JP7065904B2 - 自己固定カテーテルとその使用方法 - Google Patents

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Description

<関連出願への相互参照>
本出願は、「Self-Anchoring Catheters and Methods of Use」と題された、2014年12月1日に出願された米国仮特許出願第62/085838号の利益と優先権を主張するものであり、当該文献は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
実施例の実施形態は、通常はカテーテルに、特に経皮カテーテルに関連する。本開示は、特に追加の装置または手当て用品を必要としない、組織内でカテーテルを固定するための曲線状の固定部の使用に関する。
種々様々なカテーテルが、被験者に、短期使用および長期使用のために挿入され得る。これらのカテーテルは、血管構造物(例えば静脈、動脈、心室)、体腔および体内空間(例えば、胸、心膜、腹膜、硬膜外、包膜)、および内臓(例えば胃、腸、膀胱)を含む、異なる種類の解剖学的構造に挿入することができる。カテーテルは、物質の注入(例えば流体、薬物、血液製剤、栄養)、診断目的または治療目的のための血液またはその他体液の抜き取り(例えばドレナージ、減圧術)、生理学パラメーターのモニタリング(例えば圧力、体温)、および治療または診断用機器が通過する導管を含む様々な目的のために使用される。
経皮的適用によく使用されるカテーテルは、経皮的静脈カテーテル(Percutaneous Venous Catheters、PVC)および中心静脈カテーテル(Central Venous Catheters、CVC)を含む。PVCは、通常は皮膚を通って腕の末梢静脈に挿入され、被験者へ流体または薬物を送達する最も一般的な手段である。CVCは、皮膚を通って中心静脈に挿入され、特にCVCの使用の理由が長期にわたる場合、通常は長期間適所にとどまる。PVCとCVCは、様々な手段を利用してあらかじめ決められた位置に固定される。例えば、CVCは、時には比較的危険な位置に挿入され、そしてカテーテルは皮膚に縫合され、縫合を容易にするために、穴、縫合ガイドまたは他の特徴をしばしば有する。他のカテーテルは、簡単なまたは精巧なテーピング機構を使用して固定される。様々な接着剤、ストラップおよび他の機構を使用する商標が付された、登録商標権を有する種々様々なカテーテル固定装置が存在する。
カテーテルの移動は、様々な理由により問題となる。CVC、胸腔チューブ、大きな動脈シース、およびその他の特定のカテーテルが意図せず移動することにより、空気塞栓症、気胸症、出血、さらには死亡を含む深刻な合併症がもたらされる可能性がある。そのうえ、移動したカテーテルを取り替えることで、被験者にさらなる不便をかけ、治療計画または他の治療に支障をきたし、そして再挿入手術からの合併症をもたらす可能性がある。移動したカテーテルに起因する経済的負担、または移動を予防するために必要な様々な努力および治療計画書は、大きな影響を与える可能性がある。
したがって、縫合、精巧なテーピング、および/または追加の固定装置を必要としない皮膚に固定することができるカテーテルの必要性がある。
カテーテルを固定するための装置、システムおよび方法が、本明細書に開示される。本明細書に例証された実施形態によれば、追加の固定器具を使用せずに自己固定できるカテーテルが提供される。カテーテルは実質的に真っすぐな部分、実質的に真っすぐな部分の近位に位置する固定部を含んでもよく、当該固定部は、組織へカテーテルを固定するために組織との長手方向への摩擦力を提供するための湾曲部を有することができる。カテーテルは、流体を輸送するためにカテーテルを通って延びる経路、または器具が被験者に挿入される際に通る経路をさらに含んでもよく、当該経路は、互いに流体連通される第一部分および第二部分を含むことができる。第一部分は、真っすぐな部分内をその長さに沿って延びることができ、また、第二部分は、固定部に沿って延び、および固定部の湾曲部を模倣する湾曲部 を有することができる。
いくつかの実施形態では、組織との摩擦力を提供するように構成されるあらかじめ決められた湾曲部を呈することが可能な可撓性を持つ部分を有する真っすぐな部分を含む、カテーテルシステムを提供する。そのシステムは、真っすぐな部分の可撓性を持つ部分をあらかじめ決められた湾曲部に成形するためにあらかじめ決められた湾曲部を有する曲線状の部分を有する成形部材、および組織へ、また組織から流体を輸送するために真っすぐな部分内をその長さに沿って延びる経路を含んでもよく、当該成形部材が可撓性を持つ部分に連結される場合、可撓性を持つ部分は、あらかじめ決められた湾曲部の形状を呈し、そして経路はあらかじめ決められた湾曲部を模倣してもよい。
