JP7063903B2 - 生体内留置具、生体内留置具送達システムおよび生体内留置具の製造方法 - Google Patents

生体内留置具、生体内留置具送達システムおよび生体内留置具の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、血管疾患部の血管に塞栓を形成するための生体内留置具およびその送達システムならびに生体内留置具の製造方法に関する。
頭頸部の動脈瘤、動静脈奇形、動静脈瘻、肺血管奇形、腎血管奇形、腎動脈、腹部動脈瘤等の血管病変の治療法の一つである血管内治療では、塞栓形成用の生体内留置具を目的部位に留置して、血栓化を促進することによって例えば動脈瘤が破裂するのを防ぐ。
特許文献1~4には、コイルと、コイル内に配置される伸長抵抗部材と、コイルの遠位端部に配置されるチップと、を有する塞栓形成用の生体内留置具が開示されている。生体内留置具はプッシャの先端部に取付けられて、プッシャによって留置時に使用するカテーテルなどの遠位側に押し出されることにより、例えば動脈瘤などの体内の目的部位まで送達される。
特表2008-525113号公報 特開2016-154946号公報 特開2012-464号公報 国際公開第2010/123003号
特許文献1~4に示す生体内留置具において、遠位端部の強度が弱い場合、プッシャによって生体内留置具を押し出したときに伸長抵抗部材がコイルから逸脱し、留置具を目的部位に送達できなくなるおそれがあった。また、手技の過程でやむを得ずコイルを抜去する際にもチップのみが血管内に残留する可能性があった。そこで、本発明は、コイルの遠位端部の伸長抵抗部材やチップがコイルから逸脱しにくい生体内留置具と、生体内留置具の送達システムと、生体内留置具の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決し得た本発明の生体内留置具は、線材が巻回されて形成されており、遠近方向に延在しているコイルと、コイルの遠位端部に接続されている樹脂チップと、コイルの内腔に配置されており、樹脂チップに接続されている伸長抵抗部材と、を有する生体内留置具であって、コイルは遠位端部であって隣り合う線材が少なくとも1周以上で接触している接触部と、接触部よりも近位側であって隣り合う線材が離間している離間部とを有し、樹脂チップの一部が離間部に存在している点に要旨を有する。本発明の生体内留置具は、樹脂チップの一部が離間部に存在することによって、コイルと樹脂チップが強固に固定される。このため、プッシャで生体内留置具を押し出す際に、樹脂チップや伸長抵抗部材がコイルから逸脱することを抑制できる。また、離間部に樹脂チップの一部が存在していることを視認できるため、離間部と樹脂チップの固定状態を容易に把握することができる。
上記生体内留置具において、離間部で、樹脂チップの一部が隣り合う線材に挟まれていることが好ましい。
上記生体内留置具において、離間部で、樹脂チップの一部がコイルの内側に配置されていることが好ましい。
上記生体内留置具において、離間部が、コイルの遠位端から2ピッチ目以上10ピッチ目以下の位置に設けられていることが好ましい。
上記生体内留置具において、離間部で、樹脂チップの一部がコイルと異なる色を有していることが好ましい。
上記生体内留置具において、樹脂チップが、光照射により変色する材料を含んでいることが好ましい。
上記生体内留置具において、伸長抵抗部材が、離間部よりも遠位側のコイルを介して、樹脂チップに接続されていることが好ましい。
上記生体内留置具において、コイルを遠位端から見たときに、コイルの最大外径の2分の1の大きさを直径とし、最大外径の中点を中心とする円に囲まれた中央領域内に、線材の一部が存在しており、伸長抵抗部材は、線材の一部である接続部を介して、樹脂チップに接続されていることが好ましい。
また、上記課題を解決し得た本発明の生体内留置具送達システムは、線材が巻回されて形成されており、遠近方向に延在しているコイルと、コイルの遠位端部に接続されている樹脂チップと、コイルの内腔に配置されており、樹脂チップに接続されている伸長抵抗部材とを含む生体内留置具と、コイルを内腔に収容可能なシースと、を有する生体内留置具送達システムであって、コイルがシース内に配置されているときに、樹脂チップがシースの内壁に接触している点に要旨を有する。本発明の生体内留置具送達システムによれば、生体内留置具の遠位端部の柔軟性を確保することができる。
また、上記課題を解決し得た本発明の生体内留置具送達システムは、線材が巻回されて形成されており、遠近方向に延在しているコイルと、コイルの遠位端部に接続されている樹脂チップと、コイルの内腔に配置されており、樹脂チップに接続されている伸長抵抗部材とを含む生体内留置具と、コイルを内腔に収容しているシースと、を有する生体内留置具送達システムであって、樹脂チップがシースの内壁に接触している点に要旨を有する。本発明の生体内留置具送達システムによれば、生体内留置具の遠位端部の柔軟性を確保することができる。
上記生体内留置具において、コイルを押し出して、樹脂チップをシースから出すときに、樹脂チップがシースの遠位端部に接触していることが好ましい。
さらに、上記課題を解決し得た本発明の生体内留置具の製造方法は、線材が巻回されて形成されているコイルと、折り返し部を有しており、折り返し部に伸長抵抗部材が接続されている線状部材と、を準備する工程と、隣り合う線材の間隔を広げてコイルに離間部を形成する工程と、コイルの内腔に、線状部材の折り返し部を挿入する工程と、コイルの内腔に筒状部材を挿入する工程と、筒状部材を加熱する工程と、線状部材を加熱する工程と、を有する点に要旨を有する。本発明の生体内留置具の製造方法によれば、コイルの離間部に加熱された筒状部材の一部が溶融して入り込むことにより、コイルと樹脂チップが強固に固定された生体内留置具を製造することができる。また、コイルに離間部を設けることにより、毛細管現象によって離間部よりも近位側に樹脂が流れ込むことを抑制できるため、生体内留置具の遠位端部の柔軟性を確保することができる。
上記生体内留置具の製造方法において、離間部よりも近位側で隣り合う線材の間隔を広げた状態で、筒状部材を加熱することが好ましい。
上記生体内留置具の製造方法において、筒状部材と線状部材を同じ加熱工程で加熱することが好ましい。
本発明の生体内留置具によれば、樹脂チップの一部が離間部に存在していることにより、コイルと樹脂チップが強固に固定されるため、樹脂チップや伸長抵抗部材がコイルから逸脱することを抑制できる。また、離間部に樹脂チップの一部が存在していることを視認できるため、離間部と樹脂チップの固定状態を容易に把握することができる。
本発明の生体内留置具送達システムによれば、生体内留置具の遠位端部の柔軟性を確保することができる。
本発明の生体内留置具の製造方法によれば、コイルの離間部に加熱された筒状部材の一部が溶融して入り込むことにより、コイルと樹脂チップが強固に固定された生体内留置具を製造することができる。また、コイルに離間部を設けることにより、毛細管現象によって離間部よりも近位側に樹脂が流れ込むことを抑制できるため、生体内留置具の遠位端部の柔軟性を確保することができる。
