JP2019171855A - インソールの設計装置、インソールの設計システム、インソールの設計方法、インソールの製造方法、インソールの設計プログラム、構造体、および、インソール - Google Patents

インソールの設計装置、インソールの設計システム、インソールの設計方法、インソールの製造方法、インソールの設計プログラム、構造体、および、インソール Download PDF

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新悟 清水
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佑樹 近藤
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Abstract

【課題】ユーザ毎に適切なインソールを設計できるインソールの設計装置を実現する。【解決手段】インソールの設計装置を、接地状態にあるユーザの足が第一状態から第二状態へと状態遷移する際の足の舟状骨の変位に関する情報を受け取る変位情報取得部と、上記状態遷移の際にユーザの足から接地面へと加わる荷重に関する情報を受け取る荷重情報取得部と、変位に関する情報および荷重に関する情報に基づいて、インソールの材料に関する情報を含む設計情報を生成する処理部と、設計情報を出力する出力部と、を備えるように構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、インソールの設計装置、インソールの設計システム、インソールの設計方法、インソールの製造方法、インソールの設計プログラム、構造体、および、インソールに関する。
従来から、例えば成人期扁平足に起因する足の疾患(例えばリウマチ足)、足底腱膜炎、足底骨棘、変形性足関節症、外反母趾、強剛母趾、およびモートン神経腫などの症状改善、ならびに、スポーツにおけるパフォーマンスの向上を目的として、インソールが使用されている。
特許文献1には、上述のような足の疾患の予防または症状の緩和を目的として使用されるインソールの構造が開示されている。
また、特許文献2には、歩行時および走行時の足への負担軽減を目的として使用されるインソールが開示されている。このようなインソールは、複数の構造体を積層した積層構造を有する。
また、特許文献3に開示された枕およびマットレスは、ポリウレタン製の構造体を積層した積層構造を有する。
また、特許文献4に開示されたクッションは、網状の骨格構造を有する構造体からなる。
特開2015−211813号公報 特開2014−28323号公報 特開2001−275812号公報 特開平6−340747号公報
大久保衛、島津晃ら、メディカルチェックにおける足アーチ高率測定方法の検討、臨床スポーツ医学、Vol.6、131-135、1989 清水新悟、加藤幸久、扁平足に対するフットプリントとアーチ高率値の信頼性、臨床バイオメカニクス、Vol.30、243-248、2009
ところで、インソールを使用するユーザの足の状態は、ユーザ毎に異なる。このため、インソールは、ユーザ毎に設計されるのが望ましい。しかしながら、特許文献1に開示されたインソールの場合、ユーザ毎に適切な設計を行うことはできない。
本発明の目的は、ユーザ毎に適切なインソールを設計できるインソールの設計装置、インソールの設計システム、インソールの設計方法、インソールの製造方法、インソールの設計プログラム、構造体、および、インソールを提供することである。
本発明に係るインソールの設計装置は、接地状態にあるユーザの足が第一状態から第二状態へと状態遷移する際の足の舟状骨の変位に関する情報を受け取る変位情報取得部と、上記状態遷移の際にユーザの足から接地面へと加わる荷重に関する情報を受け取る荷重情報取得部と、変位に関する情報および荷重に関する情報に基づいて、インソールの材料に関する情報を含む設計情報を生成する処理部と、設計情報を出力する出力部と、を備える。
本発明に係るインソールの設計システムは、接地状態にあるユーザの足が第一状態から第二状態へと状態遷移する際の足の舟状骨の変位に関する情報を測定する変位測定装置と、上記状態遷移の際にユーザの足から接地面へと加わる荷重に関する情報を測定する荷重測定装置と、上述のインソールの設計装置と、を備える。
本発明に係るインソールの設計方法は、接地状態にあるユーザの足が第一状態から第二状態へと状態遷移する際の足の舟状骨の変位に関する情報を受け取るステップと、上記状態遷移の際にユーザの足から接地面へと加わる荷重に関する情報を受け取るステップと、変位に関する情報および荷重に関する情報に基づいて、インソールの材料に関する情報を含む設計情報を生成するステップと、設計情報を出力するステップと、を含む。
本発明に係るインソールの製造方法は、接地状態にあるユーザの足が第一状態から第二状態へと状態遷移する際の足の舟状骨の変位に関する情報を受け取るステップと、上記状態遷移の際にユーザの足から接地面へと加わる荷重に関する情報を受け取るステップと、変位に関する情報および荷重に関する情報に基づいて、インソールの材料に関する情報を含む設計情報を生成するステップと、ネットワークを介して設計情報を成形装置に出力するステップと、設計情報に基づいて成形装置によりインソールを成形するステップと、を含む。
本発明に係るインソールの設計プログラムは、コンピュータに、接地状態にあるユーザの足が第一状態から第二状態へと状態遷移する際の足の舟状骨の変位に関する情報を受け取るステップと、上記状態遷移の際にユーザの足から接地面へと加わる荷重に関する情報を受け取るステップと、荷重に関する情報および変位に関する情報に基づいて、インソールの材料に関する情報を含む設計情報を生成するステップと、設計情報を出力するステップと、を実行させる。
本発明に係る構造体は、弾性を有する構造体であって、隔壁、および隔壁により形成された複数のセルを有する骨格体と、複数のセルに配置された内側部材と、を備える。
本発明に係るインソールは、上述の構造体からなる。
本発明によれば、ユーザ毎に適切なインソールを設計できるインソールの設計装置、インソールの設計システム、インソールの設計方法、インソールの製造方法、インソールの設計プログラム、構造体、および、インソールを提供できる。
図1は、実施形態1に係るインソールの設計システムのブロック図である。 図2は、変位測定装置および荷重測定装置の測定時におけるユーザの足の第一状態を示す模式図である。 図3は、変位測定装置の第一撮像装置を説明するための模式図である。 図4は、ユーザの幅方向における内側からユーザの左足を見た状態の側面図である。 図5は、足のアーチを説明するための図である。 図6は、上側から見た足を示す図である。 図7は、裏側から見た足を示す図である。 図8Aは、靴の寸法を説明するための平面図である。 図8Bは、女性用の靴の寸法を説明するための図である。 図8Cは、女性用の靴の寸法を説明するための図である。 図8Dは、女性用の靴の寸法を説明するための図である。 図9は、インソールの製造方法を説明するためのフローチャートである。 インソールの設計装置をプログラムにより実現するコンピュータのハードウェア構成を示す図である。 図11は、本発明の実施形態2に係る構造体の斜視図である。 図12Aは、構造体の平面図である。 図12Bは、構造体の平面図であって、骨格体の第一面の総面積を示す図である。 図12Cは、構造体の平面図であって、骨格体の第一面の実面積を示す図である。 図13Aは、構造体の一部の平面図である。 図13Bは、図13AのX−X線断面図である。 図13Cは、内側部材の変形例1を示す図13AのX−X線断面図である。 図13Dは、内側部材の変形例2を示す、図13AのX−X線断面図である。 図14Aは、本発明の実施形態3における構造体の一部の平面図である。 図14Bは、実施形態3における図14AのX−X線断面図である。 図14Cは、実施形態3の変形例1を示す図14AのX−X線断面図である。 図14Dは、実施形態3の変形例2を示す図14AのX−X線断面図である。 図15Aは、本発明の実施形態4における構造体の一部の平面図である。 図15Bは、実施形態4における図15AのX−X線断面図である。 図16Aは、本発明の実施形態5における構造体の一部の平面図である。 図16Bは、実施形態5における図16AのX−X線断面図である。 図17Aは、本発明の実施形態6における構造体の一部の平面図である。 図17Bは、実施形態6における図17AのX−X線断面図である。 図18Aは、本発明の実施形態7における構造体の一部の平面図である。 図18Bは、実施形態7における図18AのX−X線断面図である。 図19は、本発明の実施形態8に係る構造体の斜視図である。 図20は、構造体の平面図である。 図21は、本発明の実施形態9に係る構造体の平面図である。 図22Aは、本発明の実施形態10に係るインソールの平面図である。 図22Bは、足の裏面の区分を示す図である。 図22Cは、実施形態10の変形例に係るインソールの平面図である。 図23Aは、本発明の実施形態11に係る枕の平面図である。 図23Bは、図23AのY−Y線断面図である。 図24は、本発明の実施形態12に係るクッションの斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係るインソール設計装置18を含むインソール設計システム10の一例を示すブロック図である。まず、本実施形態に係るインソール設計装置18の概要について説明する。
[インソール設計装置の概要について]
本実施形態に係るインソール設計装置18は、接地状態にあるユーザの足が第一状態から第二状態へと状態遷移する際の足の舟状骨の変位に関する情報を受け取る変位情報取得部181と、状態遷移の際に足から接地面へと加わる荷重に関する情報を受け取る荷重情報取得部182と、変位に関する情報および荷重に関する情報に基づいて、インソールの材料に関する情報を含む設計情報を生成する処理部186と、設計情報を出力する出力部187と、を備える。
このような本実施形態に係るインソール設計装置18によれば、ユーザ毎に適切なインソールを設計できる。
[インソールの設計システムの具体的構成について]
以下、図1を参照して本実施形態に係るインソール設計システム10の具体的構成について説明する。インソール設計システム10は、変位測定装置11、荷重測定装置12、足型測定装置13、足底圧測定装置14、靴情報取得装置15、記憶装置17、インソール設計装置18、および成形装置16を有する。
[変位測定装置について]
図2および図4を参照して、変位測定装置11について説明する。変位測定装置11は、ユーザ30(図2参照)の足31の画像情報に基づいて、ユーザ30の足31が第一状態から第二状態へと状態遷移する際の、舟状骨311の変位に関する情報(以下、「ユーザの舟状骨変位情報」という。)を生成する。ユーザの舟状骨変位情報は、足底面(図2の荷重測定装置12の上面123a)に対する舟状骨311の高さLHの変位に関する情報を含む。
ユーザ30の足31は、上下方向の荷重の印加に応じて、第一状態と第二状態との間を状態遷移する。そして、当該状態遷移の際、舟状骨311が上下方向に変位する。以下、足31への荷重の印加に応じて舟状骨311が変位するメカニズムについて簡単に説明する。なお、足31の第一状態および第二状態については、後述する。
ユーザ30の足31は、図4に二点鎖線で模式的に示す、第一トラス要素320、第二トラス要素321、および第三トラス要素322からなるトラスメカニズム324を有する。第一トラス要素320、第二トラス要素321、および第三トラス要素322は、足31を側面から見た状態で三角形を形成する。
第一トラス要素320は、足31の足底面に沿うように、踵(図示省略)から足趾の付け根まで設けられたコラーゲン由来の足底腱膜により構成される。第一トラス要素320は、足31の長手方向(ユーザ30の前後方向)に伸縮可能である。
第二トラス要素321は、足31の踵から足首にかけて存在する骨およびこれらの骨同士を強固に接続する靭帯により構成される。第三トラス要素322は、足31の足趾の付け根から足首にかけて存在する骨およびこれらの骨同士を強固に接続する靭帯により構成される。
図2に示す状態の足31に下向きの荷重が印加されると、第二トラス要素321と第三トラス要素322との交点であるトラスメカニズム324の頂点324aが、図2の下方へと変位する。この際、当該頂点324aと連動して舟状骨311が下方へと変位する。
また、上記頂点324aおよび舟状骨311の下方への変位に応じて、第一トラス要素320が伸長する。足31に印加された荷重が取り除かれると、上記頂点324aおよび舟状骨311は、上方へと変位する。また、上記頂点324aおよび舟状骨311の上方への変位に応じて、第一トラス要素320が収縮する。以上が、足31への荷重の印加に応じて舟状骨311が上下方向に変位するメカニズムである。
