以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、第1実施形態に係る運転支援装置が適用された車1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、車1は、運転支援ECU(Electronic Control Unit)2、右サイドカメラ31、左サイドカメラ32、フロントカメラ33、リアカメラ34、各種センサ4、操作装置5、スピーカ6、ディスプレイ7、および、記憶装置8を備えている。なお、車1はその他の構成も備えているが、図1においては記載を省略している。
右サイドカメラ31、左サイドカメラ32、フロントカメラ33、およびリアカメラ34は、それぞれ、車1周辺の画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDやCMOSなどの撮像素子を備え、所定の撮影領域を所定のフレームレートで撮影する。右サイドカメラ31は、右ドアミラー(例えばその底面)に取り付けられており、車1の右側面および路面を含めて、車1の右側の画像を撮影する。左サイドカメラ32は、左ドアミラー(例えばその底面)に取り付けられており、車1の左側面および路面を含めて、車1の左側の画像を撮影する。フロントカメラ33は、車1の前部の車幅方向中央に取り付けられており、車1の前面および路面を含めて、車1の前方の画像を撮影する。リアカメラ34は、例えばバックドアの車幅方向中央に取り付けられており、車1の後面および路面を含めて、車1の後方の画像を撮影する。なお、これらのカメラ31~34の取り付け位置は限定されない。各カメラ31~34が撮影した画像データは、運転支援ECU2に出力される。本実施形態では、フロントカメラ33が、本発明の「車載カメラ」に相当する。
各種センサ4は、各種検出値を検出して、運転支援ECU2に出力する。各種センサ4には、ステアリングの操舵角を検出する舵角センサ、車1の各車輪の車輪速を検出する車速センサ、ブレーキペダルの操作量を検出するブレーキセンサ、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ、シフトレバーの操作に連動して変化するシフトポジションを検知するシフトポジションセンサ、車1のエンジンが稼働しているか否かを検出するエンジン稼働センサ、車1のキースイッチの状態を検出するキースイッチセンサなどが含まれる。キースイッチの状態としては、アクセサリスイッチのオン/オフ、イグニッションスイッチのオン/オフなどがある。なお、上記したものは、一例であり、これらに限定されない。
スピーカ6は、音声を出力するものであり、運転支援ECU2より入力される音声信号に基づいて、音声を出力する。
ディスプレイ7は、例えばLCD(液晶表示装置)によって構成されており、車1のセンターコンソール部分に設置される。なお、ディスプレイ7は、LCDに限定されず、有機ELディスプレイやプラズマディスプレイなどであってもよい。また、設置位置もセンターコンソール部分に限定されず、運転者から見ることができる範囲にあればよい。例えば、メーターパネル内に配置されていてもよい。なお、ディスプレイ7は、ナビゲーションシステムなどのディスプレイと兼用してもよい。
操作装置5は、運転者(または同乗者)によって操作されて、操作に応じた操作信号を運転支援ECU2に出力するものである。本実施形態では、操作装置5は、ディスプレイ7の画面上に配置されたタッチパネルである。ディスプレイ7の画面上に表示されたボタンなどが指先で操作されると、タッチパネルがタッチ位置を読み取って、対応した操作信号を出力する。なお、操作装置5はこれに限定されず、操作ボタンやジョイスティックなどの入力デバイスであってもよい。運転者(または同乗者)は、操作装置5の操作によって、運転支援ECU2に、運転支援の開始を指示したり、運転支援の終了を指示したりすることができる。
記憶装置8は、運転支援を行うための各種情報を記憶する。記憶装置8は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等の二次記憶装置である。なお、記憶装置8は、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置であってもよい。
運転支援ECU2は、運転支援を行うための電子制御ユニットであり、CPUおよびメモリを備えたマイクロコンピュータによって実現されている。運転支援ECU2は、各カメラ31~34から入力される画像データ、および、各種センサ4より入力される各信号に基づいて、運転支援のための制御を行う。本実施形態においては、運転支援ECU2は、運転支援として、運転者の運転傾向の報知を行う。運転支援ECU2が、本発明の「運転支援装置」に相当する。
運転支援ECU2は、機能ブロックとして、画像処理部21、走行車線抽出部22、指標算出部23、統計情報作成部24、および、報知制御部25を備えている。
画像処理部21は、各カメラ31~34から入力される画像データに対して、所定の画像処理を行う。本実施形態においては、画像処理部21は、フロントカメラ33から入力される画像データに対して画像処理を行い、前方画像を作成する。当該前方画像上における、ある2点間の距離は、所定の演算により、実空間における距離に変換することができる。
