JP7056594B2 - 缶用鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、缶用鋼板およびその製造方法に関する。
飲料や食品に適用される容器である缶は、内容物を長期保管できることから世界中で使用されている。缶は、金属板に絞り、しごき、引張、曲げ加工を施して、缶底部と缶胴部とを一体成形した後に、上蓋によって巻き締める2ピース缶と、金属板を筒状に加工し、ワイヤーシーム方式で溶接した缶胴部とその両端とを蓋で巻き締める3ピース缶とに大別される。
従来、缶用鋼板として、Snめっき鋼板(いわゆるぶりき)が広く使用されている。
近年は、金属クロム層およびクロム水和酸化物層を有する電解クロメート処理鋼板(以下、ティンフリースチール(TFS)ともいう)が、ぶりきよりも安価であることから、適用範囲が拡大しつつある。
一方で、TFSは、ぶりきと比較して溶接性に劣る場合がある。その理由は、塗装後の焼付け処理や、有機樹脂フィルムをラミネートした後の熱処理により、表層のクロム水和酸化物層が脱水縮合反応を起こし、接触抵抗が増大するためである。
そのため、現状のTFSは、溶接直前にクロム水和酸化物層を機械的に研磨して除去することで溶接を可能としている。
しかし、工業的な生産においては、研磨後の金属粉が内容物に混入するリスク、製缶装置の清掃などメンテナンス負荷の増加、金属粉による火災発生のリスク等の問題も多い。
そこで、TFSを無研磨で溶接するため技術が、例えば、特許文献1に提案されている。特許文献1に示される技術によれば、金属クロムからなる粒状突起が、溶接時に、表層の溶接阻害因子であるクロム水和酸化物層を破壊することにより、接触抵抗が低減し、溶接性が改善することが期待される。
特開平11-189898号公報
しかしながら、本発明者らが、特許文献1の段落[0035]~[0037]に具体的に記載された缶用鋼板(本発明例4)を検討した結果、塗料密着性が不十分である場合があった。
そこで、本発明は、塗料密着性に優れる缶用鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、クロム水和酸化物層の最表面が特定のパラメータを満たすことにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[9]を提供する。
[1]鋼板の表面に、上記鋼板側から順に、金属クロム層およびクロム水和酸化物層を有し、上記クロム水和酸化物層のクロム換算の付着量が、3.0mg/m以上10.0mg/m以下であり、上記クロム水和酸化物層の最表面のX線光電子分光により求められる、クロム酸化物に対するクロム水酸化物のピーク面積比が1.00以下である、缶用鋼板。
[2]上記ピーク面積比が、0.80以上である、上記[1]に記載の缶用鋼板。
[3]上記金属クロム層の付着量が、50mg/m以上200mg/m以下である、上記[1]または[2]に記載の缶用鋼板。
[4]上記金属クロム層が、基部と、上記基部上に設けられた粒状突起と、を含む、上記[1]~[3]のいずれかに記載の缶用鋼板。
[5]上記粒状突起は、最大粒径が150nm以下であり、単位面積あたりの個数密度が10個/μm以上である、上記[4]に記載の缶用鋼板。
[6]上記[1]~[5]のいずれかに記載の缶用鋼板を得る、缶用鋼板の製造方法であって、六価クロム化合物を含有する水溶液を用いて、鋼板に対して、陰極電解処理C1、陽極電解処理A1、陰極電解処理C2、および、陽極電解処理A2を、この順に施し、上記陽極電解処理A2の電気量密度が、0.1C/dm以上5.0C/dm以下である、缶用鋼板の製造方法。
[7]上記水溶液が、六価クロム化合物、フッ素含有化合物、および、SO 2-を含有する第1の水溶液と、六価クロム化合物、および、フッ素含有化合物を含有し、SO 2-を実質的に含有しない第2の水溶液と、を含み、上記第1の水溶液を用いて、上記陰極電解処理C1を施し、上記第2の水溶液を用いて、上記陽極電解処理A1、上記陰極電解処理C2、および、上記陽極電解処理A2を施す、上記[6]に記載の缶用鋼板の製造方法。
[8]上記第1の水溶液は、Cr量が0.5mol/L以上、F量が0.20mol/L以上、SO 2-量が0.009mol/L以上であり、上記第2の水溶液は、Cr量が0.5mol/L以上、F量が0.05mol/L以上である、上記[7]に記載の缶用鋼板の製造方法。
