JP7057171B2 - 液圧式打撃装置 - Google Patents

液圧式打撃装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7057171B2
JP7057171B2 JP2018047075A JP2018047075A JP7057171B2 JP 7057171 B2 JP7057171 B2 JP 7057171B2 JP 2018047075 A JP2018047075 A JP 2018047075A JP 2018047075 A JP2018047075 A JP 2018047075A JP 7057171 B2 JP7057171 B2 JP 7057171B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stroke
port
piston
control
valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018047075A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019155547A (ja
Inventor
功 小林
新介 長野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Rock Drill Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Rock Drill Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Rock Drill Co Ltd filed Critical Furukawa Rock Drill Co Ltd
Priority to JP2018047075A priority Critical patent/JP7057171B2/ja
Publication of JP2019155547A publication Critical patent/JP2019155547A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7057171B2 publication Critical patent/JP7057171B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Percussive Tools And Related Accessories (AREA)

Description

本発明は、さく岩機やブレーカ等の液圧式打撃装置に係り、特に、ピストンのストロークを、ショートストロークおよびロングストロークの一方から選択されたストロークに自動的に切り換える技術に関する。
この種の液圧式打撃装置では、破砕対象である岩盤の硬さ(岩盤への貫入量)に応じてピストンのストロークをショートストロークおよびロングストロークの一方から選択されたストロークに自動的に切り換えて打撃力を適正に調整することにより、ロッドおよびロッドピン等の打撃部への過剰な負荷を軽減する技術(以下、「オートストローク機構」という)が種々提案されている。
本出願人は、ショートストロークポートSP、ロングストロークポートLPおよびこれら二つのポートの間の位置に設けられたストローク制御ポートMPを有するシリンダと、シリンダの内部に摺嵌されたピストンと、ピストンの外周面とシリンダの内周面との間に画成されたピストン前室およびピストン後室と、ピストン前室およびピストン後室の少なくとも一方を高圧回路および低圧回路の少なくとも一方に切換えてピストンを選択されたストロークにて駆動する駆動方向切換弁と、駆動方向切換弁によるストロークを三つのポートSP、MP、LPに対するピストンの前後進位置に応じて選択するストローク制御弁を備える液圧式打撃装置を提案している(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の液圧式打撃装置によれば、シリンダに、ストローク制御用の三つのポートとして、ショートストロークポートSP、ロングストロークポートLPおよびこれら二つのポートの間の位置に設けられたストローク制御ポートMPを設け、ストローク制御弁は、駆動方向切換弁によるストロークを三つのポートに対するピストンの前後進位置に応じて選択するので、比較的に簡素な構造でありながら、岩盤への貫入量に対し、ピストンの前後進位置に応じて設定した三つのポートの位置に基づく単純な油路の切換えによってピストンのストロークを自動的に切換え可能である。
特開2017-127917号公報
本出願人は、この液圧式打撃装置を油圧ブレーカに適用する場合において、オートストローク機構を安定的に作動させるためには、ストローク制御弁は、その停止状態、すなわち、スプールの切換え位置を維持することが重要であることを見出した。これは、油圧ブレーカは、打撃サイクルタイムが長いことが前提条件としてあり、シリンダの三つのポートSP、MP、LPにおける隣接するポート間のシール長を充分確保できないことに起因して、ストローク制御弁のスプールが切換え位置を維持できなくなる状態が生じるからである。
例えば岩盤が硬い場合には、ストローク制御弁は、スプールがロングストローク位置に切換えられた後は、ショートストローク位置へと切換える信号が作用するまではスプールがロングストローク位置に継続して停止し続けることが求められる。そのためには、ストローク制御弁の制御ポートに作用する保持圧が所定の値を維持しなければならない。
しかし、制御ポート内の圧油がリークして保持圧が所定の値を下回り、ストローク制御弁のスプールがロングストローク位置に停止し続けることが困難となる場合がある。これに対し、本出願人は、このストローク制御弁の制御ポートの保持圧低下を補う手段として、ストローク制御弁のスプールに絞り弁を備えた中央通路を設ける技術(以下、「高圧保持機構」という)を提案済みである。
この高圧保持機構は、ストローク制御弁のスプールがロングストローク位置に切換えられると高圧ポートと制御ポートを連通するように設定されており、この状態において制御ポートの保持圧が低下すると、高圧ポートから制御ポートへと圧油が供給されてバランスさせるよう作用する(詳細は特開2017-127917号公報の図9およびその関連記載を参照)。
一方、岩盤が軟らかい場合には、ストローク制御弁は、スプールがショートストローク位置に切換えられた後はロングストローク位置へと切換える信号が制御ポートに作用するまではスプールがショートストローク位置に継続して停止し続けることが求められる。そのためには、ストローク制御弁の制御ポートを低圧状態に維持しなければならない。しかし、制御ポートが低圧接続されていても、高圧回路から圧油がリークして流入する状態が生じてストローク制御弁のスプールがショートストローク位置に停止し続けることが困難となる場合がある。
このような場合、本来であれば軟らかい岩盤に対応してショートストロークに切り替えて打撃力を適正に調整しなければならないところ、ストローク制御弁のスプールがショートストローク位置を維持できずにショートストロークとロングストロークとの中間のミドルストロークや完全にロングストロークの状態でピストンが作動するおそれがある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、オートストローク機構のストローク制御弁の作動が安定する液圧式打撃装置を提供することを課題とする。
本出願人は、従来の液圧式打撃装置のオートストローク機構のように、ロングストローク位置を保持するための保持機構を備えるだけでは不十分な場合があり、ショートストローク位置を保持するための手段(以下、「制御圧保持機構」ともいう)も備えることが好ましいことを見出した。
すなわち、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る液圧式打撃装置は、ショートストロークおよびロングストロークの一方から選択されたストロークによってピストンをシリンダ内で前後進させて打撃用のロッドを打撃する液圧式打撃装置であって、ストローク制御用の三つのポートとして、ショートストロークポート、ロングストロークポートおよびこれら二つのポートの間の位置に設けられたストローク制御ポートを有する前記シリンダと、該シリンダの内部に摺嵌された前記ピストンと、該ピストンの外周面と前記シリンダの内周面との間に画成されて軸方向の前後に離隔配置されたピストン前室およびピストン後室と、前記ピストン前室および前記ピストン後室の少なくとも一方を高圧回路および低圧回路の少なくとも一方に切換えて前記ピストンを前記選択されたストロークにて駆動する第一制御弁と、前記三つのポートに対する前記ピストンの前後進位置に対応して受圧状態が変わる切換制御ポートと該切換制御ポートの受圧状態に応じてロングストローク位置およびショートストローク位置のいずれかに位置するスプールとを有し且つ該スプールの位置により前記第一制御弁における前記ストロークを選択する第二制御弁と、前記第二制御弁のスプールが前記ロングストローク位置にあるときの前記切換制御ポートの受圧状態と前記第二制御弁のスプールが前記ショートストローク位置にあるときの前記切換制御ポートの受圧状態とを保持する制御圧保持機構と、を備えることを特徴とする。
