JP7069556B2 - 加飾シート、加飾シート付転写部材および加飾物品 - Google Patents

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Description

本開示は、金属調の意匠を有する加飾シート、加飾シート付転写部材、および加飾物品に関する。
車両内外装部品、建材内装材、家電筐体等の種々の物品に対し、金属調の意匠を付与する技術として、金属薄膜層を有する加飾シートを物品の表面に配置する技術が注目されている。加飾シートにおいて、金属薄膜層は、金属調の意匠を付与するために用いられる。
例えば、特許文献1には、基材層と、金属薄膜層と、プライマー層と、表面保護層とがこの順に積層された積層体であって、プライマー層が、ガラス転移点が55℃以上、110℃以下の樹脂の硬化物を含む、加飾シートが開示されている。また、例えば、特許文献2には、透明基材フィルム、離型樹脂層、保護樹脂層、絶縁性金属薄膜層および接着剤層がこの順に積層された金属転写材料が開示されている。
特開2015-164794号公報 特許5692602号公報
例えば、金属薄膜層を用いた加飾シートは、湿熱環境下において金属薄膜層の退色が生じ、意匠性が低下するという課題がある。本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、湿熱環境下における金属薄膜層の退色が抑制された加飾シートを提供することを主目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の発明者が鋭意研究を行った結果、カップリング剤を含有するプライマー層を、金属薄膜層の外部側の面に接触させて配置することにより、湿熱環境下における金属薄膜層の退色を効果的に抑制することができることを知見した。本開示は、上記知見に基づきなされた発明である。
すなわち、本開示は、物品の表面に配置され、上記物品を加飾するために用いられる加飾シートであって、金属薄膜層と、上記金属薄膜層の上記物品が配置される側とは反対側の面に接触させて配置され、樹脂固形物を主体として含有するプライマー層とを有し、上記プライマー層がカップリング剤をさらに含有することを特徴とする加飾シートを提供する。
本開示によれば、カップリング剤を含有するプライマー層が、金属薄膜層の外部側の面に接触させて配置されていることにより、湿熱環境下における金属薄膜層の退色が抑制された加飾シートとすることができる。
上記開示においては、上記カップリング剤が、チオール系カップリング剤またはエポキシ系カップリング剤を含むことが好ましい。
また、上記開示においては、上記カップリング剤が、ケイ素元素、アルミニウム元素またはチタン元素を有するカップリング剤を含むことが好ましい。
上記開示においては、上記プライマー層における上記樹脂固形物が、アクリルポリオール樹脂およびイソシアネート化合物の硬化物を含むことが好ましい。
上記開示においては、上記金属薄膜層が、スズおよびインジウムの少なくとも一方を含有することが好ましい。
本開示は、上記金属薄膜層の上記物品側が配置される側の面に接触させて配置され、上記樹脂固形物を主体として含有する第二のプライマー層をさらに有し、上記第二のプライマー層がカップリング剤を含有していても良い。
本開示は、上述した加飾シートと、上記加飾シートにおける上記プライマー層の上記物品が配置される側とは反対側の面に配置された転写用基材とを有することを特徴とする加飾シート付転写部材を提供する。
本開示によれば、カップリング剤を含有するプライマー層が、金属薄膜層の外部側の面に接触させて配置されていることにより、湿熱環境下における金属薄膜層の退色が抑制された加飾シート付転写部材とすることができる。
本開示は、物品と、上記物品の表面に配置された加飾シートとを有する加飾物品であって、上記加飾シートが、上述した加飾シートであり、上記物品と上記加飾シートの上記金属薄膜層側とが対向して配置されていることを特徴とする加飾物品を提供する。
本開示によれば、上述した加飾シートを有することにより、意匠性の劣化が抑制された加飾物品とすることができる。
本開示の加飾シートは、湿熱環境下における金属薄膜層の退色が抑制された加飾シートを提供することができるという効果を奏する。
本開示の加飾シートの一例を示す概略断面図である。 湿熱環境下における金属薄膜層の退色が生じる推定メカニズムを説明する図である。 本開示の加飾シートの他の例を示す概略断面図である。 本開示の加飾シートの他の例を示す概略断面図である。 本開示の加飾シートの他の例を示す概略断面図である。 本開示の加飾シート付転写部材の一例を示す概略断面図である。 本開示の加飾物品の一例を示す概略断面図である。 本開示の加飾物品の製造方法の一例を示す工程図である。 本開示の加飾物品の製造方法の他の例を示す工程図である。 本開示の加飾物品の製造方法の他の例を示す工程図である。
以下、本開示の加飾シートおよび加飾物品の詳細を説明する。
なお、本開示における「湿熱環境下」とは、温度50℃以上、湿度90%以上の環境下をいう。
また、本開示において、「基材」、「フィルム」は、特段の断りがない限り、シートと同様の形態の材料を指す。以下、構成の説明をわかりやすくするため、文言を使い分けて説明する場合がある。
A.加飾シート
本開示の加飾シートは、物品の表面に配置され、上記物品を加飾するために用いられる加飾シートであって、金属薄膜層と、上記金属薄膜層の上記物品が配置される側とは反対側の面に接触させて配置され、樹脂固形物を主体として含有するプライマー層とを有し、上記プライマー層がカップリング剤をさらに含有することを特徴とする。
本開示の加飾シートにおける「物品が配置される側の面」とは、加飾シートを物品の表面に配置する際に物品の表面と対向する面をいう。また、「物品が配置される側とは反対側の面」とは、加飾シートを物品の表面に配置する際に、外部側に向けられる面をいう。以下、「物品が配置される側の面」を「物品側の面」と称し、「物品が配置される側とは反対側の面」を「外部側の面」と称して説明する場合がある。
また、「面に接触させて配置される」とは、加飾シートにおける2つの層の積層関係において、一方の層の面に、直接、他方の層が配置されていることをいう。すなわち、一方の層の表面の直上に他方の層が配置されていることをいう。
本開示の加飾シートについて、図を用いて説明する。図1は本開示の加飾シートの一例を示す概略断面図である。本開示の加飾シート10は、物品20の表面に配置され、物品20を加飾するために用いられる部材である。加飾シート10は、金属薄膜層1と、金属薄膜層1の物品20が配置される側とは反対側の面に接触させて配置され、樹脂固形物を主体として含有するプライマー層2とを有する。プライマー層2はカップリング剤をさらに含有する。
本開示によれば、カップリング剤を含有するプライマー層が、金属薄膜層の外部側の面に接触させて配置されていることにより、湿熱環境下における金属薄膜層の退色が抑制された加飾シートとすることができる。より具体的には、湿熱環境下において金属薄膜層が透明になったり、白くなったりすることが抑制された加飾シートとすることができる。
その理由は以下のように推測される。金属薄膜層の退色は、金属薄膜層における金属が酸化されることにより生じる。加飾シートが配置された加飾物品を、湿熱環境下に配置した場合において金属薄膜層における金属の酸化は、主として加飾物品の外部側から浸入する水分がファクターとなると推測される。水が金属薄膜層と接触することにより、金属薄膜層の表面で局所的な電池反応が生じ、金属が酸化すると推測される。この点について図を用いて説明する。例えば、図2(a)に示すように、水(HO)が金属薄膜層1と接触することにより、金属薄膜層1におけるA部分において、金属と酸素とが反応し、金属の水酸化物が生成されると推測される。すなわち、金属をMで表すと、M+1/2O+HO→M(OH)の反応が生じると推測される。また、図2(b)、(c)に示すように、金属薄膜層1において、水と接触していない部分P1がカソードとして機能し、水と接触する部分P2がアノードとして機能することで、金属の水酸化物から金属酸化物1aが生成すると推測される。すなわち、局所的な電池反応により、M-OHとHとが反応すると推測される。また、M(OH)→MO+HOの反応が生じると推測される。
これに対し、本開示においては、プライマー層がカップリング剤を含有することにより、プライマー層の密度が高くなることが推測される。また、プライマー層および金属薄膜層の密着性が向上することにより、加飾シートにおける外部側から浸入した水が、金属薄膜層に接触することを抑制すると推測される。
以下、本開示の加飾シートの各構成について説明する。
1.金属薄膜層
本開示における金属薄膜層は、加飾シートにおいてプライマー層よりも物品側に配置される層であり、金属調の意匠を示す層である。
「金属調の意匠」は、加飾シートの用いた加飾物品の使用者に対し、金属表面を感じさせる意匠をいう。金属調の意匠の一例としては、金属の色、金属光沢等が挙げられるが、これに限定されない。加飾シートにおける金属薄膜層の配置としては、加飾シートの用途に応じて適宜選択され、特に限定されないが、加飾シートの全面(ベタ状)に配置されていることが好ましい。すなわち、金属薄膜層は、加飾シートの全域に連続して配置されていることが好ましい。言い換えると、金属薄膜層は、加飾シートの全域に金属調の意匠を付与するように配置されていることが好ましい。