[9]上記陽極電解処理A2が、最終の電解処理である、上記[6]~[8]のいずれかに記載の缶用鋼板の製造方法。
本発明によれば、塗料密着性に優れる缶用鋼板およびその製造方法を提供できる。
本発明の缶用鋼板の一例を模式的に示す断面図である。
[缶用鋼板]
図1は、本発明の缶用鋼板の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、鋼板2を有する。缶用鋼板1は、更に、鋼板2の表面に、鋼板2側から順に、金属クロム層3およびクロム水和酸化物層4を有する。
金属クロム層3は、鋼板2を覆う平板状の基部3aと、基部3a上に設けられた粒状突起3bとを含むことが好ましい。この場合、クロム水和酸化物層4は、粒状突起3bの形状に追従するように、金属クロム層3上に配置される。クロム水和酸化物層4のクロム換算の付着量は、3.0mg/m以上10.0mg/m以下である。付着量は鋼板片面当たりの付着量である(以下、同様)。
そして、クロム水和酸化物層4の最表面のX線光電子分光により求められる、クロム酸化物に対するクロム水酸化物のピーク面積比(クロム水酸化物/クロム酸化物)が1.00以下である。
このような本発明の缶用鋼板は、塗料密着性に優れる。その理由は、以下のように推測される。
まず、クロム水和酸化物層を構成するクロム水和酸化物は、クロム酸化物およびクロム水酸化物を含む。このうち、クロム水酸化物(とりわけ、クロム水酸化物が有するヒドロキシ基)が塗料密着性に効く。このため、塗料密着性のためには、ある程度のクロム水和酸化物(クロム水酸化物)が必要であり、クロム水和酸化物層のクロム換算の付着量を3.0mg/m以上にする。
もっとも、クロム水和酸化物(クロム水酸化物)が多すぎると、クロム水和酸化物層そのものが凝集破壊を起こし、良好な塗料密着性が得られない場合がある。
そこで、クロム水和酸化物層のクロム換算の付着量を10.0mg/m以下にし、かつ、クロム水和酸化物層の最表面のX線光電子分光により求められるピーク面積比(クロム水酸化物/クロム酸化物)を1.00以下にする。
これにより、クロム水和酸化物(クロム水酸化物)が適量となり、良好な塗料密着性が得られる。
以下、本発明の缶用鋼板の各構成について、より詳細に説明する。
〈鋼板〉
鋼板の種類は特に限定されない。通常、容器材料として使用される鋼板(例えば、低炭素鋼板、極低炭素鋼板)を用いることができる。この鋼板の製造方法、材質なども特に限定されない。通常の鋼片製造工程から熱間圧延、酸洗、冷間圧延、焼鈍、調質圧延等の工程を経て製造される。
〈金属クロム層〉
本発明の缶用鋼板は、上述した鋼板の表面に、金属クロム層を有する。
一般的なTFSにおける金属クロムの役割は、鋼板の表面露出を抑えて耐食性を向上させることにある。
缶用鋼板の耐食性が優れるという理由から、金属クロム層の付着量は、50mg/m以上が好ましく、60mg/m以上がより好ましく、65mg/m以上が更に好ましく、70mg/m以上が特に好ましい。
一方、金属クロム量が多すぎると、高融点の金属クロムが鋼板全面を覆うことになり、溶接時に溶接強度の低下やチリの発生が著しくなり、溶接性が劣化する場合がある。
缶用鋼板の溶接性が優れるという理由から、金属クロム層の付着量は、200mg/m以下が好ましく、180mg/m以下がより好ましく、160mg/m以下が更に好ましい。
《付着量の測定方法》
金属クロム層の付着量、および、後述するクロム水和酸化物層のクロム換算の付着量は、次のようにして測定する。
まず、金属クロム層およびクロム水和酸化物層を形成させた缶用鋼板について、蛍光X線装置を用いて、クロム量(全クロム量)を測定する。次いで、缶用鋼板を、90℃の7.5N-NaOH中に10分間浸漬させるアルカリ処理を行なってから、再び、蛍光X線装置を用いて、クロム量(アルカリ処理後クロム量)を測定する。アルカリ処理後クロム量を、金属クロム層の付着量とする。
次に、(アルカリ可溶性クロム量)=(全クロム量)-(アルカリ処理後クロム量)を計算し、アルカリ可溶性クロム量を、クロム水和酸化物層のクロム換算の付着量とする。
このような金属クロム層は、基部と、基部上に設けられた粒状突起と、を含むことが好ましい。次に、金属クロム層が含むこれらの各部について、詳細に説明する。
《金属クロム層の基部》
金属クロム層の基部は、主に、鋼板表面を被覆し、耐食性を向上させる役割を担う。
