JP7067954B2 - ベイトホルダ及びホルダユニット - Google Patents

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Description

この発明は、釣餌を保持するベイトホルダ及びこれに適用されるホルダユニットの構造に関するものである。
たとえばタチウオ釣りにおいては、「テンヤ」と称されるベイトホルダーが仕掛けに組み込まれる。一般にベイトホルダーは、錘の機能を有するヘッドと、ベイト(典型的にはイワシやキビナゴ)を保持する保持部と、ベイトにアタックしてきたターゲットにフッキングする釣針とを備えている(特許文献1参照)。この釣針は、軸部、腰部及び先曲部を有し、腰部及び先曲部が下方に向いた状態で軸部の基端が上記ヘッドに接続される。
上記釣針の軸部に刺針が突設されており、この刺針の先が上方を向くように配置される。この刺針は、ベイトを固定するための巻付けワイヤを備えている。上記保持部は、上記軸部、刺針及び巻付けワイヤによって構成されている。実釣において釣人は、ベイトとしてのイワシやキビナゴを上記刺針に突き刺して上記軸部上に配置し、その状態で上記巻付けワイヤを当該ベイトに巻き付ける。これにより、上記ベイトは上記軸部及び刺針に固定され、ベイトホルダーによって保持された状態となる。
釣人が釣果を上げるためには、ターゲットの摂餌行為が活発になる時間帯(いわゆる「地合」)において、ベイトの着脱作業を迅速に行う必要がある。ところが、ベイトとしてのイワシの身、特に冷凍あるいは解凍されたイワシの身は非常に脆く、前述の要領で素早くイワシをベイトホルダーに装着する作業は容易ではない。特に、ベイトの取替作業時、すなわち、ターゲットがアタックすることによりイワシが身崩れを起こすと共に巻付けワイヤが絡み合っている状況において、当該イワシを上記保持部から取り外す作業は、非常に煩わしいものとなる場合もあった。
このような不都合を解消するために、出願人は、簡単な操作でベイトを素早く交換することができるベイトホルダを提案した(特許文献2参照)。このベイトホルダは、イワシを側方からサポートするガードを備えており、このガードは、釣針の軸部に設けられている。また、このベイトホルダは、補助アームを備えている。この補助アームは、イワシを固定する固定針を備えており、上記軸部に上方から近接した近接姿勢と、上記軸部から上方へ離反した離反姿勢との間で変位する。この補助アームが近接姿勢に変位したときに、上記固定針が上方からイワシの背中に突き刺さり、イワシが固定される。補助アームが離反姿勢に変位することにより、イワシが簡単に軸部から取り外される。つまり、釣人が軸部にイワシを乗せるだけで上記ガードが当該イワシをサポートし、さらに、釣人は、補助アームを操作することにより、簡単にイワシを着脱することができる。
特開2003-230330号公報 特開2012-120496号公報
ところで、特許文献2に開示されたベイトホルダは、補助アームが弾性変形することにより変位し、軸部に係合することができるようになっている。そのため、このベイトホルダが大型のタチウオをターゲットとする船釣りに供された場合、釣人が仕掛けを水中で激しく操作すれば、上記補助アームが弾性変形して軸部から外れてしまうおそれがある。また、補助アームは屈曲された金属線からなるため、水中で補助アームに釣糸が引っかかりやすい。その結果、複数の釣人が同船した場合に、隣り合う釣人の仕掛けが補助アームに絡まってしまうおそれもある。
本発明はかかる背景のもとになされたものであって、その目的は、イワシやキビナゴ等の柔らかいベイトを簡単な操作で確実に保持すると共に、船釣り等に使用された場合にも釣糸が絡みにくいベイトホルダを提供することである。
(1) 本発明に係るベイトホルダは、餌釣り仕掛けに適用され、ベイトフィッシュをホールドするベイトホルダであって、 釣糸が接続され得るアイを有するシンカーヘッドと、一端が上記シンカーヘッドに固定された真直に延びる軸部並びに当該軸部に連続する腰部及び先曲部を有する釣針部と、 上記軸部に突設され、当該軸部に沿って配置されたベイトフィッシュに突き刺さる固定針と、上記軸部を基準に回動することにより、上記固定針を内側に配置した状態で互いに近接する保持姿勢と互いに離反する開放姿勢との間で姿勢変化する一対の樹脂又はゴムからなる挟持片とを有する。
この構成によれば、釣人は、一対の挟持片を開放姿勢に変位させ、ベイトフィッシュを軸部に沿って当該軸部上に配置する。このとき、軸部上に配置されたベイトフィッシュに固定針が突き刺さるので、ベイトフィッシュは、軸部上に安定して配置される。この状態で、一対の挟持片が保持姿勢に変位される。つまり、一対の挟持片は、軸部を回動基準として回動し、上記固定針及びベイトフィッシュを内側に配置して側方から包むように囲繞する。各挟持片は、金属線ではなく樹脂又はゴムからなるので、水中で操作された場合にも変形しにくい。したがって、ベイトフィッシュが確実に保持され、釣人が意図せずにベイトフィッシュが脱落することが防止される。加えて、上記挟持片は樹脂又はゴムからなるので、釣糸が絡みにくい。一対の挟持片が開放姿勢に変位すると、当該挟持片が軸部上のベイトフィッシュから離反するので、釣人は、ベイトフィッシュを素早く取り外し、取り替えることができる。
(2) 上記一対の挟持片の間に、当該一対の挟持片を上記保持姿勢に保持する姿勢保持機構が介在されているのが好ましい。
この構成では、姿勢保持機構により一対の挟持片が保持姿勢に保たれる。したがって、実釣において仕掛けが激しく操作された場合であっても、上記挟持片が開放姿勢に変位することが確実に防止される。
(3) 上記姿勢保持機構は、ラチェット機構であるのが好ましい。
