JP7071637B2 - 構造体の製造方法及び構造体を製造するシステム - Google Patents
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好ましくは、前記造形データは、走査パスデータと、太さデータとを有し、前記走査パスデータは、前記ノズルを2次元走査させるときの走査ピッチを定め、前記太さデータは、前記走査パスデータに関連付けられており、且つ、前記ノズルから吐出する前記線状樹脂の太さを定め、前記生成ステップでは、前記圧力分布データに応じて前記走査パスデータ又は前記太さデータを変える、方法が提供される。
好ましくは、前記取得ステップでは、前記対象物の外形データを更に取得し、前記生成ステップでは、前記圧力分布データ及び前記外形データに基づいて、前記造形データを生成する、方法が提供される。
好ましくは、前記造形ステップでは、前記造形データに基づいて前記構造体の柔軟性が変化するように、前記構造体を造形する、方法が提供される。
実施形態に係るシステムは、構造体を製造するシステムであって、取得部と、生成部と、造形部と、を備え、前記造形部は、3次元造形装置を有し、前記3次元造形装置は、線状樹脂を吐出するノズルを有し、前記取得部は、造形する対象物にかかる負荷を示す圧力分布データを取得し、前記生成部は、前記圧力分布データに基づいて前記構造体の造形データを生成し、前記造形部は、前記造形データに基づいて前記ノズルを走査させて前記構造体を造形する、システムが提供される。
好ましくは、前記造形データは、走査パスデータと、太さデータとを有し、前記走査パスデータは、前記ノズルを2次元走査させるときの走査ピッチを定め、前記太さデータは、前記走査パスデータに関連付けられており、且つ、前記ノズルから吐出する前記線状樹脂の太さを定め、前記生成部は、前記圧力分布データに応じて前記走査パスデータ又は前記太さデータを変える、システムが提供される。
好ましくは、前記造形部は、前記造形データに基づいて前記構造体の柔軟性が変化するように、前記構造体を造形する、システムが提供される。
図1に示すように、構造体1は、基材層2と被覆層3とを備える。構造体1としては、看護分野(褥瘡予防サポーター、尖足予防サポーター、子供用シーネなど)、スポーツ用途(シューズのインソールなど)などで用いられるものが挙げられる。構造体1は、軟性材料で形成された被覆層3を設けることによって使用感が高められている。構造体1は、被覆層3を生体(例:人体)に接触させて利用する用途に好適である。実施形態では、構造体1がシューズのインソールである。
基材層2は被覆層3が形成される層であり、基材層2と被覆層3とは密着している。基材層2は例えば発泡体やスポンジ体で構成することができる。基材層2を構成する樹脂材料は特に限定されるものではない。なお、実施形態では、構造体1が基材層2及び被覆層3を備えた形態を一例に説明するがそれに限定されるものではない。構造体1は基材層2を備えていなくてもよい。
被覆層3は、基材層2の少なくとも一部を被覆する。被覆層3は、基材層2を構成する樹脂材料とは異なる樹脂材料で構成されている。図3A及び図3Bに示すように、被覆層3は造形体10から構成されている。なお、実施形態では、被覆層3は造形体10から構成されており、被覆層3は造形体10以外の構成を有していないが、被覆層3は造形体10以外の構成を有してもよい。造形体10は、2種類の線状構造体(後述する線状構造体4、5)が積層されて構成されている。
図2A及び図2Bに示すように、線状構造体4、5が1本の線状樹脂4b、5bによって形成されている。図2Aに示すように線状構造体4を構成する線状樹脂4bは第1方向D1に延びており、図2Bに示すように線状構造体5を構成する線状樹脂5bは第2方向D2に延びている。本実施形態では第1方向D1と第2方向D2とは直交しているが、第1方向D1と第2方向D2とは直交していなくてもよい。また、線状構造体4、5には、複数の溝4a、5aが形成されている。溝4aは第1方向D1に延びており、溝5aは第2方向D2に平行に延びている。すなわち、線状樹脂4bの隣接する一対の直線部4cは間隔があけられており、同様に、線状樹脂5bの隣接する一対の直線部5cには間隔があけられている。