本発明における金属クロム層の基部は、一般的にTFSに要求される耐食性に加えて、ハンドリング時に不可避的に缶用鋼板どうしが接触した際に、表層に設けられた粒状突起が基部を破壊して鋼板が露出しないように、均一な厚みを十分に確保していることが好ましい。
本発明者らは、このような観点から、缶用鋼板どうしの擦過試験を行ない、耐錆性を調査した。その結果、金属クロム層の基部の厚さが7.0nm以上であれば、耐錆性に優れることを見出した。すなわち、金属クロム層の基部の厚さは、缶用鋼板の耐錆性が優れるという理由から、7.0nm以上が好ましく、9.0nm以上がより好ましく、10.0nm以上が更に好ましい。
一方、金属クロム層の基部の厚さの上限は、特に限定されないが、例えば、20.0nm以下であり、15.0nm以下が好ましい。
(厚さの測定方法)
金属クロム層の基部の厚さは、次のようにして測定する。
まず、金属クロム層およびクロム水和酸化物層を形成させた缶用鋼板の断面サンプルを、集束イオンビーム(FIB)法で作製し、走査透過電子顕微鏡(TEM)で20,000倍にて観察する。次いで、明視野像での断面形状観察で、粒状突起がなく基部のみが存在する部分に注目し、エネルギー分散型X線分光法(EDX)によるライン分析で、クロムおよび鉄の強度曲線(横軸:距離、縦軸:強度)から基部の厚さを求める。このとき、より詳細には、クロムの強度曲線において、強度が最大値の20%である点を最表層として、鉄の強度曲線とのクロス点を鉄との境界点として、2点間の距離を基部の厚さとする。
缶用鋼板の耐錆性が優れるという理由から、金属クロム層の基部の付着量は、10mg/m以上が好ましく、30mg/m以上がより好ましく、40mg/m以上が更に好ましい。
《金属クロム層の粒状突起》
金属クロム層の粒状突起は、上述した基部の表面に形成されており、主として、缶用鋼板どうしの接触抵抗を低下させて溶接性を向上させる役割を担う。接触抵抗が低下する推定のメカニズムを以下に記述する。
金属クロム層の上に被覆されるクロム水和酸化物層は、不導体皮膜であるため、金属クロムよりも電気抵抗が大きく、溶接の阻害因子になる。金属クロム層の基部の表面に粒状突起を形成させると、溶接する際の缶用鋼板どうしの接触時の面圧により、粒状突起がクロム水和酸化物層を破壊して、溶接電流の通電点になり、接触抵抗が大幅に低下する。
金属クロム層の粒状突起が少なすぎると、溶接時の通電点が減少し接触抵抗を低下できなくなって溶接性に劣る場合がある。
缶用鋼板の溶接性が優れるという理由から、粒状突起の単位面積あたりの個数密度は、10個/μm以上が好ましい。缶用鋼板の溶接性がより優れるという理由からは、15個/μm以上が好ましく、20個/μm以上がより好ましく、30個/μm以上が更に好ましく、50個/μm以上が特に好ましく、100個/μm以上が最も好ましい。
一方、粒状突起の単位面積あたりの個数密度が高すぎると、色調等に影響を与える場合がある。粒状突起の単位面積あたりの個数密度は、缶用鋼板の表面外観が優れるという理由から、10,000個/μm以下が好ましく、5,000個/μm以下がより好ましく、1,000個/μm以下が更に好ましく、800個/μm以下が特に好ましい。
金属クロム層の粒状突起の最大粒径が大きすぎると、缶用鋼板の色調等に影響を与え、褐色模様となり、表面外観が劣る場合がある。その理由としては、粒状突起が、短波長側(青系)の光を吸収し、その反射光が減衰することで、赤茶系の色を呈する;粒状突起が、反射光を散乱することで、全体的な反射率が低減することで暗くなる;等の理由が考えられる。
そこで、金属クロム層の粒状突起の最大粒径は、150nm以下が好ましく、140nm以下がより好ましく、130nm以下が更に好ましく、110nm以下が特に好ましい。これにより、缶用鋼板の表面外観が優れる。これは、粒状突起が小径化することで、短波長側の光の吸収が抑制されたり、反射光の散乱が抑制されたりするためと考えられる。
最大粒径の下限は、特に限定されないが、例えば、10nm以上が好ましい。
(粒状突起の粒径および単位面積あたりの個数密度の測定方法)
金属クロム層の粒状突起の粒径および単位面積あたりの個数密度は、次のようにして測定する。
まず、金属クロム層およびクロム水和酸化物層を形成させた缶用鋼板の表面に、カーボン蒸着を行ない、抽出レプリカ法によって観察用サンプルを作製し、その後、走査透過電子顕微鏡(TEM)で20,000倍にて写真を撮影し、撮影した写真をソフトウェア(商品名:ImageJ)を用いて二値化して画像解析を行なうことで、粒状突起の占める面積から逆算し、真円換算として粒径および単位面積あたりの個数密度を求める。最大粒径は20,000倍で5視野撮影した観察視野での最大の粒径とし、単位面積あたりの個数密度は5視野の平均とする。
