WO2013129125A1 - 走査電子顕微鏡 - Google Patents

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Definitions

  • the magnetic field generator 21 of the monochromator 20 is a deflector for guiding electrons emitted from the sample toward the detector and energy dispersion for generating energy dispersion. Since the device is also used, it is possible to reduce the number of parts arranged in the vacuum chamber, and it is possible to realize high resolution, high energy resolution of detection electrons, and simplification of the structure.

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Abstract

 本発明は、高分解能化とパターンの識別能力向上の両立を実現する走査電子顕微の提供を目的とする。上記目的を達成するために本発明では、電子ビーム(3)をモノクロ化するモノクロメータ(20)を備えた走査電子顕微鏡において、モノクロメータは、電子ビームを偏向する磁場発生器(21)と、磁場発生器により偏向された電子ビームの一部を通過させるエネルギー選択絞り(23)を備え、試料から放出される電子が前記磁場発生器が発生する磁場によって偏向される軌道上に、前記試料から放出された電子の一部を通過させる絞り(27)と、当該絞りを通過した電子を検出する検出器(28,29)を配置した走査電子顕微鏡を提案する。

Description

走査電子顕微鏡
 本発明は、電子源から放出される電子ビームの単色化を実現するモノクロメータ、及び走査電子顕微鏡に係り、特に試料から放出される電子のエネルギー弁別をも可能とするモノクロメータ、及び走査電子顕微鏡に関する。
 走査電子顕微鏡の測定、検査対象の一種である半導体デバイスは、更なる微細化が進み、走査電子顕微鏡には、更なる高分解能化が求められている。特許文献1には、高分解能化を実現するモノクロメータが開示されている。モノクロメータは電子ビームをエネルギー分散させ、特定のエネルギーを持つ電子を選択的に取り出すことにより、ビームの単色化を実現するものである。また、特許文献2には、収差抑制のために多重プリズム連鎖をビームパス中に配置し、当該多重プリズム連鎖の偏向作用を利用して2次電子を電子ビームの軌道から分離して検出する走査電子顕微鏡が開示されている。
特開2007-184139号公報(対応米国特許USP 7,612,336) 特開平9-270241号公報
 一方、半導体デバイスは微細化と共に、高アスペクト化が進みつつある。例えば、コンタクトホールはより深くなり、アスペクト比が30以上のものも見られるようになってきた。また、更なる多層化とあいまって、コンタクトホール内に複数の材料が併存するパターンが見られるようになり、電子顕微鏡には、これら異なる材料で形成されたパターンを識別して測定する能力が求められるようになってきた。即ち、最新の半導体デバイスを測定、検査する装置には、高分解能化とパターンの組成の識別能力の両方が求められることになる。一方、特許文献1、2には、単色化等により収差を抑制し、高分解能化を実現する手法が開示されているものの、異なる組成のパターンを識別して測定することについての開示がない。
 以下に、高分解能化とパターンの識別能力向上の両立を実現することを目的とする走査電子顕微鏡について説明する。
 上記目的を達成するための一態様として、電子源と、当該電子源から放出された電子ビームをモノクロ化するモノクロメータを備えた走査電子顕微鏡において、前記モノクロメータは、前記電子ビームを偏向する磁場発生器と、当該磁場発生器により偏向された電子ビームの一部を通過させるエネルギー選択絞りを備え、当該モノクロメータを通過した電子ビームが試料に照射されたときに、試料から放出される電子が前記磁場発生器が発生する磁場によって偏向される軌道上に、前記試料から放出された電子の一部を通過させる絞りと、当該絞りを通過した電子を検出する検出器を配置した走査電子顕微鏡を提案する。
