JP7063149B2 - リザーブタンク - Google Patents

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Description

本開示は、液体中の気体を分離して液体を貯留するリザーブタンクに関する。
従来、下記の特許文献1に記載のリザーブタンクがある。特許文献1に記載のリザーブタンクは、その内部に円筒形状の気液分離室を備えている。気液分離室の底部には、冷却水の流入方向を気液分離室の接線方向とする流入口が設けられている。気液分離室の内部には、上部に至るほど径が小さくなる円筒形状のセパレータが配置されている。このリザーブタンクでは、流入口からセパレータ内に流入した冷却水がセパレータの内壁面に沿って旋回しつつ上昇することにより、冷却水中の気体が分離される。
特開2015-28336号公報
ところで、特許文献1に記載のリザーブタンクでは、セパレータの内部で旋回流を発生させるためには、流入口からセパレータの内壁面に向かう冷却水の流速を所定の速度以上にする必要がある。冷却水の流速を所定の速度以上にするためには、流入口に流入する冷却水の圧力を所定の圧力以上にする必要があるため、リザーブタンクに冷却水を圧送するポンプの負荷が増加する懸念がある。
本開示は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体を圧送するポンプの負荷を軽減することの可能なリザーブタンクを提供することにある。
上記課題を解決するリザーブタンク(10)は、タンク本体(20)と、円筒部(310)と、複数の流路(FP1,FP2,FP3,FP4)と、合流部(313)と、円柱状又は円管状の棒状部材(33)と、を備える。タンク本体は、液体中の気体を分離して液体を貯留する気液分離室(R1)を内部に有する。円筒部は、タンク本体の内部に配置され、所定の軸線を中心に円筒状に形成される。複数の流路は、液体が流れ、独立して形成されている。合流部は、円筒部の一端部に設けられ、複数の流路をそれぞれ流れる液体を合流させて円筒部の一端部に流入させる。棒状部材は、円筒部の内部に円筒部と同軸上に配置される。複数の流路は、軸線を中心とする径方向において合流部の外側から合流部に向かって液体が流れるように合流部を中心に点対称に形成される。合流部から円筒部の内部に流入した液体が円筒部の他端部から気液分離室に流入する。棒状部材の先端部は、円筒部の先端部よりも気液分離室の内部に延びている。棒状部材の外周面には、凸部(330)及び凹部(331)の少なくとも一方が形成されている。凸部及び凹部の少なくとも一方は、棒状部材の外周面において円筒部の先端部に対応する位置に形成されている。
また、上記課題を解決する他のリザーブタンク(10)は、タンク本体(20)と、円筒部(310)と、複数の流路(FP1,FP2,FP3,FP4)と、合流部(313)と、円盤状の浮遊プレート(60)と、を備える。タンク本体は、液体中の気体を分離して液体を貯留する気液分離室(R1)を内部に有する。円筒部は、タンク本体の内部に配置され、所定の軸線を中心に円筒状に形成される。複数の流路は、液体が流れ、独立して形成されている。合流部は、円筒部の一端部に設けられ、複数の流路をそれぞれ流れる液体を合流させて円筒部の一端部に流入させる。浮遊プレートは、気液分離室に貯留された液体の液面に浮かぶように配置される。複数の流路は、軸線を中心とする径方向において合流部の外側から合流部に向かって液体が流れるように合流部を中心に点対称に形成される。合流部から円筒部の内部に流入した液体が円筒部の他端部から気液分離室に流入する。浮遊プレートの中央部には、貫通孔(61)が形成されている。
この構成によれば、複数の流路をそれぞれ流れる液体が合流部において合流して円筒部の内部に流入する。その際、複数の流路から合流部にそれぞれ流入する液体の流れにより合流部の液体に旋回流を発生させることができるため、一つの流入口から流入する液体の流れにより旋回流を発生させる従来のリザーブタンクと比較すると、流体に旋回流を発生させ易くなる。よって、液体に旋回流を発生させるために必要な液体の流速を遅くすることが可能であるため、結果的にリザーブタンクに液体を圧送するポンプの負荷を軽減することができる。
なお、上記手段、特許請求の範囲に記載の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本開示によれば、液体を圧送するポンプの負荷を軽減することの可能なリザーブタンクを提供できる。
