JP7052738B2 - 車両用押出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載されて、作動時に、保護対象物を受け止めるために押し出される押出部を待機位置から押出位置まで移動させる車両用押出装置に、関する。
従来、車両用押出装置としては、フードパネルの後端側における下面側に配置されて、作動時に、フードパネルを跳ね上げる構成のものが、あった(例えば、特許文献1参照)。この車両用押出装置では、作動時にフードパネルを押し上げる押出部としてのピストンロッドを有するアクチュエータが、取付ブラケットを用いて、車両のボディ側に取り付けられる構成であり、取付ブラケットは、円筒状のアクチュエータの周囲を覆うように配置されてアクチュエータを保持する略断面U字形状の保持部と、保持部の両端から延びる取付片部と、を有し、この取付片部を、ボルトを用いてボディ側に取り付けることにより、アクチュエータを押えた保持部をボディ側に押しつけて、アクチュエータをボディ側に取り付ける構成であった。
特開2009-179266公報
しかし、従来の車両用押出装置では、取付ブラケットは、断面略U字形状の保持部によって、アクチュエータを保持する構成であることから、組付誤差等の発生時に、アクチュエータと保持部との間に隙間が生ずれば、車両走行時等に、アクチュエータがぶれて異音が発生する虞れがあった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、アクチュエータを、安定して取付ブラケットに固定することが可能な車両用押出装置を提供することを目的とする。
本発明に係る車両用押出装置は、車両に搭載されて、作動時に、保護対象物を受け止めるために押し出される押出部を待機位置から押出位置まで移動させる車両用押出装置であって、
作動時に作動用ガスを発生させるガス発生器と、ガス発生器を収納して保持するインナ部材と、ガス発生器から発生する作動用ガスに押圧されてインナ部材から離れるように相対的に前進移動する押圧部としてのアウタ部材と、を有するアクチュエータと、
インナ部材を保持して、車両のボディ側部材に取り付ける取付ブラケットと、
インナ部材を取付ブラケットに保持させるためのボルトと、
を備える構成とされ、
ボルトが、ねじ棒部と、ねじ棒部の元部側において拡径して形成される頭部と、を有し、
取付ブラケットが、弾性変形可能な板金製として、
ボディ側部材に取り付けられる取付片部と、
インナ部材をアウタ部材の移動方向と直交する両側から挟むように、対向して配置される2つの対向片と、
を、備える構成とされ、
インナ部材が、アウタ部材の移動方向と直交する方向に沿わせるようにしてねじ棒部を挿通可能な貫通孔を、備え、
各対向片が、貫通孔に対応した位置に、ねじ棒部を挿入可能な開口を、配設させる構成とされ、
ねじ棒部の先端側に配置される一方の対向片に形成される開口側に、ねじ棒部を締結可能とするねじ孔部が、形成され、
貫通孔に挿入された状態のねじ棒部を、ねじ孔部に締結させる際に、対向する各対向片側において、ねじ孔部の周縁部位と、頭部側の部位と、が、インナ部材の外周面に当接されて、インナ部材を挟持するように構成されていることを特徴とする。
本発明の車両用押出装置では、車両のボディ側部材に取り付けられる取付ブラケットが、アクチュエータのインナ部材を2つの対向片の間に配置させた状態で、インナ部材を貫通させたボルトのねじ棒部を、一方の対向片に形成されるねじ孔部に締結させることにより、インナ部材を保持させる構成である。このとき、ねじ孔部の周縁部位と、頭部側の部位と、が、ねじ棒部のねじ孔部への締結に伴って対向片を弾性変形しつつ、インナ部材の外周面に当接されて、インナ部材を挟持する構成であることから、インナ部材を、ガタツキの発生を抑制して、安定して取付ブラケットに保持させることができる。
したがって、本発明の車両用押出装置では、アクチュエータを、安定してブラケットに固定することができる。
また、本発明の車両用押出装置において、貫通孔を、アウタ部材の移動方向に沿った方向側で、インナ部材に、2個並設させる構成とすれば、ねじ棒部のねじ孔部への締結作業時に、インナ部材の相対的な回転を抑制することができ、締結作業が容易となって、好ましい。