走行車線抽出部22は、画像処理部21が作成した前方画像から、車1が走行している車線(以下では、「走行車線」と記載する)を抽出する。具体的には、走行車線抽出部22は、前方画像に含まれる道路線形情報を検出する。道路線形情報としては、例えば、白色や黄色の実線および破線などの車両通行帯を区分する線(以下、「区分線」と記載する)、縁石、中央分離帯などが検出される。そして、走行車線抽出部22は、検出した道路線形情報に基づいて、走行車線を抽出する。本実施形態では、画像処理部21および走行車線抽出部22が、本発明の「抽出手段」に相当する。
指標算出部23は、走行車線上の基準に対する車1の走行位置の関係を示す指標を算出する。本実施形態においては、指標算出部23は、走行車線の幅方向中央に対する車1の走行位置の偏り度合いを示す指標を算出する。すなわち、走行車線の幅方向中央を走行車線上の基準とし、車1が走行車線の幅方向中央に対して左右のどちら側にずれているかの偏りを示す指標を算出する。具体的には、指標算出部23は、前方画像において抽出された走行車線の左側端部と車1の車幅方向中央との距離、および、走行車線の右側端部と車1の車幅方向中央との距離を算出し、算出した2つの距離の差分(距離差)を、指標として算出する。指標算出部23は、算出した指標を記憶装置8に記憶する。なお、車1の車幅方向中央は、フロントカメラ33の設置位置に基づいて特定できる。本実施形態では、指標算出部23が、本発明の「算出手段」に相当する。
画像処理部21、走行車線抽出部22、および、指標算出部23は、上記処理を、所定期間において、所定間隔で繰り返し行う。これにより、記憶装置8には複数の指標が記憶される。なお、車1の走行中における指標を記憶させるために、各種センサ4から入力される車速情報に基づいて、車速が所定値以上の場合にのみ、上記処理が実行されるようにしてもよい。所定期間は、運転支援が開始されたときから運転支援が終了したときまでの期間であり、例えば、シフト操作により、Pレンジ(パーキングレンジ)からDレンジ(ドライブレンジ)に切り替わってから再びPレンジが選択されるまでの期間、エンジンが始動されてからエンジンが停止するまでの期間、運転者による操作装置5の操作により運転支援の開始が指示されてから終了が指示されるまでの期間などである。所定間隔は、例えば、予め設定された時間経過する毎、車1が予め設定された距離を走行する毎などである。なお、所定期間および所定間隔は上記したものに限定されない。
統計情報作成部24は、記憶装置8に記憶される複数の指標の統計をとり、その統計結果を統計情報として作成する。本実施形態においては、統計情報作成部24は、記憶装置8に記憶される複数の指標の平均を演算し、当該演算結果である平均値を統計情報として作成する。なお、分散や標準偏差などの情報も演算してもよい。さらに、複数の指標を、複数の区分に分けたときの度数分布により、統計情報を作成してもよい。この場合、平均を演算するのではなく、最頻値を求めてもよい。本実施形態においては、統計情報作成部24が、本発明の「統計手段」に相当する。
報知制御部25は、統計情報作成部24によって作成された統計情報に基づき、車1の運転者の運転傾向を報知させる。本実施形態においては、運転者の運転傾向として、走行車線の幅方向中央に対して、車1の走行位置が左右のどちら側にずれている傾向があるかを報知させる。すなわち、車1が走行車線の幅方向に対して左右のどちら側に寄っている傾向があるかを報知させる。報知制御部25は、運転者の運転傾向をディスプレイ7に表示させたりスピーカ6に音声案内させたりする。なお、報知制御部25がディスプレイ7に表示させる画像や、スピーカ6に出力させる音声は限定されない。また、ディスプレイ7による表示あるいはスピーカ6による音声案内のいずれか一方のみで報知してもよい。さらに、これらに加えて(あるいはこれらの代わりに)振動によって報知してもよい。例えば、右側(左側)に寄っている傾向がある場合、ハンドルを左方向(右方向)に回転させるように振動させる。すなわち、車1が走行車線の幅方向に対して寄っていると判断された方向と、反対方向にハンドルを回転させるように振動させる。なお、右側(左側)に寄っている傾向がある場合、ハンドルを右方向(左方向)に回転させるように振動させてもよい。すなわち、上記寄っていると判断された方向と同じ方向に回転させるように振動させてもよい。また、ハンドルの左側および右側のグリップ位置に振動パッドを取り付けておき、右側に寄っている場合、左側の振動パッドを振動させ、左側に寄っている場合、右側の振動パッドを振動させる。すなわち、車1が走行車線の幅方向に対して寄っていると判断された方向と、反対側の振動パッドを振動させる。なお、右側に寄っている場合、右側の振動パッドを振動させ、左側に寄っている場合、左側の振動パッドを振動させてもよい。すなわち、上記寄っていると判断された方向と同じ方向の振動パッドを振動させてもよい。
次に、運転支援ECU2が行う運転支援処理を、図2に示すフローチャートを参照して、以下に説明する。