ここで、本発明の一態様に係る液圧式打撃装置において、前記制御圧保持機構が、前記第二制御弁のスプールが前記ロングストローク位置にあるときに前記切換制御ポートと前記高圧回路とを接続する高圧保持手段と、前記第二制御弁のスプールが前記ショートストローク位置にあるときに前記切換制御ポートと前記低圧回路とを接続する低圧保持手段と、を有することは好ましい。
また、本発明の一態様に係る液圧式打撃装置において、前記制御圧保持機構が、前記切換制御ポートからの圧油の排出が必要なときにのみ当該切換制御ポートと前記ストローク制御ポートとを連通させ、それ以外のときは当該切換制御ポートと前記ストローク制御ポートとの連通を遮断する開閉弁であることは好ましい。
本発明の一態様に係る液圧式打撃装置によれば、シリンダに、ストローク制御用の三つのポートとして、ショートストロークポート、ロングストロークポートおよびこれら二つのポートの間の位置に設けられたストローク制御ポートを設け、第二制御弁は、第一制御弁によるストロークを、三つのポートに対するピストンの前後進位置に応じて選択するので、第二制御弁に絞りを設けない簡素な構造とするとともに、岩盤への貫入量に対し、ピストンの前後進位置に応じて設定した三つのポートの位置に基づく単純な油路の切換えによってピストンのストロークを自動的に切換え可能である。
そして、本発明の一態様に係る液圧式打撃装置によれば、第二制御弁のスプールがロングストローク位置にあるときの切換制御ポートの受圧状態と、第二制御弁のスプールがショートストローク位置にあるときの切換制御ポートの受圧状態とを保持する制御圧保持機構を備えているので、第二制御弁の動作が安定する。よって、ピストンのストロークを制御するオートストローク機構の動作の安定性が高い。
上述のように、本発明によれば、ピストンのストロークを制御するオートストローク機構の動作の安定性が高い液圧式打撃装置を提供できる。
本発明の一態様に係るオートストローク機構を備えた液圧式打撃装置の第1の実施形態の説明図であり、同図では、ピストンが前死点に位置したときの各部の状態を示している。なお、同図では、液圧式打撃装置の要部について各部の軸線に沿った断面を示す(以下、他の図において同様)。 図1の液圧式打撃装置のオートストローク機構の動作を説明する図であり(以下、図3~図8において同様)、同図では、稼働時に、ピストンが前死点からショートストロークポートまで後退したときの各部の状態を示している。 同図では、ピストンがショートストロークで前進中に、リセットポートが動作したときの各部の状態を示している。 同図では、ピストンが前進して打撃点にて後退を開始したときの各部の状態を示している。 同図では、ピストンが打撃点にて後退した場合に、ピストンがロングストロークポートまで後退するときの各部の状態を示している。 同図では、ピストンが打撃点を超えて前進した場合に、ピストンがストローク切換えポートの位置まで前進したときの各部の状態を示している。 同図では、ピストンが打撃点を超えて前進した後に、ピストンがショートストロークポートまで後退したときの各部の状態を示している。 同図では、ピストンがショートストロークで前進中に、リセットポートが動作したときの各部の状態を示している。 図1の液圧式打撃装置の、オートストローク機構の第二制御弁の詳細を示す説明図である。 本発明の一態様に係るオートストローク機構を備えた液圧式打撃装置の第2の実施形態の説明図であり、同図では、ピストンが前死点に位置したときの各部の状態を示している。 本発明の一態様に係るオートストローク機構を備えた液圧式打撃装置の第2の実施形態の変形例の説明図であり、同図では、ピストンが前死点に位置したときの各部の状態を示している。 本発明の一態様に係るオートストローク機構を備えた液圧式打撃装置の第3の実施形態の説明図であり、同図では、ピストンが前死点に位置したときの各部の状態を示している。
以下、本発明の実施形態ないし変形例について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態ないし変形例に特定するものではない。
[第1の実施形態]
第1の実施形態の液圧式打撃装置は、図1に示すように、シリンダ100およびピストン120を備えるとともに、第一制御弁200と第二制御弁300とがシリンダ100とは別体に設けられている。第一制御弁200の内部には、バルブ201が摺嵌されており、第二制御弁300の内部には、スプール330が摺嵌されている。
シリンダ100の後部にはバックヘッド400が装着されている。バックヘッド400には高圧のバックヘッドガスGが封入されている。また、シリンダ100の前部にはフロントヘッド500が装着されている。フロントヘッド500の内部にはロッド501が摺嵌されている。
ピストン120は、中実の円筒体であり、その略中央に2つの大径部として、前側大径部121および後側大径部122を有する。前側大径部121の前方には中径部123が設けられ、後側大径部122の後方には小径部124が設けられ、前側大径部121と後側大径部122との間には円環溝125が設けられている。
このピストン120が、シリンダ100の内部に摺嵌されることで、シリンダ100内の前後に、ピストン前室101とピストン後室102とがそれぞれ画成されている。ピストン前室101には、前室ポート103が設けられ、前室ポート103は、前室通路112を介して高圧回路110に常時接続されている。
ピストン後室102には、後室ポート104が設けられている。後室ポート104と第一制御弁200は、後室通路113によって接続されている。ピストン後室102は、第一制御弁200のバルブ201による前後進切換えによって、高圧回路110と低圧回路111とにそれぞれ交互に連通可能になっている。なお、高圧回路110の適所には、アキュムレータ(不図示)が設けられている。
中径部123の外径は、小径部124の外径よりも大きく設定されている。これにより、ピストン前室101およびピストン後室102におけるピストン120の受圧面積(すなわち、前側大径部121と中径部123の径差、および後側大径部122と小径部124の径差)はピストン後室102側の方が大きくなっている。
これにより、ピストン後室102がバルブ201の作動により高圧接続されると、受圧面積差によってピストン120が前進し、ピストン後室102がバルブ201の作動により低圧接続されるとピストン120が後退するようになっている。
シリンダ100には、前室ポート103と後室ポート104との間に前方から後方へ向けて順に、ショートストロークポート105、ストローク制御ポート106、ロングストロークポート107および低圧ポート108が、軸方向に互いに離隔した位置に設けられている。
第1の実施形態の液圧式打撃装置は、ロングストロークおよびそれよりも短いショートストロークの一方から岩盤の状態に応じて自動的に選択されたストロークによってピストン120をシリンダ100内で前後進させてロッド501を打撃するオートストローク機構を備えているが、これらショートストロークポート105、ストローク制御ポート106、およびロングストロークポート107が本発明のオートストローク機構の一部を構成している。
第一制御弁200は、ピストン120と非同軸に形成された弁室212が内部に形成され、この弁室212にバルブ201が摺嵌されている。弁室212は、前方から後方へ向けて順に、中径のバルブ前室213、大径のバルブ主室214、および小径のバルブ後室215を有する。バルブ前室213には、高圧回路110と常時連通する前室通路223が接続されている。
バルブ主室214には、前方から後方へ向けて順に、前側低圧ポート218、リセットポート219、弁制御ポート220、後側低圧ポート221が設けられ、バルブ後室215には後室ポート222が設けられている。前側低圧ポート218は、前側低圧通路224を介して低圧回路111に常時連通し、後側低圧ポート221は、後側低圧通路227を介して低圧回路111に常時連通している。弁制御ポート220とバルブ制御ポート107は、バルブ制御通路(直結)114を介して連通している。後室ポート222と後室ポート104は、後室通路113を介して連通している。
