<実施例1> 以下に、本願の開示する無線端末、無線基地局、無線通信システム、無線通信方法の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施例は開示の技術を限定するものではない。また、以下に示す各実施例は、適宜組み合わせて実施してもよいことはいうまでもない。ここで、非特許文献1ないし非特許文献40の全ての内容は、参照することによりここに援用される。
上述の如く、第五世代移動通信システムにおける議論はまだ開始されたばかりである。そのため、例えば、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)を実現する上で生じ得るBSRの実装上の課題については、議論があまり進んでいないのが実情である。
本発明の発明者らは、第五世代移動通信システムを実現する上で生じ得る実装上の困難について、独自の検討の結果、第五世代移動通信システムの一側面において、データ転送レートが従前に比べ飛躍的に向上することで、超高速大容量伝送サービスの利用を想定した無線端末(以下、端末、ユーザ端末、User Equipmentとも称され得る)におけるアップリンクデータの発生頻度も著しく高速化し得ることを見出した。例えば、無線端末に関連付けられたセンサなどの各種デバイスからのデータが頻繁に生成されて送信バッファに格納されることが想定され得る。しかし、アップリンク無線リソースの割当てタイミングが到来するまでは、無線端末の送信バッファにアップリンクデータが滞留することとなり、無線端末の送信バッファに滞留する未送信のアップリンクデータの量(バッファ値、バッファサイズ、data available for transmission, data volumeとも称され得る)が著しく増加し得る。そして、アップリンク無線リソースの割当てタイミングに従ってアップリンクデータが送信されることで、バッファ量は減少し得る。
この様に、第五世代移動通信システムの一側面では、無線端末の送信バッファに滞留するアップリンクデータの量(バッファ値、バッファサイズ、data available for transmission, data volumeとも称され得る)が激しく増減し得る。そのため、BSRインデックステーブルに規定される各インデックス値(BSRインデックスとも称され得る)に対応付けられたバッファ値の粒度が、第四世代移動通信システムと同程度の粗さであるとすれば、無線基地局(以下、基地局、gNBとも称され得る)での無線端末のバッファサイズの推定値(バッファ推定値と称されてもよい)の精度が低下する、という事情が生じ得る。別言すると、無線基地局でのバッファ推定値と、無線端末での実際のバッファサイズとの差が大きくなり、最適なアップリンクスケジューリングの実現が困難となる。
例えば、第四世代移動通信システムでは、6ビットのBSRインデックス(すなわち、2^6=64個のBSRインデックス)のうち1番目から63番目のBSRインデックスにより、0byteから150000byte(=150KByte)までの範囲のバッファ値が、63段階で表現される(例えば、3GPP TS36.321 V14.3.0 - Table 6.1.3.1-1参照)。そして、最後のBSRインデックス(すなわち64番目のBSRインデックス)は、上述の範囲の最大値である150000byteを超過するバッファ値であることを示す。仮に、第五世代移動通信システムにおいても、このような粒度のBSRインデックスを踏襲するとすれば、例えば、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)の利用により無線端末のバッファ値が最大値である150000byteを超過しやすくなる。その結果、バッファ状態報告では、64番目のBSRインデックスが多用されることになる。
しかし、従来の64番目のBSRインデックス「63」は、BSRインデックステーブルにおいて規定されるバッファの最大値(150000byte)をバッファ値BSが超過していることを示すのみで、どの程度超過しているのかを示す術を有さない。そのため、最大値を超過しているという著しく粒度の粗いBSR状態報告により、無線基地局におけるバッファ推定値の精度が著しく低下する。
この事情に対処するため、単純に、BSRインデックスに対応付けるバッファ値の最大値を大きくしたとしても、各BSRインデックスに対応付けるバッファ値の粒度が粗くなり、最適なアップリンクスケジューリングの実現が困難となり得る。
また、各BSRインデックスに対応付けるバッファ値の粒度を小さくするために、単純に、BSRインデックスのビット数を大きくした場合、バッファ状態報告の伝送効率が低下するという新たな事情が生じ得る。したがって、バッファ状態報告の伝送効率の観点から、第五世代移動通信システムにおけるBSRインデックスのビット数を拡張し得る余地には、ある程度の限界がある。
以上の事情から、BSRインデックスに対応付けるバッファ値の最大値を増加させる余地には、ある程度の限界がある。そのため、第五世代移動通信システムにおける無線端末のバッファ値が最大値を超えることは少なくないと想定される。そして、バッファ値が最大値を超える場合、著しく粒度の粗いバッファ値を示すBSRインデックスが用いられることで、無線基地局における端末のバッファ推定値の精度が低下する。
この様に、粒度の粗いBSR状態報告により、無線基地局による無線端末のバッファ推定値に関する推定精度が低下することで、最適なアップリンクスケジューリングの実現が困難となる。そのため、従来のBSR伝送方式を踏襲したのでは、第五世代移動通信システムにおけるアップリンクの超高速大容量伝送サービスの性能が低下し得ることが懸念される。
本開示の一側面によれば、無線端末の送信バッファに滞留する未送信のアップリンクデータの量が激しく増減し得る場合でも、無線基地局におけるバッファ推定が無線端末のバッファ状態の変動に追従し得る、新たなBSR伝送技術が提供される。なお、上述の事情は、第五世代移動通信システムを一側面から検討した場合に見出し得るものであり、他の側面から検討した場合には、他の事情が見出され得ることに留意されたい。別言すると、本発明の特徴点及び利点は、上述の事情を解決する用途に限定されるものではなく、以下に開示する実施形態の全体を通じて把握され得る。
以下に示す実施形態の構成は、本発明の技術思想を具体化するための一例を示したものであり、本発明をこの実施形態の構成に限定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態にも等しく適用し得るものである。例えば、BSRなどの種々の名称については、今後の第五世代移動通信システムの仕様策定において、名称が変更され得ることも考えられる。また、第五世代移動通信システム以降の移動通信システムについても、各名称が変更され得ることも考えられる。以下の開示では、無線端末の送信バッファの状態報告の一例として、MAC(Medium Access Control)レイヤにおける処理の例を用いるが、これに限定する意図ではないことに留意されたい。
実施例1に係る無線通信システム1では、無線端末のバッファに格納された未送信のアップリンクデータのサイズ(バッファ値とも称される)を無線基地局に通知するバッファ状態報告(BSR)の伝送シーケンスにおいて、無線端末のバッファ値に応じて、BSRインデックス値を格納するための第一フィールドとは別に、新たに第二フィールドがBSRに追加される。これにより、バッファ状態報告の第一フィールドと第二フィールドとを用いて、無線端末のバッファ値を精度よく無線基地局へ通知することができる。
図1は、実施例1に係る無線通信システム1におけるBSR伝送のシーケンスの一例を示す図である。図1に示されるように、無線通信システム1は、無線端末10と無線基地局20とを有する。
無線端末10は、無線基地局20へ送信すべきアップリンクデータが生じた場合、無線基地局20に対してアップリンクの無線リソースの割当てを要求する信号(SR信号:Scheduling Request)を送信する(S1)。
無線基地局20は、無線端末10からの要求(SR信号)を受けて、例えば、割り当て可能な無線リソースがあるか否かを確認し、優先的に無線リソースを割り当てるべき他の端末が存在しなければ、SR信号の送信元の端末10に対して無線リソースを割当ててもよい。無線基地局20は、無線端末10に対して割当てた無線リソースを示すアップリンク許可(UL Grant、UL Scheduling Grantとも称される)を、無線端末10に送信する(S2)。なお、無線基地局20は、必ずしもアップリンク許可を送信するとは限らない。
無線端末10は、無線基地局20からのアップリンク許可を受けた後、アップリンク許可に示される無線リソースを用いて、最新のバッファ状態報告(BSR)を無線基地局20へ送信する(S3)。なお、BSRの送信契機は、種々のタイミングが挙げられる。上述の様に、基地局20からの設定情報により指定された送信周期に基づいてBSR伝送シーケンスを実行してもよい。あるいは、ある時点を起点とした所定時間内に所定イベントが検知されなかった場合にBSR伝送シーケンスを実行してもよい。
実施例1に係るバッファ状態報告(BSR)は、送信バッファに格納された未送信のアップリンクデータのサイズ(バッファ値)に対応するBSRインデックスを格納するための第一フィールドを含む。さらに、バッファ状態報告(BSR)は、第一フィールドに格納されるBSRインデックスが所定の第一インデックス値である場合、追加インデックス値を格納するための第二フィールドを含む。追加BSRインデックスは、第一フィールドに格納されるBSRインデックスとともにバッファ値を示すように設定される。別言すると、第一フィールドに格納されるBSRインデックスが所定の第一インデックス値である場合、BSRインデックス(第一BSRインデックスと称されてもよい)と追加BSRインデックス(第二BSRインデックスと称されてもよい)とにより、無線端末のバッファ値が無線基地局に通知される。
S3において、無線端末10は、送信バッファに滞留している未送信のアップリンクデータの量(バッファ値)を取得し、BSRインデックステーブルに従って、バッファ値をBSRインデックスに変換してもよい。
図2は、実施例1に係るBSRインデックステーブルの一例を示す図である。図2に示すBSRインデックステーブルは、0byteから3000000byte(=3Mbyte=3000Kbyte)までの区間を、63段階の範囲に分割し、各範囲に対して63個のBSRインデックス(すなわち、0から62)が関連付けられている。例えば、インデックス値が「62」のBSRインデックスに対して、範囲「2439678<BS<=3000000」が関連付けられている。範囲「2439678<BS<=3000000」に属するバッファ値BSは、2439678byteより大きく、かつ、3000000byte以下という範囲における何れかの値である。最後のBSRインデックス(すなわち、63)は、BSRインデックステーブルにおいて規定されるバッファの最大値(バッファ最大値と称されてもよい)を超過するバッファ値BSを意味する。図2の例において、BSRインデックステーブルに規定されるバッファ最大値は「3000000byte」である。なお、図2に示すBSRインデックステーブルの各値は、一例であって、本実施例はこれらの値に限定されるものではない。
実施例1に係る無線通信システム1における無線端末10および無線基地局20は、図2に例示するようなBSRインデックステーブルを有するものとする。
図3は、実施例1に係るバッファ状態報告(BSR)の一例を示す図である。図3に示すバッファ状態報告(BSR)は、一以上の論理チャネルグループ(LCG:Logical Channel Group)毎に、バッファ値を示すBSRインデックスを格納する。図3の例では、バッファ状態報告(BSR)は、一以上のLCGの何れかに対応するBSRインデックスを格納するための一以上の第一フィールドを含む。
