(1)概要
以下の実施形態において説明する図1~図7Bは、模式的な図であり、図1~図7B中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
本実施形態に係るインターホンシステム10は、例えばマンション等の集合住宅に適用される集合住宅用のインターホンシステムである。インターホンシステム10では、図2Aに示すように、子機1と各親機2とが制御装置3を介して通信を行う。ただし、本実施形態に係るインターホンシステム10は、集合住宅以外に、戸建住宅に適用されてもよい。あるいは、インターホンシステム10は、事務所、店舗、学校若しくは介護施設等の非住宅施設等に適用されてもよい。
本実施形態に係るインターホン玄関装置は、ここでは一例として、インターホンシステム10における子機1であることを想定する(図2A参照)。子機1は、例えば、ロビー等の集合住宅の共用部に設置される共用端末(ロビーインターホン)である。子機1は、例えば複数棟にわたって親機2との間で通信(例えば、通話、及び映像信号の送信等)を行うように構成されてもよい。本実施形態に係るインターホン玄関装置は、ロビーインターホンに限定されず、インターホンシステム10におけるドアホン4に適用されてもよい。あるいは、インターホンシステム10が戸建住宅に適用される場合、本実施形態に係るインターホン玄関装置は、門柱等に設置されてもよい。
ここで子機1(インターホン玄関装置)は、図1及び図2Aに示すように、子機側操作部14(操作部)と、表示部18と、を備える。子機側操作部14は、押し操作による操作入力を受け付ける複数(ここでは一例として4つ)の機能ボタン140を有している。ここで言う「押し操作」とは、ボタンが機械的に後退する押し込み操作であってもよいし、画面上におけるタッチ操作であってもよい。更にあるいは、「押し操作」とは、画面に限らず、タッチセンサー式のボタンへのタッチ操作であってもよい。本実施形態では、4つの機能ボタン140が、押し込み可能な複数の操作部材M1を有しているものとする。
表示部18は、図1に示すように、表示画面180を有している。表示部18は、4つの機能ボタン(ファンクションキー)140の機能を示すラベル情報L1を、4つの機能ボタン140の配置位置と対応する位置関係となるように画像表示する。
要するに、操作者H1(図1参照:例えば来訪者)がラベル情報L1を見たときに、各機能ボタン140が、どの機能に対応するものかを直感的に理解できる位置関係となっている。なお、図1では、撮像部11で撮像されている操作者H1自身の映像が表示画面180に出力されている。
例えば、図1に示すように、4つの機能ボタン140が横一列に並んでいれば、ラベル情報L1における各機能を示すラベルL100も、表示画面180上では、横一列に並んでいる(図1参照)。あるいは、(不図示であるが)4つの機能ボタン140が2行×2列で配置されていれば、ラベルL100も、表示画面180上では、2行×2列で配置されてもよい。
そして、各機能ボタン140が操作入力を受け付けたときに実行される機能は、表示画面180に表示されているラベル情報L1に応じて変化する。
この構成によれば、複数の機能ボタン140が設けられていることで、操作者H1は、各機能ボタン140に予め割り当てられている機能を直接実行することができる。また、1つの機能ボタン140に対応する機能も、表示画面180に表示されているラベル情報L1に応じて変化するため、機能ボタン140の数を超える数の機能を、子機1(インターホン玄関装置)に付加できる。したがって、利便性の向上を図ることができる。
(2)詳細
次に、本実施形態に係る子機1(インターホン玄関装置)及びインターホンシステム10についてより詳細に説明する。
以下では、ロビー等の共用部の造営面(例えば壁面)に子機1が取り付けられた状態での、水平面に対して垂直な(直交する)方向を「上下方向」とし、子機1を正面から見て下方(鉛直方向)を「下方」として説明する。また、上下方向と直交し、かつ造営面に平行な方向を「左右方向」とし、子機1を正面から見て右方を「右方」、左方を「左方」として説明する。さらに、上下方向と左右方向との両方に直交する方向、つまり造営面に直交する方向を「前後方向」とし、造営面の裏側(壁裏側)を「後方」として説明する。ただし、これらの方向は、子機1の使用方向を限定する趣旨ではない。
(2.1)全体構成
まず、インターホンシステム10の全体構成について図2Aを参照して説明する。
本実施形態に係るインターホンシステム10は、図2Aに示すように、子機1と、複数台(図2Aでは2台)の親機2(通信装置)と、制御装置3と、複数台(図2Aでは2台)のドアホン4と、複数台(図2Aでは2台)の分岐器5と、を備えている。
複数台の親機2の各々は、例えば、集合住宅の各住戸内に設置される住戸端末である。各親機2は、子機1との間で通信(例えば、通話、及び映像信号の受信等)を行うように構成されている。各親機2は、子機1の撮像部11で撮影された映像を表示する表示部22を有している。親機2は、集合住宅の管理室及び多目的ルーム等にも設置されてもよい。多目的ルームは、例えば、集会場、ゲストルーム、キッズルーム、パーティールーム等の、集合住宅内の共用部施設である。
制御装置3は、子機1と各親機2との間において、呼出制御を行い、信号を中継するように構成されている。制御装置3は、例えば、管理室に設置されている。制御装置3は、例えば、来訪者が子機1を用いて親機2を呼び出したときに、子機1と親機2との間で送受信される信号を中継する。ここでは、制御装置3は、複数棟にわたって中継可能に構成されている。図2Aは、インターホンシステム10のうち「第1棟」に相当する構成の一部を示しているが、制御装置3は、例えば有線により、別の棟(例えば「第2棟」、「第3棟」・・・等)の親機2とも通信可能に構成されている。ただし、制御装置3が複数棟にわたって中継可能であることは、インターホンシステム10において必須の構成要素ではない。
複数台のドアホン4の各々は、例えば、集合住宅の各住戸の外玄関に設置されている。複数台のドアホン4は、複数台の親機2と一対一に対応している。各ドアホン4は、対応する親機2との間で通信(例えば、通話、及び映像信号の送信等)を行うように構成されている。なお、多目的ルーム等に設置されている親機2に対しては、ドアホン4が接続されてなくてもよい。
子機1は、第1幹線61を介して制御装置3に接続されている。複数台の分岐器5の各々は、第2幹線62に挿入されており、第2幹線62に対して複数台の親機2を接続可能にする。本実施形態では、第2幹線62から複数の分岐線63に分岐しており、複数台の分岐器5は、第2幹線62における複数の分岐線63の分岐点にそれぞれ設けられている。これにより、各親機2は、分岐器5を介して第2幹線62に対して接続可能になる。
各親機2は、第2幹線62、分岐線63及び分岐器5を介して制御装置3に接続されている。各ドアホン4は、接続線64を介して対応する親機2に接続されている。第1幹線61、第2幹線62、分岐線63及び接続線64の各々は、例えば、ツイストペアケーブルからなる。
(2.2)子機の構成