変位測定装置11は、ユーザの舟状骨変位情報を後述するインソール設計装置18に出力する。
このような変位測定装置11は、モーションキャプチャによりユーザ30の足31の動きをデジタル的に記録可能な三次元動作解析装置である。なお、三次元動作解析装置としては、例えば、光学式、機械式、あるいは磁気式のモーションキャプチャによりユーザ30の足31の動きを検出可能な各種の装置を採用できる。
変位測定装置11は、第一撮像装置111および第一演算部112を有する。
[第一撮像装置について]
第一撮像装置111は、ユーザ30の足31が第一状態から第二状態へと状態遷移する際の、足の画像情報を生成する。ここで、第一状態および第二状態について、図2を参照して説明する。図2は、第一撮像装置111によりユーザ30の足31を撮像する際の、ユーザ30の足の第一状態を示す模式図である。なお、図2に示されている足は、ユーザ30の左足である。
図2に示すユーザ30は、股関節、膝関節、および足関節が90度に屈曲した状態で椅子122に座っている。床123とユーザ30の足31の裏面との間に、後述する荷重測定装置12が配置される。
第一状態は、ユーザ30の足31の裏面が荷重測定装置12の上面123aに当接し、かつ、ユーザ30の足31から荷重測定装置12に加わる荷重がゼロとなるユーザ30の足の状態である。なお、第一状態は、上述の状態に限られない。例えば、第一状態は、ユーザ30の足31の自重が荷重測定装置12に加わっている状態であってもよい。
一方、第二状態は、第一状態において、ユーザ30の膝の上に、所定の質量を有する錘121を載せて所定時間が経過した後の、ユーザ30の足の状態である。本実施形態の場合、第二状態において、ユーザ30の足31から荷重測定装置12に加わる荷重は、第一状態においてユーザ30の足31から荷重測定装置12に加わる荷重よりも大きい。なお、第二状態は、上述の状態に限られない。例えば、第二状態は、ユーザ30が荷重測定装置12の上に立ち、ユーザ30の体重が荷重測定装置12に加わっている状態であってもよい。
第一撮像装置111は、図3に示すように、ユーザ30の足31の周囲に配置された複数台のカメラ111a〜111fを有する。本実施形態の場合、カメラ111a〜111fはそれぞれ、1秒間に100フレームを連続的に撮像可能な高速カメラである。なお、カメラの台数は、複数台のカメラを用いる構成に限定されず、1台のカメラを用いる構成であってもよい。
図3に示すように、カメラ111a〜111fはそれぞれ、ユーザ30の足31の表面おける舟状骨311に対応する部分を撮像可能な位置に配置される。具体的には、撮像する足31がユーザ30の左足の場合には、カメラ111a〜111fはそれぞれ、ユーザ30の左足首の右側面を撮像可能な位置に配置される。一方、撮像する足31がユーザ30の右足の場合には、カメラ111a〜111fはそれぞれ、ユーザ30の右足首の左側面を撮像可能な位置に配置される。
本実施形態の場合、カメラ111a〜111fのうち3台のカメラ111a〜111cは、ユーザ30の幅方向における足31からの距離が約1.0m、かつ、高さが0.6mの位置に配置される。一方、カメラ111a〜111fのうち3台のカメラ111d〜111fは、ユーザ30の幅方向における足31からの距離が約3.0m、かつ、高さが2.8mの位置に配置される。
[第一演算部について]
第一演算部112は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入力ポート、および出力ポートなどを備える。このような第一演算部112は、例えば、病院、インソールの販売店舗、またはインソールの製造工場などで使用されるコンピュータに搭載される。
第一演算部112は、第一撮像装置111が生成した画像情報に基づいて、上述したユーザの舟状骨変位情報を算出する。
第一演算部112は、例えば、第一撮像装置111が生成する足31の画像情報から、モーションキャプチャによりユーザ30の足31の動きをデジタル的に記録および解析する。本実施形態の場合、第一演算部112は、ユーザ30の足31に付されたマーカ319(図4参照)の動きを、上述の画像情報から検出することにより、ユーザの舟状骨変位情報を算出する。マーカ319は、ユーザ30の足31の表面において舟状骨311の突起に対応する部分に付される。
変位測定装置11は、ユーザ30の足31の画像情報およびユーザの舟状骨変位情報を、後述する記憶装置17に送り出してもよい。この場合には、記憶装置17は、ユーザ30の足31の画像情報およびユーザの舟状骨変位情報をユーザ情報として記憶する。
[荷重測定装置について]
荷重測定装置12は、いわゆる床反力計である。荷重測定装置12は、上述の第一状態から第二状態へと状態遷移する際、ユーザ30の足から荷重測定装置12の測定面に加わる荷重(以下、「ユーザの荷重情報」という。)を測定する。このような荷重測定装置12は、変位測定装置11によるユーザの舟状骨変位情報の測定と同期して、ユーザの荷重情報を測定する。
荷重測定装置12は、ユーザの荷重情報を、後述する記憶装置17に送り出してもよい。この場合には、記憶装置17は、ユーザの荷重情報をユーザ情報として記憶する。
[足型測定装置について]
足型測定装置13は、ユーザ30の足31の足型に関する情報(以下、「ユーザの足型情報」という。)を生成する。そして、足型測定装置13は、ユーザの足型情報を後述するインソール設計装置18に送り出す。このような足型測定装置13は、第二撮像装置131および第二演算部132を有する。
[第二撮像装置について]
第二撮像装置131は、ユーザ30の足型に関する画像情報(以下、「足型画像情報」という。)を生成する。第二撮像装置131は、ユーザ30の足31を上方、下方、左方、右方、前方、および後方から撮像する。
第二撮像装置131は、ユーザ30の足31が接地状態であり、かつ、ユーザ30の足31から接地面に加わる荷重がゼロの状態(以下、「無荷重状態」という。)における、ユーザ30の足31の形状、足31の横アーチ312、外側縦アーチ313、および内側縦アーチ314(図5参照)の形状を撮像する。
第二撮像装置131は、ユーザ30の足31が接地状態であり、かつ、ユーザ30の足31から接地面に加わる荷重が所定の大きさである状態(以下、「荷重印加状態」という。)における、ユーザ30の足31の形状、足31の横アーチ312、内側縦アーチ314、および外側縦アーチ313(図5参照)の形状を撮像する。なお、第二撮像装置131は、第一撮像装置111と共通の撮像装置であってもよい。
[第二演算部について]
第二演算部132は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入力ポート、および出力ポートなどを備える。第一演算部112は、例えば、病院、インソールの販売店舗、またはインソールの製造工場などで使用されるコンピュータに搭載される。なお、第二演算部132は、第一演算部112と同一のハードウェアにより構成されてもよい。
第二演算部132は、第二撮像装置131が生成した足型画像情報に基づいて、ユーザの足型情報を生成する。第二演算部132が生成するユーザの足型情報について、図6を参照して説明する。
第二演算部132は、無荷重状態における足型画像情報に基づいて、無荷重状態におけるユーザの足型情報を生成する。また、第二演算部132は、荷重印加状態における足型画像情報に基づいて、荷重印加状態におけるユーザの足型情報を生成する。
なお、無荷重状態と荷重印加状態とのうちの何れか一方の状態における足型画像情報のみ存在する場合には、第二演算部132は、当該一方の状態における足型画像情報に基づいて、ユーザの足型情報を生成すればよい。
ユーザの足型情報は、例えば、図4に示す舟状骨311の高さLH、図6に示す足長L1、第一足幅W1、第二足幅W2、足囲C1、内踏まず長L2、外踏まず長L3、踵幅W3、インステップ囲C2、第一指側角度θ1、および第五指側角度θ2の寸法を含む。また、ユーザの足型情報は、足31の裏面におけるアーチ(具体的には、横アーチ312、外側縦アーチ313、および内側縦アーチ314)に関する情報、鉛直方向に対する踵の傾き(回内またはプロネーション)に関する情報を含んでもよい。
上述のアーチに関する情報は、内側縦アーチ高率RMLA、および、当該内側縦アーチ高率に基づいて判定された内側縦アーチの状態を含む。内側縦アーチ高率RMLAは、以下の数式(1)から算出される。
Figure 2019171855
内側縦アーチの状態に関して、例えば、内側縦アーチ高率RMLAが、男性で16.4%未満、女性で14.6%未満の場合に、足31は低アーチとなる(非特許文献1および非特許文献2参照)。
足型測定装置13は、足型画像情報およびユーザの足型情報を、後述する記憶装置17に送り出してもよい。この場合には、記憶装置17は、足型画像情報およびユーザの足型情報をユーザ情報として記憶する。
[足底圧測定装置について]
足底圧測定装置14は、ユーザ30の立位における足31の裏面の圧力分布に関する情報(以下、「ユーザの圧力分布情報」という。)を生成する。なお、足底圧測定装置14は、公知の足底圧測定装置14を採用できる。
足底圧測定装置14は、立位かつ静止時(以下、「静止立位時」という。)、立位かつ歩行時(以下、「歩行時」という。)、および、立位かつ走行時(以下、「走行時」という。)におけるユーザの圧力分布情報を測定する。
足底圧測定装置14は、ユーザ30の足31の裏面を複数の部位に区分し、各部位における足底圧を測定する。足の裏面の区分は、例えば図7に示すように、足趾部318a、踏み付け318b、土踏まず部318c、足刀部318d、および踵部318eの5つの部位に区分する。なお、足の裏面の区分は、図7に示す各部位を、さらに細かく区分してもよい。
足底圧測定装置14は、歩行時および走行時における足31の裏面の圧力分布を、例えばユーザ30の体重および足底寸法などに基づくシミュレーションにより求めてもよい。足底圧測定装置14は、ユーザの圧力分布情報を、後述するインソール設計装置18に送り出す。
足底圧測定装置14は、ユーザの圧力分布情報を、後述する記憶装置17に送り出してもよい。この場合には、記憶装置17は、ユーザの圧力分布情報をユーザ情報として記憶する。
[靴情報取得装置について]
靴情報取得装置15は、ユーザ30の靴に関する情報(以下、「ユーザの靴情報」という。)を生成する。靴情報取得装置15は、ユーザの靴情報を、例えばユーザ30の靴の画像情報から取得する。
靴情報取得装置15は、画像情報から取得できない情報がある場合には、インソールの設計システムのユーザ(以下、「システムユーザ」という。)に、情報の入力を指示してもよい。この場合には、靴情報取得装置15は、システムユーザが入力した情報をユーザの靴情報として取得してもよい。
また、靴メーカなどの情報提供者からユーザの靴情報を入手可能な場合には、靴情報取得装置15は、情報提供者から入手した情報を、ユーザの靴情報として取得してもよい。以下、図8A〜図8Dを参照して、ユーザの靴情報およびその取得方法について説明する。
図8Aに示す靴20Aの場合、靴情報取得装置15は、長さ寸法L、幅寸法W、甲315の高さ寸法H1(図示省略)、踵316の高さ寸法H2(図示省略)を測定する。また、靴情報取得装置15は、靴20Aの内形に関する情報を測定する。靴20Aの内形に関する情報として、例えば、靴20Aの内底の外形、内底の長さ寸法、内底の幅寸法、および内底の上面形状が挙げられる。靴20Aの内形に関する情報は、靴20Aの中敷きを取り出せる場合には、中敷きに関する情報に基づいて取得する。
一方、靴20Aの中敷きを取り出せない場合には、靴20Aの長さ寸法Lから、靴20Aのアッパ(靴底を除いた上の部分)の、長さ方向(図8Aの上下方向)における厚さ寸法を引いた値を、靴20Aの内形における長さ寸法とする。
また、靴20Aの中敷きを取り出せない場合には、靴20Aの幅寸法Wから、靴20Aのアッパの、幅方向(図8Aの左右方向)における厚さ寸法を引いた値を、靴20Aの内形における幅寸法とする。
図8Bに示す靴20Bの場合、長さ寸法L、ワイズ寸法C1を測定する。
図8Cに示す靴20Cの場合、ワイズ寸法C1、足首回りの寸法C2、ふくらはぎ周りの寸法C3、履き口周りの寸法C4、ヒールの高さ寸法H3、および筒丈H4を測定する。
図8Dに示す靴20Dの場合、ストームの高さ寸法H5、ヒールの高さ寸法H3を測定する。
また、上述の寸法以外に、ユーザの靴情報として、例えば、つま先に余裕があるか否か、靴の幅と足のボール部(ボールジョイント部)とが合っているか否か、土ふまずがフィットしているか否か、くるぶしが履き口317(図8A参照)に当たっているか否か、踵やアキレス腱が圧迫されているか否か、および靴の用途などが挙げられる。
