JP7061420B2 - 放射線検出器 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、放射線検出器に関する。
放射線検出器の一例にX線検出器がある。X線検出器には、例えば、複数の光電変換部を有するアレイ基板と、複数の光電変換部の上に設けられX線を蛍光に変換するシンチレータとが設けられている。また、光電変換部には、シンチレータからの蛍光を電荷に変換する光電変換素子、電荷の蓄積および放出のスイッチングを行う薄膜トランジスタ、電荷を蓄積する蓄積キャパシタなどが設けられている。
一般的には、X線検出器は、以下のようにして画像データを読み出す。まず、外部から入力された信号によりX線の入射を認識する。次に、予め定められた時間の経過後に、読み出しを行う光電変換部の薄膜トランジスタをオン状態にして、蓄積された電荷を画像データとして読み出す。
しかしながら、この様にすると、X線検出器の動作の開始が外部からの信号に依存することになるので、タイムラグなどにより処理時間が長くなるという問題がある。
ここで、半導体素子である薄膜トランジスタにX線が照射されると、薄膜トランジスタがオフ状態となっていてもドレイン電極とソース電極との間に電流が流れる。また、薄膜トランジスタのドレイン電極はデータラインと電気的に接続されている。
そこで、薄膜トランジスタをオフ状態とし、X線が照射された時にデータラインに流れる電流の値と、X線が照射されていない時にデータラインに流れる電流の値との差に基づいて、X線の入射開始時を検出する技術が提案されている。
ところが、薄膜トランジスタがオフ状態となっている時にデータラインに流れる電流の値は極めて小さくなる。またさらに、人体に対して大量のX線照射を行うと健康への悪影響があるため、人体へのX線照射量は必要最低限に抑えられる。そのため、医療に用いられるX線検出器の場合には、入射するX線の強度が非常に弱いものとなり、薄膜トランジスタがオフ状態となっている時にデータラインに流れる電流の値がさらに小さくなる。 そのため、薄膜トランジスタがオフ状態となっている時にデータラインに流れる電流の値を検出しても、X線の入射開始時を精度良く検出することが困難となるおそれがある。 そこで、読み出しを行う光電変換部の薄膜トランジスタをオン状態にし、読み出された画像データを用いてX線の入射開始時を検出する技術が提案されている。ところが、薄膜トランジスタの数は非常に多いので、X線の入射開始時の検出に用いるデータの量(読み出された画像データの量)が膨大となる。そのため、X線の入射開始時の検出時間が長くなるおそれがある。
そこで、放射線の入射開始時を精度良く検出することができ、且つ、検出時間の短縮を図ることができる放射線検出器の開発が望まれていた。
特表2014-526178号公報 特許第6302122号公報
本発明が解決しようとする課題は、放射線の入射開始時を精度良く検出することができ、且つ、検出時間の短縮を図ることができる放射線検出器を提供することである。
実施形態に係る放射線検出器は、基板と、前記基板に設けられ、第1の方向に延びる複数の制御ラインと、前記基板に設けられ、前記第1の方向に交差する第2の方向に延びる複数のデータラインと、前記第1の方向および前記第2の方向に並べて設けられ、それぞれが対応する前記制御ラインと対応する前記データラインとに電気的に接続された薄膜トランジスタを有し、放射線を直接的またはシンチレータと協働して検出する複数の検出部と、前記薄膜トランジスタのオン状態とオフ状態を切り替える制御回路と、前記薄膜トランジスタがオン状態の時に、前記複数の検出部のそれぞれから画像データを読み出す信号検出回路と、前記薄膜トランジスタがオン状態の時に読み出された前記画像データに基づいて前記放射線の入射開始時を判定する入射放射線検出部と、を備えている。前記入射放射線検出部は、放射線画像の撮影に用いる前記複数の検出部が設けられた第1の領域を、少なくとも2つの前記検出部を含む複数の第2の領域に分割し、前記複数の第2の領域のそれぞれにおいて、所定の前記検出部を選定し、前記選定された検出部から読み出された前記画像データに基づいて前記放射線の入射開始時を判定する。

X線検出器を例示するための模式斜視図である。 X線検出器のブロック図である。 アレイ基板の回路図である。 画像データの読み出しを例示するためのタイミングチャートである。 (a)、(b)は、画像データの選定を例示するための模式図である。 X線の入射開始時の判定手順を例示するためのフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
本実施の形態に係る放射線検出器は、X線のほかにもγ線などの各種放射線に適用させることができる。ここでは、一例として、放射線の中の代表的なものとしてX線に係る場合を例にとり説明をする。したがって、以下の実施形態の「X線」を「他の放射線」に置き換えることにより、他の放射線にも適用させることができる。
また、以下に例示をするX線検出器1は、放射線画像であるX線画像を検出するX線平面センサである。X線平面センサには、大きく分けて直接変換方式と間接変換方式がある。
