JP7070377B2 - ダクト付きカバー及びダクト付きカバーの製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載のアンダーカバーには、上記走行風を冷却風として取り入れるとともにエンジンルーム内の冷却対象物に吹き付ける冷却装置が一体に形成されている。冷却装置は、アンダーカバーの上面に設けられ、アンダーカバーの下方より冷却風を導入するダクトと、当該ダクトから導入される冷却風の下流に設けられ、当該冷却風を上方に誘導する傾斜面を有するエアスクープと、当該エアスクープとダクトとをつなぐ一対の側板とより構成されている。
ところが、特許文献1に記載の冷却装置においては、成形の都合上、ダクトよりも下流側の部位、すなわち一対の側板やエアスクープを筒状とすることができない。そのため、アンダカバーの下方よりダクトに導入され、ダクトの上側の底部に沿って車両後方に流れる冷却風が、エアスクープに到達するまでの間に一対の側板同士の間から上方に向かって流出することとなり、冷却対象物に対して冷却風を適切に吹き付けることができないおそれがある。
本発明の目的は、筒状のダクト部を有しながらも一体成形を可能としたダクト付きカバー及びダクト付きカバーの製造方法を提供することにある。
同構成によれば、ダクト部に設けられた係止部がカバー本体に係止されることにより、ダクト部をカバー本体に対して固定することができる。
同構成によれば、ダクト部の姿勢を、導入部の膨出方向に対して傾けられた状態に安定して保持することができる。
同構成によれば、仕切部によってダクト部の先端部の開口が仕切られるため、同開口からダクト部内に異物が侵入することを抑制できる。
上記ダクト付きカバーにおいて、前記仕切部は、互いに間隔をおいて複数設けられていることが好ましい。
上記ダクト付きカバーにおいて、前記ダクト部の前記開口の縁部には、前記仕切部を収容する収容凹部が設けられていることが好ましい。
上記ダクト付きカバーにおいて、前記ダクト部の基端部は、前記導入部を覆っていることが好ましい。
また、上記目的を達成するためのダクト付きカバーの製造方法は、上記いずれか1つのダクト付きカバーを製造する方法であって、前記ダクト部の延在方向が前記導入部の膨出方向に沿った状態の前記カバー本体、前記ヒンジ部、及び前記ダクト部を射出成形にて一体成形する成形工程と、前記ダクト部を前記ヒンジ部を起点として傾けるとともに前記導入口に接続する接続工程と、を備える。
図1に示すように、車両100は、車両100の前部に設けられたエンジンルーム101の下部を覆うエンジンアンダーカバー(以下、カバー10)を備えている。カバー10は、樹脂材料により一体成形されている。なお、以降において、車両の前後方向を単に前後方向と称し、車両の幅方向を単に幅方向と称する。
カバー本体20は、略長方形板状をなしている。カバー本体20の後側中央部には、切り欠き部21が形成されている。カバー本体20の切り欠き部21の前方には、開口部22が形成されている。カバー本体20の切り欠き部21及び開口部22は、例えば、車両100のエンジンオイルの交換などのメンテナンス作業時のために設けられており、カバー本体20に取り付け可能なサブカバー(図示略)により覆われている。
図2に示すように、一対のダクト30は、互いに鏡面対称な形状を有しているため、以降において、幅方向の一方側(図2の右側)のダクト30について説明することで、他方側におけるダクト30についての説明を省略する。
本実施形態では、ダクト部50をその延在方向が膨出方向に沿うようにカバー本体20に対して起立した状態でカバー10を射出成形にて一体成形する。
図6に示すように、金型装置200は、カバー本体20の第1面20a側及び第2面20b側にそれぞれ位置し、互いに接離可能な可動型210と固定型220とを備えている。また、金型装置200は、可動型210及び固定型220の接離方向(図6の上下方向)と交差する方向(図6の左右方向)であって、互いに異なる方向にスライド可能な2つのスライド型(第1スライド型230,第2スライド型240)を備えている。
まず、金型装置200を型閉じし、可動型210、固定型220、及びスライド型230,240によって区画されたキャビティ内に溶融樹脂を充填する。
こうしたカバー10を車両のエンジンルーム101の下部に設けることにより、ダクト部50の先端部55の開口がカバー本体20の上方に存在するゴムブシュ112を指向する冷却装置が構成される。