靴情報取得装置15は、ユーザの靴情報を後述するインソール設計装置18に送り出す。なお、靴情報取得装置15は、ユーザの靴情報を後述する記憶装置17に送り出してもよい。記憶装置17は、靴情報取得装置15から取得したユーザの靴情報をユーザ情報として記憶する。
[記憶装置について]
記憶装置17は、ユーザ30に関する情報(以下、「ユーザ情報」という。)を記憶する。ユーザ30に関する情報として、例えば、ユーザ30のID、ユーザ30の氏名、ユーザ30の身体に関する情報、現在の下肢疾患に関する情報、過去の下肢疾患に関する情報、過去のインソールの設計情報、ユーザ30の好みに関する情報、および、ユーザの靴情報が挙げられる。
記憶装置17に記憶されるユーザ情報は、ユーザ30のIDに対応付けて記憶される。このようなユーザ情報は、インソール設計装置18により、適宜のタイミングで呼び出される。また、記憶装置17に記憶されるユーザ情報は、インソール設計装置18により、適宜のタイミングで更新または追加される。
ユーザ30の身体に関する情報として、例えば、身長、体重、年齢、性別、体脂肪量、体脂肪率、筋肉量、および体筋肉率などが挙げられる。現在の下肢疾患に関する情報としては、疾患名、症状、医師による診察結果に関する情報、経過に関する情報などが挙げられる。
過去の下肢疾患に関する情報として、例えば、過去の下肢疾患の有無、過去の下肢疾患の種類などが挙げられる。ユーザ30の好みに関する情報として、例えば、インソールの硬さ、厚さ、重さの好みに関する情報が挙げられる。
ユーザ情報には、変位測定装置11から受け取ったユーザ30の足31の画像情報およびユーザの舟状骨変位情報が含まれてもよい。さらに、ユーザ情報には、足型測定装置13から受け取った足型画像情報およびユーザの足型情報が含まれてもよい。
また、ユーザ情報には、荷重測定装置12から受け取ったユーザの荷重情報が含まれてもよい。また、ユーザ情報には、足底圧測定装置14から受け取ったユーザの圧力分布情報が含まれてもよい。さらに、ユーザ情報には、上述の靴情報取得部185から受け取ったユーザの靴情報が含まれてもよい。
記憶装置17は、インソールの材料に関する情報(以下、「インソールの材料情報」という。)を記憶する。インソールの材料情報として、例えば、材料の種類、組成、密度、硬度、および粘度などが挙げられる。なお、インソールの材料情報は、2種類以上の材料に関する情報を含んでもよい。記憶装置17は、このようなインソールの材料情報を、データベースとして記憶する。
このような記憶装置17は、例えば、ネットワーク(例えば、インターネット)を介してインソール設計装置18に接続されるサーバのハードディスクにより構成される。なお、記憶装置17は、後述するインソール設計装置18が搭載されたコンピュータのハードディスクであってもよい。また、記憶装置17は、複数の記憶装置により構成されてもよい。
[インソール設計装置について]
インソール設計装置18は、公知のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入力ポート、および出力ポートなどを備える。CPUは、例えばROMから処理内容に応じたプログラムを読み出してRAMに展開する。
インソール設計装置18は、例えば、医療現場、インソールの販売店舗、またはインソールの製造工場などで使用されるコンピュータに搭載される。なお、インソール設計装置18は、上述した変位測定装置11の第一演算部112、荷重測定装置12の第二演算部132と同一のハードウェアにより構成されてもよい。
インソール設計装置18は、機能ブロックとして、変位情報取得部181、荷重情報取得部182、足型情報取得部183、足底圧情報取得部184、靴情報取得部185、処理部186、および出力部187を有する。以下、インソール設計装置18における各機能ブロックは、同一のハードウェアにより構成され、一体のコンピュータに搭載されるものとして説明する。ただし、一部の機能ブロックは、他の機能ブロックと別のハードウェアにより構成されてもよい。また、一部の機能ブロックは、他の機能ブロックと別体のコンピュータに設けられてもよい。
[変位情報取得部について]
変位情報取得部181は、変位測定装置11からユーザの舟状骨変位情報を受け取る。そして、変位情報取得部181は、取得したユーザの舟状骨変位情報を、後述する処理部186に送り出す。
[荷重情報取得部について]
荷重情報取得部182は、荷重測定装置12からユーザの荷重情報を受け取る。そして、荷重情報取得部182は、取得したユーザの荷重情報を、後述する処理部186に送り出す。
[足型情報取得部について]
足型情報取得部183は、足型測定装置13からユーザの足型情報を受け取る。そして、足型情報取得部183は、取得したユーザの足型情報を、後述する処理部186に送り出す。
[足底圧情報取得部について]
足底圧情報取得部184は、足底圧測定装置14からユーザの圧力分布情報を受け取る。そして、足底圧情報取得部184は、取得したユーザの圧力分布情報を、後述する処理部186に送り出す。
[靴情報取得部について]
靴情報取得部185は、靴情報取得装置15からユーザの靴情報を受け取る。そして、靴情報取得部185は、取得したユーザの靴情報を、後述する処理部186に送り出す。
[処理部について]
処理部186は、例えば、コンピュータプログラムや電子回路により実現されうる。例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムをRAM(Random Access Memory)にコピーし、そのプログラムに含まれる命令をRAMから順次読み出して実行することにより、処理部186の機能が実現される。
処理部186は、変位情報取得部181から受け取ったユーザの舟状骨変位情報、および、荷重測定装置12から受け取ったユーザの荷重情報に基づいて、インソールの材料情報を決定する。そして、処理部186は、インソールの材料情報を含むインソールの設計情報を生成する。
インソールの材料情報は、例えば、材料の種類、組成、密度、硬度、および粘度などを含む。なお、インソールの材料情報は、2種類以上の材料に関する情報を含んでもよい。
処理部186は、例えば、ユーザの舟状骨変位情報とユーザの荷重情報とに基づいて、ユーザ30の足31の数学的な推定モデルを生成する。このような推定モデルは、例えば、ユーザ30の足31を、バネ−ダンパ系の動的モデルとみなして、下記のモデル計算式(2)のパラメータη、kを求めることにより生成できる。以下のモデル計算式(2)中のηは粘性係数、kはばね係数、x(t)は足の変位量、fは荷重である。
Figure 2019171855
なお、ユーザ30の足31の推定モデルを生成するアルゴリズムは、上述のアルゴリズムに限定されない。ユーザ30の足31の推定モデルを推定する方法として、システム同定に関する各種の方法を採用できる。
処理部186は、推定モデルと、予め記憶した正常な状態の足に関する基準モデルとを比較する。基準モデルは、例えばインソール設計装置18の記憶部などに記憶される。そして、処理部186は、比較結果に基づいて、インソールの材料情報を決定する。具体的には、処理部186は、基準モデルと推定モデルとの差分をとる。そして、処理部186は、ユーザ30がインソールを装着した状態において、上記差分が補われるようなインソールの材料情報(例えば、材料の種類、硬度など)を決定する。
具体的には、例えば、推定モデルにおける上述のモデル計算式(2)のパラメータη、kと、基準モデルにおけるモデル計算式(2)のパラメータη、kとの差分をとる。そして、処理部186は、ユーザ30がインソールを装着した状態において、当該差分が補われるようなインソールの硬度を、演算により決定する。
処理部186は、ユーザの舟状骨変位情報、ユーザの荷重情報、および足底圧測定装置14から受け取ったユーザの圧力分布情報に基づいて、インソールの材料情報(例えば、材料の種類、硬度など)を決定してもよい。
具体的には、処理部186は、ユーザの圧力分布情報と、予め記憶された基準圧力分布情報(正常な状態の足の圧力分布に関する情報)とを比較する。そして、処理部186は、比較結果に基づいて、インソールの材料情報(例えば、材料の種類、硬度など)を決定する。
より具体的には、処理部186は、ユーザの圧力分布情報と基準圧力分布情報との差分をとる。そして、処理部186は、ユーザ30がインソールを装着した状態において、上記差分が補われるようなインソールの材料情報(例えば、材料の種類、硬度など)を決定する。
処理部186は、ユーザの舟状骨変位情報、ユーザの荷重情報、およびユーザの圧力分布情報に基づいて、インソールの部位毎に配置する材料を決定してもよい。具体的には、処理部186は、インソールを複数の部位に区分する。なお、区分されたインソールの各部位は、図7に示すように区分された足の裏面における各部位に対応する。そして、処理部186は、区分されたインソールの各部位毎に、インソールの材料情報を決定する。
処理部186は、足型測定装置13から受け取ったユーザの足型情報に基づいて、インソールの材料情報(例えば、材料の種類、硬度など)を決定してもよい。
具体的には、処理部186は、ユーザの足型情報と、予め記憶された基準足型情報(正常な状態の足型に関する情報)とを比較する。そして、比較結果に基づいて、処理部186は、インソールの材料情報(例えば、材料の種類、硬度など)を決定する。
より具体的には、処理部186は、ユーザの足型情報と基準足型情報との差分をとる。そして、処理部186は、ユーザ30がインソールを装着した状態において、上記差分が補われるようなインソールの材料情報(例えば、材料の種類、硬度など)を決定する。この際、処理部186は、比較結果に基づいて、区分されたインソールの各部位毎に、インソールの材料情報を決定してもよい。
処理部186は、記憶装置17から受け取ったユーザ情報(例えば、体重など)に基づいて、インソールの材料情報(例えば、材料の種類、硬度など)を決定してもよい。この際、処理部186は、ユーザ情報に基づいて、区分されたインソールの各部位毎に、インソールの材料情報を決定してもよい。
インソールの材料の種類としては、特に限定されないが、例えば、熱可塑性エラストマーが挙げられる。具体的には、熱可塑性エラストマーとして、架橋型ポリオレフィン系エラストマー、非架橋型ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、およびポリエステル系エラストマーなどが挙げられる。
架橋型ポリオレフィン系エラストマーとしては、密度860〜905kg/m、デュロメータ硬さA30〜D50の範囲(例えば、三井化学社製、登録商標ミラストマー)が挙げられる。
非架橋型ポリオレフィン系エラストマーとしては、密度860〜905kg/m、デュロメータ硬さA30〜D50の範囲(例えば、三井化学社製、登録商標タフマーおよびダウ・ケミカル社製、登録商標ENGAGE)が挙げられる。
ポリスチレン系エラストマーとしては、密度890〜1020kg/m、デュロメータ硬さA30〜A80の範囲にあるポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック−ポリスチレン、(例えば、アロン化成社製AR−700シリーズ、およびAR−800シリーズ、あるいはクラレ社製、登録商標セプトン)が挙げられる。
ポリウレタン系エラストマーとしては、密度1160〜1260kg/m、デュロメータ硬さA80〜D60の範囲(例えば、BASF社製、登録商標エラストラン、および東ソー社製、登録商標ミラクトラン)が挙げられる。
ポリエステル系エラストマーとしては、密度1070〜1260kg/m、デュロメータ硬さA90〜D70の範囲(例えば、東レ・デュポン社製、登録商標ハイトレル、および東洋紡社製、登録商標ペルプレン)が挙げられる。
熱可塑性エラストマー以外のインソールの材料の種類として、例えば、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、およびポリプロピレンなどが挙げられる。
ポリエチレンとしては、密度940〜970kg/m、デュロメータ硬さD60〜D70の範囲である高密度ポリエチレン(三井化学社製、登録商標ハイゼックス)が挙げられる。また、密度910〜930kg/m、デュロメータ硬さD41〜D46の範囲にある低密度ポリエチレン(住友化学社製、登録商標スミカセン)も挙げられる。
エチレン・酢酸ビニル共重合体としては、密度920〜950kg/m、デュロメータ硬さD20〜D38の範囲、東ソー社製、登録商標ウルトラセン)が挙げられる。さらに、ポリプロピレンとしては、密度910kg/m、デュロメータ硬さD65の樹脂物性(住友精化社製、登録商標フローブレン)が挙げられる。
処理部186は、靴情報取得部185から受け取ったユーザの靴情報(具体的には、靴の内側形状に関する情報)に基づいて、インソールの平面視における外形を決定する。