この構成では、簡単な機構で、一対の挟持片が確実に保持姿勢に保たれる。
(4) 上記挟持片は、上記保持姿勢に変位したときにベイトフィッシュの体側中央部を露出させる窓を有しているのが好ましい。
この構成では、上記軸部上に配置されたベイトフィッシュが大きく露出するので、ターゲットである魚にベイトの存在を強くアピールすることができる。
(5) 上記挟持片は、上記軸部に沿って延びて上記窓の縁を形成し且つ上記保持姿勢に変位したときにベイトフィッシュの体側背部に沿って当接する細長棒状の当接部を有するのが好ましい。
この構成では、上記当接部がベイトフィッシュの体側背部を押さえるので、当該ベイトフィッシュがより安定する。しかも、この当接部が上記窓の一部を区画することになるから、当該窓が大きくなる。したがって、ベイトフィッシュの体側部がより大きく露出するという利点がある。
(6) 上記挟持片は、複数の連結ボスを介して上記軸部に回動自在に連結されているのが好ましい。このとき、上記連結ボスのうち少なくとも一つは、上記先曲部が長手方向に沿って挿通することができる長孔が貫通形成されているのが好ましい。
この構成では、挟持片が軸部に対して円滑に回動する。したがって、この連結ボスに支持された挟持片は、円滑に姿勢を変化させることができる。上記連結ボスに上記長孔が貫通形成されているので、当該挟持片が軸部に装着される際に、当該長孔に対して上記先曲部、腰部及び当該軸部が容易に挿通される。つまり、先曲部にバーブが形成されている場合であっても、連結ボスに釣針部が簡単に通されながら、当該連結ボスが上記軸部に確実に取り付けられる。
(7) 上記挟持片は、複数の連結ボスを介して上記軸部に回動自在に連結されており、上記連結ボスのうち少なくとも一つは、当該連結ボスの周面に開口し、上記軸部が上下方向の上から下に向かって嵌め合わされる溝が形成されていてもよい。
この構成では、挟持片が軸部に対して円滑に回動する。したがって、この連結ボスに支持された挟持片は、円滑に姿勢を変化させることができる。上記連結ボスに上記溝が形成されているので、当該挟持片が軸部に装着される際に、当該溝に対して上記軸部が進入する。つまり、当該連結ボスが上記軸部に簡単且つ確実に取り付けられる。
実釣において、多くの場合、ターゲットはベイトフィッシュに対して下から上に向かってバイトする。上記連結ボスが下方から上方に向かって軸部に嵌め合わされているから、挟持片は、釣針部に対して下から上に向かって嵌め合わされている。したがって、ターゲットがベイトフィッシュにバイトした場合でも、衝撃により挟持片が釣針部から外れてしまうことが防止される。
(8) 一方の挟持片は上記軸部に固定され、他方の挟持片が上記軸部を基準に回動するように構成されているのが好ましい。
この構成では、一対の挟持片のうち他方の挟持片のみの操作によって簡単に上記姿勢変化が可能となる。したがって、実釣におけるベイトフィッシュの着脱が迅速に行えるという利点がある。
(9) 本発明に係るホルダユニットは、釣糸が接続され得るアイを有するシンカーヘッドと、一端が上記シンカーヘッドに固定された真直に延びる軸部並びに当該軸部に連続する腰部及び先曲部を有する釣針部とを備えたベイトホルダに適用される。このホルダユニットは、上記軸部に沿って延びる連結軸を基準に回動することにより、互いに近接してベイトフィッシュを内側に配置して側方から包むように囲繞する保持姿勢と互いに離反する開放姿勢との間で姿勢変化する一対の樹脂又はゴムからなる挟持片と、上記一対の挟持片のうち少なくとも一方に設けられ、上記軸部と着脱自在に嵌合する固定部とを備えている。
この構成によれば、一対の挟持片は上記連結軸を介して連結されており、上記固定部が上記軸部に嵌め合わせられる。つまり、当該ホルダユニットが上記ベイトホルダに対して着脱可能である。釣人は、一対の挟持片を開放姿勢に変位させ、ベイトフィッシュを当該挟持片の間に配置する。この状態で、一対の挟持片が保持姿勢に変位される。つまり、一対の挟持片は、連結軸を回動基準として回動し、当該ベイトフィッシュを内側に配置して側方から包むように囲繞する。各挟持片は、金属線ではなく樹脂又はゴムからなるので、水中で操作された場合にも変形しにくい。したがって、ベイトフィッシュが確実に保持され、釣人が意図せずにベイトフィッシュが脱落することが防止される。加えて、上記挟持片は樹脂又はゴムからなるので、釣糸が絡みにくい。一対の挟持片が開放姿勢に変位すると、当該挟持片がベイトフィッシュから離反するので、釣人は、ベイトフィッシュを素早く取り外し、取り替えることができる。
この発明によれば、釣人は、一対の挟持片を操作し、保持姿勢あるいは開放時勢に変位させるだけで、簡単且つ迅速にベイトフィッシュを軸部の上に確実に固定し、あるいは着脱することができる。しかも、上記挟持片は釣糸が絡みにくくなっているので、実釣において、仕掛けが絡み合うことが防止される。加えて、上記挟持片は、変形しにくい構造であるから、実釣において、挟持片が変形することによるベイトフィッシュの脱落が防止される。また、上記一対の挟持片がホルダユニットを構成する場合は、当該ホルダユニットが上記軸部に対して着脱可能となる。したがって、ベイトフィッシュのサイズに適合したホルダユニットを上記軸部に取り付けることが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係るベイトホルダ10の側面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係るベイトホルダ10の斜視図である。 図3は、本発明の一実施形態に係るベイトホルダ10の斜視図である。 図4は、図1におけるIV-IV断面図である。 