以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能又は構成には、同一又は類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
[第1の実施形態]
(1)無線通信システムの全体概略構成
図1は、本実施形態に係る無線通信システム10の全体概略構成図である。無線通信システム10は、LTE(Long Term Evolution)及びLTEの後継システムである5Gに従った無線通信システムである。なお、本実施形態では、5Gと対応させる観点から、LTE(LTE-Advancedを含む)を適宜「4G」と称呼する。また、本実施形態では、5Gが導入された直後における無線通信システム10の構成を想定しており、5Gが4Gを補完するLTE assisted operationを実現する。なお、本実施形態は、4Gを補完するLTE assisted operation以外に、5Gのみで通信を行うことができるStandalone型の無線通信システム、他の世代などの無線通信システム10にも適用可能である。本実施形態が適用し得る適用システムについては後述する。
無線通信システム10は、コアネットワーク20と、無線基地局100と、無線基地局200と、ユーザ装置300とを含む。
コアネットワーク20は、EPC(Evolved Packet Core)とも呼ばれ、移動管理エンティティ(MME)、サービングゲートウェイ(S-GW)及びPDNゲートウェイ(P-GW)などによって構成される。
無線基地局100は、4Gに従った無線基地局であり、eNodeBとも呼ばれている。無線基地局100は、S1-MME又はS1-Uインタフェースを介してコアネットワーク20を構成する装置(ノード)と接続される。
無線基地局200は、5Gに従った無線基地局である。無線基地局200は、X2インタフェース(例えば、X2-AP’インタフェース、X2-U’インタフェース)を介して無線基地局100と接続される。
ユーザ装置300は、無線基地局100及び無線基地局200と無線通信を実行できる。ユーザ装置300は、無線通信端末又は移動局と呼ばれてもよい。無線基地局200及びユーザ装置300は、複数のアンテナ素子から送信される無線信号を制御することによって、より指向性の高いビームを生成するMassive MIMO、複数のコンポーネントキャリア(CC)を用いるキャリアアグリゲーション(CA)、及び複数の無線基地局とユーザ装置300との間においてコンポーネントキャリアを同時送信するデュアルコネクティビティ(DC)などに対応できる。
図2は、無線通信システム10の全体ブロック構成図である。図2に示すように、無線基地局100は、中央集約装置110及び張出装置120によって構成される。同様に、無線基地局200は、中央集約装置210及び張出装置220によって構成される。無線基地局100及び無線基地局200は、中央集約装置及び張出装置以外の他の装置を含んでもよい。
中央集約装置110は、無線物理レイヤ(L1)、ミディアムアクセス制御レイヤ(MAC)、無線リンク制御レイヤ(RLC)、パケット・データ・コンバージェンス・プロトコルレイヤ(PDCP)を有する。また、中央集約装置110は、PDCPの上位レイヤとして、無線リソース制御レイヤ(RRC)を有する。
張出装置120は、中央集約装置110の設置場所から張り出して遠隔に配置されることができる。また、張出装置120は、PA(Power Amplifier)/LNA(Low Noise Amplifier)、無線送受信モジュール及び変復調モジュールなどの無線部(RF)を有する。
中央集約装置110は、セントラルユニット(Central Unit)とも呼ばれ、張出装置120は、リモートユニット(Remote Unit)とも呼ばれる。中央集約装置110と張出装置120とは、フロントホール(Franthaul)と呼ばれる有線伝送路で接続される。このような中央集約装置110と張出装置120とのインタフェースとしては、例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)が用いられる。
中央集約装置210(第1通信装置)及び張出装置220(第2通信装置)は、上述した中央集約装置110及び張出装置120にそれぞれ対応する。但し、レイヤ構成が異なっている。具体的には、中央集約装置210は、ミディアムアクセス制御レイヤ(MAC)及び無線リンク制御レイヤ(RLC)を有する。張出装置220は、無線物理レイヤ(L1)及び無線部(RF)を有する。なお、上述したように、中央集約装置210は、X2インタフェースを介して中央集約装置110と接続される。
(2)無線通信システムの機能ブロック構成
次に、無線通信システム10の機能ブロック構成について説明する。具体的には、無線基地局200の中央集約装置210及び張出装置220の機能ブロック構成について説明する。
(2.1)中央集約装置210
図3は、5Gの中央集約装置210の機能ブロック構成図である。図3に示すように、中央集約装置210は、スケジュール処理部211と、スケジューリング情報送信部212と、ユーザデータ制御部213と、ユーザデータ送信部214と、X2IF部215とを備える。
スケジュール処理部211(MACスケジューラ)は、どのユーザ装置300にどの無線リソースを割り当てるかを決定するスケジュール処理を行う。具体的には、スケジュール処理部211は、スケジュール処理により選択したユーザ装置300に対して、スケジューリング情報(無線リソースの割り当て情報)を生成する。スケジューリング情報には、例えば、RB(Resource Block)数、MCS(Modulation and Coding Scheme;変調方式,符号化率)、TBS(Transport Block Size)、送信Rank数、ダウンリンクアサイメント(DL assignment)数などが含まれる。
スケジューリング情報送信部212は、スケジュール処理部211によって生成されたスケジューリング情報を張出装置220へ送信する。
ユーザデータ制御部213は、トランスポートブロックのユーザデータを符号化(コード化)の処理単位に分割した複数のコードブロック(複数の分割データ)のうち、張出装置220によって生成される各OFDMシンボルの生成に必要な分量のコードブロック(分割データ)をユーザデータから切り出す。例えば、ユーザデータ制御部213は、ユーザデータのコードブロックから、「各OFDMシンボルの生成に必要な数のコードブロック」を切り出す。「切り出す」とは、例えば、コードブロックから「各OFDMシンボルの生成に必要な数のコードブロック」を1つのデータとして切り分けることをいう。又は、ユーザデータ制御部213は、「各OFDMシンボルの生成に必要な数のコードブロック」を切り出すのに代えて、「各OFDMシンボルの生成に必要なビット数のコードブロック」を切り出してもよい。以下同様である。
ユーザデータ送信部214は、ユーザデータ制御部213によってユーザデータから切り出された「各OFDMシンボルの生成に必要な数のコードブロック」を1つのデータとして張出装置220へ送信する。例えば、ユーザデータ送信部214は、「各OFDMシンボルの生成に必要な数のコードブロック」として1つに纏められたデータを送信する。
