以下、図面を参照しながら、実施形態を説明する。以下で説明する各実施形態の構成は、他の実施形態の構成や、変形例の構成と矛盾しない範囲で互いに適宜組み合わされればよい。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る空調機10について説明する。
(1)機器制御システムの概要
初めに、空調機10を含む機器制御システム1について、主に図1及び図2を参照しながら説明する。
図1は、空調機10を含む機器制御システム1の概略構成図である。図2は、機器制御システム1の概略ブロック図である。なお、図2では、機器制御システム1の一部構成については描画を省略している。
機器制御システム1は、操作者の音声による指示で、空調機10を制御するシステムである。また、機器制御システム1は、操作者の音声による指示で、後述する第1機器群50に含まれる機器50a,50b,・・・50nと、第2機器群60に含まれる機器60a,60b,・・・60mと、を制御するシステムである。
機器制御システム1は、空調機10と、第1機器群50と、第2機器群60と、赤外線出力装置40と、解析サーバ20と、空調機サーバ30と、機器サーバ70と、を主に含む(図1参照)。
空調機10、第1機器群50、第2機器群60及び赤外線出力装置40は、建物Bに配置される機器である(図1参照)。例えば、建物Bは一戸建ての住宅であるが、これに限定されるものではない。建物Bは、オフィスビル、商業施設、工場等であってもよい。解析サーバ20、空調機サーバ30及び機器サーバ70は、限定するものではないが、通常、建物Bとは別の場所に設置される。
なお、図1では、機器制御システム1により動作が制御される空調機10、第1機器群50及び第2機器群60の配置される建物Bを1つしか描画していない。しかし、建物Bは複数であってもよい。つまり、機器制御システム1は、複数の建物Bにそれぞれ配置される空調機10、第1機器群50及び第2機器群60の動作を制御するシステムであってもよい。ここでは、説明の簡略化のため、建物Bは1つとする。
また、建物Bに配置される空調機10、第1機器群50の機器、第2機器群60の機器及び赤外線出力装置40のそれぞれの台数は、図1に描画された台数によらず、1台であっても複数であってもよい。なお、ここでは、建物Bに配置される空調機10及び赤外線出力装置40の台数は1台で、建物Bに配置される第1機器群50及び第2機器群60の機器の台数はそれぞれ複数であるとして説明をする。
以下に、空調機10と、第1機器群50と、第2機器群60と、赤外線出力装置40と、解析サーバ20と、空調機サーバ30と、機器サーバ70とについて更に説明する。
(1-1)空調機
空調機10は、室内ユニット12と、室外ユニット14と、これらの間を接続する冷媒連絡配管(図示せず)と、通信部16と、コントローラ18と、マイク素子140と、を主に有する(図1及び図2参照)。空調機10は、空調対象空間の空気調和を行う装置である。空調対象空間は、例えば、建物B内の室内ユニット12が配置される部屋である。
空調機10は、マイク素子140(図2参照)に指示音声を入力することで操作可能な空調機である。指示音声は、限定するものではないが、例えば、“空調オン”、“設定温度を25℃に設定”等の音声である。なお、空調機10は、音声操作に加えて、一般的なリモコンによっても操作可能に構成されていてもよい。
なお、この機器制御システム1では、マイク素子140は、第1機器群50の機器50a,50b,・・・50n及び第2機器群60の機器60a,60b,・・・60mに対する指示音声も受付可能に構成されている。
空調機10、第1機器群50の機器50a,50b,・・・50n及び第2機器群60の機器60a,60b,・・・60mの音声による操作については後述する。
空調機10では、室内ユニット12と室外ユニット14とが冷媒連絡配管を介して接続されることで、室内ユニット12の室内熱交換器(図示省略)や、室外ユニット14の圧縮機、室外熱交換器、膨張弁等(図示省略)が配管で接続され、冷媒回路が構成される。空調機10では、冷媒回路内で冷媒を循環することで、室内ユニット12の設置された空間の冷房/暖房が行われる。
なお、本実施形態では、空調機10は、室内ユニット12の室内熱交換器において、室内熱交換器の内部を流れる冷媒と空調対象空間の空気との間で熱交換が行われるが、空調機はこのような機器に限定されない。例えば、空調機10は、室内ユニット12(ファンコイルユニット)の室内熱交換器において、室内熱交換器の内部を流れる冷水/温水と空調対象空間の空気との間で熱交換が行われる装置であってもよい。
空調機10の動作は、コントローラ18により制御される。コントローラ18は、例えば、室内ユニット12が有する制御基板18aと、室外ユニット14が有する制御基板(図示せず)とを含む。なお、室内ユニット12の各構成の動作は、主に室内ユニット12の制御基板18aにより制御され、室外ユニット14の各構成の動作は、主に室外ユニット14の制御基板により制御される。コントローラ18を構成する室内ユニット12及び室外ユニット14の制御基板のCPUは、空調制御用のプログラムを実行することで、空調機サーバ30から送信されてくる後述する指令C等に応じて空調機10の各部の動作を制御する。
蒸気圧縮冷凍サイクルを利用した空調機10の動作原理や動作内容については、一般に広く知られているため、ここでは説明は省略する。なお、空調機10は、空調対象空間の冷房/暖房の両方を実施可能な空調機である必要はなく、冷房専用、又は、暖房専用の空調機であってもよい。
室内ユニット12は、制御基板18aの他の電子部品として、音声処理チップ170を有する。音声処理チップ170は、音声認識チップの一例である。また、音声処理チップ170は、音声認識部の一例である。音声処理チップ170は、マイク素子140が取得した指示音声を処理して後述する信号Sを生成する集積回路である。また、音声処理チップ170は、マイク素子140が取得した指示音声のうち、特定指示音声だけを認識し(指示音声に対して音声認識処理を実行し、特定指示音声だけを認識し)、所定指令C0を生成する集積回路である。
特定指示音声は、例えば、空調機10が次の指示音声の入力に備えるよう要求する音声である。そして、所定指令C0は、例えば、マイク素子140に、引き続く指示音声の受け付けを要求する指令を含む。また、所定指令C0は、例えば、通信部16の後述する送信部16aに、マイク素子140が受け付けた指示音声のうち、特定指示音声以外の(特定指示音声に引き続いて受け付ける)指示音声に基づく信号Sの送信の準備を要求する指令を含む。
なお、特定指示音声は、空調機10が次の指示音声の入力に備えるよう要求する音声ではなくてもよい。例えば、特定指示音声は、空調機10の基本的な動作(例えばオン/オフ)の実行を要求する音声であって、これに応じて生成される所定指令C0は、コントローラ18に空調機10の運転/停止を要求する指令であってもよい。そして、空調機10の動作であって、基本的な動作以外の実行を要求する指示音声に基づく信号Sは、外部(解析サーバ20)に送信されてもよい。
音声処理チップ170は、制御基板18aと一体化されていることが好ましい。つまり、室内ユニット12は、制御基板18aと音声処理チップ170とが一体化されたモジュール180を有することが好ましい(図2参照)。
空調機10は、空調機10の外部の解析サーバ20や空調機サーバ30と通信を行うための通信部16を有している。空調機10(通信部16)は、ネットワーク80を介して、解析サーバ20及び空調機サーバ30と接続されている(図1参照)。ネットワーク80は、ここではインターネットであるが、他のWANであってもよい。空調機10は、ルータ82と無線LANにより接続され、ルータ82を介してネットワーク80と接続されている(図1参照)。ルータ82は、WAN側のインターフェースと、LAN側のインターフェースとを有し、WANとLANを相互接続させる。なお、空調機10とルータ82とは、無線LANではなく、有線LANで接続されてもよい。
また、ネットワーク80はLANであってもよい。
通信部16は、例えば、ルータ82との間で無線通信を行う無線LANアダプタである。通信部16は、機能部として、情報を送信する送信部16aと、情報を受信する受信部16bとを有している(図2参照)。
送信部16aは、例えば、マイク素子140が受け付けた指示音声に基づく信号Sを外部に送信する(図2参照)。特には、送信部16aは、マイク素子140が受け付けた指示音声のうち、特定指示音声以外の指示音声に基づく信号Sを外部に送信する。ただし、これに限定されるものではなく、送信部16aは、マイク素子140が受け付けた全ての指示音声について、指示音声に基づく信号Sを外部に送信してもよい。
ここでは、信号Sは、指示音声が音声処理チップ170によりAD変換されたデジタル音声信号である。なお、信号Sは、例えば、デジタル音声信号が、各種音声データ圧縮方式(例えばMP3等)を用いて音声処理チップ170により更に圧縮されたデータであってもよい。また、信号Sは、指示音声が音声処理チップ170によりテキスト化されたデータ(音声をテキストに置き換えたデータ)であってもよい。送信部16aは、複数のアドレスに(例えば、解析サーバ20と空調機サーバ30とに)信号Sを送信することが好ましい。
また、送信部16aは、空調機10及び空調対象空間の少なくとも一方に関する状態量についての情報Jを空調機サーバ30に対して送信することが好ましい(図2参照)。限定するものではないが、空調機10に関する状態量には、例えば冷媒回路の様々な場所においてセンサ(図示せず)により測定される冷媒の温度/圧力や、室外ユニット14の圧縮機のインバータ制御モータ(図示せず)の回転数や、室外ユニット14の膨張弁の開度等を含む。空調対象空間に関する状態量には、限定するものではないが、センサ(図示せず)により測定されている空調対象空間の温度等を含む。
受信部16bは、例えば、送信部16aが送信した信号S(特には、空調機10の制御に関する指示音声に基づく信号S)に応じた指令Cを外部から受信する。より具体的には、受信部16bは、解析サーバ20による信号S(特には、空調機10の制御に関する指示音声に基づく信号S)の解析の結果に基づいて生成された指令Cを受信する。好ましくは、受信部16bは、空調機サーバ30が解析サーバ20による信号S(特には、空調機10の制御に関する指示音声に基づく信号S)の解析の結果と、送信部16aから空調機サーバ30に対して送信された状態量についての情報Jとに基づいて生成した指令Cを受信する。
空調機10の動作を制御するコントローラ18は、指令Cに基づいて空調機10の動作を制御する。限定するものではないが、指令Cは、例えば、空調機10の運転のオン/オフ、空調機10の運転モード(冷房/暖房/除湿/送風等)の切換、設定温度(空調対象空間の目標温度)の変更、室外ユニット14の圧縮機のインバータ制御モータ(図示せず)の回転数の目標値、室外ユニット14の膨張弁の開度の目標値、及び、室内ユニット12のファン150のインバータ制御のファンモータ160の回転数の目標値の少なくとも1つに関する。
(1-2)第1機器群
第1機器群50の機器50a,50b,・・・50nは、赤外線信号により操作可能な機器である。第1機器群50の機器50a,50b,・・・50nは、限定するものではないが、例えば、扇風機、照明機器、オーディオ機器等を含む。第1機器群50の機器50a,50b,・・・50nは、ネットワーク80には接続されていなくてもよい。
第1機器群50の機器50a,50b,・・・50nは、空調機10のマイク素子140に対する指示音声の入力に応じて赤外線出力装置40から送信される赤外線信号により操作可能な機器である。赤外線信号により操作可能な内容には、例えば、機器50a,50b,・・・50nのオン/オフ、扇風機であれば送風の強さの変更、照明機器であれば明るさの変更、オーディオ機器であればボリュームの変更等を含む。
なお、第1機器群50の機器50a,50b,・・・50nは、音声操作に加えて(指示音声の入力に応じて赤外線出力装置40から送信される赤外線信号による操作に加えて)、一般的な赤外線リモコンや、機器50a,50b,・・・50nの本体に設けられたスイッチによっても操作可能に構成されていてもよい。
(1-3)第2機器群
第2機器群60の機器60a,60b,・・・60mは、ネットワーク80を介して送信される信号により操作可能な機器である。第2機器群60の機器60a,60b,・・・60mは、限定するものでは無いが、例えば、テレビ、DVDレコーダ等を含む。第2機器群60の機器60a,60b,・・・60mは、図示しない無線LANアダプタを有し、ルータ82を介してネットワーク80と接続されている(図1参照)。第2機器群60の機器60a,60b,・・・60mは、ネットワーク80を介して、解析サーバ20及び機器サーバ70の少なくとも一方と通信可能に接続されている(図1参照)。なお、第2機器群60の機器60a,60b,・・・60mとルータ82とは、無線LANではなく、有線LANで接続されてもよい。
第2機器群60の機器60a,60b,・・・60mは、空調機10のマイク素子140に対する指示音声の入力に応じて解析サーバ20又は機器サーバ70から送信される信号により操作される。解析サーバ20又は機器サーバ70から送信される信号により操作可能な内容には、例えば、機器60a,60b,・・・60mのオン/オフ、テレビのチャンネルやボリュームの変更、DVDレコーダの録画予約設定等を含む。
なお、第2機器群60の機器60a,60b,・・・60mは、音声操作に加えて(指示音声の入力に応じてネットワーク80を介して送信されてくる信号による操作に加えて)、一般的に用いられているリモコンや、機器60a,60b,・・・60mの本体に設けられたスイッチによっても操作可能に構成されていてもよい。
(1-4)解析サーバ
解析サーバ20は、解析装置の一例である。
解析サーバ20は、空調機10(通信部16)とネットワーク80を介して接続されている。そして、空調機10のマイク素子140が指示音声を受け付けると、上述したように、空調機10の送信部16aは、指示音声に基づく信号Sを、ネットワーク80を介して解析サーバ20に送信する(図2参照)。なお、マイク素子140が受け付ける指示音声には、空調機10の制御に関する指示音声、第1機器群50の機器50a,50b,・・・50nの制御に関する指示音声、第2機器群60の機器60a,60b,・・・60mの制御に関する指示音声を含む。言い換えれば、解析サーバ20は、空調機10、機器50a,50b,・・・50n、及び機器60a,60b,・・・60mの制御に関する指示音声に基づく信号Sを受信する。
また、解析サーバ20は、ネットワーク80を介して、空調機サーバ30、機器サーバ70、及び赤外線出力装置40と通信可能に接続されている。
解析サーバ20は、記憶装置に記憶されているプログラムを実行することで、受信した信号Sを解析するコンピュータである。例えば、具体的には、解析サーバ20は、受信した音声信号の音声認識を行う。
なお、解析サーバ20の記憶装置には、プログラムの他、例えば、マイク素子140に対する指示音声の入力により操作可能な機器(空調機10、第1機器群50の機器50a,50b,・・・50n、及び第2機器群60の機器60a,60b,・・・60m)のリストが記憶されている。つまり、解析サーバ20は、マイク素子140に対する指示音声の入力によりどの機器を操作可能であるかを把握している。また、第2機器群60の機器60a,60b,・・・60mに関しては、制御対象の機器60a,60b,・・・60mが、解析サーバ20の直接の制御対象であるか否か(解析サーバ20及び機器サーバ70のいずれのサーバの制御対象であるか)に関する情報も記憶されている。
解析サーバ20は、信号Sとしての音声を分析してその特徴量を求め、記憶装置に記憶された音響モデル、言語モデル及び発音辞書を含む音声認識辞書を利用して特徴量からテキスト情報を生成する。解析サーバ20が生成するテキスト情報は、限定するものではないが、例えば“空調機オン”、“空調機の設定温度を25度に設定”、“照明装置オフ”、“テレビオン”等のテキスト情報である。
解析サーバ20は、テキスト情報が、空調機10の制御に関するものである場合(例えば、テキスト情報が空調機に関するキーワードを含んでいる場合)、信号Sの解析結果(つまり生成したテキスト情報)を、ネットワーク80を介して空調機サーバ30に送信する(図2参照)。
解析サーバ20は、テキスト情報が第1機器群50の機器50a,50b,・・・50nの制御に関するものである場合(例えば、テキスト情報が第1機器群50に関するキーワードを含んでいる場合)、赤外線出力装置40に対し、信号Sの解析結果(つまり生成したテキスト情報)に応じた赤外線信号の送信を命じる指令を送信する。例えば、テキスト情報が、第1機器群50の機器50a,50b,・・・50nに含まれる照明装置に関する情報(例えば、“照明装置オフ”)であった場合、解析サーバ20は、赤外線出力装置40に対し、照明装置に対して消灯を指示する赤外線信号を送信するように命じる指令を送信する。赤外線出力装置40に対する指令は、解析サーバ20から、ネットワーク80を介して赤外線出力装置40へと送信される。
解析サーバ20は、テキスト情報が第2機器群60の機器60a,60b,・・・60mの制御に関するものである場合(例えば、テキスト情報が第2機器群60に関するキーワードを含んでいる場合)、信号Sの解析結果(つまり生成したテキスト情報)に応じた指令を第2機器群60の機器60a,60b,・・・60mに送信する。例えば、テキスト情報が、第2機器群60の機器60a,60b,・・・60mに含まれるテレビに関する情報(例えば、“テレビオン”)であった場合、解析サーバ20は、テレビに対し、スイッチオンを指示する指令を送信する。第2機器群60の機器60a,60b,・・・60mに対する指令は、解析サーバ20から、ネットワーク80を介して第2機器群60の機器60a,60b,・・・60mへと送信される。
なお、テキスト情報が第2機器群60の機器60a,60b,・・・60mの制御に関するものである場合であって、制御対象の機器60a,60b,・・・60mが解析サーバ20の直接の制御対象でない場合には、その機器60a,60b,・・・60mを制御する機器サーバ70へとテキスト情報が送信される。そして、機器サーバ70から機器60a,60b,・・・60mへとネットワーク80を介して指令が送信される。
(1-5)空調機サーバ
空調機サーバ30は、指令生成装置の一例である。
空調機サーバ30は、解析サーバ20から送信される、解析サーバ20による信号Sの解析の結果(つまり解析サーバ20が生成したテキスト情報)と、空調機10の送信部16aから適宜送信される空調機10及び空調対象空間の少なくとも一方に関する状態量についての情報Jとに基づいて指令Cを生成する。そして、空調機サーバ30は、ネットワーク80を介して指令Cを空調機10の受信部16bに対して送信する。
なお、ここでは、空調機サーバ30は、解析サーバ20による信号Sの解析の結果に加え、情報Jに基づいて指令Cを生成するが、これに限定されるものではない。空調機サーバ30は、解析サーバ20による信号Sの解析の結果だけに基づいて指令Cを生成してもよい。
また、空調機サーバ30は、空調機10の送信部16aから送信されてくる信号Sを蓄積し、信号Sを用いて各種解析を行う。
なお、本実施形態では、機器制御システム1に空調機サーバ30が含まれるが、これに限定されるものではない。例えば、空調機10が、解析サーバ20による信号Sの解析の結果(つまり解析サーバ20が生成したテキスト情報)に基づいて運転内容を直接決定可能である場合には、空調機サーバ30は設けられなくてもよい。そして、解析サーバ20による信号Sの解析の結果が、指令Cとして、空調機10の受信部16bに直接送信されてもよい。
(1-6)機器サーバ
機器サーバ70は、解析サーバ20から送信される、解析サーバ20による信号Sの解析の結果(つまり解析サーバ20が生成したテキスト情報)に基づいて、第2機器群60の機器60a,60b,・・・60mに対する指令を生成する。そして、機器サーバ70は、ネットワーク80を介して指令を操作対象の第2機器群60の機器60a,60b,・・・60mに対して送信する。
なお、図1では機器サーバ70は1台であるが、(解析サーバ20からの指令によってではなく)機器サーバ70により操作される機器60a,60b,・・・60mの種類が複数ある場合には、その種類の数だけ機器サーバ70が存在することが好ましい。
また、機器60a,60b,・・・60mの全ての機器が解析サーバ20からの指令によって操作される場合には、機器サーバ70は存在しなくてもよい。
(1-7)赤外線出力装置
赤外線出力装置40は、第1機器群50の機器50a,50b,・・・50nの機器別かつ操作内容別に、制御用の赤外線信号パターンを記憶する記憶部(図示せず)を有している。赤外線出力装置40は、記憶部に記憶されている赤外線信号パターンを利用して、解析サーバ20から送信される指令に応じて、操作対象である第1機器群50の機器50a,50b,・・・50nに対して赤外線信号を送信する。
(2)空調機の室内ユニット
空調機10の室内ユニット12に関し、図面を参照しながら(主に図2から図5を参照しながら)更に説明する。
図3は、空調機10の室内ユニット12の概略斜視図である。図4は、室内ユニット12の後述する本体100の吹出口120からの空気の吹出し状態を模式的に描画した図である。図3(a)は本体100を側方から見た図であり、図3(b)は本体100を下方から見た図であり、図3(c)は本体100を正面から見た図である。図5は、室内ユニット12の本体100におけるマイク素子140の取り付けの態様の例を模式的に描画した図である。
なお、以下では、方向や向きを説明するために「前(正面)」「後(背面)」「左」「右」「上」「下」等の表現を用いる場合があるが、これらの表現の表す向きは、特記無き場合、図中の矢印の向きに従う。
室内ユニット12は壁掛式である。つまり、室内ユニット12は、その背面側が壁Wに取り付けられる(図4(a)参照)。
室内ユニット12は、本体100と、マイク素子140と、ファン150と、ファンモータ160と、制御基板18a及び音声処理チップ170が一体化されたモジュール180を有する(図2及び図3参照)。
本体100は、内部に室内側熱交換器(図示省略)、ファン150及びファンモータ160を収容する筐体である。
本体100には、吹出口120と吸込口130とが形成されている(図3参照)。
吸込口130は、空調対象空間の空気を本体100の内部に吸い込むための開口である。吸込口130は、左右方向を長手方向として延びる。吸込口130は、本体100の前面上部から本体100の上面にわたって形成されている(図4参照)。
吹出口120は、空調対象空間に対して空気調和された空気を吹き出すための開口である。吹出口120は、本体100の下面に形成されている。ここで、本体100の下面とは、本体100を下方(直下)から見た時に目視可能な面である。吹出口120は、具体的には、本体100の前方側下部の吹出口形成面F1に形成されている。吹出口形成面F1は、図4の(a)のように下方側ほど後方に配置される傾斜面(鉛直面に対して傾斜している面)である。吹出口120は、第2方向D2(ここでは左右方向)を長手方向として延びるように形成されている(図4(b)及び図4(c)参照)。吹出口120には上下方向の風向を調整するためのフラップ122が配置されている(図3参照)。
吹出口120から吹き出す空気は、主に通風空間A1(図4参照)を通過する。通風空間A1は、吹出口120から、左右方向には吹出口120の幅と概ね同じ幅で広がる空間である。なお、ここでは左右方向の風向を調整する風向調節羽根(図示省略)による風向の変更を考慮していないが、風向調節羽根により左右方向の風向が調整される場合、通風空間A1は、前方側ほど左右方向に広がった空間となる。また、通風空間A1は、側面視において角度θの範囲に広がる空間である。ここでは、通風空間A1は、例えば水平面と鉛直面との間に広がり、角度θは概ね90°である。ただし、角度θの値は、フラップ122の形状やフラップ122の可動範囲によって変化する。吹出口120は、底面視において、主に第1方向D1(前方)に空気を吹き出す(図4(b)参照)。
ファン150は、吸込口130から本体100の内部に空気を取り込み、室内熱交換器(図示省略)において冷媒と熱交換を行った空気調和された空気を、吹出口120から吹き出すために用いられる。ファン150は、例えば円筒状のクロスフローファンである。ファン150は、本体100の内部に左右方向(吹出口120の長手方向である第2方向D2)に延びるように配置されている(図3参照)。
ファン150は、インバータ式のファンモータ160により駆動される。ファンモータ160は、本体100の内部の、左右方向(吹出口120の長手方向である第2方向D2)における一方側(ここでは右方側)に配置される。より具体的には、ファンモータ160は、本体100の内部の、左右方向における一端側(ここでは右端側)に配置される(図3参照)。なお、図示は省略しているが、ファンモータ160の本体100の内部の右端側には、モジュール180(制御基板18aと音声処理チップ170とが一体化されたモジュール)が配置されている。
マイク素子140は、指示音声を受け付ける機器である。室内ユニット12が有するマイク素子140の数は、1つでもよいが、複数であることが好ましい。
マイク素子140は、本体100の内部に(図5(a)参照)、又は、本体100に空調対象空間に面するように配置される(図5(b)参照)。
マイク素子140が本体100の内部に配置される場合には、本体100のマイク素子140の近傍に(例えば隣接する位置に)、開口100aが形成されている(図5(a)参照)。開口100aは図5(a)では1つしか描画されていないが、開口100aは複数であってもよい。マイク素子140は、この開口100aを音声取込部P1として、音声取込部P1から取り込まれる指示音声を受け付ける。
マイク素子140が本体100に空調対象空間に面するように配置される場合には、マイク素子140は、空調対象空間に面する部分(例えば、マイク素子140の音声を検知する振動板を被うカバー部分)を音声取込部P1として、音声取込部P1から取り込まれる指示音声を受け付ける。
音声取込部P1は、マイク素子140が品質のよい指示音声(ノイズが少ない指示音声)を取得可能な位置に配置されることが好ましい。また、音声取込部P1は、操作者が発する指示音声の音量が小さい場合や、操作者がマイク素子140から離れた位置にいる場合であっても、マイク素子140が指示音声を取得可能な位置に配置されることが好ましい。このような観点を踏まえた音声取込部P1の配置について以下に説明する。
(2-1)音声取込部の配置
音声取込部P1は、本体100の吹出口120が吹き出す空気が通過する通風空間A1から外れた位置に配置される。音声取込部P1を通風空間A1から外れた位置に配置することで、ノイズが少ない指示音声が取得されやすい。また、音声取込部P1を通風空間A1から外れた位置に配置することで、指示音声の音量が小さい場合や、操作者がマイク素子140から離れた位置にいる場合であっても指示音声が取得されやすい。
ただし、音声取込部P1は、本体100の左右の側面や背面には配置されないことが好ましい。例えば本体100の左右の側面は、通風空間A1から外れた位置ではあるが、室内ユニット12の本体100は左右いずれかの側面が壁に隣接するように配置される場合も多く、このような場合には、マイク素子140により音声が取り込みにくくなるためである。
音声取込部P1は、一般的に以下の条件(A)~(E)の1つ又は複数を満たす位置に配置されることが好ましい。
(A)音声取込部は、本体の下面であって、底面視において、吹出口からの空気の吹き出し方向(第1方向D1)における吹出口の下流側以外の場所に設けられることが好ましい。
(B)音声取込部は、本体の、吹出口の形成される吹出口形成面と交差する第2面に設けられることが好ましい。
(C)音声取込部は、第2方向D2(吹出口の長手方向)における吹出口の延長線上に設けられることが好ましい。
(D)音声取込部は、本体上の、吹出口と吸込口との間に設けられることが好ましい。
(E)音声取込部は、底面視において視認可能な、鉛直面及び水平面の両方と交差する面に設けられることが好ましい。
また、壁掛式の室内ユニット12において、音声取込部P1は、一般的に以下の条件(E)~(G)も考慮して配置されることが好ましい。
(F)音声取込部は、吹出口の上方であって、第2方向D2(吹出口の長手方向)における本体の中央部に設けられることが好ましい。特に、マイク素子の数が少ない場合(例えば1つしか無いような場合)には、音声取込部は、条件(F)をみたすことが好ましい。
(G)音声取込部が2箇所以上存在する場合、本体の第2方向D2(吹出口の長手方向)における両端部に音声取込部P1が設けられることが好ましい。
具体的に、音声取込部P1の配置のバリエーションとして、音声取込部P1a1,P1a2,P1b1,P1b2,P1c,P1d1,P1d2,P1e,P1f1,P1f2の配置について説明する。なお、これらの配置は例示であって、例示した以外の場所に音声取込部P1が設けられてもよい。
なお、室内ユニット12において、音声取込部とこの音声取込部から取り込まれる指示音声を受け付けるマイク素子140との組数は、1組であっても、2組以上であってもよい。ただし、様々な方向から発声される指示音声を受け付けるためには、音声取込部とこの音声取込部から取り込まれる指示音声を受け付けるマイク素子140との組数は、2組以上であることが好ましい。例えば、音声取込部P1は、以下で説明するP1a1,P1a2,P1b1,P1b2,P1c,P1d1,P1d2,P1e,P1f1,P1f2の位置のうち2箇所以上に設けられることが好ましい。なお、音声取込部とこの音声取込部から取り込まれる指示音声を受け付けるマイク素子140との組数を複数(好ましくは3組以上)とすることで、操作者が指示音声を発した位置を特定し、これを各種制御(例えば、操作者のいる位置に風を送る等)に反映することも可能である。
音声取込部P1a1,P1a2は、吹出口120の長手方向である第2方向D2(左右方向)における吹出口120の延長線上に設けられる(図3参照)。また、音声取込部P1a1,P1a2は、本体100の下面であって、底面視において、第1方向D1(底面視における吹出口120からの空気の吹き出し方向、ここでは前方)における、吹出口120の下流側以外の場所に設けられている(図4(b)参照)。また、音声取込部P1a1,P1a2は、本体100上の、底面視において視認可能な、鉛直面及び水平面の両方と交差する吹出口形成面F1に設けられる(図4(a)参照)。また、音声取込部P1a1,P1a2は、それぞれ、本体100の左右方向(第2方向D2)における端部に設けられる(図4(b)参照)。
音声取込部P1b1,P1b2は、本体100の、吹出口120が設けられる吹出口形成面F1とは交差する面F1aに設けられる(図4参照)。具体的には、吹出口形成面F1は水平面とも鉛直面とも交差する傾斜面であるのに対し、面F1aは概ね水平面である。また、音声取込部P1b1,P1b2は、本体100の下面であって、底面視において、第1方向D1における、吹出口120の下流側以外の場所に設けられている(図4(b)参照)。また、音声取込部P1a1,P1a2は、それぞれ、本体100の左右方向(第2方向D2)における端部に設けられる。
音声取込部P1cは、吹出口120と同じ吹出口形成面F1に設けられる。音声取込部P1cは、本体100上の、底面視において視認可能な、鉛直面及び水平面の両方と交差する吹出口形成面F1に設けられる(図4(a)参照)。また、音声取込部P1cは、本体100上の、吹出口120と吸込口130との間に設けられる(図4(c)参照)。また、音声取込部P1cは、吹出口120の上方であって、左右方向(第2方向D2)における本体100の中央部に設けられる(図4(c)参照)。
音声取込部P1d1,P1d2は、本体100の、吹出口120が設けられる吹出口形成面F1とは交差する面F1bに設けられる(図4参照)。具体的には、吹出口形成面F1は水平面とも鉛直面とも交差する傾斜面であるのに対し、面F1bは概ね鉛直面である。また、音声取込部P1d1,P1d2は、それぞれ、本体100の左右方向(第2方向D2)における端部に設けられる(図4(c)参照)。
音声取込部P1eは、本体100の、吹出口120が設けられる吹出口形成面F1とは交差する面F1bに設けられる(図4参照)。具体的には、吹出口形成面F1は水平面とも鉛直面とも交差する傾斜面であるのに対し、面F1bは概ね鉛直面である。また、音声取込部P1eは、本体100上の、吹出口120と吸込口130との間に設けられる(図4(c)参照)。なお、空気の流れる音の影響を受けにくくするためには、好ましくは、音声取込部P1eは、本体100上の、吹出口120と吸込口130との間であって、吹出口120と吸込口130との距離が概ね等しい位置、又は、吸込口130に近い側に配置されることが好ましい。また、音声取込部P1eは、吹出口120の上方であって、左右方向(第2方向D2)における本体100の中央部に設けられる(図4(c)参照)。
音声取込部P1f1,P1f2は、本体100の、吹出口120が設けられる吹出口形成面F1とは交差する面F1cに設けられる(図4参照)。具体的には、吹出口形成面F1は下方側ほど後方側に配置される傾斜面であるのに対し、面F1cは下方側ほど前方側に配置される傾斜面である(図4(a)参照)。また、音声取込部P1f1,P1f2は、それぞれ、本体100の左右方向(第2方向D2)における端部に設けられる(図4(c)参照)。
また、音声取込部P1a2,P1b2,P1d2,P1f2は、本体100の、左右方向(第2方向D2)におけるファンモータ160とは他方側に設けられる。具体的には、音声取込部P1a2,P1b2,P1d2,P1f2は、本体100の左方側(左端側)に設けられるのに対し、ファンモータ160は本体100の右方側(右端側)に設けられる。このような位置に音声取込部P1a2を設けることで、マイク素子140は、吹出口120から吹き出す空気の音だけではなく、ファンモータ160の音の影響も受けにくい。
ただし、室内ユニット12の組立時の配線作業量を抑制するという観点からは、音声取込部P1a1,P1b1,P1d1,P1f1のように、本体100の、左右方向(第2方向D2)におけるファンモータ160とは同一側(モジュール180を含む電気部品が配置される側)に設けられてもよい。
(3)空調機の特徴
(3-1)
第1実施形態に係る空調機10は、室内ユニット12と、送信部16aと、受信部16bと、を備える。室内ユニット12は、本体100と、マイク素子140と、を有する。本体100には、空調対象空間に対して空気調和された空気を吹き出す吹出口120が形成されている。マイク素子140は、音声取込部P1から取り込まれる指示音声を受け付ける。音声取込部P1は、吹出口120が吹き出す空気が通過する通風空間A1から外れた位置に、空調対象空間に面して配置されている。送信部16aは、マイク素子140が受け付けた指示音声に基づく信号Sを外部に送信する。受信部16bは、送信部16aが送信した信号Sに応じた指令Cを外部から受信する。
本空調機10の室内ユニット12では、指示音声の取込部が、吹出口120から吹き出す空気が通過する通風空間A1から外れた位置に配置される。そのため、マイク素子140に対する指示音声の入力が風切り音の影響を受けにくく、マイク素子140はノイズの少ない指示音声を取得できる。操作者の発する声が小さいような場合であっても、マイク素子140は、クリアな指示音声が取得しやすい。そして、取得されたクリアな指示音声に基づいて空調機10の外部で指示音声に基づいた指令が生成され、空調機10へと送信されるので、例えば空調機10に対し音声により多様な指示が与えられる場合であっても、空調機10の誤動作(操作者の指示音声とは異なる動作を行う場合の他、操作者の指示音声が認識されない場合を含む)が引き起こされにくい。
また、ここでは、空調機10外に音声に基づく信号Sを指令Cへと変換する機能部が設けられ、空調機10がこのような機能を個別に有する必要がないので、空調機10のコスト低減を図ることができる。
(3-2)
第1実施形態に係る空調機10では、吹出口120は、本体100の下面に形成され、底面視において第1方向D1(前方)に空気を吹き出す。音声取込部P1a1,P1a2,P1b1,P1b2は、本体100の下面であって、底面視において、第1方向D1における吹出口120の下流側以外の場所に設けられる。
ここでは、通風空間A1を避けて音声取込部P1を設けることが可能で、マイク素子140によりクリアな指示音声が取得されやすい。
(3-3)
第1実施形態に係る空調機10では、吹出口120は、本体100の吹出口形成面F1に形成される。吹出口形成面F1は、第1面の一例である。音声取込部P1b1,P1b2,P1d1,P1d2,P1e,P1f1,P1f2は、本体100の、吹出口形成面F1と交差する面F1a,F1b,F1cに設けられる。面F1a,F1b,F1cは、第2面の一例である。
ここでは、音声取込部P1が吹出口120の形成される面と交差する面に設けられるため、通風空間A1を避けて音声取込部P1を設けることが可能で、マイク素子140によりクリアな指示音声が取得されやすい。
(3-4)
第1実施形態に係る空調機10では、吹出口120は、第2方向D2(左右方向)を長手方向として延びるように本体100に形成される。音声取込部P1a1,P1a2は、第2方向D2における吹出口120の延長線上に設けられる。
ここでは、通風空間A1を避けて音声取込部P1を設けることが可能で、マイク素子140によりクリアな指示音声が取得されやすい。
(3-5)
第1実施形態に係る空調機10では、本体100には、空調対象空間から空気を吸い込む吸込口130が形成されている。音声取込部P1c,P1eは、本体100上の、吹出口120と吸込口130との間に設けられる。
ここでは、通風空間A1を避けて音声取込部P1を設けることが可能で、マイク素子140によりクリアな指示音声が取得されやすい。
(3-6)
第1実施形態に係る空調機10では、音声取込部P1a1,P1a2,P1cは、本体100上の、底面視において視認可能な、鉛直面及び水平面の両方と交差する面に設けられる。
ここでは、底面視において視認可能な(つまり下側を向いている)、鉛直面及び水平面のいずれとも交差する面(言い換えれば傾斜面)に音声取込部P1が設けられるため、空調対象空間の操作者の音声指示をマイク素子140によりクリアに取得することが容易である。
(3-7)
第1実施形態に係る空調機10では、室内ユニット12は壁掛式である。吹出口120は、第2方向D2を長手方向として延びるように形成される。室内ユニット12は、ファン150と、ファン150を駆動するファンモータ160と、を有する。ファン150は、本体100の内部に収容される。ファンモータ160は、本体100の内部の、第2方向D2における一方側に配置される。音声取込部P1a2,P1b2,P1d2,P1f2は、本体100の、第2方向D2におけるファンモータとは他方側に設けられる。
ここでは、マイク素子140の音声取込部P1がファンモータ160に対して遠方側に設けられるため、マイク素子140がファンモータ160のノイズの影響を受けにくく、マイク素子140によりクリアな指示音声が取得されやすい。
(3-8)
第1実施形態に係る空調機10では、室内ユニット12は壁掛式である。吹出口120は、第2方向D2を長手方向として延びるように形成される。室内ユニット12は、ファン150と、ファン150を駆動するファンモータ160と、を有する。ファン150は、本体100の内部に収容される。ファンモータ160は、本体100の内部の、第2方向D2における一方側に配置される。音声取込部P1は、本体100の、第2方向D2におけるファンモータ160と同一側に設けられる。
ここでは、マイク素子140及びファンモータ160を含む電気部品を、本体100の一方側に集めて配置することができ、室内ユニット12の製造時の配線作業工数を削減できる。
(3-9)
第1実施形態に係る空調機10では、室内ユニット12は壁掛式である。吹出口120は、第2方向D2を長手方向として延びるように形成される。音声取込部P1c,P1eは、吹出口120の上方であって、第2方向D2における本体100の中央部に設けられる。
ここでは、本体100の中央部に音声取込部P1が設けられるため、一箇所にのみ音声取込部P1が設けられる場合であっても様々な方向から音声を取得することができる。
(3-10)
第1実施形態に係る空調機10では、室内ユニット12は壁掛式である。室内ユニット12は、音声取込部P1と、その音声取込部P1から取り込まれる指示音声を受け付けるマイク素子140と、を2組以上有する。吹出口120は、第2方向D2を長手方向として延びるように形成される。音声取込部P1は、本体100の第2方向D2における両端部に少なくとも設けられる。
ここでは、少なくとも本体100の両端部に音声取込部P1が設けられるため、様々な方向から音声を取得することが容易である。
(3-11)
第1実施形態に係る空調機10では、室内ユニット12は、音声処理チップ170を有する。音声処理チップ170は、音声認識チップの一例である。音声処理チップ170は、マイク素子140が取得した指示音声のうち、特定指示音声だけを認識し、所定指令C0を生成する。送信部16aは、マイク素子140が受け付けた指示音声のうち、特定指示音声以外の指示音声に基づく信号Sを外部に送信する。
ここでは、特定の指示音声については、外部へと送信すること無く空調機10側で指令へと変換できるので、特定の指示内容については迅速な操作が可能で、利便性が高い。
(3-12)
第1実施形態に係る空調機10では、室内ユニット12は、室内ユニット12の動作を制御する制御基板18aを有する。制御基板18aと音声処理チップ170とは一体化されている。
ここでは、室内ユニット12の製造時の配線作業工数を削減できる。
(3-13)
第1実施形態に係る空調機10では、送信部16aは、ネットワーク80を介して、信号Sを、信号Sを解析する解析サーバ20に対して送信する。解析サーバ20は、解析装置の一例である。受信部16bは、解析サーバ20による信号Sの解析の結果に基づいて生成された指令Cを受信する。
ここでは、指示音声に基づく信号Sが外部の解析サーバ20に対して送信され、信号Sの解析結果に基づいて指令Cが生成されるため、比較的複雑な動作を空調機10に実行させる場合であっても音声で空調機10を操作することができる。
また、マイク素子140に入力する音声で、空調機10を含む多種類の機器(第1機器群50及び第2機器群60の機器)を操作することも容易である。
(3-14)
第1実施形態に係る空調機10では、送信部16aは、空調機10及び空調対象空間の少なくとも一方に関する状態量についての情報Jを空調機サーバ30に対して送信する。空調機サーバ30は、指令生成装置の一例である。受信部16bは、空調機サーバ30が解析サーバ20による信号Sの解析の結果と前記の状態量についての情報Jとに基づいて生成した指令Cを受信する。
ここでは、指示音声に基づく信号Sの解析結果と、空調機10や空調対象空間に関する状態量に基づいて空調機10に対し指示が与えられるため、空調機10の適切な制御が実行されやすい。
<第2実施形態>
第2実施形態に係る空調機10について説明する。なお、第2実施形態に係る空調機10は室内ユニット12aを除き、第1実施形態の空調機10と同様であるため、室内ユニット12b以外についての説明を省略する。また、空調機10を含む機器制御システム1については第1実施形態と同様であるため説明は省略する。
なお、第3実施形態~第7実施形態に係る空調機10について後述するが、第2実施形態と同様に、室内ユニットを除き、第1実施形態の空調機10と同様であるため、室内ユニット以外については説明(空調機10を含む機器制御システム1についての説明を含む)は特に記載なく省略する。
(1)空調機の室内ユニット
空調機10の室内ユニット12aに関し、図2及び図6~図9を参照して説明する。
図6は、空調機10の室内ユニット12aの概略底面図である。図7は、図6のVII-VII断面の概略断面図である。図8は、室内ユニット12aの本体200を下方から見た時の、本体200の吹出口220からの空気の吹出し状態を模式的に描画した図である。図9は、図6のIX-IX断面の概略断面図である。図7,図9では、室内ユニット12aの本体200の内部の機器の描画を省略している。
なお、以下では、方向や向きを説明するために「前(正面)」「後(背面)」「左」「右」「上」「下」等の表現を用いる場合があるが、これらの表現の表す向きは、特記無き場合、図中の矢印の向きに従う。
室内ユニット12aは天井埋込型のユニットである。室内ユニット12aは4箇所に吹出口220が設けられ、4方向に風を吹き出すユニットである(図8参照)。
室内ユニット12aは、本体200と、マイク素子140と、ファン(図示省略)と、ファンモータ260と、を有する(図2及び図6参照)。
本体200は、内部に室内側熱交換器(図示省略)、ファン(図示省略)及びファンモータ260を収容する筐体である。本体200には、吹出口220と吸込口230とが形成されている(図6参照)。
吸込口230は、空調対象空間の空気を本体200の内部に吸い込むための開口である。吸込口230は、正方形状に形成されている(図6参照)。吸込口230は、底面視において本体200の中央部に形成されている(図6参照)。
吹出口220は、空調対象空間に対して空気調和された空気を吹き出すための開口である。吹出口220は、本体200の下面の4箇所に形成されている。ここで、本体200の下面とは、本体200を下方(直下)から見た時に目視可能な面である。吹出口220は、具体的には、本体200の吹出口形成面F2に、底面視において正方形状の本体200の4辺に沿うように、前方縁近傍、後方縁近傍、左方縁近傍、右方縁近傍にそれぞれ形成されている。吹出口形成面F2は、概ね水平な面である。吹出口220は、底面視において、本体200の中央部に配置された吸込口230を囲むように形成されている。各吹出口220は、第2方向D2(左右方向又は前後方向)を長手方向として延びるように形成されている(図8参照)。吹出口220には上下方向の風向を調整するためのフラップ(図示省略)が配置されている。
吹出口220から吹き出す空気は、主に通風空間A2(図8参照)を通過する。通風空間A2は、吹出口220から、その長手方向である第2方向D2(左右方向又は前後方向)には吹出口220の幅と概ね同じ幅で広がる空間である。なお、ここでは第2方向D2の風向を調整する風向調節羽根(図示省略)による風向の変更を考慮していないが、風向調節羽根により第2方向D2の風向が調整される場合、通風空間A2は、吹出口220から離れるに連れ、各吹出口220の長手方向(第2方向D2)に広がった空間となる。また、通風空間A2は、側面視において角度θ1の範囲に広がる空間である。角度θ1は90°より小さい。ただし、角度θ1の値は吹出口に設けられたフラップ(図示省略)の形状やフラップの可動範囲によって変化する。吹出口220は、底面視において、主に第1方向D1(本体200に対して外向き、吸込口230から遠ざかる向き)に空気を吹き出す(図4(b)参照)。
ファンモータ260は、吸込口230から本体200の内部に空気が取り込まれ、室内熱交換器(図示省略)において冷媒と熱交換を行った空気調和された空気が、吹出口220から吹き出すように、ファン(図示省略)を駆動するインバータ式のモータである。ファンモータ260は、本体200内部の、底面視における本体200の中央部に配置される。
マイク素子140は、第1実施形態のマイク素子140と同様に、本体200の内部に、又は、本体200に空調対象空間に面するように配置される。マイク素子140は、音声取込部P2から取り込まれる指示音声を受け付ける。音声取込部P2の配置について以下に説明する。
(1-1)音声取込部の配置
音声取込部P2は、第1実施形態の音声取込部P1と同様に、本体200の吹出口220が吹き出す空気が通過する通風空間A2から外れた位置に配置される。また、音声取込部P2は、第1実施形態で記載した条件(A)~(E)の1つ又は複数を満たす位置に配置されることが好ましい。
具体的に、音声取込部P2の配置のバリエーションとして、音声取込部P2a1,P2a2,P2a3,P2a4,P2b,P2c,P2d,P2eの配置について説明する。なお、ここでは、説明の簡略化のため、P2b,P2c,P2dは底面視において正方形状の本体200の1つの角部にのみ描画したが、これに限定されるものではなく、他の3つの角部に同様の音声取込部P2が設けられてもよい。音声取込部P2eについても、本体200の右縁側だけではなく、前縁側、後縁側、左縁側に設けられてもよい。なお、音声取込部P2a1,P2a2,P2a3,P2a4,P2b,P2c,P2d,P2eの配置は例示であって、例示した以外の場所に音声取込部P2が設けられてもよい。
なお、室内ユニット12aにおいて、音声取込部とこの音声取込部から取り込まれる指示音声を受け付けるマイク素子140との組数は、1組であっても、2組以上であってもよいが、2組以上であることが好ましい。
音声取込部P2a1~4は、吹出口220の形成される吹出口形成面F2に設けられる。また、音声取込部P2a1~4は、本体200の下面であって、底面視において、第1方向D1(底面視における吹出口220からの空気の吹き出し方向、ここでは外向き(吸込口230から遠ざかる向き))における、吹出口220の下流側以外の場所に設けられている(図8参照)。言い換えれば、音声取込部P2a1~4は、本体200の、吹出口220よりも内側に設けられている(図8参照)。また、音声取込部P2a1~4は、本体200上の、吹出口220と吸込口230との間に設けられる(図8参照)。なお、空気の流れる音の影響を受けにくくするためには、好ましくは、音声取込部P2a1~4は、本体200上の、吹出口220と吸込口230との間であって、吹出口220と吸込口230との距離が概ね等しい位置、又は、吸込口230に近い側に配置されることが好ましい。
音声取込部P2bは、第2方向D2(吹出口220の長手方向)における吹出口220の延長線上に設けられる(図8参照)。また、音声取込部P2bは、本体200の下面であって、底面視において、吹出口220からの風の吹き出し方向(第1方向D1)における吹出口220の下流側以外の場所に設けられる(図8参照)。