〈クロム水和酸化物層〉
クロム水和酸化物は、鋼板の表面に、金属クロムと同時に析出し、耐食性を向上させる役割を担う。また、クロム水和酸化物は、上述したように、塗料密着性を向上させる。
《付着量》
缶用鋼板の耐食性および塗料密着性を確保する理由から、クロム水和酸化物層のクロム換算の付着量は、3.0mg/m以上である。
一方、クロム水和酸化物は、金属クロムと比較して導電率が劣り、量が多すぎると溶接時に過大な抵抗となり、チリやスプラッシュの発生および過融接に伴うブローホールなどの各種溶接欠陥を引き起こし、缶用鋼板の溶接性が劣る場合がある。
また、上述したように、クロム水和酸化物が多すぎると、良好な塗料密着性が得られない場合がある。
このため、クロム水和酸化物層のクロム換算の付着量は、缶用鋼板の溶接性および塗料密着性が優れるという理由から、10.0mg/m以下であり、缶用鋼板の溶接性および塗料密着性がより優れるという理由から、9.0mg/m以下が好ましく、8.0mg/m以下がより好ましく、7.0mg/m以下が更に好ましい。
クロム水和酸化物層のクロム換算の付着量の測定方法は、上述したとおりである。
《ピーク面積比》
そして、上述したように、缶用鋼板の塗料密着性が優れるという理由から、クロム水和酸化物層の最表面のX線光電子分光により求められる、クロム酸化物に対するクロム水酸化物のピーク面積比(以下、単に「ピーク面積比(クロム水酸化物/クロム酸化物)」ともいう)が、1.00以下である。
缶用鋼板の塗料密着性がより優れるという理由から、クロム水和酸化物層のピーク面積比(クロム水酸化物/クロム酸化物)は、0.98以下が好ましく、0.95以下がより好ましく、0.90以下が更に好ましい。
一方、上述したように、塗料密着性のためには、ある程度のクロム水酸化物が必要であり、缶用鋼板の塗料密着性がより優れるという理由からは、クロム水和酸化物層のピーク面積比(クロム水酸化物/クロム酸化物)は、0.70以上が好ましく、0.75以上がより好ましく、0.80以上が更に好ましい。
クロム水和酸化物層のピーク面積比(クロム水酸化物/クロム酸化物)は、クロム水和酸化物層の最表面のX線光電子分光により求める。
より詳細には、まず、金属クロム層およびクロム水和酸化物層を形成させた缶用鋼板を超高真空中に置き、下記条件にて、X線光電子分光により、クロム水和酸化物層の最表面のO(1s)スペクトルを得る。得られたO(1s)スペクトルを、バックグラウンド補正したうえで、530.3±0.5eVに現れるクロム酸化物のピーク、531.8±0.5eVに現れるクロム水酸化物のピーク、および、532.5±0.5eVに現れるHOのピークに分離する。ピークの分離は、ガウス-ローレンツ複合関数を用いた非線形最小二乗法によるカーブフィッティング法で行なう。次いで、分離した各ピークの面積を求める。
こうして、クロム水和酸化物層の最表面について、クロム酸化物のピーク面積に対するクロム水酸化物のピーク面積の比、すなわち、ピーク面積比(クロム水酸化物/クロム酸化物)を求める。
(X線光電子分光の条件)
・測定装置:Ulvac-PHI社製X-tool
・励起源:monoAl Kα 25W×15kV
・分析サイズ:100μmφ
・取り出し角角度:45°
・Pass Energy
Survey scan:280.0eV
Narrow scan:112.0eV
[缶用鋼板の製造方法]
次に、本発明の缶用鋼板の製造方法を説明する。
本発明の缶用鋼板の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」ともいう)は、概略的には、上述した本発明の缶用鋼板を製造する方法であって、六価クロム化合物を含有する水溶液を用いて、鋼板に対して、陰極電解処理C1、陽極電解処理A1、陰極電解処理C2、および、陽極電解処理A2を、この順に施す、缶用鋼板の製造方法である。
一般的に、六価クロム化合物を含む水溶液中での陰極電解処理では、鋼板表面で還元反応が発生し、金属クロムと、その表面に金属クロムへの中間生成物であるクロム水和酸化物とが析出する。このクロム水和酸化物は、断続的に電解処理が行なわれたり、六価クロム化合物の水溶液中にて長く浸漬されたりすることで、不均一に溶解し、その後の陰極電解処理で金属クロムからなる粒状突起が形成される。
