JP7062304B2 - チタン酸化物及びその製造方法、並びに該チタン酸化物を用いた電極活物質及び蓄電デバイス - Google Patents

チタン酸化物及びその製造方法、並びに該チタン酸化物を用いた電極活物質及び蓄電デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP7062304B2
JP7062304B2 JP2019543481A JP2019543481A JP7062304B2 JP 7062304 B2 JP7062304 B2 JP 7062304B2 JP 2019543481 A JP2019543481 A JP 2019543481A JP 2019543481 A JP2019543481 A JP 2019543481A JP 7062304 B2 JP7062304 B2 JP 7062304B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peak
titanium oxide
sample
peaks
sodium titanate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019543481A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019058822A1 (ja
Inventor
秀明 永井
順二 秋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Publication of JPWO2019058822A1 publication Critical patent/JPWO2019058822A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7062304B2 publication Critical patent/JP7062304B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G23/00Compounds of titanium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G23/00Compounds of titanium
    • C01G23/04Oxides; Hydroxides
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/48Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides
    • H01M4/485Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides of mixed oxides or hydroxides for inserting or intercalating light metals, e.g. LiTi2O4 or LiTi2OxFy
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

本発明は、新規な構造を有する新規チタン酸ナトリウム水和物とそのプロトン交換体を熱処理して得られる新規チタン酸化物に関する。また、これらのチタン酸化物を用いた電極活物質及びその蓄電デバイスに関する。
現在、我が国においては、携帯電話、ノートパソコンなどの携帯型電子機器に搭載されている二次電池のほとんどは、リチウム二次電池である。また、リチウム二次電池は、今後ハイブリッドカー、電力負荷平準化システムなどの大型電池としても実用化されるものと予測されており、その重要性はますます高まっている。
このリチウム二次電池は、いずれもリチウムを可逆的に吸蔵・放出することが可能な材料を含有する正極および負極、さらに非水系電解液を含むセパレータまたは固体電解質を主要構成要素とする。
これらの構成要素の内、電極用の活物質として検討されているのは、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムマンガン酸化物(LiMn24)、リチウムチタン酸(Li4Ti512)などの酸化物系、金属リチウム、リチウム合金、スズ合金などの金属系、および黒鉛、MCMB(メソカーボンマイクロビーズ)などの炭素系材料が挙げられる。
これらの材料について、それぞれの活物質中のリチウム含有量における、化学ポテンシャルの差によって、電池の電圧が決定されるが、特に組合せによって、大きな電位差を形成できることが、エネルギー密度に優れるリチウム二次電池の特徴である。
特に、リチウムコバルト酸化物LiCoO2活物質と炭素材料を電極とした組合せにおいて、4V近い電圧が可能となり、また充放電容量(電極から脱離・挿入可能なリチウム量)も大きく、さらに安全性も高いことから、この電極材料の組合せが、現行のリチウム電池において広く採用されている。
一方、スピネル型のリチウムマンガン酸化物(LiMn24)活物質とスピネル型のリチウムチタン酸化物(Li4Ti512)活物質を含む電極の組合せにより、リチウムの吸蔵・脱離反応がスムーズに行われやすく、また反応に伴う結晶格子体積の変化がより少ないことから、長期にわたる充放電サイクルに優れたリチウム二次電池が可能となることが明らかになっており、実用化されている。
今後、リチウム二次電池やキャパシタ等の化学電池は、自動車用電源や大容量のバックアップ電源、緊急用電源など、大型で長寿命のものが必要となることが予測されていることから、前項のような酸化物活物質の組合せで、さらに高性能(大容量)な電極活物質が必要とされている。
この内、チタン酸化物系活物質は、対極にリチウム金属を使用した場合、約1~2V程度の電圧であることから、負極用の材料として、様々な結晶構造を有する材料が、電極活物質としての可能性について検討されている。
スピネル型リチウムチタン酸化物Li4Ti512やナトリウムブロンズ型の結晶構造を有する二酸化チタン(本明細書では、「ナトリウムブロンズ型の結晶構造を有する二酸化チタン」を「TiO2(B)」と略称する)、AxyTi1.73z(Aはリチウムを除くアルカリ金属を示す)、TiO・(HO)a・(AO)b(AはNaまたはK)、Ti-O-H系チタン構造体などのように組成にHを含むチタン酸化物、結晶構造中にH元素を含む酸化チタンであるH2Ti1225(本明細書では、「H2Ti1225」を「HTO」と略称する)、単斜晶系のチタンニオブ複合酸化物などの活物質が、電極材料として注目されている。(特許文献1-2、非特許文献1-2)
しかしながら、Li4Ti5O12は理論容量が175mAh/g程度で大容量化は見込めない。TiO2(B)や組成にHを含むチタン酸化物の中には300mAh/gを超える初期充電容量を示す物も合成されているが、初期不可逆容量が大きいという問題を抱えている。HTOに関しては、TiO2(B)と比較して初期不可逆容量は小さいが、初期充電容量が230mAh/g程度であり、微細化により更なる大容量化が可能であるが不可逆容量が増加するという問題を抱えている。単斜晶系のチタンニオブ複合酸化物は、初期充電容量は280mAh/g程度で不可逆容量は比較的小さいものもあるが、チタンに対してニオブの価格(2007年度時点で約6倍)や資源量(地殻内存在比で220倍)の点で問題を抱えている。