図5は、図1におけるV-V断面図である。 図6は、図1におけるVI-VI断面図である。 図7は、図1におけるVII-VII断面図である。 図8は、本実施形態の変形例に係るベイトホルダ70の側面図である。 図9は、図8におけるIX-IX断面図である。 図10は、図8におけるX-X断面図である。 図11は、図8におけるXI-XI断面図である。 図12は、図8におけるXII-XII断面図である。 図13は、図8におけるXIII-XIII断面図である。 図14は、本発明の一実施形態に係るホルダユニット90の断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態が、適宜図面が参照されながら説明される。なお、本実施の形態は、本発明に係るベイトホルダの一態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様が変更されてもよいことは言うまでもない。
<全体構成とポイント>
図1は、本発明の一実施形態に係るベイトホルダ10の側面図である。
このベイトホルダ10は、典型的にはタチウオ釣りの仕掛けに組み込まれ、釣人の間では「タチウオテンヤ」とも称される。同図が示すように、ベイトホルダ10は、シンカーヘッド11と、釣針部12と、固定針13、14と、後述のように姿勢変化する一対の挟持片15、16とを備えている。図示されていないが、たとえば冷凍イワシ等がベイトフィッシュとして採用され、釣針部12の上に配置される。このとき、固定針13、14がベイトフィッシュに突き刺さり、当該ベイトフィッシュが安定する。
図2及び図3は、ベイトホルダ10の斜視図であり、挟持片15、16の姿勢変化の様子を示している。なお、同図では、固定針14の図示が省略されている。
これらの図が示すように、シンカーヘッド11は、金属(典型的には鉛)からなる。シンカーヘッド11は、上記仕掛けを水中に安定的に沈めるために、所定の重量に設定されている。シンカーヘッド11の形状は特に限定されないが、本実施形態では、小魚の頭部を模して成形されている。シンカーヘッド11の上端にアイ17が形成されている。アイ17は金属製の線材(典型的にはステンレス鋼)からなり、環状に形成されている。このアイ17に釣糸が連結される。
釣針部12は、ターゲット(タチウオ)がベイトフィッシュにアタックしたときに、当該ターゲットに刺さる釣針として機能する。図1~図3が示すように、釣針部12は、軸部18と、腰部19と、先曲部20とを備えている。これらは金属製の線材(典型的にはステンレス鋼)からなり、一体的に形成されている。なお、図1において、左右方向が軸部18の「軸方向22」であり、左側がベイトホルダ10の「前方」、右側が「後方」と定義され、上下方向は矢印24で示される。
軸部18は、真直な棒状の部材である。軸部18の前端部21(特許請求の範囲に記載された「一端部」に相当)は、シンカーヘッド11の後端部に固定されている。この軸部18は、軸方向22に沿って後方に延びている。ベイトフィッシュは、軸部18に沿って、当該軸部18上に載置される。
腰部19は、軸部18の他端部23に連続しており、同図において上下方向24の下向きに湾曲している。先曲部20は、腰部19に連続している。この先曲部20は、その先端部25が軸方向22の前側に向かって延びるように湾曲されている。なお、この先端部23にいわゆるバーブ26が形成されている。
固定針13は、軸部18に取り付けられている。固定針13は、金属製の線材(典型的にはステンレス鋼)からなり、C字状に形成されている。図1が示すように、固定針13は、基部27及び一対の突刺部28を有する。基部27が軸部18に固定され、突刺部28が上向きに起立している。固定針14もステンレス鋼その他の金属製の線材からなり、図1が示すようにL字状に形成されている。固定針14の基部29が軸部18に固定されており、突刺部30が上向きに起立している。この固定針14の突刺部30は、図1が示すようにシンカーヘッド11の近傍で軸部18の前方に配置されている。なお、これら固定針13、14は、省略されてもよい。
挟持片15、16は、図2及び図3が示すように軸部18に取り付けられている。本実施形態に係るベイトホルダ10の特徴とするところは、挟持片15、16が軸部18を基準に回動することができ、両者が閉じた姿勢(図2参照)と開いた姿勢(図3参照)との間で姿勢変化するようになっている点、挟持片15、16が後述の姿勢保持機構31を搭載している点、及び挟持片15、16が樹脂(本実施形態では、ポリアミド(PA)、ポリオシキメチレン(POM)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)その他の樹脂)又はゴムにより構成されている点である。図2が示すように挟持片15、16が閉じた姿勢を「保持姿勢」と称し、図3が示すように開いた姿勢を「開放姿勢」と称す。挟持片15、16は、固定針13、14を内側に配置した状態で姿勢変化する。つまり、実釣において、ベイトフィッシュを内側に配置した状態で開閉することができる。
<挟持片>
図4~図7は、それぞれ図1におけるIV-IV断面図、V-V断面図、VI-VI断面図及びVII-VII断面図である。なお、これらの図において紙面の左右方向がベイトホルダ10の左右方向49である。つまり、左方及び右方とは、それぞれベイトホルダ10を後方から見た場合の左向き及び右向きを意味する。
図1及び図2が示すように、挟持片15は、全体としてC字状に湾曲形成されている。具体的には、挟持片15は、前脚32と、後脚33と、これらに掛け渡されるように形成された当接部34と、前脚32に設けられた第1ボス35及び第2ボス36(特許請求の範囲に記載された「連結ボス」に相当)と、後脚33に設けられた第3ボス37(特許請求の範囲に記載された「連結ボス」に相当)とを有する。