X2IF部215は、中央集約装置110との通信を実現するためのインタフェースを提供する。具体的には、X2IF部215は、中央集約装置110と中央集約装置210とを、MAC及びRLCを用いて直接接続するインタフェースであり、既存のオープンインタフェースであることが好ましい。ユーザ装置300の送受信データは、X2IF部215を介して無線基地局100と中継される。
(2.2)張出装置220
図4は、5Gの張出装置220の機能ブロック構成図である。図4に示すように、張出装置220は、スケジューリング情報受信部221と、ユーザデータ受信部222と、FFT/IFFT処理部223と、無線通信部224とを備える。
スケジューリング情報受信部221は、中央集約装置210から、スケジューリング情報を受信する。受信したスケジューリング情報には、どのユーザ装置300にどの無線リソースを割り当てるかを決定するための無線リソース割り当て情報が含まれている。
ユーザデータ受信部222は、中央集約装置210から、「各OFDMシンボルの生成に必要な数のコードブロック」を受信する。例えば、ユーザデータ受信部222は、「各OFDMシンボルの生成に必要な数のコードブロック」である1つのデータを受信する。
FFT/IFFT処理部(シンボル生成部)223は、中央集約装置210からコードブロックを受信した後、受信した各コードブロックに対してそれぞれ符号化の処理を行い、受信した数のコードブロックを用いてOFDMシンボル信号を生成し、OFDMシンボル単位でFFT(Fast Fourier Transform)処理又はIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理を実行する。なお、FFT/IFFT処理部223の備える複数の機能のうち、符号化処理とOFDMシンボル生成処理とを他の独立した機能部で実行してもよい。
無線通信部224は、中央集約装置210から受信したスケジューリング情報を用いて、送信すべきユーザデータのRF(Radio Frequency)処理を行い、PDSCH又はPDCCH(Physical Downlink Control Channel)により下りリンク信号をユーザ装置300へ送信する。
(3)無線通信システムの動作
次に、無線通信システム10の動作について説明する。具体的には、中央集約装置210及び張出装置220による下りリンク信号の送信処理について説明する。
図5は、中央集約装置210及び張出装置220による下りリンク信号の送信処理を具体的に示すシーケンス図である。この動作例では、ユーザデータのコードブロックから「各OFDMシンボルの生成に必要な数のコードブロック」を切り出す場合について説明する。
ステップS101において、中央集約装置210は、所定のサブフレーム(Sub Frame)及びTTI(Transmission Time Interval)において、どのユーザ装置300にどの無線リソースを割り当てるかを決定したスケジューリング情報を張出装置220へ送信する。
ステップS102において、張出装置220は、中央集約装置210から受信したスケジューリング情報に基づき、どのユーザ装置300にどの無線リソースを割り当てるかを予め算出する。具体的には、張出装置220は、PDSCHの下りリンク信号を生成するため、スケジューリング情報に含まれる無線リソースの割り当て情報(RB数,MCS等)を用いて、どのユーザ装置300にどの無線リソースを割り当てるかを特定する。
ステップS103において、中央集約装置210は、ユーザ装置300毎に、ユーザデータをコード化の処理単位に分割した複数のコードブロックのうち、張出装置220によって生成される「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数」を算出する。具体的には、中央集約装置210は、例えば、ユーザデータのTBSをPDSCHに用いるOFDMシンボル数で除算することにより、「1OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数」を算出する。なお、「PDSCHに用いるOFDMシンボル数」は、OFDMシンボルの総数から、PDCCHで用いられるOFDMシンボル数を減算した値である。例えば、「PDSCHに用いるOFDMシンボル数」は、OFDMシンボル総数(14シンボル)から、PDCCHで用いられるOFDMシンボル数(1シンボル,2シンボル,又は3シンボル)を減算した13シンボル乃至11シンボルのうちいずれかとなる。
ステップS104において、中央集約装置210は、ステップS103で算出した数のコードブロックをユーザデータのトランスポートブロックから切り出し、中央集約装置210と張出装置220との間のフレームプロトコルを用いて、張出装置220へ送信する。例えば、「1OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数」が5つの場合、中央集約装置210は、5つ分のコードブロックの1つのデータをユーザデータから切り出して張出装置220へ送信する。なお、フレームプロトコルのプロトコルフォーマットについては、後述する。
ステップS105において、張出装置220は、中央集約装置210からコードブロックを受信した後、受信した各コードブロックに対してそれぞれ符号化の処理を行い、受信した数のコードブロックを用いてOFDMシンボルを生成し、生成したOFDMシンボルに対してFFT/IFFT処理を実行する。例えば、「1OFDMシンボルに割り当てられるコードブロック数」が5つの場合、中央集約装置210により5つ分のコードブロックが1つに纏まった状態で送信される。張出装置220は、その5つ分のコードブロックを一度に纏めて受信すると、その5つ分のコードブロックを用いてOFDMシンボルを生成し、FFT/IFFT処理を実行する。
以降、中央集約装置210は、ステップS103とステップS104を繰り返し実行する。一方、張出装置220は、中央集約装置210から「OFDMシンボルの生成に必要な数のコードブロック」を受信した後にステップS105を実行する。張出装置220は、所定のタイミングで、ステップS102で特定された無線リソースの割り当て情報に基づき、FFT/IFFT処理後のコードブロックを無線リソース(RB等)に割り当て、PDSCHの下りリンク信号を生成して無線伝送路を介してユーザ装置300へ送信する。
次に、中央集約装置210で行うコードブロックの具体的な送信方法について説明する。図6は、コードブロックの送信フローを示す図である。図7は、コードブロックを送信する際に用いるメトリック、各タイミングで行われる中央集約装置210及び張出装置220の動作例を示す図である。ここで、メトリックとは、OFDMシンボルの生成に関する情報であり、具体的には1つのコードブロックで生成可能なOFDMシンボル数(後述するMstep#i)の積算値である。メトリックは、ユーザデータ毎に用いられる。
ステップS201において、中央集約装置210は、各ユーザ装置UE#iのメトリックM#iをそれぞれ“0”に初期化する。図7では、t=0の時刻において、各ユーザ装置UE#1~UE#3の各メトリックM#1~M#3が“0”であることに対応する。