直接変換方式のX線検出器には、例えば、アモルファスセレンなどからなる光電変換膜が設けられている。直接変換方式のX線検出器においては、外部から入射したX線は、光電変換膜に吸収され、信号電荷に直接変換される。
間接変換方式のX線検出器には、例えば、複数の光電変換部を有するアレイ基板と、複数の光電変換部の上に設けられX線を蛍光(可視光)に変換するシンチレータとが設けられている。間接変換方式のX線検出器においては、外部から入射したX線はシンチレータにより蛍光に変換される。発生した蛍光は、光電変換部により信号電荷に変換される。
以下においては、一例として、間接変換方式のX線検出器1を例示するが、本発明は直接変換方式のX線検出器にも適用することができる。
すなわち、X線検出器は、X線を電気的な情報に変換する検出部を有するものであれば良い。検出部は、例えば、X線を直接的またはシンチレータと協働して検出するものとすることができる。
なお、直接変換方式のX線検出器の基本的な構成には既知の技術を適用することができるので詳細な説明は省略する。
また、以下においては、一例として、配線を介してデータ通信を行う有線タイプのX線検出器1を例示するが、本発明は配線を介さずにデータ通信を行う無線タイプのX線検出器にも適用することができる。
また、X線検出器1は、例えば、一般医療などに用いることができる。ただし、X線検出器1の用途は、一般医療に限定されるわけではない。
図1は、X線検出器1を例示するための模式斜視図である。
なお、図1においては、バイアスライン2c3などを省いて描いている。
図2は、X線検出器1のブロック図である。
図3は、アレイ基板2の回路図である。
図1~図3に示すように、X線検出器1には、アレイ基板2、信号処理部3、画像処理部4、シンチレータ5、メモリ6、および入射X線検出部7が設けられている。
アレイ基板2は、シンチレータ5によりX線から変換された蛍光を電気信号に変換する。
アレイ基板2は、基板2a、光電変換部2b、制御ライン(又はゲートライン)2c1、データライン(又はシグナルライン)2c2、バイアスライン2c3、配線パッド2d1、配線パッド2d2、および保護層2fなどを有する。
本実施の形態においては、光電変換部2bがX線をシンチレータ5と協働して検出する検出部となる。
なお、光電変換部2b、制御ライン2c1、データライン2c2、およびバイアスライン2c3などの数は例示をしたものに限定されるわけではない。
基板2aは、板状を呈し、無アルカリガラスなどの透光性材料から形成されている。
光電変換部2bは、基板2aの一方の面に複数設けられている。光電変換部2bは、制御ライン2c1とデータライン2c2とにより画された領域に設けられている。複数の光電変換部2bは、制御ライン2c1が延びる方向(第1の方向の一例に相当する)、およびデータライン2c2が延びる方向(第2の方向の一例に相当する)に並べて設けられている。複数の光電変換部2bは、マトリクス状に並べられている。なお、1つの光電変換部2bは、X線画像における1つの画素(pixel)に対応する。
複数の光電変換部2bのそれぞれには、光電変換素子2b1と、薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)2b2とが設けられている。
また、図3に示すように、光電変換素子2b1において変換した電荷が供給される蓄積キャパシタ2b3を設けることができる。蓄積キャパシタ2b3は、例えば、矩形平板状を呈し、薄膜トランジスタ2b2の下に設けることができる。ただし、光電変換素子2b1の容量によっては、光電変換素子2b1が蓄積キャパシタ2b3を兼ねることができる。
光電変換素子2b1が蓄積キャパシタ2b3を兼ねる場合(蓄積キャパシタ2b3が省略される場合)には、電荷の蓄積および放出が行われるのは光電変換素子2b1となる。この場合、薄膜トランジスタ2b2をオン状態とすることで光電変換部2bから電荷が放出され、薄膜トランジスタ2b2をオフ状態とすることで光電変換部2bに電荷が蓄積される。
蓄積キャパシタ2b3が設けられる場合には、薄膜トランジスタ2b2をオフ状態にするとバイアスライン2c3から蓄積キャパシタ2b3に一定の電荷が蓄積され、薄膜トランジスタ2b2をオン状態にすると蓄積キャパシタ2b3に蓄積されている電荷が放出される。
なお、以下においては、一例として、蓄積キャパシタ2b3が設けられる場合を例示する。
光電変換素子2b1は、例えば、フォトダイオードなどとすることができる。
薄膜トランジスタ2b2は、蓄積キャパシタ2b3への電荷の蓄積および放出のスイッチングを行う。薄膜トランジスタ2b2は、ゲート電極2b2a、ドレイン電極2b2b及びソース電極2b2cを有している。薄膜トランジスタ2b2のゲート電極2b2aは、対応する制御ライン2c1と電気的に接続される。薄膜トランジスタ2b2のドレイン電極2b2bは、対応するデータライン2c2と電気的に接続される。すなわち、薄膜トランジスタ2b2は、対応する制御ライン2c1と対応するデータライン2c2とに電気的に接続されている。薄膜トランジスタ2b2のソース電極2b2cは、対応する光電変換素子2b1と蓄積キャパシタ2b3とに電気的に接続される。また、光電変換素子2b1のアノード側と蓄積キャパシタ2b3は、対応するバイアスライン2c3と電気的に接続される(図3を参照)。
