JP7060781B2 - 移動経路検索プログラム、移動経路検索装置、及び移動経路検索方法 - Google Patents

移動経路検索プログラム、移動経路検索装置、及び移動経路検索方法 Download PDF

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Description

本発明は、移動経路検索プログラム、移動経路検索装置、及び移動経路検索方法に関する。
従来、車載用のナビゲーションシステム等で、出発地から目的地まで到達するための走行ルートを提示する装置が提供されている。中でも、利用者が安心して走行ルートを選択できるよう、走行実績に基づいたルートを提供する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017-9308号公報
しかし、利用者には様々なニーズがあり、利用者によって所望とする移動経路(ルート)は異なっている。移動経路の候補が複数あれば、利用者は所望のルートを自由に選択することができる。
一つの側面では、移動実績の高い移動経路の候補を抽出することができる、移動経路検索プログラム、移動経路検索装置、及び移動経路検索方法を提供することを目的とする。
一つの実施態様では、移動経路検索プログラムは、
始点及び終点の情報を受け付け、
前記始点及び前記終点を結ぶ移動経路に含まれる移動区間の少なくとも1つを通過した移動体の移動履歴データ群の組み合わせから、前記始点から前記終点までの移動経路を抽出し、
抽出した前記移動経路における移動履歴データに基づき、前記始点から前記終点までの移動経路に含まれる分岐点毎に、分岐した移動体の移動量の割合である移動比率を算出し、前記移動比率が所定の値以上になる分岐後の移動経路を抽出する、
処理をコンピュータに実行させる。
一つの側面では、移動実績の高い移動経路の候補を抽出することができる、移動経路検索プログラム、移動経路検索装置、及び移動経路検索方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施例に係る移動経路検索装置を含むシステムの構成を示す図である。 図2は、移動経路検索装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 図3は、移動経路検索装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 図4は、受信した走行車両の走行データの一例を示す図である。 図5は、走行履歴データベースの一例を示す図である。 図6は、走行経路データベースの一例を示す図である。 図7は、算出結果データベースの一例を示す図である。 図8は、移動経路検索装置により抽出された分岐後の移動経路が出力された画面の一例を示す図である。 図9は、移動経路検索装置により抽出された分岐後の移動経路が出力された画面の一例を示す図である。 図10は、端末装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 図11は、端末装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 図12は、移動経路検索装置が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
本発明の移動経路検索装置は、移動経路に含まれる分岐点において、移動体の分岐した割合である移動比率を移動履歴データから算出し、移動比率の高い移動経路を抽出する。これにより、従来とは異なる新たな視点として分岐点での移動体の流出量に着目した、移動実績の高い移動経路の候補を抽出することができる。
具体的には、まず、移動経路検索装置は、始点及び終点の情報を受け付ける。
始点は、移動経路の始まる点又は範囲であり、例えば、出発地などが挙げられる。始点は、起点と称することもある。
終点は、移動経路の終わる点又は範囲であり、例えば、目的地、到着地などが挙げられる。
始点及び終点の情報としては、例えば、点での情報、範囲での情報などが挙げられる。
点での情報としては、例えば、緯度経度、地点の名称、ランドマークの名称などが挙げられる。
範囲での情報としては、例えば、上記の点での情報に、半径の情報を加えたものなどが挙げられる。この場合には、受け付けた点を中心とし、受け付けた半径の円で区切った範囲が始点及び/又は終点の範囲となる。このほかの範囲での情報としては、例えば、標準地域メッシュのメッシュコード、行政区画の名称などが挙げられる。
情報を受け付ける方法としては、例えば、ディスプレイに表示された道路地図上でポインティングデバイス等により情報を受け付ける方法、地点の名称等の文字や半径の数値で情報を受け付ける方法、ランドマークの名称等の文字で情報を受け付ける方法などが挙げられる。
