以下、本発明に係る発射手段を備える遊技機の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。図1を参照し、パチンコ機1の機械的構成について説明する。なお、以下の説明において、パチンコ機1の上下方向、左右方向、及び表裏方向については、特に断りがない場合、遊技盤2の盤面の向きを基準とする。即ち、ホールに設置されたパチンコ機1で遊技を行う遊技者からパチンコ機1を見た向き(図1に示されるパチンコ機1の向き)が基準となる。以下では便宜上、図1紙面の表裏方向をパチンコ機1の前後方向として説明を行う。また、パチンコ機1に使用される装置や部品についても、パチンコ機1に組み付けられた場合の向きを基準に、上下方向、左右方向、及び前後方向を規定するものとする。
図1に示すように、パチンコ機1の上側部分には遊技盤2が設けられる。遊技盤2は正面視略正方形の板状であり、透明なガラス板を保持した前面枠11によって前面を保護される。前面枠11には、ガラス板を取り囲むように電飾部材35が設けられる。電飾部材35は、遊技の進行等に応じて点灯又は点滅する。
遊技盤2の下側部分には上皿5と下皿6が設けられる。上皿5は、発射装置37の発射機構90(図3参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける。上皿5の上部中央には、遊技者によって操作される操作ボタン9Cと左右ボタン9L,9Rが設けられる。下皿6は上皿5の直下に設けられ、上皿5から溢れたり排出されたりする賞品球を受ける。前面枠11の上部の左右両角部と、上皿5の左右両角部のそれぞれには、スピーカ48が設けられる。
発射装置37は、発射機構90、発射ハンドル7、発射制御基板100を備える。発射ハンドル7は、下皿6の右横に設けられる。発射制御基板100は、遊技盤2の背面側で、発射ハンドル7の上側に設けられる。発射機構90は、遊技盤2の背面側で、発射制御基板100の左側に設けられ、ガイドレール3に接続する。発射ハンドル7は、発射レバー73(図2参照)が遊技者による回動操作を受け付け、遊技球の発射強度を調整する。遊技者が発射レバー73を操作すると、発射制御基板100は、発射レバー73の回動角度に応じた強度で遊技球が発射されるように、発射機構90の動作を制御する。
遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成される。ガイドレール3は、遊技領域4の左側に形成される。発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行するセンター飾り8が設けられる。センター飾り8は、可動体31(図2参照)、表示画面28等を主に備える。表示画面28はセンター飾り8の略中央に配置される。可動体31は、表示画面28の周囲に設けられる。可動体31は、可動部を動作させることで各種演出を行う。
表示画面28は例えばLCD等によって構成されており、様々な画像、映像、文字、数字等を表示可能である。表示画面28は、演出背景に重ねて、演出図柄281、第一保留図柄282、第二保留図柄283等を表示する。演出図柄281は、第一大当り判定及び第二大当り判定の結果を報知するための複数(本実施形態では3つ)の演出用の図柄である。第一保留図柄282は、第一大当り判定の結果がまだ表示されていない遊技球の数を表示するための演出用の図柄である。第二保留図柄283は、第二大当り判定の結果がまだ表示されていない遊技球の数を表示するための演出用の図柄である。
第一大当り判定は、特別図柄始動入賞口15に入賞した場合に行われる大当り判定である。第二大当り判定は、普通電動役物13に入賞した場合に行われる大当り判定である。以下、第一大当り判定と第二大当り判定を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、「大当り判定」ともいう。パチンコ機1は演出図柄281を変動させる図柄変動を表示した後に、大当り判定の結果を示す演出図柄281の組合せを確定表示する報知演出を実行することで、大当り判定の結果を遊技者に報知する。大当り判定の結果が大当りであることを示す演出図柄281の組合せは、例えば「777」「222」等、同じ数字を示す3個の演出図柄281による組合せである。また、大当り判定の結果がはずれであることを示す演出図柄281の組合せは、「767」「143」等、同じ数字を示す演出図柄281が3個揃わない組合せである。
センター飾り8の略中央下方には、特別図柄始動入賞口15が設けられる。特別図柄始動入賞口15の右方には、大入賞口18が設けられる。大入賞口18の右斜め上方には、普通電動役物13が設けられる。普通電動役物13の上方には、普通図柄始動ゲート12が設けられる。普通電動役物13,大入賞口18は、それぞれ第一開閉部材14,第二開閉部材19を備える。遊技球は、第一開閉部材14が開放された場合(普通電動役物13が開放された場合)にのみ、普通電動役物13に入賞できる。遊技球は、第二開閉部材19が開放された場合(大入賞口18が開放された場合)にのみ、大入賞口18に入賞できる。第一開閉部材14及び第二開閉部材19は、それぞれ、普通電動役物開閉ソレノイド81及び大入賞口開閉ソレノイド80(図4参照)によって、電気的に開閉される。