そのため、これらの問題点を克服した初期負不可逆容量が小さく、充放電容量の大きい、高価で資源量に問題のある元素を含まない新規なチタン酸化物の登場が望まれている。
特開2014-186826号公報 特開2008-255000号公報
A. R. Armstrong, G. Armstrong, J. Canales, R. Garcia, P. G. Bruce, Advanced Materials, 17, 862-865 (2005) J. Akimoto, K. Chiba, N. Kijima, H. Hayakawa, S. Hayashi, Y. Gotoh, Y. Idemoto, Journal of The Electrochemical Society, 158, A546-A549 (2011)
本発明は、上記の様な現状の課題を解決した新規なチタン酸化物及びその製造方法並びに該チタン酸化物を用いた電極活物質及び蓄電デバイスを提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討した結果、HTOなどのHを含有したチタン酸化物とは異なる特徴的な局所構造を有するHを含有し、特徴的なTi-O-Ti骨格の振動を有するチタン酸化物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記に示す新規な構造を有する新規チタン酸化物とその製造方法を提供し、これらのチタン化合物を用いた電極活物質及びその蓄電デバイスを提供する。
(1)Hを含有し、1H固体NMR測定において、400MHzの電磁波を用い、毎分10000~12500回転した室温の試料から得られるスペクトルをピーク分離した際のピークトップが9-11ppm(ピーク1)と6.7-8ppm(ピーク2)に存在し、この2つのピークのピーク強度比(Iピーク1/Iピーク2)が1.0以下である、チタン酸化物。
(2)前記チタン酸化物が、赤外線吸光分析において、930~990cm-1に吸収ピークをもつ、(1)に記載のチタン酸化物。
(3)前記チタン酸化物が、CuKαを線源とした粉末X線回折パターンにおいて、2θ=24.2~25.2°、47.9~48.6°に存在するピークのピーク半値幅がそれぞれ、0.5~2°と0.25~1°である、(1)または(2)に記載のチタン酸化物。
(4)(1)~(3)のいずれかに記載のチタン酸化物の製造方法であって、チタン源とナトリウム源を溶解あるいは懸濁した溶液を用いた水熱合成法によりチタン酸ナトリウム水和物を合成する工程と、該チタン酸ナトリウム水和物のプロトン交換体を合成する工程と、該チタン酸ナトリウム水和物のプロトン交換体を酸素ガス含有雰囲気あるいは不活性ガス雰囲気中で熱処理する工程と、を有するチタン酸化物の製造方法。
(5)前記チタン酸ナトリウム水和物が、CuKαを線源とした粉末X線回折パターンにおいて、2θ=10.1~10.5°、15.4~15.8°、24.7~25.1°、29.4~29.8°、48.2~48.6°の位置に少なくともピークを有し、前記2θ=24.7~25.1°、29.4~29.8°、48.2~48.6°に存在するピークのピーク半値幅がそれぞれ0.8°以下である、(4)に記載のチタン酸化物の製造方法。
(6)前記チタン酸ナトリウム水和物が、1H固体NMR測定において、400MHzの電磁波を用い、毎分10000~12500回転した室温の試料から得られるスペクトルをピーク分離した際のピークトップが11.4~12.7ppmと6.4~7.6ppmに存在する、(4)または(5)に記載のチタン酸化物の製造方法。
(7)前記(1)~(3)のいずれかに記載のチタン酸化物を含む、電極活物質。
(8)前記(7)に記載の電極活物質を用いた蓄電デバイス。
本発明によれば、HTOなどのHを含有したチタン酸化物とは異なる特徴的な局所構造を有するHを含有し、特徴的なTi-O-Ti骨格の振動を有するチタン酸化物が製造できる。
このチタン酸化物は、種々の用途において有用であり、たとえば、電極活物質として使用した場合、長期にわたる充放電サイクルに優れ、高容量が期待できるリチウム二次電池を提供することができる。
新規チタン酸化物の合成フロー図である。 試料Aの特性X線測定による元素分析結果である。 試料AのFT-IR吸収スペクトル測定結果である。 試料Aの熱重量分析結果である。 試料Aの粉末X線回折測定結果である。 試料Aの1H固体NMRスペクトル測定結果である。 試料A’の特性X線測定による元素分析結果である。 試料A’のFT-IR吸収スペクトル測定結果である。 試料A’の熱重量分析結果である。 試料A’の粉末X線回折測定結果である。 試料A’のH固体NMRスペクトル測定結果である。 試料A”の特性X線測定による元素分析結果である。 試料A”と試料BのFT-IR吸収スペクトル測定結果である。 試料A”と試料Bの熱重量分析結果である。 試料A”と試料Bの粉末X線回折測定結果である。 試料A”と試料Bの1H固体NMRスペクトル測定結果である。 リチウム二次電池(コイン型セル)基本構造図である。 試料A”と試料Bを負極とした場合の充放電特性である。 試料Cの粉末X線回折測定結果である。 試料C”の粉末X線回折測定結果である。 試料Dの粉末X線回折測定結果である。 試料D’と試料D”の粉末X線回折測定結果である。 試料Eの粉末X線回折測定結果である。 試料Fの粉末X線回折測定結果である。 試料Gの粉末X線回折測定結果である。 試料A”-2の粉末X線回折測定結果である。 試料A”-3の粉末X線回折測定結果である。 試料Hの粉末X線回折測定結果である。 試料H”の粉末X線回折測定結果である。 試料Iの粉末X線回折測定結果である。 試料I”の粉末X線回折測定結果である。
本実施形態の新規チタン酸化物は、図1の合成フロー図で示すように、新規チタン酸ナトリウム水和物を合成し、そのイオン交換と熱処理によって合成される。
本実施形態に係わる新規チタン酸化物及びその前駆体である新規チタン酸ナトリウム水和物の特徴及び製造方法についてさらに詳しく説明する。
(新規チタン酸化物の特徴)
本実施形態の新規チタン酸化物は、Hを含有し、1H固体NMR測定において、400MHzの電磁波を用い、毎分10000~12500回転した室温の試料から得られるスペクトルをピーク分離した際に、ピークトップが9-11ppm(ピーク1)と6.7-8ppm(ピーク2)に存在し、この2つのピークのピーク強度比(Iピーク1/Iピーク2)が1.0以下であることを特徴とする。
通常、1H固体NMRのシグナルは個々の局所構造を持つ1Hシグナルの重なりによって表示される。そのため、シグナルを複数のピークにピーク分離することで、局所構造の異なるH(例えば吸着あるいは層間に含水している水や結晶構造内の占有サイトが異なるHなど)を区別することができる。また、結晶構造内のHの水素結合の強さとピーク位置には相関があることが知られており(例えば、Solid State Ionics、Vol.177 (2006) 3223-3231)、低いピーク位置にあるHほど近傍にある酸素原子との水素結合が弱くなる。このことは、Hが直接共有結合をしているOとの結合を強固にする方向に働くため、HがH+として乖離しにくくなる事を意味している。H+はリチウムイオン電池に用いられている有機電解質を分解するなどの副反応を引き起こすため、極力少なくした方が良い。このような観点から、新規チタン酸化物中に含まれるHは低いピーク位置を示すものの割合が多い。
