JP7058187B2 - 免震ピット、擁壁施工方法及び免震ピットの施工方法 - Google Patents

免震ピット、擁壁施工方法及び免震ピットの施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、免震ピット、擁壁施工方法及び免震ピットの施工方法に関する。
特許文献1は、免震ピットを開示する。この免震ピットは、山留め杭を主体構造とし、当該山留め杭の内周面には鉄筋コンクリート造の止水壁面が設けられている。山留め杭は、根切り底より深部の根入れ部分で免震ピット周辺からの力を負担する。
特許文献2は、山留め構築方向を開示する。この方法では、山留めと山留めから下方に延びる芯材とが一体化された先組み物を準備し、当該先組み物を地中穴に建て込んで、山留めを設ける。
特開2004-44203号公報 特開2009-102804号公報
近年、免震機能を有する建物が多く施工されている。このような建物にあっては、免震装置を配置するための免震ピットの施工を要する。免震ピットの施工の際には、特許文献1、2に開示されているように、山留め杭の施工(特許文献1)や地中梁である芯材の建て込み(特許文献2)を要する。一方、当該分野では、建物の施工期間を短縮するための技術が盛んに検討されている。しかし、免震ピットの施工では、上述した工程によって施工期間の短縮化が難しかった。
本発明は、施工期間の短縮化が可能な免震ピット、擁壁施工方法及び免震ピットの施工方法を提供する。
本発明の一形態は、地表面に開口を有するピット領域に設けられる免震ピットであって、ピット領域の底面上に載置されて、ピット領域を囲む周壁から受ける力に対抗可能な擁壁と、ピット領域の底面に設けられた下部構造と、を備え、擁壁は、下部構造に対して縁が切れている。
この免震ピットの擁壁は、周壁から受ける力に対抗可能である。つまり、擁壁は、それ自体で自立することができる。従って、擁壁は、水平方向に作用する力を下部構造に負担させる必要がなくなるので、擁壁と下部構造とを互いに縁を切っている。縁を切った構造によれば、擁壁と下部構造とを一体として施工する必要がなく、擁壁の施工及び下部構造の施工を所望のタイミングで行うことが可能となる。その結果、この免震ピットによれば、施工期間を短縮できる。
一形態に係る免震ピットは、擁壁の下部に設けられて、擁壁を鉛直方向に支持すると共に、ピット領域の周囲における地盤よりも安定性が高められた擁壁支持部を備えてもよい。この構成によれば、安定性の低い地盤にも免震ピットを好適に設けることができる。
一形態に係る免震ピットの擁壁支持部は、杭であってもよい。この構成によっても安定性の低い地盤にも免震ピットを好適に設けることができる。
一形態に係る免震ピットの擁壁支持部は、擁壁支持部は、ピット領域の底面に設けられると共に、下部構造の側面に連結され、擁壁は、擁壁支持部に載置されてもよい。この構成によれば、擁壁及び下部構造の鉛直方向への沈降を互いに抑制しあうことができる。
本発明の別の形態は、地表面に開口を有するピット領域に設けられる免震ピットのための擁壁施工方法であって、地表面に開口を有し、ピット領域が形成されるピット予定領域を囲むように擁壁設置領域を形成する工程と、擁壁設置領域の底面上に擁壁部材を載置する工程と、擁壁設置領域を埋め戻して擁壁部材を自立させることにより、ピット領域の壁面を成すと共に埋め戻された擁壁設置領域から受ける力に対抗可能な擁壁を形成する工程と、を有する。この方法によれば、周壁から受ける水平方向に作用する力に対抗可能な、いわゆる自立可能な擁壁を施工することができる。
別の形態に係る擁壁施工方法は、壁部材を配置する工程の前に、擁壁部材の下部に設けられて擁壁部材を鉛直方向に支持すると共に、ピット領域の周囲における地盤よりも安定性が高められた擁壁支持部を形成する工程をさらに有してもよい。この工程によれば、安定性の低い地盤にも擁壁を好適に設けることができる。
