以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
[駐車場管理システム]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る駐車場管理システムの構成例を示す概略図である。駐車場管理システム500は、駐車場装置10と、ビーコン装置12と、携帯端末20と、駐車場管理装置40とを有する。また駐車場管理システム500は、管理機関端末60と、決済機関65が有する決済サーバ装置とを有する。
これらの端末及び装置は、ネットワーク1を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク1は、例えばインターネットや広域通信回線網等により構築される。その他、任意のWAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)等が用いられてよく、ネットワーク1を構築するためのプロトコルは限定されない。
駐車場装置10は、各駐車場15に設置され、駐車場15を利用する利用者への駐車券の発行や駐車料金の精算等を実行する。駐車場装置10の前面には、例えば駐車券の発行口や挿入口、紙幣・硬貨投入口、表示部、領収証ボタン、釣り銭や領収証の取出口等が設けられる。
図1には、駐車場装置10として駐車券発行機84が図示されているが、本実施形態では、出口精算機86や事前精算機80(図8参照)も配置される。その他、駐車場15の具体的な構成例については後述する。
ビーコン装置12は、各駐車場15に配置され、所定の間隔でビーコン信号を送信する。本実施形態では、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy:Bluethoothは登録商標)規格に準拠した通信を実行するための近距離無線通信部11を備えるビーコン装置12が用いられる。従ってビーコン装置12により、BLE規格に準拠したビーコン信号が送信される。
ビーコン信号には、当該ビーコン信号を識別するためのユニークな識別信号(以下、ビーコンIDと記載する)が付加される。例えばビーコンIDとして、Bluetooth(登録商標) device アドレス(BDアドレス)等が用いられる。ビーコンIDは、送信元(ビーコン装置12)を識別可能な識別情報に相当する。
携帯端末20は、駐車場15を利用する利用者により使用される端末である。携帯端末20として、典型的にはスマートフォンが用いられるが、これに限定されずタブレット端末等の種々のPDA(Personal Digital Assistant)が用いられてよい。本実施形態において、携帯端末20は、受信装置として機能する。
駐車場管理装置40は、本実施形態に係る駐車場管理サービスをWebサービスとし提供可能である。本実施形態では、複数のサーバ装置41と、データベース(DB)42とにより駐車場管理装置40が構成される。本実施形態において、駐車場管理装置40は、携帯端末20と通信可能なサーバ装置に相当し、判定装置として機能する。
各サーバ装置41は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等のコンピュータの構成に必要なハードウェアを有する。サーバ装置41として、例えばPC(Personal Computer)等の任意のコンピュータが用いられる。
DB42は記憶部として機能し、本駐車場管理サービスに関する種々の情報を記憶する。例えばDB42内には、会員登録DB(図5参照)、在車DB(図6参照)、駐車場(ビーコン)DB(図7参照)、出庫情報DB、オーナー情報DB、種々の履歴DB、管理情報DB等の、種々のDBが構築される。
各種のDBは、駐車場管理装置40内のDBサーバにより包括的に管理され、例えば駐車場管理サービスを利用する利用者の会員登録及び退会、各駐車場15のオーナー情報の登録及び保管、運営収支情報の記録及び保管等が実行される。また、駐車場管理装置40内のWeb/APIサーバでは、各駐車場15の満空車情報の収集及び出力、駐車場装置10のエラー履歴や釣銭管理状況の収集及び記録、管理機関端末60からの遠隔操作の中継等が実行される。
管理機関端末60は、駐車場オーナーから駐車場15の管理業務を委託された管理機関のオペレーターにより使用される。オペレーターにより、例えば日常の問い合わせ対応、ユーザ対応、駐車場装置10の故障時の保守メンテ作業の情報提供等が行われる。管理機関端末60としては、PCやタブレット端末等が用いられる。
なお駐車場15を所有するオーナー自身で、駐車場15の管理業務を行う場合もある。この場合、オーナーが所有する端末が管理機関端末60として機能し得る。また管理業務を委託された管理機関が駐車場管理装置40を保有し、本実施形態に係る駐車場管理サービスを提供することもあり得る。
決済機関65は、例えば銀行や信販会社等であり、銀行振り込みやクレジットカード決済等により駐車料金の決済(精算)を実行する。駐車場管理装置40は、決済機関65の決済サーバ装置に対して、駐車料金の精算の指示や、精算が済んでいるか否か等の精算情報の問い合わせ等を実行する。
図2は、駐車場15の利用者の携帯端末20の構成例を示すブロック図である。携帯端末20は、CPU21と、メモリ22と、これらとバス23を介して接続されるインターフェイス24とを有する。メモリ22は、例えばROM、RAM、フラッシュメモリ等から構成され、本駐車場管理サービスを利用するためのプログラム(アプリケーション)や、利用者に関するデータ等、種々のデータが記憶される。
アプリケーションは、典型的には、インターネット等を介して携帯端末20にインストールされる。その他、コンピュータ読み取り可能な非一過性の任意の記憶媒体を介して、インストールが実行されてもよい。
インターフェイス24には、表示部25、操作部26、スピーカ27、マイク28、通信部29、近距離無線通信部30、GPSセンサ31、及び加速度センサ32が接続される。各ブロックの動作は、所定のプログラムに従って動作するCPU21により制御される。
表示部25は、例えば液晶、EL(Electro-Luminescence)等を用いた表示デバイスであり、本駐車場管理サービスに関するWebページや種々のGUI(Graphical User Interface)等が表示される。操作部26は、例えばキーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、その他の操作装置である。操作部26がタッチパネルを含む場合、そのタッチパネルは表示部25と一体となり得る。
スピーカ27からは、例えば通話音声、音声ガイダンス、アラーム音、音楽コンテンツ等が出力される。マイク28は、通話や声による指示の入力等を行う際に利用される。
通信部29は、ネットワーク1を介して、駐車場管理装置40等の他の装置と通信するための通信モジュールであり、例えばWiFi等の無線LANモジュールや、所謂3Gや4Gといった移動通信システム対応モジュールが用いられる。