さらに、処理部186は、上述のようにして決定したインソールの材料情報を含むインソールの設計情報を生成する。なお、処理部186は、ユーザの足型情報、ユーザの圧力分布情報、ユーザの靴情報、およびユーザ情報から適宜選択される情報に基づいて、インソールの材料情報以外の設計情報を生成する。
インソールの設計方法について、表1、表2を参照して説明する。表1は、4種類の足の状態に対するインソールの設計例の一例を示す。表2は、インソールの各部位における基準の厚さ寸法(mm)の一例を示す。なお、表2に示すインソールの各部位は、図7に示す足趾部318a、踏み付け318b、土踏まず部318c、足刀部318d、および踵部318eに対応する。
Figure 2019171855
Figure 2019171855
表1の一列目には、4種類の足の状態が示される。表1の二列目には、4種類の足の状態に対して、インソールを設計する際の設計思想が示される。
表1の三列目には、4種類の足の状態に対して、インソールの高さを基準よりも高くする部分が示される。表1の四列目には、4種類の足の状態に対して、基準よりも柔らかくするインソールの部位が示される。表1の五列目には、4種類の足の状態に対して、基準よりも硬くするインソールの部位が示される。
なお、表1の三列目、四列目、および五列目に示される部位は、図7に示す足趾部318a、踏み付け318b、土踏まず部318c、足刀部318d、および踵部318eに対応する。なお、インソールの設計方法は、表1に示す場合に限定されない。
[出力部について]
出力部187は、処理部186から受け取った設計情報を、後述する成形装置16に出力する。なお、出力部187は、USBメモリ、SDカードなどの記録媒体に設計情報を出力してもよい。
[成形装置について]
成形装置16は、インソール設計装置18により生成された設計情報に基づいてインソールを成形する。このような成形装置16は、インソール設計装置18に接続される。成形装置16とインソール設計装置18との接続は、有線であってもよいし、無線であってもよい。有線の場合には、成形装置16とインソール設計装置18とは、例えばUSBケーブル、LANケーブルなどのケーブルを介して接続される。
一方、無線の場合には、成形装置16とインソール設計装置18とは、例えばWiFi(登録商標)(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信により接続される。上述のような成形装置16とインソール設計装置18との接続方法は、インソール設計装置18および成形装置16のインタフェースに合わせて、適宜選択すればよい。
また、成形装置16は、例えばUSBメモリ、SDカードなどの各種記録媒体を介して、インソール設計装置18から設計情報を受け取ってもよい。
なお、成形装置16とインソール設計装置18とが、同一の敷地または建物内に配置される場合には、成形装置16とインソール設計装置18とは、例えばLAN(Local Area Network)により接続される。LANは、有線LANであってもよいし、無線LANであってもよい。一方、成形装置16は、インターネットなどのネットワークを介してインソール設計装置18に接続されてもよい。
成形装置16は、例えばインソールの製造工場などに配置される。具体的には、成形装置16は、例えば3Dプリンタである。3Dプリンタは、光造形方式、粉末焼結法式、熱溶解積層法式、またはインクジェット方式などの各種方式の3Dプリンタである。
インソールが単一種類の樹脂材料から成る場合には、例えば粉末焼結方式の3Dプリンタが使用される。粉末状の樹脂材料を薄く敷いた層をレーザ、あるいは電子ビームの照射により加熱し、選択的に溶融結合させる。一方、インソールが2種類の樹脂材料から成る場合には、例えば、2本の造形ノズル(デュアルヘッド)を有する熱溶解積層方式の3Dプリンタが使用される。熱可塑性樹脂製フィラメントをノズルまで挿入し、ヘズル内で加熱した後に溶融樹脂を押出し、造形テーブル上で冷却固化を経て積層する。
[インソールの製造方法について]
以下、図9を参照して、インソールの設計方法およびインソールの製造方法について説明する。図9は、本実施形態に係るインソールの設計方法およびインソールの製造方法を説明するためのフローチャートである。本実施形態に係るインソールの製造方法は、上述したインソールの設計システムを使用してインソールを製造する。
以下の説明において、インソールの設計方法およびインソールの製造方法を構成する各ステップの具体的な処理は、上述したインソールの設計システムを構成する各装置により実行される。このため、上述した各装置に関する説明と重複する内容については、説明を省略する。また、以下に説明する各ステップの順番は、技術的に矛盾しない範囲で適宜変更できる。
まず、ステップS100において、インソール設計装置18は、記憶装置17からユーザ情報を取得する。記憶装置17に記憶されたユーザ情報が足りない場合には、インソール設計装置18は、システムユーザに対して、足りない情報の入力を指示してもよい。この場合には、システムユーザは、インソールの設計装置が搭載されたコンピュータの入力部から、足りない情報を入力してもよい。ユーザ情報の内容については、上述の通りである。
つぎに、ステップS101において、変位測定装置11は、ユーザの舟状骨変位情報を測定する。そして、変位測定装置11は、測定したユーザの舟状骨変位情報をインソール設計装置18に送り出す。ユーザの舟状骨変位情報の内容および測定方法については前述の通りである。
また、ステップS101において、荷重測定装置12は、ユーザの荷重情報を測定する。そして、荷重測定装置12は、測定したユーザの荷重情報をインソール設計装置18に送り出す。ユーザの荷重情報の内容および測定方法については前述の通りである。
なお、ステップS101において、ユーザの舟状骨変位情報およびユーザの荷重情報を新たに測定する必要がない場合(例えば、すでに測定された各情報を使用する場合)には、ステップS101は、省略されてもよい。この場合には、インソール設計装置18は、ユーザの舟状骨変位情報およびユーザの足型情報を記憶装置17から受け取ってもよい。
つぎに、ステップS102において、足型測定装置13は、ユーザの足型情報を測定する。そして、足型測定装置13は、測定したユーザの足型情報をインソール設計装置18に送り出す。ユーザの足型情報の内容および測定方法については前述の通りである。
なお、ステップS102において、ユーザの足型情報が足りない場合には、足型測定装置13は、システムユーザに対して、足りない足型情報の入力を指示してもよい。この場合には、システムユーザは、例えばインソールの設計装置が搭載されたコンピュータの入力部から、足りない足型情報を入力してもよい。
また、ステップS102において、ユーザの足型情報を新たに測定する必要がない場合(例えば、すでに測定された情報を使用する場合)には、ステップS102は、省略されてもよい。この場合には、インソール設計装置18は、ユーザの足型情報の一部または全部を記憶装置17から受け取ってもよい。
つぎに、ステップS103において、足底圧測定装置14は、ユーザの圧力分布情報を測定する。そして、足底圧測定装置14は、測定したユーザの圧力分布情報をインソール設計装置18に送り出す。ユーザの圧力分布情報の内容および測定方法については前述の通りである。
なお、ステップS103において、ユーザの圧力分布情報を新たに測定する必要がない場合(例えば、すでに測定された情報を使用する場合)には、ステップS103は、省略されてもよい。この場合には、インソール設計装置18は、ユーザの圧力分布情報を記憶装置17から受け取ってもよい。
つぎに、ステップS104において、靴情報取得装置15は、ユーザの靴情報を測定する。そして、靴情報取得装置15は、測定したユーザの靴情報をインソール設計装置18に送り出す。ユーザの靴情報の内容および測定方法については前述の通りである。
なお、ステップ104において、ユーザの靴情報が足りない場合には、靴情報取得装置15は、システムユーザに対して、足りない靴情報の入力を指示してもよい。この場合には、システムユーザは、例えばインソールの設計装置が搭載されたコンピュータの入力部から、足りない靴情報を入力してもよい。
また、ステップS104において、ユーザの靴情報を新たに測定する必要がない場合(例えば、すでに測定された情報を使用する場合)には、ステップS104は、省略されてもよい。この場合には、インソール設計装置18は、ユーザの靴情報を記憶装置17などから受け取ってもよい。ユーザの靴情報が、靴メーカなどの情報提供者から入手可能な場合には、インソール設計装置18は、情報提供者から入手した情報を、ユーザの靴情報としてもよい。
次に、ステップS105において、インソール設計装置18の処理部186は、少なくともユーザの舟状骨変位情報およびユーザの荷重情報に基づいて、インソールの材料情報を決定する。具体的には、インソール設計装置18はユーザの舟状骨変位情報およびユーザの荷重情報に基づいて、記憶装置17のデータベースからインソールの材料情報(例えば、材料の種類、硬度など)を選択する。インソール設計装置18の処理部186が、インソールの材料情報を決定する方法については、前述の通りである。
なお、ステップS105において、インソール設計装置18の処理部186は、ユーザの舟状骨変位情報およびユーザの荷重情報とともに、ユーザの足型情報およびユーザの圧力分布情報のうちの少なくとも一方の情報に基づいて、インソールの材料情報を決定してもよい。
また、ステップS105において、インソール設計装置18の処理部186は、インソールを複数の部位に区分する。そして、処理部186は、区分されたインソールの各部位毎に、インソールの材料情報を決定してもよい。
次に、ステップS106において、インソール設計装置18の処理部186は、ユーザ情報から選択される情報に基づいて、ステップS105で決定したインソールの材料情報を含む設計情報を生成する。ユーザ情報から選択される情報として、例えば、ユーザの身体に関する情報(例えば、体重)、ユーザの足型情報、ユーザの圧力分布情報、およびユーザの靴情報が挙げられる。
設計情報には、例えば、上述の式(1)により算出される内側縦アーチ高率に関する情報、インソールの格子構造に関する情報、インソールの積層構造に関する情報、インソールの面内分布に関する情報、インソールの材料の配合に関する情報を含む。そして、インソール設計装置18は、設計情報を、成形装置16に出力する。
次に、ステップS107において、成形装置16は、インソール設計装置18から受け取った設計情報に基づいて、インソールを成形する。成形装置16が、設計情報を受け取る方法は、特に限定されない。成形装置16が配置される場所(例えば、工場など)が、インソール設計装置18が配置される場所(例えば、店舗)から離れている場合には、成形装置16は、インターネットなどのネットワークを介してインソール設計装置18から設計情報を受け取ってもよい。あるいは、成形装置16は、USBメモリ、SDカードなどの記録媒体を介して、インソール設計装置18から設計情報を受け取ってもよい。
[本実施形態の作用・効果について]
以上のような構成を有する本実施形態によれば、ユーザ毎に最適なインソールを設計できる。すなわち、本実施形態の場合、インソール設計装置18は、ユーザ毎に取得したユーザの舟状骨変位情報およびユーザの荷重情報に基づいて、インソールの材料情報を決定する。そして、インソール設計装置18は、決定したインソールの材料情報を含む設計情報を生成する。このような設計情報に基づいてインソールを成形することにより、ユーザの足に最適なインソールが得られる。
[付記]
以上、上述した本実施形態について図面を参照して詳述してきたが、上述したインソール設計装置18の機能は、コンピュータプログラムにより実現され得る。
図10は、各装置の機能をプログラムにより実現するコンピュータのハードウェア構成を示す図である。このコンピュータ1100は、キーボードやマウス、タッチパッドなどの入力装置1101、ディスプレイやスピーカーなどの出力装置1102、CPU(Central Processing Unit)1103、ROM(Read Only Memory)1104、RAM(Random Access Memory)1105、ハードディスク装置やSSD(Solid State Drive)などの記憶装置1106、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)やUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの記録媒体から情報を読み取る読取装置1107、ネットワークを介して通信を行うネットワークカード1108を備え、各部はバス1109により接続される。
