JP3571419B2 - 複式筆記具 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業の利用分野】
本発明は、複数の筆記体の先端を先軸先端口に於いて交互に出没自在とし、且つ後軸の後端から消しゴムを出没自在とした複式筆記具の提供に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来例としては、同出願人による実開昭60ー120889号公報に見られるように、シャープペンシル筆記体とボールペン等筆記体の筆記先端部を選択的に出没可能とし、キャップ後端から突出した天冠を回転させて消しゴムを出没させるようにした複式筆記具が存在する。
【0003】
従来の鉛筆芯は、大きく分けて以下の4種類の製造方法に分類できるが、着色シャープ芯として用いる場合、いずれも欠点を有している。すなわち、
【0004】
(1)着色剤として黒鉛、結合材として有機物質、粘土等を主材とし、これらを混練、成形後、焼成して得られる焼成鉛筆芯。この製法により得られた鉛筆芯は最近はシャープペンシル用芯に於いても十分な実用強度に達し、消しゴムによる消去も可能な鉛筆芯として知られている。
しかしながら、使用する黒鉛及び焼成された炭素物質の色から黒以外の鉛筆芯は製造不可能な欠点がある。
【0005】
(2)ワックス類、結合材、体質材、顔料等を混練、成形して得られる非焼成鉛筆芯。この製法によると多種類の有機顔料が使用可能で耐光性、耐候性が良く、鮮やかな色相の色鉛筆芯が得られる。
しかしながら、この色鉛筆芯は非焼成で、主に有機結合材による結合に頼っているので、シャープペンシル用芯とした場合には十分な強度が得られず、又、ワックス類を含むため消しゴムでは消去できない欠点がある。
【0006】
(3)撥水撥油性物質、結合材、体質材、顔料等を混練、成形し、更に撥水撥油性物質周辺にできる開気孔に油脂類等を含浸して得られる非焼成鉛筆芯。この製法によると、含浸する油脂類として常温で液体のオイル等を選択した場合には、上記(1)と同じ程度に消しゴムで容易に消去できる色鉛筆芯の製造が可能である。
しかしながら、有機顔料を使用して鮮やかな色相の色鉛筆芯とする場合には、顔料の耐熱性から使用できる結合材が有機高分子物質等に限定されるため、シャープペンシル用等の細芯とした場合に十分な強度が得られない欠点がある。
【0007】
(4)窒化ホウ素、粘土、有機物質等を混練、成形、焼成して得られた淡色若しくは白色焼成多孔質鉛筆芯に更に染料インクを含浸して得られる鉛筆芯。この製法によって得られた鉛筆芯による描線は消しゴムで消去できる。
しかしながら、粘土を結合材としているため、上記(1)の芯と比較すると強度は十分といえず、又、鮮やかな色相で耐熱温度が高く、且つ人体に無害で鉛筆芯に使用可能な顔料が存在しないため、着色剤としては焼成後に含浸できる染料が使用されており、上記(2)及び(3)の顔料芯と比較すると耐光性、耐候性が大きく劣る欠点がある。尚、大きな気孔を有する芯体とすれば顔料分散インクを含浸することも可能ではあるが、更に強度が低下するためシャープペンシル用鉛筆芯に用いることができない欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は先軸又は中軸に対する円筒カムの回転によって交互に前後動させて、各筆記体の先端を先軸の先端口から選択的に出没可能とした複式筆記具に於いて焼成鉛筆芯としての強度を保持しながら、優れた耐光性、耐候性、鮮やかな色を有し、且つ消しゴムで容易に消去できる焼成鉛筆芯の製造方法に基づいて得られたシャープペンシル用の着色シャープ芯を使用することで、上記筆記体の内少なくとも1本は黒以外の着色シャープ芯が内蔵されたシャープペンシル筆記体となして、更に、上記円筒カムの後方に一体的に後軸が設けられて、該後軸内に消しゴムを挟着した消しゴムホルダーが前後動可能に設けられ、後軸の後端から消しゴムが出没可能となる便利な複式筆記具の提供を目的とする。
【0009】
又、本発明の複式筆記具に使用する着色シャープ芯の課題としては、前記従来の芯の欠点を解決することであり、格段に優れた機械的強度を持ちしかも鮮やかな色を出させて耐光性、耐候性に優れた描線を描かせ、消しゴムによる消去性を有するなどの特性を同時に有する着色シャープ芯を提供可能とすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
樹脂製の先軸と樹脂製の中軸の先方を互いに回転不能且つ抜け止め状態に嵌着する係合部を夫々設けて両者を固定し、中軸に一体化したガイド部の複数の案内溝に、夫々筆記体をガイド部と摺動コマとの間にリターンスプリングを附勢して前後動自在に嵌装し、軸方向に変位するカム斜面を前端部に円周状に設けた円筒カムをガイド部又は中軸に対し回転可能に抜け止めし、各摺動コマをカム斜面に当接させることにより先軸又は中軸に対する円筒カムの回転によって交互に前後動させて、各筆記体の先端を先軸の先端口から選択的に出没可能とし、少なくともシャープペンシル筆記体を突出した時に、円筒カムが中軸及びガイド部に対し軸推移して芯の繰り出しが可能と成され、上記筆記体の内少なくとも1本は黒以外の着色シャープ芯が内蔵されたシャープペンシル筆記体で、上記着色シャープ芯は消しゴムで容易に消去できるものとし、
【0011】