ステップS202において、中央集約装置210は、ユーザ装置UE#iに割り当てられるRB数とMCSとTBSとを用いて、各ユーザ装置UE#iのユーザデータのコードブロック数NumCB#iを算出する。例えば、中央集約装置210は、ユーザ装置300に割り当てられたRB数とMCSとを用いてユーザデータのTBSを算出し、該TBSを所定のサイズ(例えば、固定長のコードブロックの最大サイズ)で除算することにより、ユーザデータのコードブロック数を算出する。なお、図7では、PDSCHの送信に対して使用可能なOFDMシンボルの総数を12、ユーザ装置UE#iの総数を3、各ユーザ装置UE#i(i=1~3)のコードブロックの総数NumCB#1~NumCB#3をそれぞれ3,4,2としている。
ステップS203において、中央集約装置210は、各ユーザ装置UE#iの各コードブロックによっていくつのOFDMシンボルを生成可能であるかを示すOFDM信号生成可能数Mstep#iを算出する。OFDM信号生成可能数Mstep#iは、「PDSCHの送信に対して使用可能なOFDMシンボルの総数」を各ユーザ装置UE#iの「コードブロックの総数」でそれぞれ除算することにより算出される。以下、その理由について概説する。なお、ここでは、「各OFDMシンボルの生成に必要な数のコードブロック」ではなく、OFDMシンボルに対するユーザデータのマッピング方法を中心に説明する。
ユーザデータは、PDSCHを生成するOFDMシンボルに跨って時間領域でマッピングされる。それゆえ、例えば、PDSCHの生成に12OFDMシンボルを用いるとし、ユーザデータ#1のコードブロックの総数NumCB#1が3つの場合、1つ目のコードブロックCB#1が4つに分割されて最初の1~4OFDMシンボルへマッピングされ、2つ目のコードブロックCB#2が4つに分割されて後続の5~8OFDMシンボルへマッピングされ、3つ目のコードブロックCB#3が4つに分割されて更に後続の9~12OFDMシンボルへマッピングされる。
同様に、ユーザデータ#2のコードブロックの総数NumCB#2が4つの場合、1つ目のコードブロックCB#1が3つに分割されて最初の1~3OFDMシンボルへマッピングされ、2つ目のコードブロックCB#2が3つに分割されて後続の4~6OFDMシンボルへマッピングされ、3つ目のコードブロックCB#3が3つに分割されて更に後続の7~9OFDMシンボルへマッピングされ、4つ目のコードブロック#4が3つに分割されてその更に後続の10~12OFDMシンボルへマッピングされる。
同様に、ユーザデータ#3のコードブロックの総数NumCB#2が2つの場合、1つ目のコードブロックCB#1が6つに分割されて最初の1~6OFDMシンボルへマッピングされ、2つ目のコードブロックCB#2が6つに分割されて後続の7~12OFDMシンボルへマッピングされる。
このように、ユーザデータのコードブロックの総数が決定すれば、1つのコードブロックでいくつのOFDMシンボルを生成可能であるか、つまりOFDM信号生成可能数Mstep#iを算出可能となる。上記の例の場合、ユーザデータ#1のOFDM信号生成可能数Mstep#1は、4(=12/3)となる。このユーザに限って言えば、1つ目のコードブロックがあれば、最初の4OFDMシンボルを生成可能となる。同様に、ユーザデータ#2のOFDM信号生成可能数Mstep#2は、3(=12/4)となる。このユーザに限って言えば、1つ目のコードブロックがあれば、最初の3OFDMシンボルを生成可能となる。同様に、ユーザデータ#3のOFDM信号生成可能数Mstep#3は、6(=12/2)となる。このユーザに限って言えば、1つ目のコードブロックがあれば、最初の6OFDMシンボルを生成可能となる。
ステップS204において、中央集約装置210は、所定の時刻において、各ユーザ装置UE#iのうちメトリックM#iの小さいユーザ装置UE#iから順にコードブロックを張出装置220へ送信する。このとき、中央集約装置210は、所定の時刻において複数のユーザ装置UE#iのメトリックが同じ場合、メトリックが同一のユーザ装置UE#iをランダムに選択してもよいし、識別子iが最も小さい又は最も大きいユーザ装置UE#iを選択してもよい。
ステップS205において、中央集約装置210は、ステップS204でコードブロックを送信したユーザ装置UE#iのメトリックM#iにOFDM信号生成可能数Mstep#iを加算し、ステップS204へ戻る。以降、ステップS204とステップS205を繰り返す。なお、中央集約装置210は、コードワードがマルチコードワードの場合、メトリックM#iをコードワード毎に管理し算出する。
ここで、各OFDMシンボルを生成するには、1つのユーザデータだけではなく、OFDMシンボルにマッピングされる他のユーザデータのコードブロックも張出装置220で受信されている必要がある。そのため、実際には、中央集約装置210は、各ユーザ装置UE#iの各メトリックM#iを参照し、1OFDMシンボルに全てのユーザデータのコードブロックがマッピングされるように各ユーザデータのコードブロックを一度にまとめて送信する。図7の場合、t=1の時刻において、中央集約装置210は、ユーザ装置UE#1のコードブロックCB#1と、ユーザ装置UE#2のコードブロックCB#1と、ユーザ装置UE#3のコードブロックCB#1とを1つのデータとして送信する。張出装置220では、t=1の時刻において、1~3までの各OFDMシンボルをそれぞれ生成するのに必要な全てのユーザデータ#1~#3のコードブロックを受信できているので、3番目までのOFDMシンボルを生成可能となる。次に、t=2の時刻において、張出装置220では、ユーザ装置UE#2のコードブロックCB#2を送信する。張出装置220では、t=2の時刻において、4つ目のOFDMシンボルを生成するのに必要な全てのユーザデータ#1~#3のコードブロックを受信できているので、4番目までのOFDMシンボルを生成可能となる。
ここで、メトリックM#iについて説明する。メトリックM#iとは、上述した通り、1つのコードブロックで生成可能なOFDMシンボルの数の積算値であり、ユーザデータ毎に用いられる。上記例の場合、各ユーザ装置UE#1~UE#3の各メトリックM#1~M#3は、それぞれ、4,3,6である。一方、OFDMシンボルを生成するには、当該OFDMシンボルを構成するための全てのユーザデータが必要である。それゆえ、中央集約装置210は、全てのユーザデータに関するコードブロックを送信した時点で、4,3,6のうち最も小さい3と同数までのOFDMシンボルを張出装置220で生成可能であることを把握できる。
そのため、中央集約装置210において、メトリックM#iとは、「張出装置220で順番に生成される複数のOFDMシンボルのうち所定番目のOFDMシンボルまで生成可能であることを示す情報」と言える。また、上記の送信時点では、4番目以降のOFDMシンボルを生成できないことも同時に把握でき、3番目までのOFDMシンボルのみを生成可能であることも考慮すると、メトリックM#iとは、「張出装置220で順番に生成される複数のOFDMシンボルの生成順序に関する情報」とも言える。つまり、中央集約装置210は、各ユーザ装置UE#iの各メトリックM#iの値から、例えば、3番目までのOFDMシンボルを4番目以降のOFDMシンボルよりも先に生成することを把握可能となる。
また、中央集約装置210は、メトリックM#iを張出装置220へ通知し、張出装置220と共有してもよい。その場合、メトリックM#iは、張出装置220において、「順番に生成される複数のOFDMシンボルのうち所定番目のOFDMシンボルまで生成するかを決定するための情報」として用いてもよい。
いずれにいせよ、メトリックM#iとは、中央集約装置210と張出装置220とにおいて、「順番に生成される複数のOFDMシンボルの生成順序又は生成範囲を示す情報」、若しくは「順番に生成される複数のOFDMシンボルの生成に関する情報」として用いられる。中央集約装置は、メトリックM#iに基づきコードブロックを送信する。
