JP7072457B2 - 試料分析装置、電子顕微鏡、及び集光ミラーユニット - Google Patents

試料分析装置、電子顕微鏡、及び集光ミラーユニット Download PDF

Info

Publication number
JP7072457B2
JP7072457B2 JP2018132206A JP2018132206A JP7072457B2 JP 7072457 B2 JP7072457 B2 JP 7072457B2 JP 2018132206 A JP2018132206 A JP 2018132206A JP 2018132206 A JP2018132206 A JP 2018132206A JP 7072457 B2 JP7072457 B2 JP 7072457B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
condensing mirror
charged particles
mirror
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018132206A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020008516A (ja
Inventor
正吾 粟田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Horiba Ltd
Original Assignee
Horiba Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Horiba Ltd filed Critical Horiba Ltd
Priority to JP2018132206A priority Critical patent/JP7072457B2/ja
Publication of JP2020008516A publication Critical patent/JP2020008516A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7072457B2 publication Critical patent/JP7072457B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、例えば電子線やイオンビーム等が照射された試料から出る光を検出して、当該試料を分析する試料分析装置、この試料分析装置を用いた電子顕微鏡、及びこの試料分析装置に用いられる集光ミラーユニットに関するものである。
この種の試料分析装置としては、試料に荷電粒子を照射することで生じるカソードルミネッセンス(CL)を集光ミラーで集光して検出する、いわゆるカソードルミネッセンス分析装置がある。
特許文献1に示すカソードルミネッセンス分析装置は、試料にリターディング電圧を印加して荷電粒子を試料直前で減速させることで、低加速電圧による試料表面の観察を行えるように構成されている。
このようにリターディング電圧を試料に印加すると、試料と集光ミラーとの間に電場が生じる。このとき、集光ミラーの電位が例えばゼロであると、電場は集光ミラーに引き寄せられてミラー面に沿って歪む。その結果、試料に向かう荷電粒子の軌道が曲げられ、得られる画像が歪んでしまう。
そこで、同特許文献1に示すカソードルミネッセンス分析装置は、試料と集光ミラーとの間に中間部材を設けることで、電場が集光ミラーに引き寄せられることを防ぐようにしている。そして、中間部材に複数の孔が形成するとともに、中間部材と試料との間に荷電粒子がほとんど曲がらないような電場を生じさせることで、上述した画像の歪みを防ぐようにしている。
しかしながら、上述した構成では、試料から生じて集光ミラーに向かうカソードルミネッセンスの一部が中間部材によって遮られてしまい、カソードルミネッセンスの検出効率が低下するという新たな問題が生じる。
国際公開WO2017/131132
そこで本発明は、上述した問題点を一挙に解決するものであり、カソードルミネッセンスの検出効率を低下させることなく、荷電粒子を減速させて試料に照射できるようにすることをその主たる所期課題とするものである。
すなわち本発明に係る試料分析装置は、荷電粒子が照射された試料から出る光を検出して前記試料を分析する試料分析装置であって、荷電粒子を前記試料に照射する照射部と、前記照射部と前記試料との間に設けられるとともに、前記試料から出る光を集光する集光ミラーとを具備し、前記照射部及び前記集光ミラーの間に前記荷電粒子を減速させる減速電場が生じるように構成されていることを特徴とするものである。
このような試料分析装置であれば、照射部及び集光ミラーの間、つまり集光ミラーのミラー面の裏側に減速電場を生じさせるので、集光ミラーと試料との間に部材を設けずとも、減速電場が集光ミラーのミラー面に沿って歪んでしまうことを抑えることができる。これにより、例えば試料にリターディング電圧を印加することで、荷電粒子を減速させて試料に照射させることを可能にしつつも、カソードルミネッセンスの検出効率の低下を防ぐことができる。