図1は、第1実施形態のエンジン冷却装置の概略構成を示すブロック図である。 図2は、第1実施形態のリザーブタンクの断面構造を示す断面図である。 図3は、図2のIII-III線に沿った流路形成プレートの断面構造を示す断面図である。 図4は、図2のIV-IV線に沿った流路形成プレートの断面構造を示す断面図である。 図5は、第1実施形態の変形例の円筒部の先端部の断面構造を示す断面図である。 図6は、第2実施形態のリザーブタンクの断面構造を示す断面図である。 図7は、図6のVII-VII線に沿った断面構造を示す断面図である。 図8は、第3実施形態のリザーブタンクの断面構造を示す断面図である。 図9は、図8のIX-IX線に沿った断面構造を示す断面図である。 図10は、第4実施形態のリザーブタンクの円筒部の先端部周辺の断面構造を示す断面図である。 図11は、第4実施形態の変形例の棒状部材の正面構造を示す正面図である。 図12は、第5実施形態の流路形成プレートの断面構造を示す断面図である。 図13は、第6実施形態の流路形成プレートの断面構造を示す断面図である。 図14は、第7実施形態のリザーブタンクの断面構造を示す断面図である。 図15は、第8実施形態のリザーブタンクの断面構造を示す断面図である。 図16は、第9実施形態のリザーブタンクの断面構造を示す断面図である。
以下、リザーブタンクの実施形態について図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
<第1実施形態>
はじめに、図1を参照して、本実施形態のリザーブタンク10が適用されるエンジン冷却装置1の概要について説明する。図1に示されるエンジン冷却装置1は、車両のエンジン2を適正な温度に冷却するための装置である。エンジン冷却装置1は、エンジン2、ポンプ3、及びラジエータ4が環状に接続された構造からなる。このエンジン冷却装置1では、ポンプ3により圧送される冷却水がエンジン2及びラジエータ4を循環している。ラジエータ4において冷却された冷却水がエンジン2に供給されることにより、エンジン2が冷却される。このような冷却水の循環路のうち、エンジン2のシリンダヘッドとラジエータ4のアッパタンクとを接続する経路に対してリザーブタンク10が並列に配置されている。リザーブタンク10には、エンジン2のシリンダヘッドから冷却水の一部が流入して貯留される。リザーブタンク10は、冷却水中の気泡などの気体を分離して冷却水を貯留する。リザーブタンク10に貯留される冷却水はポンプ3の作動によりラジエータ4のアッパタンクに供給される。本実施形態のリザーブタンク10により分離される液体及び気体はそれぞれ、冷却水、及び冷却水に含まれる気体である。
次に、リザーブタンク10の具体的な構造について説明する。図2に示されるように、リザーブタンク10は、タンク本体20と、タンク本体20の内部に収容される流路形成プレート30とを備えている。なお、図2において矢印Z1で示される方向は鉛直方向上方を示し、矢印Z2で示される方向は鉛直方向下方を示す。
タンク本体20は、軸線m1を中心に円筒状に形成されている。タンク本体20は、軸線m1に沿った方向において上側タンク部21と下側タンク部22とに分割されて構成されている。タンク本体20は、上側タンク部21と下側タンク部22とが接合されることにより構成されている。タンク本体20は、樹脂材料等により形成されている。なお、タンク本体20の材料として、透過性を有するポリプロピレン等の樹脂材料を用いれば、その内部の冷却水の水位を目視で確認することが可能である。
下側タンク部22の内部には、流路形成プレート30が収容されている。下側タンク部22の内周面には、流路形成プレート30の外周部分が嵌め込まれる溝222が形成されている。この溝222に嵌め込まれた流路形成プレート30の外周部分の上面が上側タンク部21により押さえ込まれることにより、流路形成プレート30がタンク本体20に固定されている。なお、溝222に代えて、流路形成プレート30の底面を支える複数のリブを下側タンク部22の内周面に形成した上で、これらの複数のリブと上側タンク部21とにより流路形成プレート30の外周部分を挟み込むことにより、流路形成プレート30をタンク本体20に対して固定してもよい。下側タンク部22の底壁部221には、タンク本体20の内部に冷却水を流入させるための流入パイプ40が取り付けられている。
上側タンク部21の内部には、冷却水に含まれる気泡を分離して冷却水を貯留する気液分離室R1が形成されている。図中の符号R10は、気液分離室R1において主に気体が存在する気体層を示し、図中の符号R11は、気液分離室R1において主に冷却水が存在する液体層を示している。気液分離室R1は、上側タンク部21の内壁面と流路形成プレート30の上面とにより区画される空間として形成されている。
