JP5803364B2 - 留置カテーテル組立体 - Google Patents

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Description

本発明は、留置カテーテル組立体に関する。
近年、経口的に栄養を摂取できない患者に対し、経皮的にカテーテルを留置する経皮内視鏡的胃瘻造設術(Percutaneous Endoscopic Gastrostomy:PEG)が実施され、カテーテルを通しての栄養剤の投与が行われてきている。PEGの手技の1つにIntroducer法と呼ばれる方法がある。これには、シースを備えた拡張器と、留置カテーテルが用いられる。この方法では、まず胃内を内視鏡で確認しながら、シースを備えた拡張器を用いて、経皮的に胃内まで瘻孔を形成する。その後、拡張器のみを取り除き、シースを通して留置カテーテルを留置する。最後に、シースを瘻孔から取り除き、体表に留置カテーテルを固定する。
上記のような手法では留置カテーテルの留置に複数の段階を経るため手技が煩雑となり手術時間が長時間になるという問題がある。そこで、一期的に留置カテーテルを留置する手法として、医療用カテーテル経皮的埋め込み方法、及び医療用カテーテル埋め込みアセンブリが開示されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、予めシース内に留置カテーテルが備えられており、瘻孔の形成から留置カテーテルの留置までが一期的に可能となる。
特表2007−537795号公報
しかし、特許文献1の装置は、胃内に挿入した後、内視鏡にて拡張器の先端を掴む操作が必要であり、手技が非常に煩雑となる問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、瘻孔の形成から留置カテーテルの留置までが一期的かつ簡便にできる留置カテーテル組立体を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(12)に記載の本発明により達成される。
(1)少なくとも1つの内腔が形成された可撓性を有する留置カテーテルと、前記内腔に挿入される拡張器とを備える留置カテーテル組立体であって、前記拡張器は、軸部と、前記軸部に対して離脱可能に設けられ外径が先端に向かって漸減する拡張部とを有し、前記拡張部は、前記留置カテーテルの先端から突出して形成されており、前記軸部を前記留置カテーテルに対して基端方向に移動することで前記拡張部が前記軸部から離脱するように構成されていることを特徴とする留置カテーテル組立体。
(2)前記拡張部は、前記軸部の先端部に着脱自在に設置されている(1)に記載の留置カテーテル組立体。
(3)前記軸部または前記拡張部の少なくとも一方は、他方と係合する係合部を有する(1)または(2)に記載の留置カテーテル組立体。
(4)前記軸部は、その先端に向かって外径が漸減する形状をなしている(1)ないし(3)のいずれかに記載の留置カテーテル組立体。
(5)前記拡張部の基端に、前記留置カテーテルの先端に当接する凸部を有する(1)ないし(4)のいずれかに記載の留置カテーテル組立体。
(6)前記軸部の先端部に、前記拡張部が基端方向へ移動するのを規制する規制部を有する(1)ないし(5)のいずれかに記載の留置カテーテル組立体。
(7)前記拡張部は、前記軸部と一体として形成されており、前記軸部と前記拡張部の間に破断部を有し、前記軸部を前記留置カテーテルに対して基端方向に移動することで前記破断部が破断し、前記拡張部が前記軸部から離脱する(1)に記載の留置カテーテル組立体。
(8)前記拡張部は、生分解性材料で構成される(1)ないし(7)のいずれかに記載の留置カテーテル組立体。
(9)前記軸部は、ガイドワイヤが通過可能な内腔を有する(1)ないし(8)のいずれかに記載の留置カテーテル組立体。
(10)前記留置カテーテルは、先端部に拡張可能なバルーンを有する(1)ないし(9)のいずれかに記載の留置カテーテル組立体。
(11)前記留置カテーテルは、更にシースを備える(1)ないし(10)のいずれかに記載の留置カテーテル組立体。
(12)前記シースは引き裂き可能な切り欠き部を有する(11)に記載の留置カテーテル組立体。
本発明によれば、留置カテーテルと拡張器を組立体とすることにより瘻孔の形成から留置カテーテルの留置までを一期的に行うことができる。さらに、拡張器の先端は拡張器の軸部の引き抜きに伴って胃内に離脱するので、拡張器の抜去を簡便に行うことができる。したがって、従来煩雑であったPEGの手技を簡略化して手術時間を短縮することができる。
