JP7053288B2 - 修飾粒子、これを含む分散液および組成物、並びに修飾粒子の製造方法および組成物の製造方法 - Google Patents

修飾粒子、これを含む分散液および組成物、並びに修飾粒子の製造方法および組成物の製造方法 Download PDF

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本発明は修飾粒子、これを含む分散液および組成物、並びに修飾粒子の製造方法および組成物の製造方法に関し、詳しくは、分散安定性に優れ、樹脂組成物の強度を容易に向上させることができる修飾粒子、これを含む分散液、組成物、修飾粒子の製造方法、および組成物の製造方法に関する。
今日、樹脂組成物の耐擦傷性、耐摩耗性、強度等の向上を目的として、シリカ粒子を添加することが知られている。また、シリカ粒子に対して、所望の機能を付与する方法としてシランカップリング剤により表面処理する方法も知られている。
例えば、特許文献1では、メラミン架橋型塗料組成物に添加した際のシリカ粒子の分散性の向上を目的として、イソシアヌレート環構造を有するシランカップリング剤を用いることが提案されている。
特開2013-249400号公報
シランカップリング剤として、イソシアネート基を有するものを用いることで、表面にイソシアネート基が導入された、イソシアネート修飾シリカ粒子を得ることができる。このようなイソシアネート修飾シリカ粒子は、例えば、樹脂中の官能基と結合することができ、樹脂との相溶性が向上する可能性がある。また、その結果、樹脂組成物の強度を向上できる可能性がある。しかしながら、イソシアネート修飾シリカ粒子は、例えば、分散安定性が低く、凝集しやすいといった問題を有している。
そこで、本発明の目的は、分散安定性に優れ、樹脂組成物の強度を容易に向上させることができる修飾粒子、これを含む分散液、組成物、修飾粒子の製造方法および組成物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、イソシアネート修飾シリカ粒子は、反応性の高いイソシアネート基同士が反応しやすい結果、凝集する傾向があるとの知見を得た。かかる知見をもとに、本発明者らはさらに鋭意検討した結果、イソシアネート修飾シリカのイソシアネート基をブロック化剤でブロックすることで、分散安定性を改善し、さらに、樹脂組成物に添加した後に、脱ブロックすることで、樹脂組成物の強度を向上させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の修飾粒子は、粒子に結合したブロックイソシアネートシランを有する修飾粒子であって、
前記ブロックイソシアネートシランが、下記一般式(I)、
Figure 0007053288000001
(一般式(I)中、Rは、炭素原子数1~8のアルキル基を表し、cは1~10の数であり、aは1~3の数であり、bは0~2の数であり、a+b=3である。)で表されるイソシアネート化合物と、ブロック化剤と、の反応物であることを特徴とするものである。
本発明の修飾粒子においては、前記粒子は、シリカ粒子であることが好ましい。また、本発明の修飾粒子においては、前記ブロック化剤は、オキシム化合物またはピラゾール化合物であることが好ましい。さらに、本発明の修飾粒子においては、前記ブロックイソシアネートシランは、前記粒子の一部を覆うものであることが好ましい。
本発明の分散剤は、本発明の修飾粒子と、溶剤と、を含むことを特徴とするものである。
本発明の組成物は、本発明の修飾粒子と、樹脂と、を含むことを特徴とするものである。
本発明の組成物においては、前記粒子は、シリカ粒子であることが好ましいく、前記ブロック化剤は、オキシム化合物またはピラゾール化合物であることが好ましい。
また、本発明の他の組成物は、粒子に結合した下記一般式(I)、
Figure 0007053288000002
(一般式(I)中、Rは、炭素原子数1~8のアルキル基を表し、cは1~10の数であり、aは1~3の数であり、bは0~2の数であり、a+b=3である。)で表されるイソシアネート化合物を有する修飾粒子と、樹脂と、ブロック化剤と、を含むことを特徴とするものである。
本発明の修飾粒子の製造方法は、粒子と、ブロックイソシアネートシランと、を結合する結合工程を有し、
前記ブロックイソシアネートシランが、下記一般式(I)、
Figure 0007053288000003
(一般式(I)中、Rは、炭素原子数1~8のアルキル基を表し、cは1~10の数であり、aは1~3の数であり、bは0~2の数であり、a+b=3である。)で表されるイソシアネート化合物と、ブロック化剤と、の反応物であることを特徴とするものである。
本発明の修飾粒子の製造方法においては、前記粒子は、シリカ粒子であることが好ましい。また、本発明の修飾粒子の製造方法においては、前記ブロック化剤は、オキシム化合物またはピラゾール化合物であることが好ましい。
本発明の組成物の製造方法は、本発明の組成物に含まれる前記修飾粒子中のブロックイソシアネート基を脱ブロックする工程を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、分散安定性に優れ、樹脂組成物の強度を容易に向上させることができる修飾粒子、これを含む分散液、組成物、修飾粒子の製造方法および組成物の製造方法を提供することができる。
本発明の修飾粒子は、粒子に上記ブロックイソシアネートシランが結合したものであることで、得られる修飾粒子は、分散安定性に優れ、樹脂組成物の強度が向上する。また、粒子をシリカ粒子とすることで、ブロックイソシアネートシランとの結合が容易なものとなり、かつ、樹脂組成物の強度向上が容易なものとなる。さらに、ブロック化剤を、オキシム化合物またはピラゾール化合物とすることで、ブロックイソシアネートシランは、ブロック化剤の脱ブロックが容易なものとなる。さらにまた、ブロックイソシアネートシランが、粒子の全体でなく一部を覆うものとすることで、修飾粒子への他の機能の追加が容易となる。
本発明の分散液は、修飾粒子として本発明の修飾粒子を含むものであるため、修飾粒子の分散安定性に優れている。また、本発明の分散液を用いて樹脂組成物を形成した場合には、強度に優れた樹脂組成物を容易に得ることができる。
本発明の組成物は、修飾粒子として本発明の修飾粒子を含むものであるため、強度に優れた組成物を容易に得ることができる。
本発明の他の組成物(以下、「第2組成物」とも称す。)は、粒子およびこの粒子に結合した一般式(I)で表されるイソシアネート化合物を有する修飾粒子(以下、「第2修飾粒子」とも称す。)と、樹脂と、ブロック化剤と、を含んでおり、第2修飾粒子中のイソシアネート基を介して、第2修飾粒子と樹脂とが結合できるため、優れた強度を有する組成物を得ることができる。また、第2組成物は、樹脂および修飾粒子を含む組成物を準備し、この組成物に含まれる修飾粒子中のブロックイソシアネート基を脱ブロック化することで、容易に製造することができる。
本発明の修飾粒子の製造方法では、ブロックイソシアネートシランを用いているため、分散安定性に優れ、樹脂組成物の強度向上が容易な修飾粒子を容易に得ることができる。
本発明の組成物の製造方法は、組成物に含まれる修飾粒子中のブロックイソシアネート基を脱ブロックする工程を有するため、より具体的には、樹脂および粒子に所定のブロックイソシアネートシランが結合した修飾粒子を含む組成物を準備し、この組成物に含まれる修飾粒子中のブロックイソシアネート基を脱ブロック化する工程を有するため、優れた強度を有する組成物を得ることができる。
以下、本発明の修飾粒子、これを含む分散液および組成物、並びに修飾粒子の製造方法および組成物の製造方法の実施の形態について詳細に説明する。
A.修飾粒子
まず、本発明の修飾粒子について説明する。本発明の修飾粒子は、粒子に結合したブロックイソシアネートシランを有する。本発明の修飾粒子においては、ブロックイソシアネートシランは、下記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物と、ブロック化剤と、の反応物である。
Figure 0007053288000004
ここで、一般式(I)中、Rは、炭素原子数1~8のアルキル基を表し、cは1~10の数であり、aは1~3の数であり、bは0~2の数であり、a+b=3である。
本発明の修飾粒子は、粒子に一般式(I)で表されるブロックイソシアネートシランが結合したものであるため、分散安定性に優れ、樹脂組成物の強度を容易に向上させることができる。ここで、一般式(I)で表されるブロックイソシアネートシランを粒子に結合することで、上述の効果を奏する理由については、以下のように推察される。
すなわち、本発明の修飾粒子は、粒子に、一般式(I)で表されるブロックイソシアネートシランが結合したものであり、ブロックイソシアネートシランは、イソシアネート基がブロック化剤と反応した基(以下、「ブロックイソシアネート基」とも称す。)を有する。このため、本発明の修飾粒子は、イソシアネート基がブロックされていない場合と比較して、例えば、イソシアネート基同士が反応することや、イソシアネート基が樹脂に含まれる官能基と反応すること等により生じる凝集が抑制される。したがって、例えば、本発明の修飾粒子を溶剤と混合して分散液等を調製した際には、修飾粒子の分散性が良好な分散液等を得ることができる。