図1が示すように、第1ボス35及び第2ボス36は一体的に形成されている。両者は、軸方向22に沿って対向配置されており、後述の要領にて軸部18と係合する。第1ボス35と第2ボス36との離間距離は特に限定されるものではないが、5mm~20mmの範囲で適宜設定される。第3ボス37は、第2ボス36と対向しており、第2ボス36に対して軸方向22の後方に配置されている。第3ボス37は、後述の要領にて軸部18と係合する。第2ボス36と第3ボス37との距離も特に限定されるものではないが、5mm~20mmの範囲で適宜設定される。
図4が示すように、第1ボス35はブロック状に形成されている。ただし、第1ボス35の外形形状は特に限定されるものではなく、同図が示すように軸部18が嵌合可能なサイズであればよい。第1ボス35に溝38が設けられている。この溝38は、第1ボス35の下面に開口40を形成し、当該開口40に連続して上方に延びている。溝38の幅寸法は、軸部18の外径に対応している。溝38の長さ寸法(上下方向24の長さ)は、特に限定されるものではないが、少なくとも軸部18の外径よりも大きく設定される。本実施形態では、上記開口40の周縁部に座41が形成されている。この座41によって開口40の内径が拡げられている。もっとも、座41は省略され得る。
本実施形態では、第2ボス36の外形形状は、第1ボス35と同様であり、第2ボス36の下面に上記溝38と同様の溝が設けられている。もっとも、第2ボス36の外形形状は、第1ボス35の外形形状と同一でなくてもよい。第1ボス35及び第2ボス36は、連結バー42によって連結され、一体的に形成されている。
図1、図2及び図4が示すように、前脚32は、第1ボス35の前端に連続している。前脚32は、第1ボス35から左方外側に膨らむように円弧状に湾曲しつつ上方に延びている。
図5が示すように、第3ボス37もブロック状に形成されている。この第3ボス37の外形形状も特に限定されるものではなく、同図が示すように軸部18が嵌合可能なサイズであればよい。本実施形態では、第3ボス37の下面にリブ43が形成されているが、このリブ43は省略され得る。第3ボス37に溝44が設けられている。この溝44は、第3ボス37の上面に開口45を形成し、当該開口45に連続して下方に延びている。溝44の内壁面形状は、軸部18の外径に対応した円弧状に形成されている。上記開口45の周縁部に座46が形成されている。この座46によって開口45の内径が拡げられている。もっとも、座46は省略され得る。
図1、図2及び図5が示すように、後脚33は、第3ボス37の後端に連続している。後脚33は、前脚32と同様に、第3ボス37から左方外側に膨らむように円弧状に湾曲しつつ上方に延びている。
図1、図2、図6及び図7が示すように、当接部34は、細長棒状に形成されており、軸方向22に沿って延び、且つ若干上方に凸となるように湾曲している。当接部34は、前脚32の上端及び後脚33の上端に滑らかに連続し、両者間に掛け渡すように配置されている。図6及び図7が示すように、当接部34の断面形状は四角形であり、所定の曲げ剛性が確保されている。もっとも、当接部34の断面形状は特に限定されるものではなく、上記所定の曲げ剛性が確保されるものであればよい。
当接部34が前脚32の上端及び後脚33の上端に連続して軸方向22に延びているので、挟持片15、16が保持姿勢となったとき(図2参照)、当接部34は、軸部18上に配置されたベイトフィッシュの体側部、特に体側背部に沿って当接する。
図1~図3が示すように、挟持片16も挟持片15と同様に全体としてC字状に湾曲形成されている。具体的には、挟持片16は、前脚52、後脚53、これらに掛け渡されるように形成された当接部54、前脚52に設けられた第1ボス55(特許請求の範囲に記載された「連結ボス」に相当)及び後脚53に設けられた第2ボス56(特許請求の範囲に記載された「連結ボス」に相当)を有する。
図1が示すように、第1ボス55及び第2ボス56は、軸方向22に沿って対向配置されており、軸部18と係合する。第1ボス35と第2ボス36との離間距離は特に限定されるものではない。本実施形態では、第1ボス55は、挟持片15に設けられた第1ボス35と第2ボス36との間に配置され、第2ボス56は、挟持片15に設けられた第3ボス37の前方に配置されている。ただし、第1ボス55及び第2ボス56の位置についても特に限定されるものではない。
図6が示すように、第1ボス55は鍵形のブロック状に形成されている。もっとも、第1ボス55の外形形状も特に限定されるものではなく、同図が示すように軸部18が嵌合可能なサイズであればよい。第1ボス55に溝58が設けられている。この溝58は、第1ボス55の右面に開口60を形成し、当該開口60に連続して左方に延びている。溝58の幅寸法は、軸部18の外径に対応しており、溝58の内壁面形状は円弧状に形成されている。上記開口60の周縁部に座61が形成されている。この座61によって開口60の内径が拡げられている。もっとも、座61は省略され得る。
図1及び図2並びに図4及び図6が示すように、前脚52は、第1ボス55の前端に連続している。前脚52は、図4が示すように、第1ボス55から右方外側に突出し(図6参照)、同向きに膨らむように円弧状に湾曲しつつ上方へ延びている(図4参照)。前脚52は、挟持片15の前脚32と左右対称形状であってもよい。