次に、移動経路検索装置は、始点及び終点を結ぶ移動経路に含まれる移動区間の少なくとも1つを通過した移動体の移動履歴データ群の組み合わせから、始点から終点までの移動経路を抽出する。
移動体としては、移動可能なものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。移動体としては、例えば、自動車や自転車等の車両、人や動物等の生物、水等の流体などが挙げられる。また、自動車としては、例えば、乗用車、又は商用車、或いは大型車、中型車、普通車などが挙げられる。
なお、水などでは、例えば、小型の発信機を混入させたり、体積を計測できる装置を使用することにより、流体の移動量を確認又は推測してもよい。この場合、移動経路検索装置は、例えば、河川の移動経路を予測することや、水に含まれている混入物の追跡調査などに用いることができる。
移動履歴データとしては、移動体に関する情報であれば特に制限はなく、例えば、緯度経度の位置、移動体の速度、加速度、量等を計測した時刻等の情報を含む。
また、移動履歴データは、例えば、移動体が車両の場合には、加速度の情報に基づき、急ブレーキや急ハンドル等の危険運転の判定結果を含むようにしてもよい。更に、移動履歴データは、例えば、移動体が車両の場合には、運転者の生体情報、タイヤの空気圧の値等の情報を含むようにしてもよい。
また、移動履歴データは、例えば、移動体が車両であれば、乗用車等に搭載されるカーナビゲーションシステム、商用車等に搭載されるデジタルタコグラフなどを用いて取得する。取得した移動履歴データは、例えば、データベースなどに格納される。
移動経路としては、例えば、走行経路(「ルート」と称されることもある。)、航空路などが挙げられる。
移動経路としては、例えば、道路であればデジタル道路地図等で用いられているような、道路地図データベースを用いて表現することができる。道路地図データベースでは、道路網をノードとリンクの組み合わせによって表現している。ノードとは、例えば、交差点その他道路網表現上の結節点(分岐点)を示す。リンクとはノードとノードの間の道路区間を示す。
次に、移動経路検索装置は、抽出した移動経路における移動履歴データに基づき、始点から終点までの移動経路に含まれる分岐点毎に、分岐した移動体の移動量の割合である移動比率を算出し、移動比率が所定の値以上になる分岐後の移動経路を抽出する。これにより、分岐点において移動履歴データによる移動実績の高い移動経路の候補を利用者に提供することができる。
移動比率とは、分岐点において、分岐点に流入した移動体の総量に対する、各分岐先に流出した移動体の量の割合を示す。
ここで、量とは、特に制限はなく、移動体の種類により適宜選択することができる。例えば、数量や分量で規定してもよく、あるいは、重量、体積等で規定してもよい。
特に移動体が自動車である場合には、移動比率とは、分岐点において、分岐点に流入した自動車の総数に対する、各分岐先に流出した自動車の数の割合で示すことができる。
抽出する処理としては、データの母集団から所定の条件に合致したデータを抜き出す処理、又は抜き出して加工する処理することであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
抽出後の処理としては、抽出した移動経路の候補を出力することが挙げられる。出力処理としては、処理結果を出すことであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。出力する処理としては、例えば、ディスプレイに表示すること、プリンタで印刷すること、スピーカーで音声を発すること、移動経路検索装置以外の装置に対する処理結果を送信することなどが挙げられる。
移動経路検索装置により、分岐点において移動履歴データによる移動実績の高い移動経路の候補を抽出することができる。抽出された移動経路の候補は、利用者に提供される。利用者は、移動経路の候補が移動実績に基づいて提供されるため、所望の移動経路を安心して自由に選択することができる。
移動経路検索装置が行うこれらの処理は、移動経路検索装置を構成する制御部を有するコンピュータにより実行される。
コンピュータとしては、記憶・演算・制御などの装置を備えた機器であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パーソナルコンピュータなどが挙げられる。
以下、本発明の一実施例を説明するが、本発明は、この実施例に何ら限定されるものではない。
以下、移動体として車両を用いて説明する。車両を用いて説明するため、以下では、移動体を車両と、移動経路を走行経路と、移動履歴データを走行履歴データと、移動量を走行数と、移動数を走行数と、移動比率を走行比率と、適宜読み替えて説明する場合がある。
