JP2023095507A - 放射線撮像装置の作動方法、放射線撮像装置およびプログラム - Google Patents

放射線撮像装置の作動方法、放射線撮像装置およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】画素が備えるスイッチ素子の閾値電圧を測定し、画素値の補正やセンサ基板の寿命の判定を行う放射線撮像装置の作動方法、放射線撮像装置及びプログラムを提供する。【解決手段】放射線撮像装置の作動方法は、リセット処理の後、リセットスイッチ153をオンにしたままスイッチ素子101の制御電極に第1駆動電位Voff2を供給してスイッチ素子101を弱い非導通状態にする第一工程と、変換素子102のバイアス電位を第1バイアス電位Vs1から第2バイアス電位Vs2に変更して変換素子102に電荷を蓄積させた後、基準電位Vrefと第1駆動電位Voff2とスイッチ素子101の閾値電圧とに応じた電荷量を変換素子102に残存させる第二工程と、変換素子102から前記電荷量を読み出す第三工程と、前記電荷量に基づいてスイッチ素子101の閾値電圧を算出する第四工程と、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、放射線撮像装置の作動方法、放射線撮像装置およびプログラムに関する。
PINダイオードなどの光電変換素子や、薄膜トランジスタ(TFT)などのスイッチ素子を有する画素を二次元行列状に形成したセンサ基板に、シンチレータや駆動回路、読出回路を配置した撮像装置がある。このような撮像装置は医療用だけでなく、近年では電子部品検査や配管検査などの工業用にも使用される。撮像装置を長時間使用すると、スイッチ素子に印加される電圧やスイッチ素子に照射されるX線などの影響により、スイッチ素子の閾値電圧が変動し、撮像した画像品位が低下してしまう恐れがあった。
特許文献1には、撮像装置においてスイッチ素子として絶縁ゲート型電界効果トランジスタを用いた例が記載されている。同文献は絶縁型電界効果トランジスタの閾値電圧を測定する方法を開示する。同文献によれば、測定した閾値電圧に応じて撮像装置のスイッチ素子に印加する電圧を設定することにより、撮像画像の品質の低下を抑制することが記載されている。
特許第6541344号公報
しかし、放射線撮像装置における放射線変換素子と接続されたスイッチ素子の閾値電圧、特にスイッチ素子が導通するときの立ち上がりの電圧や経年変化による閾値の変動量を求めることは困難だった。本発明は、放射線撮像装置におけるスイッチ素子の閾値電圧を測定するのに有利な技術を提供する。
本発明の放射線撮像装置の作動方法は、放射線又は光を電荷に変換して蓄積する変換素子と、スイッチ素子とを有し、前記変換素子の第1端子と前記スイッチ素子の第1端子とが接続された画素が、行列状に複数配置されたセンサ基板と、前記変換素子の第2端子にバイアス電位を供給するバイアス電源と、前記スイッチ素子の制御電極に駆動電位を供給して前記スイッチ素子を制御する駆動回路と、前記スイッチ素子の第2端子に接続されて前記スイッチ素子を通して前記変換素子から信号を読み出す読出回路と、制御演算部とを備える放射線撮像装置において、前記読出回路は前記スイッチ素子の前記第2端子に基準電位を供給し、前記バイアス電源は前記変換素子の前記第2端子に第1バイアス電位を供給し、前記駆動回路は前記制御電極に第1駆動電位を供給して、前記スイッチ素子を非導通状態にする第一工程と、前記バイアス電源は前記変換素子の前記第2端子に供給するバイアス電位を前記第1バイアス電位から第2バイアス電位に変更して前記変換素子に電荷を蓄積させた後、前記基準電位と前記第1駆動電位と前記スイッチ素子の閾値電圧とに応じた電荷量を前記変換素子に残存させる第二工程と、前記駆動回路から前記制御電極に第2駆動電位を供給して前記変換素子から前記スイッチ素子を通して前記電荷量を読み出す第三工程と、前記電荷量に基づいて、前記制御演算部により前記スイッチ素子の閾値電圧を算出する第四工程とを含むことを特徴とする。
放射線撮像装置におけるスイッチ素子の閾値電圧を測定するのに有利な技術を提供することができる。
放射線撮像システムのブロック図。 放射線撮像装置の等価回路の一部。 画素構造。 撮像動作の説明。 閾値電圧測定動作の説明。 閾値電圧測定動作の説明。 閾値電圧測定動作の説明。 寿命判定の説明。 特性変動の説明。 特性変動の説明。 画像補正の説明。 駆動の変更の説明。 駆動の変更の説明。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
(実施例1)
本発明を適用できる電子部品検査システムについて図1により説明する。放射線発生装置は図の下方向(-z方向)に向かって円錐状に放射線を照射する。検査対象物(被写体)を載せた可動ステージ、および放射線撮像装置が取り付けられた載せた可動ステージがそれぞれxy平面内で円運動を行いながら、放射線撮像装置が連続的に画像取得を行い、斜めCT撮影を行う。
この例は被写体と放射線撮像装置が可動ステージにより移動する構成であるが、放射線発生装置・被写体・放射線撮像装置の互いの相対位置を変化させながら放射線照射および画像取得を行うことができれば他の構成でもよい。放射線制御装置は放射線発生装置に放射線発生に必要な高電圧、および放射線発生・停止を制御する信号を供給する。