ピーク分離は、一般的にはローレンツ型分布やガウス型分布などの形状を持つピークを複数設定し、各シグナルのピーク強度の合計が元々の測定結果とのずれが最小となるようにピーク位置やピーク強度、半値幅を変化させてフィッティングを行い、ピーク分離を行う。ピーク分離の数は、存在すると想定されるHの局所構造の数であり、Hの局所構造によってピーク位置のおよその範囲が決まるため、フィッティングの際にピーク位置や半値幅に制限を設けることがある。
また、上記チタン酸化物は、赤外線吸光分析において、代表的なチタン酸化物とは異なる振動吸収を持つことを特徴としており、930~990cm-1に吸収ピークを持つことを特徴とする。
通常、チタン酸化物は500~1000cm-1付近にTi-O-Ti骨格による伸縮振動が現れ、代表的な酸化チタンであるルチルやアナターゼでは、700cm-1付近にブロードな吸収スペクトルが見られる。チタン酸化物の結晶構造が異なる場合やTi-O-Ti骨格に異なる元素が結合した場合には、Ti-O-Ti結合の結合強度が変化するために、吸収ピーク位置が変化したり、新たな吸収ピークが現れる。Hのような軽い原子が結合した場合には、一般的にはピークは高波数側にシフトする。非特許文献2に示されているHTOでは、3447cm-1にOH基の伸縮振動による吸収スペクトルと760cm-1と910cm-1にTi-O-Ti骨格の伸縮振動による吸収スペクトルが見られ、Ti-O-Ti骨格の一部にOH基が結合した結果、Ti-O-Ti骨格の伸縮振動による吸収スペクトルは高波数側にシフトしたり、新たな吸収ピークが現れている。本実施形態のチタン酸化物は、TG-DTA測定による重量減少からHTOより多くの水が脱離することから、Ti-O-Ti骨格へのOH基の結合割合が多いと考えられ、より高波数側にシフトすると考えられる。
さらに、上記チタン酸化物は、CuKαを線源とした粉末X線回折により、2θ=24.2~25.2°、47.9~48.6°に存在するピークのピーク半値幅がそれぞれ、0.5~2°と0.25~1°、好ましくはそれぞれ0.6~1.4°と0.3~0.5°であることを特徴とする。
通常、結晶性化合物の粉末X線回折では、その試料の結晶構造に依存した2θ値の位置にピークが現れるが、試料のナノ化や結晶成長の阻害、粉砕による結晶性の低下などによってピークの幅が広がり、試料の特性に影響を及ぼす。上記チタン酸化物は前駆体が持つ層状構造を部分的に維持しながら合成されるため、結晶成長が阻害されて結晶子径が小さいまま留まり、ピーク幅を広げている。特に、HTOでは、2θ=24.2~25.2°と47.9~48.6°のピークはそれぞれ(110)面と(020)面に対応すると報告されており(例えば、Materials Letters、Vol.143 (2015) 101-104)、[110]方向と[010]方向にはLiの挿入・脱離に適したトンネル構造が形成されている(例えば、Journal of the Ceramic Society of Japan、Vol.124 (2016)710-713)。本実施形態の新規チタン酸化物はHTOと類似の粉末XRDパターンを示すことから、類似の結晶構造を有していると考えられ、これらのピーク幅が広いことは、対応する面を多く有していることを意味しており、すなわちLiの挿入・脱離に適した表面をより多く持つこととなり、粉体の利用効率の観点から望ましい。ピークの幅の広がりはピーク半値幅(ピーク高さの1/2の高さにおける全幅)を用いて表され、結晶性や結晶子径を求める際に使用する。
(新規チタン酸ナトリウム水和物の製造方法)
本実施形態の製造方法では、まず、結晶性の高いチタン酸ナトリウム水和物を製造する。
チタン原料としては、チタンを含有するものであれば特に制限されず、例えば、チタン(金属チタン)及びTiO、Ti23、TiO2 等の酸化物、TiO(OH)2、TiO2・xH2O(xは任意)等で表される酸化チタン水和物、その他、塩化チタンや硫酸チタンなどの無機チタン化合物、チタンイソプロポキシドやチタンブトキシドなどの有機チタン化合物等が挙げられる。これらの中でも、特に酸化チタンや酸化チタン水和物が好ましく、TiO(OH)またはTiO・HOで表されるメタチタン酸やTiO・2HOで表されるオルトチタン酸、あるいはそれらの混合物などを用いることができる。
ナトリウム原料としては、ナトリウム(金属ナトリウム)及びナトリウム化合物の少なくとも1種を用いる。ナトリウム化合物としては、ナトリウムを含有する物であれば特に制限されず、例えばNa2O、Na22などの酸化物、Na2CO3,NaNO3等の塩類、NaOH等の水酸化物などが挙げられる。また、ナトリウム原料には同じアルカリ金属であるリチウムやカリウム等の金属及びリチウム化合物(例えば、LiO、LiCO,LiNO,LiOHなど)、カリウム化合物(例えば、KO、KCO,KNO,KOHなど)が混入していても良く、モル比でナトリウム原料が50%を超えていれば良い。これらの中でも、特にNaOHが好ましい。さらに、ナトリウム原料は、合成時のチタン原料の溶解を促進する働きもあるため、チタン原料に対して過剰に加える必要がある。例えば、TiOをチタン原料とした場合には、ナトリウム原料としてNaOHを選択した場合、重量比で8倍以上が好ましい。
まず、これらを水またはエタノール、あるいはその混合物を溶媒として溶解あるいは懸濁して良く混合する。混合は、室温~溶媒の沸点以下で行う。この際に、チタン原料の溶解や錯体形成を促して反応性を高めるために、過酸化水素やアンモニア、NH4F、グルコースなどを添加しても良い。また、分散性向上や結晶成長時の形態制御のために、各種界面活性剤や硫酸ナトリウムなどの無機、有機塩類を添加しても良い。更に、導電性を付与するためにカーボン粒子や化カーボンナノチューブ、グラフェン、酸化グラフェンなどを0.1wt%~10wt%添加しても良く、これらは予め出発原料に複合化していても良い。
この段階では、ほとんどの場合で、単なる原料の混合物あるいは結晶性の極めて低い化合物しか得られない。そのため、結晶性の高いチタン酸ナトリウム水和物を得るためには、原料の反応に加えて結晶成長を行う必要がある。このような合成方法としては、特に水熱合成法が好ましい。水熱合成法では、十分な反応や結晶成長が行えれば反応温度や時間については特に制約は無いが、反応温度としては190℃以上、反応時間としては10時間以上が好ましい。
ここで目的とする新規チタン酸ナトリウム水和物の化学組成と結晶性は、上記のチタン酸ナトリウム水和物に特有のX線回折パターンと同様のX線回折パターンを示す化合物を提供しうるものであり、一定以上の結晶性を有していれば足る。また、一定以上の結晶性が損なわれない範囲においては、粉砕などの分散・微粒化操作を加えても良い。
新規チタン酸ナトリウム水和物の形状については特に制約は無く、針状、棒状、柱状、紡錘状、筒状、繊維状などの異方性形状や、球状や不定形形状でも良い。また、これらの粒子をスプレードライヤーなどの公知の方法で造粒したものでも良い。
(新規チタン酸ナトリウム水和物のプロトン交換体の製造方法)
上記により得られた新規チタン酸ナトリウム水和物を出発原料として、酸性水溶液中でプロトン交換反応を適用することにより、出発原料化合物中のチタン酸ナトリウム水和物のほぼ全てが水素と交換したチタン酸ナトリウム水和物のプロトン交換体が得られる。