図1は、本発明の一実施例に係る移動経路検索装置100を含むシステム10の構成を示す図である。
システム10は、例えば、移動経路検索装置100が、抽出した移動経路の候補を利用者に対して提供するものである。
利用者としては、例えば、運送会社の運行管理者、車両の運転者、運転補助者などが挙げられる。
抽出した移動経路の提供手段としては、例えば、音声で出力したり、デジタルタコグラフやカーナビゲーションシステムの車載装置のディスプレイに表示するようにしてもよい。
図1に示すように、システム10は、本発明の移動経路検索装置100と、車両A、B、C、・・・にそれぞれ搭載されている端末装置200a、200b、200c、・・・を有し、ネットワーク300を介してそれぞれ接続されている。
移動経路検索装置100は、車両A、B、C、・・・にそれぞれ搭載されている端末装置200a、200b、200c、・・・から、走行履歴データをそれぞれ取得して格納する。走行履歴データとしては、車両の位置、速度、加速度、及びこれらの計測した時刻等の情報を含む。
なお、端末装置200a、200b、200c、・・・は、装置の構成についてそれぞれ同様であることから、以下では「端末装置200」と称してまとめて説明する。
なお、端末装置は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、商用車のデジタルタコグラフや乗用車のカーナビゲーションシステムなどの車載装置が挙げられる。また、商用車及び乗用車のいずれにも搭載されるETC(Electronic Toll Collection System)などの車載装置も挙げられる。
次に、移動経路検索装置100のハードウェア構成及び機能構成についてそれぞれ説明する。
(移動経路検索装置)
<移動経路検索装置のハードウェア構成>
図2は、移動経路検索装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、移動経路検索装置100は以下の各部を有する。各部は、バス107を介してそれぞれ接続されている。
CPU(Central Processing Unit)101は、種々の制御や演算を行なう処理装置である。CPU101は、主記憶装置102などが記憶するOS(Operating System)やプログラムを実行することにより、種々の機能を実現する。すなわち、CPU101は、本実施例では、移動経路検索プログラムを実行することにより、後述する制御部140として機能する。
移動経路検索プログラムは、必ずしも最初から主記憶装置102、補助記憶装置103などに記憶されていなくともよい。また、インターネット、LAN、WANなどを介して移動経路検索装置100に接続される他の情報処理装置などに移動経路検索プログラムを記憶させ、移動経路検索装置100がこれらから移動経路検索プログラムを取得して実行するようにしてもよい。
また、CPU101は、移動経路検索装置100全体の動作を制御する。なお、本実施例では、移動経路検索装置100全体の動作を制御する装置をCPU101としたが、これに限ることなく、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)などとしてもよい。
主記憶装置102は、各種プログラムを記憶し、各種プログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。
主記憶装置102は、図示しない、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、を有する。
ROMは、BIOS(Basic Input/Output System)等の各種プログラムなどを記憶している。
RAMは、ROMに記憶された各種プログラムがCPU101により実行される際に展開される作業範囲として機能する。RAMとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。RAMとしては、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)などが挙げられる。
補助記憶装置103としては、各種情報を記憶できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブなどが挙げられる。また、補助記憶装置103は、CD(Compact Disc)ドライブ、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)ドライブなどの可搬記憶装置としてもよい。
通信インターフェイス104は、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、無線又は有線を用いた通信デバイスなどが挙げられる。