いくつかの実施形態では、自己固定カテーテルを作動させる方法が提供される。当該方法は、組織へカテーテルを挿入する工程を含んでもよく、当該カテーテルは実質的に真っすぐな部分、実質的に真っすぐな部分の近位に位置する固定部、および真っすぐな部分を通って延びる経路を有し、当該固定部は、組織にカテーテルを固定するために組織との長手方向への摩擦力をもたらすための湾曲部を有し、当該経路は固定部の湾曲部を模倣するように構成される。その方法は、固定部が組織との摩擦力をもたらすまで回転しながらカテーテルを前進させる工程、および固定部と組織の間にもたらされた摩擦力を用いてカテーテルを固定する工程も含んでもよい。
いくつかの実施形態では、カテーテルを製造するための方法が提供される。その方法は、あらかじめ決められた湾曲部を有する曲線状の部分を有する成形部材へ、カテーテルの直線な部分を挿入する工程を含んでもよく、当該直線な部分は、あらかじめ決められた湾曲部に成形されることが可能な可撓性な部分を有する。その方法は、あらかじめ決められた湾曲部を呈するために直線な部分の可撓性な部分を成形する工程、および成形部材から直線な部分を取り除く工程も含んでもよく、当該直線な部分の可撓性な部分はあらかじめ決められた湾曲部を維持する。
例証的で非限定的な実施例の実施形態は、添付の図面とともに得られる次の詳細な記載から、より明確に理解されるだろう。
螺旋形状の自己固定部を有するカテーテルを例証する。 カテーテルの一部を成形するための剛性な挿入部を有するカテーテルを例証する。 カテーテルの一部を成形するための剛性な挿入部を有するカテーテルを例証する。 カテーテルの一部を成形するためのジャケットを有するカテーテルを例証する。 カテーテルの一部を成形するためのジャケットを有するカテーテルを例証する。 螺旋形状の自己固定部を有するカテーテルシステムを例証する。 カテーテルシステムの挿入に役立つ挿入針を例証する。 可撓性な固定部を有するカテーテルを例証する。 可撓性な固定部を真っすぐにすることができる剛性な挿入針を例証する。 可撓性な固定部を有するカテーテルシステムを例証する。 剛性な挿入針を例証する。 血管層に挿入された可撓性な固定部を有するカテーテルシステムを例証する。 血管層に挿入された可撓性な固定部を有するカテーテルシステムを例証する。 解剖学的構造に挿入されている螺旋形状の自己固定部を有するカテーテルシステムを例証する。 解剖学的構造に挿入されている螺旋形状の自己固定部を有するカテーテルシステムを例証する。 解剖学的構造に挿入されている螺旋形状の自己固定部を有するカテーテルシステムを例証する。 解剖学的構造に挿入されている螺旋形状の自己固定部を有するカテーテルシステムを例証する。 解剖学的構造に挿入されている螺旋形状の自己固定部を有するカテーテルシステムを例証する。 解剖学的構造に挿入されている螺旋形状の自己固定部を有するカテーテルシステムを例証する。 螺旋形状の自己固定部を有する中心血管カテーテル(central vascular catheter)を例証する。 解剖学的構造に挿入されている、螺旋形状の自己固定部を有する中心血管カテーテルを例証する。 螺旋形状の自己固定部を有する胸部カテーテルを例証する。 解剖学的構造に挿入されている、螺旋形状の自己固定部を有する胸部カテーテルを例証する。 ねじ状の自己固定部を有するカテーテルを例証する。 ねじ状の自己固定部を有するカテーテルを例証する。 解剖学的構造に挿入されている、ねじ状の自己固定部を有するカテーテルを例証する。 解剖学的構造に挿入されている、ねじ状の自己固定部を有するカテーテルを例証する。 ねじ状の自己固定部を有する中心血管カテーテルを例証する。 解剖学的構造に挿入されている、ねじ状の自己固定部を有する中心血管カテーテルを例証する。
様々な模範的な実施形態は、いくつかの実施例の実施形態が示される添付図面に関して、以下に、より完全に記載されるだろう。しかしながら、本発明の概念は、多くの様々な形態で具体化されてもよく、本明細書で説明される実施例の実施形態に限定されてはならない。むしろ、これらの実施例の実施形態は、本開示が徹底的でかつ完全なものとなり、当業者に本発明の概念の範囲を完全に伝えるものであるように提供される。図面では、層および領域の大きさおよび相対的な大きさは、明瞭さのために強調されてもよい。全体に渡って、同じ数字は同じ要素を指す。