本発明の実施の形態に係る生体内留置具の断面図(一部側面図)を表す。 図1に示した生体内留置具の遠位側を拡大した側面図を表す。 本発明の実施の形態に係る他の生体内留置具の遠位側を拡大した断面図(一部側面図)を表す。 図3に示した生体内留置具のコイルの正面図を表す。 図3に示した生体内留置具のコイルの変形例を示す正面図を表す。 本発明の実施の形態に係るさらに他のコイルの断面図(一部側面図)を表す。 図6に示した生体内留置具のコイルの正面図を表す。 本発明の実施の形態に係る生体内留置具送達システムの側面図を表す。 本発明の実施の形態に係る生体内留置具送達システムの遠位側を拡大した側面図(一部断面図)を表す。 本発明の実施の形態に係る生体内留置具送達システムの遠位側を拡大した側面図(一部断面図)を表す。 本発明の実施の形態に係る生体内留置具の製造方法を説明する側面図を表す。 本発明の実施の形態に係る生体内留置具の製造方法を説明する側面図を表す。 本発明の実施の形態に係る生体内留置具の製造方法を説明する断面図(一部側面図)を表す。 本発明の実施の形態に係る生体内留置具の製造方法を説明する断面図(一部側面図)を表す。 本発明の実施の形態に係る生体内留置具の製造方法を説明する断面図(一部側面図)を表す。 本発明の実施の形態に係る生体内留置具の製造方法を説明する断面図(一部側面図)を表す。
以下、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
1.生体内留置具
本発明の生体内留置具は、線材が巻回されて形成されており、遠近方向に延在しているコイルと、コイルの遠位端部に接続されている樹脂チップと、コイルの内腔に配置されており、樹脂チップに接続されている伸長抵抗部材と、を有する生体内留置具であって、コイルは遠位端部であって隣り合う線材が少なくとも1周以上で接触している接触部と、接触部よりも近位側であって隣り合う線材が離間している離間部とを有し、樹脂チップの一部が離間部に存在している点に要旨を有する。本発明の生体内留置具は、樹脂チップの一部が離間部に存在することによって、コイルと樹脂チップが強固に固定される。このため、プッシャで生体内留置具を押し出す際に、樹脂チップや伸長抵抗部材がコイルから逸脱することを抑制できる。また、離間部に樹脂チップの一部が存在していることを視認できるため、離間部と樹脂チップの固定状態を容易に把握することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る生体内留置具の断面図(一部側面図)であり、図2は図1に示した生体内留置具の遠位側を拡大した側面図である。生体内留置具は、遠位側と近位側を有しており、生体内留置具の近位側とは、生体内留置具の延在方向に対して使用者(術者)の手元側の方向を指し、遠位側とは近位側の反対方向(すなわち処置対象側の方向)を指す。また、生体内留置具の近位側から遠位側への方向を軸方向または遠近方向と称する。生体内留置具10は、線材12が巻回されて形成されており、遠近方向に延在しているコイル11と、コイル11の遠位端部に接続されている樹脂チップ20と、コイル11の内腔に配置されている伸長抵抗部材21と、を有する。線材12のコイル状に巻回された部分をコイル11と称する。
コイル11は、一または複数の線材12がらせん状に巻回されて形成されているものであり、例えば、線材12がらせん状に巻回されて形成されている一次コイルを更にらせん状や3次元形状に巻回した二次コイルである。図1においてコイル11は、一次コイルの形状の理解を容易にするために、二次コイルを直線状に伸ばした状態で示している。コイル11の密度(巻き間隔)は特に制限されず、密巻き、ピッチ巻き、またはこれらを組み合わせることができる。一次コイルの巻回されている線材12において、前記遠近方向で隣り合う線材12が接触している状態を密巻き、接触していない状態をピッチ巻きという。接触していない状態とは、前記遠近方向で隣り合う線材12が離間している状態をいう。
コイル11を形成している線材12は、生体適合性および可撓性を有していることが好ましく、例えば、白金、金、チタン、タングステンおよびこれらの合金、ステンレス鋼等の金属材料から構成されていることがより好ましく、中でも白金-タングステン合金により構成されていることがさらに好ましい。
コイル11を形成している線材12の軸方向における断面形状は、円形、楕円形、多角形、またはこれらの組み合わせであってもよい。コイル11は、単層コイルであってもよく、複数の層を有している多層コイルであってもよい。コイル11、線材12、伸長抵抗部材21の少なくともいずれか1つに薬剤を塗布するなどしてもよい。
コイル11を形成している線材12の外径は、特に限定されないが、例えば、25μm以上、30μm以上、または35μm以上であってもよく、75μm以下、または70μm以下であっても許容される。線材12は、一方端から他方端まで一本の線状部材であってもよく、複数の線状部材が連結していてもよい。
樹脂チップ20はコイル11の遠位端部に接続されているものであり、線材12の先端12aが血管内壁に直接接触することを避けるためにコイル11の遠位端部を覆う部材である。樹脂チップ20の形状は特に限定されないが、例えば、半球状、半楕円球状、円柱状、多角柱状に形成することができる。
樹脂チップ20は、熱可塑性樹脂または紫外線硬化樹脂から構成することが好ましく、例えば、エポキシアクリレート系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂を用いることができる。樹脂チップ20を構成する樹脂の粘度は、10mPa・s以上、50mPa・s以上、または100mPa・s以上であってもよく、2000mPa・s以下、1500mPa・s以下、または1000mPa・s以下であっても許容される。また、樹脂チップ20を構成する樹脂のメルトフローレートは、0.1g/min以上、1g/min以上、10g/min以上、または25g/min以上であってもよく、100g/min以下、75g/min以下、または50g/min以下であることも許容される。このような樹脂を用いることにより、後述するコイル11の接触部13の線材12間には樹脂が流れ込みやすく、離間部14よりも近位側に樹脂が流れ込むことを抑制できる。
樹脂チップ20が近位側に意図せず引き込まれることを抑制するために、樹脂チップ20の外径はコイル11の内径よりも大きいことが好ましい。また、コイル11からの樹脂チップ20の逸脱を防止するために、樹脂チップ20の一部はコイル11の内腔に配置されていることが好ましく、コイル11の遠位端部の内腔に差し込まれていることがより好ましい。
樹脂チップ20の近位端は、コイル11の遠位端から近位側に向かってコイル11の全長の10分の1の長さの位置よりも遠位側に設けられていることが好ましく、より好ましくは15分の1の長さの位置よりも遠位側、さらに好ましくは20分の1の長さの位置よりも遠位側である。このように樹脂チップ20の位置を設定することによって、血管内治療の手技の仕上げ工程に適した柔軟な生体内留置具10が得られる。