次に、子機1の構成について説明する。子機1は、図2Aに示すように、撮像部11と、子機側伝送部12と、子機側制御部13と、子機側操作部(操作部)14と、映像処理部15と、記憶部16と、センサ17と、表示部18と、を有している。さらに、子機1は、親機2との間で通話を実現するための通話部19(スピーカ及びマイクロホンを含む)等を有している。また、子機1は、上述した構成要素を収容又は保持する筐体X1(図1参照)を有している。
筐体X1は、全体としてへん平な矩形の箱形状に形成されている。筐体X1は、図1に示すように、その正面側において、正面視が矩形の本体カバーX10と、本体カバーX10の周囲を囲む矩形枠状の化粧カバーX11とを有している。撮像部11は、本体カバーX10の前面の上部中央において露出するように配置されている。表示部18は、本体カバーX10の前面における撮像部11の直ぐ下に配置されている。子機側操作部14は、本体カバーX10の前面における表示部18より下側に配置されている。
本体カバーX10は、その前面における撮像部11の左横に複数の窓孔X12を有している。窓孔X12は、親機2の側の人と通話する人(例えば操作者H1)が発した音声を、通話部19のマイクロホンに導入するための貫通孔である。本体カバーX10は、その前面における右下隅に複数の音響孔X13を有している。音響孔X13は、通話部19のスピーカからの受話音を外部に導出するための貫通孔である。
撮像部11は、撮像素子を有し、被写体を撮像するためのカメラである。ここでは被写体は、来訪者等の操作者H1とする。本実施形態では、操作者H1が子機1を操作する際に少なくとも操作者H1の顔を撮像できるように、撮像部11の撮像エリア(視野)は、子機1の前方に設定されている。本実施形態では、撮像部11は動画を撮像するカメラである。さらに、本実施形態では、撮像部11はカラー画像を撮像するカメラである。
撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサ、又はCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の二次元イメージセンサである。撮像部11は、被写体からの光をレンズ等の光学系によって撮像素子の撮像面(受光面)上に結像させ、撮像素子にて被写体からの光を電気信号に変換する。そして、撮像部11は、撮像素子の出力信号を映像信号として映像処理部15へ出力する。
子機側伝送部12は、親機2と通信するための通信インタフェースである。子機側伝送部12は、第1幹線61を介して制御装置3に接続されている。図2Aでは、第1幹線61を1本の線で示している。子機側伝送部12は、制御装置3の通信部32を介して、親機2との間で双方向に通信可能に構成されている。子機側伝送部12は、親機2に対して通信信号を送信するように構成されている。通信信号には、音声信号、映像信号及び制御信号等が含まれている。また、子機側伝送部12は、通信部32を介して親機2から送信される通信信号を受信し、受信した通信信号を復調することで音声信号等を取得する。音声信号は、子機側制御部13を介して通話部19へ出力される。
子機側操作部14は、人(操作者H1)の操作を受け付けるように構成されている。子機側操作部14は、図1及び図2Bに示すように、押し操作による操作入力を受け付ける4つの機能ボタン140を有している。各機能ボタン140は、操作部材M1(図1参照)と、操作部材M1の背面側において操作部材M1と対向するように筐体X1内に収容されている押しボタンスイッチと、から構成されている。
各操作部材M1は、合成樹脂等により形成されている。各操作部材M1は、正面から見て、左右方向に長尺の細長い矩形状となっている。各操作部材M1は、その前面側が筐体X1の前面よりも突出するように筐体X1によって保持されている。押しボタンスイッチは、筐体X1内において、各種の回路を構成する回路部品が実装されている実装基板に実装されている。操作部材M1は、操作者H1の指先等で押し込まれることで、奥側にある押しボタンスイッチがオンされて操作入力が受け付けられる。なお、以下では、説明の便宜上、機能ボタン140と操作部材M1とを特に区別することなく説明する場合もある。
4つの機能ボタン140は、筐体X1の前面において、表示部18の表示画面180よりも下側に配置されている。そのため、例えば機能ボタン140が表示画面180の左右の側や上側に配置されている場合に比べて、表示画面180が操作者H1の手等で隠れてしまい利便性が低下する可能性を低減できる。
また、4つの機能ボタン140は、左右方向に沿って並んでいる。各機能ボタン140の長手方向も、左右方向に沿うように配置されている。特に、4つの機能ボタン140は、表示画面180の下縁E1(図1参照)に沿って並んで配置されている。以下では、4つの機能ボタン140を、左側から順に、第1機能ボタン141、第2機能ボタン142、第3機能ボタン143、及び第4機能ボタン144と、呼ぶこともある。各機能ボタン140を押すことで実行される機能については、後の「(2.5)機能ボタン」の欄で詳しく説明する。
子機側操作部14は、図1及び図2Bに示すように、機能ボタン140以外に「0」~「9」の10個の数字ボタンN1(いわゆるテンキー)と、アスタリスク(*)ボタンN2と、消ボタンN3と、呼出ボタンN4と、を有している。これらのボタンN1~N4の各々は、機能ボタン140と同様に、後方へ押し込み可能な操作部材と、押しボタンスイッチとから構成されている。ボタンN1~N3の各々の操作部材は、互いに共通の構成を有している。一方、呼出ボタンN4の操作部材は、正面から見たときに、数字ボタンN1の操作部材の約3個分の長さ寸法を有している。ボタンN1~N3は、4行×3列のマトリックスで配置されている。呼出ボタンN4は、一番下に配置されている。このような配置関係は、単なる一例であり、特に限定されない。
例えば、操作者H1が、子機1で、部屋番号(住戸番号)「1024号室」の住人を呼び出したい場合、筐体X1の前面に表記されている0~9の数字のうち、対応する数字の下にある数字ボタンN1を順に押していき、部屋番号を入力する。入力された部屋番号は、数字ボタンN1を押すたびに順次、表示画面180に映し出される。最後に、操作者H1が、呼出ボタンN4を押すことで、部屋番号の入力が確定されて、部屋番号「1024」の住戸の親機2に対して呼出が実行される。消ボタンN3は、例えば、誤って入力した数字を消去できるボタンである。また呼出中に、消ボタンN3を押すことで、呼出がキャンセルされてもよい。
ここでは、一例として、アスタリスクボタンN2が、所定の機能を割り当て可能な補助ボタンP1に相当する。アスタリスクボタンN2は、例えば、単独の押し操作(短押しや長押しも含む)で、又は、数字ボタンN1との組み合せによる押し操作で、所定の機能を実行できるボタンである。ただし、補助ボタンP1に関しては、機能ボタン140とは異なり、表示部18でその機能を示すラベル情報が出力されない。例えば、「1*1024」と順に入力すると、第1棟の1024号室の親機2に対して呼出が実行される。なお、補助ボタンP1は、アスタリスクボタンN2のみに限定されず、例えば、消ボタンN3を更に含んでもよい。例えば、アスタリスクボタンN2を長押ししたり、消ボタンN3を長押ししたりすることで、別の機能が実行されてもよい。