上側タンク部21の側壁部210には、気液分離室R1内に貯留される冷却水を外部に流出させるための流出パイプ41が取り付けられている。流出パイプ41は、その内部流路が気液分離室R1内に貯留される冷却水の液面LSよりも下方に位置し、且つその内部流路が円筒部310の先端部よりも下方に位置するように配置されている。
上側タンク部21の上壁部211には、タンク本体20の内部に冷却水を注入するための円筒状の注水口212が形成されている。注水口212には、加圧キャップ50が装着される。この加圧キャップ50により、タンク本体20の内部を含め、エンジン冷却装置1の各部に付与される圧力が所定の圧力に調整することが可能となっている。
流路形成プレート30は、上側プレート31と、下側プレート32とにより構成されている。
上側プレート31は、軸線m1を中心に円柱状に形成されている。上側プレート31の上面の中央部には、軸線m1を中心軸として円筒状に形成される円筒部310が気液分離室R1の内部に延びるように形成されている。すなわち、円筒部310は、タンク本体20の内部に配置されている。上側プレート31は、上側タンク部21の内壁面と共に気液分離室R1を区画して形成している。
図3に示されるように、上側プレート31の内部には、独立した2つの流路FP1,FP2を構成するための凹状溝311,312が形成されている。凹状溝311,312は、軸線m1を中心とする径方向外側から上側プレート31の中央に向かって円弧状に曲げられるように形成されている。凹状溝311,312は、上側プレート31の中央部分に形成された空間からなる合流部313で合流している。合流部313は、円筒部310の一端部から円筒部310の内部に連通されている。凹状溝311,312は、軸線m1を中心とする径方向において合流部313の外側から合流部313に向かうほど、その幅が狭くなるように形成されている。
図1に示されるように、下側プレート32は、上側プレート31の底面に組み付けられている。下側プレート32は、上側プレート31に形成されている凹状溝311,312及び合流部313のそれぞれの開口部分を閉塞している。下側プレート32と上側プレート31の凹状溝311とにより囲まれる空間は第1流路FP1を構成している。また、下側プレート32と上側プレート31の凹状溝312とにより囲まれる空間は第2流路FP2を構成している。図4に示されるように、下側プレート32の外縁部分には、軸線m1を中心として点対称となる位置に流入口320,321が形成されている。図1に示されるように、流入口320は、流入パイプ40から流入した冷却水を第1流路FP1に導入する部分である。流入口321は、流入パイプ40から流入した冷却水を第2流路FP2に導入する部分である。
次に、本実施形態のリザーブタンク10の動作例について説明する。
流入パイプ40から流入した冷却水は、流路形成プレート30の流入口320,321を通じて第1流路FP1及び第2流路FP2にそれぞれ流入する。第1流路FP1及び第2流路FP2にそれぞれ流入した冷却水は、第1流路FP1及び第2流路FP2に沿って流路形成プレート30の外側から内側に向かって旋回しつつ流れて、合流部313で合流する。この際、図3に示されるように、第1流路FP1から合流部313に流入する流体の流れ方向B1と、第2流路FP2から合流部313に流入する流体の流れ方向B2とが対向している。これらの対向する流れ方向を有する流体が合流部313に流れ込むことにより合流部313の冷却水に旋回流を発生させることができる。旋回流となった冷却水は、図2に矢印B3で示されるように円筒部310の内部を旋回しつつ上方に向かって流れ、円筒部310の先端部から気液分離室R1に吐出される。この際、冷却水が旋回しながら気液分離室R1に流入することにより、気液分離室R1内には冷却水の渦が形成されるため、その遠心力により液体状の冷却水が気液分離室R1の外周部分に向かって流れるとともに、冷却水に含まれる気泡が気液分離室R1の中央部分付近に集まる。気液分離室R1の中央部付近に集まった気泡は、気液分離室R1の上方に貯まる。そのため、気液分離室R1の上方には気体層R10が形成され、その下方には液体層R11が形成されることになる。液体層R11に貯留される冷却水は、流出パイプ41を通じて外部に流出する。
以上説明した本実施形態のリザーブタンク10によれば、以下の(1)~(4)に示される作用及び効果を得ることができる。