制御ライン2c1は、所定の間隔をあけて互いに平行に複数設けられている。制御ライン2c1は、例えば、行方向に延びている。1つの制御ライン2c1は、基板2aの周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d1のうちの1つと電気的に接続されている。1つの配線パッド2d1には、フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線のうちの1つが電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線の他端は、信号処理部3に設けられた制御回路31とそれぞれ電気的に接続されている。
データライン2c2は、所定の間隔をあけて互いに平行に複数設けられている。データライン2c2は、例えば、行方向に交差する列方向に延びている。1つのデータライン2c2は、基板2aの周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d2のうちの1つと電気的に接続されている。1つの配線パッド2d2には、フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線のうちの1つが電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線の他端は、信号処理部3に設けられた信号検出回路32とそれぞれ電気的に接続されている。
図3に示すように、バイアスライン2c3は、データライン2c2とデータライン2c2との間に、データライン2c2と平行に設けられている。バイアスライン2c3には、図示しないバイアス電源が電気的に接続されている。図示しないバイアス電源は、例えば、信号処理部3などに設けることができる。なお、バイアスライン2c3は、必ずしも必要ではなく、必要に応じて設けるようにすればよい。バイアスライン2c3が設けられない場合には、光電変換素子2b1のアノード側と蓄積キャパシタ2b3は、バイアスライン2c3に代えてグランドに電気的に接続される。
制御ライン2c1、データライン2c2、およびバイアスライン2c3は、例えば、アルミニウムやクロムなどの低抵抗金属を用いて形成することができる。
保護層2fは、光電変換部2b、制御ライン2c1、データライン2c2、およびバイアスライン2c3を覆っている。保護層2fは、例えば、酸化物絶縁材料、窒化物絶縁材料、酸窒化物絶縁材料、および樹脂材料の少なくとも1種を含む。
信号処理部3は、アレイ基板2の、シンチレータ5側とは反対側に設けられている。
信号処理部3には、制御回路31と、信号検出回路32とが設けられている。
制御回路31は、薄膜トランジスタ2b2のオン状態とオフ状態を切り替える。
図2に示すように、制御回路31は、複数のゲートドライバ31aと行選択回路31bとを有する。
行選択回路31bには、画像処理部4などから制御信号S1が入力される。行選択回路31bは、X線画像のスキャン方向に従って、対応するゲートドライバ31aに制御信号S1を入力する。
ゲートドライバ31aは、対応する制御ライン2c1に制御信号S1を入力する。
例えば、制御回路31は、フレキシブルプリント基板2e1を介して、制御信号S1を各制御ライン2c1毎に順次入力する。制御ライン2c1に入力された制御信号S1により薄膜トランジスタ2b2がオン状態となり、光電変換部2b(蓄積キャパシタ2b3)からの電荷(画像データS2)が受信できるようになる。
信号検出回路32は、薄膜トランジスタ2b2がオン状態の時に、複数の光電変換部2b(蓄積キャパシタ2b3)のそれぞれから電荷(画像データS2)を読み出す。また、信号検出回路32は、読み出された画像データS2(アナログ信号)をデジタル信号に順次変換する。また、信号検出回路32は、1つのX線画像を構成するのに用いられる複数の画像データS2を組にする画像インデックスを、複数の画像データS2のそれぞれに付与する。
また、入射放射線検出部6が、X線の入射が開始されたと判定した場合には、信号検出回路32は、薄膜トランジスタ2b2がオン状態の時に画像データS2をさらに読み出すことができる。
読み出された画像データS2は、メモリ6に一時的に格納される。
画像処理部4は、メモリ6に格納されている画像データS2に基づいて、X線画像を構成する。画像処理部4は、同じ画像インデックスが付与された複数の画像データS2を用いてX線画像を構成する。
画像処理部4、メモリ6、および入射X線検出部7は、信号処理部3と一体化されていてもよい。
シンチレータ5は、複数の光電変換素子2b1の上に設けられ、入射するX線を蛍光に変換する。シンチレータ5は、基板2a上の複数の光電変換素子2b1が設けられた領域(有効画素領域)を覆うように設けられている。
シンチレータ5は、例えば、ヨウ化セシウム(CsI):タリウム(Tl)、あるいはヨウ化ナトリウム(NaI):タリウム(Tl)などを用いて形成することができる。この場合、真空蒸着法などを用いて、シンチレータ5を形成すれば、複数の柱状結晶の集合体からなるシンチレータ5が形成される。
