JP7060382B2 - 絶縁型スイッチング電源 - Google Patents
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Description
本発明は、入力した電圧を変換して出力する絶縁型スイッチング電源に関する。
スイッチング電源は、入力端及び出力端を有し、入力端から入力した電圧を変換して出力端へ出力している。当該スイッチング電源では、内部に設けられた入力端から電圧を入力させるための第1トランジスタ、及び変換した電圧を出力端から出力させるための第2トランジスタを、専用ICから出力される制御信号によりオンオフすることで、入力端から入力した電圧を変換して出力端から出力している。
上記スイッチング電源は、第1トランジスタ、及び第2トランジスタ両方がオフとなる時間(デッドタイム)を設け、第1トランジスタ、及び第2トランジスタ両方が同時にオンしないように構成されている。当該デッドタイムは、専用ICにより固定されている。例えば、特許文献1においては、非絶縁型スイッチング電源におけるデッドタイムの制御に関する技術が開示され、特許文献2においては、絶縁型スイッチング電源におけるデッドタイムの制御に関する技術が開示されている。
近年における絶縁型スイッチング回路においては、二次側にも制御デバイスとして電界効果型トランジスタ(FET:Field effect transistor)が使用され、一次側と二次側との伝送遅延を考慮した設計が行われている。ここで、一次側におけるスイッチング素子用の制御デバイスと、二次側におけるスイッチング素子用の制御デバイスは所定の温度特性を有しており、温度変化に応じて遅延量が変化する。このため、一次側及び二次側における温度変化に伴った伝送遅延の変化に対応するために、余裕を持たせたタイミングによってスイッチング素子へ制御信号の供給が行われている。
しかしながら、余裕を持たせたタイミングによる制御信号の供給を行うと、デッドタイムを広げる必要性や、伝送遅延を考慮して当該制御信号のパルス幅の調整を行う必要があり、スイッチング素子の特性を最大限生かすことが困難であった。すなわち、優れた特性の範囲内でスイッチング素子の活用が困難となり、スイッチング電源としての電源効率が低下する虞がある。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、温度変化に伴った伝送遅延の変化に対応しつつ、且つ優れた電源効率を備える絶縁型スイッチング電源を提供することにある。
上記目的を達成するため、本実施形態に係る絶縁型スイッチング電源は、入力端に入力される電圧を変換して出力端から出力する絶縁型スイッチング電源であって、前記入力端に接続された一次巻線及び前記出力端に接続された二次巻線を備える絶縁トランスと、前記入力端と前記一次巻線との間に接続された第1スイッチング回路と、前記二次巻線に接続された第2スイッチング回路と、前記第2スイッチング回路と前記出力端との間に接続されたチョークコイルと、前記第1スイッチング回路のオンオフ駆動をなす第1駆動部と、前記第2スイッチング回路のオンオフ駆動をなす第2駆動部と、前記第1駆動部及び前記第2駆動部に制御信号を供給し、前記第1スイッチング回路及び前記第2スイッチング回路の駆動タイミングを制御する制御部と、前記第1駆動部及び前記第2駆動部の温度を測定する温度測定部と、を有し、前記制御部は、前記温度測定部による測定結果に対応した前記第1駆動部及び前記第2駆動部の伝送遅延時間から伝送遅延補正量を算出し、前記伝送遅延補正量に基づいて前記制御信号の供給タイミングを調整する。
上記構成及び制御部の調整により、絶縁型スイッチング電源の温度が変化した場合であっても、一次側及び二次側の伝送遅延の変動に対応させて、一次側の第1スイッチング回路及び二次側の第2スイッチング回路の駆動タイミングを調整し、所定の駆動タイミングを維持することができる。すなわち、本発明に係る絶縁型スイッチング電源によれば、温度変化に伴った伝送遅延の変化に対応しつつ、且つ優れた電源効率による駆動を実現することが可能になる。