図2は、運転支援処理の一例を示すフローチャートである。当該運転支援処理は、車1の運転が開始されたときに実行される。例えば、車1のエンジンがオンとなったとき、シフト操作によりPレンジからDレンジに切り替わったとき、あるいは、操作装置5より運転支援の開始を指示する操作信号が入力されたときなどに実行される。
まず、フロントカメラ33から画像データが入力される(S1)。そして、画像処理部21によって、入力された画像データの画像処理が行われ(S2)、前方画像が作成される。例えば、図3(a)に示す状況においては、フロントカメラ33から入力される画像データから、図3(b)に示す前方画像が作成される。なお、図3(b)において、破線や一点鎖線で示したものは、以下の説明において理解の便宜上記載した補助線である。
次に、走行車線抽出部22によって、前方画像から走行車線が抽出される(S3)。具体的には、走行車線抽出部22は、前方画像から、区分線、縁石、中央分離帯などの道路線形情報を検出する。例えば、図3(b)に示す前方画像においては、走行車線抽出部22によって、2つの白線W1,W2が検出される。そして、2つの白線W1,W2の間が走行車線L0として抽出される。
次に、指標算出部23によって、走行車線L0上の基準に対する車1の走行位置の関係を示す指標が算出される(S4)。本実施形態においては、上記するように、走行車線L0の幅方向中央を、走行車線L0上の基準として、車1が走行車線の幅方向中央に対して左右のどちら側にずれているかの偏り度合いを示す指標を算出する。具体的には、指標算出部23は、図3(b)に示す前方画像において、まず、白線W1と走行車線L0との境界線L11(走行車線L0の左側端縁L11)と、白線W2と走行車線L0との境界線L12(走行車線L0の右側端縁L12)と、車1の車幅方向中央を示す直線L2と、を検出する。本実施形態においては、フロントカメラ33は車1の前部の車幅方向中央に取り付けられているため、前方画像の左右方向中央を直線L2としている。なお、フロントカメラ33が車幅方向において中央からずれて取り付けられている場合には、そのずれに基づいて、補正すればよい。例えば、フロントカメラ33が車幅方向において中央から右にずれて取り付けられている場合、前方画像の左右方向中央からそのずれ量に基づいて左にずらした位置を直線L2とすればよい。次に、指標算出部23は、検出した境界線L11,L12および直線L2のそれぞれが、例えば前方画像の上下方向中央を示す直線X1と交わる点P11,P12,P2を検出する。続いて、指標算出部23は、検出した3つの点P11,P12,P2を用いて、点P11および点P2の間の距離DL1と、点P12および点P2の間の距離DR1と、を算出する。そして、算出した2つの距離DL1,DR1の距離差ΔD1(=DR1-DL1)を上記指標として算出する。
実際に車1の走行位置が走行車線L0の幅方向中央より左にずれている場合(車1が左に寄っている場合)、距離DR1が距離DL1より大きくなる(DR1>DL1)ので、算出される距離差ΔD1は0より大きくなる(ΔD1>0)。一方、実際に車1の走行位置が走行車線L0の幅方向中央より右にずれている場合(車1が右に寄っている場合)、距離DR1が距離DL1より小さくなる(DR1<DL1)ので、算出される距離差ΔD1は0より小さくなる(ΔD1<0)。また、実際に車1の走行位置が走行車線L0の幅方向中央と一致している場合、距離DR1と距離DL1とが等しくなる(DR1=DL1)ので、算出される距離差ΔD1は0となる(ΔD1=0)。さらに、実際に車1の走行位置が走行車線L0の幅方向中央よりずれている量が大きいほど、算出される距離差ΔD1の絶対値が大きくなり、反対に、実際に車1の走行位置が走行車線L0の幅方向中央よりずれている量が小さいほど、算出される距離差ΔD1の絶対値が小さくなる。以上のことから、距離差ΔD1を、走行車線L0における車1の偏り度合いを示す指標として用いることができる。
次に、指標算出部23によって、算出された指標が記憶装置8に記憶される(S5)。本実施形態においては、指標算出部23によって、算出された距離差ΔD1が記憶装置8に記憶される。なお、ステップS3の処理において、走行車線L0が抽出できなかった場合は、上記ステップS4,S5の処理を行わない。
次に、車1の運転が終了したか否かが判断される(S6)。車1の運転が終了したか否かは、例えば、シフト操作によりPレンジが選択された場合、エンジンがオフされた場合、イグニッションがオフされた場合、あるいは、操作装置5より運転支援の終了を指示する操作信号が入力された場合などにより判断することができる。なお、車1の運転が終了したか否かは、これらのいずれか1つを満たした場合に判断してもよいし、これらの組み合わせによって判断してもよい。また、上記したものは一例であり、これらに限定されない。このような判断に基づいて、車1の運転が終了していないと判断された場合(S6:NO)は、ステップS1からステップS5の処理が繰り返し行われる。したがって、記憶装置8には、複数の指標(距離差ΔD1)が記憶される。一方、ステップS6で運転が終了したと判断されると(S6:YES)、続いて、統計情報作成部24によって、統計情報が作成される(S7)。具体的には、統計情報作成部24は、記憶装置8に記憶される複数の指標(距離差ΔD1)の平均を演算し、その結果(平均値)を統計情報として作成する。
