JP7062024B2 - 膜/電極接合体の製造方法、膜/電極接合体及び燃料電池 - Google Patents
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Description
(RはH、K、Li、Na、Rb、Csのうち選択された無機カチオン性や又はN+R1R2R3R4(アンモニウム)、P+R1R2R3R4(ホスホニウム)、N+NR1R2R3R4R5(イミダゾリウム)、NH+R1R2R3R4R5(ピリジニウム)、ピロリジニウム、及びスルホニウムのうち選択された有機カチオン性であり、XとYは各々5~50範囲内の数であり、nは、2~50の整数であり、R1、R2、R3、R4及びR5は互いに同一であるか異なり、各々独立的にC1~C7の直鎖又は分枝アルキル基である。)
(RはH、K、Li、Na、Rb、Csのうち選択された無機カチオン性や又はN+R1R2R3R4(アンモニウム)、P+R1R2R3R4(ホスホニウム)、N+NR1R2R3R4R5(イミダゾリウム)、NH+R1R2R3R4R5(ピリジニウム)、ピロリジニウム、スルホニウムのうち選択された有機カチオン性であり、XとYは各々5~50範囲内の数であり、nは2~50の整数であり、R1、R2、R3、R4、及びR5は互いに同一であるか異なり、各々独立的にC1~C7の直鎖又は分枝アルキル基である。)
<機能性層コーティング電極の製造>
下記の表1の構成により、炭素に担持された白金触媒(Pt/C)、非プロトン性溶媒(N-Methyl-2-pyrrolidone、NMP)基盤の水素イオン伝導性バインダであるアクイヴィオン樹脂(Aquivion D83)を含む溶液を使用する触媒層コーティング組成物を製造した。アクイヴィオンのイオノモの含量は全体固形物を基準として35wt%である。
水素イオン伝導性バインダーであるアクイヴィオン樹脂(Aquivion D83)の懸濁液(76重量%物含量)にヘキサン-1-オールアルコールを5重量%添加し、水を追加して10重量%電解質層コーティング組成物を製造した。電解質層は、ドクターブレード方式で機能性層上にコーティングした。電解質層の厚さは10μmである。
多孔性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)支持体をエタノールに30分間浸漬した後、50℃で真空乾燥して気孔内部の不純物を除去した。
機能性層がコーティングされた電極を上段と下段のロールに配置し、前処理された多孔性支持体が中間に挿入されるようロールを配置した後、同時にロールラミネーション(熱間圧着)されて膜/電極接合体を製造した。ロールラミネーションは、120℃温度及び10kgf/cm2の圧力で1mm/sec速度で実行された。
<ポリテトラフルオロエチレン多孔性支持体の前処理>
多孔性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)支持体をエタノールに30分間浸漬した後50℃で真空乾燥して気孔内部の不純物を除去した。
実施例1の機能性層がコーティングされた電極と製造された非水系アクイヴィオン溶液で前処理された多孔性支持体を用いて、実施例1と同じ条件のロールラミネーション工程を介してMEAを製造した。
<ポリエチレン多孔性支持体の前処理>
多孔性ポリエチレン(PE)支持体をエタノールに30分間浸漬した後50℃で真空乾燥して気孔内部の不純物を除去した。
実施例1の機能性層がコーティングされた電極と炭化水素高分子(Sulfonated poly(arylene ether sulfone、SPES 50、スルホン化も50%)溶液で前処理された多孔性支持体を用いて、実施例1と同じ条件のロールラミネーション工程を介してMEAを製造した。
<ペルフルオロ化強化複合膜の製造>
ペルフルオロ化強化複合膜は、多孔性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)支持体の内部容積を水素イオン伝導性ペルフルオロ化高分子(Aquivion D83)に含浸させ製造した。強化複合膜の厚さは27μmである。
機能性層がコーティングされていない電極と製造された強化複合膜を用いて従来におけるテカル工程を介してMEAを製造した。
<機能性層コーティング電極の製造>
実施例1の機能性層コーティング組成物でセリウム(III)イオン(酸化防止剤)と白金担持炭素粒子(ガス透過低減剤)の2種添加剤を除いて、ヘキサン-1-オールアルコールを5重量%添加し、水を追加して10重量%の機能性層コーティング組成物を製造した。
実施例1と同じ条件のロールラミネーション(熱間圧着)工程を介してMEAを製造した。