また、シンチレータ5は、例えば、酸硫化ガドリニウム(GdS)などを用いて形成することもできる。この場合、複数の光電変換部2bごとに四角柱状のシンチレータ5が設けられるように、マトリクス状の溝部を形成することができる。溝部の内部には、大気(空気)、あるいは酸化防止用の窒素ガスなどの不活性ガスが満たされるようにすることができる。また、溝部の内部が真空状態となるようにしてもよい。
その他、蛍光の利用効率を高めて感度特性を改善するために、シンチレータ5の表面側(X線の入射面側)を覆うように図示しない反射層を設けることができる。
また、空気中に含まれる水蒸気により、シンチレータ5の特性と反射層の特性が劣化するのを抑制するために、シンチレータ5と反射層を覆う図示しない防湿部を設けることができる。
メモリ6は、信号検出回路32と画像処理部4との間に電気的に接続されている。メモリ6は、デジタル信号に変換された画像データS2を一時的に格納する。この場合、画像インデックスが付与された画像データS2が格納されるようにすることができる。
また、メモリ6は、X線の入射開始時を判定する際に用いられる光電変換部2b(検出部)に関する情報を格納することもできる。すなわち、メモリ6は、複数の光電変換部2bのそれぞれから読み出された画像データS2と、X線の入射開始時を判定する際に用いられる光電変換部2bに関する情報と、を格納することができる。なお、X線の入射開始時を判定する際に用いられる光電変換部2bに関する情報(光電変換部2bの選定条件)については後述する。
入射X線検出部7は、メモリ6に電気的に接続されている。入射X線検出部7は、信号検出回路32などを介してメモリ6に電気的に接続することができる。入射X線検出部7は、メモリ6に格納されている画像データS2に基づいて、X線の入射開始時を判定する。
なお、入射X線検出部7に関する詳細は後述する。
ここで、X線検出器1は、例えば、以下のようにしてX線画像を構成することができる。
まず、制御回路31は、薄膜トランジスタ2b2をオフ状態にする。薄膜トランジスタ2b2がオフ状態となることで、バイアスライン2c3を介して一定の電荷が蓄積キャパシタ2b3に蓄積される。次に、X線が照射されると、シンチレータ5によりX線が蛍光に変換される。蛍光が光電変換素子2b1に入射すると、光電効果によって電荷(電子およびホール)が発生し、発生した電荷と、蓄積されている電荷(異種電荷)とが結合して蓄積されている電荷が減少する。次に、制御回路31は、薄膜トランジスタ2b2を順次オン状態にする。信号検出回路32は、サンプリング信号に従って各蓄積キャパシタ2b3に蓄積されている電荷(画像データS2)をデータライン2c2を介して読み出す。そして、信号検出回路32は、読み出された画像データS2(アナログ信号)をデジタル信号に順次変換する。デジタル信号に変換された画像データS2は、メモリ6に格納される。画像処理部4は、メモリ6に格納されている画像データS2に基づいて、X線画像を構成する。構成されたX線画像のデータは、画像処理部4から外部の機器などに向けて出力される。
図4は、画像データS2の読み出しを例示するためのタイミングチャートである。
図4は、n本の制御ライン2c1と、m本のデータライン2c2が設けられた場合である。
まず、画像処理部4などから信号検出回路32にサンプリング信号21を入力する。図4に示すように、サンプリング信号21がオンとなることで、信号検出回路32は、データライン(1)~データライン(m)に対するサンプリングを開始する。サンプリング信号21は所定の期間経過後にオフとなる。
一方、サンプリング信号21がオンとなっている間に、画像処理部4などから制御回路31を介して制御ライン(1)に制御信号S1を入力する。制御信号S1がオンとなることで、制御ライン(1)に電気的に接続された薄膜トランジスタ2b2がオン状態となる。制御信号S1は所定の期間経過後にオフとなる。
信号検出回路32は、薄膜トランジスタ2b2がオン状態の時にデータライン(1)~データライン(m)からの画像データS2を順次読み出す。
その後、以上の手順を制御ライン(2)~制御ライン(n)に対して行う。
以上の様にして得られたデータは、メモリ6に格納される。薄膜トランジスタ2b2がオン状態の時に得られたデータは、n行m列の画像データS2となる。
また、画像データS2をメモリ6に格納する際には、画像インデックスを付与することができる。図4に例示をしたものの場合には、画像データS2に画像インデックスIdx(1)を付与している。この場合、画像インデックスIdx(1)は、最初に取得されたX線画像の画像データS2であることを表している。画像インデックスは、制御ライン(1)~制御ライン(n)に関するデータに対してそれぞれ付与することができる。画像インデックスは、次のX線画像の画像データS2が取得されると更新される。例えば、n枚目に取得されたX線画像の画像データS2には、画像インデックスIdx(n)が付与される。
なお、図4においては、制御信号S1をオンとする前にサンプリング信号21をオンにしているが、制御信号S1のオンとサンプリング信号21のオンとは同時であってもよいし、制御信号S1をオンにした後にサンプリング信号21をオンとしてもよい。
