JP7071223B2 - 液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドの製造方法、及び記録方法 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の一実施形態にかかる記録ヘッドの例を示す模式図である。
(a)成分は撥液成分である。(a)成分を含む組成物が硬化することにより得られる撥液層7は、加水分解性シラン化合物から生成するシロキサン骨格(無機骨格)と、カチオン重合性基を硬化させることによる骨格(有機骨格、エポキシ基を用いる場合はエーテル骨格)とを有する。これによっていわゆる有機-無機骨ハイブリッド硬化物材料となり、記録ヘッドの表面への拭き取り操作に対し高い耐久性を有する。また、(a)成分はカチオン重合性基を有しているため、フォトリソグラフィーによるパターン形成に対応する感光特性を有しており、パターニングにより精度の高い吐出口5を形成することが可能である。
(式(9)中、Aは二価の有機基、Xは加水分解性置換基、Yは非加水分解性置換基である。nは0以上20以下の整数、aは1以上3以下の整数である。)
式(9)中、Xは好ましくはメトキシ基またはエトキシ基である。nは好ましくは3以上15以下の整数、より好ましくは5以上10以下の整数である。Aは、好ましくは、炭素数10以下の有機基であり、より好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基およびブチレンオキシ基等の、炭素数6以下の二価のアルキレン基またはアルキレンオキシ基である。Yとしてはエチレン基が好ましい。
CF3-C2H4-SiX3;
C2F5-C2H4-SiX3;
C4F9-C2H4-SiX3;
C6F13-C2H4-SiX3;
C8F17-C2H4-SiX3;
C10F21-C2H4-SiX3;
が含まれる。Xは、メトキシ基またはエトキシ基である。
(式(10)中、Rpはパーフルオロポリエーテル基、Aは二価の有機基、Xは加水分解性置換基、Yは非加水分解性置換基である。aは1以上3以下の整数である。)
R3-aXaSi-A-Rp-A-SiXaY3-a (11)
(式(11)中、Rは非加水分解性置換基であり、Yと同一であっても異なっていてもよい。Rp、A、X、Yおよびaは式(10)と同義である。)
(式(16)中、tは1以上30以下の整数である。)
(式(17)中、eおよびfはそれぞれ1以上30以下の整数である。)
(式(20)中、Rcはカチオン重合性基を有する非加水分解性置換基、Xは加水分解性置換基、Yは非加水分解性置換基、bは1以上3以下の整数である。)
Ra-SiX(4-c) (21)
(式(21)中、Raは、置換または非置換アルキルおよび置換および非置換アリールからなる群より選ばれる非加水分解性置換基、Xは加水分解性置換基、cは0以上3以下の整数である。)
(b)成分は撥液層7に帯電防止性を付与する化合物である。(b)成分は、エチレンオキシド鎖を有するため導電性が高く、少量の添加で帯電防止性を発揮することができる。また、(b)成分はカチオン重合性基を有していることから、上記(a)成分である縮合物中のカチオン重合性基と反応して縮合物中に組み込まれる。その結果、液体吐出ヘッドの表面への液体洗浄操作や拭き取り操作によって帯電防止性を有する化合物が撥液層7から脱落しづらく、帯電防止性の持続性が高い。さらにまた(b)成分は、撥液成分としての(a)フッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物とカチオン重合性基を有する加水分解性シラン化合物との縮合物と親和性が高く、液体吐出ヘッドの表面に均一に分散される。その結果、導電性コンパウンドの場合と異なり、撥液成分が局所的に存在しない箇所が形成されにくく、(a)成分による撥液性の発現を阻害しにくい。
次いで、図3を参照して本発明の実施形態にかかる記録ヘッドの製造方法の例を説明する。
本発明の実施形態にかかる記録方法は、上記記録ヘッドを用い、電荷を有する分散剤若しくは樹脂で分散させた顔料を含む液体、又は、表面に電荷を有する基が直接若しくは原子団を介して結合している自己分散顔料を含む液体を、記録ヘッドから吐出することにより記録媒体に画像を記録するものである。
(実施例1)
図3に示す工程に従って、インクジェットヘッドを作製した。
(b)成分として下記式(23)で表される化合物0.27g(0.0024mol)を用いた以外は全て実施例1と同様にして、記録ヘッドを作製した。
(b)成分として下記式(24)で表される化合物0.48g(0.0024mol)を用いた以外は全て実施例1と同様にして、記録ヘッドを作製した。
(b)成分として下記式(25)で表される化合物0.55g(0.0024mol)を用いた以外は全て実施例1と同様にして、記録ヘッドを作製した。
(b)成分として下記式(26)で表される化合物0.64g(0.0024mol)を用いた以外は全て実施例1と同様にして、記録ヘッドを作製した。
(b)成分である式(22)で表される化合物の添加量を0.54g(0.0048mol)とした以外は全て実施例1と同様にして、記録ヘッドを作製した。
(b)成分である式(22)で表される化合物の添加量を0.027g(0.00024mol)とした以外は全て実施例1と同様にして、記録ヘッドを作製した。
(b)成分のかわりにカーボンブラック5wt%((a)成分に対して)を用いた以外は全て実施例1と同様にして、インクジェット記録ヘッドを作製した。
(b)成分のかわりに下記式(27)で表される化合物0.25g(0.0024mol)を用いた以外は全て実施例1と同様にして、記録ヘッドを作製した。
以上のように作製した記録ヘッドについて以下の特性を評価した。各特性とその評価方法を以下に示し、その結果を下記表2に示す。
微小接触角計(製品名:DropMeasure、(株)マイクロジェット製)を用いて、純水に対する動的後退接触角θrの測定を行なった。測定は、吐出口形成部材4の表面に一度顔料インクを拭き付けた後に水によって洗浄した後と、表面に顔料インクを吹き付けながら水素化ニトリルゴムのブレードを用いて5000回ワイピング操作を行なった後とに実施した。表2中、それぞれの測定結果を「初期」と「耐久後」として示している。判定基準は以下の通りである。