入力装置105は、移動経路検索装置100に対する各種要求を受け付けることができれば特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。
出力装置106は、ディスプレイやスピーカーなどを用いることができる。ディスプレイとしては、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイが挙げられる。
なお、移動経路検索装置100は、ネットワーク上のコンピュータ群であるクラウドの一部であってもよい。
<移動経路検索装置の機能構成>
図3は、移動経路検索装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、移動経路検索装置100は、通信部110と、記憶部120と、入力部130と、制御部140と、を有する。
<<通信部>>
通信部110は、制御部140の指示に基づき、通信インターフェイス104を用いて走行履歴データを各端末装置200から受信する。
<<記憶部>>
記憶部120は、補助記憶装置103に、走行履歴データベース121と、道路地図データベース122と、走行経路データベース123と、算出結果データベース124とを有する。
データベースは、「DB」と称することもある。
走行履歴データベース(走行DB)121は、通信部110介して、端末装置200から走行データを受信し、例えば、本実施例では、分岐点毎のデータに整理して記憶する。
図4は、端末装置200から受信した走行車両の走行データの一例を示す図である。
図4に示すように、走行データは、本実施例では、「車両ID、車両の種類、取得日時、位置情報(緯度経度)」などの項目を含む。なお、端末装置200が、ノード番号を有する道路地図情報を保有している場合、道路地図情報と走行位置情報により紐づけられたノード番号を合わせて、移動経路検索装置へ送信してもよい。
「車両ID」のデータ項目は、端末装置200が搭載されている当該車両を識別するためのデータであり、予め設定される。
「取得日時」及び「位置情報(経度、緯度)」のデータ項目は、端末装置200に搭載されているGPS(Global Positioning System)ユニットにより取得される。
図5は、走行履歴データベース(走行履歴DB)121の一例を示す図である。走行履歴DB121は、例えば、受信した走行したデータをもとに、車両の走行した経路(ルート)をノード(分岐点)により整理したものである。図5には、車両が走行したルートのノード番号が記載されている。なお、各ノードには、ノード番号とともにノードを通過した時間情報(年月日、時刻)を含んでもよいが、図5の表中では記載を省略している。
道路地図データベース(道路地図DB)122には、本実施例では、ノードとリンクの組み合わせによって表現された道路網が記憶されており、ノードには番号が付与されている。
図6は、走行経路データベース(走行経路DB)123の一例を示す図である。
走行経路DB123は、例えば、図5で示される走行履歴データのうち、始点及び終点を通過した走行経路のデータを抽出したものである。
図7は、算出結果データベース(算出結果DB)124の一例を示す図である。後述する算出部において、ノード(分岐点)毎に走行比率を算出した結果が記憶されている。
<<入力部>>
入力部130は、利用者から始点及び終点の指定を受け付ける他、移動経路検索装置100に対する各種指示を受け付ける(図12のS101参照)。
始点及び終点として、例えば、利用者の指定する出発地及び目的地を受け付ける。この他に、入力する各種指示としては、走行履歴データを抽出する際の抽出条件を含めることができる。抽出条件としては、車両の種類や時間的要素を挙げることができる。車両の種類としては、例えば、商用車、一般車、或いは、大型車、中型車、普通車などが挙げられる。時間的要素としては、例えば、年月日、曜日、及び時間帯の少なくともいずれかに対応した情報、或いは、直近の所定の時間範囲などが挙げられる。
<<制御部>>
制御部140は、記憶部120に記憶された各種プログラムを実行し、移動経路検索装置100全体を制御する。制御部140により、分岐点における走行履歴に基づく移動経路の候補ルートを抽出することができる。制御部140は、第1の抽出部141、算出部142、第2の抽出部143から構成される。
-第1の抽出部-
第1の抽出部141は、車両が取得した走行履歴データ群から、入力部で受け付けた始点及び終点を結ぶ移動経路に含まれる移動区間の少なくとも1つを通過した走行経路データを抽出する(図12のS102参照)。