本発明のさらに別の形態は、地表面に開口を有するピット領域に設けられる免震ピットの施工方法であって、地表面に開口を有し、ピット領域が形成されるピット予定領域を囲むように擁壁設置領域を形成する工程と、擁壁設置領域の底面上に擁壁部材を載置する工程と、擁壁設置領域を埋め戻して擁壁部材を自立させることにより、ピット領域の壁面を成すと共に埋め戻された擁壁設置領域から受ける力に対抗可能な擁壁を形成する工程と、擁壁に囲まれたピット領域の底面に、擁壁から縁が切られた下部構造を形成する工程と、を有する。
自立可能な擁壁は、水平方向に作用する力を下部構造に負担させる必要がないので、周壁と下部構造とを互いに縁を切っている。縁を切った構造によれば、擁壁と下部構造とを一体として施工する必要がなく、擁壁を形成する工程及び下部構造を形成する工程を所望のタイミングで行うことが可能となる。その結果、この方法によれば、施工期間を短縮できる。
別の形態に係る免震ピットの施工方法は、擁壁部材を配置する工程の前に、擁壁部材の下部に設けられて擁壁部材を鉛直方向に支持すると共に、ピット領域の周囲における地盤よりも安定性が高められた擁壁支持部を形成する工程をさらに有してもよい。この工程によれば、安定性の低い地盤にも擁壁を好適に設けることができる。
本発明によれば、施工期間の短縮化が可能な免震ピット、擁壁施工方法及び免震ピットの施工方法が提供される。
図1は、第1実施形態の免震ピットを備えた免震構造物の構成を示す図である。 図2は、第1実施形態の免震ピットの施工方法における主要な工程を示すフロー図である。 図3の(a)部、(b)部及び(c)部は、図2のフロー図に示す各工程を説明するための図である。 図4の(a)部及び(b)部は、図3に続く工程を説明するための図である。 図5は、第2実施形態に係る免震ピットを備えた免震構造物の構成を示す図である。 図6は、第2実施形態の免震ピットの施工方法における主要な工程を示すフロー図である。 図7の(a)部、(b)部及び(c)部は、図6のフロー図に示す各工程を説明するための図である。 図8の(a)部、(b)部及び(c)部は、図7に続く各工程を説明するための図である。 図9部は、図8に続く工程を説明するための図である。 図10の(a)部は、第3実施形態に係る免震ピットを備えた免震構造物の構成を示す図であり、図10の(b)部は同(a)部の要部を拡大して示す図である。 図11は、第3実施形態の免震ピットの施工方法における主要な工程を示すフロー図である。 図12の(a)部、(b)部及び(c)部は、図11のフロー図に示す各工程を説明するための図である。 図13の(a)部、(b)部及び(c)部は、図12に続く工程を説明するための図である。
〔第1実施形態〕
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示すように、免震構造物100は、上部躯体101と、支持柱102と、免震装置103と、を有する。上部躯体101は、例えば、ビルといった固定構造物である建物である。支持柱102は、上部躯体101と免震装置103とを連結する。支持柱102の上端は上部躯体101に連結され、支持柱102の下端は免震装置103に連結される。免震装置103は、支持柱102に連結される上フランジと、後述するマットスラブ3に連結される下フランジと、上フランジ及び下フランジとの間に挟み込まれた免震ゴムと、を有する。免震装置103では免震ゴムが、下フランジに対して上フランジの水平方向に沿った相対的な変位を許す。免震ゴムの変形によって、地盤110から上部躯体101への揺れの伝達を抑制する。
一般に、免震装置103は、上部躯体101と基礎との間に設けられる。従って、免震装置103は、ピット領域P1に配置された免震ピット1に設置される。免震ピット1は、擁壁2と、マットスラブ3(下部構造)と、を有する。擁壁2は、ピット領域P1を囲む地盤110における水平方向の土圧に対してピット壁面P1b(周壁)の崩れを防ぐ。例えば、ピット領域P1は、直方体状を呈する。従って、ピット領域P1は、鉛直方向と略直交するピット底面P1aと、ピット底面P1aから鉛直方向に延びるピット壁面P1bと、に囲まれている。擁壁2は、ピット壁面P1bに沿って設けられている。