要素が他の要素に「接続されて」いる、または「連結されて」いると言及される場合には、要素は他の要素に直接的に接続されている、あるいは連結されているということ、または介在する要素が存在してもよいということが理解されるだろう。対照的に、要素が他の要素に「直接接続されて」いる、または「直接連結されて」いると言及される場合には、介在する要素は存在しない。要素間の関係を示すために用いられる他の言葉は、類似の様式(例えば、「間に」に対する「直接間に」、「隣接する」に対する「直接隣接する」、など)で解釈されるべきである。
特に定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての用語(専門用語および科学用語を含む)は、この発明の概念に属する通常の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる辞書に定義されるような用語は、関連する技術分野の文脈における意味に一致する意味を有するとして解釈されるべきであり、本明細書に明確に定義されない限り、理想化された観念、または過度に形式にとらわれた観念では解釈されないであろうことが、さらに理解されるだろう。
本開示の実施形態は一般的に、経皮的適用のために自己固定カテーテルおよびカテーテルシステムを提供する。本開示の様々な実施形態は、肉体の組織に対し流体を注入するか抜き取り、そして短期または長期の静脈アクセスを提供するために使用され得る。
図1は、本開示の様々な実施形態に従って、カテーテル(100)を例証する。図1を参照すると、カテーテル(100)は、ハブ(102)部分、およびカテーテル(100)の長さに沿って延びる経路(108)を含むことができる。例証されるように、ハブ(102)は、カテーテル(100)の近位端に位置し、限定されないが、注入源、抜き取り機構、モニタリング装置のなどの種々様々な器具に接続されるよう設計されてもよく、または診断器具または治療器具のための侵入口として役立つように設計されてもよい。そのような目的で、ハブ(102)は、望ましい器具に取り付けられ得る限り、形状または寸法になってもよい。
カテーテル(100)は、解剖学的構造と連通するために構成されたカテーテルまたは本体部(104)も含んでもよい。カテーテル部(104)は、ハブ(102)に直接接続することができ、経路(108)の第一部分(108a)は、カテーテル部(104)の全体の長さに沿って延びてもよい。カテーテル部(104)の全長は、異なる種類の解剖学的構造中へカテーテル(100)を挿入することに、より良く適応するために変化することができる。いくつかの実施形態では、カテーテル部(104)はさらに、遠位端(112)に位置する先端を含んでもよく、当該カテーテル部(104)および遠位端(112)は、流体を輸送する(すなわち、送達する、または抜き取る)ために望ましい位置に位置することができる。いくつかの実施形態では、カテーテル部(104)は、解剖学的構造の組織の多層を貫通するために本来は実質的に直線でもよい。その後、カテーテル部(104)は望ましい位置に遠位端(112)を位置することができ、流体は送達されるか、遠位端(112)で抜き取られ、その後経路(108)に通され得る。様々な種類の解剖学的構造でのカテーテルの挿入および固定をより良く支援するために、カテーテル部(104)は、剛性に、半剛性に、または可撓性であるように構成されてもよく、異なる種類の静脈適用のために設計された1つ以上の内腔を有してもよい。一般的に、カテーテル(100)およびその様々な構成要素は、限定されないが、プラスチック、金属、またはセラミックを含む生体適合性である材料から作られる。
いくつかの実施形態では、図1に示されるように、手術部位にカテーテル(100)を固定するために、カテーテル(100)は、縫合、テープ、または追加の固定器具を用いずに組織上にカテーテル(100)を固定するよう設計される固定部(106)を含むことができる。固定部(106)は、ハブ部分(102)に直接接続されるよう設計されてもよく、また、いくつかの実施形態では、近位のカテーテル部(116)は固定部(106)とハブ部分(102)の間に位置されてもよく、当該近位のカテーテル部(116)は、本来は実質的に直線でもよく、およびそのカテーテル部(116)の長さは、異なる種類の解剖学的構造中へカテーテル(100)を固定することおよび挿入することに、より良く適応するために、変化することができる。流体は、固定部(106)全体を通って延びる経路(108)を経由して、ハブ(102)から遠位端(112)までのカテーテル(100)全体の長さ沿って輸送され得る。
