JP7062963B2 - 液体吐出装置 - Google Patents

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本発明は、ノズルから液体を吐出する液体吐出装置に関する。
特許文献1に記載の印刷装置では、用紙搬送機構によって用紙を用紙搬送方向に搬送しつつ、用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に延びたラインヘッドユニットの複数のノズルからインクを吐出させて、用紙に印刷を行う。
特開2017-30365号公報
特許文献1の印刷装置では、用紙搬送機構によって用紙を搬送したときに、ノズルが形成されたノズル面と用紙との間に、用紙搬送方向に沿った気流が生じる。そして、この気流と、ノズルからのインクの吐出に伴って発生する気流とが衝突すると、ノズル周辺に気流の乱れが生じ、吐出されたインクの用紙上での着弾位置がずれてしまう虞がある。
本発明の目的は、ノズルから吐出された液体(液滴)の被吐出媒体上での着弾位置のずれを抑えることが可能な液体吐出装置を提供することである。
第1の発明に係る液体吐出装置は、所定の配列方向に配列された、液体を吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、被吐出媒体が前記液体吐出ヘッドに対して前記配列方向と直交する媒体移動方向に移動するように、前記液体吐出ヘッドと被吐出媒体とを相対移動させる相対移動装置と、前記媒体移動方向における前記液体吐出ヘッドの上流側に、前記液体吐出ヘッドと隙間をあけて配置され、被吐出媒体の前記液体が吐出される被吐出面と隙間を介して対向し、前記配列方向に平行な方向を軸方向とする円柱形状に形成され、外周面の被吐出媒体に最も近い部分が前記媒体移動方向に移動するように回転する回転部材と、を備え、前記媒体移動方向における前記液体吐出ヘッドと前記回転部材との距離は、前記配列方向及び前記媒体移動方向のいずれとも直交する直交方向における前記回転部材と前記被吐出面との距離よりも長く、被吐出媒体の搬送に伴う気流の一部が前記回転部材の外周面に沿って流れることにより、被吐出媒体の搬送に伴い前記液体吐出ヘッドと前記被吐出面との間に流れ込む気流の気流量を減らすことのできる距離である
相対移動装置により液体吐出ヘッドと被吐出媒体とが相対移動されたときに、媒体移動方向に沿った気流が生じる。本発明では、媒体移動方向における液体吐出ヘッドの上流側には、回転部材が配置されている。これにより、上記気流は、回転部材の外周面に沿って流れる(いわゆるコアンダ効果)。また、本発明では、回転部材が、外周面の被吐出媒体に最も近い部分が前記媒体移動方向に移動するように回転するため、上記気流の一部は、回転部材の回転によっても、回転部材の外周面に沿って流れることになる。これにより、上記気流の一部は、被吐出媒体から引き剥がされ、上記気流が液体吐出ヘッドと被吐出媒体との間の隙間に流れ込みにくくなる。したがって、この隙間における媒体移動方向に沿った気流を抑えることができる。その結果、ノズル周辺での気流の乱れが生じにくくなり、液滴を被吐出媒体の適正な位置に着弾できる。
第2の発明に係る液体吐出装置は、第1の発明に係る液体吐出装置において、前記回転部材の外周面の走行速度が、前記相対移動装置による前記液体吐出ヘッドと被吐出媒体との相対移動速度よりも速い。
回転部材の外周面の走行速度が、相対移動装置による相対移動速度よりも速いため、回転部材と被吐出媒体との間の気流が、被吐出媒体の被吐出面よりも回転部材の外周面に沿って流れやすくなる。これにより、液体吐出ヘッドと被吐出媒体との間の隙間における媒体移動方向に沿った気流をより効果的に抑えることができる。
第3の発明に係る液体吐出装置は、第1又は第2の発明に係る液体吐出装置において、前記回転部材の外周面の被吐出媒体に最も近い部分よりも前記媒体移動方向の上流側に配置され、前記回転部材の外周面に沿って流れる空気が、前記媒体移動方向の上流側から前記回転部材と被吐出媒体との間に流れ込むのを遮断する遮断部材、をさらに備えている。
媒体走行方向の上流側から回転部材と被吐出媒体との間に空気が流れ込むと、回転部材と被吐出媒体との間を媒体移動方向に沿って流れる気流が強くなり、それに伴って、液体吐出ヘッドと被吐出媒体の間を媒体移動方向に沿って流れる気流も強くなる。本発明では、媒体移動方向の上流側から回転部材と被吐出媒体との間に空気が流れ込むのを、遮断部材で遮断することにより、回転部材と被吐出媒体との間の媒体移動方向に沿って流れる気流が強くなってしてしまうのを防止することができる。
第4の発明に係る液体吐出装置は、所定の配列方向に配列された、液体を吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、被吐出媒体が前記液体吐出ヘッドに対して前記配列方向と直交する媒体移動方向に移動するように、前記液体吐出ヘッドと被吐出媒体とを相対移動させる相対移動装置と、前記液体吐出ヘッドよりも前記媒体移動方向の上流側で、被吐出媒体の前記液体が吐出される被吐出面と隙間を介して対向して、連続的に走行する帯状部材と、を備え、前記帯状部材は、前記媒体移動方向に沿って延びる第1部分と、前記第1部分の前記媒体移動方向における下流側に連なり、前記第1部分から離れるほど被吐出媒体から離れるように延びる第2部分と、を有し、前記第1部分から第2部分に向かう方向に走行する。
相対移動装置により液体吐出ヘッドと被吐出媒体とが相対移動されたときに、媒体移動方向に沿った気流が生じる。本発明では、媒体移動方向における液体吐出ヘッドの上流側には、帯状部材が配置されている。さらに、帯状部材は、第1部分と第2部分とを有している。そのため、上記の気流の一部は、帯状部材の表面に沿って第1部分から第2部分に向かう方向に流れる(いわゆるコアンダ効果)。また、本発明では、帯状部材が、第1部分から第2部分に向かう方向に走行するため、上記気流の一部は、帯状部材の走行によっても、第1部分から第2部分に向かう方向に流れることになる。これにより、上記気流の一部は、被吐出媒体から引き剥がされ、上記気流が液体吐出ヘッドと被吐出媒体との間の隙間に流れ込みにくくなる。したがって、この隙間における媒体移動方向に沿った気流を抑えることができる。その結果、ノズル周辺での気流の乱れが生じにくくなり、液滴を被吐出媒体の適正な位置に着弾できる。