そして、読取装置1107は、上記各装置の機能を実現するためのプログラムを記録した記録媒体からそのプログラムを読み取り、記憶装置1106に記憶させる。あるいは、ネットワークカード1108が、ネットワークに接続されたサーバ装置と通信を行い、サーバ装置からダウンロードした上記各装置の機能を実現するためのプログラムを記憶装置1106に記憶させる。
そして、CPU1103が、記憶装置1106に記憶されたプログラムをRAM1105にコピーし、そのプログラムに含まれる命令をRAM1105から順次読み出して実行することにより、上記各装置の機能が実現される。
<実施形態2>
図11〜図13Cを参照して、本発明の実施形態2に係る構造体S1について説明する。本実施形態の構造体S1を含め、後述する各実施形態の構造体S1〜S8及び構造体S1−2は、前述の実施形態1のインソール設計システム10により設計されるインソールに適用可能である。
構造体S1は、骨格体4Aと、複数の内側部材5Aと、を有する。このような構造体S1は、所定方向(例えば、構造体S1の高さ方向であって、図11中に矢印Zで示される方向)のクッション性(弾性)を有する板状部材である。以下、図11中に矢印Zで示される方向を、単にZ方向という。図12Aに関しては、Z方向は、図12Aの紙面に直交する方向に一致する。
このような構造体S1は、例えば、インソール、枕、マットレス、およびクッションなどのクッション性を有する製品を構成する。
[骨格体]
骨格体4Aは、外枠体40Aと、隔壁41Aと、複数のセル46Aと、を有する。このような骨格体4Aは、所定方向(例えば、Z方向)の弾性(クッション性)を有する格子状部材である。
外枠体40Aは、矩形枠状である。このような外枠体40Aは、平面視における骨格体4Aの輪郭を形成している。
隔壁41Aは、外枠体40Aにより形成される空間に配置されている。隔壁41Aは、外枠体40Aの内面に連続し、外枠体40Aと同じ材料で構成されている。
このような隔壁41Aは、枠状に構成された複数の枠状隔壁42Aを有する。枠状隔壁42Aの厚さ寸法T11(図13A参照)の下限値は、構造体S1の用途によって適宜選択し得る。
例えば、構造体S1の用途がインソールである場合は、厚さ寸法T11の下限値は、0.2mm以上であると好ましい。このような下限値は、ユーザが枠状隔壁42Aの存在を認識しにくくなること、枠状隔壁42Aが隔壁としての適切な強度を有すること、および、枠状隔壁42Aにおける圧縮ひずみの抑制が容易に行えること、を考慮して定めた値である。すなわち、隔壁が薄すぎると、構造体S1の剛性維持や圧縮ひずみの抑制が困難となる。
また、枠状隔壁42Aがクッション性を発揮できるといった観点から、枠状隔壁42Aの厚さ寸法T11は、1.0mm以上であるとより好ましい。
さらに、枠状隔壁42Aが弾性力を発揮できるといった観点から、枠状隔壁42Aの厚さ寸法T11は、3.0mm以上であるとより好ましい。
一方、構造体S1の用途がインソールである場合は、枠状隔壁42Aの厚さ寸法T11の上限値は、20.0mm以下であると好ましい。この理由は、枠状隔壁42Aが、ユーザの体(足)を支持する効果を十分に発揮できるからである。すなわち、隔壁が厚すぎると、構造体S1のクッション性が発揮されず、枠状隔壁42Aが、ユーザの体(足)を適切に支持しにくくなる。
また、枠状隔壁42Aが反発力を発揮できるといった観点から、枠状隔壁42Aの厚さ寸法T11は、15.0mm以下であるとより好ましい。
さらに、枠状隔壁42Aおよび後述の内側部材5Aが、双方の弾性力および反発力などをバランスよく発揮できるといった観点から、枠状隔壁42Aの厚さ寸法T11が10.0mm以下であるとより好ましい。枠状隔壁42Aの厚さ寸法T11を上述の範囲に設定すれば、枠状隔壁42Aとユーザの体との当接部に作用する面圧を適切な圧力に設定し易くなる。この結果、構造体S1は、ユーザに対して快適なクッション性を作用させることができる。枠状隔壁42Aの厚さ寸法T11を、上述の好ましい範囲に設定するほど、構造体S1は、ユーザに対して快適なクッション性を作用させることができる。
なお、上記ではインソールを例としたが、例えば枕やマットレス、クッションにおいても、枠状隔壁42Aとユーザの体との当接部に作用する面圧や枠状隔壁42Aの面積を適切に設定することにより、ユーザにとって違和感の無い枠状隔壁42Aの厚さを定めることができる。
また、枠状隔壁42Aの厚さ寸法は、均一でなくてもよい。具体的には、枠状隔壁42Aの厚さ寸法は、幅方向(高さ方向に直交しかつ枠状隔壁42Aの壁面に沿う方向)における両端部(図13Aの中央に示す六角形の各角の付近)で厚く、幅方向における中央部(図13Aの中央に示す六角形の各辺の中央部付近)で両端部に比べて薄くなっていてもよい。このような構成は、後述の内側部材5Aの材料特性をより発揮しやすくできる。
なお、枠状隔壁42Aの厚さ寸法T11は、この範囲に限定されない。枠状隔壁42Aの厚さ寸法T11は、後述する3Dプリンタの分解能に応じて適宜決定されてよい。
本実施形態の場合、枠状隔壁42Aは、平面視で正六角形である。このような枠状隔壁42Aは、同形状の枠状隔壁42Aが隙間なく並べられることにより、ハニカム構造を構成している。隣り合う枠状隔壁42A同士は、枠状隔壁42Aの一部(正六角形の一辺)を共有している。枠状隔壁42A同士の形状が同じ構成は、枠状隔壁42Aごとの性状を均一にできる。この結果、上記構成は、全体としての性状にむらが無い骨格体4Aを実現できる。
枠状隔壁42Aの平面視における形状は、正六角形に限定されない。枠状隔壁42Aの平面視における形状は、正六角形以外の多角形、円形、または楕円形などでもよい。また、枠状隔壁42A同士の形状は、異なってもよい。枠状隔壁42A同士の形状が異なる構成は、枠状隔壁42Aごとの性状を異ならせることができる。この結果、上記構成は、性状が部分的に異なる骨格体4Aを実現できる。
枠状隔壁42Aは、内面に、平面視で正六角形の連続したセル形成面43Aを有する。本実施形態の場合、セル形成面43Aは、六個の面要素431Aにより構成されている。本実施形態の場合、図13Aおよび図13Bに示すように、セル形成面43Aを構成する面要素431Aは、総て平坦面である。
セル46Aは、セル形成面43Aにより囲まれた空間である。このようなセル46Aは、高さ方向(Z方向)における両端部が開口している。つまり、セル46Aは、骨格体4AのZ方向における一方側の側面(第一面ともいう。)およびZ方向における他方側の側面(第二面ともいう。)に開口している。
なお、骨格体4Aの第一面は、平面視において、外枠体40Aの外周縁により画定される面である。骨格体4Aの第一面の総面積Sといった場合には、セル46Aの開口部が形成されていない場合の、第一面の面積を意味する。具体的には、本実施形態の場合、図12Bに斜格子で示す部分の面積を意味する。一方、骨格体4Aの第一面の実面積S1aといった場合には、第一面の総面積Sから、セル46Aの開口部の総面積S16を引いた面積を意味する。具体的には、本実施形態の場合、図12Cに斜格子で示す部分の面積を意味する。なお、セル46Aの開口部の総面積S16は、図12C中、外枠体40Aの内側で白地部分(つまり、斜格子が付された部分以外の部分)を意味する。
構造体S1の総体積Vに占める、骨格体4Aの体積Vの割合(以下、「骨格体の体積割合」という。)の下限値は、構造体S1の用途によって適宜選択し得る。例えば、骨格体4Aの体積Vの割合の下限値は、構造体S1の用途がインソールである場合は、2%以上であると好ましい。この理由は、骨格体4Aが、適切な強度を有するからである。
また、骨格体4Aがクッション性を発揮できるといった観点から、骨格体の体積割合は、5%以上であるとより好ましい。
さらに、骨格体4Aが弾性力を発揮できるといった観点から、骨格体の体積割合は、10%以上であるとより好ましい。
一方、骨格体の体積割合の上限値は、例えば、構造体S1の用途がインソールである場合は、50%以下であると好ましい。この理由は、骨格体4Aが、ユーザの体(足)を支持する効果を十分に発揮できるからである。
また、骨格体4Aが反発力を発揮できるといった観点から、骨格体の体積割合は、40%以下であるとより好ましい。
さらに、骨格体4Aおよび後述の内側部材5Aが双方の弾性力および反発力などをバランスよく発揮できるといった観点から、骨格体の体積割合は、30%以下であるとより好ましい。
以上のような骨格体4Aは、例えば、熱可塑性樹脂からなる。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリプロピレンおよびプロピレン系エラストマーから選択される。特にプロピレン系エラストマーは、粘着性(タック性)を有するため、構造体S1と、構造体S1に接触する部材との間の滑り止めに効果的である。具体的には、構造体S1がインソールを構成する場合には、上述の熱可塑性樹脂は、インソールと靴底との間、および、インソールとユーザの足の裏面との間の滑り止めに効果的である。なお、熱可塑性樹脂に対して、例えば、抗菌効果または防臭効果を有する添加剤を添加してもよい。
骨格体4Aの硬度は、例えば、ロックウェル硬度Rスケールで80以上110以下である。また、骨格体4Aの硬度は、例えば、デュロメータ硬度でショアA60以上ショアD50以下でもよい。このような骨格体4Aの硬度の範囲は、ユーザの体が骨格体4Aに当接した際、ユーザに違和感を与えにくい適切な範囲である。この結果、構造体S1は、ユーザに対して快適なクッション性を作用させ、かつ、耐へたり性を付与することができる。
また、骨格体4Aの高さ方向におけるクッション性は、例えば、枠状隔壁42Aの材料、厚さ寸法、および高さ寸法などによって設定される。骨格体4Aのクッション性は、骨格体4A全体で等しくてもよいし、骨格体4Aの位置によって異なってもよい。
このような骨格体4Aは、例えば、3Dプリンタにより造られる。3Dプリンタは、光造形方式、粉末焼結方式、熱溶解積層方式、またはインクジェット方式などの各種方式の3Dプリンタである。このような3Dプリンタは、大型設備を要しないため、設備コストの低減を図れる。また、3Dプリンタは、使用する樹脂などの材料の種類や製造対象の構造・大きさなどによって造形方法を適宜選択する必要はあるが、射出成形のような高価な金型を要しないため、製造コストの低減を図れる。さらに、3Dプリンタは、低コストでオーダーメイドを可能とする。また、3Dプリンタは、製造できる形状に対する自由度が高い。例えば、3Dプリンタは、ユーザ毎の足型や頭部の形状などに合わせたインソールや枕などの構造体を提供しようとする場合に、個々に金型を作製する必要がない。したがって、3Dプリンタは、製造コストの低減や納期の短縮に効果的である。
[内側部材]
内側部材5Aは、セル46Aに配置されている。このような内側部材5Aは、所定方向(例えば、Z方向)のクッション性(弾性)を有する中実部材である。内側部材5Aは、多孔質体でもよい。内側部材5Aが多孔質体であれば、構造体S1の通気性が向上する。
内側部材5Aは、セル形成面43Aにより保持されている。内側部材5Aは、総てのセル46Aに配置されてもよいし、一部のセル46Aのみに配置されてもよい。
骨格体4Aの第一面の総面積Sに占める、総てのセル46Aのうちの内側部材5Aが配置(充填)されていないセル46A(以下、「非充填セル」という。)の開口部の面積S16の割合(以下、「非充填セルの面積割合」という。)の下限値は、構造体S1の用途やユーザの好みなどによって適宜選択し得る。
例えば、構造体S1の用途がインソールである場合は、セルの面積割合は、5%以上であることが好ましい。この理由は、構造体S1が、強度、耐久性、およびクッション性を十分に確保してユーザの体(足)を支える効果を発揮できるからである。
また、構造体S1が通気性を発揮できるといった観点から、非充填セルの面積割合は、10%以上であるとより好ましい。
さらに、構造体S1が通気性を十分に発揮できるといった観点から、非充填セルの面積割合は、15%以上であるとより好ましい。
一方、非充填セルの面積割合の上限値は、例えば、構造体S1の用途がインソールである場合は、50%以下であることが好ましい。この理由は、構造体S1がクッション性を確保しつつ十分な通気性を発揮できるからである。
また、構造体S1に強度を付与できるといった観点から、非充填セルの面積割合は、40%以下であるとより好ましい。
さらに、構造体S1の耐久性を向上できるといった観点から、非充填セルの面積割合は、30%以下であるとより好ましい。
上述のような総面積Sに占める面積S16の割合の範囲は、構造体S1のクッション性と通気性との両立を高次元で実現できる範囲である。総面積Sに占める面積S16の割合の範囲を上述の好ましい範囲に設定すれば、構造体S1のクッション性と通気性との両立をより高次元で図れるようになる。なお、内側部材5Aが配置(充填)されているセル46Aを、充填セルということもある。