また、電子部品検査システムは、制御及び取得された情報の処理のためのコンピュータを備えていてもよい。コンピュータは、放射線制御装置・可動ステージ・放射線撮像装置の制御を行い、放射線撮像装置に、後述する撮像動作や閾値電圧測定動作などの各種動作を行わせることができる。またコンピュータは放射線撮像装置で得た画像の保存および斜めCT画像の再構成などを行うことができる。
放射線撮像装置は、放射線を検出するセンサ基板と、センサ基板からの情報を読み出す読出回路と、センサ基板の駆動を制御する駆動回路と、これらに電圧を供給する電源部を有する。また放射線撮像装置は、センサ基板・読出回路・駆動回路・電源部を制御する制御演算部を有する。制御演算部は、後述する撮像動作や閾値電圧測定動作などを制御し、放射線撮像装置に種々の動作を行わせることができる。
また制御演算部は、読出回路からの出力情報を基に画像情報を形成する等の、必要な画像処理をも行う。放射線撮像装置は、後述する欠損画素の2次元マップ情報(欠損マップ)や閾値電圧の2次元マップ情報(V0マップ)を記憶するメモリをさらに有していてもよい。
図2は、放射線撮像装置の回路の概略を示す図である。放射線撮像装置は、駆動回路114、センサ基板112、読出回路113、出力バッファアンプ109及びアナログ/デジタル(A/D)変換器110を有する。
センサ基板112には、放射線を検出する画素100が行列状に複数配置されている。図2では、説明の簡便化のために、センサ基板112には一部の画素100のみ示すが、実際のセンサ基板はより多画素であり、例えば17×17インチの場合、センサ基板には約2800行×約2800列の画素を配置しうる。
画素100は放射線又は光を電荷に変換する変換素子102と、変換素子に接続されたスイッチ素子101を有する。スイッチ素子101を通じて、変換素子102に蓄積された電荷に応じた電気信号が出力される。スイッチ素子101はTFTなどのトランジスタであり、ゲート電極101b、ソース電極101c、ドレイン電極101a、チャネル層(不図示)を有する。放射線撮像装置の高速化、高精細化の観点から、チャネル層には酸化物半導体、たとえばIGZOやIZOなどのアモルファス酸化物半導体を用いることができる。
変換素子102は、間接型の変換素子又は直接型の変換素子であり、照射された放射線を電荷に変換する。間接型の変換素子は、放射線を光に変換する波長変換体と、その光を電荷に変換する光電変換素子とを有する。直接型の変換素子は、放射線を直接電荷に変換できる素子である。ここでは間接型の変換素子の例として、アモルファスシリコン(a-Si)を主材料とするPIN型ダイオードを用いたものを使って説明をする。
変換素子102は、信号を取り出すための個別電極102a、バイアス電位が供給される共通電極102c、およびそれらに挟まれたa-Siを主材料とする光電変換層102bを有する。光電変換層102bは、個別電極102aに近い側がn+型、共通電極102cに近い側がp+型であるようなPIN型ダイオードである。個別電極102aはスイッチ素子101のソース電極101cに接続され、共通電極102cは共通のバイアス線Bsを介してバイアス電源と電気的に接続される。バイアス線Bsは列方向に延在しているが、行方向に延在していてもよい。
k行目(k=0~Y-1)の画素の各スイッチ素子の制御電極であるゲート電極102bは駆動回路の行に対応する駆動線Vg(k)に共通に接続される。またj列目(j=0~X-1)の画素の各スイッチ素子のドレイン電極101aは読出回路113の列に対応する信号線Sig(j)に共通に接続される。各スイッチ素子のソース電極101cはスイッチ素子が配置されている画素の変換素子102の個別電極102cにそれぞれ接続される。駆動回路114は、例えばシフトレジスタであり、駆動線Vg(0),Vg(1),・・・を介して、駆動信号をスイッチ素子101に供給することにより、スイッチ素子101の導通状態を制御する。
読出回路113は、信号線の電気信号をそれぞれ増幅する増幅回路106を、信号線Sig(k)に対応して設けている。増幅回路106は、積分アンプ105と、可変ゲインアンプ104と、サンプルホールド回路107とを有する。積分アンプ105は、信号線の電気信号を増幅する。可変ゲインアンプ104は、積分アンプ105からの電気信号を可変ゲインで増幅する。
積分アンプ105は、信号線の電気信号を増幅して出力する演算増幅器151と、積分容量152と、リセットスイッチ153とを有する。積分アンプ105は、積分容量152の値を変えることにより、ゲイン(増幅率)を変更することが可能である。サンプルホールド回路107は、可変ゲインアンプ104で増幅された電気信号をサンプルしホールドする。
また、読出回路113には、各列に対応してスイッチ126が設けられ、スイッチ126はマルチプレクサ108と接続している。マルチプレクサ108は、各列のスイッチ126を順次導通状態することにより、各増幅回路106から並列に出力される電気信号を順次、出力バッファアンプ109にシリアル信号として出力できる。
出力バッファアンプ109は、電気信号をインピーダンス変換して出力する。アナログ/デジタル(A/D)変換器110は、出力バッファアンプ109から出力されたアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換し、制御演算部に出力する。