図7が示すように、第2ボス56もブロック状に形成されている。この第2ボス56の外形形状も特に限定されるものではなく、同図が示すように軸部18が嵌合可能なサイズであればよい。第2ボス56に溝63が設けられている。この溝63は、第2ボス56の上面に開口65を形成し、当該開口65に連続して下方に延びている。溝63の内壁面形状は、上記溝58(図6参照)と同様に、軸部18の外径に対応した円弧状に形成されている。上記開口65の周縁部に座66が形成されている。この座66によって開口65の内径が拡げられている。もっとも、座66は省略され得る。
図1及び図2並びに図5及び図7が示すように、後脚53は、第2ボス56の後端に連続している。後脚53は、第2ボス56から右方外側に突出し(図7参照)、同向きに膨らむように円弧状に湾曲しつつ上方へ延びている。この後脚53は、挟持片15の後脚33と左右対称形状であってもよい。
図1、図2、図6及び図7が示すように、当接部54は、挟持片15の当接部34と同様の外形形状を呈し、細長棒状に形成されている。すなわち、当接部54は、軸方向22に沿って延び、且つ若干上方に凸となるように湾曲している。当接部54は、前脚52の上端及び後脚53の上端に滑らかに連続し、両者間に掛け渡すように配置されている。図6及び図7が示すように、当接部54の断面形状は四角形である。本実施形態では、当接部54の断面形状と当接部34の断面形状が同一ではないが、これらが同じであってもよい。要するに、当接部54も当接部34と同等の曲げ剛性が確保されていればよい。
当接部54が前脚52の上端及び後脚53の上端に連続して軸方向22に延びているので、挟持片15、16が保持姿勢となったとき(図2参照)、当接部54は、軸部18上に配置されたベイトフィッシュの体側部、特に体側背部に沿って当接する。つまり、当接部54及び上記当接部34がベイトフィッシュの体側背部に左右から当接し、当該ベイトフィッシュを挟持する。
本実施形態では、挟持片15及び挟持片16は、前述のようにC字状を呈する。すなわち、挟持片15、16の中央に大きく開いた窓51が形成される。上記当接部34、54は、この窓51の縁を形成している。この窓51による作用効果については後述される。
<姿勢保持機構>
図2及び図3並びに図1が示すように、姿勢保持機構31は、挟持片15と挟持片16との間に介在されており、本実施形態ではラチェット機構が採用されている。具体的には、姿勢保持機構31は、スライダ68及びスライドベース69を有する。スライドベース69は、挟持片15の当接部34に一体的に形成され、スライダ68は、挟持片16の当接部54に一体的に形成されている。もっとも、スライドベース69及びスライダ68が挟持片15、16とは別の部材として構成され、既知の手段により挟持片15、16に固定されていてもよい。
スライダ68は、上記当接部54に突設されており、図2が示すように、断面形状が矩形の平板状に形成されている。スライダ68は、挟持片16が保持姿勢のとき、挟持片15側に突出する。スライドベース69は、上記当接部34に設けられており、スライダ68が係合し得る形状に形成されている。図3が示すように、スライダ68に歯67が形成されており、スライドベース69の内壁面に歯止め(不図示)が形成されている。スライダ68がスライドベース69に挿入されると、上記歯67がスライドベース69の歯止めと係合し、上記保持姿勢が維持される。本実施形態では挟持片15、16が樹脂又はゴムからなるので、釣人が挟持片16を上方から下向きに押圧することにより容易に弾性変形し、歯67が上記歯止めから外れる。
なお、本実施形態では姿勢保持機構31として上記ラチェット機構が採用されるが、他の機構が採用されてもよい。また、上記姿勢保持機構31は、省略されてもよい。その場合、たとえば、輪ゴムその他のゴムバンドで挟持片15、16が括られ、保持姿勢に保持されてもよい。さらに、このゴムバンドに代えて、紐や面ファスナーが採用されてもよいし、クリップで挟持片15、16が挟まれることにより保持姿勢に保持されてもよい。
一対の挟持片15、16は、次の要領で釣針部12に装着される。
図1、図4及び図5が示すように、挟持片15は、第1ボス35及び第2ボス36と第3ボス37が軸部18と嵌合することにより、当該軸部18に装着される。図4が示すように、第1ボス35及び第2ボス36に設けられた溝38に、軸部18が径方向に沿って相対的に移動し、上下方向に嵌め込まれる。前述のように軸部18の外径と溝38の幅寸法とが対応しているが、具体的には、軸部18が溝38に圧入されるように両者の公差が設けられているのが好ましい。図5が示すように、第3ボス37は、軸部18に対して相対的に下方から上向きに嵌め合わされる。軸部18の外径と溝44の幅寸法との関係についても、軸部18が溝44に圧入されるように両者の公差が設けられているのが好ましい。
第1ボス35、第2ボス36及び第3ボス37が軸部18に嵌め合わされることにより、各ボス35~37は、軸部18を回動基準として回転することが可能となる。ただし、本実施形態では、軸部18の上に固定針14の基部29が配置されているので、当該基部29と軸部18とが上下に重なった状態で溝38に挿入する。すなわち、構造的に軸部18に対して第1ボス35及び第2ボス36が回転することが規制され、第1ボス35及び第2ボス36がより確実に軸部18に固定される。さらに、たとえば接着剤等が使用されることにより、軸部18に対して第1ボス35及び第2ボス36がより強固に固定される。
図1、図6及び図7が示すように、挟持片16は、第1ボス55及び第2ボス56が軸部18と嵌合することにより、当該軸部18に装着される。図6が示すように、第1ボス55に設けられた溝58に、軸部18が径方向に沿って相対的に移動し、左右方向49に嵌め込まれる。前述のように軸部18の外径と溝58の幅寸法とが対応しているが、具体的には、軸部18が溝58に圧入されるように両者の公差が設けられているのが好ましい。図7が示すように、第2ボス56は、軸部18に対して相対的に下方から上向きに嵌め合わされる。軸部18の外径と溝63の幅寸法との関係についても、軸部18が溝63に圧入されるように両者の公差が設けられているのが好ましい。