第5の発明に係る液体吐出装置は、第4の発明に係る液体吐出装置において、前記帯状部材の走行速度が、前記相対移動装置による前記液体吐出ヘッドと被吐出媒体との相対移動速度よりも速い。
本発明によると、帯状部材の走行速度が、相対移動装置による相対移動速度よりも速いため、帯状部材と被吐出媒体との間の気流が、被吐出媒体の被吐出面よりも帯状部材の表面に沿って流れやすくなる。これにより、液体吐出ヘッドと被吐出媒体との間の隙間における媒体移動方向に沿った気流をより効果的に抑えることができる。
第6の発明に係る液体吐出装置は、第4又は第5の発明に係る液体吐出装置において、前記相対移動装置は、被吐出媒体を搬送経路に沿って搬送する搬送装置であり、前記搬送経路は、前記液体吐出ヘッドと対向する第1経路と、前記媒体移動方向における前記第1経路の上流側で、前記第1経路に関して、前記媒体移動方向の上流側に向かうほど前記液体吐出ヘッドから離れるように前記第1経路に対して傾いた第2経路と、を有し、前記帯状部材は、前記第1部分が、前記第2経路と対向し、前記第1部分と前記第2部分とが、湾曲した接続部分により接続され、前記接続部分が、被吐出媒体の前記第1経路と前記第2経路との間で湾曲した湾曲部と対向し、前記接続部分における曲率半径が、前記湾曲部の曲率半径よりも大きい。
帯状部材の第1部分と第2部分との接続部分の曲率半径が、被吐出媒体の第1経路と第2経路との間の湾曲した部分の曲率半径よりも大きい。これにより、帯状部材の接続部分と、被吐出媒体の湾曲部との間の空気は、被吐出媒体の湾曲部側よりも、帯状部材の接続部分側に流れやすくなる。その結果、液体吐出ヘッドと被吐出媒体との間の隙間における移動方向に沿った気流を抑えることができる。
第7の発明に係る液体吐出装置は、配列方向に配列され、液体が吐出される複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記配列方向と直交する媒体移動方向に、前記液体吐出ヘッドに向けて被吐出媒体が搬送される搬送経路と、前記液体吐出ヘッドよりも前記媒体移動方向の上流側で、被吐出媒体の前記液体が吐出される被吐出面と対向し、連続的に走行する帯状部材と、を備え、前記搬送経路は、前記液体吐出ヘッドと対向する第1経路と、前記媒体移動方向において前記第1経路の上流側で前記帯状部材と隙間を介して対向する第2経路と、を有し、前記帯状部材は、前記媒体移動方向に沿って延び、前記第2経路と前記隙間を介して併設された第1部分と、前記第1部分の前記媒体移動方向における上流端に連なり、前記第1部分から離れるほど前記第2経路から離れるように湾曲した上流側接続部分と、を有し、前記第2経路を搬送される被吐出媒体の前記被吐出面と垂直な方向に、前記第1部分が前記上流端を含んで前記第2経路と対向するとともに、前記上流端よりも前記媒体移動方向の下流側において、前記帯状部材及び前記第2経路の少なくとも一方が湾曲することで前記隙間が拡開する位置に対応した前記帯状部材の拡開部が、前記上流側接続部分よりも大きな曲率半径を有する。
本発明によると、媒体移動方向に沿って延びた帯状部材の第1部分が、媒体移動方向の上流端を含んで搬送経路の第2経路と隙間を介して対向するとともに、上流端よりも媒体移動方向の下流側において、帯状部材及び第2経路の少なくとも一方が湾曲することで隙間が拡開する。この拡開する位置に対応した帯状部材の拡開部が、上流側接続部分よりも大きな曲率半径を有するため、気流は半径が大きい拡開部にまとわりつきやすい。つまり、上流側接続部分で帯状部材と被吐出媒体の間に供給される気流量は、隙間が拡開する位置で帯状部材側に移動する気流量よりも小さくなる。これにより、液体吐出ヘッドと被吐出媒体の間に供給される気流量も減る。
第8の発明に係る液体吐出装置は、第7の発明に係る液体吐出装置において、被吐出媒体を前記搬送経路に沿って搬送する搬送装置、を備え、前記帯状部材の走行速度が、前記搬送装置による被吐出媒体の搬送速度よりも速い。
本発明によると、帯状部材の走行速度が、搬送装置による被吐出媒体の搬送速度よりも速いため、帯状部材と被吐出媒体との間の気流が、被吐出媒体の被吐出面よりも帯状部材の表面に沿って流れやすくなる。これにより、液体吐出ヘッドと被吐出媒体との間の隙間における媒体移動方向に沿った気流をより効果的に抑えることができる。
第9の発明に係る液体吐出装置は、第4~第8のいずれかの発明に係る液体吐出装置において、前記媒体移動方向において前記第1部分よりも上流側に配置され、前記帯状部材の表面に沿って流れる空気が、前記媒体移動方向の上流側から前記第1部分と被吐出媒体との間に流れ込むのを遮断する遮断部材、をさらに備えている。
第1部分と被吐出媒体との間に、媒体搬送方向の上流側から流れ込むと、第1部分と被吐出媒体との間を媒体移動方向に沿って流れる気流が強くなり、その結果、液体吐出ヘッドと被吐出媒体の間を媒体移動方向に沿って流れる気流も強くなる。本発明では、媒体搬送方向の上流側から第1部分と被吐出媒体との間に空気が流れ込むのを、遮断部材によって遮断することにより、第1部分と被吐出媒体との間の媒体移動方向に沿って流れる気流が強くなってしてしまうのを防止することができる。
第10の発明に係る液体吐出装置は、第4~第9のいずれかの発明に係る液体吐出装置において、前記帯状部材が、無端状のベルトである。
本発明によると、無端状のベルトにより、連続的に走行する走行部材を形成することができる。
本発明によれば、上記気流が液体吐出ヘッドと被吐出媒体との間の隙間に流れ込みにくくなる。したがって、この隙間における媒体移動方向に沿った気流を抑えることができる。その結果、ノズル周辺での気流の乱れが生じにくくなり、液滴を被吐出媒体の適正な位置に着弾できる。