陰極電解処理の合間に陽極電解処理を行なうことで、鋼板全面かつ多発的に金属クロムが溶解し、その後の陰極電解処理で形成される金属クロムからなる粒状突起の起点となる。陽極電解処理A1前の陰極電解処理C1で金属クロム層の基部が析出し、陽極電解処理A1後の陰極電解処理C2で金属クロム層の粒状突起が析出する。
そして、陰極電解処理C2後に、陽極電解処理A2を施すことにより、過剰に形成されたクロム水和酸化物層が削られ(溶解し)、最表面のクロム水酸化物が適度に低減する。
各々の析出量は、各電解処理における電解条件で、コントロール可能である。
以下、本発明の製造方法に用いる水溶液および各電解処理について、詳細に説明する。
〈水溶液〉
本発明の製造方法に用いる水溶液は、少なくとも、六価クロム化合物を含有する。
本発明の製造方法に用いる水溶液は、陰極電解処理C1に用いる水溶液(第1の水溶液)と、陽極電解処理A1、陰極電解処理C2、および、陽極電解処理A2に用いる水溶液(第2の水溶液)とを含むことが好ましい。
《第1の水溶液》
上述したように、第1の水溶液を用いて、陰極電解処理C1を施すことが好ましい。
第1の水溶液は、六価クロム化合物、フッ素含有化合物、および、SO 2-を含有することが好ましい。
フッ素含有化合物から解離するイオン(例えば、F、SiF 2-)およびSO 2-は、電解処理における六価クロムイオンの還元反応および酸化反応に関与する。
SO 2-は、陰極電解処理における金属クロムの析出効率を向上させる。陰極電解処理において、SO 2-を含まない水溶液を用いるよりも、長時間安定して金属クロム層の基部を高効率で析出させる。
六価クロム化合物としては、例えば、三酸化クロム(CrO);二クロム酸カリウム(KCr7)などの二クロム酸塩;クロム酸カリウム(KCrO)などのクロム酸塩;等が挙げられる。
フッ素含有化合物としては、例えば、フッ化水素酸(HF)、フッ化カリウム(KF)、フッ化ナトリウム(NaF)、ケイフッ化水素酸(HSiF)および/またはその塩などが挙げられる。ケイフッ化水素酸の塩としては、例えば、ケイフッ化ナトリウム(NaSiF)、ケイフッ化カリウム(KSiF)、ケイフッ化アンモニウム((NHSiF)などが挙げられる。
SO 2-は、例えば、硫酸(HSO);硫酸ナトリウム(NaSO)、硫酸カルシウム(CaSO)などの硫酸塩;等の態様で配合され、硫酸の態様で配合されることが好ましい。
(Cr量)
第1の水溶液において、Cr量は、0.5mol/L以上が好ましく、0.7mol/L以上がより好ましく、1.0mol/L以上が更に好ましい。
一方、第1の水溶液において、Cr量は、5.0mol/L以下が好ましく、3.0mol/L以下がより好ましい。
(F量)
第1の水溶液において、F量は、0.10mol/L以上が好ましく、0.15mol/L以上がより好ましく、0.20mol/L以上が更に好ましく、0.25mol/L以上が特に好ましい。
一方、第1の水溶液において、F量は、5.00mol/L以下が好ましく、4.00mol/L以下がより好ましく、3.00mol/L以下がより好ましい。
(SO 2-量)
第1の水溶液において、SO 2-量は、0.003mol/L以上が好ましく、0.005mol/L以上がより好ましく、0.009mol/L以上が更に好ましい。
一方、第1の水溶液において、SO 2-量は、0.090mol/L以下が好ましく、0.080mol/L以下がより好ましく、0.070mol/L以下が更に好ましい。
《第2の水溶液》
上述したように、第2の水溶液を用いて、陽極電解処理A1、陰極電解処理C2、および、陽極電解処理A2を施すことが好ましい。
第2の水溶液は、六価クロム化合物、および、フッ素含有化合物を含有し、SO 2-を実質的に含有しないことが好ましい。
六価クロム化合物およびフッ素含有化合物としては、第1の水溶液の含有成分として記載した六価クロム化合物およびフッ素含有化合物が好適に挙げられる。
第2の水溶液において、フッ素含有化合物は、浸漬時のクロム水和酸化物の溶解、および、陽極電解処理(陽極電解処理A1)時の金属クロムおよびクロム水和酸化物の溶解に影響し、その後の陰極電解処理(陰極電解処理C2)で析出する金属クロムの形態に大きな影響を与える。