(1)流路FP1,FP2は、軸線m1を中心とする径方向において合流部313の外側から合流部313に向かって冷却水が流れるように合流部313を中心に点対称に形成されている。合流部313は、円筒部310の一端部に設けられ、流路FP1,FP2をそれぞれ流れる冷却水を合流させて円筒部310の一端部に流入させる。合流部313から円筒部310の内部に流入した冷却水が円筒部310の他端部から気液分離室R1に流入する。このような構成によれば、流路FP1,FP2をそれぞれ流れる冷却水の流れにより合流部313の冷却水に旋回流を発生させることができるため、一つの流入口から流入する冷却水の流れにより旋回流を発生させる従来のリザーブタンクと比較すると、冷却水に旋回流を発生させ易くなる。よって、冷却水に旋回流を発生させるために必要な冷却水の流速を遅くすることが可能であるため、結果的にポンプ3の負荷を軽減することができる。
(2)流路形成プレート30において気液分離室R1に面する外面である上面の中央部には、円筒部310が形成されている。流路形成プレート30において上面とは反対側の面である底面には、流路FP1,FP2に冷却水をそれぞれ流入させる流入口320,321が形成されている。流入パイプ40は、流路形成プレート30の底面に対向するタンク本体20の底壁部221に設けられている。このような構成によれば、タンク本体20の側壁部210,220に流入パイプ40が設けられる場合と比較すると、軸線m1を中心とする径方向外側へのタンク本体20の大型化を回避することができる。
(3)流路FP1,FP2は、軸線m1を中心とする径方向において合流部313の外側から合流部313に向かって冷却水を旋回させて流すように形成されている。このような構成によれば、流路FP1,FP2から合流部313に流入する冷却水に旋回流を更に発生させ易くなるため、ポンプ3の負荷を更に軽減することができる。
(4)流路FP1,FP2は、軸線m1を中心とする径方向において合流部313の外側から合流部313に向かうほど流路断面積が小さくなるように形成されている。これにより、流路FP1,FP2内を流れる冷却水の流速が合流部313の外側から合流部313に向かうほど速くなるため、流路FP1,FP2から合流部313に流入する冷却水に旋回流を更に発生させ易くなる。よって、ポンプ3の負荷を更に軽減することができる。
(変形例)
次に、第1実施形態のリザーブタンク10の変形例について説明する。
図5に示されるように、本変形例のリザーブタンク10では、円筒部310の内壁面の上端の角部にR面取り加工が施されている。このような構成によれば、円筒部310の内壁面の上端の角部が直角に尖った形状を有している場合と比較すると、円筒部310から気液分離室R1に流入する冷却水の旋回流が阻害され難くなる。これにより、気液分離室R1において冷却水の渦が形成され易くなるため、冷却水に含まれる気泡をより的確に分離することが可能となる。
なお、円筒部310の内壁面の上端の角部には、R面取り加工に代えて、C面取り加工が施されていてもよい。
<第2実施形態>
次に、リザーブタンク10の第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態のリザーブタンク10との相違点を中心に説明する。
図6及び図7に示されるように、本実施形態のリザーブタンク10では、タンク本体20の下側タンク部22の側壁部220に流入パイプ40が設けられている点で、第1実施形態のリザーブタンク10と異なる。本実施形態のリザーブタンク10では、この流入パイプ40から流入する冷却水が流路形成プレート30の外周部分から各流路FP1,FP2に流入するようになっている。
具体的には、図7に示されるように、流路形成プレート30は、その外周部分が下側タンク部22の底壁部221と上側タンク部21とに挟まれることによりタンク本体20に固定されている。図6に示されるように、流路形成プレート30の外壁部と下側タンク部22の内壁部との間には円環状の隙間が形成されている。この隙間は、流入パイプ40から冷却水が流入する外周流路FP3を構成している。
流路形成プレート30の上側プレート31の外周面には、外周流路FP3を流れる冷却水を第1流路FP1に流入させるための流入口314、及び外周流路FP3を流れる冷却水を第2流路FP2に流入させるための流入口315が形成されている。流入口314及び流入口315は、合流部313を中心として点対称に配置されている。
下側タンク部22の内壁部には、外周流路FP3を横断するように突出部223が形成されている。突出部223は、流入パイプ40から外周流路FP3に流入した冷却水の流れ方向を図中の矢印Cで示される周方向に規制するために設けられている。矢印Cで示される方向は、軸線m1を中心として流入パイプ40、第1流路FP1の流入口314、第2流路FP2の流入口314の順で周回する方向である。
