JP7061481B2 - 潤滑油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、潤滑油組成物に関する。
自動変速機、無段変速機等の変速機には、エンジンから変速機に動力を伝達するための潤滑油(変速機用潤滑油)が用いられている。変速機用潤滑油には、その摩擦特性を調整するために摩擦調整剤が配合される。摩擦調整剤としては、例えば、脂肪酸アミド等が知られている(下記特許文献1を参照)。
特開2014-177608号公報
変速機は、構成部品として、ベルト・プーリー、ベアリング、オイルポンプ等を有しており、その構成部品によって潤滑領域が異なるため、これらに使用される変速機用潤滑油においては、構成部品ごとに異なる性能が要求される。例えば、ベルト・プーリーにおいては、動力伝達のため、境界潤滑域での金属間摩擦係数を高く維持することが求められる。一方で、省燃費化を達成するためには、高回転で作動するベアリングやオイルポンプのような潤滑条件がマイルドな領域において、金属間摩擦係数を低く抑えることが求められる。しかしながら、従来の変速機用潤滑油は、これら要求特性について必ずしも満足できているとはいえない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、境界潤滑域において金属間摩擦係数を高く維持しつつ、高回転で潤滑条件がマイルドな領域においては金属間摩擦係数を低く抑えることができる潤滑油組成物を提供することを目的とする。
本発明は、潤滑油基油と、下記一般式(1)で表される摩擦調整剤と、下記一般式(2-1)及び下記一般式(2-2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の摩耗防止剤と、を含み、摩耗防止剤の含有量が、潤滑油組成物全量を基準として、リン元素換算で50~950質量ppmである、潤滑油組成物を提供する。
Figure 0007061481000001

[式(1)中、Rは炭素数3~30の炭化水素基を示し、R’は水素原子又は下記一般式(1’)で表される基を示し、nは1~3の整数を示す。
Figure 0007061481000002

(式(1’)中、mは1~3の整数を示す。)]
Figure 0007061481000003

[式(2-1)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数4~20の炭化水素基を示す。]
Figure 0007061481000004