金属薄膜層の厚さは、所望の金属調の意匠を示すことができれば、特に限定されない。金属薄膜層の厚さは、通常、5nm以上100nm以下であり、例えば、10nm以上90nm以下であることがより好ましく、例えば、10nm以上80nm以下であることが特に好ましい。
ここで、「金属薄膜層の厚さ」とは、一般的な測定方法によって得られる厚さをいう。厚さの測定方法としては、例えば、触針で表面をなぞり凹凸を検出することによって厚さを算出する触針式の方法や、分光反射スペクトルに基づいて厚さを算出する光学式の方法等が挙げられる。具体的には、ケーエルエー・テンコール株式会社製の触針式膜厚計P-15を用いて厚さを測定することができる。なお、厚さとして、対象となる部材の複数箇所における厚さの測定結果の平均値が用いられても良い。以下、加飾シートを構成する層の厚さの測定方法についても、上述した測定方法が用いられるものとする。
金属薄膜層の光学濃度は、所望の金属調の意匠に応じて適宜選択することができ、特に限定されない。金属薄膜層の光学濃度は、例えば、0.6以上、中でも0.8以上、特に1.1以上であることが好ましい。また、金属薄膜層の光学濃度は、例えば、1.8以下、中でも1.4以下、特に1.5以下であることが好ましい。加飾シートを物品に配置した場合、金属薄膜層より物品側に配置される層が透けて見えることを抑制することができるからである。また、金属薄膜層の色ムラ(金属光沢のムラ)を抑制することができるからである。
ここでの光学濃度とはOptical Density(OD)値をいう。また、光学濃度にて表わされるOD値は、垂直入射した入射光の強度Iinと垂直に透過した透過光の強度Ioutとを用いた「log10(Iin/Iout)」によって特定され、顕微分光測色計(オリンパス株式会社製、OSP-SP200)によって測定することができる。
金属薄膜層に用いられる金属としては、加飾シートに金属調の意匠を付与することができれば特に限定されない。金属薄膜層は、1種類の金属のみが用いられていても良く、2種類以上の金属が用いられていても良い。金属薄膜層における金属としては、例えば、スズ、インジウム、クロム、アルミニウム、銅の金属単体、または、上述した金属のうち少なくとも1種を含む合金などが挙げられる。中でも、金属薄膜層に用いられる金属は、スズおよびインジウムの少なくとも一方を含むことが好ましい。スズおよびインジウムは伸展性が良好であるため、物品の形状に追従させやすい加飾シートとすることができるからである。また、スズまたはインジウムを用いた金属薄膜層は、湿熱環境下における退色が起こりやすい。そのため、プライマー層を配置することによる、退色抑制の効果が顕著である。
より具体的には、スズ単体、インジウム単体、スズおよびインジウムの少なくとも一方を含む合金を挙げることができる。合金である場合、金属薄膜層におけるスズまたはインジウムの割合は、例えば、金属薄膜層に含有される全ての金属の中で、最も割合が大きいことが好ましい。また、スズおよびインジウムの両方を含む合金である場合は、金属薄膜層に含有される全ての金属の中で、スズおよびインジウムの合計の割合が最も大きいことが好ましい。金属薄膜層に含有される全ての金属に対する、スズおよびインジウムの合計の割合は、例えば、50mol%以上であっても良く、70mol%以上であっても良く、90mol%以上であっても良い。本開示においては、中でも、スズ単体またはインジウム単体であることが好ましい。
金属薄膜層の形成方法としては、加飾シートに金属調の意匠を付与することができれば特に限定されず、例えば、真空蒸着法などの蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等を挙げることができる。また、金属薄膜層の形成方法としては、上述した金属を含むペーストを塗工する方法、上述した金属を用いためっき法であっても良い。本開示においては、中でも真空蒸着法であることが好ましい。低コストであり、被蒸着体へのダメージが少ないからである。蒸着の条件は、用いられる金属の溶融温度または蒸発温度に応じて適宜設定すれば良い。金属薄膜層は、例えば、金属蒸着層であっても良い。
2.プライマー層
本開示におけるプライマー層は、上記金属薄膜層の上記物品が配置される側とは反対側の面に接触させて配置される層である。本開示におけるプライマー層は、湿熱環境下における金属薄膜層の退色を抑制する機能を有する。
本開示におけるプライマー層は、樹脂固形物を主体として含有し、カップリング剤を含有する。
(1)カップリング剤
本開示におけるカップリング剤は、プライマー層に対し、金属薄膜層の退色を抑制する機能を付与する。カップリング剤は、通常、無機元素、加水分解性官能基、および反応性官能基を有する。
カップリング剤における無機元素としては、例えば、ケイ素(Si)元素、チタン(Ti)元素、アルミニウム(Al)元素を挙げることができる。本開示においては、中でも、Si元素を含有するカップリング剤、すなわちシランカップリング剤であることが好ましい。
本開示におけるカップリング剤の加水分解性官能基としては、例えば、アルコキシ基、水酸基等を挙げることができる。
カップリング剤における反応性官能基は、有機物に対し、反応または相互作用する官能基である。本開示におけるカップリング剤の反応性官能基としては、例えば、アクリル基、メタクリル基等のアシル基、チオール基(メルカプト基)、エポキシ基、ビニル基、アミノ基等を挙げることができる。
なお、以下の説明において、「アクリル」および「メタクリル」を総称して、「(メタ)アクリル」と説明する場合がある。(メタ)の付く他の類似するものも同様の意である。
本開示において、カップリング剤における無機元素、加水分解性官能基、および反応性官能基の組み合わせについては、特に限定されない。また、本開示においては一種類のカップリング剤のみを用いても良く、二種類以上のカップリング剤を用いても良い。
本開示に用いられるカップリング剤は、無機元素がSi元素であるシランカップリング剤であっても良い。シランカップリング剤としては、例えば、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができ、例えば市販品では、信越化学工業(株)製のKBM-402、KBM-403、KBE-402、KBE-403、KBM-802、KBM-803、KBM-5103を挙げることができる。また、シランカップリング剤としては、例えば東レ・ダウコーニング製のZ-6040、Z-6062等を挙げることができる。
また、本開示に用いられるカップリング剤は、無機元素がTi元素であるチタネートカップリング剤であっても良い。チタネートカップリング剤としては、例えば、味の素ファインテクノ(株)製のプレンアクト55、プレンアクト46B等を挙げることができる。
また、本開示に用いられるカップリング剤は、無機元素がAl元素であるアルミネートカップリング剤であっても良い。アルミネートカップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートを挙げることができ、例えば市販品では、味の素ファインテクノ(株)製のプレンアクトAL-Mを挙げることができる。
本開示においては、カップリング剤が、チオール系カップリング剤、またはエポキシ系カップリング剤を少なくとも含むことが好ましい。中でも、本開示においては、カップリング剤がチオール系カップリング剤を少なくとも含むことがさらに好ましく、チオール系カップリング剤のみを含有することが特に好ましい。
ここで、「チオール系カップリング剤」とは、反応性官能基として、少なくともチオール基を有するカップリング剤を指す。また、「エポキシ系カップリング剤」とは、反応性官能基として、少なくともエポキシ基を有するカップリング剤を指す。また、本明細書において、特定の反応性官能基を有するカップリング剤を、「(反応性官能基名)系カップリング剤」と称して説明する場合がある。
チオール系カップリング剤は、反応性官能基として少なくともチオール基を有するカップリング剤である。チオール系カップリング剤を用いたプライマー層において、湿熱環境下における金属薄膜層の退色を顕著に抑制することができる理由については、以下のように推測される。
チオール系カップリング剤における加水分解性官能基と、金属薄膜層における金属とが水素結合を形成すること、および、チオール系カップリング剤におけるチオール基と、プライマー層における樹脂とが脱水素による結合を形成することにより、金属界面での樹脂の密着性が向上し、外部からの水との接触、すなわち金属薄膜層への水のアタックを抑制すると推測される。また、チオール系カップリング剤における加水分解性官能基と、金属薄膜層における金属とが水素結合を形成すること、および、柔らかい酸である金属原子と柔らかい塩基であるチオール基とが配位結合することにより、金属をカップリング剤で覆うことで、樹脂密度が向上し外部からの水との接触を抑制すると推測される。
一方、エポキシ系カップリング剤は、反応性官能基として少なくともエポキシ基を有するカップリング剤である。エポキシ系カップリング剤を用いたプライマー層において、湿熱環境下における金属薄膜層の金属の退色を顕著に抑制できる理由については以下のように推測される。
エトキシ、メトキシ等の金属反応部が加水分解により、水酸基となり、金属表面の水酸基と水素結合、あるいは脱水縮合をし、結合を形成する。一方のエポキシ基も開環され、樹脂成分と水素結合、あるいは金属表面の水酸基と水素結合あるいは脱水縮合する。この反応により、金属と水分を接触することを阻害する効果を発現していると推測する。
