、制御部100は、例えば、自装置ユーザが、電話通信の実行とメッセージ通信の実行のどちらか一方を選択するための選択画面610を表示部120に表示させる。
図29は選択画面610の一例を示す図である。図29に示されるように、選択画面610には、例えば、上述の通知情報595、指示情報551及び選択ボタン552,553が含まれる。なお、選択画面610には通知情報595が示されなくてもよい。
ステップs84において選択画面610が表示された後、上述のステップs23が実行される。ステップs23において、電話通信の実行が選択されたと判断されると、上述のステップs24が実行されて、電話通信の発信が行われる。一方で、ステップs23において、メッセージ通信の実行が選択されたと判断されると、指示受付機器10は上述のステップs14~s16を実行してメッセージを送信する。
このように、図28の例では、指示受付機器10が、対象相手機器10の機器情報に基づいて、対象相手機器10の電池残量が少ないと判定した場合、指示受付機器10のユーザは、指示受付機器10が電話通信を行うか、メッセージ通信を行うかを選択することができる。よって、電子機器10の利便性が向上する。
図30は、対象相手機器10の電池残量情報が機器情報に含まれている場合のステップs4の他の例を示すフローチャートである。図30に示される例では、電子機器10は、電話通信に、複数種類の無線通信方式を用いることが可能である。例えば、電子機器10は、電話通信に、VoLTE(Voice over Long Term Evolution)に準拠した無線通信方式と、3G(第3世代移動通信システム)に準拠した無線通信方式と、2G(第2世代移動通信システム)に準拠した無線通信方式を使用することが可能である。以後、VoLTEに準拠した無線通信方式を「VoLTE方式」と呼び、3Gに準拠した無線通信方式を「3G方式」と呼び、2Gに準拠した無線通信方式を「2G方式」と呼ぶことがある。
本例では、電子機器10がVoLTE方式を用いて電話通信を行う場合の消費電力は、電子機器10が3G方式を用いて電話通信を行う場合の消費電力よりも大きくなる可能性が高いとする。また、電子機器10が3G方式を用いて電話通信を行う場合の消費電力は、電子機器10が2G方式を用いて電話通信を行う場合の消費電力よりも大きくなる可能性が高いとする。
図30に示されるように、ステップs91において、制御部100は、対象相手機器10の機器情報から電池残量情報を取得する。そして、ステップs92において、制御部100は、VoLTE方式、3G方式及び2G方式から、ステップs1での発信指示に応じた電話通信で使用される使用無線通信方式を、取得した電池残量情報に基づいて決定する。
ステップs92では、制御部100は、例えば、電池残量情報に基づいて、対象相手機器10の電池残量が、少ないのか、中程度なのか、十分なのかを判定する。制御部100は、電池残量情報が示す電池残量が第1しきい値未満のとき、対象相手機器10の電池残量が少ないと判定する。また制御部100は、電池残量情報が示す電池残量が、第1しきい値以上であって、第2しきい値(>第1しきい値)以下のとき、対象相手機器10の電池残量が中程度であると判定する。そして、制御部100は、電池残量情報が示す電池残量が第2しきい値よりも大きいとき、対象相手機器10の電池残量が十分であると判定する。
ステップs92において、制御部100は、電池残量が少ないと判定したとき、使用無線通信方式として2G方式を採用する。また制御部100は、電池残量が中程度であると判定したとき、使用無線通信方式として3G方式を採用する。そして、制御部100は、電池残量が十分であると判定したとき、使用無線通信方式としてVoLTE方式を採用する。
ステップs92において使用無線通信方式が決定されると、ステップs93において、指示受付機器10は、決定された使用無線通信方式を用いて、対象相手機器10に対して電話通信の発信を行う。
なお、ステップs92において、2種類の無線通信方式から使用無線通信方式が決定されてもよい。この場合、例えば、制御部100は、上述のステップs82と同様にして、電池残量が少ないか否かを判定する。制御部100は、電池残量が少ないと判定すると、例えば3G方式を使用無線通信方式として決定する。一方で、制御部100は、電池残量が少なくはないと判定すると、例えばVoLTE方式を使用無線通信方式として決定する。
このように、図30の例では、制御部100は、対象相手機器10の電池残量情報に基づいて、電話通信で使用される使用無線通信方式を決定する。したがって、指示受付機器10は、対象相手機器10の電池残量に応じた使用無線通信方式を用いて、対象相手機器10と電話通信を行うことができる。これにより、指示受付機器10と対象相手機器10との間の電話通信が途切れる可能性を低減することができる。よって、電子機器10の利便性が向上する。
<第5の例>
図31は、本例に係るステップs4を示すフローチャートである。図31には、対象相手機器10の電池240が充電中であるか否かを示す充電情報が機器情報に含まれている場合のステップs4が示されている。充電情報は、電子機器10の機器状態情報の一種である。図31に示される例では、上述の図30に示される例と同様に、電子機器10は、電話通信に、複数種類の無線通信方式を用いることが可能である。例えば、電子機器10は、電話通信に、VoLTE方式、3G方式及び2G方式を用いることが可能である。
図31に示されるように、ステップs101において、制御部100は、対象相手機器10の機器情報から充電情報を取得する。そして、制御部100は、取得した充電情報に基づいて、対象相手機器10の電池240が充電中か否かを特定する。
次にステップs102において、制御部100は、ステップs102での特定結果に基づいて、例えば、VoLTE方式及び3G方式から、ステップs1での発信指示に応じた電話通信で使用される使用無線通信方式を決定する。制御部100は、対象相手機器10が充電中であることを特定した場合(言い換えれば、充電情報が、対象相手機器10が充電中であることを示す場合)、3G方式を使用無線通信方式として決定する。一方で、制御部100は、対象相手機器10が充電中でないことを特定した場合(言い換えれば、充電情報が、対象相手機器10が充電中でないことを示す場合)、VoLTE方式を使用無線通信方式として決定する。
ステップs102において使用無線通信方式が決定されると、ステップs103において、指示受付機器10は、決定された使用無線通信方式を用いて、対象相手機器10に対して電話通信の発信を行う。
なお、ステップs102において、制御部100は、VoLTE方式及び2G方式から使用無線通信方式を決定してもよい。この場合、制御部100は、対象相手機器10が充電中であることを特定した場合には、2G方式を使用無線通信方式として決定する。一方で、制御部100は、対象相手機器10が充電中でないことを特定した場合には、VoLTE方式を使用無線通信方式として決定する。また、制御部100は、3G方式及び2G方式から使用無線通信方式を決定してもよい。この場合、制御部100は、対象相手機器10が充電中であることを特定した場合には、2G方式を使用無線通信方式として決定する。一方で、制御部100は、対象相手機器10が充電中でないことを特定した場合には、3G方式を使用無線通信方式として決定する。
