JP2006304552A - スイッチングレギュレータおよび電源システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 スイッチングレギュレータ4は、出力電圧Voutと基準電圧との誤差信号を出力する誤差増幅段5と、ドライバ61により誤差信号に応じたパルスを発生し、パワートランジスタであるトランジスタM1、M2をON/OFFすることで入力電圧Vinを交流電圧に変換し、さらにインダクタL1とコンデンサC2とで構成されるフィルタにより直流の出力電圧Voutを出力するコンバータ段6と、利得調節回路7とで構成される。
【選択図】 図2
Description
シリーズレギュレータは、主として負荷が小さい場合に使用される。
一般的な降圧型スイッチングレギュレータは、負荷に出力する出力電圧と目標電圧(基準電圧)との誤差信号を出力する誤差増幅段と、誤差信号に応じたパルスを発生し、パワートランジスタをON/OFFすることにより入力電圧を交流電圧に変換し、さらにインダクタとコンデンサとで構成されるフィルタにより、前述した出力電圧を出力するコンバータ段とで構成される。
図10に示す誤差増幅段90は、スイッチングレギュレータの出力電圧を分圧する可変抵抗R91、抵抗R92、位相補償用抵抗R93、位相補償用コンデンサC91、基準電圧VREFおよびオペアンプOP91で構成される。
Vout90=(1+R91/R92)×VREF・・・(1)
である。
図11は、図10に示す誤差増幅段を用いたスイッチングレギュレータ開ループの利得の周波数特性(振幅の周波数特性)を示すグラフであり、図12は、図10に示す誤差増幅段を用いたスイッチングレギュレータ開ループの位相特性(位相遅れの周波数特性)を示すグラフである。
また、図12(a)は、コンバータ段の位相特性を示すグラフであり、図12(b)は、誤差増幅段90の位相特性を示すグラフであり、図12(c)は、誤差増幅段90+コンバータ段の位相特性を示すグラフである。
図1は、第1の実施の形態の電源システムを示すブロック図である。
ここで、負荷電流が小さい場合には、主としてシリーズレギュレータユニット3が使用され、主として負荷電流が大きい場合には、スイッチングレギュレータユニット2が使用される。また、シリーズレギュレータユニット3を省略して、すべての負荷電流範囲をスイッチングレギュレータユニット2でカバーする構成としてもよい。シリーズレギュレータユニット3を加えた場合には、負荷電流が小さい場合に、より精度の高い出力電圧を供給することができる。
スイッチングレギュレータ4は、スイッチングレギュレータユニット2の1つのスイッチングレギュレータであり、出力電圧Voutと後述する基準電圧との誤差信号を出力する誤差増幅段5と、誤差信号に応じたパルスを発生し、パワートランジスタであるトランジスタM1、M2をON/OFFすることにより入力電圧Vinを交流電圧に変換し、さらにインダクタL1とコンデンサC2とで構成されるフィルタにより直流の出力電圧Voutを出力するコンバータ段6と、利得調節回路7とで構成される。
誤差増幅段5は、入力端子inから入力される出力電圧Voutを分圧する抵抗RFB0、RFB1、利得調節用抵抗RS、位相補償用抵抗RF、位相補償用コンデンサCF、基準電圧VREFおよびオペアンプOP1、OP2で構成される。
利得調節用抵抗RSは、可変抵抗である。この利得調節用抵抗RSは、利得調節回路7から入力される信号により、その抵抗値が変化する。
コンバータ段6は、ドライバ61、トランジスタM1、M2、インダクタL1およびコンデンサC2を有している。
図1において、この利得調節回路7は、スイッチングレギュレータ4の起動時には、シリーズレギュレータユニット3から出力されている出力電圧Voutを検出し、出力電圧Voutに応じて、利得調節用抵抗RSを調整する。また、スイッチングレギュレータ4の起動時に、シリーズレギュレータユニット3から出力電圧Voutが出力されていない場合には、スイッチングレギュレータ4の所定の目標電圧値を利得調節回路7に入力する。また、スイッチングレギュレータ4の起動時は、シリーズレギュレータユニット3から出力電圧Voutが出力されていない場合でも、出力電圧Voutを検出し、出力電圧Voutの立ち上がりに応じて利得調節用抵抗RSを調整するようにしてもよい。なお、電源システムがスイッチングレギュレータユニット2のみで構成されている場合、スイッチングレギュレータ4の起動時には、スイッチングレギュレータ4の所定の目標電圧値を利得調節回路7に入力する。