バルブ201は、中空の円筒体であり、前方から後方へ向けて順に、中径部202、大径部203および小径部204を有する。円筒内部の中空通路228が前室通路223を介して高圧回路110と常時連通している。バルブ201には、小径部204の略中央の外周面に、ピストン後室102を高圧と低圧に切り替えるための排油溝205が円環状に設けられている。バルブ201の排油溝205よりも前側には、連通孔210が、バルブ201の径方向に貫通して形成され、大径部203の前方側の外周面には、スリット溝211が軸方向に沿ってスリット状に形成されている。
バルブ201は、中径部202と小径部204との受圧面積差により常時後方へと付勢されており、弁制御ポート220に高圧油が供給されると、大径部203の後側段付面209の受圧面積が加算されて前方へと移動するようになっている。
バルブ201が後端位置、すなわち、後端面207が弁室後端面217に当接した場合には、後室ポート222は、排油溝205によって後側低圧ポート221および後側低圧通路227を介して低圧回路111に連通するので、ピストン後室102は低圧接続される。
一方、バルブ201が前端位置、すなわち、前端面206が弁室前端面216に当接した場合には、後室ポート222は、後側低圧ポート221との連通が遮断されるとともに、後端面207と弁室後端面217との間、および中空通路228を介して高圧接続された弁室212と連通するので、ピストン後室102が高圧接続されるようになっている。
ここで、油圧ブレーカは、バルブ201がその前端および後端の切換位置において停止状態を維持するためには、弁制御ポート220の高圧または低圧を維持するための保持機構が必要となる。
本実施形態では、バルブ201が後端位置にある場合の保持機構は、スリット溝211である。スリット溝211は、バルブ201が後端位置のとき、弁制御ポート220とリセットポート219および前側低圧ポート218を連通させることで、後側段付面209が確実に低圧接続されて、バルブ201の停止状態を維持するようになっている。
また、バルブ201が前端位置にある場合の保持機構は連通孔210である。連通孔210は、バルブ201が前端位置のとき、弁制御ポート220(およびリセットポート219)に対して、中空通路228からの圧油を補充することで、保持圧力の低下を防止してバルブ201の停止状態を維持するようになっている。
第1の実施形態の液圧式打撃装置は、上記第一制御弁200に隣接して、シリンダ100の側面に設けた第二制御弁300を有しており、この第二制御弁300が、本発明のオートストローク機構の一部を構成するストローク制御弁として機能する。なお、図1では、説明の便宜のために、第二制御弁300を離隔した位置に図示している。
第二制御弁300は、略直方体状のハウジング301内に、第1スリーブ302および第2スリーブ303が装填されており、これら第1スリーブ302および第2スリーブ303によってスプール室305が形成されている。第1スリーブ302および第2スリーブ303は、ハウジング301の上部開口に螺着されるプラグ304を締め込むことによって、軸方向の位置が固定されている。
スプール室305は、上方から下方へ向けて順に、小径部306、大径部307、および中径部308が形成されており、小径部306と大径部307の境界には上側端面309が形成され、大径部307と中径部308の境界には下側端面310が形成されている。中径部308の下方にはスリット状のスリット状ドレン溝311が複数箇所に形成されている。
このスプール室305内に、スプール330がスライド移動可能に摺嵌されることで、スプール330の上側に高圧室312が画成され、下側に制御室313が画成される。スプール330の移動ストロークは、上側端面309と後述する上側段付面334とが当接することで上端位置が規制され、下側端面310と後述する下側段付面335とが当接することで下端位置が規制される。
スプール330は、上方から下方へ向けて順に、小径部331、大径部332、および中径部333からなる円筒状の部材であり、小径部331と大径部332の境界には上側段付面334が形成され、大径部332と中径部333の境界には下側段付面335が形成されている。大径部332の外周には、円環状の連通溝336が設けられている。
中径部333の基端側、すなわち下側段付面335側には、円環状の円環状ドレン溝337が設けられている。下側段付面335には、端面溝形状を呈したドレン通路338が複数箇所設けられている。スプール330の軸心には、軸心に沿って中央通路339が形成され、中央通路339の小径部331側には、軸心と直交する方向に貫通するように連通孔340が設けられている。
ハウジング301には、高圧室312に連通する高圧ポート314が設けられ、また、制御室313に連通する切換制御ポート315が設けられている。さらに、ハウジング301には、連通溝336に対向する位置に、バルブ連通ポート317とシリンダ連通ポート318とが設けられている。高圧ポート314とバルブ連通ポート317との間に低圧ポート316が設けられており、シリンダ連通ポート318と切換制御ポート315との間にドレンポート319が設けられている。
高圧ポート314は、高圧通路320によって高圧回路110と連通しており、高圧室312は、常時高圧接続されている。切換制御ポート315は、ストローク制御通路115によってストローク制御ポート106と連通するとともに、リセット通路225によってリセットポート219と連通している。リセットポート219には、逆止弁350がリセットポート219側から切換制御ポート315側への圧油の流れを許容し、切換制御ポート315側からリセットポート219側への圧油の流れを規制するように設けられている。
低圧ポート316は、低圧通路321によって低圧回路111と連通しており、常時低圧接続されている。バルブ連通ポート317は、バルブ制御通路(スプール経由)226によって弁制御ポート220と連通している。シリンダ連通ポート318は、ストローク切換通路116を介してショートストロークポート105と連通している。
第1の実施形態の液圧式打撃装置において、切換制御ポート315に高圧油が供給されたときには、中径部333の外径は小径部331の外径よりも大きく設定しているので、高圧室312および制御室313におけるスプール330の受圧面積差により、スプール330が上端位置へ移動するようになっており、切換制御ポート315に高圧油が供給されていない低圧時には、スプール330が図1に示すように下端位置に移動するようになっている。
第二制御弁300は、スプール330が下端位置に移動したときは、バルブ連通ポート317とシリンダ連通ポート318とが連通溝336によって連通してショートストロークポート105と弁制御ポート220とが連通するとともに、スリット状ドレン溝311、円環状ドレン溝337およびドレン通路338が連通し、制御室313はドレンポート319に接続される一方で、連通孔340が閉止されるので高圧室312と制御室313とは連通することはない。
また、第二制御弁300は、スプール330が上端位置に移動したときは、バルブ連通ポート317とシリンダ連通ポート318の連通が遮断されるとともに、制御室313とドレンポート319の連通状態は遮断される一方で、連通孔340および中央通路339を介して高圧室312と制御室313とが連通するようになっている。
以下、スプール330が上端位置に移動したときを「ロングストローク位置」とも呼び、スプール330が下端位置に移動したときを「ショートストローク位置」とも呼ぶ。また、ピストン120の前後進位置として、ピストン120が前進時に打撃点を超えて所定量の前進をした位置を「切換え位置」とも呼ぶ。
次に、第1の実施形態の液圧式打撃装置のオートストローク機構の動作、および作用・効果について説明する。
この液圧式打撃装置は、図1に示すように、稼働前の状態では、ピストン120はバックヘッド400に封入された高圧ガスのガス圧Gにより前方への推力Fが作用している。そのため、ピストン120は前死点の位置となる。
液圧式打撃装置の稼働開始時には、ピストン120が前死点の位置のとき、第二制御弁300のスプール330は、同図に示す高圧室312が高圧ポート314および高圧通路320を介して常時高圧回路110に接続され、制御室313が切換制御ポート315、ストローク制御通路115、ストローク制御ポート106、低圧ポート108、および低圧通路117を介して低圧回路111に接続されている。そのため、同図の下方に向けてスプール330が押圧されて「ショートストローク位置」に停止している。
また、稼働開始時には、第一制御弁200は、バルブ前室213に高圧通路223を介して高圧回路110の高圧油が供給されるため、バルブ201が後退位置に移動する。第一制御弁200のバルブ201が後退位置のとき、第一制御弁200は、ピストン後室102を低圧通路227を介して低圧回路111に接続している。
