JP2007236628A - 医療用チューブ導入具 - Google Patents
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Abstract
【課題】体液排出及び薬液・栄養剤注入等のルートを安全、確実に確保するための医療用チューブ導入用具を提供する。
【解決手段】 穿刺用カテーテルと、ガイドワイヤー誘導用の穿刺針と、チューブ誘導用のガイドワイヤーと、穿刺部拡張用のシース付きダイレーターと、体液排出又は薬液注入等のルートとなるチューブの組み合わせからなる医療用チューブ導入用具であり、穿刺用カテーテルは、先端部3が外側に向かってらせん形状を形成するように予めくせが付けてあり、カテーテル本体内1に先端まで芯材2を挿入した状態では、らせん形状部がほぼ直線形状となり、芯材を抜去すると、らせん形状部が元の形状に復元するカテーテルである。
【選択図】図1
【解決手段】 穿刺用カテーテルと、ガイドワイヤー誘導用の穿刺針と、チューブ誘導用のガイドワイヤーと、穿刺部拡張用のシース付きダイレーターと、体液排出又は薬液注入等のルートとなるチューブの組み合わせからなる医療用チューブ導入用具であり、穿刺用カテーテルは、先端部3が外側に向かってらせん形状を形成するように予めくせが付けてあり、カテーテル本体内1に先端まで芯材2を挿入した状態では、らせん形状部がほぼ直線形状となり、芯材を抜去すると、らせん形状部が元の形状に復元するカテーテルである。
【選択図】図1
Description
本発明は、体液排出及び薬液・栄養剤注入等のルートを安全、確実に確保するための医療用チューブ導入用具に関するものである。
経腸栄養剤を投与する方法として、内視鏡を用いて胃の内腔と腹壁の皮膚表面に瘻孔を形成する内視鏡的手術の1つである経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)がPonskyらにより開発され、更にこれを応用した手技がいくつか開発され、普及している。
しかし、胃壁・腹壁を穿刺するため「大量の腹水貯留がある症例」「肝臓や横行結腸が胃と腹壁との間にある症例」「胃手術既往症例」などの症例では使用できないか又は使用が困難である。
また、経鼻的にチューブを胃内に留置する方法もあるが、長期間にわたる留置では鼻孔、鼻腔、咽頭の疼痛が強くなり、鼻孔に潰瘍を形成し持続留置が困難となる場合があり、更には、喀痰排出の困難さから肺炎を併発する場合さえある。これらQOLの点からも好ましくない。
更に、1993年中野らによってX線透視下で頸部食道瘻を形成する方法が開発された。留置方法は、経鼻的に食道内にバルーン付きチューブを挿入し、頸部食道でバルーン内に造影剤を注入して頸部食道の内腔を拡張させる。ついで、X線透視下に経皮的に頸部食道を穿刺し、頸部食道瘻を作製し栄養チューブを留置する。
この留置法は簡便で、患者に与える侵襲、および苦痛が少なく、長期栄養管理に有用であるが、この方法はX線透視下のみで穿刺しており、頸部の解剖学的構造からすれば危険を伴う可能性があった。
さらに、バルーン付きチューブはフォーリーカテーテルを使用しており、穿刺の際、穿刺針が食道内腔に達したかどうかはバルーンが破裂することで見分けており、破裂後の針先端による食道壁の損傷や針刺しが浅く食道壁から穿刺針が離脱することが懸念された。
更に、1997年大石らは中野らのX線透視下で頸部食道瘻を形成する方法を改良し、バルーンカテーテルのバルーンを穿刺する方法として、体外より超音波プローブを用いてバルーン位置を確認しながら安全、確実に穿刺針でバルーンを穿刺する方法を考案した。
しかし、中野らと同様にフォーリーカテーテルを使用しており、バルーン破裂後の針先端による食道壁の損傷や食道壁からの穿刺針の離脱の懸念は依然残ったままであった。
そこで、大石らは穿刺針で穿刺しても直ちに割れないバルーンカテーテルを検討し、安全、確実な本手技を確立した。
しかし、バルーンが嵩張るため経鼻的に挿入しにくい。バルーン内圧が低いと牽引時バルーンが抜けてくる。挿入前にバルーンが傷つくとバルーンが割れ使用できないなどの問題が残った。
WO1999/036120
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、体液排出及び薬液・栄養剤注入等のルートを安全、確実に確保するための医療用チューブ導入用具を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(5)の本発明により達成される。