次に、中央集約装置210と張出装置220との間で用いられるフレームプロトコルについて説明する。中央集約装置210は、フレームプロトコルに、例えば、コードブロックの識別子、ユーザデータの識別子、ユーザ装置300の識別子、ユーザデータを転送するトランスポートブロックの識別子、トランスポートブロック内で先頭から何番目のコードブロックかを示す識別子、コードブロックのサイズ等を含めてもよい。以下詳述する。
図8は、フレームプロトコルのプロトコルフォーマットの一例を示す図である。図示するプロトコルフォーマットには、「ヘッダフィールド」と、「ペイロードフィールド」とが含まれる。
「ヘッダフィールド」は、「ペイロードフィールド」のデータがどのような種類などのデータであるかを示す情報が設定される領域である。本実施形態では、ユーザデータの識別子、コードブロックの識別子、コードブロックのブロック長などが含まれる。「ペイロードフィールド」は、ユーザ装置300へ送信されるユーザデータが設定される領域である。本実施の形態では、ユーザデータのコードブロックが含まれる。
具体的には、図8(a)に示すように、「ヘッダフィールド」には、「ペイロードフィールド」のユーザデータがどのユーザ装置300のどのコードブロックであるかを示す情報が含まれる。マルチコードワードの場合、「ヘッダフィールド」には、各コードワードを識別するためのコードワード識別子が含まれてもよい。
また、図8(b)に示すように、「ヘッダフィールド」には、コードブロック毎に、コードブロックのブロック長(Length Indicator)が含まれてもよい。その場合、最後のコードブロックのブロック長は、全体の長さから暗黙的に算出できるので、そのブロック長さを含めなくてもよい。
また、張出装置220では、各コードブロックのブロック長をそれぞれ算出可能である。それゆえ、中央集約装置210は、複数のコードブロックを常に順番通りに送信する場合、必ずしも複数のコードブロックのブロック長を個々に通知する必要はない。そこで、図8(c)に示すように、「ヘッダフィールド」に複数のコードブロックに対応する総ブロック長を含めてもよい。張出装置220は、中央集約装置210から別途通知される各ユーザのスケジューリング情報に基づき、複数のコードブロックを個々のコードブロックに分離可能である。
また、図8(d)に示すように、コードブロックを、該コードブロックの識別子及びブロック長を含むヘッダフィールドの直後に含めてもよい。これにより、張出装置220は、コードブロックと該コードブロックの識別子とを組み合わせたデータを受信するので、コードブロックを受信したタイミングで該コードブロックを識別できることから、符号化などの並列処理を更に高めることができる。また、コードブロックをヘッダフィールドの直後ではなく、コードブロックをヘッダフィールドの後に配置し、該ヘッダフィールドと該コードブロックとの間に何らかのデータを含めてもよい。
図9は、中央集約装置210から張出装置220へ送信されるコードブロックの送信例を示す図である。OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数が3であり、ユーザデータ#1のコードブロックCB#1、ユーザデータ#2のコードブロックCB#1、ユーザデータ#3のコードブロックCB#1が順次送信された場合、張出装置220は、その3つ目のコードブロックを受信した後に、1OFDMシンボルを生成し、FFT/IFFT処理を開始可能となる。他の送信例を図10に示す。張出装置220は、例えば、ユーザ装置UE#1の2つのコードブロックCB#1,CB#2と、ユーザ装置UE#2のコードブロックCB#1とを受信した後にFFT/IFFT処理を開始できる。これにより、FFT/IFFT処理遅延を低減できる。
(4)作用・効果
上述した本実施形態によれば、中央集約装置210と張出装置220からなる無線基地局(通信システム)において、中央集約装置210が、ユーザデータを符号化の処理単位に分割したコードブロック(分割データ)であり、OFDMシンボルの生成に必要な分量のコードブロックを1つのデータとして張出装置220へ送信する。これにより、張出装置220は、後続のコードブロックを待つことなく、1つのデータに含まれる数のコードブロックを用いてOFDMシンボルを生成できる。その結果、無線基地局において、MACスケジューラなどの上位レイヤの機能と、無線物理レイヤの機能とが分離して実装された場合でも、ユーザデータのコードブロック化によるFFT/IFFT処理遅延の低減を引き続き実現し得る。
また、本実施形態では、中央集約装置210が、複数のOFDMシンボルの生成順序又は生成範囲を示す情報(メトリック)に基づきコードブロックを送信する。これにより、張出装置220は、各OFDMシンボルの生成順序又は生成範囲を把握できる。その結果、無線基地局において、MACスケジューラなどの上位レイヤの機能と、無線物理レイヤの機能とが分離して実装された場合でも、ユーザデータのコードブロック化によるFFT/IFFT処理遅延の低減を確実に引き続き実現し得る。
また、本実施形態では、中央集約装置210が、コードブロックの識別子と、コードブロックのブロック長と、複数のコードブロックの総ブロック長とのうち少なくとも1つを更に送信する。コードブロックの識別子等は、OFDMシンボルを生成するための一要素と成り得ることから、張出装置220でコードブロックの識別子等を用いてOFDMシンボルを確実に生成できる。その結果、無線基地局において、MACスケジューラなどの上位レイヤの機能と、無線物理レイヤの機能とが分離して実装された場合でも、ユーザデータのコードブロック化によるFFT/IFFT処理遅延の低減を確実に引き続き実現し得る。
また、本実施形態では、中央集約装置210が、コードブロックを該コードブロックの識別子を含むヘッダフィールドの後に送信する。張出装置220は、コードブロックと該コードブロックの識別子とを組み合わせて受信することから、コードブロックに対する符号化処理などを並列に実行でき、その結果FFT/IFFT処理遅延の低減を確実に引き続き実現し得る。
(5)その他
なお、本実施形態では、ユーザデータのコードブロックから「各OFDMシンボルの生成に必要な数のコードブロック」を切り出す場合について説明したが、「各OFDMシンボルの生成に必要なビット数のコードブロック」を切り出す場合についても同様の動作を行うことが可能であり、同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、ステップS104において、「5つ分のコードブロックの1つのデータをユーザデータから切り出して張出装置220へ送信する」場合について説明したが、中央集約装置210は、ユーザデータのコードブロックを全て複数のコードブロックに予め分割しておき、OFDMシンボルの生成に必要な数のコードブロックを1つに纏めて又は極めて短時間の間に張出装置220へ送信してもよい。
また、本実施の形態において、中央集約装置210は、第2の実施形態で説明するデータ構成情報送信部216を更に備えてもよい。この場合、データ構成情報送信部216は、第2の実施形態で説明するデータ構成情報を張出装置220へ送信する。該データ構成情報とは、第2の実施形態で詳述するが、複数のコードブロックの大きさを示す情報(例えば、数、ビット数、ビット長など)である。