液圧式打撃装置が稼働されると、ピストン前室101に高圧通路112を介して高圧回路110の高圧油が供給されてピストン前室101が常時高圧接続される。一方、第一制御弁200のバルブ201が後退位置のときピストン後室102は低圧なので、ピストン120が後方へと付勢されて後退を開始する。
そして、図2に示すように、ピストン120の前側大径部121の前端がシリンダ100のショートストロークポート105の位置まで後退すると、常時高圧接続されているピストン前室101からショートストロークポート105に導入された高圧油は、同図に示すように、第二制御弁300内で「ショートストローク位置」にあるスプール330の連通溝336を介して第一制御弁200の弁制御ポート220に導入される。
第一制御弁200は、弁制御ポート220に高圧油が供給されると、後側段付面209の受圧面積が加算されてバルブ201が前方へと移動する。これにより、後室ポート222は、バルブ201の後端面207と弁室212の後端面217との間、および中空通路228を介して高圧接続された弁室212と連通するので、ピストン後室102が高圧接続される。よって、ピストン後室102が高圧になるため、ピストン120は、自身の受圧面積差によりショートストロークにて前進を開始する。
ここで、本実施形態のオートストローク機構において、第二制御弁300の切換制御ポート315に圧油を供給する手段として設けられているのが、逆止弁350、リセット通路225およびリセットポート219である。
つまり、上記第一制御弁200のバルブ201が前進位置に切り換わると、図3に示すように、弁制御ポート220とリセットポート219は、後側段付面209によって相互に連通し、圧油がリセット通路225から逆止弁350を介して第二制御弁300の切換制御ポート315へと供給される。
これにより、第二制御弁300は、同図に示すように、スプール330の小径部331と中径部333との受圧面積差によってスプール330が同図上方に押圧されて「ロングストローク位置」に切り換わる。このとき、リセットポート219には、弁制御ポート220を介して連通孔210から圧油が補充される。そのため、バルブ201の停止状態の維持と第二制御弁300のスプール330の作動(図3中、上方へのスプール330の移動と移動後の停止状態の維持)に必要な圧油が充分に供給される。
次いで、ピストン120が前進して、図4に示すように、ピストン120が打撃点の位置、つまり、ピストン120の前側大径部121の後端が、シリンダ100のロングストロークポート107の位置を通過すると、シリンダ100の低圧ポート108とロングストロークポート107とが連通し、第一制御弁200の弁制御ポート220が低圧に接続される。これにより、第一制御弁200のバルブ201が後方に押圧されて後退位置に切り替わり、これに応じてピストン後室102が低圧となる。
ここで、ピストン後室102が低圧となると、岩盤が硬い場合には、ピストン120が僅かな貫入量で後退する。このとき、切換制御ポート315およびストローク制御通路115は、ストローク制御ポート106が前側大径部121によって閉塞されるとともに、逆止弁350がストローク制御通路115からの圧油の流出を規制して閉回路を形成しているので、制御室313の圧油が保持される。したがって、第二制御弁300のスプール330は「ロングストローク位置」を維持する。
このようにして、岩盤が硬い場合には、ピストン120が後退するとき、バルブ201が「ロングストローク位置」に保持されているので、ピストン120の前側大径部121の前端がシリンダ100のショートストロークポート105の位置まで後退してもショートストロークポート105に導入される高圧油は第二制御弁300によって遮断され、第一制御弁200へと導入されることはない。そのため、引き続きピストン120は後退することができる。
さらに、ピストン120の前側大径部121の前端がシリンダ100のストローク制御ポート106の位置まで後退しても、ストローク制御ポート106に導入される高圧油がストローク制御通路115側へと流入する余地はない。そのため、第二制御弁300および第一制御弁200の作動に影響を及ぼすことはなく、引き続きピストン120が後退することができる。すなわち、この液圧式打撃装置によれば、岩盤が硬い場合には、ピストン120が自動的にロングストロークによって打撃を行うことできる。
次いで、図5に示すように、ピストン120の前側大径部121の前端がシリンダ100のロングストロークポート107の位置まで後退すると、ロングストロークポート107がピストン前室101の高圧油に連通する。そのため、ロングストロークポート107およびバルブ制御通路(直結)114を介して第一制御弁200の弁制御ポート220に高圧油が導入される。
これにより、第一制御弁200のバルブ201前後の受圧面積差によりバルブ201が前進位置へと移動し、後室ポート222は、バルブ201の後端面207と弁室212の後端面217との間、および中空通路228を介して高圧接続された弁室212と連通するので、ピストン後室102が高圧接続され、ピストン後室102が高圧になる。そのため、ピストン120前後の受圧面積差によりピストン120は前進を開始する。
このとき、第二制御弁300には、第一制御弁200の作動圧油が、リセットポート219からリセット通路225の逆止弁350を介して第二制御弁300の切換制御ポート315に導入される。そのため、スプール330上下の小径部331と中径部333との受圧面積差によってスプール330が同図上方の「ロングストローク位置」を維持する。
ここで、岩盤が軟らかい場合には、ピストン120が岩盤を打撃後も、図4に示した打撃点の位置を超えて更にピストン120が前進する。このとき、本実施形態の液圧式打撃装置では、図6に示すように、ピストン120が打撃点の位置を超えて更に前進したときに、ピストン120の前側大径部121の後端がシリンダ100のストローク制御ポート106が形成されている「切換え位置」まで達すると、ストローク制御ポート106が低圧ポート108と連通するため低圧に接続される。そのため、第二制御弁300下側の切換制御ポート315の高圧油が開放され、これにより、第二制御弁300のスプール330が下方に押圧されて「ショートストローク位置」に切り換わる。
次いで、ピストン120が後退して、図7に示すように、ピストン120の前側大径部121の前端がシリンダ100のショートストロークポート105の位置まで後退すると、このときの第二制御弁300は、スプール330が「ショートストローク位置」にあるので、ピストン前室101の高圧油がショートストロークポート105から第二制御弁300の連通溝336を介して第一制御弁200の弁制御ポート220に導入される。
そのため、第一制御弁200のバルブ201は前進位置に切り替わり、これに応じてピストン後室102が高圧となる。よって、ピストン120は、自身前後の受圧面積差によりショートストロークでの前進を開始する。すなわち、この液圧式打撃装置によれば、岩盤が軟らかい場合には、「切換え位置」にて第二制御弁300が「ショートストローク位置」に切り換わり、ピストン120が自動的にショートストロークによって打撃を行うことができる。
そして、バルブ201が前進位置に切り換わるとき、図8に示すように、弁制御ポート220に導入されたバルブ201の作動圧油は、第一制御弁200のリセットポート219からリセット通路225の逆止弁350を介して第二制御弁300の切換制御ポート315に導入される。
これにより、第二制御弁300は、ピストン120がショートストロークによる前進時であって「切換え位置」に達しない間に、小径部331と中径部333との受圧面積差によって同図上方に押圧されて「ロングストローク位置」に切り換わる。換言すれば、第二制御弁300が、ショートストローク状態からロングストローク状態へとリセットされる。
このロングストローク状態は、図3に示した状態と同じである。よって、以降、この液圧式打撃装置では、上述したように、岩盤の硬さに応じ、ピストン120、第一制御弁200および第二制御弁300の協働により、ピストン120が前進と後退を繰り返しながらロッド501を打撃するが、岩盤が硬い場合(つまり、ピストン120の前進時の位置が「切換え位置」に達しないとき)は、図3から図5を参照して説明したように、ピストン120がロングストロークにて前後し、岩盤が軟らかい場合(つまり、ピストン120の前進時の位置が「切換え位置」に達したとき)は、図6から図8を参照して説明したように、ピストン120がショートストロークにて前後する。