構造体S1の総体積Vに占める、総ての内側部材5Aの体積Vの割合(以下、「内部部材の体積割合」という。)は、例えば、50%以上98%以下である。このような内部部材の体積割合の範囲は、ユーザの体が骨格体4Aに当接した際、ユーザに違和感を与えにくい範囲である。
なお、通気性の向上を目的として非充填セルを設けた場合に、非充填セルの割合が少なすぎると、通気性を特長とする製品の効果が得られにくくなる可能性がある。例えば、構造体S1がインソールを構成する場合、ユーザは、インソール着用時の蒸れを不快と感じることがある。この対策として、ユーザの好みに応じて、適切な割合で非充填セルを設けて通気性を付与することが好ましい。ただし、非充填セルの割合が大きすぎると、構造体S1にせん断力が加わった場合に寸法変化が大きく、ユーザの動作に対する応答性が発揮しにくくなる場合がある。したがって、構造体S1がインソールを構成する場合、構造体S1における内部部材の体積割合、あるいは、非充填セルの面積割合は、通気性とインソールの応答性とのバランスで決定されると好ましい。
また、内側部材5Aの材料は、構造体S1の用途に適った適切な機能・効果を発揮し得るような材料から適宜選択される。適切な材料が選択されることにより、内側部材5Aは、所望の効果を発揮できる。この結果、例えば、構造体S1は、ユーザに対して快適なクッション性を作用させつつ、ユーザの動作(歩行・走行等)に対する応答性(反発性・弾性)を向上させることができる。
以上のような内側部材5Aは、例えば、熱可塑性樹脂からなる。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリプロピレンおよびプロピレン系エラストマーから選択される。内側部材5Aの材料は、骨格体4Aの材料と同じでもよいし、異なってもよい。
内側部材5Aの硬度は、骨格体4Aの硬度と同じでもよいし、異なってもよい。内側部材5Aの硬度が、骨格体4Aの硬度と異なる場合、骨格体4Aの硬度が、ロックウェル硬度Rスケールで80以上110以下であれば、内側部材5Aの硬度は、デュロメータ硬度でショアA60以上ショアD50以下であると好ましい。内側部材5Aの硬度と骨格体4Aの硬度とが異なる構成は、構造体S1全体におけるクッション性に関する設計の自由度の向上に効果的である。
また、内側部材5Aの硬度が、骨格体4Aの硬度と異なる場合、骨格体4Aの硬度が、デュロメータ硬度でショアA60以上ショアD50以下であれば、内側部材5Aの硬度は、ロックウェル硬度Rスケールで80以上110以下であると好ましい。上述のような内側部材5Aの硬度の範囲は、ユーザの体が内側部材5Aに当接した際、ユーザに違和感を与えにくい適切な範囲である。この結果、構造体S1は、ユーザに対して快適なクッション性を作用させることができる。特に、上述の範囲において、内側部材5Aの硬度と骨格体4Aの硬度との関係を適切な関係に設定すれば、内側部材5Aのクッション性と骨格体4Aのクッション性との両立を図り、構造体S1全体としてより快適なクッション性を実現できる。
例えば、構造体S1がインソールである場合、内側部材5Aの硬度を骨格体4Aの硬度よりも低くすると好ましい。このような構成は、主に内側部材5Aにより発揮される、構造体S1全体におけるクッション性を担保しつつ、主に骨格体4Aにより発揮される反発力を有するインソールを提供することができる。また、足底圧力により、インソールの形状がユーザの足型に追従しやすく、ユーザがインソールを使用していないときにはインソールの形状が元の形に復元しやすい。
一方、例えば、構造体S1がインソールである場合、内側部材5Aの硬度を骨格体4Aの硬度よりも高くすることで、インソールによる反発性が得られ、ユーザの激しい動作の変化にも対応できる。
また、例えば、構造体S1がマットレスや枕、クッションのような、ユーザの体の柔らかい部分に当接する構造体である場合、内側部材5Aの硬度を骨格体4Aの硬度よりも高くすると好ましい。このような構成は、主に内側部材5Aにより発揮される、構造体S1全体におけるクッション性とユーザの体を支持する力を担保しつつ、ユーザが感じる違和感を骨格体4Aにより低減させ、高い快適性を有するマットレスを提供することができる。
また、内側部材5Aの、高さ方向(Z方向)におけるクッション性は、例えば、内側部材5Aの材料、横断面の面積、および高さ寸法などによって設定される。内側部材5Aの横断面とは、高さ方向に直交する平面で、内側部材5Aを切断した場合の断面を意味する。
内側部材5Aのクッション性は、総ての内側部材5A同士で等しくてもよいし、内側部材5A同士で異なってもよい。また、内側部材5Aのクッション性は、骨格体4Aのクッション性と同じでもよいし、異なってもよい。
このような内側部材5Aは、例えば、3Dプリンタにより造られる。3Dプリンタは、光造形方式、粉末焼結方式、熱溶解積層方式、またはインクジェット方式などの各種方式の3Dプリンタである。
骨格体4Aと内側部材5Aとを3Dプリンタで同時に造る場合には、例えば、2本の造形ノズル(デュアルヘッド)を有する熱溶解積層方式の3Dプリンタが使用される。熱可塑性樹脂製フィラメントをノズルまで挿入し、ノズル内で加熱した後に溶融樹脂を押出し、造形テーブル上で冷却固化を経て積層する。
また、内側部材5Aは、3Dプリンタ以外の他の方法で造られてもよい。他の方法の例として、3Dプリンタで予め作った骨格体4Aのセル46Aに、溶融樹脂を流し込んで固める方法が挙げられる。
本実施形態の場合、図13Bに示すように、内側部材5Aの高さ寸法Hは、隔壁41Aの高さ寸法H11と同じである。つまり、内側部材5Aの高さ方向における一端面(Z方向における一端面)は、隔壁41Aの高さ方向における一端縁と、同一面上に配置されている。内側部材5Aの高さ方向における他端面(Z方向における他端面)は、隔壁41Aの高さ方向における他端面と、同一面上に配置されている。
このような構成の場合、図13Bに二点鎖線で示すユーザ5の体の部位50が、高さ方向における一方側から構造体S1に当接した場合、体の部位50は、内側部材5Aおよび隔壁41Aに同時に当接する。そして、内側部材5Aおよび隔壁41Aは、Z方向に同時に弾性変形する。
また、図13Cに示す変形例1のように、内側部材5A1の高さ寸法H2aは、隔壁41Aの高さ寸法H11と異なってもよい。図13Cに示す内側部材5A1の場合、内側部材5A1の高さ方向における一端面は、隔壁41Aの高さ方向における一端縁よりも、高さ方向における他方側に配置されている。
このような構成の場合、図13Cに二点鎖線で示すユーザ5の体の部位50が、高さ方向における一方側から構造体S1に当接した場合、体の部位50は、まず、隔壁41Aに当接し、隔壁41AをZ方向における他方側に弾性変形させる。その後、隔壁41Aが所定量(H11−H2a)だけ弾性変形すると、体の部位50は、内側部材5A1に当接し、内側部材5A1を弾性変形させる。このような変形例1の構成によれば、段階的なクッション性を設定できる。
また、図13Dに示す変形例2のように、内側部材5A2の高さ寸法H2bは、隔壁41Aの高さ寸法H11と異なってもよい。図13Dに示す内側部材5A2の場合、内側部材5A1の高さ方向における一端面は、隔壁41Aの高さ方向における一端縁よりも、高さ方向における一方側に配置されている。
このような構成の場合、図13Dに二点鎖線で示すユーザ6の体の部位60が、高さ方向における一方側から構造体S1に当接した場合に、体の部位60は、まず、内側部材5A2に当接し、内側部材5A2をZ方向における他方側に弾性変形させる。その後、内側部材5A2が所定量(H2b−H11)だけ弾性変形すると、体の部位60は、隔壁41Aに当接し、隔壁41Aを弾性変形させる。このような変形例2の構成も、段階的なクッション性を設定できる。
[本実施形態の作用・効果]
以上のような本実施形態の構造体S1は、骨格体4Aの硬度と、内側部材5Aの硬度を調整することにより、構造体S1全体のクッション性を設定することができる。特に、骨格体4Aのセル46Aの位置に応じて、異なる硬度の内側部材5Aを配置すれば、構造体S1全体のクッション性をより高い自由度で設定できる。このような構造体S1を用いれば、例えば、インソール、枕、マットレス、およびクッションなどのクッション性を有する製品において、ユーザの体の状態に応じた設計が可能となる。
<実施形態3>
図14Aおよび図14Bを参照して、本発明の実施形態3に係る構造体S2ついて説明する。図14Aは、構造体S2の一部の平面図である。また、図14Bは、図14AのX−X線断面図である。本実施形態の場合、枠状隔壁42Bの構造が、前述した実施形態2と異なる。以下、本実施形態の構造体S2について、前述した実施形態2と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態の隔壁41Bを構成する枠状隔壁42Bは、セル形成面43Bを構成する面要素431Bの少なくとも一部に、内側部材5Bと係合する係合部432Bを有する。
具体的には、係合部432Bは、セル形成面43Bの全周にわたり形成された凹曲面部432aおよび凸曲面部432bにより構成されている。
凹曲面部432aと凸曲面部432bとは、セル形成面43Bの高さ方向において交互に形成されている。このような凹曲面部432aと凸曲面部432bとは、滑らかに連続している。
内側部材5Bの外周面は、セル形成面43Bに沿う形状を有する。内側部材5Bの外周面は、凹曲面部432aおよび凸曲面部432bと係合している。これにより、内側部材5Bの高さ方向における抜け止めが、図られている。なお、係合部432Bは、総てのセル46Bに設けられている。ただし、係合部432Bは、一部のセル46B(例えば、充填セル)にのみ設けられてもよい。また、係合部432Bの構造は、総てのセル46Bにおいて同じでもよいし、異なってもよい。また、凹曲面部432aと凸曲面部432bとは、断面形状が、図14Bのように滑らかな波状形状(半円形状)でもよいが、例えば、図14Cに示されるような三角形、または、図14Dに示すような四角形などの多角形状であってもよい。また、凹曲面部432aおよび凸曲面部432bは、表面に、細かい凹凸部が形成された粗面部(不図示)を有してもよい。また、凹曲面部432aおよび凸曲面部432bは、表面に、ディンプル(くぼみ)やピット(穴)が形成されていてもよい。このような構成は、本実施形態に限らず、他の実施形態においても適宜選択できる。その他の構成および作用・効果は前述した実施形態2と同様である。
<実施形態4>
図15Aおよび図15Bを参照して、本発明の実施形態4に係る構造体S3ついて説明する。図15Aは、構造体S3の一部の平面図である。また、図15Bは、図15AのX−X線断面図である。本実施形態の場合、枠状隔壁42Cの構造が、前述した実施形態2と異なる。以下、本実施形態の構造体S3について、前述した実施形態2と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態の隔壁41Cを構成する枠状隔壁42Cは、セル形成面43Cを構成する面要素431Cの少なくとも一部に、内側部材5Cと係合する係合部432Cを有する。
具体的には、係合部432Cは、セル形成面43Cの全周にわたり形成された複数の凸曲面部432bからなる。
凸曲面部432bは、セル形成面43Cの高さ方向に離隔して形成されている。高さ方向に隣り合う凸曲面部432b同士は、平坦面により接続されている。
内側部材5Cの外周面は、セル形成面43Cに沿う形状を有する。内側部材5Cの外周面は、凸曲面部432bと係合している。これにより、内側部材5Cの高さ方向における抜け止めが、図られている。その他の構成および作用・効果は前述した実施形態2と同様である。
<実施形態5>
図16Aおよび図16Bを参照して、本発明の実施形態5に係る構造体S4ついて説明する。図16Aは、構造体S4の一部の平面図である。また、図16Bは、図16AのX−X線断面図である。本実施形態の場合、枠状隔壁42Dの構造が、前述した実施形態2と異なる。以下、本実施形態の構造体S4について、前述した実施形態2と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態の隔壁41Dを構成する枠状隔壁42Dは、セル形成面43Dの少なくとも一部に、内側部材5Dと係合する係合部432Dを有する。
具体的には、係合部432Dは、セル形成面43Dに形成された複数の凸片432cからなる。
凸片432cは、セル形成面43Dを構成する面要素431D毎に一個設けられている。具体的には、凸片432cは、面要素431Dの高さ方向および幅方向における中間部に形成されている。面要素431Dの幅方向とは、高さ方向に直交し、かつ、面要素431Dに沿う方向を意味する。
凸片432cは、面要素431Dからセル46Dの中心部に向かって突出している。このような凸片432cは、基端部がセル形成面43Dに固定された片持ち構造である。図16Bに示された凸片432cの場合、凸片432cと面要素431Dとのなす角は、90°である。