近距離無線通信部30は、他のデバイスと近距離無線通信を実行するためのモジュールである。本実施形態では、BLE通信を実行することが可能なBluetooth(登録商標)モジュールが設けられる。近距離無線通信部30により、ビーコン装置12から送信されたBLE規格に準拠したビーコン信号を受信することが可能である。
加速度センサ32は、携帯端末20本体の角度、移動、及び向きの変化を出力する。GPSセンサ31は、携帯端末20本体の位置情報を出力する。加速度センサ32はモーションセンサとして機能し、携帯端末20のユーザの姿勢や動き等を含むユーザの状態を検出することが可能である。加速度センサ32は、他にジャイロセンサや地磁気センサを組み合わせた9軸センサであってもよい。
例えばユーザの状態として、歩行中、走行中、電車にて移動中、運転中等の運動状態を検出することが可能である。またユーザの現在地の情報、さらに詳しく屋内であるか、屋外であるか等の状態も検出可能である。これらユーザの状態は、例えば機械学習を用いた行動解析等の、任意の行動解析技術により検出可能である。
図3は、携帯端末20の機能的な構成例を示すブロック図である。携帯端末20は、ビーコン受信部33、入場・出場要求送信部(以下、要求送信部と記載する)34、及び精算要求部35を有する。これらのブロックは、CPU21が所定のプログラムを実行することで構成され、本実施形態に係る駐車場管理方法の受信側のステップが実現される。なお各ブロックを実現するためにIC(集積回路)等の専用のハードウェアが適宜用いられてもよい。
ビーコン受信部33は、近距離無線通信部30により受信されたビーコン信号の受信状態を検出し、受信状態情報を生成する。本実施形態では、受信したビーコン信号のビーコンID、信号強度(電波強度)、及び受信時間を含む受信状態情報が生成される。なおビーコン信号は、例えば700ms~10s等の間隔で送信される。ビーコン受信部33は、ビーコン信号を受信する度に、受信状態情報を生成する。受信状態情報を生成するタイミングや間隔が、ビーコン信号の送信間隔とは異なるように設定されてもよい。
要求送信部34は、ネットワーク1を介して、駐車場管理装置40に、入場要求及び出場要求を送信する。入場要求及び出場要求には、後述する携帯端末ID(図6参照)が含まれる。また本実施形態では、入場要求及び出場要求は、ビーコン受信部33により生成された受信状態情報とともに送信される。
精算要求部35は、ネットワーク1を介して、駐車場管理装置40に、駐車料金の精算を要求する。例えばユーザの指示に応じて、精算要求が駐車場管理装置40に送信される。あるいは精算方法が固定されている場合は、駐車場料金の発生後、自動的に精算要求が送信されてもよい。
図4は、駐車場管理装置40の機能的な構成例を示すブロック図である。駐車場管理装置40は、在車管理部43、駐車場情報プッシュ通知部(以下、プッシュ通知部と記載する)44、及びビーコン受信状態解析部(以下、受信状態解析部と記載する)45を有する。また駐車場管理装置40は、入場・出場要求受信部(以下、要求受信部と記載する)46、入場・出場許可判定部(以下、許可判定部と記載する)47、入場・出場許可送信部(以下、許可送信部と記載する)48、及び精算受付部49を有する。
これらのブロックは、例えば駐車場管理装置40内の、DBサーバ、メールサーバ、Web/APIサーバ等の種々のサーバ装置41により実現される。すなわち各サーバ装置41のCPUが所定のプログラムを実行し、装置内のハードウェア資源と協働することで構成され、本実施形態に係る駐車場管理方法の判定側のステップが実現される。各サーバ装置41にプログラムをインストールする方法は限定されない。
在車管理部43は、各駐車場15の在車状況を管理し、在車DB(図6参照)への在車情報52の書き込みや削除等を実行する。プッシュ通知部44は、車両を入庫させた利用者の携帯端末20に、種々の情報をプッシュ通知で送信する。受信状態解析部45は、携帯端末20から送信された受信状態情報に基づいて、携帯端末20によるビーコン信号の受信状態を解析する。
要求受信部46は、携帯端末20から送信された入場要求及び出場要求を受信する。許可判定部47は、入場要求及び出場要求とともに送信された受信状態情報の解析結果に基づいて、当該入場要求及び出場要求を許可するか否かを判定する。許可送信部48は、入場要求及び出場要求が許可された場合に、入場許可及び出場許可を送信する。
精算受付部49は、携帯端末20から送信された精算要求を受付け、駐車料金の精算処理を実行する。例えば図1に示す決済機関65に、駐車料金の精算の指示が送信される。携帯端末20から送信される精算要求として、本駐車場管理サービスに関するポイントによる精算が要求されている場合には、会員登録DB(図5参照)内のポイント残高に基づいて、ポイント精算処理が実行される。その他、駐車料金の精算方法は限定されず、商品の購入に応じた精算方法や、デビッドカード決済や電子マネーによる支払い等、任意の精算方法が採用されてよい。
図5は、会員登録DBに格納される会員情報の一例を示す図である。会員情報51は、携帯端末ID、携帯電話番号、メールアドレス、クレジット情報(等の精算方法)、車両ナンバー、利用履歴、及びポイント残高等を含む。利用者は、本駐車場管理サービスに関するアプリケーションを起動し、所定の登録画面を介して、会員登録の操作を実行する。
携帯端末IDは、会員登録を行う際には携帯電話番号を入力し、それを元に契約者情報から携帯端末ごとに予め設定された個体識別情報が自動的に付与される。メールアドレス、精算方法、及び車両ナンバーは、利用者により入力される。精算方法としてクレジット決済が選択される場合には、クレジットカードの情報等が入力される。
利用履歴及びポイント残高は、本駐車場管理サービスを利用するごとに適宜更新される。例えば駐車場の利用回数や精算額、提携する店舗での支払い等に応じて、ポイントが加算される。ポイント精算が行われる場合には、ポイント残高は減算される。会員情報51は、利用者ごとに生成され保持される。
図6は、在車DBに格納される在車情報の一例を示す図である。在車情報52は、駐車場15に入庫している車両に関する情報であり、本実施形態では、利用者の携帯端末IDに基づいて生成される。在車情報52は、本駐車場管理システム500に含まれる駐車場15ごとに生成される。
在車情報52は、携帯端末ID、入場日時、精算ステータス、精算方法、精算日時、精算料金等を含む。入場日時は、車両が駐車場へ入場した日時である。精算ステータスは、駐車料金の精算に関する情報であり、精算が不要であるか否かの情報を含む。例えば事前精算機80や携帯端末20を介して精算が行われた場合には、精算済のステータスとなり精算は不要となる。精算方法は、決済方法としてクレジット情報が登録されているか等が格納される。精算日時及び精算料金は、精算が完了した日時及び精算された金額である。
なお本実施形態では、本駐車場管理サービスを利用しない、いわゆる一般の利用者も駐車場15を利用することが可能である。一方の利用者により入庫された車両については、別個在車情報が生成され、在車DBに格納される(図示は省略)。例えば駐車券発行機84により発行された駐車券のナンバー等に基づいて、入場日時や精算が済んでいるか否かの情報等が記憶される。もちろんこれに限定される訳ではない。