音声取込部P2cは、吹出口220の形成される吹出口形成面F2に設けられる。また、音声取込部P2cは、本体200の下面であって、底面視において、吹出口220からの風の吹き出し方向(第1方向D1)における吹出口220の下流側以外の場所に設けられる(図8参照)。音声取込部P2cは、2つの吹出口220の間に配置される(図8参照)。好ましくは、音声取込部P2cは、隣接する2つの吹出口220からの距離が互いに等しくなる位置に配置される(図8参照)。
音声取込部P2dは、本体200の、吹出口220が形成される吹出口形成面F2と交差する面F2aに設けられる(図8参照)。また、音声取込部P2dは、本体200上の、底面視において視認可能な、鉛直面及び水平面の両方と交差する面F2aに設けられる(図7参照)。また、音声取込部P2dは、本体200の下面であって、底面視において、吹出口220からの風の吹き出し方向(第1方向D1)における吹出口220の下流側以外の場所に設けられる(図8参照)。
音声取込部P2eは、本体200の下面であって、底面視において、吹出口220からの風の吹き出し方向(第1方向D1)における吹出口220の下流側に設けられる。ただし、音声取込部P2eは、吹出口220よりも高い位置(室内ユニット12aが取り付けられる天井面に近い位置)に設けられる(図9参照)。また、音声取込部P2eは、通風空間A2よりも高い位置に設けられる(図9参照)。また、音声取込部P2eは、本体200の、吹出口220が形成される吹出口形成面F2と交差する面F2bに設けられる(図9参照)。また、音声取込部P2eは、本体200上の、底面視において視認可能な、鉛直面及び水平面の両方と交差する面F2bに設けられる(図9参照)。
上記で説明した音声取込部のうち、特に音声取込部P2b、P2c、P2dは、底面視において正方形状の本体200の角部に配置され、本体200の中央部に配置されるファンモータ260から比較的離れた位置に配置される。そのため、吹出口220から吹き出す空気の音だけではなく、ファンモータ260の音についても、マイク素子140が取得する指示音声の品質に影響を与えにくい。
(2)空調機の特徴
第2実施形態の空調機10についても、第1実施形態の空調機10に関して記載した特徴(3-1)と同様の特徴を有する。また、第2実施形態の空調機10についても、音声取込部P2の配置に応じて、第1実施形態の空調機10に関して記載した特徴(3-2)~(3-6)と同様の特徴を持たせることができる。また、第2実施形態の空調機10は、第1実施形態の空調機10に関して記載した特徴(3-11)~(3-14)と同様の特徴を有する。
<第3実施形態>
第3実施形態に係る空調機10について説明する。
(1)空調機の室内ユニット
空調機10の室内ユニット12bに関し、図2及び図10を参照して説明する。図10は、空調機10の室内ユニット12bの概略底面図である。
なお、以下では、方向や向きを説明するために「前(正面)」「後(背面)」「左」「右」等の表現を用いる場合があるが、これらの表現の表す向きは、特記無き場合、図中の矢印の向きに従う。
室内ユニット12bは天井埋込型でのユニットである。室内ユニット12bは、1方向に風を吹き出すユニットである(図10参照)。
室内ユニット12bは、本体300と、マイク素子140と、ファン(図示省略)と、ファンモータ360と、を有する(図2及び図10参照)。
本体300は、内部に室内側熱交換器(図示省略)、ファン(図示省略)及びファンモータ360を収容する筐体である。本体300には、吹出口320と吸込口330とが形成されている(図10参照)。
吸込口330は、空調対象空間の空気を本体200の内部に吸い込むための開口である。吸込口330は、底面視において、左右方向を長手方向とする矩形状に形成されている(図10参照)。吸込口330は、吹出口形成面F3に形成されている。吸込口330は、底面視において本体200の後方側に形成されている(図10参照)。
吹出口320は、空調対象空間に対して空気調和された空気を吹き出すための開口である。吹出口320は、本体300の下面の前方側に形成されている。ここで、本体300の下面とは、本体300を下方(直下)から見た時に目視可能な面である。吹出口320は、具体的には、吹出口形成面F3に形成されている。吹出口形成面F3は、概ね水平な面である。吹出口320は、第2方向D2(左右方向)を長手方向として延びるように形成されている(図10参照)。吹出口320には上下方向の風向を調整するためのフラップ(図示省略)が配置されている。
吹出口320から吹き出す空気は、主に通風空間A3(図10参照)を通過する。通風空間A3は、吹出口320から、その長手方向である第2方向D2には吹出口220の幅と概ね同じ幅で広がる空間である。なお、ここでは第2方向D2の風向を調整する風向調節羽根(図示省略)による風向の変更を考慮していないが、風向調節羽根により第2方向の風向が調整される場合、通風空間A3は、吹出口320から離れるに連れ、各吹出口320の長手方向(第2方向D2)に広がった空間となる。また、通風空間A3は、側面視において吹出口320の前方側に所定の角度の範囲に広がる空間である。角度範囲は吹出口に設けられたフラップ(図示省略)の形状やフラップの可動範囲によって変化する。吹出口320は、底面視において、主に第1方向D1(前方、吸込口330から遠ざかる向き)に空気を吹き出す(図10参照)。
ファンモータ360は、吸込口330から本体300の内部に空気が取り込まれ、室内熱交換器(図示省略)において冷媒と熱交換を行った空気調和された空気が、吹出口320から吹き出すように、ファン(図示省略)を駆動するインバータ式のモータである。ファンモータ360は、本体300の内部の、本体300の左後方側に配置される(図10参照)。
マイク素子140は、第1実施形態のマイク素子140と同様に、本体300の内部に、又は、本体300に空調対象空間に面するように配置される。マイク素子140は、音声取込部P3から取り込まれる指示音声を受け付ける。音声取込部P3の配置について以下に説明する。
(1-1)音声取込部の配置
音声取込部P3は、第1実施形態の音声取込部P1と同様に、本体300の吹出口320が吹き出す空気が通過する通風空間A3から外れた位置に配置される。また、音声取込部P3は、第1実施形態で記載した条件(A)~(E)の1つ又は複数を満たす位置に配置されることが好ましい。
具体的に、音声取込部P3の配置のバリエーションとして、音声取込部P3a,P3b,P3cの配置について説明する。なお、ここでは、説明の簡略化のため、音声取込部P3a,P3cを、第2方向D2における一方側(右側)のみに描画したが、これに限定されるものではなく、第2方向D2における他方側(左側)に同様の音声取込部P3が設けられてもよい。なお、音声取込部P3a,P3b,P3cの配置は例示であって、例示した以外の場所に音声取込部P3が設けられてもよい。
なお、室内ユニット12bにおいて、音声取込部とこの音声取込部から取り込まれる指示音声を受け付けるマイク素子140との組数は、1組であっても、2組以上であってもよいが、2組以上であることが好ましい。
音声取込部P3aは、吹出口320の形成される吹出口形成面F3に設けられる。音声取込部P3aは、第2方向D2における吹出口320の延長線上に設けられる(図10参照)。また、音声取込部P3aは、本体300の下面であって、底面視において、吹出口320からの風の吹き出し方向(第1方向D1)における吹出口320の下流側以外の場所に設けられる(図10参照)。
音声取込部P3bは、吹出口320の形成される吹出口形成面F3に設けられる。音声取込部P3bは、本体300の下面であって、底面視において、吹出口320からの風の吹き出し方向(第1方向D1)における、吹出口320の下流側以外の場所に設けられる(図10参照)。また、音声取込部P3bは、本体300上の、吹出口320と吸込口330との間に設けられる(図10参照)。なお、空気の流れる音の影響を受けにくくするためには、好ましくは、音声取込部P3bは、本体300上の、吹出口320と吸込口330との間であって、吹出口320と吸込口330との距離が概ね等しい位置、又は、吸込口330に近い側に配置されることが好ましい。また、音声取込部P3bは、第2方向D2(左右方向)において中央部に設けられる(図10参照)。
音声取込部P3cは、吹出口320の形成される吹出口形成面F3に設けられる(図10参照)。音声取込部P3cは、本体300の下面であって、底面視において、吹出口320からの風の吹き出し方向(第1方向D1)における吹出口320の下流側以外の場所に設けられる(図10参照)。音声取込部P3cは、吸込口330の長手方向における、吸込口330の延長線上に設けられる(図10参照)。
なお、ファンモータ360の音の影響についても考慮する場合には、音声取込部P3は、本体300の左後方部に配置されるファンモータ360から比較的離れた位置に配置(例えば右方側や左前方側)に配置されることが好ましい。
(2)空調機の特徴
第3実施形態の空調機10についても、第1実施形態の空調機10に関して記載した特徴(3-1)と同様の特徴を有する。また、第3実施形態の空調機10についても、音声取込部P3の配置に応じて、第1実施形態の空調機10に関して記載した特徴(3-2),(3-4),(3-5)と同様の特徴を持たせることができる。また、吹出口形成面F3の一部又は全体に傾斜を設け、傾斜面に音声取込部P3を配置することで、第1実施形態の空調機10に関して記載した特徴(3-3),(3-6)と同様の特徴を持たせることができる。また、第3実施形態の空調機10は、第1実施形態の空調機10に関して記載した特徴(3-10)~(3-14)と同様の特徴を有する。
<第4実施形態>
第4実施形態に係る空調機10について説明する。
(1)空調機の室内ユニット
空調機10の室内ユニット12cに関し、図2及び図11を参照して説明する。図11は、空調機10の室内ユニット12cの概略底面図である。
なお、以下では、方向や向きを説明するために「前(正面)」「後(背面)」「左」「右」等の表現を用いる場合があるが、これらの表現の表す向きは、特記無き場合、図中の矢印の向きに従う。
室内ユニット12cは天井埋込型のユニットである。室内ユニット12cは、2方向(前方及び後方)に風を吹き出すユニットである(図11参照)。
室内ユニット12cは、本体400と、マイク素子140と、ファン(図示省略)と、ファンモータ460と、を有する(図2及び図11参照)。
本体400は、内部に室内側熱交換器(図示省略)、ファン(図示省略)及びファンモータ460を収容する筐体である。本体400には、吹出口420と吸込口430とが形成されている(図11参照)。
吸込口430は、空調対象空間の空気を本体400の内部に吸い込むための開口である。吸込口430は、吹出口形成面F4に形成されている。吸込口430は、本体400の前方側及び後方側の2箇所に形成されている(図11参照)。吸込口430のそれぞれは、底面視において、左右方向を長手方向とする矩形状に形成されている(図11参照)。
吹出口420は、空調対象空間に対して空気調和された空気を吹き出すための開口である。吹出口420は、本体400の下面の前方側と後方側とに形成されている。ここで、本体400の下面とは、本体400を下方(直下)から見た時に目視可能な面である。吹出口420は、具体的には、吹出口形成面F4に形成されている。吹出口形成面F4は、概ね水平な面である。吹出口420は、第2方向D2(左右方向)を長手方向として延びるように形成されている(図11参照)。吹出口420には上下方向の風向を調整するためのフラップ(図示省略)が配置されている。
吹出口420から吹き出す空気は、主に通風空間A4(図11参照)を通過する。通風空間A4は、吹出口420から、その長手方向である第2方向D2には吹出口420の幅と概ね同じ幅で広がる空間である。なお、ここでは第2方向D2の風向を調整する風向調節羽根(図示省略)による風向の変更を考慮していないが、風向調節羽根により第2方向の風向が調整される場合、通風空間A4は、吹出口420から離れるに連れ、各吹出口420の長手方向(第2方向D2)に広がった空間となる。また、通風空間A4は、側面視において吹出口420の吹出し方向側に所定の角度の範囲に広がる空間である。角度範囲は吹出口に設けられたフラップ(図示省略)の形状やフラップの可動範囲によって変化する。吹出口420は、底面視において、主に第1方向D1(前方及び後方)に空気を吹き出す(図11参照)。吹出口420は、本体400に対して外側(吸込口430から遠ざかる向き)に空気を吹き出す(図11参照)。
ファンモータ460は、吸込口430から本体400の内部に空気が取り込まれ、室内熱交換器(図示省略)において冷媒と熱交換を行った空気調和された空気が、吹出口420から吹き出すように、ファン(図示省略)を駆動するインバータ式のモータである。ファンモータ460は、本体400の内部の、底面視における本体400の中央部に配置される(図11参照)。
マイク素子140は、第1実施形態のマイク素子140と同様に、本体400の内部に、又は、本体400に空調対象空間に面するように配置される。マイク素子140は、音声取込部P4から取り込まれる指示音声を受け付ける。音声取込部P4の配置について以下に説明する。
(1-1)音声取込部の配置
音声取込部P4は、第1実施形態の音声取込部P1と同様に、本体400の吹出口420が吹き出す空気が通過する通風空間A4から外れた位置に配置される。また、音声取込部P4は、第1実施形態で記載した条件(A)~(E)の1つ又は複数を満たす位置に配置されることが好ましい。
具体的に、音声取込部P4の配置のバリエーションの例として、音声取込部P4a,P4b,P4c,P4dの配置について説明する。なお、ここでは、説明の簡略化のため、音声取込部P4a,P4c,P4dを、第2方向D2における一方側(右側)のみに描画したが、これに限定されるものではなく、第2方向D2における他方側(左側)に同様の音声取込部P4が設けられてもよい。なお、音声取込部P4a,P4b,P4c,P4dの配置は例示であって、例示した以外の場所に音声取込部P4が設けられてもよい。
なお、室内ユニット12cにおいて、音声取込部とこの音声取込部から取り込まれる指示音声を受け付けるマイク素子140との組数は、1組であっても、2組以上であってもよいが、2組以上であることが好ましい。
音声取込部P4aは、吹出口420の形成される吹出口形成面F4に設けられる。音声取込部P4aは、第2方向D2における吹出口420の延長線上に設けられる(図11参照)。また、音声取込部P4aは、本体400の下面であって、底面視において、吹出口420からの風の吹き出し方向(第1方向D1)における吹出口420の下流側以外の場所に設けられる(図11参照)。
音声取込部P4b,P4cは、吹出口420の形成される吹出口形成面F4に設けられる。音声取込部P4b,P4cは、本体400の下面であって、底面視において、吹出口420からの風の吹き出し方向(第1方向D1)における、吹出口420の下流側以外の場所に設けられている(図11参照)。
また、音声取込部P4bは、本体400上の、吹出口420と吸込口430との間に設けられる(図11参照)。なお、空気の流れる音の影響を受けにくくするためには、好ましくは、音声取込部P4bは、本体400上の、吹出口420と吸込口430との間であって、吹出口420と吸込口430との距離が概ね等しい位置、又は、吸込口430に近い側に配置されることが好ましい。また、音声取込部P4bは、第2方向D2(左右方向)において中央部に設けられる(図11参照)。
また、音声取込部P4cは、本体400上の、2つの吸込口430の間に設けられる(図11参照)。なお、空気の流れる音の影響を受けにくくするためには、好ましくは、音声取込部P4cは、本体400上の、2つの吸込口430との間であって、2つの吸込口430からの距離が概ね等しい位置に配置されることが好ましい。また、音声取込部P4cは、ファンモータ460の音の影響を受けにくくするためには、第2方向D2(左右方向)における中央部(ファンモータ460の近傍)から離れた位置に設けられることが好ましい(図11参照)。
音声取込部P4dは、吹出口420の形成される吹出口形成面F4に設けられる(図11参照)。音声取込部P4dは、本体400の下面であって、底面視において、吹出口420からの風の吹き出し方向(第1方向D1)における吹出口420の下流側以外の場所に設けられる(図11参照)。音声取込部P4dは、吸込口430の長手方向における、吸込口430の延長線上に設けられる(図11参照)。
(2)空調機の特徴
第4実施形態の空調機10についても、第1実施形態の空調機10に関して記載した特徴(3-1)と同様の特徴を有する。また、第4実施形態の空調機10についても、音声取込部P4の配置に応じて、第1実施形態の空調機10に関して記載した特徴(3-2),(3-4),(3-5)と同様の特徴を持たせることができる。また、吹出口形成面F4の一部又は全体に傾斜を設け、傾斜面に音声取込部P4を配置することで、第1実施形態の空調機10に関して記載した特徴(3-3),(3-6)と同様の特徴を持たせることができる。また、第4実施形態の空調機10は、第1実施形態の空調機10に関して記載した特徴(3-10)~(3-14)と同様の特徴を有する。
<第5実施形態>
第5実施形態に係る空調機10について説明する。
(1)空調機の室内ユニット
空調機10の室内ユニット12dに関し、図2、図12、及び図13を参照して説明する。
図12は、空調機10の室内ユニット12dの概略側面図である。図13は、空調機10の室内ユニット12dの概略底面図である。
なお、以下では、方向や向きを説明するために「前(正面)」「後(背面)」「左」「右」「上」「下」等の表現を用いる場合があるが、これらの表現の表す向きは、特記無き場合、図中の矢印の向きに従う。
室内ユニット12dは天井吊り下げ型のユニットである。室内ユニット12dは4箇所に吹出口520が設けられ、4方向に風を吹き出すユニットである(図13参照)。
室内ユニット12dは、本体500と、マイク素子140と、ファン(図示省略)と、ファンモータ560と、を有する(図2及び図13参照)。
本体500は、内部に室内側熱交換器(図示省略)、ファン(図示省略)及びファンモータ560を収容する筐体である。本体500には、吹出口520と吸込口530とが形成されている(図13参照)。
吸込口530は、空調対象空間の空気を本体500の内部に吸い込むための開口である。吸込口530は、正方形状に形成されている(図13参照)。吸込口530は、底面視において、本体500の中央部に形成されている(図13参照)。
吹出口520は、空調対象空間に対して空気調和された空気を吹き出すための開口である。吹出口520は、本体500の前側面、後側面、右側面、左側面に形成されている。吹出口520は、左右方向又は前後方向に延びるように吹出口形成面F5に形成されている。吹出口形成面F5は、鉛直面である。吹出口520には上下方向の風向を調整するためのフラップ(図示省略)が配置されている。
吹出口520から吹き出す空気は、主に通風空間A5(図12及び図13参照)を通過する。通風空間A5は、吹出口520から、その長手方向である第2方向D2(左右方向又は前後方向)には吹出口520の幅と概ね同じ幅で広がる空間である。なお、ここでは第2方向D2の風向を調整する風向調節羽根(図示省略)による風向の変更を考慮していないが、風向調節羽根により第2方向D2の風向が調整される場合、通風空間A5は、吹出口520から離れるに連れ、各吹出口520の長手方向(第2方向D2)に広がった空間となる。また、通風空間A5は、側面視において角度θ2の範囲に広がる空間である。角度θ2は90°より小さい。ただし、角度θ2の値は吹出口に設けられたフラップ(図示省略)の形状やフラップの可動範囲によって変化する。吹出口520は、本体500から遠ざかる向きに空気を吹き出す(図13参照)。
ファンモータ560は、吸込口530から本体500の内部に空気が取り込まれ、室内熱交換器(図示省略)において冷媒と熱交換を行った空気調和された空気が、吹出口520から吹き出すように、ファン(図示省略)を駆動するインバータ式のモータである。ファンモータ560は、本体500内部の、底面視において本体500の中央部に配置される。
マイク素子140は、第1実施形態のマイク素子140と同様に、本体500の内部に、又は、本体500に空調対象空間に面するように配置される。マイク素子140は、音声取込部P5から取り込まれる指示音声を受け付ける。音声取込部P5の配置について以下に説明する。
(1-1)音声取込部の配置
音声取込部P5は、第1実施形態の音声取込部P1と同様に、本体500の吹出口520が吹き出す空気が通過する通風空間A5から外れた位置に配置される。また、音声取込部P5は、第1実施形態で記載した条件(A)~(E)の1つ又は複数を満たす位置に配置されることが好ましい。
具体的に、音声取込部P5の配置のバリエーションとして、音声取込部P5a,P5b,P5c,P5d,P5eの配置について説明する。なお、音声取込部P5a,P5b,P5c,P5d,P5eの配置は例示であって、例示した以外の場所に音声取込部P5が設けられてもよい。例えば、音声取込部P5a,P5b,P5c,P5d,P5eは、図13では、いずれも本体500の右側に配置されているが、これに限定されるものではない。音声取込部P5は、本体500の左側、前側、後側の、図13に描画した音声取込部P5a,P5b,P5c,P5d,P5eと同様の位置に設けられてもよい。
なお、室内ユニット12dにおいて、音声取込部とこの音声取込部から取り込まれる指示音声を受け付けるマイク素子140との組数は、1組であっても、2組以上であってもよいが、2組以上であることが好ましい。
音声取込部P5aは、吸込口530の形成される面F5aに形成される(図12参照)。音声取込部P5aは、本体500の、吹出口520の形成される吹出口形成面F5と交差する面F5aに設けられる(図12参照)。また、音声取込部P5bは、本体500上の、吹出口520と吸込口530との間に設けられる(図12参照)。
音声取込部P5b,P5eは、吹出口520の形成される吹出口形成面F5と交差する面F5bに設けられる(図12参照)。音声取込部P5b,P5eは、底面視において視認可能な、鉛直面及び水平面の両方と交差する面F5bに設けられる(図12参照)。
音声取込部P5bは、本体500上の、吹出口520と吸込口530との間に設けられる(図13参照)。なお、好ましくは、音声取込部P5bは、本体500上の、吹出口520と吸込口530との間であって、吹出口520と吸込口530との距離が概ね等しい位置、又は、吸込口530に近い側に配置されることが好ましい。また、音声取込部P4bは、隣接する吹出口520の第2方向D2(図13では前後方向)において中央部に設けられる。
音声取込部P5eは、底面視において正方形状の本体500の角部に配置され、本体500の中央部に配置されるファンモータ560から比較的離れた位置に配置される。そのため、P5eの位置に音声取込部を設ける場合、吹出口520から吹き出す空気の音だけではなく、ファンモータ560の音についても、マイク素子140が取得する指示音声の品質に影響を与えにくい。
音声取込部P5dは、吹出口520の形成される吹出口形成面F5に設けられる。音声取込部P5dは、吹出口520の長手方向である第2方向D2(図13では前後方向)における吹出口520の延長線上に設けられる。
音声取込部P5cは、本体500の、吹出口520が設けられる吹出口形成面F5とは交差する面F5cに設けられる。具体的には、吹出口形成面F5は鉛直面であるのに対し、面F5cは傾斜面である。
(2)空調機の特徴
第5実施形態の空調機10についても、第1実施形態の空調機10に関して記載した特徴(3-1)と同様の特徴を有する。また、第5実施形態の空調機10についても、音声取込部P5の配置に応じて、第1実施形態の空調機10に関して記載した特徴(3-3)~(3-6)と同様の特徴を持たせることができる。また、第5実施形態の空調機10は、第1実施形態の空調機10に関して記載した特徴(3-10)~(3-14)と同様の特徴を有する。
<第6実施形態>
第6実施形態に係る空調機10について説明する。
(1)空調機の室内ユニット
空調機10の室内ユニット12eに関し、図2及び図14を参照して説明する。
図14は、空調機10の室内ユニット12eの概略側面図である。
なお、以下では、方向や向きを説明するために「前(正面)」「後(背面)」「上」「下」等の表現を用いる場合があるが、これらの表現の表す向きは、特記無き場合、図中の矢印の向きに従う。
室内ユニット12eは天井吊り下げ型のユニットである。室内ユニット12eは1方向(前方)に風を吹き出すユニットである(図14参照)。
室内ユニット12eは、本体600と、マイク素子140と、ファン(図示省略)と、ファンモータ660と、を有する(図2及び図14参照)。
本体600は、内部に室内側熱交換器(図示省略)、ファン(図示省略)及びファンモータ660を収容する筐体である。本体600には、吹出口620と吸込口630とが形成されている(図14参照)。
吸込口630は、空調対象空間の空気を本体600の内部に吸い込むための開口である。吸込口630は、本体600の底面の後方側に形成されている(図17参照)。吸込口630は、左右方向(水平方向であって、前後方向と直交する方向)を長手方向とする矩形状に形成されている(図14参照)。
吹出口620は、空調対象空間に対して空気調和された空気を吹き出すための開口である。吹出口620は、本体600の前方下部側に形成されている。吹出口620は、左右方向(水平方向であって、前後方向と直交する方向)に延びるように吹出口形成面F6に形成されている。吹出口620には上下方向の風向を調整するためのフラップ(図示省略)が配置されている。
吹出口620から吹き出す空気は、主に通風空間A6(図14参照)を通過する。通風空間A6は、吹出口620から、その長手方向である左右方向には吹出口620の幅と概ね同じ幅で広がる空間である。なお、ここでは左右方向の風向を調整する風向調節羽根(図示省略)による風向の変更を考慮していないが、風向調節羽根により左右方向の風向が調整される場合、通風空間A6は、吹出口620から離れるに連れ、左右方向に広がった空間となる。また、通風空間A6は、側面視において角度θ3の範囲に広がる空間である。ここでは、角度θ3は約90°である。ただし、角度θ3の値は吹出口に設けられたフラップ(図示省略)の形状やフラップの可動範囲によって変化する。吹出口620は、底面視において、主に第1方向D1(前方)に空気を吹き出す(図14参照)。
ファンモータ660は、吸込口630から本体600の内部に空気が取り込まれ、室内熱交換器(図示省略)において冷媒と熱交換を行った空気調和された空気が、吹出口620から吹き出すように、ファン(図示省略)を駆動するインバータ式のモータである。ファンモータ660は、本体600内部の後方側に配置される(図14参照)。
マイク素子140は、第1実施形態のマイク素子140と同様に、本体600の内部に、又は、本体600に空調対象空間に面するように配置される。マイク素子140は、音声取込部P6から取り込まれる指示音声を受け付ける。音声取込部P6の配置について以下に説明する。
(1-1)音声取込部の配置
音声取込部P6は、第1実施形態の音声取込部P1と同様に、本体600の吹出口620が吹き出す空気が通過する通風空間A6から外れた位置に配置される。また、音声取込部P6は、第1実施形態で記載した条件(A)~(E)の1つ又は複数を満たす位置に配置されることが好ましい。
具体的に、音声取込部P6の配置のバリエーションとして、音声取込部P6a,P6b,P6cの配置について説明する。なお、P6a,P6b,P6cの配置は例示であって、例示した以外の場所に音声取込部P6が設けられてもよい。
なお、室内ユニット12eにおいて、音声取込部とこの音声取込部から取り込まれる指示音声を受け付けるマイク素子140との組数は、1組であっても、2組以上であってもよいが、2組以上であることが好ましい。
音声取込部P6aは、本体600の、吹出口620の形成される吹出口形成面F6と交差する面F6aに設けられる(図14参照)。
音声取込部P6bは、本体600の、吹出口620が形成される吹出口形成面F6と交差する面F6bに設けられる(図14参照)。また、音声取込部P6bは、本体600上の、吹出口620と吸込口630との間に設けられる(図14参照)。また、音声取込部P6bは、本体600上の、底面視において視認可能な、鉛直面及び水平面の両方と交差する面F6bに設けられる(図14参照)。
音声取込部P6cは、本体600の、吹出口620が形成される吹出口形成面F6と交差する面F6cに設けられる(図14参照)。また、音声取込部P6cは、本体600上の、吹出口620と吸込口630との間に設けられる(図14参照)。
(2)空調機の特徴
第6実施形態の空調機10についても、第1実施形態の空調機10に関して記載した特徴(3-1)と同様の特徴を有する。また、第6実施形態の空調機10についても、音声取込部P6の配置に応じて、第1実施形態の空調機10に関して記載した特徴(3-2)~(3-6)と同様の特徴を持たせることができる。また、第6実施形態の空調機10は、第1実施形態の空調機10に関して記載した特徴(3-10)~(3-14)と同様の特徴を有する。
<第7実施形態>
第7実施形態に係る空調機10について説明する。
(1)空調機の室内ユニット
空調機10の室内ユニット12fに関し、図2及び図15を参照して説明する。
図15は、空調機10の室内ユニット12fの概略正面図である。
なお、以下では、方向や向きを説明するために「右」「左」「上」「下」等の表現を用いる場合があるが、これらの表現の表す向きは、特記無き場合、図中の矢印の向きに従う。
室内ユニット12fは、正面側に風を吹き出す床置式のユニットである(図15参照)。
室内ユニット12fは、本体700と、マイク素子140と、ファン(図示省略)と、ファンモータ760と、を有する(図2及び図15参照)。
本体700は、内部に室内側熱交換器(図示省略)、ファン(図示省略)及びファンモータ760を収容する筐体である。本体700には、吹出口720と吸込口730とが形成されている(図15参照)。
吸込口730は、空調対象空間の空気を本体700の内部に吸い込むための開口である。吸込口730は、本体700の正面下部に形成されている(図15参照)。また、吸込口730は、本体700の左右側面の下部にも形成されている(図示省略)。
吹出口720は、空調対象空間に対して空気調和された空気を吹き出すための開口である。吹出口720は、本体700の正面上部に形成されている。吹出口720は、吹出口形成面F7に形成されている。吹出口720は、上下方向(第2方向D2)を長手方向として延びる。吹出口720には左右方向の風向を調整するためのフラップ(図示省略)が配置されている。
吹出口720から吹き出す空気は、主に通風空間A7(図15参照)を通過する。通風空間A7は、吹出口720から、左右方向には吹出口720の幅と概ね同じ幅で広がる空間である。なお、ここでは左右方向の風向を調整する風向調節羽根(図示省略)による風向の変更を考慮していないが、風向調節羽根により左右方向の風向が調整される場合、通風空間A7は、吹出口720から離れるに連れ、左右方向に広がった空間となる。なお、ここでは上下方向の風向を調整する風向調節羽根(図示省略)による風向の変更を考慮していないが、風向調節羽根により上下方向の風向が調整される場合、通風空間A7は、吹出口720から離れるに連れ、上下方向に広がった空間となる。
ファンモータ760は、吸込口730から本体700の内部に空気が取り込まれ、室内熱交換器(図示省略)において冷媒と熱交換を行った空気調和された空気が、吹出口720から吹き出すように、ファン(図示省略)を駆動するインバータ式のモータである。ファンモータ760は、本体700の下部側に配置される。
マイク素子140は、第1実施形態のマイク素子140と同様に、本体700の内部に、又は、本体700に空調対象空間に面するように配置される。マイク素子140は、音声取込部P7から取り込まれる指示音声を受け付ける。音声取込部P7の配置について以下に説明する。
(1-1)音声取込部の配置
音声取込部P7は、第1実施形態の音声取込部P1と同様に、本体700の吹出口720が吹き出す空気が通過する通風空間A7から外れた位置に配置される。
ただし、音声取込部P7は、本体700の左右の側面や背面には配置されないことが好ましい。例えば、本体700の左右の側面は、通風空間A7から外れた位置ではあるが、室内ユニット12fの本体700は左右いずれかの側面が壁に隣接するように配置される場合も多く、このような場合には、マイク素子140により音声が取り込みにくいためである。
また、音声取込部P7は、第1実施形態で記載した条件(A)~(E)の1つ又は複数を満たす位置に配置されることが好ましい。さらに、音声取込部P7は、高さ方向において、本体700の中央M(図15参照)よりも上方に設けられることが好ましい。
床置式の室内ユニット12fでは、重量物であるファンモータ760は、一般に図15のように室内ユニット12fの下部に配置される。これに対し、音声取込部P7が室内ユニット12fの上部(本体700の中央Mよりも上方)に設けられることで、マイク素子140が、ファンモータ760の音の影響を受けにくく、クリアな指示音声が取得されやすい。また、音声取込部P7が室内ユニット12fの下部に設けられる場合、立位又は座位の操作者が発する指示音声が障害物(例えば、机や椅子などの家具)の存在により妨げられる可能性があるのに対し、ここでは音声取込部P7が室内ユニット12fの上部に設けられるので、音声取込部P7に指示音声が妨げられることなく取り込まれやすい。
具体的に、音声取込部P7の配置のバリエーションとして、音声取込部P7a及びP7bの配置について説明する。なお、音声取込部P7a及びP7bの配置は例示であって、例示した以外の場所に音声取込部P7が設けられてもよい。例えば、ここでは、説明の簡略化のため、音声取込部P7aを、左右方向における一方側(右側)のみに描画したが、これに限定されるものではなく、左右方向における他方側(左側)に同様の音声取込部P7が設けられてもよい。
なお、室内ユニット12fにおいて、音声取込部とこの音声取込部から取り込まれる指示音声を受け付けるマイク素子140との組数は、1組であっても、2組以上であってもよいが、2組以上であることが好ましい。
音声取込部P7a,P7bは、高さ方向において、本体700の中央Mよりも上方に設けられる(図15参照)。
また、音声取込部P7bは、本体700上の、吹出口720と吸込口730との間に設けられる(図15参照)。また、音声取込部P7bは、吹出口720の長手方向である第2方向D2(上下方向)における吹出口720の延長線上に設けられる(図15参照)。
(2)空調機の特徴
第7実施形態の空調機10についても、第1実施形態の空調機10に関して記載した特徴(3-1)と同様の特徴を有する。また、第7実施形態の空調機10についても、音声取込部P3の配置に応じて、第1実施形態の空調機10に関して記載した特徴(3-1),(3-3)~(3-6)と同様の特徴を持たせることができる。また、第7実施形態の空調機10は、第1実施形態の空調機10に関して記載した特徴(3-10)~(3-14)と同様の特徴を有する。
<変形例>
以下に、上記第1~第7実施形態の変形例を示す。
(1)変形例1A
上記実施形態のいずれかの構成において、室内ユニット12,12a~12fは、音声取込部P1~P7が音声を取り込む向きを変更可能な音声取込方向調整機構190を更に有することが好ましい。
例えば、第1実施形態において、本体100のマイク素子140の近傍(例えば隣接する位置)に円形状の開口100aが形成され、開口100aが音声取込部P1として機能する場合、音声取込方向を変化させる(特定の方向からの音が入力されやすくする)ための板部材192を開口100aに設け(図16参照)てもよい。板部材192は、例えば音声を反射させて、音波の進行方向を変化させる。そして、この板部材192を、開口100aの内部に入り込むように、また、開口100aから外部に遠ざかるように手動で回転可能とし、さらに、板部材192を開口100aの周方向に手動で回転可能とすることで、音声取込部P1~P7が音声を取り込む向きを変更可能とすることができる(図17参照)。
音声を取り込む向きを変更可能とすることで、室内ユニット12の取付位置等によらず、音声の取り込み方向が、人が通常いない場所(例えば、壁方向)を向くという不具合を避けることができる。また、音声を取り込む向きを変更できるため、操作者の発する声が小さいような場合でも、マイク素子がクリアな指示音声を取得しやすい。
また、例えば、室内ユニット12,12a~12fが、更に空調対象空間内の人の位置を検知する検知部を備えてもよい。そして、音声取込方向調整機構190は、検知部の検知結果に応じて音声取込部P1~P7が音声を取り込む向きを自動で変更する自動調整部194(図18参照)を有してもよい。
例えば、具体的には、検知部は複数のマイク素子140であり、どの音声取込部から取り込まれた指示音声の音量が最も大きかったかで、(声を発した)人の位置を検知してもよい。また、室内ユニット12,12a~12fは、発熱体の動きを検知する人感センサを有し、この人感センサを用いて人の位置を検知してもよい。そして、コントローラ18が、人の検知結果に応じて、自動調整部194の一例であるモータを制御し、板部材192を動作させるよう構成されてもよい。
このように構成することで、空調対象空間内の人の位置に応じて音声の取り込み方向が自動で変更されるため、操作者が空調対象空間内でどこに移動しても、マイク素子140がクリアな指示音声を取得することが容易である。
なお、ここでは、音声取込方向調整機構190の一例として、音声取込部P1~P7としての開口100aに設けられた板部材192を動作させる場合について説明したが、音声取込方向調整機構の態様は、これに限定されるものではない。例えば、音声取込方向調整機構190は、マイク素子140の向きを変更することで音声取込部P1~P7が音声を取り込む向きを変更するように構成されてもよい。
(2)変形例1B
上記実施形態では、機器制御システム1は、指示音声により第1機器群50及び第2機器群60の動作も操作可能なシステムであるが、これに限定されるものではない。機器制御システム1は、第1機器群50及び第2機器群60の一方、又は、第1機器群50及び第2機器群60の両方の動作を制御しないシステムであってもよい。そして、指示音声により操作されない機器群50,60や、その機器群50,60の制御のために必要な赤外線出力装置40や機器サーバ70は、機器制御システム1には含まれていなくてもよい。
(3)変形例1C
上記実施形態では、機器制御システム1の解析サーバ20、空調機サーバ30、及び機器サーバ70は別のサーバであるが、これに限定されるものではない。例えば、1つのサーバが、解析サーバ20及び空調機サーバ30として、又は、解析サーバ20、空調機サーバ30及び機器サーバ70として機能してもよい。
また、逆に、上記実施形態で説明した解析サーバ20、空調機サーバ30及び機器サーバ70のそれぞれの機能は、1台のサーバではなく、複数のサーバにより達成されてもよい。
また、上記実施形態では、送信部16aが送信する信号Sを解析サーバ20が受信するが、これに限定されるものではない。例えば、送信部16aは、信号Sを空調機サーバ30に送信し、空調機サーバ30から解析サーバ20へ信号Sが送信されてもよい。
(4)変形例1D
上記実施形態では、空調機を、主に空気の温度や湿度の調整を行う装置を例に説明したが、空調機は、このようなタイプの装置に限定されるものではない。空調機は、空気中の粉じん等を除去し清浄化された空気を吹き出す空気清浄機や、空調対象空間の気流を調整する気流調整装置等であってもよい。
(5)変形例1E
上記実施形態では、空調機10の室内ユニットの本体の吹出口から吹き出す空気の音、更に好ましくはファンモータの音も考慮して、マイク素子140の配置が決定されている。しかし、マイク素子140の配置は、これらの音発生源だけではなく、マイク素子140による指示音声の取り込みに影響を与える他の音発生源についても考慮して決定されることがより好ましい。例えば、空調機10の室内ユニットが、ビープ音やブザー音等を発する音声出力部(スピーカー等)を有する場合には、マイク素子140は、好ましくは、音声出力部に対して遠方側に設けられることが好ましい(例えば、音声出力部が本体右側に設置される場合には、マイク素子140は本体左側に配置される等)。
また、例えば、空調機10の室内ユニットが、吹出口等に設けられたフラップやフィルタの自動清掃機構の可動部を動作させるための駆動部(例えばステッピングモータ等)を有する場合には、マイク素子140は、好ましくは、駆動部に対して遠方側に設けられることが好ましい(例えば、駆動部が室内ユニット上部に設置される場合には、マイク素子140は本体下部に配置される等)。
また、例えば、空調機10の室内ユニットが、電動弁等の動作する部品を有する場合には、マイク素子140は、好ましくは、電動弁等の部品に対して遠方側に設けられることが好ましい(例えば、電動弁等の部品が本体背面側に設置される場合には、マイク素子140は本体正面側に配置される等)。
このように、音声出力部、駆動部、及び電動弁等の部品等の音発生源の少なくとも一部も考慮してマイク素子140の位置を決定することで、マイク素子140が、よりクリアな音声を取得することができる。
<第8実施形態>
以下に、図面を参照しながら、第8実施形態に係る空調機1010について説明する。また、以下では、図面を参照しながら、空調機の操作装置の一実施形態について説明する。空調機1010の操作ユニット1200が、空調機の制御装置の一例である。
(1)機器制御システムの概要
初めに、空調機1010を含む機器制御システム1001について、図19及び図20を参照しながら説明する。
図19は、空調機1010を含む機器制御システム1001の概略構成図である。図20は、機器制御システム1001の概略ブロック図である。なお、図20では、機器制御システム1001の一部構成については描画を省略している。
機器制御システム1001は、操作者の音声による指示で、空調機1010を制御するシステムである。また、機器制御システム1001は、操作者の音声による指示で、後述する第1機器群1050に含まれる機器1050a,1050b,・・・1050nと、第2機器群1060に含まれる機器1060a,1060b,・・・1060mと、を制御するシステムである。
機器制御システム1001は、空調機1010と、第1機器群1050と、第2機器群1060と、赤外線出力装置1040と、解析サーバ1020と、空調機サーバ1030と、機器サーバ1070と、を主に含む(図19参照)。
空調機1010、第1機器群1050、第2機器群1060及び赤外線出力装置1040は、建物1000Bに配置される機器である(図19参照)。例えば、建物1000Bは一戸建ての住宅であるが、これに限定されるものではない。建物1000Bは、オフィスビル、商業施設、工場等であってもよい。解析サーバ1020、空調機サーバ1030及び機器サーバ1070は、限定するものではないが、通常、建物1000Bとは別の場所に設置される。
なお、図19では、機器制御システム1001により動作が制御される空調機1010、第1機器群1050及び第2機器群1060の配置される建物1000Bを1つしか描画していない。しかし、建物1000Bは複数であってもよい。つまり、機器制御システム1001は、複数の建物1000Bにそれぞれ配置される空調機1010、第1機器群1050及び第2機器群1060の動作を制御するシステムであってもよい。ここでは、説明の簡略化のため、建物1000Bは1つとする。
また、建物1000Bに配置される空調機1010、第1機器群1050の機器、第2機器群1060の機器及び赤外線出力装置1040のそれぞれの台数は、図19に描画された台数によらず、1台であっても複数であってもよい。なお、ここでは、建物1000Bに配置される空調機1010及び赤外線出力装置1040の台数は1台で、建物1000Bに配置される第1機器群1050及び第2機器群1060の機器の台数はそれぞれ複数であるとして説明をする。
以下に、空調機1010と、第1機器群1050と、第2機器群1060と、赤外線出力装置1040と、解析サーバ1020と、空調機サーバ1030と、機器サーバ1070とについて更に説明する。
(1-1)空調機
空調機1010は、室内ユニット1012と、室外ユニット1014と、これらの間を接続する冷媒連絡配管(図示せず)と、コントローラ1018と、操作ユニット1200と、ケーブルユニット1300と、を主に有する(図19及び図20参照)。空調機1010は、空調対象空間の空気調和を行う装置である。空調対象空間は、例えば、建物1000B内の室内ユニット1012が配置される部屋である。
空調機1010は、操作ユニット1200の後述する音声受付部1210に指示音声を入力することで操作可能な空調機である。指示音声は、限定するものではないが、例えば、“空調オン”、“設定温度を25℃に設定”等の音声である。なお、空調機1010は、音声操作に加えて、一般的なリモコンによっても操作可能に構成されていてもよい。
なお、この機器制御システム1001では、操作ユニット1200の音声受付部1210は、第1機器群1050の機器1050a,1050b,・・・1050n及び第2機器群1060の機器1060a,1060b,・・・1060mに対する指示音声も受付可能に構成されている。
空調機1010、第1機器群1050の機器1050a,1050b,・・・1050n及び第2機器群1060の機器1060a,1060b,・・・1060mの音声による操作については後述する。
空調機1010では、室内ユニット1012と室外ユニット1014とが冷媒連絡配管を介して接続されることで、室内ユニット1012の室内熱交換器(図示省略)や、室外ユニット1014の圧縮機、室外熱交換器、膨張弁等(図示省略)が配管で接続され、冷媒回路が構成される。空調機1010では、冷媒回路内で冷媒を循環することで、室内ユニット1012の設置された空間の冷房/暖房が行われる。
なお、本実施形態では、空調機1010は、室内ユニット1012の室内熱交換器において、室内熱交換器の内部を流れる冷媒と空調対象空間の空気との間で熱交換が行われるが、空調機はこのような機器に限定されない。例えば、空調機1010は、室内ユニット1012(ファンコイルユニット)の室内熱交換器において、室内熱交換器の内部を流れる冷水/温水と空調対象空間の空気との間で熱交換が行われる装置であってもよい。
空調機1010の動作は、コントローラ1018により制御される。コントローラ1018は、例えば、室内ユニット1012が有する制御基板(図示せず)と、室外ユニット1014が有する制御基板(図示せず)とを含む。なお、室内ユニット1012の各構成の動作は、主に室内ユニット1012の制御基板により制御され、室外ユニット1014の各構成の動作は、主に室外ユニット1014の制御基板により制御される。コントローラ1018を構成する室内ユニット1012及び室外ユニット1014の制御基板等のCPUは、空調制御用のプログラムを実行することで、空調機サーバ1030から送信されてくる後述する指令1000C等に応じて空調機1010の各部の動作を制御する。つまり、コントローラ1018は、指令1000Cに基づいて空調機1010の動作を制御する制御部の一例である。
蒸気圧縮冷凍サイクルを利用した空調機1010の動作原理や動作内容については、一般に広く知られているため、ここでは説明は省略する。なお、空調機1010は、空調対象空間の冷房/暖房の両方を実施可能な空調機である必要はなく、冷房専用、又は、暖房専用の空調機であってもよい。 操作ユニット1200は、空調機1010を音声で操作するためのユニットである。操作ユニット1200は、空調機1010の操作装置の一例である。また、操作ユニット1200は、空調機1010の以外の機器(第1機器群1050及び第2機器群1060の機器)を操作するための操作装置としても機能する。操作ユニット1200については後述する。
空調機1010は、空調機1010の外部の解析サーバ1020や空調機サーバ1030と通信を行うための通信部1230を有している(図20参照)。
なお、本実施形態では、通信部1230は、空調機1010の操作ユニット1200に搭載されている。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、室内ユニット1012や室外ユニット1014に通信部1230が搭載されてもよい。また、空調機1010は、室内ユニット1012、室外ユニット1014、及び操作ユニット1200とは別体の通信部を有していてもよい。ただし、通信機能を有していない既存の空調機に、本実施形態で説明する音声操作機能を組み込むような場合には、操作ユニット1200が通信部1230を有していることが好ましい。
空調機1010(通信部1230)は、ネットワーク1080を介して、解析サーバ1020及び空調機サーバ1030と接続されている(図19参照)。ネットワーク1080は、ここではインターネットであるが、他のWANであってもよい。空調機1010は、ルータ1082と無線LANにより接続され、ルータ1082を介してネットワーク1080と接続されている(図19参照)。ルータ1082は、WAN側のインターフェースと、LAN側のインターフェースとを有し、WANとLANを相互接続させる。なお、空調機1010とルータ1082とは、無線LANではなく、有線LANで接続されてもよい。
また、ネットワーク1080はLANであってもよい。
通信部1230は、例えば、ルータ1082との間で無線通信を行う無線LANアダプタである。通信部1230は、機能部として、情報を送信する送信部1230aと、情報を受信する受信部1230bとを有している(図20参照)。
送信部1230aは、例えば、後述する操作ユニット1200の音声受付部1210が受け付けた指示音声に基づく信号1000Sを外部に送信する(図20参照)。特には、送信部1230aは、音声受付部1210が受け付けた指示音声のうち、特定指示音声(特定指示音声については後述する)以外の指示音声に基づく信号1000Sを外部に送信する。ただし、これに限定されるものではなく、送信部1230aは、マイク素子1210aが受け付けた全ての指示音声について、指示音声に基づく信号1000Sを外部に送信してもよい。
送信部1230aは、音声受付部1210が受け付けた指示音声のうち、特定指示音声以外の指示音声に基づく信号1000Sを、信号1000Sを解析する解析サーバ1020に対して送信する。また、送信部1230aは、音声受付部1210が受け付けた指示音声のうち、特定指示音声以外の指示音声に基づく信号1000Sを、空調機サーバ1030や機器サーバ1070に対しても送信することが好ましい。つまり、送信部1230aは、複数のアドレスに(例えば、解析サーバ1020と空調機サーバ1030とに)信号1000Sを送信することが好ましい。