遊技盤2の右下部には、図柄表示部24が設けられる。図柄表示部24は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LED、普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一特別図柄表示部と第二特別図柄表示部は、それぞれ1つの7セグメントLEDからなり、第一大当り判定と第二大当り判定の結果を示す第一特別図柄と第二特別図柄を表示する。普通図柄表示部は、LEDの点灯と消灯によって普通当り判定の結果を表示する。第一特別図柄記憶数表示LEDと第二特別図柄記憶数表示LEDは、大当り判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である特別図柄保留球数を表示する。普通図柄記憶数表示LEDは、普通当り判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である普通図柄保留球数を表示する。
遊技領域4には、上記以外に、アウト口36、各種の電飾ランプ、複数の一般入賞口20、風車、及び遊技釘等が設けられる。遊技領域4を流下する遊技球のうち、特別図柄始動入賞口15、大入賞口18、及びその他の入賞口のいずれにも入賞せずに、遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、アウト口36を通過し、遊技領域4の外部へ排出される。また、遊技盤2の背面側には、遊技の主制御、各種演出等を制御する制御部40(図4参照)が設けられる。
図2、図3を参照し、発射装置37の構造について説明する。発射装置37の発射ハンドル7は、遊技者による操作を受け付ける部位である。図2に示すように、発射ハンドル7は、支持部71と操作部72を備える。支持部71は前後方向に延びる筒状に形成され、前部に操作部72を支持する。発射ハンドル7は、支持部71の後端がパチンコ機1右下角部の取付穴(図示略)に差し込まれ、操作部72をパチンコ機1の前方に突出させた状態でパチンコ機1に固定される。
支持部71内には発射ボリューム77が設けられる。発射ボリューム77は可変抵抗器であり、操作部72の発射レバー73の回動角度に応じて抵抗値が変化する。発射ボリューム77の軸は、発射レバー73の回転中心に接続される。発射レバー73は円盤形状の回転板であり、周縁部に複数の突部73Aが設けられる。突部73Aは、遊技時、遊技者が発射レバー73を回動するため、指を掛ける部位である。操作部72内にはばね(図示略)が設けられ、発射レバー73は、正面視、反時計回りに付勢されている。遊技者が発射レバー73を操作しないとき、発射レバー73は、回動範囲において反時計回り方向側の初期位置に配置される。このときの発射ボリューム77の抵抗値は例えば無限大となり、発射ボリューム77から信号が出力されない状態となる。遊技者が発射レバー73を時計回りに回動すると、回動量に応じて発射ボリューム77の抵抗値は減少し、回動量に応じた強度の信号(操作信号(後述))が出力される。
発射レバー73の表面には導電性のメッキ層が形成され、タッチセンサ76(図4参照)に接続される。タッチセンサ76は静電容量式のセンサであり、遊技者の手や指が発射レバー73等に触れたとき接点が閉じてON(High)になり、信号が出力される。なお、操作部72において、発射レバー73の後ろに位置する部分72Aの表面にも導電性のメッキ層が形成され、タッチセンサ76に接続される。
発射レバー73の前面には前カバー74が設けられる。遊技時、遊技者は前カバー74に掌を当て、手の位置を固定しながら発射レバー73を操作することができる。操作部72の左側下部側面には、球止めスイッチ75が設けられる。遊技者は、発射レバー73を操作しながら、例えば親指で、球止めスイッチ75を操作することができる。球止めスイッチ75は常時接点が閉じた状態のスイッチであり、操作時に接点が開いてOFF(Low)になり、遊技球の発射が停止される。
発射装置37の発射機構90は、前面枠11の裏面で上皿5の右横に設けられる(図1参照)。図3に示すように、発射機構90は、取付板91、ストッパ92,93、打球槌95、発射モータ98を備える。取付板91は、前面枠11の裏側に組み付けられ、発射機構90をパチンコ機1に固定する。発射モータ98は、取付板91の裏面に設けられ、出力軸98Aを前後方向に向けて配置する。出力軸98Aは、取付板91の略中央で前面に露出する。出力軸98Aには打球槌95が取り付けられる。打球槌95は板状で、略くの字に屈曲する。出力軸98Aは、打球槌95の屈曲部分に固定される。屈曲部分から下方へ延びる腕部95Aの先端部には、打撃部95Bが設けられる。打撃部95Bは、腕部95Aの先端部から左斜め上方へ向けて突出し、圧縮ばねが嵌められる。屈曲部分から左斜め上方へ延びる腕部95Cの先端部には、釣合い部95Dが設けられる。釣合い部95Dは打球槌95の回動時に、打撃部95Bによって打球槌95に作用する遠心力の不釣り合いを抑制する。
打球槌95は、ばね(図示略)によって正面視時計回りに付勢されている。ストッパ92は、取付板91の前面で、出力軸98Aの右方に設けられる。打球前、打球槌95の腕部95Aはストッパ92に当接し、打撃部95Bを打球前の初期位置に配置する。打球槌95は打球時に、発射モータ98によって正面視時計回りに回動する(矢印A参照)。ストッパ93は、取付板91の前面で、出力軸98Aの上方に設けられる。打球時、ストッパ93は、打球槌95の釣合い部95Dに当接し、打撃部95Bをガイドレール3の端部に配置する。