プライマー層におけるカップリング剤の割合は、プライマー層に対し上述した退色抑制機能を付与することができれば特に限定されない。カップリング剤の割合は、樹脂100重量部に対し、例えば、0.5重量部以上であることが好ましく、1重量部以上であることがより好ましい。また、上記カップリング剤の割合は、樹脂100重量部に対し、例えば、15重量部以下であることが好ましく、10重量部以下であることが好ましい。
(2)樹脂固形物
本開示におけるプライマー層は、樹脂固形物を主体として含有する。
「樹脂固形物」とは、樹脂を乾燥により固化させた樹脂の固化物、または樹脂を化学反応により硬化させた樹脂の硬化物をいう。また、「プライマー層が樹脂固形物を主体として含有する」とは、プライマー層に含有される全ての材料の中で、樹脂固形物の割合が最も多いことをいう。プライマー層に含有される全ての材料に対する樹脂固形物の割合は、例えば、60質量%以上であっても良く、80質量%以上であっても良く、90質量%以上であっても良い。
樹脂固形物が固化物または硬化物である場合、樹脂の種類、添加剤の有無、固化または硬化の条件等に応じて、その構造、性質は変化する。そのため、樹脂固形物は、その構造、性質を直接特定することは、通常、困難である。そこで、以下に、樹脂固形物の成分について、固化前または硬化前の成分を説明する。
プライマー層に含有される樹脂固形物は、通常、一つの成分として、樹脂を含有する。プライマー層は、硬化剤をさらに含有していても良く、硬化剤を含有していなくても良いが、前者がより好ましい。以下、樹脂固形物の成分について説明する。
(i)樹脂
プライマー層に用いられる樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を挙げることができる。具体的な樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエステルポリオールが挙げられる。また、ポリウレタン系樹脂としては、例えば、ポリエステルウレタンポリオール、アクリルウレタンポリオールなどのウレタンポリオールが挙げられる。ポリアクリル系樹脂としては、例えば、アクリルポリオールが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレンポリオール、ポリプロピレンポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなどのポリオレフィンポリオールが挙げられる。
また、プライマー層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリカーボネートジオールウレタンアクリレートの重合体、多官能ウレタンアクリレートの重合体であっても良い。なお、これらの樹脂は、通常、原料としてウレタンアクリレートを用い、アクリル基を重合させることでポリマー化(樹脂化)させることから、ポリアクリル系樹脂と捉えることができる。
プライマー層に用いられる樹脂は、上述した樹脂のうち1種類を単独で使用しても良く、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
本開示においては、樹脂が、ポリエステルポリオールおよびアクリルポリオールの少なくとも一方を含むことが好ましい。例えば、金属薄膜層との密着性を良好としつつ、本開示の加飾シートの三次元成形性を良好にすることができ、種々の物品の表面に配置することができるからである。
ポリエステルポリオールとしては、低分子ジオールとジカルボン酸とを反応させて得られる縮合ポリエステルジオール、ラクトンの開環重合により得られるポリラクトンジオール、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。ジカルボン酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸類、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸類などが挙げられる。また、ラクトンとしては、例えばε-カプロラクトン等が使用される。ポリエステルポリオールの具体例としては、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリエチレンブチレンアジペート、ポリブチレンヘキサブチレンアジペート、ポリジエチレンアジペート、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペート、ポリエチレンアゼート、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンアゼート、ポリブチレンセバケート、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール等が挙げられる。
アクリルポリオールとしては、水酸基を複数有するアクリル系樹脂であれば特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸-n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体等の1種又は2種以上と、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル等の分子中に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体の1種又は2種以上と、更に必要に応じ、スチレン単量体等とを共重合させて得られた共重合体で、水酸基を複数有するものなどが挙げられる。
本開示においては、樹脂が少なくともアクリルポリオールを少なくとも含むことが好ましく、樹脂がアクリルポリオールを主体として含むことが特に好ましい。「樹脂がアクリルポリオールを主体とする」とは、樹脂全体に対するアクリルポリオールの割合が最も多いことをいう。樹脂全体に対するアクリルポリオールの割合は、例えば、70質量%以上であっても良く、90質量%以上であっても良く、100質量%であっても良い。
本開示の発明者は、プライマー層の樹脂としてアクリルポリオールを用いた場合に、湿熱環境下における金属薄膜層の退色が生じやすいこと、カップリング剤を添加することにより、金属薄膜層の退色が効果的に抑制されることを知見した。すなわち、本開示においては、プライマー層がアクリルポリオールおよびカップリング剤を含有することにより、密着性や三次元成形性の観点から好ましい樹脂であるアクリルポリオールを使用しつつも、アクリルポリオールを用いた際に問題となる金属薄膜層の退色を顕著に抑制できるという優れた効果を得ることができる。
(ii)硬化剤
上述したように、プライマー層は、樹脂のみを含有していても良く、硬化剤をさらに含有していても良い。すなわち、プライマー層は、樹脂と硬化剤との硬化物であっても良いが、後者であることがより好ましい。硬化剤としては、上述した樹脂と反応させることにより硬化物を得ることができれば特に限定されないが、一例としては、イソシアネート化合物が挙げられる。
イソシアネート化合物としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、キシレン-1,4-ジイソシアネート、キシレン-1,3-ジイソシアネート、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′-ジフェニルエーテルジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、2-ニトロジフェニル-4,4′-ジイソシアネート、2,2′-ジフェニルプロパン-4,4′-ジイソシアネート、3,3′-ジメチルジフェニルメタン-4,4′-ジイソシアネート、4,4′-ジフェニルプロパンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、ナフチレン-1,4-ジイソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、3,3′-ジメトキシジフェニル-4,4′-ジイソシアネートなどの芳香族イソシアネートが挙げられる。また、イソシアネート化合物としては、例えば、1,4-ジイソシアナトブタン、1,5-ジイソシアナトペンタン、1,6-ジイソシアナトヘキサン(1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、HDI)、1,6-ジイソシアナト-2,2,4-トリメチルヘキサン、2,6-ジイソシアナトヘキサン酸メチル(リジンジイソシアネート)などの脂肪族イソシアネートが挙げられる。また、イソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。加飾シートの成形性を高め、かつ、加熱成形による変色を効果的に抑制する観点からは、これらの中でも、脂肪族イソシアネート及び芳香族イソシアネートが好ましい。硬化剤は、1種類単独で使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
プライマー層が、硬化剤をさらに含有する場合、プライマー層における硬化剤の割合は、例えば、樹脂100重量部に対し、1重量部以上であっても良く、3重量部以上であっても良い。また、上記硬化剤の割合は、例えば、15重量部以下であっても良く、10重量部以下であっても良い。
プライマー層に用いられる反応硬化型のウレタン樹脂は、1液硬化型及び2液硬化型のいずれでも良く、好ましくは2液硬化型である。