また、図4においては、制御信号S1をオフとした後にサンプリング信号21をオフにしているが、制御信号S1のオフとサンプリング信号21のオフとは同時であってもよいし、制御信号S1をオフにする前にサンプリング信号21をオフとしてもよい。
ここで、一般的なX線検出器においては、以下のようにしてX線検出器にX線が入射したことを認識し、撮影動作を開始する。
まず、X線源などの外部機器からの信号により、X線がX線検出器に入射したのを認識する。次に、予め定められた時間の経過後に、読み出しを行う光電変換部2bの薄膜トランジスタ2b2をオン状態にして、蓄積されている電荷を読み出す。すなわち、一般的なX線検出器の場合には、X線が実際にX線検出器に入射したのを検出しているわけではない。そのため、外部機器からの信号が入力された時点と、読み出し動作を開始する時点との間に所定の時間を設ける必要がある。その結果、タイムラグなどが生じて、処理時間が長くなる。
ここで、半導体素子である薄膜トランジスタ2b2にX線が照射されると、薄膜トランジスタ2b2がオフ状態となっていてもドレイン電極2b2bとソース電極2b2cとの間に電流が流れる。また、薄膜トランジスタ2b2のドレイン電極2b2bはデータライン2c2と電気的に接続されている。そのため、X線が照射された時にデータライン2c2に流れる電流の値と、X線が照射されていない時にデータライン2c2に流れる電流の値との差に基づいて、X線の入射開始時を検出することができる。X線の入射開始時を直接検出することができれば、タイムラグなどが生じることがないので、処理時間が長くなるのを抑制することができる。
ところが、薄膜トランジスタ2b2がオフ状態となっている時にデータライン2c2に流れる電流の値は極めて小さくなる。またさらに、人体に対して大量のX線照射を行うと健康への悪影響があるため、人体へのX線照射量は必要最低限に抑えられる。そのため、医療に用いられるX線検出器の場合には、入射するX線の強度が非常に弱いものとなり、薄膜トランジスタ2b2がオフ状態となっている時にデータライン2c2に流れる電流の値がさらに小さくなる。
その結果、薄膜トランジスタ2b2がオフ状態となっている時にデータライン2c2に流れる電流の値に基づいてX線の入射開始時を検出すると、X線の入射開始時を精度良く検出することが困難となるおそれがある。
そこで、本実施の形態に係るX線検出器1には、入射X線検出部7が設けられている。 入射X線検出部7は、メモリ6に格納されている、同じ画像インデックスが付与されている複数の画像データS2(同じX線画像の複数の画像データS2)を用いてX線が入射したか否かを判定する。
すなわち、入射X線検出部7は、薄膜トランジスタ2b2がオン状態となっている時に読み出された画像データS2に基づいてX線が入射したか否かを判定する。
ここで、薄膜トランジスタ2b2がオン状態となっていれば抵抗が低くなるので、データライン2c2に流れる電流の値(読み出された画像データS2の値)が大きくなる。そのため、X線の入射開始時を精度良く検出することが容易となる。
また、前述したように、医療に用いられるX線検出器1の場合には、入射するX線の強度が非常に弱いものとなる。しかしながら、薄膜トランジスタ2b2がオン状態の時に得られた画像データS2を用いてX線の入射開始時を検出すれば、X線の入射開始時を精度良く検出することが可能となる。
例えば、入射X線検出部7は、所定の閾値よりも大きな値の画像データS2が読み出された光電変換部2bの数を演算する。演算された光電変換部2bの数が所定の値以上となった場合には、入射X線検出部7は、X線がX線検出器1に入射したと判定することができる。なお、この判定に用いられる閾値などは、実験やシミュレーションを行うことで予め設定することができる。
すなわち、入射X線検出部7は、所定の閾値を超えた値の画像データS2が読み出された光電変換部2bの数に基づいてX線の入射開始時を判定することができる。
この場合、X線検出器1の温度が変化すると、画像データS2の値が変動する場合がある。そのため、X線の入射開始時を検出する際には、同じ画像インデックスが付与されている複数の画像データS2(同じX線画像の複数の画像データS2)を用いることが好ましい。同じ画像インデックスが付与されている画像データS2を用いれば、X線検出器1の温度変化に伴う画像データS2の値の変動を抑制することができる。
ここで、X線の入射開始時を検出する際に、全ての光電変換部2bからの値を調べることができる。
ところが、光電変換部2bの数は非常に多い。例えば、光電変換部2bの数は、数百万個に達する場合もある。そのため、メモリ6に格納されている、同じ画像インデックスが付与されている全ての画像データS2(同じX線画像の全ての画像データS2)に基づいて、X線の入射開始時を判定すると検出時間が長くなる。医療に用いられるX線検出器1の場合には、X線の照射時間が長くなると健康への悪影響があるため、X線の照射時間は短くすることが好ましい。そのため、検出時間が長くなると、X線が照射されている期間内にX線の入射判定が完了しなくなるおそれがある。すなわち、検出時間が長くなると、X線の入射開始時が検出できなくなるおそれがある。
