JP7236916B2 - 放射線検出器 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、放射線検出器に関する。
放射線検出器の一例にX線検出器がある。X線検出器は、例えば、以下のようにして画像データを読み出す。まず、外部から入力された信号によりX線の入射を認識する。あるいは、X線検出器に設けられた入射X線検出回路などによりX線の入射を認識する。次に、制御ラインに接続された複数の検出部ごとに薄膜トランジスタを順次オン状態にして、蓄積されている電荷を読み出す。1枚のX線画像に関する電荷を読み出した後に、次のX線画像に関する電荷を読み出す際には、電荷を読み出す前に、複数の検出部に蓄積されている電荷を排出させる動作(リセット動作)が行われる。
この場合、リセット動作を含む一連の動作を行うためには、薄膜トランジスタをオフ状態にする制御信号、薄膜トランジスタをオン状態にする制御信号、および、読み出された電荷を画像データとして出力させる制御信号の3つの制御信号が必要となる。そのため、X線検出器の動作を制御する制御プログラムが複雑となったり、制御部や回路基板などの構成が複雑となったりするおそれがある。また、リセット動作を行っている間にもX線が照射される場合には、被検体(例えば患者など)が不要な被爆を受けることにもなる。
そこで、リセット動作を行うことなく、複数のX線画像に関する画像データを連続して読み出すことができる技術の開発が望まれていた。
特開2011-130878号公報
本発明が解決しようとする課題は、リセット動作を行うことなく、複数のX線画像に関する画像データを連続して読み出すことができる放射線検出器を提供することである。
実施形態に係る放射線検出器は、それぞれが薄膜トランジスタを有し、放射線を直接的またはシンチレータと協働して電荷に変換する複数の検出部と、前記複数の検出部のそれぞれに設けられた前記薄膜トランジスタのオン状態とオフ状態を切り替える読み出し回路と、前記複数の検出部のそれぞれから前記電荷を読み出し、読み出された前記電荷を画像データ信号に変換する信号検出回路と、前記読み出し回路に、複数の前記薄膜トランジスタを順次オン状態にする信号を送信する制御部と、を備えている。前記読み出し回路は、前記制御部からの前記信号を受信した場合には、前記複数の薄膜トランジスタを順次オン状態にし、前記信号を受信した後に、前記検出部の数と、1つの前記検出部から前記電荷を読み出すのに必要な時間と、の積から求められた読み出し時間が経過した場合には、全ての前記薄膜トランジスタをオフ状態にする。
X線検出器を例示するための模式斜視図である。 X線検出器のブロック図である。 アレイ基板の回路図である。 比較例に係るX線検出器の読み出し動作を例示するためのタイミングチャートである。 本実施の形態に係るX線検出器の読み出し動作を例示するためのタイミングチャートである。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
本実施の形態に係る放射線検出器は、X線のほかにもγ線などの各種放射線に適用させることができる。ここでは、一例として、放射線の中の代表的なものとしてX線に係る場合を例にとり説明をする。したがって、以下の実施形態の「X線」を「他の放射線」に置き換えることにより、他の放射線にも適用させることができる。
また、以下に例示をするX線検出器1は、放射線画像であるX線画像を検出するX線平面センサである。X線平面センサには、大きく分けて直接変換方式と間接変換方式がある。
直接変換方式は、入射X線により光導電膜内部に発生した光導電電荷(電荷)を高電界により電荷蓄積用の蓄積キャパシタに直接導く方式である。
間接変換方式は、X線をシンチレータにより蛍光(可視光)に変換し、蛍光をフォトダイオードなどの光電変換素子により電荷に変換し、電荷を蓄積キャパシタに導く方式である。
以下においては、一例として、間接変換方式のX線検出器1を例示するが、本発明は直接変換方式のX線検出器にも適用することができる。
すなわち、X線検出器は、X線を電気的な情報に変換する検出部を有するものであれば良い。検出部は、例えば、X線を直接的またはシンチレータと協働して電荷に変換するものとすることができる。