[第2の実施形態]
(1)無線通信システムの全体概略構成
本実施形態に係る無線通信システム10の全体構成は、第1の実施形態と同様のため、ここでの説明は省略する。
(2)無線通信システムの機能ブロック構成
次に、本実施形態に係る無線通信システム10の機能ブロック構成について説明する。具体的には、無線基地局200の中央集約装置210及び張出装置220の機能ブロック構成について説明する。
(2.1)中央集約装置210
図11は、5Gの中央集約装置210の機能ブロック構成図である。図11に示すように、中央集約装置210は、第1の実施形態で備えた機能部に加えて、データ構成情報送信部216を更に備える。
スケジュール処理部211(MACスケジューラ)は、どのユーザ装置300にどの無線リソースを割り当てるかを決定するスケジュール処理を行う。具体的には、スケジュール処理部211は、スケジュール処理により選択したユーザ装置300に対して、スケジューリング情報(無線リソースの割り当て情報)を生成する。スケジューリング情報には、例えば、RB(Resource Block)数、MCS(Modulation and Coding Scheme;変調方式,符号化率)、TBS(Transport Block Size)、送信Rank数、ダウンリンクアサイメント(DL assignment)数などが含まれる。
スケジューリング情報送信部212は、スケジュール処理部211によって生成されたスケジューリング情報を張出装置220へ送信する。
ユーザデータ制御部213は、トランスポートブロックのユーザデータを符号化の処理単位で分割することにより、複数のコードブロックを生成する。具体的には、ユーザデータ制御部213は、スケジュール処理部211で割り当てられたRB数及びMCSを用いてTBSを算出し、該TBSを所定のサイズ(例えば、固定長のコードブロックの最大サイズ)で除算することによりコードブロック数を算出し、該数のコードブロックを生成する。
また、ユーザデータ制御部213は、張出装置220によって生成されるOFDMシンボルに割り当てられる複数のコードブロックの構成を示すデータ構成情報を算出する。例えば、ユーザデータ制御部213は、「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数」、「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロックのビット数」、「順番に生成される複数のOFDMシンボルの生成順序又は生成範囲を示す情報(メトリック)」などを算出する。その他、ユーザデータ制御部213は、「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数又はコードブロックのビット数の算出に必要な情報(例えば、スケジューリング情報等に含まれるダウンリンクアサイメント数など)」などを算出してもよい。つまり、データ構成情報としては、複数のコードブロックの大きさを示す情報(例えば、数、ビット数、ビット長など)を用いることができる。
ユーザデータ送信部214は、ユーザデータ制御部213によって生成された各ユーザデータの各コードブロックを張出装置220へ送信する。また、ユーザデータ送信部214は、第1の実施形態で説明したメトリックM#iに基づき各ユーザデータのコードブロックを張出装置220へ送信してもよい。
データ構成情報送信部216は、ユーザデータ制御部213によって生成されたデータ構成情報を張出装置220へ送信する。例えば、データ構成情報送信部216は、「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数」のみを通知してもよいし、「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数」と「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロックのビット数」の両方を通知してもよい。両方を通知した場合、張出装置220によって適宜選択される。
X2IF部215は、中央集約装置110との通信を実現するためのインタフェースを提供する。具体的には、X2IF部215は、中央集約装置110と中央集約装置210とを、MAC及びRLCを用いて直接接続するインタフェースであり、既存のオープンインタフェースであることが好ましい。ユーザ装置300の送受信データは、X2IF部215を介して無線基地局100と中継される。
(2.2)張出装置220
図12は、5Gの張出装置220の機能ブロック構成図である。図12に示すように、張出装置220は、第1の実施形態で備えた機能部に加えて、データ構成情報受信部225と、データ構成情報制御部226とを更に備える。
スケジューリング情報受信部221は、中央集約装置210から、スケジューリング情報を受信する。受信したスケジューリング情報には、どのユーザ装置300にどの無線リソースを割り当てるかを決定するための無線リソース割り当て情報が含まれている。
ユーザデータ受信部222は、中央集約装置210から、各ユーザデータの各コードブロックを受信する。
データ構成情報受信部225は、中央集約装置210から、データ構成情報を受信する。受信したデータ構成情報には、OFDMシンボルに割り当てられる複数のコードブロックの構成を示す情報が含まれている。
データ構成情報制御部226は、中央集約装置210からデータ構成情報として「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数又はコードブロックのビット数の算出に必要な情報」を受信した場合、その受信情報に基づき「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数又はコードブロックのビット数」を算出する。
FFT/IFFT処理部(シンボル生成部)223は、中央集約装置210から受信したコードブロックに対してそれぞれ符号化の処理を行い、受信したデータ構成情報に含まれる「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数又はコードブロックのビット数」のコードブロック、又はデータ構成情報制御部226で算出した「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数又はコードブロックのビット数」のコードブロックを用いてOFDMシンボル信号を生成する。その後、FFT/IFFT処理部223は、OFDMシンボル単位でFFT処理又はIFFT処理を実行する。
無線通信部224は、中央集約装置210から受信したスケジューリング情報を用いて、送信すべきユーザデータのRF処理を行い、PDSCH又はPDCCHにより下りリンク信号をユーザ装置300に送信する。
(3)無線通信システムの動作
次に、無線通信システム10の動作について説明する。具体的には、中央集約装置210及び張出装置220による下りリンク信号の送信処理について説明する。
図13は、中央集約装置210及び張出装置220による下りリンク信号の送信処理を具体的に示すシーケンス図である。この動作例では、データ構成情報として、「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数」を用いる場合について説明する。