電源システム1は、インダクタL1から出力される出力電圧Voutを抵抗RFB0、RFB1で分圧した電圧をオペアンプOP1の非反転入力端子に入力する。オペアンプOP1は、オペアンプOP2の反転入力端子に電圧Voを出力する。
Vout=(1+RFB0/RFB1)×VREF・・・(2)
誤差増幅段5の利得Kは、式(3)で表される。
なお、利得KDCを一定に保つ調節を以下では、「利得調節」という。
図5は、利得調節用抵抗および利得調節回路を示す回路図である。
利得調節用抵抗RSは、抵抗R1〜R5およびON/OFF用のスイッチS1〜S7を有している。
スイッチS1は、一端が抵抗R2の右端に接続され、他端がスイッチS5の右端に接続されている。スイッチS2は、一端が抵抗R3の右端に接続され、他端がスイッチS6の右端に接続されている。スイッチS3は、一端が抵抗R4の右端に接続され、他端がスイッチS7の右端に接続されている。スイッチS4は、抵抗R1の両端に接続されている。スイッチS5は、一端が抵抗R1の左端に接続され、他端がスイッチS1の左端に接続されている。スイッチS6は、一端が抵抗R1の左端に接続され、他端がスイッチS2の左端に接続されている。スイッチS7は、一端が抵抗R1の左端に接続され、他端がスイッチS3の左端に接続されている。
利得調節回路7は、コンパレータCOMP1〜COMP3および抵抗R6〜R9を有している。
コンパレータCOMP1〜COMP3の反転入力端子は、いずれも入力端子In2に接続されている。また、コンパレータCOMP1の非反転入力端子は、抵抗R6の下端に接続され、コンパレータCOMP2の非反転入力端子は、抵抗R7の下端に接続され、コンパレータCOMP3の非反転入力端子は、抵抗R8の下端に接続されている。
また、入力端子In2には、所定のしきい値電圧が入力される。
また、コンパレータCOMP1の出力はスイッチS1に、コンパレータCOMP2の出力はスイッチS2に、コンパレータCOMP3の出力はスイッチS3に、それぞれ制御信号として入力されるよう構成されている。
図6は、第1の実施の形態の電源システムの利得調節用抵抗と、出力電圧との関係の一例を示すグラフである。
まず、スイッチングレギュレータ4の動作の開始前または開始時に、起動完了信号によりスイッチS4〜S7がONされ、所定のしきい値電圧、例えば、0.6Vが入力端子In2に入力される。
その後、出力電圧Voutが上昇し、Vout=1VのときコンパレータCOMP1の出力がHとなりスイッチS1がONし、利得調節用抵抗RS=320kΩとなる。その後、出力電圧Voutが1.3Vまで上昇すると、コンパレータCOMP2の出力がHとなりスイッチS2がONし、利得調節用抵抗RS=240kΩとなる。その後、出力電圧Voutが2.0Vまで上昇すると、コンパレータCOMP3の出力がHとなりスイッチS3がONし、利得調節用抵抗RS=160kΩとなる。
そして、スイッチングレギュレータ4の起動が終了すると、定常時のスイッチングレギュレータ動作を安定させるために、起動完了信号によりスイッチS4〜S7をOFFし、定常動作時の利得調節用抵抗RSが非常に大きく(例えば、1MΩ程度)なるようにする。
なお、本実施の形態では、各段の抵抗Rの値の差が一定になるように設定したが、これに限らない。また、本実施の形態では、電圧を4段階に変化させたが、段数を増減させてもよい。段数をnにする場合には、コンパレータを(n−1)個にすればよい。
図7は、利得調節を行わない場合の誤差増幅段および出力電圧の出力波形を示すグラフであり、図8は、利得調節を行った場合の誤差増幅段および出力電圧の出力波形を示すグラフである。
図7に示すように、利得調節を行わない場合は、出力電圧Voutが比較的低い場合に比べて、出力電圧Voutが比較的高い場合の起動時間が長くなってしまう。
以上説明したように、電源システム1によれば、利得調節回路7で利得調節用抵抗RSの抵抗値を調節して式(4)に示す利得KDCが一定となるようにすることにより、スイッチングレギュレータ開ループの利得を一定に保つことができる。これにより、スイッチングレギュレータ4の帯域の低下を抑制または低減することができる。よって、出力電圧Voutが高くなっても、スイッチングレギュレータ4の起動時間を短く保つことができるため、従来に比べ負荷電流に応じてシリーズレギュレータユニット3からスイッチングレギュレータユニット2に切り替える切り替え時間を低減させることができる。すなわち、スイッチングレギュレータ4の応答性が改善する。
以下、第2の実施の形態の電源システム1aについて、前述した第1の実施の形態の電源システム1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図9は、第2の実施の形態の誤差増幅段の構成を示す回路図である。