以上説明した本実施形態のリザーブタンク10によれば、上記の(1),(3),(4)に示される作用及び効果に加え、以下の(5)に示される作用及び効果を得ることができる。
(5)流入パイプ40は、流路形成プレート30の外周面に対向するタンク本体20の側壁部220に設けられている。これにより、第1実施形態のリザーブタンク10のように、タンク本体20の底壁部221に流入パイプ40が設けられる場合と比較すると、タンク本体20の軸方向の大型化を回避することができる。
<第3実施形態>
次に、リザーブタンク10の第3実施形態について説明する。以下、第2実施形態のリザーブタンク10との相違点を中心に説明する。
図8及び図9に示されるように、本実施形態のリザーブタンク10では、円筒部310の内部に円柱状の棒状部材33が配置されている。なお、棒状部材33は円管状に形成されていてもよい。棒状部材33は、下側プレート32の中央部から軸線m1に沿って上方に延びるように形成されている。棒状部材33は、円筒部310の内部を通じて気液分離室R1の内部まで延びるように形成されている。棒状部材33は、円筒部310と同軸上に配置されている。棒状部材33の先端部は、円筒部310の先端部よりも気液分離室R1の内部に延びている。
以上説明した本実施形態のリザーブタンク10によれば、以下の(6)に示される作用及び効果を更に得ることができる。
(6)本実施形態のリザーブタンク10では、円筒部310内に流入した冷却水が棒状部材33の外周面に沿って流れるため、円筒部310内を流れる冷却水に旋回流を更に発生させ易くなる。これにより、冷却水に旋回流を発生させるために必要な冷却水の流速を遅くすることが可能であるため、リザーブタンクに冷却水を圧送するポンプの負荷を更に軽減することができる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態のリザーブタンク10について説明する。以下、第3実施形態のリザーブタンク10との相違点を中心に説明する。
図10に示されるように、本実施形態のリザーブタンク10では、棒状部材33の外周面に凸部330が形成されている。凸部330は、棒状部材33の外周面において円筒部310の先端部に対向する位置に形成されている。
以上説明した本実施形態のリザーブタンク10によれば、以下の(7)に示される作用及び効果を更に得ることができる。
(7)棒状部材33に沿って流れる冷却水に含まれる気泡が凸部330に当たることにより、冷却水から気泡が分離し易くなる。特に、棒状部材33の外周面において円筒部310の先端部に対向する位置に凸部330が形成されている場合、円筒部310の内部から気液分離室R1に冷却水が吐出される際に、その冷却水に含まれる気泡が凸部330により分離されることになるため、より効率的に冷却水から気泡を分離することが可能となる。
(変形例)
次に、第4実施形態のリザーブタンク10の変形例について説明する。
図11に示されるように、本変形例のリザーブタンク10では、棒状部材33の外周面に、凸部330に代えて、凹部331が設けられている。このような構成であっても、棒状部材33に沿って流れる冷却水に含まれる気泡が凹部331に当たることにより、冷却水から気泡が分離し易くなる。
<第5実施形態>
次に、リザーブタンク10の第5実施形態について説明する。以下、第2実施形態のリザーブタンク10との相違点を中心に説明する。
本実施形態のリザーブタンク10では、図12に示される上側プレート31が用いられている。図12に示されるように、本実施形態の上側プレート31には、軸線m1を中心とする径方向において合流部313の外側から合流部313に向かって直線状に延びるように凹状溝311,312が形成されている。各凹状溝311,312の一方の側壁部は、円筒部310の内壁面の接線方向に延びるように形成されている。各凹状溝311,312の他方の側壁部は、上側プレート31の外周に向かうほど、一方の側壁部から離間するように形成されている。これにより、凹状溝311,312は、軸線m1を中心とする径方向において合流部313の外側に向かうほど、その幅が狭くなるように形成されている。この上側プレート31の底面に下側プレート32が組み付けられることにより、下側プレート32と上側プレート31の凹状溝311とにより囲まれる空間が第1流路FP1を構成し、下側プレート32と上側プレート31の凹状溝312とにより囲まれる空間が第2流路FP2を構成している。
以上説明した本実施形態のリザーブタンク10によれば、上記の(1),(2),(4)に示される作用及び効果に加え、以下の(8)に示される作用及び効果を得ることができる。
