JP7065899B2 - 車両用構造体 - Google Patents
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板状のベース部と、
前記ベース部の周面に回動自在に設けられる開閉体と、を備える車両用構造体であって、
前記ベース部の下側から外側に張り出す支持部と、
前記ベース部に前記開閉体を回動自在に連結するアームと、を備え、
前記アームは、
伸縮可能な本体部と、
前記本体部の第一の端部を前記ベース部の上面に固定する第一固定部と、
前記本体部の第二の端部を前記開閉体の内側面に固定する第二固定部と、を有し、
前記開閉体を外側に回動させて開いた状態で、
前記本体部は、前記開閉体の内側面、及び前記ベース部の上面の少なくとも一方と接する下側接触領域を有し、
前記支持部は、前記開閉体の外側面と接する上側接触領域を有する。
前記本体部の前記下側接触領域と前記支持部の前記上側接触領域とが、前記開閉体を挟んで上下に重なる位置に配置されることが挙げられる。
車両に搭載されていることが挙げられる。
なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
実施形態1に係る車両用構造体を図1~図4に基づいて説明する。実施形態1では、車両用構造体として車両に搭載可能なコンテナ3を備え、コンテナ3が、ベース部として底壁3Dと、開閉体として扉4とを備える形態を説明する。図1では、車両のタイヤを省略している。図2では、後方から見たコンテナ3のみを図示し、荷台を省略している。
実施形態1に係る車両用構造体は、図1に示すように、車両の荷台1に積載物として搭載されるコンテナ3である。コンテナ3は、ベース部である底壁3Dの周面に回動自在に設けられる扉4を有する。本例では、いわゆる軽トラックの荷台1にコンテナ3が搭載されている。実施形態1の車両用構造体における特徴の一つは、底壁3Dの下側から外側に張り出す支持部5と、底壁3Dに扉4を回動自在に連結するアーム6とを備えることにある。アーム6は、図2~図4に示すように、伸縮可能な本体部60と、第一固定部61及び第二固定部62とを有する。実施形態1の車両用構造体では、開閉体である扉4を外側に回動させて開いた状態で、本体部60は扉4の内側面41及び底壁3Dの上面30の少なくとも一方と接する下側接触領域60uを有し、支持部5は扉4の外側面42と接する上側接触領域50を有する。
以下、先に荷台1の構成について説明し、その後に車両用構造体としての積載物であるコンテナ3の構成を詳細に説明する。
荷台1は、図1に示すように、一般に車両の後部に設けられ、積載物を載せて運ぶための領域である。この荷台1は、積載物を載せる床面10と、床面10の周囲に設けられるあおり2とを備える。
あおり2は、荷台1の周面に回動自在に設けられる板状部材である。本例では、荷台1の周面のうち、左右の側面12と後面13に、あおり2がそれぞれ設けられている。つまり、荷台1は、左右の両側に一対の側あおり2L,2Rと、後側に一つの後あおり2Bとを備える。
積載物は、荷台1に載せられる荷物又は荷物を収納或いは保持する荷積み用部材である。本実施形態では、積載物として、荷物を収納するコンテナ3を例示する。コンテナ3は、底壁3D、左右の各側壁3L,3R、前後の前壁3Fと後壁3B、及び上壁3Uの六面を有する箱状体である。本例では、車両の側方に向く側壁3L,3R、及び車両の後方に向く後壁3Bは、開閉体である扉4で構成されている。つまり、コンテナ3は、左右の両側に一対のサイド扉4L,4Rと、後側に一つの後扉4Bとを備える。各サイド扉4L,4R及び後扉4Bを閉じることによって、各側壁3L,3R及び後壁3Bが形成される。各扉4を開いたとき、上壁3Uは四隅の柱によって支持される。荷物は、扉4を開閉することで、コンテナ3内に積み下ろしされる。コンテナ3の各壁や各扉4は、荷物の積み下ろし及びコンテナ3自体の荷台への積み下ろしに十分耐える剛性を有する板材で構成されている。本例では六面を有するコンテナ3としているが、コンテナ3の前方に位置する車室の背面を箱状体の一面として利用する場合、コンテナ3の前壁4Fを省略してもよい。また、本例ではコンテナ3の上方が上壁3Uによって塞がれているが、コンテナ3は上方が開口したものでもよく、上壁3Uを省略してもよい。扉4は少なくとも一つあればよく、側壁3L,3R及び後壁3Bの少なくとも一つに設けられていればよい。
ベース部である底壁3Dの面積は、荷台1の床面10の面積よりも小さい。本例の底壁3Dの上面30は、荷台1の床面10と略平行に配置されている。