また、本発明の修飾粒子を樹脂と混合して樹脂組成物を形成した際には、修飾粒子の分散性が良好な樹脂組成物を得ることができる。さらに、本発明の修飾粒子は、ブロックイソシアネート基からブロック剤を脱ブロックすることで、イソシアネート基を再生できる。そして、再生されたイソシアネート基により、本発明の修飾粒子は、例えば、樹脂等と結合可能となり、樹脂組成物の強度を効果的に向上させることができる。このようなことから、一般式(I)で表されるブロックイソシアネートシランが粒子に結合した本発明の修飾粒子は、分散安定性に優れ、樹脂組成物の強度を容易に向上させることができるのである。
以下、本発明の修飾粒子の各構成について詳細に説明する。
A-1.ブロックイソシアネートシラン
本発明の修飾粒子に係るブロックイソシアネートシランは、一般式(I)で表されるイソシアネート化合物とブロック化剤との反応物である。すなわち、本発明の修飾粒子に係るブロックイソシアネートシランは、一般式(I)で表されるイソシアネート化合物のイソシアネート基(-N=C=O)とブロック化剤とを反応させて得られるものである。また、本発明の修飾粒子に係るブロックイソシアネートシランは、修飾粒子中において粒子に結合したものである。ここで、「粒子に結合した」とは、粒子と共有結合を介して結合している状態を示すものであり、例えば、粒子に存在する水酸基等の反応性基とブロックイソシアネートシラン中のORとが脱水縮合反応等を経て共有結合を生成している状態等を意味する。したがって、修飾粒子中のブロックイソシアネートシランに含まれるOR基のうち、粒子との結合に関与したものは、通常、Rを含まない状態である。
また、ブロックイソシアネートシランが2以上のOR基を含む場合、OR基の一部は、他のブロックイソシアネートシランのOR基との間でシロキサン結合(Si-O-Si)を形成していてもよい。この場合、修飾粒子中のブロックイソシアネートシランに含まれるOR基のうち、シロキサン結合の形成に関与したものは、通常、Rを含まない状態である。
修飾粒子中のブロックイソシアネートシランは、粒子または他のブロックイソシアネートシランのOR基と反応しなかった、未反応のOR基を含むものであってもよい。本発明においては、上記ブロックイソシアネートシランに含まれる全てのOR基が、粒子、他のブロックイソシアネートシランのOR基等と反応し、Rを含まない状態であることが好ましい。粒子と安定的に結合したものとなるからである。
一般式(I)におけるRで表される炭素原子数1~8のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、iso-プロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、iso-ブチル、アミル、iso-アミル、tert-アミル、ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、シクロヘキシル、1-メチルシクロヘキシル、ヘプチル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、iso-ヘプチル、tert-ヘプチル、1-オクチル、iso-オクチル、tert-オクチル等が挙げられる。本発明の修飾粒子においては、一般式(I)において、Rがメチル、エチルまたはプロピルであることが、原料入手の容易さの点から好ましい。
また、cは2~4であることが好ましい。ブロックイソシアネートシランの高沸点化が容易だからである。ブロックイソシアネートシランの沸点は、例えば、樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂の可塑化温度、硬化性樹脂のプリベーク工程での加熱温度、ポストベーク工程での加熱温度等より高いことが好ましい。樹脂組成物中等に安定して分散可能となるからである。
また、aが3であり、bが0であることが好ましい。かかる修飾粒子は、分散安定性および樹脂組成物の強度向上効果に優れたものとなるからである。
本発明の修飾粒子に係るブロック化剤としては、イソシアネート基と反応して、イソシアネート基を保護できるものであれば特に制限はなく、従来用いられているものを用いることができる。
例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル等のカルボン酸エステル化合物:マロン酸、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル(アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等)等の活性メチレン化合物;ホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、メチルエチルケトオキシム(MEKオキシム)、メチルイソブチルケトオキシム(MIBKオキシム)、ジメチルケトオキシム、ジエチルケトオキシム等のオキシム構造を有するオキシム化合物;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2-エチルヘキサノール、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、イソノニルアルコール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール等の一価アルコールまたはこれらの異性体;メチルグリコール、エチルグリコール、エチルジグリコール、エチルトリグリコール、ブチルグリコール、ブチルジグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール誘導体;フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ニトロフェノール、クロロフェノール等のフェノール化合物またはこれらの異性体:乳酸メチル、乳酸アミル等の水酸基含有エステル;ジブチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ-tert-ブチルアミン、ジ-2-エチルヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール等のアミン化合物;エチレンイミン、ポリエチレンイミン等のイミン化合物;モノメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエチルエタノールアミン等のアルコールアミン;α-ピロリドン、β-ブチロラクタム、β-プロピオラクタム、γ-ブチロラクタム、δ-バレロラクタム、ε-カプロラクタム等のラクタム化合物;ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のメルカプタン化合物;イミダゾール、2-エチルイミダゾール等のイミダゾール化合物;アセトアニリド、アクリルアミド、酢酸アミド、ダイマー酸アミド等の酸アミド化合物;コハク酸イミド、マレイン酸イミド、フタル酸イミド等の酸イミド化合物;尿素、チオ尿素、エチレン尿素等の尿素化合物;ベンゾトリアゾール化合物;ピラゾール、3,5-ジメチルピラゾール、3-メチルピラゾール、4-ベンジル-3,5-ジメチルピラゾール、4-ニトロ-3,5-ジメチルピラゾール、4-ブロモ-3,5-ジメチルピラゾール、3-メチル-5-フェニルピラゾール等のピラゾール環構造を有するピラゾール化合物、下記一般式(II)で表される水酸基を有する(メタ)アクリロイルオキシ化合物等が挙げられ、これらは1種を単独で、または2種以上を併用することができる。
HO-R-O-CO-CR=CH (II)
ここで、一般式(II)中、Rは、炭素原子数1~8のアルキレン基であり、Rは水素原子またはメチル基である。
本発明の修飾粒子に係るブロック化剤は、脱ブロック温度が100℃以上200℃以下であるものが、プリベーク時には安定して存在し、ポストベーク時に反応する点から好ましい。以下、脱ブロック温度の測定方法を、イソシアネート化合物として3-イソシアナートプロピルトリエトキシシランを例にとって説明する。脱ブロック温度の測定方法は、示差熱分析法により5重量%の熱減量を示した温度(以下、「5%重量減少温度」とも称す。)とする。
脱ブロック温度の測定は、3-イソシアナートプロピルトリエトキシシランのイソシアネート基をブロックしたブロックイソシアネートシランを採取し、示差熱熱重量同時測定装置を用いて、試料約5mg、窒素200mL/min雰囲気下、昇温開始温度30℃、昇温終了温度500℃、昇温速度10℃/minで昇温した際における試料について熱減量を測定し、30℃時点の試料重量に対して5%減量した時点の温度を5%重量減少温度とする。
示差熱重量同時測定装置としては、上記測定を精度良く実施可能なものであればよく、例えば、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、型式:EXSTAR TG/DTA6200等を用いることができる。