遊技球の打ち出しが行われるとき、発射制御基板100は、発射ボリューム77の回動量に応じた大きさの励磁電流を発射モータ98に流す。発射モータ98は、励磁電流の大きさに応じたトルクを発生し、出力軸98Aを正面視時計回りに回動する。打球槌95は、矢印Aで示すように、釣合い部95Dがストッパ93に当接するまで、正面視時計回りに勢いよく回動する。打撃部95Bは、ガイドレール3上に供給される遊技球に衝突し、矢印Bで示すように、遊技球をガイドレール3に沿って打ち出す。遊技球が打ち出され、発射制御基板100が発射モータ98への励磁電流の供給を停止すると、打球槌95はばねによって反時計回りに回動し、打撃部95Bを初期位置に戻す。
発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。所定のトルク未満で発射された遊技球は、遊技領域4内で、センター飾り8左側の左領域4L内を流下する。以下、左領域4L内を流下するように発射レバー73の回転角度を調整して遊技球を発射することを「左打ち」という。左打ちされた遊技球は、センター飾り8の右側に設けられた普通図柄始動ゲート12、普通電動役物13よりも、センター飾り8の下方に設けられた特別図柄始動入賞口15を通過又は入賞しやすい。所定のトルク以上で発射された遊技球は、遊技領域4内で、センター飾り8右側の右領域4R内を流下する。以下、右領域4R内を流下するように発射レバー73の回転角度を調整して遊技球を発射することを「右打ち」という。右打ちされた遊技球は、特別図柄始動入賞口15よりも普通図柄始動ゲート12、普通電動役物13を通過又は入賞しやすい。
大入賞口18は、センター飾り8の右下方に設けられるので、開放中の大入賞口18には、左打ちされた遊技球よりも右打ちされた遊技球の方が入賞しやすい。遊技領域4を流下する遊技球のうち、特別図柄始動入賞口15、普通電動役物13、大入賞口18、その他の一般入賞口20のいずれにも入賞せず遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、アウト口36を通過し、遊技領域4外へ排出される。
なお、パチンコ機1では、特別図柄始動入賞口15、普通電動役物13、大入賞口18、一般入賞口20に遊技球が入賞した場合、賞球払出装置49(図4参照)によって、それぞれ、所定数(本実施形態では、3個、1個、10個、10個)の賞品球が払い出される。なお、賞品球数はこれらに限定されない。
図4を参照し、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1は、遊技盤2の背面側に、各種基板を備えた制御部40を備える。制御部40は、主制御基板41、サブ制御基板60、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継基板47、電源基板42を備える。
主制御基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主制御基板41の主制御ユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられる。主制御ユニット50には、割込信号発生回路57が接続される。割込信号発生回路57は4msごとに割込信号を発生し、主制御ユニット50に出力する。主制御基板41は、割込信号の入力を契機にプログラムを実行する。主制御基板41は、I/Oインタフェイス54を介し、サブ制御基板60、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一始動口スイッチ82、第二始動口スイッチ83に接続する。出力ポート55は、図示しない遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。第一始動口スイッチ82は、特別図柄始動入賞口15に入賞した遊技球を検出する。第二始動口スイッチ83は、普通電動役物13に入賞した遊技球を検出する。
サブ制御基板60は、CPU61、RAM62、ROM63を備える。CPU61は、主制御基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。RAM62は、CPU61による演算処理で得られたデータを一時的に記憶する。ROM63は、サブ制御基板処理(図示略)を実行するためのプログラム、及びプログラムが使用する各種フラグやデータの初期値等を記憶する。
サブ制御基板60は、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン9C、左右ボタン9L,9R、スピーカ48に接続する。ランプドライバ基板46は、サブ制御基板60から受信するコマンドに従って、前面枠11の電飾部材35、センター飾り8の各種照明、操作ボタン9Cに内蔵するLED等の発光動作、可動体31の動作等を制御する。演出制御基板43は、CPU431、CGROM432等を備え、サブ制御基板60から受信するコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。CGROM432は、各種演出に用いるための動画及び静止画の画像データを記憶する。操作ボタン9C、左右ボタン9L,9Rは、遊技者の操作に応じて検出信号をサブ制御基板60に出力する。スピーカ48は、サブ制御基板60から送信されるデジタルの音信号をアナログの音に変換して出力する。
