JP7058350B2 - 内燃機関用補機歯車 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維等の補強材を含まない樹脂製の内燃機関用補機歯車に関する。
樹脂製歯車の寸法変化の低減と強度アップの手法として従来は、例えば下記特許文献1、2に示されるように、金属インサートや樹脂複合(二層)構造があり、また繊維等の補強材を含めるものがあるが、コストや耐久性等の課題があり、樹脂製の内燃機関用補機歯車において生産性を高めつつコスト低減が可能で従来同等の耐久性が得られる軽量で安価な構造が求められていた。
特開2007-132483号公報(図1~図3) 特許第6254853号公報(図1、図2)
本発明は、上記従来技術に鑑みなされたものであり、クランクケース内部の潤滑オイルと、潤滑オイルに含まれるブローバイ成分や、クランクケース内の結露に伴う湿気の影響に対して、噛合する金属材料からなる動力伝達歯車との間に所望のバックラッシュが得られ、歯車コストの低減、耐久性の向上、噛合い音の低減が図れる樹脂製の内燃機関用補機歯車を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明によれば、
内燃機関に備わる補機に対してクランク軸の駆動力を伝達する動力伝達歯車に噛合する内燃機関用補機歯車において、
前記動力伝達歯車は、鉄系の金属材料からなり、前記クランク軸に一体に回転するように設けられ、
前記内燃機関用補機歯車は、繊維等の補強材を含まない耐熱樹脂の樹脂製歯車であって、耐熱樹脂の単一組成としたインジェクション成型による樹脂製歯車であり、前記クランク軸を支持したクランクケース内に回転自在に支持された回転軸に設けられ、
初期の使用前の絶乾状態における前記内燃機関用補機歯車の歯形形状は、同内燃機関用補機歯車が水分を吸収した最大膨潤状態における、前記動力伝達歯車とのバックラッシュが所定の最小状態より大きくなるように設定されたものであることを特徴とする内燃機関用補機歯車が提供される。
本発明の内燃機関用補機歯車によれば、
内燃機関用補機歯車が、繊維等の補強材を含まない耐熱樹脂の樹脂製歯車であって、耐熱樹脂の単一組成としたインジェクション成型による樹脂製歯車なので、歯車の材質が均一となり歯車形状の精度が高く膨潤による変形も均一化するとともに、金属材料からなる動力伝達歯車と樹脂製歯車である内燃機関用補機歯車との組合せにより、膨潤による寸法変化を一方の内燃機関用補機歯車のみとすることができ、バックラッシュへの影響を限定的なものとして、内燃機関用補機歯車の初期の使用前の仕様設定を容易化できる。また、クランクケース内部の潤滑オイルに含まれるブローバイ成分の水分系が吸収され内燃機関用補機歯車が膨潤した後でも、動力伝達歯車との間に所望のバックラッシュが得られ、クランクケース内で使用される内燃機関用補機歯車の耐久性を向上させることができる。また、内燃機関用補機歯車の歯車コストの低減、噛合い音の低減が図れる。
本発明の好適な実施形態によれば、
前記内燃機関用補機駆動歯車の前記動力伝達歯車に対する初期の使用前の絶乾状態の歯車軸間方向におけるバックラッシュ量は、前記内燃機関用補機駆動歯車と前記動力伝達歯車との歯車軸間距離Dに対しマイナス3%相当である。
そのため、内燃機関用補機駆動歯車が膨潤した後でも、動力伝達歯車との間に所望のバックラッシュが得られる。
本発明の好適な実施形態によれば、
前記内燃機関用補機歯車は、前記クランクケース内のオイル溜り部に貯留された潤滑オイルによって潤滑され、前記内燃機関の停止状態での潤滑オイルのオイル溜り部の貯留レベルにおいて、前記内燃機関用補機歯車は、下半部の少なくとも一部が潤滑オイルに浸漬され、その上部が潤滑オイル上に露出する位置に配置される。
そのため、内燃機関用補機歯車は、下半部の一部がオイル溜り部の潤滑オイルに浸漬されることで、潤滑オイル中に混入している水分によって最大膨潤状態に保持されて所望のバックラッシュが得られ、歯車のフリクション低減が維持され、耐久性を向上できる。
本発明の好適な実施形態によれば、
水分を吸収した最大膨潤状態における前記バックラッシュは、オイルと水との混合割合Rが9:1の割合で混合した潤滑オイルによって前記内燃機関用補機歯車を膨潤させた状態のバックラッシュである。
そのため、樹脂製歯車である内燃機関用補機歯車の潤滑オイル中の水分の吸収は、オイルと水との混合割合Rが9:1の割合で混合した潤滑オイルによる場合が略最大であるので、その場合の最大膨潤状態におけるバックラッシュが所定の最小状態より大きければ、歯車のフリクション低減が確実に図られる。
本発明の好適な実施形態によれば、
前記内燃機関用補機歯車の樹脂材料は、弾性率4500MPa以下、500MPa以上の軟質樹脂である。