したがって、この液圧式打撃装置によれば、岩盤の硬さ(岩盤への貫入量)に応じてピストン120のストロークを、ショートストロークおよびロングストロークの一方から選択されたストロークに自動的に切り替えて打撃力を適正に調整することにより、ロッド501およびロッドピン等の打撃部への過剰な負荷を軽減することができる。
次に、第1の実施形態の液圧式打撃機構のオートストローク機構に備えられた制御圧保持機構について説明をする。
ここで、本実施形態の液圧式打撃装置では、スプール330がロングストローク位置にあるときに、シリンダ100のストローク制御ポート106の圧油が閉回路内に保持されることから、ロングストローク位置が保持される構成例を説明した。
ただし、上述の第1の実施形態では、閉回路形成時のストローク制御ポート106と、低圧ポート108と連通したロングストロークポート107は隣接しており、この箇所に摺接するのが、一般的にクリアランスを大きく設定するピストン大径部であることから、ストローク制御ポート106の圧油はロングストロークポート107を介して低圧ポート108へとリークする。
この圧油のリークは、リセット通路225から切換制御ポート315へと圧油が供給されて、スプール330がロングストローク位置へと移動した直後から発生する。これは、閉回路内から低圧ポート108へのリーク量に対して、リセット通路225から供給される油量が充分ではない場合は、第二制御弁300の制御室313の保持力が不足して、スプール330が図中上方のロングストローク位置から図中下方のショートストローク位置へと移動するおそれがある。
そこで、このリークによる保持力不足を防止する上では、スプール330の中心軸方向に沿って形成されて制御室313に開口する中央通路339と、スプール330がロングストローク位置にあるときに、中央通路339と高圧室312とを連通させる位置に形成された連通孔340とを設けることが好ましい。
つまり、このスプール330は、中央通路339が、その一端がストローク制御ポート106に供給された作動油の圧力を受ける受圧面側、すなわち制御室313側に開口しており、他端はスプール330がロングストローク位置にあるときに、連通孔340を介して高圧室312を経て高圧回路110に連通する。
スプール330に中央通路339と連通孔340とを設けることにより、圧油のリークによりストローク制御ポート106から切換制御ポート315の保持圧が低下すると、高圧室312側から連通孔340および中央通路339を通過して制御室313へと圧油が補充される。高圧室312と制御室313が高圧油でバランスすると、受圧面積差によりスプール330はロングストローク位置に保持される。そのため、仮にリークが生じる場合であっても、スプール330のロングストローク位置を一層確実に保持することができる。これら中央通路339および連通孔340が本発明の課題を解決するための手段に記載する高圧保持手段を構成する。
高圧保持手段の通路面積は、スプール330がロングストローク位置に移動して高圧室312と制御室313が連通する状態において、制御室313から低圧ポート108側へ圧油がリークして高圧室312と制御室313との間の圧力差が生じると、直ちに高圧室312から制御室313へ圧油を供給してバランスさせる流量を確保するように設定する。
高圧保持手段の通路面積を上記の設定値よりも小さく設定すると、高圧室312と制御室313との間で圧力差が生じても、スプール330の保持に必要な油量が速やかに供給できないため、ロングストローク位置を安定的に保持できなくなる。逆に、高圧保持手段の通路面積を上記の設定値よりも大きくし過ぎると、スプール330をショートストローク位置への切り替えるタイミング(換言すると、制御室313が低圧接続される局面)において、スプール330がショートストローク位置へと移動する前に油圧回路全体が液圧式打撃装置の作動圧以下まで低下して作動が不安定となるおそれがある。
また、高圧保持手段の通路面積は、大きく設定すればするほど制御室ポート315から低圧ポート108へ流出するリーク量も増大して効率の低下を招くので好ましくない。
このように、本実施形態の液圧式打撃装置では、第二制御弁300のスプール330に中央通路339と連通孔340とを設け、その通路面積を適正に設定することで、スプール330をロングストローク位置に安定的に保持可能とし、かつ、ショートストローク位置への切り替え動作にも支障を来さない。
本実施形態の液圧式打撃装置では、スプール330がショートストローク位置にあるときに、切換制御ポート315は、ストローク制御通路115、ストローク制御ポート106、低圧ポート108、および低圧通路117を介して、低圧回路111に接続されているので制御室313は低圧接続されている。
ここで、ピストン120が後退して前側大径部121の前端がショートストロークポート105に至る前からピストン前室101の圧油がストローク制御ポート106側へとリークし、ストローク制御通路115を介して切換制御ポート315へと流入し制御室313の低圧状態を維持できない場合がある。
制御室313の低圧状態が維持できないと、スプール330はショートストローク位置からロングストローク位置へと移動する。なお、このとき、ピストン前室101の圧油はショートストロークポート105にもリークしてストローク切換通路116、シリンダ連通ポート318、連通溝336、バルブ連通ポート317、バルブ制御通路(スプール経由)226を介して弁制御ポート220に流入するが、スリット溝211、リセッットポート219、前側低圧ポート218および前側低圧通路224を経由して低圧回路111と排出されるのでバルブ201が作動することはない。
したがって、このような場合は、本来であれば軟らかい岩盤に対応してオートストローク機構が作動してショートストロークに切り替えて打撃力を適正に調整しなければならないところ、ストローク制御弁がショートストローク位置を維持できないために、ショートストロークとロングストロークの中間のミドルストロークや完全にロングストロークの状態でピストンが作動することになる。
そこで、このリークした圧油の流入によって低圧状態を維持できない現象の発生を防止するために、本実施形態の液圧式打撃装置では、スプール330がショートストローク位置にある際に、制御室313をスリット状ドレン溝311、円環状ドレン溝337、およびドレン通路338によってドレンポート319と連通し、さらに、ドレン通路322を介して低圧回路111に接続するように構成している。
これにより、スプール330がショートストローク位置のときに、切換制御ポート315に圧油が流入しても低圧回路へ逃すことができる。そのため、制御室313の低圧状態を維持してスプール330をショートストローク位置に保持することが可能となる。したがって、軟らかい岩盤に対応してショートストロークに切り替えて打撃力を適正に調整することが確実に行なえる。これら、スリット状ドレン溝311、円環状ドレン溝337、およびドレン通路338が形成するドレン通路が、本発明の課題を解決するための手段に記載する低圧保持手段を構成する。
低圧保持手段の通路面積は充分に小さいので、スプール330が通常動作する場合、すなわち切換制御ポート315に所定量の高圧油が供給されてスプール330がロングストローク位置へと移動する場合には圧油のリークは殆ど無いが、スプール330がショートストローク位置に停止時であって、切換制御ポート315にリークによる微量の圧油が徐々に流入して低圧状態から圧力が上昇する場合は、流入した圧油がドレンして制御室313の低圧状態を安定的に維持可能である。
そして、第1の実施形態では、上記の高圧保持手段と低圧保持手段が、本発明の課題を解決するための手段に記載する制御圧保持機構を構成する。
この制御圧保持機構によって、第二制御弁300がロングストローク位置にあるときに切換制御ポート315の高圧状態を保持し、第二制御弁300がショートストローク位置にあるときに切換制御ポート315の低圧状態を保持するので、破砕対象の状態に応じてロングストロークで打撃することが好ましい場合は確実にロングストロークで打撃し、ショートストロークで打撃することが好ましい場合は確実にショートストロークで打撃することが可能となる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について図10を参照しつつ説明する。
第2の実施形態では、第二制御弁300'のスプール330'は、中央通路339、連通孔340、円環状ドレン溝337、およびドレン通路338を備えておらず、第2スリーブ303'はスリット状ドレン溝311を備えない。すなわち、第2実施形態は、第1実施形態における高圧保持手段と低圧保持手段を備えていない。その代わりとして、第2実施形態では、ストローク制御通路115に開閉弁360を制御圧保持機構として設けている。