駆動回路114は、駆動電源115から、スイッチ素子を導通状態にする導通電位Vonと、非導通状態とする非導通電位Voff1またはVoff2を有する駆動信号を各駆動線Vg(0)、Vg(1)・・・に出力する。基準電源111からは演算増幅器151の正転入力端子に供給される基準電位Vrefが供給される。バイアス電源103からは、バイアス電位Vs1またはVs2が供給される。なおここでは説明の便宜のために駆動電源115、基準電源111、バイアス電源103を配置した例で説明しているが、各用途の電源部はまとめてもよい。
バイアス電源103からのバイアス電位Vs1又はVs2は制御演算部の制御により変更可能である。駆動回路からの駆動電位は、導通電位Vonと非導通電位Voff1またはVoff2も制御演算部からの制御により切り替え可能である。 基準電位Vrefは通常は接地電位GNDと近い電位に設定される(Vref=―3~+3V程度)。
バイアス電位Vs1と、駆動回路へ供給される駆動電位のうち導通電位Vonおよび非導通電位Voff1は、後述する撮像動作で用いられる電位である。バイアス電位Vs1は、光電変換層102bに変換素子102に逆バイアスを印加し、光電変換層102bを十分に空乏化させて光電変換を行うため、基準電位Vrefに対し十分負電位となるよう設定される。例えば、Vs1-Vref=-2~-10Vとする。
また導通電位Vonは、変換素子からの信号電荷転送を速やかに行うため、スイッチ素子が完全な導通状態となるよう正に十分大きな電位(Von-Vref=+20~+5V)とされる。非導通電位Voff1はスイッチ素子が完全な非導通状態となるよう設定される。非導通電位Voff1はスイッチ素子におけるドレイン―ソース間リーク電流が無視できる程度小さく(例えば10^-14A以下)なるよう、負に十分大きな電位(Voff1-Vref=-5~-20V)とされる。またVoff1はVs1よりも負の電位(Voff1-Vs1=-1~-3V)とする。一方、バイアス電位Vs2、非導通電位Voff2は、後述する閾値電圧測定動作S100で用いられる。これらの電位の設定値の例については後述する。
図3はセンサ基板112の断面模式図の一例である。スイッチ素子のチャネル層133は酸化物半導体であり、たとえばIGZOやIZOなどのアモルファス酸化物半導体である。変換素子12は、層間絶縁層120の上に、層間絶縁層側から順に、個別電極122と、n+型の不純物半導体層123と、真性半導体層124と、p+型の不純物半導体層125と、共通電極126とを含む。
共通電極126は、不図示のコンタクトホールを介してバイアス線14と電気的に接続される。また、変換素子12の上方(基板100と反対側)に、光透過性の下地層301をはさんで蛍光体300が配置される。放射線が照射されると、蛍光体300が発した可視光が変換素子の半導体層124に入射する。
(撮像動作)
放射線撮像装置が撮像動作S009を行う際の動作について概略を図4(A)のフローチャートと図4(B)のタイミングチャートにより説明する。放射線撮像装置は以下の各工程S001~S004を順に行う。
信号電荷蓄積工程S001:スイッチ素子101を非導通にしてセンサ基板112において、放射線の照射量に応じた信号電荷を各変換素子102に蓄積する。
信号電荷読出工程S002:センサ基板112において、駆動線Vg(0)、Vg(1)、・・・に導通電位Vonを順次印加し、各行の変換素子102に蓄積された信号電荷を順次読出回路113に転送する。読出回路113は変換素子102から転送された電荷量を測定し、A/D変換を行って制御演算部に出力する。制御演算部において2次元の画像情報を生成できる。
画像補正工程S003:制御演算部により2次元画像について感度補正や欠損補正を行う。感度補正は、放射線撮像装置の画素ごとや列ごとの感度ばらつきを補正する画像処理である。事前にキャリブレーションを行い画素ごとに求めておいた係数(感度マップ)を2次元画像の各画素値に掛けることにより、シンチレータや変換素子の感度ばらつき、および増幅回路のゲインばらつきなどを補正する。
一方、欠損補正は2次元画像から欠損画素の影響を除去する画像処理である。たとえばセンサ基板の製造プロセスに由来するオープン・ショートなどにより所望の信号電荷出力を行わない画素を欠損画素と定義する。欠損画素の座標はあらかじめメモリ上に記憶しておく。これを欠損マップとよぶ。欠損補正では、欠損画素における画素値を他の値、例えば、近傍の正常な複数の画素の画素値の平均値による置き換えことなどによって補正する。なお、本工程では感度補正や欠損補正に加え、放射線撮像装置の画素ごとのオフセットレベルの調整(オフセット補正)などを行ってもよい。
画像送出工程S004:補正された画像情報を制御演算部から放射線撮像装置外(コンピュータなど)に送出する。
図4(B)は、撮像動作中、センサ基板において信号電荷蓄積工程S001,信号電荷読出工程S002を周期的に繰り返す際のタイミングチャートを示す。制御演算部においてはこれらの工程と並行して、信号電荷の読出し中に、前の周期で読み出した前フレームの画素値に対して画像補正工程S003、画像送出工程S004を繰り返し行うこともできる。
(作動方法)
次に、放射線撮像装置の作動方法の一例として、変換素子に接続されたスイッチ素子の閾値電圧測定動作S100について図5(A)のフローチャートと図5(B)のタイミングチャートにより説明する。
リセット処理S010:演算増幅器151の入出力間の間に設けられたリセットスイッチ153をオンにし、信号線Sig(0)・・・を介して基準電位Vrefをスイッチ素子101のドレイン101aに供給する。駆動線の電位を順次導通電位Vonとし、変換素子に蓄積された不要な電荷(変換素子の暗電流によるダーク電荷など)を読出回路に排出して変換素子をリセットする。