すなわち、樹脂製歯車である内燃機関用補機歯車が膨潤した後でも、動力伝達歯車との間に所望のバックラッシュが得られているので、比較的軟質な弾性率4500MPa以下、500MPa以上の軟質樹脂を使用すると、内燃機関用補機歯車の耐久性を向上させることができるとともに、噛合い音の低減を図ることができ、且つ内燃機関用補機歯車の強度、性能に問題を生じない。
本発明の好適な実施形態によれば、
前記内燃機関用補機歯車は、歯形形状における初期の使用前の絶乾状態の圧力角誤差Cが歯先太となる-70μより大きく、最大膨潤状態の圧力角誤差Cが-200μ以上の範囲となる低弾性率の軟質樹脂材料を用いた。
そのため、歯車は、圧力角誤差Cが小さくなるほど歯先形状が太く強度が得られる一方バックラッシュが小さくなり、発音上不利となるが、初期の使用前の絶乾状態の圧力角誤差Cが-70μより大きく、最大膨潤状態の圧力角誤差Cが-200μ以上となる低弾性率の軟質樹脂材料を用いた内燃機関用補機歯車においては、強度を得たうえで、発音が抑制され、低騒音の内燃機関用補機歯車が得られる。
本発明の内燃機関用補機歯車によれば、
内燃機関用補機歯車が、繊維等の補強材を含まない耐熱樹脂の樹脂製歯車であって、耐熱樹脂の単一組成としたインジェクション成型による樹脂製歯車なので、歯車の材質が均一となり歯車形状の精度が高く膨潤による変形も均一化するとともに、金属材料からなる動力伝達歯車と樹脂製歯車である内燃機関用補機歯車との組合せにより、膨潤による寸法変化を一方の内燃機関用補機歯車のみとすることができ、バックラッシュへの影響を限定的なものとして、内燃機関用補機歯車の初期の使用前の仕様設定を容易化できる。また、クランクケース内部の潤滑オイルに含まれるブローバイ成分の水分系が吸収され内燃機関用補機歯車が膨潤した後でも、動力伝達歯車との間に所望のバックラッシュが得られ、クランクケース内で使用される内燃機関用補機歯車の耐久性を向上させることができる。また、内燃機関用補機歯車の歯車コストの低減、噛合い音の低減が図れる。
本発明の一実施形態に係る内燃機関用補機歯車を備えた内燃機関を搭載した自動二輪車の左側面概要図である。 図1中のパワーユニットの、一部断面とする右側面図である。 図2中III-III矢視による、パワーユニットの要部断面展開図であり、内燃機関の部分を主に示す。 図2中IV-IV矢視による、パワーユニットのクランク軸のクランク軸心を含む立面断面図である。 図4中の、オイルポンプ周辺の拡大立面断面図である。 図2に示すパワーユニットの一部断面とする右側面図のうち、内燃機関部分の拡大図であり、図4中VI-VI矢視に相当する。 潤滑オイルの含水割合Rと、同潤滑オイルに浸漬した、繊維等の補強材を含まない樹脂のみで形成された樹脂製歯車(例:材質PA66)の最大吸水重量変化率Wxとの関係を示すグラフである。 繊維等の補強材を含まない樹脂のみで形成された樹脂製歯車(例:材質PA66)における、吸水重量変化率Wと歯車の寸法変化率Gとの関係を示すグラフである。 歯形理論における圧力角誤差Cの説明図である。 繊維等の補強材を含まない樹脂のみで形成された樹脂製歯車(例:材質PA66)の吸水重量変化率Wに対する圧力角誤差Cの変化の関係を示すグラフである。
図1から図10に基づき、本発明の一実施形態に係る内燃機関用補機歯車につき説明する。
なお、本明細書の説明および特許請求の範囲における前後左右上下等の向きは、本実施形態に係る内燃機関用補機歯車を備えた内燃機関を、車両に搭載した状態での車両の向きに従うものとする。本実施形態において車両は鞍乗型車両であり、具体的にはスクータ型自動二輪車(以下、単に「自動二輪車」という)である。
また、図中矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方を、それぞれ示す。
図1から図10は、本発明の一実施形態に係るものであり、図1に、本実施形態の内燃機関用補機歯車82を備えた内燃機関4を搭載した自動二輪車1の左側面概要を示す。
本実施形態の自動二輪車1においては、車体前部1Aと車体後部1Bとが、低いフロア部1Cを介して連結されており、車体の骨格をなす車体フレーム2は、概ねダウンチューブ21とメインパイプ22とからなる。
すなわち車体前部1Aのヘッドパイプ20からダウンチューブ21が下方へ延出し、ダウンチューブ21は下端で水平に屈曲してフロア部1Cの下方を後方へ延び、その後端において車幅方向に配向した連結フレーム23を介して左右一対のメインパイプ22が連結され、メインパイプ22は同連結部から後方斜め上に延びた傾斜部22aを形成し、傾斜部22aの上部がさらに屈曲して後方に略水平に延びた水平部22bを形成している。
一対のメインパイプ22の間には前後に収納ボックス11と燃料タンク12が支持され、収納ボックス11と燃料タンク12の上方は乗員シート13が覆って配置されている。
