JP5687375B1 - テンヤ - Google Patents

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【課題】太刀魚テンヤなどのテンヤについて、釣果アップのために、かかった魚のバラシを起こり難くすることを課題としている。【解決手段】錘2の後方に釣り針3を設けたテンヤであって、釣り針の胴3aがほぼ水平になる姿勢のときに、錘2の先端から上向きに折り曲げられた折り曲げ部7aとその折り曲げ部から斜め後方上向きに延びる直線部7bが形成され、さらに、最上部に前後の重量のバランス点に配置される曲げ戻し部7cが作り出された形状のハリス接続部7を錘2の上部に設けた。【選択図】図1

Description

この発明は、太刀魚テンヤや真鯛テンヤとして特に好適な釣具のテンヤに関する。
例えば、太刀魚の船釣りでは、錘と釣り針を一体化した太刀魚テンヤが使用されている。その太刀魚テンヤの一例を図5に示す。例示のテンヤ21は、錘2を先端に配し、その錘2の後方に釣り針3の胴(軸)3aを延び出させ、胴の後端に腰曲げ部3b、先曲げ部3c、及び返し3dのついた針先部3eを設けている。
また、先端の錘2の外周に環22を取り付けており、その環22にハリス(図示せず。金属ワイヤーのハリスが一般的)の端部に設けられたインターロックスナップ(これも図示せず)を掛けてテンヤとハリスを接続する構造になっている。
なお、太刀魚テンヤについては、先端の錘2を図示した如き魚頭形状にし、表面を蓄光塗料で塗装し、さらに、光反射材を組み込んだ目をつけるなどして魚に対するアピール性を高めたものが好まれて多用されている。
そのような魚頭形状の錘2の頭頂部(前後の重量のバランス点)に前記環22を設けており、その環22にハリスを接続してテンヤ21を宙吊りにすると、そのテンヤ21は、ほぼ水平姿勢になって吊り下がる。
釣り針3の胴3aには、餌の魚(鰯など)が取り付けられる。胴3aの上部には止め針4が設けられており、その止め針4を餌の魚に突き刺し、ワイヤー6で巻き縛るなどしてその餌の魚を胴3aに固定する。
そのようにして餌をつけたテンヤ21を船上から海中に投入すると、テンヤ21が水平姿勢に吊り下がる。陸からの投げ釣りでもウキをつけると同様の姿勢になる。そのために、餌の魚は泳いでいるように見え、生き餌を好む太刀魚が食いつく確率が高まる。
なお、錘が魚頭形状でない太刀魚テンヤも勿論存在する(例えば、下記特許文献1参照)。ただし、その種のものも、錘に設けた環にハリスを接続してテンヤを吊るすと、テンヤがほぼ水平姿勢になるようにしており、この点は、太刀魚テンヤの従来品に共通した構造となっている。
特開2012−165732号公報
従来の太刀魚テンヤは、餌をつけて水中に投入したときに水平姿勢となるように前記環
を前後の重量がバランスする位置に設けており、そのために、太刀魚がかかって釣り糸(テグス)を巻き取るときに、テンヤの姿勢が垂直にならず、そのことが、釣りで言うバラシ(かかった魚が外れること)の原因となっている。
この発明は、釣果アップのために、かかった魚のバラシを起こり難くすることを課題としている。
上記の課題を解決するため、この発明においては、錘を先端に配し、その錘の後方に釣り針の胴を延び出させ、胴の後端に腰曲げ部、先曲げ部、及び返しのついた針先部を設けたテンヤに以下の改善を加えた。
即ち、釣り針の胴がほぼ水平になる姿勢のときに、材料の線材が前記錘の先端から上向きに折り曲げられた折り曲げ部とその折り曲げ部から斜め後方上向きに延びる直線部が形成され、さらに、最上部に前後の重量のバランス点に配置される曲げ戻し部が形成された形状のハリス接続部を前記錘の上部に設けた。
このテンヤは、前記ハリス接続部にリングを遊嵌してそのリングにハリスを接続すると好ましい。
また、前記ハリス接続部は、釣り針の胴の針先側とは反対側に延長部を設け、その延長部を曲げ加工して釣り針と一体に形成すると好ましい。
なお、この発明は、太刀魚テンヤ、真鯛テンヤのどちらに適用しても上記形状のハリス接続部を設置した効果が発揮される。
かかるテンヤ、中でも、太刀魚テンヤについては、以下に列挙するような構成を付加すると好ましい。
1)前記錘を魚頭形状にする。
2)錘の表面に蓄光塗料の塗膜を設ける。
3)魚頭形状の錘に光反射材を組み込んだ人造の目をつける。
4)釣り針の胴に蓄光顔料を練り込むなどしたラバージグを取り付ける。
5)釣り針の胴を、クッション材で覆う。
なお、真鯛テンヤについては、釣り針の胴に取り付ける餌は、魚よりも海老が良いと思われる。この真鯛テンヤも、上記1)〜5)の構成を付加することができる。真鯛テンヤについては、錘を真鯛が好む海老などに似せた形状にすることもできる。
この発明のテンヤは、前記ハリス接続部の最上部の曲げ戻し部に吊り荷重が加わっている場合には、全体が水平姿勢になる。そのために、釣り針の胴に取り付けた餌の魚や海老が泳いでいるように見え、釣り対象の魚が喰いつき易くなる。
また、魚がかかると魚の重みや逃げようとする抵抗によって針先側が下に下がり、そのために、前記ハリス接続部に遊嵌されたリング又は、そのハリス接続部に遊嵌させたハリスの端部のインターロックスナップがハリス接続部の前記直線部に沿って滑って錘の先端の折り曲げ部に移動し、これにより、テンヤの姿勢が垂直になり、かかった魚のバラシが発生し難くなる。
なお、前記ハリス接続部にリングを遊嵌し、そのリングにハリスを接続するものは、ハリスによるテンヤの姿勢変化の拘束が全く起こらず、魚がかかったときにテンヤがスムーズに垂直姿勢になる。
また、そのリングがあると、ハリスを直接そのリングに結びつけてテンヤを使用することも可能になる。
また、前記ハリス接続部を釣り針と一体に形成したものは、ハリス接続部が錘から外れる心配がない。これに加え、テンヤの製造の手間も、錘と釣り針を一体化した後に別体のハリス接続部を別途取り付ける場合に比べて減少する。