(1)カバー10は、第1面20a及び第1面20aの反対側の第2面20bを有し、第2面20b側から第1面20a側に向けてエアを導入する導入口41が設けられたカバー本体20と、カバー本体20の第1面20a側に設けられ、導入口41に接続される略四角筒状のダクト部50とを備える。また、カバー10は、カバー本体20の一部が第1面20a側に向けて膨出され、その膨出方向と交差する方向に向けて開放された開口42を有し、導入口41を形成する導入部40と、導入部40とダクト部50とを連結するヒンジ部31とを備える。ダクト部50は、膨出方向に対してヒンジ部31を起点として傾けられた姿勢で導入口41に接続されている。
こうした構成によれば、ダクト部50に設けられた係止部58が固定部80の係止孔81に係止されることにより、ダクト部50をカバー本体20に対して固定することができる。
こうした構成によれば、ダクト部50の姿勢を、導入部40の膨出方向に対して傾けられた状態に安定して保持することができる。
例えば、路上の石やゴミなどの異物がダクト部50の先端部55の開口56を通じてダクト部50内に侵入した場合、上記異物によりダクト部50内が詰まることによってゴムブシュ112が適切に冷却されないおそれがある。
(5)仕切部70は、幅方向に互いに間隔をおいて複数設けられている。
(6)ダクト部50の先端部55の開口56と各仕切部70とで区画される部分の幅方向の長さは、いずれも導入部40の開口42の膨出方向における高さよりも小さい。
(7)ダクト部50の開口56の縁部には、仕切部70を収容する収容凹部57が設けられている。
こうした構成によれば、ダクト部50の基端部54が導入部40の後端部を覆っているため、導入部40とダクト部50との間からのエアの流出を抑制できる。これにより、ゴムブシュ112を効率よく冷却することができる。
・ダクト部50の外部形状は、スライド型230,240に加えて、これらとは別のスライド型を用いて成形してもよい。
・支持部60は、ダクト部50の先端部55よりも前方に位置するものであってもよい。この場合、仕切部70は、カバー本体20の第1面20aから突出させればよい。
・係止部58は省略することもできる。この場合、例えば、ダクト部50の先端部55の底壁51と支持部60とを溶着または接着すればよい。
Claims (8)
- 第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有し、前記第2面側から前記第1面側に向けてエアを導入する導入口が設けられたカバー本体と、前記カバー本体の前記第1面側に設けられ、前記導入口に接続される筒状のダクト部と、を備え、樹脂材料により一体成形されてなるダクト付きカバーであって、
前記カバー本体の一部が前記第1面側に向けて膨出され、その膨出方向と交差する方向に向けて開放された開口を有し、前記導入口を形成する導入部と、
前記導入部と前記ダクト部とを連結するヒンジ部と、を備え、
前記ダクト部は、前記膨出方向に対して前記ヒンジ部を起点として傾けられた姿勢で前記導入口に接続されている、
ダクト付きカバー。 - 前記ダクト部には、前記カバー本体に対して係止される係止部が設けられている、
請求項1に記載のダクト付きカバー。 - 前記カバー本体には、前記膨出方向に対して傾けられた姿勢の前記ダクト部の先端部を支持する支持部が突設されている、
請求項1または請求項2に記載のダクト付きカバー。 - 前記カバー本体には、前記ダクト部の先端部の開口を仕切る仕切部が一体成形されている、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のダクト付きカバー。 - 前記仕切部は、互いに間隔をおいて複数設けられている、
請求項4に記載のダクト付きカバー。 - 前記ダクト部の前記開口の縁部には、前記仕切部を収容する収容凹部が設けられている、
請求項4または請求項5に記載のダクト付きカバー。 - 前記ダクト部の基端部は、前記導入部を覆っている、
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のダクト付きカバー。 - 請求項1~請求項7のいずれか一項に記載のダクト付きカバーを製造する方法であって、
前記ダクト部の延在方向が前記導入部の膨出方向に沿った状態の前記カバー本体、前記ヒンジ部、及び前記ダクト部を射出成形にて一体成形する成形工程と、
前記ダクト部を前記ヒンジ部を起点として傾けるとともに前記導入口に接続する接続工程と、を備える、
ダクト付きカバーの製造方法。
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Citations (2)
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