プライマー層が、樹脂および硬化剤を含有する場合、樹脂および硬化剤の組み合わせとしては、アクリルポリオールおよびイソシアネート化合物の硬化剤であることが好ましい。
(3)その他
プライマー層の厚さは、加飾シートの用途等に応じて適宜され特に限定されない。プライマー層の厚さは、例えば、0.5μm以上であっても良く、1μm以上であっても良い。また、プライマー層の厚さは、例えば、3μm以下であっても良く、2μm以下であっても良い。
プライマー層は、上記の樹脂を含むプライマー組成物を用いて形成される。具体的には、プライマー層は、プライマー組成物を用いて、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコート等の通常の塗布方法や転写コーティング法により形成される。ここで、転写コーティング法とは、薄いシート(フィルム基材)にプライマー層の塗膜を形成し、その後に加飾シート中の対象となる層表面に被覆する方法である。
3.機能層
本開示の加飾シートは、上述した金属薄膜層およびプライマー層を少なくとも有していれば良く、必要な機能層を適宜選択して追加することができる。加飾シートは、その用途に応じ1種類の機能層を有していても良く、2種類以上の機能層を有していても良い。以下、加飾シートにおいて、金属薄膜層の物品側に配置される機能層を第一の機能層、プライマー層の外部側に配置される機能層を第二の機能層として説明する。
(1)第一の機能層
第一の機能層は、金属薄膜層の物品側に配置される機能層である。第一の機能層としては、例えば、基材層、第二のプライマー層、第一の接着層、および第二の接着層を挙げることができる。
(i)基材層
加飾シートは、基材層を有していても良い。基材層は、金属薄膜層等を支持する支持体として機能する。また、加飾シートが、後述する樹脂成型体である物品の表面に配置される場合、基材層は、樹脂成型体の表面と一体化する機能を有することが好ましい。
基材層は、金属薄膜層の物品側に配置されていれば良い。例えば、図3(a)に示すように、基材層3は金属薄膜層1の物品20側の面に接触させて配置されていても良く、図3(b)~(d)に示すように、基材層3は金属薄膜層1の物品20側の面に他の層を介して配置されていても良い。図3(b)は、基材層1が第二のプライマー層4を介して金属薄膜層1の面に配置されている例、図3(c)は、基材層3が第一の接着層5を介して金属薄膜層1の面に配置されている例、図3(d)は、基材層3が第二のプライマー層4および第一の接着層5を介して金属薄膜層1の面に配置されている例について示している。
基材層は、例えば、樹脂シートであることが好ましい。樹脂シートを構成する樹脂としては、加飾シートが配置される物品に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、熱可塑性樹脂であることが好ましい。加飾シートの三次元成型性を良好にすることができるからである。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂(以下「ABS樹脂」と表記することもある)、アクリロニトリル-スチレン-アクリル酸エステル樹脂、アクリル樹脂が挙げられる。また、熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂等が挙げられる。基材層においては、上述した熱可塑性樹脂のうち、1種類のみを用いても良く、2種類以上を混合して用いても良い。本開示においては、中でも、基材層の樹脂が、ABS樹脂であることが好ましい。本開示の加飾シートに、良好な三次元成形性を付与することができるからである。
また、基材層は、樹脂の単層シートであっても良く、また同種又は異種樹脂を含む樹脂層の積層体(複層シート)であっても良い。
基材層は、必要に応じて、片面または両面に酸化法や凹凸化法等の物理的又は化学的表面処理が施されていても良い。金属薄膜層、第二のプライマー層、接着層等との密着性を向上させることができるためである。基材層の表面処理として行われる酸化法としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン紫外線処理法等が挙げられる。また、基材層の表面処理として行われる凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。
また、基材層には、着色剤などを配合した着色、色彩を整えるための塗装、デザイン性を付与するための模様の形成などがなされていても良い。
基材層の厚さは、加飾シートの用途に応じて適宜選択される。基材層の厚さは、例えば、50μm以上、800μm以下であっても良く、100μm以上、600μ以下であっても良く、200μm以上、500μm以下であっても良い。
(ii)第二のプライマー層
本開示の加飾シートは、第二のプライマー層を有しても良い。第二のプライマー層は、金属薄膜層の物品側の面に接触させて配置される層である。また、図3(b)、(d)に示すように、加飾シート10が基材層3、第一の接着層5、または後述する図4(b)に示すように、第二の接着層6をさらに有する場合、第二のプライマー層4は、これらの層と金属薄膜層1との密着性を高める機能を有する。第二のプライマー層は、通常、樹脂固形物を主体として含有する層である。第二のプライマー層に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル-ウレタン共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂などの樹脂、または、これらの樹脂の硬化物が挙げられる。第二のプライマー層に用いられる樹脂としては、ポリエステル系樹脂であることが好ましく、ポリエステルポリオールであることが好ましい。また、第二のプライマー層は、硬化剤をさらに含有していても良く、含有していなくても良いが、前者がより好ましい。密着性を良好にすることができるからである。第二のプライマー層の樹脂固形物の成分については、上述した「2.プライマー層」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
第二のプライマー層は、カップリング剤を含有していても良く、含有してなくても良いが、前者がより好ましい。湿熱環境下において金属薄膜層の退色に影響する水分は、基本的には、外部側から浸入すると推測されるが、物品側から水分が浸入した場合も、第二のプライマー層がカップリング剤を含有していることにより、金属薄膜層の退色を抑制することができるからである。第二のプライマー層のカップリング剤については、上述した「2.プライマー層」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
第二のプライマー層の厚みは、特に限定されないが、通常0.5μm以上、2.5μm以下、好ましくは1μm以上、2μm以下の程度である。第二のプライマー層には、着色剤を混合して、色彩を整えたり、意匠性を向上させることができ、さらには、デザイン的な観点での模様を形成することもできる効果がある。第二のプライマー層の形成方法は、特に制限されないが、例えば、基材層、金属薄膜層などの表面上に上記の樹脂を含む組成物を塗布する方法などが挙げられる。
(iii)第一の接着層
本開示の加飾シートは、第一の接着層を有していても良い。第一の接着層は、加飾シートが基材層を有する場合、基材層と金属薄膜層との間、または基材層および第二のプライマー層の間を接着する機能を有する。
具体的には、図3(c)、(d)に示すように、加飾シート10は、金属薄膜層1および基材層3の間に配置された第一の接着層5を有していても良い。例えば、図3(c)に示すように、第一の接着層5は、その一方の面が金属薄膜層1の物品20側の面に接触させて配置され、他方の面が基材層3の外部側の面に接触させて配置されていても良い。また、例えば、図3(d)に示すように、第一の接着層5は、その一方の面が第二のプライマー層4の物品20側の面に接触させて配置され、他方の面が基材層3の外部側の面に接触させて配置されていても良い。
第一の接着層は、通常、樹脂を含有する層である。第一の接着層は、樹脂固形物を含有していても良い。
第一の接着層に用いられる樹脂は、基材層と金属薄膜層などとの密着性を向上させ得るものであれば特に制限はないが、例えば熱可塑性樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、エチレン-塩化ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-(メタ)アクリル共重合体などのポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化プロピレン、塩素化ポリプロピレンなどの塩素系樹脂などが挙げられる。
中でも、アクリル系樹脂、塩素系樹脂であることが好ましい。第一の接着層を形成する樹脂としては、1種類単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。
第一の接着層は、硬化剤をさらに含有していても良い。
第一の接着層の厚さとしては、特に限定されないが、例えば、0.6μm以上、3.5μm以下であっても良く、1μm以上、2μm以下であることが好ましい。
第一の接着層の形成方法は、特に制限されない。第一の接着層は、例えば、基材層、金属薄膜層、第二のプライマー層などのうち第一の接着層と隣接する層の表面上に上記の樹脂を塗工することにより形成することができ、例えばドライラミネート法などを用いることができる。
