JP7067942B2 - シャープペンシル - Google Patents

シャープペンシル Download PDF

Info

Publication number
JP7067942B2
JP7067942B2 JP2018020942A JP2018020942A JP7067942B2 JP 7067942 B2 JP7067942 B2 JP 7067942B2 JP 2018020942 A JP2018020942 A JP 2018020942A JP 2018020942 A JP2018020942 A JP 2018020942A JP 7067942 B2 JP7067942 B2 JP 7067942B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tip
edge
mechanical pencil
sliding
rear end
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018020942A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019136909A (ja
Inventor
裕介 小泉
協 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Pencil Co Ltd filed Critical Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority to JP2018020942A priority Critical patent/JP7067942B2/ja
Publication of JP2019136909A publication Critical patent/JP2019136909A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7067942B2 publication Critical patent/JP7067942B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Mechanical Pencils And Projecting And Retracting Systems Therefor, And Multi-System Writing Instruments (AREA)

Description

本発明は、シャープペンシルに関し、特にそのノック動作に関わるカム機構に関する。
シャープペンシルは本来、1つの軸筒に対し1つの芯ケースとその先端に設けられる1つの芯操出機構を有するものである。これに対し、1つの軸筒に複数本のリフィルが収容されるいわゆる多機能筆記具というものもあり、そのリフィルの1つがシャープペンシルリフィルであるようなものも提供されている。さらには、1つの軸筒に複数本のシャープペンシルリフィルが収容され、たとえば赤と黒のように筆記色の異なる筆記芯を1つの筆記具に収容するようなものも提供されている。
このような多機能筆記具では、シャープペンシルリフィルは他種類のリフィル(通常はボールペンリフィル)と同様に、対応するノックボタンにより先端方向の操出動作が行われる。ノックボタンは、対応するリフィルが筆記可能な状態にあるときには、何らかの係止手段により軸筒に対して後方への移動が阻止された係止状態となっている。その上で、筆記芯の操出のためのノック動作がさらに可能となるような機構を備えている。
このような操出動作及び係止状態には、ノックボタンと、軸筒側又は軸筒内部に特に設けられる別部材との間で構成されるカム機構が関与している。すなわち、このカム機構によって、ノックボタンの操作であるリフィルが繰り出されて係止状態に至ることでそのリフィルによって筆記が可能になり、さらには別のノックボタンの操作でその係止状態が解除されることでそのリフィルは軸筒の内部に後退することになる。
従来の多機能筆記具では、ノック動作によりノック棒がある程度の距離だけ先端方向へ移動したところで軸心方向に沈み込むように移動し、そこで係止状態となるようなカム機構を備えるものが一般的であった。
これに対し、本件出願人による下記特許文献1に記載の技術が挙げられる。同技術では、筆記具の軸筒内部に設けられる回転カムによってノック棒が誘導され、係止状態を保つこととなっている。すなわち、ノック棒のノック動作により内部の回転カムが周方向に所定角度だけ回転し、その位置でノック棒が係止状態となるため、上記の従来の多機能筆記具のようにノック棒が軸心方向に沈み込むような動作が不要となっている。
特開2013-82204号公報
