JP7056422B2 - 歯車の鍛造成形方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、歯車の鍛造成形方法及びその装置に関する。
従来より、外歯を有する歯車は、鍛造成形により製造されている。外歯を有する歯車の鍛造成形方法の一例は、例えば、特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示された歯車の鍛造成形方法によれば、まず、パンチにより、素材を外歯成形用の歯形ダイスの一方側から、歯形ダイスの成形空間に押し込む。その後、外歯が形成された歯車を、パンチにより、歯形ダイスの他方側から排出する。
特開2014-217876号公報
しかし、特許文献1に開示されたような従来技術に係る鍛造成形方法においては、素材の外径寸法は、歯形ダイスに設定されている歯車の歯形の大径寸法と同じか、又は、それよりも大きな寸法であった。そのため、鍛造成形時の成形荷重が大きくなり、歯形ダイスの型寿命が短くなってしまうという問題があった。
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであり、歯形ダイスの型寿命を延ばすことができる歯車の鍛造成形方法及びその装置を提供するものである。
本発明の一態様によれば、歯車の鍛造成形方法は、
パンチにより、素材を外歯成形用の歯形ダイスの一方側から前記歯形ダイスの成形空間に押し込み、その後、外歯が形成された歯車を前記歯形ダイスの他方側から排出する歯車の鍛造成形方法であって、
前記歯形ダイスの一方側に、前記歯形ダイスの成形空間に押し込まれる前の素材の外径を拘束する素材外径拘束ダイスを設け、
前記素材外径拘束ダイスの内径寸法を、前記歯形ダイスに設定されている歯車の歯形の大径寸法よりも小さな寸法とする。
本発明の一態様によれば、歯車の鍛造成形装置は、
外歯成形用の歯形ダイスと、
前記歯形ダイスの一方側に設けられ素材の外径を拘束する素材外径拘束ダイスと、
前記素材外径拘束ダイスによって外径が拘束された素材を、前記歯形ダイスの一方側から前記歯形ダイスの成形空間に押し込み、その後、外歯が形成された歯車を前記歯形ダイスの他方側から排出するパンチと、を備え、
前記素材外径拘束ダイスの内径寸法を、前記歯形ダイスに設定されている歯車の歯形の大径寸法よりも小さな寸法とする。
上述した態様によれば、歯形ダイスの型寿命を延ばすことができる歯車の鍛造成形方法及びその装置を提供することができるという効果が得られる。
実施の形態1に係る歯車の鍛造成形方法の例を概略的に示す正面断面図である。 実施の形態1に係る歯車の鍛造成形装置の構成例を示す正面図である。 実施の形態1に係る歯車の鍛造成形装置のうち歯形ダイス及び素材外径拘束ダイス付近の構成例を示す拡大正面図である。 実施の形態1に係る素材の構成例を示す正面図である。 実施の形態1に係る素材外径拘束ダイスの構成例を示す正面図である。 実施の形態1に係る素材外径拘束ダイスの構成例を示す平面図である。 実施の形態1に係る歯形ダイスの構成例を示す正面図である。 図7のA領域の拡大正面図である。 実施の形態1に係る歯形ダイスの構成例を示す平面図である。 実施の形態1に係る歯形ダイスの構成例を示す斜視図である。 図10のB領域の拡大斜視図である。 実施の形態1に係る歯車の鍛造成形方法の効果の例を示すグラフである。 実施の形態1に係る素材外径拘束ダイスの構成例を示す斜視図である。 実施の形態1に係る歯車の鍛造成形方法で成形された歯車を上端面から見た構成例を示す斜視図である。 実施の形態1に係る歯車の鍛造成形方法で成形された歯車を下端面から見た構成例を示す斜視図である。 実施の形態2に係る素材外径拘束ダイスの構成例を示す斜視図である。 