前記荷電粒子を減速させるリターディング電圧を、前記試料又は前記試料が載置される試料台と、前記集光ミラーとに印加するリターディング電圧印加部を具備することが好ましい。
このような構成であれば、リターディング電圧により照射部と集光ミラーとの間に減速電場が生じるので、荷電粒子を集光ミラーの直前で減速させることができる。しかも、試料又は試料台と集光ミラーとに同じ大きさのリターディング電圧を印加することで、これらの間では荷電粒子に電磁気的な力が作用せず、荷電粒子をその軌道を曲げることなく試料に導くことができ、画像の歪みを抑えることができる。
ところで、上述したリターディング電圧のみによって照射部と集光ミラーとの間に減速電圧を生じさせると、減速電場が集光ミラーのミラー面側に回り込んでしまい、この回り込んだ減速電場によって荷電粒子の軌道が曲げられる恐れがある。
そこで、前記照射部及び前記集光ミラーの間に設けられた静電レンズと、前記荷電粒子を減速させる減速電圧を前記静電レンズに印加する減速電圧印加部とを具備することが好ましい。
このような構成であれば、主として静電レンズと照射部との間に減速電場が生じるように減速電圧や静電レンズの配置を調整することで、減速電場が集光ミラーのミラー面側に回り込んでしまうことを防ぐことができる。
具体的な実施態様としては、前記照射部が、前記荷電粒子が通過する対物レンズを有し、前記静電レンズが、前記対物レンズと前記集光ミラーとの間に設けられており、前記対物レンズの中心軸と前記静電レンズの中心軸とが同軸上であることが好ましい。
このような構成であれば、荷電粒子の軌道を曲げることなく、静電レンズによって荷電粒子を集光或いは発散させることができる。
また、上述した試料分析装置を備えた電子顕微鏡も本発明の1つである。
また、本発明に係る集光ミラーユニットは、試料に荷電粒子を照射する照射部を具備し、前記荷電粒子が照射された前記試料から出る光を検出して前記試料を分析する試料分析装置に用いられる集光ミラーユニットであって、前記照射部と前記試料との間に設けられるとともに、前記試料から出る光を集光する集光ミラーと、前記荷電粒子を減速させるリターディング電圧を、前記試料又は前記試料が載置される試料台、及び、前記集光ミラーに印加するリターディング電圧印加部とを備えることを特徴とするものである。
このような集光ミラーユニットを用いれば、上述した試料分析装置と同様の作用効果を得ることができる。
このような構成であれば、リターディング電圧により照射部と集光ミラーとの間に減速電場が生じるので、荷電粒子を集光ミラーの直前で減速させることができる。しかも、試料又は試料台と集光ミラーとに同じ大きさのリターディング電圧を印加することで、これらの間では荷電粒子に電磁気的な力が作用せず、荷電粒子をその軌道を曲げることなく試料に導くことができ、画像の歪みを抑えることができる。
このように構成した本発明によれば、カソードルミネッセンスの検出効率を低下させることなく、荷電粒子を減速させて試料に照射することができる。
本実施形態の一実施形態に係る試料分析装置の構成を示す模式図。 同実施形態の集光ミラーの周辺構成を示す模式図。 リターディング電圧により生じる電場の一例を説明する図。 リターディング電圧及び減速電圧により生じる電場を説明する図。 変形実施形態における集光ミラーの周辺構成を示す模式図。 変形実施形態における集光ミラーの周辺構成を示す模式図。 変形実施形態に板状部材の構成を示す模式図。 変形実施形態における集光ミラーの周辺構成を示す模式図。 変形実施形態の検出装置の構成を示す模式図。
以下に本発明に係る試料分析装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
<装置構成>
本実施形態に係る試料分析装置100は、電子顕微鏡に組み込まれたものであり、荷電粒子線である電子線(エネルギー線)EBを半導体ウエハ等の試料Wに照射することにより試料Wから生じるカソードルミネッセンスCLを用いて、試料Wの微小領域における物性評価や半導体素子の解析を行う、いわゆるカソードルミネッセンス分析装置である。
具体的にこのものは、図1に示すように、試料Wを収容する真空チャンバ2と、その真空チャンバ2内に収容された試料Wに電子線EBを照射する照射部たる電子線照射装置3と、電子線EBの照射によって試料Wから発生するカソードルミネッセンスCLを分光し、検出する光検出部たる検出装置4と、その検出装置4からの出力信号を受信し、前記試料Wを評価等(例えば応力測定)するために所定の演算処理を行う情報処理装置5とを備えている。
以下、各部2~5について図1を参照して説明する。
真空チャンバ2は、電子線EBが照射される試料Wを収容する容器と、当該容器内を真空にする真空ポンプと、試料Wが載置される試料台201とを備えている。
電子線照射装置3は、例えば熱電界放出型の電子銃31と、電子銃31から射出された電子線EBを試料Wの所定部位に収束させるレンズ機構及び電子線EBを走査させるための走査機構等からなる電子線制御機構32と、電子銃31及び電子線制御機構32を内部に有する収容部材たる鏡筒33とを備えている。この鏡筒33の下端部は、前記真空チャンバ2の上壁に連続して設けられている。なお、電子線制御機構32は、一部又は全部が鏡筒33の外部に設けられていても良い。