(1)として、上記円筒カムの後方に一体的に樹脂製の後軸が設けられ、後軸の内孔部に螺旋溝が形成されて、樹脂製の天冠が長いスリットを有した内筒部と外筒部とで一体的に設けられ、天冠の内筒部が後軸の内孔に嵌装され、外筒部が後軸後方の外周部に回転のみ可能に止着されて内筒部内に、後方に消しゴムを挟着する弾性部と前方の筒部に突起を有した消しゴムホルダーが突起をスリットと螺旋溝に嵌入した状態で装着されて、先軸又は中軸に対し後軸を回転することで筆記体の先端が出没し、後軸に対し天冠の外筒部を回転することで消しゴムが出没可能となるように構成されて成る。
【0012】
(2)として、円筒カムの後方に延設した筒部にスリットを設けて樹脂製の後軸と成し、筒部のスリットの両側には突起と溝が交互に設けられて、後方に消しゴムを止着した消しゴムホルダーがその外周に設けた突起を上記スリットの溝に係脱可能に嵌入させて取付けられ、後軸に対して消しゴムホルダーを前後動させて消しゴムが後軸の後端から出没可能となるように構成されてなる。
【0013】
(3)として、円筒カムとチャック体が一体に形成され、チャック体の外側に後軸が回転止めされた状態でチャック体に対し後軸が軸推移可能と成されると共に、チャック体後端の把持部外周に被嵌された締め具によって把持部に把持された消しゴムを締め付けるようにチャック体と後軸との間にスプリングが敷設されて、後軸の軸推移に伴い後軸後端に設けられた天冠内孔の段部に当接する可動範囲でチャック体の把持部外周から締め具が係脱して、締め具の可動範囲と略同等のピッチで消しゴムが天冠後端孔から繰り出し可能となるように構成されてなる。
【0014】
本発明に使用する着色シャープ芯の製造方法として下記の手段が考えられる。
【0015】
(aー1) 少なくとも体質材と有機質の賦形材を含む配合組成物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成することにより、該有機質の賦形材が炭化された炭化物をバインダーとする第1焼成芯体を形成し、該第1焼成芯体を酸化雰囲気中で加熱して炭化物のバインダーを酸化除去させた少なくとも体質材からなる第2焼成芯体を形成し、該第2焼成芯体の気孔内に、ペルヒドロポリシラザン含有液を含浸し、窒素雰囲気等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中での熱処理により窒化珪素を生成させた開気孔を持つ第3焼成芯体を形成し、該第3焼成芯体を着色剤で着色された高強度焼成鉛筆芯。
(aー2) 開気孔を持つ高強度焼成鉛筆芯の該開気孔内に於いて、耐光性、耐候性に優れた染料もしくは顔料を少なくとも着色剤として含む焼成鉛筆芯。
尚、上記の「窒素雰囲気等の不活性雰囲気中」とは、窒素ガス雰囲気中、又はアルゴンガス雰囲気中等の不活性ガス雰囲気中をいう。
【0016】
【実施例】
先ず、図1乃至図4は前記、課題を解決するための手段(1)に対応する本発明の第1の実施例を示している。本発明の複式筆記具はガイド部2を一体に備えた中軸1、先軸3、円筒カム5を一体に備えた後軸4、一対の摺動コマ6,6`、シャープペンシル筆記体7,8、天冠37、消しゴムホルダー42、消しゴム47を主な構成要素とする。
先ず、中軸1は樹脂製で、図1に示すように、略中央部から後端まで側面に開口した軸方向に長い案内溝9とそれと反対側の側面に同様の案内溝9`を有したガイド部2が設けられている。ガイド部2の前半部には各案内溝9、9`と連通して孔32、32`を有した仕切り部16を備えて前端を開口した筒部10が設けられ、筒部10の後端に段部31を有して段部31の前方外周部には膨出状の係合部13が形成されている。
【0017】
又、中軸1の後方側面には図2に示すように縦溝18が先方の傾斜面18aを介して巾狭部18bが周溝19に接続されて略門形状の窓部が穿設されている。 又、後述するが、円筒カム5の突起17は縦溝18より挿入され、突起17が傾斜面18aを弾性的に拡開して巾狭部51を通過して周溝19内に入る。円筒カム5は突起17が周溝19の周方向の後壁に当接しながら回転して、シャープペンシル筆記体7又はシャープペンシル筆記体8の筆記部が先軸先端口から交互に出没することになる。又、周溝19はシャープペンシル筆記体7及びシャープペンシル筆記体8が突出するときの突起17の位置で円筒カム5が軸推移可能なように巾広溝50a及び50cが設けられ、筆記体の収納時に於ける突起17の位置で円筒カム5が略軸推移不可となるように周溝19の後壁48と前壁との間に巾狭溝50bが形成されるよう後方に突出した前壁49bが設けられている。
【0018】
先軸3は、前方が先細状で、内孔部先端には内段部27を有して先端口が設けられている。又、後端孔には、前記ガイド筒の筒部10の外周部に設けられた係合部13と迎合して筒部10と抜け止め且つ回転止めされる係合溝12が設けられている。尚、筒部10と先軸3は適宜な力で着脱可能に固定される。(実開昭64ー3491号公報の先軸の構成と同じ)
【0019】
後軸4は樹脂製で、先端に円筒カム5を一体に有している。円筒カム5は筒状を成し、前端縁に円周状に前後に変位するカム斜面14を有し、カム斜面14の最前端部には切欠15が形成されている。又、円筒カム5の側面には前記中軸1の縦溝18に挿入して弾性的に周溝19に嵌入して一定範囲(略180度)で回転且つ抜け止めする突起17が形成されている。
【0020】