第1ボス55及び第2ボス56が軸部18に嵌め合わされることにより、これらは、軸部18を回動基準として回転することが可能となる。本実施形態では、前述のように挟持片15が軸部18に固定されているから、図2及び図3が示すように、直立した姿勢で軸部18に固定された挟持片15に対して、挟持片16が回転することによって姿勢を変化させる。すなわち、挟持片16の当接部54が挟持片15の当接部34に近接した保持姿勢(図2参照)と、当接部54が当接部34から離反した開放姿勢(図3参照)との間で変位する。もっとも、前述のように固定針14が省略され、挟持片15も軸部18に対して回動可能である場合は、挟持片15及び挟持片16が相対的に接離し、上記保持姿勢と開放姿勢との間で姿勢変化をする。
<ベイトホルダの使用要領>
このベイトホルダ10は、前述のように、たとえばタチウオ釣りの仕掛けに組み込まれ、「タチウオテンヤ」として使用される。釣人は、次のようにしてベイトフィッシュをベイトホルダ10に対して着脱する。
図2及び図3が示すように、釣人は、ベイトホルダ10を手に取り、挟持片16を回動させる。挟持片15は軸部18に固定されているから、挟持片16が挟持片15に対して開く。このとき、姿勢保持機構31のスライダ68がスライドベース69と係合している場合は、釣人は、スライダ68を下方に押し下げることによって容易に両者の係合を解除することができる。これにより、一対の挟持片15、16は、図2が示す保持姿勢から図3が示す開放姿勢に変化する。
ベイトフィッシュが軸部18の上に配置される。このとき、ベイトフィッシュは固定針13、14に突き刺され、軸部18に沿って安定して配置される。固定針14が軸部18の前方且つシンカーヘッド11の近傍に配置されているので、固定針14は、ベイトフィッシュの頭部周辺の比較的固い部分に突き刺さる。したがって、ベイトフィッシュとして冷凍イワシ等の身が崩れやすい魚が採用された場合であっても、ベイトフィッシュは軸部18上で安定する。釣人が挟持片16を操作し、挟持片15、16を保持姿勢に変化させると、固定針13、14に突き刺されたベイトフィッシュは、挟持片15、16の内側に包まれる。
挟持片15、16は、従来のような金属線ではなく上記樹脂等からなり、所定の剛性を備えるから、水中で仕掛けが激しく操作された場合にも変形しにくく、実釣においてベイトフィッシュがベイトホルダ10から脱落することが防止される。しかも、挟持片15、16は上記樹脂等からなるため、釣糸が絡みにくい。したがって、このベイトホルダ10が船釣り用仕掛けに使用された場合であっても、実釣中にラインが絡み合うことが防止される。なお、挟持片15、16が樹脂から構成される場合、当該樹脂が蓄光機能を有していてもよいし、カラーバリエーションを備えていてもよい。
一方、釣人は、挟持片16を操作して挟持片15、16を開放姿勢に変位させることにより(図3参照)、軸部18上に配置されたベイトフィッシュを素早く容易に取り替えることができる。本実施形態では、挟持片16のみの操作によって簡単に上記姿勢変化が可能であるから、実釣におけるベイトフィッシュの着脱が迅速に行えるという利点がある。
本実施形態では、姿勢保持機構31が設けられているから、挟持片15、16が保持姿勢に変位した場合に、当該姿勢が保たれる。したがって、実釣において仕掛けが激しく操作された場合であっても、釣人が意図せずに挟持片15、16が開放姿勢に変位することがなく、ベイトフィッシュの脱落が確実に防止される。
この姿勢保持機構31としてラチェット機構が採用されているから、挟持片15、16の姿勢保持が簡単且つ確実であり、しかも当該姿勢保持の解除も容易である。また、簡単な構造のラチェット機構は、たとえば金型を用いた成形によって、挟持片15、16と一体的に容易且つ安価に製造され得るという利点もある。
図1~図3が示すように、挟持片15、16は窓51を備えている。このため、挟持片15、16が保持姿勢に変位したとき、軸部18上に配置されたベイトフィッシュの体側中央部が大きく露出し、ターゲットである魚にベイトの存在を強くアピールすることができる。
本実施形態では、挟持片15、16が保持姿勢にしてベイトフィッシュを包み込んだ状態で、当接部34、54がベイトフィッシュの体側背部に沿って当接する。つまり、当接部34、54がベイトフィッシュの体側部を左右方向49から押さえつけることになるので、ベイトフィッシュがより安定する。しかも、前述のように、当接部34、54が窓51の一部を区画することになるから、窓51のサイズが十分に大きくなる。したがって、ベイトフィッシュの体側部がより大きく露出するという利点がある。
図1が示すように、本実施形態では、挟持片15、16は、第1ボス35~第3ボス37並びに第1ボス55及び第2ボス56を介して軸部18に回動自在に連結されているから、挟持片15、16は円滑に回動し、姿勢変化することができる。また、各ボス35~37、56、57は、当該ボス35~37、56、57の周面に開口する溝38、44、58、63を有し、この溝38、44、58、63に軸部18が簡単に嵌め合わされる。したがって、挟持片15、16の軸部18への着脱作業が簡単である。
<変形例>
図8は、本実施形態の変形例に係るベイトホルダ70の側面図である。