一方車体前部1Aにおいては、ヘッドパイプ20に軸支されて上方にハンドル14が設けられ、下方にフロントフォーク15が延びてその下端に前輪16が軸支されている。
メインパイプ22の前端部に支持ブラケット24が後方に向けて突設され、支持ブラケット24にリンク部材25を介してパワーユニット3が上下揺動可能に連結支持される。
車体前部1Aでは、ヘッドパイプ20およびダウンチューブ21の上下指向部がフロントカバー1aとレッグシールド1bにより前後から覆われ、フロア部1Cは、ダウンチューブ21の前後指向部がフロアカバー1cにより覆われ、車体後部1Bは、メインパイプ22がボデイカバー1dにより左右および後方が覆われる。
図2は、図1中のパワーユニット3を取出して示し、一部断面とする右側面図である。
図2に示すように、パワーユニット3は、その前部が単気筒4ストロークサイクルの水冷式SOHC型の内燃機関4であり、シリンダのシリンダ軸線Yを略水平に近い状態にまで大きく前傾した姿勢にあって、パワーユニット3のユニットケース30の下端から前方に突出したハンガーアーム39の端部が前記リンク部材25にピボット軸26を介して上下揺動自在に連結された、いわゆるスイング式パワーユニットである。
パワーユニット3は、内燃機関4から後方にかけてベルト式無段変速機5が構成され、その後部に設けられた減速ギヤ機構51の出力軸である後車軸51aに後輪17が設けられている。
減速ギヤ機構51のあるパワーユニット3の後部と、メインパイプ22後部の水平部22bとの間にリヤクッション18が介装されている。
内燃機関4は、ユニットケース30にクランク軸心Xを車幅方向、すなわち左右方向に指向させて、クランク軸31を回転自在に支持し、ユニットケース30から前方に、シリンダブロック41、シリンダヘッド42、ヘッドカバー43が順次重ねられてシリンダ軸線Yを大きく略水平に近く前傾して締結されている。
なお、図2においては、ユニットケース30においてベルト式無段変速機5を収容する伝動ケース52となる左ユニットケース30Lが示されるが、ベルト式無段変速機5自体は左ユニットケース30L内部に収納され図示されていない(図3参照)。
パワーユニット3の上部では、内燃機関4の大きく前傾したシリンダヘッド42の上部の吸気ポート65入口から吸気管61が延出して後方に湾曲し、吸気管61に接続されたスロットルボディ62がシリンダブロック41の上方に位置し、スロットルボディ62に図示しないコネクティングチューブを介して連結されるエアクリーナ63(図1参照)がベルト式無段変速機5の上方に配設されている。吸気管61には吸気ポート65に向けて燃料を噴射するインジェクタ64が装着されている。
また、シリンダヘッド42の下部の排気ポート66出口から下方に延出した図示されない排気管が、後方へ屈曲し右側に偏って後方に延びて後輪17の右側の図示されないマフラに接続される。
図3は、図2中III-III矢視による、パワーユニット3の要部断面展開図であり、内燃機関4の部分を主に示す。
内燃機関4は、シリンダブロック41のシリンダライナ41a内を往復動するピストン44とクランク軸31のクランクピン32とをコネクティングロッド(以下、単に「コンロッド」という)45が連結している。
シリンダヘッド42には、ピストン44の頂面と相対して燃焼室40が形成されている。
ユニットケース30は、アルミ合金製の左右割りの左ユニットケース30Lと右ユニットケース30Rとを締結合体して構成されるもので、右ユニットケース30Rは、クランクケース部35(本発明における「クランクケース」)の右半体をなし、左ユニットケース30Lは、前部がクランクケース部35の左半体をなすとともに、後方に延出して前後に長尺のベルト式無段変速機5を収容する伝動ケース52を兼ねる。
伝動ケース52(左ユニットケース30L)の前後長尺の左側開放面は、伝動ケースカバー52aにより覆われ、内部にベルト式無段変速機5が収納される変速室50が形成される。後部の右側開放面は減速ギヤカバー58(図2参照)により覆われ、内部に減速ギヤ機構51が収納される。
図3に示されるように、左ユニットケース30Lの前部と右ユニットケース30Rとの合体によるクランクケース部35内には、クランク軸31が左、右ユニットケース30L、30Rに形成されたクランクケース部35の左、右の側壁35aに左、右主軸受36L、36Rで回転自在に支持される。
車幅方向(左右方向)に指向して配置されたクランク軸31の、左右水平方向に延びた外側軸部のうち、右外側軸部31Rにはカムチェーン駆動スプロケット46と金属製のオイルポンプ駆動ギヤ(本発明における「動力伝達歯車」)47が嵌着されるとともに、右端にAC発電機48が設けられ、左外側軸部71Lにはベルト式無段変速機5の遠心ウエイト53と駆動プーリ54が設けられる。