本発明の修飾粒子に係るブロック化剤は、中でも、オキシム化合物またはピラゾール化合物が好ましく、特にオキシム化合物が好ましい。このようなブロック化剤であることで、ブロックイソシアネートシランは、ブロック化剤の脱ブロックが容易なものとなる。
本発明の修飾粒子に係るブロックイソシアネートシランの製造方法としては、ブロックイソシアネートシランを精度良く製造できる方法であればよく、特に制限はない。例えば、一般式(I)で表されるイソシアネート化合物中のイソシアネート基と、ブロック化剤と、を反応(以下、「ブロック化反応」とも称す。)させる方法を挙げることができる。ブロック化反応としては、例えば、イソシアネート化合物と、ブロック化剤とを混合し、加熱する方法を挙げることができる。
ブロック化反応の反応温度は、通常、50℃以上150℃以下とすることができ、好ましくは60℃以上120℃以下とすることができる。また、ブロック化反応の反応時間は、1時間以上7時間以下程度とすることができる。さらに、ブロック化反応は、触媒や溶媒(芳香族炭化水素系、エステル系、エーテル系、ケトン系およびこれらの2種以上の混合溶媒等)を加えて行ってもよい。
ブロック化剤の添加量は、遊離のイソシアネート基に対し、通常、1当量以上2当量以下であり、好ましくは1.05当量以上1.5当量以下である。
本発明の修飾粒子においては、ブロックイソシアネートシランの種類は、1種類であってもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、脱ブロック化温度の異なるブロックイソシアネートシランを組み合わせて用いることで、樹脂との結合を段階的に実施すること等が容易となる。
本発明の修飾粒子においては、ブロックイソシアネートシランの含有量としては、修飾粒子の用途等に応じて適宜設定することができるが、例えば、修飾粒子100質量部中に、0.001質量部以上99質量部以下とすることができ、0.01質量部以上50質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上15質量部以下であることが、より好ましく、0.5質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。ブロックイソシアネートシランの含有量を上述の範囲とすることで、粒子との結合が容易になるからである。
なお、ブロックイソシアネートシランの含有量は、修飾粒子に結合しているブロックイソシアネートシラン由来の化合物の含有量とする。したがって、ブロックイソシアネートシランの含有量には、粒子と結合する際に加水分解により外れる基は含まない。ブロックイソシアネートシランの含有量は、例えば、一般式(I)中のRを除いた部位の含有量とする。
本発明の修飾粒子においては、粒子の全面がブロックイソシアネートシランに覆われていてもよく、粒子の一部がブロックイソシアネートシランで覆われていてもよい。修飾粒子に対して、他の化合物を結合させることが容易となる観点から、粒子の一部をブロックイソシアネートシランで覆われたものが好ましい。このような修飾粒子は、他の化合物に由来する機能の追加が容易となるからである。ここで、粒子の全面を覆うとは、粒子に存在するブロックイソシアネートシランと結合可能な反応性基の全てが、ブロックイソシアネートシランと結合していることをいう。また、粒子の一部を覆うとは、粒子に存在するブロックイソシアネートシランと結合可能な反応性基の一部が、ブロックイソシアネートシランと結合していることをいう。
なお、ブロックイソシアネートシランが粒子の一部を覆うものであるとの判断方法としては、例えば、修飾粒子に対して、さらに、ブロックイソシアネートシランが結合可能である場合や、修飾粒子にブロックイソシアネートシラン以外の化合物が結合している場合には、一部を覆うものであると判断することができる。
A-2.粒子
本発明の修飾粒子に係る粒子は、ブロックイソシアネートシランが結合するものである。このような粒子としては、樹脂を含む組成物中に添加することで、強度向上等を図ることができるものであれば特に制限はなく、無機粒子、有機粒子、金属粒子等を挙げることができる。本発明の修飾粒子に係る粒子は、1種類のみであってもよく、2種類以上を含むものであってもよい。
無機粒子としては、例えば、タルク粒子、酸化チタン粒子、酸化カルシウム粒子、酸化マグネシウム粒子、酸化亜鉛粒子、酸化チタン粒子、炭酸カルシウム粒子、シリカ粒子、クレー、マイカ粒子、硫酸バリウム粒子、ウィスカー粒子、水酸化マグネシウム粒子等を挙げることができる。
有機粒子としては、例えば、アクリルビーズ、スチレンビーズ、シリコーン樹脂粒子等を挙げることができる。
金属粒子としては、例えば、金粒子、銀粒子、銅粒子、鉄粒子、亜鉛粒子等を挙げることができる。
本発明の修飾粒子に係る粒子としては、中でも、樹脂成分の強度向上の観点からは、無機粒子であることが好ましく、特に、シリカ粒子であることが好ましい。なお、粒子がシリカ粒子である場合には、シリカ粒子に存在する水酸基を、ブロックイソシアネートシランが結合する反応性基として用いることができる。したがって、本発明の修飾粒子は、シリカ粒子に存在する水酸基と、ブロックイソシアネートシラン中のORとが、脱水縮合反応により結合したものとすることができる。
本発明の修飾粒子に係る粒子の平均粒子径としては、修飾粒子の用途等に応じて適宜設定されるものであるが、例えば、1nm以上1000μm以下とすることができ、1nm以上1000nm以下であることが好ましく、1nm以上200nm以下であることがより好ましく、特に、5nm以上100nm以下であることが好ましい。平均粒子径が上記範囲であることで、本発明の修飾粒子は、分散安定性に優れたものとなるからである。なお、平均粒子径については、動的光散乱方式を測定原理とする粒度分布計、例えば、日機装社製マイクロトラックMT3100IIを用いて下記の条件で、粒子の全体積の累積分布を求めたとき、体積の累積分布が50%となる粒子径(D50)とする。
(サンプル液)
前処理:ビーカーに粒子と、分散溶媒とを加えた後、超音波(39kHz、出力500Wにて2分間)で分散させ、これをサンプル液とする。
分散溶媒:メチルエチルケトン
粒子濃度:20質量%
本発明の修飾粒子に係る粒子の市販品としては、例えば、日産化学工業株式会社製スノーテックスOS、スノーテックスOL等を挙げることができる。
本発明の修飾粒子における粒子の含有量としては、修飾粒子の用途等に応じて適宜設定することができるが、例えば、修飾粒子100質量部中に、1質量部以上とすることができ、10質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であることがより好ましく、特に、80質量部以上であることが好ましく、90質量部以上であることが最も好ましい。粒子の含有量が上記範囲であることで、修飾粒子は、例えば、樹脂組成物の強度向上を効果的に発揮できるからである。
A-3.その他の化合物
本発明の修飾粒子は、ブロックイソシアネートシラン以外のその他の化合物が粒子に結合していてもよい。このような、その他の化合物としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等のシランカップリング剤、トリメチルメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン等のシラザン化合物等を挙げることができる。
A-4.修飾粒子
本発明の修飾粒子の平均粒子径としては、修飾粒子の用途等に応じて適宜設定されるものである。このような平均粒子径等については、本発明の修飾粒子に係る粒子の平均粒子径と同様とすることができる。
修飾粒子の製造方法としては、粒子にブロックイソシアネートシランを結合させることができる方法であればよい。このような製造方法としては、後述する「E.修飾粒子の製造方法」の項に記載する方法を挙げることができる。
本発明の修飾粒子の用途としては、樹脂製部材、なかでも、高強度であることが要求される樹脂製部材への充填剤用途等を挙げることができる。このような樹脂製部材としては、例えば、電気・電子部品、自動車部品、家電製品、建築材料、サニタリー用品、スポーツ用品、雑貨等の幅広い分野を挙げることができる。また、本発明の修飾粒子の用途として、塗料等も挙げることができる。塗料用途としては、例えば、建築・建材用の塗料、家電製品用の塗料、自動車用の塗料を挙げることができる。
B.分散液
次に、本発明の分散液について説明する。本発明の分散液は、本発明の修飾粒子と、溶剤と、を含む。本発明の分散液は、本発明の修飾粒子を含むものであるため、修飾粒子の分散安定性に優れている。また、本発明の分散液を用いて樹脂組成物を形成した場合には、強度に優れた樹脂組成物を得ることができる。以下、本発明の分散液の各成分について説明する。
B-1.修飾粒子
本発明の分散液においては、本発明の修飾粒子の含有量としては、本発明の分散液の用途等に応じて適宜設定することができるが、例えば、分散液100質量部中に、0.001質量部以上50質量部以下とすることができ、なかでも、0.01質量部以上40質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上30質量部以下であることがより好ましい。修飾粒子の含有量が上記範囲であることで、本発明の分散液は、修飾粒子の凝集の少ないものとなるからである。