上述した絶縁型スイッチング電源において、前記制御部は、前記伝送遅延時間及び前記伝送遅延補正量を前記第1駆動部及び前記第2駆動部の温度毎にあらかじめ決定した遅延テーブルを備え、前記温度測定部による測定結果に基づいて前記遅延テーブルを参照し、参照結果に基づいて前記制御信号の供給タイミングを調整してもよい。このような遅延テーブルの参照によって制御信号の供給タイミングを調整すると、制御部における演算処理の簡素化が可能となり、制御処理の短縮化及び絶縁型スイッチング電源のコスト低減を図ることができる。
上述した絶縁型スイッチング電源のいずれかにおいて、前記温度測定部は、前記第1駆動部の近傍に設けられた第1温度センサ、及び前記第2駆動部の近傍に設けられた第2温度センサを備えてもよい。これにより、一次側と二次側における温度差が生じる場合であっても、温度変化に伴った伝送遅延の変化により正確に対応することができ、より優れた電源効率による駆動を実現することが可能になる。
本実施形態に係る絶縁型スイッチング電源は、温度変化に伴った伝送遅延の変化に対応しつつも、優れた電源効率を備えることができる。
以下、本発明の一実施形態に係る絶縁型スイッチング電源について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態は以下に説明する内容に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において任意に変更して実施することが可能である。また、実施形態の説明に用いる図面は、いずれも構成部材を模式的に示すものであって、理解を深めるべく部分的な強調、拡大、縮小、または省略などを行っており、構成部材の縮尺や形状等を正確に表すものとはなっていない場合がある。
図1は、本実施形態に係る絶縁型スイッチング電源10の回路図である。図1に示すように、絶縁型スイッチング電源10は、入力正極端子Vin+及び入力負極端子Vin-を備える入力端VI、並びに出力正極端子Vout+及び出力負極端子Vout-を備える出力端Voを有している。そして、絶縁型スイッチング電源10は、入力端VIから入力された入力電圧を所望の出力電圧に変換し、出力端Voから出力する装置である。
また、図1に示すように、絶縁型スイッチング電源10は、絶縁トランスTr、一次側(入力側)に位置する第1スイッチング回路SW1、及び二次側(出力側)に位置する第2スイッチング回路SW2を有している。絶縁トランスTrは、一次側に位置する一次巻線L1、及び二次側に位置する二次巻線L2から構成されている。ここで、一次巻線L1は第1スイッチング回路SW1を介して入力端VIに接続され、二次巻線L2は第2スイッチング回路SW2を介して出力端Voに接続されていることになる。すなわち、第1スイッチング回路SW1は入力端VIと一次巻線L1との間に設けられ、第2スイッチング回路SW2は出力端Voと二次巻線L2との間に設けられている。
第1スイッチング回路SW1は、4つのNチャネル型の電界効果型トランジスタ(FET:Field effect transistor)、並びにこれを接続する配線及び接続点から構成されている。具体的に、第1スイッチング回路SW1においては、入力正極端子Vin+と入力負極端子Vin-との間に第1トランジスタQ1及び第2トランジスタQ2が直列に接続され、第3トランジスタQ3及び第4トランジスタQ4が直列に接続されている。より詳細には、第1トランジスタQ1及び第3トランジスタQ3のドレインが接続点T1,T2を介して入力正極端子Vin+と接続し、第2トランジスタQ2及び第4トランジスタQ4のソースが接続点T3,T4を介して入力負極端子Vin-と接続し、第1トランジスタQ1のソースが接続点T5を介して第2トランジスタQ2のドレインに接続し、第3トランジスタQ3のソースが接続点T6を介して第4トランジスタQ4のドレインに接続している。