開閉体である扉4は、底壁3Dの周面に回動自在に設けられる板状部材である。本例では、底壁3Dの周面のうち、左右の側面32と後面33に、サイド扉4L,4Rと後扉4Bがそれぞれ設けられている。図1では、左側のサイド扉4Lと後扉4Bを開き、右側のサイド扉4Rを閉じた状態を示している。図2では、扉4のうち、左側のサイド扉4Lのみを図示し、右側のサイド扉4R及び後扉4Bを省略している。
支持部5は、底壁3Dの下側から外側に略水平方向に張り出す部分である。図2に示すように扉4を開いた状態で、支持部5は扉4の外側面42と接する上側接触領域50を有する。上側接触領域50は、支持部5の上面のうち、外側面42の少なくとも一部と接する領域である。上側接触領域50は、外側面42の一部と接していてもよいし、外側面42の全面と接していてもよい。本例では、上側接触領域50が外側面42の一部と接している。支持部5の上側接触領域50が開いた扉4の外側面42と接することで、扉4を略水平状態に支持する。本例の支持部5は、底壁3Dの周面のうち、左右の側面32と後面33よりも外側にはみ出している(図1参照)。支持部5の底壁3Dからの張り出し量は、扉4の厚みよりも若干大きいことが好適である。例えば、扉4の厚みと等しいか、それよりも若干大きい程度が好ましい。サイド扉4L,4Rの厚みは、立てた状態のサイド扉4L,4Rにおける車幅方向の長さである。後扉4Bの厚みは、立てた状態のサイド扉4L,4Rにおける車長方向の長さである。支持部5の張り出し量が扉4の厚みと同等以上であれば、開いた扉4の外側面42を支持部5の上面で支持することができる。支持部5の張り出し量が大きいほど、開いた扉4の外側面42と支持部5の上側接触領域50との接触面積を大きくとれるので、開いた扉4を支持し易い。但し、本実施形態のように、支持部5が後述する支持板35によって構成される場合、支持部5の張り出し量が大き過ぎると、支持部5が荷台1から外側にはみ出すなど、コンテナ3を荷台1に搭載できなくなるおそれがある。
アーム6は、ベース部である底壁3Dに、開閉体である扉4を回動自在に連結する部材である。アーム6は、各扉4の内側に設けられる。本例では、一つの扉4に対して二つのアーム6が設けられている。扉4の内側面41のうち、回動軸40の軸方向の両側部分にアーム6がそれぞれ配置されている。図2に示すように、各アーム6は、本体部60と、第一固定部61及び第二固定部62とを有する。また、扉4を開いた状態で、本体部60は扉4の内側面41及び底壁3Dの上面30の少なくとも一方と接する下側接触領域60uを有する。各アーム6の構成は同様である。以下では、主に図3、図4を参照して、サイド扉4Lに取り付けられるアーム6の構成を代表して説明する。
本体部60は、長手方向に伸縮可能な部材であり、底壁3Dの上面30とサイド扉4Lの内側面41との間を橋渡しするように取り付けられる。本体部60は、底壁3Dの上面30に固定される第一の端部60aと、サイド扉4Lの内側面41に固定される第二の端部60bとを有する。本例の本体部60は、外筒601と、外筒601の内側に設けられる内筒602とを含む。内筒602は、外筒601に対して長手方向に沿ってスライド可能である。本例では、外筒601は第一の端部60a側、即ち底壁3D側に配置される。内筒602は第二の端部60b側、即ちサイド扉4L側に配置される。外筒601及び内筒602は、サイド扉4Lの回動動作などによって変形しない十分な剛性を有する。外筒601及び内筒602の材質は、例えば、鋼やアルミニウム合金などの金属が好適である。本体部60は、シリンダと、シリンダの一端から突出するピストンロッドとを有する公知のアブソーバで構成してもよい。
第一固定部61は、本体部60の第一の端部60aを底壁3Dの上面30に固定する部品である。第二固定部62は、本体部60の第二の端部60bをサイド扉4Lの内側面41に固定する部品である。本例では、第一の端部60a及び第二の端部60bの各々は、第一固定部61及び第二固定部62の各々にピン610,620介して回動自在に連結されている。これにより、本体部60は、第一の端部60aを支点に回動することが可能である。本例の第一固定部61は、底壁3Dの上面30に固定される底部と、底部の両端から立ち上がる側板部を有する略U字状である。この側板部は、第一の端部60aを両側から挟むように配置され、ピン610が設けられる。本例の第二固定部62は、第一固定部61と同様に略U字状であり、サイド扉4Lの内側面41に固定される底部と、底部の両端から立ち上がる側板部を有する。この側板部は、第二の端部60bを両側から挟むように配置され、ピン620が設けられる。サイド扉4Lを開いた状態で、第一固定部61及び第二固定部62の各底部は、第一の端部60a及び第二の端部60bの各々の下面と向かい合う。サイド扉4Lを開いた状態で、各底部と第一の端部60a及び第二の端部60bの各々の下面とは接していてもよいし、接していなくてもよい。本例では、第一の端部60a及び第二の端部60bの端面がU字状に湾曲している。また、本例の第一固定部61は、底壁3Dの周面である側面32よりも内側に位置している。そのため、サイド扉4Lを開いた状態で、本体部60における第一の端部60a側の下面が底壁3Dの上面30と接する。つまり、本体部60の第一の端部60a側において、外筒601の下面の少なくとも一部がサイド扉4Lの内側面41と底壁3Dの上面30の両方に接する。これにより、アーム6によっても、開いたサイド扉4Lを略水平状態に保持できる。