本発明の分散液においては、本発明の修飾粒子の種類は、1種類のみであってもよく、2種類以上であってもよい。本発明の分散液においては、本発明の修飾粒子の種類を、例えば、2種類以上5種類以下とすることができる。例えば、脱ブロック化温度の異なるブロックイソシアネートシランが結合した修飾粒子を組み合わせて用いることで、樹脂との結合を段階的に実施すること等が容易となる。
ここで、本発明の修飾粒子は、「A.修飾粒子」の項に記載の内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
B-2.溶剤
本発明の分散液に係る溶剤は、修飾粒子を分散するものである。このような溶剤としては、修飾粒子を分散可能なものであればよく、特に制限はない。例えば、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン等のケトン類;エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸-n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸シクロヘキシル、乳酸エチル、コハク酸ジメチル、テキサノール等のエステル系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、イソ-またはn-プロパノール、イソ-またはn-ブタノール、アミルアルコール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール-1-モノメチルエーテル-2-アセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシブチルエーテルアセテート、エトキシエチルエーテルプロピオネート等のエーテルエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等のBTX系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テレピン油、D-リモネン、ピネン等のテルペン系炭化水素油;ミネラルスピリット、スワゾール#310(コスモ松山石油社)、ソルベッソ#100(エクソン化学社)等のパラフィン系溶媒;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒;カルビトール系溶媒;アニリン;トリエチルアミン;ピリジン;酢酸;アセトニトリル;二硫化炭素;N,N-ジメチルホルムアミド;N,N-ジメチルアセトアミド;N-メチルピロリドン;ジメチルスルホキシド;水等を挙げることができる。本発明の分散液においては、溶剤は、水を含む水性溶剤であってもよく、水を含まない非水性溶剤であってもよい。
溶剤の含有量としては、本発明の分散液の用途等に応じて適宜設定することができるが、例えば、分散液100質量部中に、30質量部以上とすることができ、なかでも、50質量部以上99.9質量部以下であることが好ましく、特に、70質量部以上99.7質量部以下であることが好ましい。含有量が上述の範囲であることで、本発明の分散液は、修飾粒子の凝集の少ないものとなるからである。
B-3.分散液
本発明の分散液は、本発明の修飾粒子および溶剤を含むものであるが、必要に応じてその他の成分を含んでもよい。このような、その他の成分としては、一般に用いられる各種添加剤を挙げることができる。例えば、顔料、染料、造膜助剤、硬化剤、カップリング剤、ブロッキング防止剤、粘度調整剤、レベリング剤、消泡剤、ゲル化防止剤、分散安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、耐熱性付与剤、無機および有機充填剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、補強剤、触媒、揺変剤、抗菌剤、防カビ剤、防腐触剤、加水分解性シリル基安定剤等が挙げられる。
本発明の分散液の製造方法としては、溶剤中に分散性よく修飾粒子を分散可能な方法であればよく、例えば、水中に修飾粒子を添加し混合した後、有機溶剤を添加する方法等を挙げることができる。
本発明の分散液の用途としては、上記「A.修飾粒子」の項に記載の内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
C.組成物
次に、本発明の組成物について説明する。本発明の組成物は、本発明の修飾粒子と、樹脂と、を含むことを特徴とするものである。本発明の組成物によれば、本発明の修飾粒子を含むものであるため、強度に優れた組成物を容易に得ることができる。以下、本発明の組成物の各成分について詳細に説明する。
C-1.修飾粒子
本発明の組成物における、本発明の修飾粒子の含有量としては、本発明の組成物の用途等に応じて適宜設定することができるが、例えば、本発明の組成物の固形分100質量部中に、0.1質量部以上90質量部以下とすることができ、0.5質量部以上80質量部以下であることがより好ましく、1質量部以上70質量部以下であることが特に好ましい。修飾粒子の含有量が上記範囲であることで、本発明の組成物は、強度に優れたものとなるからである。なお、特に強度を向上するという観点からは、本発明の修飾粒子の含有量は、組成物の固形分100質量部中に、10質量部以上70質量部以下であることが好ましく、なかでも、20質量部以上70質量部以下であることが好ましく、特に、30質量部以上70質量部以下であることが好ましい。また、固形分とは、組成物に含まれる溶剤以外の全ての成分を含むものである。
本発明の組成物においては、本発明の修飾粒子の種類は、1種類のみであってもよく、2種類以上であってもよい。本発明の組成物においては、例えば、2種類以上5種類以下とすることができる。
本発明の修飾粒子は、上記「A.修飾粒子」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
C-2.樹脂
本発明の組成物に係る樹脂は、修飾粒子を分散するものである。このような樹脂としては、修飾粒子を保持可能なものであれば特に制限はなく、例えば、重合性基を有する重合性化合物のように、重合することで高分子量化し、これにより修飾粒子を保持可能となるもの、重合性基を有しない重合体のように、樹脂自体が修飾粒子を保持可能なもの等を挙げることができる。
本発明の組成物においては、なかでも、樹脂が、イソシアネート基と反応し共有結合を形成できる官能基(以下、「樹脂結合基」とも称する。)を有するものであることが好ましい。このような樹脂を用いることで、本発明の組成物は、修飾粒子と樹脂との相溶性に優れ、強度向上効果に優れたものとなるからである。なお、樹脂結合基としては、イソシアネート基と反応し共有結合を形成できるものであればよく、例えば、水酸基、1級アミン、2級アミン、カルボキシル基、メルカプト基、エポキシ基等を挙げることができる。
(1)重合性化合物
本発明の組成物においては、重合性化合物としては、重合性基の種類、すなわち、重合反応の種類により異なるものであり、例えば、ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物、アニオン重合性化合物等を挙げることができる。
(1-1)ラジカル重合性化合物
ラジカル重合性化合物としては、ラジカル重合可能な重合性基を1以上有するものであり、重合性基を1つ有する単官能化合物でもよく、重合性基を2以上有する多官能化合物でもよい。ラジカル重合性化合物としては、例えば、重合性基として(メタ)アクリル基、ビニル基等のエチレン性不飽和二重結合基等を有する化合物を挙げることができる。なお、(メタ)アクリルは、アクリルおよびメタクリルを含む意味で用いるものとする。
ラジカル重合性化合物としては、酸価を有する化合物、酸価を有しない化合物のいずれも用いることができる。酸価を有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基等を有する(メタ)アクリレート化合物を挙げることができる。酸価を有しない化合物としては、エポキシアクリレート樹脂、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル等のカルボキシル基等を有しない(メタ)アクリレート化合物を挙げることができる。これらラジカル重合性化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。例えば、ラジカル重合性化合物は、エチレン性不飽和二重結合基を有し、酸価を有する化合物およびエチレン性不飽和二重結合基を有し、酸価を有しない化合物を組み合わせて使用することができる。
なお、ラジカル重合性化合物は、2種以上を混合して使用する場合には、それらを予め共重合して共重合体として使用してもよい。このようなラジカル重合性化合物等としては、より具体的には、特開2016-176009号公報に記載されるラジカル重合性化合物等を挙げることができる。
(1-2)カチオン重合性化合物