図1に示すように、樹脂チップ20は、コイル11の内側面に接合されていることが好ましい。その場合、樹脂チップ20は、線材12の先端12aよりも近位側まで存在していることが好ましい。樹脂チップ20がコイル11に強固に固定されるため、樹脂チップ20がコイル11から逸脱することを抑制できる。
樹脂チップ20は、コイル11の遠位端よりも遠位側に延びていることが好ましい。コイル11の遠位端よりも遠位側に延びている部分を樹脂チップ20の先端部20aとする。樹脂チップ20の先端部20aは、軸方向において、線材12の外径の2倍以上の大きさを有していることが好ましく、より好ましくは3倍以上、さらに好ましくは4倍以上であり、また、7倍以下や6倍以下にすることも許容される。このように樹脂チップ20の先端部20aの長さを設定することにより、生体内留置具10の遠位端部の柔軟性を確保しつつ、血管内壁を傷付けないためにコイル11の遠位端を覆うことができる。
伸長抵抗部材21は、コイル11の内腔に配置されており、樹脂チップ20に接続されている。伸長抵抗部材21は、生体内留置具10の操作中にコイル11が軸方向に伸長することを抑制する線状の部材である。伸長抵抗部材21は、単線または撚線であってもよい。また、伸長抵抗部材21は単層であってもよく、複数の層を有する多層体であってもよい。例えば、伸長抵抗部材21は、複数の線材12からなる撚線から構成される内層と、内層の外側であって樹脂組成物からなる外層と、を有していてもよい。伸長抵抗部材21は、コイル11内に1本配置されてもよく、複数本配置されていてもよい。
伸長抵抗部材21は、樹脂または金属材料から好ましく構成されるが、例えば、白金、金、ロジウム、パラジウム、レニウム、金、銀、チタン、タンタル、タングステンおよびこれらの合金、ステンレス鋼等の金属材料、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂等の樹脂材料が挙げられる。伸長抵抗部材21が樹脂から構成されていれば、柔軟性を高めることができ、生体内留置具10のデリバリー性能も向上する。また、樹脂から構成されている伸長抵抗部材21は、デリバリー時の金属疲労による破断がなく、コイル11を瘤内に配置したときに伸長抵抗部材21の長さが不足してコイル11の端部が直線状に伸びて突っ張ることを緩和することもできる。伸長抵抗部材21は、コイル11と異なる材料から構成されていてもよい。例えば、コイル11が白金-タングステン合金により構成されており、伸長抵抗部材21がポリプロピレン樹脂から構成されていることが好ましい。
伸長抵抗部材21は、軸方向における断面形状は、円形、楕円形、多角形、またはこれらの組み合わせであってもよい。伸長抵抗部材21の外径は、コイル11の内腔より小さければよい。後述するように伸長抵抗部材21は折り返された状態でコイル11の内腔に配置されていることが好ましい。したがって、伸長抵抗部材21の外径は、コイル11の内径の2分の1よりも小さいことが好ましく、より好ましくは3分の1以下である。伸長抵抗部材21の破断を防止するためには、伸長抵抗部材21の外径は、コイル11の内径の15分の1以上であることが好ましく、より好ましくは10分の1以上である。伸長抵抗部材21の外径は、例えば、20μm以上、または25μm以上、あるいは40μm以下、または35μm以下とすることができる。
伸長抵抗部材21は、直線状、波形状、らせん形状に形成されていることが好ましく、中でも波形状に形成されていることがより好ましい。これにより、伸長抵抗部材21をコイル11の端までスムーズに留置することが可能であり、伸長抵抗部材21の長さをコイル11の内部で確保することができるので、治療において生体内留置具10を目的部位に留置する際に、伸長抵抗部材21の長さが不足してコイル11の端部が直線状に伸びて突っ張る現象を緩和することができる。伸長抵抗部材21が波形状に形成されている場合、波の振幅が、線材12の外径以上の大きさであることが好ましい。このように振幅を設定することにより、伸長抵抗部材21が直線状である場合に比べて、伸長抵抗部材21が線材12に引っ掛かりやすくなる。これにより、後述する伸長抵抗部材21が離間部14よりも遠位側のコイル11を介して樹脂チップ20に接続されている構成の生体内留置具10の製造時に伸長抵抗部材21とコイル11の接続部25との連結が容易になる。また、伸長抵抗部材21が実質的に長くなるため、伸長抵抗部材21の長さの不足をより一層緩和することができる。伸長抵抗部材21の波の振幅は、例えば、25μm以上、30μm以上、または40μm以上、あるいは100μm以下、80μm以下、または60μm以下であってもよい。
図1に示すように、コイル11は、遠位端部であってコイル11の遠近方向で隣り合う線材12が少なくとも1周以上で接触している接触部13と、接触部13よりも近位側であって隣り合う線材12が離間している離間部14(第1離間部14)を有する。樹脂チップ20の一部が離間部14に存在している。本発明の生体内留置具10は、樹脂チップ20の一部が離間部14に存在することによって、コイル11と樹脂チップ20が強固に固定される。このため、プッシャで生体内留置具10を押し出す際に、樹脂チップ20や伸長抵抗部材21がコイル11から逸脱することを抑制できる。また、離間部14に樹脂チップ20の一部が存在していることを視認できるため、離間部14と樹脂チップ20の固定状態を容易に把握することができる。
コイル11と樹脂チップ20の接合面積を確保するためには、接触部13において隣り合う線材12は1.5周以上で接触していることが好ましく、より好ましくは2周以上、さらに好ましくは3周以上、さらにより好ましくは4周以上で接触している。また、軸方向において接触部13を短く形成して生体内留置具10の遠位端部での柔軟性を確保するためには、接触部13において隣り合う線材12は、10周以下で接触していることが好ましく、より好ましくは8周以下、さらに好ましくは5周以下で接触している。接触部13は、コイル11の遠位端を含む部分に設けられていることが好ましいが、遠位端よりも近位側に設けられていてもよい。
離間部14は、1つまたは複数設けられていてもよいが、1つ設けられることが好ましい。これにより、樹脂チップ20が軸方向に過度に長くなることを抑制できるため、生体内留置具10の遠位端部における柔軟性を確保することができる。
軸方向における離間部14の長さは、線材12の外径の2分の1以上の大きさであることが好ましく、より好ましくは線材12の外径以上、さらに好ましくは線材12の外径の1.5倍以上である。これにより、樹脂チップ20とコイル11を確実に固定することができる。一方、軸方向における離間部14の長さは、線材12の外径の3倍以下の大きさであることが好ましく、より好ましくは線材12の外径の2.5倍以下である。これにより、樹脂チップ20が軸方向に過度に長くなることを抑制できるため、生体内留置具10の遠位端部の柔軟性を確保することができる。
軸方向において、離間部14の位置は特に限定されないが、離間部14が、コイル11の遠位端から2ピッチ目以上の位置に設けられていることが好ましく、より好ましくは3ピッチ目以上、さらに好ましくは4ピッチ目以上である。また、離間部14は、コイル11の遠位端から10ピッチ目以下の位置に設けられていることが好ましく、より好ましくは8ピッチ目以下、さらに好ましくは6ピッチ目以下である。このような位置に離間部14を設けることにより、コイル11と樹脂チップ20を強固に固定することができるとともに、生体内留置具10の遠位端部の柔軟性を確保することができる。