ここでは、信号1000Sは、指示音声が操作ユニット1200の後述する音声処理部1240によりAD変換されたデジタル音声信号である。なお、信号1000Sは、例えば、デジタル音声信号が、各種音声データ圧縮方式(例えばMP3等)を用いて音声処理部1240により更に圧縮されたデータであってもよい。また、信号1000Sは、指示音声が音声処理部1240によりテキスト化されたデータ(音声をテキストに置き換えたデータ)であってもよい。
また、送信部1230aは、空調機1010及び空調対象空間の少なくとも一方に関する状態量についての情報1000Jを空調機サーバ1030に対して送信することが好ましい(図20参照)。限定するものではないが、空調機1010に関する状態量には、例えば冷媒回路の様々な場所においてセンサ(図示せず)により測定される冷媒の温度/圧力や、室外ユニット1014の圧縮機のインバータ制御モータ(図示せず)の回転数や、室外ユニット1014の膨張弁の開度等を含む。空調対象空間に関する状態量には、限定するものではないが、センサ(図示せず)により測定されている空調対象空間の温度等を含む。空調機1010及び空調対象空間に関する状態量についての情報1000Jは、例えば、空調機のコントローラ1018から操作ユニット1200側に送信され、これが送信部1230aから送信される。
受信部1230bは、例えば、送信部1230aが送信した信号1000S(特には、空調機1010の制御に関する指示音声に基づく信号1000S)に応じた指令1000Cを外部から受信する。より具体的には、受信部1230bは、解析サーバ1020による信号1000S(特には、空調機1010の制御に関する指示音声に基づく信号1000S)の解析の結果に基づいて生成された指令1000Cを受信する。好ましくは、受信部1230bは、空調機サーバ1030が解析サーバ1020による信号1000S(特には、空調機1010の制御に関する指示音声に基づく信号1000S)の解析の結果と、送信部1230aから空調機サーバ1030に対して送信された状態量についての情報1000Jとに基づいて生成した指令1000Cを受信する。
空調機1010の動作を制御するコントローラ1018(空調機1010の制御部)は、指令1000Cに基づいて空調機1010の動作を制御する。限定するものではないが、指令1000Cは、例えば、空調機1010の運転のオン/オフ、空調機1010の運転モード(冷房/暖房/除湿/送風等)の切換、設定温度(空調対象空間の目標温度)の変更、室外ユニット1014の圧縮機のインバータ制御モータ(図示せず)の回転数の目標値、室外ユニット1014の膨張弁の開度の目標値、及び、室内ユニット1012のインバータ制御のファンモータの回転数の目標値の少なくとも1つに関する。
本実施形態では、受信部1230bは、操作ユニット1200に設けられている。そのため、操作ユニット1200は、受信部1230bが受信した指令1000Cに基づく信号を、ケーブルユニット1300を介して、空調機1010の動作を制御するコントローラ1018に送信する。受信部1230bが受信した指令1000Cに基づく信号は、指令1000Cの信号そのものであってもよいし、指令1000Cに基づいて操作ユニット1200で生成される(指令1000Cに対応する)信号であってもよい。
なお、ケーブルユニット1300は、室内ユニット1012と操作ユニット1200とを通信可能に接続する通信用電線を含むユニットである。また、本実施形態では、ケーブルユニット1300は、操作ユニット1200に、室内ユニット1012側から電力を供給する電力線としての機能も有する。例えば、ケーブルユニット1300は、室内ユニット1012側のUSBポート(図示せず)から電力供給を受けるバスパワーの方式のUSBケーブルである。ただし、操作ユニット1200は、ケーブルユニット1300を介してではなく、他の電源線を介して電力の供給を受けてもよい。
(1-2)第1機器群
第1機器群1050の機器1050a,1050b,・・・1050nは、赤外線信号により操作可能な機器である。第1機器群1050の機器1050a,1050b,・・・1050nは、操作ユニット1200に対する指示音声の入力に応じて赤外線出力装置1040から送信される赤外線信号により操作可能である。第1機器群1050の機器1050a,1050b,・・・1050nは、第1実施形態の第1機器群50の機器50a,50b,・・・50nと同様であるので、ここでは説明を省略する。
(1-3)第2機器群
第2機器群1060の機器1060a,1060b,・・・1060mは、ネットワーク1080を介して送信される信号により操作可能な機器である。第2機器群1060の機器1060a,1060b,・・・1060mは、操作ユニット1200に対する指示音声の入力に応じて解析サーバ1020又は機器サーバ1070から送信される信号により操作される。第2機器群1060の機器1060a,1060b,・・・1060mは、第1実施形態の第2機器群60の機器60a,60b,・・・60mと同様であるので、ここでは説明を省略する。
(1-4)解析サーバ
解析サーバ1020は、解析装置の一例である。
解析サーバ1020は、空調機1010(通信部1230)とネットワーク1080を介して接続されている。そして、空調機1010の操作ユニット1200が指示音声を受け付けると、上述したように、空調機1010の送信部1230aは、指示音声に基づく信号1000Sを、ネットワーク1080を介して解析サーバ1020に送信する(図20参照)。なお、操作ユニット1200が受け付ける指示音声には、空調機1010の制御に関する指示音声、第1機器群1050の機器1050a,1050b,・・・1050nの制御に関する指示音声、第2機器群1060の機器1060a,1060b,・・・1060mの制御に関する指示音声を含む。言い換えれば、解析サーバ1020は、空調機1010、機器1050a,1050b,・・・1050n、及び機器1060a,1060b,・・・1060mの制御に関する指示音声に基づく信号1000Sを受信する。
また、解析サーバ1020は、ネットワーク1080を介して、空調機サーバ1030、機器サーバ1070及び赤外線出力装置1040と通信可能に接続されている。
解析サーバ1020は、記憶装置に記憶されているプログラムを実行することで、受信した信号1000Sを解析するコンピュータである。例えば、具体的には、解析サーバ1020は、受信した音声信号の音声認識を行う。
なお、解析サーバ1020の記憶装置には、プログラムの他、例えば、各操作ユニット1200が操作可能な機器(空調機1010、第1機器群1050の機器1050a,1050b,・・・1050n、及び第2機器群1060の機器1060a,1060b,・・・1060m)のリストが記憶されている。つまり、解析サーバ1020は、各操作ユニット1200からどの機器を操作可能であるかを把握している。また、第2機器群1060の機器1060a,1060b,・・・1060mに関しては、制御対象の機器1060a,1060b,・・・1060mが、解析サーバ1020の直接の制御対象であるか否か(解析サーバ1020及び機器サーバ1070のいずれのサーバの制御対象であるか)に関する情報も記憶されている。
解析サーバ1020は、信号1000Sとしての音声を分析してその特徴量を求め、記憶装置に記憶された音響モデル、言語モデル及び発音辞書を含む音声認識辞書を利用して特徴量からテキスト情報を生成する。解析サーバ1020が生成するテキスト情報は、限定するものではないが、例えば“空調機オン”、“空調機の設定温度を25度に設定”、“照明装置オフ”、“テレビオン”等のテキスト情報である。
解析サーバ1020は、テキスト情報が、空調機1010の制御に関するものである場合(例えば、テキスト情報が空調機に関するキーワードを含んでいる場合)、信号1000Sの解析結果(つまり生成したテキスト情報)を、ネットワーク1080を介して空調機サーバ1030に送信する(図20参照)。
解析サーバ1020は、テキスト情報が第1機器群1050の機器1050a,1050b,・・・1050nの制御に関するものである場合(例えば、テキスト情報が第1機器群1050に関するキーワードを含んでいる場合)、赤外線出力装置1040に対し、信号1000Sの解析結果(つまり生成したテキスト情報)に応じた赤外線信号の送信を命じる指令を送信する。例えば、テキスト情報が、第1機器群1050の機器1050a,1050b,・・・1050nに含まれる照明装置に関する情報(例えば、“照明装置オフ”)であった場合、解析サーバ1020は、赤外線出力装置1040に対し、照明装置に対して消灯を指示する赤外線信号を送信するように命じる指令を送信する。赤外線出力装置1040に対する指令は、解析サーバ1020から、ネットワーク1080を介して赤外線出力装置1040へと送信される。
解析サーバ1020は、テキスト情報が第2機器群1060の機器1060a,1060b,・・・1060mの制御に関するものである場合(例えば、テキスト情報が第2機器群1060に関するキーワードを含んでいる場合)、信号1000Sの解析結果(つまり生成したテキスト情報)に応じた指令を第2機器群1060の機器1060a,1060b,・・・1060mに送信する。例えば、テキスト情報が、第2機器群1060の機器1060a,1060b,・・・1060mに含まれるテレビに関する情報(例えば、“テレビオン”)であった場合、解析サーバ1020は、テレビに対し、スイッチオンを指示する指令を送信する。第2機器群1060の機器1060a,1060b,・・・1060mに対する指令は、解析サーバ1020から、ネットワーク1080を介して第2機器群1060の機器1060a,1060b,・・・1060mへと送信される。
なお、テキスト情報が第2機器群1060の機器1060a,1060b,・・・1060mの制御に関するものである場合であって、制御対象の機器1060a,1060b,・・・1060mが解析サーバ1020の直接の制御対象でない場合には、その機器1060a,1060b,・・・1060mを制御する機器サーバ1070へとテキスト情報が送信される。そして、機器サーバ1070から機器1060a,1060b,・・・1060mへとネットワーク1080を介して指令が送信される。
(1-5)空調機サーバ
空調機サーバ1030は、指令生成装置の一例である。
空調機サーバ1030は、解析サーバ1020から送信される、解析サーバ1020による信号1000Sの解析の結果(つまり解析サーバ1020が生成したテキスト情報)と、空調機1010の送信部1230aから適宜送信される空調機1010及び空調対象空間の少なくとも一方に関する状態量についての情報1000Jとに基づいて指令1000Cを生成する。そして、空調機サーバ1030は、ネットワーク1080を介して指令1000Cを空調機1010の受信部1230bに対して送信する。限定するものではないが、空調機サーバ1030は、例えば、テキスト情報として“空調機オン”の指令を受けると、現在の空調対象空間の温度等に基づいて空調機1010の各部の動作を決定し、これを指令1000Cとして送信する。
なお、ここでは、空調機サーバ1030は、解析サーバ1020による信号1000Sの解析の結果に加え、情報1000Jに基づいて指令1000Cを生成するが、これに限定されるものではない。空調機サーバ1030は、解析サーバ1020による信号1000Sの解析の結果だけに基づいて指令1000Cを生成してもよい。
また、空調機サーバ1030は、空調機1010の送信部1230aから送信されてくる信号1000Sを蓄積し、信号1000Sを用いて各種解析を行う。
なお、本実施形態では、機器制御システム1001に空調機サーバ1030が含まれるが、これに限定されるものではない。例えば、空調機1010が、解析サーバ1020による信号1000Sの解析の結果(つまり解析サーバ1020が生成したテキスト情報)に基づいて運転内容を直接決定可能である場合には、空調機サーバ1030は設けられなくてもよい。そして、解析サーバ1020による信号1000Sの解析の結果が、指令1000Cとして、空調機1010の受信部1230bに直接送信されてもよい。
(1-6)機器サーバ
機器サーバ1070は、解析サーバ1020から送信される、解析サーバ1020による信号1000Sの解析の結果(つまり解析サーバ1020が生成したテキスト情報)に基づいて、第2機器群1060の機器1060a,1060b,・・・1060mに対する指令を生成する。そして、機器サーバ1070は、ネットワーク1080を介して指令を操作対象の第2機器群1060の機器1060a,1060b,・・・1060mに対して送信する。
なお、図19では機器サーバ1070は1台であるが、(解析サーバ1020からの指令によってではなく)機器サーバ1070により操作される機器1060a,1060b,・・・1060mの種類が複数ある場合には、その種類の数だけ機器サーバ1070が存在することが好ましい。
また、機器1060a,1060b,・・・1060mの全ての機器が解析サーバ1020からの指令によって操作される場合には、機器サーバ1070は存在しなくてもよい。
(1-7)赤外線出力装置
赤外線出力装置1040は、第1機器群1050の機器1050a,1050b,・・・1050nの機器別かつ操作内容別に、制御用の赤外線信号パターンを記憶する記憶部(図示せず)を有している。赤外線出力装置1040は、記憶部に記憶されている赤外線信号パターンを利用して、解析サーバ1020から送信される指令に応じて、操作対象である第1機器群1050の機器1050a,1050b,・・・1050nに対して赤外線信号を送信する。
(2)空調機の室内ユニット
空調機1010の室内ユニット1012に関し、図面を参照して更に説明する。
なお、図21Aは、空調機1010の室内ユニット1012の概略正面図である。図21Bは、室内ユニット1012はタイプが異なる、他の形態の室内ユニット1012’の概略底面図である。図21A及び図21Bに、空調機1010の操作ユニット1200も合わせて描画している。
なお、以下では、方向や向きを説明するために「前(正面)」「後(背面)」「左」「右」「上」「下」等の表現を用いる場合があるが、これらの表現の表す向きは、特記無き場合、図中の矢印の向きに従う。
本実施形態に係る室内ユニット1012は壁掛型である。
室内ユニット1012は、背面側が壁に取り付けられる本体1100を有する(図19及び図21A参照)。本体1100は、内部に、図示しない室内側熱交換器、ファン及びファンモータを収容する筐体である。
本体1100には、吹出口1120と吸込口1130とが形成されている(図19及び図21A参照)。
吸込口1130は、空調対象空間の空気を本体1100の内部に吸い込むための開口である。吸込口1130は、正面視において、左右方向を長手方向として延びる(図21参照)。吸込口1130は、本体1100の前面上部から本体1100の上面にわたって形成されている。
吹出口1120は、空調対象空間に対して空気調和された空気を吹き出すための開口である。吹出口1120は、本体1100の下部に形成されている。吹出口1120には上下方向の風向を調整するためのフラップ1122が配置されている(図19参照)。
ただし、空調機の室内ユニットのタイプは、壁掛型に限定されるものではない。例えば、空調機は、図21Bに描画した天井埋込型の室内ユニット1012’を用いるものであってもよい。
他の例に係る室内ユニット1012’は、限定するものではないが、4方向に風を吹き出すユニットである(図21B参照)。
室内ユニット1012’は、本体1100’を有する(図21B参照)。本体1100’は、内部に、図示しない室内側熱交換器、ファン及びファンモータを収容する筐体である。本体1100’には、吹出口1120’と吸込口1130’とが形成されている(図21B参照)。
本体1100’では、吸込口1130’は正方形状に形成されている(図21B参照)。吸込口1130’は、底面視において本体1100’の中央部に形成されている(図21B参照)。
また、本体1100’では、吹出口1120’が、本体1100’の下面の4箇所に形成されている。吹出口1120’は、底面視において正方形状の本体1100’の4辺に沿うように、前方縁近傍、後方縁近傍、左方縁近傍、右方縁近傍にそれぞれ形成されている。吹出口1120’は、底面視において、本体1100’の中央部に配置された吸込口1130’を囲むように形成されている。
また、図示及び説明は省略するが、ここで説明した以外にも、空調機の室内ユニットは、天井吊り下げ型や床置型であってもよい。
また、空調機の室内ユニットは、その本体が空調対象空間に露出しない、あるいは、ほとんど空調対象空間に露出しない、ビルトイン型のユニットであってもよい。ビルトイン型のユニットは、本体が壁内や天井裏に配置される。例えば、ビルトイン型のユニットでは、本体の吹出口から吹き出す空気が、ダクトを介して壁面や天井面に設けられた開口へと送られ、空調対象空間へと吹き出す。
以下では、本実施形態の室内ユニット1012を例に説明するが、室内ユニット1012’も同様に構成されればよい。
本体1100の内部には、室内ユニット1012の図示しない制御基板が収納されている。室内ユニット1012の制御基板は、ケーブルユニット1300により、操作ユニット1200と通信可能に接続されている。
ケーブルユニット1300は、室内ユニット1012の制御基板に直接接続されてもよい。また、ケーブルユニット1300は、USBケーブルであって、室内ユニット1012に設けられたUSBポートにUSB端子が接続されることで、室内ユニット1012の制御基板と、操作ユニット1200とが通信可能に接続されてもよい。
(3)操作ユニット
操作ユニット1200は、空調機1010の音声操作のためのユニットである。操作ユニット1200は、空調機1010の操作装置の一例でもある。
操作ユニット1200は、各種処理を実行するCPU(図示省略)と、CPUによって実行されるプログラムや各種情報を記憶する記憶装置(図示省略)と、を含む。また、操作ユニット1200は、音声受付部1210が有するマイク素子1210a、報知部1220としてのスピーカ、マイク素子1210aが取得した音声に対して各種処理を行う音声処理用のチップ、通信部1230として機能する無線LANアダプタ等を含む。
操作ユニット1200は、室内ユニット1012の本体1100の外部に配置される。
例えば、操作ユニット1200は、空調対象空間に面する壁面に取り付けられる(図21A中に実線で描画した操作ユニット1200を参照)。また、例えば、操作ユニット1200は、本体1100上(本体1100の表面上)に取り付けられてもよい(図21A中に一点鎖線で描画した操作ユニット1200や、図21B中に実線で描画した操作ユニット1200を参照)。また、操作ユニット1200は、空調対象空間に面する天井面に取り付けられてもよい(図21B中に一点鎖線又は破線で描画した操作ユニット1200参照)。
なお、ここでは、壁掛型の室内ユニット1012の近傍の壁面、又は、室内ユニット1012の本体1100上に操作ユニット1200が取り付けられ(図21A参照)、天井埋込型の室内ユニット1012’の近傍の天井面、又は、室内ユニット1012’の本体1100’上に操作ユニット1200が取り付けられているが、これに限定されるものではない。例えば、壁掛型の室内ユニット1012を用いる場合に、空調対象空間に面する天井面に操作ユニット1200が取り付けられてもよい。また、例えば、天井埋込型の室内ユニット1012’を用いる場合に、空調対象空間に面する壁面に操作ユニット1200が取り付けられてもよい。
操作ユニット1200は、本体1270、音声受付部1210と、報知部1220と、通信部1230と、音声処理部1240と、指令送信部1250と、スイッチ1260と、を備える。
(3-1)本体
本体1270は、内部に操作ユニット1200の各種構成が収容されたり、表面に操作ユニット1200の各種構成が取り付けられたりする、操作ユニット1200の筐体である。
本体1270は、形状を限定するものではないが、例えば細長い矩形状に形成されている(図21Aに描画されている操作ユニット1200、及び、図21Bに実線又は破線で描画されている操作ユニット1200を参照)。本体1270は、室内ユニット1012の本体1100上に取り付けられた状態で、又は、空調対象空間に面する壁面や天井面に取り付けられた状態で、水平方向を長手方向として延びる。
なお、本体1270は、例えば図21Bに一点鎖線で描画したように、正方形状に形成されてもよい。また、本体1270は、円形状、楕円形状、四角形以外の多角形状等に形成されてもよい。
本体1270は、上述のように、好ましくは、室内ユニット1012の本体1100,1100’上に、又は、空調対象空間に面する壁面又は天井面に取り付けられる。例えば、図21Aにおいて実線で描画された本体1270は、本体1100の下方の壁面に取り付けられている。また、図21Aにおいて一点鎖線で描画された本体1270は、本体1100の正面の、吹出口1120と吸込口1130との間に取り付けられている。また、図21Bにおいて実線で描画された本体1270は、本体1100の下面の、吹出口1120’と吸込口1130’との間に取り付けられている。また、図21Bにおいて一点鎖線で描画されている本体1270は、略正方形状の本体1100’の角部の近傍の天井面に取り付けられている。また、図21Bにおいて破線で描画されている本体1270も、略正方形状の本体1100’の角部の近傍の天井面に取り付けられている。
なお、指示音声の入力がノイズの影響を受けることを避けるため、本体1270は、少なくとも本体1270に設けられた音声受付部1210が、室内ユニット1012の吹出口1120,1120’の近傍であって、吹出口1120,1120’から吹き出す空気が直接当たる場所に配置されないように設置されることが好ましい。
(3-2)音声受付部
音声受付部1210は、空調機1010に対する指示音声の入力を受け付ける。また、音声受付部1210は、第1機器群1050の機器1050a,1050b,・・・1050n及び第2機器群1060の機器1060a,1060b,・・・1060mに対する指示音声の入力も受付可能に構成されている。
音声受付部1210は、指示音声を受け付けるマイク素子1210aを有する。
音声受付部1210が有するマイク素子1210aの数は、図21Bに一点鎖線で描画した操作ユニット1200のように単数であってもよい。ただし、音声受付部1210が有するマイク素子1210aの数は、少なくとも2個以上であることが好ましい(図21Aに描画した操作ユニット1200及び図21Bに実線及び破線で描画した操作ユニット1200を参照)。
マイク素子1210aを2個以上とし、これらをそれぞれ異なる場所から指示音声を取得しやすいように配置することで、操作者(発声者)の位置によらず、音声受付部1210により指示音声が確実に取得されやすくなる。また、マイク素子1210aを2個以上とし、これらをそれぞれ異なる場所から指示音声を取得しやすいように配置することで、検知結果から人(操作者)の位置を検知し、この情報に基づいた空調機1010の制御を行うこともできる。
そして、本体1270が、図21Aに描画した操作ユニット1200及び図21Bに実線及び破線で描画した操作ユニット1200のように、水平方向を長手方向として延びるような形状であって、マイク素子1210aが2個以上存在する場合には、マイク素子1210aは、少なくとも操作ユニット1200(本体1270)の長手方向における両端部にそれぞれ設けられることが好ましい。
(3-3)報知部
報知部1220は、ここではスピーカである。
報知部1220は、主には音声受付部1210による指示音声の受け付けを報知する。例えば、具体的に、報知部1220は、音声受付部1210が指示音声を受け付けた時に、“音声を受け付けました”等の文章を発声したり、受け付けた指示音声を復唱するように発声したりすることで、音声受付部1210による指示音声の受け付けを報知する。また、報知部1220は、空調機1010が各種動作を実行する際に、その動作内容(例えば、“運転を開始します”等の文章)を報知するように構成されてもよい。また、報知部1220は、第1機器群1050及び第2機器群1060の機器が各種動作を実行する際に、その動作内容を報知するように構成されてもよい。
なお、報知部1220としてのスピーカは、文章やワードを発声することで報知する必要はなく、ビープ音等で報知を行うものであってもよい。
また、報知部1220は、スピーカでなくてもよい。例えば、報知部1220は、光による報知を行うランプ、振動による報知を行う振動機、情報を表示するディスプレイ等、他の報知方式の報知器を利用可能である。操作ユニットに報知部を設けることで、利用者は、音声受付部により音声が受け付けられたことを認識可能である。
(3-4)通信部
通信部1230は、例えば、ルータ1082との間で無線通信を行う無線LANアダプタである。通信部1230は、ルータ1082と有線LANで接続されるネットワークアダプタ等であってもよい。通信部1230は、機能部として、情報を送信する送信部1230aと、情報を受信する受信部1230bとを有する(図20参照)。送信部1230a及び受信部1230bを含む通信部1230については既に説明したので説明は省略する。
(3-5)音声処理部
音声処理部1240は、音声受付部1210のマイク素子1210aが受け付けた指示音声を処理して信号1000Sを生成する。また、音声処理部1240は、マイク素子1210aが受け付けた指示音声のうち、特定指示音声だけを認識し、所定指令1000C0を生成する。音声処理部1240は、例えば、これらの機能を実行する集積回路である。
音声処理部1240は、指示音声をAD変換することで、信号1000Sの一例であるデジタル音声信号を生成する。好ましくは、音声処理部1240は、AD変換した指示音声を、更に各種音声データ圧縮方式(例えばMP3等)を用いて音声圧縮した信号1000Sを生成する。また、他の形態では、音声処理部1240は、指示音声をテキスト化した信号1000S(指示音声をテキストに置き換えたデータ)を生成してもよい。
送信部1230aは、音声処理部1240により生成された信号1000S(例えば、音声処理部1240により音声圧縮処理が行われた指示音声)を、外部に(解析サーバ1020等に)送信する。
音声処理部1240が認識する特定指示音声は、例えば、操作ユニット1200が次の指示音声の入力に備えるよう要求する音声である。そして、所定指令1000C0は、例えば、音声受付部1210に、引き続く指示音声の受け付けを要求する指令を含む。また、所定指令1000C0は、例えば、通信部1230の送信部1230aに、音声受付部1210が受け付けた指示音声のうち、特定指示音声以外の(特定指示音声に引き続いて受け付ける)指示音声に基づく信号1000Sの送信の準備を要求する指令を含む。
なお、特定指示音声は、操作ユニット1200が次の指示音声の入力に備えるよう要求する音声ではなくてもよい。例えば、特定指示音声は、空調機1010の基本的な動作(例えばオン/オフ)の実行を要求する音声であって、これに応じて生成される所定指令1000C0は、コントローラ1018に空調機1010の運転/停止を要求する指令であってもよい。そして、空調機1010の動作であって、基本的な動作以外の実行を要求する指示音声に基づく信号1000Sは、外部(解析サーバ1020)に送信されてもよい。
なお、本実施形態では、音声処理部1240が操作ユニット1200に設けられているが、これに限定されるものではない。例えば、音声処理部1240は、空調機1010の室内ユニット1012に設けられてもよい。
(3-6)スイッチ
スイッチ1260は、音声受付部1210の動作状態を切り換えるためのスイッチである。
スイッチ1260は、例えば、本体1270上に設けられる(図21A中に実線で描画した操作ユニット1200を参照)。
なお、本体1270の設置位置が人の手の届きにくい位置(例えば高所)に設けられる場合には、音声受付部1210が設けられている本体1270、とは別体のスイッチ1260が、本体1270と離れた位置に設置されてもよい(図21A中に一点鎖線で描画した操作ユニット1200参照)。図21B中では、スイッチ1260の図示は省略しているが、図21Bでは本体1270は天井付近に設置されることを想定しているので、スイッチ1260は、例えば、本体1270と離れた位置(例えば壁面)に配置される。スイッチ1260が、本体1270と離れた位置に設置される場合、スイッチ1260と本体1270側とは、有線又は無線で通信可能に接続される。
限定するものではないが、スイッチ1260は押釦スイッチである。スイッチ1260を押下することで、音声受付部1210の動作状態が、指示音声を受け付けないスリープ状態と、指示音声の受け付け可能なアクティブ状態との間で切り換えられる。
なお、スイッチ1260が押下される度に、音声受付部1210の動作状態は、スリープ状態とアクティブ状態との間で切り換えられてもよい。また、スイッチ1260が押下されると、音声受付部1210の動作状態は、所定時間だけスリープ状態からアクティブ状態に切り換えられてもよい。
なお、操作ユニット1200は、スイッチ1260を有さず、音声受付部1210の動作状態は、常にアクティブ状態に設定されてもよい。ただし、意図しないタイミングで音声受付部1210が音声を受け付けることを避けるため(意図せず空調機1010や、第1機器群1050及び第2機器群1060の機器が誤動作することを避けるため)、操作ユニット1200にはスイッチ1260が設けられることが好ましい。
(3-7)指令送信部
指令送信部1250は、空調機1010のコントローラ1018に各種指令を送信する。例えば、指令送信部1250は、受信部1230bが空調機サーバ1030から受信した指令1000Cに基づく信号を、ケーブルユニット1300を介して、空調機1010の動作を制御する空調機1010のコントローラ1018に送信する。また、指令送信部1250は、必要に応じて音声処理部1240が生成した所定指令1000C0を、ケーブルユニット1300を介して、空調機1010の動作を制御する空調機1010のコントローラ1018に送信する。
(4)空調機及び操作ユニット(操作装置)の特徴
(4-1)
本実施形態に係る空調機1010は、本体1100を有する室内ユニット1012を備える。本体1100には、空調対象空間に対して空気調和された空気を吹き出す吹出口1120が形成されている。空調機1010は、操作ユニット1200と、ケーブルユニット1300と、送信部1230aと、受信部1230bと、空調機制御部の一例としてのコントローラ1018と、を備える。操作ユニット1200は、音声受付部1210を有する。音声受付部1210は、指示音声の入力を受け付ける。操作ユニット1200は、本体1100の外に配置される。ケーブルユニット1300は、室内ユニット1012と操作ユニット1200とを通信可能に接続する。送信部1230aは、音声受付部1210が受け付けた指示音声に基づく信号1000Sを外部に送信する。受信部1230bは、送信部1230aが送信した信号1000Sに応じた指令1000Cを外部から受信する。コントローラ1018は、指令1000Cに基づいて空調機1010の動作を制御する。
本実施形態に係る空調機1010では、音声操作のための操作ユニット1200が室内ユニット1012に外付けされ、指示音声に基づいて空調機1010の外部で指令1000Cが生成されるので、利用者のニーズに応じ、空調機1010に対する音声操作機能の付与/非付与を変更することが容易である。操作ユニット1200が外付けであるため、音声操作機能を有さない既設の空調機に音声操作機能を付加することも容易である。
さらに、本空調機1010では、操作ユニット1200が室内ユニット1012に外付けされるため、操作ユニット1200の配置の自由度が高い。そのため、室内ユニット1012の配置場所等によらず(例えば、室内ユニット1012の配置場所と空調機1010の利用者が主に活動する場所とが離れているような場合であっても)、利用者の指示が音声受付部1210に確実に受け付けられやすい。
また、本空調機1010では、室内ユニット1012と操作ユニット1200とが有線で接続されるため、これらのユニット間で信号1000Sが確実にやり取りされやすい。
好ましくは、操作ユニット1200は、報知部1220を備える。報知部1220は、音声受付部1210による指示音声の受付を報知する。
(4-2)
本実施形態に係る空調機1010では、送信部1230a及び受信部1230bは、操作ユニット1200に搭載される。
ここでは、操作ユニット1200に、音声受付部1210及び報知部1220に加え、送信部1230a及び受信部1230bも搭載されているため、利用者のニーズに応じ、空調機1010に対する音声操作機能の付与/非付与を変更することが特に容易である。また、音声操作に必要な各種構成が操作ユニット1200にまとめて搭載されているため、音声操作機能を有さない既設の空調機にも音声操作機能を付加することが容易である。
(4-3)
本実施形態に係る空調機1010では、操作ユニット1200は、音声受付部1210の動作状態を、指示音声を受け付けないスリープ状態から、指示音声の受け付け可能なアクティブ状態に切り換えるスイッチ1260を有する。
ここでは、操作ユニット1200に音声受付部1210の動作状態をアクティブ状態に切り換えるスイッチ1260が設けられるため、指示音声を入力したい時にだけ音声受付部1210を作動させることが容易である。そのため、本空調機1010では、指示の意図無く発せられた音声に基づく空調機1010の誤動作を防止することができる。
(4-4)
本実施形態に係る空調機1010では、ケーブルユニット1300は、操作ユニット1200に電力を供給する電力線としての機能を有する。
ここでは、室内ユニット1012と操作ユニット1200とを接続するケーブルユニット1300が電力線としても機能するので、操作ユニット1200専用の電源取出口を設けることなく、操作ユニット1200を機能させることができ、利便性が高い。
(4-5)
本実施形態に係る空調機1010では、操作ユニット1200は、水平方向を長手方向として延び、本体1100上、又は、空調対象空間に面する壁面又は天井面、に取り付けられる。
これにより、美観的にも優れた空調機1010を実現できる。
(4-6)
本実施形態に係る空調機1010では、音声受付部1210は、少なくとも2個のマイク素子1210aを有する。マイク素子1210aは、少なくとも長手方向における操作ユニット1200の両端部にそれぞれ設けられる。
ここでは、水平方向における両端部にそれぞれマイク素子1210aが設けられるため、利用者が操作ユニット1200に対してどの位置にいる場合でも、利用者の指示が音声受付部1210に受け付けられやすい。
(4-7)
本実施形態に係る空調機1010では、送信部1230aは、ネットワーク1080を介して、信号1000Sを、信号1000Sを解析する解析装置の一例としての解析サーバ1020に対して送信する。受信部1230bは、解析サーバ1020による信号1000Sの解析の結果に基づいて生成された指令1000Cを受信する。
ここでは、指示音声が外部の解析サーバ1020に対して送信され、この解析結果に基づいて指令1000Cが生成されるため、比較的複雑な動作を空調機に実行させる場合であっても音声で空調機を操作することができる。
また、操作ユニット1200を用いて、音声で、空調機1010を含む多種類の機器(第1機器群1050及び第2機器群1060の機器)を操作することも容易である。
(4-8)
本実施形態に係る空調機1010では、送信部1230aは、空調機1010及び空調対象空間の少なくとも一方に関する状態量についての情報1000Jを指令生成装置の一例としての空調機サーバ1030に対して送信する。受信部1230bは、空調機サーバ1030が解析サーバ1020による信号1000Sの解析の結果と状態量についての情報1000Jとに基づいて生成した指令1000Cを受信する。
ここでは、指示音声の解析結果と、空調機1010や空調対象空間に関する状態量に関する情報とに基づいて空調機1010に対し指示が与えられるため、空調機1010において指示音声に基づいた適切な制御が実行されやすい。
(4-9)
本実施形態に係る空調機1010は、音声受付部1210が受け付けた指示音声を音声圧縮する音声圧縮部の一例としての音声処理部1240を更に備える。送信部1230aは、信号1000Sとして、音声処理部1240により音声圧縮処理が行われた指示音声を外部に送信する。
ここでは、指示音声が音声圧縮された上で外部へ送信されるため、効率のよい通信を実現できる。
(4-10)
本実施形態に係る空調機1010では、送信部1230aは、複数のアドレスに信号1000Sを送信する。
ここでは、音声受付部1210が受け付けた音声が複数アドレス宛に送信されるため、取得した音声を様々な処理に利用できる。
(4-11)
本実施形態に係る操作装置の一例としての操作ユニット1200は、空調機1010の室内ユニット1012の本体1100の外部に配置され、室内ユニット1012とケーブルユニット1300により接続される、空調機1010の操作ユニット1200である。室内ユニット1012の本体1100には、空調対象空間に対して空気調和された空気を吹き出す吹出口1120が形成されている。操作ユニット1200は、音声受付部1210と、報知部1220と、送信部1230aと、受信部1230bと、指令送信部1250と、を備える。音声受付部1210は、空調機1010に対する指示音声の入力を受け付ける。報知部1220は、音声受付部1210による指示音声の受け付けを報知する。送信部1230aは、音声受付部1210が受け付けた指示音声に基づく信号1000Sを外部に送信する。受信部1230bは、送信部1230aが送信した信号1000Sに応じた指令1000Cを外部から受信する。指令送信部1250は、受信部1230bが受信した指令1000Cに基づく信号を、ケーブルユニット1300を介して、空調機1010の動作を制御する空調機1010のコントローラ1018に送信する。
本操作ユニット1200では、音声操作に必要な各種構成が操作ユニット1200にまとめて搭載されているため、利用者のニーズに応じて、空調機1010に音声操作機能を付加することが容易である。
(4-12)
本実施形態に係る操作ユニット1200は、スイッチ1260を備える。スイッチ1260は、音声受付部1210の動作状態を、指示音声を受け付けないスリープ状態から、指示音声の受け付け可能なアクティブ状態に切り換える。
ここでは、操作ユニット1200が音声受付部1210の動作状態をアクティブ状態に切り換えるスイッチ1260を有するため、指示音声を入力したい時にのみ音声受付部1210を作動させることが容易である。そのため、指示の意図無く発せられた音声に基づく空調機1010の誤動作を防止することができる。
(4-13)
本実施形態に係る操作ユニット1200は、ケーブルユニット1300を介して電力供給を受ける。
ここでは、室内ユニット1012と操作ユニット1200とを接続するケーブルユニット1300を介して電力供給されるので、操作ユニット1200専用の電源取出口を設ける必要がなく、利便性が高い。
(5)変形例
以下に上記実施形態の変形例を示す。なお、変形例は、矛盾しない範囲で互いに適宜組み合わされてもよい。
(5-1)変形例2A
上記実施形態では、機器制御システム1001は、指示音声により第1機器群1050及び第2機器群1060の機器の操作可能なシステムであるが、これに限定されるものではない。機器制御システム1001は、第1機器群1050及び第2機器群1060の一方、又は、第1機器群1050及び第2機器群1060の両方の動作を制御しないシステムであってもよい。そして、指示音声により操作されない機器群1050,1060や、その機器群1050,1060の制御のために必要な赤外線出力装置1040や機器サーバ1070は、機器制御システム1001には含まれていなくてもよい。
(5-2)変形例2B
上記実施形態では、機器制御システム1001の解析サーバ1020、空調機サーバ1030、及び機器サーバ1070は別のサーバであるが、これに限定されるものではない。例えば、1つのサーバが、解析サーバ1020及び空調機サーバ1030として、又は、解析サーバ1020、空調機サーバ1030及び機器サーバ1070として機能してもよい。
また、逆に、上記実施形態で説明した解析サーバ1020、空調機サーバ1030及び機器サーバ1070のそれぞれの機能は、1台のサーバではなく、複数のサーバにより達成されてもよい。
また、上記実施形態では、送信部1230aが送信する信号1000Sを解析サーバ1020が受信するが、これに限定されるものではない。例えば、送信部1230aは、信号1000Sを空調機サーバ1030に送信し、空調機サーバ1030から解析サーバ1020へ信号1000Sが送信されてもよい。
(5-3)変形例2C
上記実施形態では、空調機を、主に空気の温度や湿度の調整を行う装置を例に説明したが、空調機は、このようなタイプの装置に限定されるものではない。空調機は、空気中の粉じん等を除去し清浄化された空気を吹き出す空気清浄機や、空調対象空間の気流を調整する気流調整装置等であってもよい。
<第9実施形態>
以下では、図面を参照しながら、第9実施形態に係る空調システム2010a、及び、空調機の一実施形態に係る空調機2010について説明する。
(1)機器制御システムの概要
初めに、空調システム2010aを含む機器制御システム2001について、図22及び図23を参照しながら説明する。
図22は、空調システム2010aを含む機器制御システム2001の概略構成図である。図23は、機器制御システム2001の概略ブロック図である。なお、図23では、機器制御システム2001の一部構成については描画を省略している。
空調システム2010aは、機器制御システム2001の一部を構成する。空調システム2010aは、空調機2010と、操作ユニット2200と、を主に含む。操作ユニット2200は、音声受付ユニットの一例である。操作ユニット2200は、空調機2010に対する指示音声の入力のために用いられる。
機器制御システム2001は、操作者の音声による指示で、空調機2010に加え、後述する第1機器群2050に含まれる機器2050a,2050b,・・・2050n及び第2機器群2060に含まれる機器2060a,2060b,・・・2060mを制御可能なシステムである。機器制御システム2001では、空調システム2010aの操作ユニット2200に対する指示音声の入力により、空調機2010に加え、第1機器群2050及び第2機器群2060の機器を操作可能に構成されている。
機器制御システム2001は、空調機2010を含む空調システム2010aと、第1機器群2050と、第2機器群2060と、赤外線出力装置2040と、解析サーバ2020と、空調機サーバ2030と、機器サーバ2070と、を主に含む(図22参照)。
空調機2010、第1機器群2050、第2機器群2060及び赤外線出力装置2040は、建物2000Bに配置される機器である(図22参照)。例えば、建物2000Bは一戸建ての住宅であるが、これに限定されるものではない。建物2000Bは、オフィスビル、商業施設、工場等であってもよい。解析サーバ2020、空調機サーバ2030及び機器サーバ2070は、限定するものではないが、通常、建物2000Bとは別の場所に設置される。
なお、図22では、機器制御システム2001により動作が制御される空調機2010、第1機器群2050及び第2機器群2060の配置される建物2000Bを1つしか描画していない。しかし、建物2000Bは複数であってもよい。つまり、機器制御システム2001は、複数の建物2000Bにそれぞれ配置される空調機2010、第1機器群2050及び第2機器群2060の動作を制御するシステムであってもよい。ここでは、説明の簡略化のため、建物2000Bは1つとする。
また、建物2000Bに配置される空調機2010、第1機器群2050の機器、第2機器群2060の機器及び赤外線出力装置2040のそれぞれの台数は、図22に描画された台数によらず、1台であっても複数であってもよい。なお、ここでは、建物2000Bに配置される空調機2010及び赤外線出力装置2040の台数は1台で、建物2000Bに配置される第1機器群2050及び第2機器群2060の機器の台数はそれぞれ複数であるとして説明をする。
また、空調システム2010aに含まれる操作ユニット2200は、図22及び図23では1台のみ描画しているが、これに限定されるものではなく、複数であってもよい。例えば、建物2000B内の複数の場所に操作ユニット2200が設置されてもよい。
以下に、空調機2010を有する空調システム2010aと、第1機器群2050と、第2機器群2060と、赤外線出力装置2040と、解析サーバ2020と、空調機サーバ2030と、機器サーバ2070とについて更に説明する。
(1-1)空調システム
空調システム2010aの空調機2010と操作ユニット2200とについて以下に説明する。
(A)操作ユニット
操作ユニット2200は、空調機2010の音声操作のためのユニットである。また、操作ユニット2200は、後述する第1機器群2050に含まれる機器2050a,2050b,・・・2050n及び第2機器群2060に含まれる機器2060a,2060b,・・・2060mの音声操作のためのユニットでもある。
操作ユニット2200は、例えば、建物2000B内に据え付けられる(例えば、壁面等に固定される)。操作ユニット2200は、以下で説明するような機能を有する、専ら指示音声の入力のために用いられるユニットであってもよいし、他の機能(例えば時計としての機能や、音楽プレーヤーとしての機能等)を更に有する機器であってもよい。
また、操作ユニット2200は、携帯端末であってもよい。タイプを限定するものではないが、携帯端末は、音声受付部を有するスマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ウェアラブル端末等である。例えば、具体的には、操作ユニット2200は、操作者が手首に装着して携帯する、腕時計式の機器である。
なお、操作ユニット2200が複数用いられる場合には、複数の操作ユニット2200のそれぞれは、他の操作ユニット2200と種類が異なってもよい。
操作ユニット2200は、各種処理を実行するCPU(図示省略)と、CPUによって実行されるプログラムや各種情報を記憶する記憶装置(図示省略)と、を含む。また、操作ユニット2200は、音声受付部2210が有するマイク素子2210a、報知部2220としてのスピーカ、マイク素子2210aが取得した音声に対してA/D変換処理を行うA/D変換回路等を含む。
操作ユニット2200は、音声受付部2210と、報知部2220と、音声処理部2230と、第1情報送信部2250と、スイッチ2260と、を有する。
(A-1)音声受付部
音声受付部2210は、空調機2010に対する指示音声の入力を受け付ける。また、音声受付部2210は、第1機器群2050及び第2機器群2060の機器に対する指示音声の入力も受付可能に構成されている。
音声受付部2210は、指示音声を受け付けるマイク素子2210aを有する。マイク素子2210aの数は、単数であってもよいし、複数であってもよい(図23では、マイク素子2210aの数を2個としている)。
例えば、操作ユニット2200が据付式の機器である場合にマイク素子2210aを複数とし、マイク素子2210aをそれぞれ異なる場所から指示音声を取得しやすいように配置することで、操作者(発声者)の位置によらず、音声受付部2210により指示音声が確実に取得されやすくなる。また、マイク素子2210aを複数とし、これらをそれぞれ異なる場所から指示音声を取得しやすいように配置することで、検知結果から人(操作者)の位置を検知し、この情報に基づいた空調機2010の制御を行うこともできる。
(A-2)報知部
報知部2220は、ここではスピーカである。
報知部2220は、主には音声受付部2210による指示音声の受け付けを報知する。例えば、具体的に、報知部2220は、音声受付部2210が指示音声を受け付けた時に、“音声を受け付けました”等の文章を発声したり、受け付けた指示音声を復唱するように発声したりすることで、音声受付部2210による指示音声の受け付けを報知する。また、報知部2220は、空調機2010が各種動作を実行する際に、その動作内容(例えば、“運転を開始します”等の文章)を報知するように構成されてもよい。また、報知部2220は、第1機器群2050及び第2機器群2060の機器が各種動作を実行する際に、その動作内容を報知するように構成されてもよい。
なお、報知部2220としてのスピーカは、文章やワードを発声することで報知する必要はなく、ビープ音等で報知を行うものであってもよい。
また、報知部2220は、スピーカでなくてもよい。例えば、報知部2220は、光による報知を行うランプ、振動による報知を行う振動機、情報の表示による報知を行うディスプレイ等、他の報知方式の報知器を利用可能である。操作ユニットに報知部を設けることで、利用者は、音声受付部により音声が受け付けられたことを認識可能である。
(A-3)音声処理部
音声処理部2230は、音声受付部2210のマイク素子2210aが受け付けた指示音声を処理して第1情報2000S1を生成する機能部である。音声処理部2230は、例えば、A/D変換回路により実現される。音声処理部2230は、指示音声をA/D変換することで、第1情報2000S1の一例であるデジタル音声信号を生成する。つまり、一実施形態では、第1情報2000S1は、A/D変換された音声情報である。
なお、音声受付部2210が受け付けた指示音声が空調機2010のコントローラ2150に対しアナログの音声信号で送信される場合には(つまり、第1情報2000S1が、アナログの音声情報である場合には)、操作ユニット2200は音声処理部2230を有さなくてもよい。
(A-4)第1情報送信部
第1情報送信部2250は、音声受付部2210が受け付けた指示音声に応じた第1情報2000S1を空調機2010のコントローラ2150に無線通信で送信する送信機である。
例えば、第1情報送信部2250は、第1情報2000S1を、コントローラ2150に、電波(例えばBluetooth(登録商標)方式で)送信する。また、第1情報送信部2250は、第1情報2000S1を、コントローラ2150に、赤外線信号で送信してもよい。