カチオン重合性化合物としては、カチオン重合可能な重合性基を1以上有するものであり、重合性基を1つ有する単官能化合物でもよく、重合性基を2以上有する多官能化合物でもよい。カチオン重合性化合物としては、例えば、エポキシ基を有するエポキシ化合物およびオキセタン基を有するオキセタン化合物等の環状エーテル基を有する化合物、並びにビニルエーテル基を有するビニルエーテル化合物等を挙げることができる。
このようなカチオン重合性化合物等としては、より具体的には、特開2016-176009号公報に記載されるカチオン重合性化合物等を挙げることができる。カチオン重合性化合物は、2種以上を混合して使用する場合には、それらを予め共重合して共重合体として使用してもよい。カチオン重合性化合物は、光カチオン開始剤、熱カチオン開始剤等のカチオン開始剤と共に用いることができる。
(1-3)アニオン重合性化合物
アニオン重合性化合物としては、アニオン重合可能な重合性基を1以上有するものとすることができ、重合性基を1つ有する単官能化合物でもよく、重合性基を2以上有する多官能化合物でもよい。例えば、エポキシ基を有するエポキシ化合物、ラクトン基を有するラクトン化合物、(メタ)アクリル基を有する化合物等を挙げることができる。
ラクトン化合物としては、β-プロピオラクトン、ε-カプロラクトン等を挙げることができる。なお、エポキシ化合物については、カチオン重合性化合物として例示したエポキシ化合物を用いることができる。また、(メタ)アクリル基を有する化合物としては、ラジカル重合性化合物として例示したものを用いることができる。アニオン重合性化合物は、2種以上を混合して使用する場合には、それらを予め共重合して共重合体として使用してもよい。
(2)重合性基を有しない重合体
本発明の組成物においては、重合性基を有しない重合体とは、重合性基を有しないものである。このような重合体としては、繰り返し構造を含むものであればよく、感光性を有する感光性樹脂、感光性を有しない非感光性樹脂等を挙げることができる。
(2-1)感光性樹脂
感光性樹脂は、感光性を有するものであり、例えば、酸発生剤と共に用いられ、酸の作用でエステル基またはアセタール基等の化学結合の切断等、現像液に対する溶解性が増加する方向に変化するポジ型樹脂を挙げることができる。このようなポジ型樹脂としては、例えば、特開2016-89085号公報に記載のレジストベース樹脂または化合物等を用いることができる。
(2-2)非感光性樹脂
非感光性樹脂としては、感光性を有しないものであればよく、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルホン、ポリビニルブチラール、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ノルボルネン系樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、イソブチレン無水マレイン酸共重合樹脂、環状オレフィン系等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。非感光性樹脂としては、上記重合性化合物の重合物も用いることができる。すなわち、本発明の組成物は、重合性化合物と、修飾粒子とを含む組成物の硬化物であってもよい。
(2-3)重合体
本発明の組成物においては、重合体の重量平均分子量(Mw)は、組成物の用途等に応じて適宜設定されるものであるが、例えば、1500以上とすることができ、1500以上300000以下とすることができる。なお、重量平均分子量Mwは、例えば、東ソー(株)製のHLC-8120GPCを用い、溶出溶剤を0.01モル/リットルの臭化リチウムを添加したN-メチルピロリドンとし、校正曲線用ポリスチレンスタンダードをMw377400、210500、96000、50400、20650、10850、5460、2930、1300、580(以上、Polymer Laboratories社製 Easi PS-2シリーズ)およびMw1090000(東ソー(株)製)とし、測定カラムをTSK-GEL ALPHA-M×2本(東ソー(株)製)として測定して得ることができる。また、測定温度は40℃とすることができ、流速は1.0mL/分とすることができる。
C-3.その他の成分
本発明の組成物は、本発明の修飾粒子、樹脂以外に、必要に応じてその他の成分を含むことができる。その他の成分としては、ラジカル重合性化合物と共に添加し得るラジカル重合開始剤、カチオン重合性化合物と共に添加し得る、または感光性化合物と共に酸発生剤として添加し得るカチオン重合開始剤、アニオン重合性化合物と共に添加し得るアニオン重合開始剤等の重合開始剤等を挙げることができる。このようなラジカル重合開始剤およびカチオン重合開始剤等としては、より具体的には、特開2016-176009号公報に記載されるラジカル重合開始剤およびカチオン開始剤等を用いることができる。また、アニオン重合開始剤等としては、より具体的には、特開2017-073389号公報に記載される光アニオン重合開始剤、熱アニオン重合開始剤等を挙げることができる。
その他の成分は、重合開始剤以外にも、着色剤、無機化合物、着色剤および無機化合物等を分散させる分散剤、連鎖移動剤、増感剤、界面活性剤、シランカップリング剤、メラミン等の添加剤を挙げることができる。これら添加剤については、公知の材料を用いることができ、例えば、国際公開第2014/021023号公報に記載のものを用いることができる。
C-4.組成物
本発明の組成物の製造方法としては、上記各成分を分散性よく混合できる方法であれば特に制限はなく、公知の攪拌手段により混合する方法を用いることができる。例えば、樹脂が熱可塑性樹脂である場合には、押出機等を用いて樹脂を可塑化させながら樹脂および修飾粒子を混合する方法を用いることができる。
D.第2組成物
次に、本発明の第2組成物について説明する。
本発明の第2組成物は、粒子に結合した下記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物を有する第2修飾粒子と、樹脂と、ブロック化剤と、を含むものである。
Figure 0007053288000005
ここで、一般式(I)中、Rは、炭素原子数1~8のアルキル基を表し、cは1~10の数であり、aは1~3の数であり、bは0~2の数であり、a+b=3である。
本発明の第2組成物は、第2修飾粒子および樹脂を含み、両者は第2修飾粒子中のイソシアネート基を介して樹脂と結合できるため、優れた強度を発揮する。本発明の第2組成物は、樹脂および本発明の修飾粒子を含む組成物を準備し、得られた組成物に含まれる修飾粒子中のブロックイソシアネート基を脱ブロック化することで容易に製造できる。以下、本発明の第2組成物の各成分について詳細に説明する。
本発明の第2組成物に係る樹脂については、「C.組成物」の項に記載の内容と同様であり、ここでの説明は省略する。また、ブロック化剤については、「A.修飾粒子」の項に記載の内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
D-1.第2修飾粒子
本発明の第2組成物に係る第2修飾粒子は、粒子に結合した一般式(I)で表されるイソシアネート化合物を有するものである。ここで、粒子およびイソシアネート化合物等については、「A.修飾粒子」の項に記載の内容と同様である。第2修飾粒子の平均粒子径についても、「A.修飾粒子」の項に記載の修飾粒子の平均粒子径と同様である。第2修飾粒子の含有量については、「C.組成物」の項に記載の内容である。
第2修飾粒子は、樹脂に結合していることが好ましい。より具体的には、第2修飾粒子は、粒子に結合したイソシアネート化合物由来のイソシアネート基が樹脂中の樹脂結合基と反応して共有結合を形成していることが好ましい。第2組成物は、修飾粒子と樹脂との相溶性に優れ、強度向上効果に優れたものとなるからである。
D-2.第2組成物
本発明の第2組成物は、第2修飾粒子と、樹脂と、ブロック化剤とを含むものであるが、必要に応じてその他の成分を含むものであってもよい。このようなその他の成分については、「C.組成物」の「C-3.その他の成分」の項に記載の内容と同様である。
第2組成物の製造方法としては、上記各成分を含むことができる方法であれば特に制限はない。例えば、「C.組成物」の項に記載の組成物、すなわち、本発明の修飾粒子と、樹脂と、を含む組成物を準備し、かかる組成物を加熱する工程を有するものとすることができる。加熱する工程における加熱温度としては、ブロックイソシアネートに含まれるブロック化剤の脱ブロック温度以上の温度とすることができる。加熱温度としては、例えば、100℃以上400℃以下とすることができ、100℃以上300℃以下であることが好ましい。脱ブロック温度等については、「A.修飾粒子」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。また、第2組成物の用途については、「A.修飾粒子」の項に記載の内容と同様である。
E.修飾粒子の製造方法
次に、本発明の修飾粒子の製造方法について説明する。本発明の修飾粒子の製造方法は、粒子とブロックイソシアネートシランとを結合する結合工程を有しており、このブロックイソシアネートシランが、下記一般式(I)で表されるイソシアネート化合物とブロック化剤との反応物である。
