JP7060970B2 - 防虫機能を有する樹脂組成物及びこれを用いたフィルム並びに壁紙、化粧シート - Google Patents
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(A)エチレン・ビニルアルコール共重合体 100質量部;及び、
(B)ピレスロイド系化合物 0.01~5質量部;
を含む熱可塑性樹脂組成物である。
(A)エチレン・ビニルアルコール共重合体 80~98質量%;と
(C)ポリエチレン 20~2質量%;からなり、
ここで上記成分(A)エチレン・ビニルアルコール共重合体と上記成分(C)ポリエチレンとの和は100質量%である、熱可塑性樹脂混合物 100質量部;及び、
(B)ピレスロイド系化合物 0.01~5質量部;
を含む熱可塑性樹脂組成物である。
上記成分(A)エチレン・ビニルアルコール共重合体は、エチレンとビニルアルコールとが共重合した構造を有する共重合体である。上記成分(A)は、ビニルアルコールが熱力学的に不安定な化合物であるため、通常は、エチレンとビニルエステルとの共重合体を鹸化して生産される。
上記成分(B)ピレスロイド系化合物は、防虫機能を発現させる働きをする。また上記成分(A)との組み合わせにおいて、ブリード白化が起こり難いという特性を有する。
本発明の樹脂組成物は、好ましい態様の1つにおいて、上記成分(C)ポリエチレンを含むものであってよい。上記成分(C)は、フィルム製膜性、耐水性、エンボス加工適性、及び壁紙や化粧シートとして用いる際の施行性を高める働きをする。
(イ)ヘーズ:
JIS K7136:2000に従い、日本電色工業株式会社の濁度計「NDH2000(商品名)」を用いて測定した。
温度80℃、相対湿度50%の環境下で24時間処理した後、上記(イ)の方法に従い、ヘーズを測定した。上記(イ)ヘーズの値と比較して、ヘーズの増加が小さいものは、ブリード白化が抑制されていると評価できる。
樹脂フィルムに直径6cm、深さ5cmのポリエチレンテレフタレートカップを仰向けに貼付け、上記カップの底に穴を開け、該穴から10匹のチカイエカ(メス)を上記カップに入れた後、上記穴を脱脂綿で栓をし、5質量%蔗糖水を餌として綿に含ませた。48時間経過後のノックダウン数と死虫数の和を計数した。試験は3回繰り返して行い、3回の試験の総和を算出した。
壁紙のエンボス形成面を肉眼(矯正視力1.0)で目視観察し、以下の基準で評価した。
◎:少なくとも最適条件では、エンボスが壁紙のエンボス形成面の全体にわたって形成されており、かつ壁紙や防虫フィルムの割れや穴開きもない。
○:最適条件でも、壁紙のエンボス形成面の一部にエンボスの形成されていない部分がある。しかし、少なくとも最適条件では、壁紙や防虫フィルムの割れや穴開きはない。
×:最適条件でも、エンボスがほとんど又は全く形成されていない、又は/及び、壁紙、防虫フィルムに割れや穴開きがある。
プロクター・アンド・ギャンブル社のオレンジオイル含有アルカリ洗剤「マイスター プロパー(Meister Proper)」(商品名)20mlに対し、マジックペン用(赤)インキを10滴の割合で混合し試験液とした。次に試験片(壁紙)の防虫フィルム側の面の上に30mm×40mmの大きさにカットした日本製紙クレシア株式会社の紙ワイパー「キムワイプ(商品名)」を広げて置き、スポイトを使用して上記試験液10滴を上記紙ワイパーの上に均一に滴下した。滴下後、上記紙ワイパーと上記試験片との間の気泡を、ピンセットを使用して抜き、上記紙ワイパーと上記試験片とを密着させたものを温度23℃、相対湿度50%の環境下で保管した。保管時間24時間毎に、上記試験液10滴を滴下し、気泡を抜いて密着させる操作を繰り返しながら72時間保管した。所定時間経過後、上記試験片上の上記試験液を含んだ上記紙ワイパーを除去し、上記試験片を上記紙ワイパーに水を染み込ませて水拭きし、更に乾いた上記紙ワイパーで乾拭きし、上記試験片表面に付着した上記試験液を完全に取除いた。上記試験片(壁紙)の防虫フィルム側の面を肉眼(矯正視力1.0)、又はルーペ(拡大倍率25倍)を用いて目視観察し、以下の基準で評価した。
◎:ルーペを用いて観察してもクラックは認められない
○:肉眼ではクラックは認められない。しかし、ルーペを用いて観察すると軽微なクラックの存在が認められる。
×:肉眼でクラックを認めることができる。
(A)エチレン・ビニルアルコール共重合体:
(A-1)株式会社クラレの「エバールE105B(商品名)」。エチレンに由来する構成単位の含有量44モル%。メルトマスフローレート(210℃、21.18N)13g/10分。
(A-2)株式会社クラレの「エバールL171B(商品名)」。エチレンに由来する構成単位の含有量27モル%。メルトマスフローレート(210℃、21.18N)4.0g/10分。
(A-3)株式会社クラレの「エバールG156B(商品名)」。エチレンに由来する構成単位の含有量48モル%。メルトマスフローレート(210℃、21.18N)15g/10分。
(A-4)東ソー株式会社の「メルセンH‐6051(商品名)」。エチレンに由来する構成単位の含有量81モル%。メルトマスフローレート(210℃、21.18N)14g/10分。