実施の形態2に係る歯車の鍛造成形装置の構成例を示す正面図である。 図17のC領域の拡大正面図である。 実施の形態2に係る歯車の鍛造成形方法で成形された歯車を上端面から見た構成例を示す斜視図である。 実施の形態2に係る歯車の鍛造成形方法で成形された歯車を下端面から見た構成例を示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。以下で説明する実施の形態においては、鍛造成形の対象となる素材は、内側に貫通孔を備えた環状部材であり、この素材の外周面に鍛造成形により外歯を形成するものとする。
<実施の形態1>
<本実施の形態1に係る歯車の鍛造成形方法の概要>
まず、図1を参照して、本実施の形態1に係る歯車の鍛造成形方法の概要について説明する。図1は、本実施の形態1に係る歯車の鍛造成形方法の例を概略的に示す正面断面図である。なお、図1は、本実施の形態1との対比のため、従来技術に係る歯車の鍛造成形方法も合わせて示されている。
図1に示されるように、従来技術においては、素材Mは、ダイス901の内側にセットされ、パンチ902によってダイス901の上方から押し込まれて、下方に移動する。ダイス901の下部内側は、素材Mに外歯を形成する成形空間となっており、素材Mは成形空間にて外周面に外歯が形成される。外歯が形成された歯車Gは、パンチ902によって上方からさらに押し込まれて、下方から排出される。
ここで、従来技術においては、素材Mの外径寸法は、ダイス901に設定されている歯車Gの歯形の大径寸法と同じか、又は、それよりも大きな寸法となっている。そのため、大きな寸法の素材Mから歯車Gを成形している。
一般に、素材Mの外径寸法が、歯車Gの歯形の大径寸法に対して大きいほど、鍛造成形時の断面減少率は大きくなる。断面減少率は、以下の式によって表されるもので、絞り加工をする際の変形の難しさ(断面減少率が大きいほど、変形が難しい)を示している。
断面減少率={1-(歯車Gの断面積/素材Mの断面積)}×100[%]
鍛造成形の前後では、体積一定の原理により、素材Mは、歯形の形成に合わせて軸線方向に全長の伸びを生じ、この伸び量は、断面減少率が大きいほど長くなる。そのため、断面減少率が大きいほど、素材Mの総移動量が増える等の理由により、鍛造成形時の成形荷重が大きくなる。成形荷重が大きいと、ダイス901は、その荷重に耐えることができず、大きな変形抵抗が生じるため、型寿命が悪化する。
従って、素材Mの外径寸法を、ダイス901に設定されている歯車Gの歯形の大径寸法よりも小さな寸法とし、小さな寸法の素材Mから歯車Gを成形すれば、鍛造成形時の成形荷重を小さくことができると考えられる。
しかし、ダイス901の成形空間に素材Mが進入する前に、素材Mの外径寸法がダイス901に設定されている歯形の大径寸法まで広がってしまうと(すなわち、据込まれてしまうと)、結果的に、大きな寸法の素材Mから歯車Gを鍛造成形することと同じとなってしまう。そのため、成形荷重を低減することができない。
一方、本実施の形態1においては、素材Mは、ダイス91の内側にセットされ、パンチ92によってダイス91の上方から押し込まれて下方に移動し、ダイス91の下部内側の成形空間にて外周面に外歯が形成され、外歯が形成された歯車Gは、下方から排出される。この点では従来技術と同様である。
ただし、本実施の形態1においては、素材Mの外径寸法を、ダイス91に設定されている歯形の大径寸法よりも小さな寸法とした場合に、素材Mがダイス91の成形空間に進入する前に据込まれることがないように、ダイス91の成形空間の上方部分の形状を変更している。具体的には、ダイス91の成形空間の上方部分の形状を、ダイス91の成形空間に押し込まれる前の素材Mの外径寸法が、ダイス91に設定されている歯車Gの歯形の大径寸法よりも小さな寸法に拘束されるような形状としている。