図7は、ビーコンDBに格納されるビーコン情報の一例を示す図である。ビーコン情報53は、本駐車場管理システム500に含まれる駐車場15ごとに生成される。図7では、ビーコンDBが単独で構築されているが、駐車場15ごとの種々の情報が格納される駐車場DBにビーコン情報53が格納されてもよい。
各駐車場15において、ビーコン情報53はビーコン装置12ごとに生成される。ビーコン情報53は、ビーコンID、レーンNo、及び設置位置等を含む。本実施形態では、1つのレーンに対して2つのビーコン装置12が配置される。ビーコン情報には、ビーコン装置12が配置されるレーンのナンバーと、レーンに対する設置位置が含まれる。設置位置は、例えばレーンのゲート手前の右側、左側といった相対的位置情報である。
図8は、駐車場15の具体的な構成例を示す模式図である。駐車場15は、駐車場15の構内71と駐車場15の外部との境界に設けられた入場口72及び出場口73を有する。入場口72及び出場口73の間には、駐車場15の構内71と外部との境界から構内71に向けて、所定の距離だけ延在する中央アイランド74が設けられる。
駐車場15の外部から中央アイランド74を正面に見て、中央アイランド74の左側に所定の距離を空けて、入口アイランド75が設けられる。反対側の中央アイランド74の右側には、所定の距離を空けて、出口アイランド76が設けられる。中央アイランド74から入口アイランド75までの距離と、中央アイランド74から出口アイランド76までの距離とは、互いに略等しい。
また中央アイランド74、入口アイランド75、及び出口アイランド76の、外部との境界から構内71に向かう延在方向は互いに略等しい。また各々のアイランドの延在方向に沿った大きさも、互いに略等しい。もちろんこの構成に限定される訳ではない。
図8に示すように、本実施形態では、中央アイランド74と入口アイランド75とに挟まれた領域が、駐車場15の入場レーン(入場車路)77となる。本実施形態では、駐車場15の入場口72と略等しい位置に、入場レーン77の進入口77aが設けられる。また各アイランドの延在方向に略平行であり、外部との境界から構内71へ向かう方向が、入場レーン77の進入方向(車両5の進行方向)となる。利用者は、進入口77aから入場レーン77に車両5を進入させ、入場レーン77の退出口77bを通過する。これにより駐車場15の構内71に入場することが可能となる。
また本実施形態では、中央アイランド74と出口アイランド76とに挟まれた領域が、駐車場15の出場レーン(出場車路)78となる。出場レーン78の進入口78aは構内71に設けられ、出場レーン78の退出口78bが出場口73と略等しい位置となる。出場レーン78の進入方向(車両6の進行方向)は、各アイランドの延在方向に略平行であり、構内71から外部へ向かう方向である。利用者は、進入口78aから出場レーンに車両6を進入させ、退出口78bを通過する。これにより駐車場15から退場することが可能となる。
本実施形態において、入場レーン77及び出場レーン78は、車両の進入領域に相当する。すなわち図8に示す例では、2つの進入領域が設けられている。入場レーン77及び出場レーン78を実現するための構成は、図8に示すものに限定されず、任意の構成が採用されてよい。
駐車場15の構内71には、事前精算機80、駐車場サーバ81、駐車場管理端末82、駐車場DB83が配置される。中央アイランド74には、駐車券発行機84、入口ゲート装置85、第2の入口ビーコン装置EB2、出口精算機86、出口ゲート装置87、及び第2の出口ビーコン装置OB2が配置される。入口アイランド75には第1の入口ビーコン装置EB1が配置され、出口アイランド76には第1の出口ビーコン装置OB1が配置される。なお各ビーコン装置は、図1等に示すビーコン装置12に相当し、近距離無線通信部11の位置が模式的に図示される。
また入場レーン77の地面には、第1の入口ループコイル89、及び第2の入口ループコイル90が埋設される。出場レーン78の地面には、第1の出口ループコイル91、及び第2の出口ループコイル92が埋設される。
事前精算機80、駐車場サーバ81、駐車場管理端末82、駐車場DB83、駐車券発行機84、及び出口精算機86は、駐車場15の構内71に設置された図示しない構内LANを介して、互いに通信可能に接続されている。このうち駐車場サーバ81は、ネットワーク1に接続され、駐車場管理装置40等の他のデバイスと通信可能である。従って、構内LANに接続された各デバイスは、駐車場サーバ81を介して、ネットワーク1上のデバイスと通信可能である。
入口ゲート装置85、第1及び第2の入口ビーコン装置EB1及びEB2、第1及び第2の入口ループコイル89及び90は、駐車券発行機84に接続され、その動作が制御される。また出口ゲート装置87、第1及び第2の出口ビーコン装置OB1及びOB2、第1及び第2の出口ループコイル91及び92は、出口精算機86に接続され、その動作が制御される。
例えば駐車場管理装置40や管理機関端末60からの遠隔制御信号が、駐車場サーバ81を介して、駐車券発行機84や出口精算機86に送信される。これにより駐車券発行機84や出口精算機86、入口ゲート装置85や出口ゲート装置87の遠隔操作が可能となる。
本実施形態において、入口ゲート装置85及び出口ゲート装置87は、進入領域における車両の進行を規制するゲート装置に相当する。駐車券発行機84及び出口精算機86は、ゲート制御装置としても機能する。また第1及び第2の入口ループコイル89及び90と、駐車券発行機84とにより、入場レーン77に進入する車両5を検出する検出装置が実現される。第1及び第2の出口ループコイル91及び92と、出口精算機86とにより、出場レーン78に進入する車両6を検出する検出装置が実現される。
入場レーン77及び出場レーン78に進入する車両を検出する車両検出装置として、他の任意のデバイスや構成が採用されてもよい。例えば赤外線等を利用した光学式センサ等が、車両検出装置として用いられてもよい。もちろん駐車券発行機84及び出口精算機86とは別個に、車両検出装置が制御されてもよい。
駐車場管理端末82は、主に駐車場15の管理人等により操作され、駐車場15の構内71の各デバイスの操作や、駐車場DB83に格納された種々のデータの管理等が実行される。駐車場DB83には、駐車場15に関する種々のデータが格納され、例えば在車DB、履歴DB、契約者DB等の任意のDBが構築される。もちろん図1に示す駐車場管理装置40のDB42に格納されたデータが共有される場合もあり得る。
事前精算機80、駐車券発行機84、及び出口精算機86は、主に本駐車場管理サービスを利用しない一般の利用者により使用される。例えば一般の利用者の車両が入場レーン77に進入すると、第1の入口ループコイル89からの信号に基づいて、入場レーン77への車両の進入が検出される。駐車券発行機84は、ディスプレイ表示や音声ガイダンス等により、駐車券の発行を促し、発行ボタンが押されたら駐車券を発行する。