上記特許文献1記載の技術では、前記回転カムとノック棒との間のカム機構に加え、回転カムの回転位置の保持に関して軸筒との間で別のカム機構を備えていた。
本発明は、上記特許文献1記載の技術を踏まえ、確実なノック動作及び係止状態の保持という作用効果は維持しつつ、さらなるカム機構の簡略化を課題とする。
上記の課題に鑑み、本発明の一態様に係るシャープペンシルは、
長手方向に沿って形成された複数本の摺動溝を有する軸筒と、
前記軸筒内に収納されるとともに前記複数本の摺動溝と同数のシャープペンシルリフィルと、
前記複数本のシャープペンシルリフィルの各々の後端に接続されるとともに前記摺動溝に沿って移動可能なノック棒と、
前記ノック棒の内側面から軸心方向に突設される摺動突起と、
前記軸筒の軸心に位置し前記ノック棒の移動を誘導するとともに該ノック棒の移動に伴い周方向に回転可能な回転子と、
前記回転子の表面に前記複数本のノック棒の各々に対応して設けられるとともに前記摺動突起が両側縁のうち少なくとも一方に摺接しつつ移動可能なカム溝と、
前記カム溝の両側縁のうち一方の側縁の先端付近において他方の側縁へ向かって傾斜する先端傾斜縁と、
前記カム溝の前記他方の側縁の先端付近かつ前記先端傾斜縁より後端寄りの位置において前記一方の側縁に向かって前記摺動突起が係止可能に延設される係止縁と、
前記カム溝の前記他方の側縁に後端付近において前記一方の側縁から遠ざかるように傾斜する後端傾斜縁と、
を有することを特徴とする。
なお、前記係止縁から前記後端傾斜縁までにおける前記カム溝の前記両側縁は前記摺動突起がに摺接可能な幅を有していることが望ましい。
本発明の一態様に係るシャープペンシルは、上記の構成により、確実なノック動作及び係止状態の保持という作用効果は維持しつつ、カム機構がさらに簡略化されることとなっている。
本発明の実施形態に係るシャープペンシルの(A)正面図、(B)右側面図、(C)背面図、(D)底面図及び(E)平面図である。 図1(D)におけるII-II断面図である。 ノック棒の外筒押圧部を(A)斜視図、(B)正面図、(C)右側面図、(D)背面図、(E)底面図、(F)平面図及び(G)(E)のIII-III断面図で示す。 ノック棒の内筒押圧部を(A)斜視図、(B)正面図、(C)右側面図、(D)背面図、(E)底面図、(F)平面図及び(G)(E)のIV-IV断面図で示す。 ノック棒の外筒押圧部と内筒押圧部とを組み合わせた状態を(A)斜視図、(B)正面図、(C)右側面図、(D)背面図、(E)底面図、(F)平面図及び(G)(E)のV-V断面図で示す。 回転子を(A)斜視図、(B)正面図、(C)右側面図、(D)背面図、(E)底面図、(F)平面図及び(G)(E)のVI-VI断面図で示す。 図2に示す断面図と同じ視点で、(A)シャープペンシルリフィルの操出開始直後、(B)シャープペンシルリフィルが最も突出した状態及び(C)突出状態をそれぞれ示す。 図2に示す断面図と同じ視点で、(A)筆記芯を繰り出している状態及び(B)シャープペンシルリフィルの後退開始直後の状態をそれぞれ示す。 シャープペンシルリフィル前進の際の、回転子におけるカム動作図である。 シャープペンシルリフィル後退の際の、回転子におけるカム動作図である。
以下、本発明の一実施形態につき、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明及び図面は本発明の一実施形態を示すものであって、本発明はこれらにより限定されるものではない。
また、以下の説明においては、筆記先端の側を「先端側」とし、その反対側を「後端側」とする。さらに、先端側に向かう方向を「前方」とし、その反対方向を「後方」とする。また、前方への移動を「前進」とし、後方への移動を「後退」とする。
図1は、本実施形態のシャープペンシル10の外観(図1(A)~(E))を示す。また、図2は本実施形態のシャープペンシル10を、図1(D)におけるII-II断面図で示す。
なお、図1(A)~(C)及び図2においては、シャープペンシル10を水平にした状態を示しているが、「正面」、「右側面」、「背面」、「底面」及び「平面」については、シャープペンシル10を垂直にした状態での位置関係としている。この位置関係については、後述の図3~図7についても同様である。
本実施形態のシャープペンシル10は、軸筒20の内部に3本のシャープペンシルリフィル40(図2)を収容する。なお、図2においては正面側に位置し断面にて表示されているシャープペンシルリフィル40と、その左側面側に位置するシャープペンシルリフィル40との2本のシャープペンシルリフィル40のみが表示されているが、図示されていない右側面側に位置するシャープペンシルリフィル40も存在する。