開閉弁360のパイロット通路361は、シャトル弁362を介してストローク制御通路115とリセット通路225に接続されている。開閉弁360は、通常は開放位置に切り替えられており、ストローク制御通路115またはリセット通路225において切換制御ポート315側への圧油の流入が生じると閉止位置へと切り替えられる。つまり、第2の実施形態では、これら開閉弁360、パイロット通路361、およびシャトル弁362が本発明の課題を解決するための手段に記載する制御圧保持機構を構成する。
開閉弁360の作動について説明する。
弁制御ポート220に高圧油が供給されてバルブ201が前方へと移動すると、弁制御ポート220の圧油は、リセットポート219、リセット通路225を介して切換制御ポート315へと供給される。切換制御ポート315に高圧油が供給されると制御室313は高圧接続され、制御室313と高圧室312との受圧面積差によってスプール330'はロングストローク位置へと移動する。
このとき、開閉弁360は、リセット通路225からの圧油がシャトル弁362を介してパイロット通路361へと供給されるので閉止位置へと切り替えられる。したがって、切換制御ポート315とストローク制御通路115との連通状態が遮断され、制御室313から低圧ポート108へ圧油がリークすることを防止するので、スプール330'は、ロングストローク位置を維持することが可能となる。
液圧式打撃装置が軟らかい岩盤を打撃すると、打撃点の位置を超えて更にピストン120が前進する。そして、ピストン120の前側大径部121の後端がシリンダ100のストローク制御ポート106まで達すると、ストローク制御ポート106が低圧ポート108と連通するため低圧に接続され、これにより、ストローク制御通路115が低圧接続されるので、開閉弁360は開放位置へと切り替えられるとともに、切換制御ポート315の高圧油が開放されてスプール330'がショートストローク位置に切り換わる。
次にピストン120が後退に転じて、前側大径部121の前端がショートストロークポート105まで後退すると、前述の通り、液圧式打撃機構はオートストローク機構によってショートストロークで作動するところ、これよりも前の段階でピストン前室101の圧油がストローク制御ポート106からストローク制御通路115へとリークすると、開閉弁360は閉止位置へと切り替えられる。
したがって、切換制御ポート315とストローク制御通路115の連通状態が遮断され、ピストン前室101から制御室313へ圧油がリークすることを防止するので、スプール330'はショートストローク位置を維持することが可能となる。
このように、第2の実施形態によれば、開閉弁360、パイロット通路361およびシャトル弁362は、切換制御ポート315からの圧油の排出が必要なときにのみ切換制御ポート315とストローク制御ポート115とを連通し、それ以外のときは切換制御ポート315とストローク制御ポート115との連通状態を遮断することから、本発明の制御圧保持機構を構成している。
なお、第2の実施形態によれば、第二制御弁300'には、切換制御ポートの受圧状態を保持する制御圧保持機構として、第1の実施形態のような、高圧保持機構と低圧保持機構とを備える必要がないので、スプール330'の小径部331と中径部333の軸方向の寸法を短縮でき、第二制御弁300'全体の軸方向の寸法を短縮することが可能となる。また、微細加工によって形成された高圧保持機構と低圧保持機構を省略することは製作コストを下げる意味でも好ましい。
[第2の実施形態の変形例]
次に、本発明の第2の実施形態の変形例について図11を参照しつつ説明する。
この変形例は、第2の実施形態の構成に第1の実施形態における高圧保持手段を加えた構成となっている、すなわち、第二制御弁300''は、中央通路339、連通孔340を備えたスプール330''を装着している以外は、第二制御弁330'の構成と共通している。
この追加した高圧保持手段は、切換制御ポート315に高圧油が供給された状態において、高圧室312と制御室313との間で生じる圧力差を直ちに生じさせるように作用するので、例えば、リセット通路225から切換制御ポート315に供給される油量が潤沢ではない場合に特に有効である。これにより、制御室313における高圧保持状態がより確実に行えることとなるので、スプール330''のロングストローク位置を維持することが確実となる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について図12を参照しつつ説明する。
この第3の実施形態は、第2の実施形態の変形例から、開閉弁360、パイロット通路361およびシャトル弁362を省いて、その代わりに、パイロット逆止弁370とパイロット通路371とを備えた構成となっている。
すなわち、ストローク制御通路115に、ストローク制御通路115から切換制御ポート315への圧油の流れを規制し、切換制御ポート315からストローク制御通路115への圧油の流れを許容するようにパイロット逆止弁370を設け、パイロット通路371をバルブ制御通路226に接続している。
このパイロット逆止弁370は、低圧保持手段として確実に作用する。すなわち、パイロット逆止弁370は、スプール330''がショートストローク位置にある時には、ピストン前室101の圧油がストローク制御ポート105を介して制御室313へと流入することを規制し、ショートストロークの設定で第1バルブ200が作動し終えるまでは、パイロット通路371がパイロット逆止弁370の作動状態を保持し続けるので、制御室313の低圧状態を確実に維持することが可能となる。
なお、本発明に係る液圧式打撃装置は、上記実施形態ないし変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能なことは勿論である。
例えば、上記実施形態の液圧式打撃装置は、ピストン前室101を常時高圧とし、ピストン後室102を高圧と低圧とに切り替えてピストン120を前後進させる方式(前室常時高圧後室交番切り換え方式)を例に説明したが、これに限らず、例えば、ピストン後室102を常時高圧とし、ピストン前室101を高圧と低圧とに切り替えてピストン120を前後進させる方式(後室常時高圧前室交番切り換え方式)や、ピストン前室101とピストン後室102とを交互に高圧と低圧とに切り替えてピストン120を前後進させる方式(前後室交番切り換え方式)の液圧式打撃装置に適用することができる。
100 シリンダ
101 ピストン前室
102 ピストン後室
103 前室ポート
104 後室ポート
105 ショートストロークポート(SP)
106 ストローク制御ポート(MP)
107 ロングストロークポート(LP)
108 低圧ポート
110 高圧回路
111 低圧回路
112 前室通路
113 後室通路
114 バルブ制御通路(直結)
115 ストローク制御通路
116 ストローク切換通路
117 低圧通路
120 ピストン
121 前側大径部
122 後側大径部
123 中径部
124 小径部
125 円環溝
200 第一制御弁
201 バルブ
202 中径部
203 大径部
204 小径部
205 排油溝
206 前端面
207 後端面
208 前側段付面
209 後側段付面
210 連通孔
211 スリット溝
212 弁室
213 バルブ前室
214 バルブ主室
215 バルブ後室
216 弁室前端面
217 弁室後端面
218 前側低圧ポート
219 リセットポート
220 弁制御ポート
221 後側低圧ポート
222 後室ポート
223 前室通路
224 前側低圧通路
225 リセット通路
226 バルブ制御通路(スプール経由)
227 後側低圧通路
228 中空通路
300、300'、300'' 第二制御弁(ストローク制御弁)
301 ハウジング
302 第1スリーブ
303、303' 第2スリーブ
304 プラグ
305 スプール室
306 小径部
307 大径部
308 中径部
309 上側端面
310 下側端面
311 スリット状ドレン溝
312 高圧室
313 制御室
314 高圧ポート
315 切換制御ポート
316 低圧ポート
317 バルブ連通ポート
318 シリンダ連通ポート
319 ドレンポート
320 高圧通路
321 低圧通路
322 ドレン通路
330、330'、330'' スプール
331 小径部
332 大径部
333 中径部
334 上側段付面
335 下側段付面
336 連通溝
337 円環状ドレン溝
338 ドレン通路
339 中央通路
340 連通孔
350 逆止弁
360 開閉弁
361 パイロット通路
362 シャトルバルブ
370 パイロット逆止弁
371 パイロット通路
400 バックヘッド
500 フロントヘッド
501 ロッド
F 推力
G ガス
P ポンプ
T タンク