これにより、素材Mの外径寸法を、ダイス91に設定されている歯形の大径寸法よりも小さな寸法とした場合に、素材Mは、据込まれることなく、ダイス91の成形空間に進入するため、鍛造成形時の成形荷重を低減することができる。その結果、ダイス91の型寿命を延ばすことができる。
<本実施の形態1に係る歯車の鍛造成形装置>
続いて、図2及び図3を参照して、本実施の形態1に係る歯車の鍛造成形方法で使用する歯車の鍛造成形装置について説明する。図2は、本実施の形態1に係る歯車の鍛造成形装置の構成例を示す正面図である。図3は、本実施の形態1に係る歯車の鍛造成形装置のうち歯形ダイス及び素材外径拘束ダイス付近の構成例を示す拡大正面図である。
図2及び図3に示されるように、本実施の形態1に係る歯車の鍛造成形装置1は、上部ユニット10と、下部ユニット20と、を備えている。
上部ユニット10は、パンチ11を備えている。
パンチ11は、下降駆動されて、後述の素材外径拘束ダイス22にセットされた素材Mを、上方から押し込むための部材である。なお、図2は、パンチ11の理解を容易にするために、パンチ11を、軸線を境に2つに分割し、このうちの左側を上昇した状態、右側を下降した状態として図示している。しかし、実際のパンチ11は、このように分割されるものではなく、一体で上昇又は下降駆動されるものであることに留意されたい。
下部ユニット20は、歯形ダイス21、素材外径拘束ダイス22、圧力板23、ダイスケース24、マンドレル25、排出用部材26、及び排出口27を備えている。
圧力板23は、内側に貫通孔を備えた環状部材である。
歯形ダイス21は、圧力板23の上方に配置され、内側に貫通孔を備えた環状部材である。歯形ダイス21は、素材Mの外周面に外歯を形成するための外歯成形用の部材である。
素材外径拘束ダイス22は、歯形ダイス21の上方に配置され、内側に貫通孔を備えた環状部材である。素材外径拘束ダイス22は、歯形ダイス21の内側の成形空間(貫通孔部分)に押し込まれる前の素材Mの外径を拘束するための部材である。
ダイスケース24は、歯形ダイス21、素材外径拘束ダイス22、及び圧力板23を保持する部材である。
なお、歯形ダイス21、素材外径拘束ダイス22、及び圧力板23の内側の貫通孔の軸は一致している。また、圧力板23の内径寸法は、歯形ダイス21も内径寸法と同じか、又は、それよりも大きな寸法とする。歯形ダイス21及び素材外径拘束ダイス22の内径寸法の関係は後述する。
マンドレル25は、歯形ダイス21、素材外径拘束ダイス22、及び圧力板23の内側の貫通孔に配置された円柱状の部材である。マンドレル25は、環状の素材Mの内周面が外嵌されて、素材Mの内周面を支持するための部材である。なお、マンドレル25は、圧力板23の下方から、排出用部材26の上面付近まで延びている。
排出用部材26は、マンドレル25の下方に配置され、図中左方向に水平駆動される部材である。排出用部材26は、圧力板23の下方から排出された、外歯が形成された歯車Gを、鍛造成形装置1の外部に排出するための部材である。歯車Gを鍛造成形装置1の外部に排出する際には、排出用部材26の空洞部261がマンドレル25の直下に位置するように、排出用部材26を水平駆動する。これにより、圧力板23の下方から排出された歯車Gは、空洞部261に落下し、傾斜板262を滑落して、排出口27から鍛造成形装置1の外部に排出される。
以下、上述のような歯車の鍛造成形装置1を用いて、歯車Gを鍛造成形する方法について、説明する。
まず、素材Mを、素材外径拘束ダイス22の上方から投入して、素材Mの内周面をマンドレル25に外嵌し、素材外径拘束ダイス22にセットする。このとき、素材Mの下端は、素材外径拘束ダイス22の上端付近に位置している。