このように、本例では、制御部100は、対象相手機器10が充電中であるか否かの特定結果に基づいて、電話通信で使用される使用無線通信方式を決定する。したがって、指示受付機器10と対象相手機器10との間の電話通信が途切れる可能性を低減することができる。対象相手機器10が充電中である場合には、対象相手機器10の電池残量が少ない可能性が高い。そして、対象相手機器10が、充電台に置かれて充電されている場合などにおいて、指示受付機器10からの電話通信の発信を着信し、その後、指示受付機器10と電話通信を開始する場合には、対象相手機器10が対象相手ユーザの手に持たれて充電されなくなる可能性がある。その結果、対象相手機器10がその電池残量が少ない状態で電話通信を行う可能性がある。このような場合に、指示受付機器10が、消費電力が大きくなる可能性が高い無線通信方式を用いて対象相手機器10と電話通信を行うと、電話通信が途切れてしまう可能性がある。本例では、上記のように、指示受付機器10は、対象相手機器10が充電中である場合には、消費電力が小さくなる可能性が高い無線通信方式を使用して対象相手機器10と電話通信を行うことから、指示受付機器10と対象相手機器10との間の電話通信が途切れる可能性を低減することができる。よって、電子機器10の利便性が向上する。
<第6の例>
図32は、本例に係るステップs4を示すフローチャートである。図32には、上述の充電情報のうち、充電中を示す充電情報(以後、「充電中情報」と呼ぶ)と、着信転送情報とが機器情報に含まれている場合のステップs4が示されている。着信転送情報とは、電子機器10が、自装置での電話着信を、他の電子機器10に転送することが可能であるか否かを示す情報である。充電中情報及び着信転送情報は、電子機器10の機器状態情報の一種である。
例えば、図33に示されるように、電子機器10Aが、電子機器10Bと、例えば、Bluetooth等の近距離無線通信方式を用いて通信可能となっている場合を考える。電子機器10Aは、携帯電話機であって、上述の図2~4に示される電子機器10と同じである。電子機器10Bは、図2~4に示される電子機器10とは異なり、スマートウォッチである。電子機器10Bは、表示部120B、スピーカ160B及びマイク170Bを備えている。また電子機器10Bは、ネットワーク2と通信する機能も有している。また電子機器10Bは、表示部120B(詳細には表示部120Bの表示面)に対する操作を検出する機能も有している。電子機器10A及び10Bのユーザは共通となっている。
電子機器10Aは、自装置での電話着信を、近距離無線通信方式を用いて電子機器10Bに転送可能となっている。ユーザは、例えば、電子機器10Aの表示面12を操作することによって、電子機器10Bに対する電話着信の転送を、電子機器10Aが実行するか否かを設定することができる。以後、この設定を「着信転送設定」と呼ぶことがある。電子機器10Aは、電子機器10Bと通信可能である場合、電話着信を転送可能であることを示す着信転送情報を含む機器情報を、サーバ装置50あるいは他の電子機器10に送信する。一方で、電子機器10Aは、電子機器10Bと通信不可能である場合、電話着信を転送できないことを示す着信転送情報を含む機器情報を、サーバ装置50あるいは他の電子機器10に送信する。
電子機器10Bは、電話着信が転送されてきた場合には、表示部120Bに、着信中を通知する着信通知画面を表示するとともに、スピーカ160Bから着信音を出力する。ユーザが、例えば、電子機器10Bの表示部120Bに対して所定の操作を行うと、電子機器10Bは電話着信に応答して電話通信を開始する。なお、電子機器10Bがネットワーク2と通信できない場合には、電子機器10Bは、電子機器10Aを通じて、相手機器10と電話通信を行ってもよい。
本例では、対象相手機器10が図32に示される電子機器10Aである場合を例に挙げて、指示受付機器10の動作について説明する。
図32に示されるように、ステップs111において、制御部100は、対象相手機器10の機器情報から充電中情報及び着信転送情報を取得すると、ステップs112を実行する。ステップs112において、制御部100は、着信転送情報が、電話着信を対象相手機器10Aが転送することが可能であることを示すか否かを判定する。ステップs112においてYESと判定すると、ステップs113において、制御部100は、電話着信を転送することを対象相手機器10Aに命令するための制御信号を生成する。そして、指示受付機器10は、対象相手機器10Aに対して電話通信の発信を行うとともに、生成した制御信号を対象相手機器10Aに送信する。
指示受付機器10から制御信号を受信する対象相手機器10Aは、自装置での着信転送設定の内容にかかわらず、指示受付機器10からの電話通信の発信を着信すると、その着信を電子機器10Bに転送する。電子機器10Bは、着信通知画面を表示し、着信音を出力する。
一方で、ステップs112においてNOと判定されると、ステップs114において、制御部100は、対象相手機器10Aが充電中であることを通知部に通知させる。ステップs114において、制御部100は、例えば、対象相手機器10Aが充電中であることを通知する通知情報620を表示部120に表示させる。図34は通知情報620の表示例を示す図である。
制御部100が通知情報620を一定時間表示部120に表示させると、ステップs115においては、指示受付機器10は、対象相手機器10Aに対して電話通信の発信を行う。このとき、ステップs113で送信された制御信号は、対象相手機器10Aに送信されない。なお、ステップs114は実行されなくてもよい。
このように、本例では、制御部100は、対象相手機器10の機器情報に基づいて、対象相手機器10が充電中であり、かつ対象相手機器10が他の装置に電話着信を転送することが可能であることを特定する場合、対象相手機器10が電話着信を他の装置に転送するように対象相手機器10を制御する。上述のように、充電中の対象相手機器10が、指示受付機器10からの電話通信の発信を着信し、その後、指示受付機器10と電話通信を開始する場合には、対象相手機器10が充電されなくなり、その結果、対象相手機器10がその電池残量が少ない状態で電話通信を行う可能性がある。これにより、指示受付機器10と対象相手機器10との間の電話通信が途切れる可能性がある。本例では、対象相手機器10は、充電中であり、かつ他の装置に電話着信を転送することが可能である場合には、指示受付機器10の制御により、電話着信を他の装置に転送することから、指示受付機器10と対象相手機器10との間の電話通信が途切れる可能性が低減する。よって、電子機器10の利便性が向上する。
また本例では、制御部100は、対象相手機器10機器情報に基づいて、対象相手機器ないことを特定する場合には、対象相手機器10が充電中であることを通知部に通知させる。これにより、指示受付機器10のユーザは、対象相手機器10が充電中であることを認識することができる。その結果、ユーザは、適切な処理を実行することが可能となる。例えば、ユーザは、指示受付機器10を操作して、電話通信の発信を一度中止させ、しばらくしてから、指示受付機器10に、対象相手機器10との電話通信を実行させることができる。
<第7の例>
図35は、本例に係るステップs4を示すフローチャートである。図35には、対象相手機器10が使用中であることを示す使用中情報が機器情報に含まれている場合のステップs4が示されている。使用中情報は、電子機器10の機器状態情報の一種である。