Claims (2)

  1. ショートストロークおよびロングストロークの一方から選択されたストロークによってピストンをシリンダ内で前後進させて打撃用のロッドを打撃する液圧式打撃装置であって、
    ストローク制御用の三つのポートとして、ショートストロークポート、ロングストロークポートおよびこれら二つのポートの間の位置に設けられたストローク制御ポートを有する前記シリンダと、
    該シリンダの内部に摺嵌された前記ピストンと、
    該ピストンの外周面と前記シリンダの内周面との間に画成されて軸方向の前後に離隔配置されたピストン前室およびピストン後室と、
    前記ピストン前室および前記ピストン後室の少なくとも一方を高圧回路および低圧回路の少なくとも一方に切換えて前記ピストンを前記選択されたストロークにて駆動する第一制御弁と、
    前記三つのポートに対する前記ピストンの前後進位置に対応して受圧状態が変わる切換制御ポートと該切換制御ポートの受圧状態に応じてロングストローク位置およびショートストローク位置のいずれかに位置するスプールとを有し且つ該スプールの位置により前記第一制御弁における前記ストロークを選択する第二制御弁と、
    前記第二制御弁のスプールが前記ロングストローク位置にあるときの前記切換制御ポートの受圧状態を高圧に保持する高圧保持手段と前記第二制御弁のスプールが前記ショートストローク位置にあるときの前記切換制御ポートの受圧状態を低圧に保持する低圧保持手段とを有する制御圧保持機構と、を備え、
    前記高圧保持手段は、前記第二制御弁のスプールが前記ロングストローク位置にあるときに前記切換制御ポートと前記高圧回路とを接続する高圧保持流路を構成するとともに前記ショートストローク位置にあるときには該高圧保持流路を遮断し、
    前記低圧保持手段は、前記第二制御弁のスプールが前記ショートストローク位置にあるときに前記切換制御ポートと前記低圧回路とを接続する低圧保持流路を構成するとともに前記ロングストローク位置にあるときには該低圧保持流路を遮断する、
    ことを特徴とする液圧式打撃装置。
  2. ショートストロークおよびロングストロークの一方から選択されたストロークによってピストンをシリンダ内で前後進させて打撃用のロッドを打撃する液圧式打撃装置であって、
    ストローク制御用の三つのポートとして、ショートストロークポート、ロングストロークポートおよびこれら二つのポートの間の位置に設けられたストローク制御ポートを有する前記シリンダと、
    該シリンダの内部に摺嵌された前記ピストンと、
    該ピストンの外周面と前記シリンダの内周面との間に画成されて軸方向の前後に離隔配置されたピストン前室およびピストン後室と、
    前記ピストン前室および前記ピストン後室の少なくとも一方を高圧回路および低圧回路の少なくとも一方に切換えて前記ピストンを前記選択されたストロークにて駆動する第一制御弁と、
    前記三つのポートに対する前記ピストンの前後進位置に対応して受圧状態が変わる切換制御ポートと該切換制御ポートの受圧状態に応じてロングストローク位置およびショートストローク位置のいずれかに位置するスプールとを有し且つ該スプールの位置により前記第一制御弁における前記ストロークを選択する第二制御弁と、
    前記第二制御弁のスプールが前記ロングストローク位置にあるときの前記切換制御ポートの受圧状態と前記第二制御弁のスプールが前記ショートストローク位置にあるときの前記切換制御ポートの受圧状態とを保持する制御圧保持機構と、
    を備え、
    前記制御圧保持機構は、前記切換制御ポートからの圧油の排出が必要なときにのみ当該切換制御ポートと前記ストローク制御ポートとを連通させ、それ以外のときは当該切換制御ポートと前記ストローク制御ポートとの連通を遮断する開閉弁であることを特徴とする液圧式打撃装置。
JP2018047075A 2018-03-14 2018-03-14 液圧式打撃装置 Active JP7057171B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018047075A JP7057171B2 (ja) 2018-03-14 2018-03-14 液圧式打撃装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018047075A JP7057171B2 (ja) 2018-03-14 2018-03-14 液圧式打撃装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019155547A JP2019155547A (ja) 2019-09-19
JP7057171B2 true JP7057171B2 (ja) 2022-04-19