映像処理部15は、撮像部11から出力される映像信号を受けて、信号処理により映像信号に含まれる映像を処理するように構成されている。映像処理部15は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のデバイスにて実現される。
センサ17は、例えば焦電型の赤外線センサであり、人等が動く際に生じる赤外線の変化量を検出することによって人等を検出する。センサ17は省略されていてもよい。
子機側制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されている。そして、CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータが子機側制御部13として機能する。CPUが実行するプログラムは、ここではマイクロコンピュータのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
子機側制御部13は、撮像部11及び子機側伝送部12を制御するように構成されている。さらに、子機側制御部13は、映像処理部15及び表示部18を制御するように構成されている。
子機側制御部13は、撮像部11を制御することによって、撮像部11に映像を撮像させる。本実施形態では、子機側制御部13は、例えば、センサ17で来訪者等の人を検出すると撮像部11を起動して人の撮像を開始する。子機側制御部13は、表示部18を制御することによって、部屋番号の入力を案内する案内画像に、撮像部11で撮像中のリアルタイムの映像を重ねて、表示画面180に出力する(図3A参照)。また、子機側制御部13は、呼出先である親機2を呼出中、及び子機1と親機2との間で通信中に撮像部11で撮像した映像を、親機2に送出する。
子機側制御部13は、子機側伝送部12を制御することによって、子機側伝送部12に親機2への通信信号を送信させ、かつ子機側伝送部12に親機2からの通信信号を受信させる。親機2への通信信号には、音声信号、映像信号及び制御信号等が含まれている。また、親機2からの通信信号には、音声信号及び制御信号等が含まれている。
子機側制御部13は、映像処理部15を制御することによって、映像処理部15に撮像部11からの映像信号に含まれる映像を処理させる。映像処理部15にて処理された映像は、子機側伝送部12から親機2に送信される。
子機側制御部13は、子機側操作部14にて受け付けられた操作入力に応じて、各種の機能を実行するように構成されている。特に、子機側制御部13は、現在、表示画面180で表示中の案内画像との関係性に基づき、当該案内画像と対応する機能を実行するように構成されている。例えば、表示画面180で部屋番号の入力を催促する案内画像が表示されている最中に、数字ボタンN1が操作されると、入力された数字を表示画面180上に出力していく。
また子機側制御部13は、各機能ボタン140が操作入力を受け付けたときに、所定の機能を実行するように構成されている。特に、子機側制御部13は、同じ機能ボタン140が押し操作されても、実行する機能を、現在、表示画面180で表示中の(後述の)ラベル情報L1に応じて変化させる。要するに、子機側制御部13は、ある機能ボタン140が押し操作されると、常に同じ機能を実行するのではなく、現在、表示中のラベル情報L1に応じて、異なる機能を実行する。つまり、本実施形態の子機1では、同じ1つの機能ボタン140に対して、ラベル情報L1に応じて変化する複数の機能が割り当て可能となっている。
記憶部16は、読み書き可能なメモリで構成されている。記憶部16は、例えばフラッシュメモリである。記憶部16は、撮像部11で撮像した映像を記憶する。本実施形態の記憶部16は、子機側制御部13の外部に設けられているが、子機側制御部13の内部に設けられていてもよい。すなわち、記憶部16は、子機側制御部13の内蔵メモリであってもよい。子機側制御部13の内蔵メモリ(又は記憶部16)は、表示部18で出力される複数種類の案内画像、及び複数のラベル情報L1に関する画像データを記憶する。また子機側制御部13の内蔵メモリ(又は記憶部16)は、ラベル情報L1と、子機側制御部13の各種ボタンが操作入力を受け付けたときに実行すべき機能とが対応付けされた対応関係を記憶する。
表示部18は、例えば液晶ディスプレイからなる表示画面180を有している。表示画面180は、左右方向に長尺の矩形状に形成されている。表示部18は、子機側制御部13の制御下で、図3A~図4Eに示すように種々の案内情報を出力(画像表示)する。図3Aは、表示画面180に出力される基本案内画像IM0の概念図を示す。表示部18は、センサ17で来訪者等の人を検出すると、基本案内画像IM0の出力を開始する。図4A~図4Eは、表示画面180に出力される第1案内画像IM1~第5案内画像IM5の概念図である。
子機側制御部13は、基本案内画像IM0が出力されている状態で、子機側操作部14にて操作入力を受け付けると、その操作入力に対応した機能の実行を開始するとともに、案内画像を第1案内画像IM1~第4案内画像IM4のいずれかに遷移させる。第5案内画像IM5は、通話中に出力される画像である。これらの案内画像IM0~IM5は、単なる一例であり、案内画像の種類の数、及びその表示内容は、特に限定されない。
表示部18は、子機側制御部13の制御下で、撮像部11で撮像される来訪者(操作者H1)自身の映像を表示する。表示部18は、例えば、案内画像の略中央に、撮像部11で撮像中のリアルタイムの映像を重ねて出力する(図3A参照)。なお、図4B及び図4Cに示すように、呼出先である親機2の呼出最中や通話中では、操作者H1の映像は、表示画面180に出力されず、親機2の側に出力される。
また表示部18は、子機側制御部13の制御下で、ラベル情報L1を画像表示する(図3A参照)。ラベル情報L1は、最大で4つの機能ボタン140の機能を示す。基本案内画像IM0は、ラベル情報L1を含む。また、他の幾つかの案内画像もラベル情報L1を含む。ラベル情報L1は、案内画像が切り替わるとその内容も変化する場合がある。表示部18は、ラベル情報L1を、4つの機能ボタン140の配置位置と対応する位置関係となるように画像表示する。
ラベル情報L1は、複数種類あり、第1ラベル情報L11と第2ラベル情報L12とを少なくとも含む。ここでは、ラベル情報L1は、第1~第3ラベル情報L11~L13を含むことを想定する。第1ラベル情報L11は、基本案内画像IM0(図3A参照)、及び第4案内画像IM4(図4D参照)のラベル情報である。第2ラベル情報L12は、第1案内画像IM1(図4A参照)のラベル情報である。第3ラベル情報L13は、第5案内画像IM5(図4E参照)のラベル情報である。なお、第2~第3案内画像IM2~IM3は、ラベル情報を含まない。
各ラベル情報L1は、複数の表示領域(R1~R4)と、ラベルL100(ここでは最大で4つのラベルL100)と、を含む。表示領域R1~R4は、4つの機能ボタン140にそれぞれ一対一で対応する。第1機能ボタン141の真上に表示領域R1があり、第2機能ボタン142の真上に表示領域R2がある。また、第3機能ボタン143の真上に表示領域R3があり、第4機能ボタン144の真上に表示領域R4がある。