本例では、電子機器10では、制御部100が、自装置の状態に基づいて、自装置がユーザによって使用中であるか否かを判定する。電子機器10は、自装置がユーザによって使用中であると判定すると、使用中情報を含む機器情報を、サーバ装置50あるいは他の電子機器10に送信する。
制御部100は、例えば、実行中の音楽再生アプリケーションにおいて音楽が再生されているときには、自装置が使用中であると判定してもよい。また制御部100は、実行中の動画再生アプリケーションにおいて動画が再生されているときには、自装置が使用中であると判定してもよい。
また制御部100は、自装置がユーザによって操作中であると判定したときには、自装置が使用中であると判定してもよい。制御部100は、タッチパネル130での検出結果に基づいて、自装置がユーザによって操作中であることを特定することができる。例えば、制御部100は、タッチパネル130が表示面12に対する操作を検出すると、記憶部103内の操作検出フラグを“1”に設定する。そして、制御部100は、タッチパネル130が表示面12に対する操作を一定時間検出しない場合には、操作検出フラグを“0”に設定する。これにより、ユーザが表示面12に対する操作を繰り返し行う場合には、その期間の間、操作検出フラグは“1”となる。一方で、ユーザが表示面12に対する操作を一定時間行わない場合には、操作検出フラグが“0”となる。制御部100は、操作検出フラグが“1”のとき、自装置が使用中であると判定する。
また、電子機器10の動作モードに、同じ表示対象の画面について、第1サイズで表示する第1動作モードと、当該第1サイズよりも大きい第2サイズで表示する第2動作モードとが含まれる場合を考える。図36は、電子機器10が第1動作モードで画像を表示している場合の表示例を示す図である。図37は、電子機器10が第2動作モードで画像を表示している場合の表示例を示す図である。図36及び37には、再生中の動画を示す画面630が表示面12に表示されている。動作モードが第1動作モードである場合には、図36に示されるように、画面630は小さいサイズで表示される。一方で、動作モードが第2動作モードである場合には、図37に示されるように、画面630は大きいサイズで表示される。
このように、電子機器1の動作モードに第1及び第2動作モードが含まれる場合、電子機器10が第2動作モードで画像を表示しているときには、ユーザは表示面12の表示を現在見ている可能性が高い。制御部100は、電子機器10が第2動作モードで画像を表示している場合に、自装置が使用中であると判定してもよい。第2動作モードは「全画面モード」と呼ばれることがある。ただし、全画面モードといっても、図37に示されるように、表示面12の全領域に表示対象の画面が表示されるとは限られない。
図35に示されるように、ステップs121において、制御部100が、対象相手機器10の機器情報から使用中情報を取得する。そして、制御部100は、取得した使用中情報に基づいて、対象相手機器10がユーザによって使用されていることを特定する。
次にステップs122において、制御部100は、対象相手機器10が使用中であることを通知部に通知させる。ステップs122では、制御部100は、例えば、対象相手機器10が使用中であることを通知する通知情報640を表示部120に表示させる。図38は通知情報640の一例を示す図である。なお、ステップs122は実行されなくてもよい。
制御部100は、通知情報640を一定時間表示部120に表示させた後、ステップs123において、対象相手機器10に送信される制御信号を生成する。この制御信号は、音による電話着信通知を対象相手機器10が実行しないことを命令する信号である。さらに、この制御信号は、電話通信の着信中に、当該電話通信の着信前の表示画像の表示を維持しつつ、着信中を通知する着信通知情報650を表示することを命令する信号でもある。制御部100が制御信号を生成すると、指示受付機器10は、対象相手機器10に対して電話通信の発信を行うとともに、生成された制御信号を対象相手機器10に送信する。
指示受付機器10からの電話通信の発信を着信し、制御信号を受信した対象相手機器10では、制御部100は、対象相手機器10での電話着信通知に関する設定の内容にかかわらず、電話着信中に、音による電話着信通知を行わない。そして、制御部100は、表示部120に、電話着信前の表示画像の表示を維持させつつ、着信通知情報650を表示させる。
図39は、電話着信中の対象相手機器10の表示例を示す図である。図39の例では、対象相手機器10は、音楽を再生しているときに、自装置が使用中であると判定して、使用中情報を送信している。対象相手機器10は、電話着信の直前に、音楽の再生を制御するための音楽再生画面655を表示画像として表示している。対象相手機器10は、電話着信中に、音楽再生画面655の表示を維持しつつ、例えば通知領域450に着信通知情報650を表示する。図39の例では、着信通知情報650に、指示受付機器10のユーザの名前が含まれている。対象相手機器10は、電話着信の直前に、再生中の音楽をスピーカ160等から出力している場合には、電話着信中に、再生中の音楽の出力を維持してもよい。対象相手ユーザは、例えば、通知領域450に対して操作を行うことによって、対象相手機器10に、電話通信の着信に応答させることができる。
なお、ステップs123で送信される制御信号は、電話通信の着信中に、当該電話通信の着信前の表示画像の表示を維持することを対象相手機器10に命令する信号でなくてもよい。
また、使用中情報は、使用中の電子機器10の状態を示してもよい。例えば、使用中情報は、音楽が再生中であることを示してもよい。使用中情報は、動画が再生中であることを示してもよい。使用中情報は、電子機器10が操作されていることを示してもよい。使用中情報は、電子機器10が第2動作モードで画像を表示していることを示してもよい。
使用中情報が、音楽が再生中であることを示す場合、ステップs121において、制御部100は、使用中情報に基づいて、対象相手機器10が音楽を再生していることを特定することができる。この場合、制御部100が、対象相手機器10が音楽を再生していることを特定した場合、ステップs122及びs123が実行されると言える。ステップs122において、制御部100は、対象相手機器10が音楽を再生していることを通知部に通知させてもよい。制御部100は、例えば、対象相手機器10が音楽を再生していることを通知する通知情報635を表示部120に表示させてもよい。図40は通知情報635の一例を示す図である。
また、使用中情報が、動画が再生中であることを示す場合、ステップs121において、制御部100は、使用中情報に基づいて、対象相手機器10が動画を再生していることを特定することができる。この場合、制御部100が、対象相手機器10が動画を再生していることを特定した場合、ステップs122及びs123が実行されると言える。ステップs122において、制御部100は、対象相手機器10が動画を再生していることを通知部に通知させてもよい。
また、使用中情報が、対象相手機器10が操作されていることを示す場合、ステップs121において、制御部100は、使用中情報に基づいて、対象相手機器10が操作されていることを特定することができる。この場合、制御部100が、対象相手機器10が操作されていることを特定した場合、ステップs122及びs123が実行されると言える。ステップs122において、制御部100は、対象相手機器10が操作されていることを通知部に通知させてもよい。