この状態で、パンチ11を下降駆動して、素材外径拘束ダイス22にセットされた素材Mを、上方から押し込む。これにより、素材Mは、マンドレル25により内周面が支持され、かつ、素材外径拘束ダイス22により外径寸法が拘束されつつ、下方に移動して、歯形ダイス21の内側の成形空間(貫通孔部分)に進入する。
歯形ダイス21に進入した素材Mは、パンチ11によりさらに下方に押し込まれ、歯形ダイス21の内側の成形空間を下方に移動する過程で、歯形ダイス21により外周面に外歯が形成される。歯形ダイス21により外歯が形成された歯車Gは、パンチ11によりさらに下方に押し込まれて、圧力板23の下方から排出される。
ここで、パンチ11により素材Mを下方に所定量分(概略的には、素材Mの軸線方向の長さ分)押し込むと、パンチ11を一旦上昇駆動する。続いて、前回の素材Mの上に新たな素材Mをセットし、パンチ11を再度下降駆動して、新たにセットされた素材Mを、上方から押し込む。以降、この動作を繰り返す。これにより、外歯が形成された歯車Gを、連続して成形することができる。
なお、圧力板23の下方から排出された歯車Gは、上述のように、マンドレル25の直下に移動した空洞部261に落下し、傾斜板262を滑落して、排出口27から鍛造成形装置1の外部に排出される。
<本実施の形態1に係る素材、歯形ダイス、及び素材外径拘束ダイス>
続いて、図4~図11を参照して、本実施の形態1に係る素材M、歯形ダイス21、及び素材外径拘束ダイス22の径寸法について説明する。
図4は、本実施の形態1に係る素材Mの構成例を示す正面図である。
図4に示されるように、素材Mは、内側に貫通孔を備えた環状部材であり、外径寸法をD1とする。
図5及び図6は、本実施の形態1に係る素材外径拘束ダイス22の構成例を示す図であり、図5は正面図、図6は平面図である。
図5及び図6に示されるように、素材外径拘束ダイス22は、内側に貫通孔を備えた環状部材であり、内径寸法をD2とする。素材外径拘束ダイス22の内側の貫通孔に素材Mをセットするため、素材外径拘束ダイス22の内径寸法D2は、素材Mの外径寸法D1よりも僅かに大きな寸法とする。すなわち、D1<D2とする。
図7~図11は、本実施の形態1に係る歯形ダイス21の構成例を示す図である。図7は正面図、図8は図7のA領域の拡大正面図、図9は平面図、図10は斜視図、図11は図10のB領域の拡大斜視図である。
図7~図11に示されるように、歯形ダイス21は、内側に貫通孔を備えた環状部材である。
素材Mの外周面のうち歯形ダイス21における図11のb領域を通る部分が、歯車Gの歯形の大径部分になる。また、図11のb領域の内径寸法が図8のD3に相当する。従って、このD3が、歯形ダイス21に設定されている歯車Gの歯形の大径寸法となる。素材Mの外径寸法D1及び素材外径拘束ダイス22の内径寸法D2は、歯形ダイス21に設定されている歯形の大径寸法D3よりも小さな寸法とする。すなわち、D1<D2<D3とする。
これにより、歯形ダイス21に設定されている歯形の大径寸法D3よりも小さな外径寸法D1とした素材Mは、歯形ダイス21に押し込まれる前に、歯形の大径寸法D3よりも小さな内径寸法D2の素材外径拘束ダイス22により、外径寸法がD2以下に拘束される。その結果、素材Mは、歯形の大径寸法D3まで広がることなく(すなわち、据込まれることなく)、歯形ダイス21の成形空間に進入するため、鍛造成形時の成形荷重を低減することができる。その結果、歯形ダイス21の型寿命を延ばすことができる。
<本実施の形態1に係る歯車の鍛造成形方法の効果>
続いて、図12を参照して、本実施の形態1に係る歯車の鍛造成形方法の効果について説明する。図12は、本実施の形態1に係る歯車の鍛造成形方法の効果の例を示すグラフである。図12において、横軸は鍛造成形時の断面減少率[%]であり、縦軸は鍛造成形時の成形荷重[Ton]である。