なお、シャープペンシルリフィル40について、筆記先端が軸筒20の内部にある状態を「退避状態」と称し、また、筆記先端が軸筒20から突出して筆記可能になっている状態を「突出状態」と称する。
本実施形態のシャープペンシル10の最外部を構成する軸筒20は、後端側を構成する後筒21と、先端側を構成する先筒22と、これら後筒21及び先筒22を連結する中筒23(図2)とで構成されている。
後筒21には、3本のシャープペンシルリフィル40の各々に対応した摺動溝21Aが、長手方向に沿って形成されている。また、後筒21の後端には、略釣鐘状の尾栓11が装着されている。この尾栓11の先端縁は、ノック棒50の一部であるノックボタン51の後端が当接するノックボタン係止縁11Aとなっている。一方、先筒22の先端部分はテーパー状に縮径し、その最先端には、シャープペンシルリフィル40の先端が突出可能な先端開口22Aが設けられている。
中筒23は、後筒21の内部に挿入され各シャープペンシルリフィル40の移動を誘導する略筒状のガイド部23Aと、その前方に位置し後筒21の内側面と圧着する後方接続部23Dと、さらにその前方に位置し先筒22の内側面と螺合する前方接続部23Eと、これら後方接続部23D及び前方接続部23Eの境界を画すとともに外部から視認可能な部分である中間フランジ部23Fとで構成されている。
また、中筒23の後端には、後述の回転子30を支持するための支持突起23Gが形成されている。回転子30の先端には、この支持突起23Gが遊嵌される支持孔32が形成されている。
中筒23のガイド部23Aには、各シャープペンシルリフィル40が移動可能に挿通するガイド孔23Bが形成されている。このガイド孔23Bの後端辺縁はノックスプリング先端係止縁23Cとなっている。このノックスプリング先端係止縁23Cと、ノック棒50の一部分であるノックスプリング後端係止縁52Hとの間には、シャープペンシルリフィル40の後端部分に外挿されるノックスプリング60が介装されている。ノックスプリング60は、中筒23に対してシャープペンシルリフィル40を常に後方へ付勢している。
シャープペンシルリフィル40は、筆記芯70を収容する筒状の芯ケース41を有する。この芯ケース41は、筆記芯70を直接収容する内筒41Aと、この内筒41Aを収容する外筒41Bとの二重構造となっている。内筒41A及び外筒41Bは、内部が視認可能な透明ないし半透明の樹脂で形成され、その材質としては、たとえば、ポリプロピレンやポリエチレンが利用可能である。
内筒41Aの先端には筆記芯70を把持する芯把持機構46が接続される。芯把持機構46は、内筒41Aの先端に後端部分が直接圧入される押圧駒46Aと、この押圧駒46Aの先端に固定され筆記芯70の操出に直接関与するチャック46Cと、このチャック46Cの先端部分の外周に外挿される短筒状の締め具46Eとを備える。
押圧駒46Aが内筒41Aに圧入される部分の前方の部分は、フランジ状に拡径したチャックスプリング後端係止縁46Fとなっており、このチャックスプリング後端係止縁46Fの後方側の面に内筒41Aの先端が当接している。
チャック46Cは真鍮等の金属で形成され、その先端部分は略釣鐘状に拡径した拡開部46Dとなっている。この拡開部46Dは、放射状に複数箇所に分割され、外方へ放射状に拡開するように塑性変形されている。その拡開部46Dに締め具46Eが外挿されることで、この拡開部46Dが締め付けられ拡開が阻止される。
外筒41Bの先端には、継手42を介して、芯把持機構46のうち拡開部46D以外の部分を被覆する被覆筒43が接続されている。被覆筒43のほぼ中間部分には、内径が縮径して段部が形成され、この段部がチャックスプリング先端係止縁43Aとなっている。
このチャックスプリング先端係止縁43Aと前記したチャックスプリング後端係止縁46Fとの間には、内筒41Aを常に後方に付勢するチャックスプリング46Bが介装されている。さらにこの被覆筒43の先端には、前方へ段階的に縮径する略筒状の先端部材44が接続されている。
先端部材44のほぼ中間部分の、前記チャック46Cの拡開部46Dよりやや前方の位置には、内径が縮径した段部である先端段部44Aが形成されている。この先端段部44Aの前方の空間は、チャック46Cが前進して拡径可能な拡径室44Bとなっている。
先端部材44においてはこの先端段部44Aのさらに前方はさらに段階的に縮径し、その最先端部分は筆記芯70が挿通可能な程度な内径にまで縮径している。この最先端部分の後方側の内部には、筆記芯70を保護するための軟質樹脂製の保護部材45が装着されている。
ノック棒50は、後筒21の摺動溝21Aから外方に突接されるノックボタン51と、外筒41Bを押圧する外筒押圧部52と、内筒41Aを押圧する内筒押圧部53とが組み合わされて構成されている。ノック棒50はシャープペンシルリフィル40の各々の後端に接続される。