なお、機器情報には、電子機器10が操作されていることを示す使用中情報の替わりに、タッチパネル130が検出する、表示面12に対する操作を示す操作情報が含められてもよい。この場合、指示受付機器10は、ステップs121において、機器情報に含まれる操作情報に基づいて、対象相手機器10が操作されていることを特定してもよい。
また、使用中情報が、電子機器10が第2動作モードで画像を表示していることを示す場合、ステップs121において、制御部100は、使用中情報に基づいて、対象相手機器10が第2動作モードで画像を表示していることを特定することができる。この場合、制御部100が、対象相手機器10が第2動作モードで画像を表示していることを特定した場合、ステップs122及びs123が実行されると言える。ステップs122において、制御部100は、対象相手機器10が第2動作モードで画像を表示していることを通知部に通知させてもよい。
このように、本例では、指示受付機器10の制御部100は、対象相手機器10の機器情報に基づいて、対象相手機器10が使用されていることを特定した場合、対象相手機器10が、電話着信中に、着信音を出力せずに着信通知情報を表示するように、対象相手機器10を制御する。例えば、指示受付機器10、対象相手機器10が動画または音楽を再生している場合、対象相手機器10が、電話着信中に、着信音を出力せずに着信通知情報を表示するように、対象相手機器10を制御する。また、指示受付機器10は、対象相手機器10が操作されている場合、対象相手機器10が、電話着信中に、着信音を出力せずに着信通知情報を表示するように、対象相手機器10を制御する。また、指示受付機器10は、対象相手機器10が第2動作モードで画像を表示しているときに、対象相手機器10が、電話着信中に、着信音を出力せずに着信通知情報を表示するように、対象相手機器10を制御する。これにより、対象相手ユーザは、対象相手機器10に音楽を再生させるなどして、対象相手機器10を使用しているときに、電話着信中であることを認識しつつ、対象相手機器10からの電話着信音を煩わしく感じる可能性を低減することができる。よって、電子機器10の利便性が向上する。
また本例のように、指示受付機器10の制御部100が、対象相手機器10が、電話着信中に、電話着信前の表示画像の表示を維持するように、対象相手機器10を制御する場合には、電子機器10の利便性がさらに向上する。
<第8の例>
図41は、本例に係るステップs4を示すフローチャートである。本例では、電子機器10の動作モードには、上述の第1及び第2動作モードが含まれる。図41には、対象相手機器10が第2動作モードで画像を表示していることを示す表示設定情報が機器情報に含まれている場合のステップs4が示されている。上述の、対象相手機器10が第2動作モードで画像を表示していることを示す使用中情報は、表示設定情報であるとも言える。
図41に示されるように、ステップs121において、制御部100が、対象相手機器10の機器情報から表示設定情報を取得する。そして、制御部100は、取得した表示設定情報に基づいて、対象相手機器10が第2動作モードで画像を表示していることを特定する。
次にステップs132において、制御部100は、対象相手機器10が第2動作モードで画像を表示していることを通知部に通知させる。ステップs132では、制御部100は、例えば、対象相手機器10が第2動作モードで画像を表示していることを通知する通知情報660を表示部120に表示させる。図42は通知情報660の一例を示す図である。なお、上記の第7の例において、使用中情報が、対象相手機器10が第2動作モードで画像を表示していることを示す場合、ステップs122において、制御部100は、図42に示される通知情報660を表示部120に表示させてもよい。なお、ステップs132は実行されなくてもよい。
制御部100は、通知情報660を一定時間表示部120に表示させた後、ステップs133において、対象相手機器10に送信される制御信号を生成する。この制御信号は、電話着信中に、電話着信前の表示画像の表示サイズを小さくするとともに、電話着信中を通知する着信通知画面700を表示することを命令する信号である。制御部100が制御信号を生成すると、指示受付機器10は、対象相手機器10に対して電話通信の発信を行うとともに、生成された制御信号を対象相手機器10に送信する。
指示受付機器10からの電話通信の発信を着信し、制御信号を受信した対象相手機器10では、制御部100は、対象相手機器10の動作モードが第2動作モードに設定されているにもかかわらず、電話着信前の表示画像の表示サイズを小さくするとともに着信通知画面700を表示する。
図43は、電話着信中の対象相手機器10の表示例を示す図である。図43では、対象相手機器10が、電話着信前に、上述の図37に示されるような画面630を表示画像として表示している場合の例が示されている。図43に示されるように、電話着信中の対象相手機器10は、電話着信前の表示画面630の表示サイズを小さくして、着信通知画面700を表示する。図43の例では、対象相手機器10は、2画面表示を行い、一方の画面が画面630となり、他方の画面が着信通知画面700となっている。着信通知画面700には、例えば、電話着信を通知する通知情報701と、電話着信に応答するための応答ボタン702とが含まれている。対象相手ユーザは、応答ボタン702に対して例えばタップ操作することによって、対象相手機器10に、電話着信に応答させることができる。
なお図43の例では、電話着信中の対象相手機器10は、画面630を縮小表示することによって、画面630の表示サイズを小さくしているが、画面630の一部を切り出して表示することによって、画面630の表示サイズを小さくしてもよい。
このように、本例では、指示受付機器10の制御部100は、対象相手機器10が、電話着信中に、電話着信前の表示画像のサイズを小さくするとともに、電話着信中を通知する着信通知情報を表示するように、対象相手機器10を制御している。これにより、対象相手ユーザは、電話着信前の表示画像を見つつ、電話着信を知ることができる。よって、電子機器10の利便性が向上する。
<第9の例>
図44は、本例に係るステップs4を示すフローチャートである。図44には、外部機器接続情報が、対象相手機器10の機器情報に含まれている場合のステップs4が示されている。外部機器接続情報とは、電子機器10が制御することが可能であって、音出力可能な装置が当該電子機器10に無線あるいは有線で接続されていることを示す情報である。外部機器接続情報は、電子機器10の機器状態情報の一種である。以後、音出力可能な装置を「音出力装置」と呼ぶことがある。外部機器接続情報には、音出力装置の種類を示す情報が含まれてもよい。
音出力装置として、様々な装置が考えられる。音出力装置は、スピーカであってもよいし、イヤホンであってもよいし、ヘッドホンであってもよい。また音出力装置は、ステレオ装置であってもよいし、テレビジョンであってもよい。
図45は、電子機器10と音出力装置800とが接続されている様子の一例を示す図である。図45に示される音出力装置800は、例えばスピーカである。図45の例では、電子機器10は、音出力装置800と、例えば、Bluetooth等の近距離無線通信方式を用いて通信可能となっている。電子機器10は、音出力装置800を制御して、音出力装置800から音を出力させることができる。電子機器10は、音出力装置800から音を出力させる場合には、音信号を音出力装置800に入力する。音出力装置800は、入力される音信号に基づいて音を出力する。なお図45の例では、電子機器10と音出力装置800とは、無線で接続されているが、有線で接続されてもよい。