例えば、図8で示すように、Start(出発地)とGoal(目的地)を指定した場合、Startは、ノード1001とノード1002の間、Goalはノード1024とノード1025の間に位置する。図5に記載の表を見ると、StartとGoalを通過した車両は、車両IDが2、3、4の車両となる。そこで、指定した出発地及び目的地を通過した車両IDが2、3、4の走行履歴データが走行経路データとして抽出される。
また、移動経路検索装置100の入力部130において、受け付けた指示が、例えば、車両の種類を限定する指示であった場合、走行履歴データ群から、指示された車両に該当する車両の走行履歴データのみを抽出してもよい。同様に、受け付けた指示が、例えば、時間的要素であった場合、走行履歴データ群から、指示された時間的要素に対応する車両の走行履歴データのみを抽出してもよい。
移動経路検索装置は、受け付けた始点(出発地)及び/又は終点(目的地)の情報に基づき、走行経路を抽出する。この際、抽出した走行経路における走行履歴データの数が所定数以下の場合には、次のようにすることができる(図12のS103)。移動経路検索装置は、受け付けた出発地及び目的地の情報により指定された少なくともいずれかの点を、所定の大きさの範囲に拡大することができる(図12のS104)。つまり、移動経路検索装置は、受け付けた指定点を範囲にする、又は範囲を拡大することができる。
例えば、移動経路検索装置は、受け付けた指定点を、指定点を中心とする円などの範囲、或いは、指定点を含む標準地域メッシュや行政区画に範囲を広げることができる。
更に、移動経路検索装置は、指定点を中心とする円の範囲とした場合、円の半径を大きくする変更することができる。または、移動経路検索装置は、標準地域メッシュの範囲を、狭いメッシュから広いメッシュに変更することができる。移動経路検索装置は、行政区画の範囲を、丁目番地レベルから市町村レベルに、或いは、市町村レベルから都道府県レベルなどに変更することができる。
このようにすることで、移動経路検索装置は、走行履歴データの数を所定の数より大きくすることができ、十分な走行履歴データの数を確保し、確度の高い移動経路の候補を抽出することができる。
-算出部-
算出部142は、抽出された走行経路データに基づき、出発地から目的地までの実際に走行した走行経路に含まれる各分岐点を抽出し(図12のS105参照)、分岐点毎に走行比率を算出する(図12のS106参照)。
走行比率とは、分岐点において、分岐点に流入した車両の総数に対する、各分岐先に流出した車両の数の割合である。
図7は、算出結果データベースの一例を示す図であり、データには、ノード(分岐点)毎に算出した走行比率の結果が含まれている。例えば、図8におけるノード1002の走行比率を算出した場合、図7で示すようにノード1011へ向かう走行比率は30%で、ノード1003へ向かう走行比率は70%になる。図7において、ノード1011へ向かう走行比率である30%は、以下の式により求める。
n1/(n1+n2)=30(%) (n1、n2は走行数)
-第2の抽出部-
第2の抽出部143は、走行比率が所定の値以上になる分岐後の移動経路を抽出する(図12のS107参照)。所定の値としては、適宜設定することができ、例えば、10%とすることができる。
抽出した走行経路は出力処理することができる。出力処理としては、処理結果を出すことであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。出力する処理としては、例えば、ディスプレイに表示すること、プリンタで印刷すること、スピーカーで音声を発すること、移動経路検索装置以外の装置に対する処理結果を送信することなどが挙げられる。
図8では、分岐後の走行経路の走行比率が10%以上の場合、移動経路の候補として抽出し、地図上に表示した(図8中の実線参照)。一方、分岐後の走行経路の走行比率が10%未満の場合、移動経路の候補として選択しなかった(図8中の破線参照)。
分岐後の移動経路を抽出する際、抽出する指標として、走行比率に加え、走行数の値を考慮してもよい。
また、抽出された分岐後の移動経路に対し、分岐後の移動経路を連結し始点から終点まで連結された一本の移動経路となるよう分岐後の移動経路を抽出し、移動経路の候補として抽出してもよい。更に、距離が短い移動経路を優先して一本の移動経路を抽出してもよい。
図9は、図8で抽出された分岐後の移動経路に対し、分岐後の移動経路を連結し、出発地から目的地まで連結した一本の移動経路を示した図である。図9では、例えば、一本の移動経路の距離がもっとも短くなるものを選択して表示している。
次に、図1に戻り、移動経路検索装置100にネットワーク300を介して接続されている端末装置200について説明する。端末装置200のハードウェア構成及び機能構成について以下説明する。
(端末装置)
