JP7068632B2 - 電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電池に関する。
従来より、正極と負極とを捲回または積層して電極体とし、この電極体を外装ケースに収納してなる二次電池が使用されている。電極体と電池ケースとの間には、電極体の収容性を高める目的で、また、電池ケースが金属製の場合には電極体と電池ケースとの間の電気的絶縁を高める目的等で、樹脂フィルムを介在させる構成が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2014/002647号公報
ここで、角型の電池ケースは、一般的に、開口を有する筐体からなるケース本体と蓋部材とにより構成されている。この種の電池は、ケース本体に電極体を収容したのち、ケース本体の開口を蓋部材で蓋して接合することで組み立てられている。ところで、この電池組立工程において、異物が電池ケース内に侵入する場合があることが確認されている。とりわけ金属異物が電極体内に混入した電池は、電池の組立直後には異常が見られないものの、電池の使用に伴って微小な短絡が誘起される場合がある。微小短絡は、電池のサイクル特性や過充電時の安全性等に悪影響を及ぼし得ることから、組立後の電池に対しては微小短絡試験が行われ、良品と判断された電池のみが出荷されている。電池品質および生産性の観点から、電極体への金属異物の混入が抑制された電池であることが望ましい。
そこで本発明の目的は、電極体への金属異物の混入の可能性が低減されている電池を提供することにある。
ここに開示される電池は、角型電池ケースと、上記電池ケース内に収容された電極体と、上記電池ケースと上記電極体との間に配置された絶縁フィルムとを備えている。電池ケースは、開口を有するケース本体と、上記開口を蓋する蓋部材とを備え、ケース本体は、上記開口とは反対側の底面と、上記底面に連続して立設される一対の長側面とを備えている。絶縁フィルムは、一枚のシート状であって、少なくとも上記電極体と上記底面および上記一対の長側面との間にわたって配置されているとともに、上記底面と上記蓋部材とを結ぶ高さ方向における当該絶縁フィルムの一対の端部は、上記電極体よりも上記蓋部材の側に位置している。そして、上記絶縁フィルムには、上記電極体の蓋部材の側の端部に対応する位置と上記一対の端部との間であって、上記高さ方向に直交しかつ上記長側面に沿う幅方向の少なくとも一部に、当該絶縁フィルムの厚み方向に切込みが設けられており、この切込みよりも上記一対の端部の側の領域は上記電極体の側に向かって傾斜する傾斜面を構成している。
電池組立て工程において、電池ケース内には不可避的に金属異物が混入し得る。このような金属異物は、電池製造装置や電池構成材料等の様々な物品に由来し得るが、本発明者らの検討によると、例えば、金属異物は、電池ケースへの電極体の挿入時に、ケース本体と蓋部材との隙間から混入することが多い。そこで、上記のように絶縁フィルムの蓋部材の側に切込みを入れて端部を内側に向けて傾斜させておくことで、ケース本体と蓋部材との隙間から混入した異物を絶縁フィルムの外側に好適にトラップすることができる。これにより、たとえ金属異物が電池ケース内に導入されたとしても、この金属異物が電極体内に混入して、微小短絡を誘起するのを抑制することができる。また、絶縁フィルムに切込みを入れることで、絶縁フィルムの端部を安定して傾斜させることができる。換言すれば、安定した傾斜面を構成することができる。
ここに開示される電池の一態様において、上記傾斜面の傾斜角度は、0°を超えて30°以下である。また、上記高さ方向と上記幅方向とに直交する厚み方向における上記電極体の寸法をTとしたとき、上記傾斜面を構成する上記一対の端部の間の距離Tは、0.53×T以上1×T未満である。
このような構成によれば、傾斜面が電池ケースの内側に向かって入り込みすぎないようにその割合を適切に制御することができる。これにより、例えば、蓋部材に注液孔を備え、ケース本体と蓋部材とを接合したのち電池ケース内に非水電解液を注液する構成の電池において、非水電解液の注液を妨げることなく上記の効果を得ることができるために好ましい。
ここに開示される電池の一態様において、上記切込みの深さは、上記絶縁フィルムの厚みの1/2.5以上1/1.25以下である。
このような構成によれば、絶縁フィルムの傾斜面を傾斜させる際に、絶縁フィルムが切込み部分において破損するのを抑制することができる。これにより、安全性を維持したまま上記効果を得ることができるために好ましい。
ここに開示される電池の一態様において、上記切込みは、上記絶縁フィルムの上記ケース本体に面する側の表面に設けられている。
このような構成によれば、絶縁フィルムの傾斜面を傾斜させやすくなるために好ましい。
ここに開示される電池の一態様において、上記電池ケースは金属製であり、上記ケース本体と上記蓋部材とは溶接されている。
電池ケースが金属製である場合、ケース本体と蓋部材とを嵌め合わせるときに、ケース本体と蓋部材とが擦れて金属異物が発生し、電池ケース内に混入し得る。ケース本体や蓋部材の端部にバリが存在する場合は、擦れによって金属異物が発生する確率が高められる。また、ケース本体と蓋部材とを溶接により接合する場合、溶接スパッタ(溶融金属の微小液滴)が発生して電池ケース内に混入し得る。このように金属異物の混入の可能性が高い電池において本技術の構成を採用することで、当該金属異物に起因する微小短絡がより効果的に抑制されるために好ましい。