本実施形態の内燃機関4は、SOHC型式の2バルブシステムを採用しており、シリンダヘッド42内にカムシャフト91等からなる動弁機構9が設けられている。
なお、動弁機構9を覆うように、シリンダヘッド42にはヘッドカバー43が重ねられて被せられる。
ヘッドカバー43内の動弁機構9に動力伝達を行うカムチェーン92がカムシャフト91とクランク軸71との間に架設されており、そのためのカムチェーン室49が、右ユニットケース30R、シリンダブロック41、シリンダヘッド42に連通して設けられている(図2参照)。
すなわち左右水平方向に指向したカムシャフト91の右端に嵌着されたカムチェーン被動スプロケット93と、クランク軸31に嵌着されたカムチェーン駆動スプロケット46との間にカムチェーン92が、カムチェーン室49内を通って架渡され、クランク軸31の1/2の回転速度でカムシャフト91が同期して回転駆動される。
一方、シリンダヘッド42においてカムチェーン室49と反対側(左側)から燃焼室40に向かって点火プラグ40aが嵌挿されている。
パワーユニット3の左側のベルト式無段変速機5は、駆動プーリ54と図示しない被動プーリとにVベルト55が掛け渡されてクランク軸31からの動力が伝達されるもので、機関回転数に応じて遠心ウエイト53により駆動プーリ54におけるVベルト55の巻掛け径が変化し、これに伴い同時に被動プーリにおける巻掛け径が変化することにより変速比が自動的に変更されて無段変速されるものであって、さらに、減速ギヤ機構51によって減速されて後車軸51aに回転動力が伝達され、後輪17が駆動される(図2参照)。
本実施形態におけるベルト式無段変速機5と減速ギヤ機構51からなる変速伝動機構自体は、従来広く公知のものであり、以下、変速伝動機構の詳細な説明は省略する。
図4は、図2中IV-IV矢視による、パワーユニット3のクランク軸31のクランク軸心Xを含む立面断面図である。図4に示されるように、クランク軸31の下方には、オイルポンプ駆動ギヤ47と噛合し駆動されるオイルポンプ被動ギヤ(本発明における「内燃機関用補機歯車」)82により回転するオイルポンプ8が設けられている(図2参照)。
ユニットケース30の底部にはオイル溜め83が設けられており、オイル溜め83からオイルフィルタ84を通った潤滑オイルは、オイル吸入路85を経由して、オイルポンプ8の吸入ポート86に吸入され、吐出ポート87から吐出した潤滑オイルは図示しない給油路を通り、所定の潤滑個所、冷却個所に供給される。
図6は、図2に示すパワーユニット3の一部断面とする右側面図のうち、内燃機関4部分の拡大図である。
ヘッドカバー43の内側でシリンダヘッド42に設けられた動弁機構9等を潤滑、冷却した潤滑オイルは、カムチェーン室49をクランクケース部35に向けて流下する。
カムチェーン室49は、クランクケース部35の右側の側壁35aの右側においては(図3参照)、上側はクランク軸31とカムチェーン駆動スプロケット46を囲み、下側はオイルポンプ被動ギヤ82を囲むように連続して立設された周壁37で囲まれて画成されている。周壁37は前側が、リンダブロック41側に開いて、リンダブロック41側と連続したカムチェーン室35を形成している(図2、図6参照)。
周壁37で囲まれたクランクケース部35のカムチェーン室49は、図3(図4)図示右方側(図6図示手前側)から、オイルシール38aを介してクランク軸31を挿通させて取付けられるアルミ合金製の隔壁38によって塞がれている。
したがって、シリンダヘッド42、シリンダブロック41のカムチェーン室49をクランクケース部35に向けて流下した潤滑オイルは、クランクケース部35においてカムチェーン室49の下側の周壁37で形成された下向き凹状のオイル溜り部70に流れ込み貯留され、オイルポンプ被動ギヤ82の下部の一部が浸漬される。
貯留された潤滑オイルは側壁35aの開口35b(図6参照)から溢流し、クランクケース部35の下部に形成されたオイル溜め83へ還流する。
クランクケース部35内のオイル溜め83に貯留された潤滑オイルの貯留レベルは内燃機関4の運転状態で相対的に低く、停止状態で相対的に高くなるが、カムチェーン室49のオイル溜り部70は、運転状態においても停止状態においても一定の潤滑オイルで満たされた貯留レベルL(図6参照)が得られる。したがって、オイルポンプ被動ギヤ82の下半部の一部は常に潤滑オイルに浸漬され、浸漬部位は運転状態、停止状態とも随時変わるので、オイルポンプ被動ギヤ82は、満遍なく潤滑オイル浸漬状態が維持されることになる。
オイルポンプ被動ギヤ82はオイルポンプ駆動ギヤ47と噛合するが、オイルポンプ駆動ギヤ47は鉄系の金属材料からなり、クランク軸31に一体に回転するように設けられている。