利得調節回路7aは、FETトランジスタのゲートを制御して、FETトランジスタのドレイン・ソース間抵抗を変化させ得るよう構成されている。
さらに、第2の実施の形態の電源システム1aによれば、リニアに利得調節を行うことができ、より精密な制御を行うことができる。
以上、本発明の電源システム、スイッチングレギュレータについて図示の実施の形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成と置換することができる。
2 スイッチングレギュレータユニット
3 シリーズレギュレータユニット
4 スイッチングレギュレータ
5 誤差増幅段
6 コンバータ段
7 利得調節回路
COMP1〜COMP3 コンパレータ
M1、M2 トランジスタ
OP1、OP2 オペアンプ
R1〜R5 抵抗
RF 位相補償用抵抗
RS 利得調節用抵抗
S1〜S7 スイッチ
VA 誤差信号
VREF 基準電圧
Claims (9)
- パワートランジスタをオンオフすることにより負荷に出力電圧を供給するスイッチングレギュレータにおいて、
出力電圧が分圧されてもしくはそのまま入力されるボルテージフォロア、一端が前記ボルテージフォロアの出力端子に接続された可変抵抗手段、反転入力端子に前記可変抵抗手段の他端が接続され非反転入力端子に基準電圧が入力されるとともに前記反転入力端子と前記出力端子との間に直列に接続された位相補償用抵抗および位相補償コンデンサを有する演算増幅器を備え、前記演算増幅器の出力を誤差信号とする誤差増幅段と、
前記出力電圧が変動したとき、前記出力電圧に基づいて前記可変抵抗手段の抵抗値を調節することにより前記誤差増幅段の利得を調節する利得調節回路と、
前記誤差信号に基づいて前記パワートランジスタをオンオフするドライバと、
を有することを特徴とするスイッチングレギュレータ。 - 前記ドライバは、PWM(Pulse Width Modulation)パルスにより前記パワートランジスタをオンオフ駆動することを特徴とする請求項1記載のスイッチングレギュレータ。
- 前記利得調節回路は、前記出力電圧と前記可変抵抗手段の抵抗値とが反比例の関係になるように前記抵抗値を調節することを特徴とする請求項1記載のスイッチングレギュレータ。
- 前記可変抵抗手段は、可変抵抗で構成されていることを特徴とする請求項1記載のスイッチングレギュレータ。
- 前記可変抵抗手段は、トランジスタ素子で構成されていることを特徴とする請求項1記載のスイッチングレギュレータ。
- 前記トランジスタ素子は、バイポーラトランジスタまたはFETトランジスタであることを特徴とする請求項5記載のスイッチングレギュレータ。
- 前記可変抵抗手段は、互いに接続された複数の抵抗と、所定の前記抵抗と並列に設けられ、ONまたはOFFすることにより、前記抵抗値を変化させるスイッチとを有し、
前記利得調節手段は、前記スイッチに対応して設けられ、所定の前記出力電圧と、所定のしきい値電圧との比較結果に応じて前記スイッチをONまたはOFFする複数のコンパレータと、
を有することを特徴とする請求項1記載のスイッチングレギュレータ。 - 前記可変抵抗手段は、前記スイッチをONまたはOFFしたとき、前記出力電圧と前記抵抗値とが反比例の関係になるよう構成されていることを特徴とする請求項7記載のスイッチングレギュレータ。
- 負荷に応じて電源を切り替えて電圧を出力する電源システムにおいて、
オンオフ動作することにより負荷に出力電圧を供給するパワートランジスタと、
出力電圧が分圧されてもしくはそのまま入力されるボルテージフォロア、一端が前記ボルテージフォロアの出力端子に接続された可変抵抗手段、反転入力端子に前記可変抵抗手段の他端が接続され非反転入力端子に基準電圧が入力されるとともに前記反転入力端子と前記出力端子との間に直列に接続された位相補償用抵抗および位相補償コンデンサを有する演算増幅器を備え、前記演算増幅器の出力を誤差信号とする誤差増幅段と、
前記出力電圧が変動したとき、前記出力電圧に基づいて前記可変抵抗手段の抵抗値を調節することにより前記誤差増幅段の利得を調節する利得調節回路と、
前記誤差信号に基づいて前記パワートランジスタをオンオフするドライバと、を有するスイッチングレギュレータと、
電源ラインを前記スイッチングレギュレータと共有するシリーズレギュレータと、
を有することを特徴とする電源システム。
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