擁壁2は、複数の擁壁ブロック4(擁壁部材)によって構成されている。擁壁ブロック4は、いわゆるプレキャスト部材である。擁壁ブロック4は、工場などの別の場所において形成された後に、現場に搬入されて、所定の位置に配置される。また、擁壁ブロック4は、いわゆる自立型である。本実施形態でいう「自立型」とは、擁壁2のみで横方向の土圧に対向可能であることを意味する。「擁壁2のみ」とは、例えば、擁壁2に作用する土圧を負担する付属的な部材を要しないことをいう。このような付属的な部材には、例えば、擁壁と一体化されて、擁壁の下方における地盤に建て込まれる支持杭が挙げられる。また、擁壁の背面側の地盤に建て込まれて擁壁が連結される土留めが挙げられる。
自立式の擁壁ブロック4として、例えば、片持ち梁式(カンチレバー式)のブロックが挙げられる。また、擁壁ブロック4自身の重量によって、土圧に対向する重力式のブロックも挙げられる。本実施形態の擁壁ブロック4は、片持ち梁式を例示する。片持ち梁式の擁壁ブロック4は、横方向の土圧が作用する擁壁本体6と、擁壁本体6から地盤110の側へ水平方向に延びる梁部7と、を有する。この梁部7には、梁部7上に存在する地盤110の重みが作用する。この重みに起因するモーメントは、擁壁本体6に作用する横方向の土圧に起因するモーメントと逆方向であるので、横方向の土圧に対向できる。また、梁部7上の地盤110には水道管などの設備が埋め込まれていることがある。梁部7上の地盤110は、梁部7に支持されているので、沈降し難い。従って、埋設された設備物を保護することができる。
マットスラブ3は、免震装置103が固定されて、免震装置103及び上部躯体101の重量を地盤110に伝える。マットスラブ3は、耐圧盤や底盤とも呼ばれる。マットスラブ3は、例えば、鉄筋コンクリート造の板状部材である。
上述したように、擁壁2は、それ自体で横方向の土圧に耐え得ると説明した。そうすると、マットスラブ3は、上部躯体101等の重量を地盤110に伝えればよい。つまり、擁壁2とマットスラブ3とは、互いに異なる力をそれぞれ単独で負担している。その結果、擁壁2に作用する横方向の土圧を、マットスラブ3にも負担させる必要はない。従って、本実施形態に係る擁壁2とマットスラブ3とは、力学的に互いに影響を及ぼし合わない。換言すると、擁壁2とマットスラブ3とは、いわゆる「縁が切れている」構成であると言える。例えば、マットスラブ3の側面3aと、擁壁本体6の主面6aとの間に、隙間が設けられていてもよい。つまり、擁壁2とマットスラブ3とは、一体化された構造物ではなく、互いに独立した別個の構造物であるといえる。
この「縁が切れている」とは、擁壁2からマットスラブ3への力(応力)の伝達が生じないことを意味する。従って、本実施形態でいう「縁が切れている」構成には、力の伝達に寄与しない範囲で連結することが許される。例えば、擁壁ブロック4の側面から突出するズレ止め筋が、マットスラブ3に設けられた穴に挿し込まれた構成を含んでもよい。この構成によれば、擁壁ブロック4とマットスラブ3の不等沈降を抑制することができる。
この免震ピット1の擁壁2は、ピット壁面P1bから受ける力に対抗可能である。つまり、擁壁2は、それ自体で自立することができる。従って、擁壁2は、水平方向に作用する力をマットスラブ3に負担させる必要がなくなるので、擁壁2とマットスラブ3とを互いに縁を切っている。縁を切った構造によれば、擁壁2とマットスラブ3とを一体として施工する必要がなく、擁壁2の施工及びマットスラブ3の施工を所望のタイミングで行うことが可能となる。その結果、この免震ピット1によれば、施工期間を短縮できる。