第1ラベル情報L11は、ラベルL101~L103(図3A参照)に対応する3つの機能からなる第1機能群FG1(図5参照)を示す情報である。第2ラベル情報L12は、ラベルL104~L106(図4A参照)に対応する3つの機能からなる第2機能群FG2(図5参照)を示す情報である。第3ラベル情報L13は、ラベルL107、L108(図4E参照)に対応する2つの機能からなる第3機能群FG3(図5参照)を示す情報である。なお、第1機能群FG1~第3機能群FG3を含む機能群FG0は、子機側制御部13の内蔵メモリ(又は記憶部16)に記憶される。
表示部18は、第1ラベル情報L11を、第1画面状態(基本案内画像IM0又は第4案内画像IM4の出力状態)において表示する。表示部18は、第2ラベル情報L12を、第2画面状態(第1案内画像IM1の出力状態)において表示する。表示部18は、第3ラベル情報L13を、第3画面状態(第5案内画像IM5の出力状態)において表示する。例えば表示部18が第1画面状態から第2画面状態へ遷移すると、各機能ボタン140に対応する機能も、第1機能群FG1から第2機能群FG2へ切り替わる。したがって、子機側制御部13にて、各機能ボタン140に対応する機能の切り替えが容易に行われる。
表示領域R1~R4の各々は、対応する機能ボタン140と隣り合う機能ボタン140の上側領域まではみ出ないように規定されている。具体的には、表示領域R2は、対応する第2機能ボタン142と隣り合う第1機能ボタン141(又は第3機能ボタン143)の上側領域まではみ出ないように規定されている。そのため、4つの機能ボタン140と、ラベル情報L1に示されている機能との対応関係が更に分かり易くなる。また子機1全体としての外観上の見栄えも向上される。
なお、表示領域R1~R4は、視認不可能なデータ上の領域でもよいし、視認可能な領域でもよい。視認可能な領域としては、例えば、四角い枠で囲まれた画像領域でもよいし、周囲の色と異なる色で表示された画像領域でもよい。
ラベルL100は、表示領域R1~R4のいずれかの表示領域内に表示され、4つの機能ボタン140のうち対応する機能ボタン140の機能を示す。案内画像内に、ラベルL100が含まれているとき、そのラベルL100の真下にある機能ボタン140を押すことで、ラベルL100が示す機能が実行される。言い換えると、表示領域R1~R4内に、常に4つのラベルL100が表示されるものではなく、例えば左から順に3つのラベルL100だけが表示される場合もある(図3A参照)。例えば、一番右の表示領域R4内にラベルL100が表示されていない場合、第4機能ボタン144が押し操作されても、機能は何も実行されない。
ところで、子機側制御部13は、図2Aに示すように、設定部130としての機能を有している。設定部130は、外部(例えば子機1の施工者又は子機1の管理者)からの所定の設定入力に基づいて、4つの機能ボタン140に対して機能の割り当てを設定する。
例えば、表示部18にて特定の案内画像が出力されている状態で、管理者が、子機側操作部14等を用いて住人等が知らないセキュアレベルの高い特定の操作入力を行うと、子機側制御部13は、表示部18に設定用の案内画像を出力させる。管理者は、設定用の案内画像に表示されている案内情報を見ながら、各機能ボタン140に対して、どのラベル情報L1のラベルL100に、どの機能を割り当てるかの設定入力を行う。表示部18が例えばタッチパネルディスプレイであれば、指先でのタッチ操作により、各機能ボタン140に対して、各ラベルL100に対応する機能を、プルダウンメニューで表示される複数種類の機能のリストから選択してもよい。ここで入力された情報は、子機側制御部13の内蔵メモリ(又は記憶部16)に記憶される。
つまり、同じ1つの機能ボタン140(例えば第1機能ボタン141)に関して、第1ラベル情報L11には「機能A」を、第2ラベル情報L12には「機能B」を、といったように、実行される機能を複数設定が可能である。なお、子機1が製造された段階では、例えば、子機側制御部13の内蔵メモリには、設定可能な複数種類の機能が登録されていて、デフォルトとして標準的な機能が機能ボタン140に割り当てられている。設定可能な機能の種類は、メモリカードや電気通信回線等を通じて、子機1の施工後も追加可能であってもよい。
このように子機側制御部13が設定部130としての機能を有していることで、子機1の設置環境、又は要望等に応じた機能の割り当てが可能となる。
また、設定部130は、外部(施工者又は管理者等)からの特定の設定入力に基づいて、表示画面180に画像表示されるラベル情報L1を設定するように構成されてもよい。例えば、基本案内画像IM0にどのラベル情報L1を表示させるかについて設定できてもよい。また、ラベル情報L1に含まれるラベルL100を文字列データの単位で変更できてもよい。設定入力は、表示部18にて設定用の案内画像に表示されている案内情報を見ながら、子機側操作部14及び画面上のタッチ操作等により行えることが望ましい。この場合、子機1の設置環境、又は要望等に応じたラベル表示が可能となる。
ところで、本実施形態では、4つの機能ボタン140が、撮像部11よりも下側に配置されている。そのため、操作者H1が機能ボタン140の操作中において、操作者H1の手等が撮像部11の撮像領域内に侵入してしまい操作者H1の顔を適切に撮像できない可能性を低減できる。
(2.3)親機の構成
次に、親機2の構成について説明する。親機2は、図2Aに示すように、親機側伝送部21と、表示部22と、親機側制御部23と、親機側操作部24と、映像処理部25と、記憶部26と、通知部27と、を有している。さらに、親機2は、子機1及びドアホン4との間で通話を実現するための通話部29(スピーカ及びマイクロホンを含む)等を有している。
親機側伝送部21は、子機1及びドアホン4と通信するための通信インタフェースである。親機側伝送部21は、第2幹線62、分岐線63及び分岐器5を介して制御装置3に接続されている。図2Aでは、第2幹線62及び分岐線63を1本の線で示している。親機側伝送部21は、制御装置3の通信部32を介して、子機1との間で双方向に通信可能に構成されている。親機側伝送部21は、子機1に対して通信信号を送信するように構成されている。通信信号には、音声信号及び制御信号等が含まれている。また、親機側伝送部21は、通信部32を介して子機1から送信される通信信号を受信し、受信した通信信号を復調することで音声信号及び映像信号等を取得する。音声信号は、親機側制御部23を介して通話部29へ出力され、映像信号は、親機側制御部23を介して表示部22へ出力される。
表示部22は、映像処理部25からの映像(例えば子機1の撮像部11で撮像された映像)を表示するように構成されている。表示部22は、例えば液晶ディスプレイである。親機2がタッチパネルディスプレイを備えている場合には、タッチパネルディスプレイが表示部22と親機側操作部24とを兼ねてもよい。