ユーザは、例えば、電子機器10の表示面12を操作することによって、音出力装置800から電話着信音が出力されるように電子機器10が音出力装置800を制御するような設定を、電子機器10に対して行うことができる。以後、この設定を「着信音外部出力設定」と呼ぶことがある。
また、ユーザは、電話着信音以外の音についても、例えば、電子機器10の表示面12を操作することによって、音出力装置800から出力されるように電子機器10が音出力装置800を制御するような設定を、電子機器10に対して行うことができる。
図44に示されるように、ステップs141において、制御部100は、対象相手機器10の機器情報から外部機器接続情報を取得する。そして、制御部100は、取得した外部機器接続情報に基づいて、対象相手機器10が制御することが可能であって、音出力可能な装置が対象相手機器10に接続されていることを特定する。以後、対象相手機器10に接続された、対象相手機器10が制御することが可能な音出力装置を「接続音出力装置」と呼ぶことがある。ステップs141では、接続音出力装置の存在が特定されるとも言える。
次にステップs142において、制御部100は、接続音出力装置800が存在することを通知部に通知させる。ステップs142では、制御部100は、例えば、接続音出力装置800が存在することを通知する通知情報710を表示部120に表示させる。図46は通知情報710の一例を示す図である。図46には、外機器接続情報に、音出力装置800の種類を示す情報が含まれている場合の通知情報710が示されている。図46の例では、音出力装置800の種類はスピーカであって、通知情報710は、対象相手機器10がスピーカに接続されていることを通知する情報となっている。なお、ステップs142は実行されなくてもよい。
制御部100は、通知情報710を一定時間表示部120に表示させた後、ステップs143において、対象相手機器10に送信される制御信号を生成する。この制御信号は、接続音出力装置800から電話通信の着信音が出力されるようにすることを対象相手機器10に命令する信号である。制御部100が制御信号を生成すると、指示受付機器10は、対象相手機器10に対して電話通信の発信を行うとともに、生成された制御信号を対象相手機器10に送信する。
指示受付機器10からの電話通信の発信を着信し、制御信号を受信した対象相手機器10では、制御部100は、自装置に対して着信音外部出力設定が行われているか否かにかかわらず、接続音出力装置800を制御して、電話着信音を接続音出力装置800から出力させる。
このように、本例では、指示受付機器10の制御部100は、機器情報に基づいて、対象相手機器10が制御することが可能な音出力装置800と対象相手機器10が接続されていることを特定した場合、音出力装置800から電話着信音が出力されるように対象相手機器10を制御する。対象相手機器10に音出力装置800が接続されている場合には、対象相手ユーザは、音出力装置800から出力される音楽等の音を聞いている可能性が高い。したがって、音出力装置800から電話着信音を出力させることによって、対象相手ユーザは、対象相手機器10での電話着信に気付きやすくなる。よって、電子機器10の利便性が向上する。
<第10の例>
図47は、本例に係るステップs4を示すフローチャートである。図47には、対象相手機器10が電話通信中であることを示す電話中情報が機器情報に含まれている場合のステップs4が示されている。電話中情報には、電子機器10が実行している電話アプリの種類を示す使用電話アプリ情報も含まれている。電話中情報は、電子機器10の機器状態情報の一種である。
本例では、電子機器10が実行可能な複数種類の電話アプリに対して、どの種類の電話アプリに係る電話通信を優先させるかを示す優先度が設定されている。本例では、従来型電話アプリの方が、IP電話アプリよりも優先度が高くなっている。
図47に示されるように、ステップs151において、制御部100が、対象相手機器10の機器情報から電話中情報を取得すると、ステップs152が実行される。ステップs152では、制御部100は、自装置の電話通信を、対象相手機器10の実行中の電話通信よりも優先させるか否かを、取得した電話中情報に基づいて判定する。言い換えれば、制御部100は、自装置の電話通信を、対象相手機器10の実行中の電話通信に割り込ませるか否かを、取得した電話中情報に基づいて判定する。
ステップs152では、制御部100は、電話中情報に含まれる使用電話アプリ情報から、対象相手機器10の実行中の電話通信に対応する電話アプリの種類を特定する。言い換えれば、制御部100は、使用電話アプリ情報から、対象相手機器10が現在実行している電話アプリの種類を特定する。そして、制御部100は、特定した電話アプリの種類と、自装置が今から実行しようとする電話通信に対応する電話アプリの種類とを比較する。つまり、制御部100は、対象相手機器10の実行中の電話アプリの種類と、自装置の実行中の電話アプリの種類とを比較する。制御部100は、自装置の実行中の電話アプリが従来型電話アプリであって、対象相手機器10の実行中の電話アプリがIP電話アプリである場合、自装置の電話通信を、対象相手機器10の実行中の電話通信よりも優先させることを決定する。それ以外の場合には、制御部100は、自装置の電話通信を、対象相手機器10の実行中の電話通信よりも優先させないことを決定する。
ステップs152でYESと判定されると、ステップs154において、制御部100は、自装置の電話通信を、対象相手機器10の実行中の電話通信よりも優先させること決定したことを通知部に通知させる。ステップs154では、制御部100は、例えば、自装置の電話通信を、対象相手機器10の実行中の電話通信よりも優先させることを決定したことを通知する通知情報720を表示部120に表示させる。図48は通知情報720の一例を示す図である。なお、ステップs154は実行されなくてもよい。
制御部100は、通知情報720を一定時間表示部120に表示させた後、ステップs155において、対象相手機器10に送信される制御信号を生成する。この制御信号は、対象相手機器10の実行中の電話通信の替わりに、指示受付機器10との電話通信を行うことを対象相手機器10に命令する信号である。言い換えれば、この制御信号は、指示受付機器10との電話通信を、対象相手機器10の実行中の電話通信に割り込ませることを対象相手機器10に命令する信号である。制御部100が制御信号を生成すると、指示受付機器10は、対象相手機器10に対して電話通信の発信を行うとともに、生成された制御信号を送信する。
指示受付機器10からの電話通信の発信を着信し、制御信号を受信した対象相手機器10では、制御部100は、実行中の電話通信の替わりに、指示受付機器10との電話通信を行うことを決定して、実行中の電話通信を終了する。このとき、対象相手機器10は、実行中の電話通信の相手側の電子機器10に、電話通信が終了することを相手側の電子機器10のユーザに通知させた後に、相手側の電子機器10との電話通信を終了してもよい。例えば、対象相手機器10は、相手側の電子機器10に送信する音声信号に、電話通信が終了することを意味する終了音を含めさせる。この音声信号を受信した相手側の電子機器10が、当該音声信号に基づいて、例えばレシーバ150から音を出力すると、レシーバ150から終了音が出力される。これにより、相手側の電子機器10のユーザは、対象相手機器10との電話通信が終了することを理解することができる。終了音としては、例えば、短い音が採用される。対象相手機器10は、相手側の電子機器10の電話通信が終了すると、指示受付機器10からの電話通信の着信に応答して、指示受付機器10と電話通信を行う。