同様の効果は、SO 2-でも得られるが、効果が過剰となり、クロム水和酸化物の不均一溶解を起因として局所的に巨大な粒状突起が形成されたり、陽極電解処理(陽極電解処理A1)での金属クロム溶解が激しく進行したりして、微細な粒状突起の形成が困難になる場合がある。
このため、第2の水溶液には、不可避的に混入するSO 2-を除きSO 2-を含有させない。すなわち、第2の水溶液は、SO 2-を実質的に含有しない。
(Cr量)
第2の水溶液において、Cr量は、0.1mol/L以上が好ましく、0.3mol/L以上がより好ましく、0.5mol/L以上が更に好ましい。
一方、第2の水溶液において、Cr量は、5.0mol/L以下が好ましく、3.0mol/L以下がより好ましい。
(F量)
第2の水溶液において、F量は、0.01mol/L以上が好ましく、0.03mol/L以上がより好ましく、0.05mol/L以上が更に好ましい。これにより、陽極電解処理A1において、全面均一に微細な金属クロムの溶解が発生し、陰極電解処理C2における微細な粒状突起の発生サイトが得られやすい。
一方、第2の水溶液において、F量は、0.50mol/L以下が好ましく、0.40mol/L以下がより好ましく、0.30mol/L以下が更に好ましい。
第2の水溶液は、SO 2-を実質的に含有しない。具体的には、第2の水溶液におけるSO 2-量は、0.0010mol/L未満が好ましく、0.0001mol/L未満がより好ましい。
各電解処理における各水溶液の液温は、20℃以上80℃以下が好ましく、40℃以上60℃以下がより好ましい。
〈陰極電解処理C1〉
陰極電解処理C1では、上述した第1の水溶液を用いることが好ましい。
陰極電解処理C1では、金属クロムおよびクロム水和酸化物を析出させる。
このとき、適切な析出量とする観点から、陰極電解処理C1の電気量密度(電流密度と通電時間との積)は、5C/dm以上が好ましく、10C/dm以上がより好ましい。一方、陰極電解処理C1の電気量密度は、50C/dm以下が好ましく、45C/dm以下がより好ましい。
陰極電解処理C1の電流密度(単位:A/dm)および通電時間(単位:sec.)は、上記の電気量密度から、適宜設定される。
〈陽極電解処理A1〉
陽極電解処理A1では、上述した第2の水溶液を用いることが好ましい。
陽極電解処理A1は、陰極電解処理C1で析出した金属クロムを溶解させて、陰極電解処理C2における金属クロム層の粒状突起の発生サイトを形成する役割を担う。
このとき、陽極電解処理A1での溶解が強すぎたり弱すぎたりすると、発生サイトが減少し、粒状突起の個数密度が減少したり、不均一に溶解が進行して粒状突起の分布にばらつきが生じたり、金属クロム層の基部の厚さが低減したりする場合がある。特に、陽極電解処理A1の電気量密度が低すぎると、陰極電解処理C2によって形成される粒状突起の粒径が小さくなりすぎる場合がある。
以上の観点から、陽極電解処理A1の電気量密度(電流密度と通電時間との積)は、0.1C/dm以上が好ましく、0.3C/dm以上がより好ましく、1.0C/dm以上が更に好ましい。一方、陽極電解処理A1の電気量密度は、5.0C/dm未満が好ましく、3.0C/dm以下がより好ましい。
陽極電解処理A1の電流密度(単位:A/dm)および通電時間(単位:sec.)は、上記の電気量密度から、適宜設定される。
〈陰極電解処理C2〉
陰極電解処理C2では、上述した第2の水溶液を用いることが好ましい。
陰極電解処理C2では、上述した発生サイトを起点として、金属クロム層の粒状突起を生成させる。このとき、電気量密度が高すぎると、金属クロム層の粒状突起が急激に成長し、粒径が粗大となる場合がある。
以上の観点から、陰極電解処理C2の電気量密度(電流密度と通電時間との積)は、50.0C/dm未満が好ましく、45.0C/dm以下がより好ましい。一方、陰極電解処理C2の電気量密度は、例えば、1.0C/dm以上であり、2.0C/dm以上が好ましく、5.0C/dm以上がより好ましく、10.0C/dm以上が更に好ましく、15.0C/dm以上が特に好ましく、20.0C/dm以上が最も好ましい。
陰極電解処理C2の電流密度(単位:A/dm)および通電時間(単位:sec.)は、上記の電気量密度から、適宜設定される。
〈陽極電解処理A2〉
陽極電解処理A2では、上述した第2の水溶液を用いることが好ましい。
陽極電解処理A2は、陰極電解処理C2で析出したクロム水和酸化物の一部を溶解させる役割を担う。