ねじ孔部としては、対向片と別体からなるナットを配設してもよく、また、対向片と一体的に、形成する構成としてもよい。また、貫通孔を軸方向に沿った2箇所に設ける場合、ねじ孔部として、対向片と別体からなる二穴ナットを使用することもできる。
本発明の一実施形態であるフード跳ね上げ装置の搭載状態を示す車両の概略斜視図である。 フード跳ね上げ装置を搭載した車両の概略縦断面図である。 フード跳ね上げ装置の作動時を示す車両の概略縦断面図である。 実施形態のフード跳ね上げ装置を示す概略分解斜視図である。 フード跳ね上げ装置に使用されるアクチュエータの左右方向に沿った方向側での縦断面図である。 図5のアクチュエータの作動状態を示す左右方向に沿った方向側での縦断面図である。 図5のアクチュエータの前後方向に沿った方向側での縦断面図である。 図5のアクチュエータの作動状態を示す前後方向に沿った方向側での縦断面図である。 実施形態のフード跳ね上げ装置において、取付ブラケットによるアクチュエータの保持状態を示す概略縦断面図である。 実施形態のフード跳ね上げ装置において、取付ブラケットによるアクチュエータの保持状態を示す概略横断面図である。 実施形態のフード跳ね上げ装置において、取付ブラケットの二穴ナットへのボルトの締結を示す概略拡大横断面図である。 他の形態の取付ブラケットを示す部分拡大縦断面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態では、車両用押出装置として、車両Vにおけるフードパネル10の後端10c側の下面側に配置されるフード跳ね上げ装置U(以下、単に「跳ね上げ装置」と省略する)を、例に採り説明をする。この跳ね上げ装置Uは、作動時に、保護対象物としての歩行者の頭部を受け止めるために、押出部としてのフードパネル10の後端10c側を跳ね上げる(待機位置から押出位置まで移動させる)構成である。詳細には、実施形態の跳ね上げ装置Uは、図1に示すように、車両Vにおけるフードパネル10の後端10c側の左縁10d付近と右縁10e付近とに配置されるもので、それぞれ、アクチュエータ21と、アクチュエータ21におけるインナ部材25を車両Vのボディ側部材1としてのフードリッジリインホース2に設けられる取付座2bに取り付ける取付ブラケット50と、インナ部材25を取付ブラケット50に保持させるためのボルト65と、を備える構成とされている。
なお、本明細書では、特に断らない限り、前後と上下と左右の方向は、それぞれ、車両V(図1参照)の前後と上下と左右の方向に一致させている。実施形態では、右側に配置される跳ね上げ装置Uについて、説明をする。左側に配置される跳ね上げ装置Uは、右側の跳ね上げ装置Uと左右対称的に配設されるのみであることから、詳細な説明を省略する。
また、車両Vのフロントバンパ5には、図1に示すように、歩行者との衝突を検知若しくは予測可能なセンサ6が、配設されている。そして、センサ6からの信号を入力させている図示しない制御回路が、センサ6からの信号に基づいて車両Vと歩行者との衝突を検知した際に、アクチュエータ21におけるガス発生器23の図示しない火薬を点火させ、作動用ガスGを発生させることにより、アクチュエータ21を作動させて、図3に示すように跳ね上げ装置Uを作動させる構成とされている。
フードパネル10は、図1に示すように、車両Vにおけるエンジンルームの上方を覆うように配設されるもので、左縁10d側と右縁10e側とにおける後端10c付近に配置されるヒンジ機構11により、車両Vの車体(ボディ側部材1)側に対して、前開きで開閉可能に連結されている。フードパネル10は、アルミニウム合金等からなる板金製として、上面側のアウタパネル10aと、下面側のインナパネル10bと、から構成されている(図2参照)。フードパネル10は、歩行者を受け止めた際に、塑性変形して歩行者の運動エネルギーを吸収可能に構成されている。そして、実施形態では、車両Vと歩行者との衝突時に、アクチュエータ21が作動されると、フードパネル10の後端10cが、待機位置から押出位置まで移動させるように、押し上げられることとなり、図3に示すように、押出位置に移動した(上昇移動した)フードパネル10の後端10cと、エンジンルームと、の間に、変形スペースSを形成できる。そのため、アクチュエータ21の作動により、フードパネル10の曲げ塑性変形時の塑性変形量を増大させることができて、押出部としてのフードパネル10は、保護対象物としての歩行者の運動エネルギーを多く吸収できることができ、保護対象物としての歩行者を円滑に受け止めることができる。