本発明の第一実施形態に係る留置カテーテル組立体の全体図である。 本発明の第一実施形態に係る留置カテーテル組立体の先端部の(a)側面図、および(b)縦断面図である。 本発明の第二実施形態に係る留置カテーテル組立体の先端部の(a)側面図、および(b)縦断面図である。 (a)は本発明の第三実施形態に係る留置カテーテル組立体の一部縦断面図、(b)は本発明の第三実施形態に係る留置カテーテル組立体の軸部と拡張部の係合が外れたときの一部縦断面図である。 本発明の第四実施形態に係る留置カテーテル組立体の先端部の側面図である。 本発明の第五実施形態に係る留置カテーテル組立体の全体図である。
<第一実施形態>
以下、本発明の留置カテーテル組立体の好適な実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る留置カテーテル組立体1の全体図である。図2(a)は、本発明の第一実施形態に係る留置カテーテル組立体1の先端部の側面図、図2(b)は、その縦断面図である。
本実施形態の留置カテーテル組立体1は、胃瘻の造設に用いられる。すなわち、腹壁および胃壁への瘻孔の形成、瘻孔への留置カテーテル2の留置に用いられる。
図1および図2に示すように、本実施形態の留置カテーテル組立体1は、少なくとも1つの内腔(主内腔23)が形成された可撓性を有する留置カテーテル2と、主内腔23に挿入される拡張器3とを備えている。
留置カテーテル2は、瘻孔に留置され体表面と胃内とを接続する。留置カテーテル2は、先端部に拡張可能なバルーン21を有し、基端に接続部22を備える。また、接続部22は、栄養チューブ接続口221とバルーン用注入口222を有する。そして、留置カテーテル2には、栄養チューブ接続口221から留置カテーテル2の先端まで通じる主内腔23と、バルーン用注入口222から留置カテーテル2の先端部まで通じるバルーン膨張用内腔(図示せず)とが設けられている。
留置カテーテル2としては、可撓性を有するものであればいかなる材料を用いることもできる。このような材料として、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、シリコーン、ポリウレタン(PU)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)などのフッ素樹脂、ポリウレタンエラストマーなどの熱可塑性エラストマー、などが挙げられる。
特に留置カテーテル2として生体適合性のシリコーンやポリウレタンエラストマーを用いることにより、留置カテーテル2を安全に長期間留置することができるため好ましい。
バルーン21は、留置カテーテル2の先端部に設けられている。バルーン21は、留置カテーテル組立体1を用いて瘻孔を形成する際には収縮しており、留置カテーテル2の留置後に膨張することで胃内に固定される。
バルーン21は、筒状の部材を留置カテーテル2の先端部に設置し、筒状の部材の先端と後端をそれぞれ留置カテーテル2に接着することにより形成される。バルーン用注入口222から液体を注入すると、液体はバルーン膨張用内腔を通ってバルーン21内に流入し、バルーン21は膨張する。
バルーン21としてはいかなる材料を用いることができ、例えば、前述した留置カテーテル2と同様の材料が挙げられる。特にバルーン21としてシリコーンやポリウレタンエラストマーを用いることにより、胃内でバルーンの収縮や破損が生じにくく、安全に長期間留置することができるため好ましい。
なお、本実施形態では胃内の固定部としてバルーンを用いたが、留置カテーテルの胃内への固定はこれに限られず、自然状態では留置カテーテルの軸に直交する方向に張り出した固定部を用いてもよい。このような固定部は軸方向に伸展して細径化し、胃内へと挿入される。
接続部22は、留置カテーテル2の基端部に設けられている。接続部22は、栄養チューブ接続口221とバルーン用注入口222を有する。栄養チューブ接続口221は、栄養剤を投与する際に、栄養チューブ(図示せず)が接続される。栄養剤は、栄養チューブおよび主内腔23を通って留置カテーテル2の先端から胃内に投与される。また、バルーン用注入口222は、前述のようにバルーンを膨張させる際に液体を注入するために用いられる。
接続部22としてはいかなる材料を用いることもでき、例えば、前述した留置カテーテル2と同様の材料が挙げられる。特に接続部22を留置カテーテル2と別に成型して接着する場合には、接続部22の材料を留置カテーテル2と同様とすると接着性が良好となり好ましい。