個別電極電位をVx、空乏化した変換素子102の静電容量をC1とすると、駆動線電位が導通電位Vonとなった行の画素では個別電極電位102aは基準電位Vrefにほぼ等しくなる。変換素子に蓄積された電荷量Qは、Q=C1×(Vx-Vref)≒0となり、変換素子102はリセットされた状態となる。なお本処理は不要な電荷の排出が目的であるため、制御演算部における2次元画像形成は行わなくてもよい。リセット処理後に駆動線の電位はスイッチを非導通にする駆動電位Voff1とする。ここで各電位の一例としては、Vref=1V、Von=15V、Voff1=-6.5Vである。
第一工程S011:リセットスイッチをオンにしたまま、制御演算部からの制御により、すべての行の駆動線電位をVoff1からVoff2に切り替える。Voff2はVoff1よりも弱い負の電位(Voff1<Voff2<Vref)とするが、スイッチを非導通に維持する。これにより、各スイッチ素子において、蓄積工程S001におけるスイッチがオフのときと比較してゲート-ソース間電圧が小さい状態となる。このために、非導通状態ではあるけれど、通常のスイッチがオフのときよりも弱い非導通状態にできる。以下ではこれを「弱い非導通状態」とよぶ。一例としては、Vgs=―4Vである。
第二工程(1)S012:制御演算部からの制御により、バイアス電位をVs1からVs2(Vs2<Vs1)に変化させる。このとき過渡的に画素電極にVs2-Vs1の電位差が生じ、変換素子102に電荷Q=C1×(Vs2-Vs1)が与えられる。その後、個別電極電位VxもVrefからVref+(Vs2-Vs1)へと変化する。このときの各端子の電位を図6(A)に示す。スイッチ素子101のゲート-ソース間電圧Vgsは、下記式1のようになる。
Vgs=Voff2-Vx=Voff2-Vref-(Vs2-Vs1) (式1)
ここで、Vs1,Vs2,Voff2,Vrefの値を適切に設定してVgs>V0となるようにしておく。例えば、Vref=+1V,Vs1=-2V、Vs2=-9V、Voff2=-3Vの場合、Vgs=+3Vとなり、スイッチ素子の閾値電圧V0が+3V以下であれば、スイッチ素子は導通状態となる。本工程のVgsは信号電荷読出工程S002(Vgs=Von-Vref=+20~+5V)のときと比較すると小さい値とする。導通状態は、信号電荷読み出し工程S002におけるスイッチの導通状態よりも弱い導通状態になる。この状態を、スイッチ素子は「弱い導通状態」であるとよぶ。一例としては、Vgs=―1~+3V程度、あるいはIds=10^―7A~10^―12A程度となる状態である。
続いて、第二工程(2)S013では弱い導通状態を維持する。このとき図6(B)に示すように、ドレイン-ソース間に電流Idsが流れる。電流Idsは次の式2で示す有限の大きさのリーク電流(Ileak)となる。
Ileak=κ(Vx-(Voff2-V0)) (式2)
ここでκは比例係数である。
Vgsの値が小さいので、バイアス電位の変化で変換素子に与えられた電荷Qの一部はリーク電流として読出回路に徐々に流出する。続いて、第二の工程で発生したスイッチ素子のリーク電流がほぼゼロに静定する時間だけ、駆動線電位やバイアス電位を変化させずにそのまま状態を保持する。式1で示されるように個別電極電位は、個別電極電位Vx=Voff2-V0になった時点でリーク電流Ileakがほぼゼロとなる。その状態は、図6(C)に示すように、Vx=Voff2-V0のときIds=0の状態である。このとき、変換素子に残っている残存電荷の量Q’は次の式3のようになる。
Q’=C1×(Vref-Voff2+V0)・・・(式3)
画素ごとに閾値電圧V0が異なる場合、残存電荷の量Q’の値も画素ごとに異なるので、画素毎に電荷量Q’を求める。
第三工程S014:制御演算部からの制御により、すべての行の駆動線電位をVoff2からVoff1に戻す。その後、信号電荷読出工程S002と同様、駆動線Vg(0)、Vg(1)、・・・に導通電位Vonを順次印加し、スイッチをオンにして各行の変換素子に残っている電荷Q’を順次読出回路113に転送する。読出回路113は変換素子102から転送された電荷量に基づく電圧を出力し、A/D変換を行ってデジタルデータとして制御演算部に出力する。
制御演算部においてデジタルデータに基づいてQ’の値を取得する。次に、画素の位置と対応する電荷Q’の値に基づいて、電荷Q’の2次元情報を生成する。なお本工程で読み出す電荷Q’の大きさは、信号電荷読出工程S002で読み出される信号電荷の大きさよりも大きくなりうるため、あらかじめ読出回路113における積分アンプ105の積分容量152を十分大きく設定し、ゲインを小さくしておくとよい。また、本工程終了後、バイアス電位をVs1に戻す。
第四工程S015:制御演算部において上記の式3に基づいて各画素に対応する閾値電圧V0を算出し、メモリ上に、画素の位置に対応したV0の2次元情報(V0マップ)を記憶する。V0マップは、1画素ごとにV0の値を記録するようにしてもよいし、センサ基板の有効領域をいくつかの領域に分割し領域ごとにV0の代表値(平均値や最大値、最小値、中央値など)や領域内のV0値のばらつきを記録するようにしてもよい。
図5(B)はセンサ基板においてリセット処理S010~第三工程S014を行う際のタイミングチャートである。制御演算部においては第三工程に続いて閾値電圧を算出する第四工程S015を行う。