前記走査機構としては、例えば電子線EBを走査方向に沿って偏向する走査コイルを利用したものが挙げられる。また、前記レンズ機構としては、コンデンサレンズや対物レンズを利用したものが挙げられる。
検出装置4は、集光ミラー41、光ファイバ42、分光部43及びセンシング部44を備えている。
集光ミラー41は、図1及び図2に示すように、電子線照射装置3及び試料Wの間(具体的には鏡筒33の下部に設けられた対物レンズLと試料Wとの間)に設けられ、試料Wから発生するカソードルミネッセンスCLを集光して光ファイバ42に導くものである。この集光ミラー41は、鏡筒33で収束された電子線EBを通過させ、その電子線EBを試料Wに照射するための電子線通過孔41aと、その電子線通過孔41aの軸線上に焦点が設定されたミラー面41bとが形成されたものである。なお、ミラー面41bは、放物面鏡又は楕円面鏡などが考えられるが本実施形態では楕円面鏡を用いている。
光ファイバ42は、集光ミラー41により集光されたカソードルミネッセンスCLを分光部43に転送するものである。この光ファイバ42の受光面である先端面は、集光ミラー41の焦点に配置されるとともに、後端部分が分光部43に接続される。
分光部43は、前記集光ミラー41で集光されたカソードルミネッセンスCLをスペクトルにするもので、例えばモノクロメータを利用して構成している。
センシング部44は、光検出部であり、前記分光部43で波長毎に複数に分光された各単色光の強度をそれぞれ測定し、各単色光の強度に応じた値の電流値(又は電圧値)を有する出力信号を出力する。
情報処理装置5は、構造としては、CPU、メモリ、入出力インターフェイス、AD変換器、入力手段等からなる汎用又は専用のコンピュータである。そして、前記メモリの所定領域に格納してあるプログラムに基づいてCPUやその周辺機器が作動することにより、この情報処理装置5は、前記検出装置4からの出力信号を受信する受信部51と、走査した各測定ポイントでの応力等を算出する演算部52としての機能を発揮する。
然して、本実施形態の試料分析装置100は、電子線照射装置3と集光ミラー41との間に試料に向かう電子線EBを減速させる減速電場が生じるように構成されている。
具体的に試料分析装置100は、図1に示すように、試料Wが載置される試料台201と集光ミラー41とに電子線EBを減速させるリターディング電圧を印加するリターディング電圧印加部6をさらに具備する。
本実施形態では、試料Wと試料台201とは電気的に接続されており、試料台201を介して試料Wにリターディング電圧を印加するようにしているが、試料Wと試料台201とが電気的に接続されていない場合など、試料Wに直接リターディング電圧を印加しても良い。
リターディング電圧印加部6は、試料W及び集光ミラー41に同じ大きさのリターディング電圧を印加するものであり、具体的には、負のリターディング電圧を印加するリターディング電源を有している。なお、ここではリターディング電圧を可変にしてある。
このリターディング電圧は、例えば前記情報処理装置5又はこれとは別の処理装置に備えさせたリターディング電圧制御部によって、電子線EBのビーム電流や電子線照射装置3の加速電圧に基づき制御される。
ここで、リターディング電圧が試料W及び集光ミラー41に印加されると、図3に示すように、試料W及び集光ミラー41の周囲には電場が生じる。特に、集光ミラー41におけるミラー面41bの裏面41cと、この裏面41cに対向する対向部材との間には、電子線EBを減速させる減速電場が生じる。ここでの対向部材は、電子線照射装置3のレンズ機構を構成する鏡筒33や対物レンズLであり、ここでは接地されている。より具体的には、対物レンズLは、例えば所定の電流が印加されるコイル(不図示)や、このコイルを収容するヨーク(不図示)等を有するものであり、ここではヨークの下端面と集光ミラー41の裏面41cとの間に減速電場を生じさせている。なお、対物レンズLとしては、静電レンズ型のものであっても良い。
図3に示す構成において、試料W及び集光ミラー41の周囲に生じる電場は、その一部が集光ミラー41の裏面41c側からミラー面41b側に回り込んでミラー面41bに沿うように歪む(図3における一点鎖線で囲む部分)。その結果、この歪んだ電場が集光ミラー41の電子線通過孔41aを通過した電子に力を及ぼし、試料Wに向かう電子線EBの軌道が曲がられて電子顕微鏡で得られる画像が歪んでしまう。
そこで本実施形態の試料分析装置100は、図1、図2及び図4に示すように、照射部3及び集光ミラー41の間に設けられた静電レンズ7と、この静電レンズ7にリターディング電圧とは別の減速電圧を減速電圧印加部8とをさらに備えている。なお、ここでは減速電圧を可変にしてある。
かかる構成により、電子線EBのエネルギー、すなわちビーム電流の大きさは、電子線照射装置3における加速電圧とリターディング電圧と減速電圧とに応じて決まり、リターディング電圧や減速電圧を変えることにより、試料Wに照射される電子線EBのビーム電流を変えることができる。