端末装置200は、走行時の車両の位置及び取得時間等の走行データを取得し、ネットワーク300を介して、移動経路検索装置100へ送信する。また、端末装置200は、移動経路検索装置100で得られた移動経路の候補の結果を受信し出力してもよい。
<端末装置のハードウェア構成>
図10は、端末装置200のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図10に示すように、端末装置200は、以下の各部を有する。各部は、バス207を介してそれぞれ接続されている。
CPU201は、種々の制御や演算を行う処理装置である。CPU201は、主記憶装置202などが記憶するOSやプログラムを実行することにより、種々の機能を実現する。すなわち、CPU201は、端末装置の各種プログラムを実行することにより端末装置の制御部240として機能する。
端末装置の各種プログラムは、必ずしも最初から主記憶装置202に、補助記憶装置203などに記憶されていなくともよい。また、インターネット、LAN、WANなどを介して、端末装置200に接続される他の情報処理装置などに端末装置の各種プログラムを記憶させ、端末装置200がこれらから端末装置の各種プログラムを取得して実行するようにしてもよい。
また、CPU201は、端末装置200全体の動作を制御する。なお、本実施例では、端末装置200全体の動作を制御する装置をCPU201としたが、これに限ることなく、例えば、FPGAなどとしてもよい。
主記憶装置202は、各種プログラムを記憶し、各種プログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。
主記憶装置202は、図示しない、ROMと、RAMと、を有する。
ROMは、BIOS等の各種プログラム等を記憶している。
RAMは、ROMに記憶された各種プログラムがCPU201により実行される際に展開される作業範囲として機能する。RAMとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。RAMとしては、例えば、DRAM、SRAMなどが挙げられる。
補助記憶装置203としては、各種情報を記憶できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブなどが挙げられる。また、補助記憶装置203は、CDドライブ、DVDドライブ、BDドライブなどの可搬記憶装置としてもよい。
通信インターフェイス204は、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、無線又は有線を用いた通信デバイスなどが挙げられる。
入力装置205は、端末装置200に対する各種要求を受け付けることができれば、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、タッチパネルなどが挙げられる。
出力装置206は、ディスプレイやスピーカーなどを用いることができる。ディスプレイとしては、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイが挙げられる。
<端末装置の機能構成>
図11は、端末装置200の機能構成の一例を示すブロック図である。
図11に示すように、端末装置200は、通信部220と、記憶部230と、制御部240と、取得部250と、出力部260と、を有する。
通信部220は、制御部240の指示に基づき、通信インターフェイス204を用いて、走行データを移動経路検索装置100へ送信する。
また、通信部220は、移動経路検索装置100で得られた移動経路の候補の検索結果を受信してもよい。
記憶部230は、移動経路検索装置100から受信した移動経路の候補の検索結果を補助記憶装置203に記憶する。記憶部230は、道路地図DB122を有していてもよい。
制御部240は、本実施例では、端末装置200全体の動作を制御する機能を有する。
取得部250は、GPSユニットと、速度センサなどを有する。
GPSユニット及び速度センサを同期させて取得した位置の情報及び速度の情報を、同期させた時刻の情報と対応づけて走行データとする。
出力部260は、移動経路検索装置100から受信した移動経路の候補の検索結果を、ディスプレイやスピーカーで出力する。例えば、図8で示すように、地図上に移動経路の候補を表示する。
図12は、移動経路検索装置が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS101では、移動経路検索装置100は、入力部130で始点(出発地)及び終点(目的地)の情報を受け付け、処理をS102に移行する。
ステップS102では、移動経路検索装置100は、指定された出発地から目的地までの走行経路を、出発地から目的地を結ぶ走行経路に含まれる道路区間の少なくとも1つを通過した車両の走行履歴データ群の組み合わせから抽出し、処理をS103に移行する。