図12において、実線は、断面減少率と成形荷重との関係を示している。ここで、右側の1点は、従来技術に係る歯車の鍛造成形方法に従い、歯形ダイス21に設定されている歯車Gの歯形の大径寸法よりも大きな外径寸法の素材Mから歯車Gを鍛造成形したときの結果をプロットしたものである。
また、左側の4点は、本実施の形態1に係る歯車の鍛造成形方法に従い、歯形ダイス21に設定されている歯車Gの歯形の大径寸法よりも小さな外径寸法の素材Mから歯車Gを鍛造成形したときの結果をプロットしたものである。
図12に示されるように、従来技術においては、大きな外径寸法の素材Mから歯車Gを鍛造成形しているため、断面減少率が大きく、その結果、成形荷重も大きくなる。従来技術においても、断面減少率が小さくなれば、成形荷重も小さくなるはずである。しかし、上述のように、従来技術においては、素材Mの外径寸法を小さくして、断面減少率を小さくしても、素材Mが歯形ダイス21に進入する前に、素材Mが据込まれてしまうため、成形荷重を小さくすることはできない。
これに対して、本実施の形態1においては、素材Mは、歯形ダイス21に押し込まれる前に、素材外径拘束ダイス22により外径が拘束されるため、素材Mが据込まれることがない。そのため、素材Mの外径寸法を小さくして、断面減少率を小さくすれば、成形荷重を小さくすることができる。その結果、歯形ダイス21の型寿命を延ばすことができる。
ここで、本実施の形態1においては、断面減少率が小さいほど、成形荷重も小さくなる。そのため、成形荷重を小さくするという観点では、断面減少率が小さい方がより好適である。しかし、断面減少率を小さくしていくと、外径未充填量が大きくなる。外径未充填量は、歯形ダイス21に設定されている歯車Gの歯形の大径寸法(上述のD3に相当)と歯形ダイス21から排出された実際の歯車Gの歯形の大径寸法との差を表したものである。外径未充填量が大きくなると、製品としての歯車Gの外径未充填量が公差の許容範囲から外れるおそれがある。そのため、断面減少率は、成形荷重及び外径未充填量の双方を勘案して、適正範囲に決定することが好適である。図12においては、本実施の形態1に係る左側の4点のうち、断面減少率が高い右側の2点が外径未充填量の公差の許容範囲に収まっている。そのため、この2点の断面減少率に決定するのが良い。
また、素材Mの外径寸法D1及び素材外径拘束ダイス22の内径寸法D2は、断面減少率を適正範囲とするために、上述のように上限値を定義するだけでなく、下限値も定義することが好適である。歯形ダイス21に設定されている歯車Gのピッチ円径寸法をD4とすると、D1及びD2は、歯車Gのピッチ円径寸法D4よりも大きな寸法とするのが好適である。すなわち、D4<D1<D2<D3とする。
<実施の形態2>
<本実施の形態2に係る歯車の鍛造成形方法の概要>
上述のように、従来技術においては、素材Mの外径寸法は、歯形ダイス21に設定されている歯車Gの歯形の大径寸法と同じか、又は、それよりも大きな寸法であり、大きな寸法の素材Mから歯車Gを成形していた。そのため、歯車Gの歯先には肉ヒケ(肉引け、肉ひけ)が発生せず、歯車Gの歯先の肉ハリ(肉張り、肉はり)に関しては問題がなかった。
これに対して、実施の形態1においては、素材Mの外径寸法は、歯形ダイス21に設定されている歯車Gの歯形の大径寸法よりも小さな寸法であり、小さな寸法の素材Mから歯車Gを成形していた。また、実施の形態1に係る素材外径拘束ダイス22は、図13に示されるように、内周面に特段の加工もされていない、単なる環状部材であった。そのため、鍛造成形時に、素材Mの材料は、歯形ダイス21と素材外径拘束ダイス22との境界部分であって、素材Mの歯形変形が開始される素材歯形変形開始部において、歯先方向と歯元方向とに同時に分流を開始し、これに起因して、歯車Gの歯先には肉ヒケが発生してしまうおそれがあった。