図1を参照すると、組織部位にカテーテル(100)を固定するために、いくつかの実施形態では、固定部(106)は組織構造へ固定するように設計されるコルク栓抜きのような螺旋体の構成をとるように湾曲され得る。この螺旋体は、周囲の組織との摩擦力を生み出すように設計される特定のピッチで離間された複数の曲り部を含むことができる。螺旋体の各曲り部は、一般的に、カテーテル部(104)の直径(104w)と実質的に同じ幅(106w)を有することができ、またはカテーテル(100)の残りに対しても同様である。固定部(106)の寸法およびピッチ距離は、螺旋体の曲り部と組織体の間の摩擦力を最適化するように構成され得る。例えば、カテーテルが最初に組織に挿入される時、螺旋体の部分の直径または幅(106d)は、カテーテル部(104)により開けられた開口部よりも実質的に大きくなることができ、それによって、螺旋体の固定部(106)の曲り部が、周囲の組織に固定されるように押しつけられ得ることが確実となる。いくつかの実施形態では、固定部(106)にもたらされる長さは、摩擦力を最適化するために十分であるべきであり、螺旋体の設計が提供されるが、決められた場所に装置が固定されるように固定部が前進することが可能な設計である限り、他の幾何学的設計が実施され得ることが認識されるだろう。いくつかの実施形態では、直径1mmのPVCでは、固定部(106)は、約2つから6つの曲り部を有することができ、その螺旋体の直径は、カテーテルの直径の約2~6倍(例えば、約2~6mm)になり、そして曲り部の間のピッチは、約2~4mmになり得る。固定プロセス中に、カテーテル(100)が組織に挿入されるにつれて、固定部(106)が組織の少なくとも1つの層(すなわち皮膚の層)の真下に実質的に位置することができるまで、カテーテル(100)は右回りにまたは左回りに回転されてもよく、結果的に、複数の螺旋体の曲り部が、長手方向への移動に抵抗するのに十分な組織との摩擦力を生み出すことができる。少なくとも1つの螺旋体の曲り部を固定組織の近位に残すことによって、カテーテル(100)が摩擦力からの移動に抵抗することを可能にするだけでなく、カテーテル(100)が押力により被験者内へさらに前進することを防ぐ。固定部(106)が、移動に対して抵抗するのに十分な周囲の組織との摩擦力を生み出すことができる限り、任意の形状または寸法になり得ることが認識されるだろう。いくつかの実施形態では、一度カテーテル(100)が決められた場所に固定されると、流体は経路(108)を通って輸送され、当該経路(108)の第二部分(108b)は、流体が螺旋体の部分内の各曲り部を通って流れるように、螺旋体の部分の湾曲部になるように設計されてもよい。経路(108)の第二部分(108b)は、螺旋体の部分の曲り部内に完全に含まれ、そして経路(108)の第一部分(108a)と直接連通し得る。図1に示されるような固定部(106)は、螺旋体の部分の各曲り部の間で組織を効果的にとどまらせ、それにより、周囲の組織とカテーテル(100)の間の摩擦力を最適化する。さらに、曲り部の数および曲り部の間のピッチ距離はもちろんのこと、螺旋体の部分の長さおよび直径は、異なる解剖学的構造中にカテーテルをより良く固定するよう最適化され得る。1つの固定部のみが提供されるが、特定の適用が想定される程度まで、装置は複数の固定部分を提供され得ることが認識されるだろう。複数の固定部分が利用できることによっては、異なる組織の領域にわたる装置の固定を補助することができる。例えば、カテーテルは、2つの異なる解剖学的層(例えば、皮膚と筋膜)においてカテーテルを固定するために、2つ以上の固定部分を含んでもよい。固定部(106)の螺旋状のコルク栓抜きのような構造は、様々な方法で形成され得る。固定の役割を果たすために、固定部(106)は摩擦力の適用中に真っすぐになることに抵抗するように構成されてもよい。それゆえ、固定部(106)は、剛性を有するように設計してもよい。いくつかの実施形態の場合では、カテーテル(100)全体が実質的に剛性を有するようになってもよく、その場合には螺旋体の固定部(106)は、一般の技術(例えば、マンドレル曲げ加工法、加熱成形法、または初めからその形状に成形する方法)を使用してその部分を成型することにより1つの部品の一部として作られてもよい。カテーテル(104)の遠位の真っすぐな部分が実質的に可撓性を持ついくつかの実施形態では、装置は、螺旋体の部分をより剛性を有するような処理をすること、または装置を形成している時(例えば、押出し中)に材料を変更することにより、1つの部品から構築することができる。