なお、リセット処理は第1工程に含めてもよい。そのとき、図5(B)に示すよう第一工程の処理に先立って行う代わりに、図7(A)に示すように行毎に第一工程の処理と同時に行ってもよい。図7(B)はリセット処理と第1工程の処理とを同時に行うときに対応するタイミングチャートである。ここに示すとおり、非導通電位をVoff1からVoff2に切り替えた状態で、駆動線を順次導通電位Vonとし、変換素子のリセットを行うこともできる。その後、非導通電位をVoff2としたまま第三工程S014までを行い、その後非導通電位をVoff1に戻してもよい。
次に、測定された閾値電圧またはその変動量に応じて放射線撮像装置の寿命を判定する例を説明する。図8は、放射線撮像装置の寿命を判定する動作のフローチャートの一例である。放射線撮像装置への電源投入S201の後、放射線撮像装置は閾値電圧測定動作S100に入り、1画素ごとに閾値電圧V0の値を記録したV0マップをメモリ上に作成する。
続いて不良数算出動作S203に入り、閾値電圧V0があらかじめ定めた範囲を外れた画素を不良画素とし、有効領域内の不良画素の総数を不良数Dとする。あらかじめ定める範囲は、スイッチ素子の特性に応じて+1V~-3V程度などの所定の範囲とすることができる。
続いて判定動作S204に入り、不良数Dがあらかじめ定めた基準値である、許容値Dmaxを超えたかどうかを判定する。D>Dmaxの場合、通知動作S205に入り、放射線撮像装置は寿命を迎えたとして、交換を促す旨を任意の手段でユーザーに通知する。手段としては、LEDランプなどによりユーザーに直接通知してもよいし、放射線撮像システムが有する表示装置などに表示するようにしてもよい。
その後、放射線撮像装置は判定動作S204の結果によらず、撮像動作S009を任意の期間繰り返してもよい。放射線撮像装置は、任意の条件に応じて再度閾値電圧測定動作S100を実施することができる。例えば、前回の閾値電圧測定動作S100を実施後あらかじめ定めた任意の期間が経過した時、あるいは放射線撮像装置でキャリブレーション(感度マップの更新)を行う前後などに行うとよい。
閾値電圧測定動作S100は上記のように放射線撮像装置外からの指示によらず、放射線撮像装置が任意の条件に応じて自動的に行ってもよい。放射線撮像システムのコンピュータにより制御されたタイミングや、ユーザーが指示したタイミングで実施してもよい。
また、不良数算出動作S203において、上記のように閾値電圧V0の値を基に不良画素を決定する代わりに、各画素の閾値電圧V0の初期値(たとえば工場出荷時の閾値電圧V0の値など)からの変動量を基に不良画素を決定するようにしてもよい。V0マップは画素ごとではなく、複数の画素を含む領域ごとに作成する場合も、放射線撮像装置は上記と同様に不良判定を行うことができる。領域毎に行う場合、不良数算出動作S203は、領域におけるV0の代表値またはばらつきがあらかじめ定めた範囲を超えた領域を不良領域と判定し、不良領域の総数を不良数Dとして判定すればよい。このとき、判定動作S204に使用される許容値Dmaxは、不良領域の総数に対して定められた許容可能な最大値とすればよい。
(閾値の定義等)
以下、本発明で測定する閾値電圧の定義、および酸化物TFTにおける閾値の測定の意義について補足する。代表的な酸化物TFTであるIGZO-TFTにX線照射を行った際に生じる特性の変動については、以下の2つの特徴がある。
・特徴1.導通の線形領域と立ち上がり領域で特性のシフト量が異なる。
・特徴2.特性変動の大きさは同じセンサ基板における素子ごとにランダムである。
まず特徴1.について説明する。図9(A)および(B)はIGZO-TFTにX線を照射した場合の電流電圧特性(Ids-Vgs曲線、Ids=ドレイン-ソース間電流、Vgs=ゲート-ソース間電圧)の変動例である。図9(A)(B)は同じデータについてそれぞれ縦軸=線形および縦軸=対数として示したものである。いま、導通の線形領域(IdsがVgsに略比例する領域)と、立ち上がり領域(IdsがVgsに対して何桁も変化する領域。導通の非線形領域ともいえる。)のそれぞれの特性値として、例えば以下を定義する。
・線形領域の閾値電圧Vth:線形グラフ図9(A)にて、Vgs=+15VでのIds-Vgs特性を線形近似し、X軸に外挿したX切片。
・立ち上がり領域の閾値電圧V0:対数グラフ図9(B)にて、Ids=10-13AとなるVgs。
表1に初期特性および累積線量500Gy照射後のVth,V0を示す。線形領域・立ち上がり領域とも負方向にシフトしているが、両者のシフト量は異なる。
Figure 2023095507000002

通常の撮像時において、放射線撮像装置のスイッチ素子が変換素子の信号電荷を読出回路に転送する際は、スイッチ素子は線形領域で動作している。このため、特許文献1が開示する方法で測定できる閾値電圧は線形領域の閾値電圧Vthに類するものである。一方、本開示の閾値電圧測定動作S100は、変換素子に与えた電荷をスイッチ素子を介してリークさせ、そのリークが止まった時のスイッチ素子のVgsを検出している。本開示で求める閾値電圧は立ち上がり領域の閾値電圧V0に類するものである。
図9(B)のように線形領域の負方向シフト量が小さくても、立ち上がり領域の負方向シフトが大きい場合、放射線撮像装置においては信号電荷蓄積工程S001において信号電荷が意図せず流出してしまう。この信号電荷の流出のために信号電荷読出工程S002で測定される電荷量が減少してしまうことがある。すなわち、特許文献1が開示する方法による閾値電圧測定法では、酸化物TFTの特性変動を正しく検出できなかった。