図3の例において、バッファ状態報告(BSR)は、LCG[0]とLCG[1]とLCG[2]との3個のLCGについて、BSRインデックスを格納するための第一フィールドを含む複数のフィールドを有する。すなわち、図3のバッファ状態報告(BSR)は、各LCGのバッファ値を示す情報を格納するためのフィールドとして、BufferSize[1]からBufferSize[4]までの4個のフィールドを有する。さらに別言すると、図3のバッファ状態報告(BSR)は、3個のLCG(LCG[0]、LCG[1]、LCG[2])について、3個の第一フィールドと、1個の第二フィールドとの合計4個のフィールド(BufferSize[1]~[4])が格納されている。なお、本実施例に係るバッファ状態報告(BSR)に含まれるフィールド(第一フィールド、第二フィールド)の個数はこれらに限定されるものではなく、可変であってもよい。
例えば、ヘッダ部T101で第一フィールの存在が示された一以上のLCGに対して、LCG番号の昇順に第一フィールを割当ててもよい。例えば、一番目のLCG[0]に対して、そのバッファ値に対応するBSRインデックスを格納するための第一フィールドとして、BufferSize[1]が用いられてもよい。図3の例では、LCG[0]の第一フィールドとしてのBufferSize[1]には、値「111110」が格納されている。これは2進数で表現した値であり、10進数に変換すると「62」である。図2に示すBSRインデックステーブルによれば、BSRインデックス「62」は、バッファ値が2439678byteを超え、かつ、バッファ値が3000000byte以下である、ことを意味する。
二番目のLCG[1]のバッファ値に対応するBSRインデックスを格納するための第一フィールドとして、BufferSize[2]が用いられてもよい。図3の例では、LCG[1]の第一フィールドとしてのBufferSize[2]には、値「111111」が格納されている。これは2進数で表現した値であり、10進数に変換すると「63」である。図2に示すBSRインデックステーブルによれば、BSRインデックス「63」は、バッファ値がBSRインデックステーブルに規定されるバッファの最大値(3000000byte)を超えていることを意味する。
そのため、BSRインデックスが、バッファ最大値を超えたバッファ値を示す値(例えば「63」)(第一インデックス値と称されてもよい)に該当する場合、追加インデックス値(第二BSRインデックスと称されてもよい)を格納するための第二フィールドが割当てられる。図3の例では、LCG[1]の第一フィールド(BufferSize[2])に格納されるBSRインデックスが第一インデクス値に該当する為、追加インデックスを格納するための第二フィールドとして、BufferSize[3]がLCG[1]に対して割当てられる。
LCG[1]の第二フィールドとしてのBufferSize[3]には、値「111110」が格納されている。これは2進数で表現した値であり、10進数に変換すると「62」である。図2に示すBSRインデックステーブルによれば、BSRインデックス「62」は、バッファ値が2439678byteを超え、かつ、バッファ値が3000000byte以下である、ことを意味する。
図3におけるバッファ状態報告(BSR)の例によれば、LCG[1]に対して、第一フィールドとしてのBufferSize[2]と、第二フィールドとしてのBufferSize[3]とが割当てられており、これら第一フィールドと第二フィールドとにより、BSRインデックステーブルに規定されるバッファの最大値(バッファ最大値と称されてもよい)を超えるバッファ値を、無線基地局20に伝えることができる。図3の例では、第一フィールドに格納されるBSRインデックス(第一BSRインデックスと称されてもよい)により無線端末10のバッファ値BSが3000000byteを超えることが示され、第二フィールドに格納される追加BSRインデックス(第二BSRインデックスと称されてもよい)により超過分のバッファ値BS2が2439678byte<BS2<=3000000byteの範囲にあることが示される。すなわち、LCG[1]のバッファ値BSは、超過分のバッファ値BS2に最大値(3000000byte)を加算した値で示され、5439678byte<BS<=6000000byteの範囲にあることがわかる。
最後の3番目のLCG[2]に対する第一フィールドとして、BufferSize[4]が用いられてもよい。図3の例では、LCG[2]の第一フィールドとしてのBufferSize[4]には、値「111110」が格納されている。これは2進数で表現した値であり、10進数に変換すると「62」である。図2に示すBSRインデックステーブルによれば、BSRインデックス「62」は、無線端末10のバッファ値BSが2439678byteを超え、かつ、バッファ値BSが3000000byte以下である、ことを意味する。
無線端末10からのバッファ状態報告(BSR)を受信した無線基地局20は、BSRのヘッダ部T101を参照することで、どのLCGについてBSRインデックスが格納されているかを知ることができる。別言すると、無線基地局20は、BSRのヘッダ部T101に基づいて、BSRのボディ部T102に含まれる第一フィールドの個数を知ることができる。
無線基地局20は、各LCGに対応付けられた第一フィールドからBSRインデックスを取得し、図2に示すBSRインデックステーブルに従って、BSRインデックスをバッファ値に変換することで、無線端末10のLCG毎のバッファ値の推定値(バッファ推定値と称されてもよい)を取得することができる。
また、無線基地局20は、第一フィールドから取得したBSRインデックスが第一インデックス値(例えば、BSRインデックステーブルの最大値(3000000byte))に該当する場合、無線端末20から受信したバッファ状態報告(BSR)から、当該第一フィールドに対応付けられたLCGに対する第二フィールドを取得する。そして、無線基地局20は、BSRインデックステーブルに従って、第二フィールドに格納された第二BSRインデックス(追加BSRインデックス、拡張BSRインデックスと称されてもよい)をバッファ値に変換することで、当該LCGの超過バッファ量を知ることができる。
無線基地局20は、無線端末10からの最新のBSRに基づいて無線端末10のバッファ推定値を更新することで、どの無線端末10(あるいは、無線端末10のどのLCG)がどれくらいの無線リソースを必要とするかを把握し、適切なスケジューリングを行うことが期待される。無線基地局20は、最新のバッファ推定値などに基づき、無線リソースのスケジューリングを行う。その結果、無線端末10に対して無線リソースを割当てた場合、アップリンク許可(ULgrant)信号を送信する(S4)。
S4において、無線基地局20は、無線端末10のLCG毎に無線リソースの割当量を示すアップリンク許可信号を送信してもよい。アップリンク許可信号は、一以上のLCGの各々について、無線リソースの割当量を示す情報を含んでもよい。
無線端末10は、無線基地局20からのアップリンク許可を受けて、割当てられたデータ量(割当量とも称される)に応じたサイズのデータ(UL(Uplink)データとも称される)を送信バッファから取り出し、割当てられた無線リソースを用いてデータを基地局20に送信する(S5)。
実施例1に係るBSR伝送シーケンスにおいて、BSRで通知するバッファ値が、BSRインデックステーブルの最大値(例えば、3000000byte)を超える場合であっても、第一フィールドと第二フィールドとの両方を用いて、バッファ値を通知することにより、無線基地局20は、正確なバッファ値を推定することができる。
つぎに、実施例1に係るBSR伝送シーケンスにおける無線端末10の処理の流れの一例を説明する。
図4は、実施例1に係るBSR伝送シーケンスにおける無線端末10の処理の流れの一例を示す図である。図4に例示する処理の流れは、例えば、無線端末10がLCG単位のBSRインデックスを取得する際に実行されてもよい。別言すると、複数のLCGについてBSRインデックスを取得しようとする場合、無線端末10は、図4に例示される処理をLCG毎に実行してもよい。なお、説明の便宜上、図4に例示される処理を無線端末10が実行するものとして説明するが、無線端末10は、処理の実行主体として一以上のプロセッサ回路を備えてもよい。
まず、無線端末10は、現在のバッファ値BSをBSRインデックスに変換する(S101)。S101において、無線端末10は、処理対象のLCGに属する論理チャネル(LC:Logical Channel)の送信バッファに滞留する未送信のアップリンクデータのサイズ(バッファ値、バッファサイズ値、BS値と称されてもよい)を取得し、BSRインデックステーブルに従って、BS値からBSRインデックスに変換してもよい。S101において、無線端末10は、処理対象のLCGに属する論理チャネルが複数存在する場合、各論理チャネルのバッファ値を合計した値をBS値としてもよい。
無線端末10は、S101で取得したBSRインデックス(第一BSRインデックスと称されてもよい)を、処理対象のLCGに対応する第一フィールドに格納する(S102)。
無線端末10は、S101で取得したBSRインデックスが、第一インデックス値に該当するかを判定する(S103)。実施例1に係る第一インデックス値は、例えば、BSRインデックステーブルにおける最後のBSRインデックスに相当する。図2の例において、最後のBSRインデックスは、BSRインデックステーブルに規定されるバッファの最大値(3000000byte)をバッファ値BSが超過することを意味するBSRインデックス「63」に相当する。BSRインデックスが6桁の二進数で表現される場合、第一インデックス値「63」は、6桁の全が「1」となるビット列で表現される。
S103において、無線端末10は、S101で取得したBSRインデックスが第一インデックスに一致する場合、BSRインデックスが第一インデックス値に該当すると判定してもよい(S103でYES)。一方、S103において、無線端末10は、S101で取得したBSRインデックスが第一インデックス値と一致しない場合、BSRインデックスが第一インデックス値に該当しないと判定してもよい(S103でNO)。
無線端末10は、BSRインデックスが第一インデックス値に該当すると判定した場合(S103でYES)、追加BSRインデックス(第二BSRインデックスと称されてもよい)を取得する(S104)。S104において、無線端末10は、BSRインデックステーブルに規定されるバッファ最大値(例えば3000000byte)を、バッファ値BSから減算することで、バッファ最大値を超過するバッファの量に相当する超過バッファ値BS2を取得してもよい。例えば、バッファ値BSが「6000000byte」の場合、超過バッファ値BS2は「3000000byte」(=6000000byte-3000byte)である。
そして、S104において、無線端末10は、BSRインデックステーブルに従って、超過バッファ値BS2に対応するBSRインデックスを選択することで、追加BSRインデックスを取得してもよい。例えば、超過バッファ値BS2が「3000000byte」の場合、図2に例示されるBSRインデックステーブルによれば、超過バッファ値BS2に対応する追加BSRは「62」である。
無線端末10は、S104を実行した場合、処理対象のLCGに対応する第二フィールドに、追加BSRインデックスを格納する(S105)。
一方、S103において、BSRインデックス(第一BSRインデックスと称されてもよい)が第一インデックス値に該当しないと判定した場合(S103でNO)、無線端末10は、処理対象のLCGについて第二フィールドを割当てることなく、S104およびS105をスキップしてもよい。
以上が、実施例1に係るBSR伝送シーケンスにおける無線端末10の処理の流れの一例である。つぎに、無線基地局20の処理の流れについて説明する。
図5は、実施例1に係るBSR伝送シーケンスにおける無線基地局20の処理の流れの一例を示す図である。図5に例示する処理の流れは、例えば、無線基地局20が、無線端末10から受信したBSRから、LCG単位の第一フィールドを参照する際に実行されてもよい。別言すると、無線端末10から受信したBSRに複数のLCGの各々について一以上のフィールドが含まれている場合、無線端末10は、図5に例示される処理をLCG毎に実行してもよい。なお、説明の便宜上、図5に例示される処理を無線基地局20が実行するものとして説明するが、無線基地局20は、処理の実行主体として一以上のプロセッサ回路を備えてもよい。