Figure 0007053288000006
ここで、一般式(I)中、Rは、炭素原子数1~8のアルキル基を表し、cは1~10の数であり、aは1~3の数であり、bは0~2の数であり、a+b=3である。
本発明の修飾粒子の製造方法によれば、一般式(I)で表されるブロックイソシアネートシランを用いることにより、分散安定性に優れ、樹脂組成物の強度向上が容易な修飾粒子を容易に得ることができる。以下、本発明の修飾粒子の製造方法の各工程について詳細に説明する。
E-1.結合工程
結合工程は、粒子と、一般式(I)で表されるイソシアネート化合物とブロック化剤との反応物であるブロックイソシアネートシランと、を結合する工程である。本工程において、粒子と上記ブロックイソシアネートシランとを結合させる方法としては、粒子に上記ブロックイソシアネートシランが結合した修飾粒子を得られる方法であればよく、例えば、(i)上記ブロックイソシアネートシランを準備し、上記ブロックイソシアネートシランを粒子に結合する方法(以下、「第1方法」とも称する。)、(ii)粒子に、一般式(I)で表されるイソシアネート化合物を結合させた後、このイソシアネート化合物に由来するイソシアネート基にブロック化剤を反応させる方法(以下、「第2方法」とも称する。)等を挙げることができる。本工程においては、第1方法であることがより好ましい。本発明の修飾粒子を容易に得ることができるからである。
本工程において、予め準備した上記ブロックイソシアネートシランを粒子に結合する方法としては、上記ブロックイソシアネートシランが、粒子と共有結合を介して結合している状態とすることができる方法であれば特に制限はなく、例えば、上記ブロックイソシアネートシランが、粒子に存在する反応性基として水酸基と結合する場合には、粒子の水酸基と上記ブロックイソシアネートシラン中のORとが脱水縮合反応等の結合反応により、共有結合を生成する方法とすることができる。
このような結合方法としては、粒子と上記ブロックイソシアネートシランとを混合する方法とすることができ、より具体的には、上記ブロックイソシアネートシランおよび粒子を溶剤中で混合する方法、上記ブロックイソシアネートシランのアルコキシ基ORを溶剤中で加水分解し、次いで、粒子と混合する方法等を挙げることができる。
溶剤としては、粒子、ブロックイソシアネートシラン等の凝集を抑制可能なものであればよく、例えば、「B.分散液」の項に記載の溶剤と同様とすることができる。また、結合反応は、加水分解触媒の存在下で実施するものであってもよい。加水分解触媒およびその粒子に対する使用量としては、例えば、特開2013-249400号公報等に記載の内容と同様とすることができる。
結合反応時の温度としては、粒子および上記ブロックイソシアネートシランの結合反応を進行可能な温度であればよく、例えば、30℃以上60℃以下程度とすることができる。この結合反応の実施時間としては、結合反応を所望の程度進行可能な時間であればよく、例えば、0.5時間以上144時間以下程度とすることができる。結合反応が、粒子および上記ブロックイソシアネートシランと、溶剤とを含む分散液中で実施される場合、その分散液のpHとしては、5~8の範囲内とすることができる。また、分散液中の固形分濃度としては、結合反応を進行可能なものであれば特に制限はなく、例えば、1質量%以上50質量%以下程度とすることができる。
本工程において、粒子に対して混合される上記ブロックイソシアネートシランの含有量としては、上記ブロックイソシアネートシランによる粒子の被覆率、修飾粒子の用途等に応じて適宜設定されるものである。
なお、本工程における、上記ブロックイソシアネートシラン、粒子等については、「A.修飾粒子」の項に記載の内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明の製造方法は、上述の結合工程を有するものであるが、必要に応じてその他の工程を有するものであってもよい。その他の工程としては、例えば、粒子または結合工程後の修飾粒子(以下、「修飾粒子等」とも称する。)に対して、その他の化合物を結合する工程(以下、「第2結合工程」とも称する。)、結合工程後に、修飾粒子および溶剤を含む分散液中から修飾粒子を回収する固形化工程等を挙げることができる。
第2結合工程は、修飾粒子等に対して、その他の化合物を結合する工程である。その他の化合物としては、例えば、「A.修飾粒子」の項に記載のその他の化合物と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。本工程において、その他の化合物を結合する結合方法としては、「E-1.結合工程」の項に記載の内容と同様である。その他の化合物と修飾粒子等との結合反応時の温度としては、所望量のその他の化合物を修飾粒子等に結合可能なものであればよく、例えば、50℃以上250℃以下とすることができる。本工程の実施回数は、1回に限定されず、2回以上行ってもよい。例えば、本工程は、結合工程、本工程、固形化工程、本工程の順で行うものであってもよい。
固形化工程は、結合工程後に、修飾粒子および溶剤を含む分散液中から修飾粒子を回収する工程である。本工程における回収方法としては、分散液中に分散している修飾粒子を回収して、乾燥状態の修飾粒子を得ることができる方法であれば特に制限はなく、例えば、分散液に対して、塩酸、硝酸等の鉱酸を添加し、修飾粒子を沈殿させた後、水で洗浄し、次いで、乾燥する方法等を挙げることができる。なお、添加する鉱酸は、鉱酸そのものであってもよく、鉱酸水溶液を用いてもよい。鉱酸水溶液の鉱酸濃度としては、修飾粒子を沈殿可能なものであればよく、1質量%以上とすることができ、より具体的には、20質量%以上50質量%以下とすることができる。鉱酸の添加量としては、修飾粒子を沈殿可能なものであればよく、修飾粒子100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下とすることができる。なお、本工程の実施回数は、1回に限定されず、2回以上行ってもよい。
E-3.修飾粒子
本発明の製造法により製造される修飾粒子としては、「A.修飾粒子」の項に記載の内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
F.組成物の製造方法
次に、本発明の組成物の製造方法について説明する。本発明の組成物の製造方法は、上述の組成物に含まれる修飾粒子中のブロックイソシアネート基を脱ブロックする工程を有するものである。
本発明の組成物の製造方法においては、組成物に含まれる修飾粒子中のブロックイソシアネート基を脱ブロックする工程を有するため、より具体的には、樹脂および粒子に所定のブロックイソシアネートシランが結合した修飾粒子を含む組成物を準備し、この組成物に含まれる修飾粒子中のブロックイソシアネート基を脱ブロック化する工程を有するため、優れた強度を有する組成物を得ることができる。
F-1.脱ブロックする工程
脱ブロックする工程は、組成物に含まれる修飾粒子中のブロックイソシアネート基を脱ブロックする工程である。ここで、ブロックイソシアネート基は、イソシアネート基がブロック化剤と反応した基である。このようなブロックイソシアネート基の内容については、「A.修飾粒子」の項に記載の内容と同様とすることができる。また、本工程における組成物については、「C.組成物」の項に記載の内容と同様とすることができる。
本工程において、修飾粒子中のブロックイソシアネート基を脱ブロックする方法としては、ブロックイソシアネートシランからイソシアネート基を再生できることができる方法であればよく、例えば、ブロックイソシアネートに含まれるブロック化剤の脱ブロック温度以上の温度に加熱する方法を挙げることができる。加熱温度等については、「D.第2組成物」の項に記載の内容と同様とすることができる。
本工程の実施タイミングは、本発明の製造方法により得られる組成物の用途等に応じて適宜設定することができ、例えば、樹脂が重合性化合物を含む場合には、重合性化合物の重合前であってもよく、重合性化合物を重合する工程後であってもよい。
F-2.組成物
本発明の製造方法により製造される組成物については、少なくとも第2修飾粒子及び樹脂を含むものであり、必要に応じて、ブロックイソシアネートシランに由来するブロック化剤を含むものであってもよい。
このような組成物の内容については、例えば、「D.第2組成物」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下、製造例、実施例および比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
[製造例1]ブロックイソシアネートシランa-1の合成
四ツ口フラスコ中、窒素雰囲気下で、メチルエチルケトンオキシム500質量部を仕込み、内温を40℃以下に保ち撹拌しながら、3-イソシアナートプロピルトリエトキシシラン200質量部を1時間かけて加え、その後、内温40℃で1時間撹拌した。IRでイソシアネート基のピークが消失したことを確認し、ブロックイソシアネートシランa-1を得た。
[製造例2]ブロックイソシアネートシランa-2の合成