<電解質コーティング電極の製造>
アクイヴィオン樹脂(Aquivion D83)の懸濁液(76重量%物含量)の溶媒をNMPに置換させ、10重量%電解質層のコーティング組成物を製造してドクターブレード方式で電極の上にコーティングした。
実施例1と同じ条件のロールラミネーション(熱間圧着)工程を介してMEAを製造した。
<膜電極接合体の製造>
実施例1の機能性層がコーティングされた電極と前処理されていない多孔性支持体を用いて、実施例1と同じ条件のロールラミネーション工程を介してMEAを製造した。
(1)走査電子顕微鏡の試験分析
(機能性層による電解質浸透防止の改善)
機能性層の導入することで電解質が電極に浸透することを防止するのかを確認するために、実施例1と比較例3によって製造されたMEAの膜/電極界面を走査電子顕微鏡で確認し、これについて図3に比較して示した。実施例1は、膜と電極が均一な厚さで積層された構造を形成していると見られるが、比較例3は、電解質が電極に浸透して電極の厚さが不均一であることが見られる。
(多孔性支持体の前処理による電解質含浸率の改善)
多孔性支持体の前処理によって電解質の含浸率が向上するのかを確認するために、実施例1と比較例4によって製造されたMEAの膜/電極界面を走査電子顕微鏡で確認した(図3)。実施例1は、電解質が多孔性支持体の中に含浸されて試料が切断された断面を確認できるが、比較例4は、電解質が多孔性支持体で十分に含浸されることができず、試料の切断時に支持体が二階に裂けて分離されている形状が見られる。
(製造工程及び強化複合膜の種類に応じる性能評価)
実施例1、2と3及び比較例1によって製造したMEAの単位セル性能を評価し、製造工程と強化複合膜の種類に応じる性能を図4に比較した。比較例1は、0.6Vで電流密度は717mA/cm2であったが、実施例1は、1274mA/cm2で電流密度が向上されてロールラミネーション(熱間圧着)工程がテカル工程よりもMEAの性能改善により有効であることが確認された。また、多孔性支持体は、アルコール系溶液によって前処理された実施例1(1274mA/cm2)よりも非水系溶液によって前処理された実施例2(1118mA/cm2)の性能が多少低いものと確認されたが、類似の水準であると判断される。
機能性層によるガス透過低減効果は、水素透過電流密度(crossover current density)を介して確認された。ここで、実施例1と比較例1、2によって製造されたMEAの水素透過度の測定結果を図5に比較した。比較例1と比較例2の水素透過電流密度は、0.4Vで1.8mA/cm2と同一であったが、実施例1は1.4mA/cm2減少した。これにより、水素透過電流密度の減少で機能成層内の分散したガス透過調節剤の効果が検証された。
機能性層による酸化防止効果は、DOE(U.S.Department of Energy)によって提案された物理的及び化学的な加速劣化試験プロトコル、個回路電圧と結合された湿式/乾式サイクリング試験(OCV combined wet-dry cycling test)を介して評価された。個回路電圧と結合された湿式/乾式サイクリング試験は、90℃で相対湿度0%RH(30秒)/100%RH(45秒)を一サイクル条件で水素燃料及び空気を供給する条件で実行された。
Claims (18)
- 電極層を備えるステップと、
多孔性支持体層を備えるステップと、
前記多孔性支持体の両面に各々電極層を位置させて熱間圧着するステップと、
を含み、
前記電極層を備えるステップは、電極触媒層上の少なくとも一部に水素イオン伝導性バインダー樹脂を含む機能性層を形成するステップと、前記機能性層上の少なくとも一部に電解質層を形成するステップと、
を含み、
前記機能性層は、酸化防止剤とガス透過調節剤とを含む機能性添加剤をさらに含み、
前記酸化防止剤は、セリウム(III)イオン、マンガン(III)イオン、セリウム酸化物(CeO2)、マンガン酸化物(MnO2)、及びセリウムナノ粒子からなる群で選択された少なくともいずれか1つを含み、
前記ガス透過調節剤は、金属担持炭素粒子を含み、前記金属は、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、及び鉄(Fe)からなる群で選択された少なくともいずれか1つを含む単一金属又は合金であり、
前記電解質層は前記機能性層よりも厚く形成され、
前記電解質層は前記熱間圧着するステップにて前記多孔性支持体に浸透し、
前記多孔性支持体層を備えるステップは、前記多孔性支持体に前処理組成物を含浸させ前処理するステップをさらに含み、