なお、凸片432cの形状は、直方体、円柱または円錐などの種々の形状であってよい。また、凸片432cは、セル形成面43Dを構成する全ての面要素431Dに設けられてもよいし、一部の面要素431Dにのみ設けられてもよい。また、凸片432cと面要素431Dとのなす角は、適宜設定されてよい。
内側部材5Dの外周面は、セル形成面43Dに沿う形状を有する。内側部材5Dの外周面は、凸片432cと係合している。これにより、内側部材5Dの高さ方向における抜け止めが、図られている。その他の構成および作用・効果は前述した実施形態2と同様である。
<実施形態6>
図17Aおよび図17Bを参照して、本発明の実施形態6に係る構造体S5ついて説明する。図17Aは、構造体S5の一部の平面図である。また、図17Bは、図17AのX−X線断面図である。本実施形態の場合、枠状隔壁42Eの構造が、前述した実施形態2と異なる。以下、本実施形態の構造体S5について、前述した実施形態2と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態の隔壁41Eを構成する枠状隔壁42Eは、セル形成面43Eの少なくとも一部に、内側部材5Eと係合する係合部432Eを有する。
係合部432Eは、セル形成面43Eに形成された複数の凸片432dからなる。凸片432dは、円柱状の基部432d1と、基部432d1の先端部に設けられた略球状の膨出部432d2とからなる。膨出部432d2は、基部432d1の外周面より膨らんだ形状を有する。
凸片432dは、セル形成面43Eを構成する面要素431E毎に一個設けられている。凸片432dは、面要素431Eからセル46Eの中心部に向かって突出している。このような凸片432dは、面要素431Eの高さ方向および幅方向における中間部に形成されている。図16Bに示された凸片432dの場合、凸片432dと面要素431Eとのなす角は、90°である。
なお、凸片432dの基部432d1および膨出部432d2の形状は、図示の場合に限定されない。また、凸片432dは、セル形成面43Eを構成する全ての面要素431Eに設けられてもよいし、一部の面要素431Eにのみ設けられてもよい。また、凸片432dと面要素431Eとのなす角は、適宜設定されてよい。
内側部材5Eの外周面は、セル形成面43Eに沿う形状を有する。内側部材5Eの外周面は、凸片432dと係合している。これにより、内側部材5Eの高さ方向における抜け止めが、図られている。特に、本実施形態の場合、基部432d1の先端部に膨出部432d2が設けられているため、凸片432dと内側部材5Eとが強固に係合されている。その他の構成および作用・効果は前述した実施形態2と同様である。
<実施形態7>
図18Aおよび図18Bを参照して、本発明の実施形態7に係る構造体S6ついて説明する。図18Aは、構造体S6の一部の平面図である。また、図18Bは、図18AのX−X線断面図である。本実施形態の場合、枠状隔壁42Fの構造が、前述した実施形態2と異なる。以下、本実施形態の構造体S6について、前述した実施形態2と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態の隔壁41Fを構成する枠状隔壁42Fは、セル形成面43Fの少なくとも一部に、内側部材5Fと係合する係合部432Fを有する。
具体的には、係合部432Fは、セル形成面43Fに形成された複数の貫通孔432eからなる。貫通孔432eは、枠状隔壁42Fを厚さ方向に貫通している。
貫通孔432eは、セル形成面43Fを構成する面要素431F毎に一個設けられている。具体的には、貫通孔432eは、面要素431Fの高さ方向および幅方向における中間部に形成されている。
なお、貫通孔432eの形状および位置は、図示の場合に限定されない。また、貫通孔432eは、セル形成面43Fを構成する全ての面要素431Fに設けられてもよいし、一部の面要素431Fにのみ設けられてもよい。
内側部材5Fの外周面は、セル形成面43Fに沿う形状を有する。よって、内側部材5Fの外周面の一部は、貫通孔432eの内側に配置されている。これにより、内側部材5Fの高さ方向における抜け止めが、図られている。なお、本実施形態の場合、隣り合うセル46Fに配置された内側部材5F同士は、貫通孔432eの内側に配置された部分を介して接続されている。その他の構成および作用・効果は前述した実施形態2と同様である。
<実施形態8>
図19および図20を参照して、本発明の実施形態8に係る構造体S7ついて説明する。図19は、構造体S7の斜視図である。図20は、構造体S7の平面図である。以下、本実施形態の構造体S7について、前述した実施形態2と異なる部分を中心に説明する。
骨格体4Gは、外枠体40G、隔壁41G、および複数のセル46Gを有する。このような骨格体4Gは、所定方向(例えば、Z方向)のクッション性(弾性)を有する格子状部材である。
外枠体40Gの構造は、前述した実施形態2の外枠体40Aと同様である。
隔壁41Gは、枠状に構成された複数の枠状隔壁42Gを有する。本実施形態の場合、枠状隔壁42Gは、平面視で正方形である。このような枠状隔壁42Gは、同形状の枠状隔壁42Gが隙間なく並べられている。なお、隣り合う枠状隔壁42G同士は、枠状隔壁42Gの一部(正方形の一辺)を共有している。
枠状隔壁42Gは、内面に、平面視で正方形の連続したセル形成面43Gを有する。本実施形態の場合、セル形成面43Gは、四個の面要素431Gにより構成されている。また、図19および図20に示すように、セル形成面43Gを構成する面要素431Gは、総て平坦面である。ただし、面要素431Gは、前述した実施形態3〜7のような係合部432B〜係合部432Fを有してもよい。
セル46Gは、セル形成面43により囲まれた空間である。セル46Gにはそれぞれ、内側部材5Gが配置されている。内側部材5Gの外周面は、セル形成面43に沿う形状である。よって、内側部材5Gは、平面視において、正方形である。その他の構成および作用・効果は前述した実施形態2と同様である。
<実施形態9>
図21を参照して、本発明の実施形態9に係る構造体S8ついて説明する。図21は、構造体S8の平面図である。以下、本実施形態の構造体S8について、前述した実施形態2と異なる部分を中心に説明する。
骨格体4Hは、底板47、外枠体40H、隔壁41H、および複数のセル46H1〜46H5を有する。このような骨格体4Hは、所定方向(例えば、Z方向)のクッション性(弾性)を有する。
底板47は、平面視で楕円形の板状部材である。
外枠体40Hは、底板47の上面に固定されており、楕円枠状に形成された板状部材である。このような外枠体40Hは、平面視における骨格体4Hの輪郭を形成している。なお、外枠体40Hは、骨格体4Hにおける最も外側の枠状隔壁とみなすこともできる。
隔壁41Hは、外枠体40Hにより形成される空間に配置されている。隔壁41Hは、楕円枠状に構成された複数の枠状隔壁42H1〜42H4を有する。枠状隔壁42H1〜42H4は、平面視において、短径および長径が異なる楕円である。枠状隔壁42H1〜枠状隔壁42H4は、底板47の上面に、所定の間隔で入れ子状に固定されている。なお、枠状隔壁42H1〜42H4はそれぞれ、隣接する枠状隔壁同士を接続する隔壁接続部48を有してもよい。このような隔壁接続部48はそれぞれ、隣接する枠状同士の位置関係を固定する機能を有する。隔壁接続部48の位置および数は、図示の場合に限定されない。なお、枠状隔壁42H1〜42H4は、隔壁接続部48を、有していてもよいし、有していなくてもよい。枠状隔壁42H1〜42H4が隔壁接続部48を有している場合には、底板47は省略されてもよい。
枠状隔壁42H1〜4H4はそれぞれ、内面および外面に、平面視で楕円形の内側セル形成面44および外側セル形成面45を有する。本実施形態の場合、図21に示すように、内側セル形成面44および外側セル形成面45は、総て平曲面である。ただし、内側セル形成面44および外側セル形成面45は、前述した実施形態3〜7のような係合部432B〜係合部432Fを有してもよい。
セル46H1〜46H5のうち、最も内側のセル46H1は、最も内側に配置された枠状隔壁42H1の内側セル形成面44により囲まれた空間である。
セル46H1〜46H5のうち、最も外側のセル46H5は、外枠体40Hの内面と、最も外側に配置された枠状隔壁42H4の外側セル形成面45とにより囲まれた空間である。
セル46H2〜46H4は、隣り合う枠状隔壁42H2〜42H4の内側セル形成面44と外側セル形成面45とにより囲まれた空間である。
以上のようなセル46H1〜46H5には、内側部材5H1〜5H5が配置されている。内側部材5H1〜5H5の内周面および外周面は、内側部材5H1〜5H5が配置されたセル46H1〜46H5を形成する内側セル形成面44と外側セル形成面45に沿う形状を有する。その他の構成および作用・効果は前述した実施形態2と同様である。
<実施形態10>
図22Aを参照して、本発明の実施形態10に係るインソール7Aについて説明する。図22Aは、本実施形態に係るインソール7Aの平面図である。
インソール7Aは、ユーザ情報に基づいて設計される。ユーザ情報は、身長、体重、年齢、性別、体脂肪量、体脂肪率、筋肉量、および体筋肉率などのユーザの身体に関する情報を含む。
また、ユーザ情報は、ユーザの現在の下肢疾患に関する情報を含む。下肢疾患に関する情報は、ユーザの足の疾患名、症状、医師による診察結果に関する情報、および経過に関する情報などを含む。
また、ユーザ情報は、カメラなどの撮像装置により撮像したユーザの足の形状に関する情報(以下、「足の形状情報」という。)を含む。
さらに、ユーザ情報は、ユーザの足の裏面の圧力分布に関する情報(以下、「ユーザの圧力分布情報」という。)を含む。
ユーザの圧力分布情報は、静止して立っている状態、歩行状態、および、走行状態におけるユーザの足の裏面の圧力分布に関する情報を含む。
ユーザの圧力分布情報は、ユーザの足の裏面を複数の部位に区分した場合の、各部位における足底圧力を含む。足の裏面は、例えば図22Bに示すように、足趾部61、踏み付け部62、土踏まず部63、足刀部64、および踵部65の5つの部位に区分される。なお、足の裏面の区分は、図22Bに示す区分よりも細かい区分であってもよい。
このようなユーザ情報に基づいて、図22Bに示される区分毎に、インソールの形状に関する情報(以下、「インソールの形状情報」という。)およびインソールの材料に関する情報(以下、「インソールの材料情報」という。)が設計される。インソールの形状情報は、表面の形状、裏面の形状、および厚さ寸法などを含む。インソールの材料情報は、材料の種類、組成、密度、硬度、および粘度などを含む。
このような設計に基づいて、インソール7Aを構成する構造体が決定される。図22Aに示されるインソール7Aは、前述した実施形態2の構造体S1からなる。構造体S1の構成については、前述した実施形態2と同様であるため省略する。
このようなインソール7Aは、例えば、3Dプリンタにより造られる。3Dプリンタは、粉末焼結方式、熱溶解積層方式、またはインクジェット方式などの各種方式の3Dプリンタである。
なお、図22Aに示されるインソール7Aを構成する構造体は、前述した実施形態3〜9の構造体S2〜S8の何れかであってもよい。また、インソール7Aは、単層構造でもよいし、構成が異なる複数の構造体を重ねた積層構造であってもよい。さらに、インソールは、図22Bに示される区分毎に、異なる構造体が配置されてもよい。図22Cは、区分毎に異なる構造体が配置されたインソール7Bの平面図である。
インソール7Bは、足趾部61および踏み付け部62に前述した実施形態2の構造体S1が配置されている。また、インソール7Bは、土踏まず部63および足刀部64に、前述した実施形態2の構造体S1よりも小さいセルを有する構造体S1−2が配置されている。さらに、インソール7Bは、踵部65に、前述した実施形態9の構造体S8が配置されている。このようなインソール7Bによれば、ユーザの足裏の区分に応じた設計が可能となる。
以上のようなインソール7A、7Bは、歩行時および走行時の足への負担軽減、足の疾患の症状改善、あるいは、スポーツにおけるパフォーマンスの向上に効果的である。例えば、上述のようなインソール7A、7Bは、足の魚の目および足の胼胝(たこ)などの足の疾患に効果的である。
足の魚の目とは、例えば合わない靴を履いたりして、特定の部分のみが圧迫されて、皮膚の表面が刺激し続けられると、足の角質が厚くなる現象である。ウオノメは、圧迫された時には、神経に痛みを感じる。ウオノメの症状に応じた適切なインソールを着用することにより、歩行・走行動作中の痛みを軽減できる。
また、足の胼胝とは、魚の目と同様に圧迫などの刺激が繰り返されることが原因で、広い範囲で皮膚が硬く盛り上がる現象である。足の胼胝は、神経に触れて痛みを感じる。足の胼胝は、足の裏に発症することが多いため、ユーザの動作に対する応答性(汎発性・弾性)が向上されたインソールの着用が推奨される。