以下、図2のフロー図及び図3及び図4に示す工程図を適宜参照しながら、免震ピット1の施工方法について説明する。免震ピット1の施工方法は、擁壁2の施工と、マットスラブ3の施工と、を含む。
図3の(a)部に示すように、擁壁設置領域P2を設ける(ステップS10)。具体的には、まず、ピット予定領域P3を設定する。このピット予定領域P3は、最終的にピット領域P1となる領域である。この段階では、地盤110に埋もれた領域である。次に、このピット予定領域P3を囲むように、擁壁設置領域P2を設定し、当該領域を掘削する。擁壁設置領域P2は、地表面200に開口を有する溝である。擁壁設置領域P2は、底面P2aと、斜面P2bと、を含む。擁壁設置領域P2の深さ(地表面200から底面P2aまでの距離)は、例えば、擁壁ブロック4の高さと略一致させてよい。
ピット予定領域P3の平面形状が矩形であるとき、擁壁設置領域P2は、ピット予定領域P3の周囲に設けられた枠状の領域となる。ここで、「ピット予定領域P3を囲む」、には、擁壁設置領域P2がピット予定領域P3と重複しない場合に加えて、図3の(a)部のように、擁壁設置領域P2の一部がピット予定領域P3の一部と重複する場合も含む。つまり、ピット予定領域P3と重複しない擁壁設置領域P2の外周側の一部領域によって、ピット予定領域P3を囲んでいると言える。また、擁壁設置領域P2は、法付きオープンカット工法により施工してよい。オープンカット工法によれば、山留め壁を設ける必要がないので、施工期間の短縮化に寄与し得る。
図3の(b)部に示すように、擁壁ブロック4を配置する(ステップS12)。具体的には、底面P2aに擁壁ブロック4を載置する。上述したように、実施形態の擁壁2は、山留め部材や擁壁2と一体化される支持杭を要しない。従って、擁壁ブロック4は、底面P2aに載置されるだけでよい。擁壁ブロック4は、擁壁本体6の主面6aが免震ピット1の壁面を成す。従って、免震ピット1の壁面を構成するように、複数の擁壁ブロック4を並べる。なお、必要に応じて、擁壁ブロック4同士を連結する構成を施工してもよい。
図3の(c)部に示すように、擁壁2を設ける(ステップS14)。具体的には、擁壁設置領域P2を埋め戻す。埋め戻される領域は、例えば、擁壁ブロック4の擁壁本体6の背面6bと斜面P2bとの間の空間である。この埋戻しによって、擁壁ブロック4の梁部7に重みが加わる。その結果、擁壁2が横方向の土圧に対抗し得る状態となる。
図4の(a)部に示すように、ピット領域P1を設ける(ステップS16)。具体的には、擁壁2に囲まれたピット予定領域P3に残る地盤110を掘削して、取り除く。そして、ピット底面P1aを設ける。ピット底面P1aは、例えば、擁壁ブロック4が載置された底面P2aと同一平面としてもよいし、底面P2aと高さを異ならせてもよい。また、ピット予定領域P3から取り除かれる土砂は、上記の擁壁設置領域P2の埋め戻しに用いてもよい。この場合には、ステップS14、S16が並行して行われる。
以上のステップS10~S16によって、ピット領域P1を囲む擁壁2が設けられる。これらのステップS10~S16によれば、ピット壁面P1bから受ける水平方向に作用する力に対抗可能な、いわゆる自立可能な擁壁2を施工することができる。
次に、図4の(b)部に示すように、マットスラブ3を設ける(ステップS18)。既に、擁壁2とマットスラブ3とは縁が切れていることを述べた。そうすると、本実施形態のように、擁壁2の施工と、マットスラブ3の施工とは、互いに独立して行うことが可能である。この構成によれば、例えば、マットスラブ3の施工に先行して、擁壁2の施工を行うことができる。さらに、擁壁2の施工とマットスラブ3の施工との間に、所定の待機期間を設けることも可能である。つまり、免震ピット1の施工に要する擁壁2の施工ステップと、マットスラブ3の施工ステップと、の実施態様の自由度が高まる。