第1実施形態に係るプリンタの、上方から見たときの概略構成図である。 第1実施形態に係るプリンタの、走査方向の左側から見たときの概略構成図である。 第2実施形態に係るプリンタの、図2相当の図である。 第3実施形態に係るプリンタの、図2相当の図である。 第4実施形態に係るプリンタの、図1相当の図である。 図5を矢印VIの方向から見た図であり、(a)は、キャリッジが右側から左側に向かって移動するとき、(b)は、キャリッジが左側から左側に向かって移動するときを示している。 一変形例に係るプリンタの図2相当の図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の好適な第1実施形態について説明する。
図1、図2に示すように、第1実施形態に係るプリンタ1(本発明の「液体吐出装置」)は、インクジェットヘッド2(本発明の「液体吐出ヘッド」)、プラテン3、搬送ローラ4、5、ローラ6及び遮断部材7を備えている。
インクジェットヘッド2は、いわゆるラインヘッドである。インクジェットヘッド2は、その下面が吐出面であり、複数のノズル10が形成されている。複数のノズル10は、走査方向(本発明の「配列方向」)に並び、ノズル列9を構成している。走査方向について、ノズル列9の長さは、記録用紙Pの全長よりも長い。また、インクジェットヘッド2には、4つのノズル列9が、走査方向と直交する搬送方向(本発明の「媒体移動方向」)に並んでいる。各ノズル列9は、搬送方向の上流側から順に、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクに対応する。なお、以下では、図1に示すように走査方向の右側及び左側を定義して説明を行う。
プラテン3は、インクジェットヘッド2の下面と対向している。プラテン3は、走査方向に記録用紙P(本発明の「被吐出媒体」)の全体を下方から支持する。搬送ローラ4、5は、それぞれ、搬送方向におけるインクジェットヘッド2よりも上流側及び下流側に配置されている。搬送ローラ4、5は、走査方向に延び、上下(走査方向及び搬送方向と直交する方向)に並んだ一対のローラである。一対のローラは、一方が駆動ローラであり、他方が従動ローラである。搬送ローラ4、5は、回転することで、記録用紙Pを搬送方向に搬送する。これにより、記録用紙Pが、インクジェットヘッド2に対して搬送方向に移動して、インクジェットヘッド2と記録用紙Pとが相対移動する。なお、本実施の形態では、搬送ローラ4、5が、本発明の「相対移動装置」に相当する。
ローラ6(本発明の「回転部材」)は、搬送方向において、インクジェットヘッド2と搬送ローラ4との間に配置されている。このとき、ローラ6は、インクジェットヘッド2に極力近接している。また、ローラ6は、される記録用紙Pよりも上方に配置され、記録用紙Pの上面(本発明の「被吐出面」)と隙間を介して対向する。
ローラ6は、走査方向を軸方向とし、走査方向にインクジェットヘッド2の全長にわたって延びている。ローラ6は、外形が円柱形状であり、図示しないモータにより、走査方向の左側から見て反時計回りに回転される。このとき、図2に示すように、ローラ6の外周面11は、その下端11a(記録用紙Pに最も近い部分)が、搬送方向に走行することになる。回転軸より搬送方向の下流側では、この下端11aが、回転に伴って、円弧を描きながら記録用紙Pから上方に離れていく。
ローラ6の外周面11は、下端11aを最下点とし、搬送方向下流側に膨らんでいる。これにより、記録用紙Pの搬送に伴う気流は、ローラ6が回転しなくても、一部がローラ側に移ることになる。
また、第1実施形態では、ローラ6の外周面11の走行速度Vrが、搬送される記録用紙Pの搬送速度Vp1よりも速い。これにより、ローラ6への気流の移動量が多くなる。
遮断部材7は、ローラ6と接触していないが、ローラ6に対して、搬送方向の上流側から隣接配置されている。ここで、遮断部材7のローラ6側端部は、少なくともローラ6の回転軸の下方に位置し、下端11aに可能な限り近づけてある。また、遮断部材7は、ローラ6の全長にわたって延び、記録用紙Pと平行な略矩形の板状部材である。これにより、ローラ6にまとわりつく気流は、その移動が妨げられ、下端11aを超えて搬送方向下流側に行き難くなる。
記録用紙Pへの印刷に際して、プリンタ1は、搬送ローラ4、5により記録用紙Pを搬送させつつ、搬送に同期して複数のノズル10から記録用紙Pの上面に向けてインクを吐出させる。
このとき、記録用紙Pの搬送により、図2に矢印A0で示すように、記録用紙Pに沿った気流が生じる。また、ノズル10からインクが吐出されると、インクの飛翔経路に沿った気流が発生する。そして、記録用紙Pの搬送による気流と、インクの飛翔に伴う気流とが衝突すると、飛翔中のインクの近傍で気流に乱れが生じ、インクの着弾位置がずれてしまう虞がある。
これに対して、第1実施形態では、ローラ6が、記録用紙Pの搬送による気流を、インクジェットヘッド2と記録用紙Pとの間の隙間(主には、インクが吐出される吐出領域)に流れ込みにくくする。上記気流の乱れが、生じにくい。
より詳細に説明すると、第1実施形態では、ローラ6の下端近傍は、記録用紙Pの上方において、搬送に伴う気流が存在し得る範囲内にある。そのため、ローラ6が静止していたとしても、ローラ6と記録用紙Pとの間を流れる気流の一部は、図2に矢印A1で示すように、ローラ6の外周面11に沿って流れる(いわゆるコアンダ効果)。その分、吐出領域に流入する気流量は減る。
第1実施形態では、ローラ6が回転するので、ローラ6と記録用紙Pとの間を流れる気流は、より多くの部分が記録用紙側からローラ側に移り、外周面11に沿って流れる(単位時間当たりの図2の矢印A1で示す空気の流れが増える)。
さらに、ローラ6の外周面11の走行速度Vrが、記録用紙Pの搬送速度Vp1よりも速い。さらに多くの部分気流が、記録用紙Pから離れ、外周面11に沿って流れる。
これらのことから、ローラ6により、搬送に伴う気流の一部が、記録用紙Pから引き剥がされ、ローラ6側に移る。これにより、吐出領域に流入する気流量が減るので、上記気流の乱れが生じにくくなる。これにより、インクは、より適正な位置に着弾できる。
なお、ローラ6が回転したときには、この回転に伴う気流が、外周面11に沿って生じる(図2に矢印A2参照)。回転に伴う気流は、ローラ6と記録用紙Pとの間に、搬送方向の上流側から流れ込むことになる。その結果、吐出領域に流入する気流量は、思いの外減らない虞がある。