なお、被覆層3の造形体の形状は上述した造形体10に限定されるものではない。被覆層3の造形体は、図4に示す造形体10Bであってもよい。造形体10Bの第1弾性領域Rg1の線状樹脂の配置間隔は造形体10の第1弾性領域Rg1の線状樹脂の配置間隔よりも広くなっている。つまり、造形体10Bの第1弾性領域Rg1の充填率は造形体10の第1弾性領域Rg1の充填率よりも小さくなっている。造形体10Bの第1弾性領域Rg1も、造形体10の第1弾性領域Rg1と同様に、クッション性に富んだ構成となっている。造形体10のように線状樹脂の太さを変えることで造形体の硬さを変えることもできるが、造形体10Bのように線状樹脂の充填率を変えることも、造形体の硬さを変えるができる。
図5Aに示すように、構造体1の製造方法では、3次元造形装置50を用いる。また、構造体1を製造するシステムは、取得部と、生成部と、造形部とを有している。3次元造形装置50は、構造体1を製造するシステムにおける造形部に対応する。3次元造形装置50は、ヘッド11と、ノズル12と、枠体20と、一対の第1ガイド部21と、第2ガイド部22と、テーブル駆動部30と、造形テーブル31とを備えている。ヘッド11には樹脂で構成されている線材14が挿入されている。なお、図5Aでは図示省略しているが、3次元造形装置50は、ヘッド11を第2ガイド部22に沿って動かす第1駆動部と、第2ガイド部22を一対の第2ガイド部22に沿って動かす第2駆動部とを備えている。第1駆動部及び第2駆動部は、図6に示すヘッド駆動部15に対応する。更に、図6に示すように、3次元造形装置50は各種のアクチュエータを制御する制御装置Cntを備えている。
ヘッド11は第2ガイド部22に設けられ、ヘッド11は第1方向D1に移動自在に構成されている。ヘッド11内には、樹脂供給機構11A及びヒーター11B(図6参照)が設けられている。樹脂供給機構11Aはヘッド11に挿入された線材14をノズル12へ送り出す機構であり、樹脂供給機構11Aは、ギア機構11A1(図5B参照)とギア機構を回転させるモーター(図示省略)とから構成することができる。線材14は樹脂供給機構11Aのギア機構に噛み込まれており、このギア機構が回転することで、線材14がノズル12へ送り出される。また、ヒーター11Bはノズル12の上部に配置される。ヒーター11Bが線材14を加熱させることで線材14が軟化し、この軟化した線材14は線状樹脂としてノズル12から吐出される。なお、実施形態では、ギア機構11A1によって線材14をノズル12へ送り出す形態を説明したが、この形態に限定されるものではない。例えば、3次元造形装置50はペレットタイプの樹脂をノズル12へ供給する構成でもよく、具体的には、3次元造形装置50は、ギア機構11A1の代わりに、ペレット状樹脂をノズル12へ供給するスクリューを備えるとともに、当該スクリューを回転させるモーターを備えた構成でもよい。
3次元造形装置50の制御装置Cntは、構造体1を使用する対象物(本実施形態では、人体の足)に係る対象物データを取得する。実施形態において、この取得する対象物データは、圧力分布データと外形データである。圧力分布データは対象物にかかる負荷を示すデータであり、外形データは対象物の表面形状を示すデータである。図6に示すように、制御装置Cntは圧力分布データを圧力計測部Se1から取得する。また、制御装置Cntは外形データを外形スキャン部Se2から取得する。圧力計測部Se1及び外形スキャン部Se2は、3次元造形装置50は、構造体1を製造するシステムにおける取得部に対応する。
実施形態に係る構造体1の製造方法は、取得ステップと、生成ステップと、造形ステップとを備えている。
取得ステップにおいて、制御装置Cntは圧力計測部Se1から圧力分布データを取得するとともに、外形スキャン部Se2から外形データを取得する。なお、実施形態では、制御装置Cntが圧力分布データに加えて外形データを取得する場合について説明するが、制御装置Cntは外形データを取得しなくてもよい。
生成ステップでは、制御装置Cntの演算部U1は、対象物データに基づいて、造形体10、10Bの造形データを生成する。この生成される造形データは、先述したように、走査パスデータと太さデータとを有する。生成ステップでは、演算部U1は、圧力分布データ及び外形データに基づいて、造形体10、10Bの造形データを生成する。ここで、制御装置Cntには、対象物の圧力分布と対象物の外形とに基づいて、ユーザーの足に適したインソール形状を決定することができるプログラムが格納されている。演算部U1は、このプログラムのアルゴリズムに基づいて、造形体10、10Bの造形データを生成する。このプログラムのアルゴリズムは、圧力分布データのうち所定圧力値よりも圧力が高い領域を、第1弾性領域Rg1に設定するものとすることができる。また、このプログラムのアルゴリズムは、圧力分布データの圧力値のばらつきが所定値より小さく、且つ、圧力分布データの圧力値の平均値が所定圧力値よりも低い場合には、造形体全体の線状樹脂の充填率を一定に設定し、且つ、線状樹脂の充填率を低く設定する、ものであってもよい。このように、プログラムのアルゴリズムは、対象物の性質やユーザーの要望等を踏まえて決定することができる。