ヒンジ機構11は、フードパネル10の後端10c側における左縁10dと右縁10eとに配設され(図1参照)、それぞれ、図2に示すように、ボディ側部材1であるフードリッジリインホース2に連結された取付座2aに固定されるヒンジベース12と、フードパネル10側に固定されるヒンジアーム14と、を備えて構成されている。各ヒンジアーム14は、板金製のアングル材を下向きに突出させるように略半円弧状に湾曲させた形状として構成されている。そして、ヒンジアーム14において、ヒンジベース12側の元部端14aが、支持軸13を利用してヒンジベース12に対して回動可能に連結されている。また、各ヒンジアーム14は、元部端14aから離れる先端14b側に、先端14bから前後方向に略沿うように延びる連結板部15を備え、この連結板部15が、フードパネル10の後端10cにおける下面側に、溶接等を利用して結合されている。実施形態では、連結板部15は、前部側の下面を、上昇時のアウタ部材40の上端の押上頭部42を当接させる受け座16としている。
各支持軸13は、軸方向を、車両Vの左右方向(車幅方向)に沿わせるように配設されている。この支持軸13は、フードパネル10を前開きで開く際の回転中心となる。この前開き時におけるフードパネル10の前端10fの上昇移動時には、ヒンジアーム14の先端14b側も、上昇移動することとなる。また、ヒンジアーム14は、先端14b付近に形成される切欠凹部14cの周囲の部位を塑性変形させることにより、アクチュエータ21の作動時に、フードパネル10の後端10cの上昇移動を可能としている。なお、フードパネル10の前端10f側には、図示しない公知のフードロック機構が配設されており、このフードロック機構により、フードパネル10の後端10cの上昇移動時にも、フードパネル10の前端10fは、ボディ側から外れない構成とされている。
フードパネル10の後方には、図2,3に示すように、ボディ側部材1である剛性の高いカウルパネル7aと、カウルパネル7aの上方に配置される合成樹脂製のカウルルーバ7bと、からなるカウル7が、配設されている。カウルルーバ7bは、後端側をフロントウィンドシールド3の下部3aに連ならせるように配設されている。また、フロントウィンドシールド3の左右には、図1に示すように、フロントピラー4,4が、配設されている。
アクチュエータ21は、図5~8に示すように、作動時に作動用ガスを発生させるガス発生器23と、ガス発生器23を収納して保持する略円柱状のインナ部材25と、ガス発生器23から発生する作動用ガスに押圧されてインナ部材25から離れるように相対的に前進移動(実施形態の場合、上昇移動)する押圧部としてのアウタ部材40と、を備えている。なお、アウタ部材40は、インナ部材25の軸方向に沿って前進移動(上昇移動)する構成である。
ガス発生器23としては、作動時に、図示しない所定の火薬を点火させて、火薬自体の燃焼により、あるいは、さらに火薬を着火されるガス発生剤の燃焼により、作動用ガスGを発生させるスクイブやマイクロガスジェネレータ等が使用されている。ガス発生器23において、作動用ガスを吐出する先端23aから離れた元部23b側には、図示しない制御回路からの点火電気信号を入力させるリード線23cが、接続されている。また、このガス発生器23は、リード線23cを突出させた状態で、ポリアミド樹脂等からなる合成樹脂製の樹脂部37と一体的に成形されて、この樹脂部37ごと、後述するインナケース26内に収納される構成である。樹脂部37の元部端側には、インナケース26に形成される貫通孔28に対応した位置に、ボルト65のねじ棒部66を挿通可能な挿通孔37aが、形成されている(図5,7,9,10参照)。