(A-5)スイッチ
スイッチ2260は、音声受付部2210の動作状態を切り換えるためのスイッチである。
限定するものではないが、スイッチ2260は押釦スイッチである。スイッチ2260を押下することで、音声受付部2210の動作状態が、指示音声を受け付けないスリープ状態と、指示音声の受け付け可能なアクティブ状態との間で切り換えられる。
なお、音声受付部2210の動作状態は、スイッチ2260が押下される度に、スリープ状態とアクティブ状態との間で切り換えられてもよい。また、音声受付部2210の動作状態は、スイッチ2260が押下されると、所定時間だけスリープ状態からアクティブ状態に切り換えられてもよい。
なお、操作ユニット2200は、スイッチ2260を有さず、音声受付部2210の動作状態は、常にアクティブ状態に設定されてもよい。ただし、意図しないタイミングで音声受付部2210が音声を受け付けることを避けるため(意図せず空調機2010や、第1機器群2050及び第2機器群2060の機器が誤動作することを避けるため)、操作ユニット2200にはスイッチ2260が設けられることが好ましい。
(B)空調機
空調機2010は、操作ユニット2200の音声受付部2210に指示音声を入力することで操作可能な空調機である。指示音声は、限定するものではないが、例えば、“空調オン”、“設定温度を25℃に設定”等の音声である。なお、空調機2010は、音声操作に加えて、一般的なリモコンによっても操作可能に構成されていてもよい。
空調機2010は、室内ユニット2012と、室外ユニット2014と、これらの間を接続する冷媒連絡配管(図示せず)と、コントローラ2150とを主に有する(図22及び図23参照)。空調機2010は、空調対象空間の空気調和を行う装置である。空調対象空間は、例えば、建物2000B内の室内ユニット2012が配置される部屋である。室内ユニット2012のタイプは特に限定されない。空調機2010には、例えば、壁掛型、天井埋込型、天井吊り下げ型、床置型、(壁内や天井裏に室内ユニット2012の本体が配置される)ビルトイン型等の室内ユニット2012を適用可能である。
空調機2010では、室内ユニット2012と室外ユニット2014とが冷媒連絡配管を介して接続されることで、室内ユニット2012の室内熱交換器(図示省略)や、室外ユニット2014の圧縮機、室外熱交換器、膨張弁等(図示省略)が配管で接続され、冷媒回路が構成される。空調機2010では、冷媒回路内で冷媒を循環することで、室内ユニット2012の設置された空間の冷房/暖房が行われる。
蒸気圧縮冷凍サイクルを利用した空調機2010の動作原理や動作内容については、一般に広く知られているため、ここでは説明は省略する。なお、空調機2010は、空調対象空間の冷房/暖房の両方を実施可能な空調機である必要はなく、冷房専用、又は、暖房専用の空調機であってもよい。 なお、本実施形態では、空調機2010は、室内ユニット2012の室内熱交換器において、室内熱交換器の内部を流れる冷媒と空調対象空間の空気との間で熱交換が行われるが、空調機はこのような機器に限定されない。例えば、空調機2010は、室内ユニット2012(ファンコイルユニット)の室内熱交換器において、室内熱交換器の内部を流れる冷水/温水と空調対象空間の空気との間で熱交換が行われる装置であってもよい。
また、空調機は、空気の温度や湿度の調整を行う装置に限定されるものではない。空調機は、空気中の粉じん等を除去し清浄化された空気を吹き出す空気清浄機や、空調対象空間の気流を調整する気流調整装置等であってもよい。
(B-1)コントローラ
コントローラ2150は、空調機2010の動作を制御する。
また、コントローラ2150は、空調機2010の音声操作を可能とする機能も有する。コントローラ2150は、概ね以下の様な処理を行うことで、空調機2010の音声操作を可能とする。
コントローラ2150は、操作ユニット2200の第1情報送信部2250から送信されてくる第1情報2000S1をから受信する。限定するものではないが、ここでは、第1情報2000S1は、指示音声がA/D変換された音声情報(音声デジタル信号)であるとする。コントローラ2150は、第1情報2000S1を受信すると、第1情報2000S1に対して特定処理を実行することで第2情報2000S2を生成する(特定処理については後述する)。また、コントローラ2150は、生成した第2情報2000S2を外部に送信する。また、コントローラ2150は、外部から、送信した第2情報2000S2に応じた指令2000Cを外部から受信する。具体的には、コントローラ2150は、ネットワーク2080を介して、外部の空調機サーバ2030から指令2000Cを受信する。そして、コントローラ2150は、指令2000Cを実行することで、空調機2010の動作を制御する。
コントローラ2150は、室内ユニット2012が有する制御基板(図示せず)と、室外ユニット2014が有する制御基板(図示せず)とを含む。コントローラ2150を構成する室内ユニット2012及び室外ユニット2014の制御基板等のCPUは、各種プログラムを実行することで、各種処理を実行する。また、コントローラ2150は、後述する第1情報受信部2160として機能する受信機、後述する通信部2170として機能する無線LANアダプタ等の機器、後述する処理部2180として機能する集積回路等を含む。
コントローラ2150は、機能部として、第1情報受信部2160と、通信部2170と、処理部2180と、空調機制御部2190とを有する。第1情報受信部2160、通信部2170、処理部2180、及び空調機制御部2190について以下に説明する。
(B-1-1)第1情報受信部
第1情報受信部2160は、操作ユニット2200の第1情報送信部2250としての送信機に対応する受信機である。第1情報受信部2160は、第1情報送信部2250から無線送信されてくる第1情報2000S1を受信する。
(B-1-2)通信部
通信部2170は、コントローラ2150が空調機2010の外部の解析サーバ2020や空調機サーバ2030と通信を行うために用いられる。(図23参照)。
空調機2010(通信部2170)は、ネットワーク2080を介して、解析サーバ2020及び空調機サーバ2030と接続されている(図22参照)。ネットワーク2080は、ここではインターネットであるが、他のWANであってもよい。空調機2010は、ルータ2082と無線LANにより接続され、ルータ2082を介してネットワーク2080と接続されている(図22参照)。ルータ2082は、WAN側のインターフェースと、LAN側のインターフェースとを有し、WANとLANを相互接続させる。なお、空調機2010とルータ2082とは、無線LANではなく、有線LANで接続されてもよい。
また、ネットワーク2080はLANであってもよい。
通信部2170は、例えば、ルータ2082との間で無線通信を行う無線LANアダプタである。通信部2170は、機能部として、情報を送信する送信部2170aと、情報を受信する受信部2170bとを有している(図23参照)。
送信部2170aは、例えば、第2情報2000S2を外部に送信する(図23参照)。つまり、送信部2170aは、第2情報送信部の一例である。第2情報2000S2は、操作ユニット2200から受信した第1情報2000S1に対して特定処理を実行することで生成される情報である(特定処理については後述する)。また、送信部2170aは、操作ユニット2200から受信した第1情報2000S1のうち、特定指示情報以外の第1情報2000S1に対して特定処理を実行することで生成される第2情報2000S2を外部に送信する(特定指示情報については後述する)。ただし、これに限定されるものではなく、送信部2170aは、操作ユニット2200から受信した全ての第1情報2000S1について、特定処理を実行することで生成された第2情報2000S2を外部に送信してもよい。
送信部2170aは、第2情報2000S2を、第2情報2000S2を解析する解析サーバ2020に対して送信する。また、送信部2170aは、第2情報2000S2を、空調機サーバ2030や機器サーバ2070に対しても送信することが好ましい。つまり、送信部2170aは、複数のアドレスに(例えば、解析サーバ2020と空調機サーバ2030とに)第2情報2000S2を送信することが好ましい。
また、送信部2170aは、空調機2010及び空調対象空間の少なくとも一方に関する状態量についての情報2000Jを空調機サーバ2030に対して送信することが好ましい(図23参照)。言い換えれば、送信部2170aは、状態量情報送信部として機能してもよい。限定するものではないが、空調機2010に関する状態量には、例えば冷媒回路の様々な場所においてセンサ(図示せず)により測定される冷媒の温度/圧力や、室外ユニット2014の圧縮機のインバータ制御モータ(図示せず)の回転数や、室外ユニット2014の膨張弁の開度等を含む。空調対象空間に関する状態量には、限定するものではないが、センサ(図示せず)により測定されている空調対象空間の温度等を含む。
受信部2170bは、例えば、送信部2170aが送信した第2情報2000S2(特には、空調機2010の制御に関する指示音声に基づく第1情報2000S1から生成された第2情報2000S2)に応じた指令2000Cを外部から受信する。つまり、受信部2170bは指令受信部の一例である。より具体的には、受信部2170bは、解析サーバ2020による第1情報2000S1(特には、空調機2010の制御に関する指示音声に基づく第1情報2000S1から生成された第2情報2000S2)の解析の結果に基づいて生成された指令2000Cを受信する。好ましくは、受信部2170bは、空調機サーバ2030が解析サーバ2020による第2情報2000S2(特には、空調機2010の制御に関する指示音声に基づく第1情報2000S1から生成された第2情報2000S2)の解析の結果と、送信部2170aから空調機サーバ2030に対して送信された状態量についての情報2000Jとに基づいて生成した指令2000Cを受信する。
限定するものではないが、指令2000Cは、例えば、空調機2010の運転のオン/オフ、空調機2010の運転モード(冷房/暖房/除湿/送風等)の切換、設定温度(空調対象空間の目標温度)の変更、室外ユニット2014の圧縮機のインバータ制御モータ(図示せず)の回転数の目標値、室外ユニット2014の膨張弁の開度の目標値、及び、室内ユニット2012のインバータ制御のファンモータの回転数の目標値の少なくとも1つに関する。
(B-2)処理部
処理部2180は、受け付けた第1情報2000S1の中から特定指示情報を認識し、所定指令2000C0を生成する。また、処理部2180は、第1情報受信部2160が受け付けた第1情報2000S1に対して特定処理を実行し、第2情報2000S2を生成する。より具体的には、処理部2180は、第1情報受信部2160が受け付けた第1情報2000S1から特定指示情報を除いた情報に対して特定処理を実行し、第2情報2000S2を生成する。ただし、これに限定されるものではなく、処理部2180は、操作ユニット2200から受信した全ての第1情報2000S1について特定処理を実行して第2情報2000S2を生成してもよい。なお、以下では、説明の簡略化のため、特定指示情報を除く第1情報2000S1も、単に第1情報2000S1と呼ぶ。
処理部2180は、例えば、上記の機能を実行する集積回路である。なお、各種の処理は、ハードウェア処理で実現されても、ソフトウェア処理で実現されてもよい。
まず、処理部2180が実行する特定処理について説明する。
特定処理は、第1情報2000S1から、第1情報2000S1よりもデータ量の小さな情報(第2情報2000S2)を生成する処理である。特定処理は、例えば、第1情報2000S1のデータのフォーマットの変換である。
例えば、第1情報2000S1がデジタル音声信号である場合に、特定処理は音声圧縮処理である。処理部2180により生成される第2情報2000S2は、例えば、デジタル音声信号である第1情報2000S1が、各種音声データ圧縮方式(例えばMP3等)を用いて圧縮されたデータである。
また、例えば、第1情報2000S1がアナログ音声信号である場合に、特定処理はA/D変換であって、生成される第2情報2000S2はデジタル音声信号であってもよい。また、第1情報2000S1がアナログ音声信号である場合に、特定処理はA/D変換と音声データ圧縮処理との組合せであってもよい。
また、例えば、第1情報2000S1がデジタル音声信号である場合に、特定処理は音声信号のテキスト化であって、第2情報2000S2はテキスト化されたデータであってもよい。なお、ここでのテキスト化は、音声認識とは異なり、音声の意味を認識することなく、単に音声をテキストに変換することを意味する。
次に、特定指示情報について説明する。
特定指示情報は、音声受付部2210が受け付けた指示音声の内、特定指示音声(特定の語や文章)に応じた第1情報2000S1である。例えば、特定指示情報は、特定指示音声をA/D変換することで得られるデジタルの音声信号である。
特定指示音声は、例えば、コントローラ2150等に対し、次の指示音声の入力に備えるよう要求する音声である。そして、処理部2180が、特定指示音声に応じた第1情報2000S1(特定指示情報)を認識した時に生成する所定指令2000C0は、例えば、特定指示情報に引き続いて第1情報受信部2160が受け付ける第1情報2000S1に基づいて生成される第2情報2000S2の送信の準備を、送信部2170aに要求する指令を含む。
なお、特定指示音声は、コントローラ2150等に対し、次の指示音声の入力に備えるよう要求する音声ではなくてもよい。例えば、特定指示音声は、空調機2010の基本的な動作(例えばオン/オフ)の実行を要求する音声であって、これに応じて生成される所定指令2000C0は、空調機制御部2190に空調機2010の運転/停止を要求する指令であってもよい。そして、空調機2010の動作であって、基本的な動作以外の実行を要求する指示音声に基づく第2情報2000S2は、外部(解析サーバ2020等)に送信されてもよい。
(B-3)空調機制御部
空調機制御部2190は、受信部2170bが受信する指令2000Cや、図示しない通常のリモコンからの指令等に応じて、空調機2010の動作を制御する。例えば、空調機制御部2190は、受信部2170bが受信する指令2000Cに応じ、空調機2010の設定(設定温度等)や、図示しない各種センサの計測値等に基づき、室外ユニット2014の圧縮機や膨張弁、室内ユニット2012のファン等の動作を制御する。
(1-2)第1機器群
第1機器群2050の機器2050a,2050b,・・・2050nは、赤外線信号により操作可能な機器である。第1機器群2050の機器2050a,2050b,・・・2050nは、操作ユニット2200に対する指示音声の入力に応じて赤外線出力装置2040から送信される赤外線信号により操作可能である。第1機器群2050の機器2050a,2050b,・・・2050nは、第1実施形態の第1機器群50の機器50a,50b,・・・50nと同様であるので、ここでは説明を省略する。
(1-3)第2機器群
第2機器群2060の機器2060a,2060b,・・・2060mは、ネットワーク2080を介して送信される信号により操作可能な機器である。第2機器群2060の機器2060a,2060b,・・・2060mは、操作ユニット2200に対する指示音声の入力に応じて解析サーバ2020又は機器サーバ2070から送信される信号により操作される。第2機器群2060の機器2060a,2060b,・・・2060mは、第1実施形態の第2機器群60の機器60a,60b,・・・60mと同様であるので、ここでは説明を省略する。
(1-4)解析サーバ
解析サーバ2020は、解析装置の一例である。
解析サーバ2020は、空調機2010(通信部2170)とネットワーク2080を介して接続されている。そして、空調機2010の操作ユニット2200が指示音声を受け付けると、空調機2010の送信部2170aは、指示音声に応じた第1情報2000S1に対して特定処理を実行して生成した第2情報2000S2を、ネットワーク2080を介して解析サーバ2020に送信する(図23参照)。なお、操作ユニット2200が受け付ける指示音声には、空調機2010の制御に関する指示音声、第1機器群2050の機器2050a,2050b,・・・2050nの制御に関する指示音声、第2機器群2060の機器2060a,2060b,・・・2060mの制御に関する指示音声を含む。言い換えれば、解析サーバ2020は、空調機2010、機器2050a,2050b,・・・2050n、及び機器2060a,2060b,・・・2060mの制御に関する指示音声に応じた第1情報2000S1に対して特定処理を実行することで生成された第2情報2000S2を受信する。
また、解析サーバ2020は、ネットワーク2080を介して、空調機サーバ2030、機器サーバ2070及び赤外線出力装置2040と通信可能に接続されている。
解析サーバ2020は、記憶装置に記憶されているプログラムを実行することで、受信した第2情報2000S2を解析するコンピュータである。例えば、具体的には、解析サーバ2020は、受信した音声信号の音声認識を行う。また、解析サーバ2020は、受信したテキスト情報の意味を解釈してもよい。
なお、解析サーバ2020の記憶装置には、プログラムの他、例えば、各操作ユニット2200が操作可能な機器(空調機2010、第1機器群2050の機器2050a,2050b,・・・2050n、及び第2機器群2060の機器2060a,2060b,・・・2060m)のリストが記憶されている。つまり、解析サーバ2020は、各操作ユニット2200からどの機器を操作可能であるかを把握している。また、第2機器群2060の機器2060a,2060b,・・・2060mに関しては、制御対象の機器2060a,2060b,・・・2060mが、解析サーバ2020の直接の制御対象であるか否か(解析サーバ2020及び機器サーバ2070のいずれのサーバの制御対象であるか)に関する情報も記憶されている。
解析サーバ2020は、例えば、第2情報2000S2としての音声を分析してその特徴量を求め、記憶装置に記憶された音響モデル、言語モデル及び発音辞書を含む音声認識辞書を利用して特徴量からテキスト情報を生成する。解析サーバ2020が生成するテキスト情報は、限定するものではないが、例えば“空調機オン”、“空調機の設定温度を25度に設定”、“照明装置オフ”、“テレビオン”等のテキスト情報である。
解析サーバ2020は、生成したテキスト情報が、空調機2010の制御に関するものである場合(例えば、テキスト情報が空調機に関するキーワードを含んでいる場合)、第2情報2000S2の解析結果(つまり生成したテキスト情報)を、ネットワーク2080を介して空調機サーバ2030に送信する(図23参照)。
解析サーバ2020は、テキスト情報が第1機器群2050の機器2050a,2050b,・・・2050nの制御に関するものである場合(例えば、テキスト情報が第1機器群2050に関するキーワードを含んでいる場合)、赤外線出力装置2040に対し、第2情報2000S2の解析結果(つまり生成したテキスト情報)に応じた赤外線信号の送信を命じる指令を送信する。例えば、テキスト情報が、第1機器群2050の機器2050a,2050b,・・・2050nに含まれる照明装置に関する情報(例えば、“照明装置オフ”)であった場合、解析サーバ2020は、赤外線出力装置2040に対し、照明装置に対して消灯を指示する赤外線信号を送信するように命じる指令を送信する。赤外線出力装置2040に対する指令は、解析サーバ2020から、ネットワーク2080を介して赤外線出力装置2040へと送信される。
解析サーバ2020は、テキスト情報が第2機器群2060の機器2060a,2060b,・・・2060mの制御に関するものである場合(例えば、テキスト情報が第2機器群2060に関するキーワードを含んでいる場合)、第2情報2000S2の解析結果(つまり生成したテキスト情報)に応じた指令を第2機器群2060の機器2060a,2060b,・・・2060mに送信する。例えば、テキスト情報が、第2機器群2060の機器2060a,2060b,・・・2060mに含まれるテレビに関する情報(例えば、“テレビオン”)であった場合、解析サーバ2020は、テレビに対し、スイッチオンを指示する指令を送信する。第2機器群2060の機器2060a,2060b,・・・2060mに対する指令は、解析サーバ2020から、ネットワーク2080を介して第2機器群2060の機器2060a,2060b,・・・2060mへと送信される。
なお、テキスト情報が第2機器群2060の機器2060a,2060b,・・・2060mの制御に関するものである場合であって、制御対象の機器2060a,2060b,・・・2060mが解析サーバ2020の直接の制御対象でない場合には、その機器2060a,2060b,・・・2060mを制御する機器サーバ2070へとテキスト情報が送信される。そして、機器サーバ2070から機器2060a,2060b,・・・2060mへとネットワーク2080を介して指令が送信される。
(1-5)空調機サーバ
空調機サーバ2030は、指令生成装置の一例である。
空調機サーバ2030は、解析サーバ2020から送信される、解析サーバ2020による第2情報2000S2の解析の結果(つまり解析サーバ2020が生成したテキスト情報)と、空調機2010の送信部2170aから適宜送信される空調機2010及び空調対象空間の少なくとも一方に関する状態量についての情報2000Jとに基づいて指令2000Cを生成する。そして、空調機サーバ2030は、ネットワーク2080を介して指令2000Cを空調機2010の受信部2170bに対して送信する。限定するものではないが、空調機サーバ2030は、例えば、テキスト情報として“空調機オン”の指令を受けると、現在の空調対象空間の温度等に基づいて空調機2010の各部の動作を決定し、これを指令2000Cとして送信する。
なお、ここでは、空調機サーバ2030は、解析サーバ2020による第2情報2000S2の解析の結果に加え、情報2000Jに基づいて指令2000Cを生成するが、これに限定されるものではない。空調機サーバ2030は、解析サーバ2020による第2情報2000S2の解析の結果だけに基づいて指令2000Cを生成してもよい。
また、空調機サーバ2030は、空調機2010の送信部2170aから送信されてくる第2情報2000S2を蓄積し、第2情報2000S2を用いて各種解析を行う。
なお、本実施形態では、機器制御システム2001に空調機サーバ2030が含まれるが、これに限定されるものではない。例えば、空調機2010が、解析サーバ2020による第2情報2000S2の解析の結果(つまり解析サーバ2020が生成したテキスト情報)に基づいて運転内容を直接決定可能である場合には、空調機サーバ2030は設けられなくてもよい。そして、解析サーバ2020による第2情報2000S2の解析の結果が、指令2000Cとして、空調機2010の受信部2170bに直接送信されてもよい。
(1-6)機器サーバ
機器サーバ2070は、解析サーバ2020から送信される、解析サーバ2020による第2情報2000S2の解析の結果(つまり解析サーバ2020が生成したテキスト情報)に基づいて、第2機器群2060の機器2060a,2060b,・・・2060mに対する指令を生成する。そして、機器サーバ2070は、ネットワーク2080を介して指令を操作対象の第2機器群2060の機器2060a,2060b,・・・2060mに対して送信する。
なお、図22では機器サーバ2070は1台であるが、(解析サーバ2020からの指令によってではなく)機器サーバ2070により操作される機器2060a,2060b,・・・2060mの種類が複数ある場合には、その種類の数だけ機器サーバ2070が存在することが好ましい。
また、機器2060a,2060b,・・・2060mの全ての機器が解析サーバ2020からの指令によって操作される場合には、機器サーバ2070は存在しなくてもよい。
(1-7)赤外線出力装置
赤外線出力装置2040は、第1機器群2050の機器2050a,2050b,・・・2050nの機器別かつ操作内容別に、制御用の赤外線信号パターンを記憶する記憶部(図示せず)を有している。赤外線出力装置2040は、記憶部に記憶されている赤外線信号パターンを利用して、解析サーバ2020から送信される指令に応じて、操作対象である第1機器群2050の機器2050a,2050b,・・・2050nに対して赤外線信号を送信する。
(2)空調システム及び空調機の特徴
(2-1)
本実施形態に係る空調システム2010aは、コントローラ2150を有する空調機2010と、音声受付ユニットの一例としての操作ユニット2200と、を備える。操作ユニット2200は、音声受付部2210と、第1情報送信部2250と、を有する。音声受付部2210は、空調機2010に対する指示音声を受け付ける。第1情報送信部2250は、音声受付部2210が受け付けた指示音声に応じた第1情報2000S1をコントローラ2150に無線通信で送信する。コントローラ2150は、第1情報受信部2160と、処理部2180と、送信部2170aと、受信部2170bと、空調機制御部2190と、を有する。第1情報受信部2160は、第1情報送信部2250が送信する第1情報2000S1を受信する。処理部2180は、第1情報受信部2160が受け付けた第1情報2000S1に対して特定処理を実行し、第1情報2000S1よりも情報量の小さな第2情報2000S2を生成する。第2情報送信部の一例としての送信部2170aは、第2情報2000S2を外部に送信する。指令受信部の一例としての受信部2170bは、送信部2170aが送信した第2情報2000S2に応じた指令2000Cを外部から受信する。空調機制御部2190は、指令2000Cに基づいて空調機2010の動作を制御する。
本空調システム2010aでは、指示音声に基づく第2情報2000S2が外部に送信され、送信した第2情報2000S2に基づく指令2000Cが外部から与えられる。つまり、本空調システム2010aでは、空調機2010や操作ユニット2200が、指示音声を認識し、認識結果に基づいて空調機2010の制御用の指令を生成する必要が無い。そのため、空調機2010を音声操作可能な空調システム2010aが安価に実現されやすい。
また、本空調システム2010aでは、空調機2010のコントローラ2150が、操作ユニット2200が送信する第1情報2000S1から、通信に適するように情報量(送信されるデータ量)の小さな第2情報2000S2を生成し、これを外部へと送信するため、操作ユニット2200には単純な機能しか求められず、操作ユニット2200(音声リモコン)が安価に実現されやすい。そのため、例えば、利便性を高めるため、複数の場所に操作ユニット2200を設けるような場合であっても、安価に空調システム2010aが実現されやすい。
(2-2)
本実施形態に係る空調システム2010aでは、第1情報2000S1は、A/D変換された音声情報である。
ここでは、操作ユニット2200が指示音声をA/D変換する程度の機能を有していればよいため、操作ユニット2200に求められる機能は単純なものでよく、安価に空調機2010の音声リモコン機能が実現されやすい。
(2-3)
本実施形態に係る空調システム2010aでは、特定処理は、フォーマットの変換である。
ここでは、フォーマット変換によって、第1情報2000S1を情報量の小さな第2情報2000S2とした上でコントローラ2150の外部に送信することができ、空調システム2010aと空調システム2010aの外部の構成との間で効率のよい通信を実現できる。
(2-4)
本実施形態に係る空調システム2010aでは、操作ユニット2200は、報知部2220を有する。報知部2220は、音声受付部2210による指示音声の受け付けを報知する。
操作ユニット2200に報知部2220を設けることで、音声受付部2210が音声を受け付けたことを認知可能である。そして、空調機2010を目視できない場所から利用者が空調機2010を操作する場合でも、空調機2010が指示を受け取ったであろうことを認識できる。
(2-5)
本実施形態に係る空調システム2010aでは、操作ユニット2200は、音声受付部2210の動作状態を、指示音声を受け付けないスリープ状態から、指示音声の受け付け可能なアクティブ状態に切り替えるスイッチ2260を有する。
ここでは、操作ユニット2200に音声受付部2210の動作状態をアクティブ状態に切り替えるスイッチ2260が設けられるため、指示音声を入力したい時にだけ音声受付部2210を作動させることが容易で、指示の意図無く発せられた音声に基づく空調機2010の誤動作を防止できる。
(2-6)
本実施形態に係る空調システム2010aでは、操作ユニット2200に、携帯端末を用いることができる。
ここでは、利用者の保有する、音声受付部2210を有する携帯端末(例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ウェアラブル端末等)を操作ユニット2200として利用可能であり、安価に空調機2010の音声リモコン機能を実現することができる。
(2-7)
本実施形態に係る空調システム2010aでは、送信部2170aは、ネットワーク2080を介して、第2情報2000S2を解析する解析装置の一例としての解析サーバ2020に対して第2情報2000S2を送信する。受信部2170bは、解析装置による第2情報2000S2の解析の結果に基づいて生成された指令2000Cを受信する。
ここでは、指示音声に基づく第2情報2000S2が外部の解析サーバ2020に対して送信され、この解析結果に基づいて指令2000Cが生成されるため、比較的複雑な内容を空調機2010に実行させる場合であっても音声で空調機2010を操作することができる。
(2-8)
本実施形態に係る空調システム2010aでは、コントローラ2150は、状態量情報送信部としての送信部2170aを有する。つまり送信部2170aは、状態量情報送信部としても機能する。送信部2170aは、空調機2010及び空調機2010の空調対象空間の少なくとも一方に関する状態量についての情報を指令生成装置の一例としての空調機サーバ2030に送信する。受信部2170bは、空調機サーバ2030が解析サーバ2020による解析結果と状態量についての情報とに基づいて生成した指令2000Cを受信する。
ここでは、指示音声に基づく第2情報2000S2の解析結果と、空調機2010や空調対象空間に関する状態量に基づいて空調機2010に対し指示が与えられるため、空調機2010において指示音声に基づいた適切な制御が実行されやすい。
(2-9)
本実施形態に係る空調システム2010aでは、送信部2170aは、複数のアドレスに第2情報2000S2を送信する。例えば、送信部2170aは、解析サーバ2020と、空調機サーバ2030とに第2情報2000S2を送信する。
ここでは、第2情報2000S2が複数アドレス宛に送信されるため、取得した音声に基づく第2情報2000S2を様々な処理に利用できる。
(2-10)
本実施形態に係る空調機2010は、第1情報受信部2160と、処理部2180と、第2情報送信部の一例としての送信部2170aと、指令受信部の一例としての受信部2170bと、空調機制御部2190と、を備える。第1情報受信部2160は、操作ユニット2200から無線送信される、操作ユニット2200が受け付ける指示音声に基づく第1情報2000S1を受信する。処理部2180は、第1情報受信部2160が受け付けた第1情報2000S1に対して特定処理を実行し、第1情報2000S1よりも情報量の小さな第2情報2000S2を生成する。送信部2170aは、第2情報2000S2を外部に送信する。受信部2170bは、送信部2170aが送信した第2情報2000S2に応じた指令2000Cを外部から受信する。空調機制御部2190は、指令2000Cに基づいて空調機2010の動作を制御する。
本空調機2010では、指示音声に基づく第2情報2000S2が外部に送信され、送信した第2情報2000S2に基づく指令2000Cが外部から与えられる。つまり、本空調機2010自体は、指示音声を認識し、認識結果に基づいて空調機2010の制御用の指令を生成する必要が無い。そのため、音声操作可能な空調機2010が安価に実現されやすい。
また、本空調機2010は、操作ユニット2200が送信する第1情報2000S1から、通信に適するように情報量の小さな第2情報2000S2を生成し、これを外部へと送信するため、本空調機2010に対し指示音声に基づく第1情報2000S1を送信する操作ユニット2200には単純な機能しか求められず、操作ユニット2200(音声リモコン)が安価に実現されやすい。
(3)変形例
以下に上記実施形態の変形例を示す。なお、変形例は、矛盾しない範囲で互いに適宜組み合わされてもよい。
(3-1)変形例3A
上記実施形態では、機器制御システム2001は、指示音声により第1機器群2050及び第2機器群2060の機器の操作可能なシステムであるが、これに限定されるものではない。機器制御システム2001は、第1機器群2050及び第2機器群2060の一方、又は、第1機器群2050及び第2機器群2060の両方の動作を制御しないシステムであってもよい。そして、指示音声により操作されない機器群2050,2060や、その機器群2050,2060の制御のために必要な赤外線出力装置2040や機器サーバ2070は、機器制御システム2001には含まれていなくてもよい。
(3-2)変形例3B
上記実施形態では、機器制御システム2001の解析サーバ2020、空調機サーバ2030、及び機器サーバ2070は別のサーバであるが、これに限定されるものではない。例えば、1つのサーバが、解析サーバ2020及び空調機サーバ2030として、又は、解析サーバ2020、空調機サーバ2030及び機器サーバ2070として機能してもよい。
また、逆に、上記実施形態で説明した解析サーバ2020、空調機サーバ2030及び機器サーバ2070のそれぞれの機能は、1台のサーバではなく、複数のサーバにより達成されてもよい。
また、上記実施形態では、送信部2170aが送信する第2情報2000S2を解析サーバ2020が受信するが、これに限定されるものではない。例えば、送信部2170aは、第2情報2000S2を空調機サーバ2030に送信し、空調機サーバ2030から解析サーバ2020へ第2情報2000S2が送信されてもよい。
(3-3)変形例3C
上記実施形態では、操作ユニット2200に報知部が設けられるが、これに限定されるものではない。操作ユニット2200は、特に報知部を有さなくてもよい。
<第10実施形態>
以下では、図面を参照しながら、第10実施形態に係る機器操作/通信システム3001、及び、送信装置の一実施形態に係る操作/通信デバイス3200,3300について説明する。
(1)全体概要
図24は、機器操作/通信システム3001の概略構成図である。図25は、機器操作/通信システム3001の概略ブロック図である。なお、図25では、機器操作/通信システム3001の一部構成については描画を省略している。
機器操作/通信システム3001は、操作/通信デバイス3200、操作/通信デバイス3300、空調機3010、第1機器群3050、第2機器群3060、赤外線出力装置3040、解析サーバ3020、空調機サーバ3030、及び機器サーバ3070を主に含む(図24及び図25参照)。
機器操作/通信システム3001は、音声による指示で、空調機3010、第1機器群3050に含まれる機器3050a,3050b,・・・3050n、第2機器群3060に含まれる機器3060a,3060b,・・・3060mを操作するシステムである。音声による機器の操作を可能とするため、機器操作/通信システム3001は、送信装置である操作/通信デバイス3200,3300が受け付けた音声に基づくデータを、受信装置である解析サーバ3020へと送信するための通信システムとして機能する。
また、機器操作/通信システム3001は、システムの利用者間での通信を可能とするシステムでもある。具体的には、機器操作/通信システム3001は、操作/通信デバイス3200,3300をそれぞれ送信装置/受信装置として、操作/通信デバイス3200と操作/通信デバイス3300との間での通信を可能とするシステムである。
なお、本実施形態の機器操作/通信システム3001では、操作/通信デバイス3200と操作/通信デバイス3300との間で通信が可能であるが、これに限定されるものではない。機器操作/通信システム3001は、空調機3010、第1機器群3050の機器、第2機器群3060の機器を操作するシステムとしてのみ機能し、操作/通信デバイス間では通信が行われないシステムであってもよい。
空調機3010、第1機器群3050、第2機器群3060及び赤外線出力装置3040は、建物3000Bに配置される機器である(図24参照)。例えば、建物3000Bは一戸建ての住宅であるが、これに限定されるものではない。建物3000Bは、オフィスビル、商業施設、工場等であってもよい。解析サーバ3020、空調機サーバ3030及び機器サーバ3070は、限定するものではないが、通常、建物3000Bとは別の場所に設置される。
建物3000Bに配置される空調機3010、第1機器群3050の機器、第2機器群3060の機器、及び赤外線出力装置3040のそれぞれの台数は、図24に描画された台数によらず、1台であっても複数であってもよい。なお、ここでは、建物3000Bに配置される空調機3010及び赤外線出力装置3040の台数は1台で、建物3000Bに配置される第1機器群3050及び第2機器群3060の機器の台数はそれぞれ複数であるとして説明をする。
なお、図24では、説明の簡略化のため、機器操作/通信システム3001により動作が制御される空調機3010、第1機器群3050及び第2機器群3060の配置される建物3000Bを1つしか描画していない。しかし、建物3000Bは複数であってもよい。つまり、機器操作/通信システム3001は、複数の建物3000Bにそれぞれ配置される空調機3010、第1機器群3050及び第2機器群3060の動作を制御するシステムであってもよい。
操作/通信デバイス3200は、建物3000B内に設置され、建物3000B内の空調機3010、第1機器群3050の機器及び第2機器群3060の機器を操作するために用いられる。なお、ここでは建物3000B内に操作/通信デバイスを1台だけ描画しているが、建物3000B内には、複数操作/通信デバイス3200が設置されてもよい。また、操作/通信デバイス3200は、据え置き型に限定されず、建物3000B外に持ち運び可能な携帯端末であってもよい。言い換えれば、空調機3010と、第1機器群3050及び第2機器群3060の機器とは、携帯可能な操作/通信デバイス3200を用いて、建物3000Bの外部から操作可能に構成されてもよい。
操作/通信デバイス3300は、操作/通信デバイス3200と同様の機能を有する。例えば、操作/通信デバイス3300は、建物3000Bとは異なる建物(図示省略)に設置され、その建物内の機器(図示省略)を操作するために用いられる。ただし、これに限定されるものではなく、操作/通信デバイス3300は、操作/通信デバイス3200との通信だけを目的としたデバイスであってもよい。
なお、図24及び図25では、2台の操作/通信デバイス(操作/通信デバイス3200,3300)を描画しているが、操作/通信デバイスの台数は、2台に限定されるものではない。例えば、機器操作/通信システム3001は、多数の操作/通信デバイスを有してもよい。
(2)詳細構成
操作/通信デバイス3200、空調機3010、第1機器群3050、第2機器群3060、解析サーバ3020、空調機サーバ3030、機器サーバ3070、及び赤外線出力装置3040について以下に説明する。なお、操作/通信デバイス3300は、操作/通信デバイス3200と同様のデバイスであるため、操作/通信デバイス3300の説明は省略する。
(2-1)操作/通信デバイス
操作/通信デバイス3200は、空調機3010、第1機器群3050に含まれる機器3050a,3050b,・・・3050n及び第2機器群3060に含まれる機器3060a,3060b,・・・3060mの操作のために用いられるデバイスである。また、操作/通信デバイス3200は、操作/通信デバイス3300と通信を行うために用いられるデバイスである。
操作/通信デバイス3200は、送信装置の一例である。操作/通信デバイス3200は、後述する音声受付部3210が受け付ける音声、に基づくデータを、受信装置の一例である解析サーバ3020や操作/通信デバイス3300に送信する。
また、操作/通信デバイス3200は、受信装置の一例である。操作/通信デバイス3200は、送信装置の一例である操作/通信デバイス3300から送信されてくる、音声に基づくデータ(操作/通信デバイス3300の音声受付部が受け付ける音声、に基づくデータ)を受信する。
操作/通信デバイス3200は、例えば、建物3000B内に据え付けられる。例えば、操作/通信デバイス3200は、テーブルや棚の上に戴置されたり、壁面等に固定されたりする。操作/通信デバイス3200は、以下で説明するような機能を有する、空調機3010、第1機器群3050及び第2機器群3060の機器の操作と、他の操作/通信デバイスとの通信とのために用いられる機器であってもよい。また、操作/通信デバイス3200は、以下で説明するような機能に加え、他の機能(例えば時計や音楽プレーヤーとしての機能)を有する機器であってもよい。
操作/通信デバイス3200は、携帯端末であってもよい。タイプを限定するものではないが、携帯端末は、音声受付部を有するスマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ウェアラブル端末等である。例えば、具体的には、操作/通信デバイス3200は、操作者が手首に装着して携帯する、腕時計式の機器である。
なお、建物3000B内で操作/通信デバイス3200が複数用いられる場合、複数の操作/通信デバイス3200のそれぞれは、他の操作/通信デバイス3200と種類が異なってもよい。
操作/通信デバイス3200は、各種処理を実行するCPUと、CPUによって実行されるプログラムや各種情報を記憶する記憶装置と、を含む。また、操作/通信デバイス3200は、音声受付部3210が有するマイク素子3210a、音声出力部3220が有するスピーカ3220a、ディスプレイ3280、マイク素子3210aが取得した音声に対して各種処理を行う音声処理用のチップ、通信部3250として機能する無線LANアダプタ等を含む。
操作/通信デバイス3200は、機能部として、音声受付部3210と、音声出力部3220と、ディスプレイ3280と、設定部3222と、声色データベース3224と、音声処理部3230と、切換部3240と、判断部3270と、通信部3250と、スイッチ3260と、を有する(図25参照)。
(2-1-1)音声受付部
音声受付部3210は、音声の入力を受け付ける。音声受付部3210の受け付ける音声には、空調機3010、第1機器群3050の機器、及び第2機器群3060の機器を操作するための指示音声と、操作/通信デバイス3300の利用者とのコミュニケーションのための音声(通常の会話)と、を含む。
音声受付部3210は、音声を受け付けるマイク素子3210aを有する。マイク素子3210aの数は、単数であってもよいし、複数であってもよい。
例えば、操作/通信デバイス3200が据付式の機器である場合に、マイク素子3210aを複数とし、複数のマイク素子3210aがそれぞれ異なる場所から音声を取得しやすいように配置することで、発声者の位置によらず、音声受付部3210により音声が確実に取得されやすくなる。
なお、操作/通信デバイス3200には、音声受付部3210に入力される音声が、解析サーバ3020向けの音声(機器操作用の指示音声)であるのか、操作/通信デバイス3300向けの音声であるのかを指定するための操作部(図示省略)が設けられることが好ましい。そして、この操作部からの入力に基づいて、後述する通信部3250は、音声受付部3210が受け付けた音声、に基づくデータの送信先のアドレス(解析サーバ3020宛もしくは操作/通信デバイス3300宛)を切り換えることが好ましい。
(2-1-2)音声出力部
音声出力部3220は、音声の出力部である。音声出力部3220は、スピーカ3220aを有する。
音声出力部3220は、例えば、後述する通信部3250が他の操作/通信デバイス(ここでは操作/通信デバイス3300)から、音声に基づくデータ(後述する信号3000Mvや信号3000Mtと同様のデータ)を受信した際に、スピーカ3220aから音声を出力する。
なお、音声出力部3220は、通信部3250が操作/通信デバイス3300から音声データの形式のデータ(後述する信号3000Mvと同様のデータ)を受信した場合、例えば、圧縮されたデータの解凍処理や、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換するD/A変換処理等を行った後、通信部3250が受信したデータをスピーカ3220aから出力する。
また、音声出力部3220は、通信部3250が操作/通信デバイス3300からテキストデータの形式のデータ(後述する信号3000Mtと同様のデータ)を受信した場合、例えば、通信部3250が受け付けたテキストデータ形式のデータを音声へと変換する音声変換処理を行って、音声変換されたデータをスピーカ3220aから出力する。なお、音声変換処理は、送られてきたテキストの内容を、音声に変換する処理である。
また、例えば、音声出力部3220は、音声受付部3210が、空調機3010、第1機器群3050の機器及び第2機器群3060の機器に対する指示音声を受け付けた時にも、指示音声を受け付けたことを報知するための音声を出力してもよい。例えば、具体的に、音声出力部3220は、音声受付部3210が指示音声を受け付けた時に、“音声を受け付けました”等の文章を発声したり、受け付けた指示音声を復唱したりすることで、音声受付部3210による指示音声の受け付けを報知する。
また、音声出力部3220は、操作/通信デバイス3200の操作対象の空調機3010、第1機器群3050の機器及び第2機器群3060の機器が各種動作を実行する際に、その動作内容(例えば、“運転を開始します”等の文章)を音声出力するように構成されてもよい。
(2-1-3)ディスプレイ
ディスプレイ3280は、各種情報を表示する表示部である。
ディスプレイ3280は、例えば、後述する通信部3250が他の操作/通信デバイス(ここでは操作/通信デバイス3300)からテキストファイルの形式のデータ(後述する信号3000Mtと同様のデータ)を受信した場合に、音声出力部3220と共に、あるいは、音声出力部3220に代わって、受信したデータの内容を出力(表示)する。
また、ディスプレイ3280は、音声出力部3220と共に、あるいは、音声出力部3220に代わって、音声受付部3210が、空調機3010、第1機器群3050の機器及び第2機器群3060の機器に対する指示音声を受け付けたことや、操作/通信デバイス3200の操作対象の空調機3010、第1機器群3050の機器及び第2機器群3060の機器の動作内容等を出力(表示)してもよい。
なお、操作/通信デバイス3200は、ディスプレイ3280を有さなくてもよい。
(2-1-4)設定部及び声色データベース
設定部3222は、音声出力部3220が用いる声色パターンを設定する。音声出力部3220は、設定された声色パターンを、通信部3250が他の操作/通信デバイス(ここでは操作/通信デバイス3300)からテキストデータ形式のデータを受信し、このデータを音声変換して出力する際に用いる。なお、声色パターンとは、声の調子や感じのパターンを意味する。
設定部3222は、例えば、操作/通信デバイス3200の図示しない操作部から入力される利用者の選択に応じて、声色データベース3224に記憶されている複数の声色パターンの中から1の声色パターンを、音声出力部3220が用いる声色パターンに設定する。なお、声色データベース3224に記憶されている複数の声色パターンには、例えば、男性の声色、女性の声色、特定の人物や、特定のキャラクターの声色等を含む。
なお、設定部3222は、音声出力部3220が用いる声色パターンを、利用者の選択に基づいて設定しなくてもよい。例えば、設定部3222は、音声出力部3220が用いる声色パターンを、以下の様に設定してもよい。
ここでは、声色データベース3224に、操作/通信デバイス3200が通信を行う操作/通信デバイスと関連付けて(例えば、操作/通信デバイス3300を識別するための識別符号と関連付けて)、ある特定の声色が記憶されている。例えば、声色データベース3224には、操作/通信デバイス3300と関連付けて、操作/通信デバイス3300の利用者本人の声色が記憶されている。設定部3222は、操作/通信デバイス3200と操作/通信デバイス3300との間で通信が開始されると、操作/通信デバイス3200の通信先の操作/通信デバイス3300を(例えば通信部3250に送信されてくる信号に含まれているデータの送信元を示す情報に基づいて)特定する。そして、設定部3222は、声色データベース3224において、自らが特定した操作/通信デバイス3300と関連付けられて記憶されている声色パターンを、音声出力部3220が用いる声色パターンに設定する。
なお、ここでは、声色データベース3224に複数の声色パターンが記憶されている場合を例に説明したが、声色データベース3224には声色パターンが1種類だけ記憶されていてもよい。
(2-1-5)音声処理部
音声処理部3230は、音声受付部3210が受け付けた音声を、通信に適したデータに変換する集積回路である。なお、各種の処理は、ハードウェア処理で実現されても、ソフトウェア処理で実現されてもよい。
音声処理部3230は、主に2種類の処理を行う。
音声処理部3230は、1つの処理として、音声受付部3210が受け付けた音声を、通信に適した音声データの形式のデータに変換する(第1処理)。また、音声処理部3230は、他の処理として、音声受付部3210が受け付けた音声を、テキストデータの形式のデータに変換する(第2処理)。音声処理部3230が、音声受付部3210が受け付けた音声に対し第1処理及び第2処理のいずれの処理を実行するかは、後述する切換部3240により切り換えられる。なお、音声処理部3230が、音声受付部3210が受け付けた音声に対し、第1処理及び第2処理をそれぞれ実行した場合、第2処理を実行して生成されるデータの大きさは、第1処理を実行して生成されるデータの大きさより小さくなる。
第1処理及び第2処理について更に説明する。