なお、直接変換方式のX線検出器の一般的な構成には既知の技術を適用することができるので、詳細な説明は省略する。
また、X線検出器1は、例えば、一般医療などに用いることができるが、用途に限定はない。
図1は、X線検出器1を例示するための模式斜視図である。
なお、図1においては、バイアスライン2c3などを省いて描いている。
図2は、X線検出器1のブロック図である。
図3は、アレイ基板2の回路図である。
図1~図3に示すように、X線検出器1には、アレイ基板2、シンチレータ3、回路基板4、および制御部5を設けることができる。
アレイ基板2は、シンチレータ3によりX線から変換された蛍光を電荷に変換する。
アレイ基板2は、基板2a、光電変換部2b、制御ライン(又はゲートライン)2c1、データライン(又はシグナルライン)2c2、バイアスライン2c3、配線パッド2d1、配線パッド2d2、および保護層2fなどを有することができる。
本実施の形態においては、光電変換部2bが、X線をシンチレータ3と協働して電荷に変換する検出部となる。
なお、光電変換部2b、制御ライン2c1、データライン2c2、およびバイアスライン2c3などの数は例示をしたものに限定されるわけではない。
基板2aは、板状を呈し、無アルカリガラスなどのガラスから形成することができる。 光電変換部2bは、基板2aの一方の面側に複数設けることができる。光電変換部2bは、制御ライン2c1とデータライン2c2とにより画された領域に設けることができる。複数の光電変換部2bは、マトリクス状に並べることができる。なお、1つの光電変換部2bは、例えば、X線画像の1つの画素(pixel)に対応する。
複数の光電変換部2bのそれぞれには、光電変換素子2b1と、スイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)2b2を設けることができる。また、光電変換素子2b1において変換した電荷を蓄積する蓄積キャパシタ2b3を設けることができる。蓄積キャパシタ2b3は、例えば、各薄膜トランジスタ2b2の下に設けることができる。ただし、光電変換素子2b1の容量によっては、光電変換素子2b1が蓄積キャパシタ2b3を兼ねることができる。
光電変換素子2b1は、例えば、フォトダイオードなどとすることができる。
薄膜トランジスタ2b2は、蓄積キャパシタ2b3への電荷の蓄積および放出のスイッチングを行うことができる。
図3に示すように、薄膜トランジスタ2b2は、ゲート電極2b2a、ドレイン電極2b2b及びソース電極2b2cを有することができる。薄膜トランジスタ2b2のゲート電極2b2aは、対応する制御ライン2c1と電気的に接続することができる。薄膜トランジスタ2b2のドレイン電極2b2bは、対応するデータライン2c2と電気的に接続することができる。薄膜トランジスタ2b2のソース電極2b2cは、対応する光電変換素子2b1と蓄積キャパシタ2b3とに電気的に接続することができる。また、光電変換素子2b1のアノード側と蓄積キャパシタ2b3は、バイアスライン2c3に電気的に接続することができる。
制御ライン2c1は、所定の間隔をあけて互いに平行に複数設けることができる。制御ライン2c1は、例えば、行方向に延びるものとすることができる。1つの制御ライン2c1は、基板2aの周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d1のうちの1つと電気的に接続することができる。1つの配線パッド2d1には、フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線のうちの1つを電気的に接続することができる。フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線の他端は、回路基板4に設けられた読み出し回路41とそれぞれ電気的に接続することができる。