一実施形態に係る電池の構造を模式的に示す縦断面図である。 一実施形態に係る電池の構造を模式的に示す横断面図である。 一実施形態に係る絶縁フィルムに設けた切込みについて模式的に説明する要部正面図である。 図3Aの絶縁フィルムに設けた切込みについて模式的に説明する要部断面図である。 他の実施形態に係る電池の構造を模式的に示す横断面図である。 一実施形態に係る電池の傾斜面の傾斜角度と不良品発生率との関係を示すグラフである。 (a)~(d)は絶縁フィルムに折り畳み形態について例示する斜視図である。 一実施形態に係る絶縁フィルムに設けた切込みについて模式的に説明する展開図である。
以下、ここに開示される技術による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本技術の実施に必要な事柄(例えば、本技術を特徴付けない電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本技術は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。なお、本明細書において、数値範囲を示す「A~B」との表記は、A以上B以下を意味する。
本技術における電池は、一次電池であってもよいし、二次電池であってもよい。本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、いわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子等を包含する用語である。以下、電池がリチウムイオン二次電池である場合を例に、本技術について説明する。なお、本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
図1は一実施形態に係る電池1の縦断面図であり、図2はその横断面図である。図中の符号X、Y、およびZは、それぞれ電池1の厚み方向、幅方向、および高さ方向を示している。また、符号U、Dは、それぞれ電池1の高さ方向の上と下とを示している。本実施形態において、厚み方向X、幅方向Yおよび高さ方向Zはそれぞれ直交している。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、本電池の構成、配置、使用等の態様を何ら限定するものではない。
本実施形態の電池ケース10は、厚みの薄い(扁平な)直方体形状を有している。電池ケース10は、ケース本体12と、蓋部材14とを備えている。ケース本体12は、有底の角筒形であり、一つの面が開口した筐体である。蓋部材14は、ケース本体12の開口に装着されて、ケース本体12の開口を密閉する。なお、以下の説明では、ケース本体12の開口がある側を上、ケース本体12の底のある側を下と呼ぶ場合がある。電池ケース10の材質は特に制限されない。一例として、電池ケース10は、高強度であり比較的軽量で熱伝導性が良好な金属材料であることが好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケルめっき鋼等であってよい。
ケース本体12は、一対の長側面12aと、底面12bと、一対の短側面12cとを有している。底面12bは、高さ方向Zに直交する。一対の長側面12aは、厚み方向Xに直交し、底面12bに連続して立設されている。一対の短側面12cは、幅方向Yに直交し、底面12bおよび一対の長側面12aに連続して立設されている。ケース本体12は、これら一対の長側面12a、底面12b、および一対の短側面12cにより囲まれることで構成される内部空間(キャビティ)を有する。ケース本体12は、その上部の開口を通して絶縁フィルム30および電極体20を内部空間に収容する。
蓋部材14には、外部接続用の正極端子42および負極端子44が、蓋部材14とは絶縁された状態で取り付けられている。正極端子42および負極端子44は、電池ケース10(蓋部材14)を貫通して電池ケース10の外部に突出している。正極端子42および負極端子44は、電池ケース10内で、正極集電端子42aおよび負極集電端子44aに電気的に接続されるとともに機械的に固定されている。なお、これらの正極集電端子42aおよび負極集電端子44aは、銅、ニッケル、アルミニウム合金等の電気伝導性の良好な金属により構成することができる。本実施形態における蓋部材14には電池ケース10内の内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁16と、非水電解液を注入するための注液孔18aとが設けられている。注液孔18aは、注液栓18bによって気密に封止されている。絶縁フィルム30および電極体20を収容したケース本体12は、蓋部材14が溶接等により接合されている。
電極体20は、電池1の蓄電要素である。本実施形態における電極体20は、捲回型電極体である。電極体20は、長尺のシート状の正極22と、長尺のシート状の負極24とを、2枚の長尺シート状のセパレータ26を介して互いに絶縁して重ね合わせた状態で、正・負極22、24の長手方向に直交する幅方向を捲回軸として捲回され、断面が長円形となるように成形されている。この電極体20は、正・負極22、24の幅方向(すなわち捲回軸方向)が電池ケース10の幅方向Yに、断面の長円形の長軸が高さ方向Zとなるように、電池ケース10内に収容されている。ここで、電極体20の正極22は正極集電端子42aに、負極24は負極集電端子44aに溶接されている。正極集電端子42aおよび負極集電端子44aは、それぞれ幅方向Yの両端において電極体20に固定され、電極体20を蓋部材14から離間した位置に安定的に支持している。これにより、電極体20は、電池ケース10内での位置が規定されるとともに、電池ケース10とは離間されつつ、正極端子42と負極端子44とにそれぞれ電気的に接続される。