そして、再び図1に示すように、マットスラブ3に免震装置103を取り付け。次に、支持柱102を免震装置103に取り付ける。そして、支持柱102上に上部躯体101を施工する(ステップS20)。
自立可能な擁壁2は、水平方向に作用する力をマットスラブ3に負担させる必要がないので、擁壁2とマットスラブ3とを互いに縁を切っている。縁を切った構造によれば、擁壁2とマットスラブ3とを一体として施工する必要がなく、擁壁2を設けるための各ステップS10~S16及びマットスラブ3を設けるためのステップS18を所望のタイミングで行うことが可能となる。その結果、この方法によれば、施工期間を短縮できる。
〔第2実施形態〕
第2実施形態の免震ピット、擁壁施工方法及び免震ピットの施工方法について説明する。第1実施形態では、地盤110の状態が良好であることを前提にした。つまり、第1実施形態では、地盤110において、不等沈下又は液状化の恐れはないものとしていた。第2実施形態では、これら不等沈下又は液状化の可能性を無視できず、地盤110の状態が第1実施形態で設定した程度に良好でない場合を想定する。
図5に示すように、免震ピット1Aは、擁壁2と、マットスラブ3と、に加えて、さらに地盤改良部8(擁壁支持部)と、基礎杭9と、を有する。擁壁2及びマットスラブ3の構成は、第1実施形態と同様である。つまり、第2実施形態においても、擁壁2とマットスラブ3とは互いに縁が切られている。
地盤改良部8は、擁壁2の下部に設けられ、鉛直方向において擁壁2を支持する。地盤改良部8は、擁壁2の底面全体に接するように、平面視して連続的な枠状に設けられてもよい。また、地盤改良部8は、例えば、杭のように互いに離間して設けられてもよい。地盤改良部8として杭を適用する場合、擁壁ブロック4のジョイント部分ごとに設けてもよい。つまり、1本の基礎杭9は、互いに隣接する擁壁ブロック4を跨ぐように配置される。
基礎杭9は、マットスラブ3の下方においてマットスラブ3の下面と接するように設けられる。基礎杭9の配置は、地盤110の状態や上部躯体101等の重量などに応じて適宜設定してよい。例えば、基礎杭9は、免震装置103の軸線上に設けられてもよい。
第2実施形態の免震ピット1Aによっても、第1実施形態の免震ピット1と同様の効果を得ることができる。さらに、免震ピット1Aは、安定性の低い地盤110にも好適に設けることができる。
以下、図6のフロー図及び図7、図8及び図9に示す工程図を適宜参照しながら、免震ピット1Aの施工方法について説明する。
図7の(a)部に示すように、地盤改良部8を設ける(ステップS9)。つまり、地盤改良部8は、掘削作業の前に実施してもよい。この場合には、地盤改良部8のための工法として、例えば地盤改良杭工法を用いる。地盤改良部8は、その上面8aが擁壁ブロック4の設置深さと一致するように設けられる。
図7の(b)部に示すように、擁壁設置領域P2を設ける(ステップS10)。ステップS10における掘削作業では、擁壁設置領域P2の底面P2aの一部として地盤改良部8の上面8aを露出させる。つまり、擁壁設置領域P2の底面P2aは、地盤改良部8の上面8aを含む。なお、第2実施形態では、地盤改良部8を設けた後に擁壁設置領域P2を設けたが、例えば、擁壁設置領域P2を設けた後に地盤改良部8を設けてもよい。
図7の(c)部に示すように、擁壁ブロック4を配置する(ステップS12)。擁壁ブロック4は、地盤改良部8の上面8aに載置される。例えば、地盤改良部8が複数の杭である場合には、互いに隣り合う一対の地盤改良部8を跨ぐように、擁壁ブロック4を配置する。次に、擁壁2を設けた後に(ステップS14:図8の(a)部参照)、ピット領域P1を設ける(ステップS16:図8の(b)部参照)。
図8の(c)部に示すように、基礎杭9を施工する(ステップS17)。基礎杭9を施工した後に、必要に応じていわゆる捨てコンクリート面の施工などを行う。
そして、マットスラブ3を設けた後に(ステップS18:図9参照)、マットスラブ3上に免震装置103、支持柱102及び上部躯体101を順次設ける(ステップS20:図5参照)。