ところで、後軸4は前記円筒カム5の後方に延設した筒部を有し、筒部の内孔部には螺旋溝33が形成されている。又、円筒カム5の後端には円周状にやや突出したボス部36を有し、筒部の後方には突状の係合部35を有した軸部34が設けられている。一方、樹脂製の天冠37は長いスリット41を有した内筒部40bとその外側で内面に円周状の溝を呈した係合部38が形成された外筒部40aとで一体に設けられている。天冠37は内筒部40bが後軸4の内孔部に嵌装され、上記外筒部40aの係合部38が係合部35に弾性的に嵌入して天冠37は外筒部40aに於いてキャップ4に対し回転のみ可能に止着される。
尚、ボス部36は内筒部40bの先端部のガイドとなる。
【0021】
又、内筒部40b内には後端に消しゴム47を止着した消しゴムホルダー42が装着される。消しゴムホルダー42は後方に消しゴム47を挟着する一対の弾性片45が形成され、弾性片45の内面には係止突起46を有している。又、前方の筒部43の外周には突起44が形成されている。消しゴムホルダー42は突起44と弾性片45を内筒部のスリット41に嵌装し、突起44が更に螺旋溝33に嵌入した状態で内筒部40b内に配設されている。この状態で、後軸4に対し外筒部40aを回転すると消しゴムホルダー42が前後動して消しゴム47が後端孔39から出没可能となる。
【0022】
又、摺動コマ6は、外面に突起22を有して、突起22の後端面には中央部が突出してその両側が前述した円筒カム5のカム斜面14と略同勾配のカム斜面を有している。又、芯パイプ23のフランジ部24に当接して、芯パイプ23の後方を長く突出して嵌着する孔が設けられている。又、摺動コマ6`は摺動コマ6と同様に突起22`とカム斜面を有している。摺動コマ6、6`を貫通した芯パイプ23、26の先端にはシャープペンシル筆記体7、8が嵌着される。
【0023】
シャープペンシル筆記体7は、一般的なチャック機構を内蔵し、後端にチャック機構と連結した継手29を介して芯パイプ23に接合し、芯パイプ23の後方に設けたフランジ部24に当接して摺動コマ6が嵌着され、摺動コマ6の後端から突出した芯パイプ23の後端孔は尾栓25等で閉塞されている。芯の繰り出しは、シャープペンシル筆記体7の先端の段部28が先軸3の内段部27に当接した状態で、摺動コマ6の軸推移によりチャックを移動して行われる。
尚,シャープペンシル筆記体8も同様に成されている。
【0024】
次に、組立順序で説明すると、シャープペンシル筆記体7、8は後方に夫々の摺動コマ6、6`を接続させて、前述の中軸のガイド部2の各案内溝9、9`に移動自在に嵌装され、各摺動コマ6、6`の前端面と案内溝9、9`前面の仕切り部16との間に介装したリターンスプリング30、30`により後方へ附勢される。後軸4は円筒カム5を中軸1の後端孔に挿入して突起17を周溝19に弾性的に嵌入させて、中軸1に対して円周方向に略180度で回転自在且つ抜け止めして止着される。又、シャープペンシル筆記体7、8が突出した状態で後軸4は中軸1に対して芯繰り出しに必要なストローク分軸推移可能と成され、筆記体の収納時には軸推移不可と成される。又、各摺動コマ6、6`は常時リターンスプリング30、30`によって後方へ附勢されているので、常にその突起22、22`のカム斜面を円筒カム5のカム斜面14に接触した状態を保っている。
【0025】
又、中軸1の段部31の前面に先軸3の後端面が当接状態で、筒部10の係合部13が先軸3の係合溝12に弾性的に嵌着して、先軸3と中軸1が回転止め且つ抜け止め状態に固定される。尚、先軸3は適宜な力で着脱可能になっている。この状態で、先軸3又は中軸1に対して後軸4を一方に回転すると、摺動コマ6が前進して円筒カムのカム斜面14の最前端の切欠15が一方のシャープペンシル筆記体7の摺動コマ6の突起22に係止して筆記先端部が先軸先端口から突出状態になる。又、先軸3又は中軸1に対して後軸4を他方に回転すると、摺動コマ6が後退してシャープペンシル筆記体7の筆記先端部が先軸先端口から没入すると共に、摺動コマ6`が前進して他方のシャープペンシル筆記体8の筆記先端部が先軸先端口から突出する。
【0026】
一方、消しゴム47を止着した消しゴムホルダー42を天冠37の内筒部40b内に嵌装した状態でキャップ4の後端から回転を加えながら挿入して、天冠の外筒部40aをキャップ4の後端に止着する。以上により、後軸4に対し天冠の外筒部40aを左右に回転すると後端孔39から消しゴム47が出没する。
【0027】
又、図3及び図4は円筒カムの突起17と中軸1`の係合状態を示す他の対応例を示している。この場合には周溝60に突起17を嵌装する手段として、中軸1`の後端から突起17を嵌装するガイド溝61の上壁に傾斜面63を有した仕切り壁62を設けている。仕切り壁62を設けた理由は、上記係合部に於ける中軸1`の剛性を強化することにある。
【0028】
ところで、実施例に於いては2本のシャープペンシル筆記体を配設しているが3本以上配設することも可能である。その場合、1本をボールペン等筆記体とすることも可能である。又、円筒カムを中軸に対し抜け止め及び回転可能に止着する手段も前記実施例に限定されない種々の手段がある。又、中軸に摺動コマのガイド部を一体に形成しているが、別体のガイド部を固定することも可能である。又、摺動コマを貫通してその後方に芯パイプの後端を突出させているが、摺動コマの後方を長く突出して設けることも可能である。
【0029】
図5は前記、課題を解決するための手段(2)に対応する本発明の第2の実施例を示している。当該実施例の複式筆記具は前記実施例と共通の構成部があり、以下相違点のみ説明する。