音声処理部3230は、第1処理として、音声受付部3210が受け付けた音声をA/D変換してデジタル音声信号とし、更に各種音声データ圧縮方式(例えばMP3等)の音声圧縮処理を実行することで信号3000Sv,Mvを生成する。なお、第1処理の内容は一例であって、音声処理部3230は、第1処理として、音声受付部3210が受け付けた音声をA/D変換することで、信号3000Sv,Mvとしてのデジタル音声信号を生成してもよい。
なお、ここで、信号3000Svは、操作/通信デバイス3200の操作対象の空調機3010、第1機器群3050の機器、及び第2機器群3060の機器に対する指示音声に基づいて生成された、音声データの形式のデータを意味する。信号3000Svは、解析サーバ3020を送信先とする信号である。また、信号3000Mvは、操作/通信デバイス3300を送信先とする音声(通常の会話)に基づいて生成された、音声データの形式のデータを意味する。
なお、信号3000Sv及び信号3000Mvは、音声受付部3210が受け付けた音声に同一の処理を行って生成された音声データの形式のデータであってもよいし、互いに異なる処理を行って生成された音声データの形式のデータであってもよい。
音声処理部3230は、第2処理として、音声受付部3210が受け付けた音声をテキストデータの形式に変換する。音声処理部3230は、例えば、後述する解析サーバ3020の認識部3022のような音声認識処理(音声の意味を解釈する処理)を行ってもよい。また、音声処理部3230は、例えば、第2処理として、音声受付部3210が受け付けた音声に含まれる各音をテキストに置き換える処理を行ってもよい。例えば、音声処理部3230は、“明かり”という音声を、その意味を認識せずに、予め準備されたテキストとそのテキストを発音した時の音のパターンとを関連付けたデータベースを参照して、音声に含まれる各音を一音ずつテキスト化して“ア”“カ”“リ”というテキストに置き換えてもよい。
音声処理部3230は、音声受付部3210が受け付けた音声に対して第2処理を実行することで、信号3000St,Mtを生成する。なお、ここで、信号3000Stは、操作/通信デバイス3200の操作対象の空調機3010、第1機器群3050の機器、及び第2機器群3060の機器に対する指示音声に基づいて生成された、テキストデータの形式のデータを意味する。また、信号3000Mtは、操作/通信デバイス3300を送信先とする音声(通常の会話)に基づいて生成された、テキストデータの形式のデータを意味する。
なお、信号3000St及び信号3000Mtは、音声受付部3210が受け付けた音声に同一の処理を行って生成されたテキストデータの形式のデータであってもよいし、互いに異なる処理を行って生成されたテキストデータの形式のデータであってもよい。
(2-1-6)通信部
通信部3250は、操作/通信デバイス3200が、解析サーバ3020や操作/通信デバイス3300と通信を行うための機能部である(図25参照)。
通信部3250は、操作/通信デバイス3200が送信装置として機能する場合には、送信部として機能する。また、通信部3250は、操作/通信デバイス3200が受信装置として機能する場合には、受信部として機能する。
操作/通信デバイス3200は、通信回線の一例であるネットワーク3080を介して、解析サーバ3020や操作/通信デバイス3300と接続されている(図24参照)。
ネットワーク3080は、ここではインターネットであるが、他のWANであってもよい。操作/通信デバイス3200は、ルータ3082と無線LANにより接続され、ルータ3082を介してネットワーク3080と接続されている(図24参照)。通信部3250は、例えば、ルータ3082との間で無線通信を行う無線LANアダプタである。ルータ3082は、WAN側のインターフェースと、LAN側のインターフェースとを有し、WANとLANを相互接続させる。なお、操作/通信デバイス3200とルータ3082とは、無線LANではなく、有線LANで接続されてもよい。また、ネットワーク3080はLANであってもよい。
通信部3250は、音声受付部3210が受け付けた音声(特に、操作/通信デバイス3200の操作対象の空調機3010、第1機器群3050の機器、及び第2機器群3060の機器に対する指示音声)に基づくデータを、受信装置の一例としての解析サーバ3020に対し、ネットワーク3080を介して送信する(図25参照)。解析サーバ3020に対して送信されるデータは、音声処理部3230が生成する信号3000Sv又は信号3000Stである。
なお、通信部3250は、信号3000Sv及び信号3000Stを、解析サーバ3020に加え、空調機サーバ3030や機器サーバ3070に対して送信してもよい。つまり、通信部3250は、複数のアドレスに(例えば、解析サーバ3020と空調機サーバ3030とに)信号3000Sv及び信号3000Stを送信してもよい(図25参照)。
また、通信部3250は、音声受付部3210が受け付けた音声(特に、操作/通信デバイス3300を送信先とする通常会話)に基づくデータを、受信装置の一例としての操作/通信デバイス3300に対し、ネットワーク3080を介して送信する(図25参照)。操作/通信デバイス3300に対して送信されるデータは、音声処理部3230が生成する信号3000Mv又は信号3000Mtである。
また、操作/通信デバイス3200が受信装置として機能する場合には、通信部3250は、受信部として、操作/通信デバイス3300の送信部が送信するデータ(信号3000Mv又は信号3000Mt)を受信する。
また、通信部3250は、空調機3010の送信部3170aや、第2機器群3060の機器の送信部(図示せず)がそれぞれ送信してくる、空調機3010や第2機器群3060の機器の運転内容に関する情報を受信するように構成されてもよい。
(2-1-7)切換部
切換部3240は、通信部3250が送信する、音声受付部3210が受け付けた音声に基づくデータの形式を、音声データの形式とテキストデータの形式との間で切り換える。
ここでは、切換部3240は、音声受付部3210が受け付けた音声に対して音声処理部3230が実行する処理の種類を第1処理と第2処理との間で切り換えることで、通信部3250が送信するデータの形式を、音声データの形式とテキストデータの形式との間で切り換える。
なお、通信部3250が送信するデータの形式を切り換える方法は、このような方法に限定されるものではなくてもよい。例えば、音声処理部3230は、音声受付部3210が受け付けた1の音声に対して、第1処理を実行して音声データの形式のデータを生成すると共に、第2処理を実行してテキストデータの形式のデータを生成してもよい。そして、切換部3240は、生成された2つの形式のデータの一方だけを送信するように通信部3250を制御することで、通信部3250が送信するデータの形式を、音声データの形式とテキストデータの形式との間で切り換えてもよい。
なお、切換部3240は、後述する判断部3270の判断結果に基づいて、通信部3250が送信するデータの形式を、音声データの形式とテキストデータの形式との間で切り換えることが好ましい。特に、切換部3240は、ネットワーク3080のトラフィックが比較的大きいと判断部3270が判断する場合に、通信部3250が送信するデータの形式をテキストデータの形式に切り換える(音声処理部3230の処理を第2処理に切り換える)。また、切換部3240は、ネットワーク3080のトラフィックが比較的小さいと判断部3270が判断する場合に、通信部3250が送信するデータの形式を音声データの形式に切り換える(音声処理部3230の処理を第1処理に切り換える)。
ただし、切換部3240は、判断部3270の判断結果に基づかず、あるいは、判断部3270の判断結果に加えて、図示しない操作部から入力される利用者の選択に応じて、通信部3250が送信するデータの形式を、音声データの形式とテキストデータの形式との間で切り換えてもよい。
(2-1-8)判断部
判断部3270は、ネットワーク3080のトラフィックの状態を判断する。
例えば、判断部3270は、実測される通信速度が所定の閾値より遅い場合にはネットワーク3080のトラフィックが比較的大きいと判断し、実測される通信速度が所定の閾値以上である場合には、ネットワーク3080のトラフィックが比較的小さいと判断する。
また、他の形態では、判断部3270は、ある時間帯(例えば深夜及び早朝)はネットワーク3080のトラフィックが比較的小さいと判断し、それ以外の時間帯はネットワーク3080のトラフィックが比較的大きいと判断してもよい。
(2-1-9)スイッチ
スイッチ3260は、音声受付部3210の動作状態を切り換えるためのスイッチである。
限定するものではないが、スイッチ3260は押釦スイッチである。スイッチ3260を押下することで、音声受付部3210の動作状態が、音声を受け付けないスリープ状態と、音声の受け付け可能なアクティブ状態との間で切り換えられる。
なお、音声受付部3210の動作状態は、スイッチ3260が押下される度に、スリープ状態とアクティブ状態との間で切り換えられてもよい。また、音声受付部3210の動作状態は、スイッチ3260が押下されると、所定時間だけスリープ状態からアクティブ状態に切り換えられてもよい。
なお、操作/通信デバイス3200は、スイッチ3260を有さず、音声受付部3210の動作状態は、常にアクティブ状態に設定されてもよい。ただし、意図しないタイミングで音声受付部3210が音声を受け付けることを避けるため(空調機3010や、第1機器群3050及び第2機器群3060の機器が誤動作したり、操作/通信デバイス3300に意図せず信号3000Mv又は信号3000Mtが送信されたりすることを避けるため)、操作/通信デバイス3200にはスイッチ3260が設けられることが好ましい。
(2-2)空調機
空調機3010は、操作/通信デバイス3200の音声受付部3210に指示音声を入力することで操作可能な空調機である。指示音声は、限定するものではないが、例えば、“空調オン”、“設定温度を25℃に設定”等の音声である。なお、空調機3010は、音声操作に加えて、一般的なリモコンによっても操作可能に構成されていてもよい。
空調機3010は、室内ユニット3012と、室外ユニット3014と、これらの間を接続する冷媒連絡配管(図示せず)と、コントローラ3150と、を主に有する(図24及び図25参照)。
空調機3010は、空調対象空間の空気調和を行う装置である。空調対象空間は、例えば、建物3000B内の室内ユニット3012が配置される部屋である。
空調機3010では、室内ユニット3012と室外ユニット3014とが冷媒連絡配管を介して接続されることで、室内ユニット3012の室内熱交換器(図示省略)や、室外ユニット3014の圧縮機、室外熱交換器、膨張弁等(図示省略)が配管で接続され、冷媒回路が構成される。空調機3010では、冷媒回路内で冷媒を循環することで、室内ユニット3012の設置された空間の冷房/暖房が行われる。
蒸気圧縮冷凍サイクルを利用した空調機3010の動作原理や動作内容については、一般に広く知られているため、ここでは説明は省略する。なお、空調機3010は、空調対象空間の冷房/暖房の両方を実施可能な空調機である必要はなく、冷房専用、又は、暖房専用の空調機であってもよい。
なお、本実施形態では、空調機3010は、室内ユニット3012の室内熱交換器において、室内熱交換器の内部を流れる冷媒と空調対象空間の空気との間で熱交換が行われるが、空調機はこのような機器に限定されない。例えば、空調機3010は、室内ユニット3012(ファンコイルユニット)の室内熱交換器において、室内熱交換器の内部を流れる冷水/温水と空調対象空間の空気との間で熱交換が行われる装置であってもよい。
コントローラ3150は、空調機3010の動作を制御する制御装置である。
コントローラ3150は、室内ユニット3012が有する制御基板(図示せず)と、室外ユニット3014が有する制御基板(図示せず)とを含む。コントローラ3150を構成する室内ユニット3012及び室外ユニット3014の制御基板等のCPUは、制御基板等の記憶装置に記憶された各種プログラムを実行することで、各種処理を実行する。また、コントローラ3150は、後述する通信部3170として機能する無線LANアダプタ等の機器等を含む。
コントローラ3150は、通信部3170と、空調機制御部3190と、を主に有する。
通信部3170は、空調機3010が、主に空調機サーバ3030と通信を行うために用いられる(図25参照)。
空調機3010(通信部3170)は、ネットワーク3080を介して、空調機サーバ3030と接続されている(図24参照)。空調機3010は、ルータ3082と無線LANにより接続され、ルータ3082を介してネットワーク3080と接続されている(図24参照)。なお、空調機3010とルータ3082とは、無線LANではなく、有線LANで接続されてもよい。
通信部3170は、例えば、ルータ3082との間で無線通信を行う無線LANアダプタである。通信部3170は、機能部として、情報を送信する送信部3170aと、情報を受信する受信部3170bとを有している(図25参照)。
送信部3170aは、空調機3010及び空調対象空間の少なくとも一方に関する状態量についての情報3000Jを空調機サーバ3030に対して送信することが好ましい(図25参照)。限定するものではないが、空調機3010に関する状態量には、例えば冷媒回路の様々な場所においてセンサ(図示せず)により測定される冷媒の温度/圧力や、室外ユニット3014の圧縮機のインバータ制御モータ(図示せず)の回転数や、室外ユニット3014の膨張弁の開度を含む。空調対象空間に関する状態量には、限定するものではないが、空調対象空間の計測温度を含む。
受信部3170bは、例えば、操作/通信デバイス3200の通信部3250が送信した信号3000Sv又は信号3000St(特には、空調機3010の制御に関する指示音声に基づく信号3000Sv又は信号3000St)に応じた指令3000Cを外部から受信する。より具体的には、受信部3170bは、解析サーバ3020による信号3000Sv又は信号3000St(特には、空調機3010の制御に関する指示音声に基づく信号3000Sv又は信号3000St)の解析の結果に基づいて生成された指令3000Cを受信する。好ましくは、受信部3170bは、解析サーバ3020による信号3000Sv又は信号3000St(特には、空調機3010の制御に関する指示音声に基づく信号3000Sv又は信号3000St)の解析の結果と、送信部3170aから空調機サーバ3030に対して送信された状態量についての情報3000Jと、に基づいて空調機サーバ3030が生成した指令3000Cを、受信する。
限定するものではないが、指令3000Cは、例えば、空調機3010の運転のオン/オフ、空調機3010の運転モード(冷房/暖房/除湿/送風等)の切換、設定温度(空調対象空間の目標温度)の変更、室外ユニット3014の圧縮機のインバータ制御モータ(図示せず)の回転数の目標値、室外ユニット3014の膨張弁の開度の目標値、及び、室内ユニット3012のインバータ制御のファンモータの回転数の目標値の少なくとも1つに関する。
空調機制御部3190は、受信部3170bが受信する指令3000Cや、図示しない通常のリモコンからの指令等に応じて、空調機3010の動作を制御する。例えば、空調機制御部3190は、受信部3170bが受信する指令3000Cに応じ、空調機3010の設定(設定温度等)や、図示しない各種センサの計測値等に基づき、室外ユニット3014の圧縮機や膨張弁、室内ユニット3012のファン等の動作を制御する。
(2-3)第1機器群
第1機器群3050の機器3050a,3050b,・・・3050nは、赤外線信号により操作可能な機器である。第1機器群3050の機器3050a,3050b,・・・3050nは、操作/通信デバイス3200に対する指示音声の入力に応じて赤外線出力装置3040から送信される赤外線信号により操作可能である。第1機器群3050の機器3050a,3050b,・・・3050nは、第1実施形態の第1機器群50の機器50a,50b,・・・50nと同様であるので、ここでは説明を省略する。
(2-4)第2機器群
第2機器群3060の機器3060a,3060b,・・・3060mは、ネットワーク3080を介して送信される信号により操作可能な機器である。第2機器群3060の機器3060a,3060b,・・・3060mは、操作/通信デバイス3200に対する指示音声の入力に応じて解析サーバ3020又は機器サーバ3070から送信される信号により操作される。第2機器群3060の機器3060a,3060b,・・・3060mは、第1実施形態の第2機器群60の機器60a,60b,・・・60mと同様であるので、ここでは説明を省略する。
(2-5)解析サーバ
解析サーバ3020は、操作/通信デバイス3200、空調機3010、空調機サーバ3030、機器サーバ3070、及び赤外線出力装置3040と、ネットワーク3080を介して通信可能に接続されている。解析サーバ3020は、送信装置の一例としての操作/通信デバイス3200,3300が送信する信号3000Sv,Stを受信する受信装置の一例である。
空調機3010、第1機器群3050の機器又は第2機器群3060の機器に対する指示音声を操作/通信デバイス3200が受け付けると、通信部3250は、指示音声に基づく信号3000Sv又は信号3000Stを、ネットワーク3080を介して解析サーバ3020に送信する(図25参照)。
解析サーバ3020は、記憶装置に記憶されているプログラムを実行することで、受信した信号3000Sv及び信号3000Stを解析するコンピュータである。例えば、解析サーバ3020は、受信した音声データの形式の信号3000Svの音声認識を行う。また、解析サーバ3020は、受信したテキストデータの形式の信号3000Stの意味を認識する処理を行う。
解析サーバ3020は、ネットワーク3080を介した通信を可能にする通信部3024を有する。通信部3024は、受信部の一例であり、操作/通信デバイス3200,3300が送信する信号3000Sv及び信号3000Stを受信する。また、通信部3024は、後述する認識部3022の認識結果に基づいた信号(テキスト情報)を出力(送信)する信号出力部の一例でもある。
解析サーバ3020の記憶装置には、CPUにより実行されるプログラムの他、例えば、各操作/通信デバイス3200,3300が操作可能な機器のリストが記憶されていることが好ましい。つまり、解析サーバ3020は、各操作/通信デバイス3200,3300からどの機器を操作可能であるかを把握していることが好ましい。また、第2機器群3060の機器3060a,3060b,・・・3060mに関しては、制御対象の各機器3060a,3060b,・・・3060mが解析サーバ3020の直接の制御対象であるか否か(解析サーバ3020及び機器サーバ3070のいずれのサーバの制御対象であるか)に関する情報も記憶されていることが好ましい。
解析サーバ3020は、機能部として、受信した信号3000Sv及び信号3000Stの内容を認識する認識部3022を有する。
例えば、認識部3022は、音声データの形式の信号3000Svを分析してその特徴量を求め、記憶装置に記憶された音響モデル、言語モデル及び発音辞書を含む音声認識辞書を利用して特徴量からテキスト情報を生成する。
また、例えば、認識部3022は、文章認識エンジンを含み、テキストデータの形式の信号3000Stの意味を認識する。そして、解析サーバ3020は、例えば“クウチョウキオン”という様なテキストデータの意味を認識し、“空調機オン”等の意味のあるテキスト情報を生成する。
なお、認識部3022は、同一の音声に基づく信号3000Sv及び信号3000Stに対して認識処理を実行する場合、音声データの形式の(データ量の比較的大きい)信号3000Svに対して認識処理を実行する場合のほうが内容を認識できる可能性が高い。なお、解析サーバ3020は、信号3000Sv又は信号3000Stの意味を認識できなかった場合、操作/通信デバイス3200の利用者に信号3000Sv又は信号3000Stの再送信(音声の再入力)を要求してもよい。
なお、解析サーバ3020が生成するテキスト情報は、限定するものではないが、例えば“空調機オン”、“空調機の設定温度を25度に設定”、“照明装置オフ”、“テレビオン”等のテキスト情報である。
解析サーバ3020は、生成したテキスト情報が、空調機3010の制御に関するものである場合(例えば、テキスト情報が空調機に関するキーワードを含んでいる場合)、信号3000Sv又は信号3000Stの認識結果(つまり生成したテキスト情報)を、ネットワーク3080を介して空調機サーバ3030に送信する(図25参照)。
解析サーバ3020は、テキスト情報が第1機器群3050の機器3050a,3050b,・・・3050nの制御に関するものである場合(例えば、テキスト情報が第1機器群3050に関するキーワードを含んでいる場合)、赤外線出力装置3040に対し、信号3000Sv又は信号3000Stの認識結果(つまり生成したテキスト情報)に応じた赤外線信号の送信を命じる指令を送信する。例えば、テキスト情報が、第1機器群3050の機器3050a,3050b,・・・3050nに含まれる照明装置に関する情報(例えば、“照明装置オフ”)であった場合、解析サーバ3020は、赤外線出力装置3040に対し、照明装置に対して消灯を指示する赤外線信号を送信するように命じる指令を送信する。赤外線出力装置3040に対する指令は、解析サーバ3020から、ネットワーク3080を介して赤外線出力装置3040へと送信される。
解析サーバ3020は、テキスト情報が第2機器群3060の機器3060a,3060b,・・・3060mの制御に関するものである場合(例えば、テキスト情報が第2機器群3060に関するキーワードを含んでいる場合)、信号3000Sv又は信号3000Stの認識結果(つまり生成したテキスト情報)に応じた指令を第2機器群3060の機器3060a,3060b,・・・3060mに送信する。例えば、テキスト情報が、第2機器群3060の機器3060a,3060b,・・・3060mに含まれるテレビに関する情報(例えば、“テレビオン”)であった場合、解析サーバ3020は、テレビに対し、スイッチオンを指示する指令を送信する。第2機器群3060の機器3060a,3060b,・・・3060mに対する指令は、解析サーバ3020から、ネットワーク3080を介して第2機器群3060の機器3060a,3060b,・・・3060mへと送信される。
なお、テキスト情報が第2機器群3060の機器3060a,3060b,・・・3060mの制御に関するものである場合であって、制御対象の機器3060a,3060b,・・・3060mが解析サーバ3020の直接の制御対象でない場合には、その機器3060a,3060b,・・・3060mを制御する機器サーバ3070へとテキスト情報が送信される。そして、機器サーバ3070から機器3060a,3060b,・・・3060mへとネットワーク3080を介して指令が送信される。
(2-6)空調機サーバ
空調機サーバ3030は、解析サーバ3020から送信される、解析サーバ3020による信号3000Sv又は信号3000Stの解析の結果(つまり解析サーバ3020が生成したテキスト情報)と、空調機3010の送信部3170aから適宜送信される空調機3010及び空調対象空間の少なくとも一方に関する状態量についての情報3000Jとに基づいて指令3000Cを生成する。そして、空調機サーバ3030は、ネットワーク3080を介して、空調機3010の受信部3170bに対して指令3000Cを送信する。限定するものではないが、空調機サーバ3030は、例えば、テキスト情報として“空調機オン”の指令を受けると、現在の空調対象空間の温度等に基づいて空調機3010の各部の動作を決定し、これを指令3000Cとして送信する。
なお、ここでは、空調機サーバ3030は、解析サーバ3020による信号3000Sv又は信号3000Stの解析の結果に加え、情報3000Jに基づいて指令3000Cを生成するが、これに限定されるものではない。空調機サーバ3030は、解析サーバ3020による信号3000Sv又は信号3000Stの解析の結果だけに基づいて指令3000Cを生成してもよい。
また、空調機サーバ3030は、操作/通信デバイス3200から送信されてくる信号3000Sv又は信号3000Stを蓄積し、信号3000Sv又は信号3000Stを用いて各種解析を行う。
なお、本実施形態では、機器操作/通信システム3001に空調機サーバ3030が含まれるが、これに限定されるものではない。例えば、空調機3010が、解析サーバ3020による信号3000Sv又は信号3000Stの解析の結果(つまり解析サーバ3020が生成したテキスト情報)に基づいて運転内容を直接決定可能である場合には、空調機サーバ3030は設けられなくてもよい。そして、解析サーバ3020による信号3000Sv又は信号3000Stの解析の結果が、指令3000Cとして、空調機3010の受信部3170bに直接送信されてもよい。
(2-7)機器サーバ
機器サーバ3070は、解析サーバ3020から送信される、解析サーバ3020による信号3000Sv又は信号3000Stの解析の結果(つまり解析サーバ3020が生成したテキスト情報)に基づいて、第2機器群3060の機器3060a,3060b,・・・3060mに対する指令を生成する。そして、機器サーバ3070は、ネットワーク3080を介して指令を操作対象の第2機器群3060の機器3060a,3060b,・・・3060mに対して送信する。
なお、図24では機器サーバ3070は1台であるが、(解析サーバ3020からの指令によってではなく)機器サーバ3070により操作される機器3060a,3060b,・・・3060mの種類が複数ある場合には、その種類の数だけ機器サーバ3070が存在することが好ましい。
また、機器3060a,3060b,・・・3060mの全ての機器が解析サーバ3020からの指令によって操作される場合には、機器サーバ3070は存在しなくてもよい。
(2-8)赤外線発信機
赤外線出力装置3040は、第1機器群3050の機器3050a,3050b,・・・3050nの機器別かつ操作内容別に、制御用の赤外線信号パターンを記憶する記憶部(図示せず)を有している。赤外線出力装置3040は、記憶部に記憶されている赤外線信号パターンを利用して、解析サーバ3020から送信される指令に応じて、操作対象である第1機器群3050の機器3050a,3050b,・・・3050nに対して赤外線信号を送信する。
(3)特徴
(3-1)
本実施形態に係る機器操作/通信システム3001は、送信装置の一例としての操作/通信デバイス3200と、受信装置の例としての操作/通信デバイス3300及び解析サーバ3020と、を備える。操作/通信デバイス3200は、音声受付部3210と、テキスト変換部の一例としての音声処理部3230と、送信部の一例としての通信部3250と、切換部3240と、を有する。音声受付部3210は、音声の入力を受け付ける。音声処理部3230は、音声受付部3210が受け付けた音声をテキストデータの形式に変換する。通信部3250は、音声受付部3210が受け付けた音声に基づくデータを、ネットワーク3080を介して送信する。切換部3240は、通信部3250が送信するデータの形式を、音声データの形式とテキストデータの形式との間で切り換える。操作/通信デバイス3300は、操作/通信デバイス3200の通信部3250が送信するデータを受信する受信部(操作/通信デバイス3200の通信部と同様)を有する。また、解析サーバ3020は、操作/通信デバイス3200の通信部3250が送信するデータを受信する、受信部の一例としての通信部3024を有する。
本機器操作/通信システム3001では、操作/通信デバイス3200から、解析サーバ3020又は操作/通信デバイス3300へと送信される、入力音声に基づくデータのデータ形式が、音声データ形式とテキストデータ形式との間で切換可能である。そのため、本機器操作/通信システム3001では、トラフィックが大きい場合には、入力音声に基づくデータを、音声データ形式よりもデータ量の小さなテキストデータ形式に切り換えて送信可能で、ネットワーク3080のトラフィックの状態によらず通信の不具合の発生を抑制できる。
また、ここでは、操作/通信デバイス3200に対する入力が音声であるので、単語帳から選択した符号を入力するような場合に比べ、操作/通信デバイス3200から解析サーバ3020又は操作/通信デバイス3300へと、送信したい情報を時間や手間をかけずに送信することが可能である。
また、ここでは、操作/通信デバイス3200から音声データの形式でもデータを送信できるので(送信可能なデータ形式がテキストデータの形式だけではないため)、トラフィックが小さい場合には音声データの形式でデータを解析サーバ3020又は操作/通信デバイス3300に送信可能で、利便性が高い。
(3-2)
本実施形態に係る機器操作/通信システム3001は、判断部3270を有する。判断部3270は、ネットワーク3080のトラフィックの状態を判断する。切換部3240は、判断部3270の判断結果に基づいて、通信部3250が送信するデータの形式を、音声データの形式とテキストデータの形式との間で切り換える。
ここでは、操作/通信デバイス3200から解析サーバ3020又は操作/通信デバイス3300へと送信されるデータの形式が、ネットワーク3080のトラフィックの状態に応じて音声データ形式とテキストデータ形式との間で切り換えられるため、通信の不具合の発生が抑制されやすい。
(3-3)
本実施形態に係る機器操作/通信システム3001では、受信装置の一例としての解析サーバ3020は、認識部3022と、信号出力部の一例としての通信部3024と、を有する。認識部3022は、受信したデータ(受信した信号3000Sv及び信号3000St)の内容を認識する。通信部3024は、認識部3022の認識結果に基づいた信号(テキスト情報)の出力を行う。
ここでは、解析サーバ3020側で受信したデータの内容が認識され、これに応じた信号が出力される。このようなシステムでは、データ内容の正確な認識を可能とするため、解析サーバ3020側にはできるだけ入力音声が元のデータに近い状態で(情報量の大きな音声データの形式で)送信されることが好ましい。しかし、音声データ形式でデータを送信することに拘った場合、通信の不具合が発生し、解析サーバ3020に届くべきデータが届かず、解析サーバ3020で実施されるべき処理が実行されないおそれがある。
これに対し、本機器操作/通信システム3001では、操作/通信デバイス3200に入力された音声に基づくデータを、音声データ形式で送信可能であると共に、テキストデータ形式でも送信可能である。そのため、ネットワーク3080が通信不具合の発生しやすい状態になった場合、データはテキストデータの形式で送信されればよく、解析サーバ3020にデータが届かず、解析サーバ3020で実施されるべき処理が実行されないという状態が発生しにくい。
(3-4)
本実施形態に係る機器操作/通信システム3001では、受信装置の一例としての操作/通信デバイス3300は、音声出力部と、記憶部と、設定部と、を更に有する。ここで、操作/通信デバイス3300の音声出力部、記憶部、及び設定部は、それぞれ、操作/通信デバイス3200の音声出力部3220、声色データベース3224、及び設定部3222と同様の構成である。音声出力部は、操作/通信デバイス3300の受信部(操作/通信デバイス3200の通信部3250と同様の構成)が受け付けたテキストデータの形式のデータを音声変換して出力する。記憶部は、複数の声色パターンを記憶する。設定部は、音声出力部において出力に用いられる声色パターンを設定する。
ここでは、テキストデータ形式のデータを音声出力する場合に、出力に用いられる声色を複数の声色パターンの中から設定できるため、音声を聞く聞き手が、最も聞きやすい声色パターンを用いてデータの内容を聞くことができる。
(3-5)
本実施形態に係る操作/通信デバイス3200は、音声受付部3210と、音声処理部3230と、通信部3250と、切換部3240と、を備える。音声受付部3210は、音声の入力を受け付ける。音声処理部3230と、音声受付部3210が受け付けた音声をテキストデータの形式に変換する。通信部3250は、音声受付部3210が受け付けた音声に基づくデータを、ネットワーク3080を介して送信する。切換部3240は、通信部3250が送信するデータの形式を、音声データの形式とテキストデータの形式との間で切り換える。
なお、繰り返しを避けるため説明は省略するが、操作/通信デバイス3300も、操作/通信デバイス3200と同様の特徴を有する。
本操作/通信デバイス3200では、操作/通信デバイス3200から送信される入力音声に基づくデータのデータ形式が、音声データ形式とテキストデータ形式との間で切換可能である。そのため、本操作/通信デバイス3200では、トラフィックが大きい場合には、入力音声に基づくデータを、音声データ形式よりもデータ量の小さなテキストデータ形式に切り替えて送信可能で、ネットワーク3080のトラフィックの状態によらず通信の不具合の発生を抑制できる。
また、ここでは、操作/通信デバイス3200に対する入力が音声であるので、単語帳から選択した符号を入力するような場合に比べ、操作/通信デバイス3200から送信したい情報を時間や手間をかけずに送信することが可能である。
また、ここでは、機器/通信デバイス3200から音声データの形式でもデータを送信できるので(送信可能なデータ形式がテキストデータの形式だけではないため)、トラフィックが小さい場合には音声データの形式でデータを受信側に送信可能で、利便性が高い。
(3-6)
本実施形態に係る操作/通信デバイス3200は、判断部3270を備える。判断部3270は、ネットワーク3080のトラフィックの状態を判断する。切換部3240は、判断部3270の判断結果に基づいて、通信部3250が送信するデータの形式を、音声データの形式とテキストデータの形式との間で切り換える。
ここでは、操作/通信デバイス3200から送信されるデータの形式が、ネットワーク3080のトラフィックの状態に応じて音声データ形式とテキストデータ形式との間で切り換えられるため、通信の不具合の発生が抑制されやすい。
(4)変形例
以下に上記実施形態の変形例を示す。なお、変形例は、矛盾しない範囲で互いに適宜組み合わされてもよい。
(4-1)変形例4A
上記実施形態では、機器操作/通信システム3001は、指示音声により空調機3010、第1機器群3050の機器、及び第2機器群3060の機器を操作可能なシステムであるが、これに限定されるものではない。
例えば、機器操作/通信システム3001では、空調機3010、第1機器群3050の機器及び第2機器群3060の機器の一部が操作対象でなくてもよい。空調機3010、第1機器群3050の機器及び第2機器群3060の機器の一部が操作対象から外れる場合には、不要となる構成(例えば、赤外線出力装置3040や、空調機サーバ3030や、機器サーバ3070)は、機器操作/通信システム3001の構成から除外されてもよい。
また、通信システムは、機器の操作のためのシステムではなくてもよい。つまり、通信システムは、複数の通信デバイス(上記実施形態の操作/通信デバイス3200から機器の操作機能を除外したもの)の間の通信を実現するためのシステムであってもよい。この様な通信システムでは、赤外線出力装置3040、解析サーバ3020、空調機サーバ3030及び機器サーバ3070は不要である。また、同様に、送信装置は、上記実施形態の操作/通信デバイス3200から機器の操作機能を除外した装置であってもよい。
(4-2)変形例4B
上記実施形態では、機器操作/通信システム3001の解析サーバ3020、空調機サーバ3030、及び機器サーバ3070は別のサーバであるが、これに限定されるものではない。例えば、1つのサーバが、解析サーバ3020及び空調機サーバ3030として、又は、解析サーバ3020、空調機サーバ3030及び機器サーバ3070として機能してもよい。
また、逆に、上記実施形態で説明した解析サーバ3020、空調機サーバ3030及び機器サーバ3070のそれぞれの機能は、1台のサーバではなく、複数のサーバにより達成されてもよい。
また、上記実施形態では、通信部3250が送信する信号3000Sv及び信号3000Stを解析サーバ3020が直接受信するが、これに限定されるものではない。例えば、通信部3250は、信号3000Sv及び信号3000Stを空調機サーバ3030に送信し、空調機サーバ3030から解析サーバ3020へ信号3000Sv及び信号3000Stが送信されてもよい。
また、上記実施形態では、操作/通信デバイス3200側で、音声受付部3210が受け付けた音声に基づくデータを解析サーバ3020に送信するか、操作/通信デバイス3300に送信するかが決定されるがこれに限定されるものではない。例えば、音声受付部3210が受け付けた音声に基づくデータは、全て一旦解析サーバ3020に送信され、解析サーバ3020がデータの内容を認識して、必要に応じ、音声に基づくデータ(音声データの形式及びテキストデータの形式を含む)を操作/通信デバイス3300に送信してもよい。
(4-3)変形例4C
上記実施形態に係る機器操作/通信システム3001の空調機3010は、空気の温度や湿度の調整を行う装置であるが、これに限定されるものではない。空調機は、空気中の粉じん等を除去し清浄化された空気を吹き出す空気清浄機や、空調対象空間の気流を調整する気流調整装置等であってもよい。
(4-4)変形例4D
上記実施形態に係る機器操作/通信システム3001では、受信装置としての操作/通信デバイス3200は、通信部3250が、音声に基づくデータをテキストデータの形式で受信した場合に、このデータを音声変換して音声出力部3220から出力するがこれに限定されるものではない。例えば、操作/通信デバイス3200は、通信部3250が、音声に基づくデータをテキストデータの形式で受信した場合には、このデータをディスプレイ3280に出力するだけでもよい。
<第11実施形態>
以下では、図面を参照しながら、第11実施形態に係る制御システム4001について説明する。
(1)制御システム4001の概要
本実施形態に係る制御システムは、少なくとも音声入力によって制御される一の機器に対して、少なくとも音声入力による制御指示を含む複数の同じ内容の制御指示が行われた場合、複数の同じ制御指示のうち一つの制御指示のみを選択し、選択された制御指示のみに基づいて制御信号(出力命令)を送信するものである。また、最初の制御指示を受けてから所定時間以内に受けた次の制御指示については、最初の制御指示を含めた選択対象とする。また、制御システムは、選択結果をアナウンス(報知)する。具体的には、選択された入力方法をアナウンス(「音声による入力が優先されました」など)する。また、選択されなかった入力方法をアナウンス(スマートフォン側にはネットワーク上の情報処理装置からの操作により一時的に保留になっている旨を画面上に表示する)する。
また、本実施形態に係る制御システムは、選択される制御指示が音声入力による制御指示(音声入力による機器操作が開始されたタイミングで、スマートフォンからの機器操作を保留にする)としてもよい。若しくは、制御システムは、選択される制御指示が音声以外による入力による制御指示(スマートフォンからの機器操作が開始されたタイミングで、音声入力による機器操作を保留にする)でもよい。なお、制限された入力デバイスの設定変更は可能とし、設定変更が可能になったタイミングで、入力を反映するかを選択できるようにしてもよい。
なお、同一機器への音声入力が複数で行われた場合は、所定の優先順位に従うことになる。ここでは、所定の優先順位に従い他の入力デバイスを制限可能である。また、声紋により優先度の高い人物の操作を優先することが可能である。また、機器からの距離で、コントロール順位を決めることも可能である。その他、制御システムは、入力デバイスに対する優先順位を持つことができ、また設定変更も可能である。また、制御システムには、制御されている機器を使用するユーザに対しては、光や音で通知する手段もある。
(2)制御システム4001の基本構成
図26,27は一実施形態に係る制御システム4001の構成を示す模式図である。
制御システム4001は、入力受付装置4060と、赤外線出力装置4070と、情報処理装置4100とを備える。制御システム4001では、ユーザ4005が入力受付装置4060に制御指示の入力を実行することで、所定の制御機器を制御することができる。ここでは、制御機器として、「第1タイプの機器4010」と「第2タイプの機器4020」とが存在する。また、これらの制御機器は、部屋Rの中に配置されているものとする。
なお、図26,27では、入力受付装置4060、赤外線出力装置4070、情報処理装置4100は一台ずつ示しているが、各装置の個数はこれに限定されるものではない。情報処理装置4100は任意の個数の装置と接続し、これらの装置を管理できるものである。
第1タイプの機器4010は、赤外線の出力信号により制御可能なものである。例えば、第1タイプの機器4010としては、扇風機4010a、照明機器4010b、テレビ4010c、エアコン4010dなどが挙げられる。補足すると、赤外線の出力信号のパターンは制御機器毎に予め設定されており、これを用いることで制御機器4010を制御することができる。ここでは、赤外線の出力信号のパターンと制御内容との対応関係が、後述する赤外線パターンDB4104Aに記憶されている。なお、以下の説明では、任意の第1タイプの機器を示す場合に符号4010を用い、個別の第1タイプの機器を示す場合には英小文字の添え字を付す。
第2タイプの機器4020は、ネットワークNW経由で情報処理装置4100が直接制御できるものである。第2タイプの機器4020も、第1タイプの機器4010と同様に、扇風機4020a、照明機器4020b、テレビ4020c、エアコン4020dなどが挙げられる。なお、以下の説明では、任意の第2タイプの機器を示す場合に符号4020を用い、個別の第2タイプの機器を示す場合には英小文字の添え字を付す。
入力受付装置4060は、所定の制御機器4010,4020に対する制御指示の入力を受け付けるものである。ここでは、入力受付装置4060は、マイクを有しており、このマイクを介してユーザ4005からの制御機器4010,4020に対する制御指示を音声入力で受け付けることができる。そして、入力受付装置4060は受け付けた音声入力に対応する音声情報を情報処理装置4100に送信する。なお、入力受付装置4060はユーザ4005が発する音声を検知した場合には、その音声情報をそのまま情報処理装置4100に送信する。ただし、入力受付装置4060は、音声入力受付装置に限定されるものではなく、任意の入力手段からの入力を受け付けるものである。例えば、入力受付装置4060は、スマートデバイスなどのタッチパネルを介して制御指示の入力を受け付けるものでもよい。
赤外線出力装置4070は、制御機器(第1タイプの機器)4010に赤外線を出力するものである。また、赤外線出力装置4070は姿勢制御機構4070Aを有しており、後述する相対位置情報を情報処理装置4100から受信した場合に、その相対位置情報に基づいて赤外線出力装置4070の姿勢を制御する。なお、赤外線出力装置4070は、所定空間(部屋R)内に位置が固定される固定式機器4020Fの内部に取り付けることが可能なものである。固定式機器4020Fは、例えば空気調和装置、照明器具、テレビなどであり、部屋Rの天井又は壁に取り付けられて固定されるものである。若しくは、固定式機器4020Fは、部屋Rの天井又は壁に埋め込まれて固定されるものでもよい。
情報処理装置4100は、図28に示すように、入力部4101、出力部4102、通信部4103、記憶部4104、処理部4105を有しており、インターネットなどのネットワークNWを介して、入力受付装置4060及び赤外線出力装置4070に接続している。なお、情報処理装置4100は、実行する処理は相違する点があるものの、第1実施形態等における解析サーバ20と同様の装置である。
ここで、入力部4101は、任意の入力装置により実現され、情報処理装置4100に各種情報を入力するものである。出力部4102は、任意の出力装置により実現され、情報処理装置4100からの各種情報を出力するものである。通信部4103は、外部のネットワークNWと接続し、情報通信を可能にするものである。
記憶部4104は、ROM,RAM等により実現され、情報処理装置4100に入力される情報、及び、情報処理装置4100で計算される情報等を記憶するものである。そして記憶部4104は、「赤外線パターンデータベース(DB)4104A」「相対位置データベース(DB)4104B」を記憶する。
赤外線パターンDB4104Aは、赤外線の出力信号のパターンと所定の制御内容との対応関係を制御機器(第1タイプの機器4010)毎に記憶するものである。
相対位置DB4104Bは、赤外線出力装置4070と所定空間(部屋R)内の制御機器(第1タイプの機器4010)との相対的な位置関係を示す「相対位置情報」を記憶するものである。なお、赤外線出力装置4070が固定式機器4020Fに固定される場合、相対位置情報として、赤外線出力装置4070の位置と第1タイプの機器4010の位置との相対的な位置関係を示す情報に代えて、固定式機器4020Fの位置と第1タイプの機器4010の位置との相対的な位置関係を示す情報を用いることも可能である。
処理部4105は、CPU等により実現され、情報処理装置4100における情報処理を実行するものである。ここでは、処理部4105が、記憶部4104に記憶されたプログラムを実行することで、「入力解析部4110」「制御内容特定部4120」「第1制御部4130」「第2制御部4135」として機能する。
入力解析部4110は、入力受付装置4060から受信する入力の内容を解析する。例えば、入力受付装置4060が音声入力を受け付けた場合、その音声入力の内容をテキスト情報に変換して解析する。なお、入力解析部4110は、音声入力の内容を解析する場合には、ニューラルネットワーク等を用いて、高精度に内容を解析することができる。
制御内容特定部4120は、入力解析部4110による解析結果から、制御機器及び制御指示を示す制御内容を特定する。例えば、制御内容特定部4120は、入力受付装置4060が音声入力を受け付けた場合、入力解析部4110により変換されたテキスト情報に、制御機器及び制御指示に対応する言語情報が含まれているか否かを判定して制御内容を特定する。
ここで、制御内容特定部4120は、制御機器が第1タイプの機器4010であると特定した場合、その制御機器に対応する制御内容を第1制御部4130に送出する。一方、制御内容特定部4120は、制御機器が第2タイプの機器4020であると特定した場合、その制御機器に対応する制御内容を第2制御部4135に送出する。
第1制御部4130は、制御内容特定部4120により第1タイプの機器4010に関する制御内容が特定された場合、その制御内容に対応する赤外線パターンを赤外線出力装置4070に送信する。詳しくは、第1制御部4130は、制御内容特定部4120により特定された制御内容及び赤外線パターンDB4104Aに記憶された情報に基づいて、赤外線出力装置4070に赤外線の出力命令を送信する。これにより、第1タイプの機器4010が赤外線出力装置4070を介して制御される。また、第1制御部4130は、赤外線の出力命令とともに、赤外線出力装置4070及び対象となる第1タイプの機器4010の相対位置情報を赤外線出力装置4070に送信する。なお、相対位置情報は相対位置DB4104Bから抽出される。
第2制御部4135は、制御内容特定部4120により第2タイプの機器4020に関する制御内容が特定された場合、その制御内容に基づいて第2タイプの機器4020をネットワークNW経由で制御する。
(3)制御システム4001の動作
図29は本実施形態に係る制御システム4001の動作を説明するためのシーケンス図である。
まず、ユーザ4005により入力受付装置4060が用いられて、制御機器4010,4020に対する音声入力が行われる(S1)。そして、入力受付装置4060が、受け付けた音声入力に対応する入力情報を情報処理装置4100に送信する(S2)。ここでは、入力受付装置4060は、音声による操作入力(音声入力)を受け付けるものとする。
続いて、情報処理装置4100が、入力情報を受信し(S3)、入力の内容を解析する(S4)。次に、情報処理装置4100は、制御機器4010,4020と、その制御機器4010,4020に対する制御指示とを示す制御内容を特定する(S5)。
ここで、情報処理装置4100は、制御内容が第1タイプの機器4010に関するものであると特定した場合(S6-Yes)、制御内容に基づいて赤外線パターンDB4104Aから赤外線パターンの情報を抽出する(S7)。さらに、情報処理装置4100は、相対位置DB4104Bから、第1タイプの機器4010と赤外線出力装置4070(または固定式機器4020F)との相対位置情報を抽出する(S8)。そして、情報処理装置4100は、赤外線の出力命令とともに、赤外線パターンの情報及び相対位置情報を赤外線出力装置4070に送信する(S9)。
続いて、赤外線出力装置4070が、赤外線の出力命令とともに、赤外線パターンの情報及び相対位置情報を受信すると(S10)、相対位置情報に基づいて、対応する制御機器4010に向けて姿勢を変更する(S11)。そして、赤外線出力装置4070が、受信した赤外線パターンの情報に基づいて制御機器(第1タイプの機器)4010に向けて赤外線を出力する(S12)。
一方、上記ステップS6と並行して、情報処理装置4100は、制御内容が第2タイプの機器4020に関するものであると特定した場合(S13-Yes)、制御内容に基づいて制御機器(第2タイプの機器)4020をネットワークNW経由で制御する(S14)。
上記ステップS6,S13において、情報処理装置4100は、制御内容が第1タイプの機器4010及び第2タイプの機器4020に関するものであると特定できない場合には、処理を終了する(S6-No,S13-No)。
なお、上記ステップS6~S9の処理と、ステップS13,S14の処理とは順不同であり、いずれを先に処理してもよいものである。
(4)特徴