以上のステップS9~S18によって、ピット領域P1を囲む免震ピット1Aが設けられる。つまり、第2実施形態の擁壁施工方法は、第1実施形態の擁壁施工方法が有する各ステップに加えて、さらに、地盤改良部8を施工するステップS9と、基礎杭9を施工するステップS17と、を有する。
第2実施形態の擁壁施工方法及び免震ピットの施工方法によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2実施形態の擁壁施工方法及び免震ピット1Aの施工方法は、地盤改良部8を設けるステップS9と、基礎杭9を設けるステップS17と、を有するので、良好でない地盤110においても、免震ピット1Aを好適に設けることができる。
〔第3実施形態〕
第3実施形態の免震ピット、擁壁施工方法及び免震ピットの施工方法について説明する。第3実施形態においても、第2実施形態と同様に地盤110の不等沈下又は液状化の可能性を無視できず、地盤110の状態が第1実施形態で設定した程度に良好でない場合を想定する。
図10の(a)部に示すように、免震ピット1Bは、擁壁2と、マットスラブ3と、擁壁基礎11(擁壁支持部)と、基礎杭9と、を有する。擁壁基礎11は、擁壁2の下部に設けられる枠状部材或いは複数のブロック状の部材である。擁壁基礎11は、マットスラブ3の側面3aと対面する側面11aを有しており(図10の(b)部参照)、当該側面11aからマットスラブ3に向かって定着筋12が突出している。
定着筋12の突出部は、マットスラブ3に埋め込まれる。従って、擁壁基礎11とマットスラブ3とは、定着筋12によって連結される。つまり、擁壁基礎11は、建築物と構造的に連結されている。この構成によれば、擁壁基礎11は、建築物の構造体(例えば、上部躯体101)の一部とみなせる。そして、周囲の地盤110が沈下又は液状化した場合であっても、擁壁2は擁壁基礎11に載っているので、沈下しない。なお、擁壁基礎11は、擁壁2に対して構造的に連結されていない。擁壁2は、擁壁基礎11の上面に載置されているだけであり、定着筋などによる連結構造は有しない。
第3実施形態の免震ピット1Bによっても、第1実施形態の免震ピット1と同様の効果を得ることができる。さらに、免震ピット1Bは、安定性の低い地盤にも好適に設けることができる。そのうえ、擁壁2の沈降を抑制することができる。
以下、図11のフロー図及び図12及び図13に示す工程図を適宜参照しながら、免震ピット1Bの施工方法について説明する。
図12の(a)部に示すように、擁壁設置領域P2を設ける(ステップS10A)。なお、擁壁設置領域P2に加えて、ピット予定領域P3における地盤110も掘削してもよい。図12の(a)部には、擁壁設置領域P2及びピット予定領域P3を共に掘削によって設けた様子を示す。この工程によれば、広いピット底面P1aが設けられるので、次に行われる擁壁基礎11の施工を容易に行うことができる。
図12の(b)部に示すように、擁壁基礎11を設置する(ステップS11)。擁壁基礎11は、ピット底面P1a上に型枠等を設け、コンクリートを流し込むなどによって現場施工によって設けてもよい。また、擁壁基礎11は、プレキャストブロックとして準備し、ピット底面P1aに順次並べることによって、設けてもよい。
図12の(c)部に示すように、擁壁ブロック4を配置する(ステップS12)。具体的には、擁壁基礎11の上面に擁壁ブロック4を載置する。
以下、図13の(a)部、同(b)部、同(c)部に示すように、擁壁設置領域P2を埋め戻すことにより擁壁2を設け(ステップS14)、ピット領域P1のピット底面P1aに基礎杭9を施工した後に(ステップS17)、マットスラブ3を設ける(ステップS18)。そして、マットスラブ3上に免震装置103、支持柱102及び上部躯体101を順次設ける(図10参照)。