留置カテーテル2の代表的な寸法について説明する。留置カテーテル2は、全長を100〜400mm程度、外径を2〜10mm程度とすることが好ましい。また、主内腔23の直径は1〜8mm程度、バルーン膨張用内腔の直径は0.1〜1.5mm程度とすることが好ましい。また、バルーン21は軸方向の長さが10〜30mm程度、膨張半径が15〜40mm程度であることが好ましい。
拡張器3は、留置カテーテル2の主内腔23に挿入され、留置カテーテル組立体1による瘻孔形成時に腹壁および胃壁を拡張するために用いられる。拡張器3は、軸部31と、軸部31の先端側の部分に設けられ外径が先端に向かって漸減する拡張部33とを備える。そして、軸部31が留置カテーテル2の主内腔23に挿入され、拡張部33は留置カテーテル2の先端から突出して設置されている。
図2に示すように、軸部31はその先端部に、テーパー部311と逆テーパー部312を有する。テーパー部311は、軸部31の先端側の部分から最先端に向かって外径が漸減している。これにより留置カテーテル組立体1を腹壁側から挿入するときに、腹壁を徐々に拡張しながら挿入でき、挿入性が良好となる。また、逆テーパー部312は、テーパー部311の基端から軸部31の基端側に向かって外径が漸減しており、その基端の外径は軸部31の外径と同等となっている。
また、軸部31は、内部にガイドワイヤ(図示せず)を挿通するためのガイドワイヤ挿通孔313を有する。これにより予めガイドワイヤを腹壁側から胃内に留置しておけば、ガイドワイヤに沿って留置カテーテル組立体1を挿入することができ、より安全に手技を行うことができる。
さらに、拡張器3は基端に留置カテーテル2と接続するためのコネクタ32を備える。コネクタ32は、留置カテーテル2の栄養チューブ接続口221と接続される。これにより留置カテーテル組立体1の挿入時に、留置カテーテル2と拡張器3が外れることがない。コネクタ32は先端に向かって外径が漸減していると栄養チューブ接続口221との接続が容易となるため好ましい。
軸部31は、留置カテーテル組立体1を体内に挿入する際、留置カテーテル2が折れ曲がらないようにするためのスタイレットとしての役割も有する。したがって、軸部31としてはある程度の剛性を有する材料を用いることが好ましい。このような材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリウレタン(PU)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)などのフッ素樹脂、ポリウレタンエラストマーなどの熱可塑性エラストマーなどの樹脂、あるいはステンレス鋼のような金属などが挙げられる。
特に軸部31としてステンレス鋼などの金属やフッ素樹脂を用いると、高剛性かつ生体適合性に優れていることから好ましい。
軸部31の代表的な寸法について説明する。軸部31は、全長100〜450mm程度、外径を1〜8mm程度とすることが好ましい。また、テーパー部311は、全長を1〜40mm程度とし、その外面と軸部31の軸7とのなす角αを3〜15度程度とすると挿入性が良好となるため好ましい。
図2に示すように、拡張部33は、内部に内腔を有しており、軸部31の先端側の部分に着脱自在に設置されている。そして、軸部31の先端は拡張部33の先端から突出している。拡張部33は、その外径が先端に向かって漸減する。これにより瘻孔を留置カテーテル2を挿入可能な大きさまで円滑、安全に拡張することができる。
拡張部33としては、例えば、前述した軸部31と同様の材料が挙げられる。また、グルコースやフルクトースのような単糖類、ショ糖などの二糖類、デンプンやマンナンなどの多糖類といった生分解性材料や炭酸カルシウムのように酸で分解される材料を用いることもできる。
特に拡張部33として、デンプンやショ糖のような生分解性材料を用いると、拡張器3の抜去により胃内に離脱した拡張部33が生体内で分解され、拡張器3の抜去後に拡張部33を内視鏡等で回収することが不要となるため好ましい。
拡張部33の代表的な寸法について説明する。拡張部33は、全長10〜40mm程度、基端部の外径を4〜8mm程度とすることが好ましい。基端部の外径は留置カテーテル2の外径とほぼ等しいことが特に好ましい。これにより、留置カテーテル2を通過させるのに十分かつ最小限の拡張を行うことができる。また、内径は1〜8mm程度とすることが好ましい。
また、拡張部33の外面と軸部31の軸7とのなす角βを1〜15度程度とすると挿入性が良好となるため好ましい。αとβの大小関係はいかなるものでもよいが、好ましくは|α−β|≦2、さらに好ましくは|α−β|=0、すなわちα=βであるとよい。さらにテーパー部311のテーパー面は拡張部33のテーパー面の延長上にあることが好ましい。これにより留置カテーテル組立体1の挿入時に引っかかり抵抗が少なく容易に挿入することができる。