ステップS103では、移動経路検索装置100は、抽出した走行経路における走行履歴データの数が所定の数以下か否かを判定し、所定の数以下でない場合には、処理をS105に移行する。一方、所定の数以下の場合には、移動経路検索装置100は、処理をS104に移行する。
ステップS104では、移動経路検索装置100は、受け付けた出発地及び目的地の情報により、指定された少なくともいずれかの点を所定の大きさの範囲に拡大し、処理をS102に戻す。
ステップS105では、移動経路検索装置100は、抽出した走行経路における走行履歴データに基づき、出発地及び目的地の走行経路に含まれる各分岐点を抽出し、処理をS106に移行する。
ステップS106では、移動経路検索装置100は、抽出した分岐点毎に分岐した走行車両の走行数から走行比率を算出し、処理をS107に移行する。
ステップS107では、移動経路検索装置100は、走行比率が所定の値以上になる分岐後の移動経路を抽出し、本処理を終了する。
以上説明したように、移動経路検索装置は、分岐点において移動履歴データによる移動実績の高い移動経路の候補を利用者に提供することができる。利用者(例えば、運送会社の運行管理者や車両の運転手など)は、移動履歴がある移動経路の候補の中から、所望の移動経路を安心して自由に選択することができる。
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
始点及び終点の情報を受け付け、
前記始点及び前記終点を結ぶ移動経路に含まれる移動区間の少なくとも1つを通過した移動体の移動履歴データ群の組み合わせから、前記始点から前記終点までの移動経路を抽出し、
抽出した前記移動経路における移動履歴データに基づき、前記始点から前記終点までの移動経路に含まれる分岐点毎に、分岐した移動体の移動量の割合である移動比率を算出し、前記移動比率が所定の値以上になる分岐後の移動経路を抽出する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする、移動経路検索プログラム。
(付記2)
前記分岐点毎に抽出された前記分岐後の移動経路に対し、前記分岐後の移動経路を連結し前記始点から前記終点まで連結された一本の移動経路となるよう、前記分岐後の移動経路を抽出する、
ことを特徴とする、付記1に記載の移動経路検索プログラム。
(付記3)
前記移動経路を、前記移動経路の距離が短い移動経路を優先して抽出する、
ことを特徴とする、付記2に記載の移動経路検索プログラム。
(付記4)
抽出した前記移動経路における移動履歴データの数が所定数以下の場合には、受け付けた前記始点及び前記終点の情報により指定された少なくともいずれかの点を、所定の大きさの範囲に拡大する、
ことを特徴とする、付記1から3のいずれか一項に記載の移動経路検索プログラム。
(付記5)
始点及び終点の情報を受け付け、
前記始点及び前記終点を結ぶ移動経路に含まれる移動区間の少なくとも1つを通過した移動体の移動履歴データ群の組み合わせから、前記始点から前記終点までの移動経路を抽出し、
抽出した前記移動経路における移動履歴データに基づき、前記始点から前記終点までの移動経路に含まれる分岐点毎に、分岐した移動体の移動量の割合である移動比率を算出し、前記移動比率が所定の値以上になる分岐後の移動経路を抽出する、
処理を実行する制御部を有することを特徴とする、移動経路検索装置。
(付記6)
前記分岐点毎に抽出された前記分岐後の移動経路に対し、前記分岐後の移動経路を連結し前記始点から前記終点まで連結された一本の移動経路となるよう、前記分岐後の移動経路を抽出する、
ことを特徴とする、付記5に記載の移動経路検索装置。
(付記7)
前記移動経路を、前記移動経路の距離が短い移動経路を優先して抽出する、
ことを特徴とする、付記6に記載の移動経路検索装置。
(付記8)
抽出した前記移動経路における移動履歴データの数が所定数以下の場合には、受け付けた前記始点及び前記終点の情報により指定された少なくともいずれかの点を、所定の大きさの範囲に拡大する、
ことを特徴とする、付記5から7のいずれか一項に記載の移動経路検索装置。
(付記9)
始点及び終点の情報を受け付け、
前記始点及び前記終点を結ぶ移動経路に含まれる移動区間の少なくとも1つを通過した移動体の移動履歴データ群の組み合わせから、前記始点から前記終点までの移動経路を抽出し、
抽出した前記移動経路における移動履歴データに基づき、前記始点から前記終点までの移動経路に含まれる分岐点毎に、分岐した移動体の移動量の割合である移動比率を算出し、前記移動比率が所定の値以上になる分岐後の移動経路を抽出する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする、移動経路検索方法。