親機側操作部24は、人(例えば住人)の操作を受け付けるように構成されている。親機側伝送部21が住人を呼び出すための呼出信号を受信している状態で、親機側操作部24に対して所定の操作(例えば押し操作)が行われると、子機1と親機2との間で音声通話が可能な状態となる。
映像処理部25は、親機側伝送部21にて受信した子機1からの映像信号を受けて、信号処理により映像信号に含まれる映像を処理するように構成されている。映像処理部25は、例えば、複数の映像を合成する合成処理を行うように構成されている。映像処理部25は、例えば、DSP又はFPGA等のデバイスにて実現される。
親機側制御部23は、例えば、CPU及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されている。そして、CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータが親機側制御部23として機能する。CPUが実行するプログラムは、ここではマイクロコンピュータのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
親機側制御部23は、親機側伝送部21及び表示部22を制御するように構成されている。さらに、親機側制御部23は、映像処理部25を制御するように構成されている。親機側制御部23は、親機側伝送部21を制御することによって、親機側伝送部21に子機1への通信信号を送信させ、かつ親機側伝送部21に子機1からの通信信号を受信させる。子機1への通信信号には、音声信号及び制御信号等が含まれている。また、子機1からの通信信号には、音声信号、映像信号及び制御信号等が含まれている。親機側制御部23は、表示部22を制御することによって、子機1から送られてくる映像を表示部22に表示させる。
記憶部26は、読み書き可能なメモリで構成されている。記憶部26は、例えばフラッシュメモリである。記憶部26は、子機1から送られてきた映像を記憶する。本実施形態では、記憶部26は、親機側制御部23の外部に設けられているが、親機側制御部23の内部に設けられていてもよい。すなわち、記憶部26は、親機側制御部23の内蔵メモリであってもよい。
通知部27は、例えば呼出音を出力するように構成されている。親機側制御部23は、子機1からの呼び出しがあると、所定のタイミングで通知部27に呼出音を出力させる。言い換えると、親機側制御部23は、子機1からの呼び出しがあると、子機1からの呼び出しがあったことを通知する通知動作を通知部27に行わせる。なお、通知部27は、呼出音ではなく、音声を出力するように構成されてもよい。
(2.4)制御装置の構成
次に、制御装置3の構成について説明する。制御装置3は、図2Aに示すように、信号処理部31と、通信部32と、を有している。
通信部32は、子機1及び親機2と通信するための通信インタフェースである。通信部32は、第1幹線61を介して子機1に接続されている。また、通信部32は、第2幹線62、分岐線63及び分岐器5を介して親機2に接続されている。通信部32は、子機1の子機側伝送部12との間で双方向に通信可能に構成されている。また、通信部32は、親機2の親機側伝送部21との間で双方向に通信可能に構成されている。つまり、通信部32は、親機側伝送部21と子機側伝送部12との間の通信を中継するように構成されている。したがって、通信部32は、子機1の子機側伝送部12から送信される通信信号を中継して複数台の親機2に送信する。ここで、子機1から送信される通信信号には、送信先となる親機2を特定するための情報(例えばアドレス等)が含まれている。このため、複数台の親機2のうち自己に割り当てられたアドレスと通信信号に含まれるアドレスとが一致する親機2のみが通信信号を受信することができる。また、通信部32は、複数台の親機2の各々から送信される通信信号を中継して子機1に送信する。
信号処理部31は、例えば、CPU及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されている。そして、CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータが信号処理部31として機能する。CPUが実行するプログラムは、ここではマイクロコンピュータのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
信号処理部31は、通信部32を制御するように構成されている。具体的には、信号処理部31は、通信部32を制御することによって、子機1から送信される通信信号を複数台の親機2に送信させ、かつ複数台の親機2の各々から送信される通信信号を子機1に送信させる。
(2.5)機能ボタン
以下、機能ボタン140を押すことで実行される機能について、図3A~図4Eに示す案内画像IM0~IM5を参照しながら詳しく説明する。以下に説明する機能の種類は、単なる一例であって特に限定されない。また、どの機能がどの機能ボタン140に割り当てられているかについても特に限定されない。機能の割り当ては、インターホンシステム10の設置環境、又は要望等に応じて、設定部130を介して適宜に変更されてよい。
図3Aの基本案内画像IM0は、ラベル情報L1として、第1ラベル情報L11を含んでいる。第1ラベル情報L11は、例えば、ラベルL101~L103を含んでいる。
図3AのラベルL101は「English」を示している。操作者H1が、ラベルL101の下の第1機能ボタン141を押すと、案内画像内に表示されている日本語の文字案内が英語の文字案内に切り替わる(図4A参照:第1案内画像IM1)。このとき、各機能ボタン140の機能も、第1機能群FG1から第2機能群FG2へ切り替わる。
図4Aの第1案内画像IM1は、ラベル情報L1として、第2ラベル情報L12を含んでいる。一番左のラベルL104は「日本語」を示している。第1機能ボタン141を押すと、案内画像内に表示されている英語の文字案内が、元の日本語の文字案内に切り替わる。また、各機能ボタン140の機能も、第2機能群FG2から元の第1機能群FG1へ切り替わる。
なお、図3BのラベルL101の「English(英語)」のように、ラベル情報L1が所定の長さ以上である文字列データを含むとき、表示部18は、文字列データを複数の行又は列(ここでは2行)に分けて画像表示してもよい。この場合、たとえ文字列データが所定の長さ以上であっても、4つの機能ボタン140とラベル情報L1に示されている機能との対応関係を分かり易くできる。また子機1全体としての外観上の見栄えも向上される。
図3AのラベルL102は「管理室」を示している。操作者H1が、ラベルL102の下の第2機能ボタン142を押すと、管理室への呼出が開始される(図4B参照:第2案内画像IM2)。この場合、各機能ボタン140の機能は、一時的に「無効状態」に切り替わる。つまり、第2案内画像IM2の画面状態では、どの機能ボタン140が押し操作されても、機能は何も実行されない。なお、管理室への呼出に関して、呼出ボタンN4の押し操作は不要でもよいし、第2機能ボタン142の操作後に更に呼出ボタンN4が押されてから、管理室への呼出が開始されてもよい。