オイルポンプ被動ギヤ82は、繊維等の補強材を含まない耐熱樹脂の単一組成としたインジェクション成型による樹脂製歯車であって、クランク軸31を支持したクランクケース部35内に回転自在に支持された回転軸88に設けられている。
図4中のオイルポンプ8周辺の拡大立面断面図である図5に示されるように、回転軸88の一端側に軸芯と垂直に設けられたギヤ止めピン88aが、回転軸88に嵌挿されたオイルポンプ被動ギヤ82に係合し、回転軸88はオイルポンプ被動ギヤ82によって一体に回転する。
回転軸88の他端側には軸芯と垂直に設けられたロータ止めピン88bが、回転軸88に嵌挿されたオイルポンプ8のインナロータ8aに係合し、インナロータ8aは回転軸88によって一体に回転する。
オイルポンプ8は、クランクケース部35の側壁35aに形成されインナロータ8aを収納するポンプケーシング8bと、ポンプケーシング8bを塞ぐポンプ蓋8cとを備えて構成される。
ポンプ蓋8cは、隔壁35aと対峙して、カムチェーン室49の下側の周壁37上方にオイル溜り部70を形成する。
回転軸88は、ポンプ蓋8cと隔壁38とによってクランクケース部35内に回転自在に支持される。オイルポンプ被動ギヤ82は、ポンプ蓋8cと隔壁38との間に位置し、上記のようにその下半部の一部がオイル溜り部70に浸漬される。
従来、樹脂のみで形成された樹脂製歯車は安価に製造できるため、事務機器のプリンタ等比較的軽度の負荷が懸かるものに用いられたが、内燃機関の補機駆動用の歯車等、比較的負荷が高く強度を要する用途の樹脂製歯車は、その強度を増すために、金属製のインサートを用いたり、樹脂複合構造をとったり、繊維等の補強材を含むものとしていたが、コスト上の課題を生じていた。
また、樹脂製歯車は、潤滑オイル中のオイルも含め水分を吸収し膨潤する性質があり、それを抑制するためにも繊維等の補強材を含むものが用いられたが、繊維を含むため材質、組成が不均一となる問題が生じた。
しかしながら、本発明に係る樹脂製歯車であるオイルポンプ被動ギヤ82は、上記のように繊維等の補強材を含まない耐熱樹脂の単一組成としたインジェクション成型による樹脂製歯車である。
本発明者らは、繊維等の補強材を含まない樹脂のみで形成された樹脂製歯車(例:材質PA66)が、湿気を含む気体中と水分を含んだ潤滑オイル中において膨潤する場合、湿気および水分のみや潤滑オイルのみに対して、比較的速やかに、例えば10時間程度で最大膨潤状態Sxに達し、それ以上膨潤しないことを見出した。
潤滑オイルの含水割合Rと、同含水割合Rの潤滑オイルに浸漬した、繊維等の補強材を含まない樹脂のみで形成された樹脂製歯車(例:材質PA66)の最大膨潤状態Sxの膨潤量、すなわち最大吸水重量変化率Wxとの関係のグラフを、図7に示す。
図7に示されるように、繊維等の補強材を含まない樹脂のみで形成された樹脂製歯車(例:材質PA66)の最大吸水重量変化率Wxは、潤滑オイルの含水割合R=10%の場合が最も高く、その場合の最大吸水重量変化率Wx=10%であることを見出した。
また、本発明者らが見出した、繊維等の補強材を含まない樹脂のみで形成された樹脂製歯車(例:材質PA66)における、吸水重量変化率Wと歯車の寸法変化率Gとの関係を図8に示す。
図8中、歯車の寸法変化率Gは、またぎ歯厚に関しては黒丸点でプロットされ、実線で結んで示されている。また、歯車外径に関しては白抜き四角点でプロットされ、破線で結んで示されている。
それによると、またぎ歯厚、歯車外径ともに、最も高い最大膨潤状態Sxを生じる潤滑オイルの含水割合R=10%での最大吸水重量変化率Wx=10%において、歯車の寸法変化率Gは2.7パーセント増加であった。
したがって、初期の使用前の絶乾状態(吸水重量変化率W=0%の時)における繊維等の補強材を含まない樹脂のみで形成された樹脂製歯車であるオイルポンプ被動ギヤ82の歯形形状は、オイルポンプ被動ギヤ82が水分を吸収した最大膨潤状態Sxにおけるオイルポンプ駆動ギヤ47とのバックラッシュが、所定の最小状態より大きくなるように設定されたものである。
すなわち、オイルポンプ被動ギヤ82の歯形形状が初期の使用前の絶乾状態に対し、最大吸水重量変化率Wx=10%において歯車の寸法変化率G=2.7%増加となった時に、オイルポンプ駆動ギヤ47とのバックラッシュが、所定の最小状態より大きくなるように設定されている。
それに基づき、オイルポンプ被動ギヤ82のオイルポンプ駆動ギヤ47に対する初期の使用前の絶乾状態の歯車軸間方向におけるバックラッシュ量は、2.7%以上を目安とし、オイルポンプ被動ギヤ82とオイルポンプ駆動ギヤ47との歯車軸間距離Dに対しマイナス3%相当としている。
そのため、オイルポンプ被動ギヤ82が膨潤した後でも、オイルポンプ駆動ギヤ47との間に所望の一様のバックラッシュが得られている。