インナ部材25は、略円筒状の鋼等からなる金属製のインナケース26と、ガス発生器23を保持させる上述した樹脂部37と、を備えている。インナケース26は、先端26a側に、作動用ガスを流出させるための円形の開口(開口端27)を有し、開口端27から元部26b側にかけての領域で、ガス発生器23を収納保持する構成とされるとともに、元部26b側を、取付ブラケット50を用いて、車両のボディ側部材1であるフードリッジリインホース2の取付座2bに取り付けられる構成である。インナケース26の元部26b側には、インナ部材25を取付ブラケット50に保持させるためのボルト65のねじ棒部66を挿通可能な貫通孔28が、形成されている。この貫通孔28は、インナケース26の軸方向と略直交するように(アウタ部材40の移動方向と直交する方向に沿うように)、インナケース26を前後方向に略沿って貫通して、形成されるもので(図10参照)、実施形態の場合、図7~9に示すように、インナケース26の軸方向(上下方向)側(アウタ部材40の移動方向に沿った方向側)で、2個並設されている。この貫通孔28は、内径寸法を、ボルト65のねじ棒部66のみを挿通可能で、ボルト65における後述する頭部67の小径部69を挿通不能な寸法に、設定されている。
また、インナケース26における開口端27側における外周面側には、外方に突出する突出部30が形成されている。この突出部30には、外周側から溝状に凹む凹部30aが、全周にわたって形成され、この凹部30aに、アウタ部材40の前進移動時のガスシール性を確保するためのゴム製の円環状のシール材31が、嵌め込まれている。さらに、インナケース26の内周面と樹脂部37との間には、ガス発生器23側の気密性を確保するためのゴム製の円環状のパッキン32が、配設されている。さらにまた、インナケース26の外周面には、アウタ部材40の先端40a側の端縁の内周に圧接されて、アウタ部材40の内部の防水性とゴミの侵入防止とを図る円環状のゴム製のパッキン33が、配設されている。
さらに、インナ部材25における元部26b付近となるインナケース26の外周面には、非作動時におけるアクチュエータ21の伸長防止用の係止部35が、固着されている。この係止部35は、塑性変形可能な板金製として、アクチュエータ21の非作動状態では、アウタ部材40側に係止され、ガス発生器23の作動時に、アウタ部材40に押圧されて塑性変形し、係止状態を解除されて、アウタ部材40の前進移動を許容することとなる(図5,6参照)。
押出部としてのアウタ部材40は、図5~8に示すように、鋼等の金属製として、インナ部材25(インナケース26)の先端26a側の開口端27を覆う天井壁部41と、天井壁部41の外周縁からインナ部材25の外周側を覆うように延びる略円筒状の周壁部44と、を備えて構成されている。周壁部44は、ガス発生器23の配置位置を超えて、インナケース26(インナ部材25)における貫通孔28付近の部位までの外周側を覆うように、構成されている。アウタ部材40の上端側となる天井壁部41には、上昇移動時に、フードパネル10の下面側に配置される受け座16と当接されて、フードパネル10の後端側を押し上げ可能な押上頭部42が、外形形状を略円柱状として、形成されている。周壁部44において、天井壁部41から離れた先端部44a(下端側)の内周面側には、ロック材46が、形成されている。この周壁部44の内周面は、インナ部材25(インナケース26)の外周面側に設けられるシール材31と摺動可能として、アウタ部材40を、ガスシール性を確保して前進移動できるように、構成されている。
ロック材46は、塑性変形可能な鋼等の金属製の略円筒状部材として、天井壁部41側となる先端部46aを、先狭まりのテーパ状として構成されている(図5,7参照)。このロック材46は、アウタ部材40の前進移動後に、先端部46aを、インナケース26の開口端27近傍に形成される突出部30に当接させて塑性変形させることにより、アウタ部材40のさらなる上昇を規制し、また、塑性変形後の先端部46aを、突出部30の元部側においてインナケース26の外周面を僅かに凹ませるように形成される環状溝34に係止させることにより、アウタ部材40の後退移動も規制する構成とされている(図6,8参照)。
取付ブラケット50は、弾性変形可能な板金製とされるもので、図4に示すように、インナ部材25を保持する保持部51と、保持部51から延びてボディ側部材1としての取付座2bに取り付けられる取付片部60(60F,60R)と、を備えている。