以上説明したように、本実施形態に係る制御システム4001は、入力受付装置4060と、赤外線出力装置4070と、情報処理装置4100とを備える。ここで、入力受付装置4060は、ユーザ4005から制御機器4010,4020に対する制御指示を音声入力により受け付ける。赤外線出力装置4070は、制御機器4010,4020に赤外線を出力する。情報処理装置4100は、入力解析部4110、制御内容特定部4120、第1制御部4130、第2制御部4135を有する。入力解析部4110は、入力受付装置4060から受信する入力の内容を解析する。制御内容特定部4120は、入力解析部4110による解析結果から、制御機器及び制御指示を示す制御内容を特定する。第1制御部4130は、制御内容特定部4120により第1タイプの機器4010に関する制御内容が特定された場合、その制御内容に対応する赤外線パターンを赤外線出力装置4070に送信する。第2制御部4135は、制御内容特定部4120により第2タイプの機器4020に関する制御内容が特定された場合、その制御内容に基づいて第2タイプの機器4020をネットワークNW経由で制御する。
したがって、本実施形態に係る制御システム4001では、赤外線パターンの出力により制御可能な第1タイプの機器4010、及び、ネットワークNW経由で制御可能な第2タイプの機器4020を制御することができる。
さらに、本実施形態に係る制御システム4001では、ネットワークNW上の情報処理装置4100が、音声入力の解析結果から、赤外線出力装置4070に赤外線の出力命令を送信することができる。ここで、音声入力により機器を制御しようとする場合、情報処理量が膨大となることがある。このような場合であっても、制御システム4001では、ネットワークNW上に構築されたニューラルネットワーク等を実現する情報処理装置4100を用いることで、音声解析を高精度に実行することができる。これにより、音声入力であっても制御機器4010,4020及び制御指示を細かく特定することができる。結果として、任意の機器を容易に制御し得る制御システム4001を提供できる。
なお、本実施形態に係る制御システム4001では、ネットワークNW上の情報処理装置4100が、赤外線パターンDB4104Aを有しており、赤外線の出力信号のパターンと所定の制御内容との対応関係を制御機器毎に記憶している。これにより、赤外線の出力信号のパターンの変更・更新・追加等を一括で設定することができる。ただし、本実施形態に係る制御システム4001において、赤外線パターンDB4104Aの情報は、情報処理装置4100ではなく、各赤外線出力装置4070の記憶部が記憶する構成であってもよい。
(5)入力選択機能の追加
(5-1)制御システム4001の構成
本実施形態に係る制御システム4001では、複数の制御指示の入力があった場合に、入力選択機能を追加することができる。例えば、図30に概念を示すように、複数のユーザ4005a,4005bが制御機器4020に対して同じ制御指示を入力したり、同一のユーザ4005bが複数の入力受付装置4060b,4060Sを用いて制御機器4020に対して同じ制御指示を入力したりする場合がある。このような場合でも、本実施形態に係る制御システム4001では、複数の入力のうち一の入力を選択して、選択した入力に基づいて制御機器4020を制御できる。
具体的には、情報処理装置4100の記憶部4104が「入力受付条件データベース(DB4)104R」「選択条件データベース(DB4)104S」を記憶する。
入力受付条件DB4104Rは、入力受付装置4060及び/又は入力の種類に応じて、入力を受け付けるか否を示す入力条件を記憶する。なお、入力受付条件はユーザ4005を識別するユーザ情報に関連付けて設定される。また、入力受付条件はユーザが情報処理装置4100にアクセス可能な任意の装置により設定可能なものである。
選択条件DB4104Sは、複数の入力が同一時間帯になされた場合に、それらのうちから一の入力を選択するための選択条件を記憶している。例えば、選択条件は、音声入力を、音声入力以外の入力より優先する、又は、音声以外による入力を、音声入力より優先する等の決定するための情報である。さらに詳しくは、選択条件は、入力の種類として、「テレビの電源オン」といった内容であれば、音声入力が他の入力手段による入力に比して優先される等の情報である。また、選択条件は、例えば、入力受付装置4060が「音声入力受付装置4060S」である場合には、他の入力受付装置4060a,4060bからの入力に比して優先される等の情報である。
また、情報処理装置4100では、図31に示すように、処理部4105が、「入力選択部4121」「選択結果報知部4122」としてさらに機能する。
入力選択部4121は、一の入力に対して制御内容特定部4120により特定された制御内容と、他の入力に対して制御内容特定部4120により特定された制御内容とを比較し、両者が同一であるか否かを判定する。そして、入力選択部4121は、これらの情報が同一であると判定した場合、選択条件DB4104Sに記憶された情報に基づいて、いずれか一方の入力を選択する。例えば、入力選択部4121は、一の入力が音声によるものであり、他の入力が音声以外のものである場合、音声による入力を優先する。
選択結果報知部4122は、入力選択部4121による選択結果を報知するものである。具体的には、選択結果報知部4122は、入力受付装置4060を介して、選択された入力に関する情報を音声出力で報知する。また、選択結果報知部4122は、入力受付装置4060を介して、選択されなかった入力に関する情報を報知する。
(5-2)制御システム4001の動作
図32は本実施形態に係る制御システム4001の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、ユーザ4005が入力受付装置4060を用いて、制御機器4010,4020に対して制御命令を入力する(X1)。入力受付装置4060は、受け付けた制御命令を情報処理装置4100に送信する。
情報処理装置4100は、制御命令を受け付けてから所定時間が経過するまで待機する(X2-No)。
次に、情報処理装置4100は、待機していた間に同じ制御指示の入力があったか否かを判定する(X3)。そして、情報処理装置4100は、同じ制御指示の入力があったと判定した場合は、選択条件DB4104Sの情報に基づいて、一の入力を選択する(X3-Yes,X4)続いて、情報処理装置4100は、選択された入力に基づいて制御機器4010,4020に対して出力命令を送信する(X5)。
一方、情報処理装置4100は、同じ制御指示の入力がなかったと判定した場合は、一の入力のみが行われたと判定し、その入力に基づいて制御機器4010,4020に対して出力命令を送信する(X3-No,X5)。
(5-3)特徴
(5-3-1)
以上説明したように、本実施形態に係る制御システム4001は、入力受付装置4060(入力受付部)と、入力選択部4121と、第1制御部4130又は第2制御部4135(出力命令送信部)と、を備える。入力受付装置4060(入力受付部)は、制御機器4010,4020に対する制御指示の入力を、少なくとも音声入力により受け付けるものである。入力選択部4121は、入力受付装置4060が、一の制御機器4010,4020に対して同じ内容の制御指示の入力を複数受け付けた場合、複数の入力のうちから一の入力を選択する。第1制御部4130又は第2制御部4135は、入力選択部4121により選択された入力に対応する制御指示に基づいて制御機器4010,4020に出力命令を送信する。
したがって、本実施形態に係る制御システム4001では、一の制御機器4010,4020に対して同じ内容の制御指示を示す複数の入力を受け付けた場合、複数の入力のうちから一の入力を選択し、選択した入力に対応する制御指示に基づいて制御機器4010,4020を制御するので、制御機器を正常に制御することができる。結果として、信頼性の高い制御システム4001を提供することができる。
なお、入力選択部4121、例えば、音声入力による制御指示を優先する。これにより、音声入力により機器を制御する制御システムの実効性を高めることができる。一方、入力選択部4121は、例えば、音声入力以外の入力による制御指示を優先するものでもよい。これにより、音声入力以外の入力により機器を制御する制御システム4001の実効性を高めることができる。
(5-3-2)
本実施形態に係る制御システム4001は、入力選択部4121が、一の制御指示の入力を受けてから所定時間以内に受けた制御指示の入力のうちから、一の入力を選択する。これにより、所定時間経過後の制御指示を受け付けないので、システムの負荷を低減することができる。
(5-3-3)
本実施形態に係る制御システム4001は、入力選択部4121による選択結果を報知する選択結果報知部4122をさらに備える。これにより、ユーザ4005に対して、制御機器4010,4020の制御状態を認識させることができる。ここで、選択結果報知部4122は、選択結果を音声出力で報知するものでもよい。これにより、ユーザ4005に対して、制御機器4020の制御状態を音声で認識させることができる。また、選択結果報知部4122は、選択されなかった入力に関する情報を報知するものでもよい。これにより、重複した制御指示を行ったユーザ4005に対して、制御機器4010,4020において実行されない制御を認識させることができる。
(5-3-4)
本実施形態に係る制御システム4001は、複数の入力が一以上の入力受付装置により行われるものであり、入力受付装置及び/又は入力の種類に応じて、入力を受け付けるか否の入力受付条件を示す入力受付条件DB4104Rを有する。そして、入力選択部4121は、選択条件DB4104Sの選択条件に代えて、又は、選択条件DB4104Sの選択条件に加えて、入力受付条件DB4104Rに基づいて一の入力を選択してもよい。これにより、入力受付の設定がなされている入力受付装置からの制御指示に基づいて制御機器4010,4020を制御し得る制御システム4001を提供できる。換言すると、入力受付の設定がなされていない入力受付装置からの制御指示に基づいて制御機器4010,4020が制御されるのを回避し得る制御システム4001を提供できる。
(5-3-5)
上記説明においては、一の制御指示の入力を受けてから所定時間以内の入力のうちから、一の入力を選択するものとした。しかしながら、本実施形態に係る制御システムはこのようなものに限定されるものではない。本実施形態に係る制御システムは、一の制御指示の入力を受けたときに、その入力時刻から所定時間前に受けた入力履歴を参照し、優先設定された入力を選択するものでもよい。
例えば、音声入力が優先設定されている場合に、スマートデバイスからのタッチ入力がされた場合、そのスマートデバイスのタッチ入力の入力時刻前の所定時間以内の入力履歴を参照する。そして、入力履歴に音声入力が存在する場合には、スマートデバイスよりも音声入力を優先して選択する。
要するに、本実施形態に係る制御システム4001は、入力選択部4121が、一の制御指示の入力を受けたときに、入力時刻から前後の所定時間以内に受けた制御指示の入力のうちから、一の入力を選択するものであればよい。
これにより、入力時刻後の所定時間内に受け付けた制御指示の入力のうちから一の入力を選択した場合、所定時間経過後の制御指示を受け付けないので、システムの負荷を低減することができる。さらに、入力時刻前の所定時間内に受け付けた制御指示の入力のうちから一の入力を選択した場合、所定時間経過前の制御指示を参照するので、自由度の高いシステムを提供することができる。
補足すると以下のような優先設定が可能となる。例えば、時刻t1,t2,t3の順に入力A1,A2,A3が行われ、A1>A2,A2>A3,A3>A1の優先順位があるとする。所定時間後の入力のみを考慮した場合、入力A1と入力A2がなされると、入力A1が選択される。その後、入力A3がなされると、最終的には入力A3が選択されることになる。一方、所定時間前の入力も考慮した場合、入力A1と入力A2がなされると、入力A1が選択される。その後、入力A3がなされると、所定時間の設定によっては、入力A2と入力A3の比較が行われ、最終的に入力A2が選択されることがある。
(5-4)変形例
上記実施形態では、入力選択部4121は、入力受付装置4060が一の制御機器4010,4020に対して同じ内容の制御指示の入力を複数受け付けた場合に、複数の入力のうちから一の入力を選択する。しかし、これに限定されるものではない。
例えば、入力選択部4121は、入力受付装置4060が、一の制御機器4010,4020に対して同じ内容の制御指示の入力を複数受け付けた場合だけではなく、一の制御機器4010,4020に対して異なる内容の制御指示の入力を複数受け付けた場合についても、複数の入力のうちから一の入力を選択するように構成されてもよい。この場合には、入力選択部4121は、図32のフローチャートのステップX3において、ステップX2の期間に待機していた間に(同一であるか否かに係わらず)更に制御指示の入力があったか否かを判定する。そして、入力選択部4121は、待機期間中に更に制御指示の入力があったと判定した場合に、選択条件DB4104Sや入力受付条件DB4104Rの情報に基づいて、一の入力を選択するように構成される。なお、この場合に入力選択部4121が用いる選択条件には、上で例示した選択条件に加え、(入力受付装置の種類によらず)ある種類の内容の制御指令を他の種類の内容の制御指令に比べて優先するというような条件が含まれてもよい。
一の制御機器4010,4020に対して異なる内容の制御指示の入力を複数受け付けた場合に、複数の入力のうちから一の入力を選択するように制御システム4001が構成されることで、例えば、制御機器4010,4020の制御が頻繁に変更されたり、短い間隔で相矛盾するような制御が行われたりする事態の発生を抑制できる。
さらに他の例では、入力選択部4121は、入力受付装置4060が、一の制御機器4010,4020に対して異なる内容の制御指示の入力を複数受け付けた場合にだけ、複数の入力のうちから一の入力を選択するように構成されてもよい。
<第12実施形態>
以下では、図面を参照しながら、第12実施形態に係る機器制御システム5001について説明する。
(1)機器制御システムを含む機器システムの概要
図33は、機器制御システム5001を含む機器システム5000の概略構成図である。図34は、機器システム5000の概略ブロック図である。なお、図34では、機器システム5000の一部構成については描画を省略している。
機器システム5000は、機器制御システム5001、解析サーバ5020、給湯熱源機5010、赤外線操作機器群5050、及び、ネットワーク接続機器群5060を主に有する(図33参照)。機器制御システム5001は、主に、制御装置5200と、浴室5000B1内に配置される浴室内操作部5300と、浴室5000B1外の居室に配置される居室側操作部5400を含む。
機器制御システム5001は、音声による指示(指示音声)に基づき、給湯熱源機5010、赤外線操作機器群5050に含まれる機器5050a,5050b,・・・5050n、及び、ネットワーク接続機器群5060に含まれる機器5060a,5060b,・・・5060mを制御するシステムである。
具体的には、機器制御システム5001では、制御装置5200は、浴室内操作部5300が有するマイク5310(図34参照)が受け付ける指示音声に基づいて、浴室外機器の例である、赤外線操作機器群5050の機器及びネットワーク接続機器群5060の機器を制御する。また、機器制御システム5001では、制御装置5200は、浴室内操作部5300が有するマイク5310が受け付ける指示音声に基づいて、給湯熱源機5010を制御する。つまり、機器制御システム5001を利用する利用者は、浴室5000B1内から、様々な機器を制御することができる。
さらに、機器制御システム5001では、制御装置5200は、居室側操作部5400に設けられた居室側マイク5410(図34参照)が受け付ける指示音声(指示入力)に基づいて、浴室外機器の例である、赤外線操作機器群5050の機器及びネットワーク接続機器群5060の機器を制御する。
機器制御システム5001の制御対象である、給湯熱源機5010、赤外線操作機器群5050の機器、及びネットワーク接続機器群5060の機器は、建物5000Bに配置される機器である(図33参照)。例えば、建物5000Bは一戸建ての住宅であるが、これに限定されるものではない。建物5000Bは、集合住宅の一戸であってもよい。建物5000Bに配置される給湯熱源機5010、赤外線操作機器群5050の機器、及びネットワーク接続機器群5060の機器のそれぞれの台数は、図33に描画された台数によらず、1台でも複数でもよい。なお、ここでは、建物5000Bに配置される給湯熱源機5010の台数は1台で、建物5000Bに配置される赤外線操作機器群5050及びネットワーク接続機器群5060の機器の台数はそれぞれ複数であるとして説明する。なお、赤外線操作機器群5050及びネットワーク接続機器群5060の機器は、建物5000B内の複数の部屋に分けて設けられてもよいし、1部屋に設けられてもよい。
浴室内操作部5300は、建物5000B内の浴室5000B1に設置される。本実施形態では浴室5000B1は建物5000B内に1箇所で、浴室内操作部5300は1台である。ただし、これに限定されるものではなく、建物5000B内に複数の浴室5000B1があり、それぞれの浴室5000B1内に浴室内操作部5300が配置されもよい。
居室側操作部5400は、建物5000B内であって、浴室5000B1外の居室に設置される。居室側操作部5400は、例えば台所に設置される。ただし、居室側操作部5400の設置場所は台所に限定されず、他の部屋(例えば、リビングルーム)に設置されてもよい。本実施形態では居室側操作部5400は1台である。ただし、これに限定されるものではなく、建物5000B内に複数の居室側操作部5400が配置されもよい。
解析サーバ5020は、限定するものではないが、通常、建物5000Bとは別の場所に設置される。例えば、解析サーバ5020は、複数の建物(図示せず)にそれぞれ設置される機器制御システム5001で共用されてもよい。
(2)詳細構成
給湯熱源機5010と、赤外線操作機器群5050と、ネットワーク接続機器群5060と、機器制御システム5001(浴室内操作部5300、居室側操作部5400、及び制御装置5200)と、解析サーバ5020と、について以下に説明する。
(2-1)給湯熱源機
給湯熱源機5010は、浴室5000B1に温水を供給する装置である。給湯熱源機5010は、ヒートポンプ式の給湯器であってもよいし、ガス給湯器であってもよい。
給湯熱源機5010は、浴室5000B1外に配置される。
給湯熱源機5010は、図示しない無線LANアダプタを有し、後述するルータ5082と無線LAN接続されていることが好ましい。また、給湯熱源機5010は、後述するルータ5082と有線LAN接続されていてもよい。そして、給湯熱源機5010は、後述するネットワーク5080を介して、制御装置5200と通信可能に接続されていることが好ましい。給湯熱源機5010は、制御装置5200が、後述する浴室内操作部5300のマイク5310や、後述する居室側操作部5400の居室側マイク5410が受け付ける指示音声に基づいて制御することができるように構成されることが好ましい。
また、給湯熱源機5010は、浴室内操作部5300及び居室側操作部5400と通信可能に接続されていることが好ましい。例えば、給湯熱源機5010は、浴室内操作部5300及び居室側操作部5400と無線接続される。ただし、給湯熱源機5010と、浴室内操作部5300及び居室側操作部5400との接続方法は無線接続に限定されるものではなく、給湯熱源機5010は、有線(リモコンケーブル)で、浴室内操作部5300及び居室側操作部5400と接続されていてもよい。そして、給湯熱源機5010は、浴室内操作部5300や居室側操作部5400に設けられた操作ボタン(図示省略)の入力によっても(制御装置5200を介さずに)制御可能に構成されていてもよい。
(2-2)赤外線操作機器群
赤外線操作機器群5050の機器5050a,5050b,・・・5050nは、浴室外機器の一例である。また、赤外線操作機器群5050の機器5050a,5050b,・・・5050nは、赤外線操作機器の一例である。赤外線操作機器群5050の機器5050a,5050b,・・・5050nは、赤外線信号により操作可能な機器である。
赤外線操作機器群5050の機器5050a,5050b,・・・5050nは、限定するものではないが、例えば、扇風機、照明機器、オーディオ機器、電子レンジ、空調機等を含む。赤外線操作機器群5050の機器5050a,5050b,・・・5050nは、後述するネットワーク5080に接続されていなくてもよい。
赤外線操作機器群5050の機器5050a,5050b,・・・5050nは、浴室内操作部5300や居室側操作部5400に対する指示音声の入力に基づき、居室側操作部5400の赤外線信号送信部5040から送信される赤外線信号により操作可能である。赤外線信号で操作可能な内容には、例えば、機器5050a,5050b,・・・5050nのオン/オフや、空調機であれば温度設定や、オーディオ機器であれば再生する曲の選択やボリューム調節等を含む。
なお、赤外線操作機器群5050の機器5050a,5050b,・・・5050nは、音声操作に加えて(指示音声に応じて赤外線信号送信部5040から送信される赤外線信号による操作に加えて)、一般的な赤外線リモコンや、機器5050a,5050b,・・・5050nの本体に設けられたスイッチによって操作可能に構成されていてもよい。
(2-3)ネットワーク接続機器群
ネットワーク接続機器群5060の機器5060a,5060b,・・・5060mは、浴室外機器の一例である。ネットワーク接続機器群5060の機器5060a,5060b,・・・5060mは、限定するものでは無いが、例えば、テレビ、DVDレコーダ、洗濯機、冷蔵庫、空調機、撮像の向きを変更可能なカメラ等を含む。
ネットワーク接続機器群5060の機器5060a,5060b,・・・5060mは、図示しない無線LANアダプタを有し、ルータ5082を介して後述するネットワーク5080と接続されている(図33参照)。ネットワーク接続機器群5060の機器5060a,5060b,・・・5060mは、ネットワーク5080を介して、制御装置5200と通信可能に接続されている。なお、ネットワーク接続機器群5060の機器5060a,5060b,・・・5060mとルータ5082とは、無線LANではなく、有線LANで接続されてもよい。
ネットワーク接続機器群5060の機器5060a,5060b,・・・5060mは、浴室内操作部5300や居室側操作部5400に対する指示音声に基づき、制御装置5200から送信される指令5000Cにより制御される機器である。制御装置5200から制御可能な内容には、例えば、機器5060a,5060b,・・・5060mのオン/オフや、空調機であれば温度設定や、DVDレコーダであれば録画予約設定や、カメラであれば撮像方向の調整等を含む。
なお、ネットワーク接続機器群5060の機器5060a,5060b,・・・5060mは、音声操作に加えて(指示音声に応じてネットワーク5080を介して送信されてくる指令5000Cによる操作に加えて)、一般的に用いられているリモコンや、機器5060a,5060b,・・・5060mの本体に設けられたスイッチによっても操作可能に構成されていてもよい。
(2-4)機器制御システム
(2-4-1)浴室内操作部
浴室内操作部5300は、浴室5000B1内に設置され、浴室外機器(赤外線操作機器群5050の機器及びネットワーク接続機器群5060の機器)や、給湯熱源機5010に対して指示を与えることが可能な遠隔操作機器である。特に、ここでは、浴室内操作部5300は、マイク5310を有し、マイク5310に指示音声を入力することで、浴室外機器や給湯熱源機5010を操作することが可能である。
浴室内操作部5300は、例えば、浴室5000B1の壁に取り付けられている。
浴室内操作部5300は、居室側操作部5400と通話可能に接続されている。浴室5000B1内の人は、浴室内操作部5300を用いて、浴室5000B1外の居室に居る人(居室側操作部5400の近くに居る人)と通話することができる。また、浴室内操作部5300は、制御装置5200と通信可能に接続されている。浴室内操作部5300と、居室側操作部5400及び制御装置5200との接続は、例えば無線接続である。ただし、これに限定されるものではなく、浴室内操作部5300と、居室側操作部5400及び制御装置5200との接続は、有線接続であってもよい。
浴室内操作部5300は、図示しないCPUや、CPUが実行するプログラム等を記憶する図示しない記憶装置と、を有する。浴室内操作部5300は、CPUがプログラムを実行することで各種処理や制御を行う。例えば、浴室内操作部5300は、CPUがプログラムを実行することで切換部5330として機能する。なお、浴室内操作部5300の切換部5330としての機能は、ソフトウェアではなく、ハードウェアにより実現されてもよい。また、浴室内操作部5300は、マイク5310,スピーカ5320,スイッチ5340を有する(図34参照)。また、浴室内操作部5300は、居室側操作部5400及び制御装置5200との通信を可能にする通信デバイスを有している。また、例えば、浴室内操作部5300により操作される浴室外機器がカメラ等の撮像装置を含むような場合には、浴室内操作部5300は、ディスプレイを有していてもよい。
(2-4-1-1)マイク
マイク5310は、給湯熱源機5010、赤外線操作機器群5050の機器5050a,5050b,・・・5050n又はネットワーク接続機器群5060の機器5060a,5060b,・・・5060mに対する指示音声の入力を受け付ける。また、マイク5310は、居室側操作部5400と通話の際、通話用音声(通常の会話)の入力を受け付ける。
(2-4―1-2)スピーカ
スピーカ5320は、各種音声の出力に用いられる。
スピーカ5320は、例えば居室側操作部5400との通話の際に、通話先の居室側操作部5400に入力された通話用音声を出力する。
また、スピーカ5320は、マイク5310が給湯熱源機5010や浴室外機器等に対する指示音声を受け付けた時に、指示を受け付けたことを音声で報知する(例えば、“指示音声を受け付けました”という文章を音声で出力する)。また、例えば、スピーカ5320は、マイク5310に入力された指示音声に応じて給湯熱源機5010や浴室外機器が操作される時に、機器が操作に応じて動作したことを音声で報知する(例えば、“空調機が運転を開始しました”という文章を音声で出力する)。
(2-4-1-3)切換部
切換部5330は、浴室内操作部5300の動作モードを切り換える。
初めに、浴室内操作部5300の動作モードについて説明する。
浴室内操作部5300は、第1モードと第2モードとの2つの動作モードを有する。
第1モードは、マイク5310が受け付けた音声を指示音声として利用するモードである。具体的には、浴室内操作部5300の動作モードとして第1モードが選択されると、マイク5310に入力された音声は、制御装置5200へと送信される。
第2モードは、マイク5310が受け付けた音声を居室側操作部5400との通話用音声として利用するモードである。具体的には、浴室内操作部5300の動作モードとして第2モードが選択されると、マイク5310が受け付けた音声は、居室側操作部5400へと送信される。
ここでは、第1モード及び第2モードのいずれの動作モードが選択された場合であっても、浴室内操作部5300からはアナログの音声信号が送信される。ただし、動作モードによって、浴室内操作部5300から異なる形式の信号が送信されてもよい。例えば、動作モードとして第1モードが選択された場合、A/D変換されたデジタルの音声信号が浴室内操作部5300から制御装置5200へと送信され、動作モードとして第2モードが選択された場合には、浴室内操作部5300から居室側操作部5400へと(A/D変換されていない)アナログの音声信号が送信されてもよい。
切換部5330は、スイッチ5340が受け付けるモード変更指令に基づいて、浴室内操作部5300の動作モードを、第1モードと第2モードとの間で切り換える。
(2-4-1-4)スイッチ
スイッチ5340は、浴室内操作部5300の動作モードの変更を指示するモード変更指令を受け付ける指令受付部の一例である。限定するものではないが、スイッチ5340は押釦スイッチである。ここでは、スイッチ5340が押下されることが、モード変更指令の受付に相当する。
(2-4-2)居室側操作部
居室側操作部5400は、浴室5000B1外の居室に配置される。居室側操作部5400は、例えば台所に配置される。居室側操作部5400は、浴室内操作部5300と同様に、浴室外機器や給湯熱源機5010に対して指示を与えることが可能な遠隔操作機器である。特に、ここでは、居室側操作部5400は、居室側マイク5410を有し、居室側マイク5410に指示音声を入力することで、浴室外機器や給湯熱源機5010を操作することが可能である。
居室側マイク5410は、例えば、居室の壁に取り付けられている。なお、居室側操作部5400は、後述するように赤外線信号の発信装置としても用いられるため、好ましくは、赤外線信号を赤外線操作機器群5050の機器に送信する上で障害物となる物が少ない場所に配置されることが好ましい。
居室側操作部5400は、図示しないCPUや、CPUが実行するプログラム等を記憶する図示しない記憶装置と、を有する。居室側操作部5400は、CPUがプログラムを実行することで各種処理や制御を行う。例えば、居室側操作部5400は、CPUがプログラムを実行することで切換部5430として機能する。なお、居室側操作部5400の切換部5430としての機能は、ソフトウェアではなく、ハードウェアにより実現されてもよい。また、居室側操作部5400は、居室側マイク5410、居室側スピーカ5420、切換部5430、スイッチ5440、及び赤外線信号送信部5040を有する(図34参照)。また、居室側操作部5400は、浴室内操作部5300及び制御装置5200との通信を可能にする通信デバイスを有している。また、例えば、居室側操作部5400により操作される浴室外機器がカメラ等の撮像装置を含むような場合には、居室側操作部5400は、ディスプレイを有していてもよい。
居室側操作部5400は、浴室内操作部5300と通話可能に接続されている。また、居室側操作部5400は、制御装置5200と通信可能に接続されている。居室側操作部5400と、浴室内操作部5300及び制御装置5200との接続は、例えば無線接続である。ただし、これに限定されるものではなく、居室側操作部5400と、浴室内操作部5300及び制御装置5200との接続は、有線接続であってもよい。
なお、居室側マイク5410、居室側スピーカ5420、切換部5430及びスイッチ5440は、それぞれ、浴室内操作部5300のマイク5310、スピーカ5320、切換部5330及びスイッチ5340と同様の構成である。そのため、ここでは、居室側マイク5410、居室側スピーカ5420、切換部5430及びスイッチ5440についての説明は重複を避けるために省略する。
(2-4-2-1)赤外線信号送信部
赤外線信号送信部5040は、赤外線信号により操作可能な赤外線操作機器、すなわち赤外線操作機器群5050の機器5050a,5050b,・・・,5050nに対し赤外線信号を送信する送信機である。
赤外線信号送信部5040は、制御装置5200の送信する、浴室内操作部5300又は居室側操作部5400に対する指示音声に基づいた赤外線信号の送信指令5000Iを受信すると、赤外線操作機器群5050の機器5050a,5050b,・・・5050nの機器に対し赤外線信号を送信する。
より具体的に説明する。
まず、赤外線信号の送信指令5000Iは、赤外線信号送信部5040に対する赤外線信号の送信要求である。なお、赤外線信号の送信指令5000Iには、赤外線操作機器群5050の機器5050a,5050b,・・・5050nの中のどの機器に対し赤外線信号を送信するのかという情報と、赤外線信号の送信対象の機器にどのような動作を指示するのかという情報(赤外線信号の送信対象の機器に対する操作内容の情報)と、を含んでいる。
制御装置5200が送信する赤外線信号の送信指令5000Iは、制御装置5200から居室側操作部5400へと無線あるいは有線で送られてくる。赤外線信号送信部5040は、図示しない居室側操作部5400の通信デバイスを介して赤外線信号の送信指令5000Iを受信する。
居室側操作部5400の図示しない記憶装置には、赤外線操作機器群5050の機器5050a,5050b,・・・5050nの機器別かつ操作内容別に、制御用の赤外線信号のパターンが記憶されている。赤外線信号送信部5040は、送信指令5000Iを受信すると、居室側操作部5400の図示しない記憶部に記憶されている赤外線信号のパターンを利用して、操作対象である赤外線操作機器群5050の機器5050a,5050b,・・・5050nに対し赤外線信号を送信する。
(2-4-3)制御装置
制御装置5200は、浴室内操作部5300のマイク5310が受け付ける指示音声に基づいて、浴室外機器(赤外線操作機器群5050及びネットワーク接続機器群5060の機器)を制御する。また、制御装置5200は、居室側操作部5400の居室側マイク5410が受け付ける指示音声に基づいて、浴室外機器を制御する。また、制御装置5200は、浴室内操作部5300のマイク5310及び居室側操作部5400の居室側マイク5410が受け付ける指示音声に基づいて、給湯熱源機5010も制御する。
制御装置5200は、浴室内操作部5300及び居室側操作部5400と通信可能に接続されている。制御装置5200と浴室内操作部5300及び居室側操作部5400との接続は、ここでは無線接続であるが、有線接続であってもよい。なお、制御装置5200は、浴室内操作部5300又は居室側操作部5400の一方と一体に形成されていてもよい。また、制御装置5200は、浴室内操作部5300及び居室側操作部5400とは別体の装置であってもよい。
また、制御装置5200は、ネットワーク5080を介して、解析サーバ5020、ネットワーク接続機器群5060の機器、及び、給湯熱源機5010と通信可能に接続されている。
制御装置5200は、各種処理を実行するCPU(図示省略)と、CPUによって実行されるプログラムや各種情報を記憶する記憶装置(図示省略)と、を含むコンピュータである。CPUがプログラムを実行することで、制御装置5200は、各種の処理を行う。なお、制御装置5200がソフトウェアにより実行する各種の処理は、ハードウェアにより実現されてもよい。
また、制御装置5200は、浴室内操作部5300や居室側操作部5400から送信されてくる音声データに対して各種処理を行う音声処理用のチップや、通信部5250として機能する無線LANアダプタ等を含む。
制御装置5200は、機能部として、音声処理部5230と、通信部5250と、制御部5210とを主に有する(図34参照)。
(2-4-3-1)音声処理部
音声処理部5230は、浴室内操作部5300及び居室側操作部5400から音声データを受け付けると(浴室内操作部5300のマイク5310及び居室側操作部5400の居室側マイク5410が受け付けた指示音声の音声データを受け付けると)、音声データを処理して信号5000Sを生成する。
例えば、音声処理部5230は、浴室内操作部5300及び居室側操作部5400から受け付けたアナログの音声データ(指示音声)をA/D変換し、更に好ましくは、各種音声データ圧縮方式(例えばMP3等)を用いて音声圧縮して信号5000Sを生成する。他の例では、音声処理部5230は、指示音声をテキスト化した信号5000Sを生成してもよい。
(2-4-3-2)通信部
通信部5250は、制御装置5200が、解析サーバ5020、ネットワーク接続機器群5060の機器、及び、給湯熱源機5010等と通信を行うための機能部である。
制御装置5200は、通信回線の一例であるネットワーク5080を介して、解析サーバ5020、ネットワーク接続機器群5060の機器、及び、給湯熱源機5010と接続されている。
ネットワーク5080は、ここではインターネットであるが、他のWANであってもよい。制御装置5200は、ルータ5082と無線LANにより接続され、ルータ5082を介してネットワーク5080と接続されている(図33参照)。通信部5250は、例えば、ルータ5082との間で無線通信を行う無線LANアダプタである。ルータ5082は、WAN側のインターフェースと、LAN側のインターフェースとを有し、WANとLANを相互接続させる。なお、制御装置5200とルータ5082とは、無線LANではなく、有線LANで接続されてもよい。また、ネットワーク5080はLANであってもよい。
通信部5250は、音声処理部5230が生成した信号5000S(すなわち、浴室内操作部5300のマイク5310及び居室側操作部5400の居室側マイク5410が受け付けた指示音声)を、音声認識装置の一例としての解析サーバ5020に対し、ネットワーク5080を介して送信する(図34参照)。つまり、通信部5250は、音声情報送信部の一例である。
また、通信部5250からは、後述する制御部5210が指示音声に基づき生成する浴室外機器に対する指令5000Cを、ネットワーク5080を介して、浴室外機器に送信する。また、通信部5250からは、後述する制御部5210が指示音声に基づき生成する給湯熱源機5010に対する指令5000Cが、ネットワーク5080を介して、給湯熱源機5010に送信される。
また、通信部5250は、解析サーバ5020による信号5000Sの認識結果(すなわち、浴室内操作部5300のマイク5310及び居室側操作部5400の居室側マイク5410が受け付けた指示音声の認識結果)をテキスト情報5000Tとして受信する。テキスト情報5000Tは、例えば、“空調機の運転開始”や、“DVDレコーダで、XチャンネルをY時~Z時まで録画するよう予約する”という様な内容である。ただし、ここに示すテキスト情報5000Tの内容は、説明のためのものであり、特に例示する内容に限定されるものではない。
(2-4-3-3)制御部
制御部5210は、解析サーバ5020による指示音声の認識結果(すなわちテキスト情報5000T)に基づいて、給湯熱源機5010や、浴室外機器(赤外線操作機器群5050及びネットワーク接続機器群5060の機器)を制御する。
制御部5210は、制御装置5200の図示しない記憶装置に記憶されている情報を参照して、テキスト情報5000Tに基づき、給湯熱源機5010や浴室外機器を制御する。
なお、制御装置5200の記憶装置には、例えば以下の情報が記憶されている。
記憶装置には、CPUにより実行されるプログラムの他、制御装置5200の操作対象の機器(給湯熱源機5010、赤外線操作機器群5050の機器、及び、ネットワーク接続機器群5060の機器)のリストが記憶されている。なお、記憶装置には、制御装置5200の操作対象の機器のそれぞれと関連付けて1つ以上のキーワードが記憶されていることが好ましい。なお、キーワードとは、そのキーワードと関連付けられた機器に関するテキスト情報5000Tに、含まれている可能性の高い語を意味する。例えば、限定するものではないが、記憶装置には、給湯熱源機5010と関連付けて“給湯温度”というキーワードが記憶されている。また、記憶装置には、制御装置5200の操作対象の機器別に、その機器に対して指示することが可能な内容(操作可能な内容)が記憶されている。
また、制御装置5200の記憶装置には、給湯熱源機5010又はネットワーク接続機器群5060の機器のいずれかに、ある動作の実行を指示する時に、どのような信号(指令5000C)をその機器に送信すればよいかが、機器別かつ操作内容別(指示内容別)に記憶されている。また、制御装置5200の記憶装置には、赤外線操作機器群5050の機器のいずれかに、ある動作の実行を指示する時に、どのような信号(赤外線信号の送信指令5000I)を居室側操作部5400の赤外線信号送信部5040に送信すればよいかが、機器別かつ操作内容別(指示内容別)に記憶されている。
制御部5210は、通信部5250がテキスト情報5000Tを受信すると、制御装置5200の記憶装置に記憶された情報を参照し、テキスト情報5000Tがどの機器に関する情報であるかを判断する(特定する)。制御部5210は、例えば、テキスト情報5000Tが、“給湯機”という名称や、給湯器に関するキーワード(例えば“給湯温度”)を含んでいる場合、そのテキスト情報5000Tが給湯熱源機5010に関する情報であると判断する。
また、制御部5210は、制御装置5200の記憶装置に記憶された情報を参照し、テキスト情報5000Tが、どのような動作の実行を機器に指示しているのかを更に判断する。同時に、制御部5210は、テキスト情報5000Tが指示する動作の内容が、機器が実行可能なものであるのかを判断する。例えば、具体的には、制御部5210は、テキスト情報5000Tが指示する動作の内容が、制御装置5200の記憶装置に記憶された、機器に対して指示することが可能な内容の中に含まれているかを判断する。
そして、制御部5210は、テキスト情報5000Tが、どの機器に関する情報であって、どのような動作の実行を機器に指示しているのかを特定し終わると、制御装置5200の記憶装置に記憶された情報を参照し、指令5000C(給湯熱源機5010又はネットワーク接続機器群5060の機器のいずれか向けの信号)、又は、送信指令5000I(赤外線操作機器群5050の機器を制御するために居室側操作部5400の赤外線信号送信部5040に送信する信号)を生成する。
そして、制御装置5200は、通信部5250から、送信先の機器(テキスト情報5000Tから特定された機器5010,5060a,5060b,・・・,5060m又は赤外線信号送信部5040)に、指令5000C又は送信指令5000Iを送信する。
つまり、制御装置5200は、浴室内操作部5300のマイク5310及び居室側操作部5400の居室側マイク5410が受け付けた指示音声に基づき、ネットワーク接続機器群5060の機器5060a,5060b,・・・5060mのいずれかの機器(対象浴室外機器と呼ぶ)に対する指令5000Cを、ネットワーク5080を介して対象浴室外機器と呼ぶに送信することで、対象浴室外機器を制御する。
また、制御装置5200は、浴室内操作部5300のマイク5310及び居室側操作部5400の居室側マイク5410が受け付けた指示音声に基づき、給湯熱源機5010に対する指令5000Cを、ネットワーク5080を介して給湯熱源機5010に送信することで、給湯熱源機5010を制御する。
また、制御装置5200は、浴室内操作部5300のマイク5310及び居室側操作部5400の居室側マイク5410が受け付けた指示音声に基づき、赤外線信号の送信指令5000Iを居室側操作部5400の赤外線信号送信部5040に対して送信することで、赤外線操作機器群5050の機器5050a,5050b,・・・5050nのいずれかを制御する。
なお、制御装置5200は、制御部5210が上記の判断を行った結果、テキスト情報5000Tに関連する機器を特定できなかった場合や、テキスト情報5000Tに含まれる指示内容が、特定されたテキスト情報5000Tに関連する機器には実行できない内容であった場合には、テキスト情報5000Tの元となる指示音声の入力のあった浴室内操作部5300又は居室側操作部5400に対し、その旨を報知する信号を送信してもよい。
(2-5)解析サーバ
解析サーバ5020は、少なくとも制御装置5200と、ネットワーク5080を介して通信可能に接続されている。
浴室内操作部5300又は居室側操作部5400が指示音声を受け付け、指示音声が制御装置5200へと送信されると、制御装置5200は、指示音声に基づく信号5000Sを、ネットワーク5080を介して解析サーバ5020に送信する(図34参照)。
解析サーバ5020は、記憶装置に記憶されているプログラムを実行することで、制御装置5200から送信されてくる信号5000Sを解析するコンピュータである。例えば、具体的には、解析サーバ5020は、受信した音声信号の音声認識を行う装置である。
解析サーバ5020は、例えば、信号5000Sとしての音声データを分析してその特徴量を求め、記憶装置に記憶された音響モデル、言語モデル及び発音辞書を含む音声認識辞書を利用して特徴量からテキスト情報5000Tを生成する。そして、解析サーバ5020は、浴室内操作部5300又は居室側操作部5400が受け付けた指示音声に基づく信号5000Sの認識結果であるテキスト情報5000Tを、信号5000Sを送信してきた制御装置5200に送信する。
なお、解析サーバ5020は、音声認識処理を実行する装置に限定されるものではなく、例えば、制御装置5200から送信されてくる指示音声に基づくテキストデータ形式の信号5000Sを認識するそうであってもよい。
(3)特徴
(3-1)
上記実施形態に係る機器制御システム5001は、浴室5000B1内に設置される浴室内操作部5300と、制御装置5200と、を備える。浴室内操作部5300は、マイク5310を有する。制御装置5200は、マイク5310が受け付ける指示音声に基づいて、浴室5000B1外に配置される、浴室外機器を少なくとも制御する。浴室外機器は、浴室に温水を供給する給湯熱源機5010とは異なる機器である。本実施形態では、赤外線操作機器群5050の機器5050a,5050b,・・・5050n及びネットワーク接続機器群5060の機器5060a,5060b,・・・5060mが浴室外機器の例である。
ここでは、浴室5000B1内のマイク5310が受け付ける指示音声で、浴室5000B1外に設置される給湯熱源機5010以外の各種機器の動作を制御できるため利便性が高い。
例えば、浴室5000B1内から浴室外機器の一例としての空調機を制御可能とすることで、風呂上がりの快適性が確保されやすくなる。また、例えば、浴室5000B1内から浴室外機器の一例としてDVDレコーダの録画予約設定を可能とすることで、録画予約を失念していたような場合にも、わざわざ一旦浴室5000B1から出ずとも録画の設定を行うことができる。また、例えば、浴室5000B1内から浴室外機器の一例としてのカメラの撮像位置等を変更可能とすることで、浴室5000B1に居ながらも子供やペット等の様子を確認することができる。
(3-2)
上記実施形態に係る機器制御システム5001では、制御装置5200は、指示音声に基づき、浴室外機器(特にここではネットワーク接続機器群5060の機器5060a,5060b,・・・5060m)に対する指令5000Cを、ネットワーク5080を介して浴室外機器に送信することで、浴室外機器を制御する。
本機器制御システム5001では、ネットワーク5080に接続された浴室外機器を浴室5000B1内から操作可能で、浴室外機器が制御信号線(リモコンケーブル等)で浴室内操作部5300と直接接続された機器でない場合であっても、システムの利用者は、浴室内に居ながらにして浴室外機器を制御して多様な希望を満たすことができる。
(3-3)
上記実施形態に係る機器制御システム5001は、居室側操作部5400を備える。居室側操作部5400は、浴室5000B1外の居室に配置される。居室側操作部5400は、居室側マイク5410及び居室側スピーカ5420を有する。居室側操作部5400は、浴室外機器に対する指示入力を受け付ける。制御装置5200は、居室側操作部5400が受け付けた指示入力に基づいて浴室外機器を制御する。浴室内操作部5300は、スピーカ5320を有する。浴室内操作部5300と居室側操作部5400とは通話可能に接続されている。
本機器制御システム5001では、居室側でも居室側操作部5400から各種の浴室外機器が制御可能である。さらに、浴室外機器に対する指示音声の入力用の浴室内操作部5300のマイク5310で、居室にいる人(居室側操作部5400の近くにいる人)と通話でき利便性が高い。
(3-4)
上記実施形態に係る機器制御システム5001では、浴室内操作部5300は、指令受付部の一例としてのスイッチ5340と、切換部5330と、を有する。スイッチ5340は、浴室内操作部5300の動作モードの変更を指示するモード変更指令を受け付ける。切換部5330は、モード変更指令に基づいて、浴室内操作部5300の動作モードを、第1モードと、第2モードと、の間で切り換える。第1モードでは、マイク5310が受け付けた音声が、指示音声として利用される。第2モードでは、マイク5310が受け付けた音声が、居室側操作部5400との通話用音声として利用される。
ここでは、モード変更指令により、マイク5310の機能が指示音声受付機能と通信用音声受付機能との間で切り換えられるため、普通の会話が指示音声と認識される、浴室外機器に対する指示が制御装置に伝わらない、といった状態の発生が防止されやすい。
(3-5)
上記実施形態に係る機器制御システム5001では、浴室外機器は、赤外線信号により操作可能な赤外線操作機器(赤外線操作機器群5050の機器5050a,5050b,・・・5050n)を含む。居室側操作部5400は、赤外線操作機器に対し赤外線信号を送信する赤外線信号送信部5040を有する。制御装置5200は、指示音声に基づき、赤外線信号の送信指令を赤外線信号送信部5040に対して送信することで、赤外線操作機器を制御する。
ここでは、赤外線信号で操作される機器についても浴室5000B1内から操作することができ、システムの利用者は、浴室内に居ながらにして赤外線操作機器を制御して多様な希望を満たすことが容易である。
(3-6)
上記実施形態に係る機器制御システム5001は、音声情報送信部の一例としての通信部5250(制御装置5200の通信部5250)を備える。通信部5250は、マイク5310が受け付けた指示音声を、音声認識装置の一例としての解析サーバ5020へと送信する。制御装置5200は、解析サーバ5020による指示音声の認識結果に基づいて浴室外機器を制御する。
ここでは、指示音声の音声認識が解析サーバ5020で行われるため、浴室外機器に対する指示を認識する音声認識機能を浴室内操作部5300が具備する必要がなく、機器制御システム5001のコストを抑制することができる。
(3-7)
上記実施形態に係る機器制御システム5001では、制御装置5200は、マイク5310が受け付ける指示音声に基づいて、給湯熱源機5010を制御する。
ここでは、浴室内操作部5300が、給湯熱源機5010用の操作部としても機能するため、浴室内に、複数の操作部(給湯熱源機5010用の操作部と、給湯熱源機5010用の操作部とは別の浴室外機器用の操作部)を設置する必要がない。
(4)変形例
以下に上記実施形態の変形例を示す。なお、変形例は、矛盾しない範囲で互いに適宜組み合わされてもよい。
(4-1)変形例6A
上記実施形態に係る機器制御システム5001では、居室側操作部5400の居室側マイク5410が受け付けた指示音声に基づいて、浴室外機器の一例である、赤外線操作機器群5050やネットワーク接続機器群5060の機器が制御されるが、居室側操作部5400に対する指示は、音声以外の態様で入力されてもよい。例えば、居室側操作部5400には、音声に代えて、居室側操作部5400に設けられた図示しない押しボタン等を操作することで指示が入力されてもよい。