このとき、陽極電解処理A2の電気量密度が高すぎるとクロム水和酸化物が過剰に溶解したり、不均一溶解したりする場合がある。一方で、陽極電解処理A2の電気量密度が低すぎると、クロム水和酸化物が十分に溶解せずに、上述した効果が得られにくい場合がある。
以上の観点から、陽極電解処理A2の電気量密度(電流密度と通電時間との積)は、0.1C/dm以上5.0C/dm以下である。
陽極電解処理A2の電気量密度は、缶用鋼板の塗料密着性がより優れるという理由からは、0.5C/dm以上が好ましく、1.0C/dm以上がより好ましく、2.0C/dm以上が更に好ましい。
一方、陽極電解処理A2の電気量密度は、4.0C/dm以下が好ましい。
陽極電解処理A2の電流密度(単位:A/dm)および通電時間(単位:sec.)は、上記の電気量密度から、適宜設定される。
陽極電解処理A2は、最終の電解処理であることが好ましい。すなわち、陽極電解処理A2の後に、更に別の電解処理(特に陰極電解処理)を行なわないことが好ましい。
陰極電解処理C1、陽極電解処理A1、陰極電解処理C2、および、陽極電解処理A2のパス数は、1パスであっても、2パス以上であってもよい。2パス以上の場合、トータルの電気量密度が上記範囲内であるものとする。
また、陰極電解処理C1、陽極電解処理A1、陰極電解処理C2、および、陽極電解処理A2は、連続電解処理でなくてもよい。すなわち、工業生産上、複数の電極に分けて電解することにより不可避的に無通電浸漬時間が存在する断続電解処理であってもよい。断続電解処理の場合、トータルの電気量密度が上記範囲内であるものとする。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
〈缶用鋼板の作製〉
0.22mmの板厚で製造した調質度T4CAの鋼板に対して、通常の脱脂および酸洗を施し、次いで、下記表1に示す水溶液を流動セルでポンプにより100mpm相当で循環させ、鉛電極を使用し、下記表2に示す条件で電解処理を施して、TFSである缶用鋼板を作製した。作製後の缶用鋼板は、水洗し、ブロアを用いて室温で乾燥した。
より詳細には、第1の水溶液を用いて、陰極電解処理C1を行ない、次いで、第2の水溶液を用いて、陽極電解処理A1、陰極電解処理C2および陽極電解処理A2をこの順に行なった。
一部の比較例では、一部の電解処理を行なわなかった。その場合、下記表2には「-」を記載した。
〈付着量など〉
作製した缶用鋼板について、金属クロム層の付着量、および、クロム水和酸化物層のクロム換算の付着量(下記表2では単に「付着量」と表記)を測定した。測定方法は、上述したとおりである。
また、作製した缶用鋼板の金属Cr層について、粒状突起の最大粒径および単位面積あたりの個数密度を測定した。測定方法は、上述したとおりである。
いずれも結果を下記表2に示す。測定しなかった場合は下記表2に「-」を記載した。
〈ピーク面積比〉
作製した缶用鋼板におけるクロム水和酸化物層の最表面について、上述した方法に従い、X線光電子分光により、ピーク面積比(クロム水酸化物/クロム酸化物)を求めた(下記表2では単に「ピーク面積比」と表記)。結果を下記表2に示す。
〈評価〉
作製した缶用鋼板について、以下の評価を行なった。評価結果は下記表2に示す。評価しなかった場合は下記表2に「-」を記載した。
《表面外観》
作製した缶用鋼板のL値を、旧JIS Z 8730(1980)において規定されるハンター式色差測定に基づいて測定し、下記基準で評価した。実用上、「◎◎」、「◎」または「○」であれば、表面外観に優れると評価できる。
◎◎:L値70以上
◎:L値67以上、70未満
○:L値63以上、67未満
△:L値60以上、63未満
×:L値60未満
《溶接性》
作製した缶用鋼板について、有機樹脂フィルムラミネートの熱圧着および後加熱をシミュレートした熱処理を行なった後、接触抵抗を測定した。
より詳細には、まず、作製した缶用鋼板を、フィルムラミネート装置に、ロール加圧4kg/cm、板送り速度40mpm、ロール通過後の板の表面温度が160℃となる条件で通板させ、次いで、バッチ炉中で後加熱(到達板温210℃で120秒保持)した。こうして、缶用鋼板に熱処理を施した。熱処理後の缶用鋼板を重ね合わせた。重ね合わせた缶用鋼板を、電極(先端径6mm、曲率R40mmとして加工した、DR型1質量%Cr-Cu電極)で挟み込んで、加圧力1kgf/cmとして15秒保持した後、10Aで通電し、缶用鋼板どうしの接触抵抗を測定した。10点測定した平均値を、接触抵抗値とし、下記基準で評価した。