電極体20と電池ケース10の内壁との間には、当該電極体20と電池ケース10とを隔離する絶縁フィルム30が配置されている。絶縁フィルム30は、例えば、体積抵抗率が1×1013Ωcm以上の絶縁性を備える樹脂材料により構成されている。絶縁フィルム30は、一枚のシート状である。絶縁フィルム30は、少なくとも電極体20とケース本体12の底面12bおよび一対の長側面12aとの間にわたって、電極体20を下から覆うように配置されている。そしてこの絶縁フィルム30の一対の端部30aは、高さ方向Zにおいて、電極体20よりも蓋部材14の側、すなわち電極体20よりも上方に位置している。絶縁フィルム30はまた、幅方向Yの端部が折曲げられるなどして、電極体20とケース本体12の一対の短側面12cとの間にも配置されている。この絶縁フィルム30によって、電極体20と長側面12a、延いては電極体20と電池ケース10との直接的な接触が回避され、かつ、電極体20と電池ケース10とが電気的に絶縁される。
絶縁フィルム30には、図3Aに示すように、幅方向Yに沿って切込みNが設けられている。換言すると、切込みNは、高さ方向Zに直交しかつ長側面12aに沿う幅方向Yの少なくとも一部に設けられている。また、切込みNは、高さ方向Zにおいて、電極体20の上方の端部20aに対応する位置と、絶縁フィルム30の上方の端部30aとの間に設けられている。切込みNは、絶縁フィルム30の表面のうち、電池ケース10の長側面12aに面する側の表面に設けられている。そして、切込みNよりも端部30aの側(すなわち上方)の領域は、電極体20の側に向かって傾斜する傾斜面32を構成している。傾斜面32は、端部30aに向かうにつれて、その位置が電池ケース10の幅方向Xの中心の側に徐々に向かうように傾斜している。絶縁フィルム30の一対の端部30aに傾斜面32が設けられていることで、絶縁フィルム30の上端部は、横断面視でハの字状であって、端部30aに向かうほど間隔が狭くなっている。このことにより、蓋部材14とケース本体12との隙間から侵入した金属異物をトラップすることができる。また、傾斜面32によってトラップした金属異物を電池ケース10と絶縁フィルム30との隙間に滑り込ませて、この金属異物が電極体20内に入り込むのを抑制し、無害化することができる。また、絶縁フィルム30に切込みNが設けられていることで、切込みNよりも上方の傾斜面32が可能となるとともに、この傾斜面32を安定して傾斜させることができる。なお、これに限定されるものではないが、傾斜面32は、図2に示されるように概ね平坦な板状であることが好ましい。しかしながら、傾斜面32は、金属異物をトラップするとの目的を損ねない範囲において、曲面を含んでいてもよい。
なお、長側面12aに対する傾斜面32の傾斜角度(折れ曲りの角度)θは、0°よりも大きいことで、傾斜面32がない場合(傾斜角度0°)と比較して、蓋部材14とケース本体12との隙間から侵入する金属異物をトラップする作用が発現する。また、傾斜面32は、傾斜角度θが大きくなるほど金属異物をトラップする効果が高められる。傾斜面32の傾斜角度θは、絶縁フィルム30の上方の端部30aから切込みNまでの寸法にもよるため一概には言えないものの、1°以上であることが好ましく、5°以上がより好ましく、例えば10°以上であるとよい。なお、金属異物は蓋部材14とケース本体12との隙間から侵入するため、電極体20よりも上方の領域では、金属異物がケース本体12の厚み方向Xで中央に近い距離まで奥に侵入する可能性は低い。このことに伴い、傾斜面32が金属異物をトラップする効果は、傾斜角度θが30°程度を越えると概ね飽和し得る。かかる観点から、例えば、傾斜面32の傾斜角度θは、例えば、30°程度を上限の目安として設定することが例示される。傾斜面32の傾斜角度θの上限を30°程度とすることで、傾斜面32が一つの金属異物をトラップするの衝撃を好適に緩和することができる。これにより、傾斜面32が一つの金属異物をトラップした後にも、傾斜角度θを増大させたりすることなく、ひきつづき金属異物をトラップする作用を維持することができる。なお、他の側面において、電池1が非水電解液を備える構成であって、蓋部材14の注液孔18aから電池ケース10内に非水電解液を注液する場合は、傾斜面32がケース本体12の厚み方向Xで中央付近まで及ぶことは注液性の面において好ましくない。すなわち、注液孔18aから供給された非水電解液をも傾斜面32がトラップし、非水電解液が電極体20に直接供給されるのを阻害し得るために好ましくない。かかる観点においても、傾斜面32の傾斜角度θは、例えば、30°程度を上限の目安として設定するとよい。