データライン2c2は、所定の間隔をあけて互いに平行に複数設けることができる。データライン2c2は、例えば、行方向に直交する列方向に延びるものとすることができる。1つのデータライン2c2は、基板2aの周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d2のうちの1つと電気的に接続することができる。1つの配線パッド2d2には、フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線のうちの1つを電気的に接続することができる。フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線の他端は、回路基板4に設けられた信号検出回路42とそれぞれ電気的に接続することができる。
バイアスライン2c3は、データライン2c2とデータライン2c2との間に、データライン2c2と平行に設けることができる。バイアスライン2c3には、図示しないバイアス電源を電気的に接続することができる。図示しないバイアス電源は、例えば、回路基板4などに設けることができる。なお、バイアスライン2c3は、必ずしも必要ではなく、必要に応じて設けるようにすればよい。バイアスライン2c3が設けられない場合には、光電変換素子2b1のアノード側と蓄積キャパシタ2b3は、バイアスライン2c3に代えてグランドに電気的に接続することができる。
制御ライン2c1、データライン2c2、およびバイアスライン2c3は、例えば、アルミニウムやクロムなどの低抵抗金属を用いて形成することができる。
保護層2fは、光電変換部2b、制御ライン2c1、データライン2c2、およびバイアスライン2c3を覆うものとすることができる。保護層2fは、例えば、酸化物絶縁材料、窒化物絶縁材料、酸窒化物絶縁材料、および樹脂材料の少なくとも1種を含むことができる。
シンチレータ3は、例えば、複数の光電変換素子2b1の上に設けられ、入射するX線を蛍光に変換する。シンチレータ3は、基板2a上の複数の光電変換部2bが設けられた領域(有効画素領域)を覆うように設けることができる。
シンチレータ3は、例えば、ヨウ化セシウム(CsI):タリウム(Tl)、あるいはヨウ化ナトリウム(NaI):タリウム(Tl)などを用いて形成することができる。この場合、真空蒸着法などを用いて、シンチレータ3を形成すれば、複数の柱状結晶の集合体からなるシンチレータ3を形成することができる。
また、シンチレータ3は、例えば、酸硫化ガドリニウム(GdS)などを用いて形成することもできる。この場合、複数の光電変換部2bごとに四角柱状のシンチレータ3が設けられるように、マトリクス状の溝部を形成することができる。溝部には、大気(空気)、あるいは酸化防止用の窒素ガスなどの不活性ガスが満たされるようにすることができる。また、溝部が真空状態となるようにしてもよい。
その他、蛍光の利用効率を高めて感度特性を改善するために、シンチレータ3の表面側(X線の入射面側)を覆うように図示しない反射層を設けることができる。
また、空気中に含まれる水蒸気により、シンチレータ3の特性と反射層の特性が劣化するのを抑制するために、シンチレータ3と反射層を覆う図示しない防湿体を設けることができる。
回路基板4は、アレイ基板2の、シンチレータ3側とは反対側に設けることができる。 回路基板4は、読み出し回路41と、信号検出回路42を有することができる。なお、これらの回路を1つの基板に設けることもできるし、これらの回路を複数の基板に分けて設けることもできる。
読み出し回路41は、複数の光電変換部2bのそれぞれに設けられた薄膜トランジスタ2b2のオン状態とオフ状態を切り替えることができる。
読み出し回路41は、制御部5からの制御信号S1を受信した場合には、複数の薄膜トランジスタ2b2を順次オン状態にする。読み出し回路41は、制御信号S1を受信した後に、光電変換部2bの数と、1つの光電変換部2bから電荷を読み出すのに必要な時間と、の積から求められた読み出し時間が経過した場合には、全ての薄膜トランジスタ2b2をオフ状態にする(電荷を蓄積する状態にする)。
なお、読み出し動作に関する詳細は後述する。
図2に示すように、読み出し回路41は、複数のゲートドライバ41aと行選択回路41bを有することができる。
行選択回路41bには、制御部5から制御信号S1を入力することができる。行選択回路41bは、X線画像のスキャン方向に従って、対応するゲートドライバ41aに信号を入力することができる。