3組あるノック棒50のうちの1組においては、ノックボタン51がクリップ51Aと一体に形成されている。なお、図2においては、外筒押圧部52から軸心方向に突出する摺動突起52Eの断面が視認される。その他のノック棒50の構造の詳細については後述する。
後筒21の内部の後端部分には、回転子30が装着されている。回転子30は略筒状の部材であり、その先端には、前述のとおり前記支持突起23Gが遊嵌される支持孔32が形成されている。回転子30の表面には、各ノック棒50に対応したカム溝31が形成されているが、その詳細については後述する。
図3は、ノック棒50の外筒押圧部52を、(A)斜視図、(B)正面図、(C)右側面図、(D)背面図、(E)底面図、(F)平面図及び(G)(E)のIII-III断面図でそれぞれ示したものである。
外筒押圧部52は、前記カム溝31に沿って摺動する摺動部52Aと、前記外筒41Bに圧入される圧入部52Bと、これら摺動部52A及び圧入部52Bを連結する連結部52Cとを有している。外筒押圧部52は、この圧入部52Bによって、外筒41Bの後端に接続される。
摺動部52Aと連結部52Cとは、境目なく連続しており、周方向に沿って円弧状に湾曲した(図3(F)参照)長板形状を呈している。摺動部52Aの両側からは、それぞれ側方へ突出した翼状突起52Fが形成されている。
この翼状突起52Fは、内筒押圧部53に接続された状態で外筒押圧部52の外面側に接するノックボタン51の側面を支持する役割を担っている。また、摺動部52Aの内面側には、前記カム溝31と直接接触する摺動突起52Eが軸心方向に突出している(図3(D)、(F)及び(G)参照)。
連結部52Cと圧入部52Bとの間には、外方に環状に突出したフランジ部52Dが形成されている。このフランジ部52Dの先端側の面は、前記したノックスプリング後端係止縁52Hとなっている。
フランジ部52Dから圧入部52Bにかけての正面側には、内筒押圧部53が挿通する切欠部52Gが形成されている。切欠部52Gの先端部分の外面側は、前方に向かって厚みを減ずるように傾斜した外向傾斜面52Iとなっている(図3(A)、(B)、(E)及び(G)参照)。
図4は、ノック棒50の内筒押圧部53を、(A)斜視図、(B)正面図、(C)右側面図、(D)背面図、(E)底面図、(F)平面図及び(G)(E)のIV-IV断面図でそれぞれ示したものである。
内筒押圧部53は、ノックボタン51との接続に関与する一対の突起状の接続部53Aと、前記切欠部52Gに挿通される挿通部53Bと、挿通部53Bの先端に形成され先端が平坦面となっている当接部53Cとを有している。内筒押圧部53は、接続部53Aの間にノックボタン51の接続突起51B(図2参照)を陥入させるようにして、ノックボタン51と接続される。
圧入部52Bは接続部53Aより幅が狭くなっており、その段差の部分が肩部53Eとなっている。また、接続部53Aの先端側は外方に向かって突出した隆起部53Dとなっている。
挿通部53Bは、ノック動作により前進して挿通部53Bに沿って摺動する部分である。また、当接部53Cは、このノック動作による挿通部の前進により内筒41Aの後端と当接する部分である。挿通部53Bの先端部分の内面側は、当接部53Cに向かって厚みを増すように傾斜した内向傾斜面53Fとなっている(図4(C)、(D)、(F)及び(G)参照)。
図5は、外筒押圧部52と内筒押圧部53とを組み合わせた状態を、(A)斜視図、(B)正面図、(C)右側面図、(D)背面図、(E)底面図、(F)平面図及び(G)(E)のV-V断面図でそれぞれ示したものである。
この図5は、ノック棒50が最も後端にある位置、すなわち図2に示す位置にある状態を示している。この状態においては、内筒押圧部53の内向傾斜面53Fが、外筒押圧部52の外向傾斜面52Iと接している。この状態から、ノック動作により切欠部52Gに挿通される挿通部53Bが前進し、これにより内向傾斜面53Fは外向傾斜面52Iから離間する。これに伴い、内筒押圧部53の肩部53Eはフランジ部52Dに接近する。
図6は、回転子30を、(A)斜視図、(B)正面図、(C)右側面図、(D)背面図、(E)底面図、(F)平面図及び(G)(E)のVI-VI断面図でそれぞれ示したものである。
回転子30は、成形の都合上、前方に位置する前部材33と、後方に位置する後部材34とが別個に成形され、これらを組み合わせて形成され、全体として略円筒形状を呈している。回転子30の先端面には、先述の支持孔32が形成されている。また、回転子30の表面には、ノック棒50の数と同じ、3条のカム溝31が形成されている。