まず、無線基地局20は、無線端末10から受信したBSRの第一フィールドからBSRインデックスを取得する(S201)。S201において、無線基地局20は、無線端末10から受信したBSRに複数の第一フィールドが含まれる場合、BSRに含まれる第一フィールドのうち、処理対象のLCGに対応付けられた第一フィールドから、BSRインデックスを取得してもよい。
無線基地局20は、BSRインデックステーブルに従って、S201で取得したBSRインデックス(第一BSRインデックスと称されてもよい)をバッファ値BS1に変換する(S202)。例えば、BSRインデックスが「62」である場合、図2に例示するBSRインデックステーブルによれば、BSRインデックスに対応するバッファ値BS1は「2439678byte<BS1<=3000000byte」の範囲である。
無線基地局20は、処理S201で取得したBSRインデックスが、第一インデックス値に該当するかを判定する(S203)。ここで、第一インデックス値は、無線端末10における第一インデックス値と同様である。すなわち、実施例1に係る第一インデックス値は、例えば、BSRインデックステーブルにおける最後のBSRインデックスに相当する。図2の例において、最後のBSRインデックスは、BSRインデックステーブルに規定されるバッファの最大値(3000000byte)をバッファ値BS1が超過することを意味するBSRインデックス「63」に相当する。BSRインデックスが6桁の二進数で表現される場合、第一インデックス値「63」は、6桁の全が「1」となるビット列で表現される。
S203において、無線基地局20は、S201で取得したBSRインデックスが第一インデックス値と一致する場合、BSRインデックスが第一インデックス値に該当すると判定してもよい(S203でYES)。一方、S203において、無線基地局20は、S201で取得したBSRインデックスが第一インデックス値と一致しない場合、BSRインデックスが第一インデックス値に該当しないと判定してもよい(S203でNO)。
無線基地局20は、BSRインデックスが第一インデックス値に該当すると判定した場合(S203でYES)、無線端末10から受信したBSRの第二フィールドから、追加BSRインデックス(第二BSRインデックスと称されてもよい)を取得する(S204)。S204において、無線端末10から受信したBSRに複数の第二フィールドが含まれている場合、処理対象のLCGに対応付けられている第二フィールドから、追加BSRインデックスを取得してもよい。
無線基地局20は、S204で取得した追加BSRインデックスを、BSRインデックステーブルに従って、第二バッファ値BS2に変換する(S205)。例えば、追加BSRインデックスが「62」である場合、図2に例示するBSRインデックステーブルによれば、追加BSRインデックスに対応する第二バッファ値BS2は「2439678byte<BS2<=3000000」の範囲である。
無線基地局20は、S205で取得した第二バッファ値BS2と、S202で取得したバッファ値BS1とに基づいて、無線端末10のバッファ推定値BSを取得する(S206)。ここで、S202で取得したバッファ値BS1は、BSRインデックスが第一インデクス値に該当するため、BSRインデックステーブルに規定されるバッファの最大値に相当する。すなわち、図2に例示されるBSRインデックステーブルによれば、バッファの最大値は「3000000byte」であるため、S206におけるバッファ値BS1は「3000000byte」である。
S206において、無線基地局20は、例えば、S205で取得した第二バッファ値BS2に、S202で取得したバッファ値BS1(例えば「3000000byte」)を加算することで、無線端末10のバッファ推定値を取得してもよい。例えば、第二バッファ値BS2が「2439678byte<BS2<=3000000」の範囲である場合、無線基地局20は、第二バッファ値BS2の範囲を規定する上限値と下限値との各々にバッファ値BS1「3000000byte」を加算することで、バッファ推定値BSとして、「5439678byte<BS<=6000000」の範囲を取得してもよい。
一方、S203において、BSRインデックスが第一インデクス値に該当しないと判定した場合(S203でNO)、無線基地局20は、S204ないしS206をスキップして、S202で取得したバッファ値BS1を、無線端末10のバッファ推定値BSとしてもよい。
以上が、実施例1に係るBSR伝送シーケンスにおける無線基地局20の処理の流れの一例である。
以上に開示される実施例1の一側面によれば、無線端末10のバッファに格納された未送信のアップリンクデータのサイズ(バッファ値とも称される)を通知するバッファ状態報告(BSR)に、無線端末10のバッファ値に応じて、BSRインデックス値を格納するための第一フィールドとは別に、新たに第二フィールドが追加される。これにより、無線端末10は、バッファ状態報告(BSR)の第一フィールドと第二フィールドとを用いて、無線端末10のバッファ値を精度よく無線基地局20へ通知することができる。この様な作用は、第五世代移動通信システムにおけるアップリンクの超高速大容量伝送サービスの性能を維持向上させるうえで有用である。
以上に開示される実施例1の他の一側面によれば、バッファ状態報告(BSR)の第一フィールドに格納されるBSRインデックスが第一インデックス値に該当する場合、無線端末10のバッファ値がBSRインデックステーブルにおけるバッファ最大値をどの程度超過するかを示す追加BSRインデックスを格納するための第二フィールドが、BSRに追加される。これにより、無線基地局20は、BSRの第一フィールドと第二フィールドとに格納された値を用いて、無線端末10のバッファ値を精度よく推定することができる。この様な作用は、第五世代移動通信システムにおけるアップリンクの超高速大容量伝送サービスの性能を維持向上させるうえで有用である。
以上に開示される実施例1のさらなる他の一側面によれば、バッファ状態報告(BSR)の第二フィールドに格納される追加BSRは、無線端末10のバッファ値のうちBSRインデックステーブルにおけるバッファ最大値を超過するバッファ値(超過バッファ値と称されてもよい)に対応する。これにより、無線基地局20は、BSRの第一フィールドと第二フィールドとに格納された値を用いて、無線端末10のバッファ値を精度よく推定することができる。この様な作用は、第五世代移動通信システムにおけるアップリンクの超高速大容量伝送サービスの性能を維持向上させるうえで有用である。
<実施例2> 実施例2に係る無線通信システム1では、バッファ状態情報に含まれる第一フィールドに格納されるBSRインデックスが第一インデックス値に該当する場合、新たに追加される第二フィールドには、所定の係数(BSR係数と称されてもよい)が関係づけられた追加BSRインデックス(追加インデックス値と称されてもよい)が格納される。この場合、第一フィールドのBSRインデックスに対応するバッファ値と、第二フィールドの追加BSRインデックスに対応するBSR係数との乗算結果により、無線端末10のバッファ値が示される。これにより、BSRの第一フィールドと第二フィールドとを用いて無線端末10のバッファ値を示すため、無線基地局20は無線端末10のバッファ値を精度よく推定することができる。
図6は、実施例2に係るBSRインデックステーブルの一例を示す図である。実施例2に係るBSRインデックステーブルでは、BSRインデックステーブルに規定される一以上のBSRインデックスの一部に、所定の係数(BSR係数と称されてもよい)が関係づけられている。図6に例示するBSRインデックステーブルでは、「0」から「255」までの256個のBSRインデックスのうち、「252」から「255」までの4個のBSRインデックスに、BSR係数として、「x1.5」(倍率1.5を意味する)、「x2.0」(倍率2.0を意味する)、「x2.5」(倍率2.5を意味する)、「x3.0」(倍率3.0を意味する)が関係づけられている。
また、図6に例示するBSRインデックステーブルでは、「0」から「251」までの252個のBSRインデックスに、バッファ値が関係づけられている。すなわち、「0」から「250」までの251個のBSRインデックスの各々に、「0byte」から「96000000byte」までの区間を251段階に分割した小区間が対応付けられている。「0」から「251」までの252個のBSRインデックスのうち、最後のBSRインデックス「251」には、BSRインデックステーブルで規定されるバッファの最大値「96000000byte」を超過するバッファ値である、という状態が対応付けられている。
なお、図6の例では、図2に示す実施例1に係るBSRインデックステーブルの例と比較して、BSRインデックスの個数が256個に拡張されている。別言すると、BSRインデックスのビット長が8ビット(8ケタのビット列)に拡張されている。また、図6の例では、BSRインデックステーブルに規定さるバッファの最大値が96000000byteに拡張されている。しかし、実施例2の趣旨は、これら具体的な値に限定されるものではないことに留意されたい。
実施例2に係る無線通信システム1における無線端末10および無線基地局20は、図6に例示するようなBSRインデックステーブルを有するものとする。
図7は、実施例2に係るバッファ状態報告の一例を示す図である。図7に示すバッファ状態報告(BSR)は、図3の例と同様に、一以上の論理チャネルグループ(LCG:Logical Channel Group)毎に、バッファ値を示すBSRインデックスを格納する。図7の例でも、バッファ状態報告(BSR)は、一以上のLCGの各々についてBSRインデックスを格納するための第一フィールドの有無を示すヘッダ部T101Aと、一以上のLCGの何れかに対応する第一フィールドが含まれるボディ部T102Aとを有する。
図7に示すヘッダ部T101Aには、LCG[0]からLCG[7]までの8個のLCGについて、ボディ部T102Aに第一フィールドがあるか(すなわち「1」)、ボディ部T102Aに第一フィールドが無いか(すなわち「0」)を示す値が設定されている。図7の例では、LCG[4]とLCG[1]とLCG[0]について、ボディ部T102Aに第一フィールドが存在することが示されている。
図7に示すボディ部T102Aは、ヘッダ部T101Aで第一フィールドの存在が示されたLCG[4]とLCG[1]とLCG[0]について、各LCGのバッファ値を示す情報を格納するためのフィールドとして、BufferSize[1]からBufferSize[4]までの4個のフィールドを有する。すなわち、図7の例では、3個のLCG(LCG[4]、LCG[1]、LCG[0])に対して、BSRのボディ部T102Aに3個の第一フィールドと、1個の第二フィールドが格納されている。なお、本実施例に係るバッファ状態報告(BSR)に含まれるフィールド(第一フィールド、第二フィールド)の個数はこれらに限定されるものではなく、可変であってもよい。
例えば、ヘッダ部T101Aで第一フィールドの存在が示された一以上のLCGに対して、LCG番号の昇順に第一フィールドを割当ててもよい。一番目のLCG[0]に対して、LCG[0]のバッファ値に対応するBSRインデックスを格納するための第一フィールドとして、BufferSize[1]が用いられてもよい。図7の例では、LCG[0]の第一フィールドとしてのBufferSize[1]には、値「11111010」が格納されている。これは2進数で表現した値であり、10進数に変換すると「250」である。図6に示すBSRインデックステーブルによれば、BSRインデックス「250」は、無線端末10のバッファ値BSが90089323byteを超え、かつ、バッファ値BSが96000000byte以下である、ことを意味する。