いくつかの実施形態では、カテーテル(104)は、遠位の真っすぐな部分が実質的に可撓性を持つようにし、および近位の螺旋体の部分をより剛性にする複数の部分から構築され得る。例えば、図1Bおよび図1Cで例証されるように、比較的に剛性を有する挿入体(120)が固定部(106)(可撓性を持っていてもよい)へ適用され、螺旋体成形部を作ることができる。または、図1Dおよび図1Eで例証されるように、螺旋形状を有するジャケット(122)が、固定部(106)をより剛性を有するようにするため、および固定部(106)を螺旋体を成形するためにカテーテルの固定部(106)に適用することができる。
組織への最初の挿入をより良く支援する目的で、カテーテル(100)は、鋭利でとがった、組織を貫通するように設計されてもよい遠位端(112)を装着することができる。または、いくつかの実施形態では、一体型の針または挿入キットが、最初に組織を貫通し、その後、望ましい解剖学的位置にカテーテル(100)を導くために使用され得る。図2Aおよび図2Bは、組織中への最初の貫通のために、カテーテル(100)に統合されるように設計される挿入針(200)を例証する図面である。図2Aを参照すると、挿入針(200)は、カテーテル(100)のハブ部分(102)に接続可能な近位の針ハブ(202)を含むことができる。近位の針ハブ(202)は、実質的に直線な針部分(204)へ接続することができ、当該針部分(204)の直径は、針部分(204)が経路(108)を通って挿入され得るように、経路(108)の直径未満である。針部分(204)は、鋭利でとがった、組織を貫通するように設計されてもよい遠位端(206)をさらに含むことができる。ここで図2Bを参照すると、いくつかの実施形態では、カテーテルシステム(220)は、経皮的適用のための挿入針(200)と統合されたカテーテル(100)を有することができる。使用時には、図2Bで例証されるように、針部分(204)全体は、カテーテルのハブ部分(102)でカテーテル(100)を通って挿入することができ、当該挿入針(200)の針部分(204)の長さは、カテーテル(100)を通って挿入された時に、針部分(204)の遠位端(206)がカテーテル(100)からわずかに突き出すように、最適化され得る。組織(すなわち皮膚と血管)を貫通できる状態のままカテーテル(100)との統合を果たすために、統合針(200)は、螺旋構造中を移動するために必要な可撓性を有し、また、様々な解剖学的構造に貫通するほど十分堅いニチノールまたはばね用金属などの形状記憶金属から成ることができる。
カテーテル固定プロセス中に、カテーテル(100)は、固定部(106)(すなわち螺旋状の部分)が皮膚挿入口に達するまで統合針(200)を用いて、第一に皮膚の層を通り、そして、適切な解剖学的構造へと挿入される。その後、固定部(106)のすべてまたは大部分が皮膚の下に埋もれるまで、カテーテル(100)は回転され得る。続いて、カテーテル(100)は簡単な手当て用品で覆われ、当該挿入口の手当ておよび付加的な処置は、カテーテル(100)の意図しない回転を予防するために実行され得る。このように、少なくとも螺旋状の部分の直径が皮膚の挿入開口部より実質的に大きいという理由により、固定部(106)は、長手方向の移動に抵抗することができる。いくつかの実施形態では、カテーテル(100)を除去する工程は、手当て用品を除去する工程、螺旋状の部分が完全に組織体の外部に出るまで挿入の回転とは反対方向にカテーテル(100)を回転させる工程、およびその後、被験者の組織内に残る遠位の直線のカテーテル部(104)をスライドさせて出す工程を含むことができる。
いくつかの実施形態では、図2Cおよび図2Dで示されるように、カテーテル(100)の螺旋状の固定部分(106)は、牽引力の下、真っすぐになることに抵抗するのに十分堅いが、十分可撓性であるように作られてもよく、および、剛性な挿入針(230)がカテーテル(100)の内腔を通って前進させられる場合に、固定部分(106)が真っ直ぐになり得るように形状記憶性能を備える。この実施形態では、カテーテル(100)および挿入針(230)の組立て体(240)は、従来の装置が提供される通りに、手術者に提供されてもよい。螺旋形状の記憶性能を有するカテーテルの部分(例えば、固定部(106))は、手術者が挿入プロセス中に、螺旋状の部分がどこから始まるか分かるように、異なる色または他の印により示されることができる。図2Dで例証されるように、剛性な挿入針(230)が固定部(106)を通って挿入される場合、固定部(106)は実質的に直線の形状を呈するのに十分可撓性であってもよい。図2Eおよび図2Fは、図2Cおよび図2Dで提供されたカテーテルシステムの模範的な実施形態を例証する。図2Eで例証されるように、固定部(106)は他の幾何学的構造を呈するのに十分可撓性であってもよいし、固定部(106)は、固定部(106)がどこから始まりどこで終わるか、手術者が分かるように明確な色で示されてもよい。いくつかの実施形態では、図2Fで示されるように、剛性な挿入針(230)は、固定部(106)を真っ直ぐにするためにカテーテル(100)に適用されてもよい。