利用者により駐車券が引き抜かれたら、駐車券発行機84により、入口ゲート装置85が開けられる。第2の入口ループコイル90上を車両が通過したことが検出されると、入口ゲート装置85が閉められる。そして車両が入場した旨を含む入場処理情報が生成され、駐車場サーバ81を介して駐車場管理装置40に送信される。駐車場管理装置40の一般の利用者用の在車DB、及び駐車場の在車DBには、在車情報が格納される。
一般の利用者の車両が出場レーン78に進入すると、第1の出口ループコイル91からの信号に基づいて、出場レーン78への車両の進入が検出される。事前精算機80を使用して既に駐車料金の精算が済んでいる場合には、出口精算機86により出口ゲート装置87が開けられる。駐車料金の精算が済んでいない場合には、ディスプレイ表示等により精算が促され、出口精算機86にて精算が完了したら出口ゲート装置87が開けられる。
第2の出口ループコイル92上を車両が通過したことが検出されると、出口ゲート装置87が閉められる。そして車両が出場した旨の出場情報が生成され、駐車場サーバ81を介して駐車場管理装置40に送信される。駐車場管理装置40及び駐車場15の履歴DBに出場情報が格納され、在車DBからは在車情報が削除される。
第1及び第2の入口ビーコン装置EB1及びEB2、第1及び第2の出口ビーコン装置OB1及びOB2は、本駐車場管理サービスの会員である利用者の車両の、入場及び出場を管理するために利用される。以下、詳しく説明する。
第1及び第2の入口ビーコン装置EB1及びEB2は、入場レーン77の近傍に配置される。具体的には、第1の入口ビーコン装置EB1は、入口アイランド75の、入場レーン77の進入口77aの手前左側に配置される。第2の入口ビーコン装置EB2は、中央アイランド74の、入場レーン77の進入口77aの手前右側に配置される。従って第2の入口ビーコン装置EB2は、第1の入口ビーコン装置EB1との間に入場レーン77が挟まれるように配置される。
本実施形態では、入場レーン77における車両5の進入方向に略直交する方向に沿って、第1及び第2の入口ビーコン装置EB1及びEB2が配置される。また進入方向における第1及び第2の入口ビーコン装置EB1及びEB2の位置は、第1の入口ループコイル89の入場口72側の先端の位置と略等しい。これにより入場レーン77への車両の進入を高精度に検出することが可能である。
なお第1及び第2の入口ビーコン装置EB1及びEB2が、進入方向に略直交する方向に、直線状に並んで配置される場合に限定される訳ではない。進入方向から見て、入場レーン77を挟む両側の任意の位置に、第1及び第2の入口ビーコン装置EB1及びEB2がそれぞれ配置されればよい。
第1の入口ビーコン装置EB1からは、ビーコンIDを含むBLE規格に準拠した第1の入口ビーコン信号L1(図11参照)が送信される。第2の入口ビーコン装置EB2からは、ビーコンIDを含むBLE規格に準拠した第2の入口ビーコン信号L2(図11参照)が送信される。
第1及び第2の出口ビーコン装置OB1及びOB2は、出場レーン78の近傍に配置される。具体的には、第1の出口ビーコン装置OB1は、出口アイランド76の、出場レーン78の進入口78aの手前左側に配置される。第2の出口ビーコン装置OB2は、中央アイランド74の、出場レーン78の進入口78aの手前右側に配置される。従って、第2の出口ビーコン装置OB2は、第1の出口ビーコン装置OB1との間に出場レーン78が挟まれるように配置される。
第1及び第2の出口ビーコン装置OB1及びOB2は、出場レーン78における車両の進入方向に略直交する方向に沿って、第1のループコイル91の構内71側の先端と略等しい位置に配置される。これにより出場レーン78への車両の進入を高精度に検出することが可能である。
第1の出口ビーコン装置OB1からは、ビーコンIDを含むBLE規格に準拠した第1の出口ビーコン信号が送信される。第2の出口ビーコン装置OB2からは、ビーコンIDを含むBLE規格に準拠した第2の出口ビーコン信号L2が送信される。
図8に示すように、入場レーン77及び出場レーン78の構成は、車両の進入方向が逆である点以外は、互いに略等しい。また第2の入口ビーコン装置EB2及び第2の出口ビーコン装置OB2が、中央アイランド74において、進入方向に平行な方向に沿って直線状に配置される。
これにより中央アイランド74の中央の点を基準として対称となるように、入場レーン77及び出場レーン78を構成することが可能となる。これにより各デバイスの配置、構内LANの配線、ループコイルやビーコン装置への配線等の設計をシンプルにすることが可能となり、駐車場15の建設コスト等を抑えることも可能となる。
図7に示すビーコンDBには、第1及び第2の入口ビーコン装置EB1及びEB2と、第1及び第2の出口ビーコン装置OB1及びOB2とに関する、4つのビーコン情報53が格納される。レーンNoには、入場レーン77及び出場レーン78の各々のレーンNoが格納される。設置位置は、アイランドの情報、あるいは進入方向から見た右/左の情報等が格納される。
第1及び第2の入口ビーコン装置EB1及びEB2は、入場レーン77に対する第1及び第2の送信装置に相当する。また第1及び第2の入口ビーコン信号L1及びL2は、第1及び第2の信号に相当する。また第1及び第2の出口ビーコン装置OB1及びOB2は、出場レーン78に対する第1及び第2の送信装置に相当する。また第1及び第2の出口ビーコン信号は、第1及び第2の信号に相当する。また第1及び第2の信号は、第1及び第2の検索信号ということもできる。
図9は、本駐車場管理サービスの会員である利用者の車両に対する入場処理フローの一例を示すフローチャートである。
第1の入口ループコイル89に接続された駐車券発行機84により、入場レーン77への車両の進入が監視される(ステップ101)。入場レーン77への車両の進入が検出されると(ステップ101のYES)、第1及び第2の入口ビーコン装置EB1及びEB2により、第1及び第2の入口ビーコン信号L1及びL2が送信される(ステップ102)。
利用者の携帯端末20により第1及び第2のビーコン信号L1及びL2が受信され、各々のビーコンID、各々の信号強度、及び各々の受信時間を含む受信状態情報が生成される(ステップ103)。携帯端末20により、携帯端末IDを含む入場要求が生成され、受信状態情報とともに駐車場管理装置40へ送信される(ステップ104)。
駐車場管理装置40は、携帯端末20から送信された入場要求を受信し、受信状態情報に基づいて、第1及び第2の入口ビーコン信号EB1及びEB2の受信状態を解析する(ステップ105、106)。当該解析の結果、第1及び第2の入口ビーコン信号EB1及びEB2の受信状態が、所定の条件に合致するか否かが判定される(ステップ107)。受信状態が条件に合致しない場合には処理は終了し(ステップ107のNOからEND)。受信状態が条件に合致する場合には、入場許可が、駐車場15の駐車場サーバ81に送信される(ステップ107のYESからステップ108)。送信された入場許可は、駐車場サーバ81を介して、駐車券発行機84により受信される(ステップ109)。
図10は、ビーコン信号の受信状態に基づいた入場許可の判定方法の一例を説明するための模式的なグラフである。図11は、車両5に乗った利用者の保持する携帯端末20による第1及び第2の入口ビーコン信号L1及びL2の受信状態の一例を示す模式図である。