前記電解質層は水素イオン伝導性バインダー樹脂を含み、
前記酸化防止剤:前記ガス透過調節剤の比率(モル%)は、1:0.01~1:20であり、
前記水素イオン伝導性バインダー:前記酸化防止剤及び前記ガス透過調節剤の比率(モル%)は、1:0.001~1:0.2である、
膜/電極接合体の製造方法。 - 前記機能性層は、1μm~10μmの厚さを有する、請求項1に記載の膜/電極接合体の製造方法。
- 前記水素イオン伝導性バインダー樹脂は、ペルフルオロ化系高分子、スルホン化された炭化水素系高分子、ベンゾイミダゾール系高分子、ポリイミド系高分子、ポリエーテルイミド系高分子、ポリエーテルケトン系高分子、ポリエーテルエーテルケトン系高分子、及びポリフェニルキノキサリン系高分子からなる群で選択された少なくともいずれか1つを含む、請求項1に記載の膜/電極接合体の製造方法。
- 前記機能性層上の少なくとも一部に電解質層を形成するステップは、
水素イオン伝導性バインダー樹脂及び非水溶性溶媒を含む電解質層コーティング組成物を製造するステップと、
前記機能性層上の少なくとも一部に前記コーティング組成物をコーティングするステップと、
を含む、請求項1に記載の膜/電極接合体の製造方法。 - 前記水素イオン伝導性バインダー樹脂は前記電解質層コーティング組成物のうち1~40重量%として含まれ、前記水素イオン伝導性バインダー樹脂は、前記機能性層の水素イオン伝導性バインダーと同一であるか又は異なる、請求項4に記載の膜/電極接合体の製造方法。
- 前記非水溶性溶媒は、炭素数4~20の1次アルコール、2次アルコール、及び3次アルコールからなる群で選択された少なくともいずれか1つを含む、請求項4に記載の膜/電極接合体の製造方法。
- 前記機能性層:前記電解質層の厚さ比は、1:X(1<X≦10)である、請求項1に記載の膜/電極接合体の製造方法。
- 前記前処理するステップは、前記前処理組成物内に1℃~80℃温度及び1分~60分の間に浸漬し、
前記前処理組成物は、有機溶媒を含むか、又は水素イオン伝導性バインダー樹脂及び有機溶媒の双方を含む、請求項1に記載の膜/電極接合体の製造方法。 - 前記前処理するステップは、
第1前処理組成物内に前記多孔性支持体を浸漬した後乾燥するステップと、
第2前処理組成物内に乾燥された多孔性支持体を浸漬するステップと、を含み、
前記前処理ステップ後に前記多孔性支持体は、前記第2前処理溶液によって湿潤化された状態又は半乾燥された状態である、請求項8に記載の膜/電極接合体の製造方法。 - 前記第1前処理組成物は、有機溶媒を含み、
前記第2前処理組成物は、水素イオン伝導性バインダー樹脂及び有機溶媒を含む、請求項9に記載の膜/電極接合体の製造方法。 - 前記第2前処理組成物のうち前記水素イオン伝導性バインダー樹脂は0.5重量%~20重量%を含む、請求項9に記載の膜/電極接合体の製造方法。
- 前記第2前処理組成物は、含浸促進剤をさらに含み、
前記含浸促進剤は、前記第2前処理組成物のうち0.01重量%~10重量%で含み、
前記含浸促進剤は、非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤又はこの2つを含む、請求項9に記載の膜/電極接合体の製造方法。 - 前記有機溶媒は、炭素数1~20のアルコール、非プロトン性溶媒又はこの2つを含み、
前記第2前処理組成物は、2種以上のアルコールの適用時に1つのアルコール:残りのアルコールの混合比(質量比)は、1:10~1:30である、請求項10に記載の膜/電極接合体の製造方法。 - 前記第2前処理組成物は、アルコールを含む水系溶媒又は非プロトン性溶媒を含む非水系溶媒を含む、請求項10に記載の膜/電極接合体の製造方法。
- 前記熱間圧着するステップは、湿潤化状態又は半乾燥された状態の多孔性支持体の両面に各々電解質層が接するよう電極層を位置させ、熱間圧着する、請求項1に記載の膜/電極接合体の製造方法。
- 前記熱間圧着するステップは、100℃~200℃温度、1kgf/cm2~100kgf/cm2の圧力、及び1mm/sec~100mm/secの速度でロールラミネーションする、請求項1に記載の膜/電極接合体の製造方法。
- 多孔性支持体と、
前記多孔性支持体の両面に位置する電極層と、を含み、
前記電極層は、電極触媒層と、前記電極触媒層上に機能性層と、前記機能性層上に電解質層と、を含み、
前記電解質層の少なくとも一部は、前記多孔性支持体の厚さ方向に含浸される、請求項1の方法で製造された、膜/電極接合体。 - 請求項17に記載の膜/電極接合体を含む、燃料電池。
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