この場合、上記により得られたチタン酸ナトリウム水和物を酸性水溶液中に分散させ、一定時間保持した後、乾燥することが好ましい。使用する酸としては、任意の濃度の塩酸、硫酸、硝酸などの内で、いずれか1種類以上を含む水溶液が好ましい。この内、濃度0.1から1.0Nの希塩酸の使用が好ましい。処理時間としては、10時間から10日間、好ましくは、1日から7日間である。また、処理時間を短縮するために、適宜溶液を新しいものと交換することが好ましい。さらに、交換反応処理温度は室温(20℃)以上100℃未満であれば良い。乾燥は、公知の乾燥方法が適用可能であるが、真空乾燥等がより好ましい。
このようにして得られたチタン酸ナトリウム水和物のプロトン交換体は、エネルギー分散型X線分光装置を用いた固体状態での分析ではNaを検出ができず、その交換処理の条件を最適化することにより、出発原料に由来して残存するナトリウム量を、湿式法による化学分析の検出限界以下にまで低減することが可能である。
(新規チタン酸化物の製造方法)
上記により得られたチタン酸ナトリウム水和物のプロトン交換体を出発原料として、空気中などの酸素ガス含有雰囲気中、あるいは窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気中で熱処理することによって、所望の脱水反応を起こすことで、チタン酸化物が得られる。また、上記雰囲気を減圧あるいは真空にすることで、脱水反応を促進することができる。熱処理の温度は、250℃から500℃、好ましくは260℃から400℃の範囲である。処理時間は、通常0.5から100時間、好ましくは1から30時間であり、処理温度が高い程、処理時間を短くすることができる。
(新規チタン酸ナトリウム水和物の特徴)
本実施形態の新規チタン酸ナトリウム水和物は、CuKαを線源とした粉末X線回折パターンにおいて、2θ=10.1~10.5°、15.4~15.8°、24.7~25.1°、29.4~29.8°、48.2~48.6°の位置に少なくともピークを有し、前記2θ=24.7~25.1°、29.4~29.8°、48.2~48.6°に存在するピークのピーク半値幅がそれぞれ0.8°以下であることを特徴とする。
上記のチタン酸ナトリウム水和物は、層状構造を有する結晶性化合物である。通常、層状構造を持つ結晶性化合物は、ルチルやアナターゼなどの結晶のTi-O原子間距離より長い層間距離を持っており、この層間にナトリウムイオンや水などを含むことによって結晶構造が安定化している。このナトリウムイオンや水などは比較的緩やかに結合しているため、結晶性が高い場合には、その層状構造を維持しながら、イオン交換によってナトリウムイオンを別のイオンに置換したり、可逆的に水の出し入れが可能である。本実施形態の場合には、酸性水溶液を用いてその層状構造を維持しながらNa/Hイオン交換を行っている。このイオン交換体を熱処理すると、層状構造が部分的に維持された状態で脱水反応が進行するため、ルチルやアナターゼのような代表的なチタン酸化物よりTi-O原子間距離が長くなり、本実施形態の特徴を持つチタン酸化物となる。一方、同様の粉末X線回折パターンを持っていても、ピーク半値幅が広い、すなわち結晶性が低いチタン酸ナトリウム水和物を用いた場合、結晶構造が発達していないために、Na/Hイオン交換を行う際に層状構造が維持できずに結晶構造が崩れてしまい、熱処理して得られるチタン酸化物はアナターゼやルチルなどの代表的なチタン酸化物を主体とするものになる。
また、前記チタン酸ナトリウム水和物は、1H固体NMR測定において、400MHzの電磁波を用い、毎分10000~12500回転した室温の試料から得られるスペクトルをピーク分離した際に、ピークトップが11.4~12.7ppmと6.4~7.6ppmに存在することを特徴とする。
通常、NMRのシグナルは個々の局所構造を持つ1Hシグナルの重なりによって表示されるため、試料の含水量によっても変化する。そのため、シグナルを複数のピークにピーク分離することで、局所構造の異なるH(例えば吸着あるいは層間に含水している水や結晶構造内の占有サイトが異なるHなど)を区別することができる。
ピーク分離は、一般的にはローレンツ型分布やガウス型分布などの形状を持つピークを複数設定し、各シグナルのピーク強度の合計が元々の測定結果とのずれが最小となるようにピーク位置やピーク強度、半値幅を変化させてフィッティングを行い、ピーク分離を行う。ピーク分離の数は、存在すると想定されるHの局所構造の数であり、Hの局所構造によってピーク位置のおよその範囲が決まるため、フィッティングの際にピーク位置や半値幅に制限を設けることがある。
(リチウム二次電池)
本実施形態に係るリチウム二次電池(蓄電デバイス)は、上記チタン酸化物を含む電極活物質を含有する電極を構成部材として用いるものである。すなわち、電極材料のひとつに本実施形態のチタン酸化物活物質を用いる以外は、公知のリチウム二次電池(コイン型、ボタン型、円筒型、全固体型等)の電池要素をそのまま採用することができる。
図17は、本実施形態に係るリチウム二次電池を、コイン型電池に適用した1例を示す模式図である。このコイン型電池1は、負極端子2、負極3、(セパレータ+電解液)4、絶縁パッキング5、正極6、正極缶7により構成される。
リチウム二次電池では、上記チタン酸化物を含む活物質に、必要に応じて導電剤、結着剤等を配合して電極合材を調整し、これを集電体に圧着することにより電極が作製できる。集電体としては、好ましくはステンレスメッシュ、アルミ箔等を用いることができる。導電剤としては、好ましくはアセチレンブラック、ケッチェンブラック等を用いることができる。結着剤としては、好ましくはテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等を用いることができる。
電極合材における電極活物質、導電剤、結着剤等の配合も特に限定的ではないが、通常は導電剤が1~30重量%程度(好ましくは5~25重量%)、結着剤が0~30重量%(好ましくは3~10重量%)とし、残部を電極活物質となるようにすればよい。
リチウム二次電池において、上記電極に対する対極としては、例えば金属リチウム、リチウム合金など、負極として機能し、リチウムを吸蔵している公知のものを採用することができる。或いは、対極として、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)やスピネル型リチウムマンガン酸化物(LiMn)などの、正極として機能し、かつリチウムを吸蔵している公知のものも採用することもできる。すなわち、組み合わせる電極構成材料によって、本実施形態の電極活物質を含有する電極は、正極としても、負極としても機能できる。
また、本実施形態のリチウム二次電池において、セパレータ、電池容器等も公知の電池要素を採用すればよい。
さらに、電解質としても公知の電解液、固体電解質等が適用できる。例えば、電解液としては、過塩素酸リチウム、6フッ化リン酸リチウム等の電解質を、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)等の溶媒に溶解させたものが使用できる。
以下に、実施例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明確にする。本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
実施例1
(新規チタン酸ナトリウム水和物の製造方法)