後軸70は樹脂製で、先端に円筒カム71を一体に有している。円筒カム71は筒状を成し、前端縁に円周状に前後に変位するカム斜面を有し、カム斜面の最前端部には切欠が形成されている。
又、後軸4は前記円筒カム71の後方に延設した筒部72を有し、筒部72の側面にはスリット73が穿設され、スリット73の両側には突起74と溝75が交互に設けられている。
【0030】
又、筒部内には後端に消しゴム84を止着した消しゴムホルダー79がその外周に設けた係合突起82を上記スリット73の溝75に係脱可能に嵌入させて取付けられている。係合突起82は消しゴムホルダー79の側面に設けた弾性片80の先端に形成され、摺動と共に溝75に弾性変位しながら係合して消しゴム84の突出状態を保持する。又、係合突起82の中央をやや突出させて操作突起81と成し、操作突起81を押圧前後動させて係合突起82と溝75との係合を解除させながら消しゴムホルダー79を移動可能とする。又上記筒部の後端には天冠77が固着される。尚、必要により筒部の後端部76と天冠77の当接部78は斜面状を成して略当接状態となりスリット73後端の変形を抑えるように工夫される。
【0031】
一方、組み立て順序で説明すると、後軸70の筒部の後端から消しゴムホルダー79を嵌装して、消しゴムホルダー79の係合突起82を筒部に設けたスリット73の溝75に係合させて消しゴムホルダー79を筒部に対して摺動自在に成している。又、筒部の後端に天冠77が固着され、消しゴム84は天冠77後端の開口部から挿入されて消しゴム84の後端が消しゴムホルダー79に止着される。以上により、消しゴムホルダー79を前後動させると消しゴム84が天冠77の開口部から出没する。尚、天冠77の開口部の内径は消しゴム84の外径より僅かに大きく設けられている。
【0032】
図6は前記、課題を解決するための手段(3)に対応する本発明の第3の実施例を示している。当該実施例の複式筆記具も前例と同様の共通部があり、以下相違点のみ説明する。
円筒カム100は筒状を成し、前端縁に円周状に前後に変位するカム斜面を有して、カム斜面の最前端部には切欠が形成されている。
又、上記円筒カム100の後方に鍔部102が形成され、さらに後方にチャック体101が夫々一体に形成されている。(都合で別部材とすることもある)
又、チャック体101後方の外周部には適宜スリットを有して(図示せず)、縮径自在な把持部が形成されている。又、チャック体101の内孔後端には内段部103が形成されている。
【0033】
又、後軸90は、後端の軸部94の外周に突状の係止部95を有し、略中間の内孔に突部92を有している。又、該突部92の前後で内孔は断面が適宜多角形状の内周部91、93を呈している。ところで、上記円筒カム100後方の鍔部102の外周は上記多角形孔に嵌装する同じ多角形状を呈している。
上記チャック体101の後端からスプリング105が嵌装され、スプリング105の前端が鍔部102の後端に当接される。その状態からチャック体101に後軸90が嵌挿され、軸部94の後端内段部にスプリング105の後端が当接されて、上記鍔部102が後軸の突部92を弾性的に乗り越えて係合し抜け止めされる。又、鍔部102が上記多角形状の嵌装で回転止めされると共にスプリング105でチャック体101に対し後軸90は軸推移可能に附勢される。
【0034】
又、チャック体101後端の把持部外周には締め具104が被嵌され、更に被嵌して上記後軸の軸部94に天冠96が固着される。尚、天冠96の先方開口部には軸部の係止部95に係合する溝状の係止部99が設けられている。又、締め具104が嵌装する天冠96の内孔後端に段部98が設けられ、後端には消しゴム106と適宜摩擦係合する孔部97を有している。
【0035】
次に、組立順序で説明すると、チャック体101の外周部にスプリング105を嵌挿して、円筒カム100を後軸90の内孔に嵌装し、鍔部102を突部92に係合して後軸に対し円筒カム100及びチャック体101を抜け止め且つ回転止めする。次に、チャック体の把持部の外周に締め具104が嵌挿され、後軸の後端の軸部94に天冠96が固着される。次に、チャック体101に対し後軸90を前進させて、チャック体の把持部を拡開させた状態で消しゴム106が挿入される。
【0036】
前記、本発明の複式筆記具に使用される着色シャープ芯の製造方法として、
少なくとも体質材からなる特定の焼成多孔質芯体の気孔内にペルヒドロポリシラザン含有液を含浸せしめ、窒素雰囲気等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中での熱処理により結合材として窒化珪素を生成させることによって解決し得ることを見いだした。
【0037】
すなわち、当着色シャープ芯は、少なくとも体質材と有機質の賦形材を含む配合組成物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成することにより、該有機質の賦形材が炭化された炭化物をバインダーとする第1焼成芯体を形成し、該第1焼成芯体を酸化雰囲気中で加熱して炭化物のバインダーを酸化除去させた少なくとも体質材からなる第2焼成芯体を形成し、該第2焼成芯体の気孔内に、ペルヒドロポリシラザン含有液を含浸し、窒素雰囲気等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中での熱処理により窒化珪素を生成させた第3焼成芯体を形成し、該第3焼成芯体を耐光性、耐候性に優れた着色剤で着色された高強度焼成シャープ芯である。