(付記10)
前記分岐点毎に抽出された前記分岐後の移動経路に対し、前記分岐後の移動経路を連結し前記始点から前記終点まで連結された一本の移動経路となるよう、前記分岐後の移動経路を抽出する、
ことを特徴とする、付記9に記載の移動経路検索方法。
(付記11)
前記移動経路を、前記移動経路の距離が短い移動経路を優先して抽出する、
ことを特徴とする、付記10に記載の移動経路検索方法。
(付記12)
抽出した前記移動経路における移動履歴データの数が所定数以下の場合には、受け付けた前記始点及び前記終点の情報により指定された少なくともいずれかの点を、所定の大きさの範囲に拡大する、
ことを特徴とする、付記9から11のいずれか一項に記載の移動経路検索方法。
100 移動経路検索装置
110 通信部
120 記憶部
130 入力部
140 制御部
141 第1の抽出部
142 算出部
143 第2の抽出部
200 端末装置

Claims (4)

  1. 始点及び終点の情報を受け付け、
    前記始点及び前記終点を結ぶ移動経路に含まれる移動区間の少なくとも1つを通過した移動体の移動履歴データ群の組み合わせから、前記始点から前記終点までの移動経路を抽出し、
    抽出した前記移動経路における移動履歴データの数が所定数以下の場合には、受け付けた前記始点及び前記終点の情報により指定された少なくともいずれかの点を、所定の大きさの範囲に拡大し、
    前記所定の大きさの範囲が、前記点の情報に半径の情報を加えたもの、前記点を含む標準地域メッシュのメッシュコード、前記点を含む行政区画の名称のいずれかであり、
    抽出した前記移動経路における、年月日、曜日、及び時間帯の少なくともいずれかに対応した所定の時点的要素における移動履歴データに基づき、前記始点から前記終点までの移動経路に含まれる分岐点毎に、分岐した移動体の移動量の割合である移動比率を算出し、前記移動比率が所定の値以上になる分岐後の移動経路を抽出する、
    処理をコンピュータに実行させることを特徴とする、移動経路検索プログラム。
  2. 前記分岐点毎に抽出された前記分岐後の移動経路に対し、前記分岐後の移動経路を連結し前記始点から前記終点まで連結された一本の移動経路となるよう、前記分岐後の移動経路を抽出する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の移動経路検索プログラム。
  3. 始点及び終点の情報を受け付け、
    前記始点及び前記終点を結ぶ移動経路に含まれる移動区間の少なくとも1つを通過した移動体の移動履歴データ群の組み合わせから、前記始点から前記終点までの移動経路を抽出し、
    抽出した前記移動経路における移動履歴データの数が所定数以下の場合には、受け付けた前記始点及び前記終点の情報により指定された少なくともいずれかの点を、所定の大きさの範囲に拡大し、
    前記所定の大きさの範囲が、前記点の情報に半径の情報を加えたもの、前記点を含む標準地域メッシュのメッシュコード、前記点を含む行政区画の名称のいずれかであり、
    抽出した前記移動経路における、年月日、曜日、及び時間帯の少なくともいずれかに対応した所定の時点的要素における移動履歴データに基づき、前記始点から前記終点までの移動経路に含まれる分岐点毎に、分岐した移動体の移動量の割合である移動比率を算出し、前記移動比率が所定の値以上になる分岐後の移動経路を抽出する、
    処理を実行する制御部を有することを特徴とする、移動経路検索装置。
  4. 始点及び終点の情報を受け付け、
    前記始点及び前記終点を結ぶ移動経路に含まれる移動区間の少なくとも1つを通過した移動体の移動履歴データ群の組み合わせから、前記始点から前記終点までの移動経路を抽出し、
    抽出した前記移動経路における移動履歴データの数が所定数以下の場合には、受け付けた前記始点及び前記終点の情報により指定された少なくともいずれかの点を、所定の大きさの範囲に拡大し、
    前記所定の大きさの範囲が、前記点の情報に半径の情報を加えたもの、前記点を含む標準地域メッシュのメッシュコード、前記点を含む行政区画の名称のいずれかであり、
    抽出した前記移動経路における、年月日、曜日、及び時間帯の少なくともいずれかに対応した所定の時点的要素における移動履歴データに基づき、前記始点から前記終点までの移動経路に含まれる分岐点毎に、分岐した移動体の移動量の割合である移動比率を算出し、前記移動比率が所定の値以上になる分岐後の移動経路を抽出する、
    処理をコンピュータが実行することを特徴とする、移動経路検索方法。
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