二酸化チタン(結晶形:アナターゼ、比表面積:280m/g)2gを水酸化ナトリウム20gと蒸留水50mlと合わせて混合し、内容積100mlのテフロン(登録商標)ライナー付き水熱合成容器に封入した。これを恒温槽に入れて室温から1時間で200℃まで昇温し、その後24時間保持し水熱合成を行った。合成終了後、恒温槽内で室温まで自然冷却した。冷却後、水熱合成容器から溶液ごと試料を取り出し、メンブレンフィルター(細孔径:0.2μm)を用いて固形分を吸引濾過で分離回収した。回収した固形分は、洗浄のために、超音波洗浄器を用いてイオン交換水に一旦分散し、再度メンブレンフィルターを用いて吸引濾過を行った。回収した固形分は70℃の乾燥器にて一昼夜乾燥し、凝集物をメノウ乳鉢で軽く解砕して、試料Aを得た。
(新規チタン酸ナトリウム水和物の分析)
このようにして得られた試料Aは、図2のエネルギー分散型X線分光装置を用いた特性X線測定による元素分析でNa、Ti、Oが構成元素として含まれていることがわかった(Cは両面テープあるいは炭素導電膜蒸着に由来)。また、図3のFT-IRによる吸収スペクトル測定では、3120cm-1付近(図3中の矢印)にブロードな吸収ピークが見られ、このことから、試料AにはOH基が存在することがわかった。さらに図4の熱重量分析により、室温から200℃付近までの加熱による重量減少と吸熱反応が認められ、吸着水及び層間や結晶構造中に取り込まれている水の脱離が起こっていることがわかった。重量変化がほとんどなくなった600℃まで加熱した場合の重量減少は10.13wt%であった。これらの結果より、試料Aはチタン酸ナトリウム水和物であることが明らかとなった。
図5に示すように、試料Aは、CuKαを線源とした粉末X線回折により、2θ=10.42°(ピーク1)、15.68°(ピーク2)、24.96°(ピーク3)、29.68°(ピーク4)、48.44°(ピーク5)の位置に少なくともピークを有していた。代表的なチタン酸ナトリウム水和物の粉末X線回折結果と比較してみたところ、表1のような結果となり、上記のピークを全て満たすチタン酸ナトリウム水和物は見つからず、新規チタン酸ナトリウム水和物であることがわかった。また、表2に示すように、前記ピーク3~5のピーク半値幅がそれぞれ0.23°、0.40°、0.23°であった。
Figure 0007062304000001
Figure 0007062304000002
試料AのH固体NMRによる分析には、ブルカー製NMR AVANCEIII 400WBを用いて室温にて行った。分析前の試料の乾燥状態によって、図6のように得られるシグナルパターンが異なっていた。乾燥温度が高くなると、5.3ppm付近のシグナルが急速に減少しており、13.1ppm付近のシグナルがケミカルシフトの低い方へ移動していた。このことより、5.3ppm及び13.1ppm付近は吸着水や層間に入り込んだ水による1H固体NMRのシグナルであり、それ以外が試料A本来の1H固体NMRシグナルである。110℃で乾燥した試料には、上記以外に12.03ppm、7.04ppm、1.74ppmにシグナルピークを示していた。なお、どの測定においてもケミカルシフト1.7ppm付近にシグナルが観察されるが、これはZrO2製測定容器に由来するものであり、測定容器のみで測定した場合、ケミカルシフト1.68ppmの位置に現れた。なお、H固体NMRのケミカルシフト値の校正は、グリシンのカルボニル基を176.48ppmに合わせている。
十分に乾燥することで試料本来のH固体NMRシグナルを得ることができるが、これ自体が異なる局所構造を持つ1H固体NMRシグナルの重ね合わせによって示されているため、個々のシグナルを正確に把握するため、ピーク分離を行った。ローレンツ型分布のピークを5つ設定し、Hの由来がわかっている1.68ppm、5.3ppm、13.1ppm付近のシグナルはフィッティング時におけるピーク位置の変動範囲を±0.05ppmに制限した。また、各ピークの半値幅は2ppm以下とした。乾燥状態の異なる3つの試料の1H固体NMR測定結果についてピーク分離を行った結果、図6のように5つのピークに分離できた。ピーク分離後のピーク位置はそれぞれ表3のようになり、ピークb及びcが試料に由来する1H固体NMRシグナルであった。
Figure 0007062304000003
(新規チタン酸ナトリウムのイオン交換体の製造方法)
試料A約1gを25℃の室温で、0.5mol/Lの塩酸水溶液100mLに懸濁し、テフロン加工したマグネット撹拌子で12時間撹拌し、その後12時間静置して固形物を沈降させ、上澄み液を除去した。残った固形分に新鮮な0.5mol/Lの塩酸水溶液を100mLになるように追加して同様の操作を更に2回行った。最後にイオン交換水で洗い流しながら、メンブレンフィルター(細孔径:0.2μm)で固形分を吸引濾過した。この段階で、イオン交換水で固形分を複数回洗浄し、フィルターに付着したまま固形分をシャーレに載せて60℃の乾燥器に入れて一昼夜乾燥して、試料A’を得た。
(新規チタン酸ナトリウム水和物のイオン交換体の分析)
このようにして得られた試料A’は、図7のエネルギー分散型X線分光装置を用いた特性X線測定による元素分析でTiとOが構成元素として含まれていることがわかり、Naは確認することができなかったことから、Na+/H+イオン交換が行われていることがわかった。また、図8のFT-IRによる吸収スペクトル測定では、3130cm-1付近(図8中の矢印)にブロードな吸収ピークが見られ、このことから、試料A’にはOH基が存在することがわかった。更に図9の熱重量分析により、室温から200℃付近までの加熱による重量減少と吸熱反応が認められ、吸着水及び層間や結晶構造中に取り込まれている水の脱離が起こっていることがわかった。重量変化がほとんどなくなった600℃まで加熱した場合の重量減少は15.53wt%であった。
試料A’は、CuKαを線源とした粉末X線回折により、図10のようなパターンを示しており、2θ=10.97°の位置にシャープなピークを有していることから、層状構造を維持したまま、イオン交換が行われていることがわかった。
試料A’のH固体NMRによる分析は、チタン酸ナトリウム水和物の測定を参考にして、110℃で乾燥した状態の物を用いて行った。試料A’では、図11のように、ピーク分離により、12.1ppm、10.2ppm、7.8ppm、5.3ppm、1.63ppm(測定容器由来)の5つのピークが確認された。
(新規チタン酸化物の製造方法)
試料A’約0.5gをアルミナ製容器に入れ、ボックス型の電気炉を用いて、空気中、260℃で5時間焼成し、その後炉冷し、試料A”を得た。
比較例1
特許文献2の方法で、HTO(試料B)を得た。
(新規チタン酸化物[試料A”]とHTO[試料B]の分析)
このようにして得られた試料A”は、エネルギー分散型X線分光装置を用いた特性X線測定による元素分析でTiとOが構成元素として含まれていることがわかった(図12)。また、図13に試料A”と試料Bの FT-IRによる吸収スペクトル測定を示す。試料A”では3300cm-1付近(図13中の矢印)にブロードな吸収ピーク、試料Bでは3420cm-1付近に吸収ピークが見られ、このことから、試料A”と試料BにはOH基が存在することがわかった。さらに500~1000cm-1付近は、Ti-O-Ti骨格による伸縮振動が現れる領域であり、試料A”においては760cm-1と960cm-1にTi-O-Ti骨格の伸縮振動による吸収スペクトルが見られた。試料Bにおいては760cm-1と910cm-1に吸収スペクトルが見られたが、高波数側のピークの位置が試料A”とは異なっていた。