図14及び図15は、実施の形態1に係る歯車の鍛造成形方法で成形された歯車Gの構成例を示す斜視図であり、図14は、歯車Gを上端面から見た図、図15は、歯車Gを下端面から見た図である。
図14及び図15に示される歯車Gの歯先には、肉ヒケが発生していることがわかる。このことから、実施の形態1に係る歯車の鍛造成形方法は、歯車Gの歯先の肉ハリに関しては改善の余地があった。
本実施の形態2に係る歯車の鍛造成形方法は、歯車Gの歯先の肉ハリを改善するものであり、実施の形態1に係る素材外径拘束ダイス22を、素材外径拘束ダイス22Aに置き換えている。
図16は、本実施の形態2に係る素材外径拘束ダイス22Aの構成例を示す斜視図である。
図16に示されるように、素材外径拘束ダイス22Aは、その内周面に歯形ダイス21の歯形形状が彫り込まれている。ここで、素材外径拘束ダイス22Aの内径寸法は、実施の形態1と同様に、歯形ダイス21に設定されている歯車Gの歯形の大径寸法よりも小さく、歯形ダイス21に設定されている歯車Gのピッチ円径寸法よりも大きな寸法である。そのため、素材外径拘束ダイス22Aの内周面においては、素材外径拘束ダイス22Aの内径よりも径方向外側に歯形ダイス21の歯形形状が彫り込まれることになる。
このように、素材外径拘束ダイス22Aの内周面には歯形ダイス21の歯形形状が彫り込まれている。そのため、鍛造成形時に、素材歯形変形開始部では、素材外径拘束ダイス22A側の歯先部には、素材Mの材料が既に充満している状態になる(詳細は後述する)。よって、素材Mの材料は、実施の形態1のように分流することなく、歯形ダイス21側の歯先部へ移動させることができるため、歯車Gの歯先の肉ヒケの発生を抑制でき、その結果、歯車Gの歯先の肉ハリを改善することができる。
<本実施の形態2に係る歯車の鍛造成形装置>
続いて、図17及び図18を参照して、本実施の形態2に係る歯車の鍛造成形方法で使用する歯車の鍛造成形装置について説明する。図17は、本実施の形態2に係る歯車の鍛造成形装置の構成例を示す正面図である。図18は、図17のC領域の拡大正面図である。なお、図18においては、素材外径拘束ダイス22A及び歯形ダイス21の内径形状を見易くするため、マンドレル25の図示を省略している。
図17及び図18に示されるように、本実施の形態2に係る歯車の鍛造成形装置1Aは、実施の形態1に係る歯車の鍛造成形装置1と比較して、素材外径拘束ダイス22を、素材外径拘束ダイス22Aに置き換えた点が異なり、その他の構成は同様である。
素材外径拘束ダイス22Aは、上述のように、その内周面において、素材外径拘束ダイス22Aの内径(実施の形態1と同様に、内径寸法はD2)よりも径方向外側に歯形ダイス21の歯形形状が彫り込まれている。そのため、結果的に、素材外径拘束ダイス22Aの内周面は、歯車Gの歯先が彫り込まれたように見える。
<本実施の形態2に係る歯車の鍛造成形方法の効果>
上述のように、本実施の形態2においては、素材外径拘束ダイス22Aは、その内周面において、素材外径拘束ダイス22Aの内径よりも径方向外側に歯形ダイス21の歯形形状が彫り込まれている。そのため、鍛造成形時に、素材Mの材料は、素材外径拘束ダイス22Aを移動している間、素材Mに掛かる内圧により、素材外径拘束ダイス22Aの内周面の彫り込み部分の歯先方向に張り出す(据込み移動する)。このことから、素材歯形変形開始部では、素材外径拘束ダイス22A側の歯先部には、素材Mの材料が既に充満している状態になる。よって、素材Mの材料は、実施の形態1のように分流することなく、歯形ダイス21側の歯先部へ移動させることができるため、歯車Gの歯先の肉ヒケの発生を抑制できる。