又、上記第3焼成芯体の気孔内に耐光性、耐候性に優れた着色剤を充填させてなることを特徴とする高強度焼成シャープ芯である。
【0038】
以下、本発明に使用される高強度焼成の着色シャープ芯について詳しく説明する。先ず、第1焼成芯体は、少なくとも体質材と有機質の賦形材を含む配合組成物を原料とする。
【0039】
体質材としては、従来焼成形の色鉛筆に使用されているものであれば、特に限定されるものではなく、何れも使用可能である。例えば、酸化チタン、雲母、タルク、窒化硼素、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム等の白色系の体質材や、色相によっては二硫化モリブデン、二硫化タングステン等の有色系の体質材も使用することができ、当然これら数種類の混合物も使用できる。又、必要に応じて耐熱性顔料を配合してもよい。
【0040】
又、有機質の賦形材としては、例えば、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコールなどの熱可塑性樹脂、フラン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、リグニン、セルロース、トラガントガムなどの天然高分子物質、石油アスファルト、コールタールピッチ、ナフサ分解ピッチ、合成樹脂などの乾留ピッチなどのピッチ類など何れも使用可能で、当然これら数種類の混合物も使用できる。
【0041】
更に、高剪断力を加えて行う混練時の特性向上及び押出成形の特性向上の目的で、水、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、リン酸トリクレジル(TCP)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、プロピレンカーボナート、アルコール類、ケトン類、エステル類など有機質の賦形材の可塑剤又は溶剤の一種又は二種以上を、必要に応じて配合してもよい。
【0042】
これらの配合組成物をヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、二本ロール等で十分混練した後、押出成形機により細線状等に押出成形し、次いで、窒素雰囲気中又はアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気中等の非酸化性雰囲気中で焼成することにより有機質の賦形材が炭化された炭化物をバインダーとする第1焼成芯体が得られる。
得られた第1焼成芯体は、焼成で発生した気孔と炭化物のバインダーが微細で充分に存在し、且つ均一に分散していて、体質材が高配向している芯体である。
【0043】
尚、第2焼成芯体の強度を上げ、取扱い性を向上させるために、必要に応じて第1焼成芯体を得る配合組成物中に粘土、例えば、ベントナイト、カオリン等の無機質の結合材を配合することもでき、その配合量は25重量%未満に抑えた方が後述する窒化珪素による強度を発現しやすい。
又、必要に応じて、上記で得られた第1焼成芯体にペルヒドロポリシラザン含有液を含浸せしめ、窒素雰囲気等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中での熱処理により窒化珪素を生成させた焼成芯体であってもよい。
【0044】
上記で得られた第1焼成芯体を酸化雰囲気中で加熱して炭化物のバインダーを酸化除去させることにより多数の気孔を備えた多孔質芯体からなる第2焼成芯体が得られる。
ここで、第2焼成芯体の気孔は、体質材と有機質の賦形材等とからなる混練物を、非酸化性雰囲気で焼成することによって得られる気孔と、前記炭化物のバインダーを除去することにより得られる気孔の両者から構成されている。第2焼成芯体の気孔率の調整は、主に有機質の賦形材の配合割合を調整することにより行われるものであるが、他に炭素粒状物質等の気孔形成材を適宜添加してもかまわない。尚、全気孔に対する炭化物のバインダーの除去による気孔の量は全く任意である。
【0045】
得られた第2焼成芯体は、前述の如く、多数の気孔を備えた多孔質芯体であり、該気孔は、微細で充分に存在し、且つ均一に分散していて、体質材が高配向している芯体である。これにより、第1焼成芯体より得られる第2焼成芯体は、目的とする高強度の焼成着色シャープ芯体を得るのに有用なものとなる。
【0046】
又、第3焼成芯体は、上記で得られた多孔質芯体からなる第2焼成芯体をペルヒドロポリシラザン含有液に含浸せしめた後、このペルヒドロポリシラザン含有液含浸後の第2焼成芯体を窒素雰囲気等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中で400℃以上、好ましくは600℃以上での熱処理により第2焼成芯体に結合材として窒化珪素を生成させることにより得られる。
【0047】
第2焼成芯体へのペルヒドロポリシラザン含有液の充填量が大きい程、すなわち、第2焼成芯体の気孔率が大きい程、結合材としての窒化珪素の生成量も多くなり、得られる第3焼成芯体の機械的強度は強いものとなる。
しかし、第2焼成芯体の気孔率が80%を越えると、芯体の形状が保持されにくいためペルヒドロポリシラザン含有液の含浸工程が困難になる。又、気孔率が30%未満では、ペルヒドロポリシラザン含有液の充填量が少なく、機械的強度の顕著な向上が期待できず、更に、気孔率が30%未満では、得られた第3焼成芯体に充填されるインクの量も少なく、実用的な発色、濃度も得られないこととなり好ましくない。