カム溝31は、後端から、比較的溝幅の広い後端広幅部31Aと、比較的溝幅の狭い狭幅部31Bと、後端広幅部31Aと同幅の先端広幅部31Gと、狭幅部31Bと同幅の最先端部31Hとを有している。なお、カム溝31の両側縁については、図面中で左側を左縁31L、及び、右側を右縁31Rと称する。
後端広幅部31Aから狭幅部31Bにかけては、カム溝31の右縁31Rが、左縁31Lの方へ傾斜した後端傾斜縁31Fとなっている。
狭幅部31Bから先端広幅部31Gにかけては、カム溝31の右縁31Rが、左縁31Lから遠ざかるように90°よりわずかに小さい鋭角に屈曲した状態で延設される係止縁31Eとなっている。
先端広幅部31Gから最先端部31Hにかけては、カム溝31の左縁31Lが、右縁31Rの方へ傾斜した先端傾斜縁31Cとなっている。最先端部31Hの最先端縁は、長手方向に対し直角な先端当接縁31Dとなっている。
以上をまとめると、カム溝31において最後部の後端広幅部31Aから、右縁31Rの後端傾斜縁31Fで徐々に幅を減じ、最も狭い狭幅部31Bとなる。
また、この狭幅部31Bからさらに前方では、右縁31Rの係止縁31Eで再び幅を増し、後端広幅部31Aと同幅の先端広幅部31Gとなる。
さらに、この先端広幅部からさらに前方では、左縁31Lの先端傾斜縁31Cで再び徐々に幅を減じ、狭幅部31Bとほぼ同幅の最先端部31Hとなる。なお、この最先端部31Hは、狭幅部31Bに対し右側にずれた位置となっている。
以下、図2、図7及び図8に示す操出状態と、図9及び図10に示すカム動作とを併せて本実施形態のシャープペンシル10におけるノック動作を説明する。なお、図7及び図8においては、ノックスプリング60の図示を省略している。また、図9及び図10においては、カム溝31における摺動突起52Eの位置を、ハッチングを施した領域にて表示している。
全てのシャープペンシルリフィル40が退避状態にあるときには、全ての摺動突起52Eは後端広幅部31Aに位置している(図2)。このとき、全てのノック棒50の摺動突起52Eは、カム溝31の後端広幅部31Aにおいて左縁31Lに接している(図9(A))。
この状態から、1つのノックボタン51(例として、クリップ51Aを有するノックボタン51)が前方へ押圧されると、ノックボタン51に接続されている内筒押圧部53が前進し、内筒41Aの後端に当接する(図7(A))。
このとき、内筒41Aの先端に接続されている押圧駒46Aが、チャックスプリング46Bを介して被覆筒43を前方へ押圧する。この前方への押圧力が、継手42を介して接続されている外筒41Bにも伝わることで、結果として、ノックスプリング60(図2参照)を圧縮しつつ、シャープペンシルリフィル40全体が前進する(図7(A))。
このとき、外筒41Bに接続されている外筒押圧部52も同時に前進することで、摺動突起52Eはカム溝31の左縁31Lに沿って、狭幅部31Bを通って先端方向へ進む(図9(B))。
さらにノックボタン51を前進させると、摺動突起52Eは先端傾斜縁31Cへ至る(図9(C))。ここで、摺動突起52Eの前進により生ずる力は、先端傾斜縁31Cを左方へ押圧し、その反作用で摺動突起52Eには右方への力がかかる。しかし、摺動突起52Eが属する摺動部52Aの外側に位置するノックボタン51は、軸筒20(後筒21)の摺動溝21Aに沿って移動するため左右へは移動できない。
さらに、このノックボタン51は摺動部52Aの両側の翼状突起52F(図3参照)で左右両方が押さえつけられているため、結果として、摺動突起52Eは右方へは移動できない。よって、先端傾斜縁31Cへの左方への押圧力により、回転子30は右回り(後端から見た回転方向。以下同様)へ回転する(図9(C))。
さらにノックボタン51を前進させると、摺動突起52Eは先端当接縁31Dに当接し(図9(D))、これ以上、ノックボタン51は前進できない。このとき、シャープペンシルリフィル40は、先筒22の先端開口22Aから最も突出した状態を取る(図7(B))。
この状態から、ノックボタン51への押圧を解除すると、ノックスプリング60の復元により、シャープペンシルリフィル40全体が後方へ押し戻されるが、摺動突起52Eが係止縁31Eに当接したところで(図9(E))、後退は停止する。
したがって、筆記先端が図7(B)の状態よりやや後退した位置で、シャープペンシルリフィル40は突出状態を保つこととなる(図7(C))。
この状態でノックボタン51を前方へ押圧すると、摺動突起52Eは、先端当接縁31Dまで移動する(図9(D))。このとき、内筒押圧部53の当接部53Cにより前方に押圧された内筒41Aが前進し、押圧駒46Aを介してチャックスプリング46Bを圧縮しつつチャック46Cが前方へ押圧される。
そして、チャック46Cの拡開部46Dは、前方の拡径室44Bへと前進し、締め具46Eによる拘束を免れて拡開し、筆記芯70が前方へ繰り出される(図8(A))。