保持部51は、インナ部材25の元部端側の外周側の周囲を囲むように配置されるもので、詳細には、上下方向側(インナ部材25の軸方向側)から見て、右方側を開口させた略コ字形状とされている(図4,10参照)。そして、保持部51において、前後で対向するように配置される前壁部52と後壁部56とが、インナ部材25をアウタ部材40の移動方向(上下方向)と直交する前後両側から挟むように対向して配置される2つの対向片を、構成している。後壁部56には、インナ部材25(インナケース26)に形成される貫通孔28に対応した位置に、ボルト65のねじ棒部66を挿入可能な開口57が、形成されている。開口57は、貫通孔28に対応して、上下方向側で2箇所に、形成されている。実施形態の場合、開口57は、ボルト65における頭部67の小径部69を挿通可能に構成されるもので、インナケース26に形成される貫通孔28よりもわずかに大径とされている(図9,10参照)。さらに詳細には、この開口57は、頭部67における後述する大径部68を挿通不能な寸法に、設定されている。ねじ棒部66の先端66a側に配置される前壁部52には、ねじ棒部66を締結するねじ孔部として、前壁部52と別体の二穴ナット54が、配設されている。実施形態の場合、二穴ナット54は、図4,9に示すように、2つのねじ孔54a,54aを、貫通孔28に対応して、上下方向側で並設させるように配設されるもので、前縁側に、全周にわたって外方に突出するフランジ部54bを配設させている。そして、このねじ孔部としての二穴ナット54は、フランジ部54bを、前壁部52に形成される開口53の周縁に当接させるようにして、前壁部52に形成される開口53に挿通させた状態で、開口53の周縁に、溶接により固着されている。この二穴ナット54は、前壁部52よりも後方に突出するように、配設されている。
この対向片としての前壁部52と後壁部56とは、離隔距離を、ボルト65を開口57及びインナケース26の貫通孔28(樹脂部37の挿通孔37a)に挿通させて二穴ナット54のねじ孔54aに締結させる際に、前壁部52における開口53の周縁部位53aと、後壁部56における開口57の周縁部位57aとを、弾性変形可能として、かつ、この弾性変形時に、二穴ナット54の後面54cと、ボルト65における後述する頭部67の小径部69の先端側面69a(ねじ棒部66側の面)と、を、インナケース26における貫通孔28周縁の外周面に当接可能な寸法に、設定されている(図11のB参照)。また、前壁部52と後壁部56との間の離隔距離は、アクチュエータ21の取付ブラケット50への取付作業時に、インナ部材25(インナケース26)を、円滑に、二穴ナット54と後壁部56との間に挿入可能な寸法に、設定されている。
取付片部60(60F,60R)は、前壁部52及び後壁部56の右端側から、それぞれ、相互に離隔するように前後方向に沿って延びるように形成されている(図4,7,8参照)。各取付片部60F,60Rは、ボディ側部材としての取付座2bに沿うように、前後方向に略沿って配置される板状として構成されるもので、前側に配設される取付片部60Fには、取付座2bに固定させるためのボルト72を挿通可能な取付孔60aが、3箇所に、形成され、後側に配設される取付片部60Rには、取付座2bに固定させるためのボルト72を挿通可能な取付孔60aが、2箇所に、形成されている(図4,7参照)。
インナ部材25を取付ブラケット50に保持させるためのボルト65は、図4,9,10に示すように、ねじ棒部66と、ねじ棒部66の元部66a側において拡径して形成される頭部67と、を有する構成とされている。頭部67は、実施形態の場合、ねじ棒部66側の小径部69と元部端側の大径部68と、を有して段差を有するように、形成されている。そして、このボルト65は、小径部69の先端側面69aをインナケース26における貫通孔28の周縁に当接させ、大径部68の先端側面68aを後壁部56に形成される開口57の周縁部位57aに当接させるようにして、ねじ棒部66を、前壁部52に固着されている二穴ナット54のねじ孔54aに締結される(図9,10参照)。