次に、作成された統計情報に基づいて、報知制御部25によって、運転者の運転傾向が報知される(S8)。具体的には、報知制御部25は、指標(距離差ΔD1)の平均値を確認し、当該指標(距離差ΔD1)の平均値に基づいて、運転者の運転傾向を判断する。当該運転者の運転傾向としては、走行車線L0の幅方向中央に対して、車1の走行位置が左右方向のどちら側に寄っている傾向があるかを判断する。例えば、距離差ΔD1の平均値が閾値α1(α1<0)より小さい場合、報知制御部25によって、走行車線L0の幅方向中央に対して車1の走行位置が右側にずれる傾向があると判断される。すなわち、走行車線L0に対して車1が右側に寄っている傾向があると判断される。一方、距離差ΔD1の平均値が閾値β1(β1>0)より大きい場合、報知制御部25によって、走行車線L0の幅方向中央に対して車1の走行位置が左側にずれる傾向があると判断される。すなわち、走行車線L0に対して車1が左側に寄っている傾向があると判断される。また、距離差ΔD1の平均値が閾値α1と閾値β1との間(α1~β1)である場合、報知制御部25によって、走行車線L0の幅方向中央と車1の走行位置とが略同じである傾向があると判断される。すなわち、車1が走行車線L0の幅方向中央を走行できている傾向があると判断される。そして、報知制御部25は、その判断結果をディスプレイ7に表示させたりスピーカ6に音声案内させたりする。また、運転傾向の報知は、車1の運転が終了し、統計情報が作成され次第行うようにしてもよいし、次回のイグニッションがオンになった時あるいはエンジンが始動した時に行うようにしてもよい。運転傾向の報知のタイミングは、これらに限定されない。また、記憶装置8に記憶された情報は、報知された後に削除されるようにしてもよいし操作装置5の操作により削除されるようにしてもよい。さらに、上記閾値α1,β1は絶対値が同じ(すなわち正と負との符号が反転した値)であってもよい。
図4は、ディスプレイ7の表示画面に表示される報知画像の一例を示している。図4(a)は、車1が左側に寄っている傾向があると判断された場合の報知画像を示している。図4(b)は、車1が右側に寄っている傾向があると判断された場合の報知画像を示している。図4(c)は、車1が中央を走行している傾向があると判断された場合の報知画像を示している。これらの報知画像には、例えば車を後部側から見たときの車アイコンQが表示されている。また、車アイコンQの左には、所定の図形F1が表示可能となっており、車アイコンQの右には、所定の図形F2が表示可能となっている。図形F1は、車1が左側に寄っている傾向があると判断された場合に表示され、図形F2は、車1が右側に寄っている傾向があると判断された場合に表示される。なお、図形F1,F2において、ハッチングを付して実線で示したものは、表示されている状態であり、破線で示したものは、表示されていない状態である。運転者は、このような報知画像を見ることで、自身の運転傾向を確認することができる。
図2のフローチャートに示す各処理は一例であって、運転支援処理は上述したものに限定されない。
次に、本実施形態に係る運転支援ECU2の作用および効果について説明する。
本実施形態によると、運転支援ECU2によって、フロントカメラ33が撮影した画像データから車1の走行車線が抽出され、抽出された走行車線上の基準(走行車線の幅方向中央)に対して車1の走行位置の関係(偏り度合い)を示す指標(距離差ΔD1)が算出される。この指標が所定期間内に複数作成され、複数の指標の統計情報が作成される。そして、この統計情報に基づいて、走行車線L0の幅方向中央に対して、車1の走行位置が左右方向のどちら側にずれている(寄っている)傾向があるかが運転者の運転傾向として報知される。これにより、運転者は、自身の運転傾向(癖)を知ることができる。したがって、運転者は、自身の運転傾向に基づき、癖を正すような運転を意識することができる。以上のことから、運転支援ECU2は、運転者の運転技量の向上を支援することができる。
上記第1実施形態では、運転者の運転傾向として、車1が走行車線に対して左右方向のどちら側に寄っているかを報知したが、段階的に報知するようにしてもよい。この場合、統計情報として作成された平均値に基づいて、その値の大きさ(絶対値)に基づいて、「大きく左に寄っている」「左に寄っている」「少し左に寄っている」「寄っていない」「少し右によっている」「右に寄っている」「大きく右に寄っている」など複数段階で報知するようにしてもよい。この場合、例えば、図4に示す報知画像としては、その段階に応じて、図形F1,F2の色を変える(例えば、青、黄色、赤など)ようにしてもよいし、図形F1,F2における「く」の字形の図形の数を変えるようにしてもよい。