二番目のLCG[1]のバッファ値に対応するBSRインデックスを格納するための第一フィールドとして、BufferSize[2]が用いられてもよい。図7の例では、LCG[1]の第一フィールドとしてのBufferSize[2]には、値「11111011」が格納されている。これは2進数で表現した値であり、10進数に変換すると「251」である。図6に示すBSRインデックステーブルによれば、BSRインデックス「251」は、バッファ値がBSRインデックスに規定されるバッファの最大値(96000000byte)を超えていることを意味する。
そのため、BSRインデクスがバッファ値の最大値超えを示す値(例えば「251」、二進数で表現すると「11111011」)(第一インデックス値と称されてもよい)に該当する場合、追加インデックス(第二BSRインデックスと称されてもよい)を格納するための第二フィールドが割当てられる。図7の例では、LCG[1]の第一フィールド(BufferSize[2])に格納されるBSRインデックスが第一インデックス値に該当する為、追加インデックスを格納するための第二フィールドとして、BufferSize[3]がLCG[1]に対して割当てられる。
LCG[1]の第二フィールドとしてのBufferSize[3]には、値「11111101」が格納されている。これは2進数で表現した値であり、10進数に変換すると「253」である。図6に示すBSRインデックステーブルによれば、BSRインデックス「253」は、BSR係数「x2.0」(倍率2.0を意味する)に対応付けられている。
図7におけるバッファ状態報告(BSR)の例によれば、LCG[1]に対して、第一フィールドとしてのBufferSize[2]と、第二フィールドとしてのBufferSize[3]とが割当てられており、これら第一フィールドと第二フィールドとにより、BSRインデックステーブルに規定されるバッファの最大値(96000000byte)を超えるバッファ値を、無線基地局20に伝えることができる。図7の例では、第一フィールドに格納されるBSRインデックス(第一BSRインデックスと称されてもよい)により無線端末10のバッファ値BSが96000000byteを超えることが示され、第二フィールドに格納される追加BSRインデックス(第二BSRインデックスと称されてもよい)により無線端末10のバッファ値が96000000byteをどの程度超過するのかが示される。例えば、LCG[1]のバッファ値BSは、第一フィールドのBSRインデックスに対応するバッファ値(96000000byte)に、第二フィールドの追加BSRインデックスに対応するBSR係数(2.0)を乗算した結果に基づいて、96000000byte<BS<=192000000byteの範囲にあることが示される。
あるいは、BSRインデックステーブルにおいてBSR係数が対応付けられたBSRインデックスのうち、第二フィールドに格納される追加BSRインデックスよりも一つ小さいBSRインデックスに対応付けられたBSR係数に基づいて、無線端末10のバッファ値BSの下限値が示されてもよい。例えば、図7の例では、第二フィールドに格納される追加BSRインデックスは「253」(二進数で表現すると「11111101」)である。図6に例示されるBSRインデックステーブルによれば、追加BSRインデックス「253」よりも一つ小さいBSRインデックスは「252」であり、BSRインデックス「252」に対応するBSR係数は「x1.5」である。この例によれば、無線端末10のバッファ値BSの下限値は、第一フィールドのBSRインデックス「251」に対応するバッファ値「96000000byte」にBSR係数「x1.5」を乗算した結果に基づき、「144000000byte」であることがわかる。したがって、無線端末10のバッファ値BSは、144000000byte<BS<=192000000byteの範囲にあることがわかる。
最後の3番目のLCG[4]に対する第一フィールドとして、BufferSize[4]が用いられてもよい。図7の例では、LCG[4]の第一フィールドとしてのBufferSize[4]には、値[11111010]が格納されている。これは2進数で表現した値であり、10進数に変換すると「250」である。図6に示すBSRインデックステーブルによれば、BSRインデックス「250」は、無線端末10のバッファ値BSが90089323byteを超え、かつ、バッファ値BSが96000000byte以下である、ことを意味する。
つぎに、実施例2に係るBSR伝送シーケンスにおける無線端末10の処理の流れの一例を説明する。
図8は、実施例2に係るBSR伝送シーケンスにおける無線端末10の処理の流れの一例を示す図である。図8に例示する処理の流れは、例えば、無線端末10がLCG単位のBSRインデックスを取得する際に実行されてもよい。別言すると、複数のLCGについてBSRインデックスを取得しようとする場合、無線端末10は、図8に例示される処理をLCG毎に実行してもよい。なお、説明の便宜上、図8に例示される処理を無線端末10が実行するものとして説明するが、無線端末10は、処理の実行主体として一以上のプロセッサ回路を備えてもよい。
まず、無線端末10は、現在のバッファ値BSをBSRインデックスに変換する(S101)。S101において、無線端末10は、処理対象のLCGに属する論理チャネル(LC:Logical Channel)の送信バッファに滞留する未送信のアップリンクデータのサイズ(バッファ値、バッファサイズ値、BS値と称されてもよい)を取得し、BSRインデックステーブルに従って、BS値からBSRインデックスに変換してもよい。S101において、無線端末10は、処理対象のLCGに属する論理チャネルが複数存在する場合、各論理チャネルのバッファ値を合計した値をBS値としてもよい。
無線端末10は、S101で取得したBSRインデックス(第一BSRインデックスと称されてもよい)を、処理対象のLCGに対応する第一フィールドに格納する(S102)。
無線端末10は、S101で取得したBSRインデックスが、第一インデックス値に該当するかを判定する(S103)。実施例1に係る第一インデックス値は、例えば、BSRインデックステーブルにおいてバッファ値に対応付けられた一以上のBSRインデックスのうち最後のBSRインデックスに相当する。図6の例において、最後のBSRインデックスは、BSRインデックステーブルに規定されるバッファの最大値(96000000byte)をバッファ値BSが超過することを意味するBSRインデックス「251」に相当する。別言すると、図6の例において、第一インデックス値は「251」であってもよい。
S103において、無線端末10は、S101で取得したBSRインデックスが第一インデックスに一致する場合、BSRインデックスが第一インデックス値に該当すると判定してもよい(S103でYES)。一方、S103において、無線端末10は、S101で取得したBSRインデックスが第一インデックス値と一致しない場合、BSRインデックスが第一インデックス値に該当しないと判定してもよい(S103でNO)。
無線端末10は、BSRインデックスが第一インデックス値に該当すると判定した場合(S103でYES)、追加BSRインデックス(第二BSRインデックスと称されてもよい)を取得する(S104A)。S104Aにおいて、無線端末10は、第一フィールドのBSRインデックス「251」に対応するバッファ値「96000000byte」(最大バッファ値と称されてもよい)に対して、BSRインデックス「251」からBSRインデックス「255」までの4個のBSRインデックスの各々に対応付けられているBSR係数を昇順に乗算してもよい。そして、S104Aにおいて、無線端末10は、最大バッファ値と各BSR係数の乗算結果のうち、初めに無線端末10のバッファ値BS以上となるBSR係数に対応するBSRインデックスを、追加BSRインデックスとして選択する。例えば、無線端末10のバッファ値BSが「192000000byte」である場合、昇順で1番目のBSR係数「x1.5」と最大バッファ値「96000000byte」との乗算結果[1]は、「144000000byte」であり、バッファ値BS<=乗算結果[1]の条件を満たさない。次に、昇順で2番目のBSR係数「x2.0」と最大バッファ値「96000000byte」との乗算結果[2]は、「192000000byte」であり、バッファ値BS<=乗算結果[2]の条件を満たす。そのため、無線端末10は、2番目のBSR係数「x2.0」に対応するBSRインデックス「253」を追加BSRインデックスとして選択してもよい。この場合、3番目以降のBSR係数を用いた乗算は省略してもよい。
無線端末10は、S104Aを実行した場合、処理対象のLCGに対応する第二フィールドに、追加BSRインデックスを格納する(S105)。
一方、S103において、BSRインデックス(第一BSRインデックスと称されてもよい)が第一インデックス値に該当しないと判定した場合(S103でNO)、無線端末10は、処理対象のLCGについて第二フィールドを割当てることなく、S104およびS105をスキップしてもよい。
以上が、実施例2に係るBSR伝送シーケンスにおける無線端末10の処理の流れの一例である。つぎに、無線基地局20の処理の流れについて説明する。
図9は、実施例2に係るBSR伝送シーケンスにおける無線基地局20の処理の流れの一例を示す図である。図9に例示する処理の流れは、例えば、無線基地局20が、無線端末10から受信したBSRから、LCG単位の第一フィールドを参照する際に実行されてもよい。別言すると、無線端末10から受信したBSRに複数のLCGの各々について一以上のフィールドが含まれている場合、無線端末10は、図9に例示される処理をLCG毎に実行してもよい。なお、説明の便宜上、図9に例示される処理を無線基地局20が実行するものとして説明するが、無線基地局20は、処理の実行主体として一以上のプロセッサ回路を備えてもよい。
まず、無線基地局20は、無線端末10から受信したBSRの第一フィールドからBSRインデックスを取得する(S201)。S201において、無線基地局20は、無線端末10から受信したBSRに複数の第一フィールドが含まれる場合、BSRに含まれる第一フィールドのうち、処理対象のLCGに対応付けられた第一フィールドから、BSRインデックスを取得してもよい。
無線基地局20は、BSRインデックステーブルに従って、S201で取得したBSRインデックス(第一BSRインデックスと称されてもよい)をバッファ値BS1(第一バッファ値と称されてもよい)に変換する(S202)。例えば、BSRインデックスが「250」である場合、図6に例示するBSRインデックステーブルによれば、BSRインデックスに対応するバッファ値BS1は「90089323byte<BS1<=96000000byte」の範囲である。
無線基地局20は、処理S201で取得したBSRインデックスが、第一インデックス値に該当するかを判定する(S203)。ここで、第一インデックス値は、無線端末10における第一インデックス値と同様である。すなわち、実施例1に係る第一インデックス値は、例えば、BSRインデックステーブルにおいてバッファ値に対応付けられた一以上のBSRインデックスのうち最後のBSRインデックスに相当する。図6の例において、最後のBSRインデックスは、BSRインデックステーブルに規定されるバッファの最大値(96000000byte)をバッファ値BS1が超過することを意味するBSRインデックス「251」に相当する。別言すると、図6の例において、第一インデックス値は「251」であってもよい。
S203において、無線基地局20は、S201で取得したBSRインデックスが第一インデックス値と一致する場合、BSRインデックスが第一インデックス値に該当すると判定してもよい(S203でYES)。一方、S203において、無線基地局20は、S201で取得したBSRインデックスが第一インデックス値と一致しない場合、BSRインデックスが第一インデックス値に該当しないと判定してもよい(S203でNO)。