第3実施形態の擁壁施工方法及び免震ピットの施工方法によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第3実施形態の擁壁施工方法及び免震ピットの施工方法は、擁壁基礎11を設置するステップS11と、基礎杭9を施工するステップS17と、を有するので、良好でない地盤110においても、免震ピット1Bを好適に設けることができる。
〔変形例〕
上記実施形態に限定されず、請求項の趣旨を逸脱しない範囲で変形してよい。
1,1A,1B…免震ピット、2…擁壁、3…マットスラブ、4…擁壁ブロック、6…擁壁本体、7…梁部、8…地盤改良部、9…基礎杭、11…擁壁基礎、12…定着筋、100…免震構造物、101…上部躯体、102…支持柱、103…免震装置、110…地盤、200…地表面、P1…ピット領域、P1a…ピット底面、P1b…ピット壁面、P2…擁壁設置領域、P2a…底面、P2b…斜面、P3…ピット予定領域。

Claims (5)

  1. 地表面に開口を有するピット領域に設けられる免震ピットであって、
    前記ピット領域の底面上に載置されて、前記ピット領域を囲む周壁から受ける力に対抗可能な擁壁と、
    前記ピット領域の底面に設けられた下部構造と、
    前記擁壁の下部に設けられて、前記擁壁を鉛直方向に支持すると共に、前記ピット領域の周囲における地盤よりも安定性が高められた擁壁支持部と、を備え、
    前記擁壁は、前記下部構造に対して縁が切れており、
    前記ピット領域の底面において、前記擁壁が載置される部分は、前記下部構造が設けられる部分と異なり、
    前記擁壁支持部は、前記ピット領域の底面に設けられると共に、前記下部構造の側面に連結され、
    前記擁壁は、前記擁壁支持部に載置されている、免震ピット。
  2. 前記擁壁支持部は、杭である、請求項に記載の免震ピット。
  3. 地表面に開口を有するピット領域に設けられる免震ピットのための擁壁施工方法であって、
    前記地表面に開口を有し、前記ピット領域が形成されるピット予定領域を囲むように擁壁設置領域を形成する工程と、
    壁部材の下部に設けられて前記擁壁部材を鉛直方向に支持すると共に、前記ピット領域の周囲における地盤よりも安定性が高められた擁壁支持部を形成する工程と、
    前記擁壁設置領域の底面上において前記免震ピットを構成する下部構造が配置される部分とは異なる部分に設けられると共に前記下部構造の側面に連結される前記擁壁支持部に前記擁壁部材を載置する工程と、
    前記擁壁設置領域を埋め戻して前記擁壁部材を自立させることにより、前記ピット領域の壁面を成すと共に埋め戻された前記擁壁設置領域から受ける力に対抗可能であり、前記擁壁から縁が切られると共に前記下部構造と共に前記免震ピットを構成する擁壁を形成する工程と、を有する、擁壁施工方法。
  4. 地表面に開口を有するピット領域に設けられる免震ピットの施工方法であって、
    前記地表面に開口を有し、前記ピット領域が形成されるピット予定領域を囲むように擁壁設置領域を形成する工程と、
    前記擁壁設置領域の底面上に擁壁部材を載置する工程と、
    前記擁壁設置領域を埋め戻して前記擁壁部材を自立させることにより、前記ピット領域の壁面を成すと共に埋め戻された前記擁壁設置領域から受ける力に対抗可能な擁壁を形成する工程と、
    前記擁壁を形成する工程の後に、前記擁壁に囲まれた前記ピット領域の底面において、前記擁壁が載置される部分とは異なる場所に前記擁壁から縁が切られた下部構造を形成する工程と、を有する、免震ピットの施工方法。
  5. 前記擁壁部材を載置する工程の前に、前記擁壁部材の下部に設けられて前記擁壁部材を鉛直方向に支持すると共に、前記ピット領域の周囲における地盤よりも安定性が高められた擁壁支持部を形成する工程をさらに有する、請求項に記載の免震ピットの施工方法。
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