なお、繊維強化樹脂製歯車では、含まれる繊維にバラツキが生じて膨潤が一様でないため、一様にクリアランスを設定するのは困難である。
本実施形態のオイルポンプ被動ギヤ82は、繊維等の補強材を含まない耐熱樹脂の単一組成としたインジェクション成型による樹脂製歯車なので、歯車の材質が均一となり歯車形状の精度が高く膨潤による変形も均一化し、且つ、樹脂製歯車であるため噛合い音の低減も図れる。
また、金属材料からなるオイルポンプ駆動ギヤ47と樹脂製歯車であるオイルポンプ被動ギヤ82との組合せにより、膨潤による寸法変化を一方のオイルポンプ被動ギヤ82のみとすることができ、バックラッシュへの影響を限定的なものとして、オイルポンプ被動ギヤ82の初期の使用前の仕様設定を容易化できる。
また、クランクケース部35内部の潤滑オイルに含まれるブローバイ成分の水分系が吸収されオイルポンプ被動ギヤ82が膨潤した後でも、オイルポンプ駆動ギヤ47との間に所望のバックラッシュが得られ、クランクケース部35内で使用されるオイルポンプ被動ギヤ82の耐久性を向上させることができる。
その結果、本実施形態のオイルポンプ被動ギヤ82は、歯車コストの低減、耐久性の向上、噛合い音の低減が図れる。
図9に示すように、歯形理論において一般に、圧力角誤差C(ミクロン)は、歯形評価線Bの圧力角評価範囲D内での歯先側位置のずれをいい、圧力角誤差Cは歯先下がりをプラス、歯先上がりをマイナスとする。
樹脂製歯車は、歯車が水を含んで膨潤すると歯先が太ってきて、圧力角誤差Cがマイナス側に変化する。
反対に、歯車が乾くと歯先が細ってきて、圧力角誤差Cがプラス側に変化する。
ここで噛合い音の観点で見ると、歯車は一般に、刃先が太って、圧力角誤差Cが小さくなる(マイナス値が大きくなる)ほど、発音の点で不利になる。
本実施形態の繊維等の補強材を含まない樹脂のみで形成された樹脂製歯車(例:材質PA66)では、金属製の歯車と噛合する場合、低圧力角誤差Cでも発音しにくく、噛合い音の観点では圧力角誤差Cが最低-200ミクロンまでが許容範囲であった。
したがって、最大膨潤状態Sxにおける繊維等の補強材を含まない樹脂製歯車の圧力角誤差Cを-200ミクロン以上に(マイナス値を小さく)すべきことが判明した。
図10は、本実施形態の繊維等の補強材を含まない樹脂のみで形成された樹脂製歯車(例:材質PA66)の吸水重量変化率Wに対する圧力角誤差Cの変化の関係を示すグラフである。
図示のように、初期の使用前の絶乾状態(吸水重量変化率W=0%)における繊維等の補強材を含まない樹脂製歯車の圧力角誤Cが、+37ミクロンだった場合、最大膨潤状態Sxの最大吸水重量変化率Wx=10%で圧力角誤差Cは、-89ミクロンであった。その間の圧力角誤差Cの変化量は、126ミクロンである。
したがって、本実施形態の繊維等の補強材を含まない樹脂のみで形成された樹脂製歯車(例:材質PA66)の最大膨潤状態Sxの最大吸水重量変化率Wx=10%での圧力角誤差Cが、-200ミクロン以上となる(マイナス値が小さくなる)ようにするには、初期の使用前の絶乾状態(吸水重量変化率0%)における繊維等の補強材を含まない樹脂製歯車の圧力角誤差Cを、(-200+126=)-74ミクロン以上に設定する必要がある。
そのため、本実施形態のオイルポンプ被動ギヤ82は、初期の使用前の絶乾状態における圧力角誤差Cが、設計値として-70ミクロン以上に設定されている。
そのため、金属製のオイルポンプ駆動ギヤ47との噛合において、噛合い音が抑制されている。
図6に示されるように、本実施形態では、オイルポンプ被動ギヤ82は、前記のようにオイルポンプ被動ギヤ82を囲むように形成されたオイル溜り部70にその下半部の一部が浸漬されており、オイルポンプ被動ギヤ82は、下半部の一部が潤滑オイルに浸漬されることで、潤滑オイル中に混入している水分によって最大膨潤状態Sxに保持されて所望のバックラッシュが得られ、バックラッシュが所定の最小状態よりマイナスとならないので、オイルポンプ被動ギヤ82のフリクション低減が維持され、耐久性を向上できる。
本実施形態では、本発明の内燃機関用補機歯車として、運転状態においても停止状態においても一定の潤滑オイルで満たされるオイル溜り部70に下半部の一部が浸漬されたオイルポンプ被動ギヤ82が示されているが、本発明の内燃機関用補機歯車は、金属製の補機駆動歯車と噛合する他の内燃機関用補機歯車であって、繊維等の補強材を含まない樹脂のみで形成された樹脂製歯車であれば、他の内燃機用補機、例えば冷却水ポンプの被動歯車であってもよい。
また、内燃機関4の停止状態での潤滑オイルの貯留レベルに於いて、内燃機関用補機歯車の下半部の一部が浸漬されるオイル溜り部70は、本実施形態と異なる位置、構造のものであってもよい。