(iv)第二の接着層
本開示の加飾シートは、第二の接着層を有していても良い。第二の接着層は、加飾シートを物品と接着させる、または加飾シートおよび物品の接着性を向上させる機能を有する。
第二の接着層は、本開示の加飾シートを物品に配置して加飾物品とした場合において、加飾シートにおける最も物品側に配置される層である。例えば図4(a)に示すように、第二の接着層6は、金属薄膜層1の物品20側の面に接触させて配置されていても良い。また、図4(b)、(c)に示すように、第二の接着層6は、他の層を介して金属薄膜層1の物品側の面に配置されていても良い。図4(b)は、第二の接着層6が第二のプライマー層4の物品側の面に接触させて配置されている例、図4(c)は、第二の接着層6が基材層3の物品側の面に接触させて配置されている例について示している。
第二の接着層は、通常、樹脂を含有する層である。接着層は、樹脂固形物を含有していても良い。第二の接着層に用いられる樹脂としては、加飾シートの用途に応じて適宜選択することができ特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種類単独で使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて使用しても良い。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種類単独で使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
第二の接着層10の厚みは、特に制限されないが、例えば、0.1μm以上、30μm以下であっても良く、0.5μm以上、20μm以下であることが好ましく、1μm以上、8μm以下であることがより好ましい。
(2)第二の機能層
第二の機能層は、加飾シートにおけるプライマー層の外部側に配置される機能層である。第二の機能層としては、例えば、表面保護層、透明基材層、カラークリア層、第三のプライマー層、第三の接着層、転写用基材および剥離層を挙げることができる。
(i)表面保護層
本開示の加飾シートは、表面保護層を有していても良い。表面保護層は、加飾シートの耐傷付き性、耐候性を高める機能を有する。表面保護層は、本開示の加飾シートを物品に配置して加飾物品とした場合において、通常、加飾シートにおける最も外部側に配置される層である。例えば、図5(a)に示すように、表面保護層7は、プライマー層2の外部側の面に接触させて配置されていても良い。また、例えば、図5(b)、(c)に示すように、表面保護層7は、他の層を介してプライマー層2の外部側の面に配置されていても良い。図5(b)は、表面保護層7がカラークリア層8を介してプライマー層2の面に配置されている例、図5(c)は、表面保護層7が、カラークリア層8および第三のプライマー層9を介してプライマー層2の面に配置されている例について示している。
加飾シートが表面保護層を有する場合、加飾シートは、表面保護層、プライマー層および金属薄膜層の順に配置された積層構造を有する。
表面保護層は、例えば、加飾シートを構成する層に対して樹脂組成物をコーティングして形成された層(膜)であっても良い。また、表面保護層は、予め成形されたフィルム材料であっても良い。すなわち、加飾シートを構成する層に対し、上記フィルム材料を積層させて表面保護層としても良い。
表面保護層としては、例えば、樹脂固形物を主体とする層であることが好ましい。また、表面保護層に用いられる樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂であっても良く、熱硬化性樹脂であっても良く、電離放射線硬化性樹脂であっても良いが、電離放射線硬化性樹脂であることが好ましい。
ここで、電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂であり、具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有する、プレポリマー、オリゴマー、及びモノマーなどのうち少なくとも1種を適宜混合したものが挙げられる。ここで電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含むものである。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるため、表面保護層の形成において好適に使用される。
電離放射線硬化性樹脂として使用される上記モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートモノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)、好ましくは3個以上(3官能以上)有する(メタ)アクリレートモノマーであれば良い。多官能性(メタ)アクリレートについては、公知の多官能性(メタ)アクリレートを挙げることができるため、具体例についてここでの説明は省略する。
また、電離放射線硬化性樹脂として使用される上記オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートオリゴマーが好適であり、中でも分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)有する多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、アクリルシリコーン(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー(例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等)等が挙げられる。ここで、ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、かつ末端または側鎖に(メタ)アクリレート基を有するものであれば特に制限されず、例えば、ポリカーボネートポリオールを(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートなどであっても良い。多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーについては、公知の多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーを用いることができるため、具体例についてここでの説明は省略する。
上記した電離放射線硬化性樹脂の中でも、優れた三次元成形性を得る観点からは、ポリカーボネート(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。また、三次元成形性と耐傷付き性を両立する観点からは、ポリカーボネート(メタ)アクリレートとウレタン(メタ)アクリレートを組み合わせて使用することがより好ましい。
表面保護層は、表面保護層に備えさせる所望の物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。
表面保護層の硬化後の厚みについては、特に制限されないが、例えば、1μm以上、1000μm以下、好ましくは1μm以上、50μm以下、更に好ましくは1μm以上、30μm以下が挙げられる。このような範囲の厚みを満たすと、耐傷付き性、耐候性等の表面保護層としての十分な物性が得られると共に、表面保護層を電離放射線硬化性樹脂を用いて作りやすいためである。
表面保護層の形成方法としては、例えば、電離放射線硬化性樹脂を含む電離放射線硬化性樹脂組成物を調製し、これを塗布し、架橋硬化する方法を挙げることができる。
電離放射線硬化性樹脂組成物の塗布方法としては、例えば、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方法を挙げることができる。
電離放射線硬化性樹脂の硬化方法としては、電離放射線硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択され、例えば、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させる方法が挙げられる。電離放射線として電子線を用いる場合、加速電圧は例えば、70kV以上、300kV以下の程度である。電子線の照射線量は、例えば、5kGy以上、300kGy以下で選定される。更に、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190nm以上380nm以下の紫外線を含む光線を放射すれば良い。紫外線源としては、特に制限されないが、例えば、高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が挙げられる。
表面保護層は、各種の添加剤を添加することにより、ハードコート機能、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能等の機能を付与する処理を行っても良い。
(ii)透明基材層
本開示の加飾シートは、透明基材層を有していても良い。透明基材層は、加飾シートの耐傷付き性、耐候性を高める機能を有する。また、透明基材層は、本開示の加飾シートの成形性を高める機能を有する。本開示の加飾シートが上述した「(i)表面保護層」を有する場合、透明基材層はプライマー層および保護層の間に配置されることが好ましい。