静電レンズ7は、通過する電子線EBに対して静電レンズとしての機能を発揮するものであり、電子線EBが通過する電子線通過孔7hを有する1又は複数の電極(不図示)から構成されている。ここでは、静電レンズ7の中心軸と対物レンズLの中心軸とが同軸上に位置するように、各レンズが配置されており、より具体的には、静電レンズ7に形成された電子線通過孔7hの中心軸と対物レンズLを構成するコイルの中心軸とが同軸上に配置されている。
減速電圧印加部8は、静電レンズ7を構成する1又は複数の電極に所定の減速電圧を印加するものである。ここでの減速電圧は、対物レンズLと集光ミラー41との間に生じる減速電場が、主として対物レンズLと静電レンズ7との間に生じる大きさに設定されている。つまり、対物レンズLと静電レンズ7との間における減速電場の勾配が、静電レンズ7と集光ミラー41との間における減速電場の勾配よりも大きくなるように、言い換えれば対物レンズLと静電レンズ7との電位差が、静電レンズ7と集光ミラー41との電位差よりも大きくなるように、減速電圧が設定されている。これにより、電子線EBを減速させながら集光させることができる。
ここで、試料Wや集光ミラー41にリターディング電圧を印加するとともに、静電レンズ7に減速電圧を印加した場合に生じる電場をシミュレーションした結果を図4に示す。なお、対物レンズは接地されているものとし、計算条件は、電子線EBのエネルギーは-2.0V、リターディング電圧は-1.0V、減速電圧は-1.5Vである。
このシミュレーション結果から分かるように、静電レンズ7に減速電圧を印加することで、集光ミラー41の裏面41c側からミラー面41b側に回り込む電場が抑制されていることが分かる。これにより、電子線EBが試料Wに向かって可及的に曲がることなく進むようになる。
このように、本実施形態の静電レンズ7は、電場が集光ミラー41裏面41c側からミラー面41b側に回り込むことを抑制する回り込み抑制機能を備えている。
なお、静電レンズ7としては、裏面41c側からミラー面41b側への電場の回り込みを完全に抑制する必要はなく、試料分析装置100が組み込まれた電子顕微鏡により得られる画像が、実質的に歪みがない程度に抑制できるものであれば良い。
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態に係る試料分析装置100によれば、減速電場を対物レンズL及び集光ミラー41の間、つまり集光ミラー41の裏面41c側に生じさせるので、集光ミラー41と試料Wとの間に部材を設けずとも、減速電場が集光ミラー41のミラー面41bに沿って歪んでしまうことを抑えることができる。
その結果、試料Wにリターディング電圧を印加することで、電子線を減速させて試料に照射させることが可能であり、しかもカソードルミネッセンスの検出効率を低下させることを防ぐことができる。
さらに、対物レンズLと集光ミラー41との間に静電レンズ7を設けて、この静電レンズ7に減速電圧を印加することで、減速電場を主として静電レンズ7と対物レンズLとの間に生じさせているので、減速電場が集光ミラー41のミラー面41b側に回り込んでしまうことをより確実に抑えることができる。
また、試料W及び集光ミラー41に同じ大きさのリターディング電圧を印加するので、これらの間では電位勾配が生じず、電子に電磁気的な力が作用しないことから、電子線をその軌道EBを曲げることなく試料Wに導くことができ、画像の歪みを防ぐことができる。
加えて、静電レンズ7の中心軸と対物レンズLの中心軸とを同軸上に設けてあるので、電子線EBをその軌道を曲げることなく、例えば集光させながら試料Wに導くことができる。
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、試料及び集光ミラーには必ずしもリターディング電圧を必要はなく、例えば試料及び集光ミラーを接地しても良い。
また、図3に示す構成において、画像の歪みが許容範囲内であれば、対物レンズL及び集光ミラー41の間に静電レンズ7を設ける必要はない。
さらに、前記実施形態では、静電レンズに印加する減速電圧(-1.5V)が、試料Wや集光ミラー41に印加するリターディング電圧(-1.0V)よりも小さい場合について説明したが、減速電圧は、リターディング電圧よりも大きくても良いし、同じ大きさであっても良い。
加えて、試料分析装置100としては、静電レンズ7を中心軸に沿って移動させる位置調整機構を備えていても良い。これにより、例えば静電レンズ7と対物レンズLとの離間距離を、例えばこれらの間で放電が起こらない程度に設定したり、対物レンズLと集光ミラー41との間に生じる電側電場が、主として対物レンズLと静電レンズ7との間に生じるように設定したりすることができる。