払出制御基板45は、CPU451等を備える。CPU451は、主制御基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を賞品球として払い出させる。
中継基板47は、普通電動役物開閉ソレノイド81、大入賞口開閉ソレノイド80、普通図柄作動スイッチ84、大入賞口スイッチ85、複数の一般入賞口スイッチ86、図柄表示部24に接続する。普通電動役物開閉ソレノイド81は、普通当り遊技中に普通電動役物13の第一開閉部材14を開閉する。大入賞口開閉ソレノイド80は、大当り遊技中に大入賞口18の第二開閉部材19を開閉する。普通図柄作動スイッチ84は、普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球を検出する。大入賞口スイッチ85は、大入賞口18に入賞した遊技球を検出する。複数の一般入賞口スイッチ86は、それぞれ対応する一般入賞口20に入賞した遊技球を検出する。
電源基板42は、主制御基板41と発射制御基板100に接続されており、制御部40の各基板と発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。発射制御基板100は、発射ハンドル7の球止めスイッチ75、タッチセンサ76、発射ボリューム77と、発射機構90の発射モータ98に接続する。
図5を参照し、発射装置37の電気的構成について説明する。発射装置37の発射制御基板100は電源基板42から供給される電力で動作し、発射モータ98の駆動を制御することによって、一定間隔(例えば0.6秒)ごとに1個ずつ遊技球を遊技領域4へ向けて発射する。
なお、以下の説明において、発射制御基板100に設けられる各回路間では各種信号の出力及び入力がなされるが、各信号の状態には信号電圧が低いLow状態と、信号電圧がLow状態よりも高いHigh状態とがある。本実施形態では、各回路間での各信号の入出力について信号電圧の状態を示した上での説明を行うが、便宜上、信号電圧の状態を示さずに、単に信号の有無によって説明を行う場合がある。この場合の信号の有無は、それぞれ、信号電圧のHigh状態とLow状態を示すものとする。具体的に、例えば、「回路が出力する信号の状態がLowからHighになる」との記載は、便宜上、「回路が信号を出力する」と記載する場合がある。
発射制御基板100は、球止めスイッチ75、タッチセンサ76及び発射ボリューム77から出力される信号に基づいて、発射モータ98の駆動を制御する。発射制御基板100には、フリップフロップ110、発振回路160、分周回路130,170、ANDゲート150、駆動制御回路190、電源回路180、RC回路120が形成される。フリップフロップ110は、所謂D型フリップフロップであり、クロック(CLK)入力の立ち上がりエッジにおけるD入力の値をQ出力として保持するロジック回路である。便宜上、フリップフロップ110がQ端子から出力する信号を「許可信号」という。
発振回路160は、所定周波数のクロックパルスを発生する回路である。分周回路130,170はクロックパルスの周期を任意に遅らせたパルスを出力するカウンタ回路である。分周回路130,170には発振回路160が出力するクロックパルスが入力される。分周回路130,170は、クロックパルスの立ち上がりエッジの数をカウントし、所定のカウント数ごとに1回立ち上がるパルス波を出力する。分周回路130は0.27秒ごとに1パルスを発生するパルス波を出力し、フリップフロップ110のCLK端子に入力する。便宜上、分周回路130が出力するパルス波を「間欠信号」という。分周回路170は0.6秒ごとに1パルスを発生するパルス波を出力し、駆動制御回路190に入力する。便宜上、分周回路170が出力するパルス波を「指示信号」という。
ANDゲート150は、2つの入力端子から信号の入力を受け付け、入力が共にHighの場合にのみ、Highを出力するロジック回路である。ANDゲート150の入力端子には、タッチセンサ76と球止めスイッチ75がそれぞれ接続される。ANDゲート150の出力端子は、フリップフロップ110のD端子に接続する。便宜上、ANDゲート150が出力端子から出力する信号を「受付信号」という。フリップフロップ110のQ端子は、分周回路170の入力端子に接続する。従ってフリップフロップ110は、間欠信号がLowからHighへの立ち上がりで受付信号がHighならば、許可信号をHighで出力し且つHighに保持し、受付信号がLowならば、許可信号をLowで出力し且つLowに保持する。以下では便宜上、信号がLowからHighへの立ち上がることを、単に「立ち上がり」という。分周回路170は、フリップフロップ110のQ出力(許可信号)が立ち上がったとき、0.6秒ごとのパルス波(指示信号)の出力を開始する。