透明基材層の材料としては、例えば、透明樹脂基材が挙げられる。透明樹脂基に用いられる樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、またはアクリル樹脂等が挙げられる。
透明基材層の厚さは、例えば、15μm以上、200μm以下の程度である。
(iii)カラークリア層
本開示の加飾シートは、カラークリア層を有していても良い。カラークリア層は、金属薄膜層の金属調にさらに光沢を持たせたり、金属の色味を調整する機能を有する。例えば、図5(b)、(c)に示すように、カラークリア層8は、プライマー層2の外部側の面に接触させて配置させることが好ましい。
カラークリア層は、例えば、着色剤および樹脂を含有することが好ましい。カラークリア層は樹脂固形物を含有することが好ましい。着色剤としては、特に制限はないが、例えば、着色顔料、染料などが挙げられる。また、カラークリア層に用いられる樹脂は、透明樹脂であることが好ましい。透明樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル-ウレタン共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。カラークリア層7の厚さは、例えば、0.5μm以上、4μm以下の程度であり、好ましくは1.1μm以上、2.9μm以下の程度である。カラークリア層の形成方法は、例えば、表面保護層、プライマー層、透明基材層、後述する第三のプライマー層等のうちカラークリア層と隣接する層の表面上に上述した着色剤および樹脂を含む組成物を塗布する方法などが挙げられる。
(iv)クリア層
本開示の加飾シートは、クリア層を有していても良い。クリア層は、例えば、金属薄膜層における反射光を拡散させたり、加飾シートの意匠の奥行き感を高めたりする機能を有する。クリア層としては、例えば、透明樹脂と粒子材料とを含有する層を挙げることができる。透明樹脂としては、上述した「(iii)カラークリア層」の項で説明した透明樹脂を挙げることができる。また、粒子材料としては、例えば、シリカゲルを挙げることができる。クリア層の厚みおよび形成方法については、上述したカラークリア層の厚み形成方法と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(v)第三のプライマー層
本開示の加飾シートは、第三のプライマー層を有していても良い。第三のプライマー層は、表面保護層と表面保護層の物品側に位置する層との密着性を高める機能を有する。例えば、図5(c)に示すように、第三のプライマー層9は、表面保護層7の物品側の面に接触させて配置される。
第三のプライマー層は、通常、樹脂固形物を主体として含有する層である。第三プライマー層に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル-ウレタン共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂などの樹脂が挙げられる。
第三のプライマー層の厚さは、例えば、0.5μm以上、2.5μm以下の程度である。
4.加飾シート
本開示の加飾シートは、物品の表面を加飾するために用いられる部材である。
また、本開示の加飾シートは、湿熱試験後における加飾シートの色差ΔEabが4.5以下であることが好ましく、4.0以下であることがより好ましく、3.5以下であることが好ましい。
なお、湿熱試験の条件は、60℃、相対湿度90%の環境下で72時間静置する条件とする。また、湿熱試験は、例えば、高温高湿器PR-2J(エスペック社)を用いて行うことができる。また、色差ΔEabは、JISZ8729-1994に規定された国際照明委員会(CIE)のL表色系に準拠し、下記式で表される値である。
ΔEab={(ΔL+(Δa+(Δb1/2
ΔEabは、分光測色計CM-3700J(コニカミノルタ)で測定することができる。
なお、色差ΔEabは、湿熱試験前の加飾シートの色を基準とした湿熱試験後の色の変化を示す指標であり、ΔL、Δa、Δbは、それぞれ湿熱試験前と湿熱試験後とにおける加飾シートのL値、a値、およびb値の差分を表す。
本開示の加飾シートは、種々の加飾方法を用いた加飾物品の製造方法に使用することができる。言い換えると、本開示の加飾シートは種々の加飾方法の用途に応じた加飾シートとすることができる。
本開示の加飾シートが用いられる加飾方法としては、例えば、インサート成形法、射出成形同時加飾法、ブロー成形法、ガスインジェクション成形法等の各種射出成形法、真空圧着法等が挙げられる。
本開示の加飾シートの用途としては、例えば、インサート成形法用途、射出成形同時加飾法用途、および真空圧着法用途に用いられることが好ましい。
本開示の加飾シートが、インサート成形法用途または射出成形同時加飾法用途に用いられる場合、加飾シートの積層構造としては、基材層、金属薄膜層、およびプライマー層の順に積層された構造を少なくとも有することが好ましい。
一方、本開示の加飾シートが、真空圧着法用途に用いられる場合、加飾シートの積層構造としては、第二の接着層、金属薄膜層およびプライマー層の順に積層された構造を少なくとも有することが好ましい。
本開示の加飾シートは、例えば、樹脂固形物の成形体、木材、陶器等の種々の物品を加飾するために用いることが可能であるが、中でも樹脂固形物の成形体を加飾するために用いることが好ましい。
B.加飾シート付転写部材
本開示の加飾シートは、上述した「A.加飾シート」と、上記加飾シートにおける上記プライマー層の上記物品が配置される側とは反対側の面に配置された転写用基材とを有することを特徴とする。
本開示の加飾シート付転写部材について図を用いて説明する。図6は本開示の加飾シート付転写部材の一例を示す概略断面図である。本開示の加飾シート付転写部材30は、加飾シート10と、加飾シート10におけるプライマー層2の外部側の面に配置された転写用基材31とを有する。なお、加飾シート10については、上述した「A.加飾シート」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。また、転写用基材31および表面保護層7の間には、離形層32が配置されていても良い。
本開示によれば、カップリング剤を含有するプライマー層が、金属薄膜層の外部側の面に接触させて配置されていることにより、湿熱環境下における金属薄膜層の退色が抑制された加飾シート付転写部材とすることができる。
以下、本開示の加飾シート付転写部材の詳細を説明する。
1.転写用基材
本開示における転写用基材は、上記加飾シートにおける上記プライマー層の上記物品が配置される側とは反対側の面に配置される部材である。転写用基材は、加飾シートにおいて最も外部側に配置される層の面に配置される。
転写用基材に用いられる材料としては、例えば、従来から転写フィルムに使用される公知のプラスチックフィルムを用いることができる。プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、アクリルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、フッ素フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが挙げられ、中でもポリエステルフィルムが耐熱性と耐湿性で好ましい。ポリエステルフィルムとしては、例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムなどが挙げられ、中でも二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが耐熱性とフィルム価格等でより好ましい。
転写用基材の厚さは、例えば、10μm以上、100μm以下の程度である。
2.離形層
本開示の加飾シート用転写部材は、離形層をさらに有していても良い。加飾シートを物品へ配置した後、転写用基材を剥離しやすくすることができるからである。
離形層に用いられる材料としては、例えば、リン脂質(レシチン)、酢酸セルロース、ワックス、脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、ロジン、アクリル樹脂、シリコーン、フッ素樹脂等が挙げられる。離形層の厚さは、例えば、0.01μm以上、2μm以下の程度である。離形層は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等の従来公知の方法で形成できる。
3.その他
本開示の加飾シート付転写部材においては、1つの転写用基材に対し1つの加飾シートが配置されていても良く、1つの転写用基材に対し複数の加飾シートが配置されていても良い。
本開示の加飾シート付転写部材は、物品の表面に対し、加飾シートを転写して配置する。加飾シート付転写用部材における転写用基材および離形層は、通常、加飾シートを配置した後、除去される。
本開示の加飾シート付転写部材は、種々の加飾方法に用いることができるが、特に、インモールド成形法に用いられることが好ましい。言い換えれば、加飾シート付転写部材は、インモールド成形法用途であることが好ましい。
C.加飾物品
本開示の加飾物品は、物品と、上記物品の表面に配置された加飾シートとを有する加飾物品であって、上記加飾シートが、「A.加飾シート」に記載の加飾シートであり、上記物品と上記加飾シートの上記金属薄膜層側とが対向して配置されていることを特徴とする。