図1~図2に示すように、離間部14で、樹脂チップ20の一部が隣り合う線材12に挟まれていることが好ましい。このように樹脂チップ20の一部が線材12に挟まれることによって、樹脂チップ20がコイル11に強固に固定される。コイル11と樹脂チップ20を一層強固に固定する観点からは、離間部14では、径方向において、樹脂チップ20の一部が隣り合う線材12の半径以上の範囲で挟まれていることが好ましく、隣り合う線材12の直径の4分の3以上の範囲で挟まれていることがより好ましい。また、生体内留置具10の遠位端部の大径化を防ぐために、樹脂チップ20の一部は、隣り合う線材12の直径以下の範囲で挟まれていることが好ましく、樹脂チップ20は、コイル11の外径よりも内側に配置されていることがより好ましい。樹脂チップ20の一部が、コイル11の外径よりも内側に配置されている場合は、樹脂チップ20とコイル11の固定がより強固になる。また、樹脂チップ20の一部が、離間部14で隣り合う線材12よりも径方向の外側から離間部14にわたって配置される場合も、上記固定がより強固になる。
離間部14で、樹脂チップ20の一部がコイル11の内側に配置されていることが好ましい。このように樹脂チップ20を配置することにより、コイル11と樹脂チップ20を強固に固定することができる。離間部14の近位端よりも遠位側において、樹脂チップ20の一部がコイル11の内側に配置されていることが好ましい。また、離間部14の近位端よりも近位側でも、樹脂チップ20の一部がコイル11の内側に配置されていることが好ましい。このように樹脂チップ20を配置することにより、コイル11と樹脂チップ20を一層強固に固定することができる。
離間部14で、樹脂チップ20の一部がコイル11と異なる色を有していることが好ましい。樹脂チップ20の一部とコイル11の色が異なるとは、JIS Z8721で定める色相、明度、および彩度の少なくとも1つが異なっていることを指す。樹脂チップ20の一部がコイル11と異なる色を有していることにより、生体内留置具10を製造する際に、樹脂チップ20の一部とコイル11の固定状態を視認しやすくなる。コイル11は、好ましくは白金-タングステン等の金属材料から構成されるため、例えば、コイル11の色が銀白色である場合、樹脂チップ20の色をコイル11と異なる青色等にすることによって、明度を異ならせることができる。
樹脂チップ20が、光照射により変色する材料を含んでいることが好ましい。光照射によって変色する材料としては、例えば、CaF2(蛍石)や希土類を主原料とする変色蛍光材料を用いることができる。また、光照射により変色する材料として、エポキシアクリレート系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂などの樹脂材料に光重合開始剤、光増感剤を含有させた材料を用いることができる。このような材料も、光照射によって着色し、照射しない場合には着色しないため、光照射により変色する材料として好ましく用いることができる。
次に、コイル11と伸長抵抗部材21を接続する方法について説明する。図1では、伸長抵抗部材21とコイル11は、樹脂チップ20を介して接続されている。樹脂チップ20と伸長抵抗部材21を接続しやすくするために、樹脂チップ20には、伸長抵抗部材21の一部を掛ける係留部20bが設けられていることが好ましい。係留部20bの形状は、伸長抵抗部材21を接続することができれば特に限定されず、例えば、ループ状、フック状に形成することができる。これにより、生体内留置具10の製造工程を簡略化することができる。
図1に示すように、伸長抵抗部材21は遠近方向に折り返された折り返し部21aを有しており、折り返し部21aが樹脂チップ20の係留部20bと接続されていることが好ましい。具体的には、伸長抵抗部材21の折り返し部21aが、樹脂チップ20の係留部20bに掛けられていることが好ましい。これにより、伸長抵抗部材21と樹脂チップ20を容易に接続することができるため、生体内留置具10の製造工程を簡略化することができる。
伸長抵抗部材21は、コイル11の近位端部にも接続されていることが好ましい。伸長部材21とコイル11の近位端部は、例えば、溶着、溶接、かしめ等の圧着、接着剤による接着、係合、連結、結着、結紮等の物理的な固定等の方法、またはこれらの組み合わせにより接続固定することができる。伸長抵抗部材21は、コイル11の近位端部以外に、コイル11とプッシャの接続部分や離脱部2に固定することができる。図1では、伸長抵抗部材21の近位端部が、離脱部2の遠位端部に結着されている。
次に、図3~図4を用いて、コイル11と伸長抵抗部材21を接続する他の方法について説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る他の生体内留置具10の断面図(一部側面図)を表し、図4は、図3に示した生体内留置具10のコイル11の正面図を表す。図3に示すように、伸長抵抗部材21が、離間部14よりも遠位側のコイル11を介して、樹脂チップ20に接続されていることが好ましい。これにより、伸長抵抗部材21が樹脂チップ20だけでなくコイル11にも接続されるため、プッシャ部3によってコイル11の押出操作をしたときに伸長抵抗部材21がコイル11から逸脱することを抑制できる。伸長抵抗部材21の逸脱抑制効果を高めるためには、伸長抵抗部材21とコイル11の一部が樹脂チップ20に埋没していることがより好ましい。
図3に示すように、離間部14よりも遠位側で、コイル11と伸長抵抗部材21は直接接続されていることが好ましい。これにより、コイル11から伸長抵抗部材21が逸脱することが一層抑制される。離間部14よりも遠位側で、伸長抵抗部材21とコイル11を接続する方法としては、コイル11の近位端部と伸長抵抗部材21の接続と同様の方法を用いることができる。
図4に示すように、コイル11を遠位端から見たときに、コイル11の最大外径の2分の1の大きさを直径とし、最大外径の中点11aを中心とする円に囲まれた中央領域15内に、線材12の一部が存在しており、伸長抵抗部材21と、中央領域15内に存在している線材12の一部である接続部25が接続されていることが好ましい。すなわち、伸長抵抗部材21が接続部25を介して樹脂チップ20と接続されていることが好ましい。このように線材12の接続部25と伸長抵抗部材21が接続されているため、プッシャ部3によって生体内留置具10の押出操作をしたときに伸長抵抗部材21がコイル11から逸脱することを抑制できる。また、線材12の接続部25が中央領域15内に存在しているため、接続部25に接続されている伸長抵抗部材21も中央領域15内に配置されやすくなり、伸長抵抗部材21のコイル11の軸方向への伸長を抑制する機能が効果的に発揮される。なお、コイル11と接続部25は、同じ線材12により形成される。コイル11は線材12がコイル状に巻回された部分であり、接続部25は、線材12の一部分である。接続部25は、コイル11を遠近方向に延在させた場合に、遠近方向の中点より遠位側に配置される。