図10に示すように、駐車券発行機84による車両の検知がONとなるタイミングT1にて、第1及び第2の入口ビーコン装置EB1及びEB2により第1及び第2の入口ビーコン信号L1及びL2の送信が開始される。携帯端末20は、第1及び第2の入口ビーコン信号L1及びL2を受信するごとに、各々の信号強度を含む受信状態情報を入場要求とともに送信する。
図11に示すように、入場レーン77に進入した車両5aに乗った利用者の保持する携帯端末20aと、第1及び第2の入口ビーコン装置EB1及びEB2との距離は、十分に近い距離となる。従って当該携帯端末20aにより受信される第1及び第2の入口ビーコン信号L1及びL2の信号強度は十分に高くなる。
本実施形態では、入場許可の判定の条件として、車両の検知のONタイミングT1と、第1及び第2の入口ビーコン信号L1及びL2の信号強度のいずれかが閾値thを越えるタイミングT2との時間差が、所定の閾値(時間)よりも短いか否かが判定される。タイミングT1とT2との時間差が、所定の閾値(時間)よりも短い場合には、入場レーン77に進入した車両5aに乗った利用者の保持する携帯端末20aから送信された入場要求であると判定される。そして駐車券発行機84へ、入場許可が判定される。
図11では、会員である他の利用者の車両5aが後ろに並んでいる。当該後続する車両5bに乗った利用者の保持する携帯端末20bにより、第1及び第2の入口ビーコン信号が受信されることもあり得る(符号を変えて第1及び第2の入口ビーコン信号L1'及びL2'と記載する)。従って携帯端末20bからも入場要求が駐車場管理装置40に送信される場合もあり得る。
しかしながら第1及び第2の入口ビーコン装置EB1及びEB2から携帯端末20bまでの距離は遠い。従って第1及び第2の入口ビーコン信号L1'及びL2'のいずれかが所定の閾値thを超えるタイミングは遅くなる。これにより図10に示す閾値thを適宜設定することで、後続する車両5bの携帯端末20bから送信される入場要求を誤って許可してしまうことを十分に防止することが可能である。すなわち後続する車両5bを、入場レーン77に進入した車両として誤って判定してしまうことを十分に防止することが可能である。
また本実施形態では、入場レーン77を間に挟むように、左右の両サイドに第1及び第2の入口ビーコン装置EB1及びEB2がそれぞれ配置される。これにより車両5内に配置される携帯端末20の位置にばらつきがある場合でも、入場レーン77に進入する車両5aと、後続する車両5bとを精度よく識別することが可能である。
例えば図11に示す第2の入口ビーコン装置EB2のみが設定されているとする。そして入場レーン77に進入した車両5aの後方座席の左端(入口アイランド側)と、後続する車両5bの運転席の前方(ダッシュボードの上等)とに、それぞれ携帯端末20a及び20bが配置されているとする。この場合、第2の入口ビーコン信号L2及びL2'の各々の信号強度がともに条件を満たしてしまう場合もあり得る。
本実施形態では、左右の両サイドに第1及び第2の入口ビーコン装置EB1及びEB2がそれぞれ配置されるので、左右から送信される第1及び第2の入口ビーコン信号L1及びL2の強度に基づいて、入場レーン77に進入する車両5を十分な精度で識別することが可能である。さらに、駐車場管理装置40の受信状態を解析するアルゴリズムにおいて、ほぼ同時に同一のビーコン装置からの入場要求が2つ受信された場合には、それらの相対的な受信状態の差異から、正しい入場要求を判定すればよい。
入場許可の判定の条件として、携帯端末20の加速度センサ32等の検出結果に基づく利用者の状態が判定されてもよい。例えばステップ104にて、入場要求及び受信状態情報に加えて、利用者の状態情報が送信される。ステップ106にて、状態情報に基づいて利用者の状態が判定される。具体的には、加速度センサ32の検出結果を解析し、携帯端末20を保持する利用者の状態が歩行中や停止中ではなく車両に乗車しての移動中であると解析された場合には、条件が合致すると判定され入場許可が送信される。
例えば車両検知がONとなるタイミングT1で、駐車場15の入場口72付近を本駐車場管理サービスの会員である利用者が歩いているとする。そうすると、当該利用者の携帯端末20により第1及び第2の入口ビーコン信号L1及びL2が受信され、入場許可要求が送信される場合もあり得る。このような場合において、利用者の保持する携帯端末20の加速度センサ32の状態情報が参照されることで、歩行中の利用者の携帯端末20の入場要求に応じて誤って入場許可を送信するといったことを十分に防止することが可能となる。この結果、入場レーン77に進入する車両5と、歩行者とを非常に高い精度で識別することが可能となる。
図9に戻り、駐車券発行機84は、入場許可の受信の有無、及び駐車券の発行ボタンの押下の有無を監視する(ステップ110)。図9に示す例では、ステップ109にて、入場許可が受信されているので、ステップ112に進み、入口ゲート装置85が開けられる。入場許可の受信までに発行ボタンが押下された場合には、駐車券が発行され、駐車券が抜き取られた入り口ゲート装置85が開けられる(ステップ111、112)。
第2の入口ループコイル90上を車両が通過したことが検出されると、入口ゲート装置85が閉められ、車両が入場した旨を含む入場処理情報が生成される(ステップ113、114)。生成された入場処理情報は、駐車場管理装置40に送信され、会員の利用者用の在車DBに、在車情報52が格納される(ステップ115、116)。
また駐車場管理装置40により、利用者の車両が入場した旨を含む入場情報が生成され、利用者の携帯端末20にプッシュ通知で送信される(ステップ117、118)。携帯端末20は、受信した入場情報を表示部25に表示し、処理が終了する(ステップ119)。
第1及び第2の入口ビーコン装置EB1及びEB2により、第1及び第2の入口ビーコン信号L1及びL2が、常時送信されてもよい。この場合、図12に示すように、車両の検知がONとなるタイミングT1前から、第1及び第2の入口ビーコン信号L1及びL2が、携帯端末20により受信される。そして車両が入場レーン77に進入し、それが検知されるタイミングT1では、第1及び第2の入口ビーコン信号L1及びL2の少なくとも一方の信号強度は、十分に高い値となる。
従って、第1及び第2の入口ビーコン信号L1及びL2の信号強度のいずれかが閾値th'を越えるタイミングT2と、車両の検知のONタイミングT1との時間差が、所定の閾値(タイミング)よりも短い場合に、入場を許可する。この条件により、入場レーン77に進入した車両に乗った利用者の保持する携帯端末20からの入場要求に対して、適正に入場許可を送信することが可能となる。すなわち入場レーン77に進入した車両を高精度に識別することが可能である。
閾値th'は、図10に示す閾値thに略等しい値に設定することができる。もちろん異なる値が設定されてもよい。なお図10に示すように、車両の検知のONタイミングT1から第1及び第2の入口ビーコン信号L1及びL2の送信を開始することで、消費電力を抑えることが可能となる。