傾斜面32を構成する一対の端部30aの間の距離Tは、例えば、厚み方向Xにおける電極体20の寸法をTとしたとき、1×T未満であるとよい。これにより、傾斜面32がない場合(傾斜角度0°)と比較して、蓋部材14とケース本体12との隙間から侵入する金属異物をトラップする作用が発現する。距離Tは、0.98×T以下であってよく、0.95×T以下であるとよく、例えば0.9×T以下、0.85×T以下、0.8×T以下、0.75×T以下、0.7×T以下等であってよい。また距離Tは、例えば、0.53×T以上であるとよい。これにより、過剰に広い傾斜面32を設けることなく効率的に金属異物をトラップすることができる。また、非水電解液を蓋部材14の注液孔18aから注液する構成の電池1では、非水電解液の注液性を損なう虞がない点においても好ましい。距離Tは、0.55×T以上であってよく、0.6×T以上であるとよく、例えば0.65×T以上等であってよい。
また、傾斜面32を構成する一対の端部30aの間の折曲げ前の高さ寸法Hは、これに限定されるものではないが、例えば、ケース本体12の長側面12aの部分の板厚をTとしたとき、135×T以上とするとよい。これにより、上記端部間距離を好適に実現しうる傾斜面32を形成することができる。高さ寸法Hは、136.25×T以上であってよく、137×T以下であってよい。また高さ寸法Hは、例えば、150×T以下であるとよい。これにより、過剰に広い傾斜面32を設けることなく上記端部間距離を好適に実現しうる傾斜面32を形成することができる。高さ寸法Hはは、149.75×T以下であってよく、148×T以下であるとよく、例えば145×T以下等であってよい。
このような切込みNは、上述のとおり、高さ方向Zにおいて、電極体20の上方の端部20aに対応する位置と、絶縁フィルム30の上方の端部30aとの間に設けられている。高さ方向Zにおける切込みNの位置と電極体20の端部20a位置との差Tは、例えば、0~3mm程度であってよい。電極体20が捲回型電極体である場合は、図2に示すように、電極体20は横断面において上方の端部20aが湾曲していて角がない。そのため、切込みNを端部30aよりも下方(例えば、0~-3mm程度の範囲)に設けても、電極体20と傾斜面32とが接触する可能性が低いと考えられる。しかしながら、傾斜面32を折曲げ加工する際や、電池使用時の振動発生時などに、絶縁フィルム30が電極体20に接触して電極体20が損傷する虞がある。かかる観点で、差Tは、例えば、0~3mmの範囲で設定するとよい。また、電極体20が後述する積層型電極体である場合は、図4に示すように、電極体20は横断面において上方の端部20aに角張る。そのため、電極体20の角部と絶縁フィルム30とが接触して絶縁フィルム30が破損する可能性がある。したがって、電極体20が後述する積層型電極体である場合は、切込みNを端部30aよりも上方、例えば、差Tが0.5~3mm程度の範囲に設けるとよい。
また、切込みNは、幅方向Yの少なくとも一部に設けられている。金属異物をより高い確率でトラップするとの観点からは、切込みNは、電極体20の幅方向Yの寸法を100%としたとき、50%以上の長さにわたって設けられていることが好ましい。切込みNの幅方向Yの寸法は、60%以上が好ましく、70%以上、80%以上、90%以上、例えば100%であることが好ましい。なお、正極集電端子42aおよび負極集電端子44aの形状や取り付け位置によっては、傾斜面32が、正極集電端子42aおよび負極集電端子44aと干渉する場合があり得る。このような場合は、正極集電端子42aおよび負極集電端子44aと干渉する可能性がある位置について、傾斜面32は設けなくてもよい。なぜならば、正極集電端子42aおよび負極集電端子44aの存在により、金属異物が電極体20の内部にまで侵入することが抑制され得るためである。例えば、正極集電端子42aおよび負極集電端子44aがともに、電極体20の幅方向(厚み方向)Xの一の面において電極体20と接合されているとき、電極体20の当該一の面の側に配置される絶縁フィルム30は、正極集電端子42aおよび負極集電端子44aに面する位置において傾斜面32を設けず、その他の位置において傾斜面32を設けるとよい。また、電極体20の上記一の面とは反対側の他の面の側に配置される絶縁フィルム30は、例えば、幅方向Yで電極体20の寸法の100%にわたって傾斜面32を設けるとよい。
なお、ここに開示される絶縁フィルム30は、蓋部材14とケース本体12との隙間から侵入する金属異物を積極的にトラップするように構成されている。そこで、絶縁フィルム30とケース本体12との間には、トラップした金属異物がケース本体12の下方に通過できるように隙間Tが設けられているとよい。このような隙間Tは、ターゲットとする金属異物の大きさに応じて、例えば、0.1mm以上であってよく、0.2mm以上、0.3mm以上、0.4mm以上とするとよい。しかしながら、電池1は体積エネルギー密度を高くすることも求められる。かかる観点から、隙間Tは、例えば0.8mm以下程度、0.7mm以下程度とするとよい。なお、この隙間Tは、電極体20が充電操作等により膨潤していない状態を基準として考慮するとよい。これにより、トラップした金属異物が、その後の電池使用時に電極体20の内部へ侵入することを好適に抑制することが可能な構成が実現される。