接続部25は、コイル11の遠位側に設けられていることが好ましい。具体的には、接続部25の近位端が、コイル11の遠位端から近位側に向かってコイル11の全長の10分の1の長さの位置よりも遠位側に設けられていることが好ましく、より好ましくは15分の1の長さの位置よりも遠位側、さらに好ましくは20分の1の長さの位置よりも遠位側である。このように接続部25の位置を設定することによって、コイル11内で伸長抵抗部材21が存在している範囲を長くすることができ、また、生体内留置具10の柔軟性も確保することができる。
コイル11の接続部25は、離間部14の遠位端よりも遠位側に設けられていてもよく、近位側に設けられていてもよい。コイル11の接続部25を樹脂チップ20に埋没させるためには、コイル11の接続部25は、離間部14の遠位端よりも遠位側に設けられることが好ましい。
図3に示すように、伸長抵抗部材21が遠近方向に折り返された折り返し部21aを有している場合、折り返し部21aが線材12の接続部25と接続されていることが好ましい。伸長抵抗部材21の折り返し部21aが、線材12の接続部25に掛けられていることがより好ましい。これにより、伸長抵抗部材21と接続部25を容易に接続することができるため、生体内留置具10の製造工程を簡略化することができる。
線材12の接続部25の形状は特に限定されない。コイル11を遠位端から見たときに、線材12の接続部25がコイル11の周方向と異なる方向に延在していることが好ましい。例えば、図4に示すように、線材12は、コイル11と接続部25との間にコイル11よりも曲率半径が小さい部分である大曲率部26(26A)を有していることが好ましい。大曲率部26Aでは、曲線の曲げ具合を示す曲率が大きくなっているため、曲率半径が小さい。このように大曲率部26Aが設けられることにより、線材12は、大曲率部26Aよりも遠位部分が中央領域15に延在しやすくなる。このため、大曲率部26Aよりも遠位部分に伸長抵抗部材21を引っ掛けることにより、大曲率部26Aよりも遠位部分に接続部25を配置することができる。このような線材12の伸長抵抗部材21を引っ掛ける部分が接続部25である。
コイル11を遠位端から見たときに、線材12は、大曲率部26を一または複数有していることが好ましい。図4では、線材12には2つの大曲率部26A、26Bが設けられている。2つの大曲率部26A、26Bの間の部分が、中央領域15に延在していることが好ましい。これにより、2つの大曲率部26A、26Bの間に接続部25を配置することができるため、中央領域15に伸長抵抗部材21を接続しやすくなる。このような線材12の2つの大曲率部26A、26Bの間の部分が接続部25である。
図4では、コイル11を遠位端から見たときに、線材12に大曲率部26が2箇所設けられている例を示したが、大曲率部26が3つ以上設けられて線材12が渦巻き状に形成されていてもよい。渦巻き部分が接続部25となるため、中央領域15に伸長抵抗部材21を接続しやすくなる。
コイル11の加工容易性の観点からは、図3に示すように、線材12の先端12aがコイル11の遠位端に配置されていてもよい。コイル11を遠位端から見たときに、線材12の先端12aが視認されることとなる。
線材12の先端12aは、コイル11の遠位端よりも近位側に配置されていてもよい。線材12の先端12aは、コイル11(より好ましくは、コイル11のうち線材12が巻回されている部分)に接触していてもよい。図示していないが、線材12の先端12aが、巻回されているコイル11の隣り合う線材12が離間している離間部14に配置されていてもよい。その場合、離間部14の両側に配されている線材12、12と、線材12の先端12aが互いに接触していることが好ましい。このように線材12の先端12aを配置することによって、伸長抵抗部材21が線材12の接続部25から脱落しにくくなる。
図4に示すように、コイル11を遠位端から見たときに、接続部25において線材12が中央領域15の中心を通っていることが好ましい。このように線材12を形成することによって、線材12の接続部25に接続される伸長抵抗部材21が中央領域15の中心近傍に配置されやすくなる。
図5に示すようにコイル11を遠位端から見たときに、接続部25において線材12が中央領域15の中心よりも外側に存在していてもよい。この場合も伸長抵抗部材21は中央領域15に配置されやすくなる。
図4に示すように、線材12の先端12aが中央領域15外に存在していることが好ましい。線材12の先端12aよりも近位側が中央領域15内に配置されるため、線材12の接続部25に接続される伸長抵抗部材21が線材12から脱落しにくくなる。
図4に示すように、コイル11を遠位端から見たときに、線材12は閉曲線状に形成されている部分を有しており、閉曲線で囲まれる領域の面積が、コイル11の外周で囲まれる面積の75%以下の大きさであることが好ましく、より好ましくは70%以下、さらに好ましくは60%以下であり、30%以上、または40%以上とすることも許容される。これにより、線材12のうち、閉曲線状に形成されている部分(閉曲線部27)に伸長抵抗部材21を接続することによって、伸長抵抗部材21が接続部25から脱落しにくくなる。閉曲線とは、曲線の一方端部また配置部と、他の一部が、重なった曲線である。閉曲線で囲まれる領域の最大径部分は、伸長抵抗部材21の波の振幅の大きさと略一致することが好ましい。略一致する場合、閉曲線で囲まれる領域の最大径部分は、伸長抵抗部材21の波の振幅の大きさより25%大きいかまたは小さいことが好ましい。最大径部分の大きさは、コイル11の内径によって異なるが、例えば、25μm以上、30μm以上、または40μm以上、あるいは100μm以下、80μm以下、または60μm以下であってもよい。
図4に示すように、閉曲線部27の一部が中央領域15内に配置されていることが好ましい。これにより、伸長抵抗部材21も中央領域15内に配置されやすくなり、伸長抵抗部材21のコイル11の軸方向への伸長を抑制する機能が効果的に発揮される。線材12の先端12aは中央領域15外に存在していてもよい。
コイル11の変形例について図6~図7を用いて説明する。図6は本発明の実施の形態に係るコイル11を示す断面図(一部側面図)であり、図7は図6に示したコイル11の正面図である。接続部25で、コイル11の遠近方向に沿って線材12が折り返されて、フック16が形成されていることが好ましい。具体的には、線材12の先端12aが遠位側を向いており、線材12の折り返し部12bが近位側を向いていることが好ましい。このようにフック16を形成することによっても伸長抵抗部材21を接続部25に接続しやすくなる。その結果、伸長抵抗部材21も中央領域15内に配置されやすくなり、伸長抵抗部材21のコイル11の軸方向への伸長を抑制する機能が効果的に発揮される。図示していないが、接続部25でコイル11の径方向に沿って線材12が折り返されてフックが形成されていてもよい。