 上記構成によれば、高分解能化とパターンの識別能力の向上の両立が可能となる。
モノクロメータを備えた走査電子顕微鏡の一例を示す図。 モノクロメータの磁場発生器により、試料から放出された電子の軌道が分散する例を示す図。 モノクロメータの使用時と使用しない時の電子ビーム開き角(焦点深度)と分解能の関係を示す図。
 走査電子顕微鏡(SEM:Scannig Electron Microscope)で分解能および組成コントラスト敏感性が非常に高い組成像を形成させるには、数keV以下の低加速エネルギーの電子ビームを使用し、試料の組成情報を持つ反射電子/後方散乱電子(BSE:backscattered electron)の放出領域をできるだけ小さくし、試料に入射する電子ビーム(一次電子ビーム)に対して概ね15°の立体角の中のBSE等を検出する必要がある。また、高アスペクト構造の試料を観察する場合、試料の底面から放出された電子の一部は試料の側壁に衝突し検出することができないため、一次電子ビームの光軸から数°の立体角内の電子を効率よく検出し、走査電子顕微鏡像(SEM像)として観察する必要がある。加えて、pn接合のように試料上に微小な電位差がある場合、試料から放出された電子のエネルギーは異なるため、このエネルギーを弁別することができれば、電位の領域の確定を行えることができる。
 低加速SEMの分解能を向上させる方法としては、色収差によるボケが生じ十分に小さなスポット径が得られないという問題を解決し、一次電子ビームに対して、所望のエネルギー範囲のみを選択的に通過させるモノクロメータを備えた走査電子顕微鏡がある。
 一方、上述のようにパターンの識別能力を高めるためには、組成コントラストの高い画像を形成する必要がある。試料から放出される電子は、試料の組成に応じて放出エネルギーが変化する場合があるため、エネルギー弁別を行い、特定のエネルギーを持つ電子を選択的に検出することによって、組成コントラストを高めることができる。
 このようなエネルギー弁別を行う手段として、エネルギーフィルタがある。エネルギーフィルタは例えば光軸方向に複数重ねられたメッシュ電極から構成され、試料から放出される電子に対して逆電界を形成することによって、エネルギーの弱い電子を追い返し、エネルギーの強い電子を選択的に検出するものである。しかしながら、弱い電子を遮断することはできるものの、逆に弱い側の電子を選択的に検出する、或いは特定範囲のエネルギー幅の電子を選択することができない。
 例えばコンタクトホール内にA,B,Cの3つの材料からなるパターンが形成され、これらの材料から放出される電子のエネルギーが、「A>B>C」の関係にあるとき、エネルギーフィルタはエネルギーの強い電子を選択的に通過させるためのものであるため、Aから放出された電子だけ、或いはA及びBから放出された電子だけ、を選択的に検出することはできるものの、Cから放出された電子だけ、或いはB及びCから放出された電子だけを選択的に検出することはできない。高アスペクト化、多層化の進む最新の半導体デバイスを測定する装置としては、これら相対的に弱いエネルギーを持つ電子をも選択的に検出できることが望ましい。
 以下に説明する実施例では、モノクロメータを備えた走査電子顕微鏡において、メッシュ電極等を設けることなく、比較的簡単な構成で高精度な組成コントラスト像を形成することができる走査電子顕微鏡について説明する。
 また、一次電子ビームの光軸から数°の立体角から放出された電子の選択検出と、エネルギー弁別の両立を実現することにより、高アスペクト構造の試料に含まれる複数材料からなるパターンの測定を可能とする走査電子顕微鏡について説明する。
 本実施例では、特にモノクロ化による高分解能化と試料から放出された特定の立体角の電子を検出し、且つエネルギー弁別機能により、高アスペクト構造試料の底面のSEM像のコントラスト改善、微小電位差の確定を行う走査電子顕微鏡について説明する。より具体的には、電子ビームのエネルギーを単色化するモノクロメータと試料から放出された特定の立体角の電子を検出し、且つエネルギーを弁別する機能を備え合わせた走査電子顕微鏡について説明する。
 また、本実施例では、必要部品点数の削減のために、モノクロメータ内に配置された一次電子ビームを電場発生器へ偏向させるための磁場発生器を、試料から放出された電子の偏向にも使用し、一次電子ビームと反対方向に偏向された電子をエネルギー弁別し、シンチレータと光電子増倍管といった検出器により検出してSEM像とする構成とする。