そこで、本実施の形態に係る入射X線検出部7は、メモリ6に格納されている、同じ画像インデックスが付与されている全ての画像データS2から一部の画像データS2を選定し、選定された画像データS2に基づいて、X線の入射開始時を判定するようにしている。メモリ6に格納されている一部の画像データS2に基づいて、X線の入射開始時を判定すれば、検出時間の短縮を図ることができる。
図5(a)、(b)は、画像データS2の選定を例示するための模式図である。
なお、図中の矢印Xは、制御ライン2c1が延びる方向である。矢印Yは、データライン2c2が延びる方向である。
図5(a)、(b)に示すように、複数の光電変換部2bは、制御ライン2c1が延びる方向、およびデータライン2c2が延びる方向に並べて設けられている。なお、光電変換部2bの数は、例示をしたものに限定されるわけではない。
メモリ6に格納されている一部の画像データS2を選定する際には、複数の光電変換部2bが並べられた全領域20(第1の領域の一例に相当する)を複数の領域20a(第2の領域の一例に相当する)に分割する。この場合、複数の領域20a同士の面積(1つの領域20aに含まれる光電変換部2bの数)がほぼ同じとなるようにすることができる。
そして、領域20aに含まれる複数の光電変換部2bから所定の光電変換部2bを選定し、選定された光電変換部2bから読み出された画像データS2をX線の入射開始時の判定に用いるようにする。なお、図中の「●」は、選定された光電変換部2bを表している。この様にすれば、全領域20において、選定された光電変換部2bの位置が偏るのを抑制することができる。
1つの領域20aから選定される光電変換部2bの数には特に限定はないが、数が多くなれば検出時間の短縮が困難となるおそれがある。1つの領域20aから選定される光電変換部2bの数は、例えば、1つの領域20aに含まれる光電変換部2bの数の5%~20%程度とすることができる。
図5(a)に示すように、一の領域20aにおいて選定される光電変換部2bの位置は、他の領域20aにおいて選定される光電変換部2bの位置と同じとすることができる。
図5(b)に示すように、一の領域20aにおいて選定される光電変換部2bの位置は、他の領域20aにおいて選定される光電変換部2bの位置と異なるものとすることができる。
光電変換部2bの選定条件(全領域20の分割条件、1つの領域20aから選定される光電変換部2bの数や位置など)は、実験やシミュレーションを行うことで適宜決定することができる。また、予め定められた光電変換部2bの選定条件は、メモリ6に格納することができる。
ここで、複数の制御ライン2c1は、基板2a上に短いピッチで設けられている。複数のデータライン2c2は、基板2a上に短いピッチで設けられている。複数の制御ライン2c1同士、複数のデータライン2c2同士、および、複数の制御ライン2c1と複数のデータライン2c2は、厚みの薄い保護層2fなどにより絶縁されている。この場合、アレイ基板2の製造工程において保護層2fの内部に欠陥が生じる場合がある。この欠陥が、X線検出器1の使用に伴い成長し、絶縁性が低下して短絡が生じる場合がある。一般的に、この様な短絡が発生すると、制御ライン2c1またはデータライン2c2に流れる電流が大きくなる。そのため、短絡が発生した制御ライン2c1またはデータライン2c2に電気的に接続された光電変換部2bから読み出された画像データS2の値が、短絡が発生していない場合と比べて大きくなる。そのため、X線が入射していないにも関わらずX線が入射したと誤検出するおそれがある。
また、制御ライン2c1およびデータライン2c2には、それぞれ固有の電気特性があったり、断線していたりする場合もある。
この場合、図5(b)に示すように、選定された光電変換部2bの位置が異なっていれば、制御ライン2c1およびデータライン2c2に短絡や断線などがあったとしても、その影響を低減させることができる。例えば、一部の光電変換部2bが、短絡や断線などがある制御ライン2c1またはデータライン2c2に電気的に接続されていたとしても、正常な制御ライン2c1およびデータライン2c2に電気的に接続されている光電変換部2bから読み出された画像データS2を用いることが可能となる。
また、複数の画像データS2のうちには、判定に用いるのに適していないものが含まれている場合がある。例えば、複数の光電変換部2bのうちには、短絡や断線などの欠陥がある光電変換部2b(欠陥画素などとも称される)が含まれている場合がある。
例えば、欠陥がある光電変換部2bから読み出された画像データS2の値は、所定の閾値よりも常に高くなる場合がある。そのため、欠陥がある光電変換部2bの数が余り多くなると、X線が入射していないにも係わらずX線が入射したと誤検出するおそれがある。
光電変換部2bの欠陥は、主に、アレイ基板2を製造する際に発生する。そのため、アレイ基板2の製品検査またはX線検出器1の製品検査を行えば、どの光電変換部2bに欠陥があるのかを知ることができる。例えば、被写体がない状態でX線画像を撮影し(暗画像の撮影)、複数の光電変換部2bのそれぞれから読み出された画像データS2の値を調べれば、どの光電変換部2bに欠陥があるのかを知ることができる。