カテーテル固定プロセス中に、図2Gおよび図2Hで示されるように、色で示されているが真っすぐになっている螺旋状の部分(106)が皮膚挿入口に近付くまで、直線のカテーテル/針の組立て体(240)は、皮膚(242)の層を通って適切な解剖学的構造へ挿入されてもよい。針(230)が取り除かれ、もはや螺旋状の部分(106)が真っすぐではない場合、この固定部(106)は形状記憶に基づきその螺旋構造をとる。その後、螺旋状の部分(106)は、同じ回転運動を用いて、皮膚(242)を通り挿入され得る。
いくつかの実施形態では、図2Aで示されるようなカテーテルシステム(220)は、皮膜層の近くに、または皮膜層から遠く離れて血管が通っている解剖学的構造内に簡便に配置され得る。最初に血管が、直接視覚化、触診またはいくつかの画像診断法の使用により、特定され得る。続いて、図1に記載される固定部(106)と同様の固定部に統合された末梢血管カテーテル(Peripheral Vascular Catheters、PVC)などのカテーテルが、経皮的適用に使用され得る。図3Aから図3Cは、解剖学的構造(300)内に固定されているカテーテル(100)を例証し、解剖学的構造(300)の皮下組織層(302)の厚さは、固定部(106)の実質的な部分を解剖学的構造(300)に固定するために十分厚い。そのような解剖学的構造では、カテーテル固定プロセス中に血管層(304)に達するために、カテーテル(100)内に挿入針(200)が統合されたカテーテルシステム(220)が、遠位の鋭い針の先端(206)を使用して、皮膚(306)の層および皮下組織(302)の層を最初に貫通する必要があるかもしれない。図3Aを参照すると、その後、カテーテルシステム(220)は、初期挿入部を通って皮下組織(302)内へ固定部(106)を挿入するために回転され得る。一旦、固定部(106)の少なくとも実質的な部分が、皮下組織層(302)内に位置することができれば、ハブ部分(102)でカテーテル(100)から針(200)を引き抜くことにより、挿入針(200)はカテーテルシステム(220)から抜き取られ得る。挿入針(200)をカテーテルシステム(220)から取り除いた後の血管層(304)に挿入されたカテーテル(100)が、図3Bで例証される。ここで図を3C参照すると、カテーテル(100)は、確実に皮下組織層(302)に固定されており、カテーテルの遠位端(112)は、流体を注入するか抜き取るために血管層に接している。
同様に、図3Dから図3Fで例証されるように、カテーテルシステム(220)は、皮下組織層(308)の厚さが固定部(106)を固定するのに不十分かもしれない解剖学的構造に容易に配置され得る。ここで図3Dを参照すると、遠位端(112)およびカテーテル部(104)の一部が、血管層(310)に達するために皮下組織(308)層を貫通した後、固定部(106)の実質的な部分が血管層(310)内に配置され得るまで、カテーテルシステム(220)は、カテーテル部(104)に水平な動作を誘導するために回転されてもよい。固定部(106)の螺旋状の部分は、血管層(310)による牽引力を生み出すことができ、血管層(310)にカテーテル(100)を効果的に固定する。図3Eは、挿入針が取り除かれた状態の血管層(310)に挿入されているカテーテル(100)を例証する。ここで図3F参照すると、カテーテル(100)が確実に決められた場所に固定された後、固定部(106)は、特定の解剖学的構造のトポグラフィーに依存して、完全にまたは部分的に血管層(310)に固定されてもよい。