 本実施例のモノクロメータを備えた走査電子顕微鏡の動作について、図1を用いて説明する。電子源1とアノード電極2との間に引出電圧を印加すると、電子源1から一次電子ビーム3が直線光軸に沿って放出される。一次電子ビーム3は数十mradまで広がった一次電子ビーム3aを持っており、第1集束レンズ4、第1非点補正レンズ5により、モノクロメータの対称面24との交点に非点補正された電子源1の実像を点集束させる。
 その後、電子源1から放出された一次電子ビーム3をエネルギー選択絞り23まで偏向する前段偏向系の磁場発生器21により約160度偏向され、第一電場発生器22aで反対方向に同一角だけ偏向される。この偏向により、もとの直線光軸と平行な方向に方向付けられ、エネルギー分散面に配置したエネルギー選択絞り23の位置でx方向にエネルギー分散され、y方向に集束される。その後、エネルギー選択絞り23を含む面に対して対称な位置に設置され、電子ビームの直線光軸に、一次電子ビーム3を戻すように偏向する後段偏向系の第2電場発生器22bと、磁場発生器21によって対称面の軌道を描いて点集束するとともに、前段偏向系で生じたエネルギー分散を相殺して非分散の虚像を形成する。この単色化(モノクロ化)された電子源1の虚像を第2集束レンズ8で結像したあと、さらに対物レンズ10で縮小して、試料11の表面に微小なクロスオーバを形成する。この時、一次電子ビーム3の開き角あるいは一次電子ビーム電流量は、モノクロメータ20と対物レンズ10の間に設置した絞り6で制限される。さらにこの一次電子ビーム3は静電場による2段の偏向器9によって試料上を二次元走査される。
 試料より放出された電子12(二次電子及び/又は反射電子)は対物レンズ10のレンズ作用を受けながら上昇する。放出された電子を更に検出器側へ引き上げることができるように、正の電場を印加できる加速電極17が設けてある。また、試料11には、正負の電圧を試料に印加できる機能をもつ。正の電圧を印加したときは、試料から放出された電子を試料へ引き戻すことができるため、特定のエネルギーを持つ電子のみを検出器側へ導くことができる。反対に、負の電圧を印加したときは、電子は更に加速されて、検出器側へ引き上げることができる。加速電極17の印加電圧、試料11の印加電圧は、検出対象の電子のエネルギー毎に、電子顕微鏡制御装置30内の光学系制御装置31により、制御される。
 モノクロメータを使用しない場合の試料観察、あるいはモノクロメータの動作条件の自動調整を行うときは、正の高電圧を印加したシンチレータ15に衝突して光を発し、光電子増倍管16によって電気信号に変換され増幅した後、走査電子顕微鏡像(SEM像)として観察できる。図1では、上昇した電子12aを変換電極13に衝突させ、新たな二次電子14を発生させ、この電子を検出しているが、直接検出しても良い。この変換電極13或いは検出器は、磁場発生器21と、試料11との間に配置され、一次電子ビーム3の光軸を中心として、所定の放射角度より広い角度範囲の電子の通過を制限する絞り(第2の絞り)として機能する。例えばコンタクトホールを測定する場合、ホール底から放出される電子は、広角度範囲よりも狭い角度範囲で放出される電子の方が相対的に多くなるので、広い角度に放出される電子の通過を制限することによって、検出器29(第1の検出器)にて検出される電子は、ホール底の情報が強調されたものとなる。
 モノクロメータの後段に配置された光電子増倍管29を使用してSEM像を形成させる場合は、試料11から放出された電子12bを補助偏向器19により、一次電子ビームと同じ軌道で戻した後、モノクロメータ20内に設けた磁場発生器21により、一次電子ビームと逆方向に偏向させる。
 放出された電子12bは、一次電子ビームの直線光軸に対してある立体角で放出されるため、変換電極13の一次電子ビームを通過させる孔および絞り6を通過できるように、電子集束レンズ18により、電子の集束を調整することができる。
 偏向された電子12bは、モノクロメータ20とシンチレータ28の間に設けたXYの2次元走査可能な補助偏向器25と制限絞り27(第1の絞り)を通過した後、正の高電圧を印加したシンチレータ28に衝突して光を発し、光電子増倍管29によって電気信号に変換され増幅した後、走査電子顕微鏡像(SEM像)として観察できる。この補助偏向器25は制限絞り27の軸に対して軸調整が可能であり、制限絞り27の径を調整することで、光軸からある所望の立体角内で放射された電子のみを検出してSEM像として観察することができる。