一方、第2スイッチング回路SW2は、2つのNチャネル型の電界効果型トランジスタ、並びにこれを接続する配線及び接続点から構成されている。具体的に、第2スイッチング回路SW2においては、二次巻線L2の一端に第5トランジスタQ5のドレインが接続され、二次巻線L2の他端に第6トランジスタQ6のドレインが接続され、第5トランジスタQ5及び第6トランジスタQ6のソース同士が接続点T7を介して接続している。
また、一次側においては、入力正極端子Vin+及び入力負極端子Vin-の間にコンデンサC1が設けられている。具体的に、コンデンサC1の一端は接続点T2を介して入力正極端子Vin+に接続し、他端は接続点T4を介して入力負極端子Vin-に接続している。更に、一次側において、絶縁トランスTrを構成する一次巻線L1の一端にチョークコイルL3が直列に接続されている。そして、当該チョークコイルL3の一端は接続点T5に接続し、一次巻線L1の他端は接続点T6に接続している。
一方、二次側においては、絶縁トランスTrを構成する二次巻線L2の中間点と出力正極端子Vout+との間にチョークコイルL4が設けられ、当該チョークコイルL4の一端が接続点T8を介して出力正極端子Vout+に接続している。そして、出力正極端子Vout+及び出力負極端子Vout-の間にコンデンサC2が設けられている。具体的に、コンデンサC2の一端は接続点T8を介して出力正極端子Vout+に接続し、他端は接続点T9を介して出力負極端子Vout-に接続している。
また、図1に示すように、絶縁型スイッチング電源10は、第1トランジスタQ1及び第2トランジスタQ2の駆動ドライバとして第1ドライバ11、第3トランジスタQ3及び第4トランジスタQ4の駆動ドライバとして第2ドライバ12、及び第5トランジスタQ5及び第6トランジスタQ6の駆動ドライバとして第3ドライバ13を有している。本実施形態においては、第1ドライバ11及び第2ドライバ12により、第1スイッチング回路SW1のオンオフ駆動をなす第1駆動部が構成され、第3ドライバ13により、第2スイッチング回路SW2のオンオフ駆動をなす第2駆動部が構成されている。
更に、絶縁型スイッチング電源10は、これら駆動ドライバを制御する制御部として機能するマイクロコントローラ14を有し、一次側においては各駆動ドライバとマイクロコントローラとの間にデジタルアイソレータ15を有している。このような構成から、マイクロコントローラ14は、デジタルアイソレータ15を介して第1ドライバ11及び第2ドライバ12に制御信号を供給し、第3ドライバ13には直接的に制御信号を供給し、第1スイッチング回路SW1及び第2スイッチング回路SW2の駆動タイミングを制御している。
そして、絶縁型スイッチング電源10は、一次側の駆動部(第1ドライバ11及び第2ドライバ12)の温度を測定する温度測定部としての機能する第1温度センサ16、及び二次側の駆動部(第3ドライバ)温度を測定する温度測定部として機能する第2温度センサ17を有している。すなわち、第1温度センサ16は第1ドライバ11及び第2ドライバ12の近傍に設けられ、第2温度センサ17は第3ドライバ13の近傍に設けられる。各温度センサは、測定結果に関する情報をマイクロコントローラ14に供給している。なお、各温度センサは、サーミスタ又は熱電対であってもよい。
本実施形態において、マイクロコントローラ14は、図2に示すようなタイミングで各トランジスタが駆動するように、制御信号を各ドライバに供給している。特に、マイクロコントローラ14は、一次側の各トランジスタの破壊を防止するために、第1トランジスタQ1と第2トランジスタQ2とが同時に駆動しないように制御するとともに、第3トランジスタQ3と第4トランジスタQ4とが同時に駆動しないように制御している。
また、マイクロコントローラ14は、第1トランジスタQ1及び第2トランジスタQ2からなる第1スイッチ素子群と、第3トランジスタQ3及び第4トランジスタQ4からなる第2スイッチ素子群とのオンオフ駆動のタイミングを所望の周期でずれるように制御している。これにより、第1スイッチング素子群と第2スイッチ素子群とを交互に駆動させ、連続して電流を流すことが可能となり、絶縁型スイッチング電源10を大型電力(数百ワット)に対応するスイッチング電源として機能させることができる。