(4-2)変形例6B
上記実施形態に係る機器制御システム5001は、利便性の観点からは居室側操作部5400を有することが好ましいが、居室側操作部5400は省略されてもよい。
なお、居室側操作部5400が省略される場合には、制御装置5200と通信可能に接続され、制御装置5200からの赤外線信号の送信指令5000Iに応じて、赤外線信号送信部5040と同様な赤外線信号を赤外線操作機器群5050の機器に送信する赤外線信号送信機が設けられることが好ましい。
また、居室側操作部5400が存在する場合にも、居室側操作部5400は赤外線信号送信部5040を有さず、機器制御システム5001は、赤外線信号送信部5040の代わりに赤外線信号送信部5040を有してもよい。
(4-3)変形例6C
上記実施形態では、制御装置5200は、1軒の建物5000B(例えば、集合住宅内の1軒の住宅)の浴室外機器の制御に用いられるがこれに限定されるものではない。例えば、制御装置5200は、1つの集合住宅の複数の住宅で共用され、複数の住宅について、各住宅の浴室内操作部のマイクからの指示音声に基づいて、その住宅の浴室外機器を制御するように構成されてもよい。
また、各建物に制御装置5200を設置する代わりに、複数の建物の複数の浴室内操作部とネットワーク5080を介して接続可能な、上記実施形態の制御装置5200の特に制御部5210の機能を有するサーバを設け、各建物の浴室内操作部のマイクからの指示音声に基づいて、サーバが、その建物の浴室外機器を制御するように構成されてもよい。
(4-4)変形例6D
上記実施形態では、物理的なスイッチ5340が指令受付部として機能するが、指令受付部はスイッチ5340の形態に限定されるものではない。
例えば、スイッチ5340に代えて、浴室内操作部5300のマイク5310を指令受付部として機能させてもよい。具体的に説明する。
ここでは、浴室内操作部5300の動作モードは、通常は第2モードに設定されているものとする。浴室内操作部5300には、特定の音声(例えばあるワード)だけを認識可能な音声認識チップが設けられる。音声認識チップは、浴室内操作部5300のマイク5310に入力される音声が特定の音声であるかをチェックしている。そして、音声認識チップがマイク5310にその特定の音声が入力されたと判断すると、切換部5330は、浴室内操作部5300の動作モードを、例えば所定時間だけ、第2モードから第1モードに切り換える。
(4-5)変形例6E
上記実施形態では、制御装置5200が通信部5250を有するがこれに限定されるものではない。例えば、制御装置5200は上述の制御部5210の機能を有し、別の機器が音声処理部5230及び通信部5250の機能を有していてもよい。
(4-6)変形例6F
上記実施形態では、機器制御システム5001は、指示音声により給湯熱源機5010、赤外線操作機器群5050の機器、及びネットワーク接続機器群5060の機器を操作可能なシステムであるが、これに限定されるものではない。
例えば、機器制御システム5001では、給湯熱源機5010、及び/又は、赤外線操作機器群5050の機器及びネットワーク接続機器群5060の機器の一方、が操作対象でなくてもよい。
なお、赤外線操作機器群5050の機器が機器制御システム5001の操作対象でない場合には、不要となる構成(例えば、居室側操作部5400の赤外線信号送信部5040)を、機器制御システム5001が有していなくてもよい。
(4-7)変形例6G
上記実施形態では、給湯熱源機5010も制御装置5200の操作対象であるが、これに限定されるものではない。例えば、給湯熱源機5010の動作は、制御装置5200ではなく、浴室内操作部5300に設けられた図示しない操作ボタンを操作し、リモコンケーブルを介して信号を送信することで制御されてもよい。
また、浴室5000B1には、浴室外機器の浴室内操作部とは別に、給湯熱源機5010用の浴室内操作部が設置されてもよい。
(4-8)変形例6H
上記実施形態では、制御装置5200から解析サーバ5020に指示音声に基づく信号5000Sが送信され、解析サーバ5020で信号5000Sの認識処理が行われるが、機器制御システム5001はこのような態様に限定されるものではない。
例えば、制御装置5200が解析サーバ5020と同様の音声認識機能を有し、制御装置5200によって上記の解析サーバ5020と同様の処理が実行されてもよい。
<第13実施形態>
以下では、図面を参照しながら、第13実施形態に係る機器管理システム6001について説明する。
(1)機器管理システムを含む機器システムの概要
図35は、機器管理システム6001を含む機器システム6000の概略構成図である。図36は、機器システム6000の概略ブロック図である。なお、図36では、機器システム6000の一部構成については描画を省略している。
機器システム6000は、操作デバイス6200、空調機6010、赤外線操作機器群6050、ネットワーク接続機器群6060、6040、解析サーバ6020、空調機サーバ6030、及び機器サーバ6070を主に含む(図35及び図36参照)。機器管理システム6001は、操作デバイス6200を含む。
機器管理システム6001は、音声による指示で、空調機6010、赤外線操作機器群6050に含まれる機器6050a,6050b,・・・6050n、及びネットワーク接続機器群6060に含まれる機器6060a,6060b,・・・6060mを操作するシステムである。
また、機器管理システム6001は、音を出力する(音出力部を有する)機器が複数存在する環境で、機器の音出力を制御することで、機器の出力する音が重なり煩わしい、各機器の出力する音が聞きとりにくい等の不具合の発生を抑制するシステムである。なお、本実施形態では、音を出力する複数の機器の例として、操作デバイス6200と、空調機6010と、機器6060aとを想定している。機器6060aは、例えばDVDレコーダである。操作デバイス6200は、空調機6010、機器6060aの動作を操作する遠隔操作機器であり、第1機器の一例である。また、空調機6010及び機器6060aは、第2機器の一例である。
空調機6010、赤外線操作機器群6050、ネットワーク接続機器群6060及び6040は、建物6000Bに配置される機器である(図35参照)。例えば、建物6000Bは一戸建ての住宅であるが、これに限定されるものではない。建物6000Bは、オフィスビル、商業施設、工場等であってもよい。解析サーバ6020、空調機サーバ6030及び機器サーバ6070は、限定するものではないが、通常、建物6000Bとは別の場所に設置される。
建物6000Bに配置される空調機6010、赤外線操作機器群6050の機器、ネットワーク接続機器群6060の機器、及び6040のそれぞれの台数は、図35に描画された台数によらず、1台であっても複数であってもよい。なお、ここでは、建物6000Bに配置される空調機6010及び6040の台数は1台で、建物6000Bに配置される赤外線操作機器群6050及びネットワーク接続機器群6060の機器の台数はそれぞれ複数であるとして説明をする。
なお、図35では、説明の簡略化のため、機器管理システム6001により動作が制御される空調機6010、赤外線操作機器群6050及びネットワーク接続機器群6060の配置される建物6000Bを1つしか描画していない。しかし、建物6000Bは複数であってもよい。つまり、機器管理システム6001は、複数の建物6000Bにそれぞれ配置される空調機6010、赤外線操作機器群6050及びネットワーク接続機器群6060の動作を制御するシステムであってもよい。
操作デバイス6200は、建物6000B内に設置され、建物6000B内の空調機6010、赤外線操作機器群6050の機器及びネットワーク接続機器群6060の機器を操作するために用いられる。なお、ここでは建物6000B内に操作/通信デバイスを1台だけ描画しているが、建物6000B内には、複数の操作デバイス6200が設置されてもよい。また、操作デバイス6200は、据え置き型に限定されず、建物6000B外に持ち運び可能な携帯端末であってもよい。言い換えれば、空調機6010と、赤外線操作機器群6050及びネットワーク接続機器群6060の機器とは、携帯可能な操作デバイス6200を用いて、建物6000Bの外部から操作可能に構成されてもよい。
(2)詳細構成
操作デバイス6200、空調機6010、赤外線操作機器群6050、ネットワーク接続機器群6060、解析サーバ6020、空調機サーバ6030、機器サーバ6070、及び6040について以下に説明する。
(2-1)操作デバイス
操作デバイス6200は、遠隔操作装置の一例である。操作デバイス6200は、第2機器(空調機6010及び機器6060a)を含む、建物6000B内の空調機6010、赤外線操作機器群6050に含まれる機器6050a,6050b,・・・6050n及びネットワーク接続機器群6060に含まれる機器6060a,6060b,・・・6060mの動作の操作のために用いられるデバイスである。
なお、操作デバイス6200は、以下で説明するような機能に加え、他の機能(例えば時計や音楽プレーヤーとしての機能)を有する機器であってもよい。
本実施形態では、操作デバイス6200は、建物6000B内に据え付けられる。例えば、操作デバイス6200は、テーブルや棚の上に戴置されたり、壁面等に固定されたりする。
他の態様では、操作デバイス6200は、携帯端末であってもよい。タイプを限定するものではないが、携帯端末は、音声受付部を有するスマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ウェアラブル端末等である。例えば、具体的には、操作デバイス6200は、操作者が手首に装着して携帯する、腕時計式の機器である。
なお、本実施形態では、説明の簡略化のため、操作デバイス6200は1台として説明するが、操作デバイス6200は複数であってもよい。建物6000B内で操作デバイス6200が複数用いられる場合、複数の操作デバイス6200のそれぞれは、他の操作デバイス6200と種類が異なってもよい。
操作デバイス6200は、各種処理を実行するCPU(図示省略)と、CPUによって実行されるプログラムや各種情報を記憶する記憶装置(図示省略)と、を含む。また、操作デバイス6200は、音声受付部6210が有するマイク素子6210a、音声出力部6220が有するスピーカ6220a、マイク素子6210aが取得した音声に対して各種処理を行う音声処理用のチップ、通信部6250として機能する無線LANアダプタ等を含む。
操作デバイス6200は、機能部として、音声受付部6210と、音声出力部6220と、記憶部6240と、判断部6270と、音出力制御部6280と、音声処理部6230と、通信部6250と、スイッチ6260と、を有する(図36参照)。
(2-1-1)音声受付部
音声受付部6210は、空調機6010、赤外線操作機器群6050の機器6050a,6050b,・・・6050n及びネットワーク接続機器群6060の機器6060a,6060b,・・・6060mに対する指示音声の入力を受け付ける。
音声受付部6210は、音声を受け付けるマイク素子6210aを有する。マイク素子6210aの数は、単数であってもよいし、複数であってもよい。
例えば、操作デバイス6200が据付式の機器である場合に、マイク素子6210aを複数とし、複数のマイク素子6210aがそれぞれ異なる場所から音声を取得しやすいように配置することで、発声者の位置によらず、音声受付部6210により音声が確実に取得されやすくなる。
(2-1-2)音声出力部
音声出力部6220は、スピーカ6220aを有し、各種情報を音(ビーブ音やブザー音等に加え、音声(言語音)も含む)で出力する。音声出力部6220は、第1音出力部の一例である。
以下に、音声出力部6220の基本的な動作について説明する。音声出力部6220の基本的な動作とは、後述する音出力制御部6280による音出力の制御が実行されない場合の動作の態様を意味する。
音声出力部6220は、例えば、音声受付部6210が、特定指示音声を受け付けた時に、特定指示音声を受け付けたことを音声で報知する。例えば、音声出力部6220は、特定指示音声を受け付けた時に、“特定指示音声を受け付けました”という文章を音声で出力する。特定指示音声については後述する。
また、音声出力部6220は、例えば、機器(空調機6010、赤外線操作機器群6050の機器又はネットワーク接続機器群6060の機器)を操作する時に、機器に対する操作に関する情報を音で出力する。音声出力部6220から送信される機器に対する操作に関する情報には、第2機器(空調機6010,機器6060a)に対する操作に関する情報(第1情報)も含まれる。
機器に対する操作に関する情報について詳しく説明する。
操作デバイス6200は、後述するように、音声受付部6210が指示音声を受け付けると、指示音声に基づいた信号6000S(指示音声に対してA/D変換処理を行い、更に圧縮処理を行った音声データ)を生成し、通信部6250から解析サーバ6020へと信号6000Sを送信する。解析サーバ6020は、受信した信号6000Sの音声認識処理を実行する。そして、解析サーバ6020、空調機サーバ6030、又は機器サーバ6070は、解析サーバ6020の音声認識処理の結果に基づき、操作対象の機器に対する指令を生成する。この時、操作デバイス6200(通信部6250)には、解析サーバ6020、空調機サーバ6030、又は機器サーバ6070が生成した指令の内容(どの機器に、どのような動作の実行を命じるか)が、指令情報として送信される(図36参照)。なお、ここでは、操作デバイス6200に対し、解析サーバ6020、空調機サーバ6030、又は機器サーバ6070から指令情報が送信されると説明したが、これに限定されるものではなく、指令情報は、指令を受ける(操作される)機器側から通信部6250へと送信されてもよい。
通信部6250が指令情報を受信すると、音声出力部6220は、受信した指令情報に基づき、機器に対する操作に関する情報(どの機器に、どのような操作が行われるかという情報)を音で出力する。機器に対する操作に関する情報が音で出力されることで、音声受付部6210から指示音声を入力した機器の操作者は、自らの発した指示音声が正しく認識されたかを確認することができる。なお、音声出力部6220は、受信した指令情報が、空調機6010に運転開始を指示するものであった場合、例えば、“空調機の運転操作を受け付けました”という文章を音で出力する。
また、操作デバイス6200は、操作デバイス6200の操作対象である空調機6010、赤外線操作機器群6050の機器、及びネットワーク接続機器群6060の機器の現在の動作内容や動作状態に関する情報を受信し、音声出力部6220のスピーカ6220aで、この情報を音で出力するように構成されてもよい。なお、機器の動作内容や動作状態に関する情報は、機器側から送信されてもよいし、このような情報を把握している構成(例えば、空調機サーバ6030や機器サーバ6070)から送信されてもよい。
(2-1-3)記憶部
記憶部6240には、操作デバイス6200のCPU(描画省略)が実行するプログラムの他、各種の情報が記憶されている。記憶部6240に記憶される情報には、位置関連情報記憶領域6240aに記憶される位置関連情報と、音出力項目記憶領域6240bに記憶される音出力内容情報と、を含む。
(2-1-3-1)位置関連情報記憶領域
位置関連情報記憶領域6240aに記憶される位置関連情報は、第1機器としての操作デバイス6200、及び、第2機器としての空調機6010及び機器6060aの位置に関する情報である。位置関連情報は、例えば、各機器(操作デバイス6200、空調機6010及び機器6060a)の設置場所(部屋名)のリストである(図37A及び図37B参照)。
なお、ここでは、各機器の設置される部屋で設置場所が規定されているが、設置場所は部屋で規定されなくてもよい。
例えば、設置場所は、領域で規定されてもよい。例えば、同じ部屋に機器が設置される場合であっても、そのエリアによって、設置場所が異なると判断されてもよい。また、例えば、建物6000Bが複数階を有する場合に、部屋は関係なく、フロア別に領域が規定されてもよい。また、設置場所は、操作デバイス6200(第1機器)からの距離で規定されていてもよい(例えば、操作デバイス6200から5m以内のエリアに第2機器が設置されていれば、その第2機器は操作デバイス6200と同領域に設置されていると見做す等)。
位置関連情報は、例えば、操作デバイス6200の利用者(例えば建物6000Bの住人)が、図示しない入力部から入力する情報である。
なお、ここでは、位置関連情報記憶領域6240aに記憶される位置関連情報は、音出力部を有する操作デバイス6200、空調機6010及び機器6060aのみに関する情報である。ただし、これに限定されるものではない。位置関連情報記憶領域6240aには、操作デバイス6200、及び操作デバイス6200による操作対象の全ての機器(空調機6010、赤外線操作機器群6050の機器、及びネットワーク接続機器群6060の機器)について位置関連情報が登録されてもよい。
(2-1-3-2)音出力項目記憶領域6240b
音出力項目記憶領域6240bに記憶される音出力項目情報は、第1機器としての操作デバイス6200、及び、第2機器としての空調機6010及び機器6060aが音で出力する項目に関する情報である。具体的には、音出力項目情報は、操作デバイス6200の音声出力部6220、後述する空調機6010の音声出力部6140、及び、後述する機器6060aの音声出力部6062が、出力する音声の項目をまとめたリストである(図38参照)。なお、音出力項目記憶領域6240bに記憶される音出力項目情報は、後述する音出力制御部6280による音出力の制御を考慮したものではない。言い換えれば、音出力項目記憶領域6240bに記憶されている音出力項目情報であっても、音出力制御部6280による音出力の制御の結果、音声出力部6220は、一部の項目について情報を音で出力しない場合がある。
図38の例では、操作デバイス6200は、特定指示音声受付に関する情報を、音声出力部6220から音声で出力する。また、例えば、図38の例では、操作デバイス6200は、空調機6010に対する運転開始操作、運転停止操作、運転モード変更操作、及び設定温度変更操作に関する情報(空調機6010に対する操作に関する第1情報)を音声で出力する。また、図38の例では、操作デバイス6200は、DVDレコーダ(機器6060a)に対する起動操作、録画予約設定操作、及び停止操作に関する情報(機器6060aに対する操作に関する第1情報)を音声で出力する。なお、操作デバイス6200は、第2機器に関してだけではなく、操作対象の全ての機器(音出力部を有していない機器を含む)に対する操作に関する情報を音声で出力することが好ましい。つまり、音出力項目情報の一例である図38では、空調機6010及び機器6060aに対する操作に関する項目だけがリストに登録されているが、空調機6010及び機器6060a以外の機器に関する項目についてもリストに登録されていることが好ましい。
また、図38の例では、空調機6010は、運転開始、運転停止、運転モード変更に関する情報を、音声で出力する。また、図38の例では、DVDレコーダ(機器6060a)は、録画予約設定に関する情報を、音声で出力する。
なお、図38に示した音出力項目情報は、説明のための例であり、各機器6200,6010,6060aが音で情報を出力する項目は、ここに示した項目に限定されるものではない。
音出力項目情報は、操作デバイス6200に関しては、例えば、操作デバイス6200の利用者等が、操作デバイス6200の操作対象の機器を図示しない入力部から操作対象機器を入力すると、自動的に(予め定められたルールに則って)作成される。また、音出力項目情報は、空調機6010及び機器6060aに関しては、例えば、その空調機6010及び機器6060aの製造会社のホームページ等からダウンロード可能な情報である。ただし、音出力項目情報は、図示しない入力部から全て手入力される情報であってもよい。
(2-1-4)判断部
判断部6270は、第1機器の一例である操作デバイス6200と第2機器の一例である空調機6010との位置関係や、操作デバイス6200と第2機器の一例である機器6060a(DVDレコーダ)との位置関係を判断する。
なお、判断部6270は、主に、第1機器と第2機器とが所定の位置関係にあるか否かを判断する。ここで、第1機器と第2機器とが所定の位置関係にある場合とは、第1機器と第2機器とが、第1機器の出力する音と第2機器の出力する音とが互いに影響を与えやすい位置関係にある場合を言う。例えば、第1機器と第2機器とが所定の位置関係にある場合には、限定するものではないが、第1機器と第2機器との距離が所定の距離より近い場合を含む。また、第1機器と第2機器とが所定の位置関係にある場合には、限定するものではないが、第1機器と第2機器とが同一領域内に配置されている場合を含む。また、第1機器と第2機器とが所定の位置関係にある場合には、限定するものではないが、第1機器と第2機器との間に防音作用のある部材(例えば壁)が配置されている場合を含む。
例えば、判断部6270は、記憶部6240の位置関連情報記憶領域6240aに記憶された位置関連情報に基づいて、操作デバイス6200と空調機6010との位置関係や、操作デバイス6200と機器6060aとの位置関係を判断することが好ましい。具体的には、判断部6270は、記憶部6240の位置関連情報記憶領域6240aに記憶された位置関連情報に基づいて、操作デバイス6200と空調機6010との設置場所が同じか否かと、操作デバイス6200と機器6060aとの設置場所が同じか否かと、を判断することが好ましい。
例えば、位置関連情報記憶領域6240aに図37Aのような位置関連情報が記憶されていた場合には、判断部6270は、操作デバイス6200と空調機6010とは所定の位置関係にあると判定し、操作デバイス6200と機器6060aとは所定の位置関係にないと判定する。
(2-1-5)音出力制御部
音出力制御部6280は、判断部6270の判断結果に基づき、操作デバイス6200及び第2機器の少なくとも一方の音出力のオン/オフ又は出力音量を制御する。本実施形態では特に、音出力制御部6280は、判断部6270の判断結果に基づき、操作デバイス6200及の音出力のオン/オフ又は出力音量を制御する。
音出力制御部6280による制御については、後ほど説明する。
(2-1-6)音声処理部
音声処理部6230は、音声受付部6210のマイク素子6210aが受け付けた指示音声を処理して信号6000Sを生成する。また、音声処理部6230は、マイク素子6210aが受け付けた指示音声のうち、特定指示音声だけを認識する。音声処理部6230は、例えば、これらの機能を実行する集積回路である。
音声処理部6230は、指示音声(特定指示音声を除く)をA/D変換し、更に好ましくは、各種音声データ圧縮方式(例えばMP3等)を用いて音声圧縮して信号6000Sを生成する。他の形態では、音声処理部6230は、指示音声(特定指示音声を除く)をテキスト化した信号6000Sを生成してもよい。
また、音声処理部6230は、指示音声を音声受付部6210が受け付けた時に、受け付けた指示音声の音声パターンが、例えば記憶部6240に記憶されている特定指示音声のワードの音声パターンと一致するか否かを判断することで、特定指示音声を認識する。なお、ここでの特定指示音声は、特定指示音声に引き続いて音声受付部6210に入力される指示音声に基づき音声処理部6230が信号6000Sを生成し、生成した信号6000Sを通信部6250が送信する準備をするよう、操作デバイス6200に要求する音声である。
(2-1-7)通信部
通信部6250は、操作デバイス6200が、解析サーバ6020、空調機サーバ6030、機器サーバ6070、空調機6010及びネットワーク接続機器群6060の機器等と通信を行うための機能部である(図36参照)。
操作デバイス6200は、通信回線の一例であるネットワーク6080を介して、解析サーバ6020、空調機サーバ6030、機器サーバ6070、空調機6010及びネットワーク接続機器群6060の機器等と接続されている(図35参照)。
ネットワーク6080は、ここではインターネットであるが、他のWANであってもよい。操作デバイス6200は、ルータ6082と無線LANにより接続され、ルータ6082を介してネットワーク6080と接続されている(図35参照)。通信部6250は、例えば、ルータ6082との間で無線通信を行う無線LANアダプタである。ルータ6082は、WAN側のインターフェースと、LAN側のインターフェースとを有し、WANとLANを相互接続させる。なお、操作デバイス6200とルータ6082とは、無線LANではなく、有線LANで接続されてもよい。また、ネットワーク6080はLANであってもよい。
通信部6250は、音声受付部6210が受け付けた音声(特定指示音声を除く)に基づく信号6000Sを、解析サーバ6020に対し、ネットワーク6080を介して送信する(図36参照)。なお、通信部6250は、信号6000Sを、解析サーバ6020に加え、空調機サーバ6030や機器サーバ6070に対して送信してもよい。つまり、通信部6250は、複数のアドレスに(例えば、解析サーバ6020と空調機サーバ6030とに)信号6000Sを送信してもよい(図36参照)。
また、通信部6250は、通信部6250が送信する信号6000Sに応じて、解析サーバ6020、空調機サーバ6030、又は機器サーバ6070が機器に対する指令を生成する時に、例えば、解析サーバ6020、空調機サーバ6030、又は機器サーバ6070から前述した指令情報を受信する。
また、通信部6250は、前述のように、操作デバイス6200の操作対象の空調機6010、赤外線操作機器群6050の機器、及びネットワーク接続機器群6060の機器の現在の動作内容や動作状態について情報を受信してもよい。
(2-1-8)スイッチ
スイッチ6260は、音声受付部6210の動作状態を切り換えるためのスイッチである。
限定するものではないが、スイッチ6260は押釦スイッチである。スイッチ6260を押下することで、音声受付部6210の動作状態が、音声を受け付けないスリープ状態と、音声の受け付け可能なアクティブ状態との間で切り換えられる。
なお、音声受付部6210の動作状態は、スイッチ6260が押下される度に、スリープ状態とアクティブ状態との間で切り換えられてもよい。また、音声受付部6210の動作状態は、スイッチ6260が押下されると、所定時間だけスリープ状態からアクティブ状態に切り換えられてもよい。
なお、操作デバイス6200は、スイッチ6260を有さず、音声受付部6210の動作状態は、常にアクティブ状態に設定されてもよい。ただし、意図しないタイミングで音声受付部6210が音声を受け付けることを避けるため(空調機6010や、赤外線操作機器群6050及びネットワーク接続機器群6060の機器が誤動作することを避けるため)、操作デバイス6200にはスイッチ6260が設けられることが好ましい。
(2-2)空調機
空調機6010は、操作デバイス6200の音声受付部6210に指示音声を入力することで操作可能な空調機である。指示音声は、限定するものではないが、例えば、“空調オン”、“設定温度を25℃に設定”等の音声である。なお、空調機6010は、音声操作に加えて、一般的なリモコンによっても操作可能に構成されていてもよい。
空調機6010は、室内ユニット6012と、室外ユニット6014と、これらの間を接続する冷媒連絡配管(図示せず)と、コントローラ6150と、を主に有する(図35及び図36参照)。
空調機6010は、空調対象空間の空気調和を行う装置である。空調対象空間は、例えば、建物6000B内の室内ユニット6012が配置される部屋である。
空調機6010では、室内ユニット6012と室外ユニット6014とが冷媒連絡配管を介して接続されることで、室内ユニット6012の室内熱交換器(図示省略)や、室外ユニット6014の圧縮機、室外熱交換器、膨張弁等(図示省略)が配管で接続され、冷媒回路が構成される。空調機6010では、冷媒回路内で冷媒を循環することで、室内ユニット6012の設置された空間の冷房/暖房が行われる。
蒸気圧縮冷凍サイクルを利用した空調機6010の動作原理や動作内容については、一般に広く知られているため、ここでは説明は省略する。なお、空調機6010は、空調対象空間の冷房/暖房の両方を実施可能な空調機である必要はなく、冷房専用、又は、暖房専用の空調機であってもよい。
なお、本実施形態では、空調機6010は、室内ユニット6012の室内熱交換器において、室内熱交換器の内部を流れる冷媒と空調対象空間の空気との間で熱交換が行われるが、空調機はこのような機器に限定されない。例えば、空調機6010は、室内ユニット6012(ファンコイルユニット)の室内熱交換器において、室内熱交換器の内部を流れる冷水/温水と空調対象空間の空気との間で熱交換が行われる装置であってもよい。
コントローラ6150は、空調機6010の動作を制御する制御装置である。
コントローラ6150は、室内ユニット6012が有する制御基板(図示せず)と、室外ユニット6014が有する制御基板(図示せず)とを含む。コントローラ6150を構成する室内ユニット6012及び室外ユニット6014の制御基板等のCPUは、制御基板等の記憶装置に記憶された各種プログラムを実行することで、各種処理を実行する。また、コントローラ6150は、後述する通信部6170として機能する無線LANアダプタ等の機器等を含む。
コントローラ6150は、通信部6170と、空調機制御部6190と、音声出力部6140とを主に有する。
通信部6170は、空調機6010が、主に空調機サーバ6030と通信を行うために用いられる(図36参照)。
空調機6010(通信部6170)は、ネットワーク6080を介して、空調機サーバ6030と接続されている(図35参照)。空調機6010は、ルータ6082と無線LANにより接続され、ルータ6082を介してネットワーク6080と接続されている(図35参照)。なお、空調機6010とルータ6082とは、無線LANではなく、有線LANで接続されてもよい。
通信部6170は、例えば、ルータ6082との間で無線通信を行う無線LANアダプタである。通信部6170は、機能部として、情報を送信する送信部6170aと、情報を受信する受信部6170bとを有している(図36参照)。
送信部6170aは、空調機6010及び空調対象空間の少なくとも一方に関する状態量についての情報6000Jを空調機サーバ6030に対して送信することが好ましい(図36参照)。限定するものではないが、空調機6010に関する状態量には、例えば冷媒回路の様々な場所においてセンサ(図示せず)により測定される冷媒の温度/圧力や、室外ユニット6014の圧縮機のインバータ制御モータ(図示せず)の回転数や、室外ユニット6014の膨張弁の開度を含む。空調対象空間に関する状態量には、限定するものではないが、空調対象空間の計測温度を含む。
受信部6170bは、例えば、解析サーバ6020による信号6000Sの解析の結果に基づいて生成された指令6000Cを受信する。好ましくは、受信部6170bは、空調機サーバ6030が、解析サーバ6020による信号6000Sの解析の結果と、送信部6170aから空調機サーバ6030に対して送信された状態量についての情報6000Jと、に基づいて生成した指令6000Cを、受信する。
限定するものではないが、指令6000Cは、例えば、空調機6010の運転のオン/オフ、空調機6010の運転モード(冷房/暖房/除湿/送風等)の切換、設定温度(空調対象空間の目標温度)の変更、室外ユニット6014の圧縮機のインバータ制御モータ(図示せず)の回転数の目標値、室外ユニット6014の膨張弁の開度の目標値、及び、室内ユニット6012のインバータ制御のファンモータの回転数の目標値の少なくとも1つに関する。
空調機制御部6190は、受信部6170bが受信する指令6000Cや、図示しない通常のリモコンからの指令等に応じて、空調機6010の動作を制御する。例えば、空調機制御部6190は、受信部6170bが受信する指令6000Cに応じ、空調機6010の設定(設定温度等)や、図示しない各種センサの計測値等に基づき、室外ユニット6014の圧縮機や膨張弁、室内ユニット6012のファン等の動作を制御する。
音声出力部6140は、図示しないスピーカを有する。音声出力部6140は、空調機6010の動作内容及び/又は状態に関する情報(第2情報)を音声で出力する。音声出力部6140が、音声で出力する情報の項目は、図示しない記憶装置に記憶されており、音声出力部6140は、所定の項目の情報を音声で出力する。例えば、本実施形態では、音声出力部6140は、空調機6010の運転開始、運転停止、運転モード変更に関する第2情報を音で出力する。例えば、音声出力部6140は、空調機6010の運転開始に関し“運転を開始します”という情報を音声で出力し、空調機6010の運転停止に関し“運転を停止します”という情報を音声で出力し、空調機6010の運転モード変更に関し、変更後の運転モードに関する情報を音声で出力する(例えば、“冷房モードに設定されました”等)。なお、音声出力部6140が音声で出力する情報の項目や、音声の内容は、例示であって、これに限定されるものではない。
(2-3)赤外線操作機器群
赤外線操作機器群6050の機器6050a,6050b,・・・6050nは、赤外線信号により操作可能な機器である。赤外線操作機器群6050の機器6050a,6050b,・・・6050nは、限定するものではないが、例えば、扇風機、照明機器、オーディオ機器、電子レンジ等を含む。赤外線操作機器群6050の機器6050a,6050b,・・・6050nは、ネットワーク6080には接続されていなくてもよい。
赤外線操作機器群6050の機器6050a,6050b,・・・6050nは、操作デバイス6200に対する指示音声の入力に応じて6040から送信される赤外線信号により操作可能な機器である。赤外線信号により操作可能な内容には、例えば、機器6050a,6050b,・・・6050nのオン/オフ、扇風機であれば風量設定、照明機器であれば明るさ設定、オーディオ機器であれば音量設定等を含む。
なお、赤外線操作機器群6050の機器6050a,6050b,・・・6050nは、音声操作に加えて(指示音声に応じて6040から送信される赤外線信号による操作に加えて)、一般的な赤外線リモコンや、機器6050a,6050b,・・・6050nの本体に設けられたスイッチによっても操作可能に構成されていてもよい。
(2-4)ネットワーク接続機器群
ネットワーク接続機器群6060の機器6060a,6060b,・・・6060mは、ネットワーク6080を介して送信される信号により操作可能な機器である。ネットワーク接続機器群6060の機器6060a,6060b,・・・6060mは、限定するものでは無いが、例えば、テレビ、DVDレコーダ、洗濯機、冷蔵庫、給湯器等を含む。例えば、本実施形態では機器6060aは、DVDレコーダである。ネットワーク接続機器群6060の機器6060a,6060b,・・・6060mは、図示しない無線LANアダプタを有し、ルータ6082を介してネットワーク6080と接続されている(図35参照)。ネットワーク接続機器群6060の機器6060a,6060b,・・・6060mは、ネットワーク6080を介して、解析サーバ6020及び機器サーバ6070の少なくとも一方と通信可能に接続されている(図35参照)。なお、ネットワーク接続機器群6060の機器6060a,6060b,・・・6060mとルータ6082とは、無線LANではなく、有線LANで接続されてもよい。
ネットワーク接続機器群6060の機器6060a,6060b,・・・6060mは、操作デバイス6200に対する指示音声の入力に応じて解析サーバ6020又は機器サーバ6070から送信される信号により操作される。解析サーバ6020又は機器サーバ6070から送信される信号により操作可能な内容には、例えば、機器6060a,6060b,・・・6060mのオン/オフ、テレビであればチャンネルやボリュームの変更、DVDレコーダであれば録画予約設定等を含む。
なお、ネットワーク接続機器群6060の機器6060a,6060b,・・・6060mは、音声操作に加えて(指示音声に応じてネットワーク6080を介して送信されてくる信号による操作に加えて)、一般的に用いられているリモコンや、機器6060a,6060b,・・・6060mの本体に設けられたスイッチによっても操作可能に構成されていてもよい。
機器6060aは、第2機器の一例であり、音声出力部6062を有する。音声出力部6062は、図示しないスピーカを有する。音声出力部6062は、機器6060aの動作内容及び/又は状態に関する情報(第2情報)を音声として出力する。音声出力部6062が、音声で出力する情報の項目は、図示しない記憶装置に記憶されており、音声出力部6062は、所定の項目の情報を音声で出力する。例えば、本実施形態では、音声出力部6062は、機器6060aの録画設定予約設定に関する第2情報を音声で出力する。例えば、音声出力部6062は、機器6060aの録画設定予約設定に関し“XチャンネルをY時~Z時まで録画します”という情報を、音声で出力する。なお、音声出力部6062が音声で出力する情報の項目や、音声の内容は、例示であって、これに限定されるものではない。
(2-5)解析サーバ
解析サーバ6020は、操作デバイス6200、空調機6010、空調機サーバ6030、機器サーバ6070、及び6040と、ネットワーク6080を介して通信可能に接続されている。 空調機6010、赤外線操作機器群6050の機器又はネットワーク接続機器群6060の機器に対する指示音声を操作デバイス6200が受け付けると、通信部6250は、指示音声に基づく信号6000Sを、ネットワーク6080を介して解析サーバ6020に送信する(図36参照)。
解析サーバ6020は、記憶装置に記憶されているプログラムを実行することで、受信した信号6000Sを解析するコンピュータである。例えば、具体的には、解析サーバ6020は、受信した音声信号の音声認識を行う。また、解析サーバ6020は、受信したテキストデータ形式の信号6000Sの意味を認識してもよい。
なお、解析サーバ6020の記憶装置には、プログラムの他、例えば、各操作デバイス6200が操作可能な機器(空調機6010、赤外線操作機器群6050の機器6050a,6050b,・・・6050n、及びネットワーク接続機器群6060の機器6060a,6060b,・・・6060m)のリストが記憶されている。つまり、解析サーバ6020は、各操作デバイス6200からどの機器を操作可能であるかを把握している。また、ネットワーク接続機器群6060の機器6060a,6060b,・・・6060mに関しては、制御対象の機器6060a,6060b,・・・6060mが、解析サーバ6020の直接の制御対象であるか否か(解析サーバ6020及び機器サーバ6070のいずれのサーバの制御対象であるか)に関する情報も記憶されている。
解析サーバ6020は、例えば、信号6000Sとしての音声を分析してその特徴量を求め、記憶装置に記憶された音響モデル、言語モデル及び発音辞書を含む音声認識辞書を利用して特徴量からテキスト情報を生成する。解析サーバ6020が生成するテキスト情報は、限定するものではないが、例えば“空調機オン”、“空調機の設定温度を25度に設定”、“照明装置オフ”、“テレビオン”等のテキスト情報である。
解析サーバ6020は、生成したテキスト情報が、空調機6010の制御に関するものである場合(例えば、テキスト情報が空調機に関するキーワードを含んでいる場合)、信号6000Sの解析結果(つまり生成したテキスト情報)を、ネットワーク6080を介して空調機サーバ6030に送信する(図36参照)。
解析サーバ6020は、テキスト情報が赤外線操作機器群6050の機器6050a,6050b,・・・6050nの制御に関するものである場合(例えば、テキスト情報が赤外線操作機器群6050に関するキーワードを含んでいる場合)、6040に対し、信号6000Sの解析結果(つまり生成したテキスト情報)に応じた赤外線信号の送信を命じる指令を送信する。例えば、テキスト情報が、赤外線操作機器群6050の機器6050a,6050b,・・・6050nに含まれる照明装置に関する情報(例えば、“照明装置オフ”)であった場合、解析サーバ6020は、6040に対し、照明装置に対して消灯を指示する赤外線信号を送信するように命じる指令を送信する。6040に対する指令は、解析サーバ6020から、ネットワーク6080を介して6040へと送信される。なお、解析サーバ6020から赤外線操作機器群6050の機器に(6040に)指令を送信する際に、解析サーバ6020は、操作デバイス6200に対し、前述の指令情報を送信することが好ましい。
解析サーバ6020は、テキスト情報がネットワーク接続機器群6060の機器6060a,6060b,・・・6060mの制御に関するものである場合(例えば、テキスト情報がネットワーク接続機器群6060に関するキーワードを含んでいる場合)、信号6000Sの解析結果(つまり生成したテキスト情報)に応じた指令をネットワーク接続機器群6060の機器6060a,6060b,・・・6060mに送信する。例えば、テキスト情報が、ネットワーク接続機器群6060の機器6060a,6060b,・・・6060mに含まれるテレビに関する情報(例えば、“テレビオン”)であった場合、解析サーバ6020は、テレビに対し、スイッチオンを指示する指令を送信する。ネットワーク接続機器群6060の機器6060a,6060b,・・・6060mに対する指令は、解析サーバ6020から、ネットワーク6080を介してネットワーク接続機器群6060の機器6060a,6060b,・・・6060mへと送信される。なお、解析サーバ6020からネットワーク接続機器群6060の機器に指令を送信する際に、解析サーバ6020は、操作デバイス6200に対し、前述の指令情報を送信することが好ましい。
なお、テキスト情報がネットワーク接続機器群6060の機器6060a,6060b,・・・6060mの制御に関するものである場合であって、制御対象の機器6060a,6060b,・・・6060mが解析サーバ6020の直接の制御対象でない場合には、その機器6060a,6060b,・・・6060mを制御する機器サーバ6070へとテキスト情報が送信される。そして、機器サーバ6070から機器6060a,6060b,・・・6060mへとネットワーク6080を介して指令が送信される。
(2-6)空調機サーバ
空調機サーバ6030は、解析サーバ6020から送信される、解析サーバ6020による信号6000Sの解析の結果(つまり解析サーバ6020が生成したテキスト情報)と、空調機6010の送信部6170aから適宜送信される空調機6010及び空調対象空間の少なくとも一方に関する状態量についての情報6000Jとに基づいて指令6000Cを生成する。そして、空調機サーバ6030は、ネットワーク6080を介して、空調機6010の受信部6170bに対して指令6000Cを送信する。限定するものではないが、空調機サーバ6030は、例えば、テキスト情報として“空調機オン”の指令を受けると、現在の空調対象空間の温度等に基づいて空調機6010の各部の動作を決定し、これを指令6000Cとして送信する。なお、空調機サーバ6030から空調機6010へとネットワーク6080を介して指令6000Cが送信する際に、空調機サーバ6030は、操作デバイス6200に対し、前述の指令情報を送信することが好ましい。
なお、ここでは、空調機サーバ6030は、解析サーバ6020による信号6000Sの解析の結果に加え、情報6000Jに基づいて指令6000Cを生成するが、これに限定されるものではない。空調機サーバ6030は、解析サーバ6020による信号6000Sの解析の結果だけに基づいて指令6000Cを生成してもよい。
また、空調機サーバ6030は、操作デバイス6200から送信されてくる信号6000Sを蓄積し、信号6000Sを用いて各種解析を行う。
なお、本実施形態では、機器システム6000に空調機サーバ6030が含まれるが、これに限定されるものではない。例えば、空調機6010が、解析サーバ6020による信号6000Sの解析の結果(つまり解析サーバ6020が生成したテキスト情報)に基づいて運転内容を直接決定可能である場合には、空調機サーバ6030は設けられなくてもよい。そして、解析サーバ6020による信号6000Sの解析の結果が、指令6000Cとして、空調機6010の受信部6170bに直接送信されてもよい。
(2-7)機器サーバ
機器サーバ6070は、解析サーバ6020から送信される、解析サーバ6020による信号6000Sの解析の結果(つまり解析サーバ6020が生成したテキスト情報)に基づいて、ネットワーク接続機器群6060の機器6060a,6060b,・・・6060mに対する指令を生成する。そして、機器サーバ6070は、ネットワーク6080を介して指令を操作対象のネットワーク接続機器群6060の機器6060a,6060b,・・・6060mに対して送信する。なお、機器サーバ6070から空調機6010へとネットワーク6080を介して指令6000Cが送信する際に、機器サーバ6070は、操作デバイス6200に対し、前述の指令情報を送信することが好ましい。
なお、図35では機器サーバ6070は1台であるが、(解析サーバ6020からの指令によってではなく)機器サーバ6070により操作される機器6060a,6060b,・・・6060mの種類が複数ある場合には、その種類の数だけ機器サーバ6070が存在することが好ましい。
また、機器6060a,6060b,・・・6060mの全ての機器が解析サーバ6020からの指令によって操作される場合には、機器サーバ6070は存在しなくてもよい。
(2-8)赤外線発信機
6040は、赤外線操作機器群6050の機器6050a,6050b,・・・6050nの機器別かつ操作内容別に、制御用の赤外線信号パターンを記憶する記憶部(図示せず)を有している。6040は、記憶部に記憶されている赤外線信号パターンを利用して、解析サーバ6020からネットワーク6080を介して送信されてくる指令に応じて、操作対象である赤外線操作機器群6050の機器6050a,6050b,・・・6050nに対して赤外線信号を送信する。
(3)音出力制御部による音出力の制御
音出力制御部6280は、判断部6270の判断結果に基づき、操作デバイス6200の音声出力部6220の音出力のオン/オフ又は出力音量を制御する。
音出力制御部6280の音出力の制御は、以下のような観点に着目して行われる。
1.第2機器の音出力部が出力する音が、第1機器を操作する場所(例えば、第1機器の設置されている場所)において聞こえない又はほとんど聞こえない場合には、第1機器は情報を音声で出力することが好ましい。このように構成される場合、操作者が第2機器から離れた位置から、第1機器を用いて第2機器を操作する場合であっても、第2機器に対する操作が正しく行われたことを確認できる。
2.第2機器の音出力部が出力する音が、第1機器を操作する場所において聞こえる場合、第1機器は情報を音声で出力しなくてもよい。特に、第1機器が出力する情報の内容が、第2機器も出力する情報の内容である場合、その情報は第1機器から音声で出力されないことが好ましい。
3.第2機器の音出力部が出力する音が、第1機器を操作する場所において聞こえる場合でも、第1機器が出力する情報の内容が、第2機器が出力しない情報の内容である場合には、第1機器からその情報が音声で出力されることが好ましい。このように構成される場合、伝えられるべき情報が操作者に伝えられないという不具合の発生を抑制できる。
このような観点を踏まえ、音出力制御部6280は、例えば以下の様に操作デバイス6200の音出力を制御する。
例えば、図37Aのように記憶部6240の位置関連情報記憶領域6240aに、操作デバイス6200と空調機6010とが同じ部屋1に設置されていると記憶されていたとする。この時、判断部6270は、操作デバイス6200と空調機6010とが所定の位置関係にある(第1機器の出力する音と第2機器の出力する音とが互いに影響を与えやすい位置関係にある)と判断する。
この場合には、音出力制御部6280は、例えば、空調機6010に対する操作と関連しない第3情報は第1音量で出力し、空調機6010に対する操作と関連する第1情報は出力しないように操作デバイス6200を制御することが好ましい。例えば、記憶部6240の音出力項目記憶領域6240bに、図38のような音出力内容情報が記憶されている場合、音出力制御部6280は、空調機6010に対する操作と関連しない項目の情報(すなわち、特定指示音声受付、レコーダ起動操作、レコーダ録画予約設定操作及びレコーダ停止操作に関する情報)は、第1音量で出力するよう、操作デバイス6200を制御することが好ましい(なお、図37Aの例では、操作デバイス6200とDVDレコーダ(機器6060a)は互いに異なる部屋に置かれているため、機器6060aに対する操作と関連する情報の音出力の制御は特に不要である)。一方で、音出力制御部6280は、空調機6010に対する操作と関連する項目の情報(空調機運転開始操作、空調機運転停止操作、空調機運転モード変更操作及び空調機設定温度変更操作に関する情報)は、音で出力しないよう、操作デバイス6200を制御することが好ましい。
なお、音声出力部6220に第1情報を音で出力させないようにする方法としては、例えば、音声出力部6220が第1情報を音声で出力するタイミングで、音出力制御部6280が音声出力部6220のスピーカ6220aのスイッチをオフに制御することが考えられる。また、音声出力部6220が第1情報を音声で出力するタイミングで、音出力制御部6280がスピーカ6220aの音量をゼロに制御することも考えられる。また、音出力制御部6280が、音声出力部6220が実際に音声で出力する情報の項目のリストを音出力内容情報とは別に作成して記憶部6240に記憶させ、このリストから第1情報の項目は除外しておくことも考えられる。
また、音出力制御部6280は、第1情報が音声で出力されないように操作デバイス6200を制御する代わりに、空調機6010に対する操作と関連する第1情報を、空調機6010に対する操作と関連しない第3情報の出力音量(第1音量)より小さな第2音量で出力するよう操作デバイス6200を制御してもよい。