 また、磁場発生器21により、偏向されることでエネルギー分散が生じることを利用して、補助偏向器25と制限絞り27の間にエネルギー感応アナライザー26を配置し、電子エネルギー損失分光法(EELS、Electron Energy-Loss Spectroscopy)等のエネルギー弁別を行うことができる。また、所望のエネルギーの電子を選択的に検出するために、磁場発生器21と絞り27との間に配置された補助偏向器25を用いて、偏向された電子12bを制限絞り27で走査し、所定のエネルギー単位での画像を形成するようにしても良い。即ち上述の材料A、材料B、材料Cの単位で電子を検出し、それぞれの画像を作成するようにしても良い。更に、上記走査を行うことによって、特定のエネルギーの電子の検出量が所定のしきい値を超えるか否か判定するような演算装置を備えるようにしても良い。例えば、ホール底にレジストの残渣が残っており、このレジストから放出される電子のエネルギーが分かっている場合には、そのエネルギーの電子が検出されるか否か、或いはそのエネルギーの電子を検出したときに、レジスト残渣のイメージが形成されるか否かによって、残渣の有無を知らせるようなプログラムを、図示しない演算装置のメモリに記憶しておくようにしても良い。
 また、演算装置は、検出器16と検出器29の出力を合成して合成画像を形成する演算を実行する。例えば、検出器29にて検出される電子に基づいて形成される画像は例えばホール底の特定の組成情報が強く反映された画像であり、検出器16にて検出される電子に基づく画像は、ホールの表面情報が強い画像である。よって、ホール底を観察したい場合には、ホール表面の情報は不要であるため、ホール表面の情報を相殺するような画像処理を行うことによって、ホール底の情報をより強調することが可能となる。
 また、本実施例装置によれば、材料A、材料B、材料Cの情報をそれぞれ強調した画像を取得することが可能となるので測定や検査目的に応じて、合成比率を変えるようにしても良い。演算器は画像からラインプロファイルを形成して、そのピーク間の寸法を測定する機能を備えているため、例えば材料Aと材料Cとの間の寸法を測定したい場合、これらの情報の比率を高め、相対的に他の情報の比率を低下させて画像合成を行うようにすれば、材料Aと材料Cのピーク高さを強調でき、結果として測定精度を向上することが可能となる。
 磁場発生器21のヨーク端およびアナライザー26に集束機能を設け、偏向された電子12bを集束させる機能も有する。磁場発生器21のヨーク端面の形状は電子の入出射軸と垂直面とし、寄与収差の発生を抑止する構造とする。
 以上により、モノクロメータによって高分解能化された状態で、エネルギー感応アナライザー26と制限絞り27の組み合わせにより、試料から放出された電子の内、所望の立体角内の電子によるSEM像の観察に加えて、そのエネルギーの弁別を行うことが可能となる。また、制限絞り27を可動式にして所望のエネルギーの電子を選択的に検出するようにしても良い。
 更に、図1に例示する構成によれば、モノクロメータ20の磁場発生器21を試料から放出される電子を検出器方向に導くための偏向器とすると共に、エネルギー分散を発生するためのエネルギー分散器をも兼用させているため、真空室内に配置する部品点数を減らすことができ、高分解能化、検出電子の高エネルギー分解能化、及び構造の簡素化を併せて実現することが可能となる。
 試料から放出された電子12bのエネルギーと試料11に印加した電圧によって、磁場発生器21での偏向角が変わった場合は、補助偏向器25から光電子増倍管29までが偏向角に応じて可動するか、磁場発生器21のヨーク端に対して複数配置して、偏向角毎にSEM像として観察することができる。図2はモノクロメータの対称面の延長上に1つとその上下に2つの計3つを配置した例であるが、これに限らず、更に左右(紙面垂直方向)に2つ配置して、計5つとしてもよい。また、1つもしくは複数のCCD等を用いて検出してもよい。
 所望の立体角から放出された電子によるSEM像は、光電子増倍管16と光電子増倍管28でのSEM像から、画像処理を使用して観察することもできる。
 具体的には、変換電極13に一次電子ビーム3を通過させる孔を設け、試料から放出された電子のうち、直線光軸からある立体角を越えた角度の電子12aについては、変換電極13に衝突させ、光電子増倍管16を使用して、SEM像を形成させる。一方、光電子増倍管29では、試料から放出された全ての角度の電子13bによりSEM像を形成させる。この光電子増倍管29のSEM像から光電子増倍管16のSEM像の情報を画像処理により取り除くことで、直線光軸からある立体角までの試料の情報のみを得ることができる。直線光軸からの立体角は、変換電極13の一次電子ビームを通過させる孔の大きさを変えることで、任意に調整することができる。