一方、マイクロコントローラ14は、連続して流れる電流を二次側でも連続して出力することができるように、第5トランジスタQ5及び第6トランジスタQ6のオンオフ駆動のタイミングが図2となるように、所望の制御信号を第3ドライバ13に供給している。
以上の構成から、本実施形態に係る絶縁型スイッチング電源10は、大型電力を出力可能とする絶縁型フルブリッジDC-DCコンバータとして機能することになる。
また、本実施形態に係る絶縁型スイッチング電源10において、マイクロコントローラ14は、第1ドライバ11、第2ドライバ12、第3ドライバ13、及びデジタルアイソレータ15の各伝送遅延時間から、一次側及び二次側に係る伝送遅延補正量を算出している。ここで、第1ドライバ11、第2ドライバ12、第3ドライバ13、及びデジタルアイソレータ15は、各装置の電気的特性に起因した温度特性を備えているため、各伝送遅延時間は各装置の温度に依存している。このため、マイクロコントローラ14は、第1温度センサ16及び第2温度センサ17による温度測定結果を利用して、当該伝送遅延補正量を算出している。そして、マイクロコントローラ14は、当該伝送遅延補正量に基づいて、各ドライバへ供給する制御信号の供給タイミングを調整している。
より具体的に、マイクロコントローラ14の記憶部には、以下の表1に示すような遅延テーブルが記憶されている。
表1の遅延テーブルにおいては、絶縁型スイッチング電源10の動作保証範囲が考慮され、-40℃から130℃までの範囲における10℃おきの各温度に対して、各部品の伝送遅延時間、1次側伝送遅延時間、2次側伝送遅延時間、及び伝送遅延補正量のデータが格納されている。本実施形態において、1次側伝送遅延時間とは、第1ドライバ11とデジタルアイソレータ15の伝送遅延時間の合計、又は第2ドライバ12とデジタルアイソレータ15の伝送遅延時間の合計である。なお、本実施形態において、第1ドライバ11と第2ドライバ12とは同一の電気的特性を備える装置から構成されているため、同様の伝送遅延時間となっている。一方、2次側伝送遅延時間とは、第3ドライバ13の伝送遅延時間と同一である。そして、伝送遅延補正量とは、1次側伝送遅延時間と2次側伝送遅延時間との差分である。
上記遅延テーブルを構成する各温度データは、各ドライバ及びデジタルアイソレータ15の伝送遅延時間を予め実際に測定したものを使用してもよく、或いは各ドライバ及びデジタルアイソレータ15の供給者から提供される規格値を使用してもよい。
例えば、一次側及び二次側の温度が同一であり、第1温度センサ16及び第2温度センサ17における測定結果が30℃である場合に、マイクロコントローラ14は、遅延テーブルから伝送遅延補正量(31nsec)を抽出し、当該伝送遅延補正量に基づいてデジタルアイソレータ15及び第3ドライバ13への制御信号の供給タイミングを調整する。具体的に、一次側の伝送遅延が31ナノ秒大きいため、マイクロコントローラ14は、第3ドライバ13へ制御信号を供給する本来のタイミングよりも31ナノ秒遅らせ、当該制御信号を第3ドライバ13へ供給することになる。
また、一次側及び二次側の温度が異なり、第1温度センサ16における測定結果が50℃であり、第2温度センサ17における測定結果が0℃である場合に、マイクロコントローラ14は、一次側伝送遅延(45nsec)と二次側遅延(13nsec)とから伝送遅延補正量(32nsec)を算出し、当該伝送遅延補正量に基づいてデジタルアイソレータ15及び第3ドライバ13への制御信号の供給タイミングを調整する。具体的に、一次側の伝送遅延が32ナノ秒大きいため、マイクロコントローラ14は、第3ドライバ13へ制御信号を供給する本来のタイミングよりも32ナノ秒遅らせ、当該制御信号を第3ドライバ13へ供給することになる。