また、内燃機関4の停止状態での潤滑オイルの貯留レベルに於いて、オイルポンプ被動ギヤ82等の内燃機関用補機歯車の下半部の少なくとも一部が浸漬されるオイル溜り部70は、内燃機関用補機の位置に応じて、クランクケース部35に設けられたオイル溜め83であってもよく、また、内燃機関の構造によってはクランクケース部に連通して取付けられたオイルパンであってもよい。
すなわち、本発明の内燃機関用補機歯車は、クランクケース部35内のオイル溜り部70に貯留された潤滑オイルによって潤滑され、内燃機関4の停止状態でのオイル溜り部70の潤滑オイルの貯留レベルにおいて、内燃機関用補機歯車は、下半部の少なくとも一部が潤滑オイルに浸漬され、その上部が潤滑オイル上に露出する位置に配置されている。
そのため、内燃機関用補機歯車は、下半部の一部が潤滑オイルに浸漬されることで、潤滑オイル中に混入している水分によって最大膨潤状態Sxに保持されて所望のバックラッシュが得られ、バックラッシュが所定の最小状態よりマイナスとならないので、歯車のフリクション低減が維持され、耐久性を向上できる。
また、本実施形態において、水分を吸収した最大膨潤状態Sxにおけるバックラッシュは、オイルと水との混合割合が9:1の割合で混合した潤滑オイルによってオイルポンプ被動ギヤ82を膨潤させた状態のバックラッシュである。
すなわち、繊維等の補強材を含まない樹脂製歯車であるオイルポンプ被動ギヤ82の潤滑オイル中の水分の吸収は、オイルと水との混合割合が9:1の割合で混合した潤滑オイルによる場合が略最大であるため、その場合の最大膨潤状態Sxにおけるバックラッシュが所定の最小状態より大きければ、オイルポンプ被動ギヤ82のフリクション低減が確実に図られる。
また、内燃機関用補機歯車であるオイルポンプ被動ギヤ82の樹脂材料は、弾性率4500MPa以下、500MPa以上の軟質樹脂(例:材質PA66)であり、繊維等の補強材を含まない樹脂製歯車であるオイルポンプ被動ギヤ82が膨潤した後でも、金属製の動力伝達歯車であるオイルポンプ駆動ギヤ47との間に所望のバックラッシュが得られている。
また、繊維等の補強材を含まない樹脂製歯車であるオイルポンプ被動ギヤ82の樹脂材料(例:材質PA66)を、膨潤させたのち100℃程度の高温にした場合、弾性率は500Mp以下(例えば、485Mp)に落ちるが、その低下した弾性率でもオイルポンプ被動ギヤ82の強度、性能に問題はなく、弾性率は500Mp以上あれば十分である。
したがって、比較的軟質な弾性率4500MPa以下、500MPa以上の軟質樹脂を使用すると、オイルポンプ被動ギヤ82の耐久性を向上させることができるとともに、噛合い音の低減を図ることができ、且つオイルポンプ被動ギヤ82の強度、性能に問題を生じない。
また、本実施形態のオイルポンプ被動ギヤ82は、歯形形状における初期の使用前の絶乾状態の圧力角誤差Cが歯先太となる-70μより大きく、最大膨潤状態Sxの圧力角誤差Cが-200μ以上の範囲となる低弾性率の軟質樹脂材料を用いている。
歯車は圧力角誤差Cが小さくなるほど歯先形状が太く強度が得られる一方バックラッシュが小さくなり、発音上不利となるが、初期の使用前の絶乾状態の圧力角誤差Cが-70μより大きく、最大膨潤状態の圧力角誤差Cが-200μ以上となる低弾性率の軟質樹脂材料を用いた内オイルポンプ被動ギヤ82においては、強度を得たうえで、発音が抑制され、低騒音のオイルポンプ被動ギヤ82となっている。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲でその他種々の変更が可能である。例えば、本発明の内燃機関はスイング式パワーユニットに備えられたものにかぎらず、空冷か水冷かに限定されず、また、鞍乗型車両は自動二輪車に限定されず他種のものにも幅広く適用されるものであってもよく、内燃機関用補機歯車はオイルポンプ被動ギヤに限らず他の内燃機関用補機、例えば冷却水ポンプ等の被動ギヤであってもよい。
なお、説明の便宜上、装置の左右配置は図示の実施形態に沿って説明したが、それに限定されず、左右配置が逆であってもよい。
1…自動二輪車、2…車体フレーム、3…パワーユニット、4……内燃機関、5…ベルト式無段変速機、8…オイルポンプ、9…動弁機構、22…メインパイプ、22a…傾斜部、24…支持ブラケット、25…リンク部材、26…ピボット軸、30…ユニットケース、30L…左ユニットケース、30R…右ユニットケース、31…クランク軸、35…クランクケース部(本発明における「クランクケース」)、35a…側壁、37…周壁、38…隔壁、41…シリンダブロック、42…シリンダヘッド、43…ヘッドカバー、44…ピストン、46…カムチェーン駆動スプロケット、47…オイルポンプ駆動ギヤ(本発明における「動力伝達歯車」)、49…カムチェーン室、70…オイル溜り部、82…オイルポンプ被動ギヤ(本発明における「内燃機関用補機歯車」)、83…オイル溜め、84…オイルフィルタ、85…オイル吸入路、86…吸入ポート、87…吐出ポート、88…回転軸、88a…ギヤ止めピン、88b…ロータ止めピン、91…カムシャフト、92…カムチェーン、93…カムチェーン被動スプロケット、Y…シリンダ軸線、X…クランク軸心、R…潤滑オイルの含水割合、Sx…最大膨潤状態、W…吸水重量変化率、Wx…最大吸水重量変化率、G…歯車の寸法変化率、C…圧力角誤差、D…歯車軸間距離