図14の熱重量分析により、試料A”では、室温から200℃付近までの加熱による重量減少と吸熱反応が認められ、吸着水及び層間や結晶構造中に取り込まれている水の脱離が起こっていることがわかった。重量変化がほとんどなくなった600℃まで加熱した場合の重量減少は、4.04wt%であった。また、260℃で加熱して脱水した直後の試料A”9.25mgを大気中に3日間放置すると0.54mg(5.8wt%)の重量の増加が確認され、層状構造などの大気中の水分を吸収しやすい構造が残っていることがわかった。試料Bの熱重量分析では、200℃付近までの加熱ではほとんど重量減少は起きておらず、吸着水及び層間などに取り込まれている水がほとんどないことを示していた。また、試料Bの600℃までの加熱での重量減少は2.19wt%であり、試料A”とは加熱時の挙動が大きく異なっていた。
試料A”は、CuKαを線源とした粉末X線回折により、図15のようなパターンを示しており、2θ=14.0°、24.4°、28.8°、44.0°、48.1°、57.3°、67.1°の位置に少なくともピークを有しており、全体的にピークが広がっていた。2θ=24.4°、48.1°のピーク半値幅はそれぞれ、1.18°と0.34°であった。試料Bは、2θ=14.0°、24.7°、28.7°、44.4°、48.5°、57.5°、67.1°の位置にピークを有しており、2θ=24.7°、48.5°のピーク半値幅は、それぞれ0.19°と0.20°であった。
試料A”と試料BのH固体NMRによる分析は、チタン酸ナトリウム水和物の測定を参考にして、110℃で乾燥した状態の物を用いて行った。図16に試料A”と試料BのH固体NMR測定結果を、表4にピーク分離後のピーク位置とピーク強度比を示した。試料A”では、ピーク分離により、ピーク1(10.22ppm、試料由来)、ピーク2(7.15ppm、試料由来)、ピーク3(1.63ppm、測定容器由来)にシグナルピークを示していた。試料BのH固体NMRによる分析では、10.01ppm(ピーク1)と6.62ppm(ピーク2)にシグナルピークを持っており、試料A”とは異なっていた。また、試料A”のピーク強度比(Iピーク1/Iピーク2)は、0.47であり、試料Bでは2.74であった。これらのことから、試料A”と試料Bでは、ピーク位置及びピーク強度比が異なっており、すなわち、Hの局所構造及びその存在比が異なっており、異なる物質であることが明らかとなった。
Figure 0007062304000004
(リチウム二次電池)
このようにして得られた試料A”と試料Bを活物質として、導電剤としてアセチレンブラック、結着剤としてポリテトラフルオロエチレンを重量比で5:5:1となるように配合して電極を作製し、対極にリチウム金属を用いて、6フッ化リン酸リチウムをエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との混合溶媒(体積比1:1)に溶解させた1M溶液を電解液とする、図17に示す構造のリチウム二次電池(コイン型セル)を作製し、その電気化学的リチウム挿入・脱離挙動を測定した。電池の作製は、公知のセルの構造・組み立て方法に従って行った。
作製されたリチウム二次電池について、25℃の温度条件下で、電流密度10mA/g、3.0V-1.0Vのカットオフ電位で電気化学的にリチウム挿入・脱離試験を行った。リチウム挿入時には電圧が1.0Vに達した後、2時間1.0Vを維持した。リチウム挿入・脱離に伴う電圧変化を図18に示す。いずれも1.6V付近に電圧平坦部を有し、可逆的なリチウム挿入・脱離反応が可能であることが判明した。試料A”のリチウム挿入量を電圧が1.0Vに達した時点で評価すると、活物質重量当たりの初期挿入量は286mAh/gであり、試料Bの259mAh/gより高い値であった。また、試料A”の初期脱離量は247mAh/gであり、初期充放電効率は86%であり、試料B(86%)とほぼ同等であった。さらに、10サイクル後においても試料A”は246mAh/gの放電容量を維持可能であることが明らかになった。以上から、本発明の新規チタン酸化物活物質は、試料Bを凌ぐ可逆性の高いリチウム挿入・脱離反応が可能であり、リチウム二次電池電極材料として有望であることが明らかとなった。
実施例2
実施例1のチタン酸ナトリウム水和物の合成において、導電性カーボン微粒子(TIMICAL社製 SuperC65、比表面積46m/g)20mgを添加して合成を行い、試料Cを得た。
図19及び表2に示すように、試料Cは、CuKαを線源とした粉末X線回折により、2θ=10.37°、15.73°、24.9°、29.7°、48.52°に少なくともピークを有しており、前記2θ=24.9°、29.7°、48.52°に存在するピークのピーク半値幅がそれぞれ0.29°、0.49°、0.29°であった。
試料Cを実施例1と同様にイオン交換して焼成を行ったもの(試料C”)は、実施例1(図15)と同様の粉末X線回折のパターンを示し(図20)、2θ=24.4°、48.2°のピーク半値幅はそれぞれ、1.0°と0.45°であった。
試料C“を用いて実施例1と同様にリチウム二次電池を作製し、その電気化学的リチウム挿入・脱離を測定した所、活物質重量当たりの初期挿入量、初期脱離量及び初期充放電効率はそれぞれ288mAh/g、250mAh/g、87%であった。
比較例2
実施例1のチタン酸ナトリウム水和物の合成において、水熱合成温度を180℃として合成を行い、試料Dを得た。
図21及び表2に示すように、試料Dは、CuKαを線源とした粉末X線回折により、2θ=9.8°、24.1°、28.3°、48.1°に少なくともピークを有しており、前記2θ=24.1°、28.3°、48.1°に存在するピークのピーク半値幅がそれぞれ1.38°、1.92°、0.84°であった。
試料Dを実施例1と同様にイオン交換して得られた試料D’は、前駆体であるチタン酸ナトリウム水和物の結晶性が低いために、イオン交換過程で結晶構造が崩れしまい、試料A’(図10)とは異なる粉末X線回折パターンとなった(図22)。さらに、試料D’を実施例1と同様に焼成を行って得られ試料D”は、アナターゼを主成分とするチタン酸化物となっており、実施例1(図15)とは異なっていた。
比較例3
実施例1のチタン酸ナトリウム水和物の合成において、水熱合成時間を6時間として合成を行い、試料Eを得た。
図23及び表2に示すように、試料Eは、CuKαを線源とした粉末X線回折により、2θ=9.3°、24.0°、28.1°、48.2°に少なくともピークを有しており、前記2θ=24.0°、28.1°、48.2°に存在するピークのピーク半値幅がそれぞれ0.80°、1.71°、0.63°であった。
比較例4
実施例1のチタン酸ナトリウム水和物の合成において、NaOHを15g(TiO2に対して重量比で7.5倍)として合成を行い、試料Fを得た。
図24及び表2に示すように、試料Fは、CuKαを線源とした粉末X線回折により、2θ=8.8°、24.1°、28.2°、48.1°に少なくともピークを有しており、前記2θ=24.1°、28.2°、48.1°に存在するピークのピーク半値幅がそれぞれ1.11°、1.53°、0.86°であった。
実施例3
実施例1のチタン酸ナトリウム水和物の合成において、硫酸ナトリウム3.55gを添加して合成を行い、試料Gを得た。
図25及び表2に示すように、試料Gは、CuKαを線源とした粉末X線回折により、2θ=10.29°、15.63°、24.92°、29.66°、48.41°に少なくともピークを有しており、前記2θ=24.92°、29.66°、48.41°に存在するピークのピーク半値幅がそれぞれ0.17°、0.29°、0.23°であった。