ゲートドライバ41aは、対応する制御ライン2c1に、薄膜トランジスタ2b2をオン状態にする信号を入力することができる。例えば、読み出し回路41は、フレキシブルプリント基板2e1を介して、信号を各制御ライン2c1毎に順次入力することができる。制御ライン2c1に入力された信号により薄膜トランジスタ2b2がオン状態となり、光電変換部2b(蓄積キャパシタ2b3)からの電荷が読み出せるようになる。
信号検出回路42は、複数の光電変換部2bのそれぞれから電荷を読み出し、読み出された電荷を画像データ信号S2に変換する。
信号検出回路42は、複数の積分アンプ42a、複数の選択回路42b、および複数のADコンバータ42cを有することができる。
1つの積分アンプ42aは、1つのデータライン2c2と電気的に接続することができる。積分アンプ42aは、光電変換部2bからの電荷を順次受信することができる。そして、積分アンプ42aは、一定時間内に流れる電流を積分し、その積分値に対応した電圧を選択回路42bへ出力することができる。この様にすれば、所定の時間内にデータライン2c2を流れる電流の値(電荷量)を電圧値に変換することが可能となる。すなわち、積分アンプ42aは、シンチレータ3において発生した蛍光の強弱分布に対応した画像データ情報を、電位情報へと変換することができる。
選択回路42bは、読み出しを行う積分アンプ42aを選択し、電位情報へと変換された画像データ信号S2を順次読み出すことができる。
ADコンバータ42cは、読み出された画像データ信号S2をデジタル信号に順次変換することができる。デジタル信号に変換された画像データ信号S2は、配線4aを介して制御部5に入力することができる。なお、デジタル信号に変換された画像データ信号S2は、無線により制御部5に送信されるようにしてもよい。
また、回路基板4には、入射X線検出回路を設けることができる。入射X線検出回路は、信号検出回路42と電気的に接続することができる。X線の入射が開始されると、データライン2c2に流れる電流の値が変化する。そのため、入射X線検出回路は、薄膜トランジスタ2b2がオン状態の時に、当該薄膜トランジスタ2b2が電気的に接続されたデータライン2c2に流れる電流の値に基づいてX線の入射開始時を判定することができる。例えば、入射X線検出回路は、オン状態となっている薄膜トランジスタ2b2が接続されたデータライン2c2に流れる電流を検出し、検出された電流の値が所定の閾値を超えた場合には、X線が入射したと判定することができる。
また、入射X線検出回路は、X線の照射の終了時を判定することもできる。例えば、入射X線検出回路は、オン状態となっている薄膜トランジスタ2b2が接続されたデータライン2c2に流れる電流を検出し、検出された電流の値が所定の閾値以下となった場合には、X線の照射が終了したと判定することができる。これらの閾値は、X線が照射された時にデータライン2c2に流れる電流の値と、X線が照射されていない時にデータライン2c2に流れる電流の値との差に基づいて予め設定することができる。
なお、X線の入射の開始と、X線の照射の終了は、例えば、X線発生装置などの外部の機器からの信号に基づいて判定することもできる。この場合には、入射X線検出回路を省くことができる。
制御部5は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算部と、記憶部とを有するコンピュータとすることができる。なお、前述した回路基板4は、制御部5と一体化することもできる。記憶部には、X線検出器1の動作の制御や、X線画像の構成などを行うための制御プログラムを格納することができる。
制御部5は、記憶部に格納されている制御プログラムにより、デジタル信号に変換された画像データ信号S2からX線画像を構成することができる。
また、制御部5は、記憶部に格納されている制御プログラムに基づいて、前述した回路基板4の動作を制御することができる。
例えば、制御部5は、読み出し回路41に、複数の薄膜トランジスタ2b2を順次オン状態にする制御信号S1を送信する。また、制御部5は、全ての薄膜トランジスタ2b2をオフ状態にした後に、所定の電荷蓄積時間が経過した場合には、読み出し回路41に、複数の薄膜トランジスタ2b2を順次オン状態にする制御信号S1を送信する。