図7は本開示の加飾物品の一例を示す概略断面図である。図7に示す加飾物品40は、物品20と、物品20の表面に配置された加飾シート10とを有する。また、物品20と加飾シート10の金属薄膜層1側とが対向して配置されていることを特徴とする。
本開示によれば、上述した加飾シートを有することにより、意匠性が良好である加飾物品とすることができる。
1.物品
本開示における物品としては、加飾シートを配置することができれば特に限定されないが、樹脂固形物の成形体であることが好ましい。
本開示の加飾物品において、成形樹脂層は、用途に応じた樹脂を選択して形成すれば良い。成形樹脂層を形成する樹脂としては、熱可塑性樹脂であっても良く、また熱硬化性樹脂であっても良い。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で使用しても良く、また2種以上を組み合わせて使用しても良い。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、1種単独で使用しても良く、また2種以上を組み合わせて使用しても良い。
2.加飾物品の製造方法
本開示の加飾物品の製造方法は、物品の表面に加飾シートを配置する加飾工程を少なくとも有する。
本開示における加飾工程においては、例えば、上記物品の形成と上記加飾シートの配置とが同時に行われる工程であっても良い。また、本開示における加飾工程においては、例えば、予め準備された物品の表面に加飾シートを配置する工程であっても良い。以下、前者の工程を第一の加飾工程、後者の工程を第二の加飾工程と称してそれぞれ説明する。
(1)第一の加飾工程
第一の加飾工程においては、上記加飾物品の形成と上記加飾シートの配置とが同時に行われる。第一の加飾工程における物品は、通常、通常樹脂固形物の成形体である。この場合、具体的な加飾物品の製造方法としては、例えば、インサート成形法、射出成形同時加飾法、ブロー成形法、ガスインジェクション成形法等の各種射出成形法が挙げられる。
すなわち、第一の加飾工程は、射出成形法を用いて、物品として樹脂固形物の成形体を形成し、かつ上記樹脂固形物の成形体の表面に上記加飾シートを配値する工程が同時に行われる工程であっても良い。
本開示においては、中でも、インサート成形法、または射出成形同時加飾法を用いることが好ましい。
(i)インサート成形法
本開示における第一加飾工程が、インサート成形法を用いる工程である場合について説明する。
ここで、インサート成形法は、樹脂成型体である物品の表面に加飾シートを配置する方法であり、物品の成形と加飾シートの配置とを同時に行う方法である。インサート形成法においては、予め加飾シートを物品表面形状に成形する成形工程と、成形された上記加飾シートを射出成形型に配置した後、上記射出成形型を閉じ、流動状態の樹脂の組成物を上記射出成形型内部に射出する射出工程と、射出された上記樹脂の組成物を固化させることにより、物品を成形し、上記物品の表面に加飾シートを配置する固化工程とを少なくとも有する。
インサート成形法を用いた場合における、本開示の加飾物品の製造方法について図を用いて説明する。図8は本開示の加飾物品の製造方法の一例を示す工程図である。インサート成形法を用いた場合、成形工程においては、例えば、図8(a)、(b)に示すように、真空成形型X1を用いて、加飾シート10を物品表面形状に真空成形する。成形された加飾シートを成形シート11と称する。図8(c)に示すように、成形シート11は必要に応じて余分な部分をトリミングしても良い。次に、射出工程および固化工程においては、典型的には、図8(d)に示すように、雌型X2aおよび雄型X2bを有する射出成形型X2を用いる。成形シート11を射出成形型X2における雌型X2a側に配置した後、射出成形型X2を閉じる。次に流動状態の樹脂の組成物21を射出成形型X2内部に射出し、固化させる。これにより、図8(e)に示すように、物品20を成形し、物品20の葉面に加飾シート10を配置する。インサート成形法においては、射出工程および固化工程において、物品の成形と同時に物品の表面に加飾シートを一体化させて配置された加飾シートを得ることができる。
成形工程においては、加飾シートを加熱して成形しても良い。成形工程における加飾シートの加熱温度は、加飾シートの厚さ、層構成、材料等に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、例えば、100℃以上、250℃以下であっても良く、130℃以上、200℃以下であっても良い。
また、射出工程における流動状態の樹脂の温度は、例えば、180℃以上、320℃以下であっても良く、好ましくは220℃以上、280℃以下であっても良い。
成形工程に用いられる加飾シートの成形型、および射出成形型等については、一般的な樹脂成型体の製造方法において用いられる型と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
なお、上述した射出工程および固化工程は、通常、射出成形型を用いて行われることから、成形シート形成工程は、オフライン予備成形とも捉えることができる。
本開示の加飾シートがインサート成形法に用いられる場合、加飾シートは金属薄膜層の物品側の面に基材層を有することが好ましい。射出された樹脂を固化させる際に基材層を一体化させることができ、物品および加飾シートを一体化させることができるからである。
すなわち、本開示の加飾シートがインサート成形法用の加飾シートである場合、加飾シートの構成としては、基材層、金属薄膜層、プライマー層を少なくとも有することが好ましい。
(ii)射出成形同時加飾法
本開示における第一加飾工程が、射出成形同時加飾法を用いる工程である場合について説明する。
ここで、射出成形同時加飾法は、樹脂成型体である物品の表面に加飾シートを配置する方法であり、物品の成形と加飾シートの配置とを同時に行う方法である。射出成形同時加飾法は、インモールド成形法とも称される方法である。射出成形同時加飾法においては、例えば、射出成形型における雌型と真空成形型との機能を備える兼用雌型を用いて加飾シートを予備成形する予備成形工程と、予備成形された上記加飾シートが配置された射出成形型を閉じ、流動状態の樹脂組成物を上記射出成形型内部に射出する射出工程と、射出された上記樹脂組成物を固化させることにより、物品を成形し、上記物品の表面に加飾シートを配置する固化工程とを有する。
射出成形同時加飾法においては、上述した「A.加飾シート」で説明した加飾シートを用いても良く、「B.加飾シート付転写部材」で説明した加飾シート付転写部材を用いても良いが、後者がより好ましい。固化工程後、射出成形型から加飾物品を良好に取り外すことができるからである。
射出成形同時加飾法を用いた場合における本開示の加飾物品の製造方法について図を用いて説明する。図9は本開示の加飾物品の製造方法の他の例を示す工程図である。射出成形同時加飾法を用いた場合、予備成形工程においては、例えば、図9(a)に示すように、真空成形型の機能を備える射出成形型の雌型X2a、すなわち兼用雌型X2aと雄型X2bとを有する射出成形型X2を用いる。図9(a)に示すように、兼用雌型X2aに加飾シート付転写部材30を配置する。この際、兼用雌型X2aと転写用基材31とが対向するように、加飾シート付転写部材30を配置する。次に、図9(b)に示すように、兼用雌型X2aを用いて加飾シート付転写部材30における加飾シート10を予備成形する。次に、図9(c)に示すように、射出成形型X2を閉じる。次に流動状態の樹脂の組成物21を射出成形型X2内部に射出し、固化させる。これにより、図9(d)に示すように、物品20を成形し、物品20の表面に加飾シート10を配置する。また、加飾シート付転写部材における加飾シートは、物品に配置された部分が転写用基材から剥離される。
射出成形同時加飾法の予備成形工程において、加飾シートの加熱温度は、例えば、70℃以上、130℃以下の程度とすることができる。また、射出工程において、流動状態の樹脂の温度は、特に限定されないが、通常180℃以上、320℃以下の程度、好ましくは220℃以上、280℃以下の程度とすることができる。射出成形型等については、一般的な樹脂成型体の製造方法において用いられる型と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本開示の加飾シートがインモールド法に用いられる場合、加飾シートは基材層を有することが好ましい。すなわち、本開示の加飾シートがインモールド成形法に用いられる場合、本開示の加飾シートの構成は、基材層、金属薄膜層、プライマー層を少なくとも有していることが好ましい。
(2)第二の加飾工程
第二の加飾工程は、予め準備された物品の表面に加飾シートを配置する工程である。第二の加飾工程においては、真空圧着法を用いることが好ましい。
真空圧着法を用いた加飾シートにおいては、通常、金属薄膜層の物品側に第二の接着層が配置された加飾シートが用いられる。
真空圧着法を用いた場合における加飾物品の製造方法の一例について図を用いて説明する。真空圧着法では、例えば、図10(a)に示すように、地面を基準として、上側に位置する第1真空室Y1と下側に位置する第2真空室Y2とを有する真空圧着機Yを用いる。また、図10(a)に示すように、加飾シート10を第1真空室Y1側に配置し、物品20を第2真空室Y2側に配置する。物品20は、例えば、第2真空室Y2側に備えられた、上下に昇降可能な昇降台Z上に設置される。また、この際、加飾シート10における第二の接着層6が物品側を向くように真空圧着機Y内に配置される。次に、2つの真空室Y1、Y2を真空状態とする。次いで、図10(b)、(c)に示すように、第1の真空室Y1を加圧すると共に、昇降台Zを用いて物品20を加飾シート10に押し当て、2つの真空室間の圧力差を利用して、加飾シート10を延伸しながら物品20の表面に貼着する。次に、2つの真空室を大気圧に開放する。図10(d)に示すように、必要に応じて加飾シート10の余分な部分をトリミングしても良い。以上により、加飾物品40を得ることができる。なお、図10(a)~(d)においては、加飾シート10における第二の接着層6以外の層については、10aで示している。