さらに加えて、試料分析装置100としては必ずしも静電レンズ7を用いる必要はなく、集光ミラー41の裏面41c側からミラー面41b側に回り込む電場を抑えるべく、図5に示すように、集光ミラー41の裏面41c側に板状部材91を設けても良い。この板状部材91は、集光ミラー41の裏面41cと平行であることが好ましく、ここでは集光ミラー41の裏面41cと連続的且つ一体的に設けられている。ただし、板状部材91は、集光ミラー41cの裏面41cと不連続であっても良いし、集光ミラー41と別体であっても良い。
このような構成であれば、同図5のシミュレーション結果に示すように、集光ミラー41と対物レンズLとの間に生じる電場のミラー面41b側への回り込みを抑えることができる。
なお、図5に示す構成においては、集光ミラー41cにリターディング電圧を印加すること生じる電場が板状部材91に引き寄せられる恐れがある。そこで、同図5に示すように、板状部材91よりも試料W側に配置されて板状部材91と対向する第2の板状部材92を設けても良い。これならば、リターディング電圧によって生じる電場が板状部材91に引き寄せられることを防ぐことができる。
また、本発明に係る試料分析装置としては、荷電粒子が照射された試料から出る光を検出して前記試料を分析するものであって、荷電粒子を前記試料に照射する照射部と、前記照射部と前記試料との間に設けられるとともに、前記試料から出る光を集光する集光ミラーと、前記荷電粒子を減速させるリターディング電圧を、前記試料又は前記試料が載置される試料台に印加するリターディング電圧印加部と、前記集光ミラーのミラー面よりも前記試料側において、前記荷電粒子の照射を妨げることなく前記試料に対向配置された板状部材とを具備するものであっても良い。
このような構成であっても、カソードルミネッセンスの検出効率を低下させることなく、リターディング電圧によって生じる試料と集光ミラーとの間の電場の歪みを板状部材によって抑えることができる。
具体的には、図6に示すように、試料Wと集光ミラー41との間に平板状の板状部材93を設ける態様が挙げられる。具体的に板状部材93は、試料Wと平行に配置されており、ここでは集光ミラー41のミラー面41bより下方において、ミラー面41bの反射方向側に設けられている。この板状部材93は、試料Wから生じて集光ミラー41のミラー面41bに向かうカソードルミネッセンスを遮らない位置に設けられており、試料Wとの間でリターディング電圧による電場を生じさせるものである。なお、板状部材93の配置は、カソードルミネッセンスの検出効率を担保できる程度であれば、ミラー面41bに向かうカソードルミネッセンスの一部を遮っていても構わない。
この板状部材93における集光ミラー41側の端部93aには、図7に示すように、例えば半円状や部分円弧状の切欠きが設けられている。また、この端部93aにおける試料W側の面には、試料W側に向かって末広がりなテーパ93bが設けられている。
図6には、上記構成において、試料Wや試料台にリターディング電圧を印加した場合に生じる電場をシミュレーションした結果を示してある。なお、計算条件は、電子線EBのエネルギーは-2.0V、リターディング電圧は-1.0V、集光ミラー41の電圧は0V、板状部材91の電圧は0Vである。このシミュレーション結果から、電子線EBの軌道に影響を与える電場の歪みが板状部材93によって抑制されていることが分かる。
さらに板状部材93としては、図8に示すように、集光ミラー41のミラー面41bに向かうカソードルミネッセンスを通過させる貫通孔93hが設けられたものであっても良い。
このような構成であれば、同図8に示すシミュレーション結果から分かるように、電場の歪みをさらに抑制することができ、電子線の曲がりをより確実に抑えることができる。
なお、図6~図8における構成において、板状部材93は、集光ミラー41と一体であっても良いし、別体であっても良い。
さらに加えて、検出装置4としては、例えば深紫外光のように空気に吸収される波長域の光を検出する場合、図9に示すように、光の通過領域を窒素ガスで満たすようにしても良い。具体的にこの検出装置4は、集光ミラー41で集光したカソードルミネッセンスを透過させるレンズ等の透過窓45が設けられた外筒46と、外筒46の内部に設けられた内筒47とを有する二重管構造のものである。そして、透過窓45と内筒47の開口47hとが離間して配置されている。この構成により、外筒46と内筒47との間に流入させた窒素ガスを、透過窓45と内筒47の開口47hとの間の隙間から、光の通過領域となる内筒47の内部空間に流入させることができる。なお、内筒47の内部空間は必ずしも窒素ガスで満たす必要はなく、減圧して真空状態にしても良い。
その上、前記実施形態ではエネルギー線として電子線を照射するものをであったが、その他、例えばX線、イオンビーム等を照射するものであっても良い。
加えて、前記実施形態ではカソードルミネッセンスを測定するものであったが、その他、例えばフォトルミネッセンス、ラマン光等を測定するものであっても良い。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
100・・・試料分析装置
2 ・・・真空チャンバ
3 ・・・電子線照射装置(照射部)
W ・・・試料
41 ・・・集光ミラー
6 ・・・リターディング電圧印加部
7 ・・・静電レンズ
8 ・・・減速電圧印加部