[式(2-2)中、Rは水素原子、硫黄を含んでいてもよい炭素数4~20の炭化水素基又は芳香族基を示し、Rは硫黄を含んでいてもよい炭素数4~20の炭化水素基又は芳香族基を示す。]
本発明によれば、境界潤滑域において金属間摩擦係数を高く維持しつつ、高回転で潤滑条件がマイルドな領域においては金属間摩擦係数を低く抑えることができる潤滑油組成物を提供することができる。
本実施形態に係る潤滑油組成物は、潤滑油基油と、摩擦調整剤と、摩耗防止剤と、を含む。以下、各成分について詳細に説明する。
[潤滑油基油]
本実施形態において用いられる潤滑油基油としては特に制限されず、鉱油及び合成油のいずれも使用することができる。
鉱油としては、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理を単独又は2つ以上適宜組み合わせて精製したパラフィン系、ナフテン系等の鉱油、ノルマルパラフィン、イソパラフィン等が挙げられる。
合成油としては、従来公知の種々のものが使用可能である。例えば、ポリα-オレフィン(α-オレフィン共重合体を含む)、ポリブテン、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、リン酸エステル、ポリフェニルエーテル、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリオキシアルキレングリコール、ネオペンチルグリコール、シリコーンオイル、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヒンダードエステル等を用いることができる。
これらの潤滑油基油は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができ、鉱油と合成油を組み合わせて使用してもよい。潤滑油基油は、本発明の効果をより高レベルで発揮させる観点から、炭化水素系基油を用いることが好ましい。また、潤滑油基油としてエステル系基油を用いる場合、本発明の効果をより高レベルで発揮させる観点から、エステル系基油の含有量は、潤滑油基油全量を基準として、30質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
潤滑油基油の動粘度は、潤滑油組成物の用途・目的に応じて適宜選定することができる。例えば、本実施形態に係る潤滑油組成物を駆動系潤滑油として用いる場合、潤滑油基油の100℃における動粘度の上限値は、好ましくは30mm/s以下、より好ましくは20mm/s以下、更に好ましくは10mm/s以下である。一方、潤滑油基油の100℃における動粘度の下限値は、特に限定されないが、例えば、1mm/s以上、2mm/s以上、又は3mm/s以上である。100℃における動粘度が上記範囲にあると、変速機の摺動部における摩擦を十分に低減し得るとともに低温特性も良好となる。一方、100℃における動粘度が30mm/sを超えると、燃費が悪化し、また低温粘度が高くなりすぎる傾向にある。また、100℃における動粘度が1mm/s未満であると、自動変速機の摺動部において磨耗量が増加し、潤滑性能が低下するおそれや、蒸発性が高くなり潤滑油消費量が多くなるおそれがある。
本発明における動粘度は、JIS K2283:2000に準拠して測定された動粘度を意味する。
その他、本実施形態において用いられる潤滑油基油の粘度指数、NOACK蒸発量等の各物性は、当該潤滑油組成物の用途に応じて適宜設定することが可能である。
潤滑油基油の含有量は、潤滑油組成物全量を基準として、例えば50質量%以上、70質量%以上、90質量%以上であってよい。
[摩擦調整剤]
本実施形態において用いられる摩擦調整剤は、下記一般式(1)で表される。
Figure 0007061481000005
式(1)中、Rは炭素数3~30の炭化水素基を示す。Rで表される炭化水素基は、好ましくは直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、直鎖アルケニル基又は分岐鎖アルケニル基であり、より好ましくは直鎖アルキル基又は直鎖アルケニル基であり、更に好ましくは直鎖アルケニル基である。Rで表される炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~24、より好ましくは8~20、更に好ましくは10~18である。Rで表される炭素数3~30の炭化水素基としては、例えば、ステアリル基、イソステアリル基、オレイル基等が挙げられ、中でも、潤滑油組成物の摩擦特性を更に向上させる観点から、Rはイソステアリル基又はオレイル基であることが好ましい。
式(1)中、R’は水素原子又は下記一般式(1’)で表される基を示し、好ましくは下記一般式(1’)で表される基を示す。
Figure 0007061481000006
式(1’)中、mは1~3の整数を示す。mは、好ましくは1~2の整数を示し、より好ましくは2である。
式(1)中、nは1~3の整数を示す。nは、好ましくは1~2の整数を示し、より好ましくは2である。
上述した式(1)で表される摩擦調整剤としては、例えば下記式(1a)~(1h)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007061481000007
Figure 0007061481000008
Figure 0007061481000009
Figure 0007061481000010
Figure 0007061481000011
Figure 0007061481000012
Figure 0007061481000013