無線基地局20は、BSRインデックスが第一インデックス値に該当すると判定した場合(S203でYES)、無線端末10から受信したBSRの第二フィールドから、追加BSRインデックス(第二BSRインデックスと称されてもよい)を取得する(S204)。S204において、無線端末10から受信したBSRに複数の第二フィールドが含まれている場合、処理対象のLCGに対応付けられている第二フィールドから、追加BSRインデックスを取得してもよい。
無線基地局20は、S204で取得した追加BSRインデックスを、BSRインデックステーブルに従って、BSR係数に変換する(S205A)。例えば、追加BSRインデックスが「253」である場合、図6に例示するBSRインデックステーブルによれば、追加BSRインデックスに対応するBSR係数は「x2.0」である。
無線基地局20は、S205Aで取得したBSR係数と、S202で取得したバッファ値BS1とに基づいて、無線端末10のバッファ推定値を取得する(S206A)。ここで、S202で取得したバッファ値BSは、BSRインデックスが第一インデクス値に該当するため、BSRインデックステーブルに規定されるバッファの最大値に相当する。すなわち、図2に例示されるBSRインデックステーブルによれば、バッファの最大値は「96000000byte」であるため、S206Aにおけるバッファ値BS1は「96000000byte」である。
S206Aにおいて、無線基地局20は、例えば、S205Aで取得したBSR係数を、S202で取得したバッファ値BS1(例えば「96000000byte」)に乗算することで、無線端末10のバッファ推定値BSを取得してもよい。例えば、無線端末10は、S205で取得したBSR係数「x2.0」を、S202で取得したバッファ値BS1「96000000byte」に乗算することで、バッファ推定値BSの上限「192000000byte」を取得してもよい。この場合、バッファ推定値BSの下限は、S202で取得したバッファ値BS1の「96000000byte」としてもよい。すなわち、無線基地局20は、BSR係数とバッファ値BS1とに基づき、バッファ推定値BSとして「96000000byte<BS<=192000000byte」の範囲を取得してもよい。
また、S206Aにおいて、無線基地局20は、BSRインデックステーブルにおいてBSR係数が対応付けられたBSRインデックスのうち、S204でBSRの第二フィールドから取得した追加BSRインデックスよりも一つ小さいBSRインデックスに対応付けられたBSR係数に基づいて、無線端末10のバッファ推定値BSの下限を取得してもよい。例えば、図7の例では、BSRの第二フィールドから取得される追加BSRインデックスは「253」(二進数で表現すると「11111101」)である。図6に例示されるBSRインデックステーブルによれば、追加BSRインデックス「253」よりも一つ小さいBSRインデックスは「252」であり、BSRインデックス「252」に対応するBSR係数は「x1.5」である。この例では、無線基地局20は、S202で取得したバッファ値BS1「96000000byte」にBSR係数「x1.5」を乗算した結果に基づき、バッファ推定値BSの下限値として、「144000000byte」を取得する。すなわち、無線基地局20は、BSR係数とバッファ値BS1とに基づき、バッファ推定値BSとして、「144000000byte<BS<=192000000byte」の範囲を取得してもよい。
一方、S203において、BSRインデックスが第一インデクス値に該当しないと判定した場合(S203でNO)、無線基地局20は、S204ないしS206Aをスキップして、S202で取得したバッファ値BS1を、無線端末10のバッファ推定値BSとしてもよい。
以上が、実施例2に係るBSR伝送シーケンスにおける無線基地局20の処理の流れの一例である。
以上に開示される実施例2の一側面によれば、無線端末10のバッファに格納された未送信のアップリンクデータのサイズ(バッファ値とも称される)を通知するバッファ状態報告(BSR)に、無線端末のバッファ値に応じて、BSRインデックス値を格納するための第一フィールドとは別に、新たに第二フィールドが追加される。これにより、無線端末10は、バッファ状態報告(BSR)の第一フィールドと第二フィールドとを用いて、無線端末10のバッファ値を精度よく無線基地局20へ通知することができる。この様な作用は、第五世代移動通信システムにおけるアップリンクの超高速大容量伝送サービスの性能を維持向上させるうえで有用である。
以上に開示される実施例2の他の一側面によれば、バッファ状態報告(BSR)の第一フィールドに格納されるBSRインデックスが第一インデックス値に該当する場合、無線端末10のバッファ値がBSRインデックステーブルにおけるバッファ最大値をどの程度超過するかを示す追加BSRインデックスを格納するための第二フィールドが、BSRに追加される。これにより、無線基地局20は、BSRの第一フィールドと第二フィールドとに格納された値を用いて、無線端末10のバッファ値を精度よく推定することができる。この様な作用は、第五世代移動通信システムにおけるアップリンクの超高速大容量伝送サービスの性能を維持向上させるうえで有用である。
以上に開示される実施例2のさらなる他の一側面によれば、バッファ状態報告(BSR)の第二フィールドに格納される追加BSRは、無線端末10のバッファ値がBSRインデックステーブルにおけるバッファ最大値をどの程度超過するかを示すBSR係数に対応する。これにより、無線基地局20は、BSRの第一フィールドと第二フィールドとに格納された値を用いて、無線端末10のバッファ値を精度よく推定することができる。この様な作用は、第五世代移動通信システムにおけるアップリンクの超高速大容量伝送サービスの性能を維持向上させるうえで有用である。
<実施例3> 実施例3に係る無線通信システム1では、アップリンクの論理チャネルグループ(LCG)毎に、バッファ最大値を設定し得る。これにより、LCG毎の無線サービスの特性に応じて、適切なバッファ最大値を規定するBSRインデックステーブル(変換テーブルと称されてもよい)を用いてバッファ状態報告を送信することができる。そのため、無線端末10のバッファ値を、精度よく無線基地局20へ通知することができる。
図10は、実施例3に係るBSRインデックステーブルの一例を示す図である。図10に示すBSRインデックステーブルは、0byteから192000000byte(=192Mbyte=192000Kbyte)までの区間を、63段階の範囲に分割し、各範囲に対して63個のBSRインデックス(すなわち、0から62)が関連付けられている。例えば、インデックス値が「62」のBSRインデックスに対して、範囲「145848796<BS<=192000000」が関連付けられている。範囲「145848796<BS<=192000000」に属するバッファ値BSは、145848796byteより大きく、かつ、192000000byte以下という範囲における何れかの値である。最後のBSRインデックス(すなわち、63)は、BSRインデックステーブルにおいて規定されるバッファの最大値(バッファ最大値と称されてもよい)を超過するバッファ値BSを意味する。図10の例において、BSRインデックステーブルに規定されるバッファ最大値は「192000000byte」である。なお、図10に示すBSRインデックステーブルの各値は、一例であって、本実施例はこれらの値に限定されるものではない。
実施例3に係る無線通信システム1における無線端末10および無線基地局20は、図2に例示するBSRインデックステーブル(第一BSRインデックステーブル、第一変換テーブルと称されてもよい)と、図10に例示するBSRインデックステーブル(第二BSRインデックステーブル、第二変換テーブル、拡張BSRインデックステーブル、拡張変換テーブルと称されてもよい)と、を有するものとする。図2の例における第一変換ステーブルのバッファ最大値は「3000000byte」であり、図10の例における第二変換テーブルのバッファ最大値は「192000000byte」である。すなわち、第一変換テーブルと第二変換テーブルとは、バッファ最大値が異なる。
図11は、実施例3に係るBSR伝送シーケンスにおける無線端末10の処理の流れの一例を示す図である。図11に例示する処理の流れは、例えば、無線端末10がLCG単位のBSRインデックスを取得する際に実行されてもよい。別言すると、複数のLCGについてBSRインデックスを取得しようとする場合、無線端末10は、図11に例示される処理をLCG毎に実行してもよい。なお、説明の便宜上、図11に例示される処理を無線端末10が実行するものとして説明するが、無線端末10は、処理の実行主体として一以上のプロセッサ回路を備えてもよい。
まず、無線端末10は、処理対象のLCGに応じた変換テーブルに従って、現在のバッファ値BSをBSRインデックスに変換する(S101B)。S101Bにおいて、無線端末10は、上位レイヤからの設定に基づいて、処理対象のLCGに応じた変換テーブルを選択してもよい。
図12は、実施例3に係る変換テーブルとLCGとの対応関係に関する設定情報の一例を示す図である。図12の例では、論理チャネルグループ(LCG)毎に、バッファ最大値(BS Max value)が設定されている。例えば、LCG[0]、LCG[2]、LCG[3]、LCG[4]、LCG[5]に対しては、バッファ最大値「3000000byte」(第一の値と称されてもよい)が設定されている。LCG[1]に対しては、第一の値よりも大きなバッファ最大値「192000000byte」(第二の値と称されてもよい)が設定されている。なお、図12の例示は、設定情報の概念を示すものであって、必ずしも例示した値それ自体が設定されているとは限らない。例えば、第一の値と第二の値との区別を、1ビットの数値(すなわち「1」「0」)で設定してもよい。別言すると、設定情報においてLCG毎に「1」または「0」を関係づけることで、LCGに対応付けられたバッファ最大値が、第一の値であるのか、第二の値であるのかを設定してもよい。
実施例3に係る無線通信システム1における無線端末10および無線基地局20は、図12に例示する設定情報を有するものとする。無線端末10は、無線基地局20から送信されるRRC(Radio Resource Control)メッセージにより、図12に例示する設定情報を取得してもよい。別言すると、無線基地局20は、図12に例示する設定情報を含むRRCメッセージを、無線端末10に送信してもよい。このようなRRCメッセージは、複数のLCGの各々に関するバッファ最大値を定義した設定情報を含んでもよいし、一つのLCGに関するバッファ最大値を定義した設定情報を含んでもよい。
S101Bにおいて、無線端末10は、図12に例示する設定情報に基づいて、処理対象のLCGに対応するバッファ最大値を取得し、複数の変換テーブルのうち、当該バッファ最大値を規定する変換テーブルを選択するとことで、処理対象のLCGに応じた変換テーブルを選択してもよい。例えば、無線端末10は、処理対象のLCGがLCG[0]である場合、図12の例によれば、LCG[0]に対応するバッファ最大値は「3000000byte」であるため、第一変換テーブルが選択される。一方、無線端末10は、処理対象のLCGがLCG[1]である場合、図12の例によれば、LCG[1]に対応するバッファ最大値は「192000000byte」であるため、第二変換テーブルが選択される。
S101Bにおいて、無線端末10は、処理対象のLCGに属する論理チャネル(LC:Logical Channel)の送信バッファに滞留する未送信のアップリンクデータのサイズ(バッファ値、バッファサイズ値、BS値と称されてもよい)を取得し、処理対象のLCGに応じた変換テーブル(BSRインデックステーブルと称されてもよい)に従って、BS値からBSRインデックスに変換してもよい。S101Bにおいて、無線端末10は、処理対象のLCGに属する論理チャネルが複数存在する場合、各論理チャネルのバッファ値を合計した値をBS値としてもよい。
無線端末10は、S101Bで取得したBSRインデックス(第一BSRインデックスと称されてもよい)を、処理対象のLCGに対応する第一フィールドに格納する(S102)。