本変形例に係るベイトホルダ70が上記実施形態に係るベイトホルダ10と異なるところは、本変形例に係る挟持片15の第1ボス75、第2ボス76及び第3ボス77(特許請求の範囲に記載された「連結ボス」に相当)並びに挟持片16の第1ボス85及び第2ボス86(特許請求の範囲に記載された「連結ボス」に相当)の構造が、上記実施形態に係る第1ボス35、第2ボス36及び第3ボス37並びに挟持片16の第1ボス55及び第2ボス56と異なっている点、シンカーヘッド11に魚の頭部を表す模様72が付されており、且つベイトフィッシュを支えるアンカー71が設けられている点である。なお、その他の構成については、上記実施形態に係るベイトホルダ10と同様である。
上記模様72は、シンカーヘッド11の表面が切削されることにおり簡単に付される。このような模様72が付されることにより、ベイトホルダ70は疑似餌としての能力を発揮する。また、本変形例では、シンカーヘッド11に「50」なる表記がなされているが、これは錘サイズとして50号であることを示している。
アンカー71は、丸棒部材が三角形状に屈曲されたものであり、シンカーヘッド11と一体的に形成される。ベイトフィッシュが軸部18上に配置される際に、アンカー71が当該ベイトフィッシュの頭部に押し込まれる。これにより、当該ベイトフィッシュは、より安定的に軸部18上に配置される。
図9~図13は、それぞれ図8におけるIX-IX断面図、X-X断面図、XI-XI断面図、XII-XII断面図及びXIII-XIII断面図である。
図9が示すように、第1ボス75に溝78が設けられている。この溝78は、第1ボス75の上面に開口40を形成し、当該開口40に連続して下方に延びている。溝78の幅寸法は、軸部18の外径に対応している。溝78の長さ寸法(上下方向24の長さ)は、上記実施形態に係る溝38と同様である。本変形例においても、開口40の周縁部に座41が形成されている。この座41によって開口40の内径が拡げられている。もっとも、座41は省略され得る。
図10が示すように、第2ボス76はブロック状に形成されている。この第2ボス76の外形形状は特に限定されるものではなく、同図が示すように軸部18が嵌合可能なサイズであればよい。第2ボス76に溝84が設けられている。この溝84は、第2ボス76の上面に開口45を形成し、当該開口45に連続して下方に延びている。溝84の内壁面形状は、軸部18の外径に対応した円弧状に形成されている。上記開口45の周縁部に座46が形成されている。この座46によって開口45の内径が拡げられている。もっとも、座46は省略され得る。
図11が示すように、第3ボス77もブロック状に形成されている。この第3ボス77に長孔73が形成されている。この長孔73は、同図において紙面に垂直な方向、つまり軸方向22に沿って延び、第3ボス77を貫通している。長孔73の最大内径は、軸部18の外径に対応しており、軸部18が長孔73と嵌合するようになっている。長孔73の内壁面形状は、同図が示すように、上下方向24に延びるくさび形である。ただし、長孔73の内壁面形状は特に限定されるものではなく、要するに軸部18が嵌合できるように形成されていればよい。長孔73の上下方向24の寸法は、釣針部12の先曲部20が長手方向に沿って挿通するために十分な寸法が確保されている。
図12が示すように、第1ボス85は鍵形のブロック状に形成されている。もっとも、第1ボス85の外形形状も特に限定されるものではなく、同図が示すように軸部18が嵌合可能なサイズであればよい。第1ボス85に溝88が設けられている。溝88は、第1ボス85の右面に開口60を形成しており、この開口60に連続して左方に延びている。溝88の幅寸法は、軸部18の外径に対応しており、溝88の内壁面形状は円弧状に形成されている。上記開口60の周縁部に座61が形成されている。この座61によって開口60の内径が拡げられている。もっとも、座61は省略され得る。
図13が示すように、第2ボス86もブロック状に形成されている。この第2ボス86に長孔74が形成されている。この長孔74は、上記第3ボス77(図11参照)に形成された長孔73と同様の形状であり、図13において紙面に垂直な方向、つまり軸方向22に沿って延び、第2ボス86を貫通している。長孔74の最大内径は、軸部18の外径に対応しており、軸部18が長孔74と嵌合する。長孔74の内壁面形状は、同図が示すように、上下方向24に延びるくさび形である。長孔74の上下方向24の寸法は、上記先曲部20が挿通し得る寸法に設定されている。
本変形例では、挟持片15、16を軸部18に装着する際に、第3ボス77及び第2ボス86に設けられた長孔73、74に釣針部12が挿通される。具体的には、先曲部20、腰部19及び軸部18が順に長手方向に沿って長孔73、74に挿通され、その後、挟持片15の第1ボス75及び第2ボス76が軸部18に嵌め合わされると共に、挟持片16の第1ボス85が軸部18に嵌め合わされる。上記長孔73、74は、前述のように上下方向24に延びているから、上記先曲部20にバーブ26が設けられていても、釣針部12は円滑に挿通され得る。これにより、第3ボス77及び第2ボス86が軸部18に確実に取り付けられ、実釣において挟持片15、16の脱落が確実に防止される。
ところで、実釣において、一般にターゲットは、ベイトフィッシュに対して下から上に向かってバイトする。本変形例では、図9及び図10が示すように、軸部18は、第1ボス75及び第2ボス76に対して上下方向24の上から下に向かって嵌め合わされているので、ターゲットがベイトフィッシュにバイトした場合でも、衝撃により挟持片15が釣針部12から外れてしまうことが防止される。
<ホルダユニット>
図14は、本発明の一実施形態に係るホルダユニット90の断面図である。