次に特徴2.について説明する。図10は、図2と同様のセンサ基板構造を有し、スイッチ素子にIGZO-TFTを用いた放射線撮像装置の出力画像の劣化の例を示す概念図である。図の「初期画像」はX線を均一に照射して得られた信号電荷に対応する画像であり、「X線照射後」は放射線撮像装置にX線を照射しながら長時間使用した後に、X線を均一に照射して取得して得られた信号電荷に対応する画像である。長時間使用した後の画像は均一にX線を照射しているにもかかわらず、画素によって画素値が異なり、例えば、初期画像と画素値がほぼ変わらない画素(画素A)と、初期画像と比較して画素値が大きく減少した画素(画素B)が混在している。
画素Aにおいては、スイッチ素子の閾値電圧V0があまり変化していないため画素値への影響がないと考えられる。一方画素Bにおいては、スイッチ素子の閾値電圧V0が負に大きくシフトしたため、スイッチ素子を非導通状態にできず、蓄積期間の間に信号電荷の一部がリークし失われてしまったと理解できる。
すなわち、同図はX線照射によるスイッチ素子の特性変動(V0の負方向シフト)の大きさは各画素のスイッチ素子ごとにランダムであることを示している。酸化物TFTのX線照射下での特性変動の大きさは、仮に同一画素にトランジスタが複数含まれているとした場合に、そのトランジスタ同士でも異なる。画素Bのようにスイッチとしての導通・非導通動作が実質的に失われるようなこともある。そのため、従来の線形領域の閾値を求めるだけでは画質劣化に対処するには十分でなかったといえる。
(実施例2)
以下に、放射線撮像装置において、測定された閾値電圧またはその変動量に応じて画像補正を行うようにした動作例を図11により説明する。
電源投入S201、閾値電圧測定動作S100は実施例1と同様である。続いて欠損マップ更新動作S303に入る。制御演算部は、閾値電圧V0があらかじめ定めた範囲(たとえば0V~-3Vなど)を外れたスイッチを含む画素を不良画素とし、新たな欠損画素としてその位置を欠損マップに追加する。その後、放射線撮像システムは撮像動作S009を任意の期間繰り返してもよい。各撮像動作S009においては、更新された欠損マップを用いて画像補正が行われるため、不良画素の影響を低減しうる。
欠損マップを更新するときに、放射線撮像装置が再度閾値電圧測定動作S100を行う条件は、閾値測定動作と同様、任意の条件でよい。しかし、放射線撮像装置の駆動時間とともに不良画素数が増える場合は、定期的に欠損マップを更新するとよい。
V0マップを画素ごとではなく領域ごとに作成する場合も、放射線撮像システムは同様に欠損マップの作成を行うことができる。この場合、例えば、欠損マップ更新動作S303は領域のV0の代表値またはばらつきがあらかじめ定めた範囲を超えた領域を不良領域と判定し、不良領域に対応する画素を欠損画素として欠損マップに追加すればよい。
また、画素または領域ごとのスイッチ素子の閾値電圧V0を測定して起き、各画素のスイッチ素子のIds-Vgs特性のルックアップテーブルを用意することにより各不良画素または領域において発生するリーク電流を推定することもできる。ルックアップテーブルは放射線撮像装置や外部のコンピュータに用意しておけばよい。撮像動作S009中に不良画素または領域においてリーク電流によって失われた信号電荷量Qleakが閾値電圧V0、Ids-Vgs特性及び制御電極へ供給される電圧から推定できる。画像補正工程S003における不良画素または領域の画素値として、周辺の画素値から補間する代わりに、撮像動作S009において求めた不良画素または領域の画素値に失われた信号電荷量Qleakを足し戻して補正した値を用いることもできる。
(実施例3)
以下に、放射線撮像装置において測定された閾値電圧またはその変動量に応じて放射線撮像装置の駆動の制御を行い、放射線撮像装置の寿命を延ばしうる実施例を示す。図12(A)は、本実施例における放射線撮像装置の等価回路の一部である。図2とは電源部から駆動回路に供給される非導通電位の値がVoff1,Voff1’、Voff2の3種に増え、制御演算部からの制御により切り替え可能となっている点で相違する。
図12(B)は、放射線撮像装置におけるフローチャートの一例である。電源投入S201、閾値電圧測定動作S100は、寿命判定動作と同様である。続く不良数算出動作S203では、閾値電圧が負方向に大きくシフトした画素を不良画素とする。すなわち、閾値電圧V0の初期値に対する差があらかじめ定めた下限値(たとえば-3Vなど)を下回った画素を不良画素とし、有効領域内の不良画素の総数を求め、不良数Dとする。
続いて判定動作S204に入り、不良数Dがあらかじめ定めた許容値Dmaxを超えたかどうかを判定する。D>Dmaxである場合、放射線撮像システムは放射線撮像装置の画質が劣化しつつあると判定し、非導通電位をVoff1からVoff1’(Voff1’<Voff1)に切り替える。以後の撮像動作S009においてVoff1’はVoff1よりも負に大きいため、判定動作S204にて不良と判定された画素においてリーク電流を低減することができ、非導通電位を切り替えない場合と比較して画質の劣化を防ぐことができる。