分周回路170の出力端子は、駆動制御回路190の入力端子に接続する。駆動制御回路190は、電源基板42に接続する電源回路180から電力の供給を受け、発射モータ98の駆動を制御する。駆動制御回路190には、RC回路120を介して発射ボリューム77が接続される。便宜上、発射ボリューム77が出力する信号を「操作信号」という。発射ボリューム77は電源回路180に接続し、可変抵抗器の両端に+5Vの電圧が印加される。発射ボリューム77の出力端子の電位は発射レバー73の回動角度に応じて変位し、操作信号としてRC回路120に入力される。よって、発射レバー73の操作がない場合、発射ボリューム77の抵抗値が無限大であり、操作信号の電位は基準電位(例えば0V)である。
RC回路120は、抵抗器とコンデンサで構成された公知の回路である。RC回路120は、発射ボリューム77から入力される操作信号の大きさが変化するとき、その変化を遅延させた信号を駆動制御回路190に出力する。便宜上、RC回路120が出力する信号を「駆動信号」という。駆動制御回路190は、分周回路170が出力する0.6秒ごとのパルス波(指示信号)が立ち上がるとき、RC回路120から入力される駆動信号に基づいて、発射ボリューム77の回動量に応じた大きさの励磁電流を発射モータ98に流す。
従って、タッチセンサ76がOFF(非接触)のとき、又は球止めスイッチ75がOFF(操作中)のとき、駆動制御回路190に分周回路170からパルス波の入力がなく、発射モータ98は駆動しない。また、発射レバー73の操作がなく発射ボリューム77の抵抗値が無限大のとき、駆動制御回路190から励磁電流が流されず、発射モータ98は駆動しない。即ち、発射モータ98は、タッチセンサ76がON(接触中)、且つ球止めスイッチ75がON(非操作)で、発射レバー73が操作されたときに駆動する。
次に、パチンコ機1の動作について簡単に説明する。通常遊技状態では左打ちで遊技が行われる。発射ハンドル7の操作によって発射装置37から発射される遊技球が特別図柄始動入賞口15へ入賞すると、第一大当り乱数、第一特別図柄決定乱数及び第一変動パターン決定乱数が取得され、第一大当り判定が行われる。第一大当り乱数、第一特別図柄決定乱数及び第一変動パターン決定乱数は、それぞれの各乱数に対応してRAM52に設けられる乱数取得カウンタ(図示略)の値がそれぞれ読み出されることによって取得される。第一大当り判定では、第一大当り乱数が大当りであるか、はずれであるかが判定される。図柄表示部24の第一特別図柄表示部には、第一大当り判定の結果と第一特別図柄決定乱数に基づき、複数の第一特別図柄のうちの1つが表示される。その過程において、第一変動パターン決定乱数に基づく特別図柄変動パターンに従う演出が実行される。第一大当り判定の結果、大当りであると判定されると、大入賞口18が開放される大当り遊技が実行される。大当り遊技中は右打ちで遊技が行われる。
普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過すると普通当り判定が行われる。大当り遊技の終了後に時短遊技状態に移行すると、普通当り判定において普通当り判定される確率が高くなる。よって時短遊技中も右打ちで遊技が行われる。普通当り判定の結果、普通当りであると判定されると、普通電動役物13が開放される。普通電動役物13へ遊技球が入賞すると、第二大当り乱数、第二特別図柄決定乱数及び第二変動パターン決定乱数が取得され、第二大当り判定が行われる。第二大当り乱数、第二特別図柄決定乱数及び第二変動パターン決定乱数は、それぞれの各乱数に対応してRAM52に設けられる乱数取得カウンタ(図示略)の値がそれぞれ読み出されることによって取得される。第二変動パターン決定乱数に基づく特別図柄変動パターンに従う演出が実行され、図柄表示部24の第二特別図柄表示部に、第二大当り判定の結果と第二特別図柄決定乱数に基づき決定される第二特別図柄が表示される。第二大当り判定の結果、大当りであると判定されると、上記同様に大当り遊技が実行される。
図5、図6を参照し、発射装置37の動作を説明する。以下では一例として、大当り遊技中に一部の遊技者が行う可能性のある発射ハンドル7の操作を説明する。発射装置37は、制御部40によるパチンコ機1の制御とは独立に動作する。T2タイミング以前は、大入賞口18が開放される前の時期である。大当り遊技開始時の演出が行われており、遊技者は、例えば発射ハンドル7から手を離して大当り開始時の演出を鑑賞している。球止めスイッチ75の接点は常時閉じており、その出力はHighである。また、発射ハンドル7の操作が行われないため、タッチセンサ76の出力はLowである。従ってT2タイミング以前にANDゲート150が出力する受付信号はLowである。なお、遊技者が遊技中に遊技球の打ち出しを停止する場合、遊技者は、発射ハンドル7を握ったまま球止めスイッチ75を操作する。この場合、タッチセンサ76の出力がHighであるが、球止めスイッチ75の出力がLowとなるため、T2タイミング以前と同様に、受付信号はLowになる。
分周回路130が出力する間欠信号は常時フリップフロップ110に入力されており、0.27秒に一回、一時的にHighになる。T1タイミングに間欠信号が立ち上がるときの受付信号はLowであるので、フリップフロップ110から出力される許可信号は、Lowに維持される。T2タイミングに大入賞口18が開放され、遊技者が発射ハンドル7を握ると、タッチセンサ76の出力はHighになる。球止めスイッチ75は操作されなければHighを出力するため、ANDゲート150の出力する受付信号はHighになる。T2タイミングにおいて間欠信号はLowであり、従ってフリップフロップ110から出力される許可信号はLowに維持される。