また、拡張部33は基端に当接面331を有する。そして、当接面331には長手方向に突出する凸部332が形成されている。
凸部332は、留置カテーテル2の先端と当接面331との接触面積を低減するために設けられる。当接面331が平坦であると留置カテーテル2と拡張部33が貼りつくことがある。留置カテーテル2と拡張部33が貼りつくと、拡張部33と軸部31の係合が外れても拡張部33が胃内に離脱しない可能性がある。当接面331に凸部332を設けることで拡張部33と留置カテーテル2の接触面積を低減することができ、これによって貼り付きを防止することできる。凸部332は、高さ0.05〜2mm程度とすることが好ましい。
軸部31と拡張部33は、軸部31の先端部に設けられた係合部4によって係合している。本実施形態では、係合部4は軸部31のテーパー部311の基端の外径を拡張部33の先端部の内径より大きくし、かつ、逆テーパー部312を設けることで形成される。これにより、拡張部33が軸部31の先端方向へ移動することが規制される。すなわち、係合部4により拡張部33が軸部31の先端方向へ移動する際の移動抵抗が増大する。したがって、留置カテーテル組立体1の挿入時に、拡張部33が軸部31から離脱することがない。
軸部31と拡張部33は、軸部31を留置カテーテル2に対して基端方向に移動することで拡張部33との係合が外れる程度の強度で係合している。留置カテーテル2の留置後に軸部31を留置カテーテル2に対して基端方向に移動すると、拡張部33の凸部332が留置カテーテル2の先端に当たる。これにより拡張部33は基端方向への移動が規制される。さらに軸部31を基端方向へ移動すると、軸部31の先端部は、逆テーパー部312をガイドとして拡張部33の内腔を通り、さらに留置カテーテル2の主内腔23へと入って移動する。このようにして、軸部31と拡張部33の係合が外れ、拡張部33は胃内に離脱する。
係合部4の外径の最大部は、拡張部33の内腔の径より0.1〜0.5mm程度大きくすることが好ましい。これにより、軸部31を基端方向へ移動することで拡張部33との係合を外すことができる。
さらに、軸部31には規制部314が設けられている。規制部314は拡張部33の当接面331に接するように軸部31から突出して形成される。これにより、拡張部33が軸部31の基端方向へ移動することが規制される。したがって、留置カテーテル組立体1を挿入する際の抵抗による拡張部33の移動を抑制でき、挿入性がより良好となる。
次に、留置カテーテル組立体1の使用方法について図1、図2を参照しつつ説明する。まず、内視鏡で胃内を観察しながら、腹壁側からの触診により瘻孔の形成位置を決定する。次に公知の方法で腹壁と胃壁を固定する。その後、瘻孔の形成位置に穿刺針を刺し、この針管を介して胃内にガイドワイヤを留置する。
軸部31のガイドワイヤ挿通孔313にガイドワイヤの基端を挿入し、留置チューブ組立体1をガイドワイヤに沿わせながら腹壁側から胃内に挿入する。このとき、規制部314が拡張部33の軸部31に対する基端方向への移動を規制しているため、挿入時の抵抗によっても拡張部33が基端方向へほとんど動かず良好に挿入することができる。また、係合部4により拡張部33は軸部31に対して先端方向への移動も規制されている。したがって、挿入時に軸部31から拡張部33が離脱することもない。
留置チューブ2の先端部が胃内に到達したことを内視鏡で確認し、留置チューブ2を固定した状態で軸部31のコネクタ32を手で把持しながら拡張器3を基端方向に引き抜く。すると、軸部31と拡張部33が一体となって拡張器3が移動する。そして、拡張部33の凸部332が留置カテーテル2の先端に当接すると拡張器3の移動が規制される。このとき、拡張器3を更に基端方向に引くと、係合部4が拡張部33の内腔に入って移動して、軸部31と拡張部33の係合が外れる。そして、軸部31は拡張部33の内腔、留置カテーテル2の主内腔23を通って体外に引き抜かれる。また、拡張部33は胃内に脱落する。
また、このとき、当接面331には凸部332が設けられていることで当接面331と留置カテーテル2の先端との接触面積が小さくなる。このため、拡張部33は留置カテーテル2の先端に貼り付くことなく胃内に確実に脱落する。
最後にバルーン用注入口222から適量の水を注入しバルーン21を膨張させ、留置カテーテル2を胃内に固定する。また、胃内に脱落した拡張部33は内視鏡等を用いて回収する。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