そこで、第1実施形態では、ローラ6の回転軸に関して、搬送方向の上流側に、遮断部材7が配置されている。遮断部材7は、ローラ6の下端11aに極力近づけてある。図2に矢印A3で示すように、ローラ6の回転に伴う気流は、その大部分が遮断部材7に遮られ、ローラ6と記録用紙Pとの間に流れ込めない。つまり、インクジェットヘッド2と記録用紙Pとの隙間において、搬送方向に沿った気流が、効果的に抑えられる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。図3に示すように、第2実施形態に係るプリンタ50(本発明の「液体吐出装置」)は、プリンタ1のローラ6を、ベルトユニット51に置き換えたものとなっている。
ベルトユニット51は、2つのローラ52、53と、ローラ52、53に巻き掛けられた無端状のベルト54(本発明の「帯状部材」)とを備えている。ローラ52、53は、回転軸同士が平行で、走査方向を軸方向とする。搬送方向において、2つのローラ52、53は、インクジェットヘッド2の上流側に配置され、ローラ53がローラ52の下流側にある。ローラ53は、インクジェットヘッド2に極力近づけてある。なお、ローラ52の半径は、ローラ53の半径以下である。
ベルト54は、図3に示すように、4つの部分ベルト(第1部分54a、第2部分54b、第3部分54c及び第4部分54d)で構成される。
第1部分54aは、下側の直線部分であり、ローラ52の外周面56の下端56aと、ローラ53の外周面57の下端57aとを結ぶ。第1部分54aの下面は、若干の隙間を介して、搬送される記録用紙Pの記録面(インク滴が着弾する面)と平行に対向する。ここでは、第1部分54aの全体が、記録面と垂直な方向に、記録用紙Pと対向している。
第2部分54bは、ローラ53の外周面57と内接し、搬送方向下流側に膨らんでいる。また、第2部分54bは、ローラ53の下端57aを境にして、第1部分54aと繋がる。第3部分54cは、ローラ52の外周面57と内接し、搬送方向上流側に膨らんでいる。また、第3部分54cは、ローラ52の下端56aを境にして、第1部分54aと繋がる。第4部分54dは、上側の直線部分である。
第1部分54aは、上下方向(記録用紙Pから垂直に離れる方向)に関して、記録用紙Pの搬送に伴う気流が存在し得る範囲内にある。そのため、ベルト54と記録用紙Pとの間を流れる気流(図3の矢印B0参照)は、その一部(図3の矢印B1参照)が、第2部分54bに沿って流れる。その分、吐出領域に流入する気流量が減る。
そして、ローラ52、53は、走査方向の左側から見て、反時計回りに回転し、ベルト54もこれに連れて連続的に走行する。
このとき、第1部分54aは、図3に示すように、搬送方向に記録用紙Pと平行に走行する。また、第2部分54bは、その下端57aが、記録用紙Pから円弧を描いて上方に離れていく。搬送に伴う気流は、ベルト54が静止しているときに比べて、より多くの部分がベルト側に移ることができる。
また、第2実施形態では、ベルト54の走行速度Vb1が、記録用紙Pの搬送速度Vp1よりも速い。これにより、ベルト54への気流の移動量が、さらに多くなる。
また、遮断部材7(図2参照)と同様に、遮断部材55が配置されている。遮断部材55の搬送方向下流側端部は、少なくともローラ52の回転軸より下方に位置する。ここでは、遮断部材55は、第3部分54cの下端に対して、可能な限り近づけてある。ベルト54にまとわりつく気流は、大部分が遮断部材55に遮られ、下流側に移動できない。
なお、ローラ52の半径はローラ53の半径以下とされる。特に、半径に違いがある場合、ベルト54の第2部分54b(本発明の拡開部に相当)と第3部分54c(本発明の上流側接続部分に相当)とで、いわゆるコアンダ効果に差が生じる。半径が小さければ、気流はベルト54にまとわりつきにくい。つまり、第3部分54cでベルト54-記録用紙P間に供給される気流量は、第2部分54bでベルト側に移動する気流量よりも小さい。図3において、気流B2の量は、気流B1の量よりも小さくなる。結果として、その分、吐出領域に流入する気流量も減る。
ここで、第2実施形態では、第1部分54aが、搬送方向にある長さだけ延びている。第1部分54aがあるので、ベルト54と記録用紙Pとの間を流れる気流は、ベルト54の表面に沿って流れやすい。
つまり、ベルト54と記録用紙Pが同じ相対速度で動いている場合、記録用紙Pとの隙間が同じであれば、ローラ6が記録用紙Pと対向して回転する場合(第1実施形態を参照)に比べ、多くの気流が第2部分54b側に移る。
これらのことから、記録用紙Pの搬送に伴う気流の一部が、記録用紙Pから引き剥がされ、ベルト側に移る。その結果、吐出領域に流入する気流量が減るので、上記気流の乱れが生じにくくなる。これにより、インクは、より適正な位置に着弾できる。第2実施形態においても、遮断部材55が設置されている。この存在により、吐出領域への流入気流量がへり、気流の乱れがさらに抑制される。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態に係るプリンタ100(本発明の「液体吐出装置」)は、例えば、連続的に搬送されるロール紙などに印刷を行う。プリンタ100は、図4に示すように、インクジェットヘッド101と、プラテン102と、搬送ユニット103(本発明の「相対移動装置」)と、ベルトユニット104と、を備えている。
インクジェットヘッド101は、第1実施形態のインクジェットヘッド2(図2参照)と同様のものである。プラテン102は、第1実施形態のプラテン3(図2参照)と同様のものである。
搬送ユニット103は、3つの搬送ローラ111、112、113を含み、複数の搬送ローラで記録用紙Pを屈曲させつつ搬送する。搬送方向において、上流側から順に、搬送ローラ113、搬送ローラ111及び搬送ローラ112が配置されている。インクジェットヘッド101とプラテン102は、2つの搬送ローラ111、112に挟まれている。上下方向においては、2つの搬送ローラ111、112の上端が同じ位置にあり、搬送ローラ113の下端は、これらの下方に位置する。なお、2つの搬送ローラ111、112は、走査方向の左側から見て、時計回りに回転する。ローラ113は、これと逆に回転する。