また、制御部5は、読み出された電荷を画像データ信号S2として出力させる信号S1aを信号検出回路42に送信することができる。信号検出回路42は、読み出し時間の経過後に、読み出された電荷を画像データ信号S2として出力させる信号S1aが入力されている場合には、読み出された電荷を画像データ信号S2として出力することができる。
ここで、一般的には、1枚のX線画像に関する画像データ信号S2を読み出した後に、次のX線画像に関する画像データ信号S2を読み出す際には、画像データ信号S2を読み出す前に、複数の光電変換部2b(蓄積キャパシタ2b3)に蓄積されている電荷を排出させる動作(リセット動作)が行われる。
図4は、比較例に係るX線検出器100の読み出し動作を例示するためのタイミングチャートである。
なお、図4中の制御信号S100a~100cは、制御プログラムに基づいて入力することができる。
図4に示すように、制御信号S100aが入力されると(図4中のT1の時)、全ての薄膜トランジスタ2b2をオフ状態にして、電荷の蓄積を開始させる。
次に、制御信号S100bが入力されると(図4中のT2の時)、薄膜トランジスタ2b2を順次オン状態にして、蓄積されている電荷を順次読み出す。蓄積されている電荷は順次読み出されるため、全ての電荷が読み出されるまでには所定の時間を要する。そのため、その間に照射されたX線により、すでに読み出しが終了した光電変換部2b(蓄積キャパシタ2b3)に新たな電荷が蓄積する。
そこで、図4中のT3の直後から次の制御信号S100aが入力されるT4までの間は、薄膜トランジスタ2b2を順次オン状態にして、蓄積されている電荷を排出し続ける。すなわち、リセット動作が行われる。
また、リセット動作を開始させる前に、制御信号S100cが入力されていれば、読み出された電荷を画像データ信号S2として制御部5に出力する。一方、制御信号S100cが入力されていなければ、画像データ信号S2の出力を行わないようにする。
以上のようにして、比較例に係るX線検出器100の読み出し動作を行うことができる。
しかしながら、この様にすると、薄膜トランジスタ2b2をオフ状態にする制御信号S100a、薄膜トランジスタ2b2をオン状態にする制御信号S100b、および画像データ信号S2を出力させる制御信号S100cの3つの制御信号が必要となる。そのため、X線検出器100の動作を制御する制御プログラムが複雑となったり、制御部5や回路基板4などの構成が複雑となったりするおそれがある。
またさらに、リセット動作を行っている間にもX線が照射される場合には、被検体(例えば患者など)が不要な被爆を受けることにもなる。
図5は、本実施の形態に係るX線検出器1の読み出し動作を例示するためのタイミングチャートである。
前述したように、図5中の制御信号S1、S1aは、制御部5に格納されている制御プログラムに基づいて入力することができる。
図5に示すように、制御信号S1が入力されると(図5中のt1の時)、薄膜トランジスタ2b2を順次オン状態にして、蓄積されている電荷を順次読み出す。
ここで、アレイ基板2に設けられている光電変換部2bの数は予め知ることができる。また、1つの光電変換部2b(蓄積キャパシタ2b3)から電荷を読み出すのに必要な時間(RC回路時定数)も予め知ることができる。そのため、全ての光電変換部2b(蓄積キャパシタ2b3)から電荷を読み出すのに必要な時間は、光電変換部2bの数と、1つの光電変換部2b(蓄積キャパシタ2b3)から電荷を読み出すのに必要な時間との積から求めることができる。この場合、全ての光電変換部2b(蓄積キャパシタ2b3)から電荷を読み出すのに必要な時間は、ほぼ一定と考えることができる。そのため、全ての光電変換部2b(蓄積キャパシタ2b3)からの電荷の読み出しの終了を演算により知ることができる。
そこで、本実施の形態に係るX線検出器1の読み出し動作においては、電荷の読み出しの終了を演算により求め、求められた電荷の読み出し時間の経過直後(図5中のt2の時)に、薄膜トランジスタ2b2をオフ状態に切り替えて、電荷の蓄積を開始させるようにしている。