一方で、ステップs152においてNOと判定されると、ステップs153において、指示受付機器10は、電話通信の発信を行う。このとき、ステップs155で送信される制御信号は対象相手機器10に送信されない。
このように、本例では、指示受付機器10の制御部100は、自装置の電話通信に係る電話アプリ(例えば従来型電話アプリ)とは異なる電話アプリ(例えばIP電話アプリ)が実行されて対象相手機器10が他の装置と電話通信を行っていることを、機器情報に含まれる電話中情報に基づいて特定している。そして、制御部100は、自装置の電話通信が、対象相手機器10が実行中の電話通信よりも優先される場合に、対象相手機器10が、実行中の電話通信の替わりに、指示受付機器10との電話通信を行うように、対象相手機器10を制御している。これにより、指示受付機器10のユーザは、優先的に、対象相手機器10のユーザと話をすることが可能となる。よって、電子機器10の利便性が向上する。
<第11の例>
図49は、本例に係るステップs4を示すフローチャートである。図49には、電話通信及びメッセージ通信のうち、対象相手機器10が現在希望している通信を示す希望通信情報が、対象相手機器10の機器情報に含まれている場合のステップs4が示されている。ユーザは、例えば、表示面12に対して操作することによって、電話通信及びメッセージ通信のうち希望する方を、対象相手機器10に対して通知することができる。対象相手機器10は、ユーザによって通知された通信を、現在希望する通信として希望通信情報を送信する。希望通信情報は、電子機器10の機器状態情報の一種である。またユーザが、電話通信及びメッセージ通信のうち希望する方を、対象相手機器10に対して通知していることを考えると、希望通信情報は、電子機器10の設定情報の一種であるとも言える。
図49に示されるように、ステップs161において、制御部100は、対象相手機器10の機器情報から希望通信情報を取得する。そして、ステップs162において、制御部100は、取得した希望通信情報に基づいて、対象相手機器10が現在希望している通信を特定する。
ステップs162において、対象相手機器10が現在希望している通信が電話通信であることが特定されると、ステップs163において、指示受付機器10は、対象相手機器10に対して電話通信の発信を行う。一方で、ステップs162において、対象相手機器10が現在希望している通信がメッセージ通信であることが特定されると、ステップs164が実行される。
ステップs164において、制御部100は、対象相手機器10が現在メッセージ通信を希望していることを通知部に通知させる。ステップs164では、制御部100は、例えば、対象相手機器10が現在メッセージ通信を希望していることを通知する通知情報730を表示部120に表示させる。図50は通知情報730の表示例を示す図である。なお、ステップs164は実行されなくてもよい。
制御部100が通知情報730を一定時間表示部120に表示させると、上述のステップs13~s16が実行されて、指示受付機器10からメッセージが送信される。
このように、本例では、指示受付機器10の制御部100は、対象相手機器10の機器情報に基づいて、対象相手機器10がメッセージ通信を希望していることを特定した場合、メッセージ通信の実行を決定する。したがって、対象相手機器10は、電話通信及びメッセージ通信のうち希望する方の通信を行うことができる。よって、電子機器10の利便性が向上する。
また、指示受付機器10の通知部は、対象相手機器10がメッセージ通信を希望していることを自装置ユーザに通知するため、電子機器10の利便性が向上する。
図51は、希望通知情報が対象相手機器10の機器情報に含まれている場合のステップs4の他の例を示すフローチャートである。図51に示されるように、上述のステップs161及びs162が実行される。ステップs162において、対象相手機器10が現在希望している通信が電話通信であることが特定されると、上述のステップs163が実行されて、電話通信の発信が行われる。
一方で、ステップs162において、対象相手機器10が現在希望している通信がメッセージ通信であることが特定されると、ステップs174が実行される。ステップs174において、制御部100は、電話通信の実行及びメッセージ通信の実行のどちらか一方を自装置ユーザが選択することを通知部に通知させる。ステップs174において、制御部100は、例えば、自装置ユーザが、電話通信の実行とメッセージ通信の実行のどちらか一方を選択するための選択画面750を表示部120に表示させる。
図52は選択画面750の一例を示す図である。図52に示されるように、選択画面750には、例えば、上述の通知情報730、指示情報551及び選択ボタン552,553が含まれる。なお選択画面750には、通知情報730が含まれなくてもよい。
ステップs174において選択画面750が表示された後、上述のステップs23が実行される。ステップs23において、電話通信の実行が選択されたと判断されると、上述のステップs24が実行されて、電話通信の発信が行われる。一方で、ステップs23において、メッセージ通信の実行が選択されたと判断されると、指示受付機器10は上述のステップs14~s16を実行してメッセージを送信する。
このように、図51の例では、対象相手機器10がメッセージ通信を希望している場合、指示受付機器10のユーザは、指示受付機器10が電話通信を行うか、メッセージ通信を行うかを選択することができる。よって、電子機器10の利便性が向上する。
<第12の例>
上述のように、電子機器10に対しては、電話番号のように、電話通信のための識別情報が割り当てられている。この識別情報を「電話用識別情報」と呼ぶ。電話通信においては、発信元の装置及び発信先の装置が電話用識別情報によって特定される。
電話用識別情報については、複数の電子機器10に対して同じものが割り当てられる場合がある。ここでは、上述の図33に示される電子機器10A及び10Bに対して、同じ電話用識別情報が割り当てられる場合を考える。上述のように、電子機器10Aは、例えば近距離無線通信方式を用いて、電子機器10Bと通信可能である。電子機器10A及び10Bに割り当てられた電話用識別情報を「電話用共通識別情報」と呼ぶことがある。
ユーザは、例えば、電子機器10Aの表示面12を操作することによって、電話用共通識別情報が用いられた電話通信の着信通知を電子機器10Aが行うのか否かを電子機器10Aに設定することができる。以後、この設定を「電子機器10Aでの着信通知実行設定」と呼ぶ。またユーザは、例えば、電子機器10Bの表示部120Bを操作することによって、電話用共通識別情報が用いられた電話通信の着信通知を、電子機器10Bが行うのか否かを電子機器10Bに設定することができる。以後、この設定を「電子機器10Bでの着信通知実行設定」と呼ぶ。