切込みNは、図3Bに示すように、絶縁フィルム30の総厚みtよりも浅い深さtで設けられている。切込みNは、例えば、いわゆるハーフカット加工により形成されている。絶縁フィルム30の切込みNの深さtは、例えば、絶縁フィルム30の総厚みtに対する比t/tが1/2.5以上程度となるように設定するとよい。これにより、切込みNの深さを十分に深くとることができ、切込みNよりも端部30a側を傾斜させて傾斜面32を構成したときに、切込みN部分で絶縁フィルム30に亀裂が発生したり割れたりして破損するのを好適に抑制することができる。比は、例えば1/2.3以上であってよく、1/2以上であるとよい。また、比(t/t)は、1/1.25以下程度となるように設定するとよい。これにより、切込みN部分の残肉量を十分にとることができ、切込み部分の絶縁フィルム30の強度を確保して、切込みN部分で絶縁フィルム30が避けたり亀裂が発生して破損するのを好適に抑制することができる。比(t/t)は、例えば1/1.25超過がより好ましく、1/1.5以上であってよく、1/1.75以上であるとよい。なお、図3Bにおいて、切込みNは、断面がV字形となるように設けられているがこれに限定されない。切込みNの断面形状は、V字形の他に、U字形(角無し)、コの字形(角有り)、1本または複数本のスリット(ライン状)等のいずれの形態であってもよい。
以上のような絶縁フィルム30を構成する材料は特に制限されず、上記のとおりの電気的絶縁性を有する各種の材料で構成される。絶縁フィルム30の体積抵抗率は、例えば、1×1015Ωcm以上であってよく、1×1018Ωcm以上であってよい。また、自動車の駆動用電源などとして用いられる電池1については、ハイレートで高い出力が要求され、また使用時に電池に対して振動が付与され得る。このような用途で用いられる電池1に使用される絶縁フィルム30は、電池の蓄熱に対する耐熱性を有するべく、例えば、融点が120℃以上であるとよい。また、例えば、上記の傾斜面32の傾斜角度を好適に維持するとの観点からは、25℃における引張強度が20N/10mm以上程度であるとよい。このような絶縁フィルム30としては、これに制限されるものではないが、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン系樹脂からなる延伸又は無延伸のシート状樹脂を好ましく用いることができる。例えば、ポリプロピレンのホモポリマーからなる絶縁フィルム30が好ましい例としてあげられる。絶縁フィルム30の厚みは厳密には制限されないものの、例えば平均厚みが100μm以上程度であるとよく、所望の電池構成等にあわせて適宜変更することができる。例えば、絶縁フィルム30の平均厚みは、110μm以上200μm以下程度とすることができる。
なお、図6に、絶縁フィルム30の代表的な構成例について、電池1から絶縁フィルム30のみを抽出して示した。図6(a)に示す絶縁フィルム30は、長方形の一枚の絶縁フィルム30を折曲げ加工することにより構成されている。絶縁フィルム30は、例えば、長手方向の中心にケース本体12の底面12bに対応する底面部分を有する。また、底面部分に連続しこの底面部分を長手方向で挟むように、ケース本体12の長側面12aに対応する一対の長側面部分を有する。絶縁フィルム30は、さらに、長側面部分に連続しこれらの長側面部分を長手方向で挟むように、一対の傾斜面32を有する。絶縁フィルム30は、底面部分と一対の長側面部分および傾斜面32とにより、電極体を下方から覆うように構成されている。一対の長側面部分の両端には、ケース本体12の短側面12cに対応する計4つの短側面部分を有する。底面部分の両端には、それぞれ、短側面部分と協働してケース本体12の短側面12cに対応する部分を構成したり、短側面部分と重複する重なり部分となったりする計2つのマチ部分を有する。短側面部分とマチ部分とを適切に折畳むことで、例えば絶縁フィルム30を溶着したりテープ等の固定手段で貼着しなくても、絶縁フィルム30を電極体を覆った形状に維持することができる。長方形の絶縁フィルム30のうち、ケース本体12の短側面12cに対応する部分と傾斜面32との両方に連続する4つの角部では、短側面12cに対応する部分と傾斜面32との接点から斜め上方に谷折りしている。これにより傾斜面32の角度が安定される。図6(b)に示す絶縁フィルム30は、(a)の長方形の絶縁フィルム30から、上記の4つの角部と、正極集電端子42aおよび負極集電端子44aに干渉する部分の傾斜面32とを取り除いている。これにより、折畳み加工が簡略化される。図6(c)に示す絶縁フィルム30は、(a)の長方形の絶縁フィルム30から、底面12bに対応する部分と短側面12cに対応する部分との両方に連続する部分(上記マチ部分)に、幅方向Y(または厚み方向X)に沿ってスリットを入れている。これにより、絶縁フィルム30の下方の端部を、例えば捲回型電極体の湾曲部に沿って湾曲させることができる。図6(d)に示す絶縁フィルム30は、折曲げ後の形状は(b)の絶縁フィルム30と同じであるが、長手方向の中心に一つの短側面部分が配置され、これを長手方向で挟むように、一対の長側面部分および他の短側面部分が配置されて構成されている。底面部分および傾斜面は、例えば長側面部分に連続してその側方に設けられている。このように、絶縁フィルム30の展開パターンは特に限定されず、任意の展開パターンを折曲げ加工することによって構成することができる。
なお、電極体20について、正極22および負極24には、従来のリチウムイオン二次電池に用いられているものと同様のものを特に制限なく使用することができる。典型的な一態様を以下に示す。