より具体的に、本実施形態において、マイクロコントローラ14は、当該制御信号の供給タイミングの調整として、図2における第1トランジスタQ1のオンのタイミングを基準として、第5トランジスタQ5及び第6トランジスタQ6のオンのタイミングが所定のタイミングとなるように調整している。ここで、第5トランジスタQ5及び第6トランジスタQ6のオンのタイミングは、絶縁型スイッチング電源10に要求される特性等に応じ、第1トランジスタQ1のオンのタイミングを基準としてあらかじめ決定されているが、マイクロコントローラ14は、一次側及び二次側の温度変化に対応させて、当該タイミングを維持できるようにしている。すなわち、マイクロコントローラ14は、各温度センサからの測定結果に応じて、第1トランジスタQ1のオンのタイミングを基準とした第5トランジスタQ5のオンのタイミング(TPHASE)、及び第1トランジスタQ1のオンのタイミングを基準とした第6トランジスタQ6のオンのタイミング(TSPHASE)を変更することになる。そして、当該タイミングの変更を行うことにより、温度に起因した伝送遅延時間の変動が相殺され、第1トランジスタQ1のオンのタイミングを基準としてした第5トランジスタQ5及び第6トランジスタQ6のオンのタイミングが維持されることになる。
なお、第1トランジスタQ1を基準として、第2トランジスタQ2、第3トランジスタQ3、及び第4トランジスタQ4の駆動タイミングが調整されているため、第1トランジスタQ1以外の一次側のトランジスタと、第5トランジスタQ5及び第6トランジスタQ6との駆動タイミングの調整は実質的に行われていることになり、個別の調整は不要となっている。
以上のように、本実施形態においては、制御部として機能するマイクロコントローラ14が、温度測定部として機能する第1温度センサ16及び第2温度センサ17による測定結果に対応した各伝送遅延時間から算出される伝送遅延補正量を利用し、第1駆動部の一部であるデジタルアイソレータ15及び第2駆動部として機能する第3ドライバ13への制御信号のタイミングが調整されている。このような調整により、絶縁型スイッチング電源10の温度が変化した場合であっても、一次側及び二次側の伝送遅延の変動に対応させて、一次側の第1スイッチング回路SW1及び二次側の第2スイッチング回路SW2の駆動タイミングを調整し、所定の駆動タイミングを維持することができる。すなわち、本実施形態に係る絶縁型スイッチング電源10によれば、温度変化に伴った伝送遅延の変化に対応しつつ、且つ優れた電源効率による駆動を実現することが可能になる
本実施形態に係る絶縁型スイッチング電源10によれば、マイクロコントローラ14が遅延テーブルを備えることにより、伝送遅延に係る演算処理の簡素化が可能となり、制御処理の短縮化及び絶縁型スイッチング電源10自体のコスト低減を図ることができる。また、一次側及び二次側のそれぞれに温度センサが設けられているため、一次側と二次側における温度差が生じる場合であっても、温度変化に伴った伝送遅延の変化により正確に対応することができ、より優れた電源効率による駆動を実現することが可能になる。
上述した実施形態における遅延テーブルは、-40℃から130℃までの範囲における10℃おきの各温度に対して、各部品の伝送遅延時間、1次側伝送遅延時間、2次側伝送遅延時間、及び伝送遅延補正量のデータが格納されていたが、温度範囲及びその温度間隔は上述したものに限定されない。絶縁型スイッチング電源10に要求される使用温度範囲が広がれば遅延テーブルの温度範囲も広げることが好ましい。また、温度間隔をより小さくする(例えば、1℃又は5℃おき)ことで、微小な温度変化に対応したタイミング調整を実現してもよい。一方で、絶縁型スイッチング電源10の温度変化が小さいと見込まれる場合や、各部品の伝送遅延時間の温度変化小さい場合には、温度間隔を広げて演算処理の効率化及び短縮化を図ってもよい。
更に、上述した実施形態においては、一次側及び二次側に独立した温度センサを設けていたが、絶縁型スイッチング電源10における温度ばらつきが小さい場合には、共通する1つの温度センサを設けるようにしてもよい。例えば、マイクロコントローラ14に温度測定機能を持たせてもよい。これにより、絶縁型スイッチング電源10のコスト低減を図ることができる。一方で、一次側内での温度ばらつきが生じる場合には、第1ドライバ11及びデジタルアイソレータ15に対して独立した温度センサを設けてもよい。