上記第1実施形態では、前方画像上での、車1の車幅方向中央および走行車線の左側端縁の間の距離DL1と、車1の車幅方向中央および走行車線の右側端縁の間の距離DR1との距離差ΔD1を上記偏り度合いを示す指標として算出したが、これに限定されない。例えば、前方画像上での、車1の車幅方向中央および走行車線の幅方向中央の間の距離を上記偏り度合いを示す指標として算出してもよい。図5は、このような変形例(第1変形例)について説明するための図である。図5(a)は、車1と走行車線との関係を示す図である。図5(b)は、図5(a)に示す関係において、フロントカメラ33が撮影した画像データから作成される前方画像を示している。なお、図5(b)において、破線や一点鎖線で示したものは、以下の説明において理解の便宜上記載した補助線である。
指標算出部23は、第1変形例においては、前方画像上での、車1の車幅方向中央と走行車線の幅方向中央との距離を指標として算出する。そのために、指標算出部23は、図5(b)に示す前方画像において、走行車線L0の幅方向中央を示す直線L13と車1の車幅方向中央を示す直線L2とを検出する。そして、上記第1実施形態と同様に、これらの直線L13,L2が、例えば前方画像の上下方向中央を示す直線X1と交わる点P13,P2を検出する。続いて、指標算出部23は、検出した2つの点P13,P2の間の距離DCを算出する。このとき、点P13が点P2より右側に位置するときには、算出した距離DCが正の値となり、反対に、点P13が点P2より左側に位置するときには、算出した距離DCが負の値となるように演算する。指標算出部23は、算出した指標(距離DC)を記憶装置8に記憶する。なお、距離ではなく、点P2に対する点P13の相対位置を算出し、これを指標としてもよい。
実際に車1の走行位置が走行車線L0の幅方向中央より左にずれている場合(車1が左に寄っている場合)、点P13が点P2より右側に位置するので、距離DCは0より大きくなる(DC>0)。一方、車1の走行位置が走行車線L0の幅方向中央より右にずれている場合(車1が右に寄っている場合)、点P13が点P2より左側に位置するので、距離DCは0より小さくなる(DC<0)。また、実際に車1の走行位置が走行車線L0の幅方向中央と一致している場合、点P2と点P13とが一致するので、距離DCは0となる(DC=0)。さらに、実際に車1の走行位置が走行車線L0の幅方向中央よりずれている量が大きいほど、算出される距離DCの絶対値が大きくなり、反対に、実際に車1の走行位置が走行車線L0の幅方向中央よりずれている量が小さいほど、算出される距離DCの絶対値が小さくなる。以上のことから、距離DCを、走行車線L0における車1の偏り度合いを示す指標として用いることができる。
その後は、上記第1実施形態と同様に、統計情報作成部24によって、指標(距離DC)の統計情報が作成される。そして、当該指標(距離DC)の統計情報に基づいて、報知制御部25によって、走行車線の幅方向中央に対して、車1の走行位置が左右のどちら側にずれている傾向があるかが運転者の運転傾向として報知される。例えば、距離DCの平均値が閾値α2(α2<0)より小さい場合、報知制御部25によって、走行車線L0の幅方向中央に対して車1の走行位置が右側にずれる傾向があると判断され、その旨が報知される。一方、距離DCの平均値が閾値β2(β2>0)より大きい場合、報知制御部25によって、走行車線L0の幅方向中央に対して車1の走行位置が左側にずれる傾向があると判断され、その旨が報知される。また、距離DCの平均値が閾値α2と閾値β2との間(α2~β2)である場合、報知制御部25によって、走行車線L0の幅方向中央と車1の走行位置とが略同じである傾向があると判断され、その旨が報知される。なお、上記閾値α2,β2とは絶対値が同じ(すなわち正と負との符号が反転した値)であってもよい。
以上のことから、本変形例(第1変形例)においても、運転者の運転傾向が報知されるので、運転者は、自身の運転傾向(癖)を知ることができる。したがって、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
上記第1実施形態では、フロントカメラ33が撮影した画像データから作成される前方画像を用いて、走行車線の幅方向中央に対する車1の走行位置の偏り度合いを算出したが、これに限定されない。例えば、リアカメラ34が撮影した画像データから作成される後方画像を用いてもよい。この場合、上記第1実施形態と同様の処理により、運転支援を実現できる。この場合、リアカメラ34が、本発明の「車載カメラ」に相当する。また、右サイドカメラ31および左サイドカメラ32が撮影した画像データから作成される側方画像(右側方画像および左側方画像)を用いてもよい。図6は、このような変形例(第2変形例)について説明するための図である。図6(a)は、車1と走行車線との関係を示す図である。図6(b)は、図6(a)に示す関係において、左サイドカメラ32が撮影した画像データから作成される左側方画像を示している。図6(c)は、図6(a)に示す関係において、右サイドカメラ31が撮影した画像データから作成される右側方画像を示している。なお、図6(b)および図6(c)において、破線で示したものは、以下の説明において理解の便宜上記載した補助線である。
画像処理部21は、第2変形例においては、右サイドカメラ31および左サイドカメラ32から入力される画像データに対してそれぞれ画像処理を行う。当該画像処理により、右サイドカメラ31が撮影した画像データから図6(c)に示す右側方画像が作成される。また、左サイドカメラ32が撮影した画像データから図6(b)に示す左側方画像が作成される。第2変形例においては、右サイドカメラ31および左サイドカメラ32が、本発明の「車載カメラ」に相当する。