正極22を構成する正極集電体としては、例えばアルミニウム箔等が挙げられる。正極活物質層に含まれる正極活物質としては、例えばリチウム遷移金属酸化物(例、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi0.5Mn1.5等)、リチウム遷移金属リン酸化合物(例、LiFePO等)等が挙げられる。正極活物質層は、活物質以外の成分、例えば導電材やバインダ等を含み得る。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(例、グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。
負極24を構成する負極集電体としては、例えば銅箔等が挙げられる。負極活物質層に含まれる負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料;チタン酸リチウム(LiTi12:LTO);Si;Sn等を使用し得る。負極活物質層は、活物質以外の成分、例えばバインダや増粘剤等を含み得る。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
セパレータ26としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から成る多孔性シートが挙げられる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ26の表面には、耐熱層(HRL)が設けられていてもよい。
非水電解液は、非水溶媒に、電解質塩を溶解したものを好ましく用いることができる。電解質塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、Li(CFSON、LiCFSO等のリチウム塩が挙げられる。非水溶媒としては、電解質塩を溶解可能な限り特に制限はなく、カーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類等を用いることができる。なかでも、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等のカーボネート類の使用が好ましい。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。電解質塩の濃度は、電解質塩の種類によって適宜決定すればよく、典型的には0.5mol/L以上5mol/L以下であり、好ましくは0.7mol/L以上2.5mol/L以下である。なお、非水電解液には、本技術の効果を著しく損なわない限りにおいて、例えば、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;その他の被膜形成剤;分散剤;増粘剤等を含んでいてもよい。
以上のようにして構成されるリチウムイオン二次電池1は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。リチウムイオン二次電池1は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
なお、上記説明では、扁平捲回型の電極体20を備える角形のリチウムイオン二次電池1について説明した。しかしながら、電池1は、複数の板状の正極22および負極24がセパレータ26を介して積層された積層型電極体20を備えていてもよい。また、電池1は、非水電解液に代えて、固体電解質やゲル状電解質を備えていてもよい。この場合、電池ケース10の蓋部材14には、注液孔18aおよび注液栓18bが備えられていなくてもよい。
以下、本技術に関する実施例を説明するが、本技術をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
〔評価用リチウムイオン二次電池の作製〕
電池ケースとして、角型のケース本体と蓋部材とからなるアルミニウム合金製の電池缶を用意した。蓋部材には、予め正極集電端子および負極集電端子を溶接した。絶縁フィルムとして、厚みが約0.15mmのポリプロピレン製のフィルムを用意した。また、電解質として、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とをEC:DMC:EMC=30:40:30の体積比で混合した混合溶媒に、LiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解させた非水電解液を用意した。なお、蓋部材には、電解液を電池ケース内に注液するための注液孔と、この注液孔を封止する封口部材とが備えられている。
正極活物質粉末としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(LNCM)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、LNCM:AB:PVdF=87:10:3の質量比でN-メチルピロリドン(NMP)と混合し、正極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、長尺状のアルミニウム箔の幅方向の一端に沿って非塗工部を残し、その他の領域に帯状に両面に塗布して乾燥した後、ロールプレスすることにより、正極シートを作製した。