無線端末10は、S101Bで取得したBSRインデックスが、第一インデックス値に該当するかを判定する(S103)。実施例1に係る第一インデックス値は、例えば、処理対象のLCGに応じた変換テーブル(BSRインデックステーブルと称されてもよい)においてバッファ値に対応付けられた一以上のBSRインデックスのうち最後のBSRインデックスに相当する。図2の例において、第一変換テーブルにおける最後のBSRインデックスは「63」である。図10の例において、第二変換テーブルにおける最後のBSRインデックスは「63」である。なお、図2の例も、図10の例も、最後のBSRインデックスは「63」で同じであるが、第一変換テーブルにおけるバッファ最大値(3000000byte)よりも第二変換テーブルにおけるバッファ最大値(192000000byte)の方が大きいことに留意されたい。
S103において、無線端末10は、S101Bで取得したBSRインデックスが第一インデックス値に一致する場合、BSRインデックスが第一インデックス値に該当すると判定してもよい(S103でYES)。一方、S103において、無線端末10は、S101で取得したBSRインデックスが第一インデックス値と一致しない場合、BSRインデックスが第一インデックス値に該当しないと判定してもよい(S103でNO)。
無線端末10は、BSRインデックスが第一インデックス値に該当すると判定した場合(S103でYES)、処理対象のLCGに応じた変換テーブルに従って、追加BSRインデックス(第二BSRインデックスと称されてもよい)を取得する(S104B)。S104Bにおいて、無線端末10は、処理対象のLCGに応じた変換テーブルに規定されるバッファ最大値を、バッファ値BSから減算することで、バッファ最大値を超過するバッファの量に相当する超過バッファ値BS2を取得してもよい。例えば、処理対象のLCGに応じた変換テーブルが第一変換テーブルの場合、図2の例によれば、バッファ最大値は「3000000byte」であり、バッファ値BSが「6000000byte」であれば、超過バッファ値BS2は「3000000byte」(=6000000byte-3000byte)となる。なお、図10の例によれば、バッファ値BSが「6000000byte」であれば、第二変換テーブルにおいて超過バッファ値BS2は生じないことに留意されたい。
S104Bにおいて、無線端末10は、処理対象のLCGに応じた変換テーブルに従って、超過バッファ値BS2に対応するBSRインデックスを選択することで、追加BSRインデックスを取得してもよい。例えば、超過バッファ値BS2が「3000000byte」の場合、図2に例示される第二変換テーブルによれば、超過バッファ値BS2に対応する追加BSRは「62」である。
無線端末10は、S104Bを実行した場合、処理対象のLCGに対応する第二フィールドに、追加BSRインデックスを格納する(S105)。
一方、S103において、BSRインデックス(第一BSRインデックスと称されてもよい)が第一インデックス値に該当しないと判定した場合(S103でNO)、無線端末10は、処理対象のLCGについて第二フィールドを割当てることなく、S104およびS105をスキップしてもよい。
以上が、実施例3に係るBSR伝送シーケンスにおける無線端末10の処理の流れの一例である。つぎに、無線基地局20の処理の流れについて説明する。
図13は、実施例3に係るBSR伝送シーケンスにおける無線基地局20の処理の流れの一例を示す図である。図13に例示する処理の流れは、例えば、無線基地局20が、無線端末10から受信したBSRから、LCG単位の第一フィールドを参照する際に実行されてもよい。別言すると、無線端末10から受信したBSRに複数のLCGの各々について一以上のフィールドが含まれている場合、無線端末10は、図13に例示される処理をLCG毎に実行してもよい。なお、説明の便宜上、図13に例示される処理を無線基地局20が実行するものとして説明するが、無線基地局20は、処理の実行主体として一以上のプロセッサ回路を備えてもよい。
まず、無線基地局20は、無線端末10から受信したBSRの第一フィールドからBSRインデックスを取得する(S201)。S201において、無線基地局20は、無線端末10から受信したBSRに複数の第一フィールドが含まれる場合、BSRに含まれる第一フィールドのうち、処理対象のLCGに対応付けられた第一フィールドから、BSRインデックスを取得してもよい。
無線基地局20は、処理対象のLCGに応じた変換テーブルに従って、S201で取得したBSRインデックス(第一BSRインデックスと称されてもよい)をバッファ値BS1に変換する(S202B)。例えば、BSRインデックスが「62」である場合、図2に例示する第一変換テーブルによれば、BSRインデックスに対応するバッファ値BS1は「2439678byte<BS1<=3000000byte」の範囲である。なお、処理対象のLCGに応じた変換テーブルの選択方法については、無線端末10におけるS101Bの処理と同様であるため、詳細な説明を省略する。
無線基地局20は、処理S201で取得したBSRインデックスが、第一インデックス値に該当するかを判定する(S203)。 ここで、第一インデックス値は、無線端末10における第一インデックス値と同様である。すなわち、実施例1に係る第一インデックス値は、例えば、処理対象のLCGに応じた変換テーブルにおける最後のBSRインデックスに相当する。図2の例において、第一変換テーブルにおける最後のBSRインデックスは「63」である。図10の例において、第二変換テーブルにおける最後のBSRインデックスは「63」である。なお、図2の例も、図10の例も、最後のBSRインデックスは「63」で同じであるが、第一変換テーブルにおけるバッファ最大値(3000000byte)よりも第二変換テーブルにおけるバッファ最大値(192000000byte)の方が大きいことに留意されたい。
S203において、無線基地局20は、S201で取得したBSRインデックスが第一インデックス値と一致する場合、BSRインデックスが第一インデックス値に該当すると判定してもよい(S203でYES)。一方、S203において、無線基地局20は、S201で取得したBSRインデックスが第一インデックス値と一致しない場合、BSRインデックスが第一インデックス値に該当しないと判定してもよい(S203でNO)。
無線基地局20は、BSRインデックスが第一インデックス値に該当すると判定した場合(S203でYES)、無線端末10から受信したBSRの第二フィールドから、追加BSRインデックス(第二BSRインデックスと称されてもよい)を取得する(S204)。S204において、無線端末10から受信したBSRに複数の第二フィールドが含まれている場合、処理対象のLCGに対応付けられている第二フィールドから、追加BSRインデックスを取得してもよい。
無線基地局20は、S204で取得した追加BSRインデックスを、処理対象のLCGに応じた変換テーブルに従って、第二バッファ値BS2に変換する(S205B)。例えば、追加BSRインデックスが「62」である場合、図2に例示する第一変換テーブルによれば、追加BSRインデックスに対応する第二バッファ値BS2は「2439678byte<BS2<=3000000」の範囲である。
無線基地局20は、S205Bで取得した第二バッファ値BS2と、S202Bで取得したバッファ値BS1とに基づいて、無線端末10のバッファ推定値BSを取得する(S206)。ここで、S202Bで取得したバッファ値BS1は、BSRインデックスが第一インデクス値に該当するため、処理対象のLCGに応じた変換テーブルに規定されるバッファ最大値に相当する。すなわち、図2に例示される第一変換テーブルによれば、バッファの最大値は「3000000byte」であるため、S206におけるバッファ値BS1は「3000000byte」である。図10に例示される第二変換テーブルによれば、バッファの最大値は「192000000byte」であるため、S206におけるバッファ値BS1は「192000000byte」である。
S206において、無線基地局20は、例えば、S205Bで取得した第二バッファ値BS2に、S202Bで取得したバッファ値BS1(例えば「3000000byte」)を加算することで、無線端末10のバッファ推定値BSを取得してもよい。例えば、第二バッファ値BS2が「2439678byte<BS2<=3000000」の範囲である場合、図2に例示される第一変換テーブルによれば、無線基地局20は、第二バッファ値BS2の範囲を規定する上限値と下限値との各々にバッファ値BS1「3000000byte」を加算することで、バッファ推定値BSとして、「5439678byte<BS<=6000000」の範囲を取得してもよい。
一方、S203において、BSRインデックスが第一インデクス値に該当しないと判定した場合(S203でNO)、無線基地局20は、S204ないしS206をスキップして、S202Bで取得したバッファ値BS1を、無線端末10のバッファ推定値BSとしてもよい。
以上が、実施例3に係るBSR伝送シーケンスにおける無線基地局20の処理の流れの一例である。
以上に開示される実施例3の一側面によれば、無線端末10のバッファに格納された未送信のアップリンクデータのサイズ(バッファ値とも称される)を通知するバッファ状態報告(BSR)に、無線端末10のバッファ値に応じて、BSRインデックス値を格納するための第一フィールドとは別に、新たに第二フィールドが追加される。これにより、無線端末10は、バッファ状態報告(BSR)の第一フィールドと第二フィールドとを用いて、無線端末10のバッファ値を精度よく無線基地局20へ通知することができる。この様な作用は、第五世代移動通信システムにおけるアップリンクの超高速大容量伝送サービスの性能を維持向上させるうえで有用である。
以上に開示される実施例1の他の一側面によれば、アップリンクの論理チャネルグループ(LCG)毎に、変換テーブル(BSRインデックステーブルと称されてもよい)におけるバッファ最大値を設定することができる。例えば、eMBBのような超高速大容量伝送サービスに用いられる論理チャネルが属するLCGに対して、複数の変換テーブルのうち、大きなバッファ最大値が規定されている第二変換テーブルを割当てるように設定することで、無線端末10のバッファ値が変換テーブルに規定されるバッファ最大値を超過する事象の発生を抑制することができる。一方、eMBBのような超高速大容量伝送サービスほどに大量のアップリンクデータの発生が想定されない伝送サービスに用いられる論理チャネルが属するLCGに対して、第二変換テーブルよりも小さなバッファ最大値が規定される第一変換テーブルを割当てるように設定することで、バッファ状態報告(BSR)で通知するバッファ値の粒度が粗くなることを抑制することができる。これらにより、実施例3に係る無線端末10は、無線端末10のバッファ値を、より精度よく、無線基地局20に伝えることができる。別言すると、実施例3に係る無線基地局20は、無線端末10からのバッファ状態報告(BSR)に基づいて、無線端末10のバッファ値をより精度よく推定することができる。この様な作用は、第五世代移動通信システムにおけるアップリンクの超高速大容量伝送サービスの性能を維持向上させるうえで有用である。
<実施例4> 実施例4に係る無線通信システム1では、無線端末10のバッファに格納された未送信のアップリンクデータのサイズ(バッファ値とも称される)を通知するバッファ状態報告(BSR)の伝送シーケンスにおいて用いられるBSRインデックスのビット長がnビット(例えば8ビット)に拡張される。さらに、BSRインデックステーブルの幾つかのインデックス(BSRインデックスと称されてもよい)に、リザーブが設けられる。これにより、無線端末10のバッファ値が変換テーブルに規定されるバッファ最大値を超過する事象の発生を抑制しつつ、BSRインデックステーブルにおいて規定されるバッファ値の範囲が適切な粒度となるように設計することができる。
まず、実施例4の導入に関する動機について説明する。上述の如く、第五世代移動通信システムにおける議論はまだ開始されたばかりであり、詳細な仕様について確定していないことが多い。その中で、BSRインデックステーブルにおいて規定されるバッファ値の決め方について、第四世代移動通信システム(LTEと称されてもよい)と同じ方法を継承する考え方が提案されている。