そして、上述した実施形態においては、フルブリッジ型を前提していたが、その他の絶縁型スイッチング電源に本発明を適用することもできる。すなわち、他の型式の絶縁型スイッチング電源であっても、一次側と二次側の温度変化に伴う伝送遅延補正量を算出し、当該伝送遅延補正量に基づいて制御信号の供給タイミングを調整することにより、温度変化に伴った伝送遅延の変化に対応しつつ、且つ優れた電源効率の実現が可能になる。
10 絶縁型スイッチング電源
11 第1ドライバ(第1駆動部)
12 第2ドライバ(第1駆動部)
13 第3ドライバ(第2駆動部)
14 マイクロコントローラ(制御部)
15 デジタルアイソレータ
16 第1温度センサ(温度測定部)
17 第2温度センサ(温度測定部)
C1,C2 コンデンサ
L1 一次巻線
L2 二次巻線
L3 チョークコイル
L4 チョークコイル
Q1 第1トランジスタ
Q2 第2トランジスタ
Q3 第3トランジスタ
Q4 第4トランジスタ
Q5 第5トランジスタ
Q6 第6トランジスタ
SW1 第1スイッチング回路
SW2 第2スイッチング回路
Tr 絶縁トランス
T1~T9 接続点
Vin+ 入力正極端子
Vin- 入力負極端子
VI 入力端
Vout+ 出力正極端子
Vout- 出力負極端子
Vo 入力端
11 第1ドライバ(第1駆動部)
12 第2ドライバ(第1駆動部)
13 第3ドライバ(第2駆動部)
14 マイクロコントローラ(制御部)
15 デジタルアイソレータ
16 第1温度センサ(温度測定部)
17 第2温度センサ(温度測定部)
C1,C2 コンデンサ
L1 一次巻線
L2 二次巻線
L3 チョークコイル
L4 チョークコイル
Q1 第1トランジスタ
Q2 第2トランジスタ
Q3 第3トランジスタ
Q4 第4トランジスタ
Q5 第5トランジスタ
Q6 第6トランジスタ
SW1 第1スイッチング回路
SW2 第2スイッチング回路
Tr 絶縁トランス
T1~T9 接続点
Vin+ 入力正極端子
Vin- 入力負極端子
VI 入力端
Vout+ 出力正極端子
Vout- 出力負極端子
Vo 入力端
Claims (3)
- 入力端に入力される電圧を変換して出力端から出力する絶縁型スイッチング電源であって、
前記入力端に接続された一次巻線及び前記出力端に接続された二次巻線を備える絶縁トランスと、
前記入力端と前記一次巻線との間に接続された第1スイッチング回路と、
前記二次巻線に接続された第2スイッチング回路と、
前記第2スイッチング回路と前記出力端との間に接続されたチョークコイルと、
前記第1スイッチング回路のオンオフ駆動をなす第1駆動部と、
前記第2スイッチング回路のオンオフ駆動をなす第2駆動部と、
前記第1駆動部及び前記第2駆動部に制御信号を供給し、前記第1スイッチング回路及び前記第2スイッチング回路の駆動タイミングを制御する制御部と、
前記第1駆動部及び前記第2駆動部の温度を測定する温度測定部と、を有し、
前記制御部は、前記温度測定部による測定結果に対応した前記第1駆動部及び前記第2駆動部の伝送遅延時間から伝送遅延補正量を算出し、前記伝送遅延補正量に基づいて前記制御信号の供給タイミングを調整する絶縁型スイッチング電源。 - 前記制御部は、前記伝送遅延時間及び前記伝送遅延補正量を前記第1駆動部及び前記第2駆動部の温度毎にあらかじめ決定した遅延テーブルを備え、前記温度測定部による測定結果に基づいて前記遅延テーブルを参照し、参照結果に基づいて前記制御信号の供給タイミングを調整する請求項1に記載の絶縁型スイッチング電源。
- 前記温度測定部は、前記第1駆動部の近傍に設けられた第1温度センサ、及び前記第2駆動部の近傍に設けられた第2温度センサを備える請求項1又は2に記載の絶縁型スイッチング電源。
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