走行車線抽出部22は、第2変形例においては、画像処理部21が作成した右側方画像および左側方画像からそれぞれ走行車線L0を抽出する。具体的には、走行車線抽出部22は、図6(b)に示す左側方画像から、道路線形情報として白線W1を検出する。また、左側方画像から車1の車両左側端縁L21を検出する。そして、白線W1と車両左側端縁L21との間を走行車線L0として抽出する。同様に、走行車線抽出部22は、図6(c)に示す右側方画像から、道路線形情報として白線W2を検出する。また、右側方画像から車1の車両右側端縁L22を検出する。そして、白線W2と車両右側端縁L22との間を走行車線L0として抽出する。
指標算出部23は、第2変形例においては、左側方画像上での走行車線L0の左側端縁および車1の車両左側端縁の間の距離と、右側方画像上での走行車線L0の右側端縁および車1の車両右側端縁の間の距離との、差分(距離差)を指標として算出する。具体的には、指標算出部23は、図6(b)に示す左側方画像において、白線W1と走行車線L0との境界線L11(走行車線L0の左側端縁L11)、および、車1と走行車線L0との境界線L21(車両左側端縁L21)を検出する。そして、検出した境界線L11,L21のそれぞれが、例えば左側方画像の上下方向中央を示す直線X2と交わる点P11,P21を検出する。その後、指標算出部23は、検出した2つの点P11,P21の間の距離DL2を算出する。指標算出部23は、図6(c)に示す右側方画像においても同様に、白線W2と走行車線L0との境界線L12(走行車線L0の右側端縁L12)、および、車1と走行車線L0との境界線L22(車両右側端縁L22)を検出する。そして、検出した境界線L12,L22のそれぞれが、例えば右側方画像の上下方向中央を示す直線X3と交わる点P12,P22を検出する。その後、指標算出部23は、検出した2つの点P12,P22の間の距離DR2を算出する。そして、指標算出部23は、算出した2つの距離DL2,DR2の距離差ΔD2(=DR2-DL2)を指標として算出する。
実際に車1の走行位置が走行車線L0の幅方向中央より左にずれている場合(車1が左に寄っている場合)、距離DR2が距離DL2より大きくなる(DR2>DL2)ので、算出される距離差ΔD2は0より大きくなる(ΔD2>0)。一方、実際に車1の走行位置が走行車線L0の幅方向中央より右にずれている場合(車1が右に寄っている場合)、距離DR2が距離DL2より小さくなる(DR2<DL2)ので、算出される距離差ΔD2は0より小さくなる(ΔD2<0)。また、実際に車1の走行位置が走行車線L0の幅方向中央と一致している場合、距離DR2と距離DL2とが等しくなる(DR2=DL2)ので、算出される距離差ΔD2は0となる(ΔD2=0)。さらに、実際に車1の走行位置が走行車線L0の幅方向中央よりずれている量が大きいほど、算出される距離差ΔD2の絶対値が大きくなり、反対に、実際に車1の走行位置が走行車線L0の幅方向中央よりずれている量が小さいほど、算出される距離差ΔD2の絶対値が小さくなる。以上のことから、距離差ΔD2を、走行車線L0における車1の車幅方向の偏り度合いを示す指標として用いることができる。
その後は、上記第1実施形態と同様に、統計情報作成部24によって、指標(距離差ΔD2)の統計情報が作成される。当該指標(距離差ΔD2)の統計情報に基づいて、報知制御部25によって、走行車線の幅方向中央に対して、車1の走行位置が左右のどちら側にずれている傾向があるかが運転者の運転傾向として報知される。例えば、距離差ΔD2の平均値が閾値α3(α3<0)より小さい場合、報知制御部25によって、走行車線L0の幅方向中央に対して車1の走行位置が右側にずれる傾向があると判断され、その旨が報知される。一方、距離差ΔD2の平均値が閾値β3(β3>0)より大きい場合、報知制御部25によって、走行車線L0の幅方向中央に対して車1の走行位置が左側にずれる傾向があると判断され、その旨が報知される。また、距離差ΔD2の平均値が閾値α3と閾値β3との間(α3~β3)である場合、報知制御部25によって、走行車線L0の幅方向中央と車1の走行位置とが略同じである傾向があると判断され、その旨が報知される。
以上のことから、本変形例(第2変形例)においても、運転者の運転傾向が報知されるので、運転者は、自身の運転傾向(癖)を知ることができる。したがって、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
上記第1実施形態では、運転者の運転傾向として、直線道路において、車1が走行車線上の左右のどちら側に寄っている傾向があるかを報知したが、例えば、カーブ路において、車1が走行車線上の内側あるいは外側のどちら側に寄っている傾向があるかを報知するようにしてもよい。このような場合を、第2実施形態として以下に説明する。