四ツ口フラスコ中、窒素雰囲気下で、3,5-ジメチルピラゾール500質量部を仕込み、内温を40℃以下に保ち撹拌しながら、3-イソシアナートプロピルトリエトキシシラン200質量部を1時間かけて加え、その後、内温40℃で1時間撹拌した。IRでイソシアネート基のピークが消失したことを確認し、プロピレングリコール-1-モノメチルエーテル-2-アセテート(PGMEA)溶液としてブロックイソシアネートシランa-2を得た。
[製造例3]
四ツ口フラスコ中、窒素雰囲気下で、1,1-ビス〔4-(2,3-エポキシプロピルオキシ)フェニル〕インダンの30.0g、アクリル酸7.52g、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール0.080g、テトラブチルアンモニウムクロリド0.183gおよび、PGMEA11.0gを仕込み、90℃で1時間、105℃で1時間および120℃で17時間撹拌した。室温まで冷却し、無水コハク酸8.11g、テトラブチルアンモニウムクロリド0.427gおよびPGMEA11.1gを加えて、100℃で5時間撹拌した。さらに、1,1-ビス〔4-(2,3-エポキシプロピルオキシ)フェニル〕インダン12.0g、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール0.080gおよび、PGMEA0.600gを加えて、90℃で90分、120℃で5時間撹拌後、PGMEA24.0gを加えて、PGMEA溶液として樹脂No.1を得た(Mw=4900、Mn=2250,酸価(固形分)47mg・KOH/g、固形分45.0質量%)。
[実施例1-1]
下記手順により、下記表1、2に記載の配合に従って、修飾粒子等を得た。なお、表1、2に記載の各成分は、後述するシランカップリング剤(A1~A2およびB1~B4)およびシリカ粒子(C1~C2)を用いた。なお、表中の配合量は、各成分の固形分について質量部を表すものである。
(1)準備工程
シリカ粒子C1 100質量部にイソプロパノール60質量部を加え、室温(約25℃)で混合することで、シリカ粒子が液状媒体に分散されてなる分散液を得た。
(2)結合工程
準備工程で得られた分散液に、シランカップリング剤A1を、1.8質量部加え、40℃で72時間混合した。この工程により、シリカ粒子の表面に存在する水酸基をシランカップリング剤で表面処理した。なお、このときシランカップリング剤は、必要な量の水酸基(一部)が表面処理されず残存するように計算した量とした。
(3)第2結合工程(1回目)
結合工程後の混合物に、ヘキサメチルジシラザン3.7質量部を加え、40℃で72時間放置した。この工程によって、シリカ粒子が表面処理され、シリカ粒子(修飾粒子)が得られた。表面処理の進行に伴い、疎水性になったシリカ粒子(修飾粒子)が水およびイソプロパノールの中で安定に存在できなくなり、凝集・沈殿した。
(4)固形化工程
第2結合工程で得られた混合物全量に35%塩酸水溶液を5質量部加え、シリカ粒子(修飾粒子)を沈殿させた。沈殿物をろ紙(アドバンテック社製 5A)で濾過した。濾過残渣(固形分)を純水で洗浄した後に2時間真空乾燥して、表面を乾燥状態にした。
(5)第2結合工程(2回目)
固形化工程により回収された乾燥状態のシリカ粒子(修飾粒子)にヘキサメチルジシラザンを混合した。ヘキサメチルジシラザンの量は粒子の表面に存在するシラノール基に対して過剰量とした。混合後、200℃で2時間加熱を行った。これにより、修飾粒子X1を得た。
[実施例1-2~1-3、比較例1-1~1-4]
シランカップリング剤およびシリカ粒子の種類を下記表1、2に記載の材料に変更した以外は、修飾粒子X1の製造と同様の方法により修飾粒子X2~X3およびY1~Y4を得た。粒子Y01~02は、(2)結合工程、(3)第2結合工程(1回目)および(5)第2結合工程(2回目)を実施しなかった以外は、修飾粒子X1と同様の方法により調製したものである。すなわち、Y01およびY02は、シリカ粒子に対して、修飾処理を行っていないものである。なお、表中の配合量は、各成分の固形分について質量部を表すものである。
(シランカップリング剤)
A1:ブロックイソシアネートシランa-1(上記製造例1で得られたブロックイソシアネートシラン。ブロック化剤がオキシムエステル化合物であるもの。)
A2:ブロックイソシアネートシランa-2(上記製造例2で得られたブロックイソシアネートシラン。ブロック化剤がピラゾール化合物であるもの。)
B1:イソシアネートシラン(信越化学工業社製、KBE-9007)
B2:エポキシシラン(信越化学工業社製、KBE-403)
B3:メタクリルシラン(信越化学工業社製、KBE-503)
B4:アミノシラン(信越化学工業社製、KBE-903)
(シリカ粒子)
C1:スノーテックスOS(日産化学工業株式会社製、水中に分散されており固形分濃度20%)
C2:スノーテックスOL(日産化学工業株式会社製、水中に分散されており固形分濃度20%)
[評価]
<凝集性評価1:粒子径測定>
得られた修飾粒子または粒子(修飾粒子等)について、液状媒体中における凝集性を測定した。詳しくは、得られた修飾粒子等10gとメチルエチルケトン40gとの混合した後、超音波(39kHz、出力500Wにて2分間)で分散させ、測定用サンプルを得た。
得られた測定用サンプルを目視にて観察し、下記基準で評価した。結果を下記表1、2に示す。凝集物が観察されなかった場合には○とし、凝集物が観察された場合には×とした。得られた結果を表1、2に併記する。
次いで、得られた測定用サンプルに含まれる修飾粒子の粒度分布を、粒度分布計(日機装社製マイクロトラックMT3100II)により測定し、粒子の全体積の累積分布を求め、体積の累積分布が50%となる粒子径((D50)、平均粒子径)および体積の累積分布が90%となる粒子径(D90)を測定した。なお、平均粒子径(D50)が未修飾のシリカ粒子の平均粒子径の2倍以下であれば、一次粒子の状態で分散していると判断できる。また、2倍を超える場合または修飾粒子が沈降し測定できない場合には、凝集していると判断できる。
<凝集性評価2:目視観察>
○:凝集物が観察されなかった。
×:凝集物が観察された。
なお、○である場合には、修飾粒子の分散安定性が良好であると判断できる。
Figure 0007053288000007
Figure 0007053288000008
表1、2の凝集性評価の結果から、本発明の修飾粒子は、分散液とした際に、凝集のない一次粒子の状態で分散していることが分かった。このように、本発明の修飾粒子は、分散液とした際に分散安定性に優れることが確認できた。
これに対して、比較例1-1の修飾粒子は、分散液中で、修飾粒子が凝集し、沈降してしまったため、粗粒分布測定装置により粒度分布を測定することができなかった。また、比較例1-1の修飾粒子は、攪拌するだけでは分散せず、攪拌後に発振周波数39kHz、出力500Wで1時間以上超音波照射しても、肉眼で凝集が確認でき、一次粒子にまで分散しなかった。
[実施例2-1~2-3、比較例2-1~2-4]
下記表3、4に記載の配合に従って、修飾粒子等、樹脂(熱可塑性樹脂)を配合して組成物を得た。各成分の混合は、パーカーコーポレーション製の同方向回転二軸押出機(HK-25D(41D))にて、樹脂温度250℃にて混練することで行った。なお、250℃は、ブロック化剤が脱ブロックする温度である。各成分は以下の材料を用いた。なお、表中の配合量は、各成分の固形分について質量部を表すものである。
<修飾粒子等>
X1:修飾粒子(実施例1-1で製造した修飾粒子。シランカップリング剤(ブロックイソシアネートシラン)が、粒子の一部を覆うもの。)
X2:修飾粒子(実施例1-2で製造した修飾粒子。シランカップリング剤(ブロックイソシアネートシラン)が、粒子の一部を覆うもの。)
X3:修飾粒子(実施例1-3で製造した修飾粒子。シランカップリング剤(ブロックイソシアネートシラン)が、粒子の一部を覆うもの。)
Y1:修飾粒子(比較例1-1で製造した修飾粒子。シランカップリング剤が、粒子の一部を覆うもの。)
Y2:修飾粒子(比較例1-2で製造した修飾粒子。シランカップリング剤が、粒子の一部を覆うもの。)
Y3:修飾粒子(比較例1-3で製造した修飾粒子。シランカップリング剤が、粒子の一部を覆うもの。)
Y4:修飾粒子(比較例1-4で製造した修飾粒子。シランカップリング剤が、粒子の一部を覆うもの。)
Y01:粒子(比較例1-5で製造した粒子)
Y02:粒子(比較例1-6で製造した粒子)
<樹脂:熱可塑性樹脂>
D1:ポリアミドイミド樹脂(トーロン ソルベイアドバンスドポリマー、熱可塑性樹脂、2級アミン含有樹脂)
[評価]
実施例および比較例で得られた組成物について、二軸押出機から組成物を吐出した際に、型枠内に流し込み、冷却固化して厚さ1mmのフィルム(評価用サンプル)を得た。この評価用サンプルを用いて、以下の評価を行った。
<1.着色評価>
目視にて評価用サンプルを観察し、以下の基準で判断した。
○:実施例2-1の評価用組成物と比較し、着色の程度が同程度または着色が観察されない。
×:実施例2-1の評価用組成物と比較し、着色が観察される。