Claims (11)

  1. 内燃機関(4)に備わる補機(8)に対してクランク軸(31)の駆動力を伝達する動力伝達歯車(47)に噛合する内燃機関用補機歯車(82)において、
    前記動力伝達歯車(47)は、鉄系の金属材料からなり、前記クランク軸(31)に一体に回転するように設けられ、
    前記内燃機関用補機歯車(82)は、繊維等の補強材を含まない耐熱樹脂の樹脂製歯車であって、耐熱樹脂の単一組成としたインジェクション成型による樹脂製歯車であり、前記クランク軸(31)を支持したクランクケース(35)内に回転自在に支持された回転軸(88)に設けられ、
    初期の使用前の絶乾状態における前記内燃機関用補機歯車(82)の歯形形状は、同内燃機関用補機歯車(82)が水分を吸収した最大膨潤状態における、前記動力伝達歯車(47)とのバックラッシュが所定の最小状態より大きくなるように設定されたものであることを特徴とする内燃機関用補機歯車。
  2. 前記内燃機関用補機駆動歯車(82)の前記動力伝達歯車(47)に対する初期の使用前の絶乾状態の歯車軸間方向におけるバックラッシュ量は、前記内燃機関用補機駆動歯車(82)と前記動力伝達歯車(47)との歯車軸間距離(D)に対しマイナス3%相当であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用補機歯車。
  3. 前記内燃機関用補機歯車(82)は、前記クランクケース(35)内のオイル溜り部(70)に貯留された潤滑オイルによって潤滑され、前記内燃機関(4)の停止状態でのオイル溜り部(70)の潤滑オイルの貯留レベルにおいて、前記内燃機関用補機歯車(82)は、下半部の少なくとも一部が潤滑オイルに浸漬され、その上部が潤滑オイル上に露出する位置に配置されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関用補機歯車。
  4. 水分を吸収した最大膨潤状態における前記バックラッシュは、オイルと水との混合割合(R)が9:1の割合で混合した潤滑オイルによって前記内燃機関用補機歯車(82)を膨潤させた状態のバックラッシュであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関用補機歯車。
  5. 前記内燃機関用補機歯車(82)の樹脂材料は、弾性率4500MPa以下、500MPa以上の軟質樹脂であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関用補機歯車。
  6. 前記内燃機関用補機歯車(82)は、歯形形状における初期の使用前の絶乾状態の圧力角誤差(C)が歯先太となる-70μより大きく、最大膨潤状態の圧力角誤差(C)が-200μ以上の範囲となる低弾性率の軟質樹脂材料を用いたことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関用補機歯車。
  7. 前記内燃機関用補機歯車(82)は、他の樹脂製歯車と噛合していないことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の内燃機関用補機歯車。
  8. 前記内燃機関(4)は、SOHC形式であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の内燃機関用補機歯車。
  9. 前記内燃機関用補機歯車(82)は、材質がPA66である樹脂製歯車であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の内燃機関用補機歯車。
  10. 前記動力伝達歯車(47)は、前記クランク軸(31)に設けられたオイルポンプ駆動ギヤ(47)であることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の内燃機関用補機歯車。
  11. 前記内燃機関用補機歯車(82)は、オイルポンプ(8)に設けられたオイルポンプ被動ギヤ(82)であることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の内燃機関用補機歯車。
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