Figure 0007061481000014
潤滑油組成物において、上記一般式(1)で表される摩擦調整剤は、1種単独であっても、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
式(1)で表される摩擦調整剤の含有量は、潤滑油組成物の摩擦特性を十分に確保する観点から、潤滑油組成物全量を基準として、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上である。当該含有量は、境界潤滑域において金属間摩擦係数を高く維持しつつ、高回転で潤滑条件がマイルドな領域においては金属間摩擦係数を低く抑える効果をより発揮する観点から、潤滑油組成物全量を基準として、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.8質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下である。なお、式(1)で表される摩擦調整剤を2種以上組み合わせて用いる場合、これらの含有量の合計が上記数値範囲内であればよい。
[摩耗防止剤]
本実施形態に係る潤滑油組成物は、下記一般式(2-1)及び後述する一般式(2-2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の摩耗防止剤を含む。
Figure 0007061481000015
式(2-1)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数4~20の炭化水素基を示す。R及びRで表される炭素数4~20の炭化水素基は、好ましくは炭素数4~20のアルキル基である。R及びRで表される炭素数4~20の炭化水素基としては、例えばブチル基等が挙げられる。
式(2-1)で表される摩耗防止剤としては、例えば、リン酸、炭素数4~20のアルキルアシッドホスフェートなどが挙げられ、中でも、潤滑油組成物の摩擦特性をより効果的に発揮させ、更にロックアップクラッチの容量を十分に確保させる観点から、リン酸及びジブチルホスフェートからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
Figure 0007061481000016
式(2-2)中、Rは水素原子、硫黄を含んでいてもよい炭素数4~20の炭化水素基又は芳香族基を示す。Rで示される硫黄を含んでいてもよい炭素数4~20の炭化水素基としては、例えば、3-チオペンチル基等が挙げられる。Rで示される芳香族基としては、例えば、フェニル基等が挙げられる。
式(2-2)中、Rは硫黄を含んでいてもよい炭素数4~20の炭化水素基又は芳香族基を示す。Rで示される硫黄を含んでいてもよい炭素数4~20の炭化水素基、及び芳香族基、並びにこれらの好ましい態様としては、上記Rで説明したものと同様のものが挙げられる。
式(2-2)で表される摩耗防止剤は、潤滑油組成物の摩擦特性をより効果的に発揮させ、更にロックアップクラッチの容量を十分に確保させる観点から、Rが水素原子又は芳香族基であり、Rが硫黄を含んでいてもよい炭素数4~20の炭化水素基又は芳香族基であることが好ましく、Rが水素原子であり且つRが硫黄を含んでいてもよい炭素数4~20の炭化水素基であるか、R及びRがともに芳香族基であることがより好ましい。
式(2-2)で表される摩耗防止剤としては、例えば、ジフェニルハイドロゲンホスファイト、3-チオペンチルハイドロゲンホスファイト等が挙げられる。
潤滑油組成物において、一般式(2-1)及び一般式(2-2)で表される摩耗防止剤は、1種単独であっても、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
上述した摩耗防止剤の含有量は、潤滑油組成物全量を基準として、リン元素換算で50~950質量ppmである。当該摩耗防止剤の含有量が上記範囲内であれば、潤滑油組成物の摩擦特性をより効果的に発揮させ、更にロックアップクラッチの容量を十分に確保させることができる。一方、上記摩耗防止剤の含有量が、潤滑油組成物全量を基準として50質量ppm未満であると、所望の摩耗防止効果が得られにくいおそれがあり、950質量ppm超であると、摩耗防止剤の阻害効果により、上述した摩擦調整剤による摩擦特性の効果が十分に得られないおそれがある。このような観点から、上記摩耗防止剤の含有量は、潤滑油組成物全量を基準として、リン元素換算で好ましくは100質量ppm以上、より好ましくは300質量ppm以上、更に好ましくは500質量ppm以上であり、好ましくは900質量ppm以下、より好ましくは800質量ppm以下、更に好ましくは700質量ppm以下である。なお、上記摩耗防止剤を2種以上組み合わせて用いる場合、これらの含有量の合計が上記数値範囲内であればよい。
[その他の添加剤]
本実施形態に係る潤滑油組成物は、その性能を更に向上させる目的で、必要に応じて、上記摩擦調整剤及び摩耗防止剤の他に、任意の添加剤を更に含有することができる。
添加剤は、例えば変速機に用いられる潤滑油組成物に添加し得る添加剤を特に制限なく用いることができる。添加剤としては、例えば、粘度指数向上剤、上記一般式(1)で表される摩擦調整剤以外の無灰分散剤及び/又は摩擦調整剤、上記一般式(2-1)及び一般式(2-2)で表される摩耗防止剤以外の摩耗防止剤、金属系清浄剤、極圧剤、酸化防止剤、消泡剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