なお、○である場合には、樹脂の劣化が抑制されていると判断できる。また、実施例2-1の評価結果は○とした。
<2.触感評価>
触診にて評価用サンプルを評価し、以下の基準で判断した。
○:実施例2-1の評価用組成物と比較し、表面の滑らかさの程度が同程度またはより滑らかで、かつ、表面の硬さの程度が同程度またはより硬い。
×:実施例2-1の評価用組成物と比較し、表面の滑らかさの程度が低く、ざらざらしており、かつ、表面の硬さの程度がより柔らかい。
なお、○である場合には、修飾粒子等が樹脂中に良好に分散し、さらに、修飾粒子が樹脂等と結合することで樹脂組成物の強度が向上していると判断できる。
<3.引張強度評価>
評価用サンプルの引張強度として、以下の方法により引張破壊応力(MPa)を測定した。具体的には、評価用サンプル(フィルム)をJIS K 7162のダンベル形試験片1B形に打ち抜き、JISK7161に準拠し、相対湿度50%、雰囲気温度23℃での環境下、引張試験機を用いて、チャック間距離10mm、引張速度50mm/分で引張破壊応力(MPa)を測定した。また、引張試験機としては、引張試験機(インストロン社製)「5565(型式)」を用いた。
得られた引張強度について、実施例2-1~2-8および比較例2-1~2-11では、実施例2-1を100とした場合の値を下記表3、4に示す。なお、引張強度の数値が高いほど、強度に優れると判断できる。
Figure 0007053288000009
Figure 0007053288000010
表3、4から、実施例の修飾粒子は、それを含む樹脂組成物の引張強度が、比較例より優れることが確認できた。このような結果から、本発明の修飾粒子は、樹脂組成物の強度向上が可能であることが確認できた。また、表3、4から、実施例の修飾粒子は、それを含む樹脂組成物の触感評価の結果が、比較例より良好であることが確認できた。
より具体的には、触感評価において表面の硬さが硬いことで、実施例の修飾粒子は、樹脂組成物の強度向上が可能であることが確認できた。また、触感評価において表面の滑らかさが優れることで、本発明の修飾粒子は、樹脂組成物中での分散安定性に優れたものとなることが確認できた。そして、このような樹脂組成物の強度向上効果等により、本発明の修飾粒子は、外観がよく寸法精度の優れた樹脂組成物が作成可能となることが確認できた。さらに、表3、4から、実施例の修飾粒子は、それを含む樹脂組成物の着色性評価の結果が、比較例より良好であることが確認できた。この結果から、例えば、本発明の修飾粒子を含むことで樹脂組成物の加熱時の劣化が抑制できることが確認できた。
[実施例3-1~3-3、比較例3-1~3-4]
下記表5~7に記載の配合に従って、粒子または修飾粒子、樹脂、重合開始剤を配合して組成物を得た。各成分は以下の材料を用いた。また、表中の粒子X1~3、Y01~02、Y1~5は、上記実施例2-1等と同様の内容を示すものである。なお、表中の配合量は、各成分の固形分について質量部を表すものである。
(樹脂;酸価を有する重合性化合物)
E1:ラジカル重合性化合物((昭和電工社製リポキシSPC-1000 固形分29質量%PGMEA溶液)、水酸基およびカルボキシル基含有樹脂)
E2:製造例3で製造した樹脂No.1(水酸基およびカルボキシル基含有樹脂)
(樹脂;酸価を有しない重合性化合物)
F1:ラジカル重合性化合物(東亜合成社製アロニックスM-450(ペンタエリスリトールトリおよびテトラアクリレート3~4の混合物、多官能化合物)
F2:ラジカル重合性化合物(新中村化学工業社製NKオリゴEA-1020(ビスフェノールA型エポキシアクリレート)、水酸基含有樹脂)
F3:カチオン重合性化合物(株式会社ADEKA社製EP-4100E(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)エポキシ基含有樹脂、硬化後に水酸基含有樹脂)
<重合開始剤>
G1:下記式(G1)で表される化合物(オキシムエステル系光ラジカル重合開始剤)
G2:ADEKA社製SP-171(スルホニウム塩系光カチオン重合開始剤)
Figure 0007053288000011
[評価]
実施例および比較例で得られた組成物について、ガラス基板上にスピンコート(500rpm、10秒間)し、乾燥後(プリベーク後)の膜厚が10μmとなる塗膜を形成した。次いで、塗膜に対して、ホットプレートを用いて、90℃で90秒間プリベークを行い、光源として高圧水銀ランプを用いて露光(300mJ/cm)し、硬化物を得た。次いで、オーブンを用いて、230℃で30分ポストベークを行い、ガラス基板から塗膜を剥離することで評価用サンプルを得た。なお、230℃は、ブロック化剤が脱ブロックする温度である。この評価用サンプルを用いて、評価基準を実施例3-1とした以外は、実施例2-1等と同様に、着色評価、触感評価、引張強度の評価を行った。結果を下記表5~7に示す。
Figure 0007053288000012
Figure 0007053288000013
Figure 0007053288000014
表5~7から、実施例の修飾粒子は、それを含む樹脂組成物の引張強度が、比較例より優れることが確認できた。このような結果から、本発明の修飾粒子は、樹脂組成物の強度向上が可能であることが確認できた。
また、表5~7から、実施例の修飾粒子は、それを含む樹脂組成物の触感評価の結果が、比較例より良好であることが確認できた。より具体的には、触感評価において表面の硬さが硬いことで、本発明の修飾粒子は、樹脂組成物の強度向上が可能であることが確認できた。
さらに、触感評価において表面の滑らかさが優れることで、本発明の修飾粒子は、樹脂組成物中での分散安定性に優れたものとなることが確認できた。
さらにまた、表5~7から、実施例の修飾粒子は、それを含む樹脂組成物の着色性評価の結果が、比較例より良好であることが確認できた。この結果から、例えば、本発明の修飾粒子を含むことで樹脂組成物の加熱時の劣化が抑制できることが確認できた。
[実施例4-1]
押出機での加熱温度を80℃とした以外は、実施例2-1と同様にして組成物を調製し、引張強度の評価を行った。なお、100℃は、ブロック化剤が脱ブロックする温度未満の温度である。その結果、実施例2-1の評価結果100に対して、実施例4-1の評価結果は、60であった。この結果より、実施例2-1の樹脂組成物の強度向上は、修飾粒子中のブロックイソシアネート基の脱ブロックにより達成していることが確認できた。

Claims (10)

  1. 粒子に結合したブロックイソシアネートシランを有する修飾粒子であって、
    前記ブロックイソシアネートシランが、下記一般式(I)、
    Figure 0007053288000015
    (一般式(I)中、Rは、炭素原子数1~8のアルキル基を表し、cは1~10の数であり、aは1~3の数であり、bは0~2の数であり、a+b=3である。)で表されるイソシアネート化合物と、ブロック化剤と、の反応物であり、
    さらに、前記ブロックイソシアネートシラン以外のシランカップリング剤またはシラザン化合物と結合していることを特徴とする修飾粒子。
  2. 前記粒子が、シリカ粒子である請求項1記載の修飾粒子。
  3. 前記ブロック化剤が、オキシム化合物またはピラゾール化合物である請求項1または2記載記載の修飾粒子。
  4. 請求項1~のうちいずれかの一項記載の修飾粒子と、溶剤と、を含むことを特徴とする分散液。
  5. 請求項1~のうちいずれか一項記載の修飾粒子と、樹脂と、を含むことを特徴とする組成物。
  6. 粒子に結合した下記一般式(I)、
    Figure 0007053288000016
    (一般式(I)中、Rは、炭素原子数1~8のアルキル基を表し、cは1~10の数であり、aは1~3の数であり、bは0~2の数であり、a+b=3である。)で表されるイソシアネート化合物を有する修飾粒子と、樹脂と、ブロック化剤と、を含み、
    さらに、前記修飾粒子が、前記ブロックイソシアネートシラン以外のシランカップリング剤またはシラザン化合物と結合していることを特徴とする組成物。
  7. 粒子と、ブロックイソシアネートシランと、を結合する結合工程を有し、
    前記ブロックイソシアネートシランが、下記一般式(I)、
    Figure 0007053288000017
    (一般式(I)中、Rは、炭素原子数1~8のアルキル基を表し、cは1~10の数であり、aは1~3の数であり、bは0~2の数であり、a+b=3である。)で表されるイソシアネート化合物と、ブロック化剤と、の反応物であり、
    さらに、前記粒子に、前記ブロックイソシアネートシラン以外のシランカップリング剤またはシラザン化合物と結合させる他の結合工程を含むことを特徴とする修飾粒子の製造方法。
  8. 前記粒子が、シリカ粒子である請求項記載の修飾粒子の製造方法。
  9. 前記ブロック化剤が、オキシム化合物またはピラゾール化合物である請求項7または8記載の修飾粒子の製造方法。
  10. 請求項記載の組成物に含まれる前記修飾粒子中のブロックイソシアネート基を脱ブロックする工程を有することを特徴とする組成物の製造方法。
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