実施例4
実施例1の試料A’を空気中、300℃で5時間焼成し、その後炉冷し、試料A”-2を得た。
試料A”-2は、CuKαを線源とした粉末X線回折により、図26のようなパターンを示しており、2θ=24.6°、48.3°のピーク半値幅はそれぞれ、1.18°と0.45°であった。
試料A”-2を用いて実施例1と同様にリチウム二次電池を作製し、その電気化学的リチウム挿入・脱離を測定した所、活物質重量当たりの初期挿入量、初期脱離量及び初期充放電効率はそれぞれ274mAh/g、248mAh/g、91%であった。
実施例5
実施例1の試料A’を空気中、400℃で5時間焼成し、その後炉冷し、試料A”-3を得た。
試料A”-3は、CuKαを線源とした粉末X線回折により、図27のようなパターンを示しており、2θ=24.8°、48.3°のピーク半値幅はそれぞれ、0.9°と0.5°であった。
試料A”-3を用いて実施例1と同様にリチウム二次電池を作製し、その電気化学的リチウム挿入・脱離を測定した所、活物質重量当たりの初期挿入量、初期脱離量及び初期充放電効率はそれぞれ262mAh/g、248mAh/g、95%であった。
実施例6
実施例1のチタン酸ナトリウム水和物の合成において、蒸留水の代わりに酸化グラフェン懸濁液(Graphene Supermarket製)50ml(固形分含有量21.5mg)を用いて合成を行い、試料Hを得た。
図28及び表2に示すように、試料Hは、CuKαを線源とした粉末X線回折により、2θ=10.43°、15.68°、25.0°、29.76°、48.53°に少なくともピークを有しており、前記2θ=25.0°、29.81°、48.53°に存在するピークのピーク半値幅がそれぞれ0.19°、0.43°、0.29°であった。
試料Hを実施例1と同様にイオン交換して焼成を行ったもの(試料H”)は、実施例1(図15)と同様の粉末X線回折のパターンを示し(図29)、2θ=24.45°、48.17°のピーク半値幅はそれぞれ、1.1°と0.33°であった。
試料H”を用いて実施例1と同様にリチウム二次電池を作製し、その電気化学的リチウム挿入・脱離を測定した所、活物質重量当たりの初期挿入量、初期脱離量及び初期充放電効率はそれぞれ292mAh/g、249mAh/g、85%であった。
実施例7
実施例1のチタン酸ナトリウム水和物の合成において、チタン源として、導電性カーボン微粒子(TIMICAL社製 SuperC65、比表面積46m/g)約1wt%を内包したチタニア水和物を用いて合成を行い、試料Iを得た。導電性カーボン微粒子を内包したチタニア水和物は、硫酸チタニルと尿素を溶解した水溶液に導電性カーボン微粒子を懸濁し、水浴で加熱する事で導電性カーボン微粒子を内包しながらチタニア水和物の沈殿が生成することで得た。
図30及び表2に示すように、 試料Iは、CuKαを線源とした粉末X線回折により、2θ=10.3°、15.73°、24.97°、29.7°、48.48°に少なくともピークを有しており、前記2θ=24.97°、29.7°、48.48°に存在するピークのピーク半値幅がそれぞれ0.14°、0.36°、0.24°であった。
試料Iを実施例1と同様にイオン交換して焼成を行ったもの(試料I”)は、実施例1(図15)と同様の粉末X線回折のパターンを示し(図31)、2θ=24.55°、48.2°のピーク半値幅はそれぞれ、1.22°と0.36°であった。
試料I”を用いて実施例1と同様にリチウム二次電池を作製し、その電気化学的リチウム挿入・脱離を測定した所、活物質重量当たりの初期挿入量、初期脱離量及び初期充放電効率はそれぞれ283mAh/g、249mAh/g、88%であった。
本発明によれば、特徴的な局所構造を有するHを含有し、特徴的なTi-O-Ti骨格の振動を有する新規チタン酸化物を製造することができる。この方法は、特別な装置を必要とせず、また、使用する原料も低価格であることから、低コストで高付加価値の材料を製造可能である。
特に本発明の方法で得られた新規チタン酸化物は、高容量であり、かつ、初期充放電効率、サイクル特性の観点で優れたリチウム二次電池電極材料として実用的価値の極めて高いものである。
また、このチタン酸化物を活物質として電極材料に適用したリチウム二次電池は、高容量が期待でき、可逆的なリチウム挿入・脱離反応が可能で、長期にわたる充放電サイクルに対応可能な電池である。
1:コイン型リチウム二次電池
2:負極端子
3:負極
4:セパレータ+電解液
5.:絶縁パッキング
6:正極
7:正極缶

Claims (8)

  1. チタン酸化物の製造方法であって、
    チタン源とナトリウム源を溶解あるいは懸濁した溶液を用いた水熱合成法により190℃以上の反応温度でチタン酸ナトリウム水和物を合成する工程と、
    該チタン酸ナトリウム水和物のプロトン交換体を合成する工程と、
    該チタン酸ナトリウム水和物のプロトン交換体を酸素ガス含有雰囲気あるいは不活性ガス雰囲気中で熱処理する工程と、
    を有し、
    前記チタン酸化物は、
    Hを含有し、
    1 H固体NMR測定において、400MHzの電磁波を用い、毎分10000~12500回転した室温の試料から得られるスペクトルをピーク分離した際のピークトップが9-11ppm(ピーク1)と6.7-8ppm(ピーク2)に存在し、この2つのピークのピーク強度比(I ピーク1 /I ピーク2 )が1.0以下である、
    チタン酸化物の製造方法。
  2. 前記チタン酸ナトリウム水和物が、CuKαを線源とした粉末X線回折パターンにおいて、2θ=10.1~10.5°、15.4~15.8°、24.7~25.1°、29.4~29.8°、48.2~48.6°の位置に少なくともピークを有し、前記2θ=24.7~25.1°、29.4~29.8°、48.2~48.6°に存在するピークのピーク半値幅がそれぞれ0.8°以下である、
    請求項に記載のチタン酸化物の製造方法。
  3. 前記チタン酸ナトリウム水和物が、1H固体NMR測定において、400MHzの電磁波を用い、毎分10000~12500回転した室温の試料から得られるスペクトルをピーク分離した際に、ピークトップが11.4~12.7ppmと6.4~7.6ppmに存在する、
    請求項またはに記載のチタン酸化物の製造方法。
  4. Hを含有し、
    1H固体NMR測定において、400MHzの電磁波を用い、毎分10000~12500回転した室温の試料から得られるスペクトルをピーク分離した際のピークトップが9-11ppm(ピーク1)と6.7-8ppm(ピーク2)に存在し、この2つのピークのピーク強度比(Iピーク1/Iピーク2)が1.0以下である、
    チタン酸化物。
  5. 前記チタン酸化物が、赤外線吸光分析において、930~990cm-1に吸収ピークをもつ、
    請求項4に記載のチタン酸化物。
  6. 前記チタン酸化物が、CuKαを線源とした粉末X線回折パターンにおいて、2θ=24.2~25.2°、47.9~48.6°に存在するピークのピーク半値幅がそれぞれ、0.5~2°と0.25~1°である、
    請求項4または5に記載のチタン酸化物。
  7. 請求項4~6のいずれかに記載のチタン酸化物を含む、電極活物質。
  8. 請求項7に記載の電極活物質を用いた蓄電デバイス。