粘度指数向上剤としては、非分散型又は分散型の粘度指数向上剤が挙げられる。具体的には、非分散型又は分散型ポリ(メタ)アクリレート類、非分散型又は分散型エチレン-α-オレフィン共重合体又はその水素化物、ポリイソブチレン又はその水素化物、スチレン-ジエン水素化共重合体、スチレン-無水マレイン酸エステル共重合体、ポリ(メタ)アクリレート-スチレン共重合体、ポリ(メタ)アクリレート-オレフィン共重合体、ポリアルキルスチレン等が挙げられる。これらの粘度指数向上剤の重量平均分子量は特に制限はなく、通常1万~100万である。粘度指数向上剤の含有量も特に制限されないが、潤滑油組成物全量を基準として、通常0.5~35質量%である。
一般式(1)で表される摩擦調整剤以外の無灰分散剤及び/又は摩擦調整剤としては、アミン化合物、イミド化合物、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族エーテル、モリブデンジチオホスフェート(MoDTP)、モリブデンジチオカーバメート(MoDTC)等の有機モリブデン化合物、グラファイト、二硫化モリブデン、硫化アンチモン、ホウ素化合物、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。無灰分散剤及び/又は摩擦調整剤の含有量は特に制限されないが、潤滑油組成物全量を基準として、通常0.1~10質量%であり、0.5~8質量%又は1~7質量%であってもよい。
一般式(2-1)及び一般式(2-2)で表される摩耗防止剤以外の摩耗防止剤としては、例えば、硫黄系摩耗防止剤が挙げられる。硫黄系摩耗防止剤としては、ジスルフィド類、硫化油脂類、硫化エステル、ジチオカーバメート、ジチオカルバミン酸亜鉛等の硫黄含有化合物などが挙げられる。これらの摩耗防止剤の含有量は特に制限されないが、潤滑油組成物全量を基準として、通常0.01~10質量%である。
金属系清浄剤としては、例えば、カルシウムスルホネート、マグネシウムスルホネート、バリウムスルホネート、カルシウムサリチレート、マグネシウムサリチレート、カルシウムフェネート、バリウムフェネート等の正塩、塩基性塩又は過塩基性塩などが挙げられる。金属系清浄剤の含有量は特に制限されないが、潤滑油組成物全量を基準として、通常0.1~10質量%である。また、金属系清浄剤としてカルシウム系清浄剤を用いる場合、カルシウム系清浄剤の含有量は、潤滑油組成物全量を基準として、カルシウム元素換算で、10~1500質量ppm、100~1300質量ppm又は200~800質量ppmであってよい。
極圧剤としては、例えば、チアジアゾール、ポリサルファイド、硫化オレフィン等が挙げられる。極圧剤含有量は特に制限されないが、潤滑油組成物全量を基準として、通常0.01~10質量%である。また、例えば極圧剤としてチアジアゾール等の硫黄系極圧剤を用いる場合、硫黄系極圧剤の含有量は、潤滑油組成物全量を基準として、硫黄元素換算で、1~1500質量ppm、10~1000質量ppm、100~800質量ppm又は300~600質量ppmであってよい。
酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系、銅系、モリブデン系等の酸化防止剤が挙げられる。具体的には、アルキル化ジフェニルアミン、フェニル-α-ナフチルアミン、アルキル化-α-ナフチルアミン等のアミン系酸化防止剤、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)等のヒンダードフェノール系酸化防止剤などが挙げられる。酸化防止剤の含有量は特に制限されないが、潤滑油組成物全量を基準として、通常0.05~5質量%である。
消泡剤としては、潤滑油用の消泡剤として通常用いられる任意の化合物が使用可能であり、例えば、ジメチルシリコーン、フルオロシリコーン等のシリコーン類が挙げられる。これらの中から任意に選ばれた1種又は2種以上の化合物を任意の量で配合することができる。
本実施形態に係る潤滑油組成物は、境界潤滑域において金属間摩擦係数を高く維持しつつ、高回転で潤滑条件がマイルドな領域においては金属間摩擦係数を低く抑えることができるため、伝達トルク容量を高くしつつ、省燃費を達成することができる。更に本実施形態に係る潤滑油組成物は、ロックアップクラッチ(LC)のトルク容量(ペーパー材の摩擦特性)を確保することができる。そのため、自動変速機、無段変速機(特に、ベルト式無段変速機)等の変速機用の潤滑油組成物として好適である。また、湿式クラッチ、湿式ブレーキを有する変速機を備えた建設機械や農機、手動変速機、二輪車ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ガスエンジン、ショックアブソーバー等の潤滑油としても用いることができる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、以下の実施例は本発明を限定することを意図するものではない。
[実施例1~18、比較例1~8]
以下に示す基油及び添加剤を用い、表1~表6に示す組成を有する潤滑油組成物を調製した。表1~表6において、各成分の含有量は、潤滑油組成物全量基準での含有割合を示す。
(基油)
A:水素化分解鉱油(100℃における動粘度:3.3mm/s)
(摩擦調整剤)
B1:下記式(1a)で表される化合物。
Figure 0007061481000017
B2:下記式(1b)で表される化合物。
Figure 0007061481000018
B3:下記式(1c)で表される化合物。
Figure 0007061481000019
B4:下記式(1d)で表される化合物。
Figure 0007061481000020
B5:下記式(1e)で表される化合物。