(8)流路FP1,FP2は、軸線m1を中心とする径方向において合流部313の外側から合流部313に向かって冷却水を直線状に流すように形成されている。このような構成によれば、第1実施形態のような円弧状の流路FP1,FP2を流路形成プレート30に形成する場合と比較すると、流路形成プレート30の製造が容易になる。
<第6実施形態>
次に、第6実施形態のリザーブタンク10について説明する。以下、第2実施形態のリザーブタンク10との相違点を中心に説明する。
本実施形態のリザーブタンク10では、図13に示される上側プレート31が用いられている。図13に示されるように、本実施形態の上側プレート31には、凹状溝311,312に加え、凹状溝316,317が更に形成されている。凹状溝316,317は、合流部313を中心に点対称に形成されている。凹状溝311,312,316,317は、軸線m1を中心とする周方向において等間隔ピッチで形成されている。これらの凹状溝311,312,316,317と下側プレート32とにより囲まれる空間は第1~第4流路FP1~FP4を構成している。
以上説明した本実施形態のリザーブタンク10によれば、以下の(9)に示される作用及び効果を更に得ることができる。
(9)本実施形態のリザーブタンク10では、第2実施形態のリザーブタンク10と比較すると、流路形成プレート30に形成される流路の数が増えているため、円筒部310内の冷却水に旋回流を更に発生させ易くなる。これにより、冷却水に旋回流を発生させるために必要な冷却水の流速を遅くすることが可能であるため、リザーブタンクに冷却水を圧送するポンプの負荷を更に軽減することができる。
<第7実施形態>
次に、第7実施形態のリザーブタンク10について説明する。以下、第2実施形態のリザーブタンク10との相違点を中心に説明する。
図14に示されるように、本実施形態のリザーブタンク10は、気液分離室R1に貯留された冷却水の液面LSに浮かぶように配置される浮遊プレート60を更に備えている。浮遊プレート60は、冷却水の液面LSに浮かぶことが可能なように、冷却水よりも比重の軽い樹脂材料により形成されている。
浮遊プレート60は、軸線m1を中心に円盤状に形成されている。浮遊プレート60の中央部には貫通孔61が形成されている。また、浮遊プレート60の底面62は、浮遊プレート60の中央部に位置する部分よりも浮遊プレート60の外周部に位置する部分の方が気液分離室R1の天井面213に接近するようにテーパ状に形成されている。
以上説明した本実施形態のリザーブタンク10によれば、上記の(10),(11)に示される作用及び効果を更に得ることができる。
(10)浮遊プレート60は、気液分離室R1内に形成される冷却水の渦上で回転しながら留まる。円筒部310の先端部から吐出された冷却水に含まれる気泡は、気液分離室R1内を上方に移動して浮遊プレート60の底面62に付着する。よって、冷却水に含まれる気泡は浮遊プレート60の底面62において捕集される。また、浮遊プレート60自体が回転しているため、浮遊プレート60の底面62で捕集された気泡は、遠心力により浮遊プレート60の外周に向かって移動して気液分離室R1の気体層R10に放出される。そのため、冷却水に含まれる気泡を、より的確に気液分離室R1の気体層R10に導くことができるため、冷却水に含まれる気泡を更に分離させ易くすることができる。
(11)例えば車両が坂道を走行している状況では、軸線m1が鉛直方向に対して所定角度をなすようにリザーブタンク10が傾くことにより、気液分離室R1内の冷却水の液面LSが傾く可能性がある。また、車両が悪路を走行している状況では、リザーブタンク10が振動するため、同様に気液分離室R1内の冷却水の液面LSが傾く可能性がある。このようにして気液分離室R1内の冷却水の液面LSに乱れが生じると、気体層R10に存在する気体が、液体層R11内の冷却水に混入する懸念がある。この点、本実施形態のリザーブタンク10では、気液分離室R1内の冷却水の液面LSに浮かぶ浮遊プレート60により気液分離室R1内の冷却水の液面LSが乱れ難くなるため、気体層R10に存在する気体が、液体層R11内の冷却水に混入し難くなる。
<第8実施形態>
次に、第8実施形態のリザーブタンク10について説明する。以下、第2実施形態のリザーブタンク10との相違点を中心に説明する。
図15に示されるように、本実施形態のタンク本体20の内部には、隔壁70を隔てて気液分離室R1に隣接するように貯留室R2が更に配置されている。図中の符号R20は貯留室R2の気体層を示し、符号R21は貯留室R2の液体層を示している。隔壁70には、気液分離室R1の気体層R10に存在する気体を貯留室R2の気体層R20に導入するための気体導入孔71と、気液分離室R1の液体層R11に存在する冷却水を貯留室R2の液体層R21に導入するための液体導入孔72とが形成されている。隔壁70に対して貯留室R2を挟んで反対側に位置するタンク本体20の側壁部224には、貯留室R2の液体層R21に貯留された冷却水を外部に流出させるための流出パイプ41が取り付けられている。