従って、第2焼成芯体の気孔率の範囲としては、30〜80%が挙げられるが、得られる第3焼成芯体の品質をより良好とするためには、35〜75%とすることが好ましい。
【0048】
又、第3焼成芯体を得るために用いるペルヒドロポリシラザンは、セラミックス前駆体ポリマーであり、主鎖に[−Si−N−]構造を有し、側鎖に水素のみが結合したものであり、一般式では、[SiHa Nb ]n (式中、a は1〜3、b は0又は1)で表され、主として[−SiH2 NH−]n なる骨格を有する構造を示す。又、窒素雰囲気等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中の熱分解で消去するのは水素のみであり、非常に高い収率で結合材としての窒化珪素が得られることとなる。
生成する窒化珪素は、大部分が四窒化三珪素[Si3 N4 ]であるが、使用する原料、熱処理条件等により若干その他の形[Six Ny ]で存在するところもある。
【0049】
又、メチル基等の有機成分を含まないため、炭素を含まない無色透明で高純度の窒化珪素が得られる。更に、得られる窒化珪素が他の焼結法より低い温度、すなわち、珪素粉末から得る焼結法は1200℃〜1400℃という高温度で処理するものであったが、当方法では、窒素雰囲気等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中で600℃程度の低温度で得られる点に特徴を有する。
当方法で用いるペルヒドロポリシラザン含有液は、上記ペルヒドロポリシラザンを有機溶剤で溶解したものであり、該ペルヒドロポリシラザン含有液が第2焼成芯体に含浸可能なものであれば、使用する有機溶剤は特に限定されず、何れも使用可能である。使用する有機溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン(THF)、塩化メチレン、四塩化炭素、芳香族炭化水素系等の有機溶剤が挙げられる。
【0050】
ペルヒドロポリシラザン含有液を第2焼成芯体に含浸させる方法としては、第2焼成芯体をペルヒドロポリシラザン含有液中に浸漬し、必要に応じて加熱、減圧、加圧等の条件下で含浸させることにより行うことができる。
ここで、ペルヒドロポリシラザン含有液の含浸状態は、第2焼成芯体中に微細に、且つ均一に分散して含浸されることとなる。すなわち、第2焼成芯体は、上述の如く、気孔が微細で充分に存在し、且つ均一に分散していて、体質材が高配向しており、高強度の焼成着色シャープ芯体を得るのに有用なものであるので、ペルヒドロポリシラザン含有液は第2焼成芯体中に微細に、且つ均一に分散して含浸されることとなる。
尚、高強度の第3焼成芯体を得るために、必要に応じてペルヒドロポリシラザン含有液の含浸、焼成工程を繰り返し行ってもよい。
【0051】
得られた第3焼成芯体は、結合材としての窒化珪素が芯体中に微細で均一に分散して生成するものとなり、更に、体質材が高配向しているため少量の窒化珪素の生成で芯体の強度を発現しやすく、筆記時の芯体の崩れも均一となる。
【0052】
前記、高強度焼成の着色シャープ芯は、上記で得られた第3焼成芯体の気孔内に耐光性、耐候性に優れた着色剤を充填させることにより得られる。
充填する着色剤としては、耐光性、耐候性に優れた染料を水、有機溶剤等に溶解させてインク化し、更に含浸することができる。
更に耐光性、耐候性が要求される場合は、顔料の使用が考えられるが、単純に水、有機溶剤等の分散させたものでは芯の内部まで着色できないが、真の開気孔に酸、アルカリ、有機溶媒等に溶解させた有機顔料を含浸させ、更に開気孔内で水析等の手段により顔料を固体化させる方法、
芯の開気孔に顔料前駆体を含む液等を含浸させ、更に開気孔内で顔料化反応させる方法、
芯の開気孔に染料溶液、沈殿剤溶液を含浸して開気孔内でレーキ化反応させて顔料化する方法、等により芯内部まで顔料を充填できる。
【0053】
尚、上記着色剤充填方法は何れも含浸を促進させる目的で、加熱、減圧、加圧下で含浸を行うことや界面活性剤やその他の添加剤の存在下で含浸を行うことも可能である。
又、繰り返し充填してより色調を濃くすることも可能であるし、異なる二種類の充填法で着色することも可能である。
【0054】
更に、余分の開気孔にオイル等を含浸させて筆記時の潤滑性を向上させることも可能である。
消しゴムで焼成墨芯(黒芯)並に消去できるようにする為には、常温で液状の油脂類及び/又はワックス類の中から選択する必要がある。
具体的にはシリコンオイル、鉱物油、流動パラフィン、αーオレフィンオリゴマー等である。
【0055】
【作用】
上記、第1の実施例に於いて、先軸3又は中軸1に対して後軸4を一方に回転すると図1に示すように円筒カム5のカム斜面14の先端に設けた切欠15が一方のシャープペンシル筆記体7の摺動コマ6と係合してその筆記先端部を先軸先端口から突出する。この時円筒カム5の突起17は中軸1の周溝19で巾広溝50aに位置している。この状態で天冠37の後端をノックして円筒カム5を軸推移すると、その動作が摺動コマ6、芯パイプ23、シャープペンシル筆記体7に伝達され、筆記先端部の段部28が先軸3の内段部27に当接した状態から継手29と共にチャックが軸推移して芯が繰り出される。又、先軸3又は中軸1に対して後軸4を他方に回転すると、シャープペンシル筆記体7が後退し、代わりにシャープペンシル筆記体8の筆記先端部が先軸先端口から突出する。尚、筆記体収納時に於いては、突起17が周溝19の巾狭溝50bに位置してノック不可と成される。次に、後軸4の前方に対して天冠37を左右に回転すると、消しゴムホルダー42が前後動して後端孔39から消しゴム47が出没する。