(1) 穿刺用カテーテルと、ガイドワイヤー誘導用の穿刺針と、チューブ誘導用のガイドワイヤーと、穿刺部拡張用のシース付きダイレーターと、体液排出又は薬液注入等のルートとなるチューブの組み合わせからなる医療用チューブ導入用具であり、該穿刺用カテーテルは、先端部が外側に向かってらせん形状を形成するように予めくせが付けてある医療用チューブ導入用具。
(2) 前記、穿刺用カテーテルが、 可撓性を有するチューブ状のカテーテル本体を有するカテーテルであって、外力を加えない状態では、前記カテーテル本体の先端側にらせん状をなすらせん形状部を形成し、前記カテーテル本体内に先端まで芯材を挿入した状態では、前記らせん形状部がほぼ直線形状となることを特徴とする(1)に記載の医療用チューブ導入具。
(3) 前記カテーテル本体から前記芯材を抜去すると、前記らせん形状部が元の形状に復元する(2)に記載のカテーテル。
(4) 前記芯材を抜去してから前記螺旋形状部が元の形状に復元するまでの時間が0.1〜180秒となるような復元速度を有する(3)に記載のカテーテル。
(5) 前記らせん形状部におけるカテーテル本体の曲げ弾性率が100〜40000kg/cm2である(3)または(4)に記載のカテーテル。
本発明の医療用チューブ導入用具とその使用方法を用いることにより、体液排出及び薬液・栄養剤注入等のルートを安全・確実に経皮的に全ての管腔臓器(食道、胃、胆管、膵管、腸、尿管、膀胱等)へ作製することが可能となり、また、従来レントゲン装置や内視鏡を使用するため手術室等で多くの人手で行わなければならなかった手技がこの方法を使用することで超音波プローブがあれば2人でベッドサイドで行うことが可能となる。
以下、図面により本発明を具体的に説明する。図1は本発明の一実施例となる穿刺用カテーテルの側面図である。
図2は医療用チューブ導入用具とその使用方法を示す図である。
図3は穿刺の際超音波プローブを当てている状態の模式図である。図4は穿刺用カテーテルのらせん部形成前後の超音波像を示す模式図である。
穿刺用カテーテルは図1のように形成される。図1は、カテーテル本体(1)、芯材(2)、より構成されている。カテーテル本体(1)は1つの内腔を有し、先端部(3)は外側に向かってらせん状を形成するように予めくせ付けしている。
実際の使用時には、芯材(2)をカテーテル本体(1)の内腔に挿入して、先端部(3)を直線状に伸ばして体内に挿入し、挿入後、芯材(2)を抜き去り、先端部(3)がらせん状になることで食道が押し広げられた状態で挿入部に固定される。
また、カテーテル本体(1)は患者の体格及び挿入箇所に合った長さと太さに形成され、経鼻的に挿入する場合は長さ1〜3m、太さ2〜6mmである。
又先端部(3)の長さと広がり幅は、挿入する部位の管腔臓器の大きさにより、例えば食道用であれば長さ3〜10cm、広がり幅30mm程度を目安とする。
また、芯材(2)はカテーテル本体(1)の寸法にあった外径と長さに形成され、例えば、経鼻的に挿入する場合では、長さ1〜3m、太さ0.5〜4mmに形成される。
また、カテーテル本体は通常の室温と体温で適度の柔軟性と弾性を有しており、その形成材料としては通常、合成樹脂の例えば軟質塩化ビニル樹脂やポリウレタン樹脂やポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂等が好適に使用される。
図2、図3に示すように、穿刺用カテーテル(5)、超音波プローブ(6)、穿刺針(7)、ガイドワイヤー(8)、ダイレーター(9)、シース(10)、留置チューブ(11)により、安全確実に留置チューブ(12)を留置することが可能となる。
以下使用方法の実施例として、経皮的に頸部から胃までの体液排出及び薬液・栄養剤注入等用のルートを作製する方法を示す。
図2(a)に示すように穿刺用カテーテル(5)を経鼻的に挿入する。次に図2(b)に示すように、穿刺用カテーテルの先端が食道入口部を越えた位置で、芯材(2)を抜くことによって先端部をらせん形状とし、固定し、更に穿刺部位を広く確保するためにカテーテル牽引し、超音波プローブ(6)でらせん部(13)の位置を確認する。
次に図2(c)に示すようにらせん部(13)をめがけて穿刺針(7)を穿刺する。図3は穿刺の際、超音波プローブ(6)を当てている状態の模式図であり、超音波プローブ(6)を強く押し当ててらせん部(13)に対して甲状腺、気管、動脈、静脈等が左右にずれる状態にし、その状態でらせん部(13)を目指して穿刺針(7)を突き刺す。
図4は穿刺用カテーテル(5)の先端部がらせん形状を形成する前後の超音波像を示す模式図である。
このように体内からは食道内での先端部(13)のらせん形成及び体外より超音波プローブ(6)を強く押し当てることにより、穿刺針(7)を刺す空間が確保されることになる。