すなわち、カム溝31において、摺動突起52Eが係止縁31Eから先端当接縁31Dまで移動可能な距離(換言すると、図9(D)において摺動突起52Eの後端から係止縁31Eまでの距離、又は、図9(E)において摺動突起52Eの先端から先端当接縁31Dまでの距離)が、筆記芯70の操出における1回分のノックストロークであり、ノック動作により摺動突起52Eはこの距離の間を往復移動することとなる。
この状態で、ノックボタン51への押圧を解除すると、チャックスプリング46Bの復元力により、摺動突起52Eは係止縁31Eまで後退し(図9(E))、同時に、チャック46Cも後退し、拡開部46Dは再び締め具46Eにより拘束される。
このとき、筆記芯70に筆圧がかかると、シャープペンシルリフィル40は、内筒押圧部53の当接部53Cが外筒押圧部52の圧入部52Bの先端に当接する位置まで後退する余地がある。そして、この後退の間に、チャック46Cの拡開部46Dが締め具46Eに対して楔状に入り込むことで、筆圧がチャック46Cの芯保持力に転嫁されることになる。
このため、チャックスプリング46Bのみで芯保持力を担う必要がなくなるため、チャックスプリング46Bの荷重を、締め具46Eがチャック46Cに対して固定され得る程度の大きさ(具体的には約2N)で足りることになる。
一方、この状態においては、他のシャープペンシルリフィル40に対応する摺動突起52Eは、回転子30が元の位置(すなわち、図9(A)に示す位置)に対して右回りに回転した位置にあるため、カム溝31の後端広幅部31Aにおいて右縁31Rと接している。
この状態から、他のノックボタン51が先端方向へ押圧されると、その摺動突起52Eは,カム溝31の右縁31Rに沿って先端方向へ進んで後端傾斜縁31Fへ至る(図10(A))。
ここで、摺動突起52Eの前進により生ずる力は、後端傾斜縁31Fを右方へ押圧し、その反作用で摺動突起52Eには左方への力がかかる。しかし、前記したとおり、摺動突起52Eは左方へは移動できないため、後端傾斜縁31Fへの右方への押圧力により、回転子30は左回りへ回転する(図10(A))。
すると、この回転子30の左回りの回転により、突出位置にあったシャープペンシルリフィル40の摺動突起52Eは、係止していた係止縁31Eから左縁31Lの方へ移動し、係止縁31Eとの係止状態が解除される(図10(B))。
そして、この摺動突起52Eは狭幅部31Bに至り、ノックスプリング60の復元力により、狭幅部31Bを後退する(図10(C))。これに伴い、シャープペンシルリフィル40全体が後退し、筆記先端が先端開口22Aから軸筒20の内部に後退する(図8(B))。
そして、ノックボタン51は、尾栓11のノックボタン係止縁11Aに当接するまで後退し、図2に示すような元の退避状態へと復帰する。
なお、本実施形態のシャープペンシル10では、3本のシャープペンシルリフィル40が収納されていたが、この本数に限定されるものではなく、物理的に収容可能な本数の複数本であれば、2本又は4本以上であってもよい。
本発明は、シャープペンシル、特に、複数色の筆記芯に対応した複数本のシャープペンシルリフィルを収容した多色シャープペンシルに利用可能である。
10 シャープペンシル
11 尾栓 11A ノックボタン係止縁
20 軸筒
21 後筒 21A 摺動溝
22 先筒 22A 先端開口
23 中筒 23A ガイド部 23B ガイド孔
23C ノックスプリング先端係止縁 23D 後方接続部
23E 前方接続部 23F 中間フランジ部 23G 支持突起
30 回転子
31 カム溝 31A 後端広幅部 31B 狭幅部
31C 先端傾斜縁 31D 先端当接縁 31E 係止縁
31F 後端傾斜縁 31G 先端広幅部 31H 最先端部
31L 左縁 31R 右縁
32 支持孔 33 前部材 34 後部材
40 シャープペンシルリフィル
41 芯ケース 41A 内筒 41B 外筒
42 継手
43 被覆筒 43A チャックスプリング先端係止縁
44 先端部材 44A 先端段部 44B 拡径室
45 保護部材
46 芯把持機構 46A 押圧駒 46B チャックスプリング
46C チャック 46D 拡開部 46E 締め具
46F チャックスプリング後端係止縁
50 ノック棒
51 ノックボタン 51A クリップ 51B 接続突起
52 外筒押圧部 52A 摺動部 52B 圧入部
52C 連結部 52D フランジ部 52E 摺動突起
52F 翼状突起 52G 切欠部
52H ノックスプリング後端係止縁 52I 外向傾斜面
53 内筒押圧部 53A 接続部 53B 挿通部
53C 当接部 53D 隆起部 53E 肩部
53F 内向傾斜面
60 ノックスプリング
70 筆記芯