実用上、「◎◎」、「◎」または「○」であれば、溶接性に優れると評価できる。
◎◎:接触抵抗50μΩ以下
◎:接触抵抗50μΩ超、100μΩ以下
○:接触抵抗100μΩ超、300μΩ以下
△:接触抵抗300μΩ超、1000μΩ以下
×:接触抵抗1000μΩ超
《塗料密着性》
作製した缶用鋼板に、エポキシフェノール系塗料を50mg/mで塗布し、210℃で10分間焼付した。焼付後の2枚の缶用鋼板の塗装面間に、ナイロンフィルムを挟み、190℃で1分間予熱し、次いで、30秒間、3kgf/cmで圧着し、その後、5mm幅にせん断した。缶用鋼板どうしの剥離強度を、3.33mm/sec.の引張速度で測定し、下記基準で評価した。
実用上、「◎◎」、「◎」または「○」であれば、塗料密着性に優れると評価できる。
◎◎:剥離強度4.0kgf/5cm以上、4.5kgf/5cm未満
◎:剥離強度3.5kgf/5cm以上、4.0kgf/5cm未満
○:剥離強度3.0kgf/5cm以上、3.5kgf/5cm未満
△:剥離強度2.5kgf/5cm以上、3.0kgf/5cm未満
×:剥離強度2.5kgf/5cm未満
Figure 0007056594000001
Figure 0007056594000002
上記表2に示す結果から明らかなように、発明例1~8の缶用鋼板は、塗料密着性に優れ、表面外見および溶接性も良好であった。
これに対して、クロム水和酸化物の付着量が多く、かつ、ピーク面積比(クロム水酸化物/クロム酸化物)が大きい比較例1は、塗料密着性が不十分であった。
また、クロム水和酸化物の付着量が少ない比較例2は、塗料密着性が不十分であった。
また、ピーク面積比(クロム水酸化物/クロム酸化物)が大きい比較例3は、塗料密着性が不十分であった。
また、クロム水和酸化物の付着量が多く、かつ、ピーク面積比(クロム水酸化物/クロム酸化物)が大きい比較例4(特許文献1の本発明例4に相当する)は、塗料密着性が不十分であった。
1:缶用鋼板
2:鋼板
3:金属クロム層
3a:基部
3b:粒状突起
4:クロム水和酸化物層

Claims (8)

  1. 鋼板の表面に、前記鋼板側から順に、金属クロム層およびクロム水和酸化物層を有し、
    前記クロム水和酸化物層のクロム換算の付着量が、3.0mg/m以上10.0mg/m以下であり、
    前記クロム水和酸化物層の最表面のX線光電子分光により求められる、クロム酸化物に対するクロム水酸化物のピーク面積比が0.80以上1.00以下である、缶用鋼板。
  2. 前記金属クロム層の付着量が、50mg/m以上200mg/m以下である、請求項1に記載の缶用鋼板。
  3. 前記金属クロム層が、基部と、前記基部上に設けられた粒状突起と、を含む、請求項1または2に記載の缶用鋼板。
  4. 前記粒状突起は、最大粒径が150nm以下であり、単位面積あたりの個数密度が10個/μm以上である、請求項に記載の缶用鋼板。
  5. 請求項1~のいずれか1項に記載の缶用鋼板を得る、缶用鋼板の製造方法であって、
    六価クロム化合物を含有する水溶液を用いて、鋼板に対して、陰極電解処理C1、陽極電解処理A1、陰極電解処理C2、および、陽極電解処理A2を、この順に施し、
    前記陽極電解処理A2の電気量密度が、0.1C/dm以上5.0C/dm以下である、缶用鋼板の製造方法。
  6. 前記水溶液が、
    六価クロム化合物、フッ素含有化合物、および、SO 2-を含有する第1の水溶液と、
    六価クロム化合物、および、フッ素含有化合物を含有し、SO 2-を実質的に含有しない第2の水溶液と、を含み、
    前記第1の水溶液を用いて、前記陰極電解処理C1を施し、
    前記第2の水溶液を用いて、前記陽極電解処理A1、前記陰極電解処理C2、および、前記陽極電解処理A2を施す、請求項に記載の缶用鋼板の製造方法。
  7. 前記第1の水溶液は、Cr量が0.5mol/L以上、F量が0.20mol/L以上、SO 2-量が0.009mol/L以上であり、
    前記第2の水溶液は、Cr量が0.5mol/L以上、F量が0.05mol/L以上である、請求項に記載の缶用鋼板の製造方法。
  8. 前記陽極電解処理A2が、最終の電解処理である、請求項のいずれか1項に記載の缶用鋼板の製造方法。
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