負極活物質として、天然黒鉛系炭素材料(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比でイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、長尺状の銅箔の幅方向の一端に沿って非塗工部を残し、その他の領域に帯状に両面に塗布して乾燥した後、ロールプレスすることにより、負極シートを作製した。
セパレータシートとして、PP/PE/PPの三層構造の多孔質ポリオレフィンシートを2枚用意した。そして、正極シートと負極シートとをセパレータシートを介して互いに絶縁させた状態で積層し、断面が略長円形となるように捲回することで電極体を作製した。正極シートと負極シートとは、負極活物質層が正極活物質層の両端から幅方向で突出するように、また、正極シートおよび負極シートの非塗工部(集電箔)が幅方向の異なる方向に突出するように重ね合わせた。この電極体の捲回の軸方向の両端に突出している正極および負極の非塗工部に、正極集電端子および負極集電端子をそれぞれ溶接することで、電極体を蓋部材に取り付けた。
次いで、蓋部材に固定された電極体を絶縁フィルムで覆った。具体的には、長方形の絶縁フィルムの一方の面に、予め、図7に示すようにハーフカット加工を施し、折曲げ加工のための切込線を設けた。なお、2本の切込線Nについては、切込深さを0.05mm、0.06mm、0.12mm、0.13mmの4通りに変化させ、その他の切込線については切込深さを0.1mmで一定とした。図7の切込線は、その後の折畳み加工にて、点線が山折、一点鎖線が(最終的に)谷折となることを示している。
そして、切込線を入れた面が外側(つまり、電極体に触れない側)となるように、絶縁フィルムの底面部分Bを電極体の底部(蓋部材とは反対の側の端部)に当接させ、まず絶縁フィルムの前長側面部分Fと後長側面部分Reとを上方に折り上げた。次に、絶縁フィルムの左マチ部分Sと右マチ部分Sとを上方に折り上げたのち、左短側面部分SL1、SL2と、右短側面部分SR1、SR2とを厚み方向Xの中心に向けてそれぞれ折畳んだ。ここで、マチ部分S、Sと短側面部分SL1、SL2、SR1、SR2との境界近傍は、切込線にしたがって折畳むことで重なり部分を収めた。次いで、短側面部分SL1、SL2、SR1、SR2の上方に位置する角部CL1、CL2、CR1、CR2を幅方向の中心側に折曲げるとともに、後傾斜面Uを前方に、前傾斜面Uを後方に傾斜するように折曲げた。なお、前傾斜面Uおよび後傾斜面Uの側面視における傾斜角度は、下記表1に示すとおり0°~31°の間で様々に変化させた。本実施形態では、切込線Nを設けることで、絶縁フィルムの残留応力により前傾斜面Uおよび後傾斜面Uが若干傾斜することが確認されたため、傾斜角度0°とするサンプルについては切込線Nを設けなかった。なお、この絶縁フィルムは、切込みを入れない箇所では折り曲がらない性状のものである。
蓋部材に固定し絶縁フィルムで覆った各例の電極体について、絶縁フィルムの前傾斜面Uおよび後傾斜面Uの折曲げ加工部分の様子を確認した。切込線の深さを0.06mm(厚みの1/2.5)、0.12mm(厚みの1/1.25)とした例では、前傾斜面Uおよび後傾斜面Uの折曲げ加工部分で特に異常は確認されなかった。しかしながら、絶縁フィルムの切込線の深さを0.05mm(絶縁フィルムの厚みの1/3)と浅くしたサンプルでは、絶縁フィルムの残肉量が比較的厚く、折曲げ加工の際の傾斜角度によっては切込頂部に応力が集中して亀裂が発生したり、絶縁フィルムの破れに至る場合があることが確認された。一方、切込線の深さを0.13mm(絶縁フィルムの厚みの1/1.14)と深くしたサンプルでは、絶縁フィルムの残肉量が比較的薄く、折曲げ加工の際の傾斜角度によっては絶縁フィルムの端部において深さ方向に切込が進展したり、絶縁フィルムに破れが発生する場合があることが確認された。使用する絶縁フィルムの物性や傾斜角度等にもよるものの、切込深さは、絶縁フィルムの厚みのおおよそ1/3より深くしたり、また、絶縁フィルムの厚みのおおよそ1/1.14より浅くしたりすると安心できる。より信頼性の高い電池を得るとの観点から、以下の評価は、切込線の深さを0.05mmとしたサンプルについてのみ実施した。
〔注液性の評価〕
蓋部材に固定し絶縁フィルムで覆った各例の電極体の一部を、非水電解液の注液性の確認用のサンプルとし、注液性の評価を行った。すなわち、蓋部材に固定し絶縁フィルムで覆った各例の電極体を、ケース本体の上部の開口からケース本体に挿入し、蓋部材をケース本体に嵌め合わせた。次いで、ケース本体と蓋部材とを溶接することなく、蓋部材の注液孔から所定量(42g)の非水電解液を、注液ノズルを介して注液速度45g/minで電池ケース内に注液した。そして、ケース本体から蓋部材をゆっくりと持ち上げ、絶縁フィルム内の電極体に非水電解液が供給されているかどうかを確認した。具体的には、注液した電解液が全て絶縁フィルム内に供給されているかどうかを確認し、絶縁フィルム内に非水電解液が全て供給された場合を「○」、非水電解液が絶縁フィルムから外部に溢れてしまった場合を「×」として、下記の表1の「注液性」の欄に示した。
〔微小短絡による不良品発生率〕
絶縁フィルムで覆った各例の電極体の残りの一部を、金属異物の混入の有無の確認用のサンプルとし、微小短絡による不良品発生率を調べた。すなわち、まず、蓋部材に固定し絶縁フィルムで覆った電極体を、ケース本体の上部の開口からケース本体に挿入し、蓋部材をケース本体に嵌め合わせた。その後、蓋部材とケース本体とをレーザー溶接することで電池ケースを封止した。次いで、蓋部材の注液孔から所定量の非水電解液を電池ケース内に注液し、注液孔を封口部材で塞いだのち、注液孔と封口部材とをレーザー溶接することで電池ケースを気密に封止した。これにより、評価用のリチウムイオン二次電池(電池組立体)を得た。なお、絶縁フィルムの前傾斜面Uおよび後傾斜面Uの傾斜角度および切込深さを変えた電池は、各条件ごとに40個以上ずつ用意した。