造形ステップでは、制御装置Cntの動作制御部U2は、造形データに基づいて、ヘッド駆動部15、テーブル駆動部30及び樹脂供給機構11Aを制御する。造形ステップでは、造形テーブル31上に予め製造しておいた基材層2が載置される。なお、基材層2も造形ステップで造形することもできる。この造形ステップでは、生成ステップで生成された造形データに基づいて、構造体1の柔軟性(クッション性)が変化するように、構造体1を造形する。構造体1の柔軟性(クッション性)は、線状樹脂の太さ調整(図3B参照)や線状樹脂のピッチ調整(図4参照)によって、変化させることができる。また、図3Bの構成と図4の構成とは独立しているが、実施形態に係る構造体1は、図3Bの第1弾性領域Rg1の構成と図4の第1弾性領域Rg1の構成の両方を備えていてもよい。
実施形態に係る製造方法及び実施形態に係るシステムは、圧力分布データに基づいて生成された造形データに基づき、構造体を造形する。つまり、実施形態に係る製造方法及び実施形態にかかるシステムでは、造形する対象物にかかる負荷を示す圧力分布を加味して構造体を造形するので、構造体の使用感を高めることができる。
2 :基材層
3 :被覆層
3a :孔
4 :線状構造体
4a :溝
4b :線状樹脂
4c :直線部
5 :線状構造体
5a :溝
5b :線状樹脂
5c :直線部
10 :造形体
10B :造形体
11 :ヘッド
11A :樹脂供給機構
11A1:ギア機構
11B :ヒーター
12 :ノズル
14 :線材
15 :ヘッド駆動部
20 :枠体
21 :第1ガイド部
22 :第2ガイド部
30 :テーブル駆動部
31 :造形テーブル
50 :3次元造形装置
Cnt :制御装置
D1 :第1方向
D2 :第2方向
P1 :座標
P2 :座標
Pt1 :ピッチ
Pt2 :ピッチ
Rg1 :第1弾性領域
Rg2 :第2弾性領域
Se1 :圧力計測部
Se2 :外形スキャン部
U1 :演算部
U2 :動作制御部
U3 :記憶部
Claims (4)
- 3次元造形装置を用いた、線状構造体を有する構造体の製造方法であって、
取得ステップと、生成ステップと、造形ステップと、を備え、
前記3次元造形装置は、線状樹脂を吐出するノズルを有し、
前記取得ステップでは、造形する対象物にかかる負荷を示す圧力分布データを取得し、
前記生成ステップでは、前記圧力分布データに基づいて前記構造体の造形データを生成し、
前記造形ステップでは、前記造形データに基づいて前記ノズルを2次元走査させて前記線状構造体を形成することで前記構造体を造形し、
前記線状構造体は、前記線状樹脂によって形成され、且つ、前記線状構造体には、第1及び第2弾性領域が設けられ、
第1弾性領域を構成する前記線状樹脂は、第2弾性領域を構成する前記線状樹脂よりも細く、
第1弾性領域は、第2弾性領域の内側に配置され、
第1弾性領域の前記線状構造体の前記線状樹脂は、第1ピッチをあけて配置され、
第2弾性領域の前記線状構造体の前記線状樹脂は、第2ピッチをあけて配置されている、方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
前記造形データは、走査パスデータと、太さデータとを有し、
前記走査パスデータは、前記ノズルを2次元走査させるときの走査ピッチを定め、
前記太さデータは、前記走査パスデータに関連付けられており、且つ、前記ノズルから吐出する前記線状樹脂の太さを定め、
前記生成ステップでは、前記圧力分布データに応じて前記走査パスデータ及び前記太さデータを変える、方法。 - 請求項1又は請求項2に記載の方法であって、
前記取得ステップでは、前記対象物の外形データを更に取得し、
前記生成ステップでは、前記圧力分布データ及び前記外形データに基づいて、前記造形データを生成する、方法。 - 請求項1~請求項3の何れか1つに記載の方法であって、
前記造形ステップでは、前記造形データに基づいて前記構造体の柔軟性が変化するように、前記構造体を造形する、方法。
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