ステップS301において、中央集約装置210は、所定のサブフレーム及びTTIにおいて、どのユーザ装置300にどの無線リソースを割り当てるかを決定したスケジューリング情報を張出装置220へ送信する。
ステップS302において、張出装置220は、中央集約装置210から受信したスケジューリング情報に基づき、どのユーザ装置300にどの無線リソースを割り当てるかを予め算出する。具体的には、ステップS102で説明した通り、張出装置220は、スケジューリング情報に含まれる無線リソースの割り当て情報(RB数,MCS等)を用いて、無線リソースの割り当てを特定する。
ステップS303において、中央集約装置210は、ユーザ装置300毎に、「各ユーザデータのコードブロック数」を算出し、「張出装置220で各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数」を算出する。
例えば、中央集約装置210は、ユーザ装置300に割り当てられたRB数とMCSとを用いてユーザデータのTBSを算出し、該TBSを所定のサイズ(例えば、固定長のコードブロックの最大サイズ)で除算することにより、「ユーザデータのコードブロック数」を算出する。また、中央集約装置210は、TBSをPDSCHに用いるOFDMシンボル数で除算することにより、「1OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数」を算出する。
なお、中央集約装置210は、MIMOにより複数のコードワード(Codeword)を送信可能な場合、コードワード数に応じてTBSを算出する。例えば、中央集約装置210は、2つのコードワードを送信可能な場合、TBSを2つ生成する。
また、コードブロックの最大サイズは、規定の固定値を用いてもよいし、中央集約装置210又は張出装置220の処理能力に応じた値を用いてもよいし、中央集約装置210又は張出装置220の設定情報に基づく値を用いてもよい。
また、PDSCHに用いるOFDMシンボル数は、OFDMシンボルの総数から、PDCCHで用いられるOFDMシンボル数を減算した値である。例えば、PDSCHに用いるOFDMシンボル数は、OFDMシンボル総数(14シンボル)から、PDCCHで用いられるOFDMシンボル数(1シンボル,2シンボル,又は3シンボル)を減算した13シンボル乃至11シンボルのうちいずれかとなる。
ステップS304において、中央集約装置210は、中央集約装置210と張出装置220との間のフレームプロトコルを用いて、ステップS303で算出した「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数」を張出装置220へ通知する。詳細には、該当のサブフレーム及びTTIで下りスケジューリングを行うユーザ装置300に対する「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数」を通知する。
ステップS305において、張出装置220は、中央集約装置210から「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数」が明示的に通知されるため、その通知内容に基づき「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数」を特定(把握)する。
ステップS306において、中央集約装置210は、ステップS303で算出した「各ユーザデータのコードブロック数」を用いて各ユーザデータを複数のコードブロックに分割する。
ステップS307において、中央集約装置210は、中央集約装置210と張出装置220との間のフレームプロトコルを用いて、ステップS306で分割した各ユーザデータの各コードブロックを張出装置220へ順次送信する。その際、中央集約装置210は、上記フレームプロトコルに、第1の実施形態と同様に、例えばコードブロックの識別子等を含めてもよい。なお、フレームプロトコルのプロトコルフォーマットの具体例については、第1の実施形態で説明した通りである。第1の実施形態で用いたプロトコルフォーマットは、第2の実施形態でも適用可能である。
ステップS308において、張出装置220は、各OFDMシンボルを確実に順番に生成するため、中央集約装置210から受信した各ユーザデータの順番及び各コードブロックの順番を調整する。例えば、張出装置220は、コードブロックに含まれるユーザデータの識別子を参照し、各識別子が昇順となるように各ユーザデータの順番を調整する。
ステップS309において、張出装置220は、ステップS305で特定した「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数」に基づき、その数のコードブロックを受信した後にOFDMシンボルを生成し、生成したOFDMシンボルに対してFFT/IFFT処理を実行する。
その際、張出装置220は、中央集約装置210から順次送信される各ユーザデータのコードブロック数をカウントし、「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数」に到達するか否かを判定するようにしてよい。
また、張出装置220は、中央集約装置210に対して、コードブロックの受信に対する送達確認情報を通知してもよい。例えば、張出装置220は、コードブロックを受信した場合はACK応答を通知し、一定時間経過してもコードブロックを受信しない場合はNACK応答を通知する。
また、張出装置220は、受信したコードブロックのコードブロック数が中央集約装置210から通知された「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数」に合致しない場合、コードブロック数が合致しない旨を中央集約装置210へ通知してもよい。このとき、張出装置220は、既に受信しているコードブロックに基づくユーザ装置300への無線送信処理を実行しないようにしてもよい。
図14は、中央集約装置210及び張出装置220による下りリンク信号の送信処理を具体的に示すシーケンス図である。この動作例では、コードブロック構成情報として、「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数又はコードブロックのビット数の算出に必要な情報」を用いる場合について説明する。
ステップS401において、中央集約装置210は、所定のサブフレーム及びTTIにおいて、どのユーザ装置300にどの無線リソースを割り当てるかを決定したスケジューリング情報を張出装置220へ送信する。
ステップS402において、張出装置220は、中央集約装置210から受信したスケジューリング情報に基づき、どのユーザ装置300にどの無線リソースを割り当てるかを予め算出する。具体的には、ステップS102で説明した通り、張出装置220は、スケジューリング情報に含まれる無線リソースの割り当て情報(RB数,MCS等)を用いて、無線リソースの割り当てを特定する。
ステップS403において、中央集約装置210は、ユーザ装置300毎に、「各ユーザデータのコードブロック数」を算出する。このとき、中央集約装置210は、ステップS303と同様に、「張出装置220で各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数又はコードブロックのビット数」を算出してもよい。