線材12の先端12aは、図4~図5に示すように中央領域15外に存在していてもよく、図7に示すように中央領域15内に存在していてもよい。線材12に大曲率部26や閉曲線部27が設けられる態様や、線材12の先端12aがコイル11の巻回している部分に接触している態様では、線材12の先端12aは中央領域15外に存在する。一方、線材12にフック16が形成されている態様では、線材12の先端12aは中央領域15内に存在する。いずれの態様においても、伸長抵抗部材21を中央領域15内に配置しやすくなり、コイル11が軸方向に伸長することを抑制できる。
図示していないが、樹脂チップ20とコイル11をより強固に固定する観点からは、さらに、コイル11は接触部13よりも遠位側に隣り合う線材12が離間している離間部(第2離間部)を有していてもよい。その場合、第2離間部にも樹脂チップ20の一部が存在していることが好ましい。第2離間部は、コイル11の遠位端から1ピッチ目以上4ピッチ目以下の位置に設けられていることが好ましい。
2.生体内留置具送達システム
図8を参照して、生体内留置具送達システム1の構成例を説明する。図8は、本発明の実施の形態に係る生体内留置具送達システム1の側面図を表している。図8に示すように、本発明の生体内留置具送達システム1は、線材12が巻回されて形成されており、遠近方向に延在しているコイル11と、コイル11の遠位端部に接続されている樹脂チップ20と、コイル11の内腔に配置されており、樹脂チップ20に接続されている伸長抵抗部材21(図8では図示されていない)とを含む生体内留置具10と、コイル11を内腔に収容可能なシース32と、を有している。以下では、「生体内留置具送達システム」を「送達システム」と称することがある。生体内留置具10に含まれるコイル11、樹脂チップ20および伸長抵抗部材21としては「1.生体内留置具」で説明したものを用いることができる。
シース32は、生体内留置具送達システム1の輸送、保管のために用いられる生体内留置具10や離脱部2、プッシャ部3の包装部材である。生体内留置具10や離脱部2、プッシャ部3は、シース32からカテーテル内に移され体内に送達される。シース32は樹脂から構成されることが好ましい。シース32を構成する樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、天然ゴム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂が好適に用いられる。図示していないが、生体内留置具送達システム1の取り扱い性を良好にする観点から、シース32の少なくとも一部が渦巻き形状を有している他の筒状部材内に配置されていてもよい。
図8に示すように、送達システム1は、生体内留置具10と、生体内留置具10の近位端部に接続されている離脱部2と、離脱部2を介して生体内留置具10のコイル11に接続されているプッシャ部3と、を含むことが好ましい。
離脱部2は、生体内留置具10とプッシャ部3を離脱可能な構成であれば特に制限されないが、例えば、線状や棒状の部材とすることができる。離脱部2は、樹脂または金属材料により構成することができる。離脱部2を構成する樹脂としては、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA架橋重合体、PVA吸水ゲル凍結解凍エラストマー、エチレンビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール系の重合体などの親水性樹脂が挙げられる。
プッシャ部3は、生体内留置具10を保持し、遠位側に押し出すために用いられる棒状または線状の部材であり、例えばワイヤー部材、コイル部材またはこれらの組み合わせが挙げられる。プッシャ部3は、例えば、ステンレス鋼等の導電性材料から構成することができる。体内での生体内留置具10の位置を把握するために、プッシャ部3にはX線造影マーカーが設けられていてもよい。プッシャ部3の遠位端部と近位端部の少なくともいずれか一方にX線造影マーカーが設けられることが好ましい。造影マーカーはリング形状またはコイル形状であってもよい。プッシャ部3の外表面にはカテーテル等の他の部材との摺動性を高めるために保護層が設けられていてもよい。保護層はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂から構成されていることが好ましい。
生体内留置具10とプッシャ部3の離脱方法は、離脱部2を化学溶解または電気溶解、熱溶解する方法、生体内留置具10を水圧により押し出す方法、機械的な係合を解除する方法、離脱部2を電気分解する方法等が挙げられるが、高周波電流を付加することにより、離脱部2としての樹脂線材を溶融する方法が好ましく用いられる。その場合、生体内留置具10とプッシャ部3を接続している離脱部2を溶断するために、プッシャ部3には高周波電源装置が接続されていることが好ましい。高周波電源装置によってプッシャ部3の遠位端部にジュール熱を発生させることで、生体内留置具10とプッシャ部3を接続している離脱部2を溶断することができる。
図9~図10に示すように、上記送達システム1は、コイル11がシース32内に配置されているときに、樹脂チップ20がシース32の内壁に接触している。本発明の生体内留置具10は、従来の生体内留置具と比較して遠位端部の柔軟性を高めることができるため、コイル11がシース32内に配置されているときに樹脂チップ20がシース32の内壁に接触する。樹脂チップ20の一部がシース32の内壁と接触していればよく、樹脂チップ20の先端または先端以外の部分が接触していてもよい。
また、本発明には、線材12が巻回されて形成されており、遠近方向に延在しているコイル11と、コイル11の遠位端部に接続されている樹脂チップ20と、コイル11の内腔に配置されており、樹脂チップ20に接続されている伸長抵抗部材21とを含む生体内留置具10と、コイル11を内腔に収容しているシース32と、を有しており、樹脂チップ20がシース32の内壁に接触している送達システム1も含まれる。
上記送達システム1において、コイル11を押し出して、樹脂チップ20をシース32から出すときに、樹脂チップ20がシース32の遠位端部に接触していることが好ましい。本発明の生体内留置具10は、従来の生体内留置具と比較して遠位端部の柔軟性を高めることができるため、樹脂チップ20をシース32から出すときにも樹脂チップ20がシース32の遠位端部にも接触する。このとき、樹脂チップ20は、図10に示すようにシース32の内側面32aと遠位端面32bが交差している辺32cに接触してもよい。図示していないが、樹脂チップ20は、シース32の遠位端面32bに接触してもよい。
3.生体内留置具の製造方法
図11~図16を用いて生体内留置具の製造方法について説明する。図11~図12は本発明の実施の形態に係る生体内留置具の製造方法を説明する側面図を表し、図13~図16は断面図(一部側面図)を表す。本発明の生体内留置具10の製造方法は、線材12が巻回されて形成されているコイル11と、折り返し部31aを有しており、折り返し部31aに伸長抵抗部材21が接続されている線状部材31と、を準備する工程と、隣り合う線材12の間隔を広げてコイル11に離間部14を形成する工程と、コイル11の内腔に、線状部材31の折り返し部31aを挿入する工程と、コイル11の内腔に筒状部材30を挿入する工程と、筒状部材30を加熱する工程と、線状部材31を加熱する工程と、を有することを特徴とする。各工程の詳細について説明する。