Claims (2)

  1. 長手方向に沿って形成された複数本の摺動溝を有する軸筒と、
    前記軸筒内に収納されるとともに前記複数本の摺動溝と同数のシャープペンシルリフィルと、
    前記複数本のシャープペンシルリフィルの各々の後端に、先端に形成された圧入部で接続されるとともに前記摺動溝に沿って移動可能なノック棒と、
    前記ノック棒の前記圧入部より後方の位置で内側面から軸心方向に突設される摺動突起と、
    前記軸筒の軸心に位置し前記ノック棒の移動を誘導するとともに該ノック棒の移動に伴い周方向に回転可能な回転子と、
    前記回転子の表面に前記複数本のノック棒の各々に対応して設けられるとともに前記摺動突起が両側縁のうち少なくとも一方に摺接しつつ移動可能なカム溝と、
    前記カム溝の両側縁のうち一方の側縁の先端付近において他方の側縁へ向かって傾斜する先端傾斜縁と、
    前記カム溝の前記他方の側縁の先端付近かつ前記先端傾斜縁より後端寄りの位置において前記一方の側縁に向かって前記摺動突起が係止可能に延設される係止縁と、
    前記カム溝の前記他方の側縁に後端付近において前記一方の側縁から遠ざかるように傾斜する後端傾斜縁と、
    を有することを特徴とするシャープペンシル。
  2. 前記係止縁から前記後端傾斜縁までにおける前記カム溝の前記両側縁は前記摺動突起がに摺接可能な幅を有していることを特徴とする請求項1記載のシャープペンシル。
JP2018020942A 2018-02-08 2018-02-08 シャープペンシル Active JP7067942B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018020942A JP7067942B2 (ja) 2018-02-08 2018-02-08 シャープペンシル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018020942A JP7067942B2 (ja) 2018-02-08 2018-02-08 シャープペンシル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019136909A JP2019136909A (ja) 2019-08-22
JP7067942B2 true JP7067942B2 (ja) 2022-05-16