以下では、第二実施形態について説明するが、第一実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図3(a)は、第二実施形態に係る留置カテーテル組立体1の先端部の側面図、図3(b)は縦断面図である。
第二実施形態では、主に係合部4の構成が異なる以外は第一実施形態と同様である。
図3(b)に示すように、本実施形態では、係合部4は、軸部31の最先端に形成された係合凸部41と、拡張部33に形成された係合凹部42を有している。そして、軸部31の先端は拡張部33の先端から突出せず、拡張部33の内部で係合している。係合凸部41と係合凹部42は、軸部31を留置カテーテル2に対して基端方向に移動することで係合が外れる程度の強度で係合している。したがって、第一実施形態と同様に留置カテーテル組立体1の挿入時に、拡張部33が軸部31から離脱することがない。
また、本実施形態では、軸部31が拡張部33を貫通せず、軸部31の先端は拡張部33の内腔内に留まっており、拡張部33の軸部31に対する基端方向への移動も規制されている。したがって、係合部4が第一実施形態の規制部314としても機能しているので、留置カテーテル組立体1の挿入時に拡張部33が軸部31に対して基端側に動いてしまうことがなく、挿入性がより良好となる。
このような構成とすると、拡張器3の先端は段差がなくなるため、留置カテーテル組立体1の挿入をより安全かつ容易に行うことができる。
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態について説明する。
以下では、第三実施形態について説明するが、第一実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図4(a)は本発明の第三実施形態に係る留置カテーテル組立体1の一部縦断面図、図4(b)は本発明の第三実施形態に係る留置カテーテル組立体1の軸部31と拡張部33の係合が外れたときの一部縦断面図である。
第三実施形態では、係合部4の形状及び作用が異なる以外は第一実施形態と同様である。
本実施形態では、図4(a)に示すように、軸部31の先端側の部分には開口34とバネ部35が設けられている。開口34は、ガイドワイヤ挿通孔313と連通している。また、バネ部35は、軸部31に片持ち支持され、開口中に位置している。さらに、バネ部35の先端には係合凸部41が突出して設けられている。また、拡張部33の内腔には、係合凸部41と対応する係合凹部42が設けられている。そして、係合凸部41と係合凹部42が係合し、拡張部33は軸部31に係止される。
留置チューブ2を固定した状態で軸部31のコネクタ32を手で把持しながら拡張器3を基端方向に引き抜く。すると、軸部31と拡張部33が一体となって拡張器3が移動する。そして、拡張部33の凸部332が留置カテーテル2の先端に当接すると拡張器3の移動が規制される。このとき、拡張器3を更に基端方向に引くと、図4(b)の矢印で示すような横方向の力Fが係合凸部41に加わり、係合凸部41およびバネ部35の先端部は内側に撓みガイドワイヤ挿通孔313に逃げる。これにより、係合凸部41は係合凹部42を乗り越えて係合が外れ、拡張部33の内腔の内面に沿って摺動し、軸部31は抜去される。
このような構成とすると、軸部31と拡張部33の係合力をバネ部35の弾性力や係合凸部41、係合凹部42の大きさにより調整することができる。
なお、本実施形態では軸部31に係合凸部41が設けられ、拡張部33に係合凹部42が形成されている例を説明したが、軸部に係合凹部を形成し、拡張部に係合凸部を設けるようにしてもよい。
<第四実施形態>
次に、本発明の第四実施形態について説明する。
以下では、第四実施形態について説明するが、第一実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図5は、第四実施形態に係る留置カテーテル組立体1の先端部の側面図である。
第四実施形態では、軸部31と拡張部33が一体となって拡張器3を形成し、軸部31と拡張部33の境界部に破断部5が設けられている以外は第一実施形態と同様である。
本実施形態では、破断部5は、軸部31を留置カテーテル2に対して基端方向に移動することで破断する程度の強度を有している。このような破断部5はいかなる方法で形成してもよいが、軸部31と拡張部33の境界部を細径とすることで破断部5を形成することが簡便で好ましい。
本実施形態でも、第一実施形態と同様に、軸部31を留置カテーテル2に対して基端方向に移動すると、拡張部33はその当接面331が留置カテーテル2の先端に当接し移動が規制される。そして、更に軸部31を移動させると破断部5が破断し、軸部31は体外に抜去され、拡張部33は胃内に脱落する。