螺旋構造が、図4Aで例証されるような中心血管カテーテルでも使用され得ることも認識されるだろう。従来の中心血管カテーテルと同様に、図4Aで例証されるようなカテーテル(300)は、1つ以上のポート(304)を有する近位のハブ部分(302)、および1つ以上の内腔(408)を有するカテーテル部分を有することができる。カテーテル部分は、実質的に直線の近位部(406)、螺旋状の固定部(408)、および遠位部(410)を含むことができる。末梢血管カテーテル(200)と同様に、螺旋状の固定部(408)も剛性または半剛性であってもよく、そして中心血管カテーテル(300)の挿入は、挿入針または挿入キットを用いて容易にされ得る。いくつかの実施形態では、中心血管カテーテル(300)は、図4Bで例証されるような血管に達するために解剖学的構造に挿入され得る。挿入キットは、血管(312)へのアクセスを手助けするために使用することができ、血管(312)内では、ファインダーニードルおよびガイドワイヤーが、カテーテル(300)の直線の近位部(406)をあらかじめ決められた位置へ前進させるために使用され得る。続いて、カテーテル(400)は、螺旋状の固定部(408)が皮膚(414)に達するまで、ワイヤーの上を前進できる。その後、カテーテル(400)は、螺旋状の固定部(406)が完全に皮膚(414)の下に位置するまで、回転され得る。一般的には、皮下組織層(416)は、螺旋状の固定部(408)が血管(412)に入らないほど、十分に厚い。さらに、意図しない回転を予防するために、カテーテル(400)は、必要に応じて随意に滅菌された手当て用品で覆うことができる。
いくつかの実施形態では、螺旋構造は、図5Aおよび図5Bに例証されるように、胸部カテーテルまたは胸腔チューブにも使用され得る。図5Aを参照すると、胸部カテーテル(500)は、血管カテーテル(400)と同様の特徴を有することができるが、空気と流体を排出する、または時折、治療薬を注入するために、胸膜腔(504)(すなわち、肺)に使用され得る。カテーテル(500)の先端が特定の手術部位(例えば胸部先端)に正確に位置される必要がしばしばあるという事実により、カテーテル(500)は、皮下組織(506)および胸膜腔(504)にわたる望ましい手術部位へのアクセスを得るために、特に長い螺旋状の固定部(502)を有してもよい。挿入プロセスは、第1に小さな皮膚切開を生成し、続いて皮下組織(506)を通って胸膜腔(504)まで通じるトンネルを作る工程を含むことができ、その後、カテーテル(一般的にトロカールを用いない)(500)を前進させ小さな皮膚切開に通し、そして螺旋形状の固定部(502)が完全に皮膚(502)の下に存在し、カテーテル先端が適切な位置に位置するまで、カテーテル(500)を回転させることができる。
いくつかの実施形態では、経皮カテーテルの自己固定的特徴は、図6Aおよび図6Bで例証されるように、皮膚とかみ合い、移動を予防するねじ状のねじ山によって形成されてもよい。多くの点でこの実施形態は、螺旋構造の実施形態と同様であってもよい。図6Aで示されるカテーテル(600)は、近位のハブ(602)、直線の近位部(604)、ねじ式の固定部(606)、および後に続く直線の遠位部(608)を含むことができる。または、図6Bで示されるように、ねじ式の固定部(606)は、カテーテル(600)の直線の近位部(604)を排除して、近位のハブ(602)に隣接してもよく、当該ねじ式の固定部(606)は剛性に、半剛性に、および可撓性であり得る。いくつかの実施形態では、ねじの幅、ピッチ、巻き数は、広範囲な皮膚の厚みとのより良いかみ合いを容易にするために最適化され得る。
ねじ式の固定部の構造は、末梢血管カテーテルおよび中心血管カテーテルを含むすべての経皮カテーテルに適用され得ると認識されよう。
例えば、図7Aおよび図7Bは、本開示の実施形態に従って、ねじ式の固定部(702)を有する末梢血管カテーテル(700)を例証する図面である。図7Aを参照すると、固定部(702)は、注入源または抜き取り機構として機能するように設計されるハブ部分(704)に直接接続され得る。固定部(702)は、組織上に固定するために構成されたねじ山を有するように設計され得る。図7Aと図7Bに示されるように、および図3Aと図3Bで例証された挿入プロセスと同様に、カテーテル(700)が、挿入針(706)を用いて組織の層(708)(すなわち皮膚)を通って挿入された後、カテーテル(700)を、挿入針(706)によってもたらされた開口部を通って挿入されるように回転することができ、カテーテル(700)の固定部(702)を、組織層(708)へねじ込むことができ、それによって、カテーテル(700)の固定がもたらされる。