<実施形態11>
図23Aおよび図23Bを参照して、本発明の実施形態11に係る枕8について説明する。図23Aは、本実施形態に係る枕8の斜視図である。図23Bは、図23AのY−Y線断面図である。
枕8は、ポリウレタンなどの低反発素材からなる下側部材81と、下側部材81の上側に配置された上側部材82とを有する。
上側部材82は、ユーザが睡眠する際、ユーザの枕を支持する部分である。このような上側部材82は、前述した実施形態2〜9に係る構造体S1〜S8のうちの少なくとも一つの構造体からなる。上側部材82の構造は、一種類の構造体からなる単層構造でもよいし、構成が異なる複数の構造体を積層した積層構造であってもよい。
<実施形態12>
図24を参照して、本発明の実施形態12に係るクッション9について説明する。図24は、本実施形態に係るクッション9の斜視図である。
クッション9は、椅子の座板の上に配置された状態で、ユーザの臀部を支持する。このようなクッション9は、前述した実施形態2〜9に係る構造体S1〜S8のうちの少なくとも一つの構造体からなる。クッション9の構造は、一種類の構造体からなる単層構造でもよいし、構成が異なる複数の構造体を積層した積層構造であってもよい。
本発明に係るインソール設計装置18は、下肢疾患の症状改善、スポーツにおけるパフォーマンスの向上を目的としたインソールに限らず、その他の様々なインソールに適用できる。
10 インソール設計システム
11 変位測定装置
111 第一撮像装置
111a、111b、111c、111d、111e、111f カメラ
112 第一演算部
12 荷重測定装置
121 錘
122 椅子
123 床
123a 上面
13 足型測定装置
131 第二撮像装置
132 第二演算部
14 足底圧測定装置
15 靴情報取得装置
16 成形装置
17 記憶装置
18 インソール設計装置
181 変位情報取得部
182 荷重情報取得部
183 足型情報取得部
184 足底圧情報取得部
185 靴情報取得部
186 処理部
187 出力部
30 ユーザ
31 足
311 舟状骨
312 横アーチ
313 外側縦アーチ
314 内側縦アーチ
315 甲
316 踵
317 履き口
318a 足趾部
318b 踏み付け部
318c 土踏まず
318d 足刀部
318e 踵部
319 マーカ
320 第一トラス要素
321 第二トラス要素
322 第三トラス要素
324 トラスメカニズム
324a 頂点
20A、20B、20C、20D 靴
S1〜S8、S1−2 構造体
4A〜4H 骨格体
40A、40G、40H 外枠体
41A〜41H 隔壁
42A〜42G、42H1〜42H4 枠状隔壁
43A〜43G セル形成面
431A〜431G 面要素
432B〜432F 係合部
432a 凹曲面部
432b 凸曲面部
432c、432d 凸片
432d1 基部
432d2 膨出部
432e 貫通孔
44 内側セル形成面
45 外側セル形成面
46A〜46G、46H1〜46H5 セル
47 底板
48 隔壁接続部
5A、5A1、5A2、5B〜5G、5H1〜5H5 内側部材
6 ユーザ
60 体の部位
61 足趾部
62 踏み付け部
63 土踏まず部
64 足刀部
65 踵部
7A、7B インソール
8 枕
81 下側部材
82 上側部材
9 クッション
第一面の総面積
16 開口部の総面積

Claims (36)

  1. インソールの設計装置であって、
    接地状態にあるユーザの足が第一状態から第二状態へと状態遷移する際の前記足の舟状骨の変位に関する情報を受け取る変位情報取得部と、
    前記状態遷移の際に前記足から接地面へと加わる荷重に関する情報を受け取る荷重情報取得部と、
    前記変位に関する情報および前記荷重に関する情報に基づいて、前記インソールの材料に関する情報を含む設計情報を生成する処理部と、
    前記設計情報を出力する出力部と、を備える、
    インソールの設計装置。
  2. 前記ユーザの立位における前記足の裏面の圧力分布に関する情報を受け取る足底圧情報取得部を、さらに備え、
    前記処理部は、前記圧力分布に関する情報に基づいて、前記材料に関する情報を決定する、請求項1に記載のインソールの設計装置。
  3. 前記ユーザの足型に関する情報を受け取る足型情報取得部を、さらに備え、
    前記処理部は、前記足型に関する情報に基づいて、前記材料に関する情報を決定する、請求項1または2に記載のインソールの設計装置。
  4. 前記材料に関する情報は、前記材料の硬度を含む、請求項1〜3の何れか一項に記載のインソールの設計装置。
  5. 前記材料に関する情報は、少なくとも2種類の材料に関する情報を含む、請求項1〜4の何れか一項に記載のインソールの設計装置。
  6. 前記処理部は、前記インソールの部位毎に前記材料に関する情報を決定する、請求項1〜5の何れか一項に記載のインソールの設計装置。
  7. 前記処理部は、前記変位に関する情報および前記荷重に関する情報に基づいて前記足に関する数学的な推定モデルを生成し、前記推定モデルと、予め記憶している基準モデルとの比較に基づいて、前記材料に関する情報を決定する、請求項1〜6の何れか一項に記載のインソールの設計装置。
  8. 前記インソールが適用される靴に関する情報を受け取る靴情報取得部を、さらに備え、
    前記処理部は、前記靴に関する情報に基づいて、前記インソールの平面視における外形を決定する、請求項1〜7の何れか一項に記載のインソールの設計装置。
  9. 接地状態にあるユーザの足が第一状態から第二状態へと状態遷移する際の前記足の舟状骨の変位に関する情報を測定する変位測定装置と、
    前記状態遷移の際に前記ユーザの足から接地面へと加わる荷重に関する情報を測定する荷重測定装置と、
    請求項1〜8の何れか一項に記載のインソール設計装置と、を備える、
    インソールの設計システム。
  10. 前記インソールの設計装置とネットワークを介して接続され、前記ユーザに関する情報を記憶する記憶装置を、さらに備える、請求項9に記載のインソールの設計システム。
  11. 前記インソールの設計装置が生成した設計情報に基づいて、前記インソールを成形する成形装置を、さらに備える、請求項9または10に記載のインソールの設計システム。
  12. 前記成形装置は、前記インソールの設計装置にネットワークを介して接続された3Dプリンタである、請求項11に記載のインソールの設計システム。
  13. インソールの設計方法であって、
    接地状態にあるユーザの足が第一状態から第二状態へと状態遷移する際の前記足の舟状骨の変位に関する情報を受け取るステップと、
    前記状態遷移の際に前記ユーザの足から接地面へと加わる荷重に関する情報を受け取るステップと、
    前記変位に関する情報および前記荷重に関する情報に基づいて、前記インソールの材料に関する情報を含む設計情報を生成するステップと、
    前記設計情報を出力するステップと、を含む、
    インソールの設計方法。
  14. 前記材料に関する情報を決定するステップの前に、前記ユーザの立位における前記足の裏面の圧力分布に関する情報を受け取るステップを、さらに含み、
    前記材料に関する情報を決定するステップにおいて、前記圧力分布に関する情報に基づいて前記インソールの材料に関する情報を決定する、請求項13に記載のインソールの設計方法。
  15. 前記材料に関する情報を決定するステップの前に、前記ユーザの足型に関する情報を受け取るステップを、さらに含み、
    前記材料に関する情報を決定するステップにおいて、前記足型に関する情報に基づいて前記材料に関する情報を決定する、請求項13または14に記載のインソールの設計方法。
  16. 前記材料に関する情報を決定するステップにおいて、前記インソールの部位毎に前記材料に関する情報を決定する、請求項13〜15の何れか一項に記載のインソールの設計方法。
  17. 前記材料に関する情報を決定するステップにおいて、前記変位に関する情報および前記荷重に関する情報に基づいて前記足に関する数学的な推定モデルを生成し、前記推定モデルと、予め記憶している基準モデルとの比較に基づいて、前記材料に関する情報を決定する、請求項13〜16の何れか一項に記載のインソールの設計方法。
  18. 前記設計情報を生成するステップの前に、
    靴に関する情報を受け取るステップと、
    前記靴に関する情報に基づいて前記インソールの平面視における外形を決定するステップと、をさらに含み、
    前記設計情報を生成するステップにおいて、前記インソールの平面視における外形に関する情報を含む設計情報を生成する、
    請求項13〜17の何れか一項に記載のインソールの設計方法。
  19. インソールの製造方法であって、
    接地状態にあるユーザの足が第一状態から第二状態へと状態遷移する際の前記足の舟状骨の変位に関する情報を受け取るステップと、
    前記状態遷移の際に前記ユーザの足から接地面へと加わる荷重に関する情報を受け取るステップと、
    前記変位に関する情報および前記荷重に関する情報に基づいて、前記インソールの材料に関する情報を含む設計情報を生成するステップと、
    ネットワークを介して前記設計情報を成形装置に出力するステップと、
    前記設計情報に基づいて前記成形装置により前記インソールを成形するステップと、を含む、
    インソールの製造方法。
  20. インソールの設計プログラムであって、
    コンピュータに、
    接地状態にあるユーザの足が第一状態から第二状態へと状態遷移する際の前記足の舟状骨の変位に関する情報を受け取るステップと、
    前記状態遷移の際に前記ユーザの足から接地面へと加わる荷重に関する情報を受け取るステップと、
    前記荷重に関する情報および前記変位に関する情報に基づいて、前記インソールの材料に関する情報を含む設計情報を生成するステップと、
    前記設計情報を出力するステップと、
    を実行させるインソールの設計プログラム。
  21. 弾性を有する構造体であって、
    隔壁、および前記隔壁により形成された複数のセルを有する骨格体と、
    前記複数のセルに配置された内側部材と、を備える、
    構造体。
  22. 前記骨格体と前記内側部材とは、硬さが異なる、請求項21に記載の構造体。
  23. 前記骨格体の硬さは、ロックウェル硬度Rスケールで80以上110以下であり、
    前記内側部材の硬さは、デュロメータ硬度でショアA60以上ショアD50以下である、請求項22に記載の構造体。
  24. 前記骨格体の硬さは、デュロメータ硬度でショアA60以上ショアD50以下であり、
    前記内側部材の硬さは、ロックウェル硬度Rスケールで80以上110以下である、請求項22に記載の構造体。
  25. 前記構造体の体積に占める、前記骨格体の体積の割合は、2%以上50%以下であり、
    前記構造体の体積に占める、前記内側部材の体積の割合は、50%以上98%以下である、請求項21〜24の何れか一項に記載の構造体。
  26. 前記隔壁の厚さは、0.2mm以上20.0mm以下である、請求項21〜25の何れか一項に記載の構造体。
  27. 前記複数のセルは、互いの形状が等しい、請求項21〜26の何れか一項に記載の構造体。
  28. 前記複数のセルは、互いの形状が異なる、請求項21〜26の何れか一項に記載の構造体。
  29. 前記骨格体は、前記複数のセルの開口部が形成された第一面を有し、
    前記第一面の総面積に占める、前記複数のセルのうちの前記内側部材が配置されていない前記セルの開口部の面積の割合が、5%以上50%以下である、請求項21〜28の何れか一項に記載の構造体。
  30. 前記隔壁と前記内側部材とは、高さ寸法が異なる、請求項21〜29の何れか一項に記載の構造体。
  31. 前記隔壁の高さ寸法は、前記内側部材の高さ寸法よりも大きい、請求項30に記載の構造体。
  32. 前記隔壁の高さ寸法は、前記内側部材の高さ寸法よりも小さい、請求項30に記載の構造体。
  33. 前記隔壁は、係合部を有し、
    前記係合部は、前記内側部材と係合している、請求項21〜32の何れか一項に記載の構造体。
  34. 前記骨格体および前記内側部材は、熱可塑性樹脂からなる、請求項21〜33の何れか一項に記載の構造体。
  35. 前記熱可塑性樹脂は、ポリプロピレンおよびプロピレン系エラストマーから選択される、請求項34に記載の構造体。
  36. 請求項21〜35の何れか一項に記載した構造体からなる、
    インソール。
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