図13及び図14は、車両を入場させた利用者の携帯端末20に表示される操作画面(GUI)の一例を示す模式図である。図13及び図14に示す操作画面に含まれる、利用者に関する種々の情報は、入場情報に含まれる。すなわち入場情報は、車両の入場に応じて生成される種々の情報を含む。
図13Aに示すように、携帯端末20には、まずプッシュ通知画面101が表示される。本駐車場管理サービスでは、駐車場15から出場する前の事前精算が推奨されている。従ってプッシュ通知画面101には、精算処理を実行するためのアプリの起動ボタン102が表示される。
プッシュ通知画面101を介してアプリケーションが起動されると、図13Bに示すように、現状表示画面103が表示される。現状表示画面103には、入場時刻を含む駐車ステータス情報104と、現在までの駐車料金に関する情報105と、駐車場及び車両の情報106と、精算操作ボタン107と、利用者情報・設定ボタン108と、利用履歴ボタン109とが表示される。
利用者情報・設定ボタン108は、利用者情報の変更等を行う場合に選択され、所定の設定画面に遷移される。利用履歴ボタン109が選択されると、本駐車場管理サービスの現在までの利用履歴が表示される。
現状表示画面103の精算操作ボタン107が選択されると、図14Aに示すように、精算操作初期画面110が表示される。精算操作初期画面110には、精算ボタン111と、精算対象となる駐車料金に関する情報112と、利用状況明細ボタン113と、ポイント残高の情報114とが表示される。利用状況明細ボタン113が選択されると、利用状況の詳細が表示される。
精算操作初期画面110の精算ボタン111が選択されると、図14Bに示すように、精算操作確認画面115が表示される。精算操作確認画面115は、精算対象となる駐車料金、入場時刻、車両の情報等を含む精算情報116と、支払い方法の選択用のラジオボタン117と、クレジットカード情報118と、他のカードへの切り替えボタン119と、精算の実行ボタン120とが表示される。
所望する支払い方法のラジオボタン117を選択し、精算の実行ボタン120が選択されると、精算要求が駐車場管理装置40に送信される。そして精算処理が完了すると、その旨が携帯端末20に返され、図14Cに示す精算完了画面121が表示される。
精算完了画面121には、精算内容の情報122が表示される。また所定の時間(本例では5分)以内に、車両を出場すべき旨のテキスト情報が表示される。なお常時クレジット精算を実行する旨の登録がされている場合には、支払い方法は、カード支払いに固定される。
また常時クレジット精算を実行する旨の登録がされている場合には、例えば図13Aに示すプッシュ通知画面101、あるいは図13Bに示す現状表示画面103において、その旨が表示されてもよい。そして精算操作を促すことなく、図14Cに示す精算完了画面に進んでもよい。
図15は、本駐車場管理サービスの会員である利用者の車両に対する出場処理フローの一例を示すフローチャートである。ステップ201~ステップ206までの処理は、入場処理フローと同様である。すなわち第1及び第2の出口ビーコン装置OB1及びOB2から送信される第1及び第2の出口ビーコン信号に基づいて、同様の処理が実行される。
ステップ207にて、第1及び第2の出口ビーコン信号の受信状態が、所定の条件に合致すると、在車DBの精算ステータスが参照される(ステップ208)。そして精算ステータスが精算不要のステータスであり、精算時刻及び現在時刻から設定時刻(本例では5分)以上の構内滞在がない場合には、ステップ209でYESとなり出場許可が送信される(ステップ210)。
出口精算機86により出場要求が受信されると、出口ゲート装置87が操作され、車両の通過に応じて、精算内容や出場時刻等を含む出場処理情報が送信される(ステップ211~216)。なお出場許可の受信よりも前に出口精算機86に対して精算操作が実行された場合には、精算の完了後に、出口ゲート装置87が制御され出口処理情報が送信される。
駐車場管理装置40は、出場処理情報に基づいて、在車DBの在車情報を削除する(ステップ217、218)。そして精算内容や出場日時等を含む出場情報を生成し、携帯端末20に送信する(ステップ219)。携帯端末20の表示部25には、出口情報が適宜表示される(ステップ220、221)。
なお精算不要のステータスには、常時クレジット精算も含まれ、この場合には、構内71の滞在時間によらず、出場許可が送信される。
車両の入場時に出場レーン78に配置された第1及び第2の出口ビーコン装置OB1及びOB2から送信された第1及び第2の出口ビーコン信号が受信されることもあり得る。同様に出場時に、第1及び第2の入口ビーコン装置EB1及びEB2から送信される第1及び第2の入口ビーコン信号が受信されることもあり得る。このような場合でも、図7に示すビーコン情報53を参照することで、判定に必要なビーコン信号の情報を適宜抽出して使用することが可能である。例えば携帯端末20により、判定に不要なビーコン信号の情報が棄てられてもよい。あるいは駐車場管理装置40により、判定に不要なビーコン信号の情報が棄てられてもよい。
以上、本実施形態に係る駐車場管理システム500では、車両の進入領域(入場レーン77、出場レーン78)を間に挟むように、第1及び第2の(入口、出口)ビーコン装置がそれぞれ配置される。そして第1及び第2のビーコン装置により送信された第1及び第2の(入口、出口)信号に基づいて、進入領域への車両の進入が判定される。
これにより登録された携帯端末20を車両内に乗った利用者が保持することにより、当該利用者の車両の入場/出場が間単に制御可能となる。従って利用者は、駐車券の発行を必要とせず、駐車券をわざわざ抜取るといった行為をする必要がなくなる。また入場レーン77への進入に応じて、入口ゲート装置85が自動的に開けられる。この結果、駐車場15に対する非常にスムーズな入場が可能となり、利用者の利便性を大きく向上させることが可能となる。また例えば会員登録をした利用者が初めて駐車場を利用する場合でも、非常に高い利便性が発揮される。
また事前の会員登録を済ませておけば、実際に車両を入場させる場合等において、携帯端末20に対して特別な操作等を行う必要はない。この点から見ても、初めての利用者等に対する極めて親切なシステムを実現することが可能となり、高い利便性が発揮される。また携帯端末20への操作に伴う事故等も起こらないので、駐車場15の利用に関する安全性も向上させることが可能である。
また車両の出場に関しても、予め精算ステータスを精算不要のステータスにしておくことで、利用者は一切の操作を必要とせず、出場が許可される。従って携帯端末20を車両に乗った利用者が保持するだけで、出場レーン78への進入に応じて、出口ゲート装置87が自動的に開けられる。これにより非常にスムーズな出場が可能となり、利用者の利便性が大きく向上される。
また上記したように、2つのビーコン装置により、各レーンに進入する車両を非常に高い精度で識別することが可能となり、ゲート装置の誤操作や利用者の誤判定等を十分に防止することが可能となる。
また本技術を、会員の利用者のみが利用可能な会員制の駐車場や、住人が会員登録して利用するマンション駐車場等に適用することで、駐車券発行機や出口精算機等が不要となり、設備コスト等や管理コスト等を大幅に抑えることも可能となる。