(B-1)三井化学アグロ株式会社のピレスロイド系化合物「エトフェンプロックス(商品名)」。2‐(4‐エトキシフェニル)‐2‐メチルプロピル=3‐フェノキシベンジルエーテル。
(C-1)ダウエラストマー社の「エンゲージ8100(商品名)」。密度870Kg/m3、メルトマスフローレート(190℃、21.18N)1g/10分。
(1)熱可塑性樹脂組成物の作成:
上記成分(A-1)100質量部、及び上記成分(B-1)2質量部の混合物を日本製鋼株式会社の28mm径、L/D=42の二軸押出機を使用し、スクリュウ回転数200rpm、ダイス出口樹脂温度220℃の条件で溶融混練し、ストランドカット法により、熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。
(2)防虫フィルムの作成:
上記で得たペレットを用い、押出機、Tダイ、及びバキュームチャンバ―方式の引巻取機を備えたフィルム製膜装置を使用し、Tダイ出口樹脂温度220℃、鏡面冷却ロールの表面温度40℃、及び引取速度20m/分の条件で、厚み12μmの防虫フィルムを得た。
(3)壁紙の作成:
リケンテクノス株式会社の厚み120μm、白色の着色ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム「FC1814(商品名)」の片面の上に、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体系樹脂バインダーの印刷インキを用い、乾燥後の層厚みが2μmとなるように印刷層を設け、該印刷層の上に上記(2)で得た防虫フィルムを重ね、鏡面ロールと表面の平滑な受けロールとで押圧する機構を備えた装置を使用して温度25℃で押圧し、積層体を得た。次に、予熱ロール及び木目導管・梨地メッキの金属製エンボスロールBR‐16を備えたエンボス加工装置を使用し、温度120℃に設定した予熱ロールと押圧ロールとの間に、上記積層体を、上記積層体の上記(2)で得た防虫フィルム側の面が予熱ロール側となるように通紙し、挟み込んで予熱した後、そのまま連続的に、温度を150℃に設定した上記エンボスロールとゴム表面を持つ平滑ロールとの間に、上記積層体を、上記積層体の上記(2)で得た防虫フィルム側の面がエンボスロール側になるように挟み込んでエンボス加工を行い、表面にエンボス模様を有する壁紙を得た。このとき押圧の圧力は11Kg/cmであった。なお上記の加工条件では、エンボスがほとんど又は全く形成されていない場合、あるいは壁紙、防虫フィフィルムに割れや穴開きがある場合は、予熱ロールの温度を100~180℃の範囲で、エンボスロールの温度を120~200℃の範囲で適宜調節した。
(4)上記試験(イ)~(ニ)を行った。結果を表1に示す。
熱可塑性樹脂組成物の配合を表1に示すように変更したこと以外は、例1と同様に行った。結果を表1に示す。
2:印刷層
3:着色樹脂シートの層
4:エンボス模様
Claims (8)
- (A)エチレン・ビニルアルコール共重合体 100質量部;及び、
(B)ピレスロイド系化合物 0.01~5質量部;
を含む壁紙用、又は化粧シート用熱可塑性樹脂組成物。
- (A)エチレン・ビニルアルコール共重合体 80~98質量%;と
(C)ポリエチレン 20~2質量%;
からなり、ここで上記成分(A)エチレン・ビニルアルコール共重合体と上記成分(C)ポリエチレンとの和は100質量%である、熱可塑性樹脂混合物 100質量部;及び、
(B)ピレスロイド系化合物 0.01~5質量部;
を含む壁紙用、又は化粧シート用熱可塑性樹脂組成物。
- 上記成分(A)エチレン・ビニルアルコール共重合体のエチレンに由来する構成単位の含有量が20~80モル%である請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 上記成分(B)ピレスロイド系化合物がエトフェンプロックスを含む請求項1~3の何れか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 上記成分(A)エチレン・ビニルアルコール共重合体のエチレンに由来する構成単位の含有量が35~60モル%である請求項1~4の何れか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1~5の何れか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を含む壁紙、又は化粧シート。
- 正面側から順に、請求項1~5の何れか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムの層、印刷層、及び着色樹脂シートの層を有する壁紙。
- 正面側から順に、請求項1~5の何れか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムの層、印刷層、及び着色樹脂シートの層を有する化粧シート。
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