このホルダユニット90は、上記実施形態に係るベイトホルダ10の変形例として実施されるものであって、一対の挟持片15、16が連結軸91を介して互いに相対的に回動し得るように連結されている。
同図が示すように、第1ボス35に軸方向22(紙面に垂直な方向)に沿って貫通孔93が設けられている。同図では図示されていないが、同様の貫通孔93が第2ボス36、第3ボス37並びに第1ボス55及び第2ボス56にも設けられている。各貫通孔93に連結軸91が挿通されており、当該連結軸91によって挟持片15、16が串刺し状態となっている。これにより、一対の挟持片15、16が上記姿勢変化をすることができるようになっている。
第1ボス35に、溝92が設けられている。この溝92は、第1ボス35の下面に開口94を形成し、当該開口94に連続して上方に延びている。溝92の幅寸法は、軸部18の外径に対応している。溝92の長さ寸法(上下方向24の長さ)は、特に限定されるものではないが、少なくとも軸部18の外径よりも大きく設定される。上記溝92の内壁面に縮径部95が設けられている。この縮径部95は、溝92の内壁面に形成された段差部や隆起部により構成され得る。この縮径部95によって、軸部18が溝92に嵌め込まれた際に、当該軸部18が溝92内に確実に固定され、しかも、ホルダユニット90が軸部18から取り外される。なお、この溝92は、上記第2ボス36、第3ボス37並びに第1ボス55及び第2ボス56にも設けられていてもよい。
このように、一対の挟持片15、16がホルダユニット90を構成し、軸部18に対して着脱自在となっているので、予め複数のサイズのホルダユニット90が用意されるならば、ベイトフィッシュのサイズに適合したホルダユニット90が軸部18に取り付けられる。
10・・・ベイトホルダ
11・・・シンカーヘッド
12・・・釣針部
13・・・固定針
14・・・固定針
15・・・挟持片
16・・・挟持片
18・・・軸部
19・・・腰部
20・・・先曲部
21・・・前端部
22・・・軸方向
23・・・他端部
24・・・上下方向
25・・・先端部
26・・・バーブ
29・・・基部
31・・・姿勢保持機構
34・・・当接部
35・・・第1ボス
36・・・第2ボス
37・・・第3ボス
38・・・溝
40・・・開口
41・・・座
44・・・溝
45・・・開口
46・・・座
49・・・左右方向
51・・・窓
54・・・当接部
55・・・第1ボス
56・・・第2ボス
58・・・溝
61・・・座
63・・・溝
65・・・開口
66・・・座
67・・・歯
68・・・スライダ
69・・・スライドベース
70・・・ベイトホルダ
73・・・長孔
74・・・長孔
75・・・第1ボス
76・・・第2ボス
77・・・第3ボス
78・・・溝
84・・・溝
85・・・第1ボス
86・・・第2ボス
88・・・溝
90・・・ホルダユニット
91・・・連結軸
93・・・貫通孔
94・・・開口
95・・・縮径部


Claims (9)

  1. 餌釣り仕掛けに適用され、ベイトフィッシュをホールドするベイトホルダであって、
    釣糸が接続され得るアイを有するシンカーヘッドと、
    一端が上記シンカーヘッドに固定された真直に延びる軸部並びに当該軸部に連続する腰部及び先曲部を有する釣針部と、
    上記軸部に突設され、当該軸部に沿って配置されたベイトフィッシュに突き刺さる固定針と、
    上記軸部を基準に回動することにより、上記固定針を内側に配置した状態で互いに近接する保持姿勢と互いに離反する開放姿勢との間で姿勢変化する一対の樹脂又はゴムからなる挟持片とを有するベイトホルダ。
  2. 上記一対の挟持片の間に、当該一対の挟持片を上記保持姿勢に保持する姿勢保持機構が介在されている請求項1に記載のベイトホルダ。
  3. 上記姿勢保持機構は、ラチェット機構である請求項2に記載のベイトホルダ。
  4. 上記挟持片は、上記保持姿勢に変位したときにベイトフィッシュの体側中央部を露出させる窓を有している請求項1から3のいずれかに記載のベイトホルダ。
  5. 上記挟持片は、上記軸部に沿って延びて上記窓の縁を形成し且つ上記保持姿勢に変位したときにベイトフィッシュの体側背部に沿って当接する細長棒状の当接部を有する請求項4に記載のベイトホルダ。
  6. 上記挟持片は、複数の連結ボスを介して上記軸部に回動自在に連結されており、
    上記連結ボスのうち少なくとも一つは、上記先曲部が長手方向に沿って挿通することができる長孔が貫通形成されている請求項1から5のいずれかに記載のベイトホルダ。
  7. 上記挟持片は、複数の連結ボスを介して上記軸部に回動自在に連結されており、
    上記連結ボスのうち少なくとも一つは、当該連結ボスの周面に開口し、上記軸部が上下方向の上から下に向かって嵌め合わされる溝が形成されている請求項1から5のいずれかに記載のベイトホルダ。
  8. 一方の挟持片は上記軸部に固定され、他方の挟持片が上記軸部を基準に回動する請求項1から7のいずれかに記載のベイトホルダ。
  9. 釣糸が接続され得るアイを有するシンカーヘッドと、
    一端が上記シンカーヘッドに固定された真直に延びる軸部並びに当該軸部に連続する腰部及び先曲部を有する釣針部とを備えたベイトホルダに適用され、
    上記軸部に沿って延びる連結軸を基準に回動することにより、互いに近接してベイトフィッシュを内側に配置して側方から包むように囲繞する保持姿勢と互いに離反する開放姿勢との間で姿勢変化する一対の樹脂又はゴムからなる挟持片と、
    上記一対の挟持片のうち少なくとも一方に設けられ、上記軸部と着脱自在に嵌合する固定部とを備えているホルダユニット。


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