以上説明した本実施形態のリザーブタンク10によれば、以下の(12)に示される作用及び効果を更に得ることができる。
(12)冷却水及び気体を貯留室R2に更に貯留することができるため、リザーブタンク10を大型化することが可能となる。
<第9実施形態>
次に、第9実施形態のリザーブタンク10について説明する。以下、第8実施形態のリザーブタンク10との相違点を中心に説明する。
図16に示されるように、本実施形態のタンク本体20は、貯留室R2の内部において隔壁70に対して平行に配置される仕切り板80を更に備えている。仕切り板80は、その先端部が隔壁70の液体導入孔72よりも貯留室の天井面213の近くに位置するように貯留室R2の底面225から貯留室R2の天井面213に向かう途中まで延びるように形成されている。
以上説明した本実施形態のリザーブタンク10によれば、以下の(13)に示される作用及び効果を更に得ることができる。
(13)仮に気液分離室R1から液体導入孔72を通じて貯留室R2に流入する冷却水に気泡が含まれているような場合であっても、その気泡を含む冷却水が仕切り板80に当たることにより、冷却水と気泡とを分離することができる。これにより、気泡を含む冷却水が流出パイプ41を通じて外部に排出されるような状況を生じ難くすることができる。
<他の実施形態>
なお、上記実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・第4実施形態のリザーブタンク10では、凸部330及び凹部331の位置を、棒状部材33の外周面の任意の位置に変更してもよい。また、棒状部材33の外周面に、凸部330及び凹部331の両方を形成してもよい。
・各実施形態のリザーブタンク10は、車両のエンジンの冷却水以外の液体を用いるものであってもよい。
・本開示は上記の具体例に限定されるものではない。上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素、及びその配置、条件、形状等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
FP1,FP2,FP3,FP4:流路
R1:気液分離室
R2:貯留室
10:リザーブタンク
20:タンク本体
30:流路形成プレート
33:棒状部材
40:流入パイプ
60:浮遊プレート
61:貫通孔
62:底面
71:気体導入孔
72:液体導入孔
80:仕切り板
221:底壁部
220,224:側壁部
310:円筒部
313:合流部
314,315,320,321:流入口
330:凸部
331:凹部

Claims (10)

  1. 液体中の気体を分離して液体を貯留する気液分離室(R1)を内部に有するタンク本体(20)と、
    前記タンク本体の内部に配置され、所定の軸線を中心に円筒状に形成される円筒部(310)と、
    前記液体が流れ、独立して形成される複数の流路(FP1,FP2,FP3,FP4)と、
    前記円筒部の一端部に設けられ、複数の前記流路をそれぞれ流れる前記液体を合流させて前記円筒部の一端部に流入させる合流部(313)と、
    前記円筒部の内部に前記円筒部と同軸上に配置される円柱状又は円管状の棒状部材(33)と、を備え、
    複数の前記流路は、前記軸線を中心とする径方向において前記合流部の外側から前記合流部に向かって前記液体が流れるように前記合流部を中心に点対称に形成され、
    前記合流部から前記円筒部の内部に流入した液体が前記円筒部の他端部から前記気液分離室に流入し、
    前記棒状部材の先端部は、前記円筒部の先端部よりも前記気液分離室の内部に延びており、
    前記棒状部材の外周面には、凸部(330)及び凹部(331)の少なくとも一方が形成されており、
    前記凸部及び前記凹部の少なくとも一方は、前記棒状部材の外周面において前記円筒部の先端部に対応する位置に形成されている
    リザーブタンク。
  2. 前記軸線を中心に円柱状に形成され、前記タンク本体の内壁面と共に前記気液分離室を区画して形成するとともに、複数の前記流路が内部に形成される流路形成プレート(30)と、
    前記タンク本体に取り付けられ、前記タンク本体の外部から複数の前記流路に前記液体を流入させる流入パイプ(40)と、を更に備え、
    前記流路形成プレートにおいて前記気液分離室に面する外面を上面とし、前記上面とは反対側の面を底面とするとき、