JP2019543481A 2017-09-21 2018-08-17 チタン酸化物及びその製造方法、並びに該チタン酸化物を用いた電極活物質及び蓄電デバイス Active JP7062304B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017181124 2017-09-21
JP2017181124 2017-09-21
PCT/JP2018/030480 WO2019058822A1 (ja) 2017-09-21 2018-08-17 チタン酸化物及びその製造方法、並びに該チタン酸化物を用いた電極活物質及び蓄電デバイス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2019058822A1 JPWO2019058822A1 (ja) 2020-11-05
JP7062304B2 true JP7062304B2 (ja) 2022-05-06

Family

ID=65810129

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019543481A Active JP7062304B2 (ja) 2017-09-21 2018-08-17 チタン酸化物及びその製造方法、並びに該チタン酸化物を用いた電極活物質及び蓄電デバイス

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP7062304B2 (ja)
TW (1) TW201914964A (ja)
WO (1) WO2019058822A1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008255000A (ja) 2007-03-13 2008-10-23 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 新規チタン酸化物及びその製造方法、並びにそれを活物質として用いたリチウム二次電池
JP2013105744A (ja) 2011-11-11 2013-05-30 Samsung Sdi Co Ltd 複合体、その製造方法、それを含む負極活物質、それを含む負極及びそれを採用したリチウム二次電池

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008255000A (ja) 2007-03-13 2008-10-23 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 新規チタン酸化物及びその製造方法、並びにそれを活物質として用いたリチウム二次電池
JP2013105744A (ja) 2011-11-11 2013-05-30 Samsung Sdi Co Ltd 複合体、その製造方法、それを含む負極活物質、それを含む負極及びそれを採用したリチウム二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
TW201914964A (zh) 2019-04-16
JPWO2019058822A1 (ja) 2020-11-05
WO2019058822A1 (ja) 2019-03-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5158787B2 (ja) 新規チタン酸化物及びその製造方法、並びにそれを活物質として用いたリチウム二次電池
JP5803539B2 (ja) リチウム含有複合酸化物粉末の製造方法
KR101781764B1 (ko) 이방성 구조를 갖는 알칼리 금속 티탄 산화물 및 티탄 산화물 그리고 이들 산화물을 포함하는 전극 활물질 및 축전 디바이스
JP5897971B2 (ja) 電極活物質、非水系二次電池用電極、非水系二次電池及び非水系二次電池用電極の製造方法
TWI726967B (zh) 鋰鐵錳系複合氧化物
JP5724269B2 (ja) 複合酸化物の製造方法
JP5083866B2 (ja) リチウム電池用活物質およびその製造方法、並びに該活物質を用いたリチウム電池
JP7363747B2 (ja) 正極活物質の製造方法、正極活物質およびリチウムイオン電池の製造方法
JP5644273B2 (ja) チタン酸化物及びその製造方法、並びにそれを部材として使用した電気化学デバイス
JP2019123668A (ja) リチウムナトリウム複合酸化物、二次電池用正極活物質および二次電池
WO2012032709A1 (ja) 複合酸化物の製造方法、二次電池用正極活物質および二次電池
JP5880928B2 (ja) リチウムマンガンチタンニッケル複合酸化物及びその製造方法、並びにそれを部材として使用したリチウム二次電池
JP4686871B2 (ja) リチウム二次電池
JP4431786B2 (ja) リチウム二次電池用正極材料及びその製造方法、ならびにそれを用いたリチウム二次電池
WO2011096236A1 (ja) 複合酸化物の製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質およびリチウムイオン二次電池
JP2013060319A (ja) リチウムマンガン(iv)ニッケル(iii)系酸化物、その酸化物を含むリチウムイオン二次電池用正極活物質、その正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池及びそのリチウムイオン二次電池を搭載した車両
WO2007007581A1 (ja) リチウム二次電池用正極材料及びその製造方法、ならびにそれを用いたリチウム二次電池
JP7048944B2 (ja) チタン及び/又はゲルマニウム置換リチウムマンガン系複合酸化物及びその製造方法
JP7062304B2 (ja) チタン酸化物及びその製造方法、並びに該チタン酸化物を用いた電極活物質及び蓄電デバイス
CN113348150B (zh) 钛氧化物、钛氧化物的制造方法以及使用含有钛氧化物的电极活性物质的锂二次电池
KR101611146B1 (ko) 산화티타늄 화합물 및 이것을 사용한 전극 및 리튬 이온 2차 전지
JP2013140760A (ja) 非水電解質二次電池用活物質の製造方法およびそれを用いた二次電池
JP2014177371A (ja) 二酸化チタン、リチウムイオン二次電池、ハイブリッドキャパシタ及び二酸化チタンの製造方法
JP2016064967A (ja) リチウム複合酸化物、リチウム複合酸化物の製造方法、リチウム二次電池用正極活物質、及び、リチウム二次電池
WO2022249937A1 (ja) 非水電解液二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200316

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210603

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220413

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7062304

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150