なお、より好ましくは、音出力制御部6280は、空調機6010に対する操作と関連する第1情報のうち、空調機6010が音で出力する第2情報と内容が重複しない情報(例えば、図38の例であれば空調機設定温度変更操作に関する情報)は、第3音量(例えば上記の第1音量と同じ音量)で出力するように操作デバイス6200を制御することが好ましい。また、音出力制御部6280は、第1情報のうち第2情報と内容が重複する情報(例えば、図38の例であれば空調機運転開始操作、空調機運転停止操作、及び空調機運転モード変更操作に関する情報)は、音で出力しない、又は、第3音量より小さな第4音量(例えば上記の第2音量と同じ音量)で出力するように操作デバイス6200を制御することが好ましい。
次に、図37Bのように記憶部6240の位置関連情報記憶領域6240aに、操作デバイス6200と空調機6010とが互いに異なる部屋に設置されていると記憶されていたとする。この時、判断部6270は、操作デバイス6200と空調機6010とが所定の位置関係にないと判断する。
この場合には、音出力制御部6280は、空調機6010に対する操作と関連する第1情報及び空調機6010に対する操作と関連しない第3情報を、少なくとも音で出力するように操作デバイス6200を制御することが好ましい。つまり、音出力制御部6280は、音出力項目情報の操作デバイス6200の音出力項目の全ての項目の情報について(ただし、他の第2機器が操作デバイス6200と同じ部屋に設置されていない場合)、少なくとも音で出力するように操作デバイス6200を制御することが好ましい。より好ましくは、音出力制御部6280は、空調機6010に対する操作と関連する第1情報及び空調機6010に対する操作と関連しない第3情報を、比較的大きな音量(例えば、上述の第1音量)で出力するように操作デバイス6200を制御することが好ましい。
(4)特徴
なお、ここでは、第2機器の一例として空調機6010を挙げて機器管理システム6001の特徴を説明するが、第2機器が機器6060aであったとしても同様の特徴が得られる。
(4-1)
上記実施形態に係る機器管理システム6001は、音を出力する第1音出力部の一例としての音声出力部6220を有する第1機器の一例としての操作デバイス6200と、音を出力する第2音出力部の一例としての音声出力部6140を有する、第1機器とは別の第2機器の一例としての空調機6010と、を管理するシステムである。機器管理システム6001は、判断部6270と、音出力制御部6280と、を備える。判断部6270は、操作デバイス6200と、空調機6010と、の位置関係を判断する。音出力制御部6280は、判断部6270の判断結果に基づき、操作デバイス6200及び空調機6010の少なくとも一方の、音出力のオン/オフ又は出力音量を制御する。特に、ここでは、音出力制御部6280は、判断部6270の判断結果に基づき、操作デバイス6200の、音出力のオン/オフ又は出力音量を制御する。
本機器管理システム6001では、操作デバイス6200及び空調機6010の位置関係に応じて、少なくとも一方の機器6200,6010の音の出力のオン/オフの制御又は音量の制御が行われるので、両機器6200,6010の出力する音が重なり煩わしい、各機器6200,6010の出力する音が聞きとりにくい等の不具合の発生を抑制できる。
(4-2)
上記実施形態に係る機器管理システム6001では、操作デバイス6200は、空調機6010の動作を操作する遠隔操作機器である。音声出力部6220は、少なくとも空調機6010に対する操作に関する第1情報を音で出力する。音声出力部6140は、空調機6010の動作内容及び/又は状態に関する第2情報を音で出力する。
ここでは、操作デバイス6200は、空調機6010に対する操作を行ったこと等を音で通知する空調機6010の遠隔操作機器であり、空調機6010は、自らの動作内容及び/又は状態に関する情報を音で通知する機器である。このような場合に、少なくとも一方の機器の音の出力のオン/オフの制御又は音量の制御が行われるので、両機器6200,6010の出力する音が重なり煩わしい、両機器6200,6010が比較的大きな音を出力することで操作者が混乱する等の不具合の発生を抑制できる。
(4-3)
上記実施形態に係る機器管理システム6001では、音声出力部6220は、空調機6010に対する操作と関連しない第3情報を音で出力する。音出力制御部6280は、操作デバイス6200と空調機6010とが所定の位置関係にあると判断部6270が判断する場合に、第3情報は第1音量で出力し、かつ、第1情報は音で出力しない、又は、第1音量より小さな第2音量で出力する、ように操作デバイス6200を制御する。
ここで、操作デバイス6200と空調機6010とが所定の位置関係にある場合とは、操作デバイス6200と空調機6010とが、操作デバイス6200の出力する音と空調機6010の出力する音とが互いに影響を与えやすい位置関係にある場合を言う。操作デバイス6200と空調機6010とが所定の位置関係にある場合には、限定するものではないが、例えば、操作デバイス6200と空調機6010との距離が所定距離より近い場合や、操作デバイス6200と空調機6010とが同一領域内に配置されているような場合を含む。
ここでは、操作デバイス6200と空調機6010とが所定の位置関係にあると判断する場合に、操作デバイス6200が出力する情報の中で、空調機6010に対する操作と関連する第1情報については音で出力しない又は音量を抑えるように制御される。そのため、両機器6200,6010の出力する音が重なり煩わしい、両機器6200,6010が比較的大きな音を出力することで操作者が混乱する等の不具合の発生を抑制できる。
(4-4)
上記実施形態に係る機器管理システム6001では、音出力制御部6280は、判断部6270が操作デバイス6200と空調機6010とが所定の位置関係にないと判断する場合に、第1情報及び第3情報を少なくとも音で出力するように操作デバイス6200を制御する。
ここでは、操作デバイス6200と空調機6010とが所定の位置関係にないと判断する場合、言い換えれば操作デバイス6200の出力する音と空調機6010の出力する音とは互いに影響しないと判断する場合には、第1情報と第3情報との両方が音で出力される。そのため、操作者が空調機6010から離れた位置から、操作デバイス6200を用いて空調機6010を操作する場合であっても、空調機6010に対する操作が正しく行われたことを操作者が確認しやすい。
(4-5)
上記実施形態に係る機器管理システム6001では、音出力制御部6280は、判断部6270が操作デバイス6200と空調機6010とが所定の位置関係にあると判断する場合に、第1情報のうち第2情報と内容が重複しない情報は、第3音量で出力し、かつ、第1情報のうち第2情報と内容が重複する情報は、音で出力しない、又は、第3音量より小さな第4音量で出力する、ように操作デバイス6200を制御する。
ここでは、操作デバイス6200と空調機6010とが所定の位置関係にあると判断する場合に、操作デバイス6200が出力する、空調機6010に対する操作に関する第1情報の中で、空調機6010が情報として出力しない音については比較的大きな音量で出力される。そのため、本機器管理システム6001では、伝えられるべき情報が操作者に伝えられないという不具合の発生を抑制できる。
(4-6)
上記実施形態に係る機器管理システム6001は、記憶部6240を備える。記憶部6240は、操作デバイス6200及び空調機6010の少なくとも一方の位置に関する位置関連情報を記憶する。ここでは特に、記憶部6240は、操作デバイス6200及び空調機6010の位置に関する位置関連情報を記憶する。判断部6270は、記憶部6240に記憶された位置関連情報に基づいて、操作デバイス6200と空調機6010との位置関係を判断する。
ここでは、両機器6200,6010の位置関係が記憶部6240に記憶された位置関連情報に基づいて正確に把握されやすく、両機器6200,6010の出力する音が重なり煩わしい、各機器6200,6010の出力する音が聞きとりにくい等の不具合の発生を抑制することが容易である。
(5)変形例
以下に上記実施形態の変形例を示す。なお、変形例は、矛盾しない範囲で互いに適宜組み合わされてもよい。
(5-1)変形例7A
上記実施形態に係る機器管理システム6001では、判断部6270は、記憶部6240に記憶されたた位置関連情報に基づいて、第1機器と第2機器との位置関係を判断するが、判断部6270による位置関係の判断方法はこのような方法に限定されない。
たとえば、機器管理システム6001は、第1機器又は第2機器上に、又は、第1機器又は第2機器の近傍にカメラを有し、判断部6270は、カメラに映る範囲の他方の機器(カメラが第1機器側に設けられる場合には第2機器、カメラが第2機器側に設けられる場合には第1機器)を、カメラ側の機器と所定の位置関係にある機器と判断してもよい。
また、例えば、機器管理システム6001では、音声受付部6210が第2機器の出力する音を実測し、判断部6270は、計測した音の大きさが所定値より大きい第2機器を、操作デバイス6200(第1機器)と所定の位置関係にある機器と判断してもよい。
また、例えば、機器管理システム6001は、GPSや、複数の無線LANのアクセスポイントを利用したWi-Fi測位等の屋内測位技術等を利用して、第1機器(操作デバイス6200)及び第2機器の少なくとも一方の位置を検知する検知部を備えていてもよい。例えば、第1機器の操作デバイス6200がウェアラブルの(例えば腕時計型の)デバイスである場合に、操作デバイス6200に検知部6290が設けられ(図39参照)、操作デバイス6200の位置が検知されてもよい。そして、判断部6270は、検知部6290の検知結果に基づいて、操作デバイス6200と空調機6010との位置関係を判断してもよい。
このような機器管理システム6001では、機器6200,6010の位置の検知結果に基づいて、両機器6200,6010の位置関係が正確に把握されやすく、両機器6200,6010の出力する音が重なり煩わしい、各機器6200,6010の出力する音が聞きとりにくい等の不具合の発生を抑制することが容易である。
(5-2)変形例7B
上記実施形態では、機器管理システム6001は、指示音声により空調機6010、赤外線操作機器群6050の機器、及びネットワーク接続機器群6060の機器を操作可能なシステムであるが、これに限定されるものではない。
例えば、機器管理システム6001では、空調機6010、赤外線操作機器群6050の機器及びネットワーク接続機器群6060の機器の一部が操作対象でなくてもよい。空調機6010、赤外線操作機器群6050の機器及びネットワーク接続機器群6060の機器の一部が操作対象から外れる場合には、不要となる構成(例えば、6040や、空調機サーバ6030や、機器サーバ6070)は、機器システム6000の構成から除外されてもよい。
(5-3)変形例7C
上記実施形態では、機器システム6000の解析サーバ6020、空調機サーバ6030、及び機器サーバ6070は別のサーバであるが、これに限定されるものではない。例えば、1つのサーバが、解析サーバ6020及び空調機サーバ6030として、又は、解析サーバ6020、空調機サーバ6030及び機器サーバ6070として機能してもよい。
また、逆に、上記実施形態で説明した解析サーバ6020、空調機サーバ6030及び機器サーバ6070のそれぞれの機能は、1台のサーバではなく、複数のサーバにより達成されてもよい。
(5-4)変形例7D
上記実施形態に係る機器管理システム6001では、空調機6010及び機器6060a(DVDレコーダ)を第2機器の例として挙げたが、これらの機器は単なる例示であってこれに限定されるものではない。
第2機器は、音出力部を有する機器であれば、特にその製品の種類は限定されない。例えば、第2機器は、音出力部を有するものであれば、上記実施形態の赤外線操作機器群6050の機器(例えば、扇風機、照明機器、オーディオ機器、電子レンジ等)であってもよいし、ネットワーク接続機器群6060のDVDレコーダ以外の機器(例えばテレビ、冷蔵庫、洗濯機、給湯器等)であってもよい。
(5-5)変形例7E
上記実施形態に係る機器管理システム6001では、空調機6010及び機器6060a(DVDレコーダ)を第2機器の例として挙げ、空調機6010及び機器6060aの動作を操作する遠隔操作機器としての操作デバイス6200を第1機器の例として挙げたが、これらの機器は単なる例示であって、これに限定されるものではない。例えば、第1機器と第2機器とは、一方が他方を操作するというような関係を有さない機器であってもよい。
例えば、具体例として、第1機器は映画館やコンサートホールに設置されている、スピーカを音出力部として有する音響機器である。音響機器の音出力部は、音楽や映画のセリフ等を音として出力する。第2機器は着信音等を出力するスピーカを有するスマートフォン等の携帯通信デバイスである。そして、スマートフォンの検知部が、例えばスマートフォンのGPS機能等を利用してスマートフォンの位置を検知し、スマートフォンの判断部が、位置の検知結果に基づいて、音響機器とスマートフォンとの位置関係を判断する。例えば、スマートフォンの判断部は、スマートフォンの位置の検知結果に基づいて、スマートフォンが映画館やコンサートホール内にあるかを判断することで、音響機器とスマートフォンとの位置関係(音響機器とスマートフォンとが同じ空間に存在するか)を判断する。そして、スマートフォンの音出力制御部は、スマートフォンの判断部の判断結果に基づき、例えばスマートフォンの音出力をオフにする。
このように構成されることで、音響機器の出力する音に携帯通信デバイスの着信音等が重なり煩わしい、音響機器の出力する音が聞きとりにくい等の不具合の発生を抑制することができる。
(5-6)変形例7F
上記実施形態では、操作デバイス6200から解析サーバ6020に指示音声に基づく信号6000Sが送信され、解析サーバ6020で信号6000Sの認識処理が行われるが、機器管理システム6001はこのような態様に限定されるものではない。
例えば、操作デバイス6200が解析サーバ6020と同様の認識機能を有し、操作デバイス6200により上記の解析サーバ6020と同様の処理が実行されてもよい。
また、操作デバイス6200は、解析サーバ6020の機能に加え、空調機サーバ6030や機器サーバ6070の機能を有していてもよい。
(5-7)変形例7G
上記実施形態の機器管理システム6001は、空調機6010等を音声操作可能なシステムであるが、これに限定されるものではない。例えば、機器管理システム6001の操作デバイス6200は、空調機6010等を、音声入力ではなく、ボタン操作や、テキスト入力によって操作可能なデバイスであってもよい。
(5-8)変形例7H
上記実施形態の機器管理システム6001では、操作デバイス6200の音出力を制御する音出力制御部6280が操作デバイス6200に設けられるが、音出力制御部は、機器システム6000中の他の場所に設けられてもよい。
例えば、上記実施形態では、音声出力部6220において、指令情報に基づいて情報の音による出力が行われる。そこで、音出力制御部は、解析サーバ6020、空調機サーバ6030、及び機器サーバ6070等のサーバ側に設けられてもよい。そして、操作デバイス6200において音で出力させ無い方がよい内容の指令情報については、操作デバイス6200に送信されないように、解析サーバ6020、空調機サーバ6030、及び機器サーバ6070等のサーバ側で制御が行われてもよい。
また、判断部6270に関しても、操作デバイス6200に搭載される必要はなく、例えばサーバ6020,6030,6070や、他のサーバ等により、操作デバイス6200と第2機器との位置関係が判断されてもよい。
(5-9)変形例7I
上記実施形態の機器システムでは、操作デバイス6200の音出力が制御されたが、これに限定されるものではなく、音出力制御部によって、第2機器(例えば空調機6010や機器6060a)の音出力が制御されてもよい。
例えば、判断部6270により、操作デバイス6200と第2機器とが所定の位置関係にあると判定される場合、操作デバイス6200の音出力制御部6280は、第2機器(例えば空調機6010)に、音声出力部6140の出力を禁じる指令を送信してもよい。
また、例えば、空調機サーバ6030や機器サーバ6070側で、操作デバイス6200と第2機器とが所定の位置関係にあるか否かの判断を行い、第2機器に対し音声出力部の音声の出力を禁じる指令を送信してもよい。
(5-10)変形例7J
上記実施形態では、第1機器及び第2機器の音出力部は音声(言語音)を主に出力するものであるが、これに限定されるものではない。第1機器及び第2機器の音出力部は、主にビープ音等で情報を出力してもよい。
<第14実施形態>
第13実施形態に係る機器管理システム6001では、判断部6270が、第1機器と第2機器との位置関係を判断し、音出力制御部6280が、判断部6270の判断結果に基づき、第1機器及び第2機器の少なくとも一方の、音出力のオン/オフ又は出力音量を制御する。例えば、一の態様では、判断部6270が、操作デバイス6200と空調機6010との位置関係を判断し、音出力制御部6280が、判断部6270の判断結果に基づき、操作デバイス6200の音出力のオン/オフ又は出力音量を制御する。
ただし、これに限定されるものではなく、機器管理システム6001A(図40参照)は、以下の様に構成されてもよい。なお、機器管理システム6001Aは、判断部6270A及び音出力制御部6280Aを除き、第13実施形態と同様である。そのため、ここでは、機器管理システム6001Aに関し、機器管理システム6001との相違点(判断部6270A及び音出力制御部6280A)を主に説明し、その他の説明の大半を省略する。
機器管理システム6001Aでは、判断部6270Aが判断する内容が、第13実施形態の判断部6270とは異なる。判断部6270Aは、判断部6270とは異なり、第1機器の出力する音及び第2機器の出力する音の一方による、第1機器の出力する音及び第2機器の出力する音の他方に対する阻害の程度を判断する。なお、第1機器の出力する音及び第2機器の出力する音の一方による、第1機器の出力する音及び第2機器の出力する音の他方に対する阻害の程度とは、一方の機器の出力する音が、他方の機器の出力する音の聴音を阻害する程度(例えば、第1機器の出力する音が第2機器の出力する音の聴音を阻害する程度)を意味する。そして、音出力制御部6280Aは、判断部6270Aの判断結果に基づき、第1機器及び第2機器の少なくとも一方の、音出力のオン/オフ又は出力音量を制御する。
以下に、詳細に説明する。なお、以下では、操作デバイス6200を第1機器の一例として、空調機6010を第2機器の一例として説明を進める。
機器管理システム6001Aでは、判断部6270Aが、操作デバイス6200の音声出力部6220の出力する音及び第2機器の一例である空調機6010の音声出力部6140の出力する音の一方による、操作デバイス6200の音声出力部6220の出力する音及び空調機6010の音声出力部6140の出力する音の他方に対する阻害の程度を判断する。特に、本実施形態の機器管理システム6001Aでは、判断部6270Aが、空調機6010の音声出力部6140の出力する音による、操作デバイス6200の音声出力部6220の出力する音に対する阻害の程度を判断するものとする。ただし、別の形態では、判断部6270A(あるいは操作デバイス6200の外に設けられた図示しない判断部)は、操作デバイス6200の音声出力部6220の出力する音による、空調機6010の音声出力部6140の出力する音に対する阻害の程度を判断してもよい。また、判断部6270A(あるいは操作デバイス6200の外に設けられた図示しない判断部)は、空調機6010の音声出力部6140の出力する音による操作デバイス6200の音声出力部6220の出力する音に対する阻害の程度と、操作デバイス6200の音声出力部6220の出力する音による空調機6010の音声出力部6140の出力する音に対する阻害の程度と、を両方判断してもよい。
また、機器管理システム6001Aでは、音出力制御部6280Aが、判断部6270Aの判断結果に基づき、操作デバイス6200及び空調機6010の少なくとも一方の、音出力のオン/オフ又は出力音量を制御する。例えば、ここでは、音出力制御部6280Aは、判断部6270Aの判断結果に基づき、空調機6010の(より具体的には、空調機6010の音声出力部6140の)音出力のオン/オフ又は出力音量を制御する。なお、音出力制御部6280Aは、空調機サーバ6030を介して、あるいは、コントローラ6150と直接通信を行うことで、空調機6010の音声出力部6140のオン/オフ又は出力音量等を制御可能に構成されているものとする。音出力制御部6280Aは、空調機6010の音声出力部6140の出力する音による、操作デバイス6200の音声出力部6220の出力する音に対する阻害の程度(以後、説明の簡略化のため単に阻害の程度と呼ぶ場合がある)が所定の程度にあると判断部6270Aが判断する場合に、空調機6010の音出力のオン/オフ又は出力音量を制御する。なお、音出力制御部6280Aは、阻害の程度が所定の程度にあると判断部6270Aが判断する場合に、操作デバイス6200の音出力のオン/オフ又は出力音量を制御してもよい。
判断部6270Aによる阻害の程度が所定の程度にあるか否かの判断、及び、音出力制御部6280Aによる音出力のオン/オフ又は出力音量の制御は、例えば以下の様に行われる。
一例では、機器管理システム6001Aにおいて、操作デバイス6200は、空調機6010の音声出力部6140が出力する音の、マイク素子6210aによる取得を試み、判断部6270Aは、マイク素子6210aが取得した音に基づいて阻害の程度が所定の程度にあるか否かを判断する。限定するものではないが、一実施形態では、操作デバイス6200の音声受付部6210のマイク素子6210aに対し、空調機6010の音声出力部6140からのテスト音の出力を要求する指示音声が入力されると、操作デバイス6200は、指示音声に基づいた信号6000Sを生成し、通信部6250から解析サーバ6020へと信号6000Sを送信する。解析サーバ6020は、受信した信号6000Sの音声認識処理を実行する。そして、解析サーバ6020又は空調機サーバ6030は、解析サーバ6020の音声認識処理の結果に基づき、操作対象の空調機6010に対する指令6000C(音声出力部6140からのテスト音の出力を要求する指令)を生成し、空調機6010に対して送信する。空調機6010の音声出力部6140は、指令6000Cを受けて、所定の時間、テスト音を出力する。一方で、操作デバイス6200のマイク素子6210aは、空調機6010の音声出力部6140が出力するテスト音の取得を試みる。
そして、例えば、判断部6270Aは、空調機6010の音声出力部6140が出力するテスト音が取得できた場合には、阻害の程度が所定の程度にあると判断する。あるいは判断部6270Aは、単にテスト音を取得できただけではなく、取得したテスト音の音の大きさが所定の大きさ以上であると判断した場合に、阻害の程度が所定の程度にあると判断してもよい。そして、音出力制御部6280は、判断部6270Aの判断結果に基づき(阻害の程度が所定の程度にあると判断される場合に)、空調機6010の音出力をオフにする制御又は出力音量を下げる制御を行う。このような態様では、操作デバイス6200の周りにおいて、空調機6010の音声出力部6140が出力する音が聞こえない又は比較的小さい音でしか聞こえないため、操作デバイス6200の音声出力部6220が出力する音の聴音が阻害されにくい。
他の態様では、機器管理システム6001Aは、マイク素子6210aとは別の位置(例えば、空調機6010や操作デバイス6200が設置されている部屋内であって、かつ、空調機6010及び操作デバイス6200とは離れた位置)に置かれたマイク素子(図示せず)により空調機6010の音声出力部6140が出力する音の取得を試み、判断部6270Aは、図示しないマイク素子が取得した音の結果に基づいて、上記と同様の判断を行ってもよい。このような態様では、マイク素子の設置箇所(例えば、機器管理システム6001のユーザが主に行動する空間)の周りにおいて、空調機6010の音声出力部6140が出力する音が聞こえない又は比較的小さい音でしか聞こえないため、操作デバイス6200の音声出力部6220が出力する音の聴音が阻害されにくい。
さらに他の態様では、機器管理システム6001Aは、マイク素子(マイク素子6210a又はマイク素子6210aとは別の図示されないマイク素子)により、音声出力部6220が空調機6010に対する操作に関する情報(第1情報)を音声で出力するタイミングで、空調機6010の音声出力部6140が出力する空調機6010の動作内容及び/又は状態に関する情報(第2情報)の音の出力の取得を試みる。そして、判断部6270Aは、音声出力部6140が出力する音をマイク素子が取得した場合に、阻害の程度が所定の程度にあると判断してもよい。この場合に、音出力制御部6280Aは、判断部6270Aの判断結果に基づき、空調機6010の音出力をオフにする制御又は出力音量を下げる制御を行う代わりに、判断部6270Aの判断結果に基づき、空調機6010の音出力のタイミングをずらす制御を実行してもよい。このような態様では、マイク素子の設置箇所の周りにおいて、空調機6010の音声出力部6140が出力する音が、操作デバイス6200の音声出力部6220が出力する音とは重なって聞こえないため、操作デバイス6200の音声出力部6220が出力する音の聴音が阻害されにくい。
さらに他の態様では、判断部6270Aは、音を実測することなく、第1機器と第2機器との位置関係や、変形例7Aで例示したような態様に基づいて、阻害の程度を判断してもよい。例えば、判断部6270Aは、第1機器と第2機器との距離が所定距離より近い場合に、第1機器の出力する音及び第2機器の出力する音の一方による、第1機器の出力する音及び第2機器の出力する音の他方に対する阻害の程度が所定の程度にあると判断してもよい。また、例えば、判断部6270Aは、第1機器と第2機器とが同じ部屋に配置される場合に、第1機器の出力する音及び第2機器の出力する音の一方による、第1機器の出力する音及び第2機器の出力する音の他方に対する阻害の程度が所定の程度にあると判断してもよい。
なお、第1機器の出力する音及び第2機器の出力する音の一方による、第1機器の出力する音及び第2機器の出力する音の他方に対する阻害の程度が所定の程度にあると判断部6270Aが判断する場合に、音出力制御部6280Aは、第13実施形態と同様に、前記の第3情報(第2機器に対する操作と関連しない情報)は第1音量で出力し、前記の第1情報(第2機器に対する操作と関する情報)は、音で出力しない、又は、第1音量より小さな第2音量で出力する、ように第1機器(例えば遠隔操作機器の一例としての操作デバイス6200)を制御してもよい。
また、音出力制御部6280Aは、判断部6270Aが第1機器の出力する音及び第2機器の出力する音の一方による、第1機器の出力する音及び第2機器の出力する音の他方に対する阻害の程度が所定の程度にないと判断する場合に、第13実施形態と同様に、前記の第1情報及び第3情報を少なくとも音で出力するように第1機器(例えば遠隔操作機器の一例としての操作デバイス6200)を制御してもよい。
また、音出力制御部6280Aは、判断部6270Aが第1機器の出力する音及び第2機器の出力する音の一方による、第1機器の出力する音及び第2機器の出力する音の他方に対する阻害の程度が所定の程度にあると判断する場合に、第13実施形態と同様に、前記の第1情報のうち、第2機器が音で出力する第2情報(第2機器の動作内容及び/又は状態に関する情報)と内容が重複しない情報は、第3音量で出力し、かつ、前記の第1情報のうち前記の第2情報と内容が重複する情報は、音で出力しない、又は、第3音量より小さな第4音量で出力する、ように第1機器(例えば遠隔操作機器の一例としての操作デバイス6200)を制御してもよい。
また、第14実施形態において、記憶部6240は、第1機器の出力する音及び第2機器の出力する音の一方による、第1機器の出力する音及び第2機器の出力する音の他方に対する阻害の程度に関する阻害関連情報を記憶してもよい。そして、判断部6270Aは、記憶部6240に記憶された阻害関連情報に基づいて、第1機器の出力する音及び第2機器の出力する音の一方による、第1機器の出力する音及び第2機器の出力する音の他方に対する阻害の程度を判断してもよい。
なお、第14実施形態に係る機器管理システム6001Aには、第13実施形態やその変形例の構成が矛盾のない範囲で適宜適用されてもよい。
<第15実施形態>
(1)音情報解析システムの構成
第1実施形態に係る音情報解析システム7001は、図41に一例を示すように、空調機7010と、情報処理装置(音情報解析部)7100とを備える。なお、情報処理装置7100は、実行する処理に相違する点があるものの、第1実施形態等における解析サーバ20と同様の装置である。
(1-1)空調機
空調機7010は、図41,42に示すように、室外機(第1空調機)7020、室内機(第2空調機)7040、及び制御部7060を備え、被空調空間7000S内に、所定の状態の調和空気を生成して吹き出すものである。なお、所定の状態とは、調和空気の温度、風量、風向のいずれか又は任意の組み合わせの状態を意味する。
室外機7020と室内機7040とは、図42に示すように冷媒配管7011,7012及び閉鎖弁7013,7014を介して互いに接続されており、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを形成する。空調機7010の各構成機器は制御部7060により制御される。
室外機7020は、被空調空間7000Sの外側に設置され、主に圧縮機7021、四路切換弁7022、室外熱交換器7023、室外ファン7024、膨張機構7025等を具備している。なお、本実施形態において「膨張機構」とは、冷媒を減圧できるものをいい、例えば膨張弁、キャピラリーチューブがこれに該当する。また、室外機7020に搭載された室外制御回路7029が、これらの室外機7020の構成機器を制御している。
さらに、室外機7020には、第1マイク7028が着脱自在に取り付けられている。室外機7020に第1マイク7028が取り付けられている場合、第1マイク7028が、被空調空間7000Sの外側で、第1マイク7028の周辺で生じる「外側音」を取得する。取得された外側音は、後述する制御部7060を介して情報処理装置7100に送信される。また、第1マイク7028は、制御部7060からの出力命令に応じて、第1マイク7028の周辺に各種音情報を出力することが可能である。
室内機7040は、被空調空間7000Sの内側に設置され、主に室内熱交換器7041、室内ファン7042等を具備している。また、室内機7040に搭載された室内制御回路7049が、これらの室内機7040の構成機器を制御している。
さらに、室内機7040には、第2マイク7048が着脱自在に取り付けられている。室内機7040に第2マイク7048が取り付けられている場合、第2マイク7048が、被空調空間7000Sの内側で、第2マイク7048の周辺で生じる「内側音」を取得する。取得された内側音は、後述する制御部7060を介して情報処理装置7100に送信される。また、第2マイク7048は、制御部7060からの出力命令に応じて、第2マイク7048の周辺に各種音情報を出力することが可能である。
制御部7060は、空調機7010の内部機構を制御するものであり、室外制御回路7029及び室内制御回路7049により構成される。例えば、制御部7060は、リモコン等を介して入力されたユーザの命令に応じて、空調機7010の内部機構を制御する。さらに具体的には、制御部7060は、冷房運転の命令に応じて、圧縮機7021、放熱器としての室外熱交換器7023、膨張機構7025、蒸発器としての室内熱交換器7041の順に冷媒を循環するように各機器を制御する。また、制御部7060は、暖房運転の命令に応じて、圧縮機7021、放熱器としての室内熱交換器7041、膨張機構7025、蒸発器としての室外熱交換器7023の順に冷媒を循環するように各機器を制御する。なお、制御対象に応じて、室外制御回路7029又は室内制御回路7049が単独で制御を実行することもあれば、室外制御回路7029及び室内制御回路7049が協働して制御を実行することもある。
また、制御部7060は、情報処理ユニット7070が予め一体化して組み込まれるものであるか、情報処理ユニット7070を後から追加することが可能なものである。情報処理ユニット7070は、図43に示すように、入力部7071、出力部7072、通信部7073、記録部7074、処理部7075を具備している。
入力部7071は、情報処理ユニット7070に各種情報を入力するものである。入力部7071の機能により、リモコン等から送出されてきた空調機7010の設定情報を処理部7075に入力することができる。また、第1マイク7028及び第2マイク7048などにより検出された音情報を処理部7075に入力することができる。
出力部7072は、情報処理ユニット7070から各種情報を出力するものである。出力部7072を介して制御情報を出力することにより、空調機7010の内部機構を制御することができる。また、出力部7072の機能により、リモコンの表示パネル等に空調機7010の運転情報を表示することができる。また、出力部7072の機能により、第1マイク7028及び第2マイク7048から各種音情報を出力することができる。
通信部(送信部)73は、インターネットなどのネットワーク7000NWに接続するための機能を有している。通信部7073を介して、外部の情報処理装置7100と通信することが可能となる。
記録部7074は、ROM,RAM等により実現され、情報処理ユニット7070に入力される情報、及び、情報処理ユニット7070で計算される情報等を記録するものである。また、記録部7074は、入力部7071を介して入力された情報を記録する。なお、記録部7074は、特定のキーワード及び/特定の周波数に対応する音情報を記録するように構成することもできる。
処理部7075は、CPU,GUP等により実現され、情報処理を実行するものである。処理部7075は、記録部7074に記録されたプログラムを実行することで各種機能を実現する。また、処理部7075は、第1マイク7028及び第2マイク7048を介して、被空調空間7000Sの外側及び内側の音情報を検出し、検出した音情報を、通信部7073を介して情報処理装置7100に送信する。なお、処理部7075は音情報を常時送信するものでなくてもよい。例えば、処理部7075は、記録部7074に記録された特定のキーワード及び/特定の周波数に対応する音情報を検出した場合にのみ、待機モードから検出モードに遷移し、検出した音情報を情報処理装置7100に送信するものでもよい。
(1-2)情報処理装置
情報処理装置7100は、図43に示すように、入力部7101、出力部7102、通信部7103、記録部7104、処理部7105を有しており、インターネットなどのネットワーク7000NWを介して、空調機7010に内蔵された情報処理ユニット7070と接続している。
ここで、入力部7101は、情報処理装置7100に各種情報を入力するものである。出力部7102は、情報処理装置7100からの各種情報を出力するものである。
通信部7103は、外部のネットワーク7000NWと接続し、情報通信を可能にするものである。また、通信部7103は、処理部7105による解析結果に基づいて、所定の情報を指定の送信先7007に送信する。送信先7007の例としては、空調機7010のユーザ及びその家族の携帯電話、カスタマーセンタ、警察、病院等が挙げられる。
記録部7104は、ROM,RAM等により実現され、情報処理装置7100に入力される情報、及び、情報処理装置7100で計算される情報等を記録するものである。ここでは、記録部7104は、「音情報解析DB7104D」を有している。また、記録部7104は、送信先7007の送信先情報等も記録している。
音情報解析DB7104Dは、図44に示すように、時刻t及び個々の空調機7010の識別情報に関連付けて、外側音の情報及び内側音の情報を随時記録する。また、音情報解析DB7104Dは、処理部7105による音情報の解析結果も記録する。なお、図44に示すように、個々の空調機7010は一意に特定される識別番号(ID)により管理される。
処理部7105は、CPU,GPU等により実現され、情報処理装置7100における情報処理を実行するものである。ここでは、処理部7105が、記録部7104に記録されたプログラムを実行することで、各種機能を発揮する。
具体的に、処理部(音情報解析部)7105は、外側音の情報と内側音の情報とを比較し、空調機7010自体又は空調機7010の周辺環境が所定の状態にあるか否かを判定する機能を有している。ここでは、処理部7105は、リカレントニューラルネットワーク等を利用して、外側音の情報及び内側音の情報に、特定のキーワード及び/又は特定の周波数が含まれているか否かを解析し、空調機7010自体又は空調機7010の周辺環境が所定の状態にあるか否かを判定する。そして、処理部7105は、所定の状態にあると判定した場合、外側音の情報及び内側音の情報を記録部7104に記録する。また、処理部7105は、外側音の情報及び内側音の情報の記録部7104への記録の開始とともに、空調機7010の状態を解析し、解析結果に応じた処理を実行する。
(2)音情報解析システムの動作
図45は本実施形態に係る音情報解析システム7001の動作の一例を示すシーケンス図である。
まず、室外機7020において、第1マイク7028が随時周辺の音情報を検出する(S101)。続いて、室外機7020は、通信部7073を介して、検出した音情報を情報処理装置7100に送信する(S102)。
また、室内機7040においても、第2マイク7048が随時周辺の音情報を検出する(S103)。そして、室内機7040は、通信部7073を介して、検出した音情報を情報処理装置7100に送信する(S104)。
次に、情報処理装置7100が、室外機7020及び室内機7040から受信した音情報を音情報解析DB7104Dに随時記録する(S105)。また、情報処理装置7100では、処理部7105が、室外機7020から受信した外側音及び室内機7040から受信した内側音を用いて、空調機7010自体又は空調機7010の周辺環境がどのような状態であるのかを解析する(S106)。そして、処理部7105は、解析結果に応じた処理を実行する(S107)。
(3)特徴
(3-1)
以上説明したように、本実施形態に係る音情報解析システム7001は、室外機(第1空調機)7020と、室内機(第2空調機)7040と、情報処理装置(音情報解析部)7100とを備える。そして、情報処理装置7100が、外側音の情報及び内側音の情報の両方の音情報を解析する。これにより、空調機7010自体及び/又は空調機7010の周辺環境の状態を的確に認識できる。また、音情報解析システム7001では、計算リソースの豊富な外部の情報処理装置7100を用いて音情報を解析できるので、高精度の音情報の解析を実行できる。
補足すると、本実施形態に係る音情報解析システム7001は、情報処理装置7100が記録部7104及び処理部7105をさらに備える。そして、処理部7105が、外側音の情報と内側音の情報とを比較する。また、処理部7105が所定の状態にあると判定したときに、記録部7104が外側音の情報及び内側音の情報の記録を開始する。このような構成により、空調機7010自体及び/又は空調機7010の周辺環境が所定の状態になったときの音情報を解析できる。なお、情報処理装置7100の処理部7105は、外側音の情報及び内側音の情報に特定のキーワード及び/又は特定の周波数が含まれていると解析したときに、記録部7104が、外側音の情報及び内側音の情報を記録するものでもよい。このような構成により、特定のキーワード及び/又は特定の周波数を検出したときの空調機の状態及び/又は空調機の周辺環境の状態を解析できる。
また、本実施形態に係る音情報解析システム7001は、情報処理装置7100の通信部(送信部)103が、処理部7105による解析結果に基づいて、所定の情報を指定の送信先7007に送信する。このような構成により、空調機7010自体及び/又は空調機7010の周辺環境の状態を管理者等に認識させることができる。
上述の構成を具備しているので、本実施形態に係る音情報解析システム7001は以下に示すような応用が可能である。
例えば、音情報解析システム7001を用いて、空調機7010自体の異常検知を行なうことができる。具体的には、情報処理装置7100の処理部7105が、外側音から圧縮機7021の異常音を検出し、内側音からも異常音を検出した場合、検出した異常音及び特定のパターンに基づいて、空調機7010の故障レベルを判定する。そして、空調機7010のユーザの連絡先及びカスタマーセンタの連絡先等に、故障レベルの情報を通知する。このようにして、空調機7010の異常を管理者等に通知することができる。なお、処理部7105は、音情報の解析結果だけでなく、圧縮機7021の回転数や吐出温度等の情報を組み合わせることで、さらに高精度に故障レベルを判定することもできる。
また、例えば、音情報解析システム7001を用いることで、空調機7010の周辺環境の異常を検知し、状況に応じた処理を行うことができる。具体的には、情報処理装置7100の処理部7105が、外側音及び内側音の音量の比較から、空調機7010の周辺で騒音等が生じたと解析することで、空調機7010のユーザの連絡先及び/又は管轄の警察署等に騒音が生じた旨を通報する処理を実行できる。他にも、情報処理装置7100の処理部7105が、災害時に、内側音から人の声を検出し、外側音から救急車のサイレン音を検出しないときには、病院に救急車の出動を促す通報を行なう等の処理を実行できる。
(3-2)
また、本実施形態に係る音情報解析システム7001は、外側音と内側音の音圧値の差が所定値以上である場合、所定の情報を指定先に送信するようにしてもよい。例えば、音圧値の変化に着目することで、バイクによる騒音などの判定を容易に実行することができる。
(3-3)
また、本実施形態に係る空調機7010は、情報処理装置7100の処理部7105による解析結果に基づいて、室外機7020及び室内機7040を制御する制御部7060をさらに備える。ここでは、制御部7060は、情報処理ユニット7070からの制御命令に応じて、室外機7020及び室内機7040を制御する。このような構成により、空調機7010自体及び/又は空調機7010の周辺環境の状態に応じて適切に空調機7010を制御できる。
例えば、制御部7060は、音情報の解析結果から空調機7010の周辺環境に火事が生じていると判定された場合、空調機7010の冷媒を室内機7040から室外機7020に移動させるように制御する。
(4)変形例
(4-1)
本実施形態に係る音情報解析システム7001において、空調機7010は、第1マイク7028及び第2マイク7048により検出された音情報を情報処理装置7100に常時送信するものでなくてもよい。具体的には、空調機7010の処理部7075は、記録部7074に記録された特定のキーワード及び/特定の周波数に対応する音情報を検出した場合にのみ、待機モードから検出モードに遷移し、検出した音情報を情報処理装置7100に送信するものでもよい。また、空調機7010の処理部7075は、所定の音圧値以上の音情報を検出したときにのみ、検出した音情報を情報処理装置7100に送信するものでもよい。
例えば、大きな音が発生する事故や災害等の異常が発生した場合には、室外機7020の第1マイク7028により検出される音圧値又は室内機7040の第2マイク7048により検出される音圧値が所定値以上となることがある。このような場合に、空調機7010が待機モード(スリープ)から検出モードに遷移し、情報処理装置7100に音情報を送信することで、警察等に異常が発生した旨を通報することができる。
(4-2)
本実施形態に係る音情報解析システム7001は、情報処理装置7100の記録部7104が外側音の情報及び内側音の情報の記録を開始するときに、処理部7105が、記録部7104に記録されている情報を参照し、所定の条件を満たす類似音が存在するか否かを確認するものでもよい。このような構成により、処理部7105は、類似音が存在したときの状況を参照して処理を実行することができる。結果として、解析に要する計算量の負荷を軽減できる。
(4-3)
また、本実施形態に係る音情報解析システム7001は、室外機7020及び/又は室内機7040が、室外機7020及び/又は室内機7040の位置情報を取得する位置情報取得部(いわゆるGPS機能)をさらに備えるものでもよい。また、このような構成の場合は、記録部7104が、位置情報に関連付けて、外側音の情報及び内側音の情報を記録する。これにより、空調機7010の位置情報が情報処理装置7100に記録されていない場合でも、空調機7010自体及び/又は空調機7010の周辺環境の状態を的確に認識できる。
例えば、音情報の解析結果から、バイクによる騒音が生じたと判定した場合に、その騒音情報の位置を特定することができる。さらに、騒音が生じた旨及びその場所を管轄の警察署等に通報することができる。
(4-4)
また、本実施形態に係る音情報解析システム7001は、情報処理装置7100の処理部7105により、内側音の音量と外側音の音量との差が所定量を超えていると解析された場合、被空調空間7000Sに向けて所定の情報を出力するようにしてもよい。このような構成により、空調機7010の周辺環境に存在する人に向けて、所定の情報を通知できる。
例えば、空調機7010のメンテナンス業者に対し、空調機7010の診断情報及び必要な作業情報を通知できる。
また、例えば、ホテルなどでは被空調空間7000Sの内側での騒音が生じたときに、室内の利用者に注意情報を通知することができる。
(4-5)
また、本実施形態に係る空調機7010において、通信部(音情報送信部)7073は、室外機7020又は室内機7040が個別に有していてもよいし、いずれか一方が有するものでもよい。後者の場合(室外機7020又は室外機7020のいずれか一方が通信部7073を有している場合)は、通信部7073を有していない室外機7020又は室内機7040は、通信部7073を有している室内機7040又は室外機7020を介して情報処理装置7100に情報を送信する。
(4-6)
また、本実施形態に係る音情報解析システム7001Sは、室外機7020が第1マイク7028を有し、室内機7040が第2マイク7048を有する構成としたが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、室外機7020ではなく、対象とする被空調空間7000Sの外側に存在する他の室内機が第1マイク7028を有していてもよい。要するに、本実施形態に係る音情報解析システム7001Sは、被空調空間の内外に存在する2以上の室外機及び/又は室内機がそれぞれ第1マイク及び第2マイクを有する任意の形態を採用し得るものである。
例えば、ホテルなどでは被空調空間7000Sの内側での騒音が苦情となることがある。ホテルの隣接する部屋に配置された2つの室内機がそれぞれ第1マイク7028及び第2マイク7048を有することで、隣接する部屋の音量を比較して注意情報を出力することが可能となる。これにより、ホテル利用者の公平感を確保できる。
<第16実施形態>
図46は第16実施形態に係る音情報解析システム7001Sの概念を示す模式図である。なお、以下の説明において、既に説明した部分と同一の部分には略同一の符号を付し、重複した説明を省略する。また、他の実施形態と区別するために、本実施形態では英大文字の添え字Sを付すことがある。
第16実施形態の音情報解析システム7001Sは、空調機7010S(室外機7020S及び室内機7040S)の情報処理ユニット7070Sが第15実施形態の情報処理装置7100の機能を有している。したがって、図47に示すように、情報処理ユニット7070Sの記録部7074Sが、第15実施形態の音情報解析DB7104Dと同様の構成の音情報解析DB7074Dを有している。このような構成により、外部の情報処理装置7100を利用せずに、空調機7010Sの情報処理ユニット7070Sで音情報の解析が可能となる。
補足すると、特定のキーワード及び/又は特定の周波数に対応する音情報のみの解析を目的とする場合等には、高度の計算能力が要求されないことがある。そして、そのような場合には、外部の情報処理装置7100を利用しない簡易な構成のシステムが求められることがある。第16実施形態に係る音情報解析システム7001Sは、このような簡易化に対する要求に応えることができるものである。
なお、第16実施形態に係る音情報解析システム7001Sは、情報処理装置7100を利用しないということ以外は、第15実施形態に係る音情報解析システム7001と同様の構成を有するものである。したがって、第16実施形態に係る音情報解析システム7001Sにおいても、第15実施形態で説明した特徴と同様の特徴を有し、同様の変形例を適用することができる。
<第17実施形態>
図47は第17実施形態に係る音情報解析システム7001Tの概念を示す模式図である。なお、他の実施形態と区別するために、本実施形態では英大文字の添え字Tを付すことがある。
第17実施形態の音情報解析システム7001Tでは、第1,2実施形態に係る室外機7020及び室内機7040に代えて、第1空調機7020T及び第2空調機7040Tとしている。
ここで、第1空調機7020Tは熱源側空調機であり、圧縮機等を有している。また、第1空調機7020Tは、例えば水冷式の熱交換器を有しており、建物7005内の機械室7000Rへの設置が可能なものである。第2空調機7040Tは利用側熱交換器であり、被空調空間7000Sに調和空気を供給するものである。
要するに、第3実施形態に係る空調機7010Tは、図47に示すように同一の建物7005内に設置することが可能なものである。ただし、これに限らず、第17実施形態に係る音情報解析システム7001Tは、被空調空間7000Sの内外に存在する2以上の第1空調機7020T及び/又は第2空調機7040Tがそれぞれ第1マイク7028及び第2マイク7048を有する任意の形態を採用し得るものである。
このような第17実施形態に係る空調機7010Tは第15,16実施形態に係る空調機7010,7010Sの概念を包含するものであるので、第15,16実施形態で説明したのと同様の特徴を有し、同様の変形例が適用可能である。
<その他の実施形態>
以上に例示した実施形態及び変形例は、互いに矛盾のない範囲で適宜組み合わされてもよい。
<付記>
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。