Figure 0007061481000021
B6:下記式(1f)で表される化合物。
Figure 0007061481000022
B7:下記式(1g)で表される化合物。
Figure 0007061481000023
B8:下記式(1h)で表される化合物。
Figure 0007061481000024
B9:下記式(1i)で表される化合物。
Figure 0007061481000025
B10:下記式(1j)で表される化合物。
Figure 0007061481000026
B11:下記式(1k)で表される化合物。
Figure 0007061481000027
B12:下記式(1l)で表され、式(1l)中、各Rがそれぞれ独立にC1225基及びC1429基である化合物(混合物:ココアミン)。
Figure 0007061481000028
B13:下記式(1m)で表される化合物。
Figure 0007061481000029
(摩耗防止剤)
C1:ジブチルホスフェート(リン元素含有量:15.5質量%)
C2:ジフェニルハイドロゲンホスファイト(リン元素含有量:13.2質量%)
C3:リン酸(リン元素含有量:30.0質量%)
C4:3-チオペンチルハイドロゲンホスファイト(リン元素含有量:8.4質量%)
C5:テトラコシルアシッドホスフェート(リン元素含有量:5.3質量%)
(無灰分散剤)
D:ホウ素含有ポリブテニルコハク酸イミド
(金属系清浄剤)
E:カルシウムスルホネート(カルシウム元素含有量:11.4質量%、塩基価:300mgKOH/g)
(極圧剤)
F:チアジアゾール(硫黄元素含有量:36質量%)
(酸化防止剤)
G:フェノール系酸化防止剤
(粘度指数向上剤)
H:ポリメタクリレート(重量平均分子量:35000)
(消泡剤)
I:ポリジメチルシロキサン
[潤滑油組成物の評価試験]
(金属間摩擦係数)
ASTM D 2174に記載のブロックオンリング試験機(LFW-1)を用いて、潤滑油組成物の摩擦係数(μ)を以下の条件により測定し、潤滑油組成物の摩擦係数を評価した。
試験片(リング)::Falex S-10 Test Ring(SAE4620 Steel)
試験片(ブロック):Falex H-60 Test Block(SAE01 Steel)
油温:80℃
荷重:400N
試験は、1m/sの周速(すべり速度)で20分間ならし運転を行い、その後、すべり速度0.1m/sでの摩擦係数(境界潤滑域における摩擦係数:μ1)及びすべり速度3.5m/sでの摩擦係数(高回転での摩擦係数:μ2)をそれぞれ測定し、μ2/μ1の値を算出した。結果を表1~表6に示す。μ2/μ1の値が低いほど、境界潤滑域において金属間摩擦係数を高く維持しつつ、高回転で潤滑条件がマイルドな領域においては金属間摩擦係数を低く抑えることができる潤滑油組成物であるといえる。
Figure 0007061481000030
Figure 0007061481000031
Figure 0007061481000032
Figure 0007061481000033
Figure 0007061481000034
Figure 0007061481000035
(トルク容量)
上記実施例1~18で調製した潤滑油組成物のトルク容量は、低速すべり試験装置(LVFA)を用いて、潤滑油組成物の80℃におけるμ-V特性をJASO M349:2010に準拠して算出し、当該μ-V特性におけるすべり速度0.06m/sでの摩擦係数μ(μ0.06)を算出することにより求めた。
得られたμ0.06の値と、上記金属間摩擦係数の測定で得られたμ2の値から、μ2/μ0.06を算出した。結果を表7~表9に示す。μ2/μ0.06の値が小さいほど、ロックアップクラッチのトルク容量が確保できており、省燃費性及びLC性能(ペーパー材の摩擦特性)に優れているといえる。
Figure 0007061481000036
Figure 0007061481000037
Figure 0007061481000038

Claims (2)

  1. 炭化水素系基油と、下記一般式(1)で表される摩擦調整剤と、下記一般式(2-1)及び下記一般式(2-2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の摩耗防止剤と、を含み、
    前記摩耗防止剤の含有量が、潤滑油組成物全量を基準として、リン元素換算で50~950質量ppmであり、
    前記炭化水素系基油の含有量が、前記潤滑油組成物全量を基準として、50質量%以上である、潤滑油組成物。
    Figure 0007061481000039

    [式(1)中、Rは炭素数3~30の炭化水素基を示し、R’は水素原子又は下記一般式(1’)で表される基を示し、nは1~3の整数を示す。
    Figure 0007061481000040

    (式(1’)中、mは1~3の整数を示す。)]
    Figure 0007061481000041

    [式(2-1)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数4~20の炭化水素基を示す。]
    Figure 0007061481000042

    [式(2-2)中、Rは水素原子、硫黄を含んでいてもよい炭素数4~20の炭化水素基又は芳香族基を示し、Rは硫黄を含んでいてもよい炭素数4~20の炭化水素基又は芳香族基を示す。]
  2. 変速機用である、請求項1に記載の潤滑油組成物。
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