遊技者は遊技球を右打ちするため、発射ハンドル7の発射レバー73を時計回りに回動範囲の一杯まで一気に回動する。発射ボリューム77の抵抗値は回動量に応じて減少する。発射レバー73の操作を開始したT2タイミングには最小値であった操作信号は、T3タイミングに最大値になる。
RC回路120は、T2~T3タイミングにかけて増加する操作信号に追従して増加する駆動信号を駆動制御回路190に出力する。駆動信号はT2~T6タイミングにかけて緩やかに増加し、T6タイミングには、T3タイミングにおける操作信号に対応する大きさの信号となる。
T2タイミング以降で最初に間欠信号が立ち上がるT4タイミングにおいて、受付信号がHighであるため、フリップフロップ110から出力される許可信号はHighになり、以後Highに維持される。分周回路170は、許可信号が立ち上がったT4タイミングに、指示信号としてHighを出力する。駆動制御回路190は、指示信号が立ち上がったT4タイミングにおける駆動信号の大きさに対応する大きさの励磁電流を発射モータ98に流す。T4タイミングにおいて、操作信号が最大値であるのに対し、駆動信号はT2~T6タイミングにかけて増加するので最大値になっていない。発射モータ98は、T4タイミングにおける駆動信号の大きさに対応するトルクで駆動し、打球槌95で遊技球を遊技領域4へ向けて打ち出す。
このように、許可信号は、遊技者が発射ハンドル7を操作したT2タイミングよりD1時間遅れたT4タイミングに立ち上がり、T2~T6タイミングにかけて増加する途中の駆動信号のT4タイミングにおける大きさに応じたトルクで発射モータ98が駆動される。言い換えると、遊技者が発射ハンドル7を操作するタイミングが間欠信号の立ち上がりのタイミングと一致しなければ、許可信号が間欠信号の次の立ち上がりのタイミングまで立ち上がらないので、発射モータ98の駆動開始のタイミングは、D1時間、遅れる。間欠信号は0.27秒に一回立ち上がるので、D1時間は、0秒以上0.27秒未満である。そして、遊技者が発射ハンドル7を操作するタイミングは任意である。故に、発射装置37は、遊技球の初回の発射タイミングを、発射ハンドル7の操作タイミングから0秒以上0.27秒未満の任意のD1時間分、遅れさせることができる。
ところで、遊技球の打ち出しを開始する時、RC回路120によって駆動信号の変化が操作信号よりも遅延するため、発射モータ98のトルクの増加が発射ハンドル7の操作に対して遅れ、遊技球の打ち出しが弱くなりファール球が生ずる可能性がある。しかし、上記のように遊技球の初回の発射タイミングが、発射ハンドル7の操作タイミングから0秒以上0.27秒未満の任意のD1時間分、遅れることによって、発射装置37は、その間に発射モータ98のトルクを増加することができる。このため発射装置37は、ファール球の発生を抑制することができる。
遊技者が右打ちを行い、許可信号がT4タイミングにHighになって以降もHighに維持される間、分周回路170が出力する指示信号は、0.6秒に一回立ち上がる。遊技球は、0.6秒ごとに一発ずつ、その時の駆動信号の大きさに対応するトルクで発射モータ98が駆動されることによって、遊技領域4へ向けて打ち出される。T5タイミングに指示信号が立ち上がるとき、駆動信号はまだ最大値になっていないが、遊技球は、その時の駆動信号の大きさに対応するトルクで打ち出される。
大入賞口18は、遊技球が例えば9球入賞すると閉鎖する。遊技者が、例えば、9球目の遊技球の打ち出しにおいては右領域4Rを狙いつつもトルクを弱め、10球目の遊技球の打ち出しにおいてはトルクを強める捻り打ちを行った場合、9球目と10球目の遊技球が略同時に大入賞口18に入賞するオーバー入賞を作為的に狙える可能性がある。捻り打ちを行う場合、遊技者は、捻り打ちの準備のため、先に遊技球が打ち出されたタイミングから0.6秒が経過する前のT11~T12タイミングにおいて、発射ハンドル7の発射レバー73を反時計回りに回動範囲の途中まで回動しつつ、右打ちを維持する。発射ボリューム77の抵抗値は回動量に応じて増加する。発射レバー73の操作を開始したT11タイミングには最大値であった操作信号は、T12タイミングに中間値になる。
RC回路120は、T11~T12タイミングにかけて減少する操作信号に追従して減少する駆動信号を駆動制御回路190に出力する。駆動信号はT11~T13タイミングにかけて緩やかに減少する。T13タイミングには、操作信号がT12タイミングに達した大きさに対応する大きさの信号となる。遊技者はT12タイミング以降、発射レバー73の回動量を維持する。よって駆動信号の大きさはT14タイミングに指示信号が立ち上がるときにも維持されている。遊技球は、T13タイミング以降維持されている駆動信号の大きさに対応する中程度のトルクで打ち出され、例えば右領域4Rにぎりぎり届き、右領域4Rを流下する。
遊技者は、中程度のトルクで遊技球が打ち出されたT14タイミングから0.6秒が経過する前のT15~T16タイミングにおいて、発射ハンドル7の発射レバー73を時計回りに回動範囲の一杯まで回動する。操作信号は、T16タイミングに最大値になる。駆動信号はT15~T18タイミングにかけて緩やかに増加し、T18タイミングには、T16タイミング以降維持されている操作信号の大きさに対応する大きさの信号となる。指示信号は、T17タイミングに立ち上がる。T17タイミングにおいて、遊技球は、大きさが増加する途中で最大値に達していない駆動信号に対応するトルクで打ち出される。