また、前述した制御ライン2c1およびデータライン2c2の短絡や断線なども、暗画像を撮影すれば知ることができる。
製品検査やその後の検査において検出された、不適切な画像データS2が読み出され得る光電変換部2bの位置情報(アドレス情報)は、例えば、メモリ6に格納することができる。
入射X線検出部7は、X線の入射開始時を判定する際に、当該位置情報に基づいて、該当する光電変換部2bを除外することができる。
この様にすれば、X線の入射開始時をさらに精度良く検出することができる。
前述したように、光電変換部2bの欠陥は、主に、アレイ基板2を製造する際に発生する。また、光電変換部2bの欠陥は、主に、ESD(Electro-Static Discharge;静電気放電)により発生する。この場合、アレイ基板2に帯電した静電気は、アレイ基板2の周端から放電されやすくなる。そのため、アレイ基板2の中央領域に設けられた光電変換部2bよりも、アレイ基板2の周縁領域に設けられた光電変換部2bに欠陥が発生しやすくなる。そのため、入射X線検出部7は、X線の入射開始時を判定する際に、アレイ基板2(基板2a)の周縁領域に設けられた光電変換部2bを除外することもできる。
この場合、アレイ基板2の周縁領域に設けられた光電変換部2bは、最も外側に設けられた制御ライン2c1、および最も外側に設けられたデータライン2c2の少なくともいずれかに接続されている光電変換部2bとすることができる。
また、アレイ基板2の周縁領域に設けられた光電変換部2bは、最も外側から内側に3本目までの制御ライン2c1、および最も外側から内側に3本目までのデータライン2c2の少なくともいずれかに接続されている光電変換部2bとすることもできる。
この様にすれば、光電変換部2bの検査と、不適切な画像データS2が読み出され得る光電変換部2bの位置情報の登録を省略することができる。
図5(a)、(b)に例示をした領域20aには、制御ライン2c1が延びる方向、およびデータライン2c2が延びる方向に並ぶ複数の光電変換部2bが含まれている。しかしながら、領域20aは、1つの制御ライン2c1に沿って並ぶ複数の光電変換部2bが含まれるようにすることもできる。領域20aは、1つのデータライン2c2に沿って並ぶ複数の光電変換部2bが含まれるようにすることもできる。すなわち、全領域20は、複数の制御ライン2c1毎に分割することができる。全領域20は、複数のデータライン2c2毎に分割することができる。
以上に説明したように、入射X線検出部7は、複数の光電変換部2bが設けられた全領域20を、少なくとも2つの光電変換部2bを含む複数の領域20aに分割し、複数の領域20aのそれぞれにおいて、所定の光電変換部2bを選定し、選定された光電変換部2bから読み出された画像データS2に基づいてX線の入射開始時を判定することができる。
この場合、1つの領域20aにおいて選定される光電変換部2bの数は、当該領域20aに含まれている光電変換部2bの数よりも少なくすることができる。
領域20aは、1つの制御ライン2c1に電気的に接続された複数の光電変換部2b、または、1つのデータライン2c2に電気的に接続された複数の光電変換部2bを含むことができる。
複数の領域20aのそれぞれにおいて、選定される光電変換部2bの数は同じとすることができる。
入射X線検出部7は、所定の閾値を超えた値の画像データS2が読み出された、選定された光電変換部2bの数に基づいてX線の入射開始時を判定することができる。
入射X線検出部7は、所定の閾値を超えた値の画像データS2が読み出された、選定された光電変換部2bの数を演算する際に、同じ画像インデックスが付与された画像データS2を用いることができる。
入射X線検出部7は、所定の閾値を超えた値の画像データS2が読み出された、選定された光電変換部2bの数を演算する際に、予め定められた光電変換部2bを除外することができる。
除外される光電変換部2bは、短絡および断線の少なくともいずれかの状態にあるものとすることができる。
除外される光電変換部2bは、基板2aの周縁領域に設けられているものとすることができる。
除外される光電変換部2bは、短絡および断線の少なくともいずれかの状態にある制御ライン2c1に電気的に接続されているものとすることができる。
除外される光電変換部2bは、短絡および断線の少なくともいずれかの状態にあるデータライン2c2に電気的に接続されているものとすることができる。
メモリ6は、複数の光電変換部2bのそれぞれから読み出された画像データS2と、除外される光電変換部2bに関する情報と、を格納することができる。
図6は、X線の入射開始時の判定手順を例示するためのフローチャートである。
図6に示すように、読み出し工程28においては、信号処理部3は、複数の制御ライン2c1をスキャンし、薄膜トランジスタ2b2をON状態にして画像データS2を読み出す。
信号処理部3は、読み出された画像データS2に画像インデックスを付与して、メモリ6に格納する。
次に、入射X線検出部7は、予め定められた選定条件に基づいて、X線の入射開始時の判定に用いる光電変換部2bを選定する。光電変換部2bの選定条件は、前述したものと同様とすることができるので詳細な説明は省略する。