用意した各評価用リチウムイオン二次電池を25℃の恒温槽内にて安定させたのち、活性化処理を施した。活性化処理としては、各リチウムイオン二次電池に対し、0.3Cの電流値で4.1Vまで定電流充電し、0.3Cの電流値で3.0Vまで定電流放電する充放電処理を3回繰り返すものとした。
次いで、各リチウムイオン二次電池に対し、0.2Cの電流値で3.5Vまで定電流充電した後、電流値が1/50Cになるまで定電圧充電を行い、初期充電状態とした。その後、各リチウムイオン二次電池を25℃の恒温槽内にて保管し、7日間にわたってセル電圧の推移を確認した。そして保管期間中にセル電圧が0.1Vにまで低下したものを、微小短絡が発生していると判断し、不良品と評価した。そして、次式:不良品発生率(%)=各条件で発生した不良品セル数/各条件で用意したセル数×100;にて不良品発生率を算出し、その結果を下記の表1の「不良品発生率」の欄と、図5とに示した。
Figure 0007068632000001
図5に示すように、絶縁フィルムの上端を切込みNにより傾斜させて前傾斜面Uおよび後傾斜面Uとすることで、微小短絡試験による不良品発生率を低減できることが判った。不良品発生率は、傾斜角度が増えるにつれてきれいに低減する傾向にあることが判った。このことから、絶縁フィルムをケースの内側に向けて傾斜させることで、電池組立時に不可避的に混入する金属異物が電極体内に混入して微小短絡に至る割合を効果的に抑制できることが判った。換言すると、絶縁フィルムの上端が内側に傾斜していることで、金属製の電池ケースの蓋部材とケースと本体との嵌め合わせ時にケース内に混入する金属異物や、溶接時に発生する溶接スパッタに由来する金属異物を絶縁フィルムの外側に好適にトラップし、これらの金属異物が微小短絡の原因となるのを抑制できることが確認された。なお、具体的なデータは示していないが、切込深さを0.12mmとしたサンプルについても、概ね同様の結果が得られている。
ただし、表1に示されるように、絶縁フィルム切込深さに依らず、前傾斜面Uおよび後傾斜面Uの傾斜角度が30°を超えると、非水電解液の注液性が良好でないことが確認された。前傾斜面Uおよび後傾斜面Uの傾斜角度が30°を超えると、非水電解液が絶縁フィルムの内部に注液され難くなる可能性があり、延いては、非水電解液が電極体に含浸され難くなる可能性が生じるといえる。したがって、前傾斜面Uおよび後傾斜面Uの高さ方向の寸法にも依るものの、非水電解液を注液するタイプの電池においては、前傾斜面Uおよび後傾斜面Uの傾斜角度はおおよそ30°以下程度に抑えることが好適であるといえる。
以上のことから、上記した本実施形態に係る電池によれば、不可避的に電池ケース内に入り込む金属異物が電極体に混入するのを抑制し、この金属異物に起因する微小短絡の発生を抑制できることがわかる。以上、本技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 電池
10 電池ケース
12 ケース本体
14 蓋部材
20 電極体
30 絶縁フィルム
32 傾斜面
N 切込み

Claims (5)

  1. 角型の電池ケースと、前記電池ケース内に収容された電極体と、前記電池ケースと前記電極体との間に配置された絶縁フィルムとを備え、
    前記電池ケースは、開口を有するケース本体と、前記開口を蓋する蓋部材とを備え、
    前記ケース本体は、前記開口とは反対側の底面と、前記底面に連続して立設される一対の長側面とを備え、
    前記絶縁フィルムは、一枚のシート状であって、少なくとも前記電極体と前記底面および前記一対の長側面との間にわたって配置されているとともに、前記底面と前記蓋部材とを結ぶ高さ方向における当該絶縁フィルムの一対の端部は、前記電極体よりも前記蓋部材の側に位置しており、
    ここで、前記絶縁フィルムには、前記電極体の蓋部材の側の端部に対応する位置と前記一対の端部との間であって、前記高さ方向に直交しかつ前記長側面に沿う幅方向の少なくとも一部に、当該絶縁フィルムの厚み方向に切込みが設けられており、
    前記切込みよりも前記一対の端部の側の領域は前記電極体の側に向かって傾斜する傾斜面を構成しており
    前記傾斜面の傾斜角度は、10°以上30°以下である、電池。
  2. 前記高さ方向と前記幅方向とに直交する厚み方向における前記電極体の寸法をTとしたとき、前記傾斜面を構成する前記一対の端部の間の距離Tは、0.53×T以上1×T未満である、請求項に記載の電池。
  3. 前記切込みの深さは、前記絶縁フィルムの厚みの1/2.5以上1/1.25以下である、請求項1または2に記載の電池。
  4. 前記切込みは、前記絶縁フィルムの前記ケース本体に面する側の表面に設けられている、請求項1~のいずれか1項に記載の電池。
  5. 前記電池ケースは金属製であり、前記ケース本体と前記蓋部材とは溶接されている、請求項1~のいずれか1項に記載の電池。
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