<第2の実施形態>
本発明に係る第2の実施形態の駐車場管理システムについて説明する。これ以降の説明では、上記の実施形態で説明した駐車場管理システム500における構成及び作用と同様な部分については、その説明を省略又は簡略化する。
図16は、本実施形態に係る駐車場215の構成例を示す模式図である。駐車場215は、会員の利用者のみが利用可能であり、駐車券発行機、出口精算機、及び事前精算機が設置されていない。また設備コストを抑えるために、駐車場管理端末、駐車場DB、第1及び第2の入口ループコイル、第1及び第2の出口ループコイルも設定されていない。さらにサーバ装置281として、ネットワーク1を介した駐車場管理装置40等との通信を実現するための最小限の機能を有する簡易サーバが用いられる。
新たな設備としては、入場レーン277の進入口277a及び退出口277bと、出場レーン278の進入口278a及び退出口278bとの4つの箇所に、バンプ295が設けられる。バンプ295は車両から視認しやすいゼブラ模様などを表面に有し、路面よりも若干盛り上がって構成される。バンプ295は、例えば樹脂製やコンクリート製である。
また入場レーン277には、第1及び第2の入口ビーコン装置EB1及びEB2に加えて、第3の入口ビーコン装置EB3が配置される。図16に示すように、第3の入口ビーコン装置EB3は、入口アイランド275の退出口277bの近傍に配置される。第3の入口ビーコン装置EB3は、第1の入口ビーコン装置EB1よりも入場レーン277における車両5の進入方向側に配置される。本実施形態では、第3の入口ビーコン装置EB3は、車両5の進入方向に沿って、第1の入口ビーコン装置EB1から離間して配置される。
図17に示すように、第3の入口ビーコン装置EB3は、送信元を識別可能なビーコンIDを含む第3の入口ビーコン信号L3を送信する。送信された第3の入口ビーコン信号L3は、会員である利用者の携帯端末20により受信される。
出場レーン278には、第3の出口ビーコン装置OB3が配置される。第3の出口ビーコン装置OB3は、出口アイランド276の退出口278bの近傍に配置される。第3の出口ビーコン装置OB3は、第1の出口ビーコン装置OB1よりも出場レーン278における車両5の進入方向側に配置される。本実施形態では、第3の出口ビーコン装置OB3は、車両5の進入方向に沿って、第1の出口ビーコン装置OB1から離間して配置される。
入口ゲート装置285、出口ゲート装置287、第1~第3の入口ビーコン装置EB1~EB3、及び第1~第3の出口ビーコン装置OB1~OB3は、図示しない構内LANを介して、駐車場サーバ281に接続される。本実施形形態では、駐車場サーバ281により各デバイスの動作が制御されるが、入口ゲート装置285及び出口ゲート装置287を制御する制御装置が、別個配置されてもよい。
第3の入口ビーコン装置EB3は、入場レーン277に対する第3の送信装置に相当する。第3の入口ビーコン装置EB3から送信される第3の入口ビーコン信号L3は、第3の信号に相当する。第3の出口ビーコン装置OB3は、出場レーン278に対する第3の送信装置に相当する。第3の出口ビーコン装置OB3から送信される第3の入口ビーコン信号は、第3の信号に相当する。
図18は、入場処理フローの一例を示すフローチャートである。本実施形態では、第1~第3の入口ビーコン装置EB1~EB3により、第1~第3の入口ビーコン信号L1~L3が常時送信されている(ステップ301)。
利用者の携帯端末20により、第1~第3の入口ビーコン信号L1~L3が受信され、その受信状態が解析される(ステップ102)。すなわち本実施形態では、携帯端末20が判定装置として機能し、第1~第3の入口ビーコン信号L1~L3の受信状態に基づいて、携帯端末20が配置された車両の入場レーンへの進入が判定される。
従って携帯端末20は、図4に示す駐車場管理装置40のビーコン受信状態解析部45に相当する機能ブロックを有する。また携帯端末20により、図7に示すビーコン情報53が記憶される、あるいは適宜駐車場サーバ281を介して駐車場管理装置40から取得される。
ステップ303における条件合致の判定ステップでは、第1及び第2の入口ビーコン信号L1及びL2の少なくとも一方の信号強度が第1の閾値を超えるか否か、及び第3の入口ビーコン信号L3の信号強度が第2の閾値を超えるか否かが判定される。典型的には、第2の閾値は第1の閾値よりも小さく設定されるが、これに限定される訳ではない。
また第1及び第2の入口ビーコン信号L1及びL2の少なくとも一方の信号強度が第1の閾値を超えるタイミングT1が、第3の入口ビーコン信号L2の信号強度が第2の閾値を超えるタイミングT2よりも前であり、その時間差が所定の閾値よりも短いか否かが判定される。これらの条件が満たされた場合には、入場レーン277に車両が進入したと判定される。そして入場要求が駐車場管理装置40へ送信される(ステップ304)。なお入場要求には、レーンNo、携帯端末ID、及び日時が含まれていればよい。
入場レーン277の奥側(退出口277b側)に第3の入口ビーコン装置EB3を配置し、第3の入口ビーコン信号L3の信号強度及び閾値を超えるタイミングT2の順序に着目することで、第1及び第2のループコイル等の車両検知センサを用いることなく、車両の進行方向も含めて入場レーン277への進入を高精度に判定することが可能となる。
なお条件判定として、利用者の状態が参照されてもよい。例えば利用者の状態が歩行中や停止中ではなく車両に乗って移動中であり、またバンプ295を乗り上げた挙動を加速度センサ32の検出信号に含む場合に、入場レーン277への車両の進入が判定されてもよい。これにより高精度に入場レーン277への進入を判定することが可能となる。
入場要求を受信した駐車場管理装置40は、駐車場サーバ281に入場許可を送信する。そして駐車場サーバ281により、入口ゲート装置285が開けられる(ステップ305~308)。第1~第3の入口ビーコン信号L1~L3の送信は維持されており(ステップ309)、ビーコン信号の受信及び受信状態の解析も継続される(ステップ310)。
ステップ311の判定ステップでは、第1及び第2の入口ビーコン信号L1及びL2の両方の信号強度が第3の閾値を下回るか否か、及び第3の入口ビーコン信号L3の信号強度が第4の閾値を下回るか否かが判定される。第3及び第4の閾値は適宜設定されればよい。
また第1及び第2の入口ビーコン信号L1及びL2の両方が第3の閾値を下回るタイミングT3が、第3の入口ビーコン信号L3の信号強度が第4の閾値を下回るタイミングT4よりも前であり、その時間差が所定の閾値よりも短いか否かが判定される。これらの条件が満たされた場合には、入場レーン277の退出口377bから車両が退出し、駐車場215の構内に進んだと判定される。もちろんバンプ295に乗り上げた挙動の有無も合わせて判定されてもよい。
入場レーン277からの退出が判定されると、入場処理情報が、駐車場管理装置40に送信される(ステップ312)。駐車場管理装置40は、在車DBに在車情報52を格納し、入場完了情報を駐車場サーバ281に送信する(ステップ313~315)。入場完了情報を受信した駐車場サーバ281は、入口ゲート装置285を閉じる(ステップ316、317)。