Family

ID=67995510

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018047075A Active JP7057171B2 (ja) 2018-03-14 2018-03-14 液圧式打撃装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7057171B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009275764A (ja) 2008-05-13 2009-11-26 Daiden Co Ltd 方向切換弁装置
JP2017127917A (ja) 2016-01-19 2017-07-27 古河ロックドリル株式会社 液圧式打撃装置
JP2017226065A (ja) 2016-06-24 2017-12-28 古河ロックドリル株式会社 液圧式打撃装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04138104U (ja) * 1991-06-19 1992-12-24 住友イートン機器株式会社 直列2速走行モータ装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009275764A (ja) 2008-05-13 2009-11-26 Daiden Co Ltd 方向切換弁装置
JP2017127917A (ja) 2016-01-19 2017-07-27 古河ロックドリル株式会社 液圧式打撃装置
JP2017226065A (ja) 2016-06-24 2017-12-28 古河ロックドリル株式会社 液圧式打撃装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019155547A (ja) 2019-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102227817B1 (ko) 액압식 타격 장치
JP6713778B2 (ja) 液圧式打撃装置
US20220055196A1 (en) Hydraulic Hammering Device
CN104220798A (zh) 流体压控制装置
JP6713853B2 (ja) 液圧式打撃装置
KR20160096081A (ko) 유체압 제어 장치
JP7057171B2 (ja) 液圧式打撃装置
JP2003311651A (ja) 液圧式打撃装置のストローク調整機構
KR102163473B1 (ko) 액압식 타격장치
JP7359584B2 (ja) 液圧式打撃装置
JP4488694B2 (ja) 液圧式打撃装置
JP7431067B2 (ja) 液圧式打撃装置
US20160001432A1 (en) Breaking device
JP6495672B2 (ja) 液圧式打撃装置、並びにバルブタイミングの切換方法およびバルブポートの設定方法
KR101149834B1 (ko) 공타방지장치가 구비된 유압브레이커
JP7390940B2 (ja) 液圧式打撃装置
JP7460491B2 (ja) 液圧式打撃装置
JP2000271878A (ja) 液圧式打撃装置のストローク調整装置
JP2000326261A (ja) 液圧式打撃装置
JPS6154916B2 (ja)
JPH078141Y2 (ja) 油圧打撃工具
JPH0763940B2 (ja) 衝撃動工具
JP2001032661A (ja) さく孔装置
KR20240032406A (ko) 자동 또는 수동 행정거리 전환기능이 구비된 유압 브레이커 및 이를 이용하는 유압 브레이커의 행정거리 모드전환 제어방법
JPH05337845A (ja) 油圧さく岩機の打撃機構

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20210203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210922

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210928

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211021

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220315

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220407

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7057171

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150