ここで、電荷の蓄積に必要な時間も予め知ることができるので、所定の時間の経過直後(図5中のt3の時)に制御信号S1を入力し、薄膜トランジスタ2b2を順次オン状態にして、蓄積されている電荷を順次読み出すことができる。その後、前述したものと同様にして、求められた電荷の読み出し時間の経過直後(図5中のt4の時)に、薄膜トランジスタ2b2をオフ状態に切り替えて、電荷の蓄積を開始させることができる。
また、求められた電荷の読み出し時間の経過直後(例えば、図5中のt2の時)に、制御信号S1aが入力されていれば、所定のタイミング(例えば、図5中のt4の時)で読み出された電荷を画像データ信号S2として制御部5に出力することができる。一方、制御信号S1aが入力されていなければ、画像データ信号S2の出力を行わないようにすることができる。
以上のようにして、本実施の形態に係るX線検出器1の読み出し動作を行うことができる。
なお、蓄積されている電荷は順次読み出されるため、全ての電荷が読み出されるまでには所定の時間を要する。そのため、その間に照射されたX線により、すでに読み出しが終了した光電変換部2b(蓄積キャパシタ2b3)に新たな電荷が蓄積する。しかしながら、新たに蓄積された電荷は、次の電荷の読み出しの際に読み出すようにすればよい。
本実施の形態に係るX線検出器1の読み出し動作によれば、薄膜トランジスタ2b2をオン状態にする制御信号S1、および画像データ信号S2を出力させる制御信号S1aの2つの制御信号により読み出し動作を行うことができる。すなわち、前述した薄膜トランジスタ2b2をオフ状態にする制御信号S100aの代わりに、演算により求められた電荷の読み出し時間を用いている。
そのため、リセット動作を行うことなく複数のX線画像に関する画像データを連続して読み出すことができる。その結果、被検体が不要な被爆を受けるのを抑制することができる。また、制御信号の数を減らすことができるので、制御プログラムが複雑となったり、制御部5や回路基板4などの構成が複雑となったりするのを抑制することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 X線検出器、2 アレイ基板、2a 基板、2b 光電変換部、2b1 光電変換素子、2b2 薄膜トランジスタ、2b3 蓄積キャパシタ、2c1 制御ライン、2c2 データライン、3 シンチレータ、4 回路基板、5 制御部

Claims (3)

  1. それぞれが薄膜トランジスタを有し、放射線を直接的またはシンチレータと協働して電荷に変換する複数の検出部と、
    前記複数の検出部のそれぞれに設けられた前記薄膜トランジスタのオン状態とオフ状態を切り替える読み出し回路と、
    前記複数の検出部のそれぞれから前記電荷を読み出し、読み出された前記電荷を画像データ信号に変換する信号検出回路と、
    前記読み出し回路に、複数の前記薄膜トランジスタを順次オン状態にする信号を送信する制御部と、
    を備え、
    前記読み出し回路は、
    前記制御部からの前記信号を受信した場合には、前記複数の薄膜トランジスタを順次オン状態にし、
    前記信号を受信した後に、前記検出部の数と、1つの前記検出部から前記電荷を読み出すのに必要な時間と、の積から求められた読み出し時間が経過した場合には、全ての前記薄膜トランジスタをオフ状態にする放射線検出器。
  2. 前記制御部は、前記全ての薄膜トランジスタをオフ状態にした後に、所定の電荷蓄積時間が経過した場合には、前記読み出し回路に、前記複数の薄膜トランジスタを順次オン状態にする信号を送信する請求項1記載の放射線検出器。
  3. 前記制御部は、前記読み出された電荷を前記画像データ信号として出力させる信号を前記信号検出回路に送信し、
    前記信号検出回路は、前記読み出し時間の経過後に、前記読み出された電荷を画像データ信号として出力させる信号が入力されている場合には、前記読み出された電荷を前記画像データ信号として出力する請求項1または2に記載の放射線検出器。
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