図3AのラベルL103は「お知らせ」を示している。操作者H1が、ラベルL103の下の第3機能ボタン143を押すと、「お知らせ」に関する動作処理が開始される(図4D参照:第4案内画像IM4)。第4案内画像IM4は、基本案内画像IM0とほぼ同じであるが、表示画面180内の上部領域に表示されていた「部屋番号を押してください」という案内情報が、例えば「ID照合キーをかざしてください」という案内情報に切り替わる。ただし、各機能ボタン140の機能は、第1機能群FG1の状態に維持される。第4案内画像IM4の画面状態で、例えば筐体X1の下部にあるID照合部Y1(非接触キーリーダー)にID照合キーを有するIDカードをかざすことで、認証に成功すれば、種々のサービス情報が表示される案内画像(不図示)に遷移する。この「お知らせ」機能は、主に来訪者向けではなく、IDカードを所有する住人向けのサービス情報を提供する機能である。IDカードを所有する住人が、この機能を実行することで、遷移後の案内画像にて、住戸玄関の施錠、解錠に関する情報や、宅配物の有無、住戸内の警報発生状況等を確認することができる。
なお、基本案内画像IM0(又は第1案内画像IM1)のように「部屋番号を押してください」という案内情報が出力されている状態で、数字ボタンN1を用いて部屋番号を入力して呼出ボタンN4を押すと、第3案内画像IM3に遷移する(図4C参照)。そして、該当する部屋番号(図示例では1024号室)の呼出先に対して呼出が開始される。この場合も、各機能ボタン140の機能は、一時的に「無効状態」に切り替わる。なお、第3案内画像IM3が出力されているときに「お取次ぎしますので、お名前をお話ください」という案内情報に従って、操作者H1が音声を吹き込むと、その音声データが録音され、親機2の側でその内容が呼出中に報知される。
図4Eの第5案内画像IM5は、通話中であることを案内する画像である。例えば、呼出中の案内画像である第2案内画像IM2又は第3案内画像IM3の状態で、呼出先の住人が親機2で応答を行うと、第5案内画像IM5に遷移する。この場合、無効状態だった各機能ボタン140の機能は、第3機能群FG3の状態に切り替わる。
ここで第5案内画像IM5内には、2つのラベルL107、L108が含まれている。ラベルL107は「音量小」を示している。ラベルL108は「音量大」を示している。ラベルL107は表示領域R3内に表示され、ラベルL108は表示領域R4内に表示されている。ラベルL107の下の第3機能ボタン143、又はラベルL108の下の第4機能ボタン144が押されると、子機1の通話時における受話音量の変更が行われる。要するに、第3機能ボタン143が押される度に受話音量は小さくなり、逆に第4機能ボタン144が押される度に受話音量は大きくなる。なお、表示領域R1及びR2には、ラベルL100が表示されておらず、第1機能ボタン141及び第2機能ボタン142が押されても、機能は何も実行されない。
親機2との通話が終わると、第5案内画像IM5から元の基本案内画像IM0に遷移し、各機能ボタン140の機能は、第3機能群FG3から第1機能群FG1に切り替わる。
このように本実施形態では、4つの機能ボタン140が設けられていることで、操作者H1は、各機能ボタン140に予め割り当てられている機能を直接実行することができる。また、1つの機能ボタン140に対応する機能も、表示画面180に表示されているラベル情報L1に応じて変化するため、機能ボタン140の数を超える数の機能を、子機1に付加できる。したがって、利便性の向上を図ることができる。
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、上記実施形態に係る子機側制御部13と同様の機能は、インターホン玄関装置(子機1)の制御方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。なお、以下では、上記実施形態を「基本例」と呼ぶこともある。
本開示における子機1は、例えば、子機側制御部13等に、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における子機側制御部13としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
また、子機1における複数の機能が、1つの筐体X1に集約されていることは子機1に必須の構成ではなく、子機1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、子機側制御部13等、子機1の少なくとも一部の機能は、例えば、クラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。反対に、上記実施形態のように、子機1の全ての機能が、1つの筐体X1に集約されていてもよい。
(3.1)変形例1
子機1が、制御装置3を介して、複数棟にわたって親機2との間で通信を行うように構成される場合、基本例では、数字ボタンN1とアスタリスクボタンN2とを組み合わせにより、呼出が行われている。第1棟の1024号室の親機2を呼び出す場合、「1*1024」と入力することになる。
本変形例では、機能ボタン140の機能に「棟」を選択できる機能が割り当てられている。図6A~6Cは、本変形例における案内画像の概略図を示す。
本変形例の表示部18は、特定のラベル情報L1を画像表示しているとき、複数の機能ボタン140のうち少なくとも1つは、各々が1又は複数の呼出先を含む複数の呼出対象群G1の中から、特定の呼出対象群G1を選択可能な機能を有する。ここで言う「呼出対象群G1」は、複数の呼出先(親機2)を含む「棟」に相当する。ただし「呼出対象群G1」は、呼出先(親機2)が1つであれば、例えば管理室、又は多目的ルームに相当してもよい。
図6Aは、本変形例の第6案内画像IM6を示す。第6案内画像IM6は、基本例の基本案内画面IM0に相当し、表示部18は、センサ17で来訪者等の人を検出すると、第6案内画像IM6の出力を開始する。表示画面180内の上部領域には「棟番号を選択してください」という案内情報が出力される。第6案内画像IM6では、第1機能ボタン141及び第2機能ボタン142に、棟を選択可能な機能が割り当てられている。本変形例では、ラベル情報L1は、第4ラベル情報L14、及び第5ラベル情報L15を含むことを想定する。第4ラベル情報L14は、第6案内画像IM6(図6A参照)のラベル情報である。第5ラベル情報L15は、第8案内画像IM8(図6C参照)のラベル情報である。
第4ラベル情報L14は、例えば、ラベルL109~L111を含んでいる。
ラベルL109は「第1棟」を示している。操作者H1が、ラベルL109の下の第1機能ボタン141を押した後、部屋番号を入力して呼出ボタンN4を押すと、呼出中であることを案内する第7案内画像IM7(図6B参照)に遷移する。そして、第1棟の1024号室に対して呼出が開始される。
ラベルL110は「第2棟」を示している。操作者H1が、ラベルL110の下の第2機能ボタン142を押した後、部屋番号を入力して呼出ボタンN4を押すと、第2棟の該当する部屋番号に対して呼出が開始される。
ラベルL111は「お知らせ」を示している。ラベルL111の下の第3機能ボタン143が押されたときの機能は、基本例のラベルL103に対応する機能と共通のため、ここでは説明を省略する。