Claims (6)

  1. 荷電粒子が照射された試料から出る光を検出して前記試料を分析する試料分析装置であって、
    荷電粒子を前記試料に照射する照射部と、
    前記照射部と前記試料との間に設けられるとともに、前記試料から出る光を集光する集光ミラーとを具備し、
    前記照射部及び前記集光ミラーの間に前記荷電粒子を減速させる減速電場が生じるように構成されており、
    前記荷電粒子を減速させる同じ大きさのリターディング電圧を、前記試料又は前記試料が載置される試料台と、前記集光ミラーとに印加するリターディング電圧印加部を具備する、試料分析装置。
  2. 前記照射部及び前記集光ミラーの間に設けられた静電レンズと、
    前記荷電粒子を減速させる減速電圧を前記静電レンズに印加する減速電圧印加部とを具備する、請求項1記載の試料分析装置。
  3. 前記照射部が、前記荷電粒子が通過する対物レンズを有し、
    前記静電レンズが、前記対物レンズと前記集光ミラーとの間に設けられており、前記対物レンズの中心軸と前記静電レンズの中心軸とが同軸上である、請求項記載の試料分析装置。
  4. 請求項1乃至記載うち何れか一項に記載の試料分析装置を備えた電子顕微鏡。
  5. 試料に荷電粒子を照射する照射部を具備し、前記荷電粒子が照射された前記試料から出る光を検出して前記試料を分析する試料分析装置に用いられる集光ミラーユニットであって、
    前記照射部と前記試料との間に設けられるとともに、前記試料から出る光を集光する集光ミラーと、
    前記荷電粒子を減速させる同じ大きさのリターディング電圧を、前記試料又は前記試料が載置される試料台、及び、前記集光ミラーに印加するリターディング電圧印加部とを備える、集光ミラーユニット。
  6. 前記照射部及び前記集光ミラーの間に設けられて、前記荷電粒子が通過する静電レンズと、
    前記荷電粒子を減速させる減速電圧を前記静電レンズに印加する減速電圧印加部とをさらに備える、請求項記載の集光ミラーユニット。
JP2018132206A 2018-07-12 2018-07-12 試料分析装置、電子顕微鏡、及び集光ミラーユニット Active JP7072457B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018132206A JP7072457B2 (ja) 2018-07-12 2018-07-12 試料分析装置、電子顕微鏡、及び集光ミラーユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018132206A JP7072457B2 (ja) 2018-07-12 2018-07-12 試料分析装置、電子顕微鏡、及び集光ミラーユニット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020008516A JP2020008516A (ja) 2020-01-16
JP7072457B2 true JP7072457B2 (ja) 2022-05-20