Family

ID=67692757

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018020942A Active JP7067942B2 (ja) 2018-02-08 2018-02-08 シャープペンシル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7067942B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110962491B (zh) * 2019-12-22 2020-10-27 杭州简弈科技有限公司 一种按压滑动笔
CN110936755B (zh) * 2019-12-22 2020-10-09 杭州简弈科技有限公司 一种可拆滑动笔

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013082204A (ja) 2011-09-27 2013-05-09 Mitsubishi Pencil Co Ltd 複式筆記具

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5669487U (ja) * 1979-11-05 1981-06-09
JP2506339Y2 (ja) * 1990-04-05 1996-08-07 株式会社パイロット 複合筆記具における筆記体の出没装置
JP3571419B2 (ja) * 1995-07-06 2004-09-29 三菱鉛筆株式会社 複式筆記具

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013082204A (ja) 2011-09-27 2013-05-09 Mitsubishi Pencil Co Ltd 複式筆記具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019136909A (ja) 2019-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7087370B2 (ja) 長尺物繰り出し装置及びこれを備える筆記具
JP2002068332A (ja) ノック式液体容器
JP7067942B2 (ja) シャープペンシル
JP7398529B2 (ja) 筆記具
JP6999437B2 (ja) シャープペンシル
JP6436662B2 (ja) 出没式筆記具
JP7048410B2 (ja) 複式筆記具
JP4456414B2 (ja) 筆記具
JP7122961B2 (ja) 筆記具
JP6665005B2 (ja) グリップ部材
JP4814901B2 (ja) 複式筆記具
JP2001270285A (ja) ノック式筆記具
JP2605614Y2 (ja) ボールペン
JP7220630B2 (ja) 筆記具
JP7373393B2 (ja) 出没機構
JP2552194Y2 (ja) 出没式筆記具
JP2000127679A (ja) サイドノック式ボールペン
JP4428000B2 (ja) 棒状体繰り出し装置
JPH10287085A (ja) 複合筆記具
JP3542868B2 (ja) 複式筆記具
JP2006150725A (ja) 出没式筆記具
JP2021122984A (ja) 筆記具
JP6707375B2 (ja) 筆記具
JP2021122987A (ja) 筆記具
JP2001328393A (ja) 複合筆記具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211116

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220113

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220428

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7067942

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150