上記製造方法は、線材12が巻回されて形成されているコイル11と、折り返し部31aを有しており、折り返し部31aに伸長抵抗部材21が接続されている線状部材31と、を準備する工程を有する。コイル11としては「1.生体内留置具」で説明したとおり、金属線材をらせん状に巻回して形成されている一次コイルを更にらせん状や3次元形状に成形した二次コイルを用いることができる。二次コイルは、例えば、一次コイルをマンドレルに巻き付けて熱処理し、その後、例えば、外形が異なるマンドレルに熱処理された一次コイルを巻きつけたり、鋳型に熱処理されたコイル11を挿入するなどして更に熱処理することによって成形することができる。
図11には、折り返し部31aに伸長抵抗部材21が接続されている線状部材31を示している。線状部材31は、後段の工程で樹脂チップ20の係留部20bになり得る部材である。線状部材31の近位端部に折り返し部31aが形成されていることが好ましい。線状部材31は、折り返し部31aを挟んだ一方側と他方側がそれぞれ自由に動くことができるため、樹脂チップ20の応力を分散することができる。また、線状部材31の折り返し部31aに伸長抵抗部材21を掛けることにより、線状部材31と伸長抵抗部材21を容易に接続することもできる。折り返し部31aは、線状部材31を屈曲することによって形成できる。図11では、折り返し部31aが1つ設けられている例を示しているが、折り返し部31aは複数設けられていてもよい。
図11では線状部材31の軸方向の中央の位置に折り返し部31aが形成されているため、折り返し部31aを挟んだ一方側と他方側が略同じ長さになっているが、一方側と他方側の長さは同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば、線状部材31の一方端31c(第1端)よりも他方端31d(第2端)が近位側に配置されるように線状部材31を屈曲させて折り返し部31aを形成し、他方端31dを線状部材31の途中に固定することで、線状部材31の近位側にループを形成してもよい。その場合、線状部材31のループに伸長抵抗部材21が接続されていることが好ましい。
線状部材31の材料としては、「2.生体内留置具送達システム」で記載したシース32と同様の材料を用いることができる。線状部材31の長さは特に限定されないが、例えば、3mm以上、または4mm以上、或いは10mm以下、または8mm以下であってもよい。線状部材31の外径は、伸長抵抗部材21の外径よりも大きくてもよく、小さくてもよい。線状部材31の外径は、例えば、20μm以上、40μm以上、または50μm以上、あるいは100μm以下、または80μm以下であってもよい。
コイル11の軸方向における線状部材31の長さL1は特に限定されないが、例えば、5mm以上、6mm以上、または8mm以上、あるいは15mm以下、12mm以下、または10mm以下であってもよい。これにより、後段の工程で筒状部材30を加熱しても、線状部材31のうち伸長抵抗部材21と接続する部分が変形しにくくなる。
図12に示すように、上記製造方法は、隣り合う線材12の間隔を広げてコイル11に離間部14を形成する工程を有する。コイル11に離間部14を形成する方法としては、例えば、ピンセットで線材12を摘まんで保持し、隣り合う線材12の間隔を広げる方法や、カミソリ等の扁平形状を有する部材を隣り合う線材12の間に押し入れて間隔を広げる方法が挙げられる。離間部14が設けられる位置やコイル11の軸方向における離間部14の好ましい長さは「1.生体内留置具」を参照することができる。
図示していないが、樹脂チップ20とコイル11をより強固に固定する観点からは、上記製造方法は、さらに、コイル11の接触部13よりも遠位側に隣り合う線材12が離間している離間部(第2離間部)を形成する工程を有していてもよい。
図13に示すように、上記製造方法は、コイル11の内腔に、線状部材31の折り返し部31aを挿入する工程を有する。具体的には線状部材31の軸方向における一方端31c(第1端)と他方端31d(第2端)が、それぞれコイル11の遠位端から延在するようにコイル11の内腔に線状部材31の折り返し部31aを挿入することが好ましい。このとき、線状部材31の近位端は、離間部14よりも近位側に配置されていることが好ましい。このように線状部材31をコイル11内に配置することによって、伸長抵抗部材21と接続される樹脂チップ20の係留部20bは加熱されにくいため、係留部20bの強度を確保することができる。
図13に示すように、線状部材31の遠位端部がコイル11の径方向の外側に向かって延在するように、線状部材31には一または複数の屈曲部31bが設けられていることが好ましい。線状部材31に屈曲部31bが複数設けられる場合、複数の屈曲部31bはコイル11の中心軸を対称軸として線対称に配置されていることが好ましい。このように線状部材31に屈曲部31bを設けることによって、コイル11に対する位置決めが容易になる。
図14に示すように、上記製造方法は、コイル11の内腔に筒状部材30を挿入する工程を有する。具体的には、コイル11の遠位側からコイル11の内腔に筒状部材30を挿入することが好ましい。筒状部材30は、後段の工程で少なくとも樹脂チップ20のうち、コイル11の内側面に接合する部分になり得る部材である。筒状部材30の材料としては線状部材31の材料として挙げたものを採用することができる。筒状部材30と線状部材31の材料は同じであってもよく、異なっていてもよい。
筒状部材30の最大外径は、コイル11の最大内径以下であることが好ましい。このように筒状部材30とコイル11の大きさを設計することにより、加熱された筒状部材30がコイル11の内側面に接合しやすくなるため、コイル11と樹脂チップ20が強固に固定される。
コイル11の軸方向における筒状部材30の加熱前の長さは、コイル11を構成する線材12の外径の3倍以上であることが好ましく、より好ましくは4倍以上、または10倍以下や8倍以下であっても許容される。筒状部材30は加熱後に硬化するため、生体内留置具10の柔軟性を確保するためには筒状部材30の長さは上記のように設定されることが好ましい。
図14に示すように、筒状部材30の近位端が、離間部14の近位端よりも近位側に配置されていることが好ましい。これにより、離間部14に樹脂が流れ込みやすくなるため、樹脂チップ20とコイル11を強固に固定することができる。
図14に示すように、筒状部材30の近位端が、線状部材31の近位端よりも遠位側に配置されていることが好ましい。筒状部材30は、後述する工程で加熱されて溶融し、コイル11の内側面に接合する結果、生体内留置具10の遠位端部の剛性が局所的に高まるが、このように筒状部材30と線状部材31を配置することにより、生体内留置具10の遠位端部の柔軟性を確保することができる。
図示していないが、筒状部材30の近位端が、線状部材31の近位端よりも近位側に配置されていてもよい。これにより、後述する工程で筒状部材30を加熱しても、線状部材31に接続されている伸長抵抗部材21の加熱による変形を抑制できる。