このとき、記録用紙Pの搬送経路は、図4に示すように、3つの搬送ローラ111、112、113が作る3つの部分経路を含む。3つの部分経路は、搬送方向の上流側から順に、第2経路115b、湾曲部Pa、第1経路115aと続く。
第1経路115aは、直線状経路であり、2つの搬送ローラ111、112の上端同士を結ぶ。第1経路115aは、水平に延び、インクジェットヘッド101の吐出面に対して、所定の隙間を介して平行に対向する。
第2経路115bは、斜めの直線状経路であり、2つの搬送ローラ111、113の外周面同士を結ぶ。記録用紙Pは、搬送ローラ111に対して、その上半部と接する。搬送ローラ113に対しては、その下半部と接する。湾曲部Paは、円弧状経路であり、搬送ローラ111の上半部に沿う。湾曲部Paは、搬送方向において、第1経路115aの上流端と、第2経路115bの下流端とを中継する。
搬送中の記録用紙Pは、搬送ローラ113により下方に付勢され、2つの搬送ローラ111、112により上方に付勢される。記録用紙Pは、搬送ローラ113の下端から搬送ローラ111の上端に向けて、斜め上方に傾いて走行する。さらに、2つの搬送ローラ111、112間では、記録用紙Pは水平に移動する。このとき、プラテン102が、吐出面と記録に適した距離に、記録用紙Pを下から支持する。
ベルトユニット104は、3つのローラ121~123と、3つのローラ121~123に巻き掛けられた無端状のベルト124(本発明の「帯状部材」)とを備えている。3つのローラ121~123は、搬送方向下流側から順に、ローラ121、ローラ122及びローラ123と配置され、右側上方に向かって斜めに並ぶ。3つのローラ121~123は、走査方向の左側から見て、反時計回りに回転する。
これに対応して、ベルト124は、図4に示すように、搬送方向の下流側半部が、3つの部分ベルト(第1部分124a、第2部分124b及び接続部分124c)で構成される。
第1部分124aは、直線状部分ベルトであり、2つのローラ121、122の外周面と搬送方向下流側で接する。第2部分124bは、直線状部分ベルトであり、2つのローラ122、123の外周面と搬送方向下流側で接する。接続部分124c(本発明の拡開部に相当)は、円弧状部分ベルトであり、ローラ122の外周面と搬送方向下流側で接する。接続部分124cは、ベルト124の走行方向において、第1部分124aの下流端と第2部分124bの上流端とを中継する。なお、ローラ121に接する円弧状部分ベルトは、本発明の上流側接続部分に相当する。
このうち、第1部分124aが、第2経路115b上の記録用紙Pと隙間を介して対向する。本実施形態では、図4に示すように、第1部分124a全体が、第2経路115bを搬送中の記録用紙Pと、その記録面と垂直な方向に対向する。また、第2部分124bは、第1部分124aに対して、より上方に傾いている。
ベルト124の走行の有無にかかわらず、搬送に伴う気流(図4の矢印C0参照)は、その一部(図4の矢印C1参照)が、ベルト側に移ることになる。さらに、第1部分124aと第2経路115bとの併設は、この効果を増す。
また、ベルト124の走行速度Vb2が、記録用紙Pの搬送速度Vp2よりも速い。これにより、ベルト側への気流の移動量が増す。
また、第3実施形態では、ベルト124の接続部分124cは、曲率半径R2(ローラ122の半径とほぼ同じ)が、湾曲部Paの曲率半径R1(搬送ローラ111の半径とほぼ同じ)よりも大きくなっている。これにより、ベルト側へ気流が移動しやすくなる。
また、ベルト124が巻き掛けられたローラ121の、搬送方向におけるすぐ上流側の位置には、遮断部材7(図2参照)と同様の遮断部材125が配置されている。遮断部材125は、少なくともローラ121の回転軸より下方に位置し、搬送方向において、第1部分124aの上流端に可能な限り近づけてある。これにより、ベルト124にまとわりつく気流(図4の矢印C2参照)は、大部分(図4の矢印C3参照)が、遮断部材125で遮られる。
以上のように、第3実施形態では、搬送方向において、インクジェットヘッド101の上流側にベルト124が併設されている。記録用紙Pの搬送に伴う気流(図4中の矢印C0参照)は、一部(図4中の矢印C1参照)が、ベルト124側(この場合、接続部分124c)に記録用紙Pから移ること(いわゆるコアンダ効果)、ベルト124の走行がこの効果を促進すること、ベルト124の第1部分124aと搬送経路の第2経路115bとの併設がこの効果をさらに促進すること、ベルト124の走行速度が記録用紙Pの搬送速度よりも大きいことがこの効果をさらに促進すること、遮断部材125がベルト124にまとわりつく気流(図4中の矢印C2参照)を遮断する(図4中の矢印C3参照)効果等は、前述の第2実施形態と同様である。
なお、第1部分124aと第2経路115bとの併設関係では、直線状の第1部分124aに対して、第2経路115bと湾曲部Paの接続点が対向する関係にあることが好適である。これは、接続部分124cの曲率半径が、無限大と見なすことができる。記録用紙Pは、直線的に走行する第1部分124aから、円弧を描きながら離れていくことになる。搬送に伴う気流は、第1部分124aに沿ってさらに流れやすい。このとき、湾曲部Paが対向する第1部分124aの部分が、本発明の拡開部に相当する。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。図5、図6(a)、(b)に示すように、第4実施形態に係るプリンタ150は、キャリッジ151、インクジェットヘッド152、プラテン153、搬送ローラ154、155、ローラ156、157(本発明の「回転部材」)及び遮断部材158、159を備えている。
キャリッジ151は、走査方向に延びた2本のガイドレール161、162に支持されており、ガイドレール161、162に沿って往復移動する。
インクジェットヘッド152は、シリアルヘッドであり、キャリッジ151に搭載されている。キャリッジ151とともに、インクジェットヘッド152は、走査方向を往復移動する。なお、第4実施形態では、キャリッジ151が、本発明の「相対移動装置」に相当する。