 図3は、モノクロメータを使用しない場合と使用した場合での一次電子ビームの試料に入射する開き角(焦点深度)と分解能の関係である。モノクロメータを使用しない時の光電子増倍管16(第2の検出器)によるSEM像と、モノクロメータを使用するが、分解能がモノクロメータを使用しない時と同じになるように開き角を調整した時の光電子増倍管28によるSEM像を比較することで、焦点深度の違いによる差を示すこともできる。開き角の調整は、絞り6の孔径を変えるか、第2集束レンズの集束条件を変えることで可能である。このときの倍率が変化しないように、光学系制御装置31により調整される。
 低加速SEMについて延べたが、高加速SEMについても同様のことを行うことができ、光学系やモノクロメータの条件は電子顕微鏡制御装置30により調整される。
 以上、モノクロメータを備えた走査電子顕微鏡について、具体的な実施の形態を示して説明したが、これらに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上記各実施形態又は他の実施形態にかかる発明の構成及び機能に様々な変更・改良を加えることが可能である。
1 電子源
2 アノード電極
3 一次電子ビーム
3a 広がった一次電子ビーム
4 第1集束レンズ
5 第1非点補正レンズ
6 絞り
7 第2集束レンズ
8 第2非点補正レンズ
9 走査偏向器
10 対物レンズ
11 試料
12a、12b、12c、12d 放出された電子
13 変換電極
14 変換電極で発生した電子
15、28 シンチレータ
16、29 光電子増倍管
17 加速電極
18 電子集束レンズ
19、25 補助偏向器
20 モノクロメータ
21 磁場発生器
22a 第1電場発生器
22b 第2電場発生器
23 エネルギー選択絞り
24 対称面
26 エネルギー感応アナライザー
27 制限絞り
30 電子顕微鏡制御装置
31 光学系制御装置
32 モノクロメータ制御装置

Claims (8)

  1.  電子源と、当該電子源から放出された電子ビームをモノクロ化するモノクロメータを備えた走査電子顕微鏡において、
     前記モノクロメータは、前記電子ビームを偏向する磁場発生器と、当該磁場発生器により偏向された電子ビームの一部を通過させるエネルギー選択絞りを備え、
     当該モノクロメータを通過した電子ビームが試料に照射されたときに、試料から放出される電子が、前記磁場発生器が発生する磁場によって偏向される軌道上に、前記試料から放出された電子の一部を通過させる第1の絞りと、当該第1の絞りを通過した電子を検出する第1の検出器を配置することを特徴とする走査電子顕微鏡。
  2.  請求項1において、
     前記磁場発生器と第1の絞りとの間に、当該磁場発生器を通過した電子を偏向する偏向器を配置したことを特徴とする走査電子顕微鏡。
  3.  請求項1において、
     前記磁場発生器と、前記試料との間に、前記試料から放出される電子の内、前記電子ビームの光軸を中心として、所定の放射角度より広い角度範囲の電子の通過を制限する第2の絞りを備えたことを特徴とする走査電子顕微鏡。
  4.  請求項3において、
     前記第2の絞りは、前記試料から放出される電子の衝突によって電子を発生する変換電極であって、当該変換電極から放出される電子を検出する第2の検出器を備えたことを特徴とする走査電子顕微鏡。
  5.  請求項3において、
     前記第2の絞りは第2の検出器であることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  6.  請求項3において、
     前記第2の絞りに衝突した電子、或いは前記第2の絞りに衝突することによって発生する電子を検出する第2の検出器と、前記第1の検出器の出力と前記第2の検出器の出力を合成する演算器を備えたことを特徴とする走査電子顕微鏡。
  7.  請求項1において、
     前記絞りを通過した電子のエネルギーを分析するエネルギー感応アナライザーを設けたことを特徴とする走査電子顕微鏡。
  8.  請求項1において、
     前記試料から放出される電子が、前記磁場発生器が発生する磁場によって偏向される軌道上に、前記試料から放出された電子の一部を通過させる複数の絞りと、当該絞りを通過した電子を検出する複数の検出器を備えたことを特徴とする走査電子顕微鏡。
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