【0056】
上記、第2の実施例に於いて、先軸3又は中軸1に対して後軸70を一方に回転すると、図5に示すように円筒カム71のカム斜面の先端に設けた切欠が一方のシャプペンシル筆記体7の摺動コマと係合してその筆記先端部を先軸先端口から突出する。この状態で天冠77の後端をノックして円筒カムを軸推すると、その動作が摺動コマ、芯パイプ、シャープペンシル筆記体7に伝達され、筆記先端部の段部28が先軸3の内段部27に当接した状態から継ぎ手と共にチャックが軸推移して芯が繰り出される。又、先軸3又は中軸1に対して後軸70を他方に回転するとシャープペンシル筆記体7が後退し、代わりにシャープペンシル筆記体8の筆記先端部が先軸先端口から突出する。
【0057】
次に、後軸70に対して消しゴムホルダー79の操作突起81を押圧後退させると、係合突起82がスリット73の溝75から離脱して移動するので、徐々に消しゴムホルダー79が後退して、消しゴム84が天冠77の開口部から繰り出される。又、操作突起81を押圧前進させると消しゴムホルダー79が前進してそれと共に消しゴム84が天冠77の開口部から没入する。
【0058】
上記、第3の実施例に於いて、先軸3又は中軸1に対して後軸90を一方に回転すると、図6に示すようにカム部100のカム斜面の先端に設けた切欠が一方のシャープペンシル筆記体7の摺動コマと係合してその筆記先端部を先軸先端口から突出する。この状態で天冠96の後端をノックして連動するカム部100を軸推移すると、その動作が摺動コマ、芯パイプ、シャープペンシル筆記体7に伝達されて、筆記先端部の段部28が先軸3の内段部27に当接した状態から継ぎ手と共にチャックが軸推移して芯が繰り出される。
【0059】
又、先軸3又は中軸1に対して後軸90を他方に回転すると、シャープペンシル筆記体7が後退し、代わりにシャープペンシル筆記体8の筆記先端部が先軸先端口から突出する。
次に、クリップ107の基部108の後端に指を当てて中軸1に対し後軸90を前進させると、カム部100の前進が阻止された状態からチャック体101に対し後軸90が前進して消しゴム106が天冠96の孔部97から出没する。
即ち、締め具104が天冠内孔の段部98に当接する範囲でチャック体101の把持部外周に係合して可動する。従って、締め具104の可動範囲と略同等のピッチで消しゴム106が孔部97から繰り出される。
【0060】
発明の効果
本発明は以上のように、複数の筆記体先端部が先軸先端口から選択的に出没可能で、且つその後端に出没可能な消しゴムを備えて成る複式筆記具であって、筆記体の内、少なくとも1本を黒以外の着色シャープ芯を内蔵したシャープペンシル筆記体として、該着色シャープ芯が消しゴムで容易に消去可能な芯と成されるものであり、
又、使用する着色シャープ芯は、前記従来の芯の欠点を解決した焼成多孔質鉛筆芯で、強度を強く保ち、しかも鮮やかな色を出させて耐光性、耐候性に優れた描線を描かせ、消しゴムによる消去性を有するなどの特性を同時に有するものであり、
携帯性に優れ、書いたり消したりが容易で、黒以外の消せる色芯の搭載を可能とした便利な複式筆記具の提供を可能とするものである。
【0061】
具体的には、2本のシャープペンシル筆記体を有して、それぞれ黒シャープ芯と赤シャープ芯を備えたWペン、3本のシャープペンシル筆記体を有して、それぞれ黒シャープ芯、赤シャープ芯、青シャープ芯等を備えたトリプルペン、2本のシャープペンシル筆記体とボールペン等筆記体を有したトリプルペンなど使用の選択肢に合わせて便利な複式筆記具が提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す全体の縦断面図で、一部非断面で示している。
【図2】円筒カムの突起と中軸の周溝との係合状態を示す説明図である。
【図3】円筒カムの突起と中軸の周溝との係合状態の他の対応例を示す説明図である。
【図4】図3に於ける係合部の要部断面図である。
【図5】本発明の第2の実施例を示す全体の縦断面図で、一部非断面で示している。
【図6】本発明の第3の実施例を示す全体の縦断面図で、一部非断面で示している。
【符号の説明】
1 中軸
1` 中軸
2 ガイド部
3 先軸
4 後軸
5 円筒カム
6 摺動コマ
6` 摺動コマ
7 シャープペンシル筆記体
8 シャープペンシル筆記体
9 案内溝
9` 案内溝
10 筒部
11 ノックスプリング
12 係合溝
13 係合部
14 カム斜面
15 切欠
16 仕切り部
17 突起
18 縦溝
18a 傾斜面
18b 巾狭部
19 周溝
20 壁
21 窓
22 突起
22` 突起
23 芯パイプ
24 フランジ部
25 尾栓
26 芯パイプ
27 内段部
28 段部
29 継ぎ手
30 リターンスプリング
30` リターンスプリング
31 段部
32 孔
32` 孔
33 螺旋溝
34 軸部
35 係合部
36 ボス部
37 天冠
38 係合部
39 後端孔
40a 外筒部
40b 内筒部
41 スリット
42 消しゴムホルダー
43 筒部
44 突起
45 弾性片
46 係止突起
47 消しゴム
48 後壁
49a 前壁