図7は、第2実施形態に係る運転支援装置を説明するための図である。指標算出部23は、第2実施形態においては、カーブ路における走行車線の幅方向中央(図7において一点鎖線で示す)に対する車1の走行位置の偏り度合い示す指標を算出する。すなわち、指標算出部23は、カーブ路において、走行車線の幅方向中央を走行車線上の基準とし、車1が走行車線の幅方向中央に対して内側あるいは外側のどちら側にずれているかの偏り度合いを示す指標を算出する。なお、走行車線上の基準として、走行車線の幅方向中央ではなく、幅方向中央から所定量内側あるいは外側にずらした位置であってもよい。具体的には、指標算出部23は、画像処理部21が作成した前方画像に基づいて、実際のカーブ路の曲率半径R1を算出する。例えば、前方画像上の走行車線L0の幅方向中央を結ぶ曲線の曲がり度合いから、所定の演算により、実際のカーブ路の曲率半径R1を算出する。また、指標算出部23は、各種センサ4の操舵角の情報に基づいて、車1が実際にカーブ路を走行したときの旋回軌道における曲率半径R2を算出する。そして、算出した曲率半径R1と曲率半径R2との差分ΔR(曲率半径差ΔR)(=R2-R1)を指標として算出し、記憶装置8に記憶する。以上のことを、カーブ路毎に行うことで、複数の指標(曲率半径差ΔR)が記憶装置8に記憶される。
曲率半径はその値が大きいほど緩やかな曲線となり、その値が小さいほど急な曲線となる。実際に車1が走行車線の幅方向中央より内側を走行している場合、曲率半径R2が曲率半径R1より小さくなる(R2<R1)ので、算出され曲率半径差ΔRが0より小さくなる(ΔR<0)。一方、実際に車1が走行車線L0の幅方向中央より外側を走行している場合、曲率半径R2が曲率半径R1より大きくなる(R2>R1)ので、算出される曲率半径差ΔRが0より大きくなる(ΔR>0)。また、実際に車1がカーブ路における走行車線L0の幅方向中央を走行している場合、曲率半径R2と曲率半径R1とが一致する(R2=R1)ので、算出される曲率半径差ΔRは0となる(ΔR=0)。さらに、実際に車1が走行車線の幅方向中央より内側あるいは外側にずれている量が大きいほど、算出される曲率半径差ΔRの絶対値が大きくなり、反対に、実際に車1が走行車線の幅方向中央より内側あるいは外側にずれている量が小さいほど、算出される曲率半径差ΔRの絶対値が小さくなる。以上のことから、曲率半径差ΔRを、走行車線L0における車1の偏り度合いを示す指標として用いることができる。
その後は、上記第1実施形態と同様に、統計情報作成部24によって、指標(曲率半径差ΔR)の統計情報が作成される。当該指標(曲率半径差ΔR)の統計情報に基づいて、報知制御部25によって、カーブ路における走行車線の幅方向中央に対して、車1の走行位置が内側あるいは外側のどちら側にずれている傾向があるかが運転者の運転傾向として報知される。例えば、曲率半径差ΔRの平均値が閾値α4(α4<0)より小さい場合、報知制御部25によって、カーブ路における走行車線L0の幅方向中央に対して車1の走行位置が内側にずれる傾向があると判断され、その旨が報知される。一方、曲率半径差ΔRの平均値が閾値β4(β4>0)より大きい場合、報知制御部25によって、カーブ路における走行車線L0の幅方向中央に対して車1の走行位置が外側にずれる傾向があると判断され、その旨が報知される。また、曲率半径差ΔRの平均値が閾値α4と閾値β4との間(α4~β4)である場合、報知制御部25によって、カーブ路における走行車線L0の幅方向中央と車1の走行位置とが略同じである傾向があると判断され、その旨が報知される。なお、算出した曲率半径差ΔRを記憶装置8に記憶するときに、算出した曲率半径R1を当該曲率半径差ΔRに対応付けて記憶しておき、記憶された曲率半径R1に基づいて、所定の区分毎に統計をとってもよい。このようにすることで、例えば、曲率半径R1が小さいカーブ路に対しては、内側(外側)を走行する傾向があり、曲率半径R1が大きいカーブ路に対しては、内側(外側)を走行する傾向があるなど、曲率半径R1に基づく区分毎に運転者の運転傾向を報知することができる。また、カーブ路が右カーブであるか左カーブであるかの情報を対応付けて記憶しておき、当該記憶された情報に基づいて、右カーブおよび左カーブ毎に統計をとってもよい。このようにすることで、例えば、右カーブの時は、内側(外側)を走行する傾向があり、左カーブのときは、内側(外側)を走行する傾向があるなど、右カーブか左カーブかの区分毎に運転者の運転傾向を報知することができる。
以上のことから、第2実施形態においても、運転者の運転傾向が報知されるので、運転者は、自身の運転傾向(癖)を知ることができる。したがって、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
上記第2実施形態では、前方画像から算出された曲率半径R1と、各種センサ4の操舵角の情報から算出された曲率半径R2との曲率半径差ΔRに基づいて、カーブ路における走行車線に対する車1の偏り度合いを算出したが、これに限定されない。例えば、運転支援ECU2が曲率半径R1から適正な操舵角の情報を算出する。そして、算出した当該操舵角の情報と、各種センサ4の操舵角の情報とに基づいて、カーブ路における走行車線に対する車1の走行位置の偏り度合いを算出してもよい。