第四世代移動通信システムでは、BSRインデックステーブルにおいて規定されるk番目のインデックスに対応付けられるバッファの上限値Bkは、以下の式により示される。なお、k番目のインデックスに対応付けられるバッファの下限値は、BminまたはBk-1で示される。
Bk = eBmin× (1 - p) k u ・・・(1)
ここで、値pは、次式により定義される。
p = ( Bmax / Bmin) 1 / (N-1)- 1 ・・・(2)
式(1)および式(2)において、値Bminは、BSRインデックステーブルにおいて規定されるバッファの最小値(バッファ最小値と称されてもよい)であって、例えば10byteである。式(1)および式(2)において、値Bmaxは、BSRインデックステーブルにおいて規定されるバッファの最大値(バッファ最大値と称されてもよい)である。式(2)における値Nは、BSRインデックステーブルにおいて規定されるBSRインデックスのビット長に応じた値であり、例えば6ビット長のBSRインデックスの場合、N=2^6-1=63である。なお、上述のBSRインデックステーブルにおいて規定されるバッファ値の決め方については、非特許文献「R2-083101、Buffer Size Levels for BSR in E-UTRA Uplink」に詳しい。
図14は、BSRインデックスを8ビットに拡張した場合のBSRインデックステーブルの内容例である。図14の例では、BSRインデックスが8ビットに拡張され、0値から255値までの256個のBSRインデックスが存在する。図14のBSRインデックステーブルは、これら256個のBSRインデックスに対して、上述の第四世代移動通信システムと同様の方法により決められたバッファ値が定義されている。
図14の例から理解されるように、BSRインデックスを拡張して、第四世代移動通信システムと同様の方法によりバッファ値を定義すると、BSRインデックスの一部に重複するバッファ値が定義されるという不具合が生じ得る。すなわち、図14の例では、BSRインデックス「5」に対して、バッファ値「13<BS<=13」が定義されてしまっている。別言すると、BSRインデックス「5」に対して、BSRインデックス「4」のバッファ値と重複するバッファ値が定義されている。そのため、BSRインデックス「5」が意味をなさないインデックスになっている。あるいは別の見方では、「13<BS<=13」となるBS値は数学的に存在しないので、BSRインデックス「5」は無効なインデックスとなる。この様に、BSRインデックスのビット長を拡張することで、BSRインデックステーブルにおいて規定されるバッファ最大値を増加させることができる反面、バッファ値の粒度が細かくなりすぎるという弊害が生じ得る。なお、図14の例において、値Bminは10byteであり、値Bmaxは96000000byte(「150Kbyte * 10 * 16 * 4」=「LTEのBmax * 10倍のレート * 16キャリア * 4 UL MIMOレイヤ」)である。
そこで、実施例4では、BSRインデックステーブルにおいて規定される複数のBSRインデックスのうち、幾つかのBSRインデックスがリザーブとして扱われる。
図15は、実施例4に係るBSRインデックステーブルの内容例を示す図である。図15のBSRインデックステーブルでは、BSRインデックステーブルに規定されるBSRインデックスのうち、「240値」から「255値」までの16個のBSRインデックスが、リザーブとして定義されている。別言すると、8ビット長のBSRインデックスのうち、「0値」から「239値」までの240個のBSRインデックスに対してバッファ値が定義されている。これにより、上述の式(2)におけるN値が変更される。そのため、図15の例では、図14の例で生じていた「15値」のBSRインデックスに対するバッファ値の不具合が、解消されている。なお、図15の例において、第一インデックス値は、「239値」であってもよい。
<変形例1> 上述の実施例1ないし実施例3では、無線端末10のバッファ値がバッファ最大値を超過する場合に、一つのLCGに対して一つの第一フィールドと一つの第二フィールドとを割当てる例を示したが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、無線端末10のバッファ値が、BSRインデックステーブルに規定されるバッファ最大値を超過する度合いに応じて、一つのLCGに対して一つの第一フィールドと複数の第二フィールドとを割当ててもよい。
例えば、S104において、無線端末10は、BSRインデックステーブルに従って超過バッファ値BS2(第一の超過バッファ値BS2[1]と称されてもよい)から変換したBSRインデックス(第一の追加BSRインデックスと称されてもよい)が、第一インデックス値に該当するかを判定してもよい。そして、第一の追加BSRインデックスが第一インデックス値に該当する場合、第一の追加BSRインデックスを格納するための第二フィールド(第二フィールド[1]と称されてもよい)を、処理対象のLCGに割当ててもよい。さらに、無線端末10は、第一の超過バッファ値BS2[1]からバッファ最大値を減算することで、第二の超過バッファ値BS2[2]を取得し、そして、第二の超過バッファ値BS[2]から変換したBSRインデックス(第二の追加BSインデックス)を格納するための第二フィールド[2]を、処理対象のLCGに割当ててもよい。また、無線端末10は、第二の追加BSRインデックスが第一インデックス値に該当するか否かに応じて、さらに、第二フィールドを追加する処理を繰り返してもよい。
<変形例2> 以上に開示する実施例3では、無線端末10のバッファに格納された未送信のアップリンクデータのサイズ(バッファ値とも称される)を通知するバッファ状態報告(BSR)に、無線端末10のバッファ値に応じて、BSRインデックス値を格納するための第一フィールドとは別に、新たに第二フィールドが追加されることが説明されたが、実施例3の趣旨は、これに限定されるものではない。
例えば、無線端末10は、処理対象のLCGに応じた変換テーブルに従って、現在のバッファ値BSをBSRインデックスに変換する処理(S101B)と、BSRインデックスをBSRの第一フィールドに格納する処理(S102)とを実行し、その後の処理(S103ないしS105)を省略してもよい。
また、無線基地局20は、無線端末10からのバッファ状態報告(BSR)の第一フィールドからBSRインデックスを取得する処理(S201)と、処理対象のLCGに応じた変換テーブルに従って、S201で取得したBSRインデックスをバッファ値BS1に変換する処理(S202B)とを実行し、その後の処理(S203ないしS206)を省略してもよい。
変形例2の一側面によれば、アップリンクの論理チャネルグループ(LCG)毎に、変換テーブル(BSRインデックステーブルと称されてもよい)におけるバッファ最大値を設定することができる。例えば、eMBBのような超高速大容量伝送サービスに用いられる論理チャネルが属するLCGに対して、複数の変換テーブルのうち、大きなバッファ最大値が規定されている第二変換テーブルを割当てるように設定することで、無線端末10のバッファ値が変換テーブルに規定されるバッファ最大値を超過する事象の発生を抑制することができる。一方、eMBBのような超高速大容量伝送サービスほどに大量のアップリンクデータの発生が想定されない伝送サービスに用いられる論理チャネルが属するLCGに対して、第二変換テーブルよりも小さなバッファ最大値が規定される第一変換テーブルを割当てるように設定することで、バッファ状態報告(BSR)で通知するバッファ値の粒度が粗くなることを抑制することができる。これらにより、実施例3に係る無線端末10は、無線端末10のバッファ値を、より精度よく、無線基地局20に伝えることができる。別言すると、実施例3に係る無線基地局20は、無線端末10からのバッファ状態報告(BSR)に基づいて、無線端末10のバッファ値をより精度よく推定することができる。この様な作用は、第五世代移動通信システムにおけるアップリンクの超高速大容量伝送サービスの性能を維持向上させるうえで有用である。
<変形例3> 上述の実施例4では、BSRインデックスがnビット長に拡張される一例として、n=8の一例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、従前の6ビット長よりも大きい数であれば何ビットであってもよい。別言すると、実施例4では、nビット長(6ビットよりも大きい値)のBSRインデックスのうち、一部のBSRインデックスに対して、特定のバッファ値が対応付けられておらず、リザーブとして定義される。
<変形例4> 上述の実施例4では、一部のBSRインデックスをリザーブとする一例として、「240値」から「255値」までの16個のBSRインデックスをリザーブとする一例について説明したが、実施例4は、これに限定されるものではない。例えば、nビット長(6ビットよりも大きい値)に拡張したBSRインデックスのうち、iビットを予約ビットにし、(n-i)ビットのBSRインデックスに対してバッファ値を定義してもよい。例えば、8ビットに拡張したBSRインデックスのうち、先頭の1ビットを予約ビットにし、残り7ビットのBSRインデックに対してバッファ値を定義してもよい。この場合、「0値」~「127値」までの128個のBSRインデックスに対してバッファ値が定義されてもよい。
<変形例5> 上述の実施例4では,一部のBSRインデックスをリザーブとする一例として、「240値」から「255値」までの16個のBSRインデックスをリザーブとする一例について説明したが、実施例4は、これに限定されるものではない。例えば、「240値」から「255値」までをリザーブとして定義したが、「0値」から「15値」の16個のBSRインデックスをリザーブとして定義してもよい。この場合「16値」が「0」となり、以降は図15と同様の値になる。
<変形例6> 上述の実施例4では,BSRインデックス「5」に対して、バッファ値「13<BS<=13」が定義されてしまう一例について、その解決策を説明したが、実施例4はこれに限定されるものではない。BSRインデックスのビット長を拡張することで粒度が細かくなり過ぎるという問題を解消するための方策として、例えば、BSRインデックステーブルに規定されるバッファ値の単位を変更してもよい。例えば、バッファ値(BS value: Buffer Size Value)の単位をバイトではなく、ビット単位として定義してもよい。別言すれば、BS valueの値を8倍にしてもよい。当該方法により、「5値」のBSRインデックスに対するBSV(Buffer Size Value)は数学的に有効な値となる。そのため、無線端末は「5値」のBSRインデックスに対するBSVを使用したBSRを活用することができる。
<ハードウェア構成> 最後に、以上に開示する各実施例に用いられる装置のハードウェア構成について、簡単に説明する。図16は、無線通信システム1における無線端末10と無線基地局20とのハードウェア構成の一例を示す図である。
図16に示す無線端末10は、無線通信回路101、処理回路102、メモリ103を有する。なお、図16に示す無線端末10では、アンテナなどの一部の構成について、図示を省略している。また、無線端末10は、液晶ディスプレイなどの表示装置や、タッチパネルなどの入力装置や、リチウムイオン二次電池(lithium-ion rechargeable battery)などのバッテリなどを備えてもよい。
無線通信回路101は、処理回路102からベースバンド信号(無線信号、デジタル無線信号と称されてもよい)の供給を受けて、当該ベースバンド信号から所定の出力レベルの無線信号(第二の無線信号、アナログ無線信号と称されてもよい)を生成し、アンテナを介して無線信号を空間に放射するように構成される。これにより、無線端末10は、無線基地局20に無線信号を送信することができる。また、無線通信回路101は、アンテナから入力される無線信号を受信し、無線信号をベースバンド信号に変換し、処理回路102にベースバンド信号を供給するように構成される。これにより、無線端末10は、無線基地局20からの無線信号を受信することができる。上述のように、無線通信回路101は、無線信号の送受信が可能となるように構成され、無線基地局20との無線通信を行う機能を有する。