ステップS404において、中央集約装置210は、中央集約装置210と張出装置220との間のフレームプロトコルを用いて、「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数又はコードブロックのビット数の算出に必要な情報」を張出装置220へ通知する。例えば、中央集約装置210は、ダウンリンクアサイメント数を張出装置220へ通知する。張出装置220は、中央集約装置210から通知されたダウンリンクアサイメント数を用いて、「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数又はコードブロックのビット数」を算出可能である。なお、「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数又はコードブロックのビット数の算出に必要な情報」がスケジューリング情報に既に含まれている場合、ステップS404を省略してもよい。
ステップS405において、張出装置220は、中央集約装置210から通知された「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数又はコードブロックのビット数の算出に必要な情報」に基づき、「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数又はコードブロックのビット数」を算出する。例えば、張出装置220は、ダウンリンクアサイメント数がスケジューリング情報に含まれている場合、該スケジューリング情報を「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数又はコードブロックのビット数の算出に必要な情報」として用いる。そして、張出装置220は、該スケジューリング情報に含まれるダウンリンクアサイメント数、RB数、MCS、各PDCCH内のTBSなどを用い、必要に応じて予め定義された通信規格内の変換表なども更に用いて、該通信規格内の規定に基づき「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数」を算出する。これにより、張出装置220は、「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数」を推定可能となる。
ステップS406において、中央集約装置210は、ステップS403で算出した「各ユーザデータのコードブロック数」を用いて各ユーザデータを複数のコードブロックに分割する。
ステップS407において、中央集約装置210は、中央集約装置210と張出装置220との間のフレームプロトコルを用いて、ステップS406で分割した各ユーザデータの各コードブロックを張出装置220へ順次送信する。フレームプロトコルのプロトコルフォーマットの具体例については、第1の実施形態で説明した通りである。
ステップS408において、張出装置220は、各OFDMシンボルを確実に順番に生成するため、中央集約装置210から受信した各ユーザデータの順番及び各コードブロックの順番を調整する。調整方法の具体例については、ステップS307で説明した通りである。
ステップS409において、張出装置220は、ステップS405で算出した「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数又はコードブロックのビット数」に基づき、算出したコードブロック数又はビット数のコードブロックを受信した後にOFDMシンボルを生成し、生成したOFDMシンボルに対してFFT/IFFT処理を実行する。
(4)作用・効果
上述した本実施形態によれば、中央集約装置210と張出装置220からなる無線基地局(通信システム)において、中央集約装置210が、ユーザデータをコード化の処理単位に分割したコードブロック(分割データ)であり、OFDMシンボルに割り当てられる複数のコードブロックの構成を示すデータ構成情報を張出装置220へ送信する。これにより、張出装置220は、後続のコードブロックを待つことなく、データ構成情報を用いてOFDMシンボルを生成できる。その結果、無線基地局において、MACスケジューラなどの上位レイヤの機能と、無線物理レイヤの機能とが分離して実装された場合でも、ユーザデータのコードブロック化によるFFT/IFFT処理遅延の低減を引き続き実現し得る。
また、本実施形態では、前記データ構成情報が、複数のコードブロックの大きさを示す情報である。これにより、張出装置220は、コードブロックの大きさを把握できる。その結果、無線基地局において、MACスケジューラなどの上位レイヤの機能と、無線物理レイヤの機能とが分離して実装された場合でも、ユーザデータのコードブロック化によるFFT/IFFT処理遅延の低減を確実に引き続き実現し得る。
(5)その他
なお、本実施形態では、データ構成情報として、「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロック数」を用いる場合について説明したが、「各OFDMシンボルの生成に必要なコードブロックのビット数」を用いる場合についても同様の動作を行うことが可能であり、同様の効果を得ることができる。
[その他の実施形態]
以上、実施形態に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。また、第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせることも可能である。例えば、第2の実施形態において、中央集約装置210は、第1の実施形態で説明したメトリックM#iに基づき各ユーザデータのコードブロックCB#iを張出装置220へ送信するようにしてもよい。その他、例えば、第1の実施形態において、中央集約装置210は、第2の実施形態で説明したデータ構成情報送信部216を備え、データ構成情報を張出装置220へ送信するようにしてもよい。該データ構成情報とは、上述した通り、複数のコードブロックの大きさを示す情報(例えば、数、ビット数、ビット長など)である。
<ハードウェア構成等>
例えば、上述した実施形態では、図2に示したように、中央集約装置210がMAC及びRLCを有し、張出装置220が無線部(RF)及び無線物理レイヤ(L1)を有していたが、中央集約装置210及び張出装置220が備えるべきプロトコルスタックは、必ずしも図2に示したような形態に限られない。
また、図2では、中央集約装置210は、MAC及びRLCのみを有していたが、さらに、PDCP及びRRCを有しても構わない。この場合、中央集約装置210は、中央集約装置110を経由せずにコアネットワーク20に直接接続されてもよい。
さらに、上述した実施形態全体を通じて、3GPPにおいて規定される用語を主に用いて説明したが、当該用語は、他の用語に置き換えられても構わない。例えば、上述した実施形態の中でも言及したように、ユーザ装置300は、無線通信端末、移動局、又はユーザ端末などと呼ばれてもよいし、無線基地局は、ノード或いは無線通信装置又はシステムなどと呼ばれても構わない。
また、例えば、上述した実施形態の説明に用いた図3、図4、図11及び図12のブロック図は、機能ブロック図を示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