印刷に際し、インクジェットヘッド152は、静止した記録用紙Pに対して、移動しつつインクを吐出する。インクの吐出が完了すると、記録用紙Pが搬送方向に所定距離だけ搬送され、再び、インクジェットヘッド152の移動とインクの吐出を行う。以後、この手順を繰り返す。
インクジェットヘッド152は、その下面が吐出面であり、複数のノズル165が形成されている。複数のノズル165は、搬送方向に並んでノズル列164を構成している。吐出面には、4つのノズル列164が、走査方向に並んでいる。4つのノズル列164は、走査方向の右側から順に、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクに対応する。
プラテン153は、吐出面と対向している。プラテン153は、走査方向に記録用紙Pの全体を下方から支持する。2つの搬送ローラ154、155は、図5に示すように、インクジェットヘッド152を挟んで配置されている。このうち、搬送ローラ154は、搬送方向において、インクジェットヘッド152の上流側にある。搬送ローラ154、155は、第1実施形態の搬送ローラ4、5と同様のものであり、記録用紙Pを搬送方向に搬送する。
キャリッジ151は、インクジェットヘッド152を支持する本体と、本体に設置された2つのフレーム166、167、2つのローラ156、157及び2つの遮断部材158、159を含む。
ローラ156は、円柱部材である。フレーム166は、キャリッジ151の左端部に設置され、ローラ156を回転自在に支持する。ローラ156の軸方向は、搬送方向となる。ローラ157も、ローラ156と同様に、円柱部材である。フレーム167は、キャリッジ151の右端部に設けられ、ローラ157を回転自在に支持する。ローラ156の軸方向も、搬送方向である。
遮断部材158は、ローラ156の左側にあって、フレーム166の下面に支持されている。遮断部材158は、可能な限りローラ156の下端176aに近づけてある。遮断部材159は、ローラ157の右側にあって、フレーム167の下面に支持されている。遮断部材159も、可能な限りローラ157の下端177aに近づけてある。遮断部材158(159)は、略矩形の板状部材であり、搬送方向にローラ156(157)の全長にわたって延びている。
図6(a)に示すように、キャリッジ151が走査方向を左方に移動するとき、ローラ156は、搬送方向の下流側から見て、反時計周りに回転される。このとき、外周面176の下端176a(記録用紙Pに最も近い部分)は、右側に移動しつつ円弧を描き、記録用紙P側から上方に離れていく。ローラ156が回転しなくても、キャリッジ151の記録用紙Pとの相対移動に伴う気流(図6中の矢印D0参照)は、一部(図6中の矢印D1参照)がローラ側に移る。ローラ156は回転しており、気流の移動量は増す。
このとき、外周面176の走行速度Vr1は、キャリッジ151の移動速度Vc1よりも速い。これにより、外周面176への気流の移動量がさらに多くなる。なお、ローラ157は、回転させない。
一方、図6(b)に示すように、キャリッジ151が走査方向を右方に移動するとき、ローラ157は、搬送方向の下流側から見て、時計周り方向に回転される。このとき、外周面177の下端177aは、左側に移動しつつ円弧を描き、記録用紙P側から上方に離れていく。ローラ157が回転しなくても、キャリッジ151の記録用紙Pとの相対移動に伴う気流(図6中の矢印E0参照)は、一部(図6中の矢印E1参照)がローラ側に移る。ローラ157は回転しており、気流の移動量は増す。
このとき、外周面177の走行速度Vr2は、キャリッジ151の移動速度Vc2よりも速い。これにより、外周面177への気流の移動量がさらに多くなる。なお、ローラ156は、回転させない。ここで、走行速度は、Vr2=Vr1である。移動速度についても、Vc2=Vc1である。
以上のように、キャリッジ151が移動する場合、キャリッジ151の下面や吐出面の近傍には、記録用紙Pとの相対移動に伴う気流が生じる。この気流は、本発明の「媒体移動方向」に沿う流れである。図6(a)の形態では矢印D0が、図6(b)の形態では矢印E0が、それぞれこの気流に対応する。さらに、印刷に際して、インクの吐出に伴う気流は、移動に伴う気流と衝突することになり、乱れる。このとき、着弾の位置ずれが心配される。
これに対して、第4実施形態では、キャリッジ151の走査方向前方に、ローラが配置されている。上述の相対移動に伴う気流は、一部がローラの外周面側に移る(いわゆるコアンダ効果)。この流れは、外周面に沿って上方に離れていく。その分、吐出空間に流入する気流量は、規制されることになる。
さらに、キャリッジ151の移動中に、ローラが回転する。上述の相対移動に伴う気流は、より多くの部分が、ローラの外周面側に移る。その分、吐出空間に流入する気流量は、さらに規制されることになる。
また、ローラの外周面の走行速度(図6(a)の形態ではVr1、図6(b)の形態ではVr2)は、キャリッジ151の移動速度(図6(a)の形態ではVc1、図6(b)の形態ではVc2)よりも大きい。上述の相対移動に伴う気流は、より多くの部分が、ローラの外周面側に移ることになる。その分、吐出空間に流入する気流量は、さらに規制されることになる。吐出空間では、気流の乱れが抑制され、インクは適正な位置に着弾できる。
また、第4実施形態でも、遮断部材が設けられている。ローラの外周面に沿う気流(図6(a)の形態では矢印D2、図6(b)の形態では矢印E2に相当)は、ローラの走行方向に遮断部材と衝突し、その大部分(図6(a)の形態では矢印D3、図6(b)の形態では矢印E3に相当)が外周面から離脱する。その分、吐出空間に流れ込む気流が制限される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、以上に説明した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載の限りにおいて様々な変更が可能である。