ところで、第6案内画像IM6の画面状態のときに、操作者H1が、例えば、補助ボタンP1であるアスタリスクボタンN2を押し、その後に呼出ボタンN4を押すと、第8案内画像IM8(図6C参照)に遷移する。
第5ラベル情報L15は、例えば、ラベルL112~L115を含んでいる。ラベルL112~L114は、それぞれ、「キッズルーム」「集会場」「ゲストルーム」を示している。ラベルL115は、「管理室」を示している。要するに、補助ボタンP1を通じて、操作者H1は、選択可能な呼出対象群G1を、別の呼出対象群G1に切り替えることができる。
操作者H1が、ラベルL112~L115のいずれかの下にある機能ボタン140を押すと、該当する多目的ルーム又は管理室に設置されている親機2に呼出が開始される。
この構成によれば、機能ボタン140により「棟」の選択が可能であり、利便性が更に向上される。また、補助ボタンにより、呼出対象群G1の数が機能ボタン140の数を超える場合でも、利便性が低下してしまう可能性を低減できる。
なお、ラベルL100に示されている「第1棟」「第2棟」「キッズルーム」等の名称は、基本例で説明した設定部130により適宜に変更できてよい。例えば、「第1棟」「第2棟」は、「ウエスト棟」「イースト棟」等に変更可能であってよい。
(3.2)変形例2
変形例1では、補助ボタンP1の操作を通じて、選択可能な呼出対象群G1を、別の呼出対象群G1に切り替えている。しかし、この切り替えも、機能ボタン140の機能として割り当ててもよい。
本変形例では、4つの機能ボタン140のうち少なくとも1つは、表示部18が現在表示中のラベル情報L1を別のラベル情報L1が表示されるように表示画像(案内画像)を遷移させる機能を有する。図7A及び図7Bは、本変形例における案内画像の概略図を示す。
図7Aは、本変形例の第9案内画像IM9を示す。第9案内画像IM9は、基本例の基本案内画面IM0に相当し、表示部18は、センサ17で来訪者等の人を検出すると、第9案内画像IM9の出力を開始する。表示画面180内の上部領域には「棟番号を選択してください」という案内情報が出力される。第9案内画像IM9では、第1~第3機能ボタン141~143に、棟を選択可能な機能が割り当てられている。また第4機能ボタン144に、表示画像を遷移するための機能が割り当てられている。
本変形例では、ラベル情報L1は、第6ラベル情報L16、及び第7ラベル情報L17を含むことを想定する。第6ラベル情報L16は、第9案内画像IM9(図7A参照)のラベル情報である。第7ラベル情報L17は、第10案内画像IM10(図7B参照)のラベル情報である。
第6ラベル情報L16は、例えば、4つのラベルL116~L119を含んでいる。ラベルL116~L119は、それぞれ、「第1棟」「第2棟」「第3棟」「次へ」を示している。操作者H1が、第9案内画像IM9の画面状態で、ラベルL116~L118のいずれかの下の機能ボタン140を押した後、部屋番号を入力して呼出ボタンN4を押すと、該当する棟の部屋番号に対して呼出が開始される。一方、操作者H1が、第9案内画像IM9の画面状態で、ラベルL119の下の第4機能ボタン144を押すと、第9案内画像IM9から第10案内画像IM10に遷移する(図7B参照)。
第10案内画像IM10は、例えば、4つのラベルL120~L123を含んでいる。ラベルL120~L123は、それぞれ、「第4棟」「第5棟」「第6棟」「お知らせ」を示している。
この構成によれば、第4機能ボタン144が、現在表示中のラベル情報L16を別のラベル情報L17が表示されるように表示画像を遷移させる機能を有している。したがって、機能ボタン140の数よりも多くの機能を付加でき、またそのような場合であっても利便性が低下してしまう可能性を低減できる。
特に、本変形例では、第4機能ボタン144が、複数の呼出対象群G1のうち選択可能な呼出対象群G1を切り替える機能を有している。つまり、操作者H1は、3つの選択可能な呼出対象群G1(第1棟~第3棟)を、別の3つの選択可能な呼出対象群G1(第4棟~第6棟)に切り替えることができる。したがって、呼出対象群G1の数が機能ボタン140の数を超える場合でも、利便性が低下してしまう可能性を低減できる。
(3.3)その他の変形例
基本例では、機能ボタン140が、機械的に後方へ押し込み可能な操作部材M1として、表示部18と別体に設けられている。しかし、表示部18が、タッチパネルディスプレイを備える場合、機能ボタン140は表示画面180に画像表示されるものであってもよい。例えば、表示領域R1~R4の各々の下に、機能ボタン140に相当するボタン形状の画像が出力されてもよい。操作者H1は、表示画面180上に出力される機能ボタン140に対して、タッチ操作を行うことで対応する各種の機能が実行されてもよい。
なお、表示部18が、タッチパネルディスプレイを備える場合、機能ボタン140以外のボタンN1~N4も、表示画面180に画像表示されるものであってもよい。つまり、画面へのタッチ操作により、部屋番号の入力、呼出の確定、及び呼出の取り消し等が行えてもよい。要するに、タッチパネルディスプレイが、表示部18と子機側操作部14とを兼ねてもよい。
基本例では、機能ボタン140の数が4つであるが、2つ以上であれば、特に限定されない。
変形例2では、ラベルL119の「次へ」に相当する、表示画像を遷移させる機能が機能ボタン140に割り当てられている。例えば、「戻る」に相当する、表示画像を1つ手前の状態へ遷移させる機能が機能ボタン140に割り当てられてもよい。
(4)利点
以上説明したように、第1の態様に係るインターホン玄関装置(子機1)は、操作部(子機側操作部14)と、表示部(18)と、を備える。操作部(子機側操作部14)は、押し操作による操作入力を受け付ける複数の機能ボタン(140)を有する。表示部(18)は、表示画面(180)を有する。表示部(18)は、複数の機能ボタン(140)の機能を示すラベル情報(L1)を、複数の機能ボタン(140)の配置位置と対応する位置関係となるように画像表示する。各機能ボタン(140)が操作入力を受け付けたときに実行される機能は、表示画面(180)に表示されているラベル情報(L1)に応じて変化する。第1の態様によれば、利便性の向上を図ることができる。
第2の態様に係るインターホン玄関装置(子機1)に関して、第1の態様において、複数の機能ボタン(140)は、表示画面(180)よりも下側に配置されている、押し込み可能な複数の操作部材(M1)を有することが好ましい。第2の態様によれば、例えば複数の機能ボタン(140)が表示画面(180)の左右の側や上側に配置されている場合に比べて、表示画面(180)が操作者H1の手等で隠れてしまい利便性が低下する可能性を低減できる。
第3の態様に係るインターホン玄関装置(子機1)に関して、第2の態様において、複数の機能ボタン(140)は、表示画面(180)の下縁(E1)に沿って並んで配置されていることが好ましい。第3の態様によれば、複数の機能ボタン(140)とラベル情報(L1)に示されている機能との対応関係が更に分かり易くなる。また、インターホン玄関装置(子機1)全体としての外観上の見栄えも向上される。