    前記流路形成プレートの前記上面の中央部には、前記円筒部が形成され、
    前記流路形成プレートの前記底面には、複数の前記流路に前記液体をそれぞれ流入させる複数の流入口(320,321)が形成され、
    前記流入パイプは、前記流路形成プレートの前記底面に対向する前記タンク本体の底壁部(221)に設けられている
    請求項1に記載のリザーブタンク。
  3. 前記軸線を中心に円柱状に形成され、前記タンク本体の内壁面と共に前記気液分離室を区画して形成するとともに、複数の前記流路が内部に形成される流路形成プレート(30)と、
    前記タンク本体に取り付けられ、前記タンク本体の外部から複数の前記流路に前記液体を流入させる流入パイプ(40)と、を更に備え、
    前記流路形成プレートにおいて前記気液分離室に面する外面を上面とするとき、
    前記流路形成プレートの前記上面の中央部には、前記円筒部が形成され、
    前記流路形成プレートの外周面には、複数の前記流路に前記液体をそれぞれ流入させる複数の流入口(314,315)が形成され、
    前記流入パイプは、前記流路形成プレートの外周面に対向する前記タンク本体の側壁部(220)に設けられている
    請求項1に記載のリザーブタンク。
  4. 複数の前記流路は、前記軸線を中心とする径方向において前記合流部の外側から前記合流部に向かって前記液体を直線状に流すように形成されている
    請求項1~3のいずれか一項に記載のリザーブタンク。
  5. 複数の前記流路は、前記軸線を中心とする径方向において前記合流部の外側から前記合流部に向かって前記液体を旋回させて流すように形成されている
    請求項1~3のいずれか一項に記載のリザーブタンク。
  6. 前記タンク本体は、隔壁(70)を隔てて前記気液分離室に隣接して配置される貯留室(R2)を内部に更に有し、
    前記隔壁には、前記気液分離室の気体層に存在する気体を前記貯留室に導入するための気体導入孔(71)と、前記気液分離室の液体層に存在する液体を前記貯留室に導入するための液体導入孔(72)とが形成されている
    請求項1~5のいずれか一項に記載のリザーブタンク。
  7. 前記隔壁に対して前記貯留室を挟んで反対側に位置する前記タンク本体の側壁部(224)には、前記貯留室に貯留された液体を外部に流出させる流出パイプが取り付けられ、
    前記タンク本体は、前記貯留室の内部において前記隔壁に対して平行に配置される仕切り板(80)を更に有し、
    前記仕切り板は、その先端部が前記液体導入孔よりも前記貯留室の天井面の近くに位置するように前記貯留室の底面から前記貯留室の天井面に向かう途中まで延びるように形成されている
    請求項6に記載のリザーブタンク。
  8. 複数の前記流路は、前記軸線を中心とする径方向において前記合流部の外側から前記合流部に向かうほど流路断面積が小さくなるように形成されている
    請求項1~7のいずれか一項に記載のリザーブタンク。
  9. 液体中の気体を分離して液体を貯留する気液分離室(R1)を内部に有するタンク本体(20)と、
    前記タンク本体の内部に配置され、所定の軸線を中心に円筒状に形成される円筒部(310)と、
    前記液体が流れ、独立して形成される複数の流路(FP1,FP2,FP4,FP5)と、
    前記タンク本体に取り付けられ、前記タンク本体の外部から複数の前記流路に前記液体を流入させる流入パイプ(40)と、
    前記円筒部の一端部に設けられ、複数の前記流路をそれぞれ流れる前記液体を合流させて前記円筒部の一端部に流入させる合流部(313)と、
    前記気液分離室に貯留された前記液体の液面に浮かぶように配置される円盤状の浮遊プレート(60)と、を備え、
    複数の前記流路は、前記軸線を中心とする径方向において前記合流部の外側から前記合流部に向かって前記液体が流れるように前記合流部を中心に点対称に形成され、
    前記合流部から前記円筒部の内部に流入した液体が前記円筒部の他端部から前記気液分離室に流入し、
    前記浮遊プレートの中央部には、貫通孔(61)が形成されている
    ザーブタンク。
  10. 前記浮遊プレートにおいて前記円筒部に対向する底面(62)は、前記浮遊プレートの中央部に位置する部分よりも前記浮遊プレートの外周部に位置する部分の方が前記気液分離室の天井面に接近するようにテーパ状に形成されている
    請求項に記載のリザーブタンク。
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