上記第1実施形態では、運転者の運転傾向として、車1が走行車線の幅方向に対して左右のどちら側に寄っている傾向があるかを報知したが、例えば、車1の走行車線と同一車線を走行する先行車両に対する接近度合いの傾向を報知してもよい。このような場合を、第3実施形態として以下に説明する。
図8は、第3実施形態に係る運転支援装置を説明するための図である。図8(a)は、車1と先行車両1’との関係を示す図である。図8(b)は、図8(a)に示す関係において、フロントカメラ33が撮影した画像データから作成される前方画像を示している。なお、図8(b)において、破線や一点鎖線で示したものは、以下の説明において理解の便宜上記載した補助線である。
指標算出部23は、第3実施形態においては、先行車両1’に対する車1の前後方向の走行位置の偏り度合い示す指標を算出する。すなわち、指標算出部23は、第3実施形態においては、先行車両1’(の後部)を走行車線上の基準とし、車1が先行車両1’に対してどれだけ接近しているかの偏り度合いを示す指標を算出する。そのために、指標算出部23は、画像処理部21が作成した前方画像(図8(b)参照)から、走行車線L0上を走行する先行車両1’を検出する。そして、先行車両1’の後端と、前方画像の下端との、前方画像上での距離DFを算出する。図8(b)においては、先行車両1’の後端として、直線X4で示す先行車両1’のタイヤの下端を用いているが、これに限定されず、たとえば先行車両1’の車体の下端など、他の位置を基準としてもよい。指標算出部23は、算出した指標(距離DF)を記憶装置8に記憶する。なお、指標算出部23は、前方画像から先行車両1’を検出できなかった場合(たとえば、先行車両1’が存在しない場合など)は、距離DFの算出および以後の処理を行わない。
その後は、上記第1実施形態と同様に、統計情報作成部24によって、指標(距離DF)の統計情報(平均値)が作成される。当該指標(距離DF)の統計情報に基づいて、報知制御部25によって、先行車両1’に対して、車1の走行位置が、どれだけ接近している傾向があるかが運転者の運転傾向として報知される。例えば、距離DFの平均値が閾値α5(α5>0)未満の場合、報知制御部25によって、車1が先行車両1’に対して接近し過ぎている傾向があると判断され、その旨が報知される。また、距離DFの平均値が閾値α5以上閾値β5未満(α5<β5)の場合、報知制御部25によって、車1が先行車両1’に対して少し接近している傾向があると判断され、その旨が報知される。そして、距離DFの平均値が閾値β5以上の場合、報知制御部25によって、適正な車間距離を保っている傾向があると判断され、その旨が報知される。なお、上記したものは一例であり、閾値の数は限定されない。例えば、閾値の数を増やして細分化して報知してもよいし、閾値を1つにして、先行車両1’に対して近いか否かだけを報知してもよい。また、車間距離は、車1の速度に応じて、適正な値が変わるため、算出した距離DFを記憶装置8に記憶するときに、各種センサ4からの車速情報を距離DFに対応付けて記憶しておく。そして、記憶された車速情報に基づいて、所定の車速区分(例えば、~30km/h、30~60km/h、60~100km/h、100km/h~)毎に統計をとり、複数の統計情報に基づいて運転者の運転傾向を報知してもよい。
以上のことから、第3実施形態によると、運転支援ECU2によって、フロントカメラ33が撮影した画像データから車1の走行車線L0が抽出され、抽出された走行車線L0上の基準(先行車両1’)に対して車1の走行位置の関係(前後方向の偏り度合い)を示す指標(距離DF)が算出される。この指標が所定期間内に複数作成され、複数の指標の統計情報が作成される。そして、この統計情報に基づいて、車1の走行車線と同一車線を走行する先行車両1’に対する車1の接近度合いの傾向が運転者の運転傾向として報知される。これにより、運転者は、自身の運転傾向(癖)を知ることができる。したがって、運転者は、自身の運転傾向に基づき、癖を正すような運転を意識することができる。以上のことから、運転支援ECU2は、運転者の運転技量の向上を支援することができる。
上記第3実施形態において、前方画像上における距離DFを、先行車両1’に対する車1の前後方向の偏り度合いを示す指標としたが、これに限定されない。例えば、前方画像上における距離DFから、先行車両1’と車1との実際の車間距離を算出して、当該車間距離を指標としてもよい。なお、前方画像上における距離DFから車間距離を算出する代わりに、あるいは併用して、前方の障害物の有無を検出するために超音波センサやレーザーレーダー、ミリ波レーダー、マイクロ波レーダーなどの検出値により車間距離を算出してもよい。
上記第3実施形態において、複数のフロントカメラ33を備えている場合には、運転支援ECU2は、各フロントカメラ33が撮影した画像データから前方画像を作成し、複数の前方画像から立体的な空間把握することで、車1と先行車両1’との車間距離を算出してもよい。
本発明に係る運転支援装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る運転支援装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。