更に、本体部60には、本体部60の伸縮に応じて伸縮する弾性体が設けられている。本例では、弾性体としてバネ65が本体部60に内蔵されている。バネ65の一端及び他端は、第一の端部60a及び第二の端部60bにそれぞれ固定されている。本例のバネ65は引張バネである。弾性体は、バネ65に代えてゴムを用いてもよい。
上述した実施形態1の車両用構造体は、次の効果を奏する。
開閉体である扉4を開いた状態で、アーム6の本体部60の下側接触領域60uが内側面41と接すると共に、支持部5の上側接触領域50が外側面42と接する。これにより、扉4にかかる押し下げ荷重が、第二固定部62と、本体部60と、支持部5との3つに分散されるため、押し下げ荷重に対する強度が向上する。そのため、開いた扉4の上に重量物を載せたり、作業者が乗ったりすることを許容する強度を確保することできる。更に、本体部60の下側接触領域60uと支持部5の上側接触領域50とが、扉4を挟んで上下に重なる位置に配置されることで、支持部5で押し下げ荷重を効果的に受け止めることができる。
アーム6の本体部60における外筒601が角パイプで構成され、本体部60の下側接触領域60uが扉4の内側面41と面接触するように構成されている。これにより、開いた扉4の内側面41と下側接触領域60uとの接触面積を確保し易い。内側面41が本体部60に安定して押し付けられるので、開いた扉4のガタツキをより抑え易い。
実施形態2に係る車両用構造体を図5に基づいて説明する。実施形態2では、車両用構造体として荷台1とコンテナ3とを備え、車両の荷台1を支持部5として利用する形態を説明する。実施形態2の車両用構造体は、コンテナ3が支持部5を構成する支持板35を有していない点で、実施形態1と異なる。以下では、実施形態1との相違点を中心に説明し、実施形態1と共通する事項についてはその説明を適宜省略する。図5では、図2と同様に、扉4のうち、左側のサイド扉4Lのみを図示し、右側のサイド扉4R及び後扉4Bを省略している。
アーム6の構成は実施形態1で説明したとおりである。
実施形態3に係る車両用構造体を図6に基づいて説明する。実施形態3では、車両用構造体が車両の荷台1に搭載されるあおり2である形態を説明する。実施形態3の車両用構造体は、ベース部が荷台1であり、開閉体があおり2である点で、実施形態1と異なる。以下では、実施形態1との相違点を中心に説明し、実施形態1と共通する事項についてはその説明を適宜省略する。
10 床面、12 側面、13 後面
15 ヒンジ
2 あおり
2L,2R 側あおり
2B 後あおり
20 回動軸
21 内側面、22 外側面
3 コンテナ
3D 底壁
3L,3R 側壁
3F 前壁
3B 後壁
3U 上壁
30 上面、32 側面、33 後面
35 支持板
4 扉
4L,4R サイド扉
4B 後扉
40 回動軸
41 内側面、42 外側面
5 支持部
50 上側接触領域
6 アーム
60 本体部
60a 第一の端部、60b 第二の端部
60u 下側接触領域
601 外筒、602 内筒
61 第一固定部、62 第二固定部
610,620 ピン
65 バネ
Claims (3)
- 板状のベース部と、
前記ベース部の周面に回動自在に設けられる開閉体と、を備える車両用構造体であって、
前記ベース部の下側から外側に張り出す支持部と、
前記ベース部に前記開閉体を回動自在に連結するアームと、を備え、
前記アームは、
伸縮可能な本体部と、
前記本体部の第一の端部を前記ベース部の上面に固定する第一固定部と、
前記本体部の第二の端部を前記開閉体の内側面に固定する第二固定部と、を有し、
前記開閉体を外側に回動させて開いた状態で、
前記本体部は、前記開閉体の内側面、及び前記ベース部の上面に接する下側接触領域を有し、
前記支持部は、前記開閉体の外側面と接する上側接触領域を有する、車両用構造体。 - 前記本体部の前記下側接触領域と前記支持部の前記上側接触領域とが、前記開閉体を挟んで上下に重なる位置に配置される請求項1に記載の車両用構造体。
- 車両に搭載されている請求項1又は請求項2に記載の車両用構造体。
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