図19及び図20は、本実施の形態2に係る歯車の鍛造成形方法で成形された歯車Gの構成例を示す斜視図であり、図19は、歯車Gを上端面から見た図、図20は、歯車Gを下端面から見た図である。
図19及び図20に示される歯車Gの歯先には、肉ヒケが発生していないことがわかる。このことから、本実施の形態2に係る歯車の鍛造成形方法は、歯車Gの歯先の肉ヒケの発生を抑制できるため、歯車Gの歯先の肉ハリを改善することができる。その他の効果は、実施の形態1と同様である。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
1,1A 鍛造成形装置
10 上部ユニット
11 パンチ
20 下部ユニット
21 歯形ダイス
22,22A 素材外径拘束ダイス
23 圧力板
24 ダイスケース
25 マンドレル
26 排出用部材
261 空洞部
262 傾斜板
27 排出口
M 素材
G 歯車

Claims (4)

  1. パンチにより、素材を外歯成形用の歯形ダイスの一方側から前記歯形ダイスの成形空間に押し込み、その後、外歯が形成された歯車を前記歯形ダイスの他方側から排出する歯車の鍛造成形方法であって、
    前記歯形ダイスの一方側に、前記歯形ダイスの成形空間に押し込まれる前の素材の外径を拘束する素材外径拘束ダイスを設け、
    前記素材外径拘束ダイスの内径寸法を、前記歯形ダイスに設定されている歯車の歯形の大径寸法よりも小さな寸法とし、
    前記素材外径拘束ダイスの内径寸法を、前記歯形ダイスに設定されている歯車のピッチ円径寸法よりも大きな寸法とする、歯車の鍛造成形方法。
  2. パンチにより、素材を外歯成形用の歯形ダイスの一方側から前記歯形ダイスの成形空間に押し込み、その後、外歯が形成された歯車を前記歯形ダイスの他方側から排出する歯車の鍛造成形方法であって、
    前記歯形ダイスの一方側に、前記歯形ダイスの成形空間に押し込まれる前の素材の外径を拘束する素材外径拘束ダイスを設け、
    前記素材外径拘束ダイスの内径寸法を、前記歯形ダイスに設定されている歯車の歯形の大径寸法よりも小さな寸法とし、
    前記素材外径拘束ダイスの内周面において、前記素材外径拘束ダイスの内径よりも径方向外側に前記歯形ダイスの歯形形状が彫り込まれている、歯車の鍛造成形方法。
  3. 外歯成形用の歯形ダイスと、
    前記歯形ダイスの一方側に設けられ素材の外径を拘束する素材外径拘束ダイスと、
    前記素材外径拘束ダイスによって外径が拘束された素材を、前記歯形ダイスの一方側から前記歯形ダイスの成形空間に押し込み、その後、外歯が形成された歯車を前記歯形ダイスの他方側から排出するパンチと、を備え、
    前記素材外径拘束ダイスの内径寸法を、前記歯形ダイスに設定されている歯車の歯形の大径寸法よりも小さな寸法とし、
    前記素材外径拘束ダイスの内径寸法を、前記歯形ダイスに設定されている歯車のピッチ円径寸法よりも大きな寸法とする、歯車の鍛造成形装置。
  4. 外歯成形用の歯形ダイスと、
    前記歯形ダイスの一方側に設けられ素材の外径を拘束する素材外径拘束ダイスと、
    前記素材外径拘束ダイスによって外径が拘束された素材を、前記歯形ダイスの一方側から前記歯形ダイスの成形空間に押し込み、その後、外歯が形成された歯車を前記歯形ダイスの他方側から排出するパンチと、を備え、
    前記素材外径拘束ダイスの内径寸法を、前記歯形ダイスに設定されている歯車の歯形の大径寸法よりも小さな寸法とし、
    前記素材外径拘束ダイスの内周面において、前記素材外径拘束ダイスの内径よりも径方向外側に前記歯形ダイスの歯形形状が彫り込まれている、歯車の鍛造成形装置。
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