第1実施形態では、ローラ6に対して、遮断部材7は、必ずしも設けられていなくてもよい。ローラ6の外周面11に移る気流は、ローラ6と記録用紙Pとの間に、そのまま戻ることはない。したがって、搬送に伴う気流は、吐出空間に流れ込む量が減る。同様の理由で、第2~第4実施形態において、遮断部材55、125、158、159がなくてもよい。
また、第1実施形態において、速度の大小関係について、必ずしもローラ6の外周面11の走行速度Vrが、記録用紙Pの搬送速度Vp1よりも速い必要はない。ローラ6は、回転しておればよい。例えば、走行速度Vrを、搬送速度Vp1以下としてもよい。この場合でも、吐出空間の搬送方向上流側では、ローラ6が回転している分、多くの気流が、記録用紙Pから離れていく。
第2、第3実施形態において、ベルト54、124の走行速度Vb1、Vb2を、それぞれ、記録用紙Pの搬送速度Vp1、Vp2以下としてもよい。また、第4実施形態において、ローラ156、157の外周面176、177の走行速度Vr1、Vr2を、それぞれ、キャリッジ151の移動速度Vc1、Vc2以下としてもよい。
第3実施形態では、ベルト124の接続部分154cの曲率半径R2を、記録用紙Pの湾曲部Paの曲率半径R1よりも大きくしたが、曲率半径R2を曲率半径R1以下としてもよい。
第2、第3実施形態では、無端状のベルトによって、発明にかかわる帯状部材を構成したが、これには限られない。
例えば、一変形例では、図7に示すように、プリンタ200(本発明の「液体吐出装置」)が、第3実施形態のプリンタ100において、ベルトユニット104を、ベルトユニット201に置き換えたものとなっている。
ベルトユニット201は、ローラ202~204を含む複数のローラと、これら複数のローラに掛けられたベルト205(本発明の「帯状部材」)とを備えている。ベルト205は、走行方向の上流側の端部において、例えば、芯材に巻き付けられたロール状で配置されており、連続的に送られる。また、ベルト205は、走行した後に、例えば、走行方向の下流側の端部において、別の芯材に巻き取られる。
ローラ202~204は、図7に示すように、搬送方向下流側から順に、ローラ202、ローラ203及びローラ204と配置され、右側上方に向かって斜めに並ぶ。2つのローラ202、203は、走査方向の左側から見て、反時計回りに回転する。ローラ204は、これと逆方向に回転する。
3つのローラ202~204により、ベルト205が、3回折り曲げられる。ベルト205は、この屈曲により、3つの部分(第1部分205a、第2部分205b及び湾曲部Pa)が作られる。
第1部分205aは、ローラ202とローラ203との間に掛かり、直線状部分ベルトである。第1部分205aは、第2経路115bの上方に位置し、両者は搬送方向に平行である。第2部分205bは、ローラ203とローラ204との間に掛かり、直線状部分ベルトである。第2部分205bは、第1部分205aに対して、より上方に傾いている。さらに、接続部分205cが、ローラ203に付勢されて湾曲し、2つの部分205a、205bを繋いでいる。接続部分205cの曲率半径R3は、記録用紙Pの湾曲部Paの曲率半径R1よりも大きい。さらに、曲率半径R3は、ローラ202が作る接続部分の曲率半径よりも大きい。
本変形例では、上述の形態にあるように、遮断部材の配置はない、しかし、本変形例でも、ローラ202が作る接続部分の近傍にあって良い。また、コアンダ効果により、搬送に伴う気流は、一部がベルト205側に移る。ベルト205及び搬送経路115を含む形態(例えば、接続部分205cとローラ202が作る接続部分の曲率半径の違い、拡開部の存在、走行速度と搬送速度の違い等)がこの効果を促進する点は、ベルト124を用いる第3実施形態と同様である。
なお、第2、第3実施形態において、ベルト54の第1部分54a及びベルト124の第1部分124aは、その全体が、搬送される記録面と垂直な方向に、記録用紙Pと対向していたが、少なくとも各第1部分54a、124aの搬送方向上流側半部が対向しておればよい。本変形例でも、第1部分205aについて、同様である。
これにより、各第1部分54a、124a、205aの搬送方向上流側では、記録面と垂直な方向に、対応する接続部分(本発明の上流側接続部分に相当)が平面状の記録面と対向する。搬送方向下流側では、各湾曲部Paが、平面状の各第1部分54a、124a、205aあるいは湾曲する接続部分54b、124c、205c(本発明の拡開部に相当)と対向することになる。
搬送方向下流側では、搬送に伴う気流が、湾曲部とこれが対向するベルト部分の曲率半径の違いにより、ベルト側に効率的に移る。搬送方向上流側では、接続部分の曲率半径の違いや遮断部材により、ベルトと記録用紙Pの間に供給される気流量が規制される。
また、以上では、ノズルからインクを吐出することによって印刷を行う、インクジェットプリンタに本発明を適用した例について説明したが、これには限られない。ノズルからインク以外の液体を吐出してもよい。さらに、インクジェットプリンタ以外の液体吐出装置に対して、本発明を適用することも可能である。
以上のように、本発明は、液体吐出ヘッドに対して被吐出媒体が相対的に移動する媒体移動方向において、吐出空間の上流側に、被吐出媒体と相対的に伴走する伴走部を有する伴走部材が配置された点に特徴がある。伴走部は、被吐出媒体に近接配置されている。そのため、被吐出媒体近傍に生じた気流は、その一部が、伴走部側に移動する。その分、吐出空間に流れ込む気流量は減ることになり、インクの着弾位置のずれが抑制される。
なお、伴走部材は、第1実施形態ではローラ6が相当し、第2および第3実施形態ではベルト54、124が相当し、第4実施形態では2つのローラ156、157が相当し、変形例ではベルト205が相当する。
1 プリンタ
2 インクジェットヘッド
4、5 搬送ローラ
6 ローラ
7 遮断部材
10 ノズル
11 外周面
50 プリンタ
54 ベルト
54a 第1部分
54b 第2部分
55 遮断部材
100 プリンタ
101 インクジェットヘッド
115a 第1経路
115b 第2経路
124 ベルト
124a 第1部分
124b 第2部分
124c 接続部分
125 遮断部材
150 プリンタ
151 キャリッジ
152 インクジェットヘッド
156、157 ローラ
158、159 遮断部材
165 ノズル