本例では、電子機器10Aが主端末となっており、電子機器10Bが副端末となっている。主端末である電子機器10Aは、自身と同じ電話用識別情報が割り当てられた電子機器10Bが存在することを示す他端末存在情報を含む機器情報をサーバ装置50あるいは他の電子機器10に送信する。他端末存在情報には、例えば、電子機器10Bの状態と、電子機器10Aの状態とを示す機器状態情報が含まれる。電子機器10Aは、近距離無線通信方式を用いて電子機器10Bと通信することによって、電子機器10Bの状態を知ることができる。機器状態情報の例については後で説明する。なお、副端末である電子機器10Bは機器情報を送信しない。したがって、本例では、指示受付機器10は、電子機器10Aの機器情報を取得できるものの、電子機器10Bの機器情報を取得できない。
図53は本例に係るステップs4を示すフローチャートである。図53に示されるように、ステップs181において、指示受付機器10の制御部100は、対象相手機器10Aの機器情報から他端末存在情報を取得する。そして、制御部100は、取得した他端末存在情報に基づいて、電子機器10A及び10Bに同じ電話用識別情報が割り当てられていることを特定する。言い換えれば、制御部100は、取得した他端末存在情報に基づいて、割り当てられた電話用識別情報が同じである電子機器10A及び10Bが存在することを特定する。
次にステップs182において、制御部100は、取得した他端末存在情報に含まれる機器状態情報に基づいて、電子機器10A及び10Bにおいて、電話着信通知の実行を優先させる電子機器10が存在するか否かを判定する。
例えば、機器状態情報が、電子機器10Aがユーザによって操作中であるか否かと、電子機器10Bがユーザによって操作中であるか否かとを示す場合を考える。この場合、制御部100は、機器状態情報に基づいて、電子機器10A及び10Bのどちらか一方のみがユーザによって操作中であることを特定した場合には、電話着信通知の実行を優先させる電子機器10が存在すると判定する。制御部100は、機器状態情報に基づいて、電子機器10A及び10Bのうち、電子機器10Aのみがユーザによって操作中であることを特定した場合には、電子機器10Aを、着信通知を行わせる電子機器10に決定する。一方で、制御部100は、機器状態情報に基づいて、電子機器10A及び10Bのうち、電子機器10Bのみがユーザによって操作中であることを特定した場合には、電子機器10Bを、着信通知を行わせる電子機器10に決定する。制御部100は、機器状態情報に基づいて、電子機器10A及び10Bがともにユーザによって操作中であることを特定した場合と、電子機器10A及び10Bがともにユーザによって操作されていないことを特定した場合には、電話着信通知の実行を優先させる電子機器10が存在しないと判定する。
他の例として、機器状態情報が、電子機器10Aが通信中であるか否かと、電子機器10Bが通信中であるか否かとを示す場合を考える。この場合、制御部100は、機器状態情報に基づいて、電子機器10A及び10Bのどちらか一方のみが通信中でないことを特定した場合には、電話着信通知の実行を優先させる電子機器10が存在すると判定する。制御部100は、機器情報に基づいて、電子機器10A及び10Bのうち、電子機器10Aのみが通信中でないことを特定した場合には、電子機器10Aを、着信通知を行わせる電子機器10に決定する。一方で、制御部100は、機器状態情報に基づいて、電子機器10A及び10Bのうち、電子機器10Bのみが通信中でないことを特定した場合には、制御部100は、電子機器10Bを、着信通知を行わせる電子機器10に決定する。制御部100は、機器状態情報に基づいて、電子機器10A及び10Bがともに通信中であることを特定した場合と、電子機器10A及び10Bがともに通信していないことを特定した場合には、電話着信通知の実行を優先させる電子機器10が存在しないと判定する。
他の例として、機器状態情報が、電子機器10A及び10Bの電池240の電池残量を示す場合を考える。この場合、制御部100は、機器状態情報に基づいて、電子機器10A及び10Bにおいて、どちらか一方の電池残量が、他方の電池残量よりも大きいことを特定した場合、電話着信通知の実行を優先させる電子機器10が存在すると判定する。制御部100は、機器状態情報に基づいて、電子機器10Aの電池残量が電子機器10Aの電池残量よりも大きいことを特定した場合には、電子機器10Aを、着信通知を行わせる電子機器10に決定する。一方で、制御部100は、機器状態情報に基づいて、電子機器10Bの電池残量が電子機器10Aの電池残量よりも大きいことを特定した場合には、電子機器10Bを、着信通知を行わせる電子機器10に決定する。制御部100は、機器状態情報に基づいて、電子機器10A及び10Bの電池残量が同じであることを特定した場合には、電話着信通知の実行を優先させる電子機器10が存在しないと判定する。
ステップs182において、電話着信通知の実行を優先させる電子機器10が存在すると判定されると、ステップs184が実行される。ステップs184では、制御部100が、電子機器10A及び10Bのうち、ステップs182において電話着信通知を行わせると決定された電子機器10のみが、電話着信通知を実行することを命令する制御信号を生成する。そして、ステップs182において、指示受付機器10は、電子機器10A及び10Bに対して電話通信の発信を行うとともに、生成した制御信号を電子機器10A及び10Bに送信する。電子機器10A及び10Bに対する電話通信の発信は、電子機器10A及び10Bに割り当てられている電話用共通識別情報を用いた電話通信の発信であると言える。
指示受付機器10から制御信号を受信するとともに、指示受付機器10からの電話通信の発信を着信した電子機器10A及び10Bは、受信した制御信号に基づいて、電話着信通知を行うか否かを決定する。制御信号が、電子機器10Aが電話着信通知を実行することを示す場合、電子機器10Aは、自装置での着信通知実行設定の内容にかかわらず。電話着信通知の実行を決定し、電話着信通知を行う。一方で、制御信号が、電子機器10Bが電話着信通知を実行することを示す場合、電子機器10Bは、自装置での着信通知実行設定の内容にかかわらず。電話着信通知の実行を決定し、電話着信通知を行う。
一方で、ステップs182において、電話着信通知の実行を優先させる電子機器10が存在しないと判定されると、ステップs183において、指示受付機器10は、電子機器10A及び10Bに対して電話通信の発信を行う。このとき、ステップs184で送信される制御信号は送信されない。
このように、本例では、指示受付機器10の制御部100は、機器情報に基づいて、電話用識別情報が同じである電子機器10A及び10Bが存在することを特定する場合、電子機器10A及び10Bの状態に基づいて、電話通信の着信通知を行わせる電子機器10を決定する。これにより、指示受付機器10は、適切な電子機器10に電話着信通知を行わせることができる。よって、電子機器10の利便性が向上する。
また、上述のように、電子機器10A及び10Bのうち、操作されている電子機器10が電話着信通知を行う場合には、電子機器10A及び10Bのユーザは、操作している電子機器10から電話着信通知を受けることができる。よって、ユーザは、電話着信通知に気付きやすくなる。
また、上述のように、電子機器10A及び10Bのうち、通信中ではない電子機器10が電話着信通知を行う場合には、電子機器10A及び10Bのユーザは、電話通信等で使用していない電子機器10から電話着信通知を受けることができる。よって、電子機器10の利便性が向上する。