このほか、上記1)〜4)の構成を付加したものは、魚に対するアピール性が高まって釣果の更なる向上が期待できる。また、5)の構成を付加したものは、胴に取り付けた餌がかかった魚に喰いちぎられることが抑制されて餌持ちが良くなる。
この発明を太刀魚テンヤに適用した例を示す側面図である。 この発明を太刀魚テンヤに適用した他の例を示す側面図である。 図1の太刀魚テンヤに餌を取り付けてその太刀魚テンヤを水平に吊るした状態を示す側面図である。 図1のテンヤに魚(太刀魚)がかかった状態を示す側面図である。 太刀魚テンヤの従来品の一例を示す側面図である。
以下、この発明のテンヤの実施の形態を添付図面の図1〜図4に基づいて説明する。例示のテンヤは、太刀魚テンヤである。
その太刀魚テンヤ1は、魚頭形状に成形した錘2を先端に配し、その錘2の後方に釣り針3の胴3aを延び出させ、胴の後端に腰曲げ部3b、先曲げ部3c、及び返し3dのついた針先部3eを設けている。
また、釣り針の胴3aの長手途中に、餌の魚を突き刺す止め針4を設け、さらに、錘2の下部(魚頭のあご)に環5を設け、その環5に餌の魚をくくりつけるワイヤー6(ステンレス線が一般的)の一端を接続している。
以上の構成は従来品と変わるところがない。従来品と異なる点は、従来品については錘2の外周の前後の重量のバランス点に環を取り付けていたが、その環に代えて図示したような形状のハリス接続部7を設けており、この部分に発明の特徴がある。
ハリス接続部7は、材料の線材を錘2の先端において上向きに屈曲させて折り曲げ部7aを形成し、さらに、その折り曲げ部7aから斜め後方上向きに延びる直線部7bを形成し、その直線部の上端を下側に曲げ戻して最上部に位置する曲げ戻し部7cを形成した形状になっている。曲げ戻し部7cはテンヤの前後の重量のバランス点にある。
例示のテンヤ1のハリス接続部7は、釣り針の胴3aの針先側とは反対側に延長部を設け、その延長部を曲げ加工して釣り針3と一体に形成している。また、止め針4のひとつもハリス接続部7に連ならせているが、ハリス接続部7や止め針4を釣り針3と一体に形成することは、製造の簡素化面では有利であるが必須ではない。その3者は各々が別加工されたものを組み合わせて設けてもよい。
そのハリス接続部7が連設された釣り針3を鋳型にセットし、その鋳型に溶かした鉛を流し入れて魚頭形状の錘2を釣り針3に一体化している。
その魚頭形状の錘2の表面には、蓄光塗料の塗膜8が設けられ、さらに、魚頭(錘2)には光反射材を組み込んだ人造の目9が埋め込まれている。
なお、例示のテンヤ1は、ハリス接続部7にリング10を遊嵌しており、そのリング10にハリス15(図3、図4参照)が接続される。ワイヤー製ハリス15の端部には、インターロックスナップ16が取り付けられており、そのインターロックスナップ16をリング10にかけることでテンヤ1をハリス15につなぐことができる。
リング10があれば、インターロックスナップ16の無いハリスをリング10に直接結びつけるけることも可能である。
端部にインターロックスナップ16が取り付けられている図示のようなハリスを使用する場合には、インターロックスナップ16をハリス接続部7に直接遊嵌することもできる。従って、リング10は必須ではない。
なお、釣り針3の胴3aには、図2に示すように、蓄光顔料を練り込むなどしたラバージグ11や胴3aを覆う軟質樹脂などからなるクッション材12を取り付けておくことができる。
ラバージグ11を設けたテンヤは、餌の魚が喰いちぎられたり、外れたりしてもラバージグ11で魚を誘うことができる。
また、胴3aを覆うクッション材12を設けたものは、クッション材12による緩衝作用によって胴3aに取り付けた餌が保護され、かかった魚に喰いちぎられ難くなる。
このほか、錘2には、胴3aに取り付ける餌の魚の頭部の干渉を避ける凹部2aを設けることができる。
このように構成したテンヤ1は、図3に示すように、胴3aにいわしなどの餌13を取り付けて使用する。餌13を、止め針4を突き刺して胴3aに沿わせ、外周にワイヤー6を巻きつけて胴3aに固定する。もちろん他の方法で餌13を胴3aに固定しても構わない。
餌13をつけたテンヤ1を吊り荷重がハリス接続部7の最上部の曲げ戻し部7cに加わる状態にして水平姿勢に吊下げ、好ましくはその状態を保って海中に投入する。
吊り荷重がハリス接続部7の先端の折り曲げ部7aに加わる状態にテンヤ1を吊下げると、そのテンヤ1は垂直姿勢になる。
仮にそのような姿勢で餌を付けたテンヤ1が海中に投入されたとしても、餌のある後部側よりもテンヤの先端側が重く、加えて、着水時の沈み込みの抵抗が先端側よりも後部側で大きくなるために、垂直姿勢が自動的に修正されてハリスの連結点が曲げ戻し部7cの位置に移る。
そのために、目的の棚まで沈めたテンヤは、水平姿勢を保ち、餌が泳いでいるように見える。
また、魚(太刀魚)が喰いついて針にかかると、魚の重みや逃げようとする抵抗によって針先側が下に下がる。そのために、ハリス接続部7に対するハリスの接続点がハリス接続部7の先端の折り曲げ部7aに移り、これにより、テンヤ1の姿勢が図4に示すように垂直になり、かかった魚が釣り針から外れ難くなってバラシが減少する。
試作品のテンヤ(図2に示した形状のもの)を実際に使用して図5に示した従来品との釣果の違いを調べたところ、従来品ではバラシが結構あったのに対し、例示のテンヤではそのバラシがほとんど無く、釣果に大きな差がでた。
なお、例示のテンヤは太刀魚テンヤであるが、この発明は真鯛テンヤにも適用できる。その真鯛テンヤは、餌の海老などを釣り針に直接刺して取り付けることができ、太刀魚テンヤに設けられる止め針や餌を固定するワイヤーなどは不要である。
1 テンヤ
2 錘
2a 凹部
3 釣り針
3a 胴
3b 腰曲げ部
3c 先曲げ部
3d 返し
3e 針先部
4 止め針
5 環
6 ワイヤー
7 ハリス接続部
7a 折り曲げ部
7b 直線部
7c 曲げ戻し部
8 蓄光塗料の塗膜
9 人造の目
10 リング
11 ラバージグ
12 クッション材
13 餌
15 ハリス
16 インターロックスナップ
22 環