同様の様式で、中心血管カテーテルも、組織内での固定をもたらすように設計されるねじ式の固定部を備えることができる。図8Aおよび図8Bは、本開示の実施形態に従って、中心血管カテーテル(800)を例証する図面である。図8Aおよび図8Bを参照すると、カテーテル(800)は、組織上に固定するように設計されたねじ山が備えられる固定部(802)を含むことができ、当該固定部(802)は、他の器具に連結されるように設計される近位のハブ部分(804)に直接接続され得る。使用時には、組織内への最初の挿入の後、カテーテル(800)は、ねじ式の固定部(802)が組織へねじ込まれ得るまで回転することができ、それによって、図8Bで例証されるように、カテーテル(800)への固定をもたらす。
設計において螺旋状である、または設計においてねじ式であるとして記載されるが、カテーテルの自己固定部は、螺旋状の設計、ねじ式の設計、任意の自己固定設計、またはそれらの組み合わせの1つであり得ることを認識されたい。
本開示が、その特定の実施形態に関して記載されてきたが、本開示の真の趣旨と範囲から逸脱することなく様々な変化がなされ、同等物が代わりに用いられてもよいことを、当業者によって理解されたい。加えて、多くの修飾が、本開示の真の趣旨と範囲から逸脱することなく、特定の状況、指標、材料および組成物、またはプロセスの工程に適応させるためになされてもよい。上記のような修飾はすべて、本明細書に添付される請求項の範囲内にあるように意図されている。

Claims (13)

  1. 流体が流出可能な開口端を有した、組織内へ前進させるための細長い実質的に真っすぐな部分、および
    前記細長い実質的に真っすぐな部分の近位にあり、前記細長い実質的に真っすぐな部分と流体連通する剛性を有する固定部
    を備えた、カテーテルであって、
    前記固定部は複数の曲り部を有し、当該曲り部は充分な剛性によって回転運動を用いて組織内に前進させるように構成されて、組織との長手方向への摩擦力をもたらすために組織をそれらの間にとどまらせ、前記固定部が組織内に位置づけられて、当該カテーテルの移動を最小にしてなる、
    ことを特徴とするカテーテル。
  2. 流体を輸送するため、または器具の通路として役立つためにカテーテルを通って延びる経路を更に含み、当該経路が、互いに流体連通する第一部分および第二部分を含み、
    当該第一部分が真っすぐな部分内をその長さに沿って延び、当該第二部分が固定部を通って延びる、請求項1に記載のカテーテル。
  3. 前記実質的に真っすぐな部分が、組織を貫通するためのとがった先端をさらに含む、請求項1又は2に記載のカテーテル。
  4. 前記固定部は、複数の曲り部を有する螺旋状の構造である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカテーテル。
  5. 医療機器との連結を提供するための、固定部の近位に位置するハブ部分をさらに含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカテーテル。
  6. 前記ハブ部分が1つ以上のポートを含んでなる請求項に記載のカテーテル。
  7. 前記固定部が剛性を有し、ねじ式の固定部である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のカテーテル。
  8. 医療機器との連結を提供するための、固定部の近位に位置するハブ部分をさらに含み、
    前記ねじ式の固定部が前記ハブ部分に隣接してなる請求項に記載のカテーテル。
  9. 医療機器との連結を提供するための、固定部の近位に位置するハブ部分をさらに含み、
    前記ハブ部分が注入源として機能する請求項1乃8のいずれか1項に記載のカテーテル。
  10. カテーテルを形成するための方法であって、当該方法が、
    複数の湾曲部に成形することができ、カテーテルを通って延びる経路を有する部分を含む実質的に真っすぐなカテーテルを準備する工程;
    複数の湾曲部を有する成形部材をカテーテルに適用し、前記成形部材を前進させて、カテーテルの成形可能な真っすぐな部分と前記経路が成形部材の湾曲部を模倣する工程;および
    複数の湾曲部を有し、固定機能が発揮するようにカテーテルを成形する工程
    を含む、
    とを特徴とする方法。
  11. 前記成形部材が、可撓性を有する部分を成形するための剛性を有する挿入体である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記成形部材が、カテーテル挿入中に固定部にとどまる、請求項10または11に記載の方法。
  13. 前記成形部材が、可撓性を有する部分を成形するためのジャケットである、請求項10乃至12に記載の方法。
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