また駐車場管理装置40により、入場情報が生成され、携帯端末20に送信される(ステップ318)。携帯端末20は、表示部25に入場情報を表示する(ステップ319、320)。このように、入口ゲート装置285の開閉を高精度に制御することが可能となり、駐車場への車両の入場を管理することが可能となる。
出場処理としては、第1~第3の出口ビーコン装置OB1~OB3により送信される第1~第3の出口ビーコン信号に対して、同様の処理を実行される。これにより出場レーン278の進入口278aからの進入、及び出場レーン278の退出口278bからの退出を高精度に判定することが可能となる。精算ステータスが精算不要のステータスである場合には、出場レーン278への進入に応じて出口ゲート装置287が開けられる。これによりスムーズな退場が実現される。
以上、本実施形態に係る駐車場管理システムでは、利用者の携帯端末20により、入場レーン277及び出場レーン278への車両の進入が判定される。そして、判定の結果が肯定の場合に、駐車場管理装置40に、入場要求及び出場要求が送信される。これにより駐車場管理装置40の処理負荷を軽減することが可能となり、不用意な通信処理も減少するので、ネットワーク環境の構築が容易で、システム全体が安価となる。
<その他の実施形態>
本発明は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態で実現することができる。
上記ではBLE規格に準拠したビーコン信号の信号強度に基づいて、進入領域への車両の進入が判定された。受信したビーコン信号の信号強度に基づいて、ビーコン装置までの距離を算出し、所定の距離よりも小さい場合に、車両の進入が判定されてもよい。例えば第1のビーコン装置までの距離と、第2のビーコン装置までの距離とを用いて、三角測量の要領で、進入領域の進入口までの距離を算出することも可能である。そしていずれの携帯端末が進入口により近いかという判定も可能であり、最も近い携帯端末に関連する車両が進入したと判定することも可能である。
第1及び第2の送信装置として、超音波信号を発信する超音波発信装置が用いられてもよい。例えば進入領域を間に挟むように、第1及び第2の超音波発信装置を配置する。そして発信元が識別可能な識別情報が重畳された第1及び第2の超音波信号を発信させる。これにより第1及び第2の超音波信号の受信状態、例えば超音波信号の信号強度や到達時間等に基づいて、進入領域への車両の進入を高精度に判定することが可能である。既に広く普及している超音波装置を用いることで、安価に検索信号の配信システムを構築することが可能となる。
その他、送信元が識別可能な識別情報を含む任意の形式の検索信号を用いることが可能である。また受信状態に基づいて車両の進入を判定する方法も限定されず、例えば第1及び第2の検索信号の各々の受信時間、各々の信号強度、各々の信号位相等に基づいた、任意の方法が用いられてもよい。また検索信号の信号ごとのIDの組み合わせと、各々の相対的な信号強度差、信号位相差、受信時間差のうちのいずれか、もしくはそれらの組み合わせに基づいた統計的手法により定義される任意の判定条件が採用されてよい。
またビーコンの単純な電波の強弱だけでは、電波の安定性や設置環境の影響で位置を推定できない箇所が存在することも考えられる。その場合には、近接ビーコン検出技術として、シャピロ-ウィルク検定、F検定、T検定等の手法を利用した信号解析処理が実施されてもよい。
またBLEビーコン信号と、超音波信号とを組み合わせて、進入領域への車両の進入を判定することも可能である。すなわち検索信号として、各々異なる方式の信号が併用されてもよい。また上記したように、車両検知の検知結果や、利用者の状態の検出結果と合わせて、車両の進入が判定されてもよい。これにより非常に高い判定精度を発揮可能である。
送信元を識別可能な識別情報は、送信元のID等でもよいし、送信元のID等に関連付けられた参照情報等であってもよい。すなわち送信元を識別可能な識別情報は、発信元のID等を取得することが可能な任意な情報を含む。
入場レーン用の送信装置を、出場レーン用の送信装置として兼用して用いることも可能である。例えば図8に示す第2の出口ビーコン装置OB2を、入場レーン77用の第3の入口ビーコン装置として用いることも可能である。同様に第2の入口ビーコン装置EB2を、出場レーン78用の第3の出口ビーコン装置として用いること入口も可能である。これにより装置を増やすことなく、検索対象のビーコンの数を増やすことが可能となり、より誤認識を防止することが可能となる。
図8に示すような入場出場レーンが隣接して設置される駐車場のレイアウトの場合には、レーンの境界に配置したビーコン装置を、容易に共用することが可能となる。例えば進入口からは若干内部側において、第1または第2の送信装置を、隣接するレーンの第1または第2の送信装置として共用することも可能である。
検索信号を送信する送信装置の数は限定されず、2以上の任意の数の送信装置が設定されてよい。またその設置位置も少なくとも2つが進入領域を挟むのであれば、他は任意の位置に設定されてよい。多くの送信装置を設定することで、車両の進入の判定精度を向上させることが可能となる。
上記では、受信装置として、駐車場の利用者の携帯端末を例に挙げた。また受信装置が配置された車両として、当該携帯端末が車内の利用者に保持された車両を例に挙げた。これに限定されず、車載装置のような車両に備えられている装置により、本技術に係る受信装置が実現されてもよい。その他、車両に追従して移動する任意の装置が受信装置として使用可能である。
第1の実施形態では、携帯端末 により受信状態情報及び入場/出場要求が、駐車場管理装置に送信された(図9のステップ104)。この際に、受信状態があまりにも適正でない場合には、エラー状態として、入場/出場要求の送信が規制されてもよい。これにより不要な通信を抑制することが可能となる。
第2の実施形態で説明した駐車場215について、さらに入口ゲート装置285及び出口ゲート装置287を省略して、予約専用駐車場として利用されてもよい。入場、出場時の処理としては、毎回携帯端末による検索信号の受信と、駐車場管理装置への送信が行われる。これにより、一時的なイベント用駐車場など、極めて簡略化された機器構成で、運用が行える。事前登録式のみとして、一般駐車場用の駐車券発行機、出口精算機も設けない、センター側での決済のみに限定することで、防犯性も向上する。
以上説明した本発明に係る特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。すなわち各実施形態で説明した種々の特徴部分は、各実施形態の区別なく、任意に組み合わされてもよい。また上記で記載した種々の効果は、あくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果が発揮されてもよい。
また本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う駐車場管理システムもまた本発明の技術思想に含まれる。