第4の態様に係るインターホン玄関装置(子機1)に関して、第2の態様又は第3の態様において、画像表示されるラベル情報(L1)は、複数の表示領域(R1~R4)と、ラベル(L100)と、を含むことが好ましい。複数の表示領域(R1~R4)は、複数の機能ボタン(140)にそれぞれ一対一で対応することが好ましい。ラベル(L100)は、複数の表示領域(R1~R4)のいずれかの表示領域内に表示され、複数の機能ボタン(140)のうち対応する機能ボタン(140)の機能を示すことが好ましい。複数の表示領域(R1~R4)の各々は、対応する機能ボタン(140)と隣り合う機能ボタン(140)の上側領域まではみ出ないように規定されていることが好ましい。第4の態様によれば、複数の機能ボタン(140)とラベル情報(L1)に示されている機能との対応関係が更に分かり易くなる。また、インターホン玄関装置(子機1)全体としての外観上の見栄えも向上される。
第5の態様に係るインターホン玄関装置(子機1)に関して、第1の態様~第4の態様のいずれか1つにおいて、ラベル情報(L1)は、文字列データを含むことが好ましい。表示部(18)は、文字列データが所定の長さ以上であるとき、文字列データを複数の行又は列に分けて画像表示することが好ましい。第5の態様によれば、たとえ文字列データが所定の長さ以上であっても、複数の機能ボタン(140)とラベル情報(L1)に示されている機能との対応関係を分かり易くできる。また、インターホン玄関装置(子機1)全体としての外観上の見栄えも向上される。
第6の態様に係るインターホン玄関装置(子機1)は、第1の態様~第5の態様のいずれか1つにおいて、操作入力を行う操作者(H1)を撮像する撮像部(11)を、更に備えることが好ましい。複数の機能ボタン(140)は、撮像部(11)よりも下側に配置されていることが好ましい。第6の態様によれば、操作者H1が機能ボタン(140)の操作中において、操作者H1の手等が撮像部(11)の撮像領域内に侵入してしまい操作者H1の顔を適切に撮像できない可能性を低減できる。
第7の態様に係るインターホン玄関装置(子機1)に関して、第1の態様~第6の態様のいずれか1つにおいて、表示部(18)が特定のラベル情報(L1)を画像表示しているとき、以下の通りであることが好ましい。複数の機能ボタン(140)のうち少なくとも1つは、各々が1又は複数の呼出先を含む複数の呼出対象群(G1)の中から、特定の呼出対象群(G1)を選択可能な機能を有することが好ましい。また、複数の機能ボタン(140)のうち他の少なくとも1つは、複数の呼出対象群(G1)のうち選択可能な呼出対象群(G1)を切り替える機能を有することが好ましい。第7の態様によれば、例えば複数の呼出対象群(G1)の数が複数の機能ボタン(140)の数を超える場合でも、利便性が低下してしまう可能性を低減できる。
第8の態様に係るインターホン玄関装置(子機1)に関して、第1の態様~第7の態様のいずれか1つにおいて、操作部(子機側操作部14)は、所定の機能を割り当て可能な補助ボタン(P1)を、更に有することが好ましい。第8の態様によれば、更に利便性の向上を図ることができる。
第9の態様に係るインターホン玄関装置(子機1)に関して、第1の態様~第8の態様のいずれか1つにおいて、表示部(18)が特定のラベル情報(L1)を画像表示しているとき、以下の通りであることが好ましい。複数の機能ボタン(140)のうち少なくとも1つは、表示部(18)が現在表示中のラベル情報(L1)を別のラベル情報(L1)が表示されるように表示画像(案内画像)を遷移させる機能を有することが好ましい。第9の態様によれば、複数の機能ボタン(140)の数よりも多くの機能を付加でき、またそのような場合であっても利便性が低下してしまう可能性を低減できる。
第10の態様に係るインターホン玄関装置(子機1)は、第1の態様~第9の態様のいずれか1つにおいて、設定部(130)を、更に備えることが好ましい。設定部(130)は、外部からの所定の設定入力に基づいて、複数の機能ボタン(140)に対して機能の割り当てを設定することが好ましい。第10の態様によれば、インターホン玄関装置(子機1)の設置環境、又は要望等に応じた機能の割り当てが可能となる。
第11の態様に係るインターホン玄関装置(子機1)に関して、第10の態様において、設定部(130)は、外部からの特定の設定入力に基づいて、表示画面(180)に画像表示されるラベル情報(L1)を設定することが好ましい。第11の態様によれば、インターホン玄関装置(子機1)の設置環境、又は要望等に応じたラベル表示が可能となる。
第12の態様に係るインターホン玄関装置(子機1)に関して、第1の態様~第11の態様のいずれか1つにおいて、ラベル情報(L1)は、第1ラベル情報(L11)と、第2ラベル情報(L12)と、を少なくとも含むことが好ましい。第1ラベル情報(L11)は、第1機能群(FG1)を示す。第2ラベル情報(L12)は、第2機能群(FG2)を示す。表示部(18)は、第1ラベル情報(L11)を第1画面状態において表示し、第2ラベル情報(L12)を第2画面状態において表示することが好ましい。表示部(18)が第1画面状態から第2画面状態へ遷移すると、各機能ボタン(140)が操作入力を受け付けたときに実行される機能も、第1機能群(FG1)から第2機能群(FG2)へ切り替わることが好ましい。第12の態様によれば、各機能ボタン(140)に対応する機能の切り替えを容易に行うことができる。
第13の態様に係るインターホンシステム(10)は、第1の態様~第12の態様のいずれか1つのインターホン玄関装置(子機1)と、当該インターホン玄関装置と通信する通信装置(例えば親機2)と、を備える。第13の態様によれば、利便性の向上を図ることが可能なインターホンシステム(10)を提供できる。
第14の態様に係る制御方法は、インターホン玄関装置(子機1)の制御方法である。インターホン玄関装置(子機1)は、操作部(子機側操作部14)と、表示部(18)と、を備える。操作部(子機側操作部14)は、押し操作による操作入力を受け付ける複数の機能ボタン(140)を有する。表示部(18)は、表示画面(180)を有する。制御方法は、第1ステップと、第2ステップと、を含む。第1ステップにて、複数の機能ボタン(140)の機能を示すラベル情報(L1)を、複数の機能ボタン(140)の配置位置と対応する位置関係となるように、表示部(18)に、画像表示させる。第2ステップにて、各機能ボタン(140)が操作入力を受け付けたときに実行する機能を、表示画面(180)に表示されているラベル情報(L1)に応じて変化させる。第14の態様によれば、利便性の向上を図ることが可能な制御方法を提供できる。
第15の態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに第14の態様における制御方法を実行させる。第15の態様によれば、利便性の向上を図ることが可能な機能を提供できる。
第2~12の態様に係る構成については、インターホン玄関装置(子機1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。