Family

ID=69151557

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018132206A Active JP7072457B2 (ja) 2018-07-12 2018-07-12 試料分析装置、電子顕微鏡、及び集光ミラーユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7072457B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003157789A (ja) 2001-11-20 2003-05-30 Hitachi High-Technologies Corp 走査電子顕微鏡等のカソードルミネッセンス検出装置
JP2004234993A (ja) 2003-01-30 2004-08-19 Shimadzu Corp 走査電子顕微鏡
JP2015106565A (ja) 2013-12-02 2015-06-08 エフ イー アイ カンパニFei Company 電子検出が改善された荷電粒子顕微鏡
JP2016200560A (ja) 2015-04-14 2016-12-01 三菱電機株式会社 カソードルミネッセンス測定装置、エネルギー調整部材、及びカソードルミネッセンス測定方法
WO2017131132A1 (ja) 2016-01-28 2017-08-03 株式会社堀場製作所 試料分析装置及び試料分析装置用集光ミラーユニット
WO2018025849A1 (ja) 2016-08-02 2018-02-08 松定プレシジョン株式会社 荷電粒子線装置及び走査電子顕微鏡

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1956632A1 (en) * 2007-02-14 2008-08-13 FEI Company Particle-optical apparatus for simultaneous observing a sample with particles and photons

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003157789A (ja) 2001-11-20 2003-05-30 Hitachi High-Technologies Corp 走査電子顕微鏡等のカソードルミネッセンス検出装置
JP2004234993A (ja) 2003-01-30 2004-08-19 Shimadzu Corp 走査電子顕微鏡
JP2015106565A (ja) 2013-12-02 2015-06-08 エフ イー アイ カンパニFei Company 電子検出が改善された荷電粒子顕微鏡
JP2016200560A (ja) 2015-04-14 2016-12-01 三菱電機株式会社 カソードルミネッセンス測定装置、エネルギー調整部材、及びカソードルミネッセンス測定方法
WO2017131132A1 (ja) 2016-01-28 2017-08-03 株式会社堀場製作所 試料分析装置及び試料分析装置用集光ミラーユニット
WO2018025849A1 (ja) 2016-08-02 2018-02-08 松定プレシジョン株式会社 荷電粒子線装置及び走査電子顕微鏡

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020008516A (ja) 2020-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101988189B1 (ko) 하전 입자선 장치 및 주사 전자 현미경
US11087955B2 (en) System combination of a particle beam system and a light-optical system with collinear beam guidance, and use of the system combination
JP4616938B2 (ja) 環境走査電子顕微鏡および検出器
US9666405B1 (en) System for imaging a signal charged particle beam, method for imaging a signal charged particle beam, and charged particle beam device
US7508907B2 (en) X-ray analysis apparatus
JP2008192617A (ja) 粒子と光子で同時に試料を観察する粒子光学装置
WO2013129125A1 (ja) 走査電子顕微鏡
JP2004513477A (ja) 静電対物に調整可能な最終電極を設けたsem
TW201707038A (zh) 用於以具有經濾波能量擴展之電子束來成像樣本之系統與方法
JP7072457B2 (ja) 試料分析装置、電子顕微鏡、及び集光ミラーユニット
JP7294971B2 (ja) 走査型電子顕微鏡および走査型電子顕微鏡の2次電子検出方法
JP5934513B2 (ja) 透過電子顕微鏡
EP1155419B1 (en) "x-ray microscope having an x-ray source for soft x-rays
US9543115B2 (en) Electron microscope
JP6754780B2 (ja) 試料分析装置及び試料分析装置用集光ミラーユニット
JP4920539B2 (ja) カソードルミネッセンス測定装置及び電子顕微鏡
JP2002025492A (ja) 静電ミラーを含む荷電粒子ビーム画像化装置用低プロフィル電子検出器を使用して試料を画像化するための方法および装置
JP2006278069A (ja) ウィーンフィルタ型エネルギーアナライザ及び放出電子顕微鏡
WO2018220809A1 (ja) 荷電粒子線装置
JP2021068505A (ja) 電子線装置及び電極
JP5822614B2 (ja) 検査装置
JP2018190731A (ja) 粒子ビームを生成するための粒子源及び粒子光学装置
JP2018152327A (ja) 衝突イオン化源
JP4792074B2 (ja) 基板検査方法および基板検査装置
JP3814968B2 (ja) 検査装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220428

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220510

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7072457

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150