純水接触角判定基準
A:95°以上
B:80°以上95°未満
C:70°以上80°未満
D:70°以下
光学顕微鏡を用いて吐出口形成部材4の表面を観察し、インクの固着の有無について確認した。固着の評価は上記の純水接触角の測定と同様に、初期と耐久後にそれぞれ行った。判定基準は以下の通りである。
固着判定基準
A:インクの固着無し
B:吐出口周囲のインク固着が、吐出口数の10%未満で見られる。
C:吐出口周囲のインク固着が、吐出口数の10%以上で見られる。
5 吐出口
7 撥液層
Claims (15)
- 液体を吐出する吐出口が形成された吐出口形成部材を有する液体吐出ヘッドであって、
前記吐出口形成部材の表面に、(a)フッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物とカチオン重合性基を有する加水分解性シラン化合物との縮合物と、(b)カチオン重合性基とエチレンオキシド鎖を有する化合物と、を含む組成物の硬化層を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記(b)カチオン重合性基とエチレンオキシド鎖を有する化合物がカチオン重合性基を片末端に有する請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記吐出口形成部材が、光カチオン重合開始剤とカチオン重合性基を有する感光性樹脂とを含む組成物の硬化物である請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記フッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物のフッ素含有基は、パーフルオロアルキル基またはパーフルオロポリエーテル基である請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記組成物中の、前記(b)カチオン重合性基とエチレンオキシド鎖を有する化合物のモル数は、前記フッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物のモル数の等倍以下である請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記組成物中の、前記(b)カチオン重合性基とエチレンオキシド鎖を有する化合物の含有量は、前記(a)フッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物とカチオン重合性基を有する加水分解性シラン化合物との縮合物に対して0.05質量%以上、3質量%以下である請求項1から6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 請求項1から7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを用い、電荷を有する分散剤若しくは樹脂で分散させた顔料を含む液体、又は、表面に電荷を有する基が直接若しくは原子団を介して結合している自己分散顔料を含む液体を、前記液体吐出ヘッドから吐出することにより記録媒体に画像を記録する記録方法。
- 液体を吐出する吐出口が形成された吐出口形成部材を有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、
前記吐出口形成部材となる層を形成する工程と、
前記吐出口形成部材となる層上に、(a)フッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物とカチオン重合性基を有する加水分解性シラン化合物との縮合物と、(b)カチオン重合性基とエチレンオキシド鎖を有する化合物と、を含む組成物の層を形成する工程と、
前記吐出口形成部材となる層と前記組成物の層に前記吐出口を形成する工程と、
を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。 - 前記(b)カチオン重合性基とエチレンオキシド鎖を有する化合物がカチオン重合性基を片末端に有する請求項9に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
- 前記フッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物のフッ素含有基は、パーフルオロアルキル基またはパーフルオロポリエーテル基である請求項9から11のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
- 前記組成物中の、前記(b)カチオン重合性基とエチレンオキシド鎖を有する化合物のモル数は、前記フッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物のモル数の等倍以下である請求項9から12のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
- 前記組成物中の、前記(b)カチオン重合性基とエチレンオキシド鎖を有する化合物の含有量は、前記(a)フッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物とカチオン重合性基を有する加水分解性シラン化合物との縮合物に対して0.05質量%以上、3質量%以下である請求項9から13のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
- 前記吐出口形成部材となる層が、光カチオン重合開始剤とカチオン重合性基を有する感光性樹脂とを含み、前記吐出口を形成する工程において、前記吐出口形成部材となる層と前記組成物の層とを一括で露光及び現像することにより前記吐出口を形成する請求項9から14のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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