真空圧着法においては、上記の成形体を加飾シートに押し当てる工程の前に、加飾シートを軟化させて成形性を高めるため、加飾シートを加熱する工程を備えることが好ましい。加飾シートの加熱温度は、例えば、60℃以上、200℃以下の程度とすることができる。
真空圧着機については、公知の真空圧着機を用いることができるため、ここでの説明は省略する。
3.用途
加飾物品の用途としては、例えば、自動車等の車両の内装材または外装材としての用途、窓枠、扉枠等の建具としての用途、壁、床、天井等の建築物の内装材としての用途、テレビ受像機、空調機等の家電製品の筐体としての用途、容器等としての用途等が挙げられる。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本開示をさらに詳細に説明する。
下記の手順により、保護層(透明な樹脂層)、第三のプライマー層、クリア層、プライマー層、金属薄膜層、第一の接着層および基材層の順に積層された加飾シートを作製した。
下記の加飾シートの作製において用いたプライマー層のカップリング剤の種類を表1に示し、樹脂固形物の成分の種類を表2に示す。また、第一の接着層に用いた接着剤の種類を表3に示す。
(カップリング剤の種類)
Figure 0007069556000001
なお、表1中、番号9、10においては、構造式の代わりに、示性式として欄の右側に加水分解性基を示し、欄の左側に反応性官能基を示す。
(樹脂固形物の成分の種類)
Figure 0007069556000002
なお、表2中の番号2、4の「アクリルポリオール+ポリカーボネートジオール」は、アクリルポリオールとポリカーボネートジオールとを固形分の質量比で1:1で混合した組成物である。
(接着剤の種類)
Figure 0007069556000003
[実施例1-1~1-11]
(加飾シートの作製)
離型シートとして2軸延伸ポリエチレンテレフタレートシート(東洋紡績社製のE5001、厚み25μm)を準備した。次に準備した離形シートの上に、アクリル系電子線硬化樹脂を塗布し、電子線照射装置を用いて硬化させ、厚み2μmの透明な樹脂層(保護層)を形成した。
次に、第三のプライマー層の材料として、アクリルポリオールとウレタンイソシアネートとの混合物を準備した。準備した第三のプライマー材料を、透明な樹脂層の上に塗布して、厚み1μmの第三のプライマー層を形成した。
次に、クリア層の材料として、アクリルポリオール中にシリカゲルを分散させた混合物を準備した。準備したクリア層の材料を、第三のプライマー層の上に塗布し、厚み2μmのクリア層を形成した。
次に、プライマー層の材料として、表4に示される樹脂固形物の成分およびカップリング剤の混合物を準備した。準備したプライマー層の材料を、クリア層に塗布することにより、厚み1μmのプライマー層を形成した。
次に、プライマー層の上に、真空蒸着法にてスズを厚み60nmで蒸着させることで、スズ薄膜層を形成した。
次に、接着剤として塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体(上記表3の番号1)を準備した。準備した接着剤を、スズ薄膜の上に塗布して、厚み1μmの接着層を形成した。次に、接着層の上に、厚み400μmのABSシートをヒートプレスにて貼合した。
離形シートを剥がし、加飾シートを得た。
[比較例1]
クリア層およびスズ薄膜の間に配置される、プライマー層の材料にカップリング剤を添加しなかったこと以外は、上述した実施例と同様にして、加飾シートを得た。
[評価1]
実施例1-1~1-11、および比較例1において得られた加飾シートにおける湿熱試験前後の色差ΔEabを測定した。結果を表4に示す。
Figure 0007069556000004
なお、表4中の添加量は、樹脂固形物の成分(固形分)100重量部に対する、カップリング剤の重量部を示す。なお、後述する表5~7における添加量も同様である。
カップリング剤を含有する実施例1-1~1-11においては、カップリング剤を含有しない比較例1に比べて湿熱試験後の色差ΔEabが小さくなることが確認された。また、実施例の中でも、エポキシ系カップリング剤を含有する実施例1-1~1-4、およびチオール系カップリング剤を含有する実施例1-5~1-7においては、色差ΔEabが小さくなることが確認された。特に、チオール系カップリング剤においては、色差ΔEabが小さくなることが確認された。
以上から、プライマー層にカップリング剤を添加することにより耐湿熱性を向上させることができることが確認された。また、カップリング剤がエポキシ系カップリング剤を含む場合またはチオール系カップリング剤を含む場合、耐湿熱性をより高くすることができ、特にチオール系カップリング剤を含む場合、耐湿熱性を顕著に高くすることができることが確認された。
[実施例2-1~2-7、比較例2-1~2-7]
クリア層およびスズ薄膜の間に配置される、プライマー層の材料を表5に示される樹脂固形物の成分およびカップリング剤の混合物、または表6に示される樹脂固形物の成分としたこと以外は、実施例1-1または比較例1と同様にして加飾シートを得た。また、得られた加飾シートにおける湿熱試験後の色差ΔEabを測定した。結果を表5および表6に示す。
Figure 0007069556000005
Figure 0007069556000006
表5および表6に示す結果から、プライマー層の樹脂成分を変えた場合も、カップリング剤を含有しない比較例2-1~2-7に比べてカップリング剤を含有する実施例2-1~2-7においては、いずれも色差ΔEabが小さくなることが確認され、耐湿熱性を良好にすることができることが確認された。
[実施例3-1、3-2、比較例3]
第一の接着層に用いられる接着剤を表7に示される接着剤としたこと以外は、実施例1-1および比較例1と同様にして加飾シートを得た。また、得られた加飾シートにおける湿熱試験後の色差ΔEabを測定した。結果を表7に示す。
Figure 0007069556000007
表7の結果から、プライマー層に接する接着層の種類を変えた場合も、カップリング剤を含有しない比較例3-1および比較例3-2に比べてカップリング剤を含有する実施例3-1および実施例3-2においては、ΔEabが小さくなることが確認され、耐湿熱性を良好にすることができることが確認された。
[実施例4-1~4-3]
クリア層およびスズ薄膜の間に配置される、プライマー層の材料を表8に示される材料としたこと以外は、実施例1-1または比較例1と同様にして加飾シートを得た。また、得られた加飾シートにおける湿熱試験後の色差ΔEabを測定した。結果を表5および表6に示す。
Figure 0007069556000008
表8の結果から、プライマー層に含有されるカップリング剤の含有量を変化させた場合も、カップリング剤を含有しない比較例4に比べて、ΔEabが小さくなることが確認され、耐湿熱性を良好にすることができることが確認された。
1 … 金属薄膜層
2 … プライマー層
10 … 加飾シート
20 … 物品
30 … 加飾シート付転写部材
40 … 加飾物品

Claims (6)

  1. 物品の表面に配置され、前記物品を加飾するために用いられる加飾シートであって、
    金属薄膜層と、
    前記金属薄膜層の前記物品が配置される側とは反対側の面に接触させて配置され、樹脂固形物を主体として含有するプライマー層と、を有し、
    前記プライマー層がチオール系カップリング剤をさらに含有し、
    前記金属薄膜層が、スズを含有する、加飾シート。
  2. 前記カップリング剤が、ケイ素元素、アルミニウム元素またはチタン元素を有するカップリング剤を含む、請求項1に記載の加飾シート。
  3. 前記プライマー層における前記樹脂固形物が、アクリルポリオール樹脂およびイソシアネート化合物の硬化物を含む、請求項1または請求項2に記載の加飾シート。
  4. 前記金属薄膜層の前記物品側が配置される側の面に接触させて配置され、前記樹脂固形物を主体として含有する第二のプライマー層をさらに有し、前記第二のプライマー層がカップリング剤を含有する、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の加飾シート。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の加飾シートと、
    前記加飾シートにおける前記プライマー層の前記物品が配置される側とは反対側の面に配置された転写用基材とを有する、加飾シート付転写部材。
  6. 物品と、前記物品の表面に配置された加飾シートとを有する加飾物品であって、
    前記加飾シートが、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の加飾シートであり、前記物品と前記加飾シートの前記金属薄膜層側とが対向して配置されている、加飾物品。
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