無線通信回路101は、無線端末内部の伝送回路を介して処理回路102と通信可能に接続され得る。伝送回路としては、例えば、M-PHY、Dig-RFなどの規格に準拠した伝送回路が挙げられる。
処理回路102(プロセッサ回路、演算回路と称されてもよい)は、ベースバンド信号処理を行うように構成される回路である。処理回路102は、無線通信システム1におけるプロトコルスタックに基づいてベースバンド信号(無線信号、デジタル無線信号と称されてもよい)を生成し、無線通信回路101にベースバンド信号を出力するように構成される。また、処理回路102は、無線通信回路101から入力されたベースバンド信号に対して、無線通信システム1におけるプロトコルスタックに基づいて復調・復号などの受信処理を行うように構成される。別言すれば、アップリンクにおいて、処理回路102は、無線通信の機能を複数のレイヤに分割したプロトコルスタックの手順に従って、無線基地局20宛ての第一データを上位層から下位レイヤへと送信データを順次処理して得られた第二データに基づいて、無線通信回路101に無線信号を送信させる回路としての側面を有する。また、処理回路102は、無線通信の機能を複数のレイヤに分割したプロトコルスタックの手順に従って、無線通信回路101を介して受信した無線信号を、下位レイヤから上位層へと順次処理する回路としての側面を有する。ここで、無線通信回路101からベースバンド信号の入力を受けることは、無線通信回路101を介して無線基地局20からの無線信号を受信するという側面を有する。
処理回路102は、例えば、メモリ103に格納されたプログラムを読みだして実行することで、上述の各実施例に係る無線端末10の動作を実現する演算装置であってもよい。別言すると、処理回路202は、図4、図8、図11に例示する無線端末10における処理の流れの実行主体としての側面を有する。処理回路102として、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、これらの組合せなどが挙げられる。なお、処理回路102は、二以上のコアを含むマルチコアプロセッサであっても良い。また、処理回路102は、無線通信システム1のプロトコルスタックにおける各レイヤに応じて、二以上の処理回路102を実装してもよい。例えば、第一副層(PDCPレイヤ)に属する第一副層エンティティ(PDCPエンティティ)としての処理を実行する処理回路102と、第二副層(RLCレイヤ)に属する第二副層エンティティ(RLCエンティティ)としての処理を実行する処理回路102と、第三副層(MACレイヤ)に属する第三副層エンティティ(MACエンティティ)としての処理を実行する処理回路102とを、個別に実装してもよい。
処理回路102は、C-CPUと称されてもよい。無線端末10は、処理回路102の他に、アプリケーションを実行するA-CPUとも称されるプロセッサ回路を実装してもよい。なお、処理回路102は、A-CPUとも称されるプロセッサ回路とともに1チップで実装してもよいし、個別のチップとして実装してもよい。上述のように、処理回路102は、無線端末10の動作を制御する機能を有する制御部としての側面を有する。
メモリ103は、処理回路102で実行されるベースバンド信号処理に係るデータやプログラムを記憶保持するように構成される回路である。メモリ103は、不揮発性記憶装置と揮発性記憶装置の両方あるいは一方を少なくとも含んで構成される。たとえば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)などが挙げられる。図8において、メモリ103は、主記憶装置及び補助記憶装置などの各種記憶装置を総称したものである。なお、メモリ103は、処理回路102と同様に、無線通信システム1のプロトコルスタックにおける各レイヤに応じて、二以上のメモリ103を実装してもよい。例えば、第一副層(PDCPレイヤ)に属する第一副層エンティティ(PDCPエンティティ)としての処理に用いられるメモリ103と、第二副層(RLCレイヤ)に属する第二副層エンティティ(RLCエンティティ)としての処理に用いられるメモリ103と、第三副層(MACレイヤ)に属する第三副層エンティティ(MACエンティティ)としての処理に用いられるメモリ103とを、個別に実装してもよい。
図16に示す無線基地局20は、無線通信回路201、処理回路202、メモリ203、有線通信回路204、を有する。なお、図14に示す無線基地局20では、アンテナの図示を省略している。
無線通信回路201は、ダウンリンクにおいて、処理回路202からのベースバンド信号を受けて、ベースバンド信号から所定の出力レベルの無線信号を生成し、アンテナを介して無線信号を空間に放射するように構成される。また、無線通信回路201は、アップリンクにおいて、アンテナから入力される無線信号を受信し、無線信号をベースバンド信号に変換し、処理回路202へベースバンド信号を供給するように構成される。無線通信回路201は、CPRI(Common Public Radio Interface)などの伝送路を介して処理回路202と通信可能に接続させることも可能であり、RRH(Remote Radii Head)、RRE(Remote Radio Equipment)とも称され得る。また、無線通信回路201と処理回路202との組み合わせは、一対一に限定されるものではなく、一つの無線通信回路201に複数の処理回路202を対応付けたり、複数の無線通信回路201を一つの処理回路202に対応付けたり、複数の無線通信回路201を複数の処理回路202に対応付けることも可能である。上述のように、無線通信回路201は、無線端末10との無線通信を行う機能を有する通信部(送受信部、第二の送受信部とも称される)としての側面を有する。
処理回路202は、ベースバンド信号処理を行うように構成される回路である。処理回路202は、ダウンリンクにおいて、無線通信システムにおけるプロトコルスタックに基づいてベースバンド信号を生成し、無線通信回路201にベースバンド信号を出力するように構成される。また、処理回路202は、アップリンクにおいて、無線通信回路201から入力されたベースバンド信号に対して、無線通信システムにおけるプロトコルスタックに基づいて復調・復号などの受信処理を行うように構成される。別言すると、ダウンリンクにおいて、処理回路202は、無線通信の機能を複数のレイヤに分割したプロトコルスタックの手順に従って、受信装置としての無線端末10宛ての送信データを、上位レイヤから下位レイヤへと順次処理して、無線通信回路201を介して送信する回路としての側面を有する。また、アップリンクにおいて、処理回路202は、無線通信の機能を複数のレイヤに分割したプロトコルスタックの手順に従って、無線通信回路201を介して受信した無線信号を、下位レイヤから上位レイヤへと順次処理する回路としての側面を有する。ここで、アップリンクにおいて、無線通信回路201からベースバンド信号の入力を受けることは、無線通信回路201を介して無線端末10からの無線信号を受信するという側面を有する。
処理回路202は、例えば、メモリ203に格納されたプログラムを読みだして実行することで、上述の各実施例に係る無線基地局20の動作を実現する演算装置であってもよい。別言すると、処理回路202は、図5、図9、図13に例示する無線基地局20における処理の流れの実行主体としての側面を有する。処理回路202として、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などが挙げられる。なお、処理回路202は、二以上のコアを含むマルチコアプロセッサであっても良い。また、処理回路202は、無線通信システムのプロトコルスタックにおける各レイヤに応じて、二以上の処理回路202を実装してもよい。例えば、MACレイヤに属するMACエンティティとしての処理を実行する処理回路202と、RLCレイヤに属するRLCエンティティとしての処理を実行する処理回路202と、PDCPレイヤに属するPDCPエンティティとしての処理を実行する処理回路202とを、個別に実装してもよい。上述のように、処理回路202は、無線基地局20の動作を制御する機能を有する制御部(無線端末10の制御部と区別するために、第二の制御部と称されてもよい)としての側面を有する。
メモリ203は、処理回路202で実行されるベースバンド信号処理に係るデータやプログラムを記憶保持するように構成される回路である。メモリ203は、不揮発性記憶装置と揮発性記憶装置の両方あるいは一方を少なくとも含んで構成される。たとえば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)などが挙げられる。図14において、メモリ203は、主記憶装置及び補助記憶装置などの各種記憶装置を総称したものである。なお、メモリ203は、処理回路202と同様に、無線通信システムのプロトコルスタックにおける各レイヤに応じて、二以上のメモリ203を実装してもよい。例えば、MACレイヤに属するMACエンティティとしての処理に用いられるメモリ203と、RLCレイヤに属するRLCエンティティとしての処理に用いられるメモリ203と、PDCPレイヤに属するPDCPエンティティとしての処理に用いられるメモリ203とを、個別に実装してもよい。
有線通信回路204は、他の装置へ出力可能なフォーマットのパケットデータに変換して他の装置へ送信したり、他の装置から受信したパケットデータからデータなどを抽出して、メモリ203や処理回路202などに出力したりする。他の装置の例としては、他の無線基地局やMME(Mobility Management Entity)やSGW(Serving Gateway)などがあり得る。MMEやSGWはコアノードとも称され、コアノードとの通信に用いられる論理的な通信インタフェースはS1インタフェースとも称される。他の無線基地局装置との通信に用いられる論理的な通信インタフェースはX2インタフェースとも称される。
以上の詳細な説明により、本開示の特徴点及び利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神及び権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような本開示の特徴点及び利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良及び変更に容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する開示の範囲を前述したものに限定する意図はなく、本明細書に開示された範囲に含まれる適当な改良物及び均等物に拠ることも可能である。例えば、本明細書に開示の各工程は、必ずしも処理の流れの一例として説明された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、工程の順序を入れ替えてもよく、あるいは複数の工程を並列的に実行してもよい。なお、以上の詳細な説明で明らかにされる第五世代移動通信システムに生じ得る事情は、第五世代移動通信システムを一側面から検討した場合に見出し得るものであり、他の側面から検討した場合には、他の事情が見出され得ることに留意されたい。別言すると、本発明の特徴点及び利点は、以上の詳細な説明に明記された事情を解決する用途に限定されるものではない。
最後に、本開示における各実施例および変形例の構成は、本発明の技術的思想を具体化するための一例を示したものであり、本発明をこれら各実施例および変形例の構成に限定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態にも等しく適用し得るものである。例えば、本開示における用語は、今後の第五世代移動通信システムの仕様策定において、名称が変更され得ることに留意されたい。また、本開示における用語に対して列挙される一以上の別称は、相互に同義であり得ることに留意されたい。