本実施の形態では、コイル11の内腔に線状部材31の折り返し部31aを挿入する工程の後、コイル11の内腔に筒状部材30を挿入する工程を行う例を示したが、コイル11の内腔に筒状部材30を挿入する工程の後、コイル11の内腔に線状部材31の折り返し部31aを挿入する工程を行ってもよい。また、線状部材31の折り返し部31aを筒状部材30の内腔に挿入した後で、線状部材31と筒状部材30を一緒にコイル11の内腔に挿入してもよい。
図15に示すように、上記製造方法は、筒状部材30を加熱する工程を有する。具体的には、コイル11の径方向の外側から筒状部材30を加熱することが好ましい。すなわち、コイル11に対して垂直方向から筒状部材30を加熱することが好ましい。これにより、筒状部材30が溶融して、コイル11の離間部14に入り込むとともにコイル11の接触部13の内側面に接合する。そのため、樹脂チップ20とコイル11が強固に固定される。線状部材31を加熱する方法としては、ヒーターや半田ごて等の熱発生装置をコイル11に近接させる方法が挙げられる。
図示していないが、離間部14とは別に隣り合う線材12の間隔を広げた状態で、筒状部材30を加熱してもよい。例えば、離間部14よりも近位側で隣り合う線材12の間隔を広げた状態で、筒状部材30を加熱することが好ましい。筒状部材30の近位端よりも近位側で隣り合う線材12の間隔を広げた状態で、筒状部材30を加熱することが好ましい。また、線状部材31の近位端よりも遠位側で隣り合う線材12の間隔を広げた状態で、筒状部材30を加熱することが好ましい。あるいは、コイル11の遠位端と線状部材31の近位端の間の中点よりも近位側で隣り合う線材12の間隔を広げた状態で、筒状部材30を加熱してもよい。筒状部材30を加熱するとコイル11の内腔には熱が籠もりやすくなるが、離間部14よりも近位側で隣り合う線材12の間隔を広げることによって放熱されるため、筒状部材30を溶融できる程度に局所的に加熱しつつ、線状部材31や伸長抵抗部材21が過度に加熱されることを抑制できる。隣り合う線材12の間隔を広げる方法としては、例えば、ピンセットで線材12を摘まんで保持する方法が挙げられる。
図16に示すように、上記製造方法は、線状部材31を加熱する工程を有する。具体的には、コイル11の遠位側から線状部材31を加熱することが好ましい。すなわち、コイル11に対して水平方向から線状部材31を加熱することが好ましい。線状部材31が溶融することにより、樹脂チップ20の先端部20aが形成される。線状部材31を加熱する方法としては、筒状部材30の加熱と同様の方法を採用することができる。
本実施の形態では、線状部材31を加熱する工程の後、筒状部材30を加熱する工程を行う例を示したが、筒状部材30を加熱する工程の後、線状部材31を加熱する工程を行ってもよい。
図示していないが、筒状部材30と線状部材31を同じ加熱工程で加熱してもよい。これにより、生体内留置具10の製造工程を簡略化することができる。
以上説明した本発明の生体内留置具の製造方法によれば、コイル11の離間部14に加熱された筒状部材30の一部が溶融して入り込むことにより、コイル11と樹脂チップ20が強固に固定された生体内留置具10を製造することができる。また、コイル11に離間部14を設けることにより、毛細管現象によって離間部14よりも近位側に樹脂が流れ込むことを抑制できるため、生体内留置具10の遠位端部の柔軟性を確保することができる。
本願は、2017年7月31日に出願された日本国特許出願第2017-147760号に基づく優先権の利益を主張するものである。2017年7月31日に出願された日本国特許出願第2017-147760号の明細書の全内容が、本願に参考のため援用される。
1:生体内留置具送達システム
2:離脱部
3:プッシャ部
10:生体内留置具
11:コイル
11a:コイルの最大外径の中点
12:線材
12a:線材の先端
12b:線材の折り返し部
13:接触部
14:離間部
15:中央領域
16:フック
20:樹脂チップ
20a:樹脂チップの先端部
20b:樹脂チップの係留部
21:伸長抵抗部材
21a:伸長抵抗部材の折り返し部
25:接続部
26、26A、26B:大曲率部
27:閉曲線部
30:筒状部材
31:線状部材
31a:線状部材の折り返し部
31b:線状部材の屈曲部
31c:線状部材の一方端(第1端)
31d:線状部材の他方端(第2端)
32:シース
32a:シースの内側面
32b:シースの遠位端面
32c:シースの内側面と遠位端面が交差している辺

Claims (11)

  1. 線材が巻回されて形成されており、遠近方向に延在しているコイルと、
    前記コイルの遠位端部に接続されている樹脂チップと、
    前記コイルの内腔に配置されており、前記樹脂チップに接続されている伸長抵抗部材と、を有する生体内留置具であって、
    前記コイルは遠位端部であって隣り合う線材が少なくとも1周以上で接触している接触部と、前記接触部よりも近位側であって隣り合う線材が離間している離間部とを有し、
    前記樹脂チップの一部が前記離間部に存在していることを特徴とする生体内留置具。
  2. 前記離間部で、前記樹脂チップの一部が隣り合う線材に挟まれている請求項1に記載の生体内留置具。
  3. 前記離間部で、前記樹脂チップの一部が前記コイルの内側に配置されている請求項1または2に記載の生体内留置具。
  4. 前記離間部が、前記コイルの遠位端から2ピッチ目以上10ピッチ目以下の位置に設けられている請求項1~3のいずれか一項に記載の生体内留置具。
  5. 前記離間部で、前記樹脂チップの一部が前記コイルと異なる色を有している請求項1~4のいずれか一項に記載の生体内留置具。
  6. 前記樹脂チップが、光照射により変色する材料を含んでいる請求項1~5のいずれか一項に記載の生体内留置具。
  7. 前記伸長抵抗部材が、前記離間部よりも遠位側の前記コイルを介して、前記樹脂チップに接続されている請求項1~6のいずれか一項に記載の生体内留置具。
  8. 前記コイルを遠位端から見たときに、前記コイルの最大外径の2分の1の大きさを直径とし、前記最大外径の中点を中心とする円に囲まれた中央領域内に、前記線材の一部が存在しており、前記伸長抵抗部材は、前記線材の前記一部である接続部を介して、前記樹脂チップに接続されている請求項1~7のいずれか一項に記載の生体内留置具。
  9. 線材が巻回されて形成されているコイルと、折り返し部を有しており、前記折り返し部に伸長抵抗部材が接続されている線状部材と、を準備する工程と、
    隣り合う線材の間隔を広げて前記コイルに離間部を形成する工程と、
    前記コイルの内腔に、前記線状部材の前記折り返し部を挿入する工程と、
    前記コイルの内腔に筒状部材を挿入する工程と、
    前記筒状部材を加熱する工程と、
    前記線状部材を加熱する工程と、を有することを特徴とする生体内留置具の製造方法。
  10. 前記離間部よりも近位側で隣り合う線材の間隔を広げた状態で、前記筒状部材を加熱する請求項に記載の生体内留置具の製造方法。
  11. 前記筒状部材と前記線状部材を同じ加熱工程で加熱する請求項または10に記載の生体内留置具の製造方法。
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