放射線撮像装置が再度閾値電圧測定動作S100を行う条件は、閾値測定動作と同様、任意の条件、例えば使用経過時間に応じて行うことができる。なお、用意しておく非導通電位の値を3種よりも多くしてもよい。この場合、放射線撮像装置の劣化が進むに応じ、非導通電圧を段階的に負に大きくすることで、放射線撮像装置の寿命をさらに延ばすこともできる。
以下に、本発明の放射線撮像装置を用いた放射線撮像システムにおいて、測定した閾値電圧またはその変動量に応じて放射線撮像装置の駆動の制御を行い、放射線撮像装置の寿命を延ばしうる別の実施例を示す。図13は、放射線撮像装置の等価回路の一部である。図12Aとは、電源部から駆動回路に供給される非導通電位の値は図2と同様のVoff1,Voff2の2種である一方、導通電位の値がVon1,Von1’の2種に増え、制御演算部からの制御により切り替え可能となっている点で相違する。
放射線撮像システムにおけるフローチャートは図12(B)と同様である。判定動作S204において、不良数DがD>Dmaxである場合、放射線撮像システムは放射線撮像装置の画質が劣化しつつあると判定し、導通電位をVon1からVon1’(Von1’>Von1)に切り替える。以後の撮像動作S009においてVon1’はVon1よりも正に大きいため、判定動作S204にて不良と判定された画素を含むすべての画素において、放射線による閾値電圧のシフトと逆向きのシフトを発生させる。逆向きのシフトにより、放射線による閾値電圧シフトを打ち消すことができる。これにより、導通電位を切り替えない場合と比較して放射線撮像装置の劣化を遅らせ、寿命を延ばすことができる。
なお、図13の回路構成により導通電位の値を大きくする代わりに、回路構成は図2と同様のまま、信号電荷読出工程S002やリセット処理S010などにおけるスイッチ素子のデューティ比を変更してもよい。導通電位が印加されている期間を長くするようにデューティ比を変える。この場合にも、放射線による閾値電圧シフトと逆向きのシフトを発生させることにより、放射線による閾値電圧シフトを打ち消すことができる。
(その他の実施例)
上記の実施例1から3はそれぞれ単体ではなく組み合わせて実施することも可能である。例えば、工場出荷時には実施例2に示した画像補正のみを行い、放射線撮像装置の劣化が進行するにつれて実施例3に示した駆動制御による寿命延長を行うように、放射線撮像装置を設定することが可能である。さらに実施例3に示した、複数の導通電位・非導通電位の切り替えを行ってもさらなる寿命延長ができなくなった際に、実施例1のようなユーザーへの寿命通知を行うようにすることもできる。
また上述した実施例では、スイッチ素子101のチャネル層はn型半導体であり、光電変換層102bは、個別電極102aに近い側がn+型、共通電極102cに近い側がp+型であるようなPIN型ダイオードであるとした。しかし、スイッチ素子のチャネル層をp型半導体とし、光電変換層102bを、個別電極102aに近い側がp+型、共通電極102cに近い側がn+型であるようなNIP型ダイオードとしてもよい。この場合、バイアス電位Vs1,Vs2や導通電位Von、非導通電位Voff1,Voff2の極性をすべて反転すればよい。
また、本発明の放射線撮像装置の応用は、本実施例に示した電子部品などの検査用放射線撮像システムに限定されない。配管検査用など他の工業用放射線撮像システムや、画像診断を目的とした医療用放射線撮像システムに適用することも可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
14 バイアス線、100 画素、101 スイッチ素子、102 変換素子、103 バイアス電源、104 可変ゲインアンプ、105 積分アンプ、106 増幅回路、107 サンプルホールド回路、108 マルチプレクサ、109 出力バッファアンプ、110 A/Dコンバータ、111 アンプ基準電源、112 センサ基板、113 読出回路、114 駆動回路、115 駆動電源

Claims (15)

  1. 放射線又は光を電荷に変換して蓄積する変換素子と、スイッチ素子とを有し、前記変換素子の第1端子と前記スイッチ素子の第1端子とが接続された画素が、行列状に複数配置されたセンサ基板と、前記変換素子の第2端子にバイアス電位を供給するバイアス電源と、前記スイッチ素子の制御電極に駆動電位を供給して前記スイッチ素子を制御する駆動回路と、前記スイッチ素子の第2端子に接続されて前記スイッチ素子を通して前記変換素子から信号を読み出す読出回路と、制御演算部と、を備える放射線撮像装置の作動方法であって、
    前記読出回路は前記スイッチ素子の前記第2端子に基準電位を供給し、前記バイアス電源は前記変換素子の前記第2端子に第1バイアス電位を供給し、前記駆動回路は前記制御電極に第1駆動電位を供給して、前記スイッチ素子を非導通状態にする第一工程と、
    前記バイアス電源は前記変換素子の前記第2端子に供給するバイアス電位を前記第1バイアス電位から第2バイアス電位に変更して前記変換素子に電荷を蓄積させた後、前記基準電位と前記第1駆動電位と前記スイッチ素子の閾値電圧とに応じた電荷量を前記変換素子に残存させる第二工程と、
    前記駆動回路から前記制御電極に第2駆動電位を供給して前記変換素子から前記スイッチ素子を通して前記電荷量を読み出す第三工程と、
    前記電荷量に基づいて、前記制御演算部により前記スイッチ素子の閾値電圧を算出する第四工程と、を含むことを特徴とする、放射線撮像装置の作動方法。