実施形態の跳ね上げ装置Uでは、センサ6からの信号により、図示しない作動回路が、車両Vと歩行者との衝突を検知若しくは予測した際に、アクチュエータ21のガス発生器23が作動されることとなり、発生した作動用ガスGが、押出部としてのアウタ部材40を押し上げることとなる。アウタ部材40の上端側に配設される押上頭部42が、上面を、ヒンジアーム14の連結板部15から構成される受け座16に当接させて、図3に示すように、押出部としてのフードパネル10の後端10cを、エンジンルームとの間の隙間(変形スペースS)を広げるように上昇させることとなる。
そして、実施形態の跳ね上げ装置Uでは、車両Vのボディ側部材としての取付座2bに取り付けられる取付ブラケット50が、アクチュエータ21のインナ部材25を2つの対向片としての前壁部52と後壁部56との間に配置させた状態で、インナ部材25を貫通させたボルト65のねじ棒部66を、前壁部52に形成されるねじ孔部としての二穴ナット54に締結させることにより、インナ部材25を保持させる構成である。このとき、ねじ孔部の周縁部位(実施形態の場合、二穴ナット54の後面54c)と、頭部側の部位(実施形態の場合、小径部69における先端側面69a)と、が、図11のBに示すように、ねじ棒部66の二穴ナット54への締結に伴って前壁部52,後壁部56を弾性変形しつつ、インナ部材25におけるインナケース26の外周面26c(貫通孔28の周縁部位)に当接されて、インナ部材25を挟持する構成であることから、前壁部52と後壁部56とを座金のように使用して、インナ部材25を、ガタツキの発生を抑制して、安定して取付ブラケット50に保持させることができる。
したがって、実施形態の跳ね上げ装置Uでは、アクチュエータ21を、安定して取付ブラケット50に固定することができる。
また、実施形態の跳ね上げ装置Uでは、ボルト65のねじ棒部66を挿通可能な貫通孔28が、アウタ部材40の移動方向に沿った方向側(上下方向側)で、インナ部材25に、2個並設されていることから、ねじ棒部66の二穴ナット54への締結作業時に、インナ部材25の相対的な回転(前壁部52,後壁部56の対向面に沿った回転)を抑制することができ、締結作業が容易である。なお、このような点を考慮しなければ、貫通孔は、1個だけ配設させる構成としてもよい。
なお、実施形態では、ねじ孔部として、取付ブラケット50の前壁部52と別体からなる二穴ナット54を、溶接によって前壁部52に固着させている構成であるが、図12に示す取付ブラケット50Aのように、バーリング加工等によって、前壁部52Aにねじ孔部75を一体的に形成する構成としてもよい。
さらに具体的には、実施形態の跳ね上げ装置Uでは、インナ部材25を取付ブラケット50に保持させるためのボルト65として、頭部67に段差を有した段付きボルトを使用しており、取付ブラケット50の後壁部56に形成される開口57は、頭部67における小径部69を挿入可能な構成とされている。そして、実施形態の跳ね上げ装置Uでは、ねじ棒部66の二穴ナット54への締結時に、前壁部52において二穴ナット54を固着させている開口53の周縁部位53aと、後壁部56において小径部69を挿通させている開口57の周縁部位57aと、が、図11に示すように、弾性変形されるようにして、二穴ナット54の後面54cと、小径部69の先端側面69aと、が、インナケース26の外周面における貫通孔28の周縁部位に当接されて、この二穴ナット54と、二穴ナット54に締結されるボルト65の小径部69(頭部67)と、により、インナ部材25(インナケース26)が、挟持されることとなる。そのため、インナ部材25を取付ブラケット50に強固に保持させることができる。なお、インナ部材25の外周面との当接部位は、実施形態に限られるものではなく、弾性変形した対向片(前壁部,後壁部)自体を、インナ部材の外周面に当接させるように、構成してもよい。勿論、インナ部材を安定して保持させるためには、実施形態のごとく、ボルトの頭部とねじ孔部とによって、インナ部材を挟持させることが望ましい。