Claims (4)

  1. 錘(2)を先端に配し、その錘の後方に釣り針(3)の胴(3a)を延び出させ、胴の後端に腰曲げ部(3b)、先曲げ部(3c)、及び返し(3d)のついた針先部(3e)を設けたテンヤであって、前記釣り針の胴(3a)がほぼ水平になる姿勢のときに、材料の線材が前記錘(2)の先端から上向きに折り曲げられた折り曲げ部(7a)とその折り曲げ部から斜め後方上向きに延びる直線部(7b)が形成され、さらに、最上部に前後の重量のバランス点に配置される曲げ戻し部(7c)が形成された形状のハリス接続部(7)を前記錘(2)の上部に設けたテンヤ。
  2. 前記ハリス接続部(7)にハリス接続用のリング(10)を遊嵌した請求項1に記載のテンヤ。
  3. 前記釣り針の胴(3a)の針先側とは反対側に延長部を設け、その延長部を曲げ加工して前記釣り針(3)と一体の前記ハリス接続部(7)を形成した請求項1又は2に記載のテンヤ。
  4. 前記釣り針の胴(3a)の上部に、餌を突き刺す止め針(4)を設け、さらに、前記錘(2)の下部に環(5)を設け、その環に前記止め針(4)を突き刺した餌を前記胴(3a)にくくりつけるワイヤー(6)を接続して太刀魚テンヤとなした請求項1〜3のいずれかに記載のテンヤ。
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