また、上述のように、電子機器10A及び10Bのうち、電池残量が大きい方の電子機器10が電話着信通知を行う場合には、電子機器10A及び10Bのユーザは、電池残量が大きい電子機器10から電話着信通知を受けることができる。よって、電子機器10A及び10Bのユーザが使用する電子機器10の電池残量の低下によって、電子機器10A及び10Bのユーザと、指示受付機器10のユーザとの間の話が途中で終わる可能性が低減する。
なお上記の例では、指示受付機器10は、電子機器10A及び10Bの状態に基づいて、電話通信の着信通知を行わせる電子機器10を決定しているが、電子機器10A及び10Bの能力に基づいて、電話通信の着信通知を行わせる電子機器10を決定してもよい。この場合、他端末存在情報には、電子機器10Bの能力と、電子機器10Aの能力とを示す機器能力情報が含まれる。そして、ステップs182では、制御部100は、取得した他端末存在情報に含まれる機器能力情報に基づいて、電子機器10A及び10Bにおいて、電話着信通知の実行を優先させる電子機器10が存在するか否かを判定する。
例えば、機器能力情報が、電子機器10A及び10Bが備える表示面の大きさを示す場合を考える。この場合、制御部100は、機器能力情報に基づいて、電子機器10A及び10Bにおいて、どちらか一方の表示面が、他方の表示面よりも小さいことを特定した場合、電話着信通知の実行を優先させる電子機器10が存在すると判定する。制御部100は、機器能力情報に基づいて、電子機器10Aの表示面12が、電子機器10Bの表示面(表示部120Bの表示面)よりも小さいことを特定した場合には、電子機器10Aを、着信通知を行わせる電子機器10に決定する。一方で、制御部100は、機器能力情報に基づいて、電子機器10Bの表示面が、電子機器10Aの表示面12よりも小さいことを特定した場合には、電子機器10Bを、着信通知を行わせる電子機器10に決定する。図33の例では、電子機器10Bの表示面が、電子機器10Aの表示面12よりも小さいため、電子機器10Bが、着信通知を行わせる電子機器10に決定される。制御部100は、電子機器10A及び10Bの表示面の大きさが同じである場合には、電話着信通知の実行を優先させる電子機器10が存在しないと判定する。
他の例として、機器能力情報が、電子機器10A及び10Bの電池240の電池容量を示す場合を考える。この場合、制御部100は、機器能力情報に基づいて、電子機器10A及び10Bにおいて、どちらか一方の電池容量が、他方の電池容量よりも大きいことを特定した場合、電話着信通知の実行を優先させる電子機器10が存在すると判定する。制御部100は、機器能力情報に基づいて、電子機器10Aの電池容量が、電子機器10Bの電池容量よりも大きいことを特定した場合には、電子機器10Aを、着信通知を行わせる電子機器10に決定する。一方で、制御部100は、機器能力情報に基づいて、電子機器10Bの電池容量が電子機器10Aの電池容量よりも大きいことを特定した場合には、電子機器10Bを、着信通知を行わせる電子機器10に決定する。図33の例では、例えば、電子機器10Aの電池容量が電子機器10Bの電池容量よりも大きいとすると、電子機器10Aが、着信通知を行わせる電子機器10に決定される。制御部100は、電子機器10A及び10Bの電池容量が同じである場合には、電話着信通知の実行を優先させる電子機器10が存在しないと判定する。
このように、指示受付機器10が、割り当てられた電話用識別情報が同じである電子機器10A及び10Bの能力に基づいて、電子機器10A及び10Bから、電話通信の着信通知を行わせる電子機器10を決定することによって、指示受付機器10は、適切な電子機器10に電話着信通知を行わせることができる。よって、電子機器10の利便性が向上する。
また、電子機器10A及び10Bのうち、表示面が小さい方の電子機器10が電話着信通知を行う場合には、例えば、電子機器10A及び10Bのユーザは、表示面が大きい方の電子機器10に表示される動画等の情報を見ながら、表示面が小さい方の電子機器10を利用して、指示受付機器10のユーザと話をすることができる。
また、電子機器10A及び10Bのうち、電池容量が大きい方の電子機器10が電話着信通知を行う場合には、電子機器10A及び10Bのユーザは、電池容量が大きい電子機器10から電話着信通知を受けることができる。よって、電子機器10A及び10Bのユーザが使用する電子機器10の電池残量の低下によって、電子機器10A及び10Bのユーザと、指示受付機器10のユーザとの間の話が途中で終わる可能性が低減する。
<第13の例>
電子機器10は、電話通信を行おうとする相手機器10の機器情報を取得できないことがある。例えば、上述の図7に示されるように、電子機器10が、サーバ装置50から相手機器10の機器情報を受信する場合には、ネットワーク2の障害等により、相手機器10の機器情報を取得できないことがある。また、電子機器10が、サーバ装置50を介さずに、ネットワーク2を通じて相手機器10からその機器情報を受信する場合でも、ネットワーク2の障害等により、相手機器10の機器情報を取得できないことがある。また、ユーザが、電子機器10に対して機器情報を送信しないように設定できる場合にも、電子機器10は、相手機器10の機器情報を取得できないことがある。
指示受付機器10の制御部100は、対象相手機器10の機器情報を取得できない場合には、ステップs1の発信指示に応じて、上記のステップs4とは別の処理を行う。例えば、指示受付機器10の制御部100は、対象相手機器10の機器情報を取得できない場合には、電話通信を行うことを決定してもよい。この場合には、指示受付機器10は、上述のような制御信号を生成せずに、対象相手機器10に対して電話通信の発信を行う。
他の例としては、指示受付機器10の制御部100は、対象相手機器10の機器情報を取得できない場合には、電話通信の替わりにメッセージ通信の実行を決定してもよい。この場合には、上述のステップs14~s16と同様の処理が実行されて、メッセージが指示受付機器10から送信される。
他の例としては、指示受付機器10の制御部100は、対象相手機器10の機器情報を取得できない場合には、電話通信の実行及びメッセージ通信の実行のどちらか一方を自装置ユーザが選択することを通知部に通知させてもよい。この場合、例えば、制御部100は、自装置ユーザが、電話通信の実行とメッセージ通信の実行のどちらか一方を選択するための選択画面760を表示部120に表示させる。
図54は選択画面760の一例を示す図である。図54に示されるように、選択画面760には、例えば、指示受付機器10が、対象相手機器10の機器情報が取得できないため、対象相手機器10の状態が不明であることを通知する通知情報770が含まれる。また、選択画面760には、上述の指示情報551及び選択ボタン552及び553が含まれる。指示受付機器10では、選択画面760が表示された後、上述の図12に示される、ステップs23以降の処理と同様の処理が実行される。選択画面760には通知情報770は含まれなくてもよい。
なお、指示受付機器10は、対象相手機器10の機器情報を取得できない場合には、通知情報770を一定時間表示した後に、電話通信を行うことを決定してもよい。また、指示受付機器10は、対象相手機器10の機器情報を取得できない場合には、通知情報770を一定時間表示した後に、メッセージ通信の実行を決定してもよい。
以上のように、処理システム1は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。