  2. 前記読出回路が前記スイッチ素子の第2端子に前記基準電位を供給し、前記バイアス電源が前記変換素子の第2端子に前記第1バイアス電位を供給し、前記駆動回路が前記制御電極に前記第2駆動電位を供給するリセット処理を行い、前記リセット処理の後に、前記駆動回路が前記制御電極に前記第1駆動電位を供給して前記非導通状態にすることを特徴とする、請求項1に記載の放射線撮像装置の作動方法。
  3. 前記制御演算部による前記閾値電圧の算出は、次の式から算出され、
    Q’=C1×(Vref-Voff+V0)
    ここで、Q’は前記第三工程で前記変換素子から読み出された電荷量、Vrefは前記基準電位、Voff1は前記第1駆動電位、C1は前記変換素子の容量、V0は前記閾値電圧、であることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線撮像装置の作動方法。
  4. 前記スイッチ素子のチャネル層が酸化物半導体であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線撮像装置の作動方法。
  5. 放射線又は光を電荷に変換して蓄積する変換素子と、前記変換素子に接続されたスイッチ素子とを有する画素が、行列状に複数配置された複数の画素を有するセンサ基板と、
    前記変換素子にバイアス電位を供給するバイアス電源と、
    前記スイッチ素子の制御電極を制御する駆動回路と、
    前記スイッチ素子から信号を読み出す読出回路と、
    制御演算部と、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放射線撮像装置の作動方法で算出された前記スイッチ素子の閾値電圧の値を記憶するメモリと、を有する放射線撮像装置。
  6. 前記スイッチ素子が、ソース電極とドレイン電極とゲート電極を有する薄膜トランジスタであり、
    前記変換素子が、画素電極と共通電極とそれらに挟まれた光電変換層を有するダイオードであり、
    前記センサ基板は、前記画素の行に沿って延在する複数の駆動線と、前記画素の列に沿って延在する複数の信号線と、前記行及び列に沿って延在する複数のバイアス線と、をさらに有し、
    同じ行に配置された前記スイッチ素子の前記ゲート電極は、同じ行の前記駆動線を介して前記駆動回路に接続され、同じ列に配置された前記スイッチ素子の前記ドレイン電極は、同じ列の信号線を介して読出回路に接続され、前記画素に配置された前記スイッチ素子の前記ソース電極は、同じ画素に配置された前記変換素子の前記画素電極に接続され、前記変換素子の前記共通電極は、それぞれ対応する前記複数のバイアス線を介して前記バイアス電源に共通に接続されていることを特徴とする、請求項5に記載の放射線撮像装置。
  7. 前記スイッチ素子のチャネル層が酸化物半導体であることを特徴とする、請求項5又は6に記載の放射線撮像装置。
  8. 前記制御演算部により、前記画素ごとの前記スイッチ素子の前記閾値電圧又は複数の前記画素を含む領域ごとの前記スイッチ素子の前記閾値電圧の代表値または前記閾値電圧のばらつきが所定の範囲を超えたかどうか判定されることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  9. 前記制御演算部は、前記所定の範囲を超えた前記画素または前記領域の数を基準値と比較することにより、前記センサ基板の寿命を判定することを特徴とする請求項8に記載の放射線撮像装置。
  10. 前記制御演算部は、前記所定の範囲を超えた前記画素の画素値または前記領域における画素値を、その周辺の画素または領域における画素値を用いて補間することを特徴とする、請求項8に記載の放射線撮像装置。
  11. 前記制御演算部は、前記画素または前記領域における前記スイッチ素子のリーク電流を推定し、前記リーク電流によって失われた電荷量を前記画素または前記領域における画素の画素値に足し戻して画素値の補正を行うことを特徴とする、請求項8に記載の放射線撮像装置。
  12. 前記所定の範囲を超える前記画素の数または前記領域の数に応じて、前記駆動回路から出力される前記第1駆動電位を調整することを特徴とする、請求項8に記載の放射線撮像装置。
  13. 前記所定の範囲を超える前記画素の数または前記領域の数に応じて、前記駆動回路から出力される前記第1駆動電位または前記第2駆動電位の値又はデューティ比の少なくともいずれかを調整することを特徴とする、請求項8に記載の放射線撮像装置。
  14. 放射線又は光を電荷に変換して蓄積する変換素子と、スイッチ素子とを有し、前記変換素子の端子にバイアス電位を供給するバイアス電源と、前記スイッチ素子の制御電極に駆動電位を供給して前記スイッチ素子を制御する駆動回路と、前記スイッチ素子に接続されて前記スイッチ素子を通して前記変換素子から信号を読み出す読出回路と、を備える放射線撮像装置であって、
    前記スイッチ素子が非導通状態において前記変換素子の端子に供給するバイアス電位を変更して前記変換素子に電荷を蓄積させた後、前記スイッチ素子の閾値電圧に応じた電荷量に基づいて、前記スイッチ素子の閾値電圧を演算する演算部を備える放射線撮像装置。
  15. コンピュータに、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放射線撮像装置の作動方法を実行させるためのプログラム。
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