49b 前壁
49c 前壁
50a 巾広溝
50b 巾狭溝
50c 巾広溝
60 周溝
61 ガイド溝
62 仕切り壁
63 傾斜面
70 後軸
71 円筒カム
72 筒部
73 スリット
74 突起
75 溝
76 後端部
77 天冠
78 当接部
79 消しゴムホルダー
80 弾性片
81 操作突起
82 係合突起
83 嵌合部
84 消しゴム
90 後軸
91 内周部
92 突部
93 内周部
94 軸部
95 係止部
96 天冠
97 孔部
98 段部
99 係止部
100 円筒カム
101 チャック体
102 鍔部
103 内段部
104 締め具
105 スプリング
106 消しゴム
107 クリップ
108 基部

Claims (5)

  1. 少なくとも1本は黒以外の着色シャープ芯が内蔵されたシャープペンシル筆記体とした複数の筆記体を搭載して、先軸又は中軸に対する円筒カムの回転によって交互に前後動させて、各筆記体の先端を先軸の先端口から選択的に出没可能とした複式筆記具に於いて、
    上記着色シャープ芯は、少なくとも体質材と有機質の賦形材を含む配合組成物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成することにより、該有機質の賦形材が炭化された炭化物をバインダーとする第1焼成芯体を形成し、該第1焼成芯体を酸化雰囲気中で加熱して炭化物のバインダーを酸化除去させた少なくとも体質材からなる第2焼成芯体を形成し、該第2焼成芯体の気孔内に、ペルヒドロポリシラザン含有液を含浸し、窒素雰囲気等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中での熱処理により窒化珪素を生成させた第3焼成芯体を形成し、この第3焼成芯体の気孔内に着色剤を充填させてなり、
    上記円筒カムの後方に一体的に後軸が設けられて、後軸内に消しゴムを挟着した消しゴムホルダーが前後動可能に設けられ、後軸の後端から消しゴムが出没可能となる複式筆記具。
  2. 樹脂製の先軸と樹脂製の中軸の先方を互いに回転不能且つ抜け止め状態に嵌着する係合部を夫々設けて両者を固定し、中軸に一体化したガイド部の複数の案内溝に、夫々筆記体をガイド部と摺動コマとの間にリターンスプリングを附勢して前後動自在に嵌装し、軸方向に変位するカム斜面を前端部に円周状に設けた円筒カムをガイド部又は中軸に対し回転可能に抜け止めし、各摺動コマをカム斜面に当接させることにより先軸又は中軸に対する円筒カムの回転によって交互に前後動させて、各筆記体の先端を先軸の先端口から選択的に出没可能とし、少なくともシャープペンシル筆記体を突出した時に、円筒カムが中軸及びガイド部に対し軸推移して芯の繰り出しが可能と成された上記請求項1記載の複式筆記具。
  3. 円筒カムの後方に一体的に樹脂製の後軸が設けられ、後軸の内孔部に螺旋溝が形成されて、樹脂製の天冠が長いスリットを有した内筒部と外筒部とで一体的に設けられ、天冠の内筒部が後軸の内孔に嵌装され、外筒部が後軸後方の外周部に回転のみ可能に止着されて内筒部内に、後方に消しゴムを挟着する弾性部と前方の筒部に突起を有した消しゴムホルダーが突起をスリットと螺旋溝に嵌入した状態で装着されて、先軸又は中軸に対し後軸を回転することで筆記体の先端が出没し、後軸に対し天冠の外筒部を回転することで消しゴムが出没可能となるように構成したことを特徴とする上記請求項2記載の複式筆記具。
  4. 円筒カムの後方に延設した筒部にスリットを設けて樹脂製の後軸と成し、筒部のスリットの両側には突起と溝が交互に設けられて、後方に消しゴムを止着した消しゴムホルダーがその外周に設けた突起を上記スリットの溝に係脱可能に嵌入させて取付けられ、後軸に対して消しゴムホルダーを前後動させて消しゴムを後軸の後端から出没自在としたことを特徴とする上記請求項2記載の複式筆記具。
  5. 少なくとも1本は黒以外の着色シャープ芯が内蔵されたシャープペンシル筆記体とした複数の筆記体を搭載して、先軸又は中軸に対する円筒カムの回転によって交互に前後動させて、各筆記体の先端を先軸の先端口から選択的に出没可能とした複式筆記具に於いて、
    上記着色シャープ芯は、少なくとも体質材と有機質の賦形材を含む配合組成物を混練、押出成形、非酸化性雰囲気で焼成することにより、該有機質の賦形材が炭化された炭化物をバインダーとする第1焼成芯体を形成し、該第1焼成芯体を酸化雰囲気中で加熱して炭化物のバインダーを酸化除去させた少なくとも体質材からなる第2焼成芯体を形成し、該第2焼成芯体の気孔内に、ペルヒドロポリシラザン含有液を含浸し、窒素雰囲気等の不活性雰囲気中又はアンモニアガス雰囲気中での熱処理により窒化珪素を生成させた第3焼成芯体を形成し、この第3焼成芯体の気孔内に着色剤を充填させてなり、
    円筒カムとチャック体が一体に形成され、チャック体の外側に後軸が回転止めされた状態でチャック体に対し後軸が軸推移可能と成されると共に、チャック体後端の把持部外周に被嵌された締め具によって把持部に把持された消しゴムを締め付けるようにチャック体と後軸との間にスプリングが敷設されて、後軸の軸推移に伴い後軸後端に設けられた天冠内孔の段部に当接する可動範囲でチャック体の把持部外周から締め具が係脱して、締め具の可動範囲と略同等のピッチで消しゴムが天冠後端孔から繰り出し可能となる複式筆記具。
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