このように、RC回路120によって駆動信号の変化が操作信号よりも遅延するため、遊技者が捻り打ちを行った場合、後に打ち出される遊技球は右領域4Rに打ち出されるが、球速が最大ではないので、T14タイミングに打ち出された遊技球に追いつくことができない。よって、後から打ち出された遊技球が、先に打ち出された遊技球が特別図柄始動入賞口15又は大入賞口18に入賞するタイミングに合わせて入賞することができず、捻り打ちが失敗する。
大当り遊技が終了し、T22タイミングに、例えば、遊技者が発射ハンドル7から手を離して操作を停止すると、ANDゲート150から出力される受付信号はLowになる。T22タイミング以前のT21タイミングにおいて間欠信号が立ち上がるときの受付信号はHighであり、許可信号は、間欠信号が次に立ち上がるT25タイミングまでの間、Highに維持される。従って、T21~T25タイミング間のT24タイミングに、0.6秒ごとの指示信号の立ち上がりタイミングを迎えた場合、許可信号がHighに維持されているため指示信号は立ち上がり、遊技球の打ち出しが行われる。
また、T22タイミングに遊技者が発射ハンドル7から手を離すと、発射レバー73はばねの付勢力により、反時計回りに回動範囲の一杯まで回動する。発射ボリューム77の抵抗値は回動量に応じて増加する。遊技者が発射ハンドル7から手を離したT22タイミングには最大値であった操作信号は、T23タイミングに最小値になる。駆動信号はT22~T26タイミングにおいて緩やかに減少する。よってT23タイミングに遊技球の打ち出しが行われるとき、遊技球は、その時の駆動信号の大きさに対応し、最大値よりは小さいトルクで打ち出される。
T25タイミングに間欠信号が立ち上がり、このときには受付信号がLowであるので、許可信号はLowになり、以後、Lowに維持される。分周回路170は、以降、指示信号の出力を停止する。
このように、許可信号は、遊技者が発射ハンドル7の操作を停止したT22タイミングよりD2時間遅れたT25タイミングにLowになり、発射モータ98の駆動が停止される。言い換えると、遊技者が発射ハンドル7の操作を停止するタイミングが間欠信号の立ち上がりのタイミングと一致しなければ、許可信号が間欠信号の次の立ち上がりのタイミングまでHighに維持されるので、発射モータ98の駆動停止のタイミングは、D2時間、遅れる。間欠信号は0.27秒に一回立ち上がるので、D2時間は、0秒以上0.27秒未満である。そして、遊技者が発射ハンドル7の操作を停止するタイミングは任意である。故に、発射装置37は、遊技者が遊技球の発射を停止したタイミングに対し、0秒以上0.27秒未満の任意のD2時間分、許可信号がLowになるタイミングを遅れさせることができる。このため、D2時間の間に0.6秒ごとの指示信号の立ち上がりタイミングを迎えた場合、発射装置37は、遊技者が発射ハンドル7の操作を停止していながらも、遊技球を打ち出すことができる。
以上説明したように、駆動制御回路190が発射モータ98を駆動する駆動信号の大きさは、発射レバー73の操作量に応じた操作信号の大きさと同じ大きさであるので、発射モータ98は発射レバー73の操作量に応じた出力(トルク)で打球槌95を駆動する。RC回路120は、操作信号の大きさに変化がある場合に、操作信号に追従して駆動信号の大きさを変化させるが、その変化を遅延させる。即ち、遊技者が打球槌95の出力が急に大きくなるように発射レバー73を操作しても、打球槌95の出力は急には大きくならず、徐々に大きくなる。故に遊技者が、例えば1球目が弱く打ち出されるように発射レバー73を操作した後、2球目の打ち出しが1球目よりも強くなるように発射レバー73に対し急な操作を行っても、駆動信号の変化の遅延によって、2球目は1球目よりも僅かに強く打ち出される。よってパチンコ機1は、発射ボリューム77と駆動制御回路190の間にRC回路120を設けるという簡易な構成で、発射レバー73の操作量に応じた打球槌95の駆動における出力の変更を遅延させ、遊技者による捻り打ちを防止することができる。
RC回路120は、発射レバー73の操作量に応じた打球槌95の駆動における出力の変更を、抵抗器とコンデンサで構成された簡易な構成で遅延させることができる。
フリップフロップ110は、遊技者の操作による受付信号の入力があっても、0.27秒ごとの間欠信号の入力時に受付信号の入力がなければ、許可信号を出力しない。遊技者による球止めスイッチ75やタッチセンサ76の操作タイミングは任意であり、間欠信号の入力タイミングとの間に0以上0.27秒未満の任意の差分時間を生ずる。故にフリップフロップ110は、許可信号を差分時間分、受付信号に対して遅れさせて出力することができる。よって駆動制御回路190は、簡易な構成で、遊技者が球止めスイッチ75やタッチセンサ76を操作したタイミングに対して0.27秒内の任意時間分遅れさせて発射モータ98を駆動させ、打球槌95で遊技球を発射することができる。ところで、例えば遊技者がパチンコ機1の前に着席し、遊技球の打ち出しを開始する時、発射レバー73の操作により操作信号が変化するため、駆動信号の変化が遅延し、ファール球が生ずる可能性がある。このような場合に、許可信号が遅れて出力されることにより、たとえ駆動信号の変化が遅延しても、駆動信号の変化が操作信号の変化にある程度追いつく頃に許可信号が出力されることで、発射装置37は、ファール球の発生を抑制することができる。