らせん部(13)を確認しながら超音波プローブ(6)を強く押し当てて安全に穿刺できることを確認した上で穿刺針(7)をらせん部(13)めがけて穿刺する。穿刺針(7)を刺して食道壁を貫通し、らせんの間へ穿刺針が到達した時点で穿刺針の挿入を止める。また、穿刺針(7)の先端が確実にらせん内にあることを超音波像で確認する。
次に、図2(d)に示すように穿刺針末端からガイドワイヤー(8)を必要量挿入し、穿刺針(7)を抜き去る。次に図2(e)に示すように穿刺用カテーテル(5)のらせん部(13)にガイドワイヤー(8)を引っ掛けた状態を保持し、穿刺用カテーテルを押し込みながらガイドワイヤー(8)を胃内へ導入して留置する。
次に図2(f)に示すように穿刺用カテーテル(5)に芯材(2)を挿入し、穿刺用カテーテル(5)の先端のらせん部を直線状にした状態で穿刺用カテーテルを抜き去る。
図2(g)に示すようにガイドワイヤー(8)によって経皮的に食道、胃までのルートが確保される。次に図2(h)に示すようにガイドワイヤー末端からシース(10)付きダイレーター(9)を挿入して穿刺部位を拡張しダイレーター(9)のみ抜き去る。
更に、図2(i)に示すようにガイドワイヤー末端から留置チューブ(11)を挿入しシース(10)内を通って体内に導入される。
図2(j)に示すように留置チューブ(11)が胃内に到達したらガイドワイヤー(8)及びシース(10)を抜き去り、固定具等で固定し、留置チューブ(11)末端を排液用バックや栄養剤・薬液入りバック等に接続して使用する。
経皮的に頸部から胃までの体液排出及び薬液・栄養剤注入等用のルートを作製する場合、穿刺針(7)は18G程度で良い。材質は一般にステンレス鋼使用される。
ガイドワイヤー(8)は0.035インチ程度で穿刺針(7)は、内腔を通ればどのような仕様でも特に問題はないが、穿刺部位から留置部位まで確実に挿入されたことがわかるように目盛線を付設する事が望ましい。
ダイレーター(9)は、10〜14Fr程度まで拡張するため、径の異なるダイレーター(9)を数本使用するか、段付きあるいは数本のダイレーター(9)を組み合わせた物等を使用しても良い。材質は合成樹脂の塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂等が使用される。
シース(10)は16Fr程度でダイレーター及び留置チューブが挿入可能な内径に形成され、チューブ状の物で何ら構わないが、引き裂き可能な物を使用すると便利であり、材質は合成樹脂の中で滑りの良いフッ素樹脂等が使用される。
留置チューブ(11)は一般的な排液用チューブや栄養チューブを使用してなんら差し支えないが、留置部位に達する先端部分は特に柔軟で臓器を傷つけない形状及び材質の物が良く、特に胃内に留置する物では先端部分に固定用のバルーンが取り付けられていて胃内でバルーン膨張後、噴門部で牽引固定できる物でも良い。材質は合成樹脂の塩化ビニル樹脂、シリコーンゴム、ウレタン等が使用されるが特に限定されない。
1 カテーテル本体
芯材
先端部
5 穿刺用カテーテル
6 超音波プローブ
7 穿刺針
ガイドワイヤー
ダイレーター
シース
留置チューブ
芯材
先端部
5 穿刺用カテーテル
6 超音波プローブ
7 穿刺針
ガイドワイヤー
ダイレーター
シース
留置チューブ
Claims (5)
- 穿刺用カテーテルと、ガイドワイヤー誘導用の穿刺針と、チューブ誘導用のガイドワイヤーと、穿刺部拡張用のシース付きダイレーターと、体液排出又は薬液注入等のルートとなるチューブの組み合わせからなる医療用チューブ導入用具であり、該穿刺用カテーテルは、先端部が外側に向かってらせん形状を形成するように予めくせが付けてある医療用チューブ導入用具。
- 前記、穿刺用カテーテルが、 可撓性を有するチューブ状のカテーテル本体を有するカテーテルであって、外力を加えない状態では、前記カテーテル本体の先端側にらせん状をなすらせん形状部を形成し、前記カテーテル本体内に先端まで芯材を挿入した状態では、前記らせん形状部がほぼ直線形状となることを特徴とする請求項1に記載の医療用チューブ導入具。
- 前記カテーテル本体から前記芯材を抜去すると、前記らせん形状部が元の形状に復元する請求項2に記載のカテーテル。
- 前記芯材を抜去してから前記螺旋形状部が元の形状に復元するまでの時間が0.1〜180秒となるような復元速度を有する請求項3に記載のカテーテル。
- 前記らせん形状部におけるカテーテル本体の曲げ弾性率が100〜40000kg/cm2である請求項3または4に記載のカテーテル。
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2006
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