<第五実施形態>
次に、本発明の第五実施形態について説明する。
以下では、第五実施形態について説明するが、第一実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図6は、第五実施形態に係る留置カテーテル組立体1の全体図である。
第五実施形態では、留置カテーテル2にシース6が装着されている以外は第一実施形態と同様である。
シース6は、シース本体61と、シース本体61の基端部に付設されるハンドル部62とを備える。そして、シース本体61はその表面に長手方向全長にわたって一対の切り欠き部63を有する。シース6は留置カテーテル組立体1を挿入する際にバルーン21を保護するために用いられる。留置カテーテル組立体1は瘻孔を拡張しながら挿入されるため、留置カテーテル2の先端部に設けられるバルーン21は瘻孔に擦れるようにして挿入される。バルーン21の表面に傷がつくとバルーン21の破裂や早期の収縮を生じうるため、バルーン21は極力瘻孔と接触しないことが好ましい。本発明によればシース6によってバルーン21が保護されるのでバルーン21の表面に傷がつくことを防止できる。
切り欠き部63はハンドル部62の突設方向と直交する位置に形成される。したがって、ハンドル部62を左右に引っ張ることでシース本体61は切り欠き部63に沿って2つに分割される。これによって、留置カテーテル組立体1を挿入後にシース6を抜去することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良の態様も含む。
1 留置カテーテル組立体
2 留置カテーテル
21 バルーン
22 接続部
221 栄養チューブ接続口
222 バルーン用注入口
23 主内腔
3 拡張器
31 軸部
311 テーパー部
312 逆テーパー部
314 規制部
313 ガイドワイヤ挿通孔
32 コネクタ
33 拡張部
331 当接面
332 凸部
34 開口
35 バネ部
4 係合部
41 係合凸部
42 係合凹部
5 破断部
6 シース
61 シース本体
62 ハンドル部
63 切り欠き部
7 軸

Claims (12)

  1. 少なくとも1つの内腔が形成された可撓性を有する留置カテーテルと、前記内腔に挿入される拡張器とを備える留置カテーテル組立体であって、
    前記拡張器は、軸部と、前記軸部に対して離脱可能に設けられ外径が先端に向かって漸減する拡張部とを有し、
    前記拡張部は、前記留置カテーテルの先端から突出して形成されており、前記軸部を前記留置カテーテルに対して基端方向に移動することで前記拡張部が前記軸部から離脱するように構成されていることを特徴とする留置カテーテル組立体。
  2. 前記拡張部は、前記軸部の先端部に着脱自在に設置されている請求項1に記載の留置カテーテル組立体。
  3. 前記軸部または前記拡張部の少なくとも一方は、他方と係合する係合部を有する請求項1または2に記載の留置カテーテル組立体。
  4. 前記軸部は、その先端に向かって外径が漸減する形状をなしている請求項1ないし3のいずれかに記載の留置カテーテル組立体。
  5. 前記拡張部の基端に、前記留置カテーテルの先端に当接する凸部を有する請求項1ないし4のいずれかに記載の留置カテーテル組立体。
  6. 前記軸部の先端部に、前記拡張部が基端方向へ移動するのを規制する規制部を有する請求項1ないし5のいずれかに記載の留置カテーテル組立体。
  7. 前記拡張部は、前記軸部と一体として形成されており、前記軸部と前記拡張部の間に破断部を有し、前記軸部を前記留置カテーテルに対して基端方向に移動することで前記破断部が破断し、前記拡張部が前記軸部から離脱する請求項1に記載の留置カテーテル組立体。
  8. 前記拡張部は、生分解性材料で構成される請求項1ないし7のいずれかに記載の留置カテーテル組立体。
  9. 前記軸部は、ガイドワイヤが通過可能な内腔を有する請求項1ないし8のいずれかに記載の留置カテーテル組立体。
  10. 前記留置カテーテルは、先端部に拡張可能なバルーンを有する請求項1ないし9のいずれかに記載の留置カテーテル組立体。
  11. 前記留置カテーテルは、更にシースを備える請求項1ないし10のいずれかに記載の留置カテーテル組立体。
  12. 前記シースは引き裂き可能な切り欠き部を有する請求項11に記載の留置カテーテル組立体。
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