分周回路170は、許可信号の入力を契機に初回の指示信号を出力し、以後、0.6秒ごとに間欠的に指示信号を出力する。故に発射モータ98は、遊技者が球止めスイッチ75やタッチセンサ76を操作したタイミングに対して0.27秒内の任意時間分遅れさせて遊技球を発射した後、0.6秒ごとに、遊技球を発射することができる。
遊技者が球止めスイッチ75やタッチセンサ76の操作をやめて受付信号の入力がなくなっても、フリップフロップ110は、次の間欠信号が入力されるまで、許可信号を継続して出力する。故に、遊技者が操作をやめてから許可信号の出力が停止されるまでの間に指示信号の出力タイミングを迎えた場合、分周回路170は指示信号を出力する。よって駆動制御回路190は、遊技者が球止めスイッチ75やタッチセンサ76の操作を終了したタイミングに対して0.27秒内の任意時間分遅れさせて遊技球の発射を停止することができる。
本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは言うまでもない。捻り打ちを行う場合に先に打ち出す遊技球に対する操作において、本実施形態では、図6のタイミングチャートにおいて、駆動信号の減少過程と、指示信号が立ち上がる打ち出しのタイミングとが重ならない例を説明したが、重なってもよい。駆動信号の減少過程と、指示信号が立ち上がる打ち出しのタイミングとが重なる場合、先に打ち出される遊技球の球速を十分に遅くすることができないため、後から打ち出される遊技球の球速との差が十分に確保できないので、捻り打ちを失敗させることができる。故に、指示信号が立ち上がる打ち出しのタイミングと、駆動信号の減少過程又は増加過程の少なくとも一方とが重なれば十分に、捻り打ちを防止することができる。
RC回路120は、時定数を調整することによって、操作信号の変化に対する駆動信号の変化の遅延の度合いを変更することが可能である。故に、例えば、操作信号を変化させた場合の駆動信号の変化に0.6秒以上かかるようにRC回路120の時定数を設定することで、捻り打ちを確実に防止してもよい。また、分周回路130や分周回路170が発生するパルス波の出力間隔は、適宜変更してもよい。また、分周回路130とフリップフロップ110はなくてもよい。この場合、ANDゲート150が出力する受付信号を許可信号として分周回路170に入力すればよい。
また、RC回路120の代わりに、RC回路と同等の動作を行うロジック回路と、AD/DAコンバータを設けてもよい。この場合、発射ボリューム77から入力される操作信号をADコンバータでデジタルデータに変換し、ロジック回路により操作信号の変化を遅延させたデータを演算し、DAコンバータによりDA変換した駆動信号を駆動制御回路190に入力して発射モータ98を駆動してもよい。あるいはCPUを設け、RC回路120とフリップフロップ110の動作をプログラムでエミュレートし、駆動制御回路190に駆動信号と指示信号を入力して発射モータ98を駆動してもよい。
発射装置37は、遊技者が発射ハンドル7を操作したタイミングから遊技球の初回の発射タイミングまでD1時間の遅れを生じさせた。更に、発射装置37は、遊技者が発射ハンドル7の操作を停止したタイミングから許可信号がLowになるまでD2時間の遅れを生じさせた。これに限らず、発射装置37は、D1時間の遅れ、又はD2時間の遅れのうち、一方の遅れについては生じないようにしてもよい。
特許請求の範囲、明細書及び図面に記載される全ての要素(例えば、表示装置、普通電動役物、図柄作動口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、各要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「表示装置」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、特許請求の範囲等において特定していない限り、何れも当業者であれば極めて容易に考えられる事項であるため、あえて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、本発明に係る権利範囲に含まれることは勿論である。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施形態に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施形態から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。
なお、本発明においては、パチンコ機1が「遊技機」に相当する。発射レバー73が「第一操作部」に相当する。発射ハンドル7が「操作手段」に相当する。打球槌95が「発射部」に相当する。駆動制御回路190及び発射モータ98が「駆動手段」に相当する。RC回路120が「遅延手段」に相当する。発射装置37が「発射手段」に相当する。球止めスイッチ75及びタッチセンサ76が「第二操作部」に相当する。分周回路130が「間欠信号出力手段」に相当する。フリップフロップ110が「駆動許可手段」に相当する。分周回路170が「駆動指示手段」に相当する。