また、上述した中央集約装置210及び張出装置220は、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図15は、中央集約装置210及び張出装置220のハードウェア構成の一例を示す図である。図15に示すように、中央集約装置210及び張出装置220は、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、及びバス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU)で構成されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、上述した実施形態に係る方法を実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。また、ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
<データ又は情報の通知、シグナリング>
データ又は情報の通知は、上述した実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC Connection Setupメッセージ、RRC Connection Reconfigurationメッセージなどであってもよい。
<適用システム>
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE、LTE-Advanced、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
<処理手順など>
本明細書で説明したシーケンス及びフローチャートの各処理は、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
<無線基地局の動作>
上述した実施形態において、中央集約装置210及び張出装置220によって行われるとした特定動作は、他のネットワークノード(装置)によって行われることもある。また、複数の他のネットワークノードの組み合わせによって中央集約装置210及び張出装置220の機能が提供されても構わない。
<入出力の方向>
本明細書で説明したデータ又は情報は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
<入出力された情報などの扱い>
入出力された情報は、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報は削除されてもよい。入力された情報は他の装置へ送信されてもよい。
<態様のバリエーションなど>
本明細書で説明した各態様/実施形態は、単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
<用語>
「ソフトウェア」は、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、「ソフトウェア」,「命令」などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
「情報」、「信号」などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナル)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
「情報」(「パラメータ」を含む)の値は、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
「パラメータ」に使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素(例えば、TPCなど)は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
「基地局」は、1つ又は複数(例えば、3つ)の(セクタとも呼ばれる)セルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、及び/又は基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部又は全体を指す。更に、「基地局」、「eNB」、「セル」、及び「セクタ」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
「ユーザ装置」は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
また、「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形の用語は、「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書或いは特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1の要素及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
本明細書の全体において、例えば、英語でのa, an, 及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
「無線フレーム」は時間領域において1つ又は複数のフレームで構成されてもよい。時間領域において1つ又は複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。
「サブフレーム」は更に時間領域において1つ又は複数のスロットで構成されてもよい。
「無線フレーム」、「サブフレーム」、「スロット」、及び「シンボル」は、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。「無線フレーム」、「サブフレーム」、「スロット」、及び「シンボル」は、それぞれに対応する別の呼び方であってもよい。例えば、LTEシステムでは、基地局が各移動局に無線リソース(各移動局において使用することが可能な周波数帯域幅や送信電力等)を割り当てるスケジューリングを行う。
スケジューリングの最小時間単位を「TTI(Transmission Time Interval)」と呼んでもよい。例えば、1サブフレームをTTIと呼んでもよいし、複数の連続したサブフレームをTTIと呼んでもよいし、1スロットをTTIと呼んでもよい。
「リソースブロック(RB)」は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域では1つ又は複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。また、リソースブロックの時間領域では、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1サブフレーム、又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。
上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボル及びリソースブロックの数、及びリソースブロックに含まれるサブキャリアの数は、様々に変更することができる。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
なお、日本国特許出願第2016-118051号(2016年6月14日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。