なお、実施形態では、押出部としてのフードパネル10の後端10c側を跳ね上げる跳ね上げ装置Uを、例に採り説明したが、本発明の車両用押出装置は、実施形態の跳ね上げ装置に限定されるものではない。例えば、フードパネルの後端のみならず、フードパネルの四隅を押し上げるように、フードパネルの四隅に配置される跳ね上げ装置に、本発明を適用してもよく、また、車室内におけるシートに着座した乗員の膝の前方に配置される膝受け止めパネルを、乗員の膝に向かって繰り出すための押出装置や、シートにおけるヘッドレスト内に収納されてヘッドレストを押し出すための押出装置等にも、本発明は適用可能である。
1…ボディ側部材、2…フードリッジリインホース、2b…取付座、10…フードパネル(押出部)、21…アクチュエータ、23…ガス発生器、25…インナ部材、28…貫通孔、40…アウタ部材(押圧部)、50,50A…取付ブラケット、52,52A…前壁部(対向片)、53…開口、53a…周縁部位、54…二穴ナット(ねじ孔部)、54c…後面、56…後壁部(対向片)、57…開口、57a…周縁部位、60(60F,60R)…取付片部、65…ボルト、66…ねじ棒部、67…頭部、68…大径部、68a…先端側面、69…小径部、69a…先端側面、72…ボルト、75…ねじ孔部、G…作動用ガス、V…車両、U…フード跳ね上げ装置(車両用押出装置)。

Claims (6)

  1. 車両に搭載されて、作動時に、保護対象物を受け止めるために押し出される押出部を待機位置から押出位置まで移動させる車両用押出装置であって、
    作動時に作動用ガスを発生させるガス発生器と、該ガス発生器を収納して保持するインナ部材と、前記ガス発生器から発生する作動用ガスに押圧されて前記インナ部材から離れるように相対的に前進移動する前記押圧部としてのアウタ部材と、を有するアクチュエータと、
    前記インナ部材を保持して、前記車両のボディ側部材に取り付ける取付ブラケットと、
    前記インナ部材を前記取付ブラケットに保持させるためのボルトと、
    を備える構成とされ、
    前記ボルトが、ねじ棒部と、該ねじ棒部の元部側において拡径して形成される頭部と、を有し、
    前記取付ブラケットが、弾性変形可能な板金製として、
    前記ボディ側部材に取り付けられる取付片部と、
    前記インナ部材を前記アウタ部材の移動方向と直交する両側から挟むように、対向して配置される2つの対向片と、
    を、備える構成とされ、
    前記インナ部材が、前記アウタ部材の移動方向と直交する方向に沿わせるようにして前記ねじ棒部を挿通可能な貫通孔を、備え、
    前記各対向片が、前記貫通孔に対応した位置に、前記ねじ棒部を挿入可能な開口を、配設させる構成とされ、
    前記ねじ棒部の先端側に配置される一方の前記対向片に形成される開口側に、前記ねじ棒部を締結可能とするねじ孔部が、形成され、
    前記貫通孔に挿入された状態の前記ねじ棒部を、前記ねじ孔部に締結させる際に、対向する前記各対向片側において、前記ねじ孔部の周縁部位と、前記頭部側の部位と、が、前記インナ部材の外周面に当接されて、前記インナ部材を挟持するように構成されていることを特徴とする車両用押出装置。
  2. 前記貫通孔が、前記アウタ部材の移動方向に沿った方向側で、前記インナ部材に、2個並設されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用押出装置。
  3. 前記ねじ孔部が、前記対向片と別体からなるナットを、配設させて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用押出装置。
  4. 前記ねじ孔部が、前記対向片と別体からなる二穴ナットを、配設させて構成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用押出装置。
  5. 前記ねじ棒部の前記ねじ孔部への締結時に、前記二穴ナットと前記ボルトにおける前記頭部とが、前記インナ部材の外周面に当接されて、前記インナ部材を挟持する構成であることを特徴とする請求項4に記載の車両用押出装置。
  6. 前記ねじ孔部が、一方の前記対向片と一体的に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用押出装置。
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