次に、入射X線検出部7は、選定された光電変換部2bのうち、所定の閾値を超えた値の画像データS2が読み出された光電変換部2bの数に基づいてX線の入射開始時を判定する。例えば、入射X線検出部7は、所定の閾値よりも大きな値の画像データS2が読み出された光電変換部2bの数を演算する。演算された光電変換部2bの数が所定の値以上となった場合には、入射X線検出部7は、X線がX線検出器1に入射したと判定することができる。
入射X線検出部7は、光電変換部2bの数を演算する際に、予め定められた光電変換部2bを除外することができる。除外される光電変換部2bについては、前述したものと同様とすることができるので詳細な説明は省略する。
以上においては、薄膜トランジスタ2b2をON状態にした際の画像データS2を用いてX線の入射判定を行っているが、薄膜トランジスタ2b2をON状態にして画像データS2を読み出し、電荷を再充電する処理過程における積分期間の信号をX線の入射判定に用いてもよい。この様にすると、より早い段階でX線の入射を知ることができる。
X線が入射していないと判定された場合には、信号処理部3は、画像インデックスを更新し、制御ライン2c1のスキャンをリセットする。すなわち、信号処理部3は、制御ライン(1)からスキャンを開始し、上記の手順を繰り返す。
X線が入射したと判定された場合には、信号処理部3は、次の周期の制御ライン2c1のスキャンが終了するのを待ち、画像データS2がメモリ6に格納された段階で、メモリ6への格納を中断する。メモリ6への格納を中断することで、既に格納されている画像データS2が上書きされないようにすることができる。
続いて、画像処理部4は、X線が入射したと判定された周期において付与された画像インデックスに基づいて、X線の入射後の画像データS2を選定する。画像処理部4は、選定された画像データS2を用いてX線画像を構成する。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 X線検出器、2 アレイ基板、2a 基板、2b 光電変換部、2b1 光電変換素子、2b2 薄膜トランジスタ、2b3 蓄積キャパシタ、2c1 制御ライン、2c2 データライン、3 信号処理部、4 画像処理部、5 シンチレータ、6 メモリ、7 入射X線検出部、20 全領域、20a 領域

Claims (7)

  1. 基板と、
    前記基板に設けられ、第1の方向に延びる複数の制御ラインと、
    前記基板に設けられ、前記第1の方向に交差する第2の方向に延びる複数のデータラインと、
    前記第1の方向および前記第2の方向に並べて設けられ、それぞれが対応する前記制御ラインと対応する前記データラインとに電気的に接続された薄膜トランジスタを有し、放射線を直接的またはシンチレータと協働して検出する複数の検出部と、
    前記薄膜トランジスタのオン状態とオフ状態を切り替える制御回路と、
    前記薄膜トランジスタがオン状態の時に、前記複数の検出部のそれぞれから画像データを読み出す信号検出回路と、
    前記薄膜トランジスタがオン状態の時に読み出された前記画像データに基づいて前記放射線の入射開始時を判定する入射放射線検出部と、
    を備え
    前記入射放射線検出部は、
    放射線画像の撮影に用いる前記複数の検出部が設けられた第1の領域を、少なくとも2つの前記検出部を含む複数の第2の領域に分割し、
    前記複数の第2の領域のそれぞれにおいて、所定の前記検出部を選定し、
    前記選定された検出部から読み出された前記画像データに基づいて前記放射線の入射開始時を判定する放射線検出器。
  2. 1つの前記第2の領域において前記選定される検出部の数は、1つの第2の領域に含まれている前記検出部の数よりも少ない請求項1記載の放射線検出器。
  3. 1つの前記第2の領域における前記選定される検出部の位置は、他の前記第2の領域における前記選定される検出部の位置と異なる請求項1または2に記載の放射線検出器。
  4. 前記第2の領域は、1つの前記制御ラインに電気的に接続された複数の前記検出部、または、1つの前記データラインに電気的に接続された複数の前記検出部を含む請求項1~3のいずれか1つに記載の放射線検出器。
  5. 前記複数の第2の領域のそれぞれにおいて、前記選定される検出部の数は同じである請求項1~のいずれか1つに記載の放射線検出器。
  6. 前記入射放射線検出部は、所定の閾値を超えた値の前記画像データが読み出された、前記選定された検出部の数に基づいて前記放射線の入射開始時を判定する請求項1~のいずれか1つに記載の放射線検出器。
  7. 前記信号検出回路は、1つの前記放射線画像を構成するのに用いられる前記複数の画像データを組にする画像インデックスを、前記複数の画像データのそれぞれに付与し、
    前記入射放射線検出部は、前記所定の閾値を超えた値の前記画像データが読み出された、前記選定された検出部の数を演算する際に、同じ前記画像インデックスが付与された前記画像データを用いる請求項記載の放射線検出器。
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