176、177 外周面
200 プリンタ
205 ベルト

Claims (10)

  1. 所定の配列方向に配列された、液体を吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    被吐出媒体が前記液体吐出ヘッドに対して前記配列方向と直交する媒体移動方向に移動するように、前記液体吐出ヘッドと被吐出媒体とを相対移動させる相対移動装置と、
    前記媒体移動方向における前記液体吐出ヘッドの上流側に、前記液体吐出ヘッドと隙間をあけて配置され、被吐出媒体の前記液体が吐出される被吐出面と隙間を介して対向し、前記配列方向に平行な方向を軸方向とする円柱形状に形成され、外周面の被吐出媒体に最も近い部分が前記媒体移動方向に移動するように回転する回転部材と、を備え、
    前記媒体移動方向における前記液体吐出ヘッドと前記回転部材との距離は、前記配列方向及び前記媒体移動方向のいずれとも直交する直交方向における前記回転部材と前記被吐出面との距離よりも長く、被吐出媒体の搬送に伴う気流の一部が前記回転部材の外周面に沿って流れることにより、被吐出媒体の搬送に伴い前記液体吐出ヘッドと前記被吐出面との間に流れ込む気流の気流量を減らすことのできる距離であることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記回転部材の外周面の走行速度が、前記相対移動装置による前記液体吐出ヘッドと被吐出媒体との相対移動速度よりも速いことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記回転部材の外周面の被吐出媒体に最も近い部分よりも前記媒体移動方向の上流側に配置され、前記回転部材の外周面に沿って流れる空気が、前記媒体移動方向の上流側から前記回転部材と被吐出媒体との間に流れ込むのを遮断する遮断部材、をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
  4. 所定の配列方向に配列された、液体を吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    被吐出媒体が前記液体吐出ヘッドに対して前記配列方向と直交する媒体移動方向に移動するように、前記液体吐出ヘッドと被吐出媒体とを相対移動させる相対移動装置と、
    前記液体吐出ヘッドよりも前記媒体移動方向の上流側で、被吐出媒体の前記液体が吐出される被吐出面と隙間を介して対向して、連続的に走行する帯状部材と、を備え、
    前記帯状部材は、
    前記媒体移動方向に沿って延びる第1部分と、
    前記第1部分の前記媒体移動方向における下流側に連なり、前記第1部分から離れるほど被吐出媒体から離れるように延びる第2部分と、を有し、
    前記第1部分から第2部分に向かう方向に走行することを特徴とする液体吐出装置。
  5. 前記帯状部材の走行速度が、前記相対移動装置による前記液体吐出ヘッドと被吐出媒体との相対移動速度よりも速いことを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。
  6. 前記相対移動装置は、被吐出媒体を搬送経路に沿って搬送する搬送装置であり、
    前記搬送経路は、
    前記液体吐出ヘッドと対向する第1経路と、
    前記媒体移動方向における前記第1経路の上流側で、前記第1経路に関して、前記媒体移動方向の上流側に向かうほど前記液体吐出ヘッドから離れるように前記第1経路に対して傾いた第2経路と、を有し、
    前記帯状部材は、
    前記第1部分が、前記第2経路と対向し、
    前記第1部分と前記第2部分とが、湾曲した接続部分により接続され、
    前記接続部分が、被吐出媒体の前記第1経路と前記第2経路との間で湾曲した湾曲部と対向し、
    前記接続部分における曲率半径が、前記湾曲部の曲率半径よりも大きいことを特徴とする請求項4又は5に記載の液体吐出装置。
  7. 配列方向に配列され、液体が吐出される複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記配列方向と直交する媒体移動方向に、前記液体吐出ヘッドに向けて被吐出媒体が搬送される搬送経路と、
    前記液体吐出ヘッドよりも前記媒体移動方向の上流側で、被吐出媒体の前記液体が吐出される被吐出面と対向し、連続的に走行する帯状部材と、を備え、
    前記搬送経路は、
    前記液体吐出ヘッドと対向する第1経路と、前記媒体移動方向において前記第1経路の上流側で前記帯状部材と隙間を介して対向する第2経路と、を有し、
    前記帯状部材は、
    前記媒体移動方向に沿って延び、前記第2経路と前記隙間を介して併設された第1部分と、前記第1部分の前記媒体移動方向における上流端に連なり、前記第1部分から離れるほど前記第2経路から離れるように湾曲した上流側接続部分と、を有し、
    前記第2経路を搬送される被吐出媒体の前記被吐出面と垂直な方向に、前記第1部分が前記上流端を含んで前記第2経路と対向するとともに、前記上流端よりも前記媒体移動方向の下流側において、前記帯状部材及び前記第2経路の少なくとも一方が湾曲することで前記隙間が拡開する位置に対応した前記帯状部材の拡開部が、前記上流側接続部分よりも大きな曲率半径を有することを特徴とする液体吐出装置。
  8. 被吐出媒体を前記搬送経路に沿って搬送する搬送装置、を備え、
    前記帯状部材の走行速度が、前記搬送装置による被吐出媒体の搬送速度よりも速いことを特徴とする請求項7に記載の液体吐出装置。
  9. 前記媒体移動方向において前記第1部分よりも上流側に配置され、前記帯状部材の表面に沿って流れる空気が、前記媒体移動方向の上流側から前記第1部分と被吐出媒体との間に流れ込むのを遮断する遮断部材、をさらに備えていることを特徴とする請求項4~8のいずれかに記載の液体吐出装置。
  10. 前記帯